JP2023073276A - 可搬式の煙検知装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本願第1発明は、監視区域内を移動しながら監視区域内の空気を、サンプリング孔を介して吸引し、吸引した空気中に含まれる煙を検出して煙の発生位置を特定する可搬式の煙検知装置であって、
煙の検知感度を切替え制御する感度切替制御部を備え、
感度切替制御部は、動作開始時は、監視区域の煙を検知する固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか又はそれよりも高い煙の検知感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、固定式の煙検知装置が煙の発生を検知した後に監視区域内を移動しながら煙の発生位置を特定するのに使用される際には、初期感度から作業が開始され、煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、煙の検知感度の切替えが機能する状態にすることを特徴とする。
感度切替制御部は、所定の煙検知信号を検出したときに、煙の検知感度を手動で切替える機能、又は、煙の検知感度を自動で切替える機能の、少なくとも一方を備える。
感度切替制御部は、
煙の検知感度を手動で切替える手動感度切替機能と、
煙の検知感度を自動で切替える自動感度切替機能と、
手動感度切替機能又は自動感度切替機能を選択する選択手段と
を備え、
動作開始時および選択手段による選択時は、感度切替制御部は、監視区域の煙を検知する固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか又はそれよりも高い煙の検知感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、選択手段により選択されている手動感度切替機能又は自動感度切替機能が機能する状態にする。
感度切替制御部は、
煙の検知感度を自動で切替える自動感度切替機能と、
自動感度切替機能により自動で切替えられた感度をリセットするリセット手段と
を備え、
動作開始時およびリセット手段によるリセット時は、感度切替制御部は監視区域の煙を検知する固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか又はそれよりも高い煙の検知感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、自動感度切替機能が機能する状態にする。
感度切替制御部は、
煙の検知感度を自動で切替える自動感度切替機能と、
煙の検知感度を手動で切替える手動感度切替機能と、
を備え、
動作開始時は、感度切替制御部は、監視区域の煙を検知する固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか又はそれよりも高い煙の検知感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、自動感度切替機能及び手動感度切替機能が機能する状態とし、このとき、手動感度切替が行われたときには、感度切替制御部は、手動感度切替機能により切替えられた煙の検知感度を初期感度として煙の検知感度を自動で切替える。
本発明は、監視区域の煙を検知する固定式の煙検知装置が煙の発生を検知した後に、可搬式の煙検知装置を利用して監視区域内を移動しながら監視区域内の空気をサンプリング孔を介して吸引し、吸引した空気中に含まれる煙を検出して煙の発生位置を特定する煙発生位置の特定方法であって、
可搬式の煙検知装置は、煙の検知感度が切替え可能であり、動作開始時は、固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか又はそれよりも高い煙の検知感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、煙の発生位置を特定するのに使用される際には、初期感度から作業が開始され、監視区域を移動しながら煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、煙の検知感度の切替えが機能する状態になり、煙の検知感度を切替えながら煙の発生位置を特定することを特徴とする。
