JP2023064430A - 航空機及びbli推進部 - Google Patents

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Chu Kobayashi
譲 横川
Yuzuru Yokogawa
理之 鈴木
Toshiyuki Suzuki
啓 西沢
Hiroshi Nishizawa
竜司 飯嶋
Ryuji Iijima
英志 嶋
Hideshi Shima
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Abstract

【課題】BLI推進技術において、推進効率を向上させることが可能な技術を提供すること。【解決手段】本技術に係る航空機は、胴体部と、BLI推進部とを具備する。前記胴体部は、軸方向に長く、幅方向及び上下方向に短い筒状であり、前記軸方向の後部側に後端部を有する。前記BLI推進部は、前記胴体部の後部側に設けられた、吸気口を有するBLI推進部であって、前記吸気口の中心位置が、前記上下方向及び幅方向のうち少なくとも一方で、前記後端部の中心位置からオフセットして配置される。【選択図】図13

Description

本発明は、BLI推進器をその後部側に有する航空機等の技術に関する。
近年、航空機における推力を発生させる推進器の一種としてBLI推進器(BLI:Boundary Layer Ingestion)と呼ばれる機器が知られるようになってきている(下記非特許文献1参照)。
BLI推進器は、航空機の表面付近において速度が遅い気流を取り込み、その取り込んだ気流を後方に向けて加速させて排出し、これにより、航空機の進行方向への推力を発生させている。BLI技術は、速度が速い気流をさらに加速させて推力を得るよりも、速度が遅い気流を加速させて推力を得た方が効率がよいといった観点に基づく技術である。
Modeling Boundary Layer Ingestion Using a Coupled Aeropropulsive Analysis"JOURNAL OFAIRCRAFT Vol. 55, No. 3, May-June 2018
BLI推進技術において、推進効率を向上させることが可能な技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、BLI推進技術において、推進効率を向上させることが可能な技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術に係る航空機は、胴体部と、BLI推進部とを具備する。
前記胴体部は、軸方向に長く、幅方向及び上下方向に短い筒状であり、前記軸方向の後部側に後端部を有する。
前記BLI推進部は、前記胴体部の後部側に設けられた、吸気口を有するBLI推進部であって、前記吸気口の中心位置が、前記上下方向及び幅方向のうち少なくとも一方で、前記後端部の中心位置からオフセットして配置される。
このように、吸気口の中心位置を、胴体部の後端部の中心位置からオフセットして配置することで、速度の遅い気流を吸気口から効率的に取り込むことができ、これにより、推進効率を向上させることができる。
上記航空機において、前記胴体部は、前記胴体部の後部側において前記後端部に向けて外径が徐々に小さくなる形状を有していてもよい。
上記航空機において、前記後端部の中心位置は、前記上下方向で、前記胴体部の中心位置よりも上側に位置していてもよい。
上記航空機において、前記吸気口の中心位置は、前記上下方向で、前記後端部の中心位置よりも下側にオフセットして配置されていてもよい。
上記航空機において、前記吸気口の中心位置は、前記上下方向で、前記胴体部の中心位置と、前記後端部の中心位置との間に配置されていてもよい。
上記航空機において、前記軸方向に平行な平行光が前記胴体部へ照射されたときの投影面と、前記平行光が前記吸気口に照射されたときの投影面とが重複しない非重複領域の面積が、60%未満であってもよい。
上記航空機において、前記吸気口の前記幅方向の長さを2aとし、前記吸気口の面積をSfanとしたとき、AR=(2a)/Sfanで表されるARの値が、1.3以上であってもよい。
上記航空機において、前記BLI推進部は、前記軸方向を向く軸を中心軸として回転可能な少なくとも1以上の羽根部を含んでいてもよい。
上記航空機において、前記BLI推進部は、前記幅方向に並ぶ第1の羽根車及び第2の羽根車を含み、前記第1の羽根車及び前記第2の羽根車の回転方向が、逆回転であってもよい。
上記航空機において、前記第1の羽根車及び前記第2の羽根車の回転方向が、それぞれ、インボードアップに対応する回転方向であってもよい。
上記航空機において、前記BLI推進部は、前記幅方向で前記第1の羽根車及び第2の羽根車の間の位置で、かつ、前記上下方向で前記第1の羽根車及び第2の羽根車よりも下側に配置された第3の羽根車を含んでいてもよい。
上記航空機において、前記羽根車は、回転の中心軸の位置が、前記上下方向で、前記吸気口の中心位置よりも上側に配置されていてもよい。
上記航空機において、前記羽根車は、回転の中心軸の位置が、前記幅方向で、前記吸気口の中心位置よりも外側に配置されていてもよい。
上記航空機において、前記胴体部の下側に設けられた降着部をさらに有し、前記幅方向に平行な平行光が前記胴体部及び降着部に対して照射されたときの投影面の形状において、降着部における地面への接地点及び前記BLI推進部の最下点を結んだ接線と、前記軸方向とのなす角が10.5°を超えてもよい。
上記航空機において、前記幅方向に平行な平行光が前記胴体部に対して照射されたときの投影面の形状において、前記胴体部の後部側における下側を示す曲線の形状が、2回微分可能かつ変曲点を有する形状であってもよい。
上記航空機において、前記吸気口は、前記軸方向において、前記変曲点以後に配置されていてもよい。
上記航空機において、前記吸気口は、前記軸方向において、前記胴体部の幅が前記胴体部の幅における最大値の50%となる位置以後に配置されていてもよい。
上記航空機において、前記BLI推進器において、前記吸気口の中心位置に対応する部分が、前記胴体部に対して非接合であってもよい。
上記航空機において、前記吸気口は、前記軸方向において、前記胴体部における前記軸方向に垂直な断面積が、断面積の最大値の25%となる位置以後に配置されていてもよい。
上記航空機において、前記航空機は、発電機を有する主発動部をさらに有し、前記BLI推進部は、前記発電機の電力により駆動されてもよい。
上記航空機において、前記発電機は、前記航空機の運転状態によらず、前記発電機の最大トルクに対して、100%以下90%以上の抽出トルクで運転されてもよい。
上記航空機において、航空機の高度が所定の高度以下であるという条件と、航空機の速度が所定の速度以下であるという条件のうち少なくとも一方の条件を満たす場合、発電機から抽出される動力が所定の値以下に制限されてもよい。
上記航空機において、前記主発動部は、前記発電機をそれぞれ有する複数の主発動機を含み、前記2つの条件のうち少なくとも一方の条件を満たすという条件に加え、前記複数の主発動機のうち少なくとも一つの主発動機が停止したという条件が満たされたときに、前記発電機から抽出される動力が所定の値以下に制限されてもよい。
上記航空機において、前記主発動部は、回転により前記発電機を発電させるエンジン軸を含み、前記主発動部のエンジン軸の回転数が、その高度における前記エンジン軸の最大回転数の60%以下のとき、前記発動機から抽出される抽出トルクが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限されてもよい。
上記航空機において、主発動部のエンジン出力が、その高度におけるエンジン出力の最大値の60%以下であるとき、前記発動機から抽出される抽出トルクが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限されてもよい。
本技術に係るBLI推進部は、軸方向に長く、幅方向及び上下方向に短い筒状であり、前記軸方向の後部側に後端部を有する胴体部の後部側に設けられた、吸気口を有するBLI推進部であって、前記吸気口の中心位置が、前記上下方向及び幅方向のうち少なくとも一方で、前記後端部の中心位置からオフセットして配置される。
以上のように、本発明によれば、BLI推進技術において、推進効率を向上させることが可能な技術を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る航空機を示す上面図である。 航空機を示す側面図である。 航空機を示す正面図である。 主発動部の内部構成、並びに、主発動部及びBLI推進部の電気的な接続状態を示すブロック図である。 胴体部の後端部付近において、気流がどのような速度で流れているかのシミュレーションの結果を示す図である。 吸気口の中心位置を上下方向で変化させた場合における、吸気口から取り込まれる気流の平均速度を示す図である。 胴体部の投影面及びBLI推進部における吸気口の投影面を示す図である。 BLI推進部における吸気口の中心位置を上下方向で変化させ、非重複領域の面積を変化させた場合における、吸気口への気流の平均速度を示す図である。 吸気口の形状を楕円で変化させたときの様子を示す図である。 吸気口(楕円)のAR比を変化させたときの、吸気口への気流の平均速度を示す図である。 吸気口(超楕円)のAR比を変化させたときの、吸気口への気流の平均速度を示す図である。 吸気口(矩形)のAR比を変化させたときの、吸気口への気流の平均速度を示す図である。 吸気口に対する羽根車の位置及び羽根車の回転方向を示す図であり、航空機を後ろ側から見た図である。 航空機における機体の表面付近を流れる気流を、航空機の斜め後ろ側から見た図である。 BLI推進部の他の例を示す図であり、BLI推進部を後方から見た図である。 BLI推進部の他の例を示す図であり、BLI推進部を後方から見た図である。 BLI推進部の他の例を示す図であり、BLI推進部を後方から見た図である。 胴体部に対して、幅方向(Y軸方向)に平行な平行光が照射されたときの投影面を示す図である。 胴体部及び吸気口に対して、軸方向に平行な平行光が照射されたときの投影図を示す図である。 気流がBLI推進部に吸い込まれて後方側に加速して排出されるときの気流の速度を示す図である。 胴体部の幅における最大値を基準とした場合における、軸方向でのある地点での胴体部10の幅、並びに、胴体部の断面積の最大値を基準とした場合における、軸方向でのある地点での胴体部の面積を示す図である。 BLI推進部が主発動部から抽出する動力が所定の値以下に設定される範囲を示す図である。 図23は、主発動部のエンジン軸の回転数と、BLI推進部が発電機から抽出する抽出トルクとの関係を示す図である。 図24は、主発動部のエンジン出力と、BLI推進が発電機から抽出する抽出トルクとの関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
