本発明は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子組成物を用いて過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を処置する方法であって、mTOR経路と関連する1または複数のバイオマーカーのレベルおよび/または変異状態が、処置について個体を選択する根拠として使用される方法を提供する。本明細書に記載されるバイオマーカーのいずれか1つまたは組合せの配列、発現レベル、リン酸化、および/または活性レベルの異常は、mTOR経路の過剰活性化(以下「mTOR活性化性異常」と呼ぶ)と関連し、ナノ粒子組成物を伴う処置に対する個体の応答と相関する。
一態様では、mTOR活性化性異常を有する個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。
別の態様では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。
別の態様では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について個体を選択する(特定することを含む)方法であって、mTOR活性化性異常を評価するステップを含む、方法が提供される。
同様に、記載の方法に有用な、組成物(例えば、医薬組成物)、薬剤、キットおよび単位投与量も提供される。
定義
本明細書で用いられる「処置」または「処置すること」とは、臨床的な結果を含めた有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果に、以下:疾患から結果として生じる1またはそれより多くの症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の増悪を予防するかまたは遅延させること)、疾患の拡大(例えば、転移)を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発を予防するかまたは遅延させること、疾患の進行を遅延させるかまたは緩徐にすること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)をもたらすこと、疾患を処置するのに必要とされる1またはそれより多くの他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、および/または生存を延長することのうちの1または複数が含まれるがこれらに限定されない。同様に、「処置」とは、過形成、例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症の病理学的帰結の低下が包含される。本発明の方法は、処置のこれらの態様のうちの任意の1または複数を企図する。
用語「個体」は、哺乳動物を指し、それには、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。
本明細書で用いられる「危険性がある」個体とは、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を発症する危険性がある個体である。「危険性がある」個体は、検出可能な疾患を有する場合もあり、有さない場合もあり、本明細書に記載される処置法の前に、検出可能な疾患を示している場合もあり、示していない場合もある。「危険性がある」とは、個体が1またはそれより多くのいわゆる危険因子を有することを意味し、これらは、本明細書に記載の過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の発症と相関する測定可能なパラメーターである。これらの危険因子のうちの1または複数を有する個体は、これらの危険因子(複数可)を伴わない個体よりも高い、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を発症する可能性がある。
「補助の状況(adjuvant setting)」とは、個体が、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の既往歴を有し、個体に治療が全般的に応答性である(しかし、必ずしもそうである必要はない)臨床状況を指し、これには、手術(例えば、手術による切除)、放射線療法、および化学療法が含まれるがこれらに限定されない。しかし、彼らの過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の既往歴のために、これらの個体は、疾患を発症する危険性があると考えられる。「補助の状況」における処置または投与は、後続の処置方式を指す。危険性の程度(例えば、補助の状況にある個体が「高危険性」または「低危険性」とみなされる場合の)は、複数の因子に依存し、最初に処置された時における疾患の程度に依存することが最も通常である。
「新補助療法の状況(neoadjuvant setting)」とは、方法を、主要/根治的(definitive)治療の前に実施する臨床状況を指す。
本明細書で用いられる、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の発症を「遅延させること」とは、がんの発症を延期するか、阻害するか、緩徐化するか、遅滞させるか、安定化させるか、かつ/または遅らせることを意味する。この遅延は、疾患の既往歴および/または処置される個体に応じて、様々な長さの時間でありうる。当業者に明らかである通り、十分な遅延または顕著な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で、予防を包含しうる。過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の発症を「遅延させる」方法とは、所与の時間枠における疾患発症の可能性を低減し、かつ/またはこの方法を用いない場合と比較して、所与の時間枠内で疾患の程度を軽減する方法である。このような比較は、統計学的に有意な数の被験体を用いる臨床試験に基づくことが典型的である。過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の発症は、コンピュータ断層撮影法(CATスキャン)、磁気共鳴画像診断法(MRI)、腹部超音波法、凝血検査、動脈造影法または生検が含まれるがこれらに限定されない標準的な方法を用いて検出することができる。発症とは、初期において検出されず、発生、再発および発病(onset)を含む過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の進行を指す場合がある。
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、その症状のうちの1または複数を改善するか、緩和するか、軽減するか、かつ/または遅延させるなど、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な量の化合物または組成物を指す。治療上の使用では、有益なまたは所望の結果には、例えば、疾患の合併症および疾患の発生中に提示される病理学的中間表現型を含めた疾患から生じる1もしくは複数の症状(生化学的、組織学的および/または行動学的)の低減、疾患に罹患しているヒトのクオリティオブライフの向上、疾患の処置に必要な他の薬物療法の用量の低減、別の薬物療法の効果の増強、疾患の進行の遅延、ならびに/または患者の生存期間の延長が含まれる。過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)について、有効量は、過形成性組織(例えば、腫瘍)を縮小させ、かつ/もしくは過形成性組織の増殖速度を減少させる(過形成または腫瘍の増殖を抑制するなど)か、または過形成における望ましくない他の細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量が、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量が、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、単回または複数回投与で投与することができる。癌の場合、薬物または組成物の有効量は、(i)腫瘍細胞の数を低下させること、(ii)腫瘍サイズを縮小すること、(iii)末梢器官への腫瘍細胞の浸潤をある程度、阻害する、遅らせる、減速させる、好ましくは停止させること、(iv)腫瘍転移を阻害すること(すなわち、ある程度まで減速させ、好ましくは停止させること)、(v)腫瘍増殖を阻害すること、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防または遅延させること、および/または(vii)がんと関連する症状の1または複数をある程度、軽減することができる。
本明細書で用いられる用語「同時投与」は、併用治療における第1の治療と第2の治療が、約15分、例えば、約10分、約5分または約1分のうちのいずれかを超えない時間を離して投与されることを意味する。第1および第2の治療が同時に投与される場合、第1の治療と第2の治療は、同一の組成物(例えば、第1の治療と第2の治療の両方を含む組成物)中に、または別個の組成物中に含まれてもよい(例えば、第1の治療がある組成物中に、第2の治療が別の組成物中に含まれる)。
本明細書で用いられる用語「逐次投与」は、併用治療における第1の治療および第2の治療が、約15分、例えば、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分またはそれより長い時間のいずれかを超える時間を離して投与されることを意味する。第1の治療または第2の治療のいずれかが、最初に投与されてもよい。第1の治療および第2の治療は、別個の組成物中に含まれ、それらは、同一もしくは異なるパッケージまたはキット中に含まれてもよい。
本明細書で用いられる用語「同時発生的投与」は、併用治療における第1の治療の投与と第2の治療の投与が、互いに重なることを意味する。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性の」とは、生物学的でも他の点でも望ましい材料を意味し、例えば、材料は、あらゆる顕著に望ましくない生物学的作用を引き起こさず、またはそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかとも有害な様式で相互作用もせずに、患者に投与される医薬組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、好ましくは、毒性試験および製造試験の要求基準を満たし、かつ/または米国食品医薬品局により作成された「不活性成分についての指針」に含まれるものである。
本明細書で使用される「有害事象」または「AE」は、市販の医薬製品が投与されている個体、または臨床治験に参加し、調査用もしくは非調査用医薬品を投与されている個体における、任意の有害な医療上の出来事を指す。AEは、必ずしも個体の処置との因果関係を有していない。したがって、AEは、ある医薬製品と関係しているとみなされるか否かに関わらず、その医薬製品の使用に時間的に関連する、任意の好ましくないおよび意図されていない徴候、症状、または疾患であり得る。AEには、既存の疾病の増悪;既存の突発性事象または状態の頻度または強度の増大;研究の開始前に存在していたおそれがあるものの、研究薬物投与後に検出または診断された状態;およびベースラインにおいて存在しており、研究の開始後に悪化した、継続的に持続する疾患または症状が含まれるが、これらに限定されない。AEには、一般に医学的または外科的手順(例えば、手術、内視鏡検査、抜歯、または輸血)(ただし、その手順に至る状態は、有害事象である);研究の開始時に存在するか、または検出された、悪化しない既存の疾患、状態、または検査所見異常;有害な医療上の出来事に関係しない、待機的目的で行われる入院または手順(例えば、美容的もしくは待機的手術のための入院、または社会的/便宜的入院);個体の状態に関して予測されたものよりも重症でない限り、研究中の疾患またはその疾患と関連する徴候/症状;およびいかなる臨床徴候または症状も伴わない過量の研究薬物は含まれない。
本明細書で使用される「重篤な有害事象」または(SAE)は、a)致命的なもの;b)生命を危うくするもの(事象が発生した場合、その事象による差し迫った死亡危険性と定義される);c)持続的もしくは著しい障害もしくは無能をもたらすもの;d)患者の入院を必要とするか、もしくは既存の入院を延長するもの(除外:研究中に悪化しなかった既存の状態の待機的処置のための入院は、有害事象とみなされない。入院中に発生する合併症は、AEであり、合併症によって入院が延長する場合、その事象は重篤である);e)薬物療法を投与された個体の子孫における先天的異常/出生時欠陥であるもの;またはf)個体を危険にさらすおそれがあるか、もしくは個体の基礎疾患に明らかに関係しない限り、先に列挙した転帰の1つを防止するための介入を必要とし得る、先の定義に含まれない状態が含まれるがこれらに限定されない、任意の用量における任意の有害な医療上の出来事を指す。「効力の欠如」(進行性疾患)は、AEまたはSAEとみなされない。効力の欠如から生じる徴候および症状または臨床的後遺症は、AEまたはSAEの定義を満たす場合には、報告されるべきである。
以下の定義を使用して、標的病変に基づいて応答を評価することができる。「完全な応答」または「CR」は、すべての標的病変の消失を指す。「部分的な応答」または「PR」は、ベースライン最大直径の合計(SLD)を参照として、標的病変のSLDの少なくとも30%の減少を指す。「安定な疾患」または「SD」は、処置を開始してからの最下点SLDを参照として、PRに適格とするには標的病変の収縮が十分でなく、PDに適格とするには標的病変の増大が十分でないことを指す。また「進行性疾患」または「PD」は、処置を開始してから記録された最下点SLDを参照として、標的病変のSLDの少なくとも20%の増大、または1つもしくは複数の新しい病変の存在を指す。
以下の応答評価の定義を使用して、非標的病変を評価することができる。「完全な応答」または「CR」は、すべての非標的病変の消失を指す。「安定な疾患」または「SD」は、CRまたはPDに適格とされない、1または複数の非標的病変の持続を指す。また「進行性疾患」または「PD」は、既存の非標的病変(複数可)の「明白な進行」を指し、または1もしくは複数の新しい病変(複数可)の出現は、進行性疾患とみなされる(対象のPDが、非標的病変(複数可)の進行だけに基づいて、ある時点について評価されるべき場合、追加の基準が満たされる必要がある)。
「無進行生存期間」(PFS)は、がんが成長しない、処置中および処置後の時間の長さを示す。無進行生存期間は、個体が完全な応答または部分的な応答を経験した時間の量、ならびに個体が安定な疾患を経験した時間の量を含む。
「相関する」または「相関」は、第1の分析またはプロトコールの性能および/または結果を、第2の分析またはプロトコールの性能および/または結果と、任意のやり方で比較することを意味する。例えば、第1の分析またはプロトコールの結果を使用して、第2の分析またはプロトコールを実施すべきかどうかを決定することができる。遺伝子発現分析またはプロトコールの実施形態に関して、その遺伝子発現分析またはプロトコールの結果を使用して、特定の治療レジメンを実施すべきかどうかを決定することができる。
「予測する」または「予測」は、本明細書では、個体が、処置レジメンに対して有利にまたは不利に応答する可能性が高いという見込みを指すために使用される。
本明細書で使用される「処置を開始する時点」または「ベースライン」は、処置に対する最初の曝露の時点またはそれよりも前の期間を指す。
本明細書で使用される「評価を補助する」方法は、臨床的な決定を行う一助となる方法を指し、その評価に関して決定的であってもなくてもよい。
本明細書で使用される「応答する可能性が高い」または「応答性」は、それに限定されるものではないが、腫瘍サイズもしくは疾患の証拠もしくは疾患の進行の測定可能な低減、完全な応答、部分的な応答、安定な疾患、無進行生存期間の増大もしくは延長、または全生存期間の増大もしくは延長から選択される、臨床的または非臨床的な任意の種類の改善または陽性応答を指す。
本明細書で使用される「試料」は、例えば、物理的、生化学的、化学的、生理的、および/または遺伝的特徴に基づいて特徴付けられるおよび/または特定されるべき分子を含有する組成物を指す。
本明細書で使用される「細胞」は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の子孫または潜在的子孫も指すと理解される。ある特定の修飾は、変異または環境的影響に起因して後続世代を生じ得るので、このような子孫は、実際、親細胞と同一でない場合があるが、本明細書で使用されるこの用語の範囲内に含まれる。
「処置の開始前または処置の開始の際に」決定されたmTOR活性化性異常は、個体が、本明細書に記載される処置様式の最初の投与を受ける前または受ける際に、その個体において決定されたmTOR活性化性異常である。
本明細書に記載される処置(複数可)に「適している」個体を含めた、「適切であり得る」個体は、前記処置の投与によって利益を受けないよりは利益を受ける可能性が高い個体である。それとは逆に、本明細書に記載される処置(複数可)に「適していない」個体を含む、「適切であり得ない」または「不適切であり得る」個体は、前記処置の投与から利益を受けられないよりは利益を受けられない可能性が高い個体である。
本明細書で使用される「mTOR阻害剤のナノ粒子組成物」は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を指す。「リムスナノ粒子組成物」は、リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を指す。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」こと、および/または態様および実施形態「から本質的になる」ことを包含することを理解されたい。
本明細書における「おおよその」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とするばらつきを包含(および記載)する。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を包含する。
本明細書で使用される用語「約X~Y」は、「約X~約Y」と同じ意味を有する。
本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある」、「または」、および「その」は、文脈が別段に決定することが明らかでない限り、複数の指示を包含する。
当業者に明らかとなる通り、処置について評価され、処置について選択され、および/または処置を受ける個体は、このような活性を必要とする個体である。
mTOR活性化性異常の状態に基づく処置方法
本発明は、一態様では、1または複数のmTOR関連遺伝子における、1または複数のmTOR活性化性異常の状態に基づいて、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法を提供する。
一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、ならびに(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップ(b)リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を個体に投与するステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップ(b)アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)を個体に投与するステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップ(b)有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップと、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択する(例えば、特定または推薦する)ステップと、(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップと、b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択する(例えば、特定または推薦する)ステップと、(c)リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップと、b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択する(例えば、特定または推薦する)ステップと、(c)アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)を個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化以上を評価するステップと、b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択する(例えば、特定または推薦する)ステップと、(c)有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
本発明は、一態様では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1、およびSPARCからなる群より選択されるmTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含む組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)による処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)による処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスによる処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含む組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)による処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ(c)リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)による処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ(c)アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスによる処置について、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を選択する(特定または推薦することを含む)方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ(c)有効量のNab-シロリムスを、選択された個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
さらに、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、リムス薬物(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下である)を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を処置する方法であって、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
同様に本明細書では、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を含む処置に応答する可能性が高いかまたは低いかを評価する方法であって、個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、処置に応答する可能性が高いと決定された個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常の存在は、その個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、mTOR活性化性異常の非存在は、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)の量は、mTOR活性化性異常の状態に基づいて決定される。
また本明細書では、過形成(例えば、がん、再狭窄または肺高血圧症)を有する個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を含む処置に応答する可能性が高いか、またはその処置に適しているかどうかの評価を補助する方法であって、個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常の存在は、その個体が処置に応答する可能性が高いことを示し、mTOR活性化性異常の非存在は、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップをさらに含む。
さらに本明細書では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を含む処置に対して応答する可能性が高い、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を特定する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、個体を特定するステップとを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、この方法は、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)の量は、mTOR活性化性異常の状態に基づいて決定される。
本明細書では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を受容している過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体の治療的処置を調整する方法であって、個体から単離した試料におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、およびmTOR活性化性異常の状態に基づいて治療的処置を調整するステップを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)の量が調整される。
また本明細書では、個体の部分集団において、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)に使用するための、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を含む治療を売り出す方法であって、mTOR活性化性異常を有する試料を有する部分集団の個体を特徴とするこのような個体の部分集団を処置するための治療の使用に関して、標的とする大衆に情報を提供するステップを含む、方法が提供される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、この方法は、異常細胞増殖(腫瘍サイズ、狭窄の程度および肺圧を含む)の測定可能な低減、疾患もしくは疾患の進行の証拠、客観的な応答(例えば、がんの場合、完全な応答、部分的な応答、および安定な疾患を含む)、無進行生存期間の増大もしくは延長、および/または全生存期間の増大もしくは延長を予測するものであり、および/またはそれらをもたらす。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、個体は、mTOR活性化性異常を有する場合、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、Nab-シロリムスを含むリムスナノ粒子組成物)の単独または別の薬剤との組合せに応答する可能性が高く、処置に対する個体の応答は、異常細胞増殖(腫瘍サイズ、狭窄の程度および肺圧を含む)の測定可能な低減、疾患もしくは疾患の進行の証拠、客観的な応答(例えば、がんの場合、完全な応答、部分的な応答、および安定な疾患を含む)、無進行生存期間の増大もしくは延長、および/または全生存期間の増大もしくは延長によって明白になる。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、個体における異常細胞増殖(例えば、血管または肺における、腫瘍成長、異常な細胞成長)を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の異常細胞増殖が阻害される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、個体における腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、血管内手順後の個体の血管の内腔径または断面積を保持する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、血管の内腔径または断面積は、血管内手順後に、血管の内腔径または断面積の少なくとも約50%(例えば少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)が保持される。一部の実施形態では、血管の内腔径または断面積は、血管内手順に、少なくとも約1年間、約2年間、約3年間、約4年間、約5年間、約6年間、約7年間、約8年間、約9年間、約10年間、またはそれ超のいずれか1つにわたって保持される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、個体の肺圧を低減する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、肺圧は、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、または約90%のいずれかを含む)低減される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、個体の腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、この方法は、リンパ節への転移を阻害する。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、個体における過形成(例えば、がん、再狭窄または肺高血圧症)の無進行生存期間を延長する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、過形成ががんである疾患進行までの時間を、少なくとも約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間のいずれかにわたって延長する。一部の実施形態では、この方法は、過形成が再狭窄または肺高血圧症である疾患進行までの時間を、少なくとも約3カ月間、約6カ月間、約1年間、約2年間、約3年間、約4年間、約5年間、約6年間またはそれ超のいずれかにわたって延長する。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体の生存期間を延長する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、過形成ががんである個体の生存期間を、少なくとも約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約18カ月間、または約24カ月間のいずれかにわたって延長する。一部の実施形態では、この方法は、過形成が再狭窄または肺高血圧症である個体の生存期間を、少なくとも約3カ月間、約6カ月間、約1年間、約2年間、約3年間、約4年間、約5年間、約6年間またはそれ超のいずれかにわたって延長する。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)と関連する症状の1または複数(約1、約2、約3、約4、約5、約6またはそれ超のいずれかを含む)を緩和する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、過形成と関連する症状の1または複数は、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)緩和される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体のクオリティオブライフを改善する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体におけるAEおよびSAEを低減する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて選択される、方法が提供される。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、この方法は、客観的な応答(例えば、部分的な応答または完全な応答)を予測するものであり、および/またはそれらをもたらす。
本明細書に記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、この方法は、改善されたクオリティオブライフを予測するものであり、および/またはそれらをもたらす。
「MTOR活性化性異常」とは、mTORシグナル伝達経路の過剰活性化をもたらし得る、1または複数のmTOR関連遺伝子の、遺伝的異常、異常な発現レベルおよび/または異常な活性レベルを指す。「過剰活性化する」とは、参照活性レベルまたは範囲を上回る、例えば、参照活性レベルまたは参照活性範囲の中央値を少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか上回るレベルまで、分子(例えば、タンパク質またはタンパク質複合体)またはシグナル伝達経路(例えば、mTORシグナル伝達経路)の活性レベルの向上を指す。一部の実施形態では、参照活性レベルは、標準化された試験における臨床的に許容される正常な活性レベル、またはmTOR活性化性異常のない健常な個体(または個体から単離した組織もしくは細胞)における活性レベルである。
本明細書に企図されているmTOR活性化性異常には、1つのmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、1つのmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常、1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、または1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常が含まれ得る。異なるタイプのmTOR活性化性異常には、これらに限定されないが、遺伝的異常、異常な発現レベル(例えば、過剰発現または過少発現)、異常な活性レベル(例えば、高活性レベルまたは低活性レベル)、および異常なリン酸化レベルが含まれ得る。一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコード化、非コード化、調節、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、イントロン、エクソン、および非翻訳領域が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはタンパク質配列(すなわち変異)、または異常なエピジェネティック特徴への変化を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、欠失、フレームシフト、挿入、ミスセンス変異、ナンセンス変異、点変異、サイレント変異、スプライス部位の変異および転座が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、変異は、mTORシグナル伝達経路の負の調節因子に対する機能喪失変異、またはmTORシグナル伝達経路の正の調節因子の機能獲得変異とすることができる。一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、欠失、重複、逆位および転座を含めた、ゲノムの構造再編成によって引き起こされる。一部の実施形態では、遺伝的異常は、DNAメチル化、ヒドロキシメチル化、ヒストン結合の増加または低下、クロマチン再構成などが含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子の異常なエピジェニック特徴を含む。
mTOR活性化性異常は、参照配列(例えば、核酸配列またはタンパク質配列)、対照発現(例えば、RNAまたはタンパク質発現)レベル、対照活性(例えば、下流での標的の活性化または阻害)レベルまたは対照タンパク質のリン酸化レベルなどの対照または参照と比較して決定される。mTOR関連遺伝子における異常な発現レベルまたは異常な活性レベルは、mTOR関連遺伝子がmTORシグナル伝達経路の正の調節因子(すなわち、アクチベーター)である場合、対照レベルを(例えば、対照レベルより約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか)上回ってもよく、またはmTOR関連遺伝子がmTORシグナル伝達経路の負の調節因子(すなわち、阻害剤)である場合、対照レベルを(例えば、対照レベルより約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれ未満のいずれか)下回ってもよい。一部の実施形態では、対照レベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)は、対照集団のレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)の中央値である。一部の実施形態では、対照集団は、処置されている個体と同じ過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する集団である。一部の実施形態では、対照集団は、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有しておらず、場合により、処置されている個体と、比較可能な人口統計的特性(例えば、性別、年齢、民族性など)を有する健常な集団である。一部の実施形態では、対照レベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)は、同一個体に由来する健常な組織のレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)である。遺伝的異常は、対照試料における参照配列のエピジェニックなパターンを含めた、参照配列との比較により決定することができる。一部の実施形態では、参照配列は、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有していないが、処置されている個体と、類似の人口統計的特性(性別、年齢、民族性など)を場合により有することがある個体の健常な集団に存在しているmTOR関連遺伝子の対立遺伝子(例えば、一般的な対立遺伝子)などの、mTOR関連遺伝子の完全な機能性対立遺伝子に対応する配列(DNA、RNAまたはタンパク質配列)である。例示的なmTOR関連遺伝子およびそれらの参照配列(すなわち野生型配列)は、以下の「バイオマーカー」の節に記載されている。
mTOR活性化性異常の「状態」は、1または複数のmTOR関連遺伝子におけるmTOR活性化性異常、もしくは1または複数のmTOR関連遺伝子の異常なレベル(タンパク質のリン酸化レベルを含む、発現または活性レベル)の存在または非存在を指すことができる。一部の実施形態では、対照と比較した1または複数のmTOR関連遺伝子における遺伝的異常(例えば、変異またはコピー数多型)の存在は、(a)個体は、処置に応答する可能性がより高いこと、または(b)個体は、処置について選択されることを示している。一部の実施形態では、対照と比較したmTOR関連遺伝子または野生型mTOR関連遺伝子における遺伝的異常の非存在は、(a)個体は、処置に応答する可能性がより低いこと、または(b)個体は、処置について選択されないことを示している。一部の実施形態では、1または複数のmTOR関連遺伝子の異常なレベル(例えば、タンパク質のリン酸化レベルを含む発現レベルまたは活性レベル)は、個体が処置に応答する可能性があることと関連する。例えば、mTORシグナル伝達経路を過剰活性化する方向への、1または複数のmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、タンパク質のリン酸化レベルを含めた、発現レベルまたは活性レベル)のより大きな逸脱は、個体が処置に応答する可能性がより高いことを示している。一部の実施形態では、1または複数のmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、タンパク質のリン酸化レベルを含めた、発現レベルまたは活性レベル)に基づいた予測モデルが使用されて、(a)個体が処置に応答する可能性、および(b)処置について個体を選択するかどうかを予測される。例えば、各レベルに対する係数を含めた、予測モデルは、臨床試験データを使用して、回帰分析などの統計学的分析により得ることができる。
1または複数のmTOR関連遺伝子の発現レベルおよび/もしくは活性レベル、ならびに/または1もしくは複数のmTOR関連遺伝子によってコードされる1または複数のタンパク質のリン酸化レベル、ならびに/または1または複数のmTOR関連遺伝子の1または複数の遺伝的異常の存在または非存在は、(a)個体が最初に処置を受けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(b)個体が最初に処置を受けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(c)処置に対する応答性、(d)個体が処置を受け続けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(e)個体が処置を受け続けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(f)投与量の調整、(g)臨床的利益の可能性の予測のいずれかを決定するために有用となり得る。
一部の実施形態では、1または複数の抵抗性バイオマーカー(例えば、TFE3)の変異状態、発現レベル、または活性レベルは、本明細書に記載される処置方法のいずれかについて個体を選択するために、および/または(a)個体は最初に処置を受ける適合性の可能性がある、または可能性が高い、(b)個体は最初に処置を受ける不適合性の可能性がある、または可能性が高い、(c)処置に対する応答性、(d)処置を受け続ける個体は適合性の可能性がある、または可能性が高いか、(e)個体は、処置を受け続けるのに不適合性の可能性がある、または可能性が高いか、(f)投与量の調整、(g)臨床的利益の可能性の予測のいずれかを決定するために、さらに使用される。一部の実施形態では、抵抗性バイオマーカーは、ONCOPANEL(商標)試験から選択される遺伝子である。例えば、Wagle N.ら、Cancer discovery 2.1巻(2012年):82~93頁参照。
本明細書に記載される処置方法のいずれか1に従う一部の実施形態では、個体におけるTFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠として使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、処置について個体を選択するための根拠として、個体における1または複数のmTOR活性化性異常と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、TFE3の転座は、処置から個体を除外するために使用される。一部の実施形態では、個体の試料におけるTFE3の転座は、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)により評価される。一部の実施形態では、試料は、血液試料である。一部の実施形態では、試料は、腫瘍生検である。一部の実施形態では、試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に得られる。一部の実施形態では、試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に得られる。
本明細書で用いられる「に基づいて」は、本明細書に記載される、個体の特徴を評価すること、決定することまたは測定することを含む(および、好ましくは、処置を受けるのに好適な個体を選択すること)を含む。mTOR活性化性異常の状態が、本明細書に記載される処置方法を、選択する、評価する、測定するまたは決定するための「根拠として使用される」場合、1または複数のmTOR関連遺伝子におけるmTOR活性化性異常は、処置の前および/またはその最中に決定され、得られた状態(mTOR活性化性異常の存在、非存在、発現レベルおよび/または活性レベルを含む)は、以下のいずれかを評価する際に、臨床医により使用される:(a)個体が最初に処置を受けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(b)個体が最初に処置を受けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(c)処置に対する応答性、(d)個体が処置を受け続けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(e)個体が処置を受け続けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(f)投与量の調整、または(g)臨床的利益の可能性の予測。
本明細書に記載される方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物(以下、「mTOR阻害剤のナノ粒子組成物」とも呼ぶ)の投与に関する。本明細書で使用される「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)/Akt(タンパク質キナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであり、細胞の生存、増殖、ストレス、および代謝の非常に重要な調節因子である。mTOR経路の調節不全は、多くのヒト癌において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に対する実質的な阻害効果を生じている。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。本明細書に記載されるmTOR阻害剤には、BEZ235(NVP-BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、サーティカン、およびアフィニトールとしても公知)、ラパマイシン(シロリムスまたはラパミューンとしても公知)、AZD8055、テムシロリムス(CCI-779およびトーリセルとしても公知)、PI-103、Ku-0063794、INK 128、AZD2014、NVP-BGT226、PF-04691502、CH5132799、GDC-0980(RG7422)、Torin 1、WAY-600、WYE-125132、WYE-687、GSK2126458、PF-05212384(PKI-587)、PP-121、OSI-027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE-354、エフォロリムス(eforolimus)(リダフォロリムスまたはデフォロリムスとしても公知)、CC115、およびCC-223が含まれるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物であり、それには、シロリムスおよびその類似体が含まれる。リムス薬物の例として、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK-506)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、リムス薬物は、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK-506)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、アルブミンは、ヒト血清アルブミンである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、界面活性剤を実質的に含まない。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。「Nab」は、ナノ粒子アルブミンに結合していることを表し、「Nab-シロリムス」は、シロリムスのアルブミン安定化ナノ粒子処方物である。Nab-シロリムスは、既に記載されている、Nab-ラパマイシンとしても知られており、例えば、WO2008109163A1、WO2014151853、WO2008137148A2、およびWO2012149451A1を参照のこと。
