JP2023067335A - フィルタエレメント - Google Patents

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悠樹 古田
Yuki Furuta
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Abstract

【課題】インナー支持部材の外周部において濾材に囲まれない空間を設けることが可能な、流体濾過装置に用いられるフィルタエレメントを提供する。【解決手段】フィルタエレメント30は、略円筒状の支持枠を備えたインナー支持部材と、支持枠の外周を覆って取り付けられた濾材33と、インナー支持部材の上端に濾材の上端を覆って取り付けられた上エンドプレート部材31と、インナー支持部材の下端に濾材の下端を覆って取り付けられた下エンドプレート部材32とを有する。インナー支持部材は支持枠から径方向外方に延びる左右一対の側壁38a,38bを有し、これらの内周端が底壁38cにより繋がっており、これら側壁および底壁により囲まれて外周側に開放された外周開放空間が形成される。濾材の両端がそれぞれ左右一対の側壁に接合して設けられ、濾材は前記左右一対の側壁の開放空間が形成される箇所を除いて支持枠の外周を覆って取り付けられる。【選択図】図4

Description

本発明は、流体中のごみ、塵などの異物を濾過する流体濾過装置に用いられるフィルタエレメントに関する。
流体中のごみ、塵などの異物を濾過する流体濾過装置は従来から広く用いられているが、濾過対象流体の種類によっては、濾過装置内の流体が低温下で凍結し、体積膨張が生じて濾過装置に損傷を与えるという問題があることが知られている。例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物を浄化する尿素SCRシステムにおいて、尿素水溶液を尿素水噴射装置により排気ガス中に噴射する前に、尿素水溶液中のごみ、塵などを濾過する尿素水溶液濾過装置において、低温下で尿素水溶液が凍結して尿素水溶液濾過装置に損傷を与えるという問題がある。
このような問題に対処するため、特許文献1に開示されているように、フィルタ筐体内にガス封入により収縮可能となる要素を配置した液体フィルタ装置がある。この液体フィルタ装置によれば、濾過筐体内で流体の凍結が発生して体積膨張が生じたとき、この体積膨張による圧力に応じて収縮可能要素が収縮し、フィルタ装置の損傷を防止するようになっている。また、特許文献2に開示されているように、フィルタエレメントを、環状フィルタ体およびこれにより包囲される支持体から構成し、支持体の素材をエラストマーとした液体フィルタ装置もある。この液体フィルタ装置においては、濾過対象となる尿素水溶液の凍結時に、エラストマーからなる支持体が内側に変形するようにして、フィルタ装置の損傷を防止するようになっている。
特表2013-510712号公報 特開2010-214367号公報
上述した特許文献1や、特許文献2に開示の液体フィルタ装置によれば、濾過対象となる液体(例えば、尿素水溶液)が凍結して体積膨張が生じたとしても、フィルタの損傷を防止できる。しかし、特許文献1のフィルタ装置ではフィルタ筐体内にガス封入により収縮可能となる要素を配置する必要がある。また、特許文献2のフィルタ装置では、環状フィルタ体により包囲される支持体の素材をエラストマーとする必要がある。このため、フィルタ装置の構成を複雑化したり、コストが増加したりするという問題がある。
このようなことから本出願人は、追加的な装置、機構を必要とせず、従来用いられている流体濾過装置の構成を流用でき、内部流体が凍結して体積膨張が生じたときにこれを吸収して装置の損傷を防止できる構成の流体濾過装置を考えている。このとき、流体濾過装置に用いられるフィルタエレメントに、従来のように折曲された濾材をインナー支持部材に円筒状に巻き付けた構成としたままでは、所望の要求を満たすことができない場合があることが判明した。具体的には、濾材の外周側空間、インナー支持部材の内部空間(濾材の内周側空間)を、濾材を介することなく連通させることが求められる場合があることが判明した。
また、流体濾過装置は一般的に、折曲された濾材をインナー支持部材に円筒状に巻き付