≪第1の実施形態≫
<航空機100の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る航空機100を示す上面図である。図2は、航空機100の側面図であり、図3は、航空機100の正面図である。
図1~図3に示すように、航空機100は、胴体部10と、主翼部20と、主発動部30と、BLI推進部40と、降着部50とを備えている。
胴体部10は、軸方向(X軸方向)に長く、幅方向(Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)に短い円筒状を有している。また、胴体部10は、軸方向において、その後部側に後端部11を有しており、胴体部10の後部側は、後端部11側に向けて徐々にその外径が小さくなるように形成されている。
主翼部20は、胴体部10に設けられた左右で一対の主翼21、22を含む。2枚の主翼21、22は、胴体部10の左右から幅方向(Y軸方向)の外側に向けて延びるように設けられている。
なお、図面を見やすく表示するために省略しているが、胴体部10の後端部11付近には、尾翼が設けられている。尾翼の種類は、T字尾翼、十字尾翼、V字尾翼等どのようなタイプであっても構わない。
主発動部30は、BLI推進部40と共に、航空機100の飛行のための推力を発生させる。主発動部30は、2機の主発動機31、32を含む。2機の主発動機31、32は、それぞれ、左右の主翼21、22の下側の位置に設けられている。なお、主発動機の数については、2機以上であってもよく、その数は特に限定されない。
図4は、主発動部30の内部構成、並びに、主発動部30及びBLI推進部40の電気的な接続状態を示すブロック図である。主発動機31、32は、例えば、ジェットエンジンであり、ファン33、圧縮機34、燃焼機35、タービン36、発電機37及びエンジン軸38等を備えている。なお、ここでの例では、主発動部30の一例として、ターボファンエンジンが挙げられているが、主発動部30の種類については特に限定されない。
ファン33は、回転により前方の空気を吸気して噴流を発生さる。圧縮機34は、ファンからの噴流(一部)を圧縮して後方の燃焼機35へ送る。燃焼機35は、燃焼室内において燃料を燃焼させて、圧縮された空気を膨張させ、高温の噴流を後方のタービン36へと送る。タービン36は、燃焼機35からの高温の噴流により回転されつつ、噴流を後方へ排気する。
タービン36の回転によりエンジン軸38が回転する。エンジン軸38の回転力は、ファン33及び圧縮機34の回転の動力として利用され、また、発電機37による発電の動力として利用される。また、発電機37により発電された電力は、BLI推進部40のモータ43を駆動させるための電力として利用される。
主発動機31、32と、BLI推進部40との間には、第1の遮断器1と、AC/DCコンバータ2と、DC/ACインバータ3と、第2の遮断器4とが介在されている。
第1の遮断器1及び第2の遮断器4は、必要に応じて、電気的な接続状態及び非接続状態を切り換える。AC/DCコンバータ2は、発電機37からの交流電圧を直流電圧に変換してDC/ACインバータ3へと出力する。DC/ACインバータ3は、AC/DCコンバータ2からの直流電圧を交流電圧に変換し、モータ43へと出力する。
再び図1~3を参照して、BLI推進部40は、主発動部30と共に、航空機100の飛行のための推力を発生させる。BLI推進部40は、1機のBLI推進器41を含む。BLI推進器41は、軸方向(X軸方向)において胴体部10における後部側の後端部11付近に設けられている。なお、BLI推進器41の数は、2機以上であてもよく、その数については特に限定されない。
BLI推進器41は、航空機100の飛行のための推力を発生させるファンであり、羽根車42(図13等参照)と、羽根車42を回転させるモータ43(図4参照)と、羽根車42及びモータ43をその内部に収容するナセル44(図4参照)とを含む。BLI推進器41の数は、1機であってもよいし、2機以上であってもよく、その数については特に限定されない。
羽根車42は、軸方向(X軸方向)を向く軸を回転の中心軸として回転可能に構成されている。羽根車42は、周方向(X軸回りの方向)に沿って規則的に配置された複数のファンブレード(不図示)を含む。羽根車42の数は、1機のBLI推進器41に対して、1つであってもよいし、2以上であってもよく、その数については特に限定されない。
モータ43は、主発動部30における発電機37からの電力に基づき、羽根車42を回転させる。ナセル44は、その軸が軸方向(X軸方向)を向く円筒状であり、軸方向の前方側に気流を吸い込む吸気口45を有しており、軸方向の後方側に、羽根車42により加速された気流を排出する排出口46を有している。
<吸気口45の中心位置>
ここで、BLI方式は、機体から離れた相対的に速い気流をさらに加速させて推進力を得るよりも、機体の表面付近を流れる相対的に遅い気流を加速させて推進力を得た方が、効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推進力を得ることができるといった考え方に基づいている。つまり、BLI推進部40の吸気口45から取り込むべき気流は、相対的に遅い気流の方がよい。
本発明者らは、航空機100の胴体部10における後端部11付近において、気流がどのような速度で流れているかのシミュレーションを行った。図5は、胴体部10の後端部11付近において、気流がどのような速度で流れているかのシミュレーションの結果を示す図である。
図5では、航空機100を後側から見た様子が示されている。また、図5では、航空機100における胴体部10の形状における最大径が大きい円で示されており、BLI推進部40の吸気口45の形状が小さい円で示されている。また、気流の速度については、グレースケールで示されており、黒が濃い方が、気流が遅いことを示している。
また、図5では、胴体部10における後端部11の中心位置(幅方向及び上下方向(YZ方向))が、×印で示されており、吸気口45における中心位置(幅方向及び上下方向(YZ方向))が、黒丸により示されている。
図5に示すように、気流は、胴体部10における後端部11の中心位置(×印参照)よりも下側の領域、特に、胴体部10における後端部11の中心位置から見て、右斜め下の領域、左斜め下の領域において、その速度が遅くなっている(グレースケールにおいて濃い部分参照)。
従って、本実施形態では、BLI推進部40において、より遅い気流を吸気口45から取り込むために、吸気口45の中心位置を、胴体部10の後端部11の中心位置よりも下側にオフセットすることとしている。
図6は、吸気口45の中心位置(図5の黒丸参照)を上下方向で変化させた場合における、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度を示す図である。
図6において、横軸は、上下方向(Z軸方向)における吸気口45の中心位置を示している。なお、胴体部10における最大径の最下点(図5における大きな円の最下点)から1m下側のポイントが0mで基準とされている。また、図6において、縦軸は、航空機100の速度V0を基準としたときの、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vaveを示している。
また、図6では、吸気口45の直径を0.4m、0.8m、1.2m、1.6m、2mの5パターンで変化させたときの結果が示されている。なお、本実施形態の説明では、胴体部10のサイズや、吸気口45のサイズ等について、具体的な数字を挙げて説明する場合があるが、これらは単なる一例である。つまり、胴体部10のサイズ、吸気口45のサイズ等は、例示されたものに限られず、適宜変更することができる。
図6に示すように、吸気口45の中心位置を、上下方向で、基準(胴体部10における最大径の最下点から1m下側)から4m~6mの間で変化させると、吸気口45の中心位置が上昇するにつれて、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に上昇する。この傾向は、吸気口45の直径に依らず現れる。
