JP2023071637A - 手を消毒するためのシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

【課題】手を乾燥させるための、さらには手の乾燥中に手および／または水分を消毒するための、改良されたシステムと方法を提供する。【解決手段】手（１２０）を消毒するためのシステム（１００）は、手消毒領域内に紫外線を照射するよう構成された一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器（１０２）と、前記手消毒領域内で紫外線を反射するよう構成された一つまたは複数のリフレクター（１０４）を備える。また、少なくとも一つの実施例において、システム（１００）は、手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤーを備える。【選択図】図２

Description

洗面所の典型例では、シンクの上に蛇口が備えられ、利用者が手を洗えるようになっている。また、手洗いの後に残った水分を乾かすためにハンドドライヤーが温風または熱風を吹き出す。

しかし、ハンドドライヤーによる水の飛沫には、病原体が含まれていることがある。このような病原体は、ハンドドライヤーの近傍にある物体の表面に付着することがある。

さらに、ハンドドライヤーを作動させるには電力が必要である。例えば旅客機の客室内など様々な環境や設備状況において、電力供給には制限がある。

手を乾かすための、改良されたシステムと方法が求められている。また、手を乾かしている間に、手および／または水分を消毒するためのシステムと方法が求められている。

このような需要を念頭に、本開示のいくつかの実施例は、手を消毒するためのシステムを提供するものである。このシステムは、手消毒領域内に紫外線を照射するよう構成された一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器と、前記手消毒領域内で紫外線を反射するよう構成された一つまたは複数のリフレクターとを備えるものである。

少なくとも一つの実施例において、前記システムはまた、前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤーを備えている。

少なくとも一つの実施例において、前記一つまたは複数の紫外線発光器は２１５～２３５ｎｍ（ナノメートル）の範囲の紫外線を照射するよう構成されている。

少なくとも一つの実施例において、前記一つまたは複数のリフレクターは、テフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されている。

少なくとも一つの実施例において、前記一つまたは複数の紫外線発光器は、第１の紫外線発光器および第２の紫外線発光器を含む。少なくとも一つの実施例において、前記一つまたは複数のリフレクターは、第１のリフレクターおよび第２のリフレクターを含む。

少なくとも一つの実施例において、前記システムはまた、前記手消毒領域内における手の存在を検知するよう構成された一つまたは複数のセンサーを備えている。

少なくとも一つの実施例において、制御部が、前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御するよう構成されている。前記制御部は、手が手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させるよう構成されていてもよい。前記制御部はさらに、前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときは、一つまたは複数の、他の電気使用システムの作動を停止するか、前記他の電気使用システムに対する電力の供給を低減するよう構成されていてもよい。

本開示のいくつかの実施例は、手を消毒する方法を提供するものである。前記方法は、一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器によって、手消毒領域内に紫外線を照射することと、一つまたは複数のリフレクターによって、前記手消毒領域内で前記紫外線を反射することと、を含む。少なくとも一つの実施例において、前記方法はまた、ドライヤーによって、前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むことを含む。

本開示のいくつかの実施例は、洗面所を含む搭乗者室を有する車両を提供するものである。前記洗面所は、本開示において説明するように、手を消毒するためのシステムを含んでいる。

手を消毒するよう構成されたシステムを概略的に示すブロック図である。 手を消毒するよう構成されたシステムを示す概略図である。 洗面所において手を消毒するよう構成されたシステムを示す概略図である。 飛行機の正面斜視図である。 洗面所内部の斜視図である。 手を消毒する方法を示すフローチャートである。

上記の概要、並びにいくつかの実施例に関する下記の詳細な説明は、添付図面を参照することにより、よりよく理解されるであろう。以下の説明で使用される、「一つの」という語に導かれる単数形の要素または工程は、必ずしも複数の要素または工程を排除するものではない。また、「一つの実施例」との記載は、そこに述べられた特徴を有する他の実施例の存在を排除するものと解されることを意図してはいない。さらに、明確な否定がなされていない限り、特定の状態を呈する一つの要素または複数の要素を「備える」または「有する」とされる実施例は、当該状態を呈していない他の要素を含むこともあり得る。