けた構成のフィルタエレメントを用いる構成であり、インナー支持部材の外周が濾材により覆われるが、インナー支持部材の外周部において濾材に囲まれない空間を設けたいという要求もある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、折曲された濾材をインナー支持部材に円筒状に巻き付けた構成のフィルタエレメントとしつつ、インナー支持部材の外周部において濾材に囲まれない空間を設けることが可能な構成のフィルタエレメントを提供することを目的とする。本発明はさらに、濾材の外周側空間と、インナー支持部材の内部空間(濾材の内周側空間)とを濾材を介することなく連通させることが可能な構成のフィルタエレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るフィルタエレメントは、略円筒状の支持枠を備えたインナー支持部材と、前記支持枠の外周を覆って取り付けられた濾材と、前記インナー支持部材の上端に前記濾材の上端を覆って取り付けられた上エンドプレート部材と、前記インナー支持部材の下端に前記濾材の下端を覆って取り付けられた下エンドプレート部材とを有して構成される。そして、前記インナー支持部材は前記支持枠から径方向外方に延びる左右一対の側壁(例えば、実施形態における左右壁38a、38b)を有し、前記左右一対の側壁の内周端が底壁(例えば、実施形態における底面壁38c)により繋がっており、前記左右一対の側壁および前記底壁により囲まれて外周側に開放された外周開放空間(例えば、実施形態におけるくさび状凹部空間38d)が形成され、前記濾材の両端がそれぞれ前記左右一対の側壁に接合して設けられ、前記濾材は前記左右一対の側壁の前記開放空間が形成される箇所(例えば、実施形態におけるくさび状凹部空間形成部38)を除いて前記支持枠の外周を覆って取り付けられる。
上記のフィルタエレメントにおいて、好ましくは、前記濾材は帯状の濾紙を折曲して形成されており、前記濾材の一端側の折曲面が前記左右一対の側壁の一方に接合され、前記濾材の他端側の折曲面が前記左右一対の側壁の他方に接合される。
上記のフィルタエレメントにおいて、好ましくは、前記濾材の一端側の折曲面と前記左右一対の側壁の一方との接合および前記濾材の他端側の折曲面と前記左右一対の側壁の他方との接合が超音波溶着接合により行われる。
上記のフィルタエレメントにおいて、好ましくは、前記濾材が熱溶融する樹脂繊維を含み、前記左右一対の側壁が樹脂材料により作られており、前記超音波溶着接合が前記樹脂繊維および前記樹脂材料を溶融させて熱溶着させる接合である。
上記のフィルタエレメントにおいて、好ましくは、前記上エンドプレートに連通開口(例えば、実施形態の上エンドプレート31に形成された開口31b)が形成され、前記インナー支持部材の前記支持枠の内部に、前記連通開口と連通して下方に延びる凹部空間を形成する凹部空間形成部材(例えば、実施形態の出口空間形成部材37)が設けられ、前記凹部空間形成部材の壁の一部が前記底壁と重なって形成されており、前記凹部空間形成部材の壁の一部と前記底壁とが重なる部分に、前記凹部空間と前記外周開放空間とを連通させる連通孔(例えば、実施形態の連通小孔39)が形成されている。
本発明に係るフィルタエレメントによれば、前記左右一対の側壁および前記底壁により囲まれて外周側に開放された外周開放空間が形成され、前記濾材の両端がそれぞれ前記左右一対の側壁に接合して設けられ、前記濾材は前記左右一対の側壁の前記開放空間が形成される箇所を除いて前記支持枠の外周を覆って取り付けられるので、前記開放空間を濾材
に邪魔されることなく有効活用できる。また、前記開放空間が形成される箇所において、濾材に邪魔されることなく、濾材より外周側の空間と濾材より内周側の空間を簡単に連通させることが可能となる。
本発明に係るフィルタエレメントを有する尿素水溶液濾過装置10を用いた尿素SCRシステムの構成を示す概略図である。 上記尿素水溶液濾過装置を示す縦断面図である。 上記尿素水溶液濾過装置を示す横断面図である。 上記尿素水溶液濾過装置に用いるフィルタエレメントを示す斜視図である。 上記フィルタエレメントにおいてインナー支持部材およびその外周に取り付けられた濾材を示す斜視図である。 インナー支持部材およびその外周に取り付けられた濾材を示す底面図である。 インナー支持部材を示す斜視図である。 インナー支持部材に濾材を接合する方法を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係るフィルタエレメントを有する尿素水溶液濾過装置10を用いた尿素SCRシステムの概略構成について、図1を参照して説明する。このシステムは、ディーゼルエンジン1の排気管2に繋がる排気通路2a内に設けられた尿素SCR触媒装置3に、尿素水溶液を供給して排気中の窒素酸化物を浄化するものである。浄化された排気は排出管2bから大気放出される。尿素SCRシステムは、尿素水溶液を貯留する尿素水溶液貯留タンク5と、尿素水溶液貯留タンク5から導入配管7、8を介して尿素水溶液を吸込み、噴射供給配管9を介して尿素SCR触媒装置3に尿素水溶液を噴射する尿素水溶液噴射装置6を備える。このとき、尿素水溶液中のごみ、塵を浄化するために尿素水溶液濾過装置10が、導入配管7、8の間に設けられている。