ここで、図6では、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.7mである箇所に破線の縦線が示されている。吸気口45の中心位置が4.7mとなる箇所では、吸気口45の中心位置(図5の黒丸)が、胴体部10の後端部11の中心位置(図5の×印)と略一致する。
また、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.7m未満であれば、吸気口45の中心位置が、胴体部10の後端部11の中心位置よりも下側にオフセットされる。逆に、吸気口45の中心位置が、基準から4.7mの位置を超えれば、吸気口45の中心位置が、胴体部10の後端部11の中心位置よりも上側にオフセットされる。
なお、図6において、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.7m未満となる、破線の縦線よりも左側の領域で示される部分が本実施形態に対応する。
図6に示すように、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.7m以上となり、吸気口45の中心位置が、胴体部10の後端部11の中心位置から上側にオフセットされると、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が相対的に速くなる。この傾向は、吸気口45の直径に依らず現れる。
一方、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.7m未満であり、吸気口45の中心位置が、胴体部10の後端部11の中心位置よりも下側にオフセットされると、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が相対的に遅くなる。この傾向は、吸気口45の直径に依らず現れる。
つまり、本実施形態のように、吸気口45の中心位置を、胴体部10の後端部11の中心位置よりも下側にオフセットすることで、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0を遅くすることができる。これにより、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
<吸気口45の下側へのオフセットの割合>
次に、BLI推進部40の吸気口45を、どの程度下側にオフセットすべきかについて説明する。図7は、胴体部10の投影面及びBLI推進部40における吸気口45の投影面を示す図である。
図7では、軸方向(X軸方向)に平行な平行光が胴体部10に照射されたときの投影面の外輪が、大きな円で示されている(胴体部10の最大径に対応)。また、図7では、軸方向(X軸方向)に平行な平行光が、BLI推進部40の吸気口45に照射されたときの投影面の外輪が小さな円で示されている。
また、図7では、胴体部10の投影面と、BLI推進部40の吸気口45の投影面とが重複しない非重複領域がグレーで示されている。なお、ここでの説明では、BLI推進部40の吸気口45の下側へのオフセットの割合を、上述の非重複領域(グレーの領域参照)の割合で定義している。
図8は、BLI推進部40における吸気口45の中心位置を上下方向(Z軸方向)で変化させ、非重複領域の面積を変化させた場合における、吸気口45への気流の平均速度を示す図である。
図8において、横軸は、吸気口45の投影面における全体の面積Sfanを基準としたときの、非重複領域の面積Sfa_proの割合を示している。つまり、横軸において、0の値は、非重複領域が0%であることを意味しており、また、横軸において1の値は、非重複領域が100%であることを意味している。
また、図8において、縦軸は、航空機100の速度V0を基準としたときの、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vaveを示している。
また、図8では、吸気口45の直径を0.4m、0.8m、1.2m、1.6m、2mの5パターンで変化させたときの結果が示されている。
図8に示すように、BLI推進部40における吸気口45の中心位置を上下方向(Z軸方向)で変化させ、胴体部10の投影面と、吸気口45の投影面との間の非重複領域を0%~100%の間で変化させる。すると、非重複領域の割合が上昇するにつれて、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に上昇するといった傾向が見られる。この傾向は、吸気口45の直径に依らず現れる。
一方、胴体部10の投影面と、BLI推進部40の吸気口45の投影面との間の非重複領域が60%未満とされれば、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が、吸気口45の直径に依らず適切に遅くなる。
このため、本実施形態では、胴体部10の投影面と、吸気口45の投影面との間の非重複領域が60%未満となるように、吸気口45の中心位置を下側にオフセットすることとしている。これにより、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
<吸気口45の形状>
次に、BLI推進部40の吸気口45の形状について説明する。図9は、吸気口45の形状を楕円で変化させたときの様子を示す図である。図9では、楕円は、(y/a)+(z/b)=1で表され、n=2であり、a>b>0である。なお、n=2は、楕円であり、n>2は、超楕円である。
なお、吸気口45の中心位置(黒丸参照)、つまり、楕円の原点は、上下方向で、胴体部10における後端部11の中心位置(×印参照)よりも下側に配置されており、また、幅方向で、胴体部10における後端部11の中心位置に対応する位置に配置されている。
また、図9において、y軸は、幅方向に対応し、z軸は、上下方向に対応している。また、aは、楕円の長軸(y軸方向)の半径を表し、bは、楕円の短軸(z軸方向)の半径を表している。
図10は、吸気口45(楕円)のAR比を変化させたときの、吸気口45への気流の平均速度を示す図である。
図10では、横軸が、吸気口45(楕円)のAR比(アスペクト比)を表している。AR比は、AR=(2a)/Sfanで定義され、吸気口45(楕円)がどの程度横長であるかを示している。なお、2aは、吸気口45の幅方向の長さ(楕円の長軸の長さ)であり、Sfanは、吸気口45の面積(YZ平面)である。
また、図10では、縦軸は、航空機100の速度V0を基準としたときの、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vaveを示している。
また、図10では、吸気口45の中心位置を、上下方向(Z軸方向)で、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65m、4.8mの7パターンで変化させたときの結果が示されている。
なお、吸気口45の中心位置が、胴体部10における後端部11の中心位置よりも下側になるのは、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65mの6パターンであり、これが本実施形態に対応している。一方、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.8mとなるパターンは、吸気口45の中心位置が、胴体部10における後端部11の中心位置よりも上側となるので比較例に対応している。
図10に示すように、AR比を0~5の間で変化させると、AR比が大きくなる(吸気口45が横長になる)に従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に下降する。
この傾向は、本実施形態に対応する、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65mの6パターンにおいて現れる。一方、比較例に対応する、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、4.8mのパターンでは、吸気口45が速い気流も吸い込んでしまうので、AR比が大きくなるに従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に上昇するといった傾向が現れる。
図10において、AR比が1.3の箇所に破線の縦軸が示されている。本実施形態において、AR比が1.3以上とされれば、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が適切に遅くなる。これにより、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
図11は、吸気口45(超楕円)のAR比を変化させたときの、吸気口45への気流の平均速度を示す図である。図11では、吸気口45の形状が超楕円とされている。ここで、楕円は、(y/a)+(z/b)=1で表され、n=5であり、a>b>0である。
図11では、横軸は、吸気口45(超楕円)のAR比(アスペクト比)を表しており、縦軸は、航空機100の速度V0を基準としたときの、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vaveを示している。
また、図11では、吸気口45の中心位置を、上下方向(Z軸方向)で、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65m、4.8mの7パターンで変化させたときの結果が示されている。
なお、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65mとなる6パターンが本実施形態に対応している。一方、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.8mとなるパターンは、比較例に対応している。