本願第2発明は、監視区域内を移動しながら監視区域内の空気を、サンプリング孔を介して吸引し、吸引した空気中に含まれる煙を検出して煙の発生位置を特定する可搬式の煙検知装置であって、
検知した煙濃度の変化に応じて、音及び/又は振動で報知を行う報知手段を備えたことを特徴とする。
報知手段は、検知した煙濃度の変化に応じて音及び/又は振動の出力形態を変化させる。
報知手段は、検知した煙濃度の変化傾向に応じて音及び/又は振動の出力形態を異ならせる。
報知手段は、検知した煙濃度の所定の変化傾向として上昇、停滞、下降のうち、少なくとも上昇傾向を音及び/又は振動により識別可能とする。
報知手段は、
所定音及び/又は所定振動の出力周期を変化させるものであり、
検知した煙濃度が上昇するときは、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の短周期とするか、又は、煙濃度の上昇に応じて周期を短くさせ、
煙濃度が低下するときは、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の長周期とするか、又は、煙濃度の下降傾向に応じて周期を長くさせ、
煙濃度変化が停滞傾向である場合は、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の短周期と所定の長周期の間の所定周期とするか又は所定周期に固定して変化させない。
報知手段は、
所定の繰り返し周期毎に所定音及び/又は所定振動の出力デューティを変化させるものであり、
検知した煙濃度が上昇するときは、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを所定の最大出力デューティとするか、又は、煙濃度の上昇に応じて出力デューティを増加させ、
煙濃度が低下するときは、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを所定の最小出力デューティとするか、又は、煙濃度の下降に応じて出力デューティを減少させ、
煙濃度変化が停滞傾向である場合は、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを最大出力デューティと最小出力デューティの間の所定の出力デューティとするか又は所定出力デューティに固定して変化させない。
本願第3発明は、
監視区域に配置され、サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知する固定式の煙検知装置に於いて、
サンプリング管のサンプリング孔の所定数毎に対応して設けられた開閉弁と、
サンプリング管により吸引する空気量を略一定に保つように開閉弁を開閉制御する開閉弁制御部と、
サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知したときに、開閉弁制御部による開閉弁の制御状態に基づいて煙発生位置を特定する煙検知制御部と、
が設けられたことを特徴とする。
開閉弁制御部は、開閉弁を所定台数ごとに、所定の順番に従い所定時間開駆動し、残りの開閉弁は閉駆動する制御を順次繰り返し、
煙検知制御部は、煙を検知したときに開駆動している開閉弁に対応した位置を煙発生位置に特定する。
複数の開閉弁を開駆動する開駆動時間は、開閉弁から吸引された空気がサンプリング管を介して煙検知装置本体に到達するまでの時間に基づいて設定される。
開閉弁制御部は、開閉弁を所定台数ごとに、所定の順番に従い所定時間閉駆動し、残りの開閉弁は開駆動する制御を順次繰り返し、
煙検知制御部は、煙を検知している状態から煙を検知しない状態へ変化したときに、閉駆動している開閉弁に対応した位置を煙発生位置に特定する。
複数の開閉弁を閉駆動する閉駆動時間は、開閉弁から吸引された空気がサンプリング管を介して煙検知装置本体に到達するまでの時間に基づいて設定される。
また、開閉制御する開閉弁の所定台数は、順次繰り返す制御回に応じて個別に設定される。
本願第4発明は、固定式の煙検知装置で監視区域内の煙発生区画を特定し、その後に可搬式の煙検知装置を用いて当該煙発生区画内の煙発生位置を特定することを特徴とする。
