JP2023066523A - 虚像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像歪の発生を十分に抑え、例えば補正回路による電気的な補正等を要することなく、あるいは回路補正等による負荷を軽減しつつ、高精度な画像形成が可能になる虚像表示装置を提供すること。【解決手段】虚像表示装置100は、画像光GLを出射させる表示デバイス11と、表示デバイス11からの画像光GLを反射させる第1ミラー21と、第1ミラー21で反射された画像光GLを反射させるミラー面22rを有する屈折反射光学部材22と、ミラー面22rで反射された画像光GLを射出瞳EPの位置に向けて反射させる第2ミラー23と、を備え、表示デバイス11から第1ミラー21までの距離は、射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離よりも短く、第2ミラー23に入射される画像光GLと第2ミラー23で反射される画像光GLとでなす第1角度θは、0°より大きく45°以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、画像光生成部等により形成されたミラーを含む光学系により画像光を使用者の瞳に導いて虚像の観察を可能にする虚像表示装置に関する。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等として適用可能な虚像表示装置として、3つの反射面を有して画像光を使用者の瞳に導くものが知られている(特許文献1)。
特開2020-20857号公報
しかしながら、上記特許文献1に例示されるような偏芯光学系においては、台形歪のようなティスト―ションを取りきることは容易ではなく、発生する歪について、例えば電気的に補正する等の必要があり、この場合、回路規模、消費電力が増えてしまう。すなわち、補正回路側に大きな負荷がかかることになる。
本発明の一側面における虚像表示装置は、画像光を出射させる画像光出射部と、画像光出射部からの画像光を反射させる第1ミラーと、第1ミラーで反射された画像光を反射させる反射部を有する光学部材と、反射部で反射された画像光を射出瞳の位置に向けて反射させる第2ミラーと、を備え、画像光射出部から第1ミラーまでの距離は、射出瞳の位置から第2ミラーまでの距離よりも短く、第2ミラーに入射される画像光と第2ミラーで反射される画像光とでなす第1角度は、0°よりも大きく45°以下である。
第1実施形態に係る虚像表示装置を説明する側断面図である。 虚像表示装置を説明する正面図である。 虚像表示装置の光学的構造等を説明する側断面図である。 虚像表示装置の光学的構造等を説明する斜視図である。 虚像表示装置における第2ミラーの形状について説明するための側断面図である。 虚像表示装置における第2ミラーの形状について説明するための平断面図である。 虚像表示装置の各部について配置関係を説明するための側断面図である。 図7から各部の配置について抽出した概念図である。 歪曲収差の様子について説明する概念図である。 解像度について示すグラフである。 第2実施形態に係る虚像表示装置の光学的構造等を説明する側断面図である。 歪曲収差の様子について説明する図である。 第1角度と画角との関係を示すグラフである。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明に係る第1実施形態の虚像表示装置について説明する。
図1~図3において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、X方向は、虚像表示装置100を装着した使用者USの両眼の並ぶ横方向に相当する。Y方向は、使用者USにとっての両眼の並ぶ横方向に直交する上方向に相当し、使用者USが虚像表示装置100を所定の位置(正規の装着位置)で装着した場合の鉛直方向に相当する。また、Z方向は、使用者USにとっての前方向又は正面方向に相当し、使用者USが虚像表示装置100を所定の位置(正規の装着位置)で装着した場合の水平方向に相当する。
図示の虚像表示装置100は、ヘッドマウントディスプレイであり、使用者USに虚像としての映像を認識させる。虚像表示装置100は、画像光出射部である表示デバイス11と、投射光学系30とを備える。投射光学系30は、レンズ部材12と、第1ミラー21と、屈折反射光学部材22と、第2ミラー23とを備える。ここで、レンズ部材12は、非球面型の屈折面12a,12bを有するプリズム状の部材(図3参照)であり、第1ミラー21は、反射部(ミラー部)21rを有するミラー部材であり、第2ミラー23は、反射部(ミラー部)23rを有するミラー部材(図3参照)である。屈折反射光学部材22は、屈折部材22bとミラー面(反射部)22rとを有する光学部材(図3参照)である。表示デバイス11とレンズ部材12と屈折反射光学部材22とは、フレーム80の本体部材81に支持されることで、固定されている。また、図1及び図2に示すように、第1ミラー21と第2ミラー23とは、外観部材50を構成し、上部及び側部でフレーム80の本体部材81に支持される。外観部材50は、表示デバイス11及び屈折反射光学部材22よりも外側又は外界側において両者に対して位置決めされた状態で配置されている。外観部材50は、メガネレンズ状の輪郭を有し、使用者USの眼を覆って外側に凸の湾曲した形状を有する。なお、図1では、右眼用の虚像表示装置100のみを示しているが、図2に示すように、左眼用の虚像表示装置100も同様の構造を有し、両眼用の虚像表示装置を組み合わせることで、全体として眼鏡のような外観を有する虚像表示装置となる。なお、両眼用の虚像表示装置については、右眼用又は左眼用の部分のうち一方を省略することができ、この場合、片眼型のヘッドマウントディスプレイとなる。光路の概要について説明すると、表示デバイス11から射出された画像光GLは、レンズ部材12を経て第1ミラー21で反射されて屈折反射光学部材22に入射する。屈折反射光学部材22に入射した画像光GLは、屈折反射光学部材22で屈折されるとともに反射されて屈折反射光学部材22外に射出される。屈折反射光学部材22から射出された画像光GLは、透過型の第2ミラー23で反射されて射出瞳EPの位置に入射する。
