JP2023067508A - 映像記録システム - Google Patents

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Abstract

【課題】映像解析やセンサーでは感知できないトラブルが発生した場合でも、その発生を確実に感知して映像を残す映像記録システムを提供する。【解決手段】マイクロフォン機能22と、撮影した映像を記録・保存する録画機能23と、心拍数計測装置3とネットワークNを介して接続する通信機能24と、を有する撮影装置2で撮影した映像を常時記録し、古い映像データに新しい映像データを順次上書き保存する循環録画システムを採用し、見守りの対象者Mを監視ではなく見守ることを目的とした映像記録システム1であって、トラブルの発生を感知した場合、そのトラブルの発生前後における所定時間の映像データを選択し、上書きによって削除されないように保護する。トラブル発生の感知手段は、見守り対象者の心拍数の変化であり、これを見守り対象者が装着した心拍数計測機能付きウェアラブル端末Wが常時計測し、この情報がネットワークNを介して送信される。【選択図】図1

Description

本発明は、循環録画システムが採用された映像記録システムに関し、詳しくは、トラブルの発生を感知した場合に、そのトラブルが発生した前後における所定時間の映像を確実に保存し、後にその映像を再生することが可能な映像記録システムに関する。
<ドライビングレコーダーとしての映像記録システムの課題>
車載型の映像記録装置として、ドライビングレコーダー、ドライブレコーダー、ダッシュカム等(以下、単に「ドライビングレコーダー」又は「ドライビングレコーダー等」という。)と呼称される装置が普及している。
このドライビングレコーダー等は、自動車のフロントガラスやダッシュボード等に取り付けられたビデオカメラによって車内外の様子が常時撮影され、車体に衝撃が発生する事故等のトラブルが発生した場合に、その事故等発生前後の映像を保護・再生することによって、事故の原因等の究明に役立てることを主な目的とした装置である。
ドライビングレコーダーの先行技術として、特許文献1に記載の技術が提案されている。
この技術は、「走行中の車体前方の状況を撮像するカメラと、前記カメラからの映像信号を複数枚の静止画により記録する記録装置と、走行中の車体の急停車を感知するための加速度センサーとを具備」する構成であり、「自動車事故において、事故時点から数秒前までの状況を静止画に記録し、後日の事故検証における客観的証拠を残す」ことを目的としたものである。
しかし、この技術は、事故等の発生を加速度センサーによって感知する構成であるため、僅かな衝撃しか発生しない軽度の接触事故では感知できないという問題がある。
また、最近では、所謂あおり運転が社会問題化しており、この被害を受けた場合に映像を記録したいという要望・需要も多いが、加速度センサーではあおり運転のトラブルを感知することができない。
更にまた、「ヒヤリハット」等と呼称される事故には至らなかった迄も事故になりかねないケースが発生しても、運転手同士のトラブルに発展する可能性があり、かような場合でもトラブルとして感知することが好ましい。
このように、接触や衝撃を伴う事故でなくても、何らかのトラブルの発生又はトラブル発生の可能性がある事象が生じた場合であっても、その前後の映像を記録したいという要望・需要が多いものの、従来の技術ではこの映像を記録するためには、当該映像データを保護するための操作を手動で行う必要がある。操作を怠った又は操作を誤った場合には、当該映像データを消失するリスクもある。
<介護現場における映像記録システムの課題>
今後、日本社会のさらなる高齢化に対応するため、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築に向け、最重要な基盤の一つである介護人材を安定的に確保し、介護職員が安心して働くことのできる職場環境・労働環境を整えることが必要不可欠である。
近年、介護の現場では、被介護者(介護や介助を必要とし、介護や介助を受ける高齢者や障害者等)と介護者(介護福祉士やヘルパー等の介護実務に従事する者)の間で生じる、暴言や身体的虐待といった不適切な行為の存在が顕在化しており、社会問題となっている。
これらの問題は、介護者から被介護者に対するものに限らず、被介護者やその家族から、介護者に対する不適切な行為も少なくない。例えば、介護者が、被介護者やその家族から、身体的暴力、精神的暴力、パワーハラスメント又はセクシャルハラスメントを受けることがあり、様々な調査によってこれたの問題が増加傾向になることが分かっている。
これは、介護サービスは直接的な対人サービスが多く、利用者宅への単身の訪問や利用者の身体への接触も多いこと、職員の女性の割合が高いこと、生活の質や健康に直接関係するサービスであり安易に中止できないこと等と関連があると考えられる。介護者の中には、これを苦として離職する者もおり、これが介護者不足の問題の一因ともなっている。
介護の現場において発生する不適切な行為を監視し、介護者及び被介護者の双方を保護するため、監視カメラや見守りカメラといった設備が導入されている。これらの設備は、介護の現場を常時監視することによって、不適切な行為の発生を抑止乃至抑制する効果があり、更には、不適切な行為が発生した場合に、その様子を第三者が確認し検証するためにも使用されている。
前述の監視カメラや見守りカメラの存在によって、不適切な行為を抑止乃至抑制することはできるが、一方で、被介護者が常時監視されることによってプライバシーが侵害されるといった問題もある。介護者にとっても、介護の様子が常時撮影され、これが自由に閲覧される業務環境は、決して心地よいものではない。
かかる監視カメラ等によるプライバシーの問題を解決するため、特許文献2に記載の技術が提案されている。
この技術は、「個々の被観察者(被介護者)の要介護度に対応した緊急発報条件を設定し、該緊急発報条件に合わせて被観察者端末に接続する観察機器を選定することで個々の被観察者の生活状況に即した緊急事態の検知が可能」構成であり、「カメラ撮影による被観察者の画像の閲覧は、家族や主治医といった特定者に限定され、且つ被観察者の緊急事態発生時に限定されるため、被観察者のプライバシーや人権の問題も解消される」という効果を有する内容である。
すなわち、カメラにより常時撮影はされているものの、緊急事態が発生した場合にのみ閲覧が可能な構成であることから、被観察者である被介護者のプライバシーを必要以上に犯すことがない。
しかし、特許文献2に記載の技術は、緊急事態の発生を感知する手段として、人感センサー、ドップラーセンサー、サーモカメラを使用して被介護者の健康上の問題を検知して通知する構成を採用しており、これらの設備を整えるのにコストがかかるし、その設置作業についても専門的な知識や技術を要し、簡易に設置することができないという問題があった。
また、緊急事態か否かの判断材料として、被介護者の健康上の問題のみを判断要素としており、介護者と被介護者との間に生じ得る暴言、身体的虐待、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント等のトラブルを感知することはできないという問題があった。
特開平5-197858 特開2017-151755
そこで、本発明の第1の課題は、広義の映像記録システムに関して、映像解析やセンサーでは感知できないトラブルが発生した場合でも、その発生を確実に感知して映像を残すことが可能な映像記録システムを提供することにあり、
本発明の第2の課題は、ドライビングレコーダーとしての利用に関して、衝撃を伴う事故以外のトラブルについても、その発生を確実に感知して映像を残すことが可能な映像記録システムを提供することにあり、
本発明の第3の課題は、介護現場における利用に関して、被介護者等のプライバシーを保護しつつ、不適切な行為などトラブルが生じた際には、その発生を確実に感知して映像を残すと共に、構成が簡易かつ設置が容易であって低コストの映像記録システムを提供することにある。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.撮影した映像が常時記録され、古い映像データに新しい映像データが順次上書き保存される循環録画システムが採用され、対象者を見守ることを目的とした映像記録システムにおいて、
トラブルの発生を感知した場合、そのトラブルの発生前後における所定時間の映像データが選択され、上書きによって削除されないように保護される構成であって、
前記トラブル発生の感知手段が、対象者の心拍数の変化であることを特徴とする映像記録システム。
2.対象者の心拍数が、対象者が装着した心拍数計測機能付きウェアラブル端末によって常時計測され、この情報が映像記録システムに送信されることを特徴とする請求項1に記載の映像記録システム。
3.対象者の心拍数が、急激な上昇又は下降を計測した場合に感知され、
対象者の通常の心拍数を基準として、予め設定された上昇率又は下降率を超えた場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像記録システム。
4.対象者の脈拍が、頻脈又は徐脈の状態を計測した場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の映像記録システム。
5.対象者の心臓の状態が、心電図機能付きウェアラブル端末によって常時観察され、心房細動の症状がみられた場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の映像記録システム。
6.トラブル発生の感知手段が、対象者の心拍数の変化及び血圧の変化であり、
対象者の血圧が、急激な上昇又は下降を計測した場合に感知され、
対象者の通常の血圧を基準として、予め設定された上昇率又は下降率を超えた場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の映像記録システム。
7.ドライビングレコーダーとして用いられる映像記録システムであって、
ドライビングレコーダーが装着された車両の運転者の心拍数が常時計測され、心拍数の変化が、トラブルが発生したものとして感知される構成であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の映像記録システム。
8.トラブルの発生が感知された場合に、運転者に通知される構成であることを特徴とする請求項7に記載の映像記録システム。
9.トラブルの発生が感知された場合に、対象者が運転する車両を徐行又は停止させる構成であることを特徴とする請求項7又は8に記載の映像記録システム。
10.介護現場において用いられる映像記録システムであって、
トラブルの発生が、特定の音声を検出した場合に感知される構成であり、
前記特定の音声が、介護現場において発してはならないとして規定された禁止用語であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の映像記録システム。
11.特定の音声が、被介護者が自己の欲求又は欲望を伝える用語として介護現場において規定された特定欲求用語であることを特徴とする請求項10に記載の映像記録システム。
12.見守りの対象者が介護者であり、
被介護者によるハラスメント行為を感知して記録することにより、介護者の保護を目的とする構成であることを特徴とする請求項10又は11に記載の映像記録システム。
13.映像を撮影するカメラ機能と、周囲の音を受音・集音するマイクロフォン機能とが搭載された眼鏡型のウェアラブルデバイスによって映像が撮影され、
前記眼鏡型のウェアラブルデバイスが、映像及び音を記録する録画機能、又は、映像に記録された音が、特定の音声であるかを判定する判定機能のいずれか一方又は両方を有するコンピューターと、ネットワークを介して接続された構成であることを特徴とする請求項10~12のいずれかに記載の映像記録システム。