また、本願第4発明の別の形態にあっては、固定式の煙検知装置で煙発生区画を特定し、当該煙発生区画において可搬式の煙検知装置を用いて煙発生位置を特定する煙発生位置の特定方法に於いて、
可搬式の煙検知装置を用いて火災発生位置を特定する場合に、固定式の煙検知装置の煙検知感度よりも高い感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、煙発生区画内を移動しながら煙の発生位置を特定するのに使用される際には、初期感度から作業が開始され、煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、煙の検知感度の切替えが機能する状態となり、続いて、煙の検知感度を下げることにより、煙の発生位置を絞り込んで特定することを特徴とする。
固定式の煙検知装置は、警戒区域に配置されたサンプリング管のサンプリング孔の所定数毎に対応して設けられた開閉弁を、サンプリング管により吸引する空気量を略一定に保つように開閉制御し、サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知したときに、開閉弁の制御状態に基づいて煙発生区画を特定する。
固定式の煙検知装置は、開閉弁の配置位置に設けられた表示により、特定した煙発生区画を報知する。
固定式の煙検知装置は、警戒区域に配置されたサンプリング管の吸引位置毎に、吸引した空気中に含まれる煙を検知する煙検知器が設けられ、煙検知器のID情報に基づいて煙発生区画を特定する。
本発明の可搬式の煙検知装置及び煙発生位置の特定方法によれば、監視区域を移動しながら煙の発生位置を特定する作業を始める場合、可搬式の煙検知装置における煙の検知感度は、必ず、固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか、又は、高い煙の検知感度を初期感度として始めるようにしたため、切替操作に係る作業開始時の感度設定ミスを防止し、従来のように始めから低感度とすることで狭い検知範囲にして作業を始めて煙の発生位置を見逃してしまうことがなく、監視区域を移動しながら煙の発生位置を特定する作業が迅速且つ効率良く、また確実に行えることを可能とする。
本願第2発明は、監視区域内を移動しながら監視区域内の空気を、サンプリング孔を介して吸引し、吸引した空気中に含まれる煙を検出して煙の発生位置を特定する可搬式の煙検知装置であって、検知した煙濃度の変化に応じて、音及び/又は振動で報知を行う報知手段を備えたため、監視区域を移動しながら煙の発生位置を特定する作業を始める場合、作業者は煙濃度表示器を見なくとも煙濃度の変化を音及び/又は振動による報知で知ることができ、音及び/又は振動による報知から煙濃度の上昇する方向を探索しながら移動することで、効率良く煙発生位置を絞り込んで特定することができる。
また、報知手段は、検知した煙濃度の変化に応じて音及び/又は振動の出力形態を変化させるようにしたため、作業者は、警戒区域を移動しながら報知される音及び/又は振動から煙の濃度の変化をリアルタイムで認識しながら、効率良く煙発生位置を絞り込んで特定することができる。
また、報知手段は、検知した煙濃度の変化傾向に応じて音及び/又は振動を出力形態を異ならせるようにしたため、作業者は、音及び/又は振動による報知で、煙濃度の下降傾向を知ったときはその方向から離れるように移動し、また、煙濃度の上昇傾向を知ったときはその傾向を示す方向に向かうように移動することで、効率良く煙発生位置を絞り込んで特定することができる。
報知手段は、検知した煙濃度の所定の変化傾向として上昇、停滞、下降のうち、少なくとも上昇傾向を音及び/又は振動により識別可能とするようにしたため、作業者は、音及び/又は振動による報知で、少なくとも煙濃度の上昇傾向を知ってその方向に向かうように移動することで、効率良く煙発生位置を絞り込んで特定することができる。
