JP2023065240A - パターンプロジェクタ、計測装置、制御システム、及び物品の製造方法 - Google Patents

パターンプロジェクタ、計測装置、制御システム、及び物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スペックルノイズを低減可能なパターンプロジェクタを提供する。【解決手段】パターンプロジェクタにおいて、複数のレーザー発光部を有し、前記複数のレーザー発光部が配列されているレーザー光源と、夫々の前記レーザー発光部からの照射光を離散した複数の孤立光からなる孤立光パターンに変換する回折光学素子と、を有し、前記孤立光パターンは、夫々の前記レーザー発光部からの照射光が重なった多重孤立光を含み、前記多重孤立光を照射面から見たときに、前記多重孤立光を形成する前記複数の照射光の見込み角が互いに異なる。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザー光を用いたパターンプロジェクタ、計測装置、制御システム、及び物品の製造方法に関する。
従来、ステレオカメラでは、パターン光を物体の表面に投影して表面に2次元的な特徴を付与し、当該物体を複数方向から撮影した画像を使用したマッチングを行う技術が利用される。近年、このようなパターン光として、レーザー光源及び回折光学素子(DOE)を用いた小型かつ安価なパターンプロジェクタデバイスが用いられている。
例えば、特許文献1では、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)アレイと回折光学素子を用いてドットパターンを作成する構成が提案されている。
又、レーザーの可干渉性に起因するスペックルノイズを低減する方法として、複数のレーザー光源からの光を重ね合わせる方法が知られている。例えば、特許文献2及び特許文献3では、VCSELアレイの各VCSELから射出した各ライン光を重ね合わせ、スペックルパターンを平均化する場合において、ノイズ低減効率を向上させるための光源配列条件等について開示されている。
特表2020-531851号公報 特開2020-34310号公報 特開2020-9749号公報
特許文献1のような、レーザーと回折光学素子で構成されるプロジェクタを用いる場合、照射対象である物体を認識するカメラの撮像素子などに、物体の表面構造及びレーザーの干渉性に起因するスペックルノイズが発生する。スペックルノイズは、ステレオカメラのパターンマッチング精度や、測距測定精度に悪影響を及ぼしてしまう。
又、特許文献2及び特許文献3には、ライン光及び均一照明におけるスペックルノイズを低減するための技術が記載されている。しかし、これらの文献の技術では、物体の表面に2次元的な特徴を同時刻に付与して撮像することができないため、ステレオカメラ用のプロジェクタとしては有効なアプリケーションが制限される。例えば、2次元パターンが照射された物体を同時刻で撮像して得られる1対のステレオ画像から距離画像を演算する、ステレオカメラには使用することができない。
本発明は、スペックルノイズを低減可能なパターンプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明のパターンプロジェクタは、
複数のレーザー発光部を有し、前記複数のレーザー発光部が配列されているレーザー光源と、
夫々の前記レーザー発光部からの照射光を離散した複数の孤立光からなる孤立光パターンに変換する回折光学素子と、を有し、
前記孤立光パターンは、夫々の前記レーザー発光部からの照射光が重なった多重孤立光を含み、
前記多重孤立光を照射面から見たときに、前記多重孤立光を形成する前記複数の照射光の見込み角が互いに異なることを特徴とする。
本発明によればスペックルノイズを低減可能なパターンプロジェクタを提供できる。
実施形態1のパターンプロジェクタとしてのDOEプロジェクタを示した図である。 図2(A)~(H)は実施形態1のDOEプロジェクタの特徴を説明するための図である。図2(A)は、図2(D)のVCSELアレイ101及びレンズ102によって生成されたドットパターン光110の角度分布を示す図である。図2(B)は、DOE105に1本のレーザー入射がある場合の、DOE105から射出する角度分布を示した図である。図2(C)は、図2(F)のDOEプロジェクタ100から射出される多重ドットパターン光111の角度分布を示す図であり、図2(D)はDOEプロジェクタ100における、VCSELアレイ101及びレンズ102を示した図である。