一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を、約50分間未満、例えば約40分間未満、約30分間未満、約30~約40分間、または約30分間にわたって投与することを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、シロリムスを含むリムス薬物)の用量は、約10mg/m2~約150mg/m2(例えば、約10mg/m2~約50mg/m2、約50mg/m2~約75mg/m2、または約75mg/m2~約150mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、シロリムスを含むリムス薬物)の用量は、約45mg/m2、約56mg/m2、約75mg/m2、または約100mg/m2である。一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を非経口投与することを含む。一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を静脈内投与することを含む。一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を毎週投与することを含む。一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を毎週、4週間のうち3週または毎週、3週間のうち2週投与することを含む。一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を28日サイクルのうちの第1日目、8日目、15日目に投与することを含む。一部の実施形態では、処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を21日周期のうちの第1日目および8日目に投与することを含む。一部の実施形態では、処置は、少なくとも約2つのサイクル(少なくとも約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10またはそれ超のいずれかを含む)の、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を投与することを含む。この方法のいずれかの一部の実施形態では、処置は、任意の前投薬(例えば、ステロイド前投薬)および/またはG-CSF予防投与なしに、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む組成物を投与することを含む。
個体におけるmTOR活性化性異常は、個体からの試料を分析することにより評価または決定することができる。この評価は、新しい組織試料または保管された組織試料に基づくことができる。好適な試料には、これらに限定されないが、過形成(例えば、腫瘍間質を含むがん)組織、過形成(例えば、がん)組織に隣接する正常組織、過形成(例えば、がん)組織の遠位部の正常組織、または末梢血液のリンパ球を含む。一部の実施形態では、試料は、過形成(例えば、がん)組織である。一部の実施形態では、試料は、例えば過形成(例えば、がん)細胞または腹腔鏡検査により得られた過形成細胞(例えば、腫瘍間質を含むがん細胞)の微細針の吸い取りなどの、過形成(例えば、がん)細胞を含有する生検試料である。一部の実施形態では、生検細胞は、分析前に、遠心分離されてペレットにされる、固定化される、およびパラフィンに埋め込まれる。一部の実施形態では、生検細胞は、分析前に急速冷凍される。一部の実施形態では、試料は、血漿試料である。一部の実施形態では、試料は、血液試料である。一部の実施形態では、試料は、腫瘍生検である。
一部の実施形態では、試料は、循環転移性がん細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、血液からの循環腫瘍細胞(CTC)を選別することにより得られる。一部のさらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、体液中を循環する。一部のさらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、血流中を循環する。一部の実施形態では、CTCは、転移の指標である。
一部の実施形態では、試料は、mTOR関連遺伝子によりコードされる分子(例えば、タンパク質)またはその断片を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、試料は、mTOR関連遺伝子(例えば、DNAまたはRNA)と関連する核酸またはその断片を認識する核酸と混合される。一部の実施形態では、試料は、次世代DNA、RNAおよび/またはエキソーム配列決定分析などの、配列決定分析のために使用される。
mTOR活性化性異常は、処置の開始前、処置の間の任意の時間、および/または処置の終了時に評価することができる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、投与の各サイクルにおいて、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物の投与の約3日前から、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物の投与の約3日後まで評価される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、投与の各サイクルの1日目に評価される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、投与の各サイクルにおいて評価される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、投与の最初の3サイクルの後、2サイクル毎にさらに評価される。
一部の実施形態では、過形成は、がんである。本明細書に記載される方法によって処置され得るがんの例として、副腎皮質(adenocortical)癌、原因不明の骨髄球化生、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫(例えば、小脳性および大脳性)、基底細胞癌、胆管がん(例えば、肝外)、膀胱がん、骨がん(骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳または大脳性星状細胞腫(例えば、毛様細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、未分化(悪性)星状細胞腫)、悪性神経膠腫、上衣腫、乏突起神経膠腫(oligodenglioma)、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、視覚路および視床下部の神経膠腫、ならびに膠芽腫)、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍(例えば、消化管カルチノイド腫瘍)、未知の原発癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、結腸がん、結腸直腸がん、慢性骨髄増殖性疾患、子宮内膜がん(例えば、子宮がん)、上衣腫、食道がん、ユーイングファミリーの腫瘍、目のがん(例えば、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫)、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん(例えば、肝臓癌および肝細胞癌(heptoma))、下咽頭がん、島細胞癌(膵内分泌部)、喉頭がん、喉頭がん、白血病(T細胞白血病を除く)、唇および口腔のがん、口腔がん、肝臓がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌)、リンパ腫(T細胞リンパ腫を除く)、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、転移性扁平上皮の頸部がん、口のがん、多発性内分泌腺腫症候群、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭癌腫、神経芽細胞腫、神経内分泌がん、口腔咽頭がん、卵巣がん(例えば、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣の低悪性度潜在腫瘍)、膵臓がん、副甲状腺がん、陰茎がん、腹膜のがん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽細胞腫、原発性中枢神経系リンパ腫(小膠細胞腫)、肺リンパ管筋腫症、直腸がん、腎癌、腎盂および尿管がん(移行細胞がん)、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん(例えば、非黒色腫(例えば、扁平上皮癌)、黒色腫、およびメルケル細胞癌)、小腸がん、扁平細胞がん、精巣がん、咽喉がん、甲状腺がん、結節性硬化症、尿道がん、腟がん、外陰がん、ウィルムス腫瘍、母斑症と関連する異常な血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍と関連するもの)、ならびにメイグス症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、一部の実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるがん(例えば、mTOR阻害剤感受性がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、がんは、膵臓神経内分泌がん、子宮内膜がん、卵巣がん、乳がん、腎細胞癌、リンパ管平滑筋肉腫症(LAM)、前立腺がん、リンパ腫、および膀胱がんからなる群より選択される。この方法は、グループのステージを決定している癌に関する米国連合員会(AJCC)によるステージI、II、III、およびIVを含めた、すべてのステージのがんに適用可能である。一部の実施形態では、がんは、初期ステージのがん、非転移性がん、原発性がん、進行性がん、局所進行性がん、転移性がん、寛解中のがん、付加療法の状況にあるがん、または新補助療法の状況にあるがんである。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、局所的に切除可能である、局所的に切除不能である、または切除不能である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、局所的に切除可能である、または切除可能性が境界線上にある。一部の実施形態では、がんは、事前の治療に対して不応性である。一部の実施形態では、がんは、化学治療剤(例えば、リムス薬物の非ナノ粒子処方物)の非ナノ粒子処方物による処置に対して抵抗性である。一部の実施形態では、がんは、液性がんである。
一部の実施形態では、個体における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、膵臓神経内分泌がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、膵臓神経内分泌がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における膵臓神経内分泌がん(例えば、mTOR阻害剤感受性膵臓神経内分泌がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する、方法を提供する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、機能的または非機能的膵臓神経内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、ガストリノーマ、VIP産生腫瘍、GRFoma、またはACTHomaである。
一部の実施形態では、個体における子宮内膜がんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における子宮内膜がんを処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、子宮内膜がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、子宮内膜がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体の子宮内膜(endometiral)がん(例えば、mTOR阻害剤感受性子宮内膜がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、個体の乳がんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体の乳がんを処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップならびに(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、乳がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、乳がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における乳がん(例えば、mTOR阻害剤感受性乳がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、乳がんは、初期ステージの乳がん、非転移性乳がん、局所進行性乳がん、転移性乳がん、ホルモン受容体陽性転移性乳がん、寛解中の乳がん、付加療法の状況にある乳がん、腺管上皮内癌(DCIS)、浸潤性腺管癌(IDC)、または新補助療法の状況にある乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、ホルモン受容体陽性転移性乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、腺管上皮内癌である。一部の実施形態では、個体は、乳がん(例えば、BRCA1、BRCA2、ATM、CHEK2、RAD51、AR、DIRAS3、ERBB2、TP53、AKT、PTEN、および/またはPI3K)と関連する遺伝子、遺伝子変異もしくは多形を有するヒト、または乳がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピー(例えば、HER2遺伝子の1または複数の余分のコピー)を有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、乳がんは、エストロゲン受容体(「ER」)、プロゲステロン受容体(「PR」)またはヒト上皮成長因子受容体2(「HER2」)の少なくとも1つに対して陰性である。一部の実施形態では、乳がんは、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性である。一部の実施形態では、乳がんは、ER、PRおよび/またはHER2に対して陽性である。一部の実施形態では、乳がんは、ER陽性である。
一部の実施形態では、個体における腎細胞癌を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における腎細胞癌を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、腎細胞癌を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、腎細胞癌を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における腎細胞癌(例えば、mTOR阻害剤感受性腎細胞癌)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、腎細胞癌は、腺癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、明細胞腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌(好染性(chromophilic)腎細胞癌とも呼ばれる)、嫌色素性腎細胞癌、集合管腎細胞癌、顆粒腎細胞癌、混合型顆粒腎細胞癌、および紡錘腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、(1)フォンヒッペル-リンドウ(VHL)症候群、(2)遺伝性乳頭状腎癌(HPRC)、(3)バート-ホッグ-デューブ症候群(BHDS)と関連する家族性腎オンコサイトーマ(FRO)、または(4)遺伝性腎癌(HRC)と関連する。
一部の実施形態では、個体におけるリンパ管平滑筋肉腫症(LAM)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、リンパ管平滑筋肉腫症を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、リンパ管平滑筋肉腫症を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップ.を含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるLAM(例えば、mTOR阻害剤感受性LAM)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、遺伝性である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、結節性硬化症の特徴である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、孤立性または孤発性である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、肺、リンパ管、および/または腎臓内に嚢胞を発生させる。
一部の実施形態では、個体における前立腺がんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における前立腺がんを処置する方法であって、
(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、前立腺がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、前立腺がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における前立腺がん(例えば、mTOR阻害剤感受性前立腺がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、前立腺がんは、腺癌である。一部の実施形態では、前立腺がんは、肉腫、神経内分泌腫瘍、小細胞がん、腺管がん、またはリンパ腫である。この方法のいずれかの一部の実施形態では、前立腺がんは、アンドロゲン非依存性前立腺がん(AIPC)であり得る。一部の実施形態では、前立腺がんは、アンドロゲン依存性前立腺がんであり得る。一部の実施形態では、前立腺がんは、ホルモン治療に対して不応性であり得る。一部の実施形態では、前立腺がんは、ホルモン治療に対して実質的に不応性であり得る。一部の実施形態では、個体は、前立腺がん(例えば、RNASEL/HPC1、ELAC2/HPC2、SR-A/MSR1、CHEK2、BRCA2、PON1、OGG1、MIC-1、TLR4、および/またはPTEN)と関連する遺伝子、遺伝子変異、もしくは多形を有するヒト、または前立腺がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
一部の実施形態では、個体におけるリンパ腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるリンパ腫を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、リンパ腫を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、リンパ腫を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるリンパ腫(例えば、mTOR阻害剤感受性リンパ腫)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、リンパ腫は、B細胞リンパ腫である。B細胞リンパ腫の例として、前駆B細胞新生物(例えば、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫)および末梢B細胞新生物(例えば、B細胞慢性リンパ球性白血病/前リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(小リンパ球性(SL)NHL)、リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫、マントル(mantel)細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫、濾胞性リンパ腫(例えば、細胞学的グレード:I(小細胞)、II(小細胞および大細胞の混合)、III(大細胞)および/またはサブタイプ:びまん性および小細胞優位型)、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、中悪性度/濾胞性NHL、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性(例えば、MALT型+/-単球様B細胞)および/または結節性(例えば、+/-単球様B細胞))、脾性辺縁帯リンパ腫(例えば、+/-有毛リンパ球)、有毛細胞白血病、形質細胞腫/形質細胞骨髄腫(例えば、骨髄腫および多発性骨髄腫)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、原発性縦隔(胸腺)B細胞リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、バーキットリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、バーキット様、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、AIDS関連リンパ腫、ならびにワルデンストレームマクログロブリン血症)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、リンパ腫は、マントル細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫は、T細胞および/または推定NK細胞リンパ腫である。T細胞および/または推定NK細胞リンパ腫の例として、前駆T細胞新生物(前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病)ならびに末梢T細胞およびNK細胞新生物(例えば、T細胞慢性リンパ球性白血病/前リンパ球性白血病、および大型顆粒リンパ球白血病(LGL)(例えば、T細胞型および/またはNK細胞型)、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症/セザリー症候群)、不特定の原発性T細胞リンパ腫(例えば、細胞学的分類(例えば、中サイズの細胞、中細胞および大細胞の混合)、大細胞、リンパ類上皮(lymphoepitheloid)細胞、サブタイプの肝脾γδT細胞リンパ腫、および皮下脂肪織炎(panniculitic)T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫(例えば、+/-腸症関連)、成人T細胞リンパ腫/白血病(ATL)、退形成大細胞型リンパ腫(ALCL)(例えば、CD30+、T-およびヌル細胞型)、退形成大細胞リンパ腫、およびホジキン様)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、リンパ腫は、ホジキン病である。例えば、ホジキン病は、リンパ球優性型、結節硬化型、混合細胞型、リンパ球枯渇型、および/またはリンパ球豊富型であり得る。一部の実施形態では、リンパ腫は、非ホジキン病である。
一部の実施形態では、個体における膀胱がんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における膀胱がんを処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、膀胱がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、膀胱がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における膀胱がん(例えば、mTOR阻害剤感受性膀胱がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、膀胱がんは、低悪性度膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、高悪性度膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、浸潤性である。一部の実施形態では、膀胱がんは、非侵襲性である。一部の実施形態では、膀胱がんは、非筋肉浸潤性膀胱がん(NMIBC)である。一部の実施形態では、膀胱がんは、BCG不応性または再発性非筋肉浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、それに限定されるものではないが、乳頭腫瘍および平坦癌腫を含めた移行上皮癌または尿路上皮癌(例えば、転移性尿路上皮癌)である。一部の実施形態では、膀胱がんは、転移性尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、膀胱の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、尿管の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、尿道の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、腎盂の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、扁平上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、非扁平上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、腺癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、小細胞癌である。
一部の実施形態では、個体における卵巣がんを処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における卵巣がんを処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、卵巣がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、卵巣がんを有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における卵巣がん(例えば、mTOR阻害剤感受性卵巣がん)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、卵巣がんは、卵巣上皮がんである。例示的な卵巣上皮がんの組織学的分類には、漿液性嚢腫(例えば、漿液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性の破壊的成長は伴わない、漿液性嚢胞腺腫、または漿液性嚢胞腺癌)、粘液性嚢腫(例えば、粘液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性の破壊的成長は伴わない、粘液性嚢胞腺腫、または粘液性嚢胞腺癌)、類内膜腫瘍(例えば、類内膜良性嚢胞、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性の破壊的成長は伴わない、類内膜腫瘍、または類内膜腺癌)、明細胞(中腎性)腫瘍(例えば、良性明細胞腫瘍、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性の破壊的成長は伴わない、明細胞腫瘍、または明細胞嚢胞腺癌)、上記の群の1つに割り当てることができない未分類腫瘍、または他の悪性腫瘍が含まれる。一部の実施形態では、個体は、卵巣がん(例えば、BRCA1またはBRCA2)と関連する遺伝子、遺伝子変異、もしくは多形を有するヒト、または卵巣がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピー(例えば、HER2遺伝子の1または複数の余分のコピー)を有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、卵巣がんは、卵巣胚細胞腫瘍である。例示的な組織学的サブタイプとして、未分化胚細胞腫または他の胚細胞性腫瘍(例えば、内胚葉洞腫瘍、例えば、肝様または腸管腫瘍、肺性癌、多胚腫(olyembryomas)、絨毛癌、奇形腫、または混合形態の腫瘍)が挙げられる。例示的な奇形腫は、未熟奇形腫、成熟奇形腫、充実性奇形腫、および嚢胞性奇形腫(例えば、類皮嚢胞、例えば、成熟嚢胞性奇形腫、および悪性形質転換を伴う類皮嚢胞)である。いくつかの奇形腫は、単胚葉性および高度限定型奇形腫、例えば卵巣甲状腺腫、カルチノイド、卵巣甲状腺腫およびカルチノイド、または他の奇形腫(例えば、悪性神経外胚葉腫瘍および上衣腫)である。
一部の実施形態では、過形成は、再狭窄である。したがって、個体における再狭窄を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における再狭窄を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、再狭窄を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、再狭窄を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における再狭窄癌腫(例えば、mTOR阻害剤感受性の再狭窄)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、再狭窄は、冠動脈にある。一部の実施形態では、再狭窄は、末梢血管、例えば脚の膝窩動脈、骨盤の外陰部動脈、および/または頸部の頸動脈にある。一部の実施形態では、再狭窄は、それに限定されるものではないが、血管手術、心臓手術、粥腫切除術(antheroectomy)、冠動脈バイパスグラフト手順、ステント手術、および血管形成術を含めた血管内手順または血管外傷に続発する。一部の実施形態では、再狭窄は、ステント内再狭窄である。一部の実施形態では、再狭窄は、血管形成術後の再狭窄である。一部の実施形態では、再狭窄は、アテローム性動脈硬化症、血管狭窄または委縮、大脳性血管狭窄疾患等を含めた血管疾患から生じる。一部の実施形態では、再狭窄は、狭窄の直径百分率を、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれ超のいずれか低減することを含む。一部の実施形態では、再狭窄は、バイナリー再狭窄である。
一部の実施形態では、この方法は、血管内手順後の血管の内腔径または断面積の拡大を保持する。一部の実施形態では、血管の内腔径または断面積は、血管内手順後に、血管の内腔径または断面積の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)が保持される。一部の実施形態では、この方法は、血管内の異常細胞増殖を阻害および/または低減する。一部の実施形態では、この方法は、異常細胞増殖を、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)阻害する。一部の実施形態では、この方法は、再狭窄と関連する症状の1または複数を緩和する。一部の実施形態では、この方法は、再狭窄を遅延する。一部の実施形態では、この方法は、再狭窄を防止する。
一部の実施形態では、過形成は、肺高血圧症である。したがって、個体における肺高血圧症を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における肺高血圧症を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与する(例えば、静脈内)ステップとを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、肺高血圧症を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置について、肺高血圧症を有する個体を選択する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ;(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含む有効量の組成物を、選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体における肺高血圧症(例えば、mTOR阻害剤感受性肺高血圧症)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、mTOR活性化性異常を有する一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1からなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子の異常である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料から単離された循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT、S6K、S6、4EBP1およびSPARCからなる群より選択されるmTORによってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、肺高血圧症は、肺動脈高血圧症(PAH)である。一部の実施形態では、PAHは、特発性PAHである。一部の実施形態では、PAHは、家族性PAHである。一部の変形形態では、PAHは、新生児の遷延性肺高血圧症と関連する。一部の実施形態では、PAHは、肺静脈閉塞症と関連する。一部の実施形態では、PAHは、肺毛細血管腫症と関連する。一部の実施形態では、肺高血圧症は、肺静脈高血圧症である。一部の実施形態では、肺高血圧症は、呼吸器系障害および/または低酸素症と関連する肺高血圧症である。一部の実施形態では、肺高血圧症は、慢性血栓症および/または塞栓性疾患に起因する肺高血圧症である。一部の実施形態では、肺高血圧症は、種々の肺高血圧症である。一部の実施形態では、種々の肺高血圧症は、サルコイドーシス、好酸球性(eosiniphilic)肉芽腫、組織球増殖症(histicytosis)X、リンパ管平滑筋肉腫症(lymphangiolomyiomatosis)、または肺血管圧縮(例えば、アデノパシー、腫瘍、または線維化性縦隔炎(medianstinitis))と関連する。一部の実施形態では、肺高血圧症は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と関連する。一部の実施形態では、肺高血圧症は、肺線維症と関連する。一部の実施形態では、肺高血圧症は、初期ステージ肺高血圧症または進行性肺高血圧症である。一部の実施形態では、肺高血圧症は、重症進行性肺動脈高血圧症である。
一部の実施形態では、この方法は、肺圧を低減する。一部の実施形態では、肺圧は、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。一部の実施形態では、この方法は、肺動脈における異常細胞増殖を阻害および/または低減する。一部の実施形態では、この方法は、異常細胞増殖を、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)阻害する。一部の実施形態では、この方法は、肺高血圧症と関連する症状の1または複数を緩和する。一部の実施形態では、この方法は、肺高血圧症を遅延する。一部の実施形態では、この方法は、肺高血圧症を防止する。
上記の通り再狭窄または肺高血圧症を処置するための方法のいずれかに従う一部の実施形態では、この方法は、個体における血管中の負の再構築を阻害する。一部の実施形態では、血管は、動脈である。一部の実施形態では、動脈は、冠動脈または末梢動脈である。一部の実施形態では、動脈は、肺動脈である。負の再構築には、血管直径および内腔径の低減をもたらす、刺激に対する血管の生理的または病理学的応答が含まれる。このような刺激は、例えば、血流変化または血管形成術手順によってもたらされる場合がある。一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与は、注射なしの血管直径と比較して、血管直径を約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約95%またはそれ超のいずれか増大する。負の再構築は、例えば、病変部位(または疾患部位)における狭窄の直径百分率として血管造影的に定量化され得る。再構築の程度を決定する別の方法は、血管内超音波(IVUS)を使用して、病変内の外部弾性板面積を測定することを含む。IVUSは、外部弾性板ならびに血管腔を画像化することができる技術である。一部の実施形態では、負の再構築は、血管介入手順、例えば血管形成術、ステント留置、または粥腫切除術と関連する。したがって、ナノ粒子組成物は、血管介入手順中またはその後、注射され得る。
上記の通り再狭窄または肺高血圧症を処置するための方法のいずれかに従う一部の実施形態では、この方法は、個体における血管中の血管線維症(例えば、中膜線維症または外膜線維症)を阻害する。一部の実施形態では、血管は、動脈である。一部の実施形態では、動脈は、冠動脈または末梢動脈である。一部の実施形態では、動脈は、肺動脈である。
本明細書で使用される血管線維症は、血管における広範な線維(結合)組織形成を指し、それには、例えば、中膜線維症または外膜線維症が含まれる。血管線維症は、頻繁に、細胞外マトリックスの多量の沈着、ならびに筋線維芽細胞および線維芽細胞の増殖と関連する。したがって、一部の実施形態において本明細書に記載される方法は、血管における線維組織形成を阻害し、例えば注射なしの血管と比較して、線維組織形成を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%のいずれか阻害する。一部の実施形態では、この方法は、血管における細胞外マトリックスの沈着を阻害し、例えば注射なしの血管と比較して、細胞外マトリックスの沈着を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%のいずれか阻害する。一部の実施形態では、この方法は、血管における筋線維芽細胞の増殖を阻害し、例えば注射なしの血管と比較して、筋線維芽細胞の増殖を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%のいずれか阻害する。一部の実施形態では、この方法は、血管における線維芽細胞の増殖を阻害し、例えば注射なしの血管と比較して、線維芽細胞の増殖を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%のいずれか阻害する。一部の実施形態では、血管線維症は、血管介入手順、例えば血管形成術、ステント留置、または粥腫切除術と関連する。
本明細書で提供される方法は、過形成(例えば、がん、再狭窄または肺高血圧症)を有すると診断されたまたは有する疑いがある個体(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。一部の実施形態では、個体は、少なくとも約20歳、約25歳、約30歳、約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳、または約85歳のいずれかである。一部の実施形態では、個体は、雄性である。一部の実施形態では、個体は、雌性である。一部の実施形態では、個体は、過形成性組織(例えば、腫瘍)の切除を受けている。一部の実施形態では、個体は、手術を拒否している。一部の実施形態では、個体は、医療的に手術不能である。実施形態の一部では、個体は、過形成(例えば、がん、再狭窄または肺高血圧症)を遺伝的に、または他の理由(例えば、リスク因子を有する)で発症しやすい。これらのリスク因子には、年齢、性別、人種、食事、以前の病歴、前駆疾患の存在、遺伝的考慮事項および環境曝露が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)のリスクのある個体は、例えば、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を経験した親類を有するもの、およびその遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。
本明細書で提供される方法は、付加療法の状況で実施することができる。一部の実施形態では、この方法は、新補助療法の状況で実施され、すなわち、この方法は、一次/根治的治療の前に行うことができる。一部の実施形態では、この方法は、事前に処置を受けた個体を処置するために使用される。一部の実施形態では、個体は、事前の治療に対して、抵抗性、非応答性、部分的に応答性、最初に応答性、または不応性である。一部の実施形態では、個体は、処置の時点で、事前の処置が進行している。一部の実施形態では、個体は、例えば、応答できないことに起因しておよび/または毒性に起因して、事前の治療を継続するのに適していない。一部の実施形態では、個体は、事前に処置されていない。一部の実施形態では、この方法は、ファーストライン治療として使用される。一部の実施形態では、この方法は、セカンドライン治療として使用される。
過形成を処置するための本明細書に記載される方法は、単剤治療で、ならびに別の薬剤との組合せ治療で使用され得る。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の少なくとも別の治療剤を投与するステップをさらに含む。その他の治療剤は、化学療法剤または抗体であり得る。一部の実施形態では、その他の治療剤は、アルキル化剤、アントラサイクリン抗生物質、DNA架橋剤、代謝拮抗物質、インドールキノン、タキサン、または白金ベースの薬剤からなる群より選択される。
同様に、本明細書に記載される過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体を処置する方法のいずれかにおいて使用するための、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含む医薬組成物も提供される。一部の実施形態では、組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む。
バイオマーカー
本発明は、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物による処置について個体を選択するためのバイオマーカーを使用する。本明細書に記載されるバイオマーカーの正常な配列、発現レベル、および/または活性レベルからの偏差は、処置について個体を選択するための根拠として使用され得る。
本明細書で使用される「バイオマーカー」は、診断、予後、および/または過形成性細胞に対するmTOR阻害剤のナノ粒子組成物の優先的標的化に有用な、過形成性細胞(例えば、がん細胞、または肺高血圧症もしくは再狭窄における異常増殖性細胞)によってコードされるか、または発現される分子(典型的に、タンパク質、核酸、炭水化物、または脂質)を指すことができる。本明細書に記載されるバイオマーカーには、mTOR関連遺伝子、mTOR関連遺伝子によってコードされる分子、またはmTOR関連遺伝子によってコードされるmTOR関連遺伝子もしくは分子の誘導体、例えば核酸(DNAまたはRNA)、タンパク質、またはmTOR関連遺伝子に対応するその天然修飾型の核酸もしくはタンパク質が含まれる。バイオマーカーの配列、発現レベルおよび/または活性レベルの異常は、過形成性細胞における正常なmTORシグナル伝達レベルを超えるmTORシグナル伝達レベルと相関する。
mTORシグナル伝達経路
mTORシグナル伝達経路は、様々なシグナル源を感知し、mTOR複合体にシグナルを中継する、複数の上流のタンパク質によって媒介される。mTOR複合体は、上流シグナルを統合し、下流エフェクタータンパク質を活性化または阻害することによって、細胞の成長および増殖を調節する。mTORシグナル伝達経路は、既に記載されている。例えば、Laplanteら、Journal of cell science122巻、20号(2009年):3589~3594頁参照。
mTOR複合体は、触媒サブユニットとして289kDaのセリン-スレオニンキナーゼであるmTORタンパク質を含む、複数サブユニットタンパク質複合体である。それぞれ別個の組のタンパク質成分を含む、mTOR複合体1(mTORC1)およびmTOR複合体2(mTORC2)の、少なくとも2つの構造的および機能的に別個のmTOR複合体がある。mTORC1およびmTORC2は、mTOR阻害剤に対する親和性、およびシグナル伝達特性(例えば、上流および下流の相互作用パートナー)を含めた、別個の生化学的特性を有することが知られている。例えば、ラパマイシン(またはラパログ)は、12kDa(FKBP12)のFK506結合タンパク質に結合し、それによってmTORのFKBP12-ラパマイシン結合ドメイン(FRB)と相互作用し、したがってmTORC1機能を阻害する。mTORC2は、ラパマイシン非感受性として特徴付けられており、すなわちラパマイシン(またはラパログ)は、mTORC1を完全に阻害するのに十分な低濃度では、mTORC2の活性に対してわずかな量(例えば、約1%未満)の阻害をもたらす。ラパマイシン(またはラパログ)は、mTORC2の活性を著しい量(例えば、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれ超のいずれか)阻害する濃度では、処置される個体に対して毒性をもたらすおそれがある。
mTORC1は、mTORタンパク質、mTORの調節関連タンパク質(RAPTOR)、哺乳動物致死性Sec13タンパク質8(GβLとしても公知のmLST8)、プロリンに富むAKT基質40kDa(PRAS40)、およびDEPドメインを含有するmTOR相互作用タンパク質(DEPTOR)を含めた、少なくとも5種のタンパク質を含む。mTORC1によって統合されたシグナルには、成長因子、エネルギー状態、酸素レベルおよびアミノ酸が含まれる。上流シグナルを感知し、mTORC1活性を調節する重要な軸は、TSC1/2およびRHEB(脳内に豊富なRasホモログ)を含む。TSC1/2は、TSC1およびTSC2から構成されたヘテロ二量体のタンパク質複合体であり、小さいGTPase RHEBのためのGTPase-活性化タンパク質(GAP)として機能する。RHEBは、直接的な相互作用を介してmTORC1活性を刺激することができ、一方、TSC1/2は、RHEBをその不活性なGDP結合状態に変換することができ、それによって、mTORC1活性を負に調節する。さらに、TSC1/2非依存性シグナル伝達経路は、上流シグナルを媒介し、mTORC1活性を調節するために存在する。
