JP2023061573A - 歯ブラシ並びに口腔内環境改善方法及び歯磨き方法 - Google Patents

歯ブラシ並びに口腔内環境改善方法及び歯磨き方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い照度の光を発することができ、除菌効果及び歯垢検出効果を同時に奏する歯ブラシ等を提供すること。【解決手段】歯ブラシヘッド3と、電源部22及びハンドル部を有する歯ブラシ本体2とを備え、歯ブラシヘッド3は、植毛面52Aを有する透光性樹脂プレート52を備える替歯ブラシ部5と、歯ブラシ本体2の先端側から被せるように配設され、透光性樹脂プレート52に対応して位置する部分が透光性を有し、替歯ブラシ部5が装着される上部カバー部4と、で構成され、歯ブラシ本体2は、電源部22から歯ブラシ1の長手方向に延在し、透光性樹脂プレート52に対向する上部カバー部4の内部の位置に、少なくとも1個の発光ダイオード23が配設されてなる電子回路基板24を有し、発光ダイオード23が、透光性樹脂プレート52の植毛面52A全体から、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発することを特徴とする歯ブラシ1。【選択図】図1

Description

本発明は、歯ブラシ、特に歯ブラシヘッド部に発光ダイオードを備えた歯ブラシ、並びに、口腔内環境改善方法及び歯磨き方法に関する。
従来より、発光ダイオード等の発光部を備え、口腔内に、主に可視光域における特定のピーク波長を有する光を照射することによって、除菌機能などの種々の機能を発揮することができる歯ブラシが提供されている。
例えば、特許文献1には、波長域450~690nmのレーザー発光素子を有する光歯ブラシ装置が記載されている。この光歯ブラシ装置では、レーザー発光素子は歯ブラシのハンドル部の筐体に収容されている。ここで、出力光は、筐体先端部から歯ブラシヘッド内に延びた光ファイバーを通じて、植毛面へと導かれる。
特許文献2には、着脱自在構造の替歯ブラシと、光源とを有する光歯ブラシが記載されている。この光源は、替歯ブラシとは別体の歯ブラシハンドル容器内の先端に備えられ、歯ブラシハンドル容器の先端に装着した替歯ブラシの植毛面の近傍に位置する。この光歯ブラシにおいては、歯ブラシハンドル容器内の振動源によって、替歯ブラシを振動させる。加えて、替歯ブラシは、光源が位置する部分に透光穴が設けられ、光源からの光が、透光穴を通じて口腔内(毛束の先端に向かう方向)に発せられる。
特許文献3には、歯ブラシヘッド部起毛面の特定領域を通して光を照射する発光部と、受光する受光部とを備えた歯ブラシが記載されている。この歯ブラシでは、発光部がリード線を介して駆動回路と電気的に接続されている。また、特定領域は、起毛面の略中央に位置する、毛を備えていない領域である。
特許文献4には、歯ブラシ構造内に発光ダイオードを配置した、プラーク表示機能を備えた歯ブラシが記載されている。この歯ブラシでは、電池と電気的に接続された発光素子が、例えば歯ブラシヘッドが装着される別体の歯ブラシ柄の先端に設置され、歯の表面を照射する。
特許文献5には、低強度の励起光と、高強度の励起光とを放射する電気回路を有する歯科用装置が記載されている。この歯科用装置では、本体側の電気回路に発光ダイオードが付され、その位置に光学窓を有する歯ブラシアセンブリが装着される。ブラシが回転するタイプの歯ブラシであり、本体長手方向と垂直の方向に、歯ブラシアセンブリが据え付けられる。また、歯ブラシアセンブリを結合するシャフトを交換可能なものとする際には、電気回路はハンドル内に組み込まれ、放射光は光ファイバーを介して歯ブラシアセンブリに送られる。
特開平3-251207号公報 特開2009-22697号公報 特開2018-33591号公報 実用新案登録第3230433号公報 特開2016-501095号公報
しかしながら、特許文献1~5に記載の従来の光歯ブラシは、歯垢検出機能や除菌機能に関しては、必ずしも十分に発揮されているとはいえない。例えば特許文献1記載の歯ブラシでは、レーザー発光素子は歯ブラシのハンドル部内に設けられ、歯ブラシヘッド部内の光ファイバーを通じて植毛面に導かれる。これでは、導光中の光の散逸(損失)が避けられず、使用時の照度は低くならざるを得ない。また、光ファイバーを通じて発せられる光は、口腔内の狭い範囲しか照射することができない。そのため、歯磨き中に歯垢残存の有無を、鏡を見ながらチェックすることは難しい。結果として、磨き残し等の不具合が生じ易い。加えて、歯磨きの過程で除菌できる口腔内の領域も、光が照射される狭い領域になるため、口腔内を隅々まで除菌し、口腔内の環境を改善するには、かなり長い時間をかけて歯磨きすることが必要になるという問題がある。