図2(E)は、1本のレーザー入射に対し、DOE105が横方向に7本のビームに分割する様子を示した図である。図2(F)は、VCSELアレイ101、レンズ102、DOE105を用いて多重ドットパターン光を生成する実施形態1のDOEプロジェクタ100の例を示した図である。図2(G)は、VCSELアレイ101の9個のVCSELからのドット構造が重なり、1つの多重化ドットを生成する様子を示した図である。図2(H)は多重ドットパターン光111において、図2(G)で説明した1つの多重化ドットの、隣接する多重化ドットとの関係を示した図である。 図3(A)、(B)は多重ドットパターン光111の1つの多重化ドットを構成する3つのドット光について説明するための図であり、図3(A)は、物体200上のビームの強度分布を示す図、図3(B)は位相分布を示す図である。 図4(A)は多重ドットパターン光111の中央のドットを構成する3つのドット光112~114のみについて横方向から見た図、図4(B)はDOEプロジェクタ100近傍を拡大して示した図である。 図5(A)~(F)は実施形態2のパターンプロジェクタとしてのDOEプロジェクタの特徴を説明するための図である。図5(A)は、図5(D)のVCSELアレイ101及びマイクロレンズアレイ107によって生成されたドットパターン光110の角度分布を示す図である。図5(B)は、DOE108に1本のレーザー入射がある場合の、DOE108から射出する角度分布を示した図であり、図5(C)は、図5(F)のDOEプロジェクタ400から射出される多重ドットパターン光115の角度分布を示す図である。図5(D)はDOEプロジェクタ400における、VCSELアレイ101及びマイクロレンズアレイ107を示した図であり、図5(E)は、1本のレーザー入射に対し、DOE108が横方向に複数のビームに分割する様子を示した図である。図5(F)は、VCSELアレイ101、マイクロレンズアレイ107、DOE108を用いて多重ドットパターン光を生成する実施形態2のDOEプロジェクタ400の例を示した図である。 実施形態3における計測装置とロボットアームを含む制御システムを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例を用いて説明する。尚、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。
<実施形態1>
図1は本実施形態に係るパターンプロジェクタとしてのDOEプロジェクタ100の構成を示す図である。DOE(Diffractive Optical Elements:回折光学素子)プロジェクタ100は、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザー)アレイ101、レンズ102、DOE105により構成される。複数のレーザー発光部からなるVCSELアレイ101から射出した各光束103は、照射光を集光するためのレンズ102を介し、DOE105に入射する。
図1に示す各光束103はレーザー発光部としての各VCSELから射出する主光線を示しており、各主光線が交わる位置(各光源からの光束が重なる面)がレンズ102による瞳面104である。DOE105は瞳面104から光軸上の所定の距離dだけ離れた位置に設置され、回折によりビームを分割する。
即ち、レンズ102が複数のレーザー発光部からの夫々の照射光の主光線を集光する瞳位置から所定の距離dだけ離した位置に、回折光学素子としてのDOE105を配置している。
DOEプロジェクタ100は、このように夫々のレーザー発光部からの照射光を、離散した複数の孤立光からなる孤立光パターンとしてのドットパターン光に変換して対象物に投影する。
ここで、DOEプロジェクタ100の構成要素の各機能を、図2を用いて詳細に説明する。
図2(D)はDOEプロジェクタ100における、VCSELアレイ101及びレンズ102を示した図である。VCSELアレイ101は、レーザー発光部としてのVCSELを複数個有し、基板上に複数のVCSELが格子状に水平又は垂直方向に等間隔で配列されて成るレーザー光源である。例えば、VCSELアレイ101は、1辺あたり例えば各10個以上、計100個以上のVCSELから構成される。即ち、複数のレーザー発光部からの照射光の波長が互いに等しい。ここで波長は適宜決定して良いが、本実施形態では不可視の近赤外光とし、850nm程度とする。
図2では説明を簡単にするため、縦横夫々3個、計9個のVCSELからなるVCSELアレイとし、図2(D)は横方向のみ3個のVCSELを図示している。VCSELアレイ101から射出した各光束103は、レンズ102によりビームウエストが拡大され発散角を緩めた光束に変換され、各光束から成るドットパターン光110が生成される。