フレーム80は、メガネと類似した構造を有し、本体部材81の側方端部に連結されるツル部82を備え、本体部材81の中央から延びる金具の先端にノーズパッド83を備える。
図3を参照して、表示デバイス11は、画像形成部であり、投射光学系30よりも使用者USの頭部側に対応する上側又は+Y側に配置されている。表示デバイス(画像形成部)11は、例えば有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)、無機EL、LEDアレイ、有機LED、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等に代表される自発光型の表示素子であり、2次元の表示部11aにカラーの静止画又は動画を形成する。表示デバイス11は、不図示の駆動制御回路に駆動されて表示動作を行う。表示デバイス11として有機ELのディスプレイを用いる場合、有機EL制御部を備える構成とする。表示デバイス11として量子ドットディスプレーを用いる場合、青色発光ダイオード(LED)の光を量子ドットフィルムに通すことにより、緑や赤の色を出す構成とする。表示デバイス11は、自発光型の表示素子に限らず、LCDその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライトのような光源によって照明することによって画像を形成するものであってもよい。表示デバイス11として、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoSは登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
投射光学系30は、斜入射を前提とする非共軸光学系又は偏芯光学系である。投射光学系30の偏芯方向は、レンズ部材12、第1ミラー21、屈折反射光学部材22等の配置によって規定される。具体的には、レンズ部材12、第1ミラー21、屈折反射光学部材22、及び第2ミラー23は、偏芯方向をYZ面内に設定したものとなっている。つまり、レンズ部材12、第1ミラー21、屈折反射光学部材22、及び第2ミラー23を通過する光軸AXは、使用者USの一対の瞳EYが並ぶ横方向つまりX方向に対して交差して略縦方向に延びる平面に沿って配置され、より具体的にはX方向に対して直交して縦方向に延びるYZ平面に沿って配置される。光軸AXを縦のYZ平面に沿って配置することで、横方向の画角を広くし易くなる。光軸AXを含む面がZ軸の周りに時計方向又は反時計方向(つまり左右)に数10°程度傾いても、略縦方向に延びていれば、画角への影響はあまり大きくならない。また、第1ミラー21は、屈折反射光学部材22よりも使用者USの頭部側に対応する上側又は+Y側に配置され、屈折反射光学部材22は、第2ミラー23よりも使用者USの頭部側に対応する上側又は+Y側に配置されている。ここで、上側又は+Y側とは、レンズ部材12,第1ミラー21,屈折反射光学部材22,及び第2ミラー23と光軸AXとの交点又は接点を基準として考える。
レンズ部材12は、既述のようにレンズとして機能するプリズム状の部材であり、第1ミラー21からの画像光GLを屈折させつつ透過する。レンズ部材12は、入射側に配置される屈折部(入射部)12aと出射側に配置される屈折部(出射部)12bとを有する。屈折部12a及び屈折部12bのそれぞれは、例えば自由曲面である。また、レンズ部材12は、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。
第1ミラー21は、凹の表面ミラーとして機能する板状の部品であり、表示デバイス11からレンズ部材12を経た画像光GLを反射する。第1ミラー21の構造について、より具体的に説明すると、第1ミラー21は、板状体21bの一方の表面21s上に反射膜21cを有した構造を有するミラー板21aである。第1ミラー21の反射部21rは、例えば自由曲面であり、反射膜21cの表面又は板状体21bの表面21sに対応する形状を有する。反射部21rは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。反射部21rは、YZ面内にある偏芯方向に対応する第1方向D1に関して光軸AXを挟んで非対称性を有し、第1方向D1に直交する第2方向D2又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。第1ミラー21の板状体21bは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。反射膜21cは、例えばAl、Ag等の金属の単層膜又は多層膜で形成されるが、誘電体多層膜とすることもできる。反射膜21cは、蒸着等の手法を含む積層によって形成できるが、シート状の反射膜を貼り付けることによっても形成できる。
以上の第1ミラー21において、反射部21rを自由曲面又は非球面とすることで、収差低減を図ることができ、特に自由曲面を用いた場合、非共軸光学系又は偏芯光学系である投射光学系30の収差を低減することが容易になる。なお、自由曲面は回転対称軸をもたない面であり、自由曲面の面関数としては、各種多項式を用いることができる。また、非球面は、回転対称軸をもつ面であるが、放物面や多項式で表される球面以外の面である。
