JP2023067127A - 光信号処理装置 - Google Patents

光信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023067127A
JP2023067127A JP2021178125A JP2021178125A JP2023067127A JP 2023067127 A JP2023067127 A JP 2023067127A JP 2021178125 A JP2021178125 A JP 2021178125A JP 2021178125 A JP2021178125 A JP 2021178125A JP 2023067127 A JP2023067127 A JP 2023067127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
port
ports
optical signal
wavelength selective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021178125A
Other languages
English (en)
Inventor
賢哉 鈴木
Masaya Suzuki
恒一 葉玉
Koichi Hadama
慶太 山口
Keita Yamaguchi
光師 福徳
Mitsunori Fukutoku
智之 山田
Tomoyuki Yamada
大輔 小川
Daisuke Ogawa
諒 竹下
Ryo Takeshita
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Electronics Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
NTT Electronics Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Electronics Corp, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical NTT Electronics Corp
Priority to JP2021178125A priority Critical patent/JP2023067127A/ja
Publication of JP2023067127A publication Critical patent/JP2023067127A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】光信号のノードを波長ごとに切り替える素子の設置台数を低減し、低コスト、かつ素子の大規模化を防ぐことに有利な光信号処理装置を提供する。【解決手段】N個のポートP1と、M個のクロスコネクトポート17とを有するTPA1を、ポートP1と接続するポートP3と、ポートP1と接続しないM+Nf個のポートP4を有するN個の光スイッチ12と、M+Nf個のポートP4のうちの第1番目から第M番目までのいずれかと接続するポートP5と、ポートP4と接続しないポートP6を有するM個の光可変合流分岐器13と、ポートP4のうちの第M+1番目から第M+Nf番目までのいずれかと接続するNf個のポートP9と、ポートP4と接続しないポートP10を有する波長選択合分波器14と、ポートP6、クロスコネクトポート17及びポートP10と接続された光合流分岐器16と、によって構成し、Nfを、1つのクロスコネクトポート17に接続可能な光信号の数をKとし、NをK+1で除算し、その余りを切り捨てた値とする。【選択図】図6

Description

本発明は、光信号処理装置に関する。
インターネット等のデータ通信ネットワークの広がりにより、光通信ネットワークにはいっそうの大容量化が望まれている。このようなネットワーク需要の拡大に対応するため、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信が実用化されている。また、近年は、光信号を電気信号に変換することなく、光信号のノードを波長ごとに切り替える波長選択スイッチ(WSS: Wavelength Selective Switch)の需要も高まりつつある。波長選択スイッチを用いるノードの構成をROADM(Reconfigurable optical add/drop multiplexing)システムという。非特許文献1には、複数のノードからの光信号を処理するマルチディグリーROADMと呼ばれる構成のノードが開示されている。また、非特許文献2には、このようなシステムにおいて、任意のノードからの光信号を任意の送受信器(トランスポンダ)に接続するトランスポンダーアグリゲーター(TPA:Transponder Aggregator)として機能する、マルチキャストスイッチ(MCS:Multicast Switch)を使う構成が開示されている。
図1は、非特許文献2に開示されたMCSを説明するための模式的な機能ブロック図であって、マルチディグリーの光ノードの構成を示している。図1に示すように、マルチディグリーの光ノードは、SPL(スプリッタ)とWSSとを組み合わせたマルチキャストスイッチ102と、WSS103とから構成されるクロスコネクト部(WXC:Wavelength Cross Connect)101を含んでいる。光ノードには、M個の入力ファイバ111から11MからWDM信号が入力される。また、入力された信号のうちの光ノードでアド・ドロップされるべき信号はドロップTPAであるTPA104aに送られ、TPA104aからN個のトランスポンダ131から13Nのいずれかに送信される。同様に、トランスポンダ131から13Nにおいて発生した光信号は、アドTPAであるTPA104b及びクロスコネクト部101のWSS103を介して、出力ファイバ121から12Mのいずれかに出力される。なお、本明細書において、注目素子を基準にし、光信号が入力(受信)、または出力(送信)されるノードを指して、以降「方路」とも記す。
図2は、図1に示したTPAのうち、ドロップTPAであるTPA104aを説明するための機能ブロック図である。ただし、アドTPAであるTPA104bは、TPA104aと同様の構成を有するため、本明細書では、TPA104aの説明をTPA104bの説明に代えるものとする。図2に示すように、TPA104aは、各入力ファイバ111から11Mに対応した入力を備えるM個の1入力N出力(以下、1×Nとも記す)スプリッタ201から20Mと、1×Nスプリッタ201から20Mの各々から光信号を受信して出力するM×1スイッチ211と、M×1スイッチ211の出力を入力し、フィルタリングするN個の光フィルタ221から22Nと、を含む。光フィルタ221から22Nは、各々フィルタリングした信号を、図1に示すトランスポンダ131から131Nに出力する。