本開示のいくつかの実施例は、手を乾燥し消毒するシステム及び方法を提供するものである。乾燥と消毒は、同時に行われてもよい。少なくとも一つの実施例において、紫外線（ＵＶ）照射機能付きのハンドドライヤーは、（例えば遠紫外線スペクトル内の紫外線、一例として波長が２２２ｎｍの紫外線、を照射可能な）一つまたは複数の紫外線発光器と、非接触で作動および停止させられる非接触式のハンドドライヤーとを備えている。この紫外線発光器は、手と、手から飛び散る水滴との双方を消毒するよう照射するものである。少なくとも一つの実施例において、ドライヤーは、手と水滴とに対して紫外線が照射される面積を増大させるため、複数の紫外線発光器および複数のリフレクターを備えている。

紫外線発光器とリフレクターは、空気中または物の表面の病原体を中和する（例えば殺菌する）ことによって、飛沫内の病原体を除去、最少化、あるいは低減する。リフレクターは、紫外線発光器とリフレクターとの間にある手に向けて、紫外線を反射するよう構成されている。

少なくとも一つの実施例において、紫外線発光器は、紫外線発光器、リフレクター、およびドライヤーとで形成される消毒領域内において手を検知することにより、作動が開始される。さらなる実施例として、紫外線発光器は、ドライヤーによる送風が停止した後も、表面の消毒効果を向上させるために所定の時間にわたり紫外線の照射を継続する。紫外線発光器が作動している間は、総電力消費量を抑えるため、洗面所内の、電力を使用する他のシステム（別の紫外線発光器やその他のシステム）は、作動が停止される（および／または電力供給が低減される）。

本開示のいくつかの実施例は、手を乾燥させ消毒するよう構成された、自動のハンドドライヤーおよびＵＶ消毒システムを提供するものである。このシステムは、消毒中に手に紫外線の当たらない部分が生じないよう、一つまたは複数のリフレクターを備えている。このシステムは、時間や、手までの距離の検知や、（赤外線センサーや光学センサーによる）手の動きの検知等によって、消毒の完了を報知するよう構成されていてもよい。

少なくとも一つの実施例において、前記システムはリフレクターを有する筐体（ハウジング）を備えている。少なくとも一つの実施例において、ドライヤーと紫外線発光器は別々に制御される（例えば、ドライヤーの作動中に紫外線発光器を停止させる、またはその逆）。あるいは、利用者が、ボタンやジェスチャー制御(gesture control)によって、エアードライヤーを使用するかまたは紫外線を使用するかを選択してもよい。別の実施例として、エアードライヤーは不要であってもよい。前記システムはまた、手についた水分を検知し、それに応じて乾燥や消毒を行うためのセンサーを備えていてもよい。

少なくとも一つの実施例において、例えば非接触式の蛇口が使用されている場合、前記システムは手が筐体内に進入すると自動的にドライヤーを作動させてもよい。筐体の底部には、手から滴り落ちる汚水あるいは排水を取り込むべく、使用済み汚水グリル(gray use water grill)を配置してもよい。

本開示で説明するように、本開示の実施例は、例えば車両（ビークル）の搭乗者室内のような環境下で、病原体の拡散を防止するシステムおよび方法を提供するものである。

図１は、本開示の一実施例に係る、手を消毒するよう構成されたシステム１００を概略的に示すブロック図である。システム１００は、紫外線を一つまたは複数のリフレクター１０４に照射するように構成された一つまたは複数の紫外線発光器１０２を備えている。リフレクター１０４は、筐体１０６の表面上または内部に配置することができる。あるいは、リフレクター１０４は、このような筐体を別途使用することなく、他の物体の表面に取り付ける、あるいは何らかの方法で固定するようにしてもよい。

少なくとも一つの実施例において、紫外線発光器１０２は遠紫外線スペクトルの範囲で紫外線を照射するよう構成されている。一例として紫外線発光器１０２は、２１５ｎｍから２３５ｎｍの範囲で紫外線を照射するよう構成されている。さらなる例として、紫外線発光器１０２は、２２２ｎｍの波長で紫外線を照射するよう構成されている。

少なくとも一つの実施例において、リフレクター１０４は、円形または楕円形とされている。あるいは、リフレクター１０４は他の形状、例えば長方形としてもよい。少なくとも一つの実施例において、リフレクター１０４を筒状に形成し、その中心通路に手を入れるようにしてもよい。リフレクター１０４は、例えば所定のフレームで支持することができる。リフレクター１０４は、手に対して３６０度の方向から反射できるような大きさとすることもできる。