また、特許文献2や特許文献3記載の歯ブラシにおいても、光は透光穴等の狭い特定領域から発せられるため、使用時の照度は低くならざるを得ないという問題がある。
特許文献4記載の歯ブラシでも、歯ブラシ柄側に設置された発光ダイオードに起因する光では、口腔内の十分な照射は期待できない。特許文献5では、歯ブラシアセンブリの光学窓の位置を、本体側に位置するLEDと合わせ、光学窓を通過させて、通過させた光の反射光を、光学窓を再び通過させて光検出器に戻している。しかも起毛面の回転用素子によって光が部分的に遮られる上、電気回路がハンドル内に組み込まれる場合には、LEDの放射光は光ファイバーを介して歯ブラシアセンブリに送られる構造であるため、十分な照度が得られない。そのため、十分な歯垢検出機能や除菌機能は発揮し難い。
本発明は、上記のような課題が解決され、高い照度の光を発し得る歯ブラシ、特に十分な除菌機能と歯垢検出機能(歯垢が見える機能)の双方を有する歯ブラシ、並びにそれを用いた口腔内環境改善方法及び歯磨き方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、複数の毛束が植設された植毛面を有する板状の透光性樹脂プレートを備える替歯ブラシ部と、歯ブラシ本体の先端側から前記歯ブラシ本体に被せるように配設され、透光性樹脂プレートに対応して位置する部分が透光性を有する上部カバー部とを備え、かつ歯ブラシヘッドの透光性樹脂プレートの下面に対向する上部カバー部の内部の位置に、特定のピーク波長を有する光を発する少なくとも1個の発光ダイオードを備えて、透光性樹脂プレートの上面(植毛面)の全体から発光させることによって、特定のピーク波長の光を、口腔内の比較的広い領域(例えば、植毛面の面積と同等の面積を有する領域)にわたって比較的高い照度で照射でき、それによって、比較的短時間で除菌機能を発揮できるだけではなく、歯垢検出機能も同時に発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1) 歯ブラシヘッドと、前記歯ブラシヘッドを保持し、内部に収容された電源部、及び外面に手で把持可能なハンドル部を有する歯ブラシ本体とを備えた歯ブラシにおいて、前記歯ブラシヘッドは、複数の毛束が植設された植毛面を有する板状の透光性樹脂プレートを備える替歯ブラシ部と、前記歯ブラシ本体の先端側から前記歯ブラシ本体に被せるように配設され、少なくとも前記替歯ブラシ部の前記透光性樹脂プレートに対応して位置する部分が透光性を有し、先端側の外面部分に前記替歯ブラシ部が装着される上部カバー部とで構成され、前記歯ブラシ本体は、前記電源部から前記歯ブラシの長手方向に延在し、前記歯ブラシヘッドの前記透光性樹脂プレートの下面に対向する前記上部カバー部の内部の位置に、少なくとも1個の発光ダイオードが配設されてなる電子回路基板を有し、前記少なくとも1個の発光ダイオードが、前記電源部からの給電によって、前記透光性樹脂プレートの前記植毛面全体から前記毛束の先端へ向かう方向に、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発することを特徴とする歯ブラシ。
(2)前記毛束は透光性を有する、上記(1)に記載の歯ブラシ。
(3)前記歯ブラシ本体は、前記電源部及び前記電子回路基板を有する内部構造体と、前記内部構造体の末端側から前記内部構造体に被せるように配設される下部カバー部とで構成される、上記(1)または(2)に記載の歯ブラシ。
(4)前記少なくとも1個の発光ダイオードが、360~420nmの波長域にピーク波長を有する発光ダイオードで構成される、上記(1)~(3)のいずれかに記載の歯ブラシ。
(5)前記少なくとも1個の発光ダイオードが、360nm以上390nm以下の波長域にピーク波長を有する第一の発光ダイオード及び390nm超え420nm以下の波長域にピーク波長を有する第二の発光ダイオードのうちの少なくとも一方の発光ダイオードで構成される、上記(4)に記載の歯ブラシ。
(6)前記歯ブラシ本体は、前記電源部からの給電により音波振動を発生させる発振部をさらに有し、前記発振部で発生させた音波振動が、前記歯ブラシヘッドに伝達される、上記(1)~(5)のいずれかに記載の歯ブラシ。