図11に示すように、AR比を0~5の間で変化させると、AR比が大きくなる(吸気口45が横長になる)に従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に下降する。
この傾向は、本実施形態に対応する、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65mの6パターンにおいて現れる。一方、比較例に対応する、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、4.8mのパターンでは、吸気口45が速い気流も吸い込んでしまうので、AR比が大きくなるに従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に上昇するといった傾向が現れる。
図11において、AR比が1.3の箇所に破線の縦軸が示されている。本実施形態において、AR比が1.3以上とされれば、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が適切に小さくなる。これにより、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
図12は、吸気口45(矩形)のAR比を変化させたときの、吸気口45への気流の平均速度を示す図である。図12では、吸気口45の形状が矩形とされている。ここで、吸気口45の形状が矩形とされる場合、AR比は、楕円及び超楕円と同様に、AR=(2a)/Sfanで定義されるが、2aの値は、矩形の長辺(y軸方向)の長さを意味する。
図12では、横軸は、吸気口45(矩形)のAR比(アスペクト比)を表しており、縦軸は、航空機100の速度V0を基準としたときの、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vaveを示している。
また、図12では、吸気口45(矩形)の中心位置を、上下方向(Z軸方向)で、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65m、4.8mの7パターンで変化させたときの結果が示されている。
なお、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65mとなる6パターンが本実施形態に対応している。一方、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から4.8mとなるパターンは、比較例に対応している。
図12に示すように、AR比を0~5の間で変化させると、AR比が大きくなる(吸気口45が横長になる)に従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に下降する。
この傾向は、本実施形態に対応する、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、3.9m、4.05m、4.2m、4.35m、4.5m、4.65mの6パターンにおいて現れる。一方、比較例に対応する、吸気口45の中心位置が、基準(胴体部10の最大径の最下点から1m下側)から、4.8mのパターンでは、吸気口45が速い気流も吸い込んでしまうので、AR比が大きくなるに従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が徐々に上昇するといった傾向が現れる。
図12において、AR比が1.3の箇所に破線の縦軸が示されている。本実施形態において、AR比が1.3以上とされれば、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度Vave/V0が適切に遅くなる。これにより、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
<羽根車42の位置及び回転方向>
次に、吸気口45に対する羽根車42の位置及び羽根車42の回転方向について説明する。図13は、吸気口45に対する羽根車42の位置及び羽根車42の回転方向を示す図であり、航空機100を後ろ側から見た図である。
図13では、吸気口45が実線で示されており、羽根車42が破線で示されている。また、吸気口45の中心位置が黒丸で示されており、羽根車42の中心軸が白丸で示されている。
ここで、速度の遅い気流を吸気口45から吸い込んだBLI推進部40は、羽根車42によって総圧を増加させた気流を後方に噴き出し推力を得るため、羽根車42は、面積(YZ平面)が大きいほど高い効率を得ることができる。
一方、無為に羽根車42を大きくして、羽根車42を吸気口45の形状とは異なる形状にしてしまうと、ナセル44を含むBLI推進部40の抗力が増加してしまう。この場合、返って燃費性能を損なうことになると共に、BLI推進部40内部で剥離などを誘発し効率を損なうため、羽根車42は、吸気口45の形状に近い形状を取ることが望ましい。
このため、図13では、AR比が高く横長である楕円形の吸気口45に対して、2つの羽根車42を幅方向に沿って並べることとしている(あるいは、後述の図16のように、逆三角形状の吸気口45に対して、3つの羽根車42をV字状に配置することとしている)。
図13に示すように、BLI推進部40は、2つの羽根車42を備えている。なお、図13の説明では、便宜的に、右側の羽根車42を第1の羽根車42aと呼び、左側の羽根車42を第2の羽根車42bと呼ぶ。
第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bは、幅方向(Y軸)に沿って並べられるように配置されている。また、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bの回転の中心軸(白丸参照)は、上下方向(Z軸方向)において、吸気口45の中心位置(黒丸参照)よりも上側にオフセットされている。また、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bの回転の中心軸(白丸参照)は、幅方向において、吸気口45の中心位置(黒丸参照)よりも外側にオフセットされている。
また、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bは、回転方向が逆とされている。具体的には、第1の羽根車42a(右側)は、その回転方向が時計回り(後方から見て)とされており、一方で、第2の羽根車42b(左側)は、その回転方向が反時計回り(後方から見て)とされている。
ここで、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bの回転の中心軸が、吸気口45の中心位置に対して上下方向及び幅方向でオフセットされている点、並びに、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bの回転方向が逆回転とされている点について説明する。
図14は、航空機100における機体の表面付近を流れる気流を、航空機100の斜め後ろ側から見た図である。
図14において、胴体部10における後端部11の右下付近の領域に着目する。この領域では、機体の表面付近を流れる気流は、時計回り(後方から見て)に回転しながら後方へ向けて流れている(インボードアップ)。このため、本実施形態では、第1の羽根車42a(右側)は、この気流の流れの回転方向に合わせて時計回りに回転される(インボードアップに対応する回転方向)。
一方、図示は省略されているが、胴体部10における後端部11の左下の領域では、機体の表面付近を流れる気流は、反時計回りに回転しながら後方へ向けて流れる(インボードアップ)。このため、本実施形態では、第2の羽根車42b(左側)は、この気流の流れに合わせて反時計回りに回転される(インボードアップに対応する回転方向)。
また、胴体部10の後端部11の右下付近を流れる気流は、巻き上りながら時計回りに回転して吸気口45の右側に流れ込む。従って、本実施形態では、第1の羽根車42aの中心軸は、上下方向で、吸気口45の中心位置よりも上側、かつ、幅方向で吸気口45の中心位置よりも外側に配置されている。
これにより、第1の羽根車42a(右側)が巻き上がりながら時計回りに流入する気流を効率よく捕らえることができ、従って、さらに効率よく推力を得ることができる。また、第1の羽根車42aをインボードアップに対応する回転方向とすることで、第1の羽根車42aに作用する気流角度を緩和することができ、第1の羽根車42aを駆動するモータ43に要求されるトルクが低減されるので、航空機100の機体を軽量化することができ、燃費性能をさらに向上させることができる。
同様に、胴体部10の後端部11の左下付近を流れる気流は、巻き上りながら反時計回りに回転して吸気口45の左側に流れ込む。従って、本実施形態では、第2の羽根車42bの中心軸は、上下方向で、吸気口45の中心位置よりも上側、かつ、幅方向で吸気口45の中心位置よりも外側に配置されている。
これにより、第2の羽根車42b(左側)が巻き上がりながら反時計回りに流入する気流を効率よく捕らえることができ、従って、さらに効率よく推力を得ることができる。また、第2の羽根車42bをインボードアップに対応する回転方向とすることで、第2の羽根車42bに作用する気流角度を緩和することができ、第2の羽根車42bを駆動するモータ43に要求されるトルクが低減されるので、航空機100の機体を軽量化することができ、燃費性能をさらに向上させることができる。