14.眼鏡型ウェアラブルデバイスが、ネットワークを介した音声通話が可能なインターカム機能と、ネットワークを介して受信した映像を表示するディスプレイ機能とを有し、
前記眼鏡型ウェアラブルデバイスを装着した介護者と、ネットワークで接続された他の者との間で、音声及び画像からなる情報伝達が可能な構成であることを特徴とする請求項13に記載の映像記録システム。
上記1に示す発明は、見守りの対象者の心拍数を常時計測し、対象者の心拍数に変化が生じた場合に、これをトラブルの発生とみなして、その前後の所定時間の映像のみが保護(プロテクト)される構成である。このため、対象者やその周辺の様子を常時閲覧可能にする必要がなく、対象者のプライバシーを保護することができると共に、トラブル等が発生した際には、その様子を後から確認して検証することができる。
トラブルの発生の感知手段を、対象者の心拍数の変化とした理由は、次のとおりである。
一般的に人間は、事故の発生等何らかのトラブルが発生した場合、不安、緊張又はストレス等を感じることにより交感神経の働きが高まり、心拍数が急激に上昇する。また、自身の体調悪化等トラブルによって、心拍数が急激に下降することもある。場合によっては、脈の間隔が乱れ、期外収縮の症状がでることもある。これらの症状は、すべて不整脈の一種であり、この不整脈の状態を検出することによって、何らかのトラブルが発生した可能性が高いことを予測することができる。
よって、本発明においては、対象者の心拍数の変化、即ち、対象者の不整脈の症状を検出することによって、これをトラブルの発生とみなして感知する手段を採用した。
なお、本発明における「トラブルの発生」とは、実際に事故などのトラブルが発生した場合のみならず、対象者がトラブル発生の危険性を感じた場合、周囲の状況変化等から緊張が走った場合など、いわゆるヒヤリハットの場合等も含む概念である。更に、対象者の体調悪化など健康上の問題が生じた場合についても、「トラブルの発生」に含まれるものとする。
上記1に示す発明によれば、トラブルの発生を確実に感知し、その前後の映像を確実に保護することができる。
すなわち、従来の映像記録システムでは、加速度センサーなどの各種センサーや、リアルタイムの映像解析等手段によって、トラブルの発生を感知して、この前後の映像を残す構成であるが、センサーが反応しない事象や、映像の死角におけるトラブルの発生を感知することができないという問題があった。
これに対して、本発明は、対象者の心拍数を常時計測し、心拍数の変化として表れる不整脈等が生じた場合に、これをトラブルの発生とみなして感知する構成であり、いかなる事象のトラブルが発生しても、これらを確実に感知することができる構成である。換言すれば、センサーや映像解析に頼らず、対象者が感じる不安、緊張、ストレスといった異変等が数値として表れる心拍数に注目し、この変化によってトラブルの発生を感知するという点で、新規かつ独創的な構成である。
上記2に示す発明によれば、携帯型心拍計や生体センサー付きスマートウォッチ等の心拍数計測機能付きのウェアラブル端末によって対象者の心拍数を常時計測する構成であり、対象者にとって負担が少ない方法で心拍数を計測することができ、トラブルの発生を確実に感知することができる。
上記3~5に示す発明によれば、心拍数の急激な上昇又は下降、頻脈、徐脈又は心房細動といった不整脈を示す各種症状の検出によって、これをトラブルの発生として感知する構成であり、トラブル発生の感知手段として、より具体的な方法を提案することができる。
上記6に示す発明は、見守りの対象者の血圧を常時計測し、対象者の血圧に変化が生じた場合に、これをトラブルの発生とみなして、その前後の所定時間の映像のみが保護(プロテクト)される構成である。
トラブルの発生の感知手段を、対象者の血圧の変化とした理由は、次のとおりである。
一般的に人間は、事故の発生等何らかのトラブルが発生した場合、不安、緊張又はストレス等を感じることにより延髄にある心血管中枢にその興奮が伝わり、心拍出量が増え、血管抵抗が高まり、その結果血圧が急激に上昇することが知られている。また、自身の体調悪化等トラブルによって、血圧が急激に下降することもある。このように、血圧の急激な上昇又は下降を検出することによって、何らかのトラブルが発生した可能性が高いことを予測することができる。
よって、本発明においては、対象者の血圧の変化を検出することによって、これをトラブルの発生とみなして感知する手段を採用した。
上記6に示す発明によれば、心拍数の変化と共に血圧の変化をも検出することにより、トラブルの発生をより確実に感知し、その前後の映像を確実に保護することができる。
上記7に示す発明は、本発明に係る映像記録システムをドライビングレコーダーに利用する応用例であり、車両(自動車の他、自動二輪や自転車等を含む。)の運転時(走行時及び停車時を含む。)に発生するおそれがあるトラブルを確実に感知し、その前後の映像データを保護することができる。
特に、加速度センサーが反応しない接触・衝突を伴わないトラブルや、映像解析では死角等の存在によって感知できないトラブルに対しても、運転者が不安、緊張又はストレス等を感じる状況に対して感知することができる点で、新規かつ有意な効果がある。
なお、上記7における「ドライビングレコーダーが装着された車両」とは、運転者自身や、運転者が装着するヘルメット等の装備品にドライビングレコーダーが装着された場合も含むものとする。
上記8に示す発明によれば、トラブルの発生が感知された場合に、これを運転者に対して通知することで、運転者が状況を客観的に見直すきっかけになることが期待できる。
例えば、「心拍数が低下しています。体調が悪いのではないですか?」などと運転者自身の体調不良などを客観的に通知し、これを受けた運転者が走行中の車両を徐行又は停車するなど、適切な対応をとる一助となる効果が期待できる。
上記9に示す発明によれば、トラブルの発生が感知された場合に、走行中の車を徐行又は停車させるなど、車両と連動して対応することで、事故等を未然に防ぐ効果が期待できる。
例えば、ブレーキとアクセルを踏み違える等の操作ミスが生じた場合、運転者はパニック状態になって停車等適切な対応をとることができないが、この場合の運転手の心拍数は急激に上昇している可能性が高く、この状態を感知して自動的に徐行又は停車などの対応をとることができれば、事故を未然に防ぐことができる。
上記10に示す発明は、介護現場を常時撮影しつつ、不適切な行為や健康の悪化などトラブルが発生した際に、その前後の所定時間の映像のみが記録される構成である。このため、被介護者の様子を常時閲覧可能にする必要がなく、被介護者のプライバシーを保護することができると共に、何らかのトラブルが発生した際には、その様子を後から確認して検証することができる。
また、この映像記録システムの存在により、トラブルが発生すればその前後の映像が後から確認できるということ意識が生まれ、これにより、被介護者又は介護者の双方に対してトラブルの抑止乃至抑制効果が期待できる。
更に、トラブル発生を感知する手段として、特定の音声の発生を感知する手段を採用することによって、映像解析等の高度な技術を使用しなくても、トラブルの発生を確実に感知する事ができる。これにより、構成を簡易にする事ができるので、低コストの映像記録システムを提供することができる。更にまた、設置に際しても、特別な知識や技術を必要としないので容易であり、設置に要する時間やそのコストも下げる事ができる。
更にまた、映像解析を使用したトラブルの発生感知方法では、死角でトラブルが発生した場合に感知され難いという問題があったが、特定の音の発生を感知する本発明の構成であれば、この問題を解消することができ、より確実にトラブルの発生を感知する事ができる。
上記10に示す発明は、トラブルの発生を感知する手段として、介護現場における禁止用語に着目した構成である。
介護現場における禁止用語は、各介護施設や各介護関連の団体によって規定されており、任意の基準で採用することができる。この禁止用語は、介護現場では使用してはならない用語や言葉使い等であり、この禁止用語が使用された際には、被介護者と介護者との間で何らかのトラブルが発生した可能性が高いといえる。
よって、トラブルの発生をより確実に判定し、感知することができる。
また、上記10に示す発明によれば、介護現場においてトラブルが発生する度に、トラブル発生前後の映像が保存されるので、これらの映像データを蓄積することができる。これらの映像データを利用して、トラブル発生の原因やトラブルが発生しやすい状況の把握、トラブルが発生しやすい対応の傾向、トラブルの解決策、トラブルを回避する方策などを研究することができる。
現状として、介護現場のトラブル解決策やトラブル回避策は、それぞれの介護施設や介護者によるノウハウに頼るところが多く、これらのノウハウを全国の介護現場にて共有できていない。よって、介護施設や介護者により、トラブルの解決策や回避策に対する理解や対応力にレベル差が生じている。
本発明に係る映像記録システムによって蓄積された映像データを利用して、トラブルの解決策や回避策について研究され、これが全国の介護現場に対して公開されば、介護現場におけるトラブルを全国的に減少させることができる。
上述のように、本発明に係る映像記録システムの存在により、トラブルの抑止効果が期待できると共に、蓄積されたトラブル発生時の映像データから、トラブルの防止手段等の研究が進むことで、更にトラブルの発生が抑制されることが期待できる。これにより、トラブル等の発生を苦とする介護者の離職を減少することができ、介護者不足の問題を解決する一助となることも期待できる。
更に、SDGs(持続可能な開発目標)の目標の一つである「3.すべての人に健康と福祉を」についても、貢献できるものと考えられる。
上記11に示す発明は、トラブルの発生を判定し管理するための要素として、被介護者が介護者に対して発する用語であって、自己の欲求又は欲望を伝える用語として介護現場において規定された特定欲求用語に着目した構成である。
この特定欲求用語は、被介護者から介護者に対して発せられることがある言葉であり、例えば、暴言がこれに該当する。被介護者が発する暴言は、自己の欲求や欲望の表現である場合が多く、心身不調によるストレスや認知症の影響によってこれらを上手く表現することが出来ず、介護者に対する暴言となって発せられる場合がある。この暴言等である特定欲求用語が発せられると、特に経験の浅い介護者は強いストレスを感じ、トラブルに発生するケースがある。
よって、この特定欲求用語の発声を感知することで、トラブルの発生を予見的に感知することができる。また、トラブルの発生を事前に予見して感知することが出来れば、介護者に対してトラブル発生の危険性があることを通知することができ、この通知を受けた介護者はトラブルが発生しないように注意することができる。更に、このトラブル発生の予見を、担当介護者の管理者等に通知すれば、担当介護者の交代や、対応の改善を促すこともできるので、トラブルを未然に防止することもできる。
上記12に示す発明は、本発明に係る映像記録システムの目的を、介護者側の保護に限定する趣旨である。
介護現場において使用される従来の映像記録システム(見守りカメラ、監視カメラ等)は、被介護者の保護、即ち、介護者から被介護者に対する暴言・暴力を監視して、被介護者を保護する目的で利用され、そのための機能を備えた構成である。
一方で、上記12に示す発明は、被介護者やその家族等から、介護者に対するハラスメント(パワーハラスメントやセクシャルハラスメント等)の発生を感知して、その映像を記録して保護(プロテクト)するシステムであり、介護者の保護を目的とする点で従来にはない着想である。
上記13~14に示す発明は、映像を撮影する装置として、眼鏡型のウェアラブルデバイスを利用する構成である。