リフレクター１０４は紫外線を反射するよう構成されている。少なくとも一つの実施例において、リフレクター１０４はテフロンで形成されている。さらなる例においては、リフレクター１０４はＰＭＲ１０で形成されており、これは２２２ｎｍの紫外線に対し９０％を超える反射率を有する。別の例として、リフレクター１０４はアルミニウムで形成されている。もしくは、リフレクター１０４は、紫外線を反射することが可能であれば、さまざまな材料で形成することができる。

少なくとも一つの実施例において、第１の紫外線発光器１０２と第２の紫外線発光器１０２とが、例えば手消毒領域（すなわち、利用者が手を位置させる領域）の下側に設けられた第１のリフレクター１０４に向けて紫外線を照射するとともに、手消毒領域の上側に設けられた第２のリフレクター１０４に向けて紫外線が照射されるように構成されている。例えば、上記２つの紫外線発光器１０２が紫外線を第１のリフレクター１０４に向けて照射する。第１のリフレクター１０４は、当該紫外線を手消毒領域内へ反射するとともに、第２のリフレクター１０４に向けて反射する。第２のリフレクター１０４は、紫外線が手消毒領域および第１のリフレクター１０４に戻るように反射し返す。これによって、手の相反する両側が、確実に紫外線に照射されて消毒される（また、紫外線の当たらない部分が減少する）。このように、紫外線発光器１０２とリフレクター１０４とが、手の上や飛沫および空気中に存在する病原体を、例えば中和する（殺菌する）ことにより、除去、最少化、あるいは低減する。

システム１００はまた、手消毒領域に空気（温風または熱風）を吹き込んで手を乾燥させるためのドライヤー１０８を備えている。ドライヤー１０８の位置は、手消毒領域の上側でも、下側でも、前側でも、後ろ側でもよい。複数のリフレクター１０４のうち一つは、例えば、ドライヤー１０８の吹き出し口の近傍に配置してもよいし、また別のリフレクター１０４は、例えば、手消毒領域の下側（あるいは前側や後ろ側など）に配置してもよい。この場合、手消毒領域は、例えば、ドライヤー１０８の吹き出し口の下側（あるいは前側や後ろ側）に配置される。なお、この例とは異なり、システム１００がドライヤー１０８を備えていない構成とすることも可能である。

システム１００はまた、手消毒領域内にある手の存在を検知可能な、一つまたは複数のセンサー１１０を備えている。センサー１１０は、手消毒領域内の手の存在を検知可能に構成された種々のセンサー、例えば、赤外線センサー、超音波センサー、別のタイプの光学センサー、および／または、その他類似のセンサーである。なお、この例とは異なり、システム１００がセンサー１１０を備えていない構成とすることも可能である。

システム１００はまた、稼働あるいは作動態様を制御するための制御部１１２を備えている。制御部１１２は、一つまたは複数の有線又は無線通信手段を介して、紫外線発光器１０２、ドライヤー１０８、および／またはセンサー１１０と通信可能に接続されている。少なくとも一つの実施例において、制御部１１２は一つまたは複数の有線又は無線通信手段を介して、タイマー１１４と通信可能に接続されていてもよい。また少なくとも一つの実施例において、タイマー１１４が制御部１１２自体に備えられていてもよい。なお、この例とは異なり、システム１００がタイマー１１４を備えていない構成とすることも可能である。

システムの稼働時に、ある利用者が、手消毒領域内に手を位置させるとする。ここで、手消毒領域は、例えば、紫外線発光器１０２、ドライヤー１０８、およびリフレクター１０４を含んで構成される。センサー１１０は、手消毒領域内の手の存在を検知すると、制御部１１２に対して検知信号を出力する。制御部１１２は、センサー１１０からの検知信号の受信に応答して、紫外線発光器１０２を起動し、紫外線を照射させる。当該紫外線は１つあるいは複数のリフレクター１０４に反射されて手のいろいろな部位（例えば異なる複数の面）を確実に照射することにより、紫外線の当たらない部分をなくし、最小化し、あるいは低減する。このように、リフレクター１０４によって手の全部またはほとんどの部分が紫外線により確実に消毒される。また、当該紫外線は、手消毒領域内の水分や所定範囲に対する消毒も行うことが可能である。

また、制御部１１２は、手消毒領域内で手の存在が検知されると、ドライヤー１０８をも作動させる。あるいは、利用者の選択により、ドライヤーか紫外線発光器１０２かのいずれかのみが作動されるようにしてもよい。その選択は、例えば、ユーザーインターフェースや、非接触のジェスチャーによる制御（例えばセンサー１１０および／または制御部１１２を介して認識を行う制御）、および／または、これらと類似の手段により実現することが可能である。