また、報知手段は、所定音及び/又は所定振動の出力周期を変化させるものであり、検知した煙濃度が上昇するときは、音及び/又は振動の出力周期を所定の短周期とするか、又は、煙濃度の上昇に応じて周期を短くさせ、煙濃度が低下するときは、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の長周期とするか、又は、煙濃度の下降傾向に応じて周期を長くさせ、煙濃度変化が停滞傾向である場合は、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の短周期と所定の長周期の間の所定周期とするか又は所定周期に固定して変化させないようにしたため、作業者は警戒区域を移動しながら報知される所定音及び又は所定振動の出力周期の長短から煙の濃度の上昇、停滞、又は下降といった変化状況をリアルタイムで認識しながら、効率良く煙発生位置を絞り込んで特定することができる。
また、報知手段は、所定の繰り返し周期毎に所定音及び/又は所定振動の出力デューティを変化させるものであり、検知した煙濃度が上昇するときは、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを所定の最大出力デューティとするか、又は、煙濃度の上昇に応じて出力デューティを増加させ、煙濃度が低下するときは、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを所定の最小出力デューティとするか、又は、煙濃度の下降に応じて出力デューティを減少させ、煙濃度変化が停滞傾向である場合は、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを最大出力デューティと最小出力デューティの間の所定の出力デューティとするか又は所定出力デューティに固定して変化させないようにしたため、例作業者は警戒区域を移動しながら報知される所定音又は所定振動の出力デューティの変化から煙濃度の上昇、停滞、又は下降といった変化状況をリアルタイムで認識しながら、効率良く煙発生位置を絞り込んで特定することができる。
本発明は、監視区域に配置され、サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知する固定式の煙検知装置に於いて、サンプリング管のサンプリング孔の所定数毎に対応して設けられた開閉弁と、サンプリング管により吸引する空気量を略一定に保つように開閉弁を開閉制御する開閉弁制御部と、サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知したときに、開閉弁制御部による開閉弁の制御状態に基づいて煙発生位置を特定する煙検知制御部とが設けられたため、煙が検知されたときに、サンプリング管により吸引する空気量を略一定に保つように開閉制御している複数の開閉弁の制御状態に基づき煙発生位置が特定され、これを報知することで、肉眼では確認できない煙であっても、煙発生位置に存在する対象機器を調べることで、煙を発生している機器を特定して適切に対処することができる。
また、開閉弁制御部は、開閉弁を所定台数ごとに、所定の順番に従い所定時間開駆動し、残りの開閉弁は閉駆動する制御を繰り返し、煙検知制御部は、煙を検知したときに開駆動している開閉弁に対応した位置を煙発生位置に特定するようにしたため、常時閉鎖している複数の開閉弁を順番に所定時間開駆動して閉じる開閉制御を繰り返すことで、煙発生位置に近い開閉弁を一定時間開駆動したときに煙が検知され、煙が検知された時に開駆動している開閉弁から煙発生位置を特定して報知できる。
また、複数の開閉弁を開駆動する開駆動時間は、開閉弁から吸引された空気がサンプリング管を介して煙検知装置本体に到達するまでの時間に基づいて設定されるようにしたため、開閉弁を開いて閉じるまでの間に、開駆動した開閉弁から吸引された空気は確実に煙検知装置本体に到達して煙の有無が検知できる。
また、開閉弁制御部は、開閉弁を所定台数ごとに、所定の順番に従い所定時間閉駆動し、残りの開閉弁は開駆動する制御を順次繰り返し、煙検知制御部は、煙を検知した状態から煙を検知しない状態へ変化したときに、閉駆動している開閉弁に対応した位置を煙発生位置に特定するようにしたため、常時開放している複数の開閉弁を順番に所定時間閉駆動して閉じる開閉制御を繰り返すことで、煙発生位置に近い開閉弁を一定時間閉駆動したときに煙の検知が断たれることで、煙を検知しない状態へ変化したときに、閉駆動している開閉弁から煙発生位置を特定して報知できる。