後段のDOEによりビームを分割して投影するにあたり、VCSEL素子から射出した各ビームの発散角を小さくする必要がある。図2(A)は、図2(D)のVCSELアレイ101及びレンズ102によって生成されたドットパターン光110の角度分布を示す図である。図2(A)に示すようなドットパターン光110を、被照射対象物物体に照射した場合、被照射対象物物体の表面構造及びレーザーの干渉に起因するスペックルパターンノイズを発生させてしまう。
ここでドットパターン光110とは、投影された物体表面に輝度パターンによる特徴を付与するドットパターン化された光を指す。
又、DOEプロジェクタ100は、ステレオカメラ等にも用いられる小型のプロジェクタであり、予め定められた距離以上離れた物体を被照射対象物とし、被照射対象物は例えば照射面が100mm以上かつ2m以下の距離に配置される。
図2(A)に示すとおり、ドットパターン光110の角度分布はレーザーアレイの配置を反映した3×3のドット上の角度分布を持つ。ドットパターン光110は、前述のとおり、説明を簡単にするため計9個のVCSELとして説明するが、実際には多数(例えば100以上)のドットから構成される。また後述のDOE105とは別のDOEを追加で用いることで、ドットパターン光110を数千個のドットに増やすことも可能である。
次に、図2(E)と図2(B)を用いて、DOE105の特性を説明する。図2(B)は、DOE105に1本のレーザー入射がある場合の、DOE105から射出する角度分布を示した図であり、本実施形態ではDOE105は入射したレーザー光を縦横7本ずつ計49の光束に分岐する機能を持つように設計されている。尚、本実施形態では、説明を簡単にするために縦横7本ずつ計49本としたが、より多数のドットとしても構わない。
図2(E)は、1本のレーザー入射に対し、DOE105が横方向に7本のビームに分割する様子を示した図である。ここで、本実施形態では、DOE105のビーム分割における角度間隔を、図2(A)に示すドットパターン光の角度間隔に略一致させている。
図2(F)は、VCSELアレイ101、レンズ102、DOE105を用いて多重ドットパターン光を生成する実施形態1のDOEプロジェクタ100の例を示した図である。
図2(F)では、図2(D)で説明したVCSELアレイ101及びレンズ102によるドットパターン光110に、図2(E)で説明したDOE105を適用して、ドットパターン光110を7×7分割して多重化している。それにより、等間隔の複数の多重孤立光から成るパターンである多重ドットパターン光111を生成している。
図2(C)は、図2(F)のDOEプロジェクタ100から射出される多重ドットパターン光111の角度分布を示す図である。ここで、本実施形態においては、多重ドットパターン光111のうち、図2(C)に示す角度範囲106に含まれる各構造(ドット)は、VCSELアレイ101のすべてのVCSELからの射出光で構成されていることが特徴である。これは、DOE105のビーム分割における角度間隔を、図2(A)に示すドットパターン光の角度間隔に略一致させていることで、DOE105による異なる回折次数の回折光を重ねることで実現できる。即ち、多重孤立光を構成する複数の照射光は、回折光学素子の異なる回折次数により生成されている。従って各構造におけるスペックルノイズの低減が可能となる。
ただし、互いにインコヒーレントなレーザー光源であっても、完全に同じ状態のレーザービーム照射によるスペックルパターンは完全に相関するため、多重化したとしてもスペックルパターンの平均化によるノイズ低減効果は見込めない。従って、本実施形態では、図2(F)に示すとおり、DOE105の位置を、VCSELアレイ101射出光の各主光線が交わる瞳面104から、所定の距離dだけずらした位置に配置している。
これによって、角度範囲における各構造(ドット)に着目すると、異なるVCSELから射出した光は、略一致した角度で多重化されるものの、DOE105上のドット又は物体上のドットは空間的に中心がずれて多重化される。ここで、各構造がドットの場合であっても、レーザービームは空間的な広がりを持つため、物体面上の夫々のドット構造は、各VCSELからの各ドットが、中心がずれつつ重なった状態となる。