少なくとも一つの実施例において、制御部１１２は、センサー１１０が手消毒領域内で手の存在を検知しなくなったことに応答して、ドライヤー１０８の作動を停止させる。例えば、センサー１１０は、手が手消毒領域から離脱すると、非検知信号を制御部１１２に出力する。制御部１１２は、手が手消毒領域から離脱した後も、所定の時間（例えば５秒間またはそれ以下の時間）紫外線発光器１０２に手消毒領域内への紫外線の照射を継続させ、それにより手消毒領域の周囲の表面（例えばカウンター、シンク等）を消毒する。上記所定の時間は、タイマー１１４を適宜プログラムすることにより設定可能である。少なくとも一つの実施例において、ドライヤー１０８と紫外線発光器１０２は同時に作動させることができる。

少なくとも一つの実施例において、制御部１１２は、例えば一つまたは複数の有線又は無線手段によって、一つまたは複数の他の電気使用システム１１６と通信可能に接続されている。他の電気使用システム１１６としては、例えば水の加熱システム、便座シートのアクチュエーター、蛇口の非接触センサー、種々の照明システム、および／または類似のものが挙げられる。紫外線発光器１０２の作動中は、制御部１１２は他の電気使用システム１１６を停止させるか、あるいはそれらへの電力供給を低減してもよい。このように制御部１１２は、紫外線発光器１０２の作動中は全体の電力消費を節減するよう構成されている。なお、この例とは異なり、制御部１１２が他の電気使用システムと接続されていないように構成することも可能である。

少なくとも一つの実施例において、例えば非接触式の蛇口が使用されている場合、システム１００は、手が手消毒領域内に進入すると自動的にドライヤー１０８を作動させてもよい。筐体１０６の底部に使用済み汚水グリル１１８を配置して、手から落下する汚水を取り込んでもよい。なお、この例とは異なり、システム１００が使用済み汚水グリルを備えていない構成とすることも可能である。

本開示において説明するとおり、手を消毒するためのシステム１００は、手消毒領域内に紫外線を照射する一つまたは複数の紫外線発光器１０２を備えている。上記一つまたは複数のリフレクター１０４は、手消毒領域内で紫外線を反射する。少なくとも一つの実施例において、システム１００はまた、手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤー１０８を備えている。

本明細書で使用される「制御部」、「中央演算装置」、「ＣＰＵ」、「コンピューター」等の用語は、マイクロコントローラー、縮小命令セットコンピューター（ＲＩＳＣ）、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、論理回路、および本明細書に記載の機能を実行可能なハードウェアやソフトウェア、またはそれらの組み合わせを含むあらゆる回路やプロセッサーが搭載された、あらゆるプロセッサーまたはマイクロプロセッサーによるシステムを含むものである。上記は例示に過ぎず、これらの用語の定義および／または意味を限定することを意図したものではない。例えば、制御部１１２は、本明細書に記載のとおり稼働を制御するよう構成された一つまたは複数のプロセッサーであってもよく、またこれらを含んで構成されたものであってもよい。

制御部１１２は、データ処理を行うため、一つまたは複数のデータ記憶装置またはエレメント（例えば一つまたは複数のメモリー）に記憶された命令セットを実行する構成とされている。例えば、制御部１１２は、一つまたは複数のメモリーを含む構成とされたり、そのようなメモリーに接続あるいは結合された構成とされてもよい。データ記憶装置は、所望によりまたは必要に応じて、データや他の情報を記憶する構成としてもよい。データ記憶装置は、例えば、処理装置内に設けられた情報源または物理的メモリーエレメントの形式とすることが可能である。

上記の命令セットは、本開示に記載の主題のさまざまな実施例に係る方法及びプロセスなどの具体的な処理を実行する処理装置としての制御部１１２に指示を与える様々なコマンドを含んでいる。命令セットはソフトウェアプログラムの形であってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアなど、色々な種類のものであってよい。さらに、ソフトウェアは、別々のプログラムの集合体、上位プログラムのサブセット、あるいは一つのプログラムの一部であってもよい。ソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミング形式のモジュラープログラミングを含んでいてもよい。入力データに対する処理装置による処理は、ユーザーからのコマンド、前回の処理の結果、または他の処理装置からの要求などに対する応答として実行することができる。

