JP2023061966A5 - - Google Patents

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Description

本開示は、特定の実施形態において、温度の関数としての分析物透過性バラつきが限定的であり、かつ好適な生体適合性特性を有するといった、望ましい組み合わせを提供し得るポリマー膜組成物を提供する。より詳細には、本明細書に開示されるポリマー膜組成物は、複素環を含む1つ以上の側鎖を有するポリマー骨格(本明細書では複素環式ポリマーともいう)と、上記の1つ以上の側鎖の少なくとも一部、特に複素環の少なくとも一部に付加された、アミンを含まないポリエーテルアームとを含んでなる。アミンを含まないポリエーテルアームは、1つ以上のポリエチレングリコール部分(ブロック)と、1つ以上のポリプロピレングリコール部分(ブロック)とを組み込むことができ、これらは、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサーを介して複素環に付加することができる。例えば、カルボニル、カルボン酸エステル、又はカルボキサミドなどの他のスペーサーもまた、いくつかの実施形態において適切であり得る。いくつかの実施形態において、アミンを含まないポリエーテルアーム中に、単一のポリエチレングリコール部分が単一のポリプロピレングリコール部分と、ジブロック配置で(例えば、Aがポリエチレングリコールブロックであり、Bがポリプロピレングリコールブロックである、A-Bブロックパターン又はB-Aブロックパターンにおいて)結合され得る。他のより特定の実施形態では、1つ以上のポリエチレングリコール部分と1つ以上のポリプロピレングリコール部分とは、介在する官能基が存在することなく(例えば、Aはポリエチレングリコールブロックであり、Bはポリプロピレングリコールブロックである時、いくつかの実施形態では、A-B-Aのパターンで、あるいは他の実施形態によればB-A-Bにおいて)交互のブロックとして存在し得る。本開示のさらなる実施形態によれば、アミンを含まないポリエーテルアームは、同様に、3つを超える交互のブロックを含み得る。ブロックパターン及び各ブロック中のエーテルユニットの数の両方は、本明細書に開示されるポリマー膜組成物において変化し得る。いくつかの実施形態において、アミンを含まないポリエーテルアーム内の末端ポリエチレングリコールユニットは、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサー、又はカルボニル、カルボキシルエステル、又はカルボキサミドなどの代替のスペーサーを介して、複素環又は複素環式ポリマーの他の側鎖に付加され得る。他の実施形態では、アミンを含まないポリエーテルアーム内の末端ポリプロピレングリコール単位は、アルキルスペーサー又はヒドロキシル官能化アルキルスペーサー、又はカルボニル、カルボン酸エステル、又はカルボキサミドなどの代替のスペーサーを介して、複素環又は複素環式ポリマーの他の側鎖に付加され得る。
より詳細な実施形態では、ポリマー骨格は、1つ以上の側鎖内に複素環式又はヘテロ芳香族窒素部分を含み得る。さらにより詳細な実施形態では、ポリマー骨格は、1つ以上の側鎖内にヘテロ芳香族窒素部分を含み得る。適切なヘテロ芳香族窒素部分には、例えば、アクリジン、カルバゾール、カルボリン、シンノリン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、トリアゾール、それらの誘導体などが含まれ得る。
あるいは、いくつかの実施形態では、任意選択で置換されたフェニル基などの複素環式ポリマーの非複素環側鎖の少なくとも一部は、それに付加された架橋剤を有し得る。
様々な実施形態によれば、アミンを含まないポリエーテルアームは、複素環式ポリマーの1つ以上の側鎖の複素環の少なくとも一部内のヘテロ原子を介して、本明細書に開示されるポリマー膜組成物のポリマー骨格に結合し得る。代替の実施形態は、アミンを含まないポリエーテルアームが、1つ以上の側鎖の複素環の少なくとも一部の炭素原子を介して、及び/又はポリマー骨格の任意選択で置換されたフェニル基の炭素原子を介してポリマー骨格に結合するものを含み得る。より詳細な実施形態では、アミンを含まないポリエーテルアームは、1つ以上の側鎖内の複素環芳香族窒素原子又はヘテロ芳香族窒素原子を介してポリマー骨格に結合することができる。例えば、ポリマー骨格がポリビニルピリジン又はそのコポリマーである場合、アミンを含まないポリエーテルアームは、ピリジン窒素原子を介して側鎖に付加され得る。アミンを含まないポリエーテルアーム又は架橋剤で官能化すると、ピリジン窒素原子は四級化された形になる。