屈折反射光学部材22は、レンズ及びミラーとして機能するプリズム状の光学部材であり、第1ミラー21からの画像光GLを屈折させつつ反射する。屈折反射光学部材22は、屈折部22eを有する屈折部材22bと、当該屈折部材22bの非屈折部22dに設けられた反射膜22cとを有する。屈折反射光学部材22の屈折部材22bは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。屈折部材22bは、色収差の発生を抑える観点で、アッベ数が50以上の材料で形成されることが望ましい。反射膜22cは、例えばAl、Ag等の金属の単層膜又は多層膜で形成されるが、誘電体多層膜とすることもできる。反射膜22cは、積層によって形成できるが、シート状の反射膜を貼り付けることによっても形成できる。
屈折反射光学部材22の屈折部22eは、例えば自由曲面であるが、非球面とすることもできる。屈折部22eは、ミラー部22rでの反射の前後における画像光GLが通過する共通の入出射面となっている。つまり、第1ミラー21からの光線は、屈折面22eで屈折されて屈折反射光学部材22中に入射し、ミラー部22rで反射されて屈折反射光学部材22外に出射される際に、屈折面22eで再度屈折される。屈折部22eは、YZ面内にある偏芯方向に対応する第1方向D21に関して光軸AXを挟んで非対称性を有し、第1方向D21に直交する第2方向D22又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。屈性反射光学部材22は、屈折部22eに、反射防止膜を設けることもできる。
屈折反射光学部材22のミラー面22rは、例えば自由曲面であり、ミラー部22cの内面又は屈折部材22bの非屈折部22dに対応する形状を有する。ミラー部22rは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。ミラー部22rは、YZ面内にある偏芯方向に対応する第1方向D31に関して光軸AXを挟んで非対称性を有し、第1方向D31に直交する第2方向D32又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。
第2ミラー23は、凹の表面ミラーとして機能する板状の部品であり、屈折反射光学部材22からの画像光GLを反射する。第2ミラー23は、瞳EYが配置される射出瞳EPの位置を覆うとともに射出瞳EPの位置に向かって凹形状を有する。第2ミラー23は、板状体23bの一方の表面23s上に反射膜23cを形成した構造を有するミラー板23aである。第2ミラー23の反射部23rは、例えば自由曲面であり、反射膜23cの表面又は板状体23bの表面23sに対応する形状を有する。反射部23rは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。反射部23rは、YZ面内にある偏芯方向に対応する第1方向D41に関して光軸AXを挟んで非対称性を有し、第1方向D41に直交する第2方向D42又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。
第2ミラー23は、反射に際して一部の画像光GLを透過させる透過型の反射素子であり、第2ミラー23の反射膜23cは、半透過性を有する。これにより、外界光OLが第2ミラー23を通過するので、外界のシースルー視が可能になり、外界像に虚像を重ねることができる。この際、板状体23bが数mm程度以下に薄ければ、外界像の倍率変化を小さく抑えることができる。反射膜23cの画像光GLや外界光OLに対する反射率は、画像光GLの輝度確保や、シースルーによる外界像の観察を容易にする観点で、想定される画像光GLの入射角範囲において10%以上50%以下とする。第2ミラー23の板状体23bは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。反射膜23cは、例えば膜厚を調整した複数の誘電体層からなる誘電体多層膜で形成される。反射膜23cは、膜厚を調整したAl、Ag等の金属の単層膜又は多層膜であってもよい。反射膜23cは、積層によって形成できるが、シート状の反射膜を貼り付けることによっても形成できる。
第2ミラー23と射出瞳EPの位置との距離は、射出側の光軸AX又はZ軸に沿ってある程度の間隔(例えば14mm以上)に設定されており、メガネレンズを配置する空間が確保されている。第2ミラー23は、板状体23bにおいて反射膜23cが設けられている反対側に反射防止膜を設けることもでき、つまり、第2ミラー23の外界側には反射防止膜を設けることができる。
以上の実施形態において、レンズ部材12の屈折部12a及び屈折部12b、第1ミラー21の反射部21r、屈折反射光学部材22の屈折部22e、屈折反射光学部材22のミラー部22r、及び第2ミラー23の反射部23rを自由曲面又は非球面とすることで、収差低減を図ることができ、特に自由曲面を用いた場合、非共軸光学系又は偏芯光学系である投射光学系30の収差を低減することが容易になる。
特に、本実施形態では、画像光射出部である表示デバイス11の表示部11から第1ミラー21の反射部21までの距離を、射出瞳EPの位置から第2ミラー23の反射部23rまでの距離よりも短くし、第2ミラー23の反射部23rに入射される画像光GLと第2ミラー23の反射部23rで反射される画像光GLとでなす第1角度θを、0°よりも大きく45°以下とすることで、例えば台形歪のようなディスト―ションの発生に伴う回路補正を要しないあるいは極力低減するものとなっている。なお、ここでは、第2ミラー23に入射される画像光GLと第2ミラー23で反射される画像光GLとでなす角度については、画像光GLのうち、光軸AXを通る画像光GLの第2ミラー23において入射され、かつ、反射される角度を代表するものとする。