眼鏡型ウェアラブルデバイスは、カメラ機能、マイクロフォン機能、インターカム機能ディスプレイ機能等を備えたものが提案されており、これを本発明における映像記録システムを実現するハードウェアとして採用することで、訪問介護などカメラが設置されていない環境での介護現場を見守ることができるし、カメラの設置などに要する作業・費用等を大幅に削減することができる。
また、眼鏡型ウェアラブルデバイスは、ネットワークを介して他のコンピューター等と通信可能な構成であるため、被介護者やその周辺の様子が、他のコンピューター等を操作する者にも観察可能な状態となり、介護者の対応に不備等があればそれを指摘等することができ、介護者の側から対応方法を問い合わせることもでき、介護の支援システム、コーチングシステム等としても利用することができる。
本発明に係る映像記録システムの一実施例を示す概略説明図 本発明に係る映像記録システムの動作を示すフローチャート 映像記録システムを介護現場における見守りカメラとして使用した一実施例を示す概略説明図 撮影装置の一実施例を示す概略説明図(一体型) 撮影装置の一実施例を示す概略説明図(分離型) 眼鏡型のウェアラブルデバイスの一実施例を示す概略斜視図 誤嚥のリスクを判定する手段を説明する概略図
本発明に係る映像記録システムの構成について、図面に従って説明する。
<本発明に係る映像記録システムの概要>
図1は、本発明に係る映像記録システム1(以下、単に「映像記録システム1」ともいう。)の概要の一例を表す概略説明図である。
図1に示されるように、映像記録システム1は、見守りの対象者M及び/又はその周辺を撮影する撮影装置2と、見守りの対象者Mが装着した心拍数計測装置3とから構成され、撮影装置2と心拍数計測装置3は、無線ネットワークNによって接続された構成である。
撮影装置2は、映像を撮影するカメラ機能21を有し、周囲の音を受音・集音するマイクロフォン機能22と、撮影した映像(マイクロフォン機能で受音・集音した「音」を含む。以下同じ。)を記録・保存する録画機能23と、心拍数計測装置3とネットワークを介して接続する通信機能24とを有する構成である。
録画機能23は、撮影装置2に内蔵された記憶装置(ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等)の他、撮影装置2から取り外しが可能なメモリーカード(SDカードやUSBメモリ等)を使用する構成でもよい。
通信機能24は、心拍数計測装置3とネットワークNを介して接続するための機能であり、また、その他のコンピューター、スマートフォン、スマートグラス等の情報携帯端末と接続するための機能である。
ネットワークの種類に限定はなく、公知公用のネットワークを特別の制限なく採用することができる。ただし、対象者Mが装着した心拍数計測装置3との接続を考慮すると、無線ネットワークであることが好ましく、例えば、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信、携帯電話回線として用いられる移動通信システム(3G、4G、5G(ローカル5Gやプライベート5Gを含む。))等を利用することができる。
本発明で使用する撮影装置2の具体的構成に限定はなく、公知公用の撮影装置を特別の制限なく使用することができ、例えば、ドライビングレコーダーとして市販された撮影装置を用いてもよい。
心拍数計測装置3は、対象者Mの心拍数を計測する装置である。心拍数を常時計測する機能に加えて、録画装置2とネットワークNを介して接続するための通知機能を有する。
心拍数計測装置3の具体的構成に限定はなく、公知公用の心拍数計測器を特別の制限なく採用することができる。
本発明に使用される心拍数計測装置3として、対象者Mが装着して使用する心拍数モニターや、対象者Mは何らの装置も装着せず、非接触での計測が可能なカメラを用いたセンシング装置等を例示することができる。
心拍数モニターは、対象者Mが装着して身体に接触した状態で計測する装置であり、指、手首、胸部に装着する構成が知られている。昨今、単に心拍数を計測するだけではなく、例えば、スマートフォンのようなコンピューター機能を備えたウェアラブル端末が広く知られており、心拍数計測機能付きウェアラブル端末を、本発明における心拍数計測装置3として利用することができる。例えば、腕時計の形態をした生体センサー付きスマートウォッチを利用すれば、比較的簡単かつ安価に入手することができ、対象者Mにとって装着時の身体的な負担が少なく、常時心拍数を計測することができ、その情報を他の装置(撮影装置2等)へネットワークNを介して送信することが可能である。
また、心電図による測定が必要な場合には、携帯型心電計や、心電計機能付きのスマートウォッチなど、心拍計及び心電図機能付きのウェアラブル端末を本発明における心拍数計測装置3として利用することができる。この心拍数計測装置3は、活動量計や生体センサーと呼称される装置であってもよい。
本発明に使用される心拍数計測装置3として、対象者Mが装着することなく、離れた位置から心拍数を計測することが可能な近赤外線カメラによる計測技術を採用することもできる。
具体的には、赤外線パターンを人体(対象者M)に照射して、反射して得られた赤外線画像を分析して計測する構成が知られている。この技術は、近赤外線光が照射された対象者Mを近赤外線カメラで撮影し、この映像から脈拍情報(皮膚表面の血中のヘモグロビンを急行の変化から検知した情報)を検知し、検知した脈拍情報から心拍数を算出する技術である。可視光ではなく、近赤外線を使用することで、昼夜・明暗を問わず心拍数を計測することが可能である。
心拍数計測装置3として、この心拍数計測手段を採用すれば、これを撮影装置2に搭載することで、撮影装置2と心拍数計測装置3の役割を1台の装置で果たすことができる。
本発明における「心拍数」の用語は、「脈拍数」の意を含むものとする。
医療用語としての心拍数とは、心臓が1分間に拍動する回数を意味し、脈拍数とは、身体の各部における血管が1分間に拍動する回数を意味するため、厳密には意味が異なる。本発明において、心拍数を計測する体の部位は、各部における血管である場合が多いため、厳密には「脈拍数」を計測していることになる。
しかし、上述の通り、本発明においては「心拍数」と「脈拍数」の用語は区別せず、主に「心拍数」の用語を使用するものとする。
<本発明に係る映像記録システムの詳細な構成>
続いて、本発明に係る映像記録システム1の実施に関する流れについて説明する。
まず、見守りの対象者Mの心拍数を常時計測できる状態を用意する。1つの方法として、対象者Mに心拍数計測装置3(例えば、心拍数計測機能付きウェアラブル端末。)を装着させる。図1の実施例は、対象者Mが、心拍数計測装置3として心拍数計測機能付きウェアラブル端末Gを装着した例である。また、他の方法として、対象者Mに対して心拍数センシングが可能な状態(近赤外線光を照射及び近赤外線カメラで撮影可能な状態)を整える。
次に、心拍数の変化として感知される範囲を設定する。設定された心拍数の変化を感知した場合には、これをトラブルの発生と擬制して、後述する映像データの保護処理を行う。
心拍数変化の設定の第1の例として、対象者Mの心拍数が急激に上昇又は下降した状態を挙げることができる。対象者Mの通常時の心拍数を基準として、上昇値又は下降値、上昇率又は下降率を設定する。通常時の心拍数は、対象者Mが手動で入力してもよいし、心拍数計測装置3を装着した際に自動的に計測される仕組みであってもよい。
例えば、対象者Mの通常時の心拍数を基準として、所定時間に20bpm以上の上昇又は下降があった場合に、これを心拍数の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する設定が挙げられる。また例えば、対象者Mの通常の心拍数を基準として、所定時間に30%以上の上昇又は下降があった場合に、これを心拍数の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する設定が挙げられる。
心拍数変化の第2の例として、対象者の脈拍が、頻脈又は徐脈の状態を計測した場合を挙げることができ、これを心拍数の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する。
頻脈とは、心拍数が増加している状態をいい、心拍数が100bpmを超えた状態をいうことが一般的である。徐脈とは、心拍数が減少している状態をいい、心拍数が60bpm未満の状態をいうことが一般的である。
例えば、心拍数計測装置3に、頻脈の状態として、心拍数が100bpmを超えた状態、徐脈の状態として、60bpmを下回る状態と設定しておき、心拍数変化の設定時に、頻脈又は徐脈の状態を心拍数の変化として感知するよう設定する。
なお、通常時の心拍数には個人差があり、例えばスポーツ選手等のスポーツ心臓のように、通常時の心拍数が極端に少ない者もいる。よって、この場合は、上述した対象者Mの通常時の心拍数を基準として上昇値又は下降値、上昇率又は下降率を設定する方法を採用することが好ましい。
上述した心拍数変化の第2の例は、対象者に「動悸」の症状が表れたことを推測するため、頻脈又は徐脈の状態を検出するものである。
動悸とは、一般的に、心臓の打ち方が速くなった又は遅くなった、不規則になった場合等に感じる違和感又は不快感と定義される。この違和感又は不快感は、対象者Mの主観によるものであり、心拍数計測装置では検知することができない。そこで、心臓の打ち方が速くなった又は遅くなった状態を把握するため、頻脈又は徐脈の状態を検出するものである。
この頻脈又は徐脈、前述した心拍数の急激な上昇又は下降、そして後述する期外収縮をはじめとする不整脈の症状が現れた場合には、対象者Mは、自身の心臓の動きに違和感や不快感を覚えている可能性が高いため、これらの状態を心拍数の変化、即ちトラブルが発生したものとして感知するものである。
心拍数変化の第3の例として、対象者Mの脈拍が、期外収縮の状態を計測した場合を挙げることができ、これを心拍数の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する。
期外収縮とは、異常な刺激によって心臓が本来の周期を外れて早く収縮する不整脈で、正常で規則正しい脈に混じって、時々早い脈が入り込む状態をいう。期外収縮の状態を検出するには、心拍数計測装置3によって脈拍の間隔を高精度で計測するほか、心電図機能付きの心拍数計測装置3を用いて検出する手段を挙げることができる。
心拍数変化の第4の例として、対象者Mの心臓の状態に、心房細動の症状が見られた場合を挙げることができ、これを心拍数の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する。
心房細動とは、不整脈の一種であって、心房が細かく動く状態であり、心房が洞房結節の刺激によらずに速く部分的に興奮収縮し、規則的な洞房結節の活動が伝わらず、心室の収縮が不規則な間隔で起こる状態である。
正常の脈拍(洞調律)時には、心房の興奮を示す波をP波と、心室の興奮を示す波をQRS波がセットとなって規則正しい間隔で出現することが知られている。一方、心房細動は、P波部分が消失して、細かく揺れる細動波が生じ、QRS波の規則性は失われ、脈拍も不規則となることが知られている。
即ち、心房細動の状態を検出するには、P波とQRS波を観察することができる心電図による検査が必要であり、本発明においては、心電図機能付きの心拍数計測装置3を用いて検出する手段を挙げることができる。心電図機能付きのウェアラブル端末(例えば、携帯型心電計や生体センサー付きスマートウォッチ。)が市販されており、これを利用することができる。
上述した頻脈、徐脈、期外収縮又は心房細動は、心臓の電気信号が乱れた状態である「不整脈」の一種であり、この不整脈の症状を検出することによって、例えば狭心症や心筋梗塞などの心疾患の可能性を把握することができる。よって、これらの症状を把握することで、対象者Mに心疾患など何らかの健康上の問題が生じたこと、即ち健康上のトラブルが発生したことを感知することができる。