様々な実施形態において、アミンを含まないポリエーテルアームは、少なくとも1つのポリエチレンオキシドブロック及び少なくとも1つのポリプロピレンオキシドブロックを含み得る。いくつかの実施形態によれば、アミンを含まないポリエーテルアームは、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのジブロック配列を含み得る。すなわち、いくつかの実施形態では、アミンを含まないポリエーテルアームは、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサー、ポリエチレンオキシドブロック及びポリプロピレンオキシドブロックの順にこれらを含み得、他の実施形態では、アミンを含まないポリエーテルアームは、順番に、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサー、ポリプロピレンオキシドブロック及びポリエチレンオキシドブロックを含み得る。他のより詳細な実施形態では、アミンを含まないポリエーテルアームは、順番に、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサー、第1のポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック、及び第2のポリエチレンオキシドブロック(すなわち、A-B-Aの繰り返しパターン)からなるものであってもよい。さらなに異なるより詳細な実施形態では、アミンを含まないポリエーテルアームは、順番に、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサー、第1のポリプロピレンオキシドブロック、ポリエチレンオキシドブロック、及び第2のポリプロピレンオキシドブロック(すなわち、B-A-B繰り返しパターン)からなるものであってもよい。アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサーは、様々な実施形態によれば、ポリマー骨格の側鎖中の複素環式又はヘテロ芳香族窒素原子に結合することができる。場合によっては、複素環式側鎖のいずれかの炭素原子又は側鎖フェニル基のいずれかの炭素原子への代替の結合も可能である。アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサーはまた、末端エーテル結合を介するなどの様々な実施形態によれば、アミンを含まないポリエーテルアームの第1のポリエチレンオキシドブロックに結合され得る。いくつかの実施形態によれば、第2のポリエチレンオキシドブロックは、メトキシ基によって終端され得る。あるいは、いくつかの実施形態によれば、ヒドロキシ官能化アルキルスペーサーのアルキルスペーサーはまた、アミンを含まないポリエーテルアームの第1のポリプロピレンオキシドブロックに結合され得、第2のポリプロピレンオキシドブロックは、メトキシ基によって終結され得る。
したがって、本開示のより詳細な実施形態では、適切な架橋は、それぞれがヒドロキシ官能化アルキル基を介して、第1のポリマー骨格の第1の複素環及び第2のポリマー骨格の第2の複素環の反対側の端に結合する少なくとも1つのポリエチレンオキシドブロックを含み得る。そのような実施形態では、架橋の方法は分子間である。本開示のいくつか又は他の実施形態において、そのような架橋剤は、それぞれがヒドロキシル官能化アルキル基を介して、同じポリマー骨格内の第1及び第2の複素環に対向する末端で結合され得、この場合、架橋の方法は分子内である。
様々な実施形態によれば、上記に開示されたポリマー膜組成物は、分析物センサーに存在し得る。したがって、本開示の分析物センサーは、感知領域(すなわち、センサーの動作部分)、及び感知領域を覆うポリマー膜組成物を含み得る。ポリマー膜組成物は、複素環を含む1つ以上の側鎖を含むポリマー骨格と、アルキルスペーサー又はヒドロキシル官能化アルキルスペーサーを介して、1つ以上の側鎖の複素環の少なくとも一部に付加されたアミンを含まないポリエーテルアームとを含み得る。本明細書でさらに論じられるように、任意のポリマー膜組成物を分析物センサーと組み合わせて利用することができる。
B.分析物センサー 分析物センサーは、以下を含む:感知領域;及び、感知領域を覆うポリマー膜組成物。ここで、ポリマー膜組成物は、複素環を含む1つ以上の側鎖を含むポリマー骨格と、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサーを介して、1つ以上の側鎖少なくとも一部の複素環に付加された、アミンを含まないポリエーテルアームとを含む。
実施形態A及びBのそれぞれは、任意の組み合わせで以下の追加の要素のうちの1つ以上を有し得る。
要素1:ポリマー骨格がポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む。
要素2:ここで、ポリマー骨格は、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む。
要素3:アミンを含まないポリエーテルアームは、少なくとも1つのポリエチレンオキシドブロック及び少なくとも1つのポリプロピレンオキシドブロックを含み、アミンを含まないポリエーテルアームは、ポリマー骨格の側鎖の複素環式又はヘテロ芳香族窒素原子に結合している。