以下、画像光GLの光路について説明する。まず、表示デバイス11からの画像光GLは、レンズ部材12を経て第1ミラー21に入射して反射部21rによって100%に近い高い反射率で反射される。第1ミラー21で反射された画像光GLは、屈折反射光学部材22に入射して屈折部22eで屈折され、ミラー部22rによって100%に近い高い反射率で反射され、屈折部22eで再度屈折される。屈折反射光学部材22からの画像光GLは、第2ミラー23に入射して反射部23rによって50%程度以下の反射率で反射される。第2ミラー23で反射された画像光GLは、使用者USの瞳EYが配置される射出瞳EPに入射する。画像光GLにおいて、屈折反射光学部材22と第2ミラー23との間には中間像が形成されている。中間像は、表示デバイス11の表示部11aに形成された画像を適宜拡大したものとなっている。中間像は、屈折部22eに付着したゴミ等の影響を回避するため、屈折部22eと交差しないものとなっている。射出瞳EPの位置で観察される画角は、例えば対角約50°を想定している。
以上で説明した第1ミラー21や第2ミラー23は、表面ミラーに限られるものではなく、板状体21bの裏面に反射膜21c、板状体23bの裏面に反射膜23cを有する裏面ミラーとすることができる。
上記において、屈折反射光学部材22の代わりに、第1ミラー21を屈折反射光学部材とすることができ、第1ミラー21と屈折反射光学部材22との双方を屈折反射光学部材とすることもできる。
ここで、図4等を参照して、虚像表示装置100を構成する投射光学系30のうち、特に、第2ミラー23の形状について説明する。なお、図4は、虚像表示装置100の光学的構造等を説明する斜視図であり、図5は、虚像表示装置100における第2ミラー23の形状について説明するための側断面図であり、図6は、平断面図である。
図4に示すように、また、既述のように、第2ミラー23は、射出瞳EPの位置に向かって凹形状を有している。したがって、例えば第2ミラー23のうち、上下方向(±Y方向)に沿った曲線上の範囲について、第2ミラー23の中心を通る曲線上の範囲23oと、第2ミラー23の端側を通る曲線上の範囲23pと、では、距離的な差異がある。
例えば、図5において、破線で示す画像光GLoは、第2ミラー23のうち範囲23oあるいは範囲23oの近傍で反射されて射出瞳EPに向かう画像光である。一方、実線で示す画像光GLpは、第2ミラー23のうち範囲23pあるいは範囲23pの近傍で反射されて射出瞳EPに向かう画像光である。なお、表示デバイス11から±Y方向において同じ位置(同じ高さ)から出射する画像光GLoと画像光GLpとは、図5中において重なって見える。ただし、これを図6に示すように、上方(+Y側)から見た場合、表示デバイス11の同じ高さから出射される画像光GLoと画像光GLpとは、重ならない。つまり、X方向については異なる位置から出射される画像光GLoと画像光GLpとでは、図6中矢印で示すように、例えば、画像光GLoは、第2ミラー23において範囲23oあるいは範囲23oの近傍で反射されるのに対して、画像光GLpは、第2ミラー23において範囲23pあるいは範囲23oの近傍で反射される。図5に戻って、画像光GLoと画像光GLpとでは、表示デバイス11の±Y方向において同じ高さから射出された場合であっても、第2ミラー23での反射の位置の距離差DDとして、4mm程度の差がある。例えば図5中の場合における表示デバイス11の中心位置(基準位置)の高さから出射される画像光すなわち光軸AXに沿って出射される画像光GLoと、光軸AXの周辺側から出射される画像光GLpとの距離差DD1は、4.0mmである。また、表示デバイス11において、中心位置(基準位置)よりも上方向(+Y方向)に3mm離れた高さ(上端)から出射される画像光GLoと画像光GLpとの距離差DD2は、4.2mmである。また、表示デバイス11において、中心位置(基準位置)よりも下方向(-Y方向)に3mm離れた位置(下端)から出射される画像光GLoと画像光GLpとの距離差DD3は、3.5mmである。第2ミラー23は、以上のような差異が生じる程度に、湾曲している。
以下、図7等を参照して、虚像表示装置100の光学系を構成する各部について配置関係や、その比較手法について、一例を説明する。なお、図8は、各部の配置関係を示す図7から各部の配置について抽出した概念図である。
まず、図7に示すように、ここでは、光軸AXを通る位置を各部の基準位置として、各部の配置関係(位置関係)を定めるものとする。例えば、射出瞳EPの位置であれば、光軸AXが射出瞳EPに到達する位置である中心位置を示す点EPxが基準位置となる。同様にして、第2ミラー23の基準位置を点23x、屈折反射光学部材22(反射部22r)の基準位置を点22x、第1ミラー21(反射部21r)の基準位置を点21x、表示デバイス11(表示部11a)の基準位置を点11xとする。
また、方向については、X方向、Y方向、及びZ方向を採用する。この場合、X方向、Y方向、及びZ方向は、設計上における理想的(仮想的)な状態で虚像表示装置100が装着されていると想定され、この場合の仮想的な使用者USにとっての前方向又は正面方向がZ方向となり、両眼の並ぶ横方向(水平方向)がX方向となり、垂直方向がY方向となる。
以上において、例えば、図7中のように、Z方向において、表示デバイス11から第1ミラー21までの距離を距離LL1で規定し、射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離を距離LL2で規定した場合に、距離LL1よりも距離LL2が短くなる。従って、表示デバイス11から第1ミラー21までの距離が射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離よりも短いものと捉えることができる。
また、虚像表示装置100では、上記のような理想的な状態において、図7及び図8に示すように、第2ミラー23から射出瞳EPへの光軸AXの方向が、Z方向に対してやや斜め下の方向に傾斜している。人間工学の観点から、自然な人間の視線角度は、下側10°程度であることが知られており、虚像表示装置100による映像(虚像)の視認においても、Z方向を基準に下側10°に映像の中心をシフトすることで、より自然で楽な映像視聴が提供できると考えられる。そこで、図示のような理想的な状態においては、第2ミラー23から射出瞳EPへの光軸AXの方向が、上下方向についての傾きが下側10°となるように構成されている。つまり、図中において、射出瞳EPへ向かう光軸AXのZ方向に対する傾き角度(視線のY方向についての傾き)αは、α=10°となっている。