ただし、MCSは、入力された光信号の分岐を伴うため、原理的に光信号の損失を伴う。すなわち、MCSでは、1×Nスプリッタ201から20Mによって光信号はN個に分岐されるため、光信号の強度は1/Nに減少する。例えば、8個のトランスポンダが接続される場合に9dBの原理損失が、16個のトランスポンダが接続される場合に12dBの原理損失が発生する。一般に、トランスポンダは、最小受信感度(信号を受信できる最小の光パワー)以上の光パワーの入力を必要とするため、分岐できる数Mには上限が存在する。この上限による規制を緩和するため、図1に示すマルチキャストスイッチ102とTPAとの間にEDFA(Erbium-doped Fiber Amplifier)等の光アンプが挿入される場合がある。
しかし、EDFAは、光信号の強度を高める一方、ASE(Amplified Spontaneous Emission)ノイズを発生するため、OSNR(Optical Signal-to-Noise Ratio)を劣化させるという欠点がある。これを解消するため、図2に記載のように、トランスポンダとMCSとの間に光フィルタ221から22Nを挿入してASEを除去することが考えられる。しかし、光フィルタの挿入は、部品点数を増やす上、EDFAで補償したはずの信号損失の増加につながる等の欠点がある。
特許文献1には、光信号の損失を解消するため、複数の波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)と非波長選択スイッチを組みあわせ、原理損の存在しないTPA機能(M×N WSS)を実現することが記載されている。図3は、特許文献1のこのような構成を説明するための図であって、光導波路と空間光学系を組み合わせたSPOC(Spatial and Planar Optical Circuit)と呼ばれる光学系によるM×N WSSを示している。図3に示す構成は、図2に示すMCSにおけるM個の1×Nスプリッタを、空間光学系で接続されるトランスポンダを選択するための、M個の1×N WSSに置き換えたものと言える。
図3において、図1に示したクロスコネクト部101に接続されるIn(WDM側)(図ではa、b、cの3入力)から、WDM信号が入力される。WDM信号は、光導波路に集積されたレンズ機能を有するSBT(Space Beam Transformer)回路を介して、コリメート光に変換されて空間光学系に出力される。この際、入力導波路a、b、cは、光波の出射方向が異ならしめる。空間光学系において、WDM信号は、回折格子Grにより紙面の垂直方向に信号を波長分離した後、複数枚のレンズLSP、LDPを介してスイッチングエレメントである液晶素子LCに波長ごとにy軸方向に異なる位置に入射する。この際、入力される導波路a、b、cに応じて液晶素子LCの位置はx軸方向に異なる位置A、B、Cに入射する。液晶素子LCは2次元状に個別に光位相を変調することができる複数のピクセル素子から構成される。液晶素子LCでは波長ごとに紙面の上下方向(x軸方向)に偏向して反射する。すなわち、紙面垂直方向に分波された光信号はそれぞれが異なる方向に、かつ入力導波路a、b、cごとに独立に偏向反射される。反射された光信号は、SBT11_1~11_4のいずれかに結合して光導波路光学系に入力される。光導波路光学系に入力された光信号は、入力導波路a、b、cに応じて、接続導波路12_1-a~12_1-c、12_2-a~12_3-c、…、12_4-a~12_4-cのいずれかを伝搬し、N個のM×1スイッチ13_1~13_3を通過して出力導波路1~4のいずれかから出力されてトランスポンダに入力される。
以上説明したM×N WSSは、分岐に起因する損失を生じない。加えて、空間光学系で構成されるWSS機能が波長フィルタ機能を提供するため、信号波長以外の波長のノイズ成分が除去される。このように、M×N WSS構成は、原理損失が存在せず、波長選択機能が自動的に内包されるという点でMCSに比較して優れた機能、性能を有している。
特開2016-212128号公報
M. Fukutoku, "Next Generation ROADM technology and applications", paper M3A.4, OFC, 2015 T. Watanabe et al., "Silica-based PLC Transponder Aggregators for Colorless, Directionless, and Contention less ROADM", paper OThD3.1, OFC, 2012 Y. Ikuma et al., "Low-loss transponder aggregator using spatial and planar optical circuit", Journal of Lightwave Technology, Vol.34, No. 1, 2016 P. D. Colbourne et al. "Contentionless Twin 8x24 WSS with Low Insertion Loss", paper Th4A.1, OFC, 2018
しかしながら、M×N WSSにおいては、高価なWSSを接続される方路の数だけ設置する必要があり、この点がスケーラビリティの観点で課題となる。例えば、8方路であれば8台、16方路であれば16台のWSSを包含する必要がある。ひとつの光学系で実現し得るWSSの最大集積数は液晶素子LCの面積Sで制限され、
M×N∝S
の関係がある。
最大集積数と液晶素子LCの面積Sとの関係は、例えば、非特許文献3や、非特許文献4に記載されている。非特許文献3、非特許文献4においては、M=8、N=24の場合、すなわちM×N=192程度の性能指数の例が示されている。これは、液晶素子LCの制限によるものであり、これ以上の規模の拡大は困難である。このような制限を受ける場合、例えば、M=16の16方路のTPAを実現しようとすると、WSSを16方路分用意しなければならないにも関わらず、接続可能な出力側のNの数が12に限定されることになる。
さらに、M×NのTPAのWSSは、空間光学系と導波路光学系を一体で形成する必要があるため、製造が難しい。特に、特許文献1に記載の熱光学効果を利用するM×1スイッチは、発生する熱によって光学系のアライメントが変化するため、信頼性の観点で課題を有する。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、光信号のノードを波長ごとに切り替える素子の設置台数を低減し、低コスト、かつ素子の大規模化を防ぐことに有利な光信号処理装置に関する。