尿素水溶液濾過装置10は、図2および図3に示すように、下ハウジング11および上ハウジング15により囲まれた内部空間20内にフィルタエレメント30を交換可能に配設して構成される。下ハウジング11は入口部11aを介して導入配管7と繋がり、導入配管7の導入路7aを通って尿素タンク5内に貯留された尿素水溶液を内部空間20に導入する。上ハウジングは出口部15aを介して導入配管8と繋がり、導入配管8の導入路8aに濾過された尿素水溶液を送り出す。下ハウジング11および上ハウジング15は、下ハウジングフランジ部11bと上ハウジングフランジ部15bが嵌合してシールリング12により内部空間20を気密保持する。なお、下ハウジング11は左右に取り付けフランジ部13、13を備えており、所定の取付位置に尿素水溶液濾過装置10を固定することができる。
フィルタエレメント30は、図4にも示すように、円盤状の上エンドプレート31と、円盤状の下エンドプレート32と、上および下エンドプレート31、32に挟まれて設けられた上下に延びる略円筒状のインナー支持部材35と、インナー支持部材35の外周側に蛇腹状に折曲された状態で巻き付けられた濾材33とを有して構成される。フィルタエレメント30が内部空間20内に配設された状態で、下エンドプレート32は下ハウジング11の内周に嵌合保持され、上エンドプレート31はその上面に設けられた係止突起31aを介して上ハウジング15の上部内面に固定される。このようにして内部空間20内にフィルタエレメント30が取り付けられる。この状態で、下エンドプレート32は下ハウジング11の内周に嵌合するとともにシール32aにより密封し、内部空間20の一部としての第1内部空間21を形成する。第1内部空間21は入口部11aを介して導入配
管7と繋がり、導入配管7の導入路7aを通って尿素水溶液が第1内部空間21に導入される。なお、第1内部空間21の下側部にヒーター50が設けられるが、これについては後述する。
インナー支持部材35は、図7に示すように、略円筒状の支持枠36と、この支持枠の一部をくさび状に仕切って形成されたくさび状凹部空間形成部38とを有する。支持枠36は、上下端に位置するリング状の支持枠36a、36aと、中間に位置する複数のリング状の中間枠36bと、上下に延びて上下の支持枠36a、36aと複数の中間枠36bとを繋ぐ複数の縦枠36cとを有し、円筒枠状に形成されている。上部の支持枠36aの内周には支持フランジ37aを介して繋がった円筒状の出口空間形成部材37が支持枠36の内部に延びて設けられている。出口空間形成部材37は上方に開口した円筒中空容器状の部材であり、支持フランジ37aの中央の開口に繋がって上端が開口する。くさび状凹部形成部38は、出口空間形成部材37の外周面と繋がる上下に延びた底面壁38cと、底面壁38cから径方向外側に拡がるとともに上下に延びる左右壁38a、38bとを有し、これら左右壁38a、38bおよび底面壁38cに囲まれて外周側に開放したくさび状凹部空間38dが形成される。なお、図2、図4に示すように、底面壁38の下部に連通小孔39が形成されており、連通小孔39を介して出口空間形成部材37の内部空間とくさび状凹部空間38dが連通する。
インナー支持部材35の略円筒状の支持枠36の外周に、蛇腹状に折曲された濾材33が、図5(および底面から見た形状を示す図6)に示すように巻き付けられて取り付けられている。このとき、濾材33の一端側折曲面33aが右壁38aの外側壁面に溶着接合され、他端側折曲面33bが左壁38bの外側壁面に溶着接合される。この溶着接合は、図8に示すように、超音波溶着工具60(溶着用ホーン61および超音波溶着用受け治具62からなる)を用いて行われる。例えば、図8に示すように、右壁38aの内面に超音波溶着用受け治具62を当て、右壁38aの外面に濾材33の端部折曲面33aを当てるとともに溶着用ホーン61を押しつけ、超音波溶着用受け治具62と溶着用ホーン61とにより右壁38aおよび濾材33の端部折曲面33aを挟持する。この状態で溶着用ホーン61から超音波を加え、右壁38aの外面に濾材33の端部折曲面33aを熱溶着させる。右壁38a(インナー支持部材35)は樹脂製であり、濾材33を形成する樹脂繊維と熱溶着される。この溶着は、左壁38bと濾材33の他端についても同様に行われ、その結果、図5、図6に示すように、インナー支持部材35の略円筒状の支持枠36の外周に、蛇腹状に折曲された濾材33が巻き付けられて取り付けられる。なお、熱溶着に代えて、接着など他の方法での接合を行っても良い。