図2(G)は、VCSELアレイ101の9個のVCSELからのドット構造が重なり、1つの多重孤立光としての多重化ドットを生成する様子を示した図であり、中心のドットを実線で、その他の8個のドットを破線で示している。ここで、スペックルノイズ平均化の観点では、ドット構造を構成する各VCSELからのビーム軸はシフトしているのみで各々平行であるが、物体面上のある一点に着目すると、異なる方向からビームが照射されている。
即ち、多重孤立光を照射面から見たときに、多重孤立光を形成する複数の照射光の見込み角が互いに異なるように、複数の異なるレーザー発光部からの複数の照射光を多重化して多重孤立光を生成している。従って、スペックルノイズが平均化され低減されることになる。
上記について図3を用いて説明する。図3(A)、(B)は多重ドットパターン光111の1つの多重化ドットを構成する3つのドット光について説明するための図であり、図3(A)は、物体200上のビームの強度分布を示す図、図3(B)は位相分布を示す図である。各ビームは発散光束としているため、位相は球面状の分布を持つ。従って、物体上のある1点300に着目したとき、図5(B)のビームの波面法線301の方向が異なるため、異なる角度で照射された場合と同様の平均化効果を得ることができる。
従って、DOE105の瞳面104からの距離dは、物体面上のある一点に着目した場合の各VCSELからの入射角度差が所定の量となるように設定する。即ち、多重孤立光を照射面から見たときに、多重孤立光を形成する複数の照射光の見込み角である入射角度が互いに異なるようにすると共に、その入射角度の差が所定量となるようにすることが好ましい。
ここで、スペックルノイズを十分低減するために、どの程度異なる方向から照射される必要があるか説明する。
例えば特許文献2に記載されたレーザー入射角度とスペックル変化の関係によれば、用いる光学系の緒元にも影響をうけるものの、入射角度が0.05度異なるレーザー光によるスペックル同士は無相関に近く平均化効果を得ることができる。又、入射角度0.02度異なるレーザー光においても相関が弱く一定の平均化効果を得ることができる。
従って、本実施形態のDOEプロジェクタ100においては、多くのレーザー入射による平均化効果が得られるため、各VCSELから物体への入射角度差が小さくても、即ち、例えば0.02度であっても十分な平均化効果を得ることができる。即ち、多重孤立光を照射面から見たときに、多重孤立光を形成する複数の照射光の見込み角が0.02度以上であることが望ましい。
例えば、物体までの距離が300mmにおいて、入射角度差0.02度以上とするためには、発散波面の曲率中心をDOE105近傍として、光束の隣接する光束の主光線間の距離がDOE105上において0.1mm程度以上となるようにすれば良い。又、そのためには、DOE105を瞳面104から所定距離dだけずらして設置すれば良い。又、特にVCSELアレイの配列数が3×3よりも多い場合は、DOEプロジェクタ100又はDOE105の大型化を避けるため、0.25mm以下とするのが好ましい。
図2(H)は多重ドットパターン光111において、図2(G)で説明した1つの多重化ドットの、隣接する多重化ドットとの関係を示した図である。本実施形態のDOEプロジェクタ100は、スペックルノイズを低減しつつも、投影される物体に特徴を付与する必要があるため、ドットパターン光をずらして多重化しつつもドットパターン構造を残す必要がある。
図2(H)では隣接するドットとの間隔を、多重化されたドット同士が重ならないように離している。ただし、レーザービーム強度は空間的な分布を持つため、ビームの裾が重なってもドット構造が残る程度であれば問題ない。即ち、DOEプロジェクタが物体の画像に特徴を付与する目的に鑑みれば、多重化されたドットパターン光における局所的な明部と暗部のコントラストが80%以上あればドット構造が残ると考えて良い。
又、複数のDOEプロジェクタ100を切り替えて、夫々投影して得られた複数の画像情報を用いるマルチショットステレオ法などの、ロバストなステレオ計測などでは、コントラストが例えば50%以上あれば良い。
図4を用いて、DOEプロジェクタ100を更に詳細に説明する。図4(A)は多重ドットパターン光111の中央のドットを構成する3つのドット光112~114のみについて横方向から見た図、図4(B)はDOEプロジェクタ100近傍を拡大して示した図である。
前述のように、レンズ102によりVCSELアレイ101から射出した光のビームウエストが拡大され発散角が調整されるが、これはVCSELアレイ101の発光面がレンズ102により物体200の結像面119に結像されることによる。結像面119とビームウエストの位置は厳密にはずれるが、ここでは略一致した位置と考えて良い。