ここでの説明では、吸気口45から流れ込む気流の回転方向に合わせて第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bが回転される場合について説明した。一方、吸気口45から流れ込む気流の回転方向とは逆方向に第1の羽根車42a(反時計回り)及び第2の羽根車42b(時計回り)を回転させることもできる。
ここでの説明では、1機のBLI推進器41が2つの羽根車42を備える場合について説明した。一方、BLI推進部40が、2機のBLI推進器41を備え、この2機のBLI推進器41がそれぞれ1つずつ羽根車42を有していてもよい。
図15は、BLI推進部40の他の例を示す図であり、BLI推進部40を後方から見た図である。BLI推進部40は、幅方向(Y軸方向)に沿って並べられた2機のBLI推進器41を有している。第1のBLI推進器41a(右側)は、第1の吸気口45aを有しており、また、第1の羽根車42aを有している。同様に、第2のBLI推進器41b(左側)は、第2の吸気口45bを有しており、また、第2の羽根車42bを有している。
第1のBLI推進器41a(右側)における第1の吸気口45aの中心位置(黒丸)は、上下方向で、胴体部10の後端部11の中心位置(×印参照)よりも下側にオフセットされており、また、幅方向で、胴体部10の後端部11の中心位置よりも外側(右側)にオフセットされている。
また、第2のBLI推進器41b(左側)における第2の吸気口45bの中心位置(黒丸)は、上下方向で、胴体部10の後端部11の中心位置(×印参照)よりも下側にオフセットされており、また、幅方向で、胴体部10の後端部11の中心位置よりも外側(左側)にオフセットされている。
図15に示す場合も、図14と示した場合と同様に、典型的には、第1の羽根車42a(右側)は、時計回りに回転される(インボードアップ)。また、第1の羽根車42aの回転の中心軸(白丸参照)は、上下方向で、第1の吸気口45aの中心位置(黒丸参照)よりも上側、かつ、幅方向で第1の吸気口45aの中心位置よりも外側に配置される。
同様に、典型的には、第2の羽根車42b(左側)は、反時計回りに回転される(インボードアップ)。また、第2の羽根車42bの回転の中心軸(白丸参照)は、上下方向で、第2の吸気口45bの中心位置(黒丸参照)よりも上側、かつ、幅方向で第2の吸気口45bの中心位置よりも外側に配置される。
ここで、第1の吸気口45a及び第2の吸気口45bを含む吸気口45の全体におけるAR比について説明する。この場合、第1の吸気口45a及び第2の吸気口45bを示す円の直径をDとすると、吸気口45の全体におけるAR比は、AR=(2D)/(2πD/4)≒2.55であり、2.55の値は、上記した1.3以上となる。従って、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度が適切に遅くなり、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
つまり、BLI推進部40が複数の吸気口45を有している場合、AR比は、複数の吸気口を含む吸気口45全体のAR比として求められ、その値が、1.3以上となればよい。
図16は、BLI推進部40における他の例を示す図であり、航空機100を後方から見た図である。
図16に示す例では、BLI推進部40は、1機のBLI推進器41を有している。このBLI推進器41の吸気口45の形状は、逆三角形状(ハート状)とされている。また、この吸気口45の中心位置は、上下方向で、胴体部10における後端部11の中心位置(×印参照)よりも下側にオフセットして配置されており、幅方向で、胴体部10における後端部11の中心位置に対応する位置に配置されている。
図16の説明では、便宜的に、右側の羽根車42を第1の羽根車42a、左側の羽根車42を第2の羽根車42b、下側の羽根車42を第3の羽根車42cと呼ぶ。第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bについては、図13と同様である。
第3の羽根車42cの回転の中心軸(白丸参照)は、上下方向で、吸気口45の中心位置よりも下側にオフセットして配置され、幅方向で、吸気口45の中心位置に対応する位置に配置される。第3の羽根車42cの回転方向は、時計回りであってもよいし、反時計回りであってもよい(後方から見て)。
図17は、BLI推進部40の他の例を示す図であり、BLI推進部40を後方から見た図である。BLI推進部40は、幅方向(Y軸方向)に沿って並べられた第1のBLI推進器41a(右側)及び第2のBLI推進器41b(左側)と、第1のBLI推進器41a及び第2のBLI推進器41bの下側に配置された第3のBLI推進器41cとを有している。
第1のBLI推進器41a及び第2のBLI推進器41bは、図15と同様である。第3のBLI推進器41cは、第3の吸気口45cと、第3の羽根車42cとを有している。第3の吸気口45cの中心位置(黒丸参照)は、上下方向で、胴体部10における後端部11の中心位置(×印参照)よりも下側にオフセットして配置されており、幅方向で、胴体部10における後端部11の中心位置に対応する位置に配置されている。
第3の羽根車42cの回転の中心軸(白丸参照)は、第3の吸気口45cの中心位置(黒丸)の位置に一致している。なお、第3の羽根車42cの回転の中心軸は、第3の吸気口45cの中心位置に対して、上下方向又は幅方向のうち少なくとも一方でオフセットして配置されていてもよい。第3の羽根車42cの回転方向は、時計回りであってもよいし、反時計回りであってもよい(後方から見て)。
<胴体部10における幅方向の投影形状等>
次に、胴体部10に対して、幅方向(Y軸方向)に平行な平行光が照射されたときの投影面の形状等について説明する。
図18は、胴体部10に対して、幅方向(Y軸方向)に平行な平行光が照射されたときの投影面を示す図である。なお、図18においては、胴体部10の他に、BLI推進部40と、降着部50とが示されている。図19は、胴体部10及び吸気口45に対して、軸方向(X軸方向)に平行な平行光が照射されたときの投影図を示す図である。
図18及び図19において、一番上の図は、本実施形態に係る航空機100を表している。また、図18及び図19において、中央の図は、第1の比較例に係る航空機101を表しており、下側の図は、第2の比較例に係る航空機102を表している。
図18及び図19の一番上の図を参照して、本実施形態に係る航空機100では、胴体部10は、その後部側の下側が切り上げられるようにして形成されており、後部側の径が後方側に向けて徐々に小さくなるように形成されている。また、胴体部10の後端部11の中心位置は、胴体部10の最大径の上端部付近に配置されている。
また、本実施形態に係る航空機100では、BLI推進部40の吸気口45の中心位置(図19黒丸参照)は、上下方向において、胴体部10の後端部11の中心位置(図19×印参照)よりも下側にオフセットして配置されており、幅方向において、胴体部10の中心位置に対応する位置に配置されている。
図18及び図19の中央の図を参照して、第1の比較例に係る航空機101では、胴体部110は、軸方向(X軸方向)の中心軸を対称軸として、軸対象に形成されており、後部側の径が後方側に向けて徐々に小さくなるように形成されている。また、胴体部110の後端部111の中心位置は、胴体部110の中心位置と略一致している。
また、第1の比較例に係る航空機101では、BLI推進部140の吸気口145の中心位置(図19黒丸参照)は、上下方向及び幅方向において、胴体部110の後端部111の中心位置(図19×印参照)に対応する位置に配置されている。
図18及び図19の一番下の図を参照して、第2の比較例に係る航空機102では、胴体部210は、その後部側の下側が切り上げられるようにして形成されており、後部側の径が後方側に向けて徐々に小さくなるように形成されている。また、胴体部210の後端部211の中心位置は、胴体部210の最大径の上端部付近に配置されている。
また、第2の比較例に係る航空機102では、BLI推進部240の吸気口245の中心位置(図19黒丸参照)は、上下方向及び幅方向において、胴体部210の後端部211の中心位置(図19×印参照)に対応する位置に配置されている。
図18では、航空機100、101、102の降着部50、150、250における接地面が一点鎖線で表されており、また、離陸時に必要な、接地面に対する引き起こし角が実線の直線で示されている。また、図18では、航空機100、101、102の降着部50、150、250における接地点と、BLI推進部40、140、240の最下点とを結んだ直線が点線で示されている。
引き起こし角は、航空機100、101、102が離陸するときに、機体の後方側を地面にすらないようにするために必要な角度であり、ここでの例では、接地面に対して10.5°とされている。
第1の比較例及び第2の比較例において、航空機101、102の降着部150、250における接地点と、BLI推進部140、240の最下点とを結んだ直線は、引き起こし角を示す直線と一致しており、従って、軸方向(X軸方向)に対して10.5°である。
一方、本実施形態では、航空機100の降着部50における接地点と、BLI推進部40の最下点とを結んだ直線は、引き起こし角を示す直線よりも上側であり、従って、軸方向(X軸方向)に対して10.5°を超える。
ここで、図18の一番上の図を参照して、本実施形態に係る航空機100について、胴体部10の幅方向投影面における、後部側の下側の曲線に着目する。この曲線は、第1の比較例及び第2の比較例よりも急な角度で切り上げられている。また、この曲線は、2回微分可能、かつ、変曲点を有する曲線とされている。