(7)前記替歯ブラシ部が、前記上部カバー部から着脱可能である、上記(1)~(6)のいずれかに記載の歯ブラシ。
(8)上記(1)~(7)のいずれかに記載の歯ブラシを使用する、口腔内環境改善方法。
(9)上記(1)~(7)のいずれかに記載の歯ブラシと、酸化チタンを含有する第1歯磨きジェル及び酸化タングステンを含有する第2歯磨きジェルのうちの少なくとも一方の歯磨きジェルを使用する、歯磨き方法。
本発明により、口腔内の広い範囲にわたって、特定のピーク波長を有する光を、高い照度で安定して照射できる歯ブラシ、並びにそれを用いた口腔内環境改善方法や歯磨き方法が提供される。本発明の歯ブラシは、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を備える光を発し得るので、歯垢チェッカーを使用せずとも、歯磨き中に歯垢を検出することができ、磨き残しを低減することが可能となる。また、本発明の歯ブラシによれば、十分な除菌機能を得ることができる。本発明の歯ブラシは、歯垢の検出や口腔内の環境改善用装置として、歯磨き時以外に使用することも可能である。
本発明に係る歯ブラシの一の実施形態を示す正面図である。 図1の歯ブラシの側面図である。 図1の歯ブラシのI-I断面図であって、歯ブラシから替歯ブラシ部を取り外した状態で示す。 図1の歯ブラシを構成する複数の部材を分離した状態で示す分解図である。 図1の歯ブラシを構成する替歯ブラシ部のみを分離した状態で示したものであって、(a)が拡大平面図、(b)が側面図である。 図1の歯ブラシを構成する歯ブラシ本体の内部構造体のみを分離した状態で示したものであって、(a)が平面図、(b)が(a)のVI-VI断面図である。 図1の歯ブラシを構成する上部カバー部をのみを分離した状態で示したものであって、(a)が平面図、(b)が(a)のVII-VII断面図である。 図1の歯ブラシを構成する下部カバー部のみを分離した状態で示したものであって、(a)が平面図、(b)が(a)のVIII-VIII断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳記する。
<歯ブラシ>
本発明に係る歯ブラシは、歯ブラシヘッドと、この歯ブラシヘッドを保持し、内部に収容された電源部、及び外面に手で把持可能なハンドル部を有する歯ブラシ本体とを備えた歯ブラシにおいて、
・歯ブラシヘッドは、複数の毛束が植設された植毛面を有する板状の透光性樹脂プレートを備える替歯ブラシ部と、歯ブラシ本体の先端側から歯ブラシ本体に被せるように配設され、少なくとも替歯ブラシ部の透光性樹脂プレートに対応して位置する部分が透光性を有し、先端側の外面部分に替歯ブラシ部が装着される上部カバー部とで構成され、
・歯ブラシ本体は、電源部から歯ブラシの長手方向に延在し、歯ブラシヘッドの透光性樹脂プレートの下面に対向する上部カバー部の内部の位置に、少なくとも1個の発光ダイオードが配設されてなる電子回路基板を有し、
・少なくとも1個の発光ダイオードが、電源部からの給電によって、透光性樹脂プレートの植毛面全体から毛束の先端へ向かう方向に、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発する
ことを特徴とする。
図1は、本発明に係る歯ブラシの一の実施形態を示す正面図である。図2は、図1の歯ブラシの側面図である。図3は、図1の歯ブラシのI-I断面図であって、歯ブラシから替歯ブラシ部を取り外した状態で示す。図4は、図1の歯ブラシを構成する複数の部材を分離した状態で示す分解図である。
(歯ブラシの一実施形態)
図示の歯ブラシ1は、歯ブラシ本体2と歯ブラシヘッド3とを備える。歯ブラシヘッド3は、歯ブラシ本体2の先端側から歯ブラシ本体2に被せるように配設される上部カバー部4と、その先端側の外面部分に装着される替歯ブラシ部5とで構成される。替歯ブラシ部5は、複数の毛束51が植設された植毛面52Aを有する板状の透光性樹脂プレート52を備える。上部カバー部4は、少なくとも替歯ブラシ部5の透光性樹脂プレート52に対応して位置する部分が透光性を有する。本実施形態の歯ブラシ1では、上部カバー部4の外面に設けられた操作ボタン41によって、歯ブラシヘッド3を音波振動させ得る構成(図3参照)を示しているが、歯ブラシヘッド3を音波振動させる構成だけには限定されない。
(歯ブラシ本体)