通常の心拍数計測手段では、1分間の拍動の数を計測する必要があるため、心拍数の変化を検出するのには、少なくとも1分間の時間を要する。この方法では、トラブルの発生をいち早く察知するには十分でない場合がある。よって、本発明においては、次の示す方法を用いて、心拍数の変化をいち早く検出する手段を採用することが好ましい。
一例として、常時、現時点から1分前の時刻を起算点として、この起算点から1分間の拍動の数を計測して心拍数を算出する方法が考えられる。
また他の例として、脈の間隔から、心拍数を予測する方法が考えられる。通常時の心拍数が60bpmである場合、脈の間隔は1秒間である。これが、脈の間隔が0.5秒間となれば、心拍数は120bpmであり、2倍に上昇したことになる。この方法であれば、数秒間というわずかな時間で、心拍数の変化を検出することができる。
また別の例として、例えば10秒間における脈拍数から予測する方法が考えられる。通常時の心拍数が60bpmである場合、1秒間における拍動数は1回であり、10秒間における拍動数は10回である。これが、10秒間における拍動数として15回となった場合、1分間に換算すれば90回となり、心拍数が通常時よりも30bpm上昇したことになる。この方法であれば、例えば、10秒間で心拍数の変化を検出することができる。
ここまでは、本発明におけるトラブル発生の感知手段として、心拍数の変化を採用した手段を説明した。この心拍数の変化の他、トラブル発生の感知手段として、血圧の変化を採用することができる。
車両の運転中において、運転者の血圧は上昇することが知られている。例えば、時速30~40km程度の安全運転時であっても、平均で最高血圧が25mmHg上がり、時速60~80kmでスラローム運転をすると、最高血圧が平均で43mmHgも上昇するという報告がある。これは、運転時の緊張からくるストレスが原因であると考えられている。これらの血圧上昇は、運転時における血圧上昇の数値として平均的なものといえるが、これ以上の上昇がみられた場合には、他の原因があることが考えられる。考えられる原因として、荒天による運転状況の悪化、故障等の車両トラブル、自身又は他者による無謀又は挙動不審運転、あおり運転の被害等を挙げることができる。運転者はこれらのトラブルの発生により、通常の運転時以上のストレスを感じるため、血圧も通常の運転時以上に上昇すると考えられる。
車両の運転以外にも、怒り、恐怖、不安、驚きなどを感じる状況に遭遇すれば、これを感じた対象者Mの血圧は上昇する。例えば、後述する介護現場における映像記録システム1の利用に関して、被介護者Yから暴言・暴力を受けた介護者Zは、強いストレスを受けると考えられる。これらの場合には、上述の通り心拍数が上昇等の変化をするが、これと共に血圧も上昇等の変化をするといえる。
よって、上述した心拍数の変化と共に、血圧の変化をトラブル発生の感知手段とすれば、より確実にトラブルの発生を感知することが可能である。また、上述した心拍数の変化に代えて、血圧の変化をトラブル発生の感知手段とすることも可能である。
上述の通り、本発明は、対象者Mの血圧が急激な上昇又は下降をした場合に、対象者M又はその周辺にトラブルが発生したものとして感知する構成を採用することができる。
この血圧の急激な上昇又は下降として感知される範囲については、対象者M等が任意に設定することができる。例えば、対象者Mの通常時の血圧を基準として、最高血圧(収縮期血圧)が所定時間に25mmHg以上の上昇又は下降した場合に、これを血圧の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する設定が挙げられる。また例えば、対象者Mの通常時の血圧を基準として、最高血圧(収縮期血圧)が所定時間に20%以上の上昇又は下降があった場合に、これを血圧の変化(即ち、トラブルの発生)として感知する設定が挙げられる。
なお、上述の所定時間とは、例えば1時間のように長い時間であると感知に時間がかかるし、急激な変化とはいえないため好ましくない。よって、例えば30秒間や1分間のように短時間に設定することが好ましい。なおまた、上述の説明では最高血圧(収縮期血圧)の上昇又は下降について例示したが、これを最低血圧(拡張期血圧)の設定としてもよい。
最近では、ウェアラブル血圧計等と呼ばれる携帯型・腕時計型の血圧計が市販されている。対象者Mが、このウェアラブル血圧計を別途装着するか、又は、上述した心拍数計測機能付きウェアラブル端末に、血圧測定機能が付加されたものを装着すれば、対象者Mの血圧を常時測定することができるので、血圧の変化を検出することができる。
次に、撮影装置2により循環録画について説明する。
循環録画とは、撮影した映像が常時記録され、古い映像データに新しい映像データが順次上書き保存される映像保存手段であり、監視カメラやドライビングレコーダーに用いられる映像保存手段として広く使用されている。映像データはデータ容量が大きく、録画装置の記憶容量には限界があるため、この方式が採用されることが多い。
本発明は、循環録画システムを採用しつつ、トラブルが発生した際には、自動でそのトラブルの発生前後における所定時間の映像データが選択され、これが上書きによって削除されないように保護・保存される構成である。即ち、通常であれば順次上書き保存され削除される映像データであるが、トラブルが発生した前後における所定時間の映像データは、上書き保存されないように保護(プロテクト)される構成である。そして、本発明はこのトラブルの発生を、対象者Mの心拍数の変化によって感知しようとする構成である。
保護される映像データの時間は、予め設定することができる。例えば、トラブルが発生した前後60秒の映像データを自動的に保護する等、任意の時間を設定することができる。また、トラブルが発生した前後の映像データに加え、心拍数の変化が継続している間における全ての映像データについて、これを保護するよう設定することもできる。
更に、トラブル発生前後における映像データの保護と共に、これを感知した心拍数のデータについても記録され、保護されることが好ましい。トラブル発生の原因を究明する上で、例えば心筋梗塞などの急病となった場合など、心拍数の変化が参考になる場合があるためである。
映像記録システム1において、心拍数の変化を感知する装置は、撮影装置2又は心拍数計測装置3のいずれであってもよい。心拍数計測装置3から撮影装置2に対して、対象者Mの心拍数の計測結果を常時転送し、その結果に基づいて心拍数の変化に該当するか否かの判断を撮影装置2が行ってもよいし、心拍数計測装置3にて心拍数の変化に該当するか否かの判断をした上で、心拍数の変化に該当した旨(即ち、トラブルの発生を感知した旨)を撮影装置2に対して通知する構成であってもよい。
図2は、映像記録システム1の動作の一例を示すフローチャートである。この図面に従って、映像記録システム1の動作の流れを説明する。
まず、撮影装置2による対象者M及び/又はその周辺の映像撮影が開始され、撮影によって得られた映像データの循環録画が開始される。この際に、上書きにより削除されないよう保護されるトラブル発生前後の映像データについて、保護される映像データの時間を設定することができる。
上記循環録画の開始と共に、対象者Mの心拍数の常時計測が開始される。心電図によるモニタリングが必要な場合は、同時にモニタリングを開始する。対象者Mが心拍数計測装置3を装着していないなど、心拍数が計測できないことを認識した場合には、アラート等によってその旨を対象者Mに通知する構成を採用してもよい。
この際に、対象者Mによって手動で、又は、映像記録システム1によって自動的に、心拍数の変化として感知される範囲を設定することができる。
なお、循環録画の開始と、心拍数計測の開始の順は、前後してもよい。
続いて、常時計測される対象者Mの心拍数が、心拍数の変化として感知される設定範囲に該当するか否かの判断が、リアルタイムで常時行われる。
そして、心拍数の変化として感知される設定範囲に該当した場合、トラブルの発生として感知される。
図2には、判断要素として「特定の音声」と記載されているが、これは介護現場における映像記録システム1において使用する判断要素であり、詳しくは後述する。また、図2には示されていないが、心拍数の変化と共に、血圧の変化を感知手段として加えることができる。
トラブルの発生が感知された場合は、トラブルの発生前後の映像データが自動的に選択・保護される。
また、必要に応じ、対象者Mに対して、心拍数の変化が設定範囲に該当した旨、即ちトラブルの発生として感知された旨が通知される。通知先は、対象者Mのみならず、予め設定された他の者(要通知者)であってもよい。
また更に、必要に応じ、映像記録システム1と関連付けられた物(例えば、車両、セキュリティシステム、見守りシステム等。)に対して、予め設定された動作を実行するよう指令が出される。例えば、対象が車両であれば徐行や停車、セキュリティシステムであればセキュリティ管理会社や警察・消防への通報が考えられる。
上述した動作は、対象者M等によって映像記録システム1の動作を停止(終了処理)させない限り、繰り返される。
<ドライビングレコーダーとしての利用>
次に、本発明に係る映像記録システム1を、ドライビングレコーダーとして利用する応用例について説明する。
ドライビングレコーダーとは、車載型の映像記録装置であり、主として自動車事故の発生時の映像など状況記録を目的として設置されるものである。一般的なドライビングレコーダーは、車両が接触事故等によって衝撃が生じた際に、加速度センサー等によってこれを感知し、事故発生前後の映像データを保護するものである。
しかし、この衝撃を感知して映像データを保護する構成では、接触等の衝撃を伴わない又は衝撃が弱い事故を感知できないという問題があった。例えば、あおり運転による被害や、未遂事故等が挙げられる。これらの場合、運転手が手動で映像データ保護の作業を行う必要があった。
本発明に係る映像記録システム1は、対象者M(ドライビングレコーダーにあっては運転者)の心拍数の変化をトラブルの発生として感知する構成であり、上述した衝撃を伴わないトラブルであっても確実に感知することができる。
あおり運転の被害、高齢者等の運転によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故又は未遂事故、その他未遂事故が発生した場合、運転者は不安、緊張又はストレス等を感じるため、ほとんどの場合で心拍数が上昇する。また、心機能の異常など体調に異変が生じた場合には、心拍数の低下や、脈拍の乱れ等が生じる場合が多い。これらの症状を総称すると不整脈に該当するが、この不整脈の症状が生じた場合に、これをトラブルの発生(トラブルに発展する可能性がある状況も含む。)とみなして感知すれば、トラブル発生前後における映像データを確実かつ自動的に保護することができ、トラブルの状況記録や原因究明等に役立てることができる。
映像記録システム1をドライビングレコーダーとして利用する場合、撮影装置2は、ダッシュボードやフロントガラスなど車両の一部に設置させる。車両が自動二輪車や自転車の場合は、ハンドル等の付近に取り付けてもよいし、運転者が装着するヘルメット等の装備品に設置してもよい。
心拍数計測装置3は、心拍数計測機能付きウェアラブルG(例えば、スマートウォッチ。)を運転者が装着すればよい。また、上述した近赤外線カメラを利用した心拍数の計測手段を利用して、近赤外線光の照射及び近赤外線カメラの機能を、撮影装置2や、カーナビゲーションシステムに搭載することで、運転者の心拍数を常時計測できる環境を構築してもよい。
また、上述の通り、トラブル発生を感知手段として、心拍数の変化と共に血圧の変化を採用してもよい。この場合、対象者Mが装着する心拍数計測装置3は、血圧の測定機能が付加されてものとする。