図18の一番上の図では、この曲線が下側に凸から上側に凸に切り替わる変曲点に星印が付されている。本実施形態では、BLI推進部40(吸気口45)は、変曲点以後において、胴体部10の下側が凹んでいる箇所に配置される。
ここで、航空機の形状が第1の比較例及び第2の比較例のような形状の場合、BLI推進部140、240の位置が引き起こし角を決定付ける要因となっている。従って、第1の比較例及び第2の比較例において、離陸時における引き起こし角10.5°を確保するためには、航空機101、102の降着部150、250を大きくする必要がある。
航空機100の全体の重量に対する降着部50の重量の比率は、比較的に大きいため、降着部50が大きく且つ重くなってしまうと、航空機100全体の重量が大きくなってしまい、結果として燃費性能が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、BLI推進部40が変曲点よりも後方側の凹部に配置されており、航空機100の降着部50における接地点と、BLI推進部40の最下点とを結んだ直線が、引き起こし角を示す直線よりも上側となっている。これにより、降着部50を大型化せずとも、10.5°以上の引き起こし角を適切に確保でき、航空機100の燃費性能が低下してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、胴体部10の後方側の速度の遅い気流を吸気口45から適切に吸い込むことができるのと同時に、10.5°以上の引き起こし角を適切に確保できるため、高い推進性能と高い離陸性能を両立することができる。特に、BLI推進部40の吸気口45の位置を、軸方向(X軸方向)で、変曲点以後に設置することで、より効果的に減速された気流を吸気口45に導くことができ推進効率のさらなる改善が可能となる。
ここで、本実施形態では、BLI推進部40において、吸気口45の中心位置に対応する部分(例えば、ファンハブ、モータ等を含む、ナセル中心部のコア部分)が、胴体部に対して非接合とされている(図18上側)。一方、第1の比較例及び第2の比較例では、BLI推進部140、240において、吸気口145、245の中心位置に対応する部分(例えば、ファンハブ、モータ等を含む、ナセル中心部のコア部分)が、胴体部に対して接合されている(図18中央、下側)。
従って、第1の比較例及び第2の比較例では、航空機101、102の機体の上部側を流れる比較的に速い気流を吸気口145、245から取り込むような構成となっているので推進効率が悪い。さらに、第1の比較例及び第2の比較例では、BLI推進部140、240の羽根車が、胴体部110、120の上側の回転位相では高速の気流を、胴体部110、120下側の回転位相では低速の気流を受けることになる。従って、BLI推進部140、240の羽根車が、激しい周期荷重にされることにより、疲労破壊が誘発される。
これに対して、本実施形態では、吸気口45の中心位置が胴体部10の後端部の中心位置よりも下側にオフセットされ、かつ、BLI推進部40において吸気口45の中心位置に対応する部分(ナセル中心部のコア部分)が、胴体部10に対して非接合とされている。従って、胴体部10上部からの高速の気流が吸気口40に入り難く、これにより、推進効率を向上させつつ、上記のような疲労破壊を防止することができる。
図20は、気流がBLI推進部40に吸い込まれて後方側に加速して排出されるときの気流の速度を示す図である。図20において、一番上の図は、本実施形態に係る航空機100を表しており、中央の図は、第1の比較例に係る航空機101を表しており、下側の図は、第2の比較例に係る航空機102を表している。
図20に示すように、第1の比較例及び第2の比較例では、胴体部110、210の後部側の比較的に遅い気流を吸気口145、245から取り込んでいるが、取り込まれる気流の速度は本実施形態よりも速い。従って、第1の比較例及び第2の比較例は、本実施形態よりも推進性能が低い。
一方、本実施形態では、胴体部10の後部側の比較的に遅い気流を吸気口45から取り込んでおり、取り込まれる気流の速度は第1の比較例及び第2の比較例よりも遅いので、本実施形態は、第1の比較例及び第2の比較例よりも推進性能が高い。
つまり、本実施形態におけるBLI技術では、機体の表面に限らず、機体各部との干渉により機体後方側に発生する速度が遅い気流(図5、図14等も参照)をBLI推進部40により効率的に吸い込ませて推力を得ることができる。従って、本実施形態に係るBLI推進部は、第1の比較例及び第2の比較例に係るBLI推進部140、240よりも高い推進効率を得ることができる。
<吸気口45を軸方向(X軸方向)でどの程度後方側に配置するか>
次に、BLI推進部40における吸気口45を、軸方向(X軸方向)で胴体部10に対してどの程度後方側に配置するかについて説明する。
本実施形態では、吸気口45の軸方向の位置は、以下の3つのポイントのうちいずれか1つのポイント以後に配置される。
(1)軸方向において、上記変曲点以後
(2)軸方向において、胴体部10の幅(Y軸方向)が胴体部10の幅における最大値の50%となる位置以後
(3)軸方向において、胴体部10における軸方向(X軸方向)に垂直な断面積が、断面積の最大値の25%となる位置以後
(1)については、上述の通りであるので、(2)及び(3)について説明する。図21は、胴体部10の幅における最大値を基準とした場合における、軸方向でのある地点での胴体部10の幅、並びに、胴体部10の断面積の最大値を基準とした場合における、軸方向でのある地点での胴体部10の面積を示す図である。
図21において、黒で塗りつぶされた領域は、胴体部10における軸方向に垂直な断面(YZ平面)を示しており、白の円は、BLI推進部40の吸気口45を示している。
図21における各図では、軸方向(X軸方向)の位置が変化されており、胴体部10の先端部の位置がx=0とされている。また、図21において、胴体部10の表面付近を流れる気流の速度がグレースケールで表されている(黒が濃い方が遅い)。
図21に示すように、吸気口45の位置を軸方向で後方側にずらしていくと、徐々に、速度の遅い気流を吸気口45から適切に吸入することができるようになる。ここで、図21の上から2段目の右側の図と、図21の最下段の左側の図に着目する。
図21の上から2段目の右側の図は、胴体部10の先端部から30m地点での胴体部10の断面積を示している。また、胴体部10の先端部から30mの地点では、胴体部10の幅が、胴体部10の最大幅に対して、57%となり、胴体部10の断面積が、胴体部10の最大面積に対して32%となる。この地点に吸気口45を配置した場合、速度の遅い気流(グレーの濃い箇所)をあまり効率よく取り込むことができない。
一方、図21の最下段の左側の図は、胴体部10の先端部から31m地点での胴体部10の断面積を示している。また、胴体部10の先端部から31mの地点では、胴体部10の幅が、胴体部10の最大幅に対して、49%となり、胴体部10の断面積が、胴体部10の最大面積に対して20%となる。この地点に吸気口45を配置した場合、速度の遅い気流を効率よく取り込むことができる。
従って、本実施形態では、吸気口45は、軸方向において、胴体部10の幅(Y軸方向)が胴体部10の幅における最大値の50%となる位置以後に設けられる。あるいは、吸気口45は、軸方向において、胴体部10における軸方向(X軸方向)に垂直な断面積が、断面積の最大値の25%となる位置以後に設けられる。これにより、速度の遅い気流を吸気口45から効率よく取り込むことができ、BLI推進部40において、効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
<その他>
BLI推進部40は、主翼部20の下側等に設置された主発動部30に比べ、高い推進効率を得ることができる。従って、航空機100全体の推力について、BLI推進部40の推力配分を大きくすることで推進効率を大きくすることができる。
一方で、BLI推進部40の推力配分を大きくすると、図4に示される、発電機37、コンバータ2、インバータ3、モータ43、電力配線等からなる電動推進系の重量が増加し、航空機100全体の燃費性能を損なってしまう。また、離陸時は、巡航時に比べてエンジン軸38の動力が大きくなくなるので、離陸時はBLI推進部40において抽出トルクを大きくすることができるが、そのためには発電機37の電子部品を対応するサイズに大型化させる必要がある。一方、巡航時には、そのような大きな抽出トルクを必要としないので、巡航時においては大型化された発電機37の電子部品の重量がデッドウェイトとなってしまう。
これに対し、本実施形態では、巡航時において航空機100全体の燃費性能を最も高くする推力配分に対応した抽出トルクに、離陸時の抽出トルクを合わせることとしている。すなわち、発電機37の最大トルクに対し、離陸時、巡航時を問わず100%~90%に抽出トルクを維持できる発電機37構成としている。これにより、上記デッドウェイトの増加を防ぎつつ巡航時の動作を担保することができる。
また、本実施形態では、主発動部30のエンジン軸38からBLI推進部40のモータ43の動力を抽出しているため、上記電動推進系に不具合が生じた場合には、主発動部30からの動力を抽出しながらも、BLI推進部40が推力を発生しないといった状態に陥る可能性が考えられる。この場合において、離陸時に片方の主発動機31、32が停止してしまうと、推力が不足してしまい航空機100が墜落する危険性がある。