また、複数の開閉弁を閉駆動する閉駆動時間は、開閉弁から吸引された空気がサンプリング管を介して煙検知装置本体に到達するまでの時間に基づいて設定されたため、開閉弁を閉じて開くまでの間に、開閉弁から吸引されていた検知されている煙を含む空気が煙検知装置本体に届かなくなり、煙検知が確実に断たれることで煙発生位置を特定することができる。
また、開閉制御する開閉弁の所定台数は、順次繰り返す制御回に応じて個別に設定されるようにしたため、設備設置状況、警戒区域の環境やサンプリング孔の位置等に応じて吸引条件を最適に保つことができる。
本願第4発明は、固定式の煙検知装置で監視区域内の煙発生区画を特定し、その後に可搬式の煙検知装置を用いて当該煙発生区画内の煙発生位置を特定するようにしたため、固定式の煙検知装置によって監視区域内の所定の煙発生区画が特定され、当該区画内又はその近傍から可搬式の煙検知装置を使用して煙発生位置が特定できるので、煙発生位置の特定作業が効率良くされる。
本願の第4発明の別の形態にあっては、固定式の煙検知装置で煙発生区画を特定し、当該煙発生区画において可搬式の煙検知装置を用いて煙発生位置を特定する煙発生位置の特定方法に於いて、可搬式の煙検知装置を用いて火災発生位置を特定する場合に、固定式の煙検知装置の煙検知感度よりも高い感度を初期感度とし、このとき煙の検知感度の切替えは機能せず、煙発生区画内を移動しながら煙の発生位置を特定するのに使用される際には、初期感度から作業が開始され、煙の発生位置を特定するための使用中に、所定の煙検知信号を検出したときに、煙の検知感度の切替えが機能する状態となり、続いて、煙の検知感度を下げることにより、煙の発生位置を絞り込んで特定するようにしたため、固定式の煙検知装置で煙発生区画が特定されたときに、可搬式の煙検知装置により特定された煙発生区画を移動しながら煙の発生位置を特定する作業を始める場合、可搬式の煙検知装置における煙の検知感度は、必ず、固定式の煙検知装置における煙の検知感度と同じか、又は、高い煙の検知感度を初期感度として始めることで、切替操作に係る作業開始時の感度設定ミスを防止し、従来のように始めから低感度として作業を始めることで煙の発生位置を見逃してしまうことがなく、監視区域を移動しながら煙の発生位置を特定する作業が迅速且つ効率良く、また確実に行えることを可能とする。
また、固定式の煙検知装置は、サンプリング管のサンプリング孔の所定数毎に対応して設けられた開閉弁と、サンプリング管により吸引する空気量を略一定に保つように開閉弁を開閉制御する開閉弁制御部と、サンプリング管を介して吸引した空気中に含まれる煙を検知したときに、開閉弁制御部による開閉弁の制御状態に基づいて煙発生位置を特定する煙検知制御部とが設けられたため、煙が検知されたときに、サンプリング管により吸引する空気量を略一定に保つように開閉制御している複数の開閉弁の制御状態に基づき煙発生位置が特定され、これを報知することで、肉眼では確認できない煙であっても、煙発生位置に存在する対象機器を調べることで、煙を発生している機器を特定して適切に対処することができる。
また、固定式の煙検知装置は、開閉弁の配置位置に設けられた表示により、特定した煙発生区画を報知するようにしたため、開閉弁に設けられた表示灯が点灯又は点滅して特定した煙検知区画を示すことから、広い警戒区域であっても煙発生区画がどこかを簡単且つ容易に知って、可搬式の煙検知装置により煙発生位置を絞り込む作業を開始できる。
また、固定式の煙検知装置は、警戒区域に配置されたサンプリング管の吸引位置毎に、吸引した空気中に含まれる煙を検知する煙検知器が設けられ、煙検知器のID情報に基づいて煙発生区画を特定するようにしたため、複数の煙検知器を設けることで設備コストは増加するが、サンプリング管により空気を吸引するという簡単な制御による煙検知器の煙感知により確実に煙発生区画を特定することができる。
(実施形態の基本的概念)
図1は可搬式の煙検知装置の実施形態を示した説明図、図2は可搬式の煙検知装置本体に設けた操作表示部を取り出して示した説明図、図3は煙の検知感度を切替操作する可搬式の煙検知装置本体の機能構成を示したブロック図である。
図1乃至図3に基づいて、本発明による可搬式の煙検知装置の実施形態を説明する。
図5及び図6に基づき、煙の検知感度の自動切替えと手動切替えを選択可能とした可搬式の煙検知装置本体の他の実施形態を説明する。