また、図示のように、射出瞳EPの基準位置を示す点EPxと、屈折反射光学部材22の基準位置を示す点22xとについて、点EPxから点22xまでの距離のうち、Y方向(垂直方向)についての距離を距離yとし、Z方向(前後方向)についての距離を距離zとする。
また、ここでは、第2ミラー23に入射される画像光GLと第2ミラー23で反射される画像光GLとでなす角度について、既述のように、光軸AXに沿った画像光GLの角度を代表する角度として扱い、これを第1角度θとする。第1角度θを大きくすることで、虚像表示装置100全体のうち眼前部分の出っ張りを抑えることが期待される。その反面、画像光GLの導光方向(-Y方向)については、偏芯の度合いが大きくなり、発生する収差も大きくなる。上記態様の場合、特に、縦方向(Y方向)についての導光の影響が大きくこれに対応する方向すなわち画像における縦方向について偏りのある歪曲収差が発生しやすくなると考えられる。したがって、収差抑制の観点からは、第1角度θをある程度小さくすることが要請される。
さらに、ここでは、射出瞳EPの位置(点EPx)から第2ミラー23(点23x)までの光軸AXに沿った距離を、距離Cとする。つまり、距離Cは、使用者USの眼の位置に対する第2ミラー23の位置を示すものとなっており、これは、虚像表示装置100全体における眼前の大きさを示す指標の1つとなる。
ここで、図8のように、光軸AXのうち、屈折反射光学部材22(反射部22r)の基準位置を示す点22xから点EPxに至るまでの間における各パラメーターすなわち上述した角度α、距離y、距離z、距離C及び第1角度θを幾何学的に抽出すると、これらについて下記の式(1)の関係が成り立っていることが分かる。
Figure 2023066523000002
ただし、
C: 射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離
y: Y方向(鉛直方向)における射出瞳EPの位置から屈折反射光学部材22の位置までの距離
z: Z方向(水平方向)における射出瞳EPの位置から屈折反射光学部材22の位置までの距離
α: Z方向(水平方向)に対する使用者USの視線の傾き角度
θ: 第2ミラー23に入射される画像光GLと第2ミラー23で反射される画像光GLとでなす第1角度
ここで、射出瞳EPが使用者USにとっての眼の位置にあるのに対して、屈折反射光学部材22は、光学系のうち、使用者USにとっての額に最も近づく位置である。このため、上記のうち、射出瞳EPと屈折反射光学部材22との相対的な位置関係を示す距離y及び距離zについては、ある程度定まった範囲の数値となっており、典型的一例としては、y=14.5mm、z=18.4mmとすることが想定される。
また、上記のうち、視線の傾き角度αについても、既述のように、典型的一例としては、α=10°とすることが想定される。
以上から、距離y、距離z及び角度αが規定値であるとした場合、上記の式(1)は、第1角度θと射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離Cとが満たすべき関係を示しているものとなる。以上の場合、図8や、さらには、上記の式(1)を勘案すると、距離Cを大きくするほど、第1角度θを小さくでき、光学系における収差の発生を抑制できる。ただし、距離Cは、使用者USにとっての眼の位置に対する第2ミラー23の位置を示すものであり、距離Cを大きくするほど装置全体として大型化することになる。
本実施形態では、第1角度θを0°よりも大きく45°以下とすることで、収差の抑えられた構成としつつ、上記の式(1)を勘案して、距離Cの範囲を適切な範囲に収めることで、装置の大型化の抑制が図られている。
なお、距離Cの値としては、装置全体としてのサイズや、確保すべき画角に伴う第2ミラー23の反射領域確保といった観点から、例えば100mm以内、あるいは70~80mm程度以下とすることがより好ましい。これに応じて、第1角度θの下限値としては、例えば10°程度とすることが想定される。
図7に戻って、ここでは、上記のほか、第1ミラー21に入射される画像光GLと第1ミラー21で反射される画像光GLとでなす角度についても、第2角度φとして、規定している。第2角度φは、第1角度θの規定に倣って、例えば第1ミラー21の前後で光軸AXに沿った画像光GLの成分についての角度をもって、第2角度φを代表する角度とすることが考えられる。なお、図示の場合、第1角度θは、第2角度φよりも小さいものとなっている。
図9は、発生する収差(歪曲収差)の様子について示す概念図である。図中において、破線で示す格子状の線DA1が、表示デバイス11の表示面11aに形成される表示像DAの形状に相当する。この場合、格子状の線DA1は、矩形状となっている。一方、実線で示す格子状の線IGが、虚像として視認される画像の形状を示している。図示では、これらの形状を比較できるように形状を拡大または縮小して重ね合わせた様子を示している。この場合、線IGは、多少の歪みはあるもののほぼ矩形状の状態を維持している、すなわち歪曲収差がほとんどなく、光学系の中で縦横歪が解消されたものとなっていることが分かる。ここで、例えば、虚像表示装置100により形成されるもののように、シースルーの画像を視認する場合には、歪みの無い元の画像と比べて5%以内、より好ましくは、2~3%以内の歪み発生であれば、視認性を良好に保てると考えられる。本実施形態では、第1角度θを0°より大きく、かつ45°以下とすることで、偏芯光学系における歪み発生を光学系の中において十分に抑え、例えば回路補正を要することなく、あるいは、回路補正による負担増加を極力抑えて、良好な画像形成を行うことが可能になっている。