このようにしてインナー支持部材35の支持枠36の外周に濾材33を巻き付けて図5、図6に示す状態とした後、インナー支持部材35および濾材33の上端を覆って上エンドプレート31を取り付け、下端を覆って下エンドプレートを取り付ける。これにより、図4に示すフィルタエレメント30が作られる。上エンドプレート31には開口31bが形成されており、この開口31bを介して、インナー支持部材35の出口空間形成部材37の内部空間が外部と連通する。下エンドプレート32にも開口32bが形成されており、この開口32bを介して第1内部空間21がインナー支持部材35の内部と連通する。なお、このフィルタエレメント30は、下および上ハウジング11、15の内部空間20内に上述したように装着される。
ここで図2に戻って説明を続ける。下ハウジング11の内部空間下部にヒーター50が装着される。ヒーター50は、上カバー51が下ハウジング11の内周面に嵌合して取り付けられており、シール52a、52bにより液密状態となった配設空間55が形成される。この配設空間55に繋がって、エンジン冷却水入口53および出口54が設けられており、エンジン冷却水が冷却水入口53から内部空間55に導入され、内部空間55から
冷却水出口54を通って排出される。これにより、エンジン冷却水の熱が上カバー51を介して第1内部空間21内の尿素水溶液に伝えられ、低温環境下において濾過対象となる尿素水溶液を暖める。なお、シール52aは内部空間20と外部との液密性を保つためのものであり、シール52bはヒーター50の内部空間と外部との液密性を保つためのものである。このため、いずれかのシールに不具合が生じても、尿素水溶液とエンジン冷却水とが混ざり合うことがない。
一方、上ハウジング内部には、エア抜き装置40が設けられている。エア抜き装置40は、内部空間20と出口部15aの内部通路とを繋ぐ小孔からなるエア抜き孔41と、フロート42とからなる。フロート42は尿素水溶液中では浮かび上がる比重を有し、内部空間20内に尿素水溶液が充満してフロートが浮かぶとエア抜き孔41を塞ぐ。尿素水溶液に混入している泡(エア)が内部空間20の上部に溜まると、空気層空間24aが形成される。この空気層空間24aより下側の尿素水溶液の水面24c(図2で二点鎖線で示す)がフロート42を浮かばせる位置より上昇すると、フロート42がエア抜き孔41を塞ぐため、尿素水溶液に混入している泡(エア)が内部空間20の上部に溜まる。これにより空気層空間24aが大きくなり、尿素水溶液の水面24cが下がるとフロート42の位置を下げ、エア抜き孔41が開放されて空気層空間24a内のエアが出口部15aに排出される。このようにエア抜き装置40は、内部空間20内に空気層空間24aを形成させるとともに尿素水溶液の水面24cの位置を所定位置に設定して、空気層空間24aの大きさを所定の大きさに保持する。
上ハウジング15の上内部には、出口部15aの内部通路に繋がって下方に突出する吸込みパイプ16を取り付けている。この吸込みパイプ16は、図2に示すように、内部空間20内に装着されたフィルタエレメント30の上エンドプレート31の開口31bを通ってインナー支持部材35の出口空間形成部材37の内部空間内に突出する。
以上のように構成された図2に示す尿素水溶液濾過装置10において、内部空間20は、フィルタエレメント30により複数の内部空間に区分けされるので、これについて説明する。まず前述したように、下エンドプレート32より下側に第1内部空間21が形成され、ここに導入配管7から尿素水溶液が送り込まれる。下エンドプレート32には開口32bが形成されており、第1内部空間21は、インナー支持部材35の外周に取り付けられた濾材33に囲まれた内部空間(これを第2内部空間22と称する)に繋がり、尿素水溶液は第2内部空間22内にそのまま送られる。なお、インナー支持部材35の支持枠36内の空間内に出口空間形成部材37が突出するが、この内部空間は第2内部空間22とは遮断されている。同様に、くさび状凹部空間形成部38のくさび状凹部空間38dも第2内部空間22から遮断されている。