そこで、本実施形態では、航空機100の高度H及び速度Vが所定の範囲にある場合には、BLI推進部40が主発動部30から抽出する動力(電力)が、所定の値(ゼロ、あるいは、BLI推進部40が主発動部30に対して抗力を発生しない値)以下に制限される。
図22は、BLI推進部40が主発動部30から抽出する動力が所定の値(ゼロ、あるいは、BLI推進部40が抗力を発生しない値)以下に設定される範囲(グレーの箇所参照)を示す図である。なお、図22には、離陸時における航空機100の速度及び高度の軌跡が点線の曲線で示されている。
図22に示すように、航空機100の高度Hが所定の高度以下であるという条件、及び、速度Vが所定の速度以下であるという条件の2つの条件のうち少なくとも一方を満たす場合、BLI推進部40が主発動機31、32から抽出する動力が所定の値(ゼロ、あるいは、BLI推進部40が抗力を発生しない範囲)以下に制限される。
また、上記2つの条件のうち少なくとも一方の条件を満たすという条件に加え、複数の主発動機31、32のうち少なくとも一つの主発動機が停止したという条件が満たされたときに、BLI推進部40が主発動機31、32から抽出する動力が所定の値(ゼロ、あるいは、BLI推進部40が抗力を発生しない範囲)以下に制限されてもよい。
これにより、片方の主発動機31、32が停止しまった場合における電動推進系の故障確率を抑制することができ、航空機100の信頼性を担保することができる。
また、航空機100の降下時においては、主発動部30の推力あるいは回転数を、アイドル近くまで下げることができるが、このとき、BLI推進部40がエンジン軸38から動力を抽出してしまうと、わずかな抽出動力の変動でエンジンを停止させてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、主発動部30のエンジン軸38の回転数N1が、エンジン軸38の最大回転数(飛行高度に応じて決定される値)の60%以下であるとき、BLI推進部40が発電機37から抽出する抽出トルクτgenを、10%以下に制約することとしている。
あるいは、主発動部30のエンジン出力が、エンジン出力の最大値(飛行高度に応じて決定される値)の60%を下回る場合には、BLI推進部40が発電機37から抽出する抽出トルクτgenを、10%に制約することとしている。
図23は、主発動部30のエンジン軸38の回転数N1と、BLI推進部40が発電機37から抽出する抽出トルクτgenとの関係を示す図である。図23に示すように、主発動部30のエンジン軸38の回転数N1が、エンジン軸38の最大回転数の60%以下であるとき、BLI推進部40が発電機37から抽出する抽出トルクτgenが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限される。これにより、例えば、下降時において、不意に主発動部30が停止してしまうといった問題を解消することができる。
図24は、主発動部30のエンジン出力と、BLI推進部40が発電機37から抽出する抽出トルクτgenとの関係を示す図である。図24に示すように、主発動部30のエンジン出力が、エンジン出力の最大値(飛行高度に応じて決定される値)の60%以下であるとき、BLI推進部40が発電機37から抽出する抽出トルクτgenが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限される。これにより、下降時において、不意に主発動部30が停止してしまうといった問題を解消することができる。
<作用等>
以上説明したように、本実施形態では、BLI推進部40の吸気口45の中心位置が、上下方向で、胴体部10の後端部11の中心位置から下側にオフセットして配置される。これにより、吸気口45から取り込まれる気流の平均速度を適切に遅くすることができ、これにより、BLI推進部40において効率(エネルギー効率、燃料消費率)よく推力を発生させることができる。
また、本実施形態では、胴体部10は、胴体部10の後部側において後端部11に向けて外径が徐々に小さくなる形状を有しており、胴体部10の後端部11の中心位置は、上下方向で、胴体部10の中心位置よりも上側に位置している。そして、本実施形態では、BLI推進部40の吸気口45の中心位置が、上下方向で、胴体部10の中心位置と、後端部11の中心位置との間に配置されている。これにより、BLI推進部40において、さらに効率よく推力を発生させることができる。
ここで、本実施形態における胴体部10の幅方向の投影面の形状は、胴体部10の後部側の下側が切り上げられるような形状となっている。このため、本実施形態では、胴体部10の後端部11の中心位置よりも下側の領域が、速度の遅い気流が流れる領域となっている。一方、速度の遅い気流が流れる領域は、航空機100の機体の形状に応じて異なる可能性がある。例えば、速度の遅い気流が流れる領域は、航空機100の形状に応じて、胴体部10の後端部11の中心位置の上側、下側、右側又は左側の領域となる可能性がある。
従って、航空機100の形状に応じて、速度の遅い気流が流れる領域が胴体部10の後端部11の中心位置から見てどのような位置であるかを解析し、これに合わせて吸気口45の中心位置をオフセットする方向(YZ方向)を決定すればよい。つまり、典型的には、BLI推進部40の吸気口45の中心位置は、上下方向及び幅方向のうち少なくとも一方の方向で、胴体部10の後端部11の中心位置からオフセットして配置されればよい。
なお、例えば、図15に示したように、第1のBLI推進器41a及び第2のBLI推進器41bが幅方向に並べられるような形態の場合、第1のBLI推進器41aの第1の吸気口45a及び第2のBLI推進器41bの第2の吸気口45bは、その中心位置(黒丸参照)が、上下方向及び幅方向の両方の方向で、胴体部10の後端部11の中心位置(×印参照)からオフセットして配置されている。
また、本実施形態では、軸方向(X軸方向)に平行な平行光が胴体部10へ照射されたときの投影面と、平行光が吸気口45に照射されたときの投影面とが重複しない非重複領域の面積が、60%未満とされている(吸気口45の中心位置が下側にオフセットされる割合)。これにより、速度が遅い気流を吸気口45から適切に取り込むことができ、BLI推進部40において、さらに効率よく推力を発生させることができる。
また、本実施形態では、BLI推進部40の吸気口45の幅方向の長さを2aとし、吸気口45の面積をSfanとしたとき、AR=(2a)/Sfanで表されるAR(アスペクト比)の値が、1.3以下とされている(吸気口45がどの程度横長であるか)。これにより、速度が遅い気流を吸気口45から適切に取り込むことができ、BLI推進部40において、さらに効率よく推力を発生させることができる。
また、本実施形態において、BLI推進部40が、幅方向に並ぶ第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bを含む場合、第1の羽根車42a及び前記第2の羽根車42bの回転方向が、逆回転とされ、また、第1の羽根車42a及び前記第2の羽根車42bの回転方向が、それぞれ、インボードアップに対応する回転方向とされる。これにより、第1の羽根車42a、第2の羽根車42bを駆動するモータ43に要求されるトルクが低減されるので、航空機100の機体を軽量化することができ、燃費性能をさらに向上させることができる。
また、本実施形態において、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bは、回転の中心軸の位置が、上下方向で、吸気口45の中心位置よりも上側に配置されており、また、回転の中心軸の位置が、幅方向で、吸気口45の中心位置よりも外側に配置されている。これにより、第1の羽根車42a及び第2の羽根車42bが、吸気口45へ巻き上がりながら流入する気流を効率よく捕らえることができ、従って、BLI推進部40において、さらに効率よく推力を得ることができる。
また、本実施形態では、幅方向に平行な平行光が胴体部10及び降着部50に対して照射されたときの投影面の形状において、降着部50における地面への接地点及びBLI推進部40の最下点を結んだ接線と、軸方向(X軸方向)とのなす角が10.5°を超える。これにより、高い推進性能と高い離陸性能を両立することができる。
また、本実施形態では、幅方向に平行な平行光が胴体部10に対して照射されたときの投影面の形状において、胴体部10の後部側における下側を示す曲線の形状が、2回微分可能かつ変曲点を有する形状とされており、吸気口45が、軸方向(X軸方向)において、変曲点以後に配置される。これにより、高い推進性能と高い離陸性能を両立することができる。
また、本実施形態では、BLI推進部40の吸気口45は、軸方向(X軸方向)において、胴体部10の幅が胴体部10の幅における最大値の50%となる位置以後に配置される。これにより、速度の遅い気流を吸気口45から効率よく取り込むことができ、BLI推進部40において、効率よく推力を発生させることができる。
また、本実施形態では、BLI推進部40の吸気口45は、軸方向において、胴体部10における軸方向に垂直な断面積が、断面積の最大値の25%となる位置以後に配置される。これにより、速度の遅い気流を吸気口45から効率よく取り込むことができ、BLI推進部40において、効率よく推力を発生させることができる。
また、本実施形態では、軸方向(X軸方向)で吸気口45が設けられた位置における、前軸方向に垂直な方向での胴体部10及び吸気口45の断面について、胴体部10の断面及び吸気口45の断面は、非重複とされている。これにより、BLI推進部40において、さらに効率よく推力を発生させることができる。