なお、図10は、上記態様における解像度について示すグラフ(MTF図)である。図10から、十分に良好な状態で画像形成がなされていることが分かる。
以上のように、本実施形態に係る虚像表示装置100は、画像光GLを出射させる画像光出射部である表示デバイス11と、表示デバイス11からの画像光GLを反射させる第1ミラー21と、第1ミラー21で反射された画像光GLを反射させる反射部(ミラー部22r)を有する光学部材である屈折反射光学部材22と、ミラー部22rで反射された画像光GLを射出瞳EPの位置に向けて反射させる第2ミラー23と、を備え、表示デバイス11から第1ミラー21までの距離(距離LL1)は、射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離(距離LL2)よりも短く、第2ミラー23に入射される画像光GLと第2ミラー23で反射される画像光GLとでなす第1角度θは、0°より大きく、かつ45°以下である。上記虚像表示装置100では、射出瞳EPの位置から第2ミラー23の位置までの間について距離Cを設け、かつ、第2ミラー23に入射される画像光GLと第2ミラー23で反射される画像光GLとでなす第1角度θを0°より大きく、かつ45°以下とすることで、歪の発生を十分に抑え、例えば補正回路による電気的な補正等を要することなく高精度な画像形成が可能になる。
〔実施例1〕
以下では、第1実施形態の虚像表示装置100の光学系を具体化した実施例1について説明する。
以下の表1は、実施例1の虚像表示装置を構成する各面のパラメーターを示す。表中で距離の単位はmmである。
〔表1〕
Figure 2023066523000003
Figure 2023066523000004
この場合、射出瞳EPから表示部11aに向けて光線を辿っていることになる。表1には、隣接する面間の面間隔、屈折媒体の材質、及び面の屈折及び反射の別、各面のグローバル座標が記載されている。なお、屈折媒体の材質において、樹脂Aは、可視域で屈折率が1.52程度でアッべ数が56.5の樹脂材を意味し、樹脂Bは、可視域で屈折率が1.67程度でアッべ数が19.2の樹脂材を意味し、SILICAは、可視域で屈折率1.47程度の石英ガラスを意味する。
上記表1に示す実施例1のデータにおいて、自由曲面をxy多項式面で表しているが、xy多項式面の係数は、zを光軸方向として、以下の式で与えられる。
Figure 2023066523000005
ここで、
z:z軸に平行な面のサグ量
c:頂点曲率
k:コーニック係数
:単項式xの係数
r:半径方向の距離(r=√(x+y))
なお、C=C×{(正規化半径)(m+n-1)}である。
以下の表2は、係数Cを具体的に説明する表である。
〔表2〕
Figure 2023066523000006
Figure 2023066523000007
以下の表3は、実施例1に含まれる自由曲面を与える多項式の係数Cをまとめた表である。
〔表3〕
Figure 2023066523000008
Figure 2023066523000009
〔第2実施形態〕
以下、図11等を参照して、本発明の第2実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第2実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。なお、図11は、図3に対応する図であり、図12は、図9に対応する図である。
図11に示すように、第2実施形態の虚像表示装置100は、第1実施形態と同様に、投射光学系30として、レンズ部材12と、第1ミラー21と、屈折反射光学部材22と、第2ミラー23とを備え、さらに、表示デバイス11において、補正回路CCを有している。本実施形態では、縦歪(画像の縦方向についての歪み)の発生については、光学系において抑え、横歪(画像の横方向についての歪み)については、補正回路CCによる回路補正を行う態様となっている点において、縦歪及び横歪の双方について収差を抑えるようにしていた第1実施形態の場合と異なっている。なお、図示のように、本実施形態においても、表示デバイス11から第1ミラー21までの距離は、射出瞳EPの位置から第2ミラー23までの距離よりも短くなっている。
図12は、仮に補正回路CCによる補正を行わなかったとした場合に光学系において発生する収差(歪曲収差)の様子について示す概念図である。図中において、破線で示す格子状の線DA1が、図9の場合と同様に、表示デバイス11の表示部11aに形成される表示像DAの形状に相当するのに対して、実線で示す格子状の線IGαが、補正回路CCによる補正を行わなかった場合での画像の形状を示している。つまり、図12に示す状態から明らかなように、本実施形態の場合、光学系において縦歪は解消されているが、横歪が残る状態となっている。しかしながら、この場合、図12から分かるように、補正回路CCにおける演算処理として、横のラインに関する画素の位置調整を行えば、十分に歪み補正がなされた画像の形成ができる。つまり、補正回路CCにかかる負担を低減できる。特に、本実施形態では、上記のように、光学系が縦方向について展開する偏芯光学系となっていることから、縦歪の収差が抑制されていることで、全体として発生する収差を効果的に抑えることができる。
〔実施例2〕
以下では、第2実施形態の虚像表示装置100の光学系を具体化した実施例2について説明する。実施例2のデータも、実施例1のデータと同様の様式で表現されており、用語の定義等についての重複説明を省略する。
以下の表4は、実施例2の虚像表示装置を構成する各面のパラメーターを示す。表中で距離の単位はmmである。
〔表4〕
Figure 2023066523000010
Figure 2023066523000011
以下の表5は、実施例2に含まれる自由曲面を与える多項式の係数Cをまとめた表である。