フィルタエレメント30の濾材33の外周側の空間(これを第3内部空間23と称する)には、濾材33を通過して濾過された尿素水溶液が流れ込む。第3内部空間23はフィルタエレメント30の外周に位置する空間であり、くさび状凹部空間形成部38のくさび状凹部空間38dは第3内部空間23と連通しており、第3内部空間23の一部となる。この第3内部空間23は上ハウジング15の内部空間(これを第4内部空間24と称する)と連通している。上述のように第4内部空間24内に空気層空間24aが形成されるため、第4内部空間24は空気層空間24aおよび尿素水溶液充填空間24bに区分けされ、その境界面24cが尿素水溶液の水面となる。
第4内部空間24はさらに、フィルタエレメント30の上エンドプレート31の開口31bを介してインナー支持部材35の出口空間形成部材37の内部空間(これを第5内部空間25と称する)と連通する。第5内部空間25には、上述したように、吸込みパイプ16が上方から突出しており、第5内部空間25は吸込みパイプ16の内部通路空間(こ
れを第6内部空間26と称する)と連通する。第6内部空間26は、出口部15aの内部通路(これを第7内部空間27と称する)と繋がる。
以上のように構成された尿素水溶液濾過装置10による尿素水溶液の濾過について説明する。尿素水溶液噴射装置6により尿素水溶液貯留タンク5から吸引される尿素水溶液(これは濾過前の状態であるため、一次尿素水溶液と称する)は導入配管7から入口部11aを通って第1内部空間21内に流入する。一次尿素水溶液はさらに、第1内部空間21から開口32bを通って第2内部空間22内に流入し、濾材33を通過して濾過された後、第3内部空間23内に流入する。このようにして濾過された尿素水溶液を二次尿素水溶液と称する。第3内部空間23内に入り込んだ二次尿素水溶液は、フィルタエレメント30の外周から上方に向かって第4内部空間24に送られる。第4内部空間24は最も上方に位置する空間であり、尿素水溶液中に含まれる泡(エア)が集まるなどして上部に空気層が形成される。この空気層の大きさは上述したようにエア抜き装置40により調整されて図2に二点鎖線で示す境界面24cが設定される。
第4内部空間24内の二次尿素水溶液は、上エンドプレート31の開口31bを介してインナー支持部材35の出口空間形成部材37の内部空間である第5内部空間25内に流入する。そして、第5内部空間25から吸込みパイプ16の内部通路空間である第6内部空間26を通るとともに、出口部15aの内部通路である第7内部空間27を通り、導入配管8に送り出される。この場合において、吸込みパイプ16は第5空間25内において上方から下方に向かって突出し、下端開口が第5空間25の下部に位置するため、空気層空間24a内のエアを吸い込むことが無い構成となっている。
以上のように構成された尿素水溶液濾過装置10を備えた尿素SCRシステムは、ディーゼルエンジンが用いられる車両などに搭載されるものであり、この車両が寒冷地で使用されることがある。寒冷地での使用に際しては、尿素水溶液が凍結するという問題があるが、この尿素水溶液濾過装置10では凍結対策を施している。すなわち、第4内部空間24に空気層空間24aを形成するようにしており、内部空間20内の尿素水溶液が凍結して体積膨張が生じても空気層空間24a内のエアが圧縮されて収縮することにより内部圧力の増加を防止する。これにより、内部部材の損傷を効率的に防止できる。
なお、エア抜き装置40において、エア抜き孔41を介して第4内部空間24の空気層空間24a内のエアを第7内部空間27に流出させる構成であり、このとき第4内部空間24内の尿素水溶液も若干流出するが、第4内部空間24内には濾過されて清浄化された二次尿素水溶液があるので、この流出があっても問題を生じることがない。