図4(B)において、112はレンズ光軸上のVCSELから射出されたドット光を、113は光軸外から射出されたドット光がDOE105により回折されたドット光を示している。又、ドット光1130はドット光113がDOE105により回折されない0次回折光のドット光を示している。
VCSELアレイ101から射出した光を例えばステレオカメラ用のドットパターン光として利用する場合、ドット光の大きさが解像度に影響する。従って、カメラの画角と解像度を考慮した場合、ビームの発散角は半角0.1度以上かつ0.3度以下とするのが好適である。従って、ビームウエスト半径を50μm以上かつ150μm程度とするのが好適であり、レンズ102による結像倍率は、VCSELの発光面でのビームウエストが1~3μm程度と考えると50倍程度が好適である。
前述のとおり、隣り合うVCSELから射出したドット光の間隔を、0.1mm以上0.25mm以下となるような位置にDOE105を設置している。このようなスペックル平均化効果を得るために好適な光学緒元を、DOEを用いることなく回転対称系の光学系を用いて実現することは困難である。
例えば光源であるVCSELアレイ101の発散角を倍率50倍とし、ドット光の間隔を0.1mm以上0.25mm以下とする場合は、VCSELアレイ101の各VCSELの間隔を2μm~5μmとする必要があり、実現することは困難である。又、VCSELアレイ101の真上にマイクロレンズアレイを設置する等によって、各VCSELの間隔を変更せずに発散角を調整する構成も考えられる。しかし、本実施形態のDOE100はマイクロレンズアレイではなく、回転対称系のレンズを用いているので、簡易で安価な構成とすることが可能である。
尚、本実施形態では、異なるVCSELから射出したドット光を多重化する際に、図4(A)に示すように、ビーム軸が略等しい角度をもつビームを多重化させたが、図4(C)のようにビーム軸が異なる角度のビームを多重化させても良い。これは、DOE105のビーム分割における角度間隔と、図2(A)に示すドットパターン光の角度間隔をずらすことで実現できる。ただし、DOE105の最大回折次数やVCSELアレイ101のVCSEL数が増加した場合に、多重ドットパターン光の周辺で多重化させる各光束の角度差が大きくなるため、ドット光を重ねるのが難しくなる。従って、その場合には、最大回折次数やVCSELアレイの数を制限することが望ましい。
但し、図4(C)に示すように、ビーム軸が異なる角度のビームを多重化する場合には、物体200とDOEプロジェクタ100との距離の範囲が限定される用途であれば、多重化によるドット光の滲みが小さいドット光として使用することが可能となる。
又、本実施形態の多重ドットパターン光111の端部においては、多重化されていないドット光が発生するが、多数のドットパターンのうちの一部のみであるため、ステレオカメラ等のアプリケーションにおいては問題とならない。
即ち、例えば、ドットパターンのうち半数以上のドットにおいてスペックル多重化効果が得られていれば、ステレオマッチングの既存のアルゴリズムにおいて十分な精度向上効果を得ることができる。即ち、孤立光パターンのうち少なくとも半数以上の孤立光が、複数の異なるレーザー発光部からの複数の照射光が重なった多重孤立光であれば十分な効果が得られる。ここで、尚、本実施例において多重とは少なくとも2重を含む。
以上説明したように本実施形態によれば、VCSELアレイ101及びDOE105を用い、スペックルノイズを低減したドットパターン照明装置を提供することができる。
<実施形態2>
図5(A)~(F)は実施形態2に係るパターンプロジェクタとしてのDOEプロジェクタ400の特徴を説明するための図である。実施形態2のDOEプロジェクタ400は、図5(F)に示すように、VCSELアレイ101、マイクロレンズアレイ107及びDOE108等から構成され、不規則に並べられた複数のドットからなるドットパターン光を射出するプロジェクタである。
図5(A)~(F)は、実施形態1のDOEプロジェクタ100との対比がしやすいよう、図2(A)~(F)と対応している。
図5(A)は、図5(D)のVCSELアレイ101及びマイクロレンズアレイ107によって生成されたドットパターン光110の角度分布を示す図である。図5(B)は、DOE108に1本のレーザー入射がある場合の、DOE108から射出する角度分布を示した図である。