〔表5〕
Figure 2023066523000012
Figure 2023066523000013
Figure 2023066523000014
Figure 2023066523000015
図13は、縦軸を第1角度θ(単位°)とし、横軸を画角(単位°、対角画角)とし、これらの関係を示すグラフである。図中、点PP0は、比較例として、縦横歪が残ったまま存在する状態つまり歪み補正をしなかった場合の一例を示している。この場合、点PP0の位置から、画角50°において、第1角度θが45°よりも大きくなっている。この場合、装置の小型化を図れる可能性があるものの、大きな収差が発生してこれを回路やパネル形状等、他の手法により補正する必要が生じる。
これに対して、点PP1は、第1実施形態に示す一例、つまり縦歪及び横歪の双方について補正している場合の一例を示している。この場合、第1角度θは、0°より大きく、かつ45°以下となっている。より具体的には、画角50°においては、第1角度θが27°程度となっている。この場合、第1角度θを例えば第1角度θを30°以下(例えば27°程度)にしておくことで、歪曲収差を抑え、回路補正を要しないあるいは極力低減する虚像表示装置100を構成できることが分かる。
さらに、点PP2は、本実施形態(第2実施形態)に示す一例、つまり縦歪について補正している場合の一例を示している。この場合も、第1角度θは、0°より大きく、かつ45°以下となっている。より具体的には、例えば画角50°あるいは60°においては、第1角度θが35°程度となっている。また、画角40°あるいは45°においては、第1角度θが37°~38°程度(40°弱)となっている。これらのことから、本実施形態(第2実施形態)の場合、第1角度θを、35°~40°の範囲に保てば、虚像表示装置100として、回路補正の負担を軽減出来るものであって、画角40°~60°の広画角の画像形成が可能なものを構成できることが分かる。つまり、本実施形態(第2実施形態)において、第1角度θが、35°~40°の範囲にあり、第1ミラー21、屈折反射光学部材22、及び第2ミラー23による導光(-Y方向についての導光)に対応する方向(画像の縦方向)についての画像の歪曲収差の補正が、当該方向に垂直な方向(画像の横方向)についての補正よりも大きいものとすることで、収差補正の負担を軽減しつつ、装置の大型化の抑制等を図れる。
〔変形例その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態の虚像表示装置100では、表示デバイス11として有機EL素子等の自発光型の表示素子を用いているが、これに代えて、レーザー光源とポリゴンミラー等であるスキャナーとを組みあわせたレーザスキャナーを用いた構成も可能である。つまり、レーザー網膜投影型のヘッドマウントディスプレイに対して本発明を適用することも可能である。
屈折反射光学部材22のミラー部22rは、反射膜22cによって形成されるものに限らず、全反射条件を満たす全反射面であってもよい。
第2ミラー23の外界側には、第2ミラー23の透過光を制限することで調光を行う調光デバイスを取り付けることができる。調光デバイスは、例えば電動で透過率を調整する。調光デバイスとして、ミラー液晶、電子シェード等を用いることができる。調光デバイスは、外光照度に応じて透過率を調整するものであってもよい。調光デバイスによって外界光OLを遮断する場合、外界像の作用を受けていない虚像のみを観察できる。また、本願発明の虚像表示装置は、外光を遮断し画像光のみを視認させるいわゆるクローズ型の頭部搭載型表示装置(HMD)に適用できる。この場合、虚像表示装置と撮像装置とで構成されるいわゆるビデオシースルーの製品に対応させたりするものとしてもよい。
第2ミラー部材の23の反射膜23cについては、半透過性を有するものに限らず、ワイヤーグリッド素子のように特定偏光成分を反射するようなものであってもよい。第2ミラー部材の23の反射膜23cについては、体積ホログラムやその他のホログラム素子で構成することもでき、回折格子で構成することもできる。
以上では、虚像表示装置100が頭部に装着されて使用されることを前提としたが、上記虚像表示装置100は、頭部に装着せず双眼鏡のようにのぞき込むハンドヘルドディスプレイとしても用いることができる。つまり、本発明において、ヘッドマウントディスプレイには、ハンドヘルドディスプレイも含まれる。
具体的な態様における虚像表示装置は、画像光を出射させる画像光出射部と、画像光出射部からの画像光を反射させる第1ミラーと、第1ミラーで反射された画像光を反射させる反射部を有する光学部材と、反射部で反射された画像光を射出瞳の位置に向けて反射させる第2ミラーと、を備え、画像光射出部から第1ミラーまでの距離は、射出瞳の位置から第2ミラーまでの距離よりも短く、第2ミラーに入射される画像光と第2ミラーで反射される画像光とでなす第1角度は、0°より大きく45°以下である。
上記虚像表示装置では、出瞳の位置から第2ミラーまでの間について距離を設け、かつ、第2ミラーに入射される画像光と第2ミラーで反射される画像光とでなす第1角度を45°以下とすることで、画像歪の発生を十分に抑え、例えば補正回路による電気的な補正等を要することなく高精度な画像形成が可能になる。
具体的な側面において、光学部材は、第1ミラーからの画像光が入射され、反射部で反射された画像光が出射される入出射部を有し、入出射部は、入射させる画像光と、出射させる画像光とを屈折させる。この場合、折反射光学部材における屈折作用において、光路調整が可能となる。
具体的な側面において、入出射部は、非球面又は自由曲面である。この場合、折反射光学部材において、歪曲収差を抑えることができる。
具体的な側面において、射出瞳の位置から第2ミラーまでの距離Cは、下記の式
Figure 2023066523000016
ただし、
y: 使用者が虚像表示装置を正規に装着した場合の鉛直方向における射出瞳の位置から光学部材の位置までの距離