撮影装置2と心拍数計測装置3は、Bluetooth(登録商標)等の通信手段で接続され、心拍数計測装置3によって運転者の心拍数変化(トラブル発生)を感知した場合に、これを撮影装置2に伝達し、撮影装置2はトラブル発生前後の映像データを保護する構成である。
また、心拍数計測装置3がトラブル発生を感知した場合に、これを運転者に音や光などで通知すれば、運転者が無自覚ながら体調不良の症状を起こしている場合等、これを自覚させることで事故等に発展することを防止・抑制する効果が期待できる。例えば、「心拍数が低下しています。体調が悪いのではないですか?」などと運転者自身の体調不良などを客観的に通知できれば、これを受けた運転者が走行中の車両を徐行又は停車するなど、適切な対応をとることによって事故防止が可能となる。
更にまた、心拍数計測装置3がトラブル発生を感知した場合に、運転する車両が徐行乃至停車するように設定しておけば、運転者が心肺機能の低下などによって意識が希薄乃至喪失している場合であっても、大きな事故に発展することを抑制する効果が期待できる。 昨今、高齢者等の運転によるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が頻発しているが、かかる場合においても、運転者は気が動転して心拍数が上昇する。この状況をトラブルの発生としていち早く感知できれば、大きな事故に発展することを抑制することが可能である。
本発明を利用したドライビングレコーダーは、自動車保険のサービスとしての提供にも有意である。
一部の自動車保険では、契約者(運転者)を見守るためにドライビングレコーダーを提供しており、これにより、事故発生時の自動通報、事故時の状況記録、安全運転のための支援アラートといったサービスを提供している。しかし、現在主に使用されているドライビングレコーダーでは、加速度センサー等が反応する衝撃が発生しなければ、これらのサービスが機能しないという問題がある。そこで、本発明を利用したドライビングレコーダーであれば、衝撃を伴わないトラブルであっても感知でき、更に、運転者の体調不良や居眠り・眠気等についても心拍数の変化によって感知した上で、特定の映像データを録画保存して保護できるため好適である。
<介護現場における映像記録システムとしての利用>
次に、本発明に係る映像記録システム1を、介護現場における見守りカメラに使用する応用例について説明する。
図3は、映像記録システム1を介護現場における見守りカメラとして使用した一実施例を示す概略説明図であり、介護施設における被介護者Yの居室Rの様子を表したものである。
図3に示されるように、居室Rの天井には撮影装置2が設置されており、この撮影装置2によって居室Rの全域が撮影される構成である。居室Rにおける被介護者Yの様子は常時撮影され、介護者Zが入室して介護を行う場合であっても、この介護者Zを含む介護の様子が撮影される。
図3においては、1室に1台の撮影装置2が設置されているが、2台以上が設置されてもよく、設置位置についても天井に限らず、壁への設置や、机や棚へ載置しても良い。
また、撮影装置2には、カメラ機能21とマイクロフォン機能22が搭載されており、映像のみならず、居室Rにおいて発生した音(音声や物音を含む。)も、映像データとして常時記録される構成である。なお、特に説明がない限り、本明細書における「映像データ」の用語には、映像と共に音が含まれる。
図3では、撮影装置2にマイクロフォン機能22が含まれ、一体の機材として設置された構成であるが、撮影装置2に組み込まれたマイクロフォン機能22だけでは、居室R全体の音を受音できない場合があるため、別途マイクロフォン機能を有する装置を、撮影装置2とは別に居室Rの各所に、1つ又は2つ以上設置してもよい。
マイクロフォン機能22を有する別体の装置は、例えば、被介護者Yの居室Rや、介護施設の食堂、通路、浴室、便所など被介護者Yが利用する各所に、複数台を設置することが好ましい。後述する通り、本発明に係る映像記録システム1は、特定の音声の発生により、トラブル等を感知する構成であるため、各所において発生する音を漏れなく受音・集音する事ができる環境を整える必要があるためである。
撮影された映像は、撮影装置2が録画機能23を搭載する場合は、この撮影装置2に映像データとして記録される。撮影装置2が録画機能23を搭載していない場合は、任意の通信機能24を使用して、他のコンピューター(サーバー含む)Cなど映像の録画機能を有する他の装置に転送され、その映像データが記録される。ここで記録された映像データは、古い映像データに新しい映像データが順次上書き保存される構成、即ち循環録画される構成である。
この映像データの内容は、音声判定機能25によってリアルタイムで監視され、映像データに含まれる音データの内容を常時確認し、特定の音声の発生が常時監視される。具体的には、特定の音声として想定されるものをデータベース化し、介護現場で発生した音とデータベースの内容が照合され、特定の音声の発生の有無が常に判定される。この特定の音声の詳細については、後述する。
特定の音声の発生を感知した場合には、これをトラブルの発生とみなして、録画された映像データのうちトラブルの発生前後における所定時間の映像データが選択され、これが上書き保存により削除されることが無いように保護される構成である。映像データが保護される所定の時間については、任意に設定する事ができる。
トラブルの発生前後における所定時間の映像データの保護手段として、当該映像データを、データの記録機能を有する他の装置へ、ネットワークを介して送信する手段を採用してもよい。例えば、介護施設や、被介護者の家族等が所持するコンピューターや携帯情報端末等へ、当該映像データを送信することによって、当該映像データを保護する方法を採用することができる。
また、特定の音声の発生(トラブルの発生)を感知した場合には、介護施設の管理者や各介護者、被介護者の家族など、予め設定された者(以下、「要通知者」ともいう。)へ通知される。具体的には、予め設定された要通知者の携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピューター等へ、Eメール、SNS又は専用のアプリケーションソフト等を利用して通知される構成である。
更にまた、特定の音声の発生(トラブルの発生)を感知した場合には、上述の通り保護された特定の音声の発生前後における所定時間の映像データを再生し、映像を確認する事ができる。換言すれば、トラブルの発生を感知しない限り、映像データの閲覧を制限する構成としてもよい。映像データが、常時閲覧可能な状態では、被介護者のプライバシーを侵害するおそれがあるためである。
このように、本発明に係る映像記録システム1を介護現場における見守りカメラに応用した例では、トラブル等特定の事象の発生を、音声で判定し感知することに特徴がある。
ここまでは、トラブルの発生を感知する手段を、介護現場で発生した特定の音声とする旨を説明したが、対象者Mの心拍数の変化についても利用される。介護現場におけるトラブルの感知手段は、対象者Mの心拍数の変化又は特定の音声の発生のいずれか一方としてもよいし、両方を感知手段としてもよい。
本発明に係る映像記録システム1を介護現場における見守りカメラに応用した例では、従来の見守りカメラとは異なり、見守りの対象者を被介護者Yではなく、介護者Zとすることに特徴がある。よって、見守りの対象者Mは、ここでは介護者Zとなる。
見守りの対象者Mである介護者Zは、心拍数計測機能付きウェアラブル端末G(スマートウォッチ等)を心拍数計測装置3として装着し、心拍数が常時計測される。
介護現場においては、被介護者Y又はその家族等関係者からの暴言やハラスメント行為によるトラブルや、介護者Zの言動によるトラブルの両方が考えられる。いずれに原因がある場合であっても、介護者Zは怒り等からくる興奮、不安、緊張又はストレス等を感じ、多くの場合で心拍数が上昇する。この心拍数の上昇をトラブルの発生として捉えることで、介護現場におけるトラブルの発生を確実に感知することができる。
なお、心拍数を計測する対象を被介護者Yとすることもできるが、被介護者Yの中には認知症等を患う者も少なくはなく、心拍数計測装置3を勝手に取り外す等の問題が生じやすい。
また、上述の通り、トラブル発生を感知手段として、心拍数の変化と共に血圧の変化を採用してもよい。この場合、対象者Mである介護者Zが装着する心拍数計測装置3は、血圧の測定機能が付加されてものとする。
介護現場における見守りカメラとして本発明に係る映像記録システム1を利用する場合には、対象者Mの心拍数の変化をトラブルの発生として感知すると共に、特定の音声の発生もトラブル発生として感知することで、より確実にトラブルの発生を感知することができる。心拍数の変化と特定の音声の発生は共に、映像によってその発生を感知する手段ではないため、常時映像を監視する必要がなく、被介護者Yのプライバシーを保護することができる。
<介護現場における映像記録システムの詳細な説明>
次に、介護現場において利用される本発明に係る映像記録システム1の詳細な構成について説明する。
映像記録システム1は、撮影装置2と心拍数計測装置3によって構成される。
撮影装置2は、カメラ機能21とマイクロフォン機能22を有し、録画機能23、通信機能24及び音声判定機能25を同装置内に備えてもよい。即ち、録画機能23等については、1台又は2台以上の装置によって一部又は全部の機能が一体的に構成される場合がある。よって、例えば録画機能23については、別体の録画装置の機能を使用してもよい。
撮影装置2の実施例として、図4~5を示す。
図4は、各機能が一体となった構成であり、カメラ機能21、マイクロフォン機能22、録画機能23、通信機能24及び音声判定機能25が、1台の装置として構成された例である(以下、「一体型」という。)。撮影装置2として一体型の構成を採用すれば、これを被介護者の居室等に設置する作業が容易かつ簡単である。
図5は、一部の機能が一体化されてはいるが、他の一部の機能が別体として構成された例である(以下、「分離型」という。)。具体的には、カメラ機能21、マイクロフォン機能22及び通信機能24は1台の装置(撮影装置2)として構成されて居室Rに設置され、これとネットワークNを介して接続された別室のコンピューターCに、録画機能23、通信機能24及び音声判定機能25が組み込まれた例である。
図5に示される分離型の場合、カメラ機能21及びマイクロフォン機能22で撮影及び集音された映像及び音からなる映像データは、ネットワークNを介してコンピューターCに転送される。
コンピューターCに転送された映像データは、録画機能23を用いて循環録画される。また、転送された映像データは、音声判定機能25を用いて、特定の音声が含まれるか否かについてリアルタイムで判定される。特定の音声が含まれると判定された場合、これをトラブルの発生と判断し、トラブル発生前後の所定時間の映像データが消去されないように保護される構成である。
また、分離型では、撮影装置2の通信機能24によって、対象者M(介護者Z)の心拍数に変化がみられたことを検出した場合、その情報がコンピューターCへ転送され、コンピューターCにおいてトラブル発生前後の映像データが消去されないように保護される。
介護現場において用いられる映像記録システム1は、音声判定機能25を有する。
音声判定機能25は、マイクロフォン機能22によって受音・集音された音声が、予め設定された特定の音声に合致するか否かを判定する機能である。介護現場において発生した音声が、この特定の音声に合致した場合は、トラブルが発生したと判定する構成である。具体的には、この特定の音声を予めデータベース化し、介護現場で発生した音声と照合して、特定の音声の発生の有無が常に判定される。