図5(C)は、図5(F)のDOEプロジェクタ400から射出される多重ドットパターン光115の角度分布を示す図であり、図5(D)はDOEプロジェクタ400における、VCSELアレイ101及びマイクロレンズアレイ107を示した図である。図5(E)は、1本のレーザー入射に対し、DOE108が横方向に複数のビームに分割する様子を示した図である。
図5(F)は、VCSELアレイ101、マイクロレンズアレイ107、DOE108を用いて多重ドットパターン光を生成する実施形態2のDOEプロジェクタ400の例を示した図である。
図5(D)に、VCSELアレイ101、マイクロレンズアレイ107からDOE108に入射する光束109を示している。図5(D)に示すように、マイクロレンズアレイ107の各マイクロレンズはレーザー発光部としてのVCSELに夫々近接して配置されている。そして、VCSELアレイ101から射出した各光束はマイクロレンズアレイ107の各マイクロレンズにより、夫々ビームウエストが拡大され発散角を緩めた光束に変換され、各々平行な軸を持つ複数のビームによる光束109が生成される。
即ち、複数のレーザー発光部からマイクロレンズアレイを介して回折光学素子としてのDOE108に入射する照射光の主光線は互いに平行となっており、各VCSELからの光は互いに平行軸であるため、角度分布は図5(A)に示すように一点のみである。
図5(E)に示すように、DOE108は入射光に対して、不規則な角度分布で光を分割する機能を有する。従って、VCSELアレイ101から射出した各光束は、マイクロレンズアレイ107を通り、DOE108によって図5(C)のように複数の平行光束を多重化して、対象物体に照射される。
DOEプロジェクタ400では、前述のDOEプロジェクタ100とは異なり、必ずしもDOEの回折角度を等間隔にして規則性を持たせなくとも良い。これはマイクロレンズアレイ107により、VCSELアレイ101の各VCSELからの光束(ビーム)の間隔を広げることなく、各々の平行である関係を維持したまま、ビーム発散角を低減していることによる。
又、DOEプロジェクタ400では、ドットパターン光の端においても、多重化されていないドット光が発生せず、ドットパターン光全範囲においてスペックルノイズの低減効果が得られる。即ち、実施形態2においては、孤立光パターンのすべての孤立光が多重孤立光となっている。尚、DOE108は説明を簡単にするため数十個のドットに分割する例を示したが、ドット光の分割数は数百から数千程度としても構わない。
<実施形態3>
図6は実施形態3における計測装置とロボットアームを含む制御システムを示す図であり、ロボットアーム600、照明装置601、計測装置602、制御部605等により制御システム610が構成されている。
又、DOEプロジェクタ100やDOEプロジェクタ400は支持装置としてのロボットアーム600に支持されて使用される。又、図1のDOEプロジェクタ100や図5(F)に示したDOEプロジェクタ400がロボットアーム600の先端近傍に設けた照明装置601の筐体に収納されている。
そして照明装置601に収納されたDOEプロジェクタ100又はDOEプロジェクタ400から、支持台604に置かれた対象物603にレーザー光が投影され、それによって多重ドットパターン光が対象物603の上に投影される。
602は対象物603の上に投影された多重ドットパターン光を測定する計測装置であり、ロボットアーム600に備え付けられて使用される。又、計測装置602には不図示の撮像手段としての撮像素子が設けられている。
計測装置602の撮像素子は、支持台604に置かれ、照明装置601からレーザー光により多重ドットパターン光(孤立光パターン)が投影された対象物603を撮像し、画像データを取得する。そして、計測装置602は画像データに基づき対象物603の位置および姿勢を計測する計測ステップを実行する。計測ステップにより計測された結果である位置および姿勢の情報は制御部605に送信され、制御部605は、その位置および姿勢の情報に基づいて、ロボットアーム600に駆動指令を送ってロボットアーム600の動作を制御する。
ロボットアーム600は先端のロボットハンド(把持部)で対象物603を把持して、並進や回転などの移動や姿勢制御処理をする。さらに、ロボットアーム600によって対象物603を他の部品に組み付ける等の処理をすることにより、複数の部品で構成された物品、例えば電子回路基板や機械などの物品を製造する。また、移動された対象物603に対して更に他の加工処理することにより、最終的な物品を製造することもできる。
制御部307は、コンピュータとしてのCPUなどの演算装置や、制御部307を制御するためのコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体としてのメモリなどの記憶装置を有する。