z: 使用者が虚像表示装置を正規に装着した場合の水平方向における射出瞳の位置から光学部材の位置までの距離
α: 水平方向に対する使用者の視線の傾き角度
θ: 第1角度
で示される。この場合、距離Cとの兼ね合いを図って、装置の大型化を回避しつつ、収差の抑制を図れる。
具体的な側面において、第1角度は、30°以下である。この場合、例えば矩形の画像について、縦方向と横方向との双方について十分な収差抑制ができる。
具体的な側面において、第1角度は、35°~40°の範囲であり、画像光で形成される画像において、第1ミラー、光学部材、及び第2ミラーによる画像光の導光に対応する方向にて生じる歪曲は、当該方向とは異なる方向にて生じる歪曲よりも大きい。この場合、装置の大型化を抑制しつつ、より効果の高い方向について収差抑制ができる。
具体的な側面において、第1角度は、第1ミラーに入射される画像光と第1ミラーで反射される画像光とでなす第2角度よりも小さい。この場合、第1角度が十分小さくなっていることで、光学系全体として、収差が抑えられたものとなっている。
具体的な側面において、第1ミラー、第2ミラー、及び反射部のそれぞれは、非球面又は自由曲面である。この場合、各反射面において、収差抑制を図れる。
具体的な側面において、第2ミラーは、画像光の一部を射出瞳の位置に向けて反射させ、画像光の他の一部を透過させる。この場合、シースルー視が可能になる。
11…表示デバイス、11a…表示部、11x…点、12…レンズ部材、12a…屈折部(入射部)、12b…屈折部(出射部)、21…第1ミラー、21a…ミラー板、21b,23b…板状体、21c,23c…反射膜、21r,23r…反射部(ミラー部)、21s…表面、21x…点、22…屈折反射光学部材、22b…屈折部材、22d…非屈折部、22e…屈折部、22r…反射部(ミラー面)、22x…点、23…第2ミラー、23a…ミラー板、23o…範囲、23p…範囲、23r…反射部、23s…表面、23x…点、30…投射光学系、50…外観部材、80…フレーム、81…本体部材、82…ツル部、83…ノーズパッド、100…虚像表示装置、AX…光軸、C…距離、CC…補正回路、Ci…係数、DA…表示像、DA1…線、DD,DD1~DD3…距離差、EP…射出瞳、EPx…点、EY…瞳、GL,GLo,GLp…画像光、IG,IGα…線、LL1,LL2…距離、OL…外界光、PP0,PP1,PP2…点、US…使用者、y…距離、z…距離、α…角度、θ…第1角度、φ…第2角度

Claims (9)

  1. 画像光を出射させる画像光出射部と、
    前記画像光出射部からの前記画像光を反射させる第1ミラーと、
    前記第1ミラーで反射された前記画像光を反射させる反射部を有する光学部材と、
    前記反射部で反射された前記画像光を射出瞳の位置に向けて反射させる第2ミラーと、
    を備え、
    前記画像光射出部から前記第1ミラーまでの距離は、前記射出瞳の位置から前記第2ミラーまでの距離よりも短く、
    前記第2ミラーに入射される前記画像光と前記第2ミラーで反射される前記画像光とでなす第1角度は、0°より大きく45°以下である、虚像表示装置。
  2. 前記光学部材は、前記第1ミラーからの前記画像光が入射され、前記反射部で反射された前記画像光が出射される入出射部を有し、
    前記入出射部は、入射させる前記画像光と、出射させる前記画像光とを屈折させる、請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記入出射部は、非球面又は自由曲面である、請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記射出瞳の位置から前記第2ミラーまでの距離Cは、下記の式
    Figure 2023066523000017
    ただし、
    y: 使用者が前記虚像表示装置を正規に装着した場合の鉛直方向における前記射出瞳の位置から前記光学部材の位置までの距離
    z: 前記使用者が前記虚像表示装置を正規に装着した場合の水平方向における前記射出瞳の位置から前記光学部材の位置までの距離
    α: 前記水平方向に対する前記使用者の視線の傾き角度
    θ: 前記第1角度
    で示される、請求項1~3のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  5. 前記第1角度は、30°以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  6. 前記第1角度は、35°~40°の範囲であり、
    前記画像光で形成される画像において、前記第1ミラー、前記光学部材、及び前記第2ミラーによる前記画像光の導光に対応する方向にて生じる歪曲は、当該方向とは異なる方向にて生じる歪曲よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  7. 前記第1角度は、前記第1ミラーに入射される前記画像光と前記第1ミラーで反射される前記画像光とでなす第2角度よりも小さい、請求項1~6のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  8. 前記第1ミラー、前記第2ミラー、及び前記反射部のそれぞれは、非球面又は自由曲面である、請求項1~7のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  9. 前記第2ミラーは、前記画像光の一部を前記射出瞳の位置に向けて反射させ、前記画像光の他の一部を透過させる、請求項1~8のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
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