上記目的を達成するため、本発明の一形態の光信号処理装置は、N個の第1ポートと、M個の第2ポートと、を有する光信号処理装置であって、前記第1ポートと接続する第3ポート及び前記第1ポートと接続しないM+Nf個の第4ポートを有するN個の光スイッチと、M+Nf個の前記第4ポートのうちの第1番目から第M番目のいずれかと接続する第5ポート及び前記第4ポートと接続しない第6ポートを有するM個の光可変合流分岐器と、M+Nf個の前記第4ポートのうちの第M+1番目から第M+Nf番目のいずれかと接続するNf個の第1拡張ポート及び前記第4ポートと接続しない第2拡張ポートを有するマトリックススイッチと、前記第6ポート、前記第2ポート、及び前記第10ポートと接続された光合流分岐器と、を含み、前記Nfは、1つの前記第2ポートに接続可能な光信号の数をKとし、前記NをK+1で除算し、その余りを切り捨てた値である。
以上の形態によれば、光信号のノードを波長ごとに切り替える素子の設置台数を低減し、低コスト、かつ素子の大規模化を防ぐことに有利な光信号処理装置を提供することができる。
公知のマルチキャストスイッチを説明するための図である。 図1に示したTPAのうち、ドロップTPAを説明するための機能ブロック図である。 波長選択スイッチと非波長選択スイッチを組みあわせた公知のTPAを説明するための図である。 (a)はトランスポンダが8である場合に各方路を通り得る光信号の数を示す図、(b)はトランスポンダが7である場合に各方路を通り得る光信号の数を示す図、(c)はトランスポンダが9である場合に各方路を通り得る光信号の数を示す図である。 (a)は、いずれもNが8であり、ASEノイズの許容量Kが2個の場合を表にして示す図、(b)はASEノイズの許容量Kが3個の場合を表にして示す図、(c)はASEノイズの許容量Kが4個の場合を表にして示す図である。 第1実施形態の光信号処理装置であるTPAを説明するための回路図である。 図6に示した光可変合流分岐器の詳細を説明するための図である。 図7に示すマッハツェンダ干渉計において、位相シフタの位相を変化させた場合のクロスコネクトポートへの出力光強度を示す図である。 図6に示した波長選択合分波器の詳細を説明するための図である。 マトリックススイッチの詳細を説明するための図である。 第2実施形態の光可変合流分岐器を説明するための図である。 第3実施形態の光信号処理装置であるTPAを説明するための図である。 第4実施形態の光信号処理装置であるTPAを説明するための図である。
以下、発明の実施形態の具体的な説明に先立って、本発明の考え方について説明する。TPAの機能は、注目している所定のノード(以下、「自ノード」とも記す)以外の他ノードから伝送された光信号を自ノードでドロップする機能と、自ノードから送信すべき光信号を他ノードに伝送するための接続を構成するアド機能とを含む。以下では、後者の自ノードから他ノードに光信号を伝送するアド機能の例を用いて説明する。また、本明細書の「光信号を接続する」の文言は、接続対象との間で光信号を送信または受信可能な状態にすることを指している。
ここで、TPAに接続される他ノードへのポート数をM、トランスポンダへのポート数をNとする。Nは一般に2の倍数であることが多く、N=4、6、8、12、16、24等が設定されることが多い。図4(a)、図4(b)、図4(c)は、それぞれトランスポンダが8(図4(a))、7(図4(b))、9(図4(c))に設定された場合の取りうる方路の数と各方路への光信号の数の組み合わせを示す図である。図4(a)に示す、Nが8に設定された場合、TPAに入力、またはTPAから出力する光信号の最大数は8である。図4(a)の通し番号1の例は、8つの光信号の全てが1つの方路に接続されることを示す。また、通し番号7の例は、2つの方路に夫々4つの光信号が接続されることを示す。通し番号21の例は、8つの方路の各々に、光信号が1つずつ接続されることを示す。ここで、同一の方路を通る光信号は、その波長が全て相違する。
また、図4(a)において、接続すべき方路の数と、接続される信号数が最小の方路にルーティングされる信号数の最大値との関係は、次のようになる。なお、以下の表記は、{接続すべき方路数、光信号の最大数}を示している。{1,8}、{2,4}、{3,2}、{4,2}、{5,1}、{6,1}、{7,1}、{8,1}
上記のうち、例えば、{1,8}は、図4(a)の通し番号1に該当し、接続すべき方路が1つであって、この方路に8つの波長が異なる光信号が割り当てられることを示す。また、例えば、{5,1}は、図4(a)の通し番号11に該当し、接続すべき方路が5つであって、5つの方路のうちの2つに1つの光信号が割り当てられることを示す。
同様に、N=16の場合、
{接続すべき方路数、光信号の最大数}={1,16}、{2,8}、{3,5}、{4,4}、{5,3}、{6,2}、{7,2}、{8,2}、{9,1}、{10,1}、{11,1}、{12,1}、{13,1}、{14,1}、{15,1}、{16,1}となる。このような点から、接続すべき方路の数Mmaxと、接続される光信号数が最小となる方路にルーティングされる光信号数の最大数Nmaxには
Nmax=Int(N/Mmax)・・・式(1)
の関係があることが分かる。なお、式(1)において、Int()は切り捨てを表す。上記の{接続すべき方路数、光信号の最大数}は、式(1)の{Mmax,Nmax}に相当する。したがって、例えば、{1,8}の条件では、8=Int(8/1)が成立する。また、{5,1}の条件では、1=Int(8/5)が成立する。
上記の内容から、M×N WSS型のTPAにおいては、本来設置すべき波長選択合分波器(WSS)の数は、ノイズカットの観点からは、方路数分は必要ないことが分かる。例えば、N=8の場合では、最大で接続し得る方路の数は8であり、接続すべき方路数が5つ以上である場合、一つの光信号のみがルーティングされる、もしくは信号がルーティングされない方路が5方路以上存在し、これらの方路には波長選択機能は必要がない。波長選択機能が必要とされる複数の光信号が接続される方路の最大数は3である(図4(a)の通し番号18)。同様に、N=8の場合に、接続すべき方路数が4の場合は、複数の光信号が接続される方路の数の最大数は4である(図4(a)の通し番号17)。したがって、ノイズカットとして設置するべき波長フィルタ、すなわち波長選択合分波器は最大でNf=4であればよい。なお、接続すべき方路数が3の場合、その3つの方路の全てに波長選択合分波器を設けてもよいが、3は4より小さいため、N=8の場合のTPAにおいて、設置すべき波長選択合分波器の最大数は、4であるといえる。
より一般には波長選択合分波器の最大数Nf=N/2であればよく、したがって、N=16の場合には波長選択合分波器の最大設置数は8となる。なお、上記では、Nが8及び16の2の倍数の例(後述するように、この2は同一方路に1波長ルーティングされることを意味する)を示したが、2で割り切れない場合は、必要とされる波長選択合分波器の最大設置数Nf=Int(N/2)である。このような例は、図4(b)のN=7の例、図4(c)のN=9の例に示されている。