異なる供給源の上流シグナルは、様々なシグナル伝達経路を介してmTORC1に中継される。例えば、成長因子は、インスリンの活性化およびRasシグナル伝達経路を介して、mTORC1を刺激する。インスリンシグナル伝達経路は、インスリン(例えば、IGF-1)の、その細胞表面受容体への結合によって開始され、それによって、インスリン受容体のチロシンキナーゼ活性を刺激し、インスリン受容体基質1(IRS1)をリン酸化する。リン酸化されたIRS-1は、PI3Kを活性化して、ホスファチジルイノシトール(3,4,5)-三リン酸(PtdIns(3,4,5)P3、またはPIP3)を生成する。PTEN(ホスファターゼおよびテンシンホモログ)は、PIP3をPIP2(PtdIns(4,5)P2)に脱リン酸化することによって、PIP3の細胞内レベルを負に調節し、それによって、インスリンシグナル伝達経路を阻害する。PIP3は、AKT(タンパク質キナーゼB、またはPKBとしても公知)を原形質膜に動員し、PDK1(タンパク質キナーゼ3-ホスホイノシチド依存性タンパク質キナーゼ-1)を介するリン酸化によって、AKTを活性化する。次に、活性化されたAKTは、TSC2をリン酸化してTSC1/2を不活性化し、したがってmTORC1を活性化する。あるいは、AKT活性化は、TSC1/2非依存方式で、mTORC1からのPRAS40のリン酸化および解離を促進することによって、mTORC1を活性化し得る。
また、細胞表面受容体に結合する成長因子は、Rasシグナル伝達経路を介してmTORC1にシグナル伝達され得る。例えば、細胞外リガンド(例えば、EGF)の結合は、チロシンキナーゼ受容体(例えば、EGFR)を活性化して、受容体の細胞質ドメインをリン酸化することができ、それによってGRB2などのドッキングタンパク質を動員し、またグアニンヌクレオチド交換因子SOSを活性化することができる。活性化されたSOSは、RasからのGDPの除去を促進し、RasをGTPに結合させ、活性化する。ニューロフィブロミン(NF)-1は、RasのGTPase活性を刺激することによって、Ras経路の負の調節因子となる。NF-2は、Rasシグナル伝達の別の負の調節因子であり、Grb2-SOS複合体の下流で作用する。活性化されたRasは、下流タンパク質キナーゼRAFを活性化し、それによってMEKをリン酸化し、活性化する。MEKは、MAPK(ERKまたは細胞外シグナル調節キナーゼとしても公知のマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)をリン酸化し、活性化する。ERK1/2は、TSC2を直接的にリン酸化するか、またはp90リボソームS6キナーゼ1(RSK1)を活性化することができ、それによってTSC2をリン酸化し、それによりTSC1/2を不活性化し、mTORC1を活性化する。
AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)は、細胞内エネルギー状態のための非常に重要なセンサーであり、mTORC1の調節因子である。AMPK経路における異なる活性化機構の中でも、STK11(LBK1としても公知のセリン/スレオニンキナーゼ11)は、AMPKの主要な上流キナーゼとして働くことができ、それによって、エネルギーの枯渇時にAMPKを活性化する。活性化されたAMPKは、TSC2をリン酸化し、それによってTSC1/2GAP活性を活性化し、Rhebを不活性化し、それによりmTORC1活性化を低減する。また、AMPKは、RAPTORを直接的にリン酸化することができ、それによってmTORC1活性を阻害する。
同様に、低酸素症(低酸素レベル)は、AMPKの活性化を介してmTORC1にシグナル伝達され得る。あるいは、低酸素症は、DNA損傷応答1(REDD1)の転写性調節を介してTSC1/2を活性化し得る。また、低酸素症は、PML(前骨髄球性白血病の腫瘍抑制因子)またはBNIP3(BCL2/アデノウイルスE1B19kDaタンパク質相互作用タンパク質3)を介してRHEB-mTOR相互作用を撹乱することによって、mTORC1シグナル伝達を低減することができる。
アミノ酸は、mTORC1活性を正に調節し、mTORC1に対するアミノ酸欠乏のシグナル伝達は、TSC1/2とは独立であり得る。小GTPaseのファミリーであるRAGA、RAGB、RAGC、およびRAGDを含めたRAGタンパク質は、アミノ酸感受性方式でRAPTORに結合し、mTORC1の活性化を促進することができる。
mTORC1活性を調節するさらなる上流シグナルには、遺伝毒性ストレス、炎症、Wntリガンドおよびホスファチジン酸(PA)が含まれるが、これらに限定されない。例えば、TNFαなどの炎症促進性サイトカインは、IκBキナーゼ-β(IKKβ)を活性化し、それによってTSC1を不活性化して、mTORC1を活性化する。Wnt経路の活性化は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK3)を阻害することができ、それによってTSC2をリン酸化し、TSC1/2を活性化し、それによりmTORC1活性を低減する。
mTORC2は、mTORタンパク質、mTORのラパマイシン非感受性コンパニオン(RICTOR)、哺乳動物ストレス活性化タンパク質キナーゼ相互作用タンパク質(mSIN1)、Rictor-1を有することが観察されたタンパク質(PROTOR-1)、mLST8、およびDEPTORを含めた少なくとも6つのタンパク質を含む。mTORC2は、残基Ser473におけるAKTの活性化および一部のAKT基質の下流リン酸化に関与する。また、mTORC2は、例えば、タンパク質キナーゼCα(PKCα)のリン酸化、パキシリンのリン酸化、ならびにRhoAおよびRAC1のGTP負荷を促進することによって、細胞骨格組織化を調節する。
mTORシグナル伝達経路の出力には、多様な分子的、細胞的および生理的な効果が含まれる。例えば、mTORC1が活性化されると、タンパク質、脂質および小器官(例えば、ミトコンドリア)の生合成の促進、ならびに自己貪食の阻害を含めた多くの下流活性が生じる。例えば、mTORC1は、真核生物の開始因子4E(eIF3E)結合タンパク質1(4EBP1)およびp70リボソームS6キナーゼI(S6K1)をリン酸化することによって、タンパク質合成を促進する。リン酸化された4EBP1(p-4EBP1)は、eIF4Eに対するその結合を防止し、eIF4Eにcap依存性翻訳を促進させることができる。S6K1がリン酸化されると、S6K1のキナーゼ活性が活性化され、それによってmRNAの生合成、cap依存性翻訳および伸長が促進され、ならびにS6K1 aly/REF様の標的(SKAR)、プログラム細胞死4(PDCD4)、真核生物の伸長因子2キナーゼ(eEF2K)およびリボソームタンパク質S6などの多くのタンパク質標的の活性を調節することによって、リボソームタンパク質の翻訳が促進される。また、活性化されたmTORC1は、ULK1およびATG13をリン酸化し、抑圧することができ、それによって自己貪食を抑圧する。mTORC2が活性化されると、フォークヘッドボックスタンパク質O1(FoxO1)およびFoxO3a転写因子の活性化が生じ得、それによって、ストレス抵抗性、代謝、細胞周期停止およびアポトーシスに関与する遺伝子の発現が制御される。
mTOR関連遺伝子
本明細書に記載されるバイオマーカーおよびmTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子に関する。本明細書で使用される「mTOR関連遺伝子」は、mTORシグナル伝達経路に関与するタンパク質などの分子をコードする。本発明によって企図されるmTOR関連遺伝子には、「mTORシグナル伝達経路」の節に記載される遺伝子が含まれるが、それらに限定されない。mTOR関連遺伝子は、mTORC1および/もしくはmTORC2複合体の一部として機能し、または上流シグナルを媒介して、mTORC1および/もしくはmTORC2複合体を調節することができる。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、MTOR、TSC1、TSC2、RHEB、AKT(例えば、AKT1)、PI3K(例えば、PIK3CAおよびPIK3CG)、PTEN、NF1、NF2、STK11、TP53、FGFR4、BAP1、RAS、SOS、GRB2、IRS1、PDK1、RAF、MEK、ERK1、ERK2、RSK1、GSK3、REDD1、BNIP3、PML、AMPK、RAPTOR、DEPTOR、mLST8、PRAS40、VPS34、RAGA、RAGB、RAGC、RAGD、PAXILLIN、RHOA、RAC1、mSIN1、RICTOR(例えば、RICTOR-1)、PROTOR-1、PKCα、PLD、IKKβ、およびこれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRAS、BAP1、およびこれらの組合せから選択される。mTOR関連遺伝子(例えば、RNAおよびタンパク質)によってコードされた一部のmTOR関連遺伝子および分子の例示的な参照(すなわち野生型)配列を、以下に記載する。
mTOR
mTORは、セリン/スレオニン-タンパク質キナーゼmTOR、FK506-結合タンパク質12-ラパマイシン複合体関連タンパク質1、FKBP12-ラパマイシン複合体関連タンパク質、ラパマイシンの哺乳動物標的、ラパマイシンの機構的標的、ラパマイシンおよびFKBP12標的1、ラパマイシン標的タンパク質1、FRAP、FRAP1、FRAP2、RAFT1、ならびにRAPT1としても公知である。一部の実施形態では、野生型MTOR遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体1のリバース鎖のヌクレオチド11106531からヌクレオチド11262557までのGenbank受託番号NC_000001.11によって特定される。野生型MTOR遺伝子は、59のエクソンを含み、MTOR遺伝子の変異は、その59のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはMTOR遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型mTORタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_004949.1によって特定される。野生型mTORタンパク質は、HEATリピート、FATドメイン、FKBP12-ラパマイシン(rapamyicn)結合(FRB)ドメイン、セリン/スレオニンキナーゼ触媒ドメイン、およびカルボキシ末端FATCドメインを含めた様々なドメインを含む。mTORタンパク質の変異は、タンパク質ドメインのいずれか1つまたは任意の組合せにおいて生じ得る。
一部の実施形態では、野生型mTORタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_004958.3によって特定される。
AKT
AKTは、タンパク質キナーゼB(PKB)としても公知であり、そのヒトゲノムは、3つのAKTファミリーメンバーであるAkt1、Akt2およびAkt3をコードする。本出願は、AKTファミリーの任意のメンバーにおけるmTOR活性化性異常を企図する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT1である。
AKT1は、RAC-アルファセリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、タンパク質キナーゼB、タンパク質キナーゼBアルファ、PKBアルファ、癌原遺伝子c-Akt、AKT、RAC、CWS6、PRKBA、およびRAC-アルファとしても公知である。一部の実施形態では、野生型AKT1遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体14のリバース鎖のヌクレオチド104769349からヌクレオチド104795743までのGenbank受託番号NC_000014.9によって特定される。野生型AKT1遺伝子は、17のエクソンを含む。AKT1遺伝子の変異は、その17のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはAKT1遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型AKT1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001014431.1によって特定される。野生型AKT1タンパク質は、PHドメイン、タンパク質キナーゼドメイン、およびAGC-キナーゼC末端ドメインを含めた様々なドメインを含む。AKT1タンパク質の変異は、タンパク質ドメインのいずれか1つまたは任意の組合せにおいて生じ得る。
一部の実施形態では、野生型AKT1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001014431.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型AKT1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001014432.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型AKT1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_005163.2によって特定される。
PI3K
PI3Kは、ホスファチジルイノシトールのイノシトール環の3位のヒドロキシル基をリン酸化することができる関連脂質キナーゼのファミリーである。クラスI、クラスII、クラスIIIおよびクラスIVを含めた4つのクラスのPI3Kがある。クラスIAのPI3Kは、p110触媒サブユニットとp85調節サブユニットの間のヘテロ二量体から構成される。p85調節サブユニットは、p85α、p55α、p50α、p85β、およびp55γと指定された5つのバリアントを有する。ヒトゲノムでは、p85α、p55αおよびp50αは、同じ遺伝子(PIK3R1)によってコードされたスプライスバリアントであり、一方、p85βは、遺伝子PIK3R2によってコードされ、p55αは、遺伝子PIK3R3によってコードされる。p110触媒サブユニットは、p110α、p110β、およびp110δと指定された3つのバリアントを有し、それらは、3つの別個の遺伝子によってコードされる。ヒトゲノムにおいて、遺伝子PIK3CAは、p110αをコードし、遺伝子PIK3CBは、p110βをコードし、遺伝子PIK3CDは、p110δをコードする。クラスIAのPI3Kと同様に、クラスIBのPI3Kは、触媒サブユニットおよび調節サブユニットから構成される。クラスIAのPI3Kは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)によって活性化され、一方、クラスIBのPI3Kは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)によって活性化される。公知のクラスIBのPI3K触媒サブユニットだけが、遺伝子PIK3CGによってコードされたp110γである。p101およびp84/p87PIKAPを含めた、p110γの2つの公知の調節サブユニットがある。本出願は、PI3Kの任意のクラス、メンバー、複合体、サブユニット、バリアント、またはバリアントの組合せにおけるmTOR活性化性異常を企図する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、PIK3CAである。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、PIK3CGである。
PIK3CAは、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸3-キナーゼ触媒サブユニットアルファアイソフォーム、PI3-キナーゼサブユニットアルファ、PI3K-アルファ、PtdIns-3-キナーゼサブユニットアルファ、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸3-キナーゼ110kDa触媒サブユニットアルファ、PtdIns-3-キナーゼサブユニットp110-アルファ、p110アルファ、MCM、CWS5、MCAP、PI2K、CLOVE、およびMCMTCとしても公知である。一部の実施形態では、野生型PIK3CA遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体3のフォワード鎖のヌクレオチド179148114からヌクレオチド179240084までのGenbank受託番号NC_000003.12によって特定される。野生型PIK3CA遺伝子は、23のエクソンを含む。PIK3CA遺伝子の変異は、その23のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはPIK3CA遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型PIK3CAタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_006209.2によって特定される。野生型PIK3CAタンパク質は、PI3K-ABDドメイン、PI3K-RBDドメイン、C2-PI3K-型ドメイン、PIKヘリカルドメインおよびPI3K/PI4Kドメインを含めた様々なドメインを含む。PIK3CAタンパク質の変異は、タンパク質ドメインのいずれか1つまたは任意の組合せにおいて生じ得る。
一部の実施形態では、野生型PIK3CAタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_006218.2によって特定される。
PIK3CGは、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ、触媒サブユニットガンマ;PI3K、PIK3、PI3CG;PI3Kγ;p110γ、およびp120-PI3Kとしても公知である。一部の実施形態では、野生型PIK3CG遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体7のフォワード鎖のヌクレオチド106865278からヌクレオチド106908978までのGenbank受託番号NC_000007.14によって特定される。野生型PIK3CG遺伝子は、14のエクソンを含む。PIK3CG遺伝子の変異は、その14のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはPIK3CG遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型PIK3CGタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_002640.2によって特定される。野生型PIK3CGタンパク質は、PI3K-ABDドメイン、PI3K-RBDドメイン、C2-PI3K-型ドメイン、PIKヘリカルドメインおよびPI3K/PI4Kドメインを含めた様々なドメインを含む。PIK3CGタンパク質の変異は、タンパク質ドメインのいずれか1つまたは任意の組合せにおいて生じ得る。
一部の実施形態では、野生型PIK3CGタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001282426.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型PIK3CGタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_002649.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型PIK3CGタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001282427.1によって特定される。
TSC1
TSC1は、ハマルチン、結節性硬化症1タンパク質、TSC、KIAA0243、およびLAMとしても公知である。TSC1タンパク質は、mTORC1シグナル伝達を負に調節することによって、TSC2との複合体の一部として機能する。一部の実施形態では、野生型TSC1遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体9のリバース鎖のヌクレオチド132891348からヌクレオチド132945370までのGenbank受託番号NC_000009.12によって特定される。野生型TSC1遺伝子は、25のエクソンを含む。TSC1遺伝子の変異は、その25のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはTSC1遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型TSC1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000359.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001155898.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001155899.1によって特定される。
一部の実施形態では、野生型TSC1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000368.4によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001162426.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001162427.1によって特定される。
TSC2
TSC2は、ツベリン、結節性硬化症2タンパク質、タンパク質ホスファターゼ1調節サブユニット160、TSC4、PPP1R160、およびLAMとしても公知である。TSC2タンパク質は、mTORC1シグナル伝達を負に調節することによって、TSC1との複合体の一部として機能する。一部の実施形態では、野生型TSC2遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体16のフォワード鎖のヌクレオチド2047936からヌクレオチド2088712までのGenbank受託番号NC_000016.10によって特定される。野生型TSC2遺伝子は、42のエクソンを含む。TSC2遺伝子の変異は、その42のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはTSC2遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型TSC2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000539.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001070651.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001107854.1によって特定される。
一部の実施形態では、野生型TSC2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000548.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001077183.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型TSC2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001114382.1によって特定される。
RHEB
RHEBは、GDPに結合した不活性形態とGTPに結合した活性形態(from)の間を往復して、mTORC1シグナル伝達を調節する、小GTPaseスーパーファミリーのメンバーである。また、ヒトゲノムは、染色体10上のRHEBP1を含めたRHEBの3つの疑似遺伝子を有する。さらに、RHEBL1(脳様-1に豊富なRasホモログ)遺伝子は、TSC1/2複合体の下流標的でもあるRHEBのホモログをコードし、mTORを介するシグナル伝達を促進する。本出願は、RHEB、RHEB疑似遺伝子、およびRHEBL1を含めたすべてのRHEBに関係する遺伝子におけるmTOR活性化性異常を企図する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、RHEBである。
RHEBは、脳内に豊富なRasホモログ、GTP結合タンパク質RhebおよびRHEB2としても公知である。一部の実施形態では、野生型RHEB遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体7のリバース鎖のヌクレオチド151466012からヌクレオチド151519924までのGenbank受託番号NC_000007.14によって特定される。野生型RHEB遺伝子は、9のエクソンを含む。RHEB遺伝子の変異は、その9のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはRHEB遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型RHEBタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_005605.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型RHEBタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_005614.3によって特定される。
STK11
STK11は、セリン/スレオニン-タンパク質キナーゼSTK11、肝臓キナーゼB1、腎癌抗原NY-REN-19、PJS、LKB1、およびhLKB1としても公知である。一部の実施形態では、野生型STK11遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体19のフォワード鎖のヌクレオチド1205799からヌクレオチド1228435までのGenbank受託番号NC_000019.10によって特定される。野生型STK11遺伝子は、13のエクソンを含む。STK11遺伝子の変異は、その13のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはSTK11遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型STK11タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000446.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型STK11タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000455.4によって特定される。
NF1
NF1は、神経線維腫症に関係するタンパク質、ニューロフィブロミン1、WSS、NFNS、およびVRNFとしても公知である。一部の実施形態では、野生型NF1遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体17のフォワード鎖のヌクレオチド31007873からヌクレオチド31377677までのGenbank受託番号NC_000017.11によって特定される。野生型NF1遺伝子は、73のエクソンを含む。NF1遺伝子の変異は、その73のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはNF1遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型NF1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001035957.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000258.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001121619.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF1は、全長NF1タンパク質からC末端1534アミノ酸を欠失している天然切断型NF1タンパク質である。NF1タンパク質は、Ras-GAPドメインおよびCRAL-TRIOドメインを含む。NF1タンパク質の変異は、それらのタンパク質ドメインの一方または両方のいずれかにおいて生じ得る。
一部の実施形態では、野生型NF1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001042492.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000267.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001128147.2によって特定される。一部の実施形態では、NF1タンパク質をコードする野生型mRNAは、RNA編集を受けて(CGA>UGA→Arg1306Term)、早計の翻訳停止をもたらし、天然切断型NF1タンパク質を生成する。
NF2
NF2は、マーリン、Moesin-ezrin-radixin様のタンパク質、ニューロフィブロミン-2、Schwannomerlin、Schwannomin、SCH、CAN、およびBANFとしても公知である。一部の実施形態では、野生型NF2遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体22のフォワード鎖のヌクレオチド29603556からヌクレオチド29698600までのGenbank受託番号NC_000022.11によって特定される。野生型NF2遺伝子は、18のエクソンを含む。NF2遺伝子の変異は、その18のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはNF2遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000259.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_057502.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861546.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861966.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861967.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861968.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861969.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861970.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_861971.1によって特定される。
一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000268.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_016418.5によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181825.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181828.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181829.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181830.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181831.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181832.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NF2タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_181833.2によって特定される。
PTEN
PTENは、ホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸3-ホスファターゼ(phosphtase)および二重特異性ホスファターゼPTEN、多発性進行性がんの変異1、ホスファターゼおよびテンシンホモログ、MMAC1、TEP1、BZS、DEC、CWS1、GLM2、MHAM、およびPTEN1としても公知である。一部の実施形態では、野生型PTEN遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体10のフォワード鎖のヌクレオチド87863438からヌクレオチド87971930までのGenbank受託番号NC_000010.11によって特定される。野生型PTEN遺伝子は、16のエクソンを含む。PTEN遺伝子の変異は、その16のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはPTEN遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。
一部の実施形態では、野生型PTENタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000305.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型PTENタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001291646.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型PTENタンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_001291647.1によって特定される。野生型PTENタンパク質は、ホスファターゼテンシン型ドメイン、およびC2テンシン型ドメインを含む。PTENタンパク質の変異は、一方または両方のタンパク質ドメインのいずれかにおいて生じ得る。
一部の実施形態では、野生型PTENタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000314.6によって特定される。一部の実施形態では、野生型PTENタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001304717.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型PTENタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_001304718.1によって特定される。
mTOR経路とクロストークする遺伝子
また、本出願によって企図されるmTOR関連遺伝子には、mTOR経路とクロストークし、それによりmTORシグナル伝達経路の活性をモジュレートする(例えば、mTORC1および/またはmTORC2を介して媒介される)経路の遺伝子が含まれる。例えば、mTOR経路とクロストークし得る遺伝子の非限定的な例として、TP53、FGFR4、BAP1、FLT3、KRASおよびNRASを以下に記載する。
腫瘍タンパク質p53、P53、BCC7、LFS1またはTRP53としても公知のTP53は、多様な細胞ストレスに応答して、標的遺伝子の発現を調節し、それにより細胞周期停止、アポトーシス、老化、DNA修復、または代謝変化を誘導する、腫瘍抑制因子タンパク質である。TP53は、mTOR活性を阻害することによって、mTORシグナル伝達経路とクロストークする。一部の実施形態では、野生型TP53遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体17の相補鎖のヌクレオチド7668402からヌクレオチド7687550までのGenbank受託番号NC_000017.11によって特定される。野生型TP53遺伝子は、12のエクソンを含む。TP53遺伝子の変異は、その12のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはTP53遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。TP53によってコードされた野生型タンパク質には、複数のイソ型、例えばイソ型a~lが含まれる。変異は、TP53イソ型のいずれかに影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、野生型TP53タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_000537.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型TP53タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_000546.5によって特定される。
FGFR4は、線維芽細胞成長因子受容体4、TKF、JTK2、およびCD334としても公知である。FGFR4は、線維芽細胞成長因子受容体ファミリーのメンバーである。FGFR4によってコードされたタンパク質の細胞外ドメインは、線維芽細胞増殖因子と相互作用し、有糸分裂誘発および分化に関与する下流シグナルのカスケードを開始する。FGFR4は、mTORシグナル伝達経路とクロストークする。例えばRASは、FGFR4およびmTORの共通の調節因子として公知である。一部の実施形態では、野生型FGFR4遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体5のフォワード鎖のヌクレオチド177086872からヌクレオチド177098142までのGenbank受託番号NC_000005.10によって特定される。野生型FGFR4遺伝子は、19のエクソンを含む。FGFR4遺伝子の変異は、その19のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはFGFR4遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。一部の実施形態では、野生型TP53タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_002002.3によって特定される。一部の実施形態では、野生型FGFR4タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_002011.4によって特定される。
BAP1は、BRCA1関連タンパク質-1、UCHL2、hucep-6またはHUCEP-13としても公知である。BAP1は、タンパク質からのユビキチンの除去に関与する脱ユビキチン化酵素のユビキチンC末端ヒドロラーゼサブファミリーに属する。コードされた酵素は、乳がん1型感受性タンパク質(BRCA1)のRINGフィンガードメインを介して、そのBRCA1に結合し、腫瘍抑制因子として作用する。さらに酵素は、転写の調節、細胞周期および細胞成長の調節、DNA損傷に対する応答、ならびにクロマチン動態に関与し得る。一部の実施形態では、野生型BAP1遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体3の相補鎖のヌクレオチド52401004からヌクレオチド52410105までのGenbank受託番号NC_000003.12によって特定される。野生型BAP1遺伝子は、17のエクソンを含む。BAP1遺伝子の変異は、その17のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはBAP1遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。一部の実施形態では、野生型BAP1タンパク質のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_004647.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型BAP1タンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_004656.3によって特定される。
FLT3は、fmsに関係するチロシンキナーゼ3、FLK2、STK1、CD135またはFLK-2としても公知である。FLT3は、クラスIIIの受容体チロシンキナーゼをコードする。一部の実施形態では、野生型FLT3遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体13の相補鎖のヌクレオチド28003274からヌクレオチド28100592までのGenbank受託番号NC_000013.11によって特定される。野生型FLT3遺伝子は、27のエクソンを含む。FLT3遺伝子の変異は、その27のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはFLT3遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。一部の実施形態では、FLT3タンパク質をコードするアミノ酸は、Genbank受託番号NP_004110.2によって特定される。一部の実施形態では、野生型NRASタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_004119.2によって特定される。
KRASは、Kirstenラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモロジー、NS、NS3、CFC2、KRAS1、KRAS2、RASK2、KI-RAS、C-K-RAS、K-RAS2A、K-RAS2B、K-RAS4A、またはK-RAS4Bとしても公知である。一部の実施形態では、野生型KRAS遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体12の相補鎖のヌクレオチド25204789からヌクレオチド25250931までのGenbank受託番号NC_000012.12によって特定される。野生型KRAS遺伝子は、6のエクソンを含む。KRAS遺伝子の変異は、その6のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはKRAS遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。一部の実施形態では、KRASタンパク質をコードするアミノ酸は、Genbank受託番号NP_004976.2によって特定される。他の実施形態では、KRASタンパク質をコードするアミノ酸は、Genbank受託番号NP_203524.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型KRASタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_004985.3によって特定される。他の実施形態では、野生型KRASタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_033360.2によって特定される。
NRASは、神経芽細胞腫RASウイルス(v-ras)癌遺伝子ホモログ、NS6、CMNS、NCMS、ALPS4、N-rasまたはNRAS1としても公知である。一部の実施形態では、野生型NRAS遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによる染色体1の相補鎖のヌクレオチド114704464からヌクレオチド114716894までのGenbank受託番号NC_000001.11によって特定される。野生型NRAS遺伝子は、7のエクソンを含む。NRAS遺伝子の変異は、その7のエクソンのいずれか1つもしくは任意の組合せにおいて、またはNRAS遺伝子の任意のイントロンもしくは非コード領域において生じ得る。一部の実施形態では、NRASタンパク質をコードするアミノ酸は、Genbank受託番号NP_002515.1によって特定される。一部の実施形態では、野生型NRASタンパク質をコードするcDNAの核酸配列は、Genbank受託番号NM_002524.4によって特定される。
mTOR活性化性異常
本出願は、参照配列からの逸脱(すなわち遺伝的異常)、1または複数のmTOR関連遺伝子の異常な発現レベルおよび/または異常な活性レベルを含めた、いずれか1または複数の上記のmTOR関連遺伝子における、mTOR活性化性異常を企図する。本出願は、本明細書において開示されているmTOR活性化性異常の任意の1または複数の状態に基づく処置および方法を企図する。
本明細書に記載されるmTOR活性化性異常は、mTORシグナル伝達レベルまたは活性レベルの向上(すなわち、過剰活性化)に関係している。本出願において記載されているmTORシグナル伝達レベルまたはmTOR活性レベルは、上記の上流のシグナルのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに応答する、mTORシグナル伝達を含むことができ、mTORC1および/またはmTORC2によるmTORシグナル伝達を含むことができ、これにより、下流の分子プロセス、細胞プロセスまたは生理学的プロセス(例えば、タンパク質合成、オートファジー、代謝、細胞周期停止、アポトーシスなど)のいずれか1つまたは組み合わせの測定可能な変化がもたらされ得る。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR活性化性異常のないmTOR活性のレベルよりも、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか1つだけmTOR活性を過剰活性化する。一部の実施形態では、mTOR活性の過剰活性化は、mTORC1によってのみ媒介される。一部の実施形態では、mTOR活性の過剰活性化は、mTORC2によってのみ媒介される。一部の実施形態では、mTOR活性の過剰活性化は、mTORC1とmTORC2の両方によって媒介される。
mTOR活性を決定する方法は、当分野において公知である。例えば、Brian CGら、Cancer Discovery、2014年、4巻:554~563頁を参照のこと。mTOR活性は、上記のmTORシグナル伝達経路の下流の出力(例えば、分子レベル、細胞レベルおよび/または生理学的レベルにおけるもの)のいずれか1つを定量することにより測定することができる。例えば、mTORC1によるmTOR活性は、リン酸化4EBP1(例えばP-S65-4EBP1)のレベル、および/またはリン酸化S6K1(例えばP-T389-S6K1)のレベル、および/またはリン酸化AKT1(例えばP-S473-AKT1)のレベルを決定することにより測定することができる。mTORC2によるmTOR活性は、リン酸化FoxO1および/またはFoxO3aのレベルの決定により測定することができる。リン酸化タンパク質のレベルは、目的のリン酸化タンパク質を特異的に認識する抗体を使用して、ウエスタンブロットアッセイなどの、当分野において公知の任意の方法を使用して決定することができる。