本明細書に記載の実施例の図面においては、例えば制御部１１２を説明するものとして、一つまたは複数の制御ユニットまたは処理ユニットが示されてもよい。ここで、処理ユニットまたは制御ユニットとは、関連する指令（例えば、コンピューターハードディスク、ＲＯＭ、ＲＡＭ等の有形の非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体に記憶されたソフトウェア）と協働するハードウェアとして実装されるものであって、本明細書に記載の処理を実行するように構成された、回路や回路システム、またはそれらの一部からなるものを表していると解されるべきである。ハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するため配線接続されたステートマシン回路システムを含んでいてもよい。あるいは、ハードウェアは、マイクロプロセッサー、プロセッサー、コントローラーなどの一つまたは複数のロジック装置を含む、および／またはそれに接続された、電子回路を含んでいてもよい。あるいは、制御部１１２は、種々の処理回路システムであってもよく、例えば、現場プログラム可能ゲートアレイ（ＦＰＧＡ）、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、マイクロプロセッサー、および／または、これらと類似のものの一つまたは複数からなるシステムであってもよい。さまざまな実施例における回路は、本明細書に記載の機能を実行するために一つまたは複数のアルゴリズムを実行するよう構成されていてもよい。当該一つまたは複数のアルゴリズムは、フローチャートや方法の形で明示的に記述されているか否かに関わらず、本明細書に記載の実施例のある側面を含むものと考えうる。

本明細書で使用される「ソフトウェア」および「ファームウェア」との用語は、互いに交換可能であり、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、不揮発性ＲＡＭ（ＮＶＲＡＭ）などのデータ記憶装置（例えば、一つまたは複数のメモリー）に記憶された、コンピューターで実行されるあらゆるプログラムを含むものである。上記のデータ記憶装置の種類は単に例示であり、コンピュータープログラムの記憶に使用できるメモリーの種類を限定するものではない。

図２は、本開示の実施例に係る、手１２０を消毒するよう構成されたシステム１００の概略図である。本開示において説明されるとおり、手１２０は、第１の紫外線発光器１０２ａ、第２の紫外線発光器１０２ｂ、第１のリフレクター１０４ａ、および第２のリフレクター１０４ｂで構成される手消毒領域１２２内に進入する。第１のリフレクター１０４ａは、ドライヤー１０８が有する一つまたは複数のエアノズル１２４の近傍に配置されている。例えば、第１のリフレクター１０４ａは手消毒領域１２２の上部に位置するエアノズル１２４の周囲に配置されている。第２のリフレクター１０４ｂは、手消毒領域１２２の下部、例えばカウンターやシンク等の上に配置されている。

第１の紫外線発光器１０２ａはドライヤー１０８の第１の側面１２６から離間して配置され、第２の紫外線発光器１０２ｂはドライヤー１０８の第２の側面１２８（第１の側面１２６の反対側）から離間して配置されている。第１の紫外線発光器１０２ａおよび第２の紫外線発光器１０２ｂは、リフレクター１０４ｂに対して紫外線１３０を照射できる角度に取り付けられ、それにより紫外線１３０はリフレクター１０４ａと１０４ｂの間で前後に反射して手１２０の表面の各部を照射し、その結果紫外線の当たらない部分をなくし、最小化し、あるいは低減する。

図３は、洗面所１４０内に設置された、本開示の実施例に係る手を消毒するよう構成されたシステム１００の概略図である。洗面所１４０には例えばシンク１４２と蛇口１４４が供えられている。少なくとも一つの実施例において、洗面所１４０は車両や図示の旅客機の室内に設置され、リフレクター１０４ｂはシンク１４２に隣接するカウンターに重ねるように配置されている。

図４は本開示の実施例に係る飛行機２１０の正面斜視図である。飛行機２１０は、例えばエンジン２１４を含む推進システム２１２を備えている。あるいは、推進システム２１２は図示のものより多いエンジン２１４を有していてもよい。エンジン２１４は飛行機２１０の翼２１６に取り付けられている。他の実施形態においては、エンジン２１４は胴体２１８および／または尾翼２２０に取り付けられている。尾翼２２０は、水平安定板２２２及び垂直安定板２２４を支持していてもよい。