さらに、一つの方路にフィルタなしでルーティングして構わない光信号数が2つ以上ある場合を考える。すなわち、上記の考察は、複数の光信号が接続される方路の全てに波長選択合分波器を設けることを前提としているが、1つの方路に接続される光信号の数に許容できる範囲がある場合、波長選択合分波器の設置最大数はさらに少なくなる。このため、一つの方路にK(K>2)個の光信号をフィルタなしでルーティングしてよい場合を考える。図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、いずれもNが8であり、フィルタなしでルーティング可能な光信号数Kがそれぞれ2個、3個、4個の場合を表にして示している。図5において、フィルタが必要となる方路の数を網掛けで示した。つまり、図5(a)の表は、あるトランスポンダが発生する光信号は、同一方路に接続される他のトランスポンダが発生するASEからの影響を受けないもしくは無視できることを表す。換言すると、所定の波長の光信号は、同一の方路にルーティングされる他の波長の光信号が1つ(合計2波長)であれば、その光信号のASEによる影響を受けないが、同一の方路にルーティングされる他の波長の光信号が2つ(合計3波長)であれば影響を受けることを示す。このような観点から、図5(a)の表においては通し番号1から16でフィルタが必要になり、このうちの通し番号4、7、8、12、13で2つの方路にフィルタを設けることが必要になる。同様に、図5(b)の表においては、通し番号7で2方路にフィルタを設けることが必要になり、図5(c)の表においては、通し番号1から6で1つのフィルタを設けることが必要になる。
上記を帰納的に考えると、波長選択合分波器が必要な方路数、すなわち波長選択合分波器の設置最大数Nfは、
Nf=Int(N/(K+1))・・・式(2)
であることがわかる。したがって、設置すべき波長選択合分波器の数は、ネットワークシステムの伝送設計が許容する光信号対雑音比(OSNR:Optical Sinnal-to-Noise Ratio)によって指定されるKによって決定され、設置すべき波長選択合分波器の数は、ノードに接続される方路数M分は必要ない場合があることがわかる。これを満たさない例は、
M<Nf=Int(N/(K+1))となる場合であり、このような例には、例えば非特許文献3、非特許文献4に記載された例が該当する。これらの例では、M=8、N=24であるため、K=1とすると、
M=8<Int(N/(K+1))=12となる。
したがって、N=24であり、かつ光信号を最も均等に各方路に分配した場合は、公知のM×N WSSの構成が好ましい。しかしながら、N=24の場合においても方路数が12を超える場合は、以上説明した本発明の実施形態の構成が有利である。また、1つの方路に接続される光信号を3つまで許容する場合の波長選択合分波器の設置最大数Nfは以下のようになる。
Nf=Int(24/(3+1))=6
以上のことから、本実施形態は、公知の構成よりも波長選択合分波器の設置台数を低減し、素子面積の大型化を抑止することに有利であることが明らかである。
[第1実施形態]
述の考察を踏まえて、設置すべきWSSの数を低減する本発明の光処理装置の第1実施形態を説明する。図6は、第1実施形態の光信号処理装置であるTPA1を説明するための回路図である。この説明においては、トランスポンダの側を入力、クロスコネクトポート17の側を出力とする。ただし、TPA1は、トランスポンダ11の側を出力とし、クロスコネクトポート17の側を入力として動作することも可能である。
第1実施形態のTPA1は、N個の第1ポートと、M個の第2ポートと、を有する光信号処理装置である。第1実施形態では、第1ポートをトランスポンダ111から11Nと接続するポートP、第2ポートを図示しないクロスコネクト部と接続するクロスコネクトポート171から17Mとする。また、第1実施形態は、トランスポンダ111から11Nを入力側、クロスコネクトポート171から17Nを出力側として説明する。ただし、TPA1は、反対に、クロスコネクトポート171から17Mを入力側、トランスポンダ111から11Nを出力側として動作可能であることはいうまでもない。また、第1実施形態は、N、Mの個数をいずれも8とする。
TPA1は、ポートPと接続するポートP及びポートPと接続しないM+Nf個のポートPを有するN個の光スイッチ121から12Nと、ポートPのうちの第1番目から第M番目のいずれかと接続するポートP及びポートPと接続しないポートPを有するM個の光可変合流分岐器131から13Mと、M+Nf個のポートPのうちの第M+1番目から第M+Nf番目のいずれかと接続するNf個の第1拡張ポートであるポートP及びポートPと接続しない第2拡張ポートであるポートP10を有するマトリックススイッチ15と、ポートPと、クロスコネクトポート17と、ポートP10と接続ずる光合流分岐器16と、を備えている。ポートP4及びマトリックススイッチ15のポートPは、直接接続されていても、他の素子を介して間接的に接続されてもよい。第1実施形態においては、TPA1が波長選択合分波器141、14Nfを備え、ポートPが波長選択合分波器141、14Nfを介してポートPと間接的に接続する。波長選択合分波器141、14NfのポートPと接続するポートをポートP、ポートPと接続しないポートをポートPとする。そして、第1実施形態は、このような構成において、1つのクロスコネクトポート17に接続可能な光信号の数をKとし、Nfは、NをK+1で除算し、その余りを切り捨てた値、すなわち、Nf=Int(N/(K+1))である(ただしInt()は切り捨てを表す)。
上記において、「ある光スイッチ12のポートPのうちの第1番目から第M番目のいずれかと接続するポートP」は、第1番目から第M番目のポートPの何番目かのポートが1つの光可変合流分岐器と接続されることをいう。また、「ある光スイッチ12のポートPのうちの第M+1番目から第M+Nf番目と接続するポートP」は、第M+1番目から第M+Nf番目のポートPの何番目かのポートが1つの波長選択合分波器と接続することをいう。例えば、Mを8、Nfが2である場合、光可変合流分岐器131は、各光スイッチ12の第1番目のポートPと接続する。また、光可変合流分岐器13Mは、各光スイッチ12の第M番目のポートPと接続する。同様に、波長選択合分波器141は、各光スイッチ12の第9番目のポートPと接続する。14Nfは、各光スイッチ12の第10番目のポートPと接続する。