候補となるmTOR活性化性異常は、様々な方法によって、例えば、文献の探索によって、または遺伝子発現プロファイリング実験(例えばRNA配列決定実験またはマイクロアレイ実験)、定量的プロテオミクス実験および遺伝子配列決定実験が含まれるがこれらに限定されない、当分野において公知の実験方法によって特定することができる。例えば、対照試料と比較した、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体から採集した試料に行われる遺伝子発現プロファイリング実験および定量的プロテオミクス実験により、異常なレベルで存在する遺伝子および遺伝子産物(例えば、RNA、タンパク質およびリン酸化タンパク質)のリストが提示され得る。一部の例では、対照試料と比較した、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体から採集した試料に行われた遺伝子配列決定(例えば、エキソーム配列決定)実験により、遺伝的異常のリストが提示され得る。統計的関連性解析(例えば、ゲノムワイド関連解析)が、過形成を有する個体の集団から採集された実験データに関して行われ、この実験において、過形成と特定される異常(異常なレベルまたは遺伝的異常)を関係づけることができる。一部の実施形態では、標的化配列決定実験(例えば、ONCOPANEL(商標)試験)が行われ、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体における遺伝的異常のリストが提示される。
ONCOPANEL(商標)試験が、種々の供給源の試料(例えば、腫瘍生検または血液試料)由来のDNAにおける、体細胞変異、コピー数多型および構造的再編成を含む遺伝的異常の検出のために、がん関連遺伝子のエクソンDNA配列およびイントロン領域を調査するために使用され得、それによって、mTOR活性化性異常であり得る遺伝的異常の候補リストを提供する。一部の実施形態では、このmTOR関連遺伝子の異常は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される遺伝子における遺伝的異常または異常なレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)である。例えば、Wagle N.ら、Cancer discovery 2巻、1号(2012年):82~93頁を参照のこと。
ONCOPANEL(商標)試験の例示的なバージョンは、300のがん遺伝子、および35の遺伝子にわたる113のイントロンを含む。例示的なONCOPANEL(商標)試験に含まれる300の遺伝子は、ABL1、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALOX12B、APC、AR、ARAF、ARID1A、ARID1B、ARID2、ASXL1、ATM、ATRX、AURKA、AURKB、AXL、B2M、BAP1、BCL2、BCL2L1、BCL2L12、BCL6、BCOR、BCORL1、BLM、BMPR1A、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD4、BRIP1、BUB1B、CADM2、CARD11、CBL、CBLB、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CD274、CD58、CD79B、CDC73、CDH1、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、CDKN1A、CDKN1B、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CHEK2、CIITA、CREBBP、CRKL、CRLF2、CRTC1、CRTC2、CSF1R、CSF3R、CTNNB1、CUX1、CYLD、DDB2、DDR2、DEPDC5、DICER1、DIS3、DMD、DNMT3A、EED、EGFR、EP300、EPHA3、EPHA5、EPHA7、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC2、ERCC3、ERCC4、ERCC5、ESR1、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EXT1、EXT2、EZH2、FAM46C、FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FAS、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FKBP9、FLCN、FLT1、FLT3、FLT4、FUS、GATA3、GATA4、GATA6、GLI1、GLI2、GLI3、GNA11、GNAQ、GNAS、GNB2L1、GPC3、GSTM5、H3F3A、HNF1A、HRAS、ID3、IDH1、IDH2、IGF1R、IKZF1、IKZF3、INSIG1、JAK2、JAK3、KCNIP1、KDM5C、KDM6A、KDM6B、KDR、KEAP1、KIT、KRAS、LINC00894、LMO1、LMO2、LMO3、MAP2K1、MAP2K4、MAP3K1、MAPK1、MCL1、MDM2、MDM4、MECOM、MEF2B、MEN1、MET、MITF、MLH1、MLL(KMT2A)、MLL2(KTM2D)、MPL、MSH2、MSH6、MTOR、MUTYH、MYB、MYBL1、MYC、MYCL1(MYCL)、MYCN、MYD88、NBN、NEGR1、NF1、NF2、NFE2L2、NFKBIA、NFKBIZ、NKX2-1、NOTCH1、NOTCH2、NPM1、NPRL2、NPRL3、NRAS、NTRK1、NTRK2、NTRK3、PALB2、PARK2、PAX5、PBRM1、PDCD1LG2、PDGFRA、PDGFRB、PHF6、PHOX2B、PIK3C2B、PIK3CA、PIK3R1、PIM1、PMS1、PMS2、PNRC1、PRAME、PRDM1、PRF1、PRKAR1A、PRKCI、PRKCZ、PRKDC、PRPF40B、PRPF8、PSMD13、PTCH1、PTEN、PTK2、PTPN11、PTPRD、QKI、RAD21、RAF1、RARA、RB1、RBL2、RECQL4、REL、RET、RFWD2、RHEB、RHPN2、ROS1、RPL26、RUNX1、SBDS、SDHA、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、SETBP1、SETD2、SF1、SF3B1、SH2B3、SLITRK6、SMAD2、SMAD4、SMARCA4、SMARCB1、SMC1A、SMC3、SMO、SOCS1、SOX2、SOX9、SQSTM1、SRC、SRSF2、STAG1、STAG2、STAT3、STAT6、STK11、SUFU、SUZ12、SYK、TCF3、TCF7L1、TCF7L2、TERC、TERT、TET2、TLR4、TNFAIP3、TP53、TSC1、TSC2、U2AF1、VHL、WRN、WT1、XPA、XPC、XPO1、ZNF217、ZNF708、ZRSR2である。例示的なONCOPANEL(商標)試験において調査されるイントロン領域は、ABL1、AKT3、ALK、BCL2、BCL6、BRAF、CIITA、EGFR、ERG、ETV1、EWSR1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FUS、IGH、IGL、JAK2、MLL、MYC、NPM1、NTRK1、PAX5、PDGFRA、PDGFRB、PPARG、RAF1、RARA、RET、ROS1、SS18、TRA、TRB、TRG、TMPRSS2の特定のイントロン上に敷き詰められる。上に列挙した遺伝子およびイントロン領域が含まれるがこれらに限定されない、ONCOPANEL(商標)試験の任意の実施形態またはバージョン中に含まれる遺伝子のいずれかのmTOR活性化性異常(例えば、遺伝的異常および異常なレベル)は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物による処置について個体を選択するための根拠として機能することが、本出願によって企図される。
候補となる遺伝的異常または異常なレベルがmTOR活性化性異常であるかどうかは、当分野において公知の方法を用いて決定することができる。細胞(例えば、細胞系)または動物モデルにおける遺伝的実験が行われ、実験において観察されたすべての異常から特定される過形成関連異常が、mTOR活性化性異常であるということが確認され得る。例えば、遺伝的異常は、細胞系または動物モデルにおいてクローニングおよび作出され得、これらの作出された細胞系または動物モデルのmTOR活性を測定して、遺伝的異常を有していない対応する細胞系または動物モデルと比較することができる。このような実験でのmTOR活性の上昇は、遺伝的異常が、臨床試験で試験され得る候補mTOR活性化性異常であることを示すことができる。
遺伝的異常
1または複数のmTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコード化、非コード化、調節、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、イントロン、エクソン、および非翻訳領域が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはタンパク質配列(すなわち変異)、またはエピジェネティック特徴への変化を含むことができる。
これらの遺伝的異常は、生殖細胞系変異(染色体再編成を含む)、または体細胞変異(染色体再編成を含む)とすることができる。一部の実施形態では、遺伝的異常は、個体の正常組織および過形成組織を含めて、すべての組織中に存在している。一部の実施形態では、遺伝的異常は、個体の過形成組織(例えば、腫瘍組織、または、肺高血圧症もしくは再狭窄の異常増殖細胞)にしか存在しない。一部の実施形態では、遺伝的異常は、過形成腫瘍組織の一部にしか存在しない。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、欠失、フレームシフト、挿入、インデル、ミスセンス変異、ナンセンス変異、点変異、一塩基多様性(SNV)、サイレント変異、スプライス部位変異、スプライスバリアントおよび転座が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、変異は、mTORシグナル伝達経路の負の調節因子に対する機能喪失変異、またはmTORシグナル伝達経路の正の調節因子の機能獲得変異とすることができる。
一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。通常、ゲノムあたり各mTOR関連遺伝子の2つのコピーが存在する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数は、遺伝的異常によって増幅され、ゲノムにおけるmTOR関連遺伝子の少なくとも約3、約4、約5、約6、約7、約8またはそれより多いコピーのいずれかをもたらす。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、ゲノムにおけるmTOR関連遺伝子のコピーの一方またはその両方の喪失をもたらす。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、mTOR関連遺伝子の異型接合性の喪失である。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、mTOR関連遺伝子の欠失である。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、染色体またはその断片の欠失、重複、逆位および転座を含めた、ゲノムの構造再編成によって引き起こされる。
一部の実施形態では、遺伝的異常は、DNAメチル化、ヒドロキシメチル化、異常なヒストン結合、クロマチン再構成などが含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する異常なエピジェネティック特徴を含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のプロモーターは、対照レベル(例えば、標準化された試験における臨床的に共用された正常レベル)と比べて、例えば、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれよりも高くのいずれかだけ、個体において過剰メチル化される。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、上記のmTOR関連遺伝子のいずれか1つにおいて、遺伝的異常(例えば、変異またはコピー数多型)である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4およびBAP1から選択される、1または複数の遺伝子における、変異またはコピー数多型である。
mTOR関連遺伝子における遺伝的異常は、遺伝性がんおよび散発性がんを含めた、様々なヒトがんにおいて特定された。例えば、TSC1/2における生殖細胞系不活性化変異は結節硬化症を引き起こし、この状態を有する患者は、皮膚および脳過誤腫、腎血管筋脂肪腫および腎細胞癌(RCC)を含む病変を呈する(Krymskaya VPら 2011年、FASEB Journal 25巻(6号):1922~1933頁)。PTEN過誤腫性症候群(PTEN hamartoma tumor syndrome)(PHTS)は、不活性化生殖細胞系PTEN変異にリンクしており、乳がん、子宮内膜がん、濾胞性甲状腺がん、過誤腫およびRCCを含めた、臨床的症状発現の範囲と関連する(Legendre C.ら、2003年、Transplantation proceedings 35巻(補遺3):151S~153S頁)。さらに、散発性腎臓がんもまた、PI3K-Akt-mTOR経路(例えばAKT1、MTOR、PIK3CA、PTEN、RHEB、TSC1、TSC2)におけるいくつかの遺伝子の体細胞変異を保持することが示されている(Power LA、1990年、AmJHospPharm475巻、5号:1033~1049頁;Badesch DBら 2010年、Chest 137巻(2号):376~387l頁;Kim JCおよびSteinberg GD、2001年、The Journal of urology、165巻(3号):745~756頁;McKiernan J.ら、2010年、JUrol183巻(補遺4))。明細胞型腎細胞癌におけるCancer Genome Atlasにより特定された上位50種のかなりの変異を受けた遺伝子のうち、変異率は、mTORC1活性化に収束する遺伝子変異について約17%である(Cancer Genome Atlas Research Network.、「Comprehensive molecular characterization of clear cell renal cell carcinoma.」、2013年 Nature 499巻:43~49頁)。mTOR関連遺伝子における遺伝的異常は、リムス薬物による処置に対してがんを有する個体の感受性を付与することが分かった。例えば、Wagleら、NEngJMed2014年、371巻:1426~33頁;Iyerら、Science 2012年、338巻:221頁;Wagleら、Cancer Discovery 2014年、4巻:546~553頁;Grabinerら、Cancer Discovery 2014年、4巻:554~563頁;DicksonらInt JCancer 2013年、132巻(7号):1711~1717頁およびLimら、J ClinOncol33巻、2015年、補遺;抄録11010を参照のこと。上記の参照文献によって記載されているmTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に組み込まれている。一部のmTOR関連遺伝子における例示的な遺伝的異常が以下に記載されており、本出願は、本明細書に記載される例示的な遺伝的異常に限定されないことが理解される。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、MTORにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、MTORの活性化変異を含む。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、N269、L1357、N1421、L1433、A1459、L1460、C1483、E1519、K1771、E1799、F1888、I1973、T1977、V2006、E2014、I2017、N2206、L2209、A2210、S2215、L2216、R2217、L2220、Q2223、A2226、E2419、L2431、I2500、R2505、およびD2512からなる群より選択されるMTORのタンパク質配列における、1または複数の位置(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6またはそれより多い位置のいずれか1つ)におけるものである。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、N269S、L1357F、N1421D、L1433S、A1459P、L1460P、C1483F、C1483R、C1483W、C1483Y、E1519T、K1771R、E1799K、F1888I、F1888I L、I1973F、T1977R、T1977K、V2006I、E2014K、I2017T、N2206S、L2209V、A2210P、S2215Y、S2215F、S2215P、L2216P、R2217W、L2220F、Q2223K、A2226S、E2419K、L2431P、I2500M、R2505P、およびD2512Hからなる群より選択される、1または複数のミスセンス変異(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6またはそれより多い変異のいずれか1つ)である。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、MTORがRHEBに結合するのを撹乱する。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、MTORがDEPTORに結合するのを撹乱する。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、TSC1またはTSC2における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、TSC1またはTSC2における異型接合性の喪失を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、TSC1またはTSC2における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1またはTSC2における、フレームシフト変異またはナンセンス変異である。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1における、フレームシフト変異c.1907_1908delである。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1:c.1019+1G>Aのスプライスバリアントである。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC2におけるナンセンス変異c.1073G>Aおよび/またはTSC1におけるナンセンス変異p.Trp103*である。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1またはTSC2における、ミスセンス変異を含む。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、TSC1のA256位、および/またはTSC2のY719位にある。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、TSC1におけるA256VまたはTSC2におけるY719Hを含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、RHEBにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、RHEBにおける機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、Y35およびE139から選択される、RHEBのタンパク質配列における1または複数の位置にある。一部の実施形態では、RHEBにおける機能喪失変異は、Y35N、Y35C、Y35HおよびE139Kから選択される。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、NF1における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、NF1における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、NF1における機能喪失変異は、NF1におけるD1644位のミスセンス変異である。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、NF1におけるD1644Aである。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、NF2における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、NF2における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、NF2における機能喪失変異は、ナンセンス変異である。一部の実施形態では、NF2におけるナンセンス変異は、c.863C>Gである。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、PTENにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、ゲノムにおけるPTENの欠失を含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、PI3Kにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、PIK3CAまたはPIK3CGにおける機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、E542、I844およびH1047からなる群より選択される、PIK3CAのある位置におけるミスセンス変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、E542K、I844VおよびH1047Rからなる群より選択される、PIK3CAにおけるミスセンスを含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、AKT1における活性化変異を含む。一部の実施形態では、活性化変異は、AKT1のH238位におけるミスセンス変異である。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、AKT1におけるH238Yである。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、TP53における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、TP53における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、A39fs*5などの、TP53における、フレームシフト変異である。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、KRASの遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、KRAS遺伝子のエクソン2またはエクソン3の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、KRASアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34、Q61、K117またはA146からなる群より選択される位置の1または複数におけるKRAS変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13R、G13C、G13S、G13A、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択されるKRAS変異を含む。
mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、個体に由来する試料および/または参照試料などの試料に基づいて評価することができる。一部の実施形態では、試料は、組織試料、または組織試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、細胞試料(例えば、CTC試料)、または細胞試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、腫瘍の生検である。一部の実施形態では、試料は、腫瘍試料、または腫瘍試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、生検試料、または生検試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、ホルムアルデヒド固定化パラフィン包埋(FFPE)試料、またはFFPE試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、血液試料である。一部の実施形態では、無細胞DNAは、血液試料から単離される。一部の実施形態では、生物学的試料は血漿試料、または血漿試料から抽出された核酸である。
mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、当分野において公知の任意の方法により決定することができる。例えば、Dicksonら.IntJCancer、2013年、132巻(7号):1711~1717頁;Wagle NCancer Discovery、2014年、4巻:546~553頁;およびCancer Genome Atlas Research NetworkNature 2013年、499巻:43~49頁を参照のこと。例示的な方法には、サンガー配列決定もしくは次世代配列決定プラットフォームを使用するゲノムDNA配列決定、亜硫酸水素塩配列決定、または他のDNA配列決定をベースとする方法;ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ;In-situハイブリダイゼーションアッセイ;およびDNAマイクロアレイが含まれるがこれらに限定されない。個体から単離した試料に由来する1または複数のmTOR関連遺伝子のエピジェネティック特徴(例えば、DNAメチル化、ヒストン結合またはクロマチン改変)は、対照試料に由来する1または複数のmTOR関連遺伝子のエピジェネティック特徴と比較してもよい。試料から抽出された核酸分子が、「mTOR関連遺伝子」のセクションに記載されたAKT1、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよび/またはBAP1の野生型配列などの、参照配列と比べた、mTOR活性化遺伝的異常の存在について、配列決定または解析が行われ得る。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、無細胞DNA配列決定方法を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、血液試料から単離されたmTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、エキソーム配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、蛍光in-situハイブリダイゼーション分析を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。
異常なレベル
mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、異常な発現レベルまたは異常な活性レベルを指すことができる。
mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルは、対照レベルと比べて、mTOR関連遺伝子によってコードされる分子のレベルの増加または低下を含む。mTOR関連遺伝子によってコードされる分子は、RNA転写物(例えば、mRNA)、タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォームのリン酸化および/または脱リン酸化状態、タンパク質アイソフォームのユビキチン化および/または脱ユビキチン化状態、タンパク質アイソフォームの膜局在化(例えば、ミリストイル化、パルミトイル化など)状態、タンパク質アイソフォームの他の転写後改変状態、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルは、下流の標的遺伝子のエピジェネティック調節、転写調節、翻訳調節、翻訳後調節またはそれらの任意の組み合わせを含めた、mTOR関連遺伝子の下流の任意の標的遺伝子によってコードされる分子の増強または抑制を含む。さらに、mTOR関連遺伝子の活性は、タンパク質合成、細胞成長、増殖、シグナル伝達、ミトコンドリア代謝、ミトコンドリア生合成、ストレス応答、細胞周期停止、オートファジー、微小管組織化および脂質代謝が含まれるがこれらに限定されない、mTOR活性化性異常に応答する、下流の細胞作用および/または生理学的作用を含む。
mTOR関連遺伝子(mTOR関連遺伝子によってコードされる遺伝子産物を含む)の異常レベルは、がん、再狭窄および肺高血圧症を含めた過形成と関連している。
例えば、mTOR発現は、70の症例のうちの54症例(77%)のT2筋浸潤性膀胱腫瘍において活性化されたpS6-キナーゼの活性化によって証明されている通り、表在性疾患から浸潤性膀胱がんまでの進行における疾患ステージに応じて、増加することが示された(Seager CMら、(2009年)Cancer PrevRes.(Phila)2巻、1008~1014頁)。mTORシグナル伝達経路もまた、肺動脈性高血圧症において、過剰に活性化されることが知られている。
個体におけるmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、発現レベルおよび/または活性レベル)は、試料(例えば、個体に由来する試料または参照試料)に基づいて決定することができる。一部の実施形態では、試料は、組織、器官、細胞または腫瘍に由来する。一部の実施形態では、試料は、生物学的試料である。一部の実施形態では、生物学的試料は、生物学的流体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態では、生物学的流体試料は、体液である。一部の実施形態では、試料は、過形成(例えば、腫瘍)組織、前記固形腫瘍組織に隣接する正常組織、前記過形成(例えば、腫瘍)組織に対して遠位にある正常組織、血液試料または他の生物学的試料である。一部の実施形態では、試料は、固定化試料である。固定化試料には、ホルマリン固定化試料、パラフィン包埋試料または凍結試料が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、試料は、過形成(例えば、癌)細胞を含有している生検である。さらなる実施形態では、生検は、過形成(例えば、癌)細胞の微細針の吸引物である。さらなる実施形態では、生検は、腹腔鏡検査により得られる過形成(例えば、癌)細胞である。一部の実施形態では、生検細胞は、遠心分離されてペレットにされる、固定化される、およびパラフィンに包埋される。一部の実施形態では、生検細胞は、急速冷凍される。一部の実施形態では、生検細胞は、mTOR関連遺伝子によりコードされる分子を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、生検は、個体が、過形成(例えば、がん、肺高血圧症または再狭窄)を有するかどうかを決定するために採取され、次に試料として使用される。一部の実施形態では、試料は、外科的に得られた過形成(例えば、がん)細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、mTOR関連遺伝子の発現レベルの決定が行われるのとは異なる時間で得ることができる。
一部の実施形態では、試料は、循環転移性がん細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、血液からの循環腫瘍細胞(CTC)を選別することにより得られる。さらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、体液中を循環する。さらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、血流中を循環する。さらなる実施形態では、CTCは、転移の指標である。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルは、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを評価するために決定される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルは、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを評価するために決定される。一部の実施形態では、タンパク質レベルは、個体のタンパク質またはそのタンパク質分解断片の1または複数のエピトープに特異的な1または複数の抗体を使用して決定される。本発明の実施に使用するのに好適な検出方法には、免疫組織化学、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、ウェスタンブロット法、質量分析および免疫PCRが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、試料中のmTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルは、同一試料における、ハウスキーピングタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、すなわちGAPDH)のレベルによって正規化(例えば、除算する)される。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子によってコードされるmRNAのレベルを決定して、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを評価する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子によってコードされるmRNAのレベルを決定して、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを評価する。一部の実施形態では、逆転写(RT)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイ(定量的RT-PCRアッセイを含む)を使用して、mRNAレベルを決定する。一部の実施形態では、遺伝子チップまたは次世代配列決定方法(例えば、RNA(cDNA)配列決定またはエキソーム配列決定)を使用して、mTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子によってコードされるRNA(例えば、mRNA)のレベルを決定する。一部の実施形態では、試料中のmTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子のmRNAレベルは、同一試料における、ハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH)のmRNAレベルによって正規化(例えば、除算する)される。
mTOR関連遺伝子のレベルは、対照または参照と比べて、高いレベルまたは低いレベルであり得る。mTOR関連遺伝子がmTOR活性(例えば、mTORC1および/またはmTORC2活性)の正の調節因子である一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、対照と比べて高レベルである。mTOR関連遺伝子がmTOR活性(例えば、mTORC1および/またはmTORC2活性)の負の調節因子である一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、対照と比べて低レベルである。
一部の実施形態では、個体中のmTOR関連遺伝子のレベルは、対照試料におけるmTOR関連遺伝子のレベルと比較される。一部の実施形態では、個体におけるmTOR関連遺伝子のレベルは、複数の対照試料におけるmTOR関連遺伝子のレベルと比較される。一部の実施形態では、複数の対照試料は、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)を有する個体における、mTOR関連遺伝子のレベルを分類するために使用される統計量を生成するために使用される。
mTOR関連遺伝子のレベル(すなわち、高いまたは低い)の分類または順位付けは、対照レベルの統計的分布に対して決定することができる。一部の実施形態では、分類または順位付けは、個体から得られた、正常組織(例えば、末梢血単核細胞)、または正常な上皮細胞試料(例えば、口腔内スワップ(buccal swap)または皮膚パンチ)などの対照試料に対するものである。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、対照レベルの統計的分布に対して、分類または順位付けされる。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、個体から得られる対照試料に由来するレベルに対して、分類または順位付けされる。
対照試料は、非対照試料と同じ供給源および方法を使用して得ることができる。一部の実施形態では、対照試料は、様々な個体(例えば、過形成例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症を有しない個体、過形成に対応する疾患の良性形態またはそれほど進行していない形態を有する個体、および/または類似した民族性、年齢および性別を共有する個体)から得られる。一部の実施形態では、試料が腫瘍組織試料である場合、対照試料は、同じ個体に由来する非がん性試料とすることができる。一部の実施形態では、複数の対照試料(例えば、異なる個体に由来)を使用して、特定の組織、器官または細胞集団におけるmTOR関連遺伝子のレベルの範囲を決定する。
一部の実施形態では、対照試料は、適切な対照であると決定された培養組織または細胞である。一部の実施形態では、対照は、mTOR活性化性異常を有していない細胞である。一部の実施形態では、標準化された試験における臨床的に許容された正常レベルが、mTOR関連遺伝子の異常なレベルを決定するための対照レベルとして使用される。一部の実施形態では、個体における、mTOR関連遺伝子またはその下流の標的遺伝子のレベルは、免疫組織化学に基づいたスコアリング系などの、スコアリング系に従い、高い、中間または低いに分類される。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、個体におけるmTOR関連遺伝子のレベルを測定し、対照または参照と比較することによって決定される(例えば、所与の患者集団の中央値レベル、または第2の個体のレベル)。例えば、単一個体のmTOR関連遺伝子のレベルが、患者集団の平均レベルより上にあることが決定された場合、その個体は、高い発現レベルのmTOR関連遺伝子を有すると決定される。あるいは、単一個体のmTOR関連遺伝子のレベルが、患者集団の中央値レベルより下にあることが決定された場合、その個体は、低い発現レベルのmTOR関連遺伝子を有すると決定される。一部の実施形態では、個体を、処置に応答する第2の個体および/または患者集団と比較する。一部の実施形態では、個体を、処置に応答しない第2の個体および/または患者集団と比較する。一部の実施形態では、レベルは、mTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子によってコードされる核酸のレベルを測定することによって決定される。
例えば、単一個体について、mTOR関連遺伝子によりコードされた分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)のレベルが、患者集団の中央値レベルより上にあることが決定された場合、その個体は、mTOR関連遺伝子によってコードされた、高い発現レベルの分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)を有すると決定される。あるいは、単一個体について、mTOR関連遺伝子によりコードされた分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)のレベルが、患者集団の中央値レベルより下にあることが決定された場合、その個体は、mTOR関連遺伝子によってコードされた、低いレベルの分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)を有すると決定される。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の対照レベルは、mTOR関連遺伝子のレベルの統計的分布を得ることによって決定される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、対照レベル、または対照レベルの統計的分布に対して、分類または順位付けされる。
一部の実施形態では、バイオインフォーマティクス方法は、mTOR関連遺伝子の活性レベルの尺度として、mTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子のレベルを含めた、mTOR関連遺伝子のレベルを決定および分類するために使用される。遺伝子発現プロファイリングデータを使用して遺伝子セット発現プロファイルを評価するために、多数のバイオインフォーマティクス手法が開発された。方法としては、Segal, E.ら、NatGenet34:66-176 (2003年);Segal, E.ら、NatGenet36:1090-1098頁(2004年);Barry, WT.ら、Bioinformatics 21:1943-1949頁(2005年);Tian, L.ら、Proc Nat’l Acad Sci USA 102:13544-13549頁(2005年);Novak B AおよびJain A NBioinformatics 22:233-41頁(2006年);Maglietta Rら、Bioinformatics 23:2063-72頁(2007年);Bussemaker H J, BMC Bioinformatics 8 Suppl 6:S6頁(2007年)に記載されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、対照レベルは、予め決定された閾値レベルである。一部の実施形態では、mRNAが決定され、低レベルは、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものよりも、約1倍、約0.9倍、約0.8倍、約0.7倍、約0.6倍、約0.5倍、約0.4倍、約0.3倍、約0.2倍、約0.1倍、約0.05倍、約0.02倍、約0.01倍、約0.005倍、約0.002倍、約0.001倍またはそれ未満のいずれかより低いmRNAレベルである。一部の実施形態では、高レベルは、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものよりも、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.7倍、約2倍、約2.2倍、約2.5倍、約2.7倍、約3倍、約5倍、約7倍、約10倍、約20倍、約50倍、約70倍、約100倍、約200倍、約500倍、約1000倍または1000倍超を超えるmRNAレベルである。
一部の実施形態では、タンパク質発現レベルは、例えばウエスタンブロットまたは酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)によって決定される。例えば、低レベルまたは高レベルに関する基準は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質を特異的に認識する抗体によってブロットされるmTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質に対応するタンパク質ゲル上のバンドの全強度に基づいてなされ、ハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH)を特異的に認識する抗体によってブロットされたハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH)に対応する同一試料の同一タンパク質ゲルのバンドによって正規化(例えば、除算する)することができる。一部の実施形態では、タンパク質レベルが、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものの、約1倍、約0.9倍、約0.8倍、約0.7倍、約0.6倍、約0.5倍、約0.4倍、約0.3倍、約0.2倍、約0.1倍、約0.05倍、約0.02倍、約0.01倍、約0.005倍、約0.002倍、約0.001倍またはそれ未満のいずれかより低い場合、このタンパク質レベルは低い。一部の実施形態では、タンパク質レベルが、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものの、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.7倍、約2倍、約2.2倍、約2.5倍、約2.7倍、約3倍、5倍、約7倍、約10倍、約20倍、約50倍または100倍または100倍超のいずれかより高い場合、このタンパク質レベルは高い。
一部の実施形態では、タンパク質発現レベルは、例えば、免疫組織化学によって決定される。例えば、低いレベルまたは高いレベルについての基準は、例えばmTOR関連遺伝によってコードされるタンパク質を特異的に認識する抗体を使用することによる、陽性染色細胞の数および/または染色の強度に基づいて作成され得る。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満または約50%未満の細胞が陽性染色を有する場合、低い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、染色が、陽性対照染色よりも、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%低い強度である場合、低い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、約40%超、約45%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超または約90%超の細胞が陽性染色を有する場合、高い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、染色が陽性対照染色と同等の強度である場合、高い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、染色が陽性対照染色の強度の80%、85%または90%である場合、高い。
一部の実施形態では、スコアリングは、米国特許出願第2013/0005678号に記載されている「H-スコア」に基づく。H-スコアは、式:3×染色が強力な細胞の割合+2×染色が中程度の細胞の割合+染色が弱い細胞の割合によって得られ、0~300の範囲で与えられる。
一部の実施形態では、強い染色、中程度の染色および弱い染色は、範囲が確立され、染色の強度がその範囲内にビニングされる(binned)、較正されたレベルの染色である。一部の実施形態では、強い染色は、75パーセンタイルを上回る強度範囲の染色であり、中程度の染色は、25パーセンタイル~75パーセンタイルの強度範囲の染色であり、低い染色は、25パーセンタイルを下回る強度範囲の染色である。一部の態様では、特定の染色技術に精通している当業者は、ビンのサイズを調整し、染色カテゴリーを定義する。