音声判定機能25の具体的構成に限定はない。例えば、上述した判定を行うプログラムを作成し、これをパーソナルコンピューター、タブレットコンピューター又はサーバーなどのコンピューターCに搭載することができる。また、AI(人工知能,Artificial Intelligence)を利用して、特定の音声に合致するか否かを判定してもよい。コンピューターに特定の音声を学習(ディープラーニング)させ、あらゆる音量、声調、方言、イントネーションなどに対応することにより、発せられた音声が、特定の音声に該当するか否かを正確に判定する事ができる。
〇ネットワークに関して
ネットワークNは、撮影装置2と心拍数計測装置3とが情報を送受信する場合、撮影装置2に含まれる各機能が2台以上の装置に分かれている構成(分離型)において、これらの機能を有する各装置間で情報を送受信する場合等、において使用される通信手段である。
具体的には、有線又は無線によるLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)の他、電話回線・携帯電話回線等の通信インフラを利用することができる。
本発明に利用されるネットワークNとして、介護施設においては有線又は無線LANを利用する場合が多いと想定される。
しかし、LAN設備がない又は不十分な介護施設に、新たに有線LANを導入するには、各所・各室にわたってケーブルを敷設する必要があり、導入コストが高いという問題がある。また、スマートフォンやタブレット端末等の携帯情報端末に利用に適さないという問題もある。無線LANは、携帯情報端末の利用に適するが、介護施設においてはコンクリートの壁や防火対応の扉が電波伝搬の障害となるため、中継器を各所に設置しなくてはならず、やはり導入コストが高いという問題がある。介護施設では、各室に対してテレビを視聴するためのケーブルが敷設されている場合が多く、このケーブルをLANケーブルとして利用する手段もあるが、変換器等が必要であり、やはりコストを抑えることは難しい。
かかる場合には、ネットワークNとして、携帯電話回線を利用することが好ましい。携帯電話回線は、最近では第5世代移動通信システム(通称「5G」)の導入が開始されており、映像データを送信する場合であっても、通信容量としては十分であると考えられる。ネットワークNとして、携帯電話回線を利用すれば、訪問介護等の現場等ネットワーク環境がない場所においても、本発明に係る映像記録システムを利用することができる。
上述の通り、本発明に用いられるネットワークNとして、5G等の携帯電話回線が挙げられるが、中でも、ローカル5Gの技術を用いることが好ましい。
ローカル5Gとは、地域や産業のニーズに応じて、通信事業者ではない地域の企業や自治体等が個別に利用できる5Gネットワークのことである。通信事業者が全国で展開する均一な5Gの通信サービスに対して、ローカル5Gは、地域・企業が主体となって、自らの建物内や敷地内といった特定のエリアで自営の5Gネットワークを構築・運用・利用することができる。この技術を利用すれば、例えば1つの介護施設内、複数の介護施設を含む特定のエリアなどでローカル5Gネットワークを形成し、トラブルの発生時に、その情報が同施設内ないし他の施設間であっても協力体制が構築されたチームの間で情報を共有することができ、特に人手が足りない夜間などに発生したトラブルに対して、複数人のチームで対応することができる。
〇特定の音声に関して
次に、本発明に係る特定の音声の発生の判定手段について説明する。
本発明において、介護現場におけるトラブルの発生とは、被介護者と介護者との間で発生した暴言や身体的虐待、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントに該当する行為等をいう。
介護現場において利用される映像記録システム1は、特定の音声の発生を、トラブルの発生の判定要素とする。
この特定の音声とは、人間が発する音声のうち、介護現場におけるトラブル等の発生時に発せられることのある音声をいう。
具体的には、被介護者、被介護者の家族等関係者又は介護者が発した暴言、精神的暴力、パワーハラスメント又はセクシャルハラスメントに該当するハラスメント行為に該当する言葉等がこれに当たる。
〇禁止用語
本発明は、上記特定の音声として、介護現場における「禁止用語」に着目した点に特徴がある。
この禁止用語は、介護現場において発してはならないとして、各介護施設や各介護団体等が規定した用語であり、それぞれの施設や団体等が独自に規定した用語である。
即ち、禁止用語は、特に被介護者の人権や尊厳を守るために、介護者が被介護者に対して発してはならない用語である。この禁止用語は、本来は介護者に対する規則であるが、被介護者やその家族が、介護者に対して禁止用語を発した場合であっても、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントに該当する可能性があり、何らかのトラブルが発生したと判断して良い。
禁止用語の例として、相手を呼ぶ際に発する「名前の呼び捨て」、「あだ名」、「おまえ」や、「〇〇をやれ!」、「早くしろ!」、「やめろ!」などの命令口調や、「気持ち悪い」、「汚い」、「邪魔」など相手を否定する言葉等が挙げられる。その他、被介護者特有の問題を表す用語も禁止用語として設定する事ができ、例えば、被介護者の罹患している病名(特に、被介護者が自身の病名を告知されていない場合)や、被介護者の思想や信条によって意見が分かれる政治や宗教に関する事項などが挙げられる。
また、その言葉の内容にかかわらず、必要以上に大きな声、怒鳴り声や威嚇するような声、ため息交じりの声等も、介護現場において不適切とされる。よって、かかる声のトーンなどについても、禁止用語に該当するか否かにに関わらず、特定の音声として設定しても良い。
本発明に係る映像記録システム1では、この各介護施設や各介護団体等が規定した禁止用語をデータベース化し、音声判定機能25にて、介護現場において発せられた音声と比較し判定される。
この禁止用語をコンピューターに学習させ、AIを用いた判定を行う事が好ましい。具体的には、各禁止用語について、あらゆる音量、声調、方言、イントネーションなどに対応するようにコンピューターに学習させ、介護現場において発せられた音声が、いずれかの禁止用語に該当するか否かを正確に判定する事ができる。
この禁止用語は、映像記録システム1が導入される介護施設等に合わせて、その内容を任意に設定する事ができる。また、ここで設定される禁止用語を、その内容について何段階かに分類し、どの段階の禁止用語を感知して、映像データの保存及び管理者等への通知を行うかを任意に設定可能な構成であることが好ましい。
また、上述した禁止用語と共に、殴打音や転倒音を感知し、これを特定の音声として扱えば、トラブル等の発生を更に確実に感知することができる。具体的には、殴打音の感知により、被介護者と介護者との間で何らかのトラブル(暴力等)が発生した可能性が高いことを感知することができ、転倒音の感知により、特に被介護者に健康上のトラブル(転倒や卒倒)が発生した可能性が高いことを感知することができる。
〇特定欲求用語
トラブル等の発生を感知する要素(特定の音声)として、上述した禁止用語と共に、特定欲求用語を採用することが好ましい。この特定欲求用語について、以下に説明する。
特定欲求用語とは、被介護者が介護者等に対して発する言葉であり、自身の欲求や欲望が暴言等となって発せられた言葉である。この特定欲求用語は、時として暴言となって発せられることがあり、被介護者は、自身の欲求や欲望を上手く表現できず、これが暴言となって発せられる場合があり、これが介護現場におけるトラブル発生の一因となっている。
具体的には、次の通りである。
被介護者は高齢者が多く、記憶力や判断力が低下していることや、特に認知症を患っていることが多く、心身が思うように制御できないストレスから暴言・暴力等攻撃的になること、無断で外出してしまう徘徊、財布等を盗まれた等事実でないことを訴える物盗られ妄想など、様々な症状がみられるようになる。これらの症状は、BPSD(Behavioral and Psychological Symptom of Dementia)と呼ばれ、認知症の行動・心理症状といわれている。このBPSDは、暴言として表れることがあり、これが介護者等に向けて発せられた結果、介護者の怒りやストレスとなる場合が多い。特に、経験の浅い介護者にとっては、被介護者による暴言、即ち特定欲求用語の発話は、BPSDの一種であってやむを得ない症状であることを理解できず、トラブルに発展するケースがある。
介護現場においては、被介護者は弱者であると考えられており、被介護者による暴言は、自身の欲求や欲望の表現であると考えられている。よって、この被介護者による暴言は、特定欲求用語として定義することができ、この特定欲求用語が発せられた際には、トラブルが発生するおそれがあるので、これを特定の音声として感知することが好ましい。
特定欲求用語の発生により、映像データを記録する構成とすれば、何らかのトラブルが発生した際の検証材料とすることができるし、更に、経験の浅い介護者への教育材料にも使用することができる。更にまた、特定欲求用語の発生を感知した際に、そのことを直ちに介護者へ通知する構成とすれば、介護者にBPSDの症状であることを気づかせることができ、怒りやストレスは抑えられ、結果としてトラブルへの発展を防止・抑制することもできる。
特定欲求用語に当たる言葉として、次のような言葉を挙げることができる。
介護者を侮辱するような言葉として、「バカ」、「アホ」、「のろま」、「無能」等の言葉を発することがある。また、優越的立場を利用したパワーハラスメントに該当する言葉として、「責任取れ」、「逆らうな」、「辞めろ」、「役立たず」等を挙げることができ、セクシャルハラスメントに該当する言葉として、「触らせろ」、「ブサイク」などを挙げることができる。
この特定欲求用語の発生を、トラブル等発生を感知する要素として特定の音声とするのは、介護者を被介護者やその家族等によるハラスメント行為から護るという目的がある。
従来の介護現場における見守りカメラや見守りシステムは、介護者から被介護者に対する暴言や暴力等を監視して、被介護者を保護する又は見守るという発想から導入されている。
一方で、現在の介護現場においては、被介護者やその家族等から介護者に対して、ハラスメント行為(暴言等からなるパワーハラスメントや、性的言動からなるセクシャルハラスメント等)が多く発生しており、これが介護者の精神的なストレスとなっている。このストレスは、モチベーションの喪失を招いて、離職者を多く出すという結果となることがあるし、強いストレスから攻撃的な感情となり、被介護者に対する暴言や暴力といった形で表れることもある。
従って、介護者を保護する・見守るという発想が必要であるし、これにより、介護者の離職問題を解決する一助となり、更には被介護者に対する暴言や暴力といったトラブルをも結果として防止・抑制する効果も期待できる。
本発明は、あらゆる介護現場における介護者を保護する又は見守るという観点から着想を得ている点が、新規かつ独創的であり、介護現場で働く職員の安全を確保し、安心して働き続けられる労働環境を築くための一助となること、ひいては人材の確保・定着につながることを目的としている。この特徴や目的は、特定欲求用語をトラブルの発生を予見する要素として感知する点に表れている。
上述した通り、特定欲求用語は、介護者が発する言葉である。よって、この特定欲求用語であるか否かの判断において、その音声が介護者によるものであるか否か分かれば、判定の確実性をあげることができる。
発せられた音声が、被介護者によるものであるか否かの判断は、予め被介護者の声紋を判定装置に登録してことで可能となる。
公知の事項であるが、声紋とは、音声を周波数分析した結果をソナグラムで表したものであり、個々人によって異なることが知られている。被介護者の声紋を予め登録すると共に、介護現場において発せられた音声を分析して声紋化する機能を搭載すれば、特定欲求用語の発生を確実に判定することができる。