飛行機２１０の胴体２１８は内部キャビン２３０を形成しており、内部キャビン２３０には、操縦室またはコックピット、一つまたは複数の作業区域（例えば調理室、手荷物収納区域等）、一つまたは複数の乗客用区域（例えばファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラス）、一つまたは複数の洗面所、および／または類似のもの等が配置されている。本明細書に記載のシステムおよび方法は、例えば洗面所内といった内部キャビン２３０で使用することができる。

あるいは、飛行機に代えて、本開示の実施例は乗用車、バス、機関車や列車の車両、船舶等、他のさまざまな車両で使用することができる。さらに、本開示の実施例は例えば商業用あるいは居住用の建物などの固定構造物においても使用可能である。

図５は本開示の実施例に係る洗面所３００の内部の斜視図である。洗面所３００は、例えば図４に示す飛行機２１０の内部キャビン２３０等、閉鎖的な空間または室内の一例である。洗面所３００は、その内部に通じるドアを有する。図１～３を参照して説明されたシステム１００は、洗面所３００の内部で使用することができる。上記のとおり、洗面所３００は飛行機に設置することができる。あるいは、洗面所３００は他のさまざまな車両に設置されてもよい。他の実施例では、洗面所３００は商業用あるいは居住用の建物など固定構造物内に設置されている。洗面所３００は、トイレット３０２を支持するフロア３０１、一つまたは複数のキャビネット３０４、およびシンク３０６もしくは洗面台を備えている。洗面所３００は、図示とは異なる形態であってもよい。洗面所３００は図示以外の構成要素を含んでもよく、図示のいずれかを含んでいなくてもよい。

図６は、本開示の実施例に係る、手を消毒する方法を示すフローチャートである。図１～３および図６を参照して、ステップ４００において、例えばセンサー１１０により、手消毒領域１２２内の手１２０の存在が検知される。これに呼応して、ステップ４０２で例えば制御部１１２によって紫外線発光器１０２が作動し、紫外線１３０を手消毒領域１２２内へ照射する。ここでドライヤー１０８を選択的に作動させてもよい。ステップ４０４では、紫外線１３０が一つまたは複数のリフレクター１０４によって反射され、手１２０の表面の各部に紫外線１３０が照射される。ステップ４０６では、制御部１１２が、手１２０が手消毒領域１２２内に残っているか否かを判定する。残っている場合、処理はステップ４０２に戻り、紫外線発光器１０２は継続して作動する。一方、ステップ４０６において手消毒領域内で手の存在が検知されなかった場合、処理はステップ４０８に進み、例えば所定の時間が経過した後、紫外線発光器１０２の作動が停止される。

さらに、本開示は下記の付記に記載の実施例を含む。

付記１．手を消毒するためのシステムであって、
手消毒領域内に紫外線を照射するよう構成された一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器と、
前記手消毒領域内で紫外線を反射するよう構成された一つまたは複数のリフレクターと、を備える、システム。

付記２．前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤーを更に備える、付記１に記載のシステム。

付記３．前記一つまたは複数の紫外線発光器は、２１５～２３５ｎｍの範囲の紫外線を照射するよう構成されている、付記１または２に記載のシステム。

付記４．前記一つまたは複数のリフレクターは、テフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されている、付記１～３のいずれかに記載のシステム。

付記５．前記一つまたは複数の紫外線発光器は、第１の紫外線発光器および第２の紫外線発光器を含む、付記１～４のいずれかに記載のシステム。

付記６．前記一つまたは複数のリフレクターは、第１のリフレクターおよび第２のリフレクターを含む、付記１～５のいずれかに記載のシステム。

付記７．前記手消毒領域内における手の存在を検知するよう構成された一つまたは複数のセンサーを更に備える、付記１～６のいずれかに記載のシステム。

付記８．前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御するよう構成された制御部を更に備える、付記１～７のいずれかに記載のシステム。

付記９．前記制御部は、手が前記手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させるよう構成されている、付記８に記載のシステム。

付記１０．前記制御部はさらに、前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときは、一つまたは複数の他の電気使用システムの作動を停止するか、電力の供給を低減するよう構成されている、付記８または９に記載のシステム。

付記１１．手を消毒するための方法であって、
一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器によって、手消毒領域内に紫外線を照射することと、
一つまたは複数のリフレクターによって、前記手消毒領域内で前記紫外線を反射することと、を含む、方法。

付記１２．ドライヤーによって、前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むことをさらに含む、付記１１に記載の方法。