一部の実施形態では、染色された細胞の50%超が強力な反応性を示す場合、高い染色という標識が割りあてられ、染色された細胞の50%未満に染色が観察されない場合、染色がないという標識が割りあてられ、他の場合のすべてについて、低い染色という標識が割りあてられる。
一部の実施形態では、試料、患者などにおけるmTOR関連遺伝子の遺伝的異常もしくはレベルの評価および/またはスコアリングは、1または複数の経験の豊富な臨床医、すなわち、mTOR関連遺伝子発現およびmTOR関連遺伝子の産物の染色パターンに経験のある臨床医によって行われる。例えば、一部の実施形態では、臨床医は、評価およびスコアリングされる試料、患者などに関する臨床的特徴および転帰について盲検にされる。
異常リン酸化レベル
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常(例えば、異常な発現レベルまたは異常な活性レベル)は、異常なタンパク質リン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常リン酸化レベルは、AKT、TSC2、mTOR、PRAS40、S6K、S6、4EBP1、およびSPARCからなる群より選択されるmTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質中に存在する。関連するバイオマーカーとして働くことができるmTOR関連遺伝子の例示的なリン酸化種には、AKT S473リン酸化、PRAS40 T246リン酸化、mTOR S2448リン酸化、4EBP1 T36リン酸化、S6K T389リン酸化、4EBP1 T70リン酸化、およびS6 S235リン酸化が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されている場合、処置するために選択される。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されていない場合、処置するために選択される。一部の実施形態では、個体は、1または複数のmTOR関連遺伝子によってコードされる1または複数のタンパク質のリン酸化レベルに基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、タンパク質のリン酸化状態は、免疫組織化学により決定される。
mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質の異常リン酸化レベルは、がん、再狭窄および肺高血圧症を含めた過形成と関連している。例えば、高レベル(74%)のリン酸化mTORの発現が、ヒト膀胱がん組織アレイに見出され、リン酸化mTORの強度は、生存期間の低減と関連した(Hansel DEら、(2010年)AmJPathol176巻:3062~3072頁)。
一部の実施形態では、1または複数のmTOR関連遺伝子のタンパク質リン酸化レベルが決定される。タンパク質のリン酸化状態は、様々な試料供給源から評価され得る。一部の実施形態では、試料は、腫瘍の生検である。タンパク質のリン酸化状態は、様々な方法により評価され得る。一部の実施形態では、リン酸化状態は免疫組織化学を使用して評価される。タンパク質のリン酸化状態は、部位特異的となり得る。タンパク質のリン酸化状態は、対照試料と比較され得る。対照試料は、mTOR関連遺伝子の発現レベルまたは活性レベルの決定を含む方法について先の節に記載されている対照試料のいずれか1つであり得る。一部の実施形態では、リン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、リン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、リン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。
mTOR関連遺伝子のレベルを決定するために、診断用研究室に試料を送達することによる、過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の処置を指示する;mTOR関連遺伝子のレベルが既知の対照試料を提供する;mTOR関連遺伝子によってコードされる分子に対する抗体、またはmTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子によりコードされる分子に対する抗体を提供する;これらの試料および対照試料を上記の抗体に個々に接触させる、ならびに/または抗体結合の相対量を検出する方法が、本明細書においてさらに提供され、試料のレベルを使用して、本明細書に記載される方法のいずれか1つによる処置を患者は受けるべきであるという結論を提示する。
過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の処置を指示する方法であって、試料におけるmTOR活性化性異常の状態(例えば、この存在/非存在、またはレベル)と関連するデータを検討または分析するステップ、医療提供者または医療管理者などの個体に、処置に応答する個体の可能性または適性に関して、データの検討または分析に基づいた結論を提示するステップをさらに含む方法も、本明細書で提供される。本発明の一態様では、結論は、ネットワーク上でのデータの送信である。
抵抗性バイオマーカー
ある種の遺伝子の遺伝的異常および異常なレベルは、本明細書に記載される処置方法に対する抵抗性と関連することがある。一部の実施形態では、抵抗性バイオマーカーにおける異常(例えば、遺伝的異常または異常なレベル)を有する個体は、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子を使用する処置方法から除外される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常の1または複数の状態と組み合わせた抵抗性バイオマーカーの状態は、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子を使用した処置方法のいずれか1つに関して個体を選択するための根拠として使用される。
例えば、IGHMエンハンサー3、TFEA、RCCP2、RCCX1またはbHLHe33に結合する転写因子としても知られているTFE3は、遺伝子のプロモーターにおけるMUE3-タイプのEボックス配列を特異的に認識して結合する転写因子である。TFE3は、形質転換増殖因子ベータ(TGF-ベータ)シグナル伝達の下流の遺伝子の発現を促進する。TFE3の転座は、腎細胞癌および他のがんと関連する。一部の実施形態では、野生型TFE3遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによれば、X染色体の補体鎖のヌクレオチド49028726からヌクレオチド49043517までのGenbank受託番号NC_000023.11によって特定される。本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子を使用する処置に対する抵抗性と関連し得るTFE3の例示的な転座には、t(X;1)(p11.2;q21)、t(X;1)(p11.2;p34)、(X;17)(p11.2;q25.3)およびinv(X)(p11.2;q12)などのXp11転座が含まれるがこれらに限定されない。TFE3座の転座は、免疫組織化学的方法または蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)を使用して評価することができる。
他の処置方法
本出願の一態様は、それを必要とする個体における、筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性NMIBC)、末梢動脈疾患(PAD、例えば膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)および肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置するための方法および組成物であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、方法および組成物を提供する。処置を受ける個体は、上記のmTOR活性化性異常を有していても有していなくてもよい。一部の実施形態では、個体は、上記のmTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、上記のmTOR活性化性異常のいずれかの状態は、処置について個体を選択するための根拠として使用されない。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、この用量が、膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含む。ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約100mgの用量で小胞内投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約100mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約100mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約300mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約300mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。 一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約300mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約300mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約200mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約200mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約200mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約200mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が約400mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約400mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約400mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約400mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が約100mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が約100mgの用量で小胞内投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が約100mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約100mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が約300mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約300mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約300mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約300mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が約200mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約200mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約200mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約200mgの用量で投与され、この組成物が、週2回(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤は、ゲムシタビンである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が約400mgの用量で小胞内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約400mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約400mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約400mgの用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、組成物は、単剤として投与される。一部の実施形態では、組成物は、第2の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤は、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルからなる群より選択される化学療法剤である。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を膀胱内投与するステップと、個体に、有効量のゲムシタビンを投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を小胞内投与するステップと、個体に、有効量のゲムシタビンを投与するステップを含む、この組成物が400mg以下の用量で膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップと、個体に、有効量のゲムシタビンを投与するステップを含み、この組成物が400mg以下の用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップと、個体に、有効量のゲムシタビンを投与するステップを含み、この組成物が400mg以下の用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC、例えばBCG不応性または再発性NMIBC)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップと、個体に、有効量のゲムシタビンを投与するステップを含み、この組成物が400mg以下の用量で投与され、この組成物が、毎週(例えば、約6週間)投与され、この用量が、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によって膀胱内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、組成物は、排尿前の約2時間、膀胱内に保持される。一部の実施形態では、個体は、約6週間後に、維持用量の組成物を投与され、その維持用量は、毎月投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、静脈内投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、約1250mg/m2以下または約1000mg/m2以下の用量で投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンの各用量は、約30分にわたって投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、各3週間サイクルのうちの2週間にわたって、週1回投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、各21日サイクルの1日目および8日目に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、4週間サイクルのうちの各3週間にわたって週1回投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目に投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、最初の7週間にわたって週1回、次に1週間休薬し、次に各4週間サイクルのうちの3週間にわたって、週1回投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンおよびNab-シロリムス組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびNab-シロリムス組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびNab-シロリムス組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約40μg/cmの用量で外膜内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約40μg/cmの用量で外膜内投与され、この組成物が、マイクロ注入カテーテル(例えば、Bullfrog(登録商標)マイクロ注入カテーテル)を使用して外膜に投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、血管の内腔径を改善する。一部の実施形態では、この方法は、膝窩動脈および連続末梢動脈のバルーン血管形成術および一時的ステント留置後の大腿膝窩動脈の血行再建術の転帰を改善する。一部の実施形態では、個体は、膝窩動脈内に約70%超の新規のアテローム硬化性病変を有し、病変は、最大15cm長に達する、参照血管径が約3mm~約8mmの連続動脈に拡大する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約100μg/cmの用量で外膜内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約100μg/cmの用量で外膜内投与され、この組成物が、マイクロ注入カテーテル(例えば、Bullfrog(登録商標)マイクロ注入カテーテル)を使用して外膜に投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、血管の内腔径を改善する。一部の実施形態では、この方法は、膝窩動脈および連続末梢動脈のバルーン血管形成術および一時的ステント留置後の大腿膝窩動脈の血行再建術の転帰を改善する。一部の実施形態では、個体は、膝窩動脈内に約70%超の新規のアテローム硬化性病変を有し、病変は、最大15cm長に達する、参照血管径が約3mm~約8mmの連続動脈に拡大する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約40μg/cmの用量で外膜内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約40μg/cmの用量で外膜内投与され、この組成物が、マイクロ注入カテーテル(例えば、Bullfrog(登録商標)マイクロ注入カテーテル)を使用して外膜に投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、血管の内腔径を改善する。一部の実施形態では、この方法は、膝窩動脈および連続末梢動脈のバルーン血管形成術および一時的ステント留置後の大腿膝窩動脈の血行再建術の転帰を改善する。一部の実施形態では、個体は、膝窩動脈内に約70%超の新規のアテローム硬化性病変を有し、病変は、最大15cm長に達する、参照血管径が約3mm~約8mmの連続動脈に拡大する。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約100μg/cmの用量で外膜内投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における末梢動脈疾患(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、所望の血管処置期間にわたって約100μg/cmの用量で外膜内投与され、この組成物が、マイクロ注入カテーテル(例えば、Bullfrog(登録商標)マイクロ注入カテーテル)を使用して外膜に投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、血管の内腔径を改善する。一部の実施形態では、この方法は、膝窩動脈および連続末梢動脈のバルーン血管形成術および一時的ステント留置後の大腿膝窩動脈の血行再建術の転帰を改善する。一部の実施形態では、個体は、膝窩動脈内に約70%超の新規のアテローム硬化性病変を有し、病変は、最大15cm長に達する、参照血管径が約3mm~約8mmの連続動脈に拡大する。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約20mg/m2の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約20mg/m2の用量で投与され、この組成物が、毎週投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約20mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与され、この用量が静脈内注入によって投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約16カ月~約24カ月にわたって処置される。一部の実施形態では、現在利用可能な基礎治療は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはプロスタサイクリン類似体を含む経口薬剤を含めた少なくとも2つの薬物を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約45mg/m2の用量で投与される、方法が提供され。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約45mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約45mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与され、この用量が静脈内注入によって投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約16カ月~約24カ月にわたって処置される。一部の実施形態では、現在利用可能な基礎治療は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはプロスタサイクリン類似体を含む経口薬剤を含めた少なくとも2つの薬物を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約75mg/m2の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約75mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この組成物が、約75mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与され、この用量が静脈内注入によって投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約16カ月~約24カ月にわたって処置される。一部の実施形態では、現在利用可能な基礎治療は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはプロスタサイクリン類似体を含む経口薬剤を含めた少なくとも2つの薬物を含む。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約20mg/m2の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約20mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約20mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与され、この用量が静脈内注入によって投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約16カ月~約24カ月にわたって処置される。一部の実施形態では、現在利用可能な基礎治療は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはプロスタサイクリン類似体を含む経口薬剤を含めた少なくとも2つの薬物を含む。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約45mg/m2の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約45mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約45mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与され、この用量が静脈内注入によって投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約16カ月~約24カ月にわたって処置される。一部の実施形態では、現在利用可能な基礎治療は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはプロスタサイクリン類似体を含む経口薬剤を含めた少なくとも2つの薬物を含む。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約75mg/m2の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約75mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺動脈高血圧症(PAH、例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この組成物が、約75mg/m2の用量で投与され、組成物が毎週投与され、この用量が静脈内注入によって投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約16カ月~約24カ月にわたって処置される。一部の実施形態では、現在利用可能な基礎治療は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはプロスタサイクリン類似体を含む経口薬剤を含めた少なくとも2つの薬物を含む。
本明細書で提供される方法は、付加療法の状況で実施することができる。一部の実施形態では、この方法は、新補助療法の状況で実施され、すなわち、この方法は、一次/根治的治療の前に行うことができる。一部の実施形態では、この方法は、事前に処置を受けた個体を処置するために使用される。一部の実施形態では、個体は、事前に処置されていない。一部の実施形態では、この方法は、ファーストライン治療として使用される。一部の実施形態では、この方法は、セカンドライン治療として使用される。
一部の実施形態では、個体は、mTOR阻害剤で事前に処置されていない。一部の実施形態では、個体は、リムス薬物で事前に処置されていない。一部の実施形態では、個体は、事前にNMIBC、PADまたはPAHについて処置されている。一部の実施形態では、個体は、他の薬剤(例えば、mTOR阻害剤の非ナノ粒子処方物)を用いるNMIBC、PADまたはPAHの処置に対して抵抗性である。一部の実施形態では、個体は、他の薬剤を用いるNMIBC、PADまたはPAHの処置に対して最初は応答性であるが、処置後に進行している。一部の実施形態では、個体は、事前に化学療法、放射線、または手術で処置されている。
同様に、本明細書に記載されるNMIBC(例えば、BCG不応性または再発性BCG)、PAD(例えば、膝上または膝下の大腿膝窩動脈の血行再建術後の再狭窄症候性病変)またはPAH(例えば現在、最大限利用可能な基礎治療が進行中の重症の進行性PAH)を処置する方法のいずれかにおいて使用するための、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含む医薬組成物も提供される。一部の実施形態では、組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミン)を含むナノ粒子を含む。
小児固形腫瘍を処置する方法
本出願の一態様は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を使用して小児固形腫瘍を処置するための方法および組成物を提供する。処置を受ける個体は、上記の通り、mTOR活性化性異常を有していても有していなくてもよい。一部の実施形態では、個体は、上記の通り、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、上記の通り、mTOR活性化性異常のいずれかの状態は、処置について個体を選択するための根拠として使用されない。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍(例えば、再発性または不応性の固形腫瘍)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、癌腫(例えば、腺癌)である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腹部腫瘍、軟組織腫瘍、骨腫瘍、または目の腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、脳腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、黒色腫である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫(meduloblastoma)、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、軟組織肉腫、例えば横紋筋肉腫である。したがって、例えば一部の実施形態では、ヒト個体における軟組織肉腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における横紋筋肉腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
横紋筋肉腫(RMS)は、間葉系細胞(すなわち、骨格筋前駆細胞)から生じ得る結合組織のがんである。またRMSは、筋組織に結合しており、腸の周りを包み、または任意の解剖学的位置にあることが見出され得る。大部分のRMSは、必然的に骨格筋が少ない領域、例えば、頭部、頸部または泌尿生殖器において生じる。RMSの2つの最も一般的な形態は、胎児性RMSおよび胞巣状RMSである。胎児性RMAは、乳児およびより年少の小児に最もよく見られ、そのがん細胞は、典型的な6~8週の胎児の細胞に類似している。胞巣状RMSは、より年長の子どもおよびティーンエイジャーに最もよく見られ、そのがん細胞は、10~12週の胎児の細胞に類似している。胞巣状RMSは、体躯および脚の大きい筋肉において生じ得る。
ステージ1のRMSでは、腫瘍は、都合の良い部位、例えば、目の眼窩、頭部および頸部領域、生殖器もしくは泌尿器部位(膀胱および前立腺を除く)、または胆管において開始している。ステージ1のRMS腫瘍は、任意のサイズであり得、近くの領域に成長しており、かつ/または近くのリンパ節に拡大している場合がある。ステージ1のRMS腫瘍は、遠位部位には拡大していない。ステージ2のRMSでは、腫瘍は、都合が悪い部位、例えば、膀胱もしくは前立腺、腕もしくは脚、髄膜周囲部位、またはステージ1で列挙されている任意の他の部位において開始している。腫瘍は、直径約2インチまたはそれ未満であり、近くのリンパ節または遠位部位には拡大していない。ステージ3のRMSでは、腫瘍は、都合が悪い部位において開始しており、直径≦2インチであるが、近くのリンパ節には拡大しており、または直径≧2インチであり、リンパ節に拡大している場合があり、もしくは拡大していない場合がある。いずれの場合も、がんは、遠位部位には拡大していない。ステージ4では、がんは、いかなる部位においても開始することができ、どんなサイズであってもよいが、骨髄、肺、肝臓、骨、または骨髄などの遠位部位に拡大している。
横紋筋肉腫を有する子どもまたは青年の予後は、患者の年齢、起源部位、腫瘍サイズ(最大直径)、切除可能性、転移の存在、関与している転移性部位または組織の数、局所リンパ節関与の存在または非存在、病理組織学的サブタイプ(胞巣状、対、胎児性)ならびに横紋筋肉腫の腫瘍細胞のユニークな生物学的特徴に関係するが、これらに限定されない。横紋筋肉腫は、通常、局所性疾患を有するほとんどの子どもが治癒可能であり、70%超が、診断後に5年間生存している。5年の無病生存期間後、再発はまれであり、10年目の後期事象率は9%である。しかし再発は、初期手術の後、都合の悪い部位に肉眼的残存疾患を有する患者、および診断時に転移性疾患を有する患者について最もよく見られる。
したがって、一部の実施形態では、固形腫瘍は、胎児性横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、胞巣状RMS(例えば、体躯および/または脚の大きい筋肉における胞巣状物)である。一部の実施形態では、個体は、ステージ1の横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ2の横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ3の横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ4の横紋筋肉腫を有する。一部の実施形態では、横紋筋肉腫を有する個体は、約6カ月齢~約7歳、例えば約6カ月齢~約5歳である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫を有する個体は、約9歳~約15歳、例えば約11歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、事前の処置を受けており、3年、4年または5年またはそれ超にわたって、処置を受けていない期間を有していた。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体における神経芽細胞腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
神経芽細胞腫は、小児期における最も一般的な頭蓋外固形腫瘍であり、乳児期における最も一般的ながんである。神経芽細胞腫は、米国では1年間で約650の症例発生率を有する。神経芽細胞腫は、交感神経系の任意の神経堤要素から生じる神経内分泌腫瘍である。神経芽細胞腫は、副腎の一方において頻繁に生じるが、頭部、頸部、胸部、および腹部の神経組織にも生じ得る。ステージ1の神経芽細胞腫では、腫瘍は、ただ1つの領域にあり、目に見える腫瘍のすべては、手術中に除去することができる。ステージ2Aでは、腫瘍は、ただ1つの領域にあるが、目に見える腫瘍のすべては、手術中に除去することができない。ステージ2Bでは、腫瘍は、ただ1つの領域にあり、目に見える腫瘍のすべては、手術中に完全に除去することができ、がん細胞は、腫瘍近くのリンパ節に見出される。ステージ3では、腫瘍は、手術中に完全には除去することができず、身体の片側から他方へと拡大しており、近くのリンパ節に拡大している場合もある。ステージ4では、腫瘍は、遠位のリンパ節、皮膚、骨髄、骨、肝臓、または身体のその他の部位に拡大している。ステージ4Sは、ステージ1または2で定義される通り、局所性原発腫瘍を有する12カ月齢未満の乳児において診断され、播種は、肝臓、皮膚、または骨髄に限定される。高危険性の神経芽細胞腫の症例の20%~50%の間は、高用量の誘導化学療法に対して適切に応答せず、進行性または不応性である。最先端治療の完了後の再発も、よく見られる。成長低下、甲状腺機能障害、学習障害、および続発性がんのより高い危険性は、高危険性の疾患の生存者に影響を及ぼす。
したがって、一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージIの神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージ2Aの神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージIの神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージ3の神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージIの神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージ4Sの神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、個体は、神経芽細胞腫を有し、事前の治療(例えば、事前の高用量の化学療法)を受けた。一部の実施形態では、個体は、神経芽細胞腫を有し、事前の治療(例えば、事前の高用量の化学療法)を受けており、進行性であるか、または事前の治療に対して不応性である。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、骨腫瘍、例えば骨肉腫またはユーイング肉腫である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体における骨肉腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体におけるユーイング肉腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
骨肉腫(OS)は、造骨細胞分化を示し、悪性類骨(すなわち、骨組織の成熟前に形成される骨基質の非石灰化された有機部分)を生じる間葉由来の形質転換した原始細胞から生じる悪性新生物である。OSは、小児期がんの8番目に最も一般的な形態であり、小児患者のすべての悪性腫瘍の2.4%を構成する。OSは、より頻繁には管状長骨の成長部において始まり、42%は大腿骨、19%は脛骨、10%は上腕骨において生じる。症例の8%は、顎において生じ、さらなる8%は、骨盤において生じる。OSは、女性よりも男性に蔓延し、コーカサス人種の子どもより、アフリカ系アメリカおよびラテンアメリカ系の子どもに蔓延する。
骨肉腫は、局所性、転移性、または再発性であり得る。局所性OSでは、がん細胞は、がんが発症した骨または近くの組織を超えて拡大しない。転移性OSでは、がん細胞は、起源組織から身体の他の部位(例えば、肺、他の骨)に拡大している。再発性OSは、がんが処置後に再発した場合を指す。OSは、OSが最初に特定された組織に戻ることができ、または身体の別の部分(例えば、肺)に再発し得る。OSの程度を説明するための別のやり方は、「TNM」系を介するものであり、ここで「T」は、腫瘍のサイズおよび位置を指し、「N」は、がんがリンパ節に拡大しているかどうかを指し、「M」は、がんが、身体の他の部分に転移しているかどうかを指す(Ritterら(2010年)「Osteosarcoma.」Ann Oncol21巻:vii320~vii325頁)。
局所性骨肉腫を有する患者では、処置すると、5年生存率は60%~80%の範囲となり得る。OSは、腫瘍が切除可能な場合には、治癒する可能性がより高い。骨肉腫が最初に診断されたときに転移が存在している場合、5年生存率は、約15%~30%の範囲となり得る。生存率は、がんが肺だけに拡大している場合、またはすべての腫瘍が切除され得る場合、より高くなり得る。改善された予後と関連付けられた他の因子には、年齢(若年)、性別(女性)、腕または脚の腫瘍、完全に切除可能な腫瘍(複数可)、正常な血液アルカリホスファターゼおよびLDHレベル、ならびに化学療法に対する良好な応答が含まれるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、骨肉腫は、局所性である。一部の実施形態では、骨肉腫は、切除可能である。一部の実施形態では、骨肉腫は、転移性である。一部の実施形態では、骨肉腫は、再発性である。一部の実施形態では、個体は、TX、T0、T1、T2、またはT3の骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、NX、N0、またはN1の骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、MX、M0、M1、M1a、またはM1bの骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、GX、G1、G2、G3、またはG4の骨肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIAの骨肉腫(T1、N0、M0、G1~G2)を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIBの骨肉腫(T2、N0、M0、G1~G2)を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIIAの骨肉腫(T1、N0、M0、G3~G4)を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIIBの骨肉腫(T2、No、M0、G3~G4)を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIIIの骨肉腫(T3、N0、M0、任意のG)を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIVAの骨肉腫(任意のT、N0、M1a、任意のG)を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージIVB(任意のT、N1、任意のM;または任意のT、任意のN、M1b、任意のG)を有する。一部の実施形態では、骨肉腫を有する個体は、男性である。一部の実施形態では、骨肉腫を有する個体は、アフリカ系アメリカまたはラテンアメリカ系の個体である。
一部の実施形態では、個体は、ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、局所性ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、転移性ユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ1のユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ2のユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ3のユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、ステージ4のユーイング肉腫を有する。一部の実施形態では、個体は、再発性ユーイング肉腫を有する。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、中枢神経系(CNS)腫瘍、例えば髄芽腫、または神経膠腫である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体における髄芽腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における神経膠腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、腎臓腫瘍である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体における腎臓腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、肝臓腫瘍、例えば肝芽腫、または肝細胞癌である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体における肝芽腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における肝細胞癌を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍(例えば、再発性または不応性の固形腫瘍)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップと、個体に、有効量のイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップとを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、イリノテカン、テモゾロミドおよびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、イリノテカン、テモゾロミドおよびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、イリノテカン、テモゾロミドおよびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、イリノテカンは、約90mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、経口投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、約125mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、経口投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、イリノテカン投与の約1時間後に投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、テモゾロミド投与の1時間後に投与される。一部の実施形態では、下痢予防剤、例えばセフィキシムは、例えば、各サイクルのイリノテカンの最初の投与の約2日前、イリノテカン投与中、およびイリノテカンの最後の投与の約3日後に投与される。一部の実施形態では、この方法は、例えば約35のサイクルにわたって反復される。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、血管腫瘍、例えば高危険性の血管腫瘍、例えばカポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫である。例えば、一部の実施形態では、ヒト個体におけるカポジ肉腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における血管肉腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における房状血管腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体におけるカポジ様血管内皮腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチンを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
Nab-ラパマイシンは、血管腫瘍、例えばカポジ肉腫および血管肉腫の処置のために使用され得る。さらに、房状血管腫およびカポジ様血管内皮腫(KHE)は、乳児期または幼児期中に生じる稀な血管腫瘍である。KHEの発生率は、1年当たり0.07/100,000の子どもと推定される。70パーセントを超えるKHEは、深刻な血小板減少症および消費性凝固障害によって特徴付けられるKasabach-Merritt現象(KMP)を発症する。ビンクリスチンは、しばしば、KHEのためのファーストライン処置として使用される。ビンクリスチンとNab-シロリムス(例えば、ABI-009)の組合せは、これらの高危険性の血管腫瘍の処置のために使用され得る。