なお、特定欲求用語に限らず、上述した禁止用語の判定においても、声紋を利用することができる。即ち、担当する介護者の声紋も予め登録しておき、介護現場において発せられた音声の声紋と比較することで、禁止用語の判定の確実性を高めることができる。
〇スピーチロック
上述した禁止用語及び特定欲求用語の他、介護現場において適切でないとされる言動であるスピーチロックも、特定の音としてトラブル等の発生を感知する要素として採用してもよい。
スピーチロックとは、言葉で身体的又は精神的な行動を抑制することをいい、介護者が被介護者に対して発する言葉である。被介護者に対する身体拘束が好ましくないことは広く知られているが、言葉によって被介護者の行動を抑制するスピーチロックも、介護現場において使用すべきでない言葉として近年では認知されている。
スピーチロックに当たる言葉として、例えば、「動いてはダメ」、「立たないで座っていて」など、被介護者の行動を抑止乃至制限する言葉が挙げられる。このような言葉は、被介護者の安全等を確保するため、時として介護者が悪意無く発することがある言葉であるが、被介護者に不快な思いをさせる場合がある。
スピーチロックに当たらないようにするため、「動いてはダメ」は「少し待っていただけませんか」、「立たないで座っていて」は「〇〇すると危ないので、座っていてもらえませんか」等の言葉に置き換えることが好ましい。
〇AIディープラーニングの利用
上述の通り、トラブル等の発生を感知する要素として、禁止用語、特定欲求用語又はスピーチロックを採用することが好ましい。
一方で、発せられた言葉が、これらの用語に該当するか否かの判定は容易ではない。発話する者によって、言葉使いやイントネーション等に違いがあり、また方言等も考慮すると、禁止用語等に該当するか否かの判定にある程度の揺らぎが必要である。この揺らぎの存在を考慮した上で、禁止用語等への該否を正確に判定するためには、AIディープラーニングの技術を利用することが好ましい。
実際の介護現場における事例等を整理にして情報を蓄積した上で、コンピューターに学習させ、禁止用語等への該否判定の精度を高めることができる。コンピューターに学習させる内容は、例えば、介護現場において実際に発せられた言葉及びその言葉の禁止用語等への該否判定結果、禁止用語等が発せられた状況、各地域における方言等が考えられる。また、上述したように、被介護者や介護者の声紋をコンピューターに登録しておけば、発話した者が被介護者また介護者のいずれかであるか、又は第三者であるかが把握することができ、これにより更に正確な該否判定が可能である。
禁止用語、特定欲求用語又はスピーチロックの具体的な内容や基準は、各介護施設、介護協会などの団体において任意に設定することができる。
任意の設定を、本発明に係る映像記録システムに反映させた上で、運用することが好ましい。
〇眼鏡型のウェアラブルデバイスの利用
次に、映像記録システム1の応用例について説明する。
映像記録システム1の全て又は一部の機能を、眼鏡型のウェアラブルデバイスGに搭載する事ができる。図6に示されるように、カメラ機能G1と、マイクロフォン機能G2を眼鏡型のウェアラブルデバイスGに搭載させれば、撮影装置2として使用することができる。介護者Zが、眼鏡型のウェアラブルデバイスGを装着することにより、介護者Zの視線・周辺の映像と音を撮影・受音する事ができ、固定型のカメラが設置されていない介護現場、例えば訪問介護や訪問看護の現場などにおいても、本発明に係る映像記録システム1を利用する事ができるという利点がある。
この眼鏡型のウェアラブルデバイスGは、カメラ機能G1、マイクロフォン機能G2、録画機能G3、通信機能G4、判定機能G5、ディスプレイ機能G6及び/又はインターカム機能G7といった各機能の全部又は一部を搭載する事ができる。心拍数計測装置3の機能を搭載できれば、なお好ましい。
ここで用いられる通信機能G4は、対象者Mである介護者Zが別途装着する心拍数計測機能付きウェアラブル端末Wと、任意の無線ネットワーク(例えば、Bluetooth(登録商標)。)を利用して情報の送受信をするための機能である。対象者Mが装着した心拍数計測機能付きウェアラブル端末Wから、同じく対象者Mが装着した眼鏡型のウェアラブルデバイスGに対して、対象者Mの心拍数が常時送信されれば、眼鏡型のウェアラブルデバイスGの判定機能G5が予め設定された心拍数の変化と判断した場合に、これをトラブルの発生として感知し、トラブル発生前後の映像データを保護することができる。
また、通信機能G4は、眼鏡型のウェアラブルデバイスGのカメラ機能G1で撮影した映像データを、他の装置に転送する目的や、トラブルの発生を感知した場合に、予め登録された要通知者に対して通知する目的等に使用する。
判定機能G5は、対象者Mが装着した心拍数計測機能付きウェアラブル端末Wから送信された心拍数を常時監視し、予め設定された心拍数の変化の該否を判断する機能である。また、特定の音声の該否についても判断する機能である。即ち、この判定機能G5によって、トラブルの発生が感知される。
本発明において用いられる眼鏡型のウェアラブルデバイスGについて、具体的構成に限定はない。眼鏡型のウェアラブルデバイスとして知られた公知公用の技術の行使を、特別の制限なく採用することができる。
次に、ディスプレイ機能G6とインターカム機能G7について説明する。
これらの機能は、見守りの対象者Mである介護者Zが、他の場所にいる介護従事者等と連絡や情報交換を行う場合に使用される機能である。特に、単独で介護にあたる介護者Zにとって、ディスプレイ機能G6とインターカム機能G7は有用である。
介護者Zは、訪問介護や夜間勤務等の場合、被介護者Yとマンツーマンでの対応を強いられ、近くにも他の介護従事者等がいない環境が少なくない。このような環境において、例えば経験の浅い介護者の場合、想定外の事態が発生して対応に苦慮するケースが多く存在する。かかる事態が発生した場合に、ディスプレイ機能G6とインターカム機能G7を使用して他の場所にいる介護従事者等と情報交換ができれば、適切な支援や助言を受けることが可能である。
前述の通り、眼鏡型のウェアラブルデバイスGは通信機能G4を有し、通信機能を有する他のコンピューターやスマートフォンなどとネットワークを介して通信することが可能である。これにより、音声による通話のみならず、映像や資料の送受信が可能であるため、例えば、訪問介護の現場の様子を映像で送信した上で、他の場所にいる介護従事者等から問題点の指摘を受け、又は助言を得ることが可能である。
ディスプレイ機能G6では、他の場所にいる介護従事者等から送信された映像データや資料を閲覧することが可能である。例えば、その場に応じた介護方法のレクチャー動画が送信され、これを閲覧しながら介護にあたることができれば、不慣れな作業や対応であっても適切に対応することができる。
また、同じ介護施設や系列の介護施設など、グループ・チームとして従事する介護者の一人にトラブルが発生し、これを心拍数の変化や特定の音声で感知した場合、そのトラブル発生時の映像が同グループ・チームに属する他の介護者のディスプレイに表示される構成を採用してもよい。これにより、同グループ・チームに属する他の介護者は、トラブルの状況を即座に把握することができ、必要に応じて応援に駆け付けることや、通信機能G4を使用して助言等をすることが可能である。
なお、この同じ介護施設や系列の介護施設などによるグループ・チームは、上述したローカル5Gによる通信ネットワークによって、常時通信可能な状態であることが好ましい。
インターカムとは、移動しているスタッフ等への一斉指令等が必要な業務において用いられる構内電話の一種であり、相互通信式構内電話と呼称されることもある。本発明に用いられるインターカム機能G7は、このインターカムと同様の機能を有し、その通信範囲を構内に限定せず、携帯電話回線等のネットワークを介して広域で使用することができる通信機能である。即ち、通信機能と通話機能(マイクロフォン機能及びスピーカー機能を少なくとも備える)を有する。
このインターカム機能G7を利用すれば、同じ介護施設や系列の介護施設などによるグループ・チームとして従事する介護者の一人にトラブルが発生した場合、同グループ・チームに属する他の介護者に対して一斉に通話によるコミュニケーションが可能である。これにより、同グループ・チームに属する他の介護者は、トラブルの状況を即座に把握することができ、必要に応じて応援に駆け付けることや、通信機能G4を使用して助言等をすることが可能である。
このインターカム機能G7は、図6に示されるように、眼鏡型ウェアラブルデバイスGのテンプル部に備えられることが好ましい。
テンプル部は、眼鏡型ウェアラブルデバイスGを装着者の耳に引掛けるための棒状の部位である。このテンプル部の一部を下方に移動させることによって、マイクロフォン部を装着者の口元に近づけることが可能な構成であることが好ましい。
インターカム機能G7を使用しないときは、テンプル部に収容することができ、介護時の動作を妨げることが無く、インターカム機能を使用するときには、マイクロフォン部を口元に近づけて装着者の発話内容を受音しやすくすることができる。なお、スピーカー部は、テンプル部のうち、装着者の耳元に近い位置に設けられることが好ましい。
眼鏡型のウェアラブルデバイスGに搭載する他の機能として、介護者Zと被介護者Yとの間に適切な距離の維持するための機能を挙げることができる。
介護者Zと被介護者Yの間におけるトラブル発生の一因として、介護時おける両者の物理的距離が近すぎる又は遠すぎることが挙げられる。両者の距離が近すぎた場合、被介護者Y(特に、認知症を患っている者。)は驚きや不快を感じることによって突如として怒りを露にすることがあり、その結果として介護者Zに対して暴言を浴びせる又は暴力をふるうことがある。両者の距離が遠すぎた場合には、被介護者Yは、丁寧に介護されていないなど不快に感じることがあり、これもまた暴言・暴力に及ぶ可能性がある。かかる問題をなくすためには、介護者Zは、被介護者Yと適切な距離を保つ必要がある。
そこで、眼鏡型のウェアラブルデバイスGが、装着者である介護者Zと、被介護者Yとの距離を測り、予め設定された適切な距離の範囲を外れた場合には、アラーム等の手段によって介護者Zへ通知する機能を搭載することが好ましい。この機能の搭載によって、介護者Zが無意識のうちに要介護者Yに近すぎた場合などに通知することができ、両者が適切な距離を維持する一助となる。
〇遠隔診療ツールとしての利用
上述の通り、被介護者Yは認知症を患っている場合が多い。一方で、認知症の疑いはあるが、医師の診断を受けていない者が多い。認知症であるか否かの診断は、医師にしかできないが、この診断を受けるためだけに受診することは、介護者不足等の問題から簡単ではない。
そこで、映像記録システム1により保存された映像データを医師に送信し、これをその医師が確認すれば、対象の被介護者Yが認知症であるか否かの診断を、遠隔診療の一環として行うことが可能である。特に、トラブル等の発生を感知して保存された映像データには、認知症に特有の言動が含まれているケースが多く、認知症の診断には好適である。
そして、診断された認知症の種類によって、その後の生活の注意点や治療の方法が違ってくることも重要なポイントである。例えば、アルツハイマーの場合には、目では見えているのに脳では認識できないこと、即ち「空間失認」が特徴であり、そのことを介護者が把握していれば、より質の高い介護を提供でき、認知症である被介護者の暴言、暴力も軽減できる可能性がある。
トラブル時の保護された映像をデータベース化し、認知症専門医、国レベルの認知症研究機関と連携することで、より詳細に認知症診断基準の策定及び認知症治療薬の開発等に有効活用することが可能である。
また、上述した眼鏡型ウェアラブルデバイスGを利用した映像記録システム1であれば、被介護者Yの様子を至近距離から撮影可能であり、この映像データと共に、被介護者Yのバイタルデータ等を送信すれば、より多くの情報を医師に送ることができるので、遠隔診療として好適である。