図5及び図6に示した可搬式の煙検知装置の他の実施形態として、感度切替制御部42は、煙の検知感度の手動切替えと自動切替えの適宜の組み合わせにより、煙発生位置を特定する作業を効率良く進めることができる。
図5に示した感度切替制御部42に自動感度切替機能44が設けられ可搬式の煙検知装置の他の実施形態として、感度切替操作部26に更にリセット手段として機能するリセットスイッチを設ける。
図5に示した感度切替制御部42に手動感度切替機能43と自動感度切替機能44が設けられた可搬式の煙検知装置の他の実施形態として、自動感度切替機能44における初期感度の切替えに手動感度切替機能43による手動感度切替えを組み合わせる。
図5及び図6の実施形態は、煙の検知感度を手動又は自動で切替えるようにしているが、煙の検知感度の自動切替えのみとしても良い。自動感度切替機能44による感度切替えは煙に対する感受性を切替えるものであって、上記以外に各種の方法を含む。例えば、アンプのゲインでなく、煙検知信号レベルに対する閾値(作動閾値等)を切替えるようにしても良いし、受光パルスのカウント閾値を切替えるようにしても良い。更には、煙検知ユニットにおける発光源の駆動電流など発光条件を切替えても良い。また、これらを組み合わせても良い。また、これらを適宜組み合わせても良い。
(実施形態の基本的概念)
図7は本願第2発明に係る可搬式煙検知装置の実施形態を示した説明図、図8は煙濃度の変化を音により報知する可搬式煙検知装置本体の機能構成を示したブロック図、図9は煙濃度の下降と増加に対応したブザー音の出力パターンを示したタイムチャート、図10は煙濃度の変化を振動により報知する可搬式煙検知装置本体の機能構成を示したブロック図である。
本実施形態の可搬式の煙検知装置10は、図7(A)に示すように、持ち運び自在な可搬式煙検知装置本体12に対しサンプリング管14を着脱自在に設けており、サンプリング管14のホルダ部14cには煙濃度をバーグラフにより表示する煙濃度表示器60が設 けられている。なお、煙濃度表示器60はバーグラフ表示以外に、煙濃度を数値表示するか、 又は指示計で指針表示、または数値表示しても良い。
可搬式煙検知装置本体12には、図8に示すように、制御部30、煙検知ユニット32、吸引ユニット34、電池電源部36、電源スイッチ20、感度切替操作部26、警報表示部28が設けられ、これらの構成及び機能は、図3に示した実施形態と同じになる。
可搬式煙検知装置本体12の煙検知制御部40は、煙検知ユニット32から出力された煙濃度検知信号の煙の濃度の変化に応じてサンプリング管14側に設けた音響報知部70から音を変化させる制御を行う。煙濃度変化は移動平均処理等に基づいて判定しても良い。
(制御A1) 検知した煙濃度が上昇するときは(所定の上昇傾向であるときは)、音の出力周期を所定の短周期とするか、又は、煙濃度の上昇に応じて出力周期を短くさせる。(制御A2) 検知した煙濃度が下降するときは(所定の下降傾向であるときは)、音の出力周期を所定の長周期とするか、又は、煙濃度の下降傾向に応じて出力周期を長くさせる。
(制御A3) 検知した煙濃度変化が所定の停滞傾向である場合は、音の出力周期を所定の長周期と所定の短周期波の間の所定周期とするか又は所定周期に固定して変化させない。
(制御B1) 検知した煙濃度が上昇するときは、ブサー音の出力デューティを所定の最大出力デューティとするか、又は、煙濃度の上昇に応じてブサー音の出力デューティを増加させる。
(制御B2) 検知した煙濃度が下降するときは、ブザー音の出力デューティを所定の最小出力デューティとするか、又は、煙濃度の下降に応じてブサー音の出力デューティを減少させる。
(制御B3) 検知した煙濃度変化が停滞傾向である場合は、ブサー音の出力デューティを所定の最大出力デューティと所定の最小出力デューティの間の所定の出力デューティに固定するか又は所定の出力デューティに固定して変化させない。
図10に示す実施形態にあっては、可搬式煙検知装置本体12にホースにより連結されるサンプリング管14側には、例えば圧電振動体等を備えた振動報知部72が設けられる。
(制御C1) 検知した煙濃度が上昇するときは(所定の上昇傾向であるときは)、振動の出力周期を所定の短周期とするか、又は、煙濃度の上昇に応じて出力周期を短くさせる。