付記１３．前記一つまたは複数の紫外線発光器は、２１５～２３５ｎｍの範囲の紫外線を照射するよう構成されている、付記１１または１２に記載の方法。

付記１４．前記一つまたは複数のリフレクターは、テフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されている、付記１１～１３のいずれかに記載の方法。

付記１５．前記一つまたは複数の紫外線発光器は、第１の紫外線発光器および第２の紫外線発光器を含み、前記一つまたは複数のリフレクターは、第１のリフレクターおよび第２のリフレクターを含む、付記１１～１４のいずれかに記載の方法。

付記１６．一つまたは複数のセンサーによって、前記手消毒領域内における手の存在を検知することを更に含み、前記照射は前記検知に応答して行われる、付記１１～１５のいずれかに記載の方法。

付記１７．制御部によって、前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御することを更に含む、付記１１～１６のいずれかに記載の方法。

付記１８．手が前記手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させることを更に含む、付記１１～１７のいずれかに記載の方法。

付記１９．前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときに、一つまたは複数の他の電気使用システムの作動を停止すること、または、前記他の電気使用システムに対する電力の供給を低減すること、を更に含む、付記１１～１８のいずれかに記載の方法。

付記２０．洗面所を含む内部キャビンを備えるビークルであって、
前記洗面所は、手を消毒するシステムを有しており、前記システムは、
手消毒領域内に紫外線を照射するよう構成された一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器であって、各々が２１５～２３５ｎｍの範囲の紫外線を照射するよう構成された紫外線発光器と、
前記手消毒領域内で前記紫外線を反射するよう構成された一つまたは複数のリフレクターであって、各々がテフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されたリフレクターと、
前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤーと、
前記手消毒領域内における手の存在を検知するよう構成された一つまたは複数のセンサーと、
前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御するよう構成された制御部と、を備えており、
前記制御部は、手が前記手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させるよう構成されており、前記制御部はさらに、前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときは、一つまたは複数の他の電気使用システムの作動を停止するか、前記他の電気使用システムに対する電力の供給を低減するよう構成されている、ビークル。

上記のとおり、本開示の実施例は、手を乾燥させるための改良されたシステムと方法を提供するものである。さらに、本開示の実施例は、手を乾燥させている間に手および／または水分を消毒するシステムと方法を提供するものである。

上部、底部、下側、中央、側面、水平、垂直、前部等の空間位置または方向を示す用語が本開示の実施例の説明に用いられているが、これらの用語は単に図面における方向を基準として用いられているに過ぎないことが理解されるべきである。これらの方向は反転、回転、または他の態様で変更が可能である。例えば、上側の部分が下側に、またはその逆となってもよく、水平な部分が垂直に、またはその逆となってもよい。

本明細書で使用される、処理や動作を実行するよう「構成された」構造、限定、または要素は、当該処理や動作に対応するよう、特に構造的に形成され、組み立てられ、または適用されるものである。明確性を確保し疑義を排除するため、処理や動作を実行するよう単に改変が可能であるに過ぎない要素は、本明細書で使用される処理や動作を実行するよう「構成され」てはいないものとする。

上記説明は、限定的ではなく例示的な意図によるものであることが理解されるべきである。例えば、上記の実施例（および／またはその態様）は、互いに組み合わせて使用されてもよい。また、特定の状態や材料を本開示のさまざまな実施例が示す知見に適用するべく、本開示の範囲を逸脱することなく多くの改変が可能である。上記の材料の寸法や種類は本開示のさまざまな実施例における変数を規定するものであるが、それらは決して限定的なものではなく、単に例示的なものである。上記の説明から、当業者であれば多くの異なる実施例を導くであろう。本開示のさまざまな実施例の範囲は、したがって、添付の請求項と、それら請求項に相当する均等物の全範囲とに基づいて、決定されるべきである。添付の請求項および上記の詳細な説明において、「含む」および「その中で」との用語はそれぞれ、「具備する」および「そこにおいて」との用語に対する平易な英語による均等物である。さらに、「第１の」「第２の」「第３の」等の用語は単にラベルとして使用されているに過ぎず、それらの対象物に数値による限定を課すことを意図するものではない。本明細書に記載の説明は、本開示の、最良の形態を含むさまざまな実施例を開示するとともに、当業者が、あらゆる装置やシステムを作成・使用し、採用されたあらゆる方法を実行することを含め、それらさまざまな実施例を実現可能とするものである。本開示のさまざまな実施例における特許性を有する範囲は、請求項によって定義されるが、当業者が想到し得る他の実施例も包含するものである。かかる他の実施例は、それらが請求項の用語の字義どおりの意味と相違しない構造的要素を有する場合、またはそれらが請求項の用語の字義どおりの意味から非本質的な差異しかない均等な構造的要素を有する場合に、添付の特許請求の範囲に含まれる。