歯ブラシ本体2は、歯ブラシヘッド3を保持し、また、図3に示すように筒状の下部カバー部21と電源部(例えば電池を収納した電池ボックス)22とを備え、さらに下部カバー部21の外面の全体または一部に、ブラッシング時に手で把持可能な部分であるハンドル部を有する。歯ブラシ本体2はまた、少なくとも1個の発光ダイオード23が配設され、電源部22から歯ブラシ1の長手方向に延在する電子回路基板24を有する。電子回路基板24において、発光ダイオード23は、歯ブラシヘッド3の透光性樹脂プレート52の下面に対向する上部カバー部4の内部の位置に配設される。これら発光ダイオード23は、電源部22からの給電によって、透光性樹脂プレート52の植毛面52A全体から毛束51の先端へ向かう方向に、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発する。
本発明の歯ブラシ1は、好ましくは歯ブラシ本体2内に、例えば電動モーターのような発振部25を備える、電動歯ブラシである。また、歯ブラシ本体2は、図3に示す実施形態の電動歯ブラシ1では、電源部22が電池を収容した電池ボックスから構成され、電子回路基板24上にスイッチ26を有し、その上方かつ上部カバー部4の表面に操作ボタン41を備え、さらに発振部(駆動部)25を有する構成を採用した場合を示している。ここで、電源部22には正極端子22a及び負極端子22bが備えられ、下部カバー部21が被せられている。そして、図示の電動歯ブラシ1は、歯ブラシ本体2に装着された発振部25が、電源部22からの給電により振動を発生させて歯ブラシヘッド3に伝達することによって、歯ブラシ本体2に装着された歯ブラシヘッド3を振動させることができる。あるいは歯ブラシヘッド3先端側の替歯ブラシ部5を回転させて、歯磨き操作を行う。好ましくは、歯ブラシヘッド3を音波振動させる。振動数に特に制限はなく、例えば200~1500Hz、好ましくは500~800Hzとして洗浄力を高めてもよく、また、例えば50~300Hz、好ましくは100Hz~200Hzのマイルドな振動としてもよい。
本実施形態の歯ブラシ1では、歯ブラシ本体2に装着された歯ブラシヘッド3は、歯ブラシ本体2の内部に位置する電源部22からの有線給電により、発光ダイオード23を発光させる構成を採用した場合を示しているが、この給電を無線給電により行ってもよい。例えば発振部25を上記電子回路基板24とは別の箇所に付し、電子回路基板24に無線給電する形態であれば、歯ブラシヘッド3が操作中に振動し続けていても、電源部22との電気接点不良による通電停止を伴うことなく、発光ダイオード23に安定した通電を行うことが可能である。無線給電の方式については、特に制限はなく、例えば電磁誘導方式や磁界共鳴方式等を用いることができる。また、電源部22において乾電池を使用せずにリチウムイオン電池等の蓄電池を使用してもよい。その場合も、蓄電池の充電は有線給電により行ってもよく、また、無線給電により行ってもよい。
発光ダイオード23の発光、並びにブラッシング(歯磨き)操作は、例えば上部カバー部4の外面に設けられた操作ボタン41によって行う。図3に示した実施形態の電動歯ブラシ1の場合、操作ボタン41の操作によってスイッチ26が切り替わり、電子回路基板24に所定の電気信号が入力される。電子回路基板24は、入力された電気信号によって、発振部25や発光ダイオード23への給電がON/OFFされ、それによって、歯ブラシヘッド3を、種々のモードで、振動や発光を開始または停止させる。
(歯ブラシヘッド)
歯ブラシヘッド3は、上部カバー部4と、替歯ブラシ部5とで主に構成されている。上部カバー部4は、例えば図4及び図7に示されるように筒状で、歯ブラシ本体2の先端側から歯ブラシ本体2に被せるように配設されて、歯ブラシ1の長手方向に延在する電子回路基板24を収容する。この上部カバー部4を、歯ブラシ本体2から着脱可能とすることもできる。そうした構造であれば、上部カバー部4が万一破損・失透した場合にも、発光ダイオード23等の電子回路基板24を廃棄することなく使用し続けることができ、経済的である。上部カバー部4の先端側の外面部分には、替歯ブラシ部5が装着される。なお、歯ブラシ本体2に対する、歯ブラシヘッド3(例えば上部カバー部4及び替歯ブラシ部5)、並びに下部カバー部21の着脱は、例えば図4に示すように分解、及び図1に示すように合体させることによって行うことができる。