(制御C2) 検知した煙濃度が下降するときは(所定の下降傾向であるときは)、振動の出力周期を所定の長周期とするか、又は、煙濃度の下降傾向に応じて出力周期を長くさせる。
(制御C3) 検知した煙濃度変化が所定の停滞傾向である場合は、振動の出力周期を所定の長周期と所定の短周期波の間の所定周期とするか又は所定周期に固定して変化させない。なお、変化させる振動の出力周期は、作業者がサンプリング管14のホルダ部14cを手にもった状態で感知できる例えば十数Hz以下の周波数範囲に対応した出力周期とする。
(制御D1) 検知した煙濃度が上昇するときは、振動の出力デューティを所定の最大出力デューティとするか、又は、煙濃度の上昇に応じて振動の出力デューティを増加させる。
(制御D2) 検知した煙濃度が下降するときは、振動の出力デューティを所定の最小出力デューティとするか、又は、煙濃度の下降に応じて振動の出力デューティを減少させる。
(制御D3) 検知した煙濃度変化が停滞傾向である場合は、振動の出力デューティを所定の最大出力デューティと所定の最小出力デューティの間の所定の出力デューティに固定するか又は所定の出力デューティに固定して変化させない。
(煙検知装置の実施形態の基本的概念]
図11は本願第3発明となる固定式の煙検知装置の実施形態を示した説明図、図12は煙を検知して煙発生位置を特定する煙検知装置本体の機能構成を示したブロック図である。
図11に示すように、サーバラック124が配置されたコンピュータルーム122等の監視区域には、本実施形態による固定式の煙検知装置100が設置される。固定式の煙検知装置100は、壁面に固定された固定式煙検知装置本体112と監視区域に敷設されたサンプリング管114で構成される。
図12に示すように、固定式煙検知装置本体112は、制御部130、煙検知ユニット132、吸引ユニット134、開閉弁駆動部136、操作部138、警報表示部140及び伝送部142を備える。
図14のフローチャートに基づき、図11の制御部130による煙検知制御を説明する。図14に示すように、固定式煙検知装置本体112の制御部130は、ステップS1でサンプリング管114に設けた開閉弁16-1~16-8のアドレスAi及び開駆動時間Tiを、最初に開駆動する例えば開閉弁16-1のアドレスA1と開駆動時間T1に初期化している。
次に、開閉弁の順次閉駆動に基づき煙発生位置を特定する煙検知装置の他の実施形態を説明する。
図16のフローチャートに基づき、図14の制御部130による開閉弁の順次閉制御に伴う煙検知制御を説明する。
図13のタイムチャートに示した開閉弁の開駆動により煙発生位置を特定する開駆動制御と、図15のタイムチャートに示した開閉弁の閉駆動により煙発生位置を特定する閉駆動制御は、開閉弁の制御に係る電力等を考慮してどちらかを選択することができる。また、装置側で開駆動制御と閉駆動制御の選択を可能としても良い。
上記の実施形態は、常時閉鎖型又は常時開放型の開閉弁として電磁弁を使用しているが、モータ駆動により開閉される電動弁としても良い。開閉弁として電動弁を使用した場合には、サンプリング孔の開閉が時間的に緩やかに行われることで、サンプリング管による一定の吸引量の変動が抑制され、開閉弁を開閉しても安定した吸引が可能となる。
図17は固定式煙検知装置と可搬式煙検知装置を用いて煙発生位置を特定する煙発生位置の特定方法の実施形態を示した説明図である。
図17に示す固定式の煙検知装置10は、図11に示したと同じであり、開閉弁116-1~116-8に煙発生区画を表示するための表示灯15が設けられている点で相違する。開閉弁116-1~116-8に対しては固定式煙検知装置本体112から点線で示すように個別に信号線(制御線)120が接続されており、固定式煙検知装置本体112の制御により、開閉弁116-1~116-8を個別に開閉駆動でき、また、特定された煙発生区画を示すために表示灯150を点灯又は点滅するようにしている。また、可搬式の煙検知装置10は、図7及び図8の実施形態と同じものである。
図17に基づいて、本実施形態の煙発生位置の特定方法による作業を説明すると次のようになる。
本願第4発明による煙発生位置の特定方法に使用する固定式の煙検知装置100としては、図17のサンプリング管114に設けた開閉弁116-1~116-8に代えて、光電式の煙検知器を設けるようにしても良い。