以上の構成のうち、本明細書では、トランスポンダ111から11Nの各々を区別する必要がない場合、単にトランスポンダ11と記す。また、本明細書において、光スイッチ121から12Nの各々を区別する必要がない場合、単に光スイッチ12と記し、光可変合流分岐器131から131Mの各々を区別する必要がない場合、単に光可変合流分岐器13と記し、波長選択合分波器141、14Nfの区別する必要がない場合、単に波長選択合分波器14と記し、光合流分岐器161から16Mの各々を区別する必要がない場合、単に光合流分岐器16と記す。光スイッチ12は、1個のポートPと、N+Nf個のポートPを有する(1×(N+Nf))スイッチである。光可変合流分岐器13は、N個のポートPと、1個のポートPを有する(N×1)光可変合流分岐器である。波長選択合分波器14は、N個のポートPと、1個のポートPを有する(N×1)波長選択合分波器である。マトリックススイッチ15は、Nf個のポートPと、M個のポートP10とを有している。
以上の構成は、共通の光導波路基板6上に形成されていてもよい。また、以上の構成は、複数のユニットに分割されていて、各々が協働して機能してもよい。また、光スイッチ12と波長選択合分波器14との接続は、拡張ポート群を介して行ってもよい。
図6に示すTPA1は、N個のトランスポンダ11の光信号が、クロスコネクトポート17に接続される。先ず、トランスポンダ11から出力された光信号は、N個の光スイッチ12のいずれかに入力される。光スイッチ12は、入力されたトランスポンダ11の光信号を、ポートPのいずれかにルーティングする。光スイッチ12の出力のうち、M個の出力は光可変合流分岐器13のいずれかに接続され、残りのNf個の出力は波長選択合分波器14に入力される。光可変合流分岐器13は、N個の光スイッチ12のうち、K個の信号を選択的に波長依存性なく合流する機能を有する合流分岐器である。光可変合流分岐器13は、第1実施形態において原理損失を有し、その信号損失は、10×log(1/K)dBである。このような光可変合流分岐器13の構成については後に詳述する。
波長選択合分波器14は、一般的な波長選択スイッチであってもよく、N個のポートPを有する。ポートPのそれぞれは、光スイッチ121から12NのポートPのうちのいずれかに接続される。さらに、波長選択合分波器14のポートPは、マトリックススイッチ15のポートPに接続される。マトリックススイッチ15は、波長選択合分波器14の数、すなわちNf個の入力信号をM個の出力に内部閉塞無く接続する機能を有する。マトリックススイッチ15のポートP10から出力された光信号は、光合流分岐器16によってポートP6から出力される光信号と合流されてクロスコネクトポート17に出力される。
次に、図5(a)から図5(c)の表を使い、TPA1の動作を説明する。上述したように、図5(a)から図5(c)の表は、いずれも入力数M=8、出力数N=8であり、一つの方路に重畳されるASEノイズの許容量Kが、それぞれ2、3、4の条件の場合のものである。図5(a)の表の場合、Kは2であるから、Nf=Int(8/(2+1))=2が成立し、波長選択合分波器14の数は2となる。第1の実施形態では、2つより多い光信号がルーティングされる方路に対応するクロスコネクトポート17には、トランスポンダ11のいずれかから出力された光信号のうちの波長選択合分波器14を通過した光信号が接続される。一方、2つ以下の光信号がルーティングされる方路に対応するクロスコネクトポート17には、トランスポンダ11のいずれかから出力された光信号が、光可変合流分岐器13のいずれかを通過して接続される。
例えば、図5(a)の表における通し番号1の例では、全てのトランスポンダ11からの信号が1つの方路に接続されるため、この信号は波長選択合分波器141、14Nfのいずれかを通過して、クロスコネクトポート17に接続される。通し番号13の例では、3つの光信号を伝送する2つのクロスコネクトポート17には波長選択合分波器141または14Nfのパスを経由した光信号が接続され、1つの光信号のみを伝送する2つのクロスコネクトポート17には光可変合流分岐器13のいずれかを通過した光信号が接続される。
次に、K=3の場合について検討する。図5(b)の表の場合、Kは3であるから、Nf=Int(8/(3+1))=2が成立し、波長選択合分波器14の数は2となる。これは、図5(b)に示すように、通し番号7を除き、3より多くの光信号が接続される方路はいずれも1つであり、通し番号7の場合にのみ2つの方路に3より多くの光信号が接続される。したがって、第1実施形態のTPA1によれば、K=3の場合にも、波長選択合分波器14の数は最大2つでよいことが分かる。
次に、K=4の場合について検討する。図5(c)の表の場合、Kは4であるから、Nf=Int(8/(4+1))=1が成立し、波長選択合分波器14の数は1となる。図5(c)に示すように、通し番号1から6のいずれの場合にも、4より多くの信号がルーティングされる方路が1つである。したがって、第1実施形態のTPA1によれば、K=4の場合、波長選択合分波器14の数は最大1つでよいことが分かる。
以上説明したように、第1の実施形態は、1つの方路に複数の光信号のルーティングが許容される場合には、いっそうTPA1に設けられる波長選択合分波器の数を少なくすることができる。ただし、1つの方路において他のトランスポンダからのASEノイズを全く許容しない場合であっても、波長選択合分波器の数を公知の構成よりも少なくすることが可能である。すなわち、このような場合、第1実施形態では、Nf=Int(8/(1+1))=4が成立する。公知のM×N WSSでは各クロスコネクトポートの各々にWSSを設ける必要があるため、Nf=M=8であった。このことから、第1実施形態は、波長選択合分波器の必要数が公知の構成の半分になることが分かる。
さらに、第1の実施形態は、式(2)から明らかなように、TPA1に接続されるトランスポンダの数によってのみ制限され、光信号外部に出力する方路数には依存しない。換言すると、第1実施形態のTPAは、出力側の方路数を増やしてもWSSの数は不変であり、大きな出力側の方路数が要求されるネットワークに好適である。
次に、図6に示す各構成を説明する。
(光可変合流分岐器)
図7は、図6に示した光可変合流分岐器13の詳細を説明するための図である。光可変合流分岐器13は、光スイッチ12からの光信号を入力するためのN本の入力ポート341から34Nを有している。入力ポート341から34Nは、それぞれ光可変合流分岐要素であるマッハツェンダ干渉計351から35Nに接続される。以下、マッハツェンダ干渉計351から35Nの各々を区別する必要がない場合、単に「マッハツェンダ干渉計35」と記す。