Claims (20)

1. 手を消毒するためのシステムであって、
   手消毒領域内に紫外線を照射するよう構成された一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器と、
   前記手消毒領域内で紫外線を反射するよう構成された一つまたは複数のリフレクターと、を備える、システム。
2. 前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤーを更に備える、請求項１に記載のシステム。
3. 前記一つまたは複数の紫外線発光器は、２１５～２３５ｎｍの範囲の紫外線を照射するよう構成されている、請求項１に記載のシステム。
4. 前記一つまたは複数のリフレクターは、テフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されている、請求項１に記載のシステム。
5. 前記一つまたは複数の紫外線発光器は、第１の紫外線発光器および第２の紫外線発光器を含む、請求項１に記載のシステム。
6. 前記一つまたは複数のリフレクターは、第１のリフレクターおよび第２のリフレクターを含む、請求項１に記載のシステム。
7. 前記手消毒領域内における手の存在を検知するよう構成された一つまたは複数のセンサーを更に備える、請求項１に記載のシステム。
8. 前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御するよう構成された制御部を更に備える、請求項１に記載のシステム。
9. 前記制御部は、手が前記手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させるよう構成されている、請求項８に記載のシステム。
10. 前記制御部はさらに、前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときは、一つまたは複数の他の電気使用システムの作動を停止するか、前記他の電気使用システムに対する電力の供給を低減するよう構成されている、請求項８に記載のシステム。
11. 手を消毒するための方法であって、
    一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器によって、手消毒領域内に紫外線を照射することと、
    一つまたは複数のリフレクターによって、前記手消毒領域内で前記紫外線を反射することと、を含む、方法。
12. ドライヤーによって、前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むことをさらに含む、請求項１１に記載の方法。
13. 前記一つまたは複数の紫外線発光器は、２１５～２３５ｎｍの範囲の紫外線を照射するよう構成されている、請求項１１に記載の方法。
14. 前記一つまたは複数のリフレクターは、テフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されている、請求項１１に記載の方法。
15. 前記一つまたは複数の紫外線発光器は、第１の紫外線発光器および第２の紫外線発光器を含み、前記一つまたは複数のリフレクターは、第１のリフレクターおよび第２のリフレクターを含む、請求項１１に記載の方法。
16. 一つまたは複数のセンサーによって、前記手消毒領域内における手の存在を検知することを更に含み、前記照射は前記検知に応答して行われる、請求項１１に記載の方法。
17. 制御部によって、前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御することを更に含む、請求項１１に記載の方法。
18. 手が前記手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させることを更に含む、請求項１１に記載の方法。
19. 前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときは、一つまたは複数の他の電気使用システムの作動を停止すること、または、前記他の電気使用システムに対する電力の供給を低減することを更に含む、請求項１１に記載の方法。
20. 洗面所を含む内部キャビンを備えるビークルであって、
    前記洗面所は手を消毒するシステムを有しており、前記システムは、
    手消毒領域内に紫外線を照射するよう構成された一つまたは複数の紫外線（ＵＶ）発光器であって、各々が２１５～２３５ｎｍの範囲の紫外線を照射するよう構成された紫外線発光器と、
    前記手消毒領域内で前記紫外線を反射するよう構成された一つまたは複数のリフレクターであって、各々がテフロンとアルミニウムのいずれか、またはその両方で形成されたリフレクターと、
    前記手消毒領域内に乾燥用の空気を吹き込むよう構成されたドライヤーと、
    前記手消毒領域内における手の存在を検知するよう構成された一つまたは複数のセンサーと、
    前記一つまたは複数の紫外線発光器の作動を制御するよう構成された制御部と、を備えており、
    前記制御部は、手が前記手消毒領域から離脱した後も所定の時間にわたり、前記一つまたは複数の紫外線発光器を継続して作動させるよう構成されており、前記制御部はさらに、前記一つまたは複数の紫外線発光器が前記手消毒領域内に紫外線を照射しているときは、一つまたは複数の他の電気使用システムの作動を停止するか、前記他の電気使用システムに対する電力の供給を低減するよう構成されている、ビークル。

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