一部の実施形態では、ヒト個体における血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み個体に、有効量のビンクリスチンを投与するステップとを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムス組成物は、静脈内投与される。一部の実施形態では、Nab-シロリムス組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンは、静脈内投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンおよびNab-シロリムス組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンおよびNab-シロリムス組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンおよびNab-シロリムス組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、初期ステージの固形腫瘍、例えばステージ0、ステージI、またはステージIIである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、後期ステージのがん、例えばステージIIIまたはステージIVである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ステージIIIbまたはステージIVである。
一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。したがって、一部の実施形態において本明細書に記載される方法は、個体の年齢(例えば、上記に示される年齢)に基づいて、処置について、ヒト個体を選択することも包含する。
一部の実施形態では、固形腫瘍は、初期ステージのがん、非転移性がん、原発性がん、進行性がん、局所進行性がん、転移性がん、寛解中のがん、または再発性がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、局所的に切除可能、局所的に切除不能、または切除不能である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ホルモン治療に対して実質的に不応性である。本明細書で提供される方法は、付加療法の状況で実施することができる。あるいは、この方法は、新補助療法の状況で実施することができる。一部の実施形態では、この方法は、ファーストライン治療である。一部の実施形態では、この方法は、セカンドライン治療である。
一部の実施形態では、この方法は、「mTOR活性化性異常の状態に基づく処置方法」の節に記載されるバイオマーカーのいずれか1つなどの1または複数のバイオマーカーの状態に基づいて、処置について患者を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、選択は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づく。一部の実施形態では、S6K1および/または4EBP1の発現レベルは、免疫組織化学により評価される。したがって、例えば一部の実施形態では、a)個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップと(この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である)、b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップとを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、前記個体が、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、個体は、固形腫瘍について事前に処置されている(「事前の治療」とも呼ぶ)。したがって、例えば一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、固形腫瘍について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における肉腫(例えば、軟組織肉腫、例えば横紋筋肉腫)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、肉腫について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における神経芽細胞腫を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、神経芽細胞腫について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における骨腫瘍(例えば、骨肉腫、またはユーイング肉腫)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、またはユーイング肉腫)について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体におけるCNS腫瘍(例えば、髄芽腫または神経膠腫)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫または神経膠腫)について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における腎臓腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、腎臓腫瘍について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫または肝細胞癌)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫または肝細胞癌)について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、またはカポジ様血管内皮腫)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、またはカポジ様血管内皮腫)について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、またはカポジ様血管内皮腫)を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップと、個体に、有効量のビンクリスチンを投与するステップとを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、またはカポジ様血管内皮腫)について事前に処置されている、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。
一部の実施形態では、個体は、処置の時点で、事前の処置が進行している。例えば、個体は、事前の治療による処置が、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、または約12カ月のいずれか以内にわたって進行している。一部の実施形態では、個体は、事前の治療に対して抵抗性または不応性である。一部の実施形態では、個体は、事前の治療を継続するのに適していない(例えば、応答できないことに起因しておよび/または毒性に起因して)。一部の実施形態では、個体は、事前の治療に応答できなかった。一部の実施形態では、個体は、事前の治療に対して非応答性である。一部の実施形態では、個体は、事前の治療に対して部分的に応答性である。一部の実施形態では、個体は、あまり望ましくない程度の応答性を示す。一部の実施形態では、個体は、増強された応答性を示す。一部の実施形態では、個体は、再発性固形腫瘍を有し、すなわち、個体は、事前の治療による処置に対して最初は応答性であるが、事前の治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する。
一部の実施形態では、事前の治療は、本発明の方法の開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、12カ月間、24カ月間、36カ月間、48カ月間、または60カ月間)。一部の実施形態では、事前の治療は、本発明の方法の開始時に停止されていない。
一部の実施形態では、この方法は、事前の治療の状態に基づいて、処置について患者を選択するステップをさらに含む。例えば、一部の実施形態では、事前の治療で処置されたヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、a)この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が進行しているかどうかを決定するステップと(この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である)、b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、事前の治療で処置されたヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、a)事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に応答性でない個体を選択するステップと(この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である)、b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)で処置されたヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、前記個体が、事前の治療が進行しているという決定に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)で処置されたヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、前記個体が、事前の治療に対する非応答性に基づいて選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)で処置されたヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、a)この個体が、事前の治療による処置を継続するのに適しているかどうか(例えば、応答性の欠如および/または毒性に起因して)を決定するステップと(この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である)、b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)で処置されたヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、前記個体が、事前の治療による処置を継続するのに適していない(例えば、応答性の欠如および/または毒性に起因して)という決定に基づいて選択される、方法が提供される。また、ヒト個体は、個体が事前の治療に関連する望ましいとはいえない応答性を示すか、または事前の治療と関連する望ましくない症状を示す場合に、事前の治療による処置を継続するのに適していない場合がある。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含み、ナノ粒子は、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子を含む組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、事前の治療は、mTOR阻害剤(「mTOR阻害剤ベースの治療」)、例えば、リムス薬物、例えば、シロリムスの投与を含む。一部の実施形態では、事前の治療は、Cosmegen(アクチノマイシン-Dとしても公知のダクチノマイシン)、Vincasar PFS(硫酸ビンクリスチン)、シクロホスファミド、塩酸ドキソルビシン(アドリアマイシンPFSまたはアドリアマイシンRDF)、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、テニポシド、シクロスポリン、ダカルバジン、エピルビシン、ゲムシタビン、イホスファミド、メトトレキセート、トポテカン、および/またはダクチノマイシンの投与を含む。一部の実施形態では、事前の治療は、手術を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)ナノ粒子組成物を、事前の治療で使用されたものと同じ薬剤(複数可)の1または複数と共に投与するステップを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)ナノ粒子組成物を、事前の治療では使用されていない薬剤(複数可)と共に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が進行している。一部の実施形態では、この方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連し(例えば、アルブミンでコーティングされ)、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が進行している。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有し、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が進行している、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比が、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)であり、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が進行している、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が進行している、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である。一部の実施形態では、この方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連し(例えば、アルブミンでコーティングされ)、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有し、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比が、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)であり、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含みこの個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に応答できなかった。一部の実施形態では、この方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連し(例えば、アルブミンでコーティングされ)、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に応答できなかった。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有し、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比が、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)であり、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す。一部の実施形態では、この方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連し(例えば、アルブミンでコーティングされ)、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有し、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比が、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)であり、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、事前の治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)。一部の実施形態では、この方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連し(例えば、アルブミンでコーティングされ)、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体は、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、事前の治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有し、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、事前の治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比が、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)であり、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、事前の治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、
個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、事前の治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)は、個体への組成物の投与の開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)。一部の実施形態では、この方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連し(例えば、アルブミンでコーティングされ)、この個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)は、個体への組成物の投与の開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有し、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が、個体への組成物の投与の開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、シロリムスおよびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与するステップを含み、これらのナノ粒子が、ヒト血清アルブミンと関連する(例えば、ヒト血清アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物中のヒトアルブミンとシロリムスとの重量比が、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)であり、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が、個体への組成物の投与の開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)が、個体への組成物の投与の開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、個体に、有効量の第2の薬剤、例えば化学療法剤、例えばビンクリスチン、またはイリノテカンおよびテモゾロミドを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、第2の薬剤およびナノ粒子組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、個体は、mTOR阻害剤ベースの治療(例えば、mTOR阻害剤の単剤治療または組合せ治療)による固形腫瘍の処置に対して抵抗性であり、処置後に進行している(例えば、固形腫瘍が不応性であった)。一部の実施形態では、個体は、mTOR阻害剤ベースの治療(例えば、mTOR阻害剤の単剤治療または組合せ治療)による固形腫瘍の処置に対して最初は応答性であるが、処置後に進行している。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。一部の実施形態では、個体は、固形腫瘍の家族歴を有する(例えば、少なくとも2人の第一度親戚が、他のがんまたは家族性疾患の蓄積なしの固形腫瘍の影響を受けた)。一部の実施形態では、個体は、1または複数の遺伝性の小児固形腫瘍症状を有する。神経芽細胞腫では、症状は、原発腫瘍の位置に依存し得る。神経芽細胞腫の症状には、例えば、眼球突出、目の周りの隈、骨疼痛、胃の膨張、疲労、無痛性、便秘、貧血、乳児における皮膚下の青みを帯びたしこり、脱力感もしくは麻痺、浮腫、または腹部、頸部もしくは胸部のしこりが含まれ得るが、これらに限定されない。網膜芽細胞腫では、症状には、例えば、内斜視、複視、視覚障害、斜視、眼痛および充血、ならびにそれぞれの目の異なる虹彩色が含まれ得るが、これらに限定されない。骨肉腫では、症状には、例えば、運動中または夜間に悪化し得る骨疼痛、関節の圧痛または炎症、骨の脆弱性に起因する骨折、運動範囲の制限、疲労および貧血が含まれるが、これらに限定されない。横紋筋肉腫では、症状は、腫瘍の位置に応じて広範に変動し得る。このような症状には、例えば、鼻出血、副鼻腔感染症に類似の症状、耳痛、外耳道からの耳漏、眼球突出または内斜視、排尿困難、膣からの出血、膣からまたは精巣の周りで成長する腫瘤、腹痛および嘔吐、ならびに腕または脚の腫瘤またはしこりが含まれ得るが、これらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、雄性である。一部の実施形態では、個体は、雌性である。一部の実施形態では、個体は、診察時に単一の病変を有する。一部の実施形態では、個体は、診断時に複数の病変を有する。
一部の実施形態では、個体は、固形腫瘍と関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、固形腫瘍の初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、固形腫瘍の進行性ステージにある。一部の実施形態では、個体は、非転移性固形腫瘍を有する。一部の実施形態では、個体は、原発性固形腫瘍を有する。実施形態の一部では、個体は、固形腫瘍を遺伝的に、または他の理由(例えば、リスク因子を有する)で、発症しやすい。これらのリスク因子には、年齢、性別、人種、食事、遺伝的考察、家族歴、遺伝状態(例えば、Li-Fraumeni症候群、神経線維腫症1型、Beckwith-Widemann症候群、Rothmund-Thompson症候群、Bloom症候群、Werner症候群、Costello症候群、Noonan症候群)、ある特定の疾患(例えば、パジェット病、骨疾患)、出生前の曝露(例えば、タバコまたはある特定の薬物療法への曝露)および環境曝露(例えば、電離放射線への曝露)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される方法は、下記の通り、固形腫瘍の処置の様々な態様に対して有用である。一部の実施形態におけるこれらの方法は、個体に、有効量のビンクリスチン、またはイリノテカンとテモゾロミドの組合せを投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍細胞増殖を阻害する方法であって、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の細胞増殖が阻害される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1または複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1または複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1または複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1または複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、mTOR阻害剤ベースの治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1または複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍転移を阻害する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、mTOR阻害剤ベースの治療が、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物の個体への開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、1または複数のリンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)を低減する(例えば、根絶する(eradiating))方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)を低減する(例えば、根絶する)方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)を低減する(例えば、根絶する)方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)を低減する(例えば、根絶する)方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)を低減する(例えば、根絶する)方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、mTOR阻害剤ベースの治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)を低減する(例えば、根絶する)方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、mTOR阻害剤ベースの治療が、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物の個体への開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)の転移が低減される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)の発生率または負荷を低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)の発生率または負荷を低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)の発生率または負荷を低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)の発生率または負荷を低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)の発生率または負荷を低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、mTOR阻害剤ベースの治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における既存の固形腫瘍転移(例えば、リンパ節への転移)の発生率または負荷を低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、mTOR阻害剤ベースの治療が、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物の個体への開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に応答できなかった、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、mTOR阻害剤ベースの治療に対してあまり望ましくない程度の応答性を示す、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、この個体が、再発性固形腫瘍を有する(例えば、個体は、mTOR阻害剤ベースの治療の休止により、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約24カ月間、約36カ月間、約48カ月間、または約60カ月間のいずれか後に、固形腫瘍を発症する)、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍サイズを低減させる方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、mTOR阻害剤ベースの治療が、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物の個体への開始時に停止された(例えば、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、または10カ月間)、方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のいずれかを含む)低減される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍の疾患進行までの時間を延長する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、疾患進行までの時間を、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間のいずれかにわたって延長する。一部の実施形態では、この方法は、疾患進行までの時間を、少なくとも1.0カ月間、1.2カ月間、1.4カ月間、1.6カ月間、1.8カ月間、2.0カ月間、2.2カ月間、2.4カ月間、2.6カ月間、2.8カ月間、3.0カ月間、3.2カ月間、3.4カ月間、3.6カ月間、3.8カ月間、4.0カ月間、4.2カ月間、4.4カ月間、4.6カ月間、4.8カ月間、5.0カ月間、5.2カ月間、5.4カ月間、5.6カ月間、5.8カ月間、6.0カ月間、6.2カ月間、6.4カ月間、6.6カ月間、6.8カ月間、7.0カ月間、7.2カ月間、7.4カ月間、7.6カ月間、7.8カ月間、8.0カ月間、8.2カ月間、8.4カ月間、8.6カ月間、8.8カ月間、9.0カ月間、9.2カ月間、9.4カ月間、9.6カ月間、9.8カ月間、10.0カ月間、10.2カ月間、10.4カ月間、10.6カ月間、10.8カ月間、11.0カ月間、11.2カ月間、11.4カ月間、11.6カ月間、11.8カ月間、12.0カ月間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、24カ月間、30カ月間、36カ月間、42カ月間、48カ月間、54カ月間、60カ月間、66カ月間、または72カ月間のいずれかにわたって延長する。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、固形腫瘍を有するヒト個体の全生存期間を延長する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、個体の生存期間を、少なくとも1.0カ月間、1.2カ月間、1.4カ月間、1.6カ月間、1.8カ月間、2.0カ月間、2.2カ月間、2.4カ月間、2.6カ月間、2.8カ月間、3.0カ月間、3.2カ月間、3.4カ月間、3.6カ月間、3.8カ月間、4.0カ月間、4.2カ月間、4.4カ月間、4.6カ月間、4.8カ月間、5.0カ月間、5.2カ月間、5.4カ月間、5.6カ月間、5.8カ月間、6.0カ月間、6.2カ月間、6.4カ月間、6.6カ月間、6.8カ月間、7.0カ月間、7.2カ月間、7.4カ月間、7.6カ月間、7.8カ月間、8.0カ月間、8.2カ月間、8.4カ月間、8.6カ月間、8.8カ月間、9.0カ月間、9.2カ月間、9.4カ月間、9.6カ月間、9.8カ月間、10.0カ月間、10.2カ月間、10.4カ月間、10.6カ月間、10.8カ月間、11.0カ月間、11.2カ月間、11.4カ月間、11.6カ月間、11.8カ月間、12.0カ月間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、17カ月間、18カ月間、19カ月間、20カ月間、21カ月間、22カ月間、23カ月間、24カ月間、30カ月間、36カ月間、42カ月間、48カ月間、54カ月間、60カ月間、66カ月間、または72カ月間のいずれかにわたって延長する。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、固形腫瘍を有するヒト個体の1または複数の臨床的利益を改善する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。臨床的利益には、改善された/より良好なクオリティオブライフ、固形腫瘍の改善された/より良好な症状制御、および増量の増大が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、改善されたクオリティオブライフ、改善された症状制御および増量の増大を有する。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、固形腫瘍を有するヒト個体における1または複数の症状を軽減する方法であって、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。一部の実施形態では、組成物中のナノ粒子のmTOR阻害剤は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、CNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)、および血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、このNab-シロリムスが、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、このNab-シロリムスが、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与され、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、固形腫瘍を有するヒト個体の生存期間を延長する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、このNab-シロリムスが、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み、有効量のイリノテカン、および有効量のテモゾロミドを投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、このNab-シロリムスが、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、イリノテカンは、約90mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、経口投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、約125mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、経口投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、イリノテカン投与の約1時間後に投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、テモゾロミド投与の1時間後に投与される。一部の実施形態では、下痢予防剤、例えばセフィキシムは、例えば、各サイクルのイリノテカンの最初の投与の約2日前、イリノテカン投与中、およびイリノテカンの最後の投与の約3日後に投与される。一部の実施形態では、この方法は、例えば約35のサイクルにわたって反復される。
一部の実施形態では、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み有効量のイリノテカン、および有効量のテモゾロミドを投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、このNab-シロリムスが、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与され、この個体が、事前の治療(例えば、mTOR阻害剤ベースの治療)に対して抵抗性または不応性である、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、イリノテカンは、約90mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、経口投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、約125mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、経口投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、イリノテカン投与の約1時間後に投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、テモゾロミド投与の1時間後に投与される。一部の実施形態では、下痢予防剤、例えばセフィキシムは、例えば、各サイクルのイリノテカンの最初の投与の約2日前、イリノテカン投与中、およびイリノテカンの最後の投与の約3日後に投与される。一部の実施形態では、この方法は、例えば約35のサイクルにわたって反復される。
一部の実施形態では、固形腫瘍を有するヒト個体の生存期間を延長する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含み有効量のイリノテカン、および有効量のテモゾロミドを投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)であり、このNab-シロリムスが、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、軟組織腫瘍(例えば、横紋筋肉腫)、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫)、およびCNS腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫)、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)からなる群より選択される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、イリノテカンは、約90mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、経口投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、約125mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、経口投与される。一部の実施形態では、テモゾロミドは、3週間の処置サイクル中、最初の5日間にわたって1日1回投与される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、イリノテカン投与の約1時間後に投与される。一部の実施形態では、イリノテカンは、テモゾロミド投与の1時間後に投与される。一部の実施形態では、下痢予防剤、例えばセフィキシムは、例えば、各サイクルのイリノテカンの最初の投与の約2日前、イリノテカン投与中、およびイリノテカンの最後の投与の約3日後に投与される。一部の実施形態では、この方法は、例えば約35のサイクルにわたって反復される。
一部の実施形態では、ヒト個体における血管腫瘍(例えば、高危険性の血管腫瘍)を処置する方法であって、個体に、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を投与するステップを含みおよび有効量のビンクリスチンを投与するステップを含み、この個体が、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、3週間のうちの2週間にわたって毎週、約20mg/m2~約55mg/m2(例えば、約30mg/m2~約50mg/m2、例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2、または約55mg/m2のいずれか1つ)の範囲の用量で投与される。一部の実施形態では、Nab-シロリムスは、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳、または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9歳~約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5歳~約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳~約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば約6カ月齢~約1歳、約6カ月齢未満、または約3カ月齢未満である。一部の実施形態では、この方法は、S6K1および/または4EBP1の発現レベルに基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、個体におけるS6K1および/または4EBP1の発現レベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ビンクリスチンは、静脈内投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンおよびNab-シロリムス組成物は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンおよびNab-シロリムス組成物は、同時に投与される。一部の実施形態では、ビンクリスチンおよびNab-シロリムス組成物は、共に投与される。一部の実施形態では、血管腫瘍は、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫、およびカポジ様血管内皮腫からなる群より選択される。
同様に、上記の小児固形腫瘍を処置する方法のいずれかに有用な、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含む、組成物(例えば、医薬組成物)、薬、キット、および単位投与量も提供される。
ナノ粒子組成物の投与および投与方法
個体(例えば、ヒト)に投与されるmTORナノ粒子(例えば、リムスナノ粒子組成物)の用量は、特定の組成物、投与の方式、および処置される過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の型により様々となり得る。一部の実施形態では、組成物の量は、客観的な応答(例えば、部分的な応答または完全な応答)を生じるのに有効である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量は、個体において完全な応答を生じるのに十分である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量は、個体において部分的な応答を生じるのに十分である。一部の実施形態では、投与されるmTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量(例えば、単独で投与される場合)は、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)で処置される個体の集団において、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、または約64%のいずれかよりも高い全体的な応答を生じるのに十分である。本明細書に記載される方法の処置に対する個体の応答は、例えば、RECISTレベル、膀胱鏡検査(生検ありまたはなし)、生検、細胞学、およびCT画像化に基づいて決定され得る。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量は、個体における陰性の生検を生じるのに十分である。
一部の実施形態では、組成物の量は、個体の無進行生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量は、個体の全生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(例えば、単独で投与される場合)は、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)で処置される個体の集団において、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%またはそれ超のいずれかよりも高い臨床的利益を生じるのに十分である。
一部の実施形態では、組成物の量は、過形成性組織(例えば、腫瘍)のサイズ、異常増殖性細胞(例えば、がん細胞、または肺高血圧症もしくは再狭窄における異常増殖性細胞)の数、または過形成性組織(例えば、腫瘍)の成長速度を、処置前の同じ被験体における過形成性組織(例えば、腫瘍)の対応するサイズもしくは成長速度と比較して、または処置を受けていない他の被験体における対応する活性と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のいずれか低減するのに十分な量である。この効果の規模を測定するために、精製酵素を用いるin vitroアッセイ、細胞系アッセイ、動物モデル、またはヒト試験などの標準の方法が使用され得る。
一部の実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の量は、組成物が個体に投与された場合に、中毒学的作用(すなわち、臨床的に許容される毒性レベルより高い作用)を誘導するレベル未満であるか、または潜在的副作用が制御もしくは許容され得るレベルである。