マッハツェンダ干渉計35は、2つの3dB方向性結合器31、32に挟まれた2本のアーム導波路37と、少なくともその一方に装荷された位相シフタ33を有している。マッハツェンダ干渉計35の出力の一方は、次段のマッハツェンダ干渉計35の入力導波路34Nから341が接続されない側の入力に接続される。したがって、入力導波路341から34Nからの光信号は、マッハツェンダ干渉計35の位相状態により、出力導波路36へと伝搬する。
次に、マッハツェンダ干渉計35の光可変光合流分岐器13としての動作を説明する。光可変合流分岐器13の動作要件は、入力導波路341から34Nに入力されるべき光信号のうちのK個を選択して合流し、出力導波路36に出力することである。Kは小さいことが予測されるので、各マッハツェンダ干渉計35は、非駆動状態でマッハツェンダ干渉計のスルーポートに接続されるように、信号波長の半波長程度の光路長差を2本のアーム導波路37に与えておくのが好ましい。
図8は、図7に示すマッハツェンダ干渉計35において、位相シフタ33の位相を変化させた場合のクロスコネクトポートへの出力光強度を示す図である。図8の横軸は光可変合流分岐器13における合流、または分岐率、横軸は位相シフタ33の位相(rad)を示す。例えば、Kが2であって、入力導波路341から34Nの信号を合流する場合、入力ポート342からの信号と入力ポート345からの信号を合流するときには、マッハツェンダ干渉計352を100%クロスに接続し、マッハツェンダ干渉計355を50%クロスに接続するように、それぞれの位相を設定すればよい。このような設定は、図8中のr2、r3で示される位相に位相シフタ33を設定することによって実現できる。この場合、入力導波路342、345からの出力導波路36への信号損失は3dBである。
他の例として、Kが3であって、入力導波路342、345、346からの信号を合流する場合、入力ポート342、345、346からの信号を合流するときには、マッハツェンダ干渉計352を100%クロスに接続し、マッハツェンダ干渉計355を50%クロス接続し、マッハツェンダ干渉計356を33%クロス接続するように設定する。このときの位相シフタの設定は、図8に示す、r1、r2、r3である。この場合、入力導波路342、345からの出力導波路36への信号損失は、4.77dBである。
(波長選択合分波器)
図9は、図6に示した波長選択合分波器14の詳細を説明するための図であり、一般的な波長選択合分波器の機能図である。波長選択合分波器14は、N本のポートP(波長分離側のポート)を有し、図9において、各ポートPの光信号を、光信号211から21Nで示す。ポートPから入力された光信号は、任意に設定可能なフィルタリングスペクトルを経験してPへと出力される。したがって、波長選択合分波器14は、スペクトル23に図示するように光信号の波長以外の成分を抑圧し、ポートP(コモンポート)へと波長合波して出力する。
(マトリックススイッチ)
図10は、図6に示したマトリックススイッチ15の詳細を説明するための図である。マトリックススイッチ15は、Nf個のポートPと、M個のポートP10とを有している。図10において、ポートPから入力されたWDM信号が接続される方路は、ポートPに接続された1×Mスイッチ511、51Nfにより決定される。1×Mスイッチ511は、M個の要素スイッチ511-1から511-Mを含み、1×Mスイッチ51Nfは、M個の要素スイッチ51Nf-1から51Nf-Mを含む。要素スイッチ511-1等は、信号の他の方路への漏れを低減するため、図10中の凡例Lに示すように、二段のマッハツェンダ干渉計を縦列接続する構成が好ましい。
Nf×1スイッチ521から52Mは、1×Mスイッチ511または1×Mスイッチ51Nfの出力した光信号を選択する。図10の例では、Nfが2であるため、Nf×1スイッチ521等をマッハツェンダ干渉計としている。ただし、Nf>2の場合、マッハツェンダ干渉計をツリーもしくは1×Mスイッチ511-1から511-Nfと同様にツリー形状にしてもよい。また、Nf×1スイッチ521から52Mは、要素スイッチ511-1から511-Mのように、マッハツェンダ干渉計を多段に接続する必要はない。これは、Nf×1スイッチ521から52Mには高い消光比は必要なく、消光は1×Mスイッチ511から51Nfでなされるからである。
(光合流分岐器の合流分岐比)
図6に示したTPA1は、光可変合流分岐器13のポートPが光合流分岐器16に接続される。この際、光合流分岐器16における合流分岐比は、光可変合流分岐器13を介したパス、波長選択合分波器14を介したパスの損失に合わせて設定するのが好ましい。このような設定について説明する。光可変合流分岐器13を通過するパスにおけるトランスポンダ11から光合流分岐器16までの信号損失ILは、以下の式(3)によって表される。また、波長選択合分波器14を通過するパスにおけるトランスポンダ11から光合流分岐器16までの信号損失ILは、以下の式(4)によって表される。式(3)において、αは光可変合流分岐器13や伝搬に伴う過剰損失、βはマトリックススイッチや伝搬に伴う過剰損失、または波長選択合分波器14へ光伝搬するための接続損失等である。
IL=-10×log(1/K)+α [dB]・・・式(3)
IL=ILWSS+β [dB]・・・式(4)
TPA1においては、信号損失ILと信号損失ILとが等しくなることが好ましい。光合流分岐器16における合流分岐比をγ:1-γとすると、デシベル表示で表されるそれぞれのパスの損失は、
IL=-10×log(1/K)+α-10×log(γ)
IL=-ILWSS+β-10×log(1-γ)
であるから、
-10×log(1/K)+α-10×log(γ)
=-ILWSS+β-10×log(1-γ)を満たすように、光合流分岐器16の合流分岐比のγを設定すればよい。
第1実施形態は、光合流分岐器16に、上記γを変更する機能を設け、光合流分岐器16における光信号の合流分岐比を変更可能にしてもよい。ただし、第1実施形態は、このような構成に限定されるものでなく、予め設定された固定の合流分岐比を図6の光合流分岐器16に設定してもよい。
以下に、具体的な数値例を示す。図5(a)の表に示したM=8、N=8、K=2の場合、前述のように、光可変合流分岐器13で生じる原理損失は3dBである。したがって、光スイッチ12の損失を無視すると、トランスポンダ11から光合流分岐器16までの損失は3dBである。一方、波長選択合分波器14の典型的な損失は6dB程度であるから、トランスポンダ11から光合流分岐器16までの損失も6dBである。したがって、この損失差を補償するように光合流分岐器16の分岐比を33.3:66.7として、波長選択合分波器14からの信号成分のうちの66.7%がクロスコネクトポート17に合流するように設定すればよい。この場合、トランスポンダ11からクロスコネクトポート17までの信号損失は、いずれのパスを経由しても7.8dBである。ここで、注目すべきは、8分岐のMCSの原理損失が9dBであるのに対し、第1実施形態の同じ規模のTPAは、信号損失の低減を実現することができる。すなわち、第1実施形態の構成は、信号損失の点においても顕著な効果を有することが明らかである。