図1を用いて説明した尿素SCRシステムにおいて、低温時の尿素水溶液の凍結防止対策の一環として、エンジン停止時に尿素水溶液噴射装置6により尿素水を逆流させてシステム内部の尿素水溶液を尿素水溶液貯留タンク5に回収するようになっている。このとき、第5内部空間25は出口空間形成部材37の内部空間であり、上端が開口した容器状の空間であるため、第5内部空間25の下部に尿素水溶液が残留するおそれがある。そこで、上述したように、底面壁38の下部に連通小孔39を形成し、連通小孔39を介して出口空間形成部材37の内部空間とくさび状凹部空間38dを連通させている。これにより、第5内部空間25の内部の尿素水溶液は連通小孔39を通ってくさび状凹部空間38dに流出するため、第5内部空間25の下部に尿素水溶液が残留するという問題を解消している。なお、この連通小孔39の大きさは、第5内部空間25の内部に残留した尿素水溶液をくさび状凹部空間38dに流出させるために必要最小限の大きさに抑え、尿素SCRシステム使用時において、くさび状凹部空間38dから連通小孔39を通って第5内部空間25の内部に直接流入する二次尿素水溶液の量を抑えている。これにより、濾過された二次尿素水溶液が第3内部空間23から上方の第4内部空間24に流れた後、第5内部空
間に流れるという流れを確保している。
以上、本発明を適用する実施形態の一例としての尿素水溶液濾過装置10を説明したが、本発明に係る流体濾過装置はこれに限られるものではない。例えば、濾過対象となる流体は尿素水溶液に限られるものでは無く、水を含む種々の流体、特に低温時に凍結するという問題がある流体を対象とする濾過装置に適用される。また、フィルタエレメントのインナー支持部材に設けられるくさび状凹部形成部材38は、このような形状に限られず、断面扇形に拡がるくさび状凹部空間を形成するような種々の形状であっても良い。例えば、半円筒状の凹部空間を形成するようなものであっても良い。また、上記実施形態においては、底面壁38の下部に連通小孔39を形成し、連通小孔39を介して出口空間形成部材37の内部空間とくさび状凹部空間38dを連通させているが、この連通小孔39を設けない構成としてくさび状凹部空間(開放空間)を濾材に邪魔されることなく有効活用できるようにしても良い。
10 尿素水溶液濾過装置 11 下ハウジング
15 上ハウジング 20 内部空間
21~27 第1~第7内部空間 30 フィルタエレメント
31 上エンドプレート 32 下エンドプレート
33 濾材 35 インナー支持部材
36 支持枠 37 出口空間形成部材
38 くさび状凹部形成部材 40 エア抜き装置
41 エア抜き孔 42 フロート
50 ヒーター 51 上カバー
60 超音波溶着工具

Claims (5)

  1. 略円筒状の支持枠を備えたインナー支持部材と、前記支持枠の外周を覆って取り付けられた濾材と、前記インナー支持部材の上端に前記濾材の上端を覆って取り付けられた上エンドプレート部材と、前記インナー支持部材の下端に前記濾材の下端を覆って取り付けられた下エンドプレート部材とを有して構成され、
    前記インナー支持部材は前記支持枠から径方向外方に延びる左右一対の側壁を有し、前記左右一対の側壁の内周端が底壁により繋がっており、前記左右一対の側壁および前記底壁により囲まれて外周側に開放された外周開放空間が形成され、
    前記濾材の両端がそれぞれ前記左右一対の側壁に接合して設けられ、前記濾材は前記左右一対の側壁の前記開放空間が形成される箇所を除いて前記支持枠の外周を覆って取り付けられることを特徴とするフィルタエレメント。
  2. 前記濾材は帯状の濾紙を折曲して形成されており、前記濾材の一端側の折曲面が前記左右一対の側壁の一方に接合され、前記濾材の他端側の折曲面が前記左右一対の側壁の他方に接合されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント。
  3. 前記濾材の一端側の折曲面と前記左右一対の側壁の一方との接合および前記濾材の他端側の折曲面と前記左右一対の側壁の他方との接合が超音波溶着接合により行われることを特徴とする請求項2に記載のフィルタエレメント。
  4. 前記濾材が熱溶融する樹脂繊維を含み、前記左右一対の側壁が樹脂材料により作られており、前記超音波溶着接合が前記樹脂繊維および前記樹脂材料を溶融させて熱溶着させる接合であることを特徴とする請求項3に記載のフィルタエレメント。
  5. 前記上エンドプレートに連通開口が形成され、前記インナー支持部材の前記支持枠の内部に、前記連通開口と連通して下方に延びる凹部空間を形成する凹部空間形成部材が設けられ、前記凹部空間形成部材の壁の一部が前記底壁と重なって形成されており、
    前記凹部空間形成部材の壁の一部と前記底壁とが重なる部分に、前記凹部空間と前記外周開放空間とを連通させる連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のフィルタエレメント。
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