一部の実施形態では、組成物の量は、同じ投与レジメンに従って、最大耐量(MTD)の組成物に近い。一部の実施形態では、組成物の量は、MTDの約80%、約90%、約95%、または約98%のいずれかを超える。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)の有効量には、少なくとも約25mg/m2、約30mg/m2、約50mg/m2、約60mg/m2、約75mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2、約100mg/m2、約120mg/m2、約125mg/m2、約150mg/m2、約160mg/m2、約175mg/m2、約180mg/m2、約200mg/m2、約210mg/m2、約220mg/m2、約250mg/m2、約260mg/m2、約300mg/m2、約350mg/m2、約400mg/m2、約500mg/m2、約540mg/m2、約750mg/m2、約1000mg/m2、または約1080mg/m2のいずれかのmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)が含まれるが、これらに限定されない。様々な実施形態では、組成物は、約350mg/m2、約300mg/m2、約250mg/m2、約200mg/m2、約150mg/m2、約120mg/m2、約100mg/m2、約90mg/m2、約50mg/m2、または約30mg/m2のいずれか未満のmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)を含む。一部の実施形態では、投与1回当たりのmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の量は、約25mg/m2、約22mg/m2、約20mg/m2、約18mg/m2、約15mg/m2、約14mg/m2、約13mg/m2、約12mg/m2、約11mg/m2、約10mg/m2、約9mg/m2、約8mg/m2、約7mg/m2、約6mg/m2、約5mg/m2、約4mg/m2、約3mg/m2、約2mg/m2、または約1mg/m2のいずれか未満である。一部の実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の有効量は、以下の範囲のいずれかに含まれる。約1~約5mg/m2、約5~約10mg/m2、約10~約25mg/m2、約25~約50mg/m2、約50~約75mg/m2、約75~約100mg/m2、約100~約125mg/m2、約125~約150mg/m2、約150~約175mg/m2、約175~約200mg/m2、約200~約225mg/m2、約225~約250mg/m2、約250~約300mg/m2、約300~約350mg/m2、または約350~約400mg/m2。一部の実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の有効量は、約5~約300mg/m2、例えば約100~約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、または約140mg/m2である。
先の態様のいずれかの一部の実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の有効量には、少なくとも約1mg/kg、約2.5mg/kg、約3.5mg/kg、約5mg/kg、約6.5mg/kg、約7.5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、または約60mg/kgのいずれかが含まれる。様々な実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の有効量には、約350mg/kg、約300mg/kg、約250mg/kg、約200mg/kg、約150mg/kg、約100mg/kg、約50mg/kg、約25mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約7.5mg/kg、約6.5mg/kg、約5mg/kg、約3.5mg/kg、約2.5mg/kg、または約1mg/kgのいずれか未満のmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)が含まれる。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物を投与するための投与頻度には、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週休みなく、4週間のうちの3週間、3週間毎に1回、2週間毎に1回、または3週間のうちの2週間が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、組成物は、2週間毎に約1回、3週間毎に約1回、4週間毎に約1回、6週間毎に約1回、または8週間毎に約1回投与される。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の用量が、約0.25mg/m2~約25mg/m2、または約25mg/m2~約50mg/m2など、約0.25mg/m2~約250mg/m2、約0.25mg/m2~約150mg/m2、約0.25mg/m2~約75mg/m2である。
組成物の投与は、約1カ月間~約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、組成物を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の投与量が、3週間のスケジュールで与える場合、5~400mg/m2の範囲にあり得るか、毎週のスケジュールで与える場合、5~250mg/m2(80mg/m2~150mg/m2、例えば、100~120mg/m2など)の範囲にあり得る。例えば、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の量は、3週間のスケジュールで約60~約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)である。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための例示的な投薬スケジュールには、休止しないで毎週100mg/m2、4週間のうち3週間にわたって毎週75mg/m2、3週間のうち2週間にわたって毎週100mg/m2、4週間のうち3週間にわたって毎週100mg/m2、4週間のうち3週間にわたって毎週125mg/m2、3週間のうち2週間にわたって毎週125mg/m2、休止しないで毎週130mg/m2、2週間毎に1回175mg/m2、2週間毎に1回260mg/m2、3週間毎に1回260mg/m2、3週間毎に180~300mg/m2、休止しないで毎週60~175mg/m2、1週間に2回20~150mg/m2、および1週間に2回150~250mg/m2、3週間のうち2週間にわたって毎週10~150mg/m2、4週間のうち3週間にわたって毎週10~150mg/m2が含まれるがこれらに限定されない。組成物(の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の経過中に調整することができる。
一部の実施形態では、個体を、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の処置サイクルのうちのいずれかにわたり処置する。
本明細書に記載される組成物は、約24時間より短い注入時間にわたり、個体に組成物を注入することを可能とする。例えば、一部の実施形態では、組成物(を、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分間、20分間、または10分間のうちのいずれか未満の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、組成物を、約30分間の注入期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(一部の実施形態では、リムス薬物、例えばシロリムス)の例示的な用量には、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。例えば、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤の投与量は、3週間のスケジュールで与える場合、約100~400mg/m2の範囲であり得、毎週のスケジュールで与える場合、約50~250mg/m2の範囲にあり得る。
mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)は、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、小胞内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、および経皮を含めた様々な経路を介して、個体(例えば、ヒト)に投与され得る。一部の実施形態では、組成物の持続放出処方物を用いることができる。一部の実施形態では、組成物を、静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、小胞内投与する。一部の実施形態では、組成物を、動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、腹腔内投与する。一部の実施形態では、組成物は、皮下に投与される。
一部の実施形態では、リムスナノ粒子組成物が小胞内投与される場合、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の投与量は、例えば、膀胱内に約30分間~約4時間保持される、約20~約150mlの体積で約30mg~約400mgの範囲であってよい。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、膀胱内に、例えば約30分~約1時間、約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、または約3時間~約4時間を含めて、約30分間~約4時間保持される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の投与量は、約100mg~約400mg、例えば約100mg、約200mg、約300mg、または約400mgである。一部の実施形態では、リムス薬物は、約100mgで毎週、約200mgで毎週、約300mgで毎週、約100mgで週2回、または約200mgで週2回投与される。一部の実施形態では、投与の後、さらに毎月の維持用量(毎週の用量と同じでも異なっていてもよい)が投与される。
一部の実施形態では、リムスナノ粒子組成物が静脈内投与される場合、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の投与量は、約30mg~約400mgの範囲であり得る。本明細書に記載される組成物では、約24時間よりも短い注入時間にわたって個体に組成物を注入することができる。例えば、一部の実施形態では、組成物は、約24時間、約12時間、約8時間、約5時間、約3時間、約2時間、約1時間、約30分間、約20分間、または約10分間のいずれか未満の注入期間にわたって投与される。一部の実施形態では、組成物は、約30分~約40分の注入期間にわたって投与される。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含む(様々な実施形態では、それから本質的になる)ナノ粒子を含む。ナノ粒子は、担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミン)をさらに含み得る。低い水溶性を有する薬物のナノ粒子は、それらのそれぞれの全体が、参照により組み込まれている、例えば、米国特許第5,916,596号、同第6,506,405号、同第6,749,868号、同第6,537,579号、同第7,820,788号、ならびに米国特許出願第2006/0263434号および同第2007/0082838号、PCT特許出願WO08/137148に開示されている。
一部の実施形態では、組成物は、約1000ナノメートル(nm)以下、例えば約900nm、約800nm、約700nm、約600nm、約500nm、約400nm、約300nm、約200nm、または約100nmのいずれか以下(またはそれら未満)の平均(average)または平均(mean)直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約150nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約20nm~約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約40nm~約200nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子は、滅菌ろ過可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物におけるナノ粒子の平均直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)の直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば、約20nm~約200nm、約40nm~約200nm、約30nm~約180nm、約40nm~約150nm、約50nm~約120nmまたは約60nm~約100nmを含む、約20nm~約400nmの範囲内に収まる。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約10nm~約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約40nm~約120nmである。
一部の実施形態では、担体タンパク質(例えば、アルブミン)が、ジスルフィド結合を形成しうるスルフヒドリル基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分における担体タンパク質(例えば、アルブミン)のうちの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のうちのいずれか1つを含む)が、架橋されている(例えば、1またはそれより多くのジスルフィド結合を介して架橋されている)。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子が、担体タンパク質(例えば、アルブミン例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と会合される(例えば、これでコーティングされる)。一部の実施形態では、組成物が、ナノ粒子形態および非ナノ粒子形態の両方でのmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含み(例えば、溶液の形態、または可溶性担体タンパク質/ナノ粒子複合体の形態での)、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)(のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかがナノ粒子形態である。一部の実施形態では、ナノ粒子中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)が、ナノ粒子の重量で約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、ポリマー材料(ポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)のコアを含む。
一部の実施形態では、組成物が、その組成物のナノ粒子部分および非ナノ粒子部分の両方において担体タンパク質(例えば、アルブミン)を含み、組成物における担体タンパク質(例えば、アルブミン)のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかが、組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比が、約15:1以下、例えば、約10:1以下、約9:1以下、または約8:1以下など、約18:1以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比が、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、または1:1のうちのおよそいずれかである。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、以下:約1:1~約18:1、約1:1~約15:1、約1:1~約12:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、約2:1~約15:1、約3:1~約13:1、約4:1~約12:1、約5:1~約10:1、約6:1~約10:1、または約8:1~約9:1のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、上記の特徴のうちの1または複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥処方物(凍結乾燥組成物など)で存在させる場合もあり、生体適合性媒体中に懸濁させる場合もある。適切な生体適合性媒体には、水、水性緩衝媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、アミノ酸の必要に応じて緩衝化させた溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化させた溶液、糖の必要に応じて緩衝化させた溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化させた溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化させた溶液、脂質含有エマルジョンなどが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、アルブミン、例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含む。一部の実施形態では、アルブミンは、組換えアルブミンである。
ヒト血清アルブミン(HSA)とは、Mr65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧のうちの70~80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1個の遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショック(hypovolumic shock)の予防および処置に適用があり(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355~360頁、460~463頁(1977年)、およびHouserら、Surgery、Gynecology and Obstetrics、150巻、811~816頁(1980年)を参照されたい)、新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と共に行われる(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85~120頁(1980年)を参照されたい)。ウシ血清アルブミンなど、他のアルブミンも意図される。このような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業上の状況を含む)など、非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況で適切でありうる。ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内因性リガンドである脂肪酸について、合計8つ)を有し、薬物の多様なセット、特に、中性の疎水性化合物および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、9版、McGraw-Hill New York(1996年))。極性リガンド特徴に対する結合点として機能する表面近傍の荷電リシン残基および荷電アルギニン残基を伴う、極めて細長い疎水性ポケットである、HSAのIIAサブドメインおよびIIIAサブドメインでは、2つの高アフィニティーの結合部位が提起されている(例えば、Fehskeら、BiochemPharmcol.、30巻、687~92頁(198a)、Vorum、DanMedBull.、46巻、379~99頁(1999年)、Kragh-Hansen、DanMedBull.、1441巻、131~40頁(1990年)、Curryら、NatStructBiol.、5巻、827~35頁(1998年)、Sugioら、ProteinEng.、12巻、439~46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209~15頁(199b)、およびCarterら、AdvProteinChem.、45巻、153~203頁(1994年)を参照されたい)。シロリムスおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、EurJBiochem.、268巻(7号)、2187~91頁(200a)、Purcellら、BiochimBiophysActa、1478(a)、61~8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053~6頁(1995年)、およびGarridoら、RevEspAnestestiolReanim、41巻、308~12頁(1994年)を参照されたい)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、InvestNew Drugs、14(b)、147~51頁(1996年)を参照)。
組成物における担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)は一般に、mTOR阻害剤のキャリアとして役立つ、すなわち、組成物におけるアルブミンは、担体タンパク質を含まない組成物と比較してmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を、水性媒体中でより容易に懸濁可能とするか、またはこの懸濁物を維持する一助となる。これは、mTOR阻害剤を可溶化するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することが可能であり、これにより、個体(ヒトなど)にmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を投与することによる1またはそれより多くの副作用を軽減しうる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物が、Cremophor(またはポリオキシエチル化ヒマシ油、Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。ナノ粒子組成物を個体に投与するとき、組成物におけるCremophorまたは界面活性剤の量が、その個体において1またはそれより多くの副作用を引き起こすのに十分でない場合は、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」か、または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%のうちのいずれか未満の有機溶媒または界面活性剤を含有する。一部の実施形態では、担体タンパク質はアルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンはヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは組換えアルブミンである。
本明細書に記載される組成物における担体タンパク質、例えば、アルブミンの量は、その組成物における他の成分に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物が、水性懸濁物、例えば、安定的なコロイド状懸濁物(ナノ粒子の安定的な懸濁物など)の形態でmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を安定化させるのに十分な量で担体タンパク質、例えば、アルブミンを含む。一部の実施形態では、担体タンパク質、例えば、アルブミンが、水性媒体におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の沈降速度を低減する量である。粒子含有組成物の場合、担体タンパク質、例えば、アルブミンの量はまた、mTOR阻害剤のナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)は、少なくとも約0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間のうちのいずれかにわたるなど、長時間にわたり水性媒体において懸濁されたままである(目視可能な沈殿も沈降もないなど)場合、タキサンは、水性懸濁物中で「安定化」されている。懸濁物は一般に、個体(ヒトなど)への投与に適するが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は一般に、保存温度(室温(20~25℃など)または冷蔵条件(4℃など)など)で評価する(しかし、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物の調製後約15分で、懸濁物が、肉眼で目視可能なフロキュレーションも粒子凝集も、または1000倍の光学顕微鏡下で観察したときにフロキュレーションも粒子凝集も示さない場合、その懸濁物は、保存温度で安定的である。安定性はまた、約40℃より高温の温度など、加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、担体タンパク質(例えば、アルブミン)が、特定の濃度の水性懸濁物においてmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の濃度は、例えば、約0.1~約50mg/ml、約0.1~約20mg/ml、約1~約10mg/ml、約2~約8mg/ml、約4~約6mg/mlまたは約5mg/mlのうちのいずれかを含む、約0.1~約100mg/mlである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の濃度が、約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物が、界面活性剤(Cremophorなど)を含まないか、または実質的に含まないように、担体タンパク質(例えば、アルブミン)が、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.1%~約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))の担体タンパク質(例えば、アルブミン)を含む。一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.5%~約5%(w/v)の担体タンパク質(例えば、アルブミン)を含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物における担体タンパク質(例えば、アルブミン)対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、十分な量のmTOR阻害剤が、細胞に結合するか、または細胞により輸送されるような重量比である。担体タンパク質(例えば、アルブミン)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)との異なる組合せに対して、担体タンパク質(例えば、アルブミン)対mTOR阻害剤の重量比を最適化しなければならないが、一般に、担体タンパク質(例えば、アルブミン)対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比(w/w)は、約0.01:1~約100:1、約0.02:1~約50:1、約0.05:1~約20:1、約0.1:1~約20:1、約1:1~約18:1、約2:1~約15:1、約3:1~約12:1、約4:1~約10:1、約5:1~約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、担体タンパク質(例えば、アルブミン)対mTOR阻害剤の重量比が、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、および3:1以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、担体タンパク質はアルブミンである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比が、以下:約1:1~約18:1、約1:1~約15:1、約1:1~約12:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、または約1:1~約1:1.5のうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、担体タンパク質(例えば、アルブミン)により、組成物を、個体(ヒトなど)に、重大な副作用なしに投与することが可能となる。一部の実施形態では、担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミン)が、ヒトへのmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)投与の1またはそれより多くの副作用を軽減するのに有効な量である。mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)投与の「1またはそれより多くの副作用を軽減すること」という用語は、mTOR阻害剤により引き起こされる1またはそれより多くの望ましくない作用、ならびにmTOR阻害剤を送達するのに用いられる送達ビヒクル(リムス薬物を注射に適するものとする溶媒など)により引き起こされる副作用の軽減、緩和、除去、または回避をいう。このような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢性神経障害、好中球減少性発熱(neutropenic fever)、アナフィラキシー反応、静脈血栓症(venous thrombosis)、管外遊出、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は、例示的なものであるに過ぎず、リムス薬物(例えば、シロリムス)と関連する他の副作用または副作用の組合せも軽減することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとシロリムス阻害剤との重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)で安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとシロシムスの重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Nab-シロリムスである。Nab-シロリムスとは、ヒトアルブミンUSPにより安定化させたシロリムスの処方物であり、直接注射可能な生理学的溶液中で分散させることができる。ヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は約8:1~約9:1である。0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液など、適切な水性媒体中で分散させると、Nab-シロリムスは、シロリムスの安定的なコロイド状懸濁物を形成する。コロイド状懸濁物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約100ナノメートルである。HSAは、水中で際限なく(freely)可溶性であるので、例えば、約2mg/ml~約8mg/ml、または約5mg/mlを含む、希釈(約0.1mg/mlのシロリムス)~濃縮(約20mg/mlのシロリムス)の範囲にわたる広範な濃度で、Nab-シロリムスを再構成することができる。
当技術分野では、ナノ粒子組成物を作製する方法が公知である。例えば、mTOR阻害剤(例えば、limus薬物、例えばシロリムス)および担体タンパク質(例えば、アルブミン、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなど)を含有するナノ粒子は、高せん断力条件(例えば、超音波処理、高圧ホモジナイゼーションなど)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2007/0082838号、同第2006/0263434号、ならびにPCT出願第WO08/137148号においても開示されている。
簡潔に言うと、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を、有機溶媒中に溶解させ、この溶液を、担体タンパク質溶液、例えば、アルブミン溶液へと添加することができる。この混合物を、高圧ホモジナイゼーションに供する。次いで、蒸発により有機溶媒を除去することができる。得られた分散物を、さらに凍結乾燥させることができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が含まれる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1のいずれかの比による)でありうる。
mTOR阻害剤
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。本明細書で使用される「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORC1の阻害剤である(例えば、最大耐性投与量で、mTORC1の阻害剤は含まれるが、mTORC2の阻害剤は含まれない)。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORC2の阻害剤である(例えば、最大耐性投与量で、mTORC2の阻害剤は含まれるが、mTORC1の阻害剤は含まれない)。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORC1とmTORC2の両方の阻害剤である(例えば、最大耐性投与量で)。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムスおよびそのアナログが含まれるリムス薬物である。リムス薬物の例には、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK-506)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このリムス薬物は、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK-506)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスである。シロリムスは、FKBP-12と複合化し、mTORC1に結合することによってmTOR経路を阻害する、マクロライド抗生物質である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。mTORキナーゼ阻害剤の例として、CC-115およびCC-223が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムス(ラパマイシン)、BEZ235(NVP-BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、CerticanおよびAfinitorとしても公知)、AZD8055、テムシロリムス(CCI-779およびToriselとしても公知)、CC-115、CC-223、PI-103、Ku-0063794、INK 128、AZD2014、NVP-BGT226、PF-04691502、CH5132799、GDC-0980(RG7422)、Torin 1、WAY-600、WYE-125132、WYE-687、GSK2126458、PF-05212384(PKI-587)、PP-121、OSI-027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE-354、エフォロリムス(リダフォロリムスまたはデフォロリムスとしても公知)、CC-115およびCC-223からなる群より選択される。
BEZ235(NVP-BEZ235)は、mTORC1触媒性阻害剤であるイミダゾキノリン(imidazoquilonine)誘導体である(Roper Jら、PLoS One、2011年、6巻(9号)、e25132頁)。エベロリムスは、ラパマイシンの40-O-(2-ヒドロキシエチル)誘導体であり、シクロフィリンFKBP-12を結合し、これは、mTORC1とも複合体化する。AZD8055は、mTORC1(p70S6Kおよび4EBP1)のリン酸化を阻害する小分子である。テムシロリムスは、FK506結合タンパク質と複合体を形成し、それがmTORC1複合体中にある場合にはmTORの活性化を阻害する小分子である。PI-103は、ラパマイシン感受性(mTORC1)複合体の活性化を阻害する小分子である(Knightら(2006年)Cell125巻:733~47頁)。KU-0063794は、用量依存的および時間依存的様式で、Ser2448におけるmTORC1のリン酸化を阻害する小分子である。INK 128、AZD2014、NVP-BGT226、CH5132799、WYE-687は各々、mTORC1の小分子阻害剤である。PF-04691502は、mTORC1活性を阻害する。GDC-0980は、クラスI PI3キナーゼおよびTORC1を阻害する経口的に生体利用可能な小分子である。Torin 1は、mTORの強力な小分子阻害剤である。WAY-600は、mTORの、強力なATP競合性の選択的な阻害剤である。WYE-125132は、mTORC1のATP競合性の小分子阻害剤である。GSK2126458は、mTORC1の阻害剤である。PKI-587は、PI3Kα、PI3kγおよびmTORの高度に強力な二重阻害剤である。PP-121は、PDGFR、Hck、mTOR、VEGFR2、SrcおよびAblの多標的阻害剤である。OSI-027は、それぞれ22nMおよび65nMのIC50を有する、mTORC1およびmTORC2の選択的で強力な二重阻害剤である。Palomid 529は、ABCB1/ABCG2に対する親和性を欠き、良好な脳透過性を有するmTORC1の小分子阻害剤である(Linら(2013年)Int J Cancer DOI: 10.1002/ijc.28126(印刷前の電子公開))。PP242は、選択的mTOR阻害剤である。XL765は、mTOR、p110α、p110β、p110γおよびp110δについての、mTOR/PI3kの二重阻害剤である。GSK1059615は、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、PI3KγおよびmTORの新規二重阻害剤である。WYE-354は、HEK293細胞(0.2μM~5μM)およびHUVEC細胞(10nM~1μM)においてmTORC1を阻害する。WYE-354は、mTORの強力で特異的なATP競合性阻害剤である。デフォロリムス(リダフォロリムス、AP23573、MK-8669)は、選択的mTOR阻害剤である。
ナノ粒子組成物中の他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在させることができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させることにより安定性を増大させるために、ある特定の負に荷電した成分を添加することができる。負に荷電したこのような成分には、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸による胆汁酸塩、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含めたリン脂質が含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L-α-ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。例えば、硫酸コレステリルナトリウムなど、負に荷電した界面活性剤または乳化剤もまた、添加剤として適する。
一部の実施形態では、組成物が、ヒトへの投与に適する。一部の実施形態では、組成物が、獣医学の状況において、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適する。多種多様なナノ粒子組成物の適切な処方物が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号および同第6,096,331号を参照されたい)。以下の処方物および方法は、例示的なものであるに過ぎず、全く限定的なものではない。経口投与に適する処方物は、(a)水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤中に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液、(b)各々が、固体または顆粒として、所定量の有効成分を含有する、カプセル、小袋(sachet)、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、および(d)適切なエマルジョンからなる場合がある。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微晶質セルロース、アカシアガム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤(moistening agent)、防腐剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合性の賦形剤のうちの1または複数を包含しうる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬(通常はスクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム)中の有効成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、有効成分に加えて当技術分野で公知の賦形剤などの賦形剤を含有するエマルジョン、ゲルなどを含み得る。
適するキャリア、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸塩およびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるがこれらに限定されない。処方物は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または矯味矯臭剤も含み得る。
非経口投与に適する処方物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および処方物を、意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有しうる水性および非水性で等張性の滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤、および防腐剤を包含しうる水性および非水性の滅菌懸濁物とが含まれる。処方物は、アンプルおよびバイアルなど、単位用量または複数回用量の密封容器内に存在させることが可能であり、使用の直前に、注射用の滅菌液体賦形剤、例えば、水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze-dried (lyophilized))条件下で保存することが可能である。既に説明した種類の滅菌粉末、滅菌顆粒、および滅菌錠剤から、即席の注射液および懸濁物を調製することができる。注射用処方物が好ましい。
一部の実施形態では、例えば、約5.0~約8.0、約6.5~約7.5、および約6.5~約7.0のうちのおよそいずれかのpH範囲を含む、pH範囲が約4.5~約9.0となるように組成物を処方する。一部の実施形態では、例えば、約6.5、7、または8(約8など)のうちのいずれか以上を含む、組成物のpHを約6以上となるように処方する。また、グリセロールなど、適切な張度修飾剤(tonicity modifier)を添加することにより、組成物を血液と等張性とすることもできる。
キット、薬、および組成物
本発明はまた、本明細書に記載される方法のいずれかで使用するためのキット、薬、組成物、および単位剤形を提供する。
一部の実施形態では、(a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物と、(b)mTOR活性化性異常を評価するための薬剤とを含むキットが提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRAS、およびBAP1から選択されるmTOR関連遺伝子にある。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、ONCOPANEL(商標)試験から選択されたmTOR関連遺伝子にある。一部の実施形態では、薬剤は、mTOR関連遺伝子に特異的な核酸を含む。一部の実施形態では、薬剤は、mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質を特異的に認識する抗体を含む。一部の実施形態では、キットは、mTOR活性化性異常の状態に基づいてmTOR阻害剤のナノ粒子組成物を使用する過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の処置について、処置し、応答性を評価し、モニタリングし、個体を特定し、患者を選択する方法を含めた、本明細書に記載される方法のいずれかに従って使用するための指示書をさらに含む。
一部の実施形態では、キットは、抵抗性バイオマーカー、例えばTFE3の変異状態を評価するための薬剤をさらに含む。一部の実施形態では、キットは、抵抗性バイオマーカーの変異状態の単独または少なくとも1つのmTOR活性化性異常との組合せに基づいて過形成(例えば、がん、再狭窄、または肺高血圧症)の処置について個体を選択するために抵抗性バイオマーカーの変異状態を使用するための指示書をさらに含む。
本発明のキットは、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)ナノ粒子組成物(または単位剤形および/または製品)を含む1または複数のコンテナと、mTOR活性化性異常を評価するための薬剤を含む1または複数のコンテナとを含み得る。
一部の実施形態では、キットは、第2の治療剤を含む。ナノ粒子組成物および第2の治療剤は、別々のコンテナまたは単一コンテナの中に存在し得る。例えば、キットは、1つの別個の組成物、または1つの組成物はナノ粒子を含み、別の組成物は第2の治療剤を含む、2つまたはそれより多い組成物を含み得る。
本発明のキットは、適切なパッケージ(packaging)中に存在する。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージ(例えば、密封されたMylarバッグまたはプラスティック製のバッグ)などが含まれるがこれらに限定されない。キットは場合によって、緩衝剤および解釈情報など、さらなる構成要素も提供しうる。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
ナノ粒子組成物の使用と関連する指示は、一般に、意図される処置のための投与量、投薬スケジュールおよび投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)、または部分単位用量(sub-unit dose)であってもよい。長期間、例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヵ月間、4ヵ月間、5ヵ月間、7ヵ月間、8ヵ月間、9ヵ月間、またはそれよりも長いもののいずれかの間、個体の有効な処置を提供するために、十分な投与量の、本明細書において開示されているmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含有するキットが提供され得る。キットはまた、複数の単位用量のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)および薬学的組成物、ならびに使用のための指示を含んでいてもよく、薬局、例えば病院薬局および調剤薬局において保管および使用するのに十分な量で包装されてもよい。
同様に、本明細書に記載される方法に有用な薬、組成物、および単位剤形も提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む、過形成(例えば、がん、肺高血圧症、または再狭窄)の処置に使用するための薬(または組成物)が提供される。