[第2実施形態]
第1実施形態は、光合流分岐器16と光可変合流分岐器13とが別個に構成されている。第2実施形態は、光合流分岐器16と光可変合流分岐器13とを一体化し、その機能を併せ持つ構成(図11中に光可変合流分岐器29として示す)を設けるものである。図11は、第2実施形態の光可変合流分岐器29-1から29-M(各々を区別する必要がない場合は単に「光可変合流分岐器29」と記す)を説明するための図である。光可変合流分岐器29は、公知の光スプリッタではなく、マッハツェンダ干渉計と同様の構成を有し、光スイッチとして動作する。光可変合流分岐器29は、図7に示した光可変合流分岐器13の出力導波路36に光合流分岐器16の入力ポートの一方を接続し、他方をマトリックススイッチのポートP10に接続して構成される。ある方路に向かう光信号は、光可変合流分岐器13を通過するパス、もしくは波長選択合分波器14を通過するパスのいずれかを通るため、光可変合流分岐器29は、どちらかのパスを一意に選択することができる。第2実施形態は、第1実施形態と同様に、光可変合流分岐器13を通過するパス、波長選択合分波器14を通過するパスのいずれにあっても、トランスポンダ11からクロスコネクトポート17までのトータルの信号損失を公知のMCSよりも小さくすることができる。
[第3実施形態]
第1実施形態は、光スイッチ12、光可変合流分岐器13、波長選択合分波器14、マトリックススイッチ15及び光合流分岐器16を全て1つの光導波路基板上に形成した例を示している。第3実施形態のTPA2は、光スイッチ12、光可変合流分岐器13と光合流分岐器16とを一体化した第2実施形態の光可変合流分岐器29、及びマトリックススイッチ105を光導波路基板6上に形成し、波長選択合分波器14を別のモジュールとして構成する点で第1実施形態と相違する。図12は、このような第3実施形態のTPA2を説明するための図である。TPA2においては、光導波路基板6上のポート及び導波路と波長選択合分波器14のポートとは、光ファイバ61で接続される。
第3実施形態において、光可変合流分岐器29が入力された全ての光信号を同じパワーで出力ポートP20にルーティングする場合を考えると、光導波路基板6は通常のマルチキャストスイッチと同じ機能を持つことが分かる。すなわち、光導波路基板6は通常のMCSに、波長選択合分波器14を接続可能な拡張ポートがついた構成のMCSとみなすことができる。したがって、OSNR要件が厳しい光ネットワークには、第3実施形態の光導波路基板6に波長選択合分波器14を接続し、フィルタ機能を内包したTPA2とすることが可能である。また、第3実施形態は、OSNR要件に余裕がある光ネットワークにおいて、光導波路基板6を通常のMCSとして使用する自由度を持つ。
[第4実施形態]
さらに、本発明一実施形態は、波長選択合分波器14のパスに光アンプを挿入し、信号損失を補償するようにしてもよい。第4実施形態は、光アンプを備える点で、第1実施形態、第3実施形態と相違する。なお、第4実施形態では、TPA3を1つの光導波路基板上に形成している。図13は、第4実施形態のTPA3を説明するための図である。図13に示すTPA3は、第3実施形態のTPA2に光アンプ711、71Nfを設けて構成される。光アンプ71、7Nfとしては、EDFAが適当であるが、半導体光アンプ(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)を用いてもよい。また、OSNR要件に余裕がある場合においては、波長選択合分波器14を削除して光アンプのみを設置しても良い。
光可変合流分岐器29は、マッハツェンダ干渉計で構成された光合流分岐器の合流分岐比を、内包される光可変合流分岐器の光パワーの大部分がクロスコネクトポート17にルーティングされるように設定される。この場合、ここで、大部分がクロスコネクトポート17にルーティングされない波長選択合分波器14の側のパスの信号損失が増加するが、その損失を光アンプで711から71Nfで補償することができる。次に、具体的な数値を用いて説明する。例えば、M=8、N=8、K=2の場合において、光合流分岐器の合流分岐比を9:1とし、90%の光パワーが光可変合流分岐器29からクロスコネクトポート17にルーティングされるとする。この場合、トランスポンダ11からクロスコネクトポート17までの、光可変合流分岐器13を通過するパスの原理損失ILは、以下のようになる。
IL=-10×log(1/2)-10×log(9/10)=3.4dB
一方、波長選択合分波器14を通過するパスの信号損失ILは、WSSの損失ILWSSを6dBとして、以下のように表される。
IL=ILWSS-10×log(1/10)=16dB
したがって、第4実施形態によれば、12.6dBの利得をもつ光アンプ711、71Nfを挿入することで、パスによらず、3.4dBまで信号損失を低減することが可能になる。同規模のM=8、N=8のMCSの信号損失が9dBであるから、第4実施形態は、信号損失の低減に大きな効果を有するといえる。さらに、前述したように、設置すべき光フィルタの台数は、8出力のMCSにおいては方路数分が必要であったが、第1実施形態から第4実施形態は、光フィルタの数が最大でも4台でよく、コスト削減に大きく寄与するものである。
以上説明したように、本発明の第1実施形態から第4実施形態は、公知のトランスポンダ集約装置の課題を解決するものである。すなわち、MCS型のトランスポンダ集約装置に比較して、第1実施形態から第4実施形態は、安価なフィルタリング機能を提供するとともに、その原理損失を低減する。また、M×N WSS型のトランスポンダ集約装置に比較して、設置するべき波長選択合分波器の数を低減する効果を有する。
1,2,3 TPA
6 光導波路基板
11 トランスポンダ
12 光スイッチ
13,29 光可変合流分岐器
14 波長選択合分波器
15 マトリックススイッチ
16 光合流分岐器
17 クロスコネクトポート
31,32 方向性結合器
33 位相シフタ
37 アーム導波路
34 入力導波路
35 マッハツェンダ干渉計
36 出力導波路
61 光ファイバ
711,71Nf 光アンプ

Claims (5)

  1. N個の第1ポートと、M個の第2ポートと、を有する光信号処理装置であって、
    前記第1ポートと接続する第3ポート及び前記第1ポートと接続しないM+Nf個の第4ポートを有するN個の光スイッチと、
    M+Nf個の前記第4ポートのうちの第1番目から第M番目のいずれかと接続する第5ポート及び前記第4ポートと接続しない第6ポートを有するM個の光可変合流分岐器と、