尚、ロボットを制御する制御部を制御部307の外部に設けても良い。また、計測装置602により計測された計測データや得られた画像をディスプレイなどの表示部606に表示してもよい。
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
例えば、孤立光パターンとしてドットパターンを例にしたが、線分や楕円状のパターンでも構わない。
又、本実施例のパターンプロジェクタは計測装置以外にも、例えば対象物の各部分の距離情報を取得するためのステレオカメラや、スマートフォンやPCや車載カメラやドローン等において形状認識等のために用いても良い。
100 DOEプロジェクタ
101 VCSELアレイ
102 レンズ
105 DOE
110 ドットパターン光
111 多重ドットパターン光

Claims (14)

  1. 複数のレーザー発光部を有し、前記複数のレーザー発光部が配列されているレーザー光源と、
    夫々の前記レーザー発光部からの照射光を離散した複数の孤立光からなる孤立光パターンに変換する回折光学素子と、を有し、
    前記孤立光パターンは、夫々の前記レーザー発光部からの照射光が重なった多重孤立光を含み、
    前記多重孤立光を照射面から見たときに、前記多重孤立光を形成する前記複数の照射光の見込み角が互いに異なることを特徴とするパターンプロジェクタ。
  2. 前記見込み角が0.02度以上であることを特徴とする請求項1に記載のパターンプロジェクタ。
  3. 前記多重孤立光を構成する前記複数の照射光が、前記回折光学素子の異なる回折次数により生成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のパターンプロジェクタ。
  4. 前記複数のレーザー発光部からの前記照射光を集光するレンズを有し、前記複数のレーザー発光部からの夫々の前記照射光の主光線が前記レンズを介して集光する位置から所定の距離だけ離した位置に、前記回折光学素子を配置したことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のパターンプロジェクタ。
  5. 前記孤立光パターンは等間隔の複数の孤立光からなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のパターンプロジェクタ。
  6. 前記複数のレーザー発光部は等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のパターンプロジェクタ。
  7. 前記レーザー発光部に夫々近接して設置されたマイクロレンズアレイを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターンプロジェクタ。
  8. 前記孤立光パターンの一部の孤立光は前記多重孤立光であることを特徴とする請求項7に記載のパターンプロジェクタ。
  9. 前記複数のレーザー発光部から前記マイクロレンズアレイを介して前記回折光学素子に入射する前記照射光の主光線が互いに平行であることを特徴とする請求項7又は8に記載のパターンプロジェクタ。
  10. 前記複数のレーザー発光部からの前記照射光の波長が互いに等しいことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のパターンプロジェクタ。
  11. 前記レーザー発光部はVCSELであることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のパターンプロジェクタ。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載のパターンプロジェクタと、
    前記孤立光パターンが投影された対象物を撮像する撮像手段と、
    を有することを特徴とする計測装置。
  13. 請求項12に記載の計測装置と、
    前記計測装置により計測した結果に基づいて前記対象物を把持して移動させるロボットと、を有することを特徴とする制御システム。
  14. 請求項12に記載の計測装置を用いて前記対象物を計測する計測ステップと、
    前記計測ステップにより計測した結果に基づいて前記対象物を処理することにより物品を製造する工程と、を有することを特徴とする物品の製造方法。
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