当業者は、本発明の範囲および精神の範囲内では、複数の実施形態が可能であることを認識する。ここで、本発明を、以下の非限定的な例に言及することにより、より詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
本発明は、例示として提供され、限定することを意味しない以下の実施例を参照することによってさらに理解され得る。
(実施例1)
mTOR経路異常の悪性腫瘍におけるNab-シロリムスの臨床パイロット研究
単一アームの第II相臨床治験を、mTOR経路異常と関連する患者、特に、mTOR阻害剤に対する感受性を付与し得る遺伝子変化を有する患者における、Nab-シロリムス(ABI-009とも呼ぶ)の効力を評価するために設計する。遺伝子変化は、臨床的な次世代配列決定実験を介して特定する。研究の一次的な目的は、mTOR活性化性異常を有する進行性がんにおけるNab-シロリムスの応答率を評価することである。二次的な目的は、(1)選択された患者の進行までの時間および全生存期間を推定すること、ならびに(2)選択された患者におけるNab-シロリムスの有害事象プロファイルを推定することである。さらに、相関的調査を実施して、個々のmTOR活性化性異常の比率を評価し、個々のmTOR活性化性異常と、疾患徴候間および疾患徴候内の両方についての臨床的転帰との間の関連を評価する。
単一群の個体が、臨床試験に登録される。登録前に、個体を、例えば原発腫瘍における、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRAS、およびBAP1からなる群より選択される少なくとも1つのmTOR関連遺伝子におけるmTOR活性化性異常について、CLIA認証された実験室で評価する。少なくとも1つのmTOR活性化性異常を有し、すべての組み入れ基準を満たす個体を、処置について選択する。原発腫瘍由来のアーカイブのパラフィン包埋(PPFE)組織試料を、各個体から得る。選択された個体に、28日サイクルの1日目、8日目および15日目において75mg/m2の投与量で、または21日サイクルの1日目および8日目において約100mg/m2の投与量で、Nab-シロリムスを静脈内投与する。Nab-シロリムスを、各投与の間、約30分間にわたって注入する。個体は、Nab-シロリムス処置を受け続け、疾患の進行および/もしくは許容できない有害事象の発生まで、または個体が処置を受けることを拒絶するまで、積極的にモニタリングされる。複数の有害事象が観察される場合、Nab-シロリムスの用量を、薬物関連毒性の管理を可能にするために中断または低減してもよい。例えば、Nab-シロリムスの用量を、最初に、28日サイクルの1日目、8日目および15日目において56mg/m2のIVまで低減し、次いで2度目に、28日サイクルの1日目、8日目および15日目において45mg/m2のIVまで低減してもよい。1個体につき2回の用量低減のみを許容する。補助的処置、例えば、制吐薬、成長因子(G-CSF)、既存の有痛性の骨転移のためのビスホスホネートまたはデノスマブ、血液および血液製剤、ワルファリンもしくはLMWH、ならびに/または下痢のためのロペラミドが、医師の裁量で許容され得る。これらの個体を、処置のために同意した施設に戻し、処置の間に少なくとも28日毎(または約25日毎~約31日毎)に評価しなければならない。
種々の生物学的試料を、研究過程の間(例えば、処置前、処置中および処置後)に各個体から収集し、これらの生物学的試料を使用して、関連するバイオマーカーの変異状態およびレベルを評価する。処置中の生物学的試料は、例えば、サイクル1の1日目、サイクル2の1日目(±3日間)、およびサイクル3の1日目(±3日間)に、次いでその後2サイクル毎に、個体から収集してもよい。血液試料を、処置の前および後に、各個体から収集する。無細胞血漿DNA試料を、循環DNAの評価のために、各血液試料から調製する。無細胞血漿DNA試料を、次世代配列決定方法を使用して分析して、処置に対する応答の尺度として初代腫瘍試料において経時的に特定されたmTOR活性化性異常(例えば、変異)の普及率を評価する。さらに、新鮮なまたはアーカイブの(例えば、PPFE)腫瘍生検試料を、処置の前に、および任意選択で処置過程の間に(すなわち、処置中に)、各個体から収集する。処置中の腫瘍生検試料を使用して、個体におけるNab-シロリムスの薬力学的効果を評価する。処置後の腫瘍生検試料を、処置に対する応答後の疾患進行の時点で各個体から収集して、二次変異、ゲノム増幅または遺伝子欠失事象を含めた抵抗性の機構を評価する。およそ300の遺伝子の、ONCOPANEL(商標)試験(CLIA認証)を使用するエクソーム配列決定実験を実施して、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTOR、およびRHEBが含まれるがこれらに限定されないmTOR経路遺伝子における変化を評価する。さらに、mTOR活性化性異常(例えば、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4、KRAS、NRAS、およびBAP1が含まれるがこれらに限定されないバイオマーカーの配列およびレベル)、ならびにリン酸化されたAKT(すなわち、p-AKT)、4EBP1(すなわち、p-4EBP1)、S6K(すなわち、p-S6K)、S6(すなわち、p-S6)、およびSPARC(すなわち、p-SPARC)のレベルを、腫瘍生検試料を使用して評価する。増殖マーカー(例えば、Ki-67)およびアポトーシスマーカー(例えば、PARP)は、免疫組織化学方法を使用して評価することができる。TFE3における転座のFISH(蛍光in-situハイブリダイゼーション)分析を実施する。評価結果を使用して、mTOR活性化性異常と、処置に対する臨床応答との相関を評価し、腫瘍生検試料および循環DNAにおいて特定されたmTOR活性化性異常間の相関を試験する。
この研究の一次エンドポイントは、確認された応答の割合である。固形腫瘍では、確認された応答は、少なくとも8週間離れて連続する2回の評価での客観的状態として注目される、CRまたはPRのいずれかであると定義される。リンパ腫では、応答は、国際ワークショップ応答基準(Chesonら、1999年)を使用して評価する。確認された応答を、処置のすべてのサイクルを使用して評価する。確認された真の応答割合についての正確二項信頼区間を計算する。この研究の二次エンドポイントには、生存時間、疾患進行までの時間および有害事象が含まれる。生存時間の分布および疾患進行までの時間の分布を、カプラン-マイヤーの方法を使用して推定する。すべての一次および二次エンドポイントについて、統計的分析を、患者集団全体について、および各疾患群内で行う。
相関的調査を実施して、患者の群全体について、および各疾患群内の両方で、処置とクオリティオブライフおよび個々のmTOR活性化性異常との関連を決定する。クオリティオブライフを、最後の処置評価以来の処置応答および患者の全体的な健康の考察の前に評価する。クオリティオブライフを、患者が機能する能力、がんおよびその処置に関係する症状、全体的な健康およびクオリティオブライフ、ならびにがんおよびその処置の認識された財政的影響について、EORTCQLQ-C30、30項目の患者報告アンケートを使用して測定する。経時的なクオリティオブライフのスケールスコア軌跡を、標準偏差エラーバーと共にストリームプロットおよび平均プロットを使用して調査する。各サイクルにおけるベースラインからの変化を、対応のあるt検定を使用して統計的に試験し、標準化された応答平均を、Cohen(1988年)のカットオフ:<0.20=平凡;0.20-<0.50=小さい;0.5-<0.8=中程度;および≧0.8=大きい、を使用して、Middel(2002年)の調整を適用した後に解釈する。個々のmTOR活性化性異常の比率を記載し、確認された応答との関連を、フィッシャーの直接検定を使用して調査する。進行までの時間および全生存期間との関連を、ログランク検定を使用して調査する。片側p値≦0.10を、始めから終わりまで統計的に有意とみなす。
適格な個体は、以下の組み入れ基準のすべてを満たさなければならない。(a)膵臓神経内分泌がん、子宮内膜がん、卵巣がん、乳がん、腎細胞癌、LAM、前立腺がん、リンパ腫、または膀胱がんの組織学的確認を有する;(b)進行性ステージのがんを有する;(c)CLIA認証された実験室において確認された少なくとも1つのmTOR経路異常を有し、このmTOR経路変異には、AKT1、FLT3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN(例えば、PTEN欠失)、TP53、FGFR4、KRAS、NRASおよびBAP1における遺伝的異常が含まれ得るが、これらに限定されない;(d)以下の処置のいずれも受けていない:(1)Nab-シロリムスによる処置前の4週間以内の化学療法;(2)Nab-シロリムスによる処置前の4週間以内のホルモン治療;(3)Nab-シロリムスによる処置前の4週間以内の放射線療法;(4)Nab-シロリムスによる処置前の6週間以内の、ニトロソ尿素、マイトマイシンまたは広範な放射線療法による処置;(5)Nab-シロリムスによる処置前の3週間以内の免疫抑制剤(制吐薬として使用されるコルチコステロイドを除く);(6)事前のmTOR経路阻害剤治療の使用;(d)登録前の14日間以内に得られた以下の臨床検査値を有する:(1)絶対的好中球計数(ANC)≧1500/mm3、血小板計数≧100,000/mm3(リンパ腫を有すると診断された患者では、≧75,000/mm3);(2)ヘモグロビン≧9.0g/dL;(3)総ビリルビン≦1.5×施設正常上限(ULN);(4)アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST);アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦3×ULN、または被験体が肝臓内に腫瘍病変を有する場合には≦5×ULN;(5)血清コレステロール≦350mg/dL;(6)血清トリグリセリド≦300mg/dL;(7)血清クレアチニン≦1.5×ULN;(e)他の利用可能な積極的治療を事前に失敗した、許容できなかった、または拒絶した;(f)以下の基準のうちいずれかによって定義される適切な凝固機能を有する:(1)INR≦1.5×ULN;(2)ワルファリンまたはLMWHを受けている被験体について、これらの被験体は、研究者の意見では、抗凝固薬治療を受けていながら活発な出血の証拠を伴わずに臨床的に安定でなければならない。
除外基準は以下のものである:(a)妊娠中もしくは授乳中の女性、または生物学的に妊娠することができる出産能のある女性、あるいは2つの形態の高度に有効な避妊を用いていない、子どもをもうけることができる男性;(b)間質性肺疾患および/または肺炎の病歴を有する患者;(c)任意の併用抗腫瘍治療、またはCYP3A4の阻害剤を受けていること;(d)マクロライド系抗生物質(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシンおよびエリスロマイシン)およびケトライド系抗生物質を含めた、類似の化学的または生物学的組成の化合物に起因するアレルギー反応の病歴;(e)登録の≦4週間前の大手術(例えば、胸腔内、腹腔内または骨盤内)、またはポートの配置、腎摘除術、腫瘍生検および小手術を除いて、このような手術の副作用から回復できないこと;(f)原発性新生物のための処置とみなされ得る、任意の他の承認されたまたは治験抗がん剤の併用;(g)適切な治療にも関わらず、HbA1c>8%によって定義される制御の効かない糖尿病;(h)先行する6カ月間の間の不安定な冠動脈疾患または心筋梗塞;ならびに(i)薬物療法では制御の効かない高血圧症。
(実施例2)
UMUC3(ヒト膀胱がん)細胞株マウス異種移植モデルにおける抗腫瘍活性に関するNab-シロリムスと組み合わされた薬物の評価
Nab-シロリムス(例えば、ABI-009)と組み合わされた、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルを含めた薬物パネルの抗腫瘍効力を、胸腺欠損ヌードマウスにおけるUMUC3細胞異種移植モデルで評価し、比較した。
ヒト膀胱がん(腺癌)細胞系UMUC3は、以下の通り調製した。凍結した(液体窒素)アリコートのUMUC3細胞系(ATCCから得た)を解凍して、10%のウシ胎仔血清(FBS)を補充したDMEM培地を含有する75cm2のフラスコに分散し、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。細胞は、80%コンフルエントになると、培養物を150cm2フラスコに拡大増殖させた。マウスに注射するのに十分な細胞が得られるまで(マウスあたり、10×106個の細胞)、この培養物をさらに拡大増殖させた。
UMUC3細胞から確立された腫瘍は、以下の通りであった。雌の胸腺欠損ヌードマウスを得て、オートクレーブした敷わら(bedding)が供給されている、上部にフィルターの取り付けられたケージに収容した。動物の取り扱い手順は、層流フード下である。各マウスの耳に個体識別用のタグを取り付け、各マウスの体重を記録する。腫瘍を埋め込むため、各マウスの右側腹に、UMUC3細胞(20%Matrigelを含む0.1mL PBS中に、側腹あたり10×106個の細胞)を皮下注射した。腫瘍が合計で約60~160mm3になるまで、腫瘍の測定値を1週間あたり、3回(例えば、月曜日、水曜日および金曜日)記録した。平均腫瘍体積がおよそ100mm3に達したら、マウスを処置について無作為化した。処置の前に、すべてのマウスの体重および腫瘍の測定値を記録した。
パートAの単剤の用量設定研究では、UMUC3ヒト膀胱がん異種移植を担持する胸腺欠損マウスを、単剤ラパマイシン(3mg/kg、qd×5、経口)、エベロリムス(3mg/kg、qd×5、経口)、ABI-009(7.5mg/kg、20mg/kg、および40mg/kg、週2回、尾静脈を介するIV)、マイトマイシンC(0.5mg/kg、週2回、IP)、シスプラチン(1.5mg/kg、週2回、IP)、ゲムシタビン(12.5mg/kg、週2回、IP)、バルルビシン(20mg/kg、週2回、IP)、およびドセタキセル(2mg/kg、週2回、IP)で3週間にわたって処置した。動物を、腫瘍体積および体重についてモニタリングした。
パートBの組合せ研究では、UMUC3ヒト膀胱がん異種移植を担持する胸腺欠損マウスを、研究が終了するまで、ABI-009(3mg/kg、週2回、尾静脈を介するIV)、マイトマイシンC(0.5mg/kg、週2回、IP)、シスプラチン(3mg/kg、週2回、IP)、ゲムシタビン(30mg/kg、週2回、IP)、バルルビシン(20mg/kg、週2回、IP)、およびドセタキセル(3mg/kg、週2回、IP)を、単剤としてまたは組合せ(ABI-009と化学療法剤)で用いて処置した。動物を、腫瘍体積および体重についてモニタリングした。
Nab-シロリムスおよび第2の薬物(例えば、MMC、Cis、GEM、ValおよびDoc)を含む、投与される薬物の各組合せにおいて、第2の薬物は、Nab-シロリムスの直前に投与された。マウスは、1週間あたり3回(例えば、月曜日、水曜日および金曜日)、体重を記録し、毎日、苦痛の徴候を記録し、1週間あたり3回(例えば、月曜日、水曜日および金曜日)、腫瘍の測定値を記録することにより処置の経過中、モニタリングした。投薬レジメンの完了後、2週間、またはマウスの腫瘍サイズが2000mm3超となってマウスを犠牲にするまで、腫瘍サイズおよび体重の測定を継続した。
結果
非臨床試験の単剤の用量設定ステージ(パートA)では、すべての処置は十分に許容され、いずれの群にも著しい体重減少はなかった。生理食塩水対照と比較して、いかなる処置群にも統計的に有意な体重の差異は観察されなかった。すべての群が、研究期間中に増量した(図2C、2D)。
ABI-009処置群だけが、生理食塩水対照と比較して著しい腫瘍成長阻害を示し、ABI-009の抗腫瘍活性は、より高用量で増大した(図1および2A~2B)。さらにABI-009は、週2回のIVによる7.5mg/kgで、毎週の等用量の経口ラパマイシンおよび経口エベロリムス(P<0.001およびP<0.0001、それぞれ)と比較して、著しく高い抗腫瘍活性を示した(図1および図2A)。それに応じて、ABI-009処置群は、経口ラパマイシン、経口エベロリムス、および他の化学療法群と比較して、生存期間中央値がより長いことによって実証された通り、生存期間の延長を示した(図1および図3A)。パートBの組合せ研究で使用するための他の化学療法剤に適した用量を特定した(図1、2A~2B、および3A~3B)。
組合せ処置のステージ(パートB)では、単剤としての、または他の化学療法剤と組み合わされたABI-009は、全体的に十分に許容され、いずれの群にも著しい体重減少はなかった。すべての群が、研究期間中に増量した(図5Cおよび5D)。
単剤としての、またはNMIBCを処置するために現在臨床使用されている化学療法剤と組み合わされたABI-009は、生理食塩水対照と比較して著しい抗腫瘍活性を示し、動物の生存期間を著しく延長した(図4、5A~5B、6A~B、7A~7J)。単剤のゲムシタビンは、腫瘍成長阻害および動物の生存期間においてわずかな効果しか示さず、それらの効果のいずれにも、対照を上回る著しい改善はなかった。
パートBにおけるABI-009の用量は、パートAにおけるその用量から実質的に低減(-60%)されたが(3mg/kg対7.5mg/kg)、単剤としてのABI-009は、やはり強力な抗腫瘍活性を示した(TGI:77.5%)。その結果として、ABI-009組合せ群のいずれも、ABI-009単独と比較して、抗腫瘍活性の著しい改善を示したが、ABI-009/ゲムシタビンの組合せは、ABI-009単独に対して増強された抗腫瘍活性の数値的傾向を示した(TGI:90.1%対77.5%)(図4、5B、7A、7C、7E、7G、および7I)。重要なことに、すべての組合せの中でも、ABI-009/ゲムシタビンだけが、ABI-009単独と比較して生存時間の実質的な延長を示し(生存期間中央値:48日対33日、P=0.0526、ログランク試験)、研究が終了するまでより多くの動物が生存していた(処置50日目:3/8対1/8)(図4、6B、7B、7D、7F、7H、および7J)。
他方では、ABI-009組合せ群を、対応する化学療法剤単独と比較した場合、ABI-009/ゲムシタビンの組合せだけが、抗腫瘍活性の著しい改善を示した(TGI:90.1%対単剤のゲムシタビンでは41.7%、P<0.05)(図4、5B、および7E)。またそれに応じて、ABI-009/ゲムシタビンの組合せは、ゲムシタビン単独よりも著しく長い動物の生存期間を示した(生存期間中央値:48日対20日、P<0.0001、ログランク試験)(図4、6B、および7F)。
結論
結論として、単剤として、または他の化学療法と組み合わせてIV投与されたABI-009は、十分に許容され、著しい体重減少はなかった。IV投与されたABI-009は、毎週の等用量の経口ラパマイシンおよび経口エベロリムスと比較して、著しく高い抗腫瘍活性を示し、生存期間を延長した。組合せ研究は、ABI-009/ゲムシタビンの組合せが、UMUC3膀胱がん異種移植モデルに試験したすべての組合せの選択肢の中で最高であり、単剤としてのABI-009またはゲムシタビンのいずれかよりも良好な抗腫瘍活性を有することを示した。重要なことに、ABI-009/ゲムシタビン群の動物の生存期間は、単剤としてのABI-009またはゲムシタビンのいずれかと比較して延長した。
(実施例3)
NMIBCにおけるNab-シロリムスの第I/II相臨床試験
BCG不応性または再発性筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)を有する患者は、単剤としての、または他の化学療法剤と組み合わされた膀胱内Nab-シロリムス(ABI-009とも呼ぶ)の安全性、薬物動態(PK)、薬力学、および効力を評価するために、第I/II相臨床試験に登録される。
患者は、膀胱鏡検査中、目に見える腫瘍を切除した後、無菌尿道カテーテル法によってNab-シロリムスを膀胱内投与される。第1相試験では、最大30人の患者が、6週間の処置のために以下の5つのコホートに登録される(コホート1つ当たり最大6人の患者):100mg/週、100mgを2回/週(1週間の総用量200mg)、300mg/週、200mgを2回/週(1週間の総用量400mg)、および400mg/週。処置毎に、Nab-シロリムスを、0.9%塩化ナトリウム100mlで再構成する。患者に、薬物を膀胱内に2時間保持した後に排尿するように指導する。米国国立がん研究所の共通毒性基準(NCI CTC)v4.0のグレード2の局所的毒性が生じる場合、投与1回の間、処置を延期し、毒性がグレード1またはそれ未満まで消散したら再開する。用量制限毒性(DLT)は、任意のグレード3または4の事象であるとみなされ、DLTを経験した患者は、治験からすぐに除去する。用量漸増は、最大送達用量(MDD)を確立するための3+3規則に従う。最後の週1回または週2回の投与が終了して6週間後、患者は、膀胱鏡検査および生検を受ける。完全な応答(CR)は、NMIBCの標準基準に従って、処置の6週間後の膀胱鏡検査においてがん陰性生検として定義される。
患者がCRを有している場合、患者は、特定の患者が受けた最大用量で、毎月の追加の維持注入用量を受ける。膀胱鏡検査試験を、3カ月間毎に実施し、患者は、疾患が進行するまで、治療開始から最長1年間にわたって治療を受ける。全身的および局所的な膀胱毒性を、処置および維持治療を通してモニタリングする。
第II相試験は、BCG不応性または再発性NMIBCを有する患者において効力を決定し、追加の安全性データを得るための研究の初期の第1相部分で、膀胱内のNab-シロリムスについて許容されない毒性が検出されない場合に開始される。一次エンドポイントは、BCG不応性NMIBCの処置におけるNab-シロリムスの応答率を評価することである。二次エンドポイントは、NCI基準に従ってNab-シロリムスの安全性をさらに評価すること、ならびに治療に対する応答に関する分子相関を評価することである。p-S6K、p-S6、p-AKT、p-4EBP1、Ki67、mTOR活性化性異常、ならびにONCOPANEL(商標)試験における300を超える遺伝子およびイントロン領域のパネルが含まれるが、これに限定されないバイオマーカー分析から得られた結果は、NMIBCの患者のための処置選択におけるこれらのバイオマーカー、ならびにNab-シロリムス処置のための臨床効力の代替指標の有用性を確立することができる。第3相の臨床試験のための手法は、Nab-シロリムス、対、標的疾患(すなわち、NMIBC)のための承認された標準ケアの、制御され、無作為化された比較安全性および効力研究を実施することである。
Nab-シロリムスと、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびドセタキセルを含めた、NMIBCの膀胱内処置のために現在使用されている化学療法剤との組合せレジメンは、実施例2で調査された組合せレジメンのいずれかが、UMUC3ヒト膀胱がん異種移植マウスモデルにおける単剤としてのNab-シロリムスよりも安全であり、抗腫瘍活性を著しく改善することが見出された場合に、上記の通り、第II相の膀胱内Nab-シロリムス臨床試験でさらに評価することができる。
(実施例4)
末梢動脈疾患におけるNab-シロリムスの第II相臨床試験
前向きな多中心性の2ステージ第II相臨床試験を実施して、膝窩動脈および連続末梢動脈のバルーン血管形成術および一時的ステント留置後の大腿膝窩動脈の血行再建術の転帰を改善するためのNab-シロリムス(ABI-009とも呼ぶ)の外膜送達の安全性および有効性を調査する。
患者が、膝窩動脈内に新規のアテローム硬化性病変>70%を有し、病変が、最大15cm長に達する、参照血管径が3mm~8mmの連続動脈に拡大する場合、少なくとも18歳の男性または女性の患者が、研究に登録される。Nab-シロリムスは、BULLFROG(登録商標)マイクロ注入カテーテルを使用して、所望の血管処置期間にわたって40~100μg/cmの用量で外膜に投与される。
研究を、以下の2ステージで実施する。ステージA:患者10人、40μg/cmおよび100μg/cmの2つの用量を用いるオープンラベル用量漸増ステージ;ならびにステージB:患者100人を1:1に盲検で無作為化して、ステージAから確立された最高安定性のNab-シロリムス用量または処置なしのいずれかを投与する。
一次エンドポイントには、手順から30日以内の四肢の腫瘍有害事象または周術期死亡の急性安全性の転帰(男性+POD)、ならびに6カ月および12カ月において二重超音波指標病変バイナリー再狭窄(PSVR>2.4)を評価することによる有効性の転帰が含まれる。二次エンドポイントには、長期安全性、6カ月および12カ月における二重超音波指標病変バイナリー再狭窄(PSVR>4.0)または閉塞、炎症性バイオマーカー、標的病変の血行再建(TLR)率、標的四肢の血行再建(TLR)率、標的四肢の血行再建(TER)率、注入技術成功率、手順成功率、ならびに医療経済が含まれる。
生物学的試料、例えば血液試料および組織生検試料を、研究過程の間、患者から得ることができ、それを分析して、PAH患者のための処置選択におけるバイオマーカー(例えば、mTOR活性化性異常)、ならびにNab-シロリムス処置のための臨床効力の代替指標を確立する。
(実施例5)
PAHにおけるNab-シロリムスの第II相臨床試験
第1相/第2相の組合せ研究を実施して、現在、最大限利用可能な基礎治療に対する、重症の進行性肺動脈高血圧症(PAH)を有する患者におけるNab-シロリムス(ABI-009と呼ぶ)の安全性および効力を評価する。
研究の第I相部分では、3種の用量レベルのNab-シロリムス(20mg/m2、45mg/m2、および75mg/m2)を、それぞれ患者3人のコホートで試験して、重症のPAHを有する患者におけるNab-シロリムスの安全な用量およびDLTを評価する。第I相臨床試験において最適な用量を見出した後、第II相臨床試験によって、重症の進行性PAHを有する患者におけるNab-シロリムスの安全性および効力をさらに探索する。
適格患者は、経口薬剤、エンドセリン受容体アンタゴニストおよび/もしくは5型ホスホジエステラーゼ阻害剤、ならびに/またはプロスタサイクリン類似体(摂取する意思があるか、または許容する限り)のいずれかを含めた少なくとも2種の薬物を用いる、最も利用可能な治療が施されたにも関わらず、PVR>5のウッド単位となる重症のPAH(ニューヨーク心臓病学会[NYHA]のクラスIIIまたはIV)を有する。
探索的一次効力エンドポイントは、16週間の処置後のPVRの変化である。PVRは特定の治療なしには改善しないので、このエンドポイントは、PAH患者におけるすべての事前のオープンラベル概念実証治験において上手く使用することができた。16週間目の二次効力エンドポイントには、追加の血行動態パラメーター(心拍出、肺動脈圧、肺動脈閉塞圧、および中心静脈圧)、6分間の歩行距離試験、NYHA機能分類の変化、右室機能を評価するためのドプラ心エコー画像化、右心室および肺脈管構造の解糖活性を決定するためのCT-PET、ならびに右室ストレインを示す脳内のナトリウム利尿ペプチドおよびトロポニンレベルの測定が含まれる。患者は、16週間後に観察される臨床的利益が測定される場合、24週まで処置を維持することができる。
オープンラベル経過観察の評価は、臨床的に示されたものとして決定される。すべての患者について、安全性評価を実施する。次の用量を決定する前に、最初の3週間の処置について一点薬物動態を毎週決定して、基底レベルまたはトラフレベルを決定する。生物学的試料、例えば血液試料および組織生検試料を、研究過程の間、患者から得ることができ、それを分析して、PAH患者のための処置選択におけるバイオマーカー(例えば、mTOR活性化性異常)、ならびにNab-シロリムス処置のための臨床効力の代替指標を確立する。
(実施例6:単剤として、ならびにテモゾロミドおよびイリノテカンと組み合わせて、CNS腫瘍を含む、再発性または不応性固形腫瘍を有する小児患者における、ABI-009(Nab-シロリムス)の第I相臨床試験)
小児患者において、中枢神経系(CNS)腫瘍を含めた、再発性または不応性固形腫瘍を処置するために、単一アーム非無作為化第1相用量増大試験を設計して、単剤として、またはテモゾロミドおよびイリノテカンと組み合わせた、ABI-009の毒性プロファイル、最大耐量、推奨される第2相用量、ならびに薬物動態パラメーターおよび薬力学パラメーターを決定する。小児患者の固形腫瘍の処置における、イリノテカンおよびテモゾロミドと組み合わせたAB-009の効力を第1相試験の範囲内で評価する。さらに、S6K1および4EBP1などのバイオマーカーの発現は、処置前の患者で決定する。調査される例示的な固形腫瘍は、神経芽細胞腫(NB)、骨肉腫(OS)、ユーイング肉腫(EWS)、横紋筋肉腫(RMS)、髄芽腫(MB)、神経膠腫、腎腫瘍および肝腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)を含む。
臨床試験の主目的は、以下を含む:1)CNS腫瘍を含む再発性/不応性固形腫瘍を有する小児患者に、テモゾロミドおよびイリノテカン(1~5日目に投与)と組み合わせて、21日サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて静脈内用量として投与したABI-009の最大耐量(MTD)および/または推奨される第2相用量(RP2D)を推定すること、2)再発性または不応性がんを有する小児患者において、21日サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて、静脈内用量として投与した単剤のABI-009の毒性を定めて記載すること、3)再発性または不応性がんを有する小児患者において、テモゾロミドおよびイリノテカン(1~5日目に投与)と組み合わせて、21日サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて静脈内用量として投与したABI-009毒性を定めて記載すること、および4)再発性または不応性がんを有する小児患者における、ABI-009の薬物動態を特徴付けること。この研究の二次的な目的は、第1相試験の範囲内で、テモゾロミドおよびイリノテカンと組み合わせた、ABI-009の抗腫瘍活性を予備的に定めることである。この研究の探索的な目的は、免疫組織化学を使用して、固形腫瘍の小児患者からの保管されている腫瘍組織における、S6K1および4EBP1発現状態を試験することである。
図8は、実験設計スキームを示している。ABI-009を、21日間の各サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて静脈内に投与する。サイクル2+の間では、サイクル2の間にイリノテカンを投与した1時間後、ABI-009を投与する。その後のサイクルに関しては、ABI-009は、テモゾロミドおよびイリノテカンの8時間後以内に投与する。テモゾロミドは、サイクル2+から、21日間の各サイクルの1~5日目に、毎日1回、経口投与する。イリノテカンは、サイクル2+から、21日間の各サイクルの1~5日目に、テモゾロミドの1時間後に、毎日1回、経口投与する。セフィキシムまたは等価な抗生物質を下痢予防として使用し、イリノテカン投与中、イリノテカンの最初の用量の2日前に、および各サイクルのイリノテカンの最後の用量の3日後に投与する。治療の1サイクルは、21日間と考える。1サイクルは、最大で合計約24ヵ月の治療期間で、合計35サイクルの間、繰り返すことができる。
用量漸増スキームは、以下の表1に示されている。用量レベル1は、開始用量レベルであり、このレベルは、以前の臨床試験における、ABI-009、イリノテカンおよびテモゾロミドの推奨される第2相用量に基づいて決定されたものである。MTDが用量レベル1を超える場合、患者の次のコホートは、用量レベル-1で処置されることになる。用量レベル-1が、十分に許容されない場合、この研究は、登録(accrual)を打ち切る。
用量漸増および患者登録に関して、6つの段階的な設計(rolling six design)を利用する。例えば、Skolnik JM、Barrett JS、Jayaraman Bら:「Shortening the timeline of pediatric phase I trials: the rolling six design.」 J Clin Oncol 26巻:190~5頁、2008年を参照のこと。手短に言えば、(1)現在の用量レベルで登録された患者数、(2)現在の用量レベルにおいて用量制限毒性(DLT)を経験した患者数、および(3)登録されているが、許容データが現在の用量レベルにおいて未決定である患者数に応じて、2~6名の患者を1つの用量レベルに同時に登録することができる。例えば、3名の参加者が、1つの用量コホートに登録される場合に、この3名全員の毒性データが入手可能であれば、4番目の参加者が登録されて、DLTが存在しない場合、用量漸増されて、この4番目の参加者は、次の用量レベルに登録される。最初の3名の参加者の1名もしくは複数について、データが依然として入手できない、およびDLTが観察されない場合、または1つのDLTが観察された場合、新しい参加者は、同一用量レベルで登録される。最後に、2つまたはそれより多いDLTが観察される場合、用量レベルは漸減される。この過程を、参加者5および6に繰り返す。各3人の参加者の後、登録を一時停止する代わりに、6名のコホートが埋まった場合にのみ、登録を一時停止する。参加者が毒性に関して評価不能である場合、次の利用可能な参加者がこの研究に登録される際に、漸増または漸減規則が果たされていない場合、上記の評価不能な参加者を次の利用可能な参加者に置きかえる。
最大6名の患者のコホートの2名またはそれより多くが、所与の用量レベルでDLTを経験した場合、MTDを上回り、用量漸増を停止する。6名の評価可能な患者から観察される2つのDLTが、異なるクラスの有害作用(例えば、肝毒性および骨髄抑制)である、ありそうにない事象では、コホートを12名の患者まで拡大することを考慮する(DLTの1つが、用量関連性があるように思われない場合、この有害作用は容易に可逆性がある。研究責任者/DVLリーダーシップ/INDスポンサーはすべて、コホートの拡大を許容することに同意する)。MTDまたはRP2Dが、一旦、定まると、再発した/不応性の固形腫瘍を有する、最大6名の追加の患者が登録されて、若い患者の代表数におけるPKデータを取得することができる(すなわち、12歳未満の患者6名、および12歳以上の患者6名)。
サイクル1からの患者は、用量制限毒性(DLT)を経験しておらず、かつ以下の繰り返しサイクルでの修正された開始基準:コレステロール≦400mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中、ならびにトリグリセリド≦300mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中を除いて、適格性項目で定められている実験室パラメーターをやはり満たしている場合、これらの患者にはサイクル2が継続される。ABI-009単独によるサイクル1の治療後に、進行性疾患を有する患者は、他の除外基準を満たさない限り、依然として研究を続けることができる。
研究のサイクル2+の部分に関すると、患者が少なくとも安定病態を有しており、かつ以下の繰り返しサイクルでの修正された開始基準:コレステロール≦400mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中、ならびにトリグリセリド≦300mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中を除いて、適格性項目で定めされている実験室パラメーターをやはり満たしている場合、1サイクルを21日毎に繰り返してもよい。
併用治療に関する最大耐量(MTD)は、患者の33%以下が治療のサイクル2の間に、DLTを経験する最大の用量として決定する。併用治療に関して推奨される第2相用量は、サイクル2において、またはDLTの非存在下で、または用量レベル3(55mg/m2のABI-009、90mg/m2のイリノテカンおよび125mg/m2のテモゾロミド)で定められたMTDとして決定する。
DLTの観察期間は、治療の最初の2サイクルである。サイクル1の間に観察されたDLTは、サイクル2の併用治療のMTD決定に対して数えられる。CTCAE v4または現行版を、毒性の等級付けに使用する。研究薬物の少なくとも1回用量を受容する患者はいずれも、有害事象に関して評価可能と見なす。さらに、用量漸増部分の場合、患者は、プロトコールの指針に従い、サイクル1の間に処方された用量の少なくとも100%およびサイクル2の間に処方された用量の100%を受容しなければならず、かつサイクル1およびサイクル2の間に実施される適切な毒性モニタリング研究は、DLTについて評価可能であると見なさなければならない。サイクル1またはサイクル2の一方の間の所与の用量レベルにおいて、毒性を評価できない患者は、置きかえられる。
DLTは、血液学的および非血液学的毒性について、別々に定める。非血液学的DLTは、以下の特定のものを除外して、調査薬物に起因するグレード3またはそれよりも多くのいずれかの非血液学的毒性として定める:グレード3の吐き気および嘔吐が3日間未満;次の処置サイクルの時間に前にグレード1以下またはベースラインに戻る、ALT/AST/GGTを含めたグレード3の肝酵素の増加。注:この研究の目的に関すると、ALTに対するULNは、45U/Lと定める;グレード3の発熱;グレード3の感染症;経口補給に応答する、グレード3の低リン酸血症、低カリウム血症、低カルシウム血症または低マグネシウム血症;次の処置サイクルの開始前にグレード2以下に戻るグレード3または4の高トリグリセリド血症。高トリグリセリド血症の重症度(グレード)は、絶食レベルに基づく。慣例的な(非絶食)実験室研究が行われる際にグレード3または4のトリグリセリドが検出された場合、この試験は、正確な等級付けを可能にするよう、絶食状態で3日以内に繰り返すべきである;次の処置サイクルの開始前に、グレード2以下またはベースライン(インスリンまたは経口糖尿病剤の使用を伴うまたは伴わない)に戻るグレード3の高血糖症。高血糖症の重症度(グレード)は、絶食レベルに基づく。慣例的な(非絶食)実験室研究が行われる際にグレード3の高血糖症が検出される場合、この試験は正確な等級付けを可能にするよう、絶食状態で3日以内に繰り返すべきである;次の処置サイクルの前に、脂質低下薬の開始後に、グレード2以下に戻るグレード3または4の高コレステロール血症。高コレステロール血症の重症度(グレード)は、絶食レベルに基づく。慣例的な(非絶食)実験室研究が行われる際にグレード3または4の高コレステロール血症が検出された場合、この試験は、正確な等級付けを可能にするよう、絶食状態で3日以内に繰り返すべきである。非血液学的毒性はまた、処置サイクルの間の14日間以上の遅延を含む。研究薬物の中止を必要とするアレルギー反応は、用量制限毒性とは見なさない。
血液学的DLTは、以下の通り定める:7日間を超えるグレード4の好中球減少;7日間以内の、別々の2日における血小板数<20,000/mm3、または別々の2日における血小板輸血の必要性;処置サイクルの間の14日間を超える遅延を引き起こす骨髄抑制;および、グレード3または4の血栓塞栓症事象。グレード3または4の発熱性好中球減少症は、用量制限毒性とは見なさない。
トリグリセリドを高度に絶食した場合の用量改変は、表2に示されている通りである。
疾患の評価は、サイクル1の終了時、サイクル2の終了時、次に、2サイクル間の1つおきのサイクルに、次に、3サイクル毎に行う。疾患応答は、固形腫瘍の応答評価基準(RECIST)の指針(バージョン1.1)を使用して評価する。
毒性および応答のモニタリングの他に、薬物動態および薬力学研究が行われる。ABI-009薬物動態(PK)は、検証済みのLC-MS/MSアッセイを使用して決定する。イリノテカンおよびテモゾロミドの薬物動態は、蛍光検出を伴う検証済みのHPLCアッセイを使用して決定する。ABI-009のPK研究に関しては、研究のサイクル1(単剤)およびサイクル2(併用治療)の間の以下の時間点で、血漿試料(時間点あたり2mL)を患者から得る:1日目:用量前、注入の終わり、次に、注入開始後、1、2、4および8時間;2日目:D1 ABI-009の用量の24時間後;4日目(±1日間):D1 ABI-009の用量の72時間後(±24時間);および8日目:ABI-009の用量前。場合により、注入後の任意の時間点におけるCSF採集物を得て分析し、ABI-009のPKを決定することができる。イリノテカンおよびテモゾロミドのPK研究に関しては、研究のサイクル2(併用治療)の間の以下の時間点で、血漿試料(時間点あたり2mL)を患者から得る:1日目:用量前、次に、イリノテカン用量の10分後、1時間後、3時間後および6時間後;および2日目:2日目のイリノテカン用量前(1日目のイリノテカン用量の24時間後)。薬物動態パラメーター(Tmax、Cmax、t1/2、AUC、Cl/F)は、必要に応じて、標準非コンパートメント方法またはコンパートメント方法を使用して算出する。
さらに、ABI-009による処置前に、小児固形腫瘍におけるS6K1および4EBP1発現を評価するため、腫瘍組織試料を免疫組織化学によって検査する。登録前に、パラフィン包埋組織ブロックまたは非染色スライドが必要である。この分析は、本研究のサイクル1の間に行う。
適格性
適格な個体は、以下の組み入れ基準のすべてを満たさなければならない。
(1)患者は、12ヵ月以上21歳以下でなければならない。
(2)患者は、CNS腫瘍を含めた、再発性または不応性固形腫瘍と診断されなければ
ならない。
(3)患者は、以下のパフォーマンスステータスを有していなければならない:16歳を超える患者の場合、50%以上のカルノフスキーであり、16歳以下の場合、50%以上のランスキー。CNS腫瘍を有する患者における神経学的欠損は、研究登録前の少なくとも7日間、比較的安定でなければならない。麻痺のために歩くことができないが、車椅子で立ち上がることができる患者は、パフォーマンススコアを評価する目的の場合、歩行可能と見なされる。
(4)患者は、事前の抗がん化学療法のすべての急性毒性作用から完全に回復していなければならず、登録前の以前の抗がんを対象とする治療から少なくとも以下の期間を満たさなければならない。必要とされる時間枠の後に、数値での適格性基準、例えば、血液数基準が満たされている場合、この患者は、適切に回復していると見なされる:(i)骨髄抑制性であることが知られている細胞毒性化学療法または他の化学療法:細胞毒性または骨髄抑制性化学療法の最終用量後21日以上(事前のニトロソ尿素の場合、42日);(ii)骨髄抑制であることが知られていない抗がん剤(例えば、血小板数またはANC数の低下を伴わない):薬剤の最終用量後7日以上;(iii)抗体:抗体の3半減期以上、または最終用量後30日以上経過していなければならないかのどちらか短い方であり、すべての急性毒性から回復していなければならない;(iv)造血増殖因子:長時間作用型増殖因子(例えば、Neulasta)の最終用量後14日以上、または短時間作用型増殖因子の場合、7日。投与後7日を過ぎて発生する既知の有害事象を有する薬剤の場合、この期間は、この有害事象が発生することが知られている期間を超えて延長しなければならない;(v)免疫療法または免疫調節薬:ステロイドまたは腫瘍を対象とするワクチンを除く、いかなるタイプの免疫療法、免疫調節薬(例えば、サイトカイン、アジュバントなど)の完了後42日以上;(vi)幹細胞注入(TBIを有するまたは有していない):同種異系(非自己)骨髄もしくは幹細胞移植、またはDLIもしくはブースト注入を含めた任意の幹細胞注入:注入後84日以上、およびGVHDの証拠がない;ブースト注入を含めた、自己幹細胞注入:42日以上;g)細胞治療:いかなるタイプの細胞治療(例えば、改変T細胞、NK細胞、樹状細胞など)の完了後42日以上;(vii)陽子を含めた、XRT/体外ビーム照射:局所XRT後14日以上;TBI、頭蓋脊髄XRT後、または骨盤の50%以上に照射した場合、150日以上;他の実質的なBM照射の場合、42日以上;i)放射線医薬品治療(例えば、放射性標識抗体、131I-MIBG):全身に投与された放射線医薬品治療後42日以上;(viii)イリノテカン、テモゾロミドおよびmTOR阻害剤への曝露:ABI-009を除き、イリノテカン、テモゾロミドまたはmTOR阻害剤による以前の単剤治療を受けた患者は、適格である;ABI-009を除き、上記の3つの薬剤のうちの2つによる以前の併用治療受けた患者は、適格である;組み合わせた3つの薬剤(すなわち、イリノテカン、テモゾロミドおよびmTOR阻害剤)すべてにより事前の治療を受けた患者は、適格ではない;イリノテカンおよびテモゾロミドを以前に受け、進行した、またはこれらの2つの薬物により深刻な毒性を有した患者は、適格ではない。
(5)患者は、下記の器官の機能基準を満たさなければならない:
(i)以下の通り定められた適切な骨髄機能:既知の骨髄合併症(bone marrow involvement)のない固形腫瘍を有する患者の場合:末梢性絶対好中球数(ANC)≧1000/mm3;血小板数≧100,000/mm3(輸液とは無関係、登録前に少なくとも7日間、血小板輸血を受けていないと定められる);ベースラインにおいてヘモグロビン≧8.0g/dL(RBC輸液を受けていてもよい)。既知の骨髄転移性疾患を有する患者の場合:末梢性絶対好中球数(ANC)≧1000/mm3;血小板数≧100,000/mm3(輸液とは無関係、登録前に少なくとも7日間、血小板輸血を受けていないと定められる);輸液を受けていてもよいが、但し、その患者は、赤血球または血小板の輸血に対して不応性であることが知られていない条件とする。これらの患者は、血液学的毒性を評価できないであろう。固形腫瘍を有する6名の患者のすべてのコホートの少なくとも5名は、この研究の用量漸増部分について、血液学的毒性に評価可能でなければならない。用量を制限する血液学的毒性が観察される場合、登録されるその後の患者はすべて、血液学的毒性が評価可能でなければならない。
(ii)以下の通り定められた、適切な腎機能:クレアチニンクリアランスまたは放射性同位体GFR≧70ml/分/1.73m2、または以下の表3に示されている年齢/性別に基づいた血清クレアチニン。
(iii)以下の通り定められた、適切な肝機能:ビリルビン(抱合型+非抱合型の合計)≦1.5×年齢についての正常値上限(ULN);SGPT(ALT)≦110U/L。この研究の目的に関すると、SGPTに対するULNは、45U/Lである;血清アルブミン≧2g/dL。
(iv)以下の通り定められた適切な肺機能:決定に臨床的適応症がある場合(例えば、安静時の呼吸困難)、部屋の空気に対して94%超のパルスオキシメトリ。
(v)以下の通り定められた適切な神経学的機能:非酵素誘導性抗てんかん薬を服用している場合、およびよく制御されている場合、発作障害を有する患者は、登録されてもよい。事前の治療に起因する神経系障害(CTCAE v4)は、グレード2以下でなければならない。
(vi)以下の通り定められた適切な代謝機能:血清トリグリセリドレベル≦300mg/dL;血清コレステロールレベル≦300mg/dL;年齢についての正常値上限の範囲内のランダムまたは空腹時血糖値。初期血糖値が、正常範囲外にあるランダム試料である場合、追跡調査の空腹時血糖を得て、年齢についての正常範囲内になければならない。
(vii)以下の通り定められた適切な血圧コントロール:血圧(BP)≦95パーセンタイル(年齢、身長および性別について)であり、高血圧症の処置のための投薬を受けていないこと。
(viii)以下の通り定められた適切な血液凝固:いかなる抗血液凝固剤も服用中ではなく、INR≦1.5である。
以下の除外基準のうちの任意の1または複数を満たす患者は、この研究に登録するのに適格ではない。(1)間質性肺疾患および/または肺炎を有する患者は適格ではない;(2)患者は、登録前の7日以内に、強力なCYP3A4誘発剤または阻害剤のいずれかを受容してはならない;(3)テムシロリムス/他のmTOR阻害剤、テモゾロミドまたはイリノテカンと類似の組成物の化合物に起因するアレルギー反応の病歴を有する患者は、適格ではない;(4)アルブミンに対する過敏性を有する患者は適格ではない;(5)研究の登録時に0.2m2未満のBSAを有する患者は、適格ではない;(6)現在または最近、深部静脈血栓を有する患者は適格ではない;および(5)以下の侵襲的手順を受けた、または受ける計画がある患者は、適格ではない:登録前の28日以内の大規模な外科手順、腹腔鏡手順、直視下生検または深刻な外傷性損傷;皮下ポート配置またはセントラルライン(central line)配置は大手術と見なされない。外部セントラルラインは、登録の少なくとも3日前には配置されていなければならず、かつ皮下ポートは、登録の少なくとも7日前には配置されていなければならない。登録前の7日以内のコア生検;または、登録前の7日以内の微細針吸引。この研究の目的に関すると、骨髄吸引および生検は、外科的手順とは見なされず、したがって、プロトコール治療の開始前の14日以内は許容される。