10:可搬式の煙検知装置
12:煙検知装置本体
14:サンプリング管
14b:サンプリング孔
16:ホース接続口
18:ハンドル
20:電源スイッチ
22:操作表示部
24:警報表示部
26:感度切替操作部
26a~26d:感度切替釦
30:制御部
32:煙検知ユニット
34:吸引ユニット
36:電池電源部
40:煙検知制御部
42:感度切替制御部
43:手動感度切替機能
44:自動感度切替機能
48:手動感度切替釦
50:自動感度切替釦
(2018-074-1)
60:煙濃度表示器
62:音響孔
64,66:伝送部
70:音響報知部
72:振動報知部
(2018-052)
100:固定式の煙検知装置
112:固定式煙検知装置本体
114:サンプリング管
116-1~116-8:開閉弁
120:信号線
122:コンピュータルーム
124:サーバラック
126:監視室
128:超高感度煙監視盤
130:制御部
132:煙検知ユニット
134:吸引ユニット
136:開閉弁駆動部
138:操作部
140:警報表示部
142:伝送部
144:煙検知制御部
146:開閉弁制御部
(2018-074-2)
150:表示灯
Claims (6)
- 監視区域内を移動しながら前記監視区域内の空気を、サンプリング孔を介して吸引し、吸引した空気中に含まれる煙を検出して煙の発生位置を特定する可搬式の煙検知装置であって、
検知した煙濃度の変化に応じて、音及び/又は振動で報知を行う報知手段を備えたことを特徴とする可搬式の煙検知装置。
- 請求項1記載の可搬式の煙検知装置に於いて、
前記報知手段は、検知した煙濃度の変化に応じて音及び/又は振動の出力形態を変化させることを特徴とする可搬式の煙検知装置。
- 請求項1記載の可搬式の煙検知装置に於いて、
前記報知手段は、検知した煙濃度の変化傾向に応じて音及び/又は振動の出力形態を異ならせることを特徴とする可搬式の煙検知装置。
- 請求項3記載の可搬式の煙検知装置に於いて、
前記報知手段は、前記検知した煙濃度の所定の変化傾向として上昇、停滞、下降のうち、少なくとも上昇傾向を音及び/又は振動により識別可能とすることを特徴とする可搬式の煙検知装置。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の可搬式の煙検知装置に於いて、
前記報知手段は、
所定音及び/又は所定振動の出力周期を変化させるものであり、
検知した煙濃度が上昇するときは、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の短周期とするか、又は、煙濃度の上昇に応じて出力周期を短くさせ、
煙濃度が低下するときは、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の長周期とするか、又は、煙濃度の下降傾向に応じて出力周期を長くさせ、
煙濃度変化が停滞傾向である場合は、所定音及び/又は所定振動の出力周期を所定の短周期と所定の長周期の間の所定周期とするか又は所定周期に固定して変化させないことを特徴とする可搬式の煙検知装置。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の可搬式の煙検知装置に於いて、
前記報知手段は、
所定の繰り返し周期毎に所定音及び/又は所定振動の出力デューティを変化させるものであり、
検知した煙濃度が上昇するときは、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを所定の最大出力デューティとするか、又は、煙濃度の上昇に応じて出力デューティを増加させ、
煙濃度が低下するときは、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを所定の最小出力デューティとするか、又は、煙濃度の下降に応じて出力デューティを減少させ、
煙濃度変化が停滞傾向である場合は、所定音及び/又は所定振動の出力デューティを最大出力デューティと最小出力デューティの間の所定の出力デューティとするか又は所定出力デューティに固定して変化させないことを特徴とする可搬式の煙検知装置。
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