更にまた、医師側から、介護者Zに対して、インターカム機能G7等を使用し撮影が必要な箇所などを指示することもできるので、遠隔診療に用いられるツールとして有用である。
〇誤嚥防止手段としての利用
上述のように、映像記録システム1を眼鏡型のウェアラブルデバイスGに搭載すれば、被介護者Yの様子を介護者Zの視線で撮影できるため、これを様々な目的に応用する事ができる。
その一例として、居室や食堂での食事介助の際における誤嚥等の防止機能を挙げる事ができる。
被介護者Yは、加齢等による器質的又は機能的要因によって、口に入れた食料や飲料を飲み込んで胃へ送る行為、すなわち嚥下が上手くできない場合が多く、これを嚥下障害という。この嚥下障害により、食物を喉に詰まらすことによる窒息や、誤嚥により発症する誤嚥性肺炎など、命を脅かす事態になることも少なくない。介護者Zは、被介護者Yが誤嚥等を起こさぬように、食事介助の際には細心の注意を払う必要がある。
厚生労働省が発表した「人口動態統計月報年計(概数)」によれば、誤嚥性肺炎が原因による死亡者数は2018年で38,462人である。70歳以上の肺炎患者のうち、7割以上の患者は誤嚥性肺炎であり、特に高齢者にとって身近な病気であることがわかる。
今後、誤嚥性肺炎による死亡者は増加することが見込まれており、2030年には男性約7万人、女性約5万人、合計約12万人まで上昇すると予測されている。
これらの統計データや予測からも、介護現場における誤嚥予防対策の重要性が窺い知れる。
しかし、特に経験の浅い介護者Zにあっては、被介護者Yの嚥下機能や体調等を考慮した食事介助を適切に行うことは困難である。
もし、映像記録システム1を利用して、適切な食事介助を支援できれば、誤嚥等によるトラブルを回避できて有意である。
本発明では、誤嚥の発生を防止乃至抑制する手段として、食事の際の被介護者Yの姿勢に着目をした。すなわち、図7(a)に示されるように、被介護者Yが背筋を伸ばし、骨盤を立たせた状態で食事をすれば。誤嚥を生ずるリスクは小さいことが知られている。一方、図7(b)に示されるように、被介護者Yが背中を丸めて、骨盤が立っていない状態で食事をすると、誤嚥を生ずるリスクが大きくなることが知られている。本発明では、この食事の際の姿勢に着目をして、誤嚥を防止乃至抑制する手段を採用した。
介護者Zが、カメラ機能G1を有する眼鏡型のウェアラブルデバイスGを装着して食事介助を行えば、被介護者Yが食事を採る際の姿勢を撮影することができる。この撮影した映像データをリアルタイムで分析し、被介護者Yの背筋が伸びていないこと、骨盤が立っていないことを感知した場合に、その旨を介護者Zに通知する。この通知を受けた介護者Zは、被介護者Zの姿勢を正すよう促す事ができるので、正しい姿勢で食事を採る事ができる。
上述した映像データの分析において、具体的には、被介護者Yの頭部の位置(ポジション)を把握して、正しい姿勢で食事を採っているか判断することが好ましい。図7(a)に示されるように、被介護者Yの頭部が、胴部の真上に位置していれば正しい姿勢であると判定する事ができ、図7(b)に示されるように、被介護者Yの頭部が、胴部の真上より前方等他の方向に突き出ていれば、正しい姿勢ではないと判定する事ができる。
このように、被介護者Yの頭部の位置で誤嚥等のリスクを判定できれば、高度な画像解析等を利用しなくてもよく、低コストで誤嚥防止機能を有する映像記録システム1を提供する事ができる。
〇他のセンサーとの連動
本発明に係る映像記録システム1は、介護現場において設置される他のセンサー等と連携することにより、被介護者の体調変化や健康面でのトラブルを迅速に察知して、より適切な対応を取ることができる。
例えば、被介護者Yの居室Rに設置される事がある赤外線センサー、マットセンサー、マイクロ波センサー、バイタルデータ測定機器、ナースコール等から得られる情報を、映像記録システム1から得られる情報に加えることができれば、介護現場において想定されるあらゆるトラブルを確実に感知することができる。
上述した眼鏡型のウェアラブルデバイスGの応用例を利用すれば、映像記録システム1の他、他のセンサー等から得られた情報を、ネットワークNを介して通知する事ができ、これを装着した介護者Zにトラブル等の発生を迅速に知らせる事ができる。介護者Zは、通知された情報を眼鏡型のウェアラブルデバイスGに映し出された表示により目視できる。この様に、手を使わずに情報を受信して確認する事ができるので、他の介護に当たっている場合において特に利便性が高い。
〇研究材料の収集
本発明に係る映像記録システム1は、介護に関する研究資料の収集手段としても有用である。
映像記録システム1を使用すれば、介護現場においてトラブルが発生する度に、トラブル発生前後の映像が保存されるので、これらの映像データを蓄積することができる。これらの映像データを利用して、トラブル発生の原因やトラブルが発生しやすい状況の把握、トラブルが発生しやすい対応の傾向、トラブルの解決策、トラブルを回避する方策などを研究することができる。
現状として、介護現場のトラブル解決策やトラブル回避策は、それぞれの介護施設や介護者によるノウハウに頼るところが多く、これらのノウハウを全国の介護現場にて共有できていない。よって、介護施設や介護者により、トラブルの解決策や回避策に対する理解や対応力にレベル差が生じている。
本発明に係る映像記録システム1によって蓄積された映像データを利用して、トラブルの解決策や回避策について研究され、これが全国の介護現場に対して公開されば、介護現場におけるトラブルを全国的に減少させることができる。
〇介護記録としての利用
映像記録システム1により保存された映像データは、介護記録として利用することができる。
その日の勤務の終了時に、映像データを見直して介護記録を作成すれば、正確な記録が可能である。そして、業務の引継等の申し送りの作業を軽減できる。また、映像データ自体を介護記録として保存しておき、後になってトラブルや発病などが発覚した際に、映像を見直して検証することに利用することができる。
〇新人介護士等への指導手段としての利用
映像記録システム1により保存された映像データは、介護者の研修や指導等の教材として見える化、可視化することができ、情報を共有して利用することができる。
保存された映像データは、介護現場において発生したトラブルを映像として記録したものであり、例えば、新人や経験の浅い介護者に対して、これらの事例を示した上で、対処方法を指導するための教材として利用することができる。
本明細書において説明した各機能や利用例・応用例等については、2以上の機能や利用例・応用例を特別の制限なく組み合わせて利用することができる。
1 映像記録システム
2 撮影装置
21 カメラ機能
22 マイクロフォン機能
23 録画機能
24 通信機能
25 音声判定機能
3 心拍数計測装置

C コンピューター
S 携帯情報端末
G 眼鏡型のウェアラブルデバイス
G1 カメラ機能
G2 マイクロフォン機能
G3 録画機能
G4 通信機能
G5 判定機能(心拍数・音声)
G6 ディスプレイ機能
G7 インターカム機能
W 心拍数計測機能付きウェアラブル端末
N ネットワーク(有線・無線)

M 見守りの対象者
Y 被介護者
Z 介護者
R 居室

Claims (14)

  1. 撮影した映像が常時記録され、古い映像データに新しい映像データが順次上書き保存される循環録画システムが採用され、対象者を見守ることを目的とした映像記録システムにおいて、
    トラブルの発生を感知した場合、そのトラブルの発生前後における所定時間の映像データが選択され、上書きによって削除されないように保護される構成であって、
    前記トラブル発生の感知手段が、対象者の心拍数の変化であることを特徴とする映像記録システム。
  2. 対象者の心拍数が、対象者が装着した心拍数計測機能付きウェアラブル端末によって常時計測され、この情報が映像記録システムに送信されることを特徴とする請求項1に記載の映像記録システム。
  3. 対象者の心拍数が、急激な上昇又は下降を計測した場合に感知され、
    対象者の通常の心拍数を基準として、予め設定された上昇率又は下降率を超えた場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像記録システム。
  4. 対象者の脈拍が、頻脈又は徐脈の状態を計測した場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の映像記録システム。
  5. 対象者の心臓の状態が、心電図機能付きウェアラブル端末によって常時観察され、心房細動の症状がみられた場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の映像記録システム。
  6. トラブル発生の感知手段が、対象者の心拍数の変化及び血圧の変化であり、
    対象者の血圧が、急激な上昇又は下降を計測した場合に感知され、
    対象者の通常の血圧を基準として、予め設定された上昇率又は下降率を超えた場合に感知される構成であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の映像記録システム。
  7. ドライビングレコーダーとして用いられる映像記録システムであって、
    ドライビングレコーダーが装着された車両の運転者の心拍数が常時計測され、心拍数の変化が、トラブルが発生したものとして感知される構成であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の映像記録システム。
  8. トラブルの発生が感知された場合に、運転者に通知される構成であることを特徴とする請求項7に記載の映像記録システム。
  9. トラブルの発生が感知された場合に、対象者が運転する車両を徐行又は停止させる構成であることを特徴とする請求項7又は8に記載の映像記録システム。
  10. 介護現場において用いられる映像記録システムであって、
    トラブルの発生が、特定の音声を検出した場合に感知される構成であり、
    前記特定の音声が、介護現場において発してはならないとして規定された禁止用語であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の映像記録システム。
  11. 特定の音声が、被介護者が自己の欲求又は欲望を伝える用語として介護現場において規定された特定欲求用語であることを特徴とする請求項10に記載の映像記録システム。
  12. 見守りの対象者が介護者であり、
    被介護者によるハラスメント行為を感知して記録することにより、介護者の保護を目的とする構成であることを特徴とする請求項10又は11に記載の映像記録システム。
  13. 映像を撮影するカメラ機能と、周囲の音を受音・集音するマイクロフォン機能とが搭載された眼鏡型のウェアラブルデバイスによって映像が撮影され、
    前記眼鏡型のウェアラブルデバイスが、映像及び音を記録する録画機能、又は、映像に記録された音が、特定の音声であるかを判定する判定機能のいずれか一方又は両方を有するコンピューターと、ネットワークを介して接続された構成であることを特徴とする請求項10~12のいずれかに記載の映像記録システム。
  14. 眼鏡型ウェアラブルデバイスが、ネットワークを介した音声通話が可能なインターカム機能と、ネットワークを介して受信した映像を表示するディスプレイ機能とを有し、
    前記眼鏡型ウェアラブルデバイスを装着した介護者と、ネットワークで接続された他の者との間で、音声及び画像からなる情報伝達が可能な構成であることを特徴とする請求項13に記載の映像記録システム。


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