Claims (18)

  1. 感知領域と、
    前記感知領域を覆うポリマー膜材料とを含む分析物センサーにおいて、
    前記ポリマー膜材料は、複素環を含む1つ以上の側鎖を含むポリマー骨格と、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサーを介して、前記1つ以上の側鎖の少なくとも一部の複素環に付加されたアミンを含まないポリエーテルアームとを含み、
    前記アミンを含まないポリエーテルアームは、少なくとも1つのポリエチレンオキシドブロックと、少なくとも1つのポリプロピレンオキシドブロックとを含み、前記アミンを含まないポリエーテルアームは、前記ポリマー骨格の側鎖の複素環窒素原子又はヘテロ芳香族窒素原子に結合し、
    前記ポリマー膜材料は、15℃から45℃の温度範囲にわたって、少なくともグルコース透過性に対して温度非感受性である、前記分析物センサー。
  2. 前記ポリマー膜材料の前記ポリマー骨格が、ポリビニルピリジンホモポリマー又はポリビニルイミダゾールホモポリマーを含む、請求項1に記載の分析物センサー。
  3. 前記ポリマー膜材料の前記ポリマー骨格が、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む、請求項1に記載の分析物センサー。
  4. 前記感知領域が、分析物応答性酵素を含む、請求項1に記載の分析物センサー。
  5. 前記分析物応答性酵素が、グルコース応答性酵素である、請求項4に記載の分析物センサー。
  6. 前記グルコース応答性酵素が、グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼである、請求項5に記載の分析物センサー。
  7. 前記分析物応答性酵素が、乳酸応答性酵素である、請求項4に記載の分析物センサー。
  8. 前記乳酸応答性酵素が、乳酸オキシダーゼ又は乳酸デヒドロゲナーゼである、請求項7に記載の分析物センサー。
  9. 前記分析物応答性酵素が、前記ポリマー膜材料に共有結合される、請求項4に記載の分析物センサー。
  10. 前記分析物センサーが、固定のグルコース濃度において、17℃から42℃の温度範囲にわたって2%未満の変動をする信号を生成する、請求項1に記載の分析物センサー。
  11. 前記ポリマー膜材料の前記アミンを含まないポリエーテルアームは以下の構造を有し、
    Figure 2023061966000001

    式中、wは0又は1であり、xは4から24の間の範囲であり、yは8から60の間の範囲であり、zは6から36の間の範囲である、請求項1に記載の分析物センサー。
  12. xが、6から16の間の範囲であり、yが10から40の間の範囲であり、zが8から20の間の範囲である、請求項11に記載の分析物センサー。
  13. xが、9から12の間の範囲であり、yが16から30の間の範囲であり、zは12から16の間の範囲である、請求項11に記載の分析物センサー。
  14. 前記ポリマー膜材料が、前記ポリマー骨格の複素環を含む前記1つ以上の側鎖の一部に付加されたスルホネート含有アームをさらに含む、請求項1に記載の分析物センサー。
  15. 前記ポリマー膜材料は、前記ポリマー骨格の複素環を含む前記1つ以上の側鎖の一部に付加された架橋剤をさらに含み、前記架橋剤は、第1のポリマー骨格に結合された第1の部分と、第2のポリマー骨格に結合された第2の部分とを含み、前記第1のポリマー骨格を前記第2のポリマー骨格に連結させる、請求項1に記載の分析物センサー。
  16. 前記ポリマー膜材料が、米国薬局方及び米国国民医薬品集の要件(<USP 87>)の下で、2以下のスコアの細胞毒性を示す、請求項1に記載の分析物センサー。
  17. ユーザの体液中の分析物濃度を測定するためのインビボ分析物センサーであって、
    分析物監視システムと連結している第1の部分であって、前記第1の部分は肌の表面上に位置付け可能である、前記第1の部分と、
    肌の表面下に位置付け可能である第2の部分であって、前記第2の部分は、体液と接触し、体液中の分析物濃度を監視するように構成され、前記第2の部分は、前記第1の部分上に位置する接触部分に接続される電極を含む、前記第2の部分とを含み、
    前記分析物監視システムは、センサー制御デバイスであって、分析物濃度を示すデータを測定し、前記センサー制御デバイスに接続された送信機を介する電子通信プロトコルによって、前記分析物濃度を示すデータをリーダーデバイスに送信するように構成される前記センサー制御デバイスと、前記センサー制御デバイスを操作するための電源とを含み、
    前記第2の部分の電極が、少なくとも1つの感知領域を含む作用電極と、前記感知領域を覆うポリマー膜材料とを含み、
    前記ポリマー膜材料は、複素環を含む1つ以上の側鎖を含むポリマー骨格と、アルキルスペーサー又はヒドロキシ官能化アルキルスペーサーを介して、前記1つ以上の側鎖の少なくとも一部の複素環に付加されたアミンを含まないポリエーテルアームとを含み、
    前記アミンを含まないポリエーテルアームは、少なくとも1つのポリエチレンオキシドブロックと、少なくとも1つのポリプロピレンオキシドブロックとを含み、前記アミンを含まないポリエーテルアームは、前記ポリマー骨格の側鎖の複素環窒素原子又はヘテロ芳香族窒素原子に結合する、前記分析物センサー。
  18. 前記ポリマー膜材料の前記アミンを含まないポリエーテルアームは以下の構造を有し、
    Figure 2023061966000002

    式中、wは0又は1であり、xは4から24の間の範囲であり、yは8から60の間の範囲であり、zは6から36の間の範囲であるか、又は以下の構造を有し、
    Figure 2023061966000003

    式中、wは0又は1であり、xは4から24の間の範囲であり、yは8から60の間の範囲であり、zは6から36の間の範囲である、請求項17に記載の分析物センサー。
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