    M+Nf個の前記第4ポートのうちの第M+1番目から第M+Nf番目のいずれかと接続するNf個の第1拡張ポート及び前記第4ポートと接続しない第2拡張ポートを有するマトリックススイッチと、
    前記第6ポート、前記第2ポート、及び前記第2拡張ポートと接続された光合流分岐器と、を含み、
    前記Nfは、1つの前記第2ポートに接続可能な光信号の数をKとし、前記NをK+1で除算し、その余りを切り捨てた値である、光信号処理装置。
  2. 前記光可変合流分岐器は、前記第5ポートに接続された信号のうちからK個の信号を選択し、前記第6ポートに接続する、請求項1に記載の光信号処理装置。
  3. 前記第1ポート、前記光スイッチ、前記光可変合流分岐器、前記光合流分岐器、波長選択合分波器及び前記マトリックススイッチの一部が共通の導波路基板に設けられ、他の一部が別のモジュールとして構成される、請求項1または2に記載の光信号処理装置。
  4. 前記マトリックススイッチの前記第1拡張ポートは、波長選択合分波器及び光アンプの少なくとも一方を介して前記第4ポートと接続する、請求項1から3のいずれか1項に記載の光信号処理装置。
  5. 前記光合流分岐器は、光信号の分岐比及び合流比の少なくとも一方を変更する機能を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の光信号処理装置。
JP2021178125A 2021-10-29 2021-10-29 光信号処理装置 Pending JP2023067127A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021178125A JP2023067127A (ja) 2021-10-29 2021-10-29 光信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021178125A JP2023067127A (ja) 2021-10-29 2021-10-29 光信号処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023067127A true JP2023067127A (ja) 2023-05-16

Family

ID=86325886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021178125A Pending JP2023067127A (ja) 2021-10-29 2021-10-29 光信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023067127A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8401348B2 (en) Methods and apparatus for constructing large wavelength selective switches using parallelism
US9432750B1 (en) Contentionless N×M wavelength cross connect
EP2232747B1 (en) Directionless wavelength addition/subtraction using roadm
JP4739928B2 (ja) 波長選択光スイッチおよび波長選択光スイッチモジュール
JP5614129B2 (ja) 光分岐挿入装置
WO2014203789A1 (ja) 光クロスコネクト装置
US10256936B2 (en) Method and apparatus for optical node construction using software programmable ROADMs
US10284932B2 (en) Method and apparatus for optical node construction using software programmable ROADMs
JP2013258530A (ja) 双方向モニタモジュール、光モジュール及び光分岐挿入装置
JP2010124266A (ja) 光ネットワークシステム
JP4344614B2 (ja) 光通信ネットワークにおけるノイズ削減
US11637646B2 (en) Apparatus and method for coherent optical multiplexing 1+1 protection
JP2009003378A (ja) ミラー装置および光スイッチ
JP6510444B2 (ja) 波長クロスコネクト装置及びモジュール
JPWO2009022478A1 (ja) 光通信ネットワーク用ノード装置のルーティング方法および光通信ネットワーク用ノード装置
US20230179318A1 (en) Wavelength Selective Switch, Optical Switching Device, and System
US20130077916A1 (en) Method and module for switching optical signals having different modes of propagation
US20180316991A1 (en) COLORLESS, DIRECTIONLESS, CONTENTIONLESS OPTICAL NETWORK USING MxN WAVELENGTH SELECTIVE SWITCHES
US11296810B2 (en) Add drop structure
JP2023067127A (ja) 光信号処理装置
US10476624B2 (en) Colorless, directionless, contentionless optical network using MXN wavelength selective switches
US10254625B2 (en) Optical signal processing device
JP4966278B2 (ja) 光伝送装置、及び光伝送ネットワークシステム
JP2023067090A (ja) 光信号処理装置
US10574380B2 (en) Method and apparatus for optical node construction using software programmable ROADMs having N X M wavelength selective switches

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20211101

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240610