また、本実施形態では、主発動部30の発電機37は、航空機100の運転状態(離陸時、巡航時等)によらず、発電機37の最大トルクに対して、100%以下90%以上の抽出トルクで運転される。これにより、デッドウェイトの増加を防ぎつつ巡航時の動作を担保することができる。
また、本実施形態では、航空機100の高度が所定の高度以下であるという条件と、航空機100の速度が所定の速度以下であるという条件のうち少なくとも一方の条件を満たす場合、発電機37から抽出される動力が所定の値以下に制限される。これにより、片方の主発動機31、32が停止しまった場合における電動推進系の故障確率を抑制することができ、航空機100の信頼性を担保することができる。
また、本実施形態では、主発動部30のエンジン軸38の回転数が、その高度におけるエンジン軸38の最大回転数の60%以下のとき、発動機から抽出される抽出トルクが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限される。これにより、例えば、下降時において、不意に主発動部30が停止してしまうといった問題を解消することができる。
また、本実施形態では、主発動部30のエンジン出力が、その高度におけるエンジン出力の最大値の60%以下であるとき、前記発動機から抽出される抽出トルクが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限される。これにより、例えば、下降時において、不意に主発動部30が停止してしまうといった問題を解消することができる。
10…胴体部
20…主翼部
30…主発動部
40…BLI推進部
42…羽根車
45…吸気口
50…降着部
100…航空機

Claims (26)

  1. 軸方向に長く、幅方向及び上下方向に短い筒状であり、前記軸方向の後部側に後端部を有する胴体部と、
    前記胴体部の後部側に設けられた、吸気口を有するBLI推進部であって、前記吸気口の中心位置が、前記上下方向及び前記幅方向のうち少なくとも一方で、前記後端部の中心位置からオフセットして配置されるBLI(Boundary Layer Ingestion)推進部と
    を具備する航空機。
  2. 請求項1に記載の航空機であって、
    前記胴体部は、前記胴体部の後部側において前記後端部に向けて外径が徐々に小さくなる形状を有する
    航空機。
  3. 請求項2に記載の航空機であって、
    前記後端部の中心位置は、前記上下方向で、前記胴体部の中心位置よりも上側に位置する
    航空機。
  4. 請求項3に記載の航空機であって、
    前記吸気口の中心位置は、前記上下方向で、前記後端部の中心位置よりも下側にオフセットして配置される
    航空機。
  5. 請求項4に記載の航空機であって、
    前記吸気口の中心位置は、前記上下方向で、前記胴体部の中心位置と、前記後端部の中心位置との間に配置される
    航空機。
  6. 請求項1~5のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記軸方向に平行な平行光が前記胴体部へ照射されたときの投影面と、前記平行光が前記吸気口に照射されたときの投影面とが重複しない非重複領域の面積が、60%未満である
    航空機。
  7. 請求項1~6のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記吸気口の前記幅方向の長さを2aとし、前記吸気口の面積をSfanとしたとき、AR=(2a)/Sfanで表されるARの値が、1.3以上である
    航空機。
  8. 請求項1~7のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記BLI推進部は、前記軸方向を向く軸を中心軸として回転可能な少なくとも1以上の羽根部を含む
    航空機。
  9. 請求項8に記載の航空機であって、
    前記BLI推進部は、前記幅方向に並ぶ第1の羽根車及び第2の羽根車を含み、
    前記第1の羽根車及び前記第2の羽根車の回転方向が、逆回転である
    航空機。
  10. 請求項9に記載の航空機であって、
    前記第1の羽根車及び前記第2の羽根車の回転方向が、それぞれ、インボードアップに対応する回転方向である
    航空機。
  11. 請求項10に記載の航空機であって、
    前記BLI推進部は、前記幅方向で前記第1の羽根車及び第2の羽根車の間の位置で、かつ、前記上下方向で前記第1の羽根車及び第2の羽根車よりも下側に配置された第3の羽根車を含む
    航空機。
  12. 請求項7~11のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記羽根車は、回転の中心軸の位置が、前記上下方向で、前記吸気口の中心位置よりも上側に配置される
    航空機。
  13. 請求項7~12のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記羽根車は、回転の中心軸の位置が、前記幅方向で、前記吸気口の中心位置よりも外側に配置される
    航空機
  14. 請求項3~13のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記胴体部の下側に設けられた降着部をさらに有し、
    前記幅方向に平行な平行光が前記胴体部及び降着部に対して照射されたときの投影面の形状において、降着部における地面への接地点及び前記BLI推進部の最下点を結んだ接線と、前記軸方向とのなす角が10.5°を超える
    航空機。
  15. 請求項3~14のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記幅方向に平行な平行光が前記胴体部に対して照射されたときの投影面の形状において、前記胴体部の後部側における下側を示す曲線の形状が、2回微分可能かつ変曲点を有する形状である
    航空機。
  16. 請求項15に記載の航空機であって、
    前記吸気口は、前記軸方向において、前記変曲点以後に配置される
    航空機。
  17. 請求項3~16のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記吸気口は、前記軸方向において、前記胴体部の幅が前記胴体部の幅における最大値の50%となる位置以後に配置される
    航空機。
  18. 請求項1~17のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記BLI推進部において、前記吸気口の中心位置に対応する部分が、前記胴体部に対して非接合である
    航空機。
  19. 請求項3~18のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記吸気口は、前記軸方向において、前記胴体部における前記軸方向に垂直な断面積が、断面積の最大値の25%となる位置以後に配置される
    航空機。
  20. 請求項1~19のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記航空機は、発電機を有する主発動部をさらに有し、
    前記BLI推進部は、前記発電機の電力により駆動される
    航空機。
  21. 請求項20に記載の航空機であって、
    前記発電機は、前記航空機の運転状態によらず、前記発電機の最大トルクに対して、100%以下90%以上の抽出トルクで運転される
    航空機。
  22. 請求項20又は21に記載の航空機であって、
    航空機の高度が所定の高度以下であるという条件と、航空機の速度が所定の速度以下であるという条件のうち少なくとも一方の条件を満たす場合、前記発電機から抽出される動力が所定の値以下に制限される
    航空機。
  23. 請求項22に記載の航空機であって、
    前記主発動部は、前記発電機をそれぞれ有する複数の主発動機を含み、
    前記2つの条件のうち少なくとも一方の条件を満たすという条件に加え、前記複数の主発動機のうち少なくとも一つの主発動機が停止したという条件が満たされたときに、前記発電機から抽出される動力が所定の値以下に制限される
    航空機。
  24. 請求項20~23のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    前記主発動部は、回転により前記発電機を発電させるエンジン軸を含み、
    前記主発動部のエンジン軸の回転数が、その高度における前記エンジン軸の最大回転数の60%以下のとき、前記発動機から抽出される抽出トルクが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限される
    航空機。
  25. 請求項20~24のうちいずれか1項に記載の航空機であって、
    主発動部のエンジン出力が、その高度におけるエンジン出力の最大値の60%以下であるとき、前記発動機から抽出される抽出トルクが、抽出トルクの最大値の10%以下に制限される
    航空機。
  26. 軸方向に長く、幅方向及び上下方向に短い筒状であり、前記軸方向の後部側に後端部を有する胴体部の後部側に設けられた、吸気口を有するBLI推進部であって、前記吸気口の中心位置が、前記上下方向及び幅方向のうち少なくとも一方で、前記後端部の中心位置からオフセットして配置される
    BLI推進部。
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