本発明の歯ブラシ1においては、歯ブラシヘッド3の透光性樹脂プレート52の下面に対向する上部カバー部4の内部の位置に、少なくとも1個の、好ましくは複数の発光ダイオード23が配設・収容される(図3及び図4参照)。そのため、発光ダイオード23の光は、透光穴等の狭い特定領域から発せられるのではなく、透光性樹脂プレート52の植毛面52A全体から発せられて毛束51の先端方向へ向かう。結果として、本発明の歯ブラシ1によれば、発光ダイオード23から発生する光は、光量が殆ど損なわれることなく高い照度で口腔内の比較的広範囲に照射され、優れた除菌機能及び歯垢検出機能が発現する。照度を高める観点から、上部カバー部4は、少なくとも替歯ブラシ部5の前記透光性樹脂プレート52に対応して位置する部分が、透光性を有する。すなわち当該部分は、少なくとも発光ダイオード23から発せられる光を透過することが求められ、さらには半透明~透明であることが好ましい。加えて、毛束51もまた透光性を有することが、照度をさらに高める上で好ましい。
(替歯ブラシ部)
図5は、図1の歯ブラシ1を構成する替歯ブラシ部5のみを分離した状態で示したものであって、図5(a)が拡大平面図、図5(b)が側面図である。替歯ブラシ部5は、毛束51と板状の透光性樹脂プレート52とで主に構成されている。ここで、前記透光性樹脂プレート52の上面が、複数の毛束51が例えば間隔をおいて植設された植毛面52Aとなる(図5)。ここで、替歯ブラシ部5が、上部カバー部4から着脱可能であることが好ましい。こうした、例えば図4に示すような実施形態であれば、毛束51を備えた替歯ブラシ部5のみを交換することが可能となり、経済的である。
替歯ブラシ部5の毛束51の形状や材質に特に制限はなく、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、PETやPBTのようなポリエステル樹脂等の汎用樹脂、あるいは動物の毛等から、目的に応じて選択することができる。また、毛束51を透光性とする場合、毛束の周りに存在する空気よりも屈折率が高い材料で構成することが好ましい。毛束51はまた、例えば植毛面52Aの中央領域と、中央領域を取り囲んで位置する外周領域とで、毛の材質や硬さ、形状等を相違させてもよい。なお、後記するように異種の発光ダイオードを使い分ける場合、各々を区別するために各毛束51の一部または全体を、例えば青色や赤色に着色してもよい。また、毛束の形状や材質が異なる、複数種の替歯ブラシ部のセットとしてもよい。本発明の歯ブラシでは、発光ダイオード23から発する光が植毛面52A全体から照射されるため、透光穴を設けずに植毛面52Aの全面に毛束51を植設することができる。そのため、歯ブラシ本来の歯磨き機能が損なわれるおそれがない。なお、毛束51先端部付近での照度を高める観点から、植毛面52A全体の面積に対する露出部分(毛束51が植毛されていない部分)の総面積が、例えば40%以上、さらには50%以上、特に55%以上であることが好ましい。
(透光性樹脂プレート)
本発明の歯ブラシ1において、透光性樹脂プレート52は、発光ダイオード23から発する光を植毛面52Aの全体から毛束51の先端へ向かう方向に透過させるため、半透明または透明である。少なくとも発光ダイオードが発する光、例えば波長360~420nmの光に対して透過性を有するが、その形状や材質に特に制限はない。透光性樹脂プレート52は、例えば平板楕円形状や円盤状であってもよく、目的に応じて片面または両面を凸面または凹面にして、光の照射方向や範囲を所望のように調整することもできる。例えば、透光性樹脂プレート52を凸レンズ状とすることによって照度を高めることが可能で、凹レンズ状にすることによって照射範囲を広げることができる。屈折による光の散逸を防ぐ見地からは、透光性樹脂プレート52は平板状またはそれに近い形状であることが好ましいが、透光性樹脂プレート52表面に凹凸を付し、小さなレンズが複数備えられた構造としてもよい。しかしながら、本発明の歯ブラシ1における透光性樹脂プレート52は、高い透光性を有することが好ましく、そのため、あまり微細な凹凸は表面に有さないことが好ましい。また、屈折や乱反射による光の散逸を防ぐ観点から、穴等も有さないことが好ましい。
透光性樹脂プレート52の材質としては、透光性の高いポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン等が好適である。他に、ウレタン系、スチレン系、もしくはオレフィン系等の透光性の熱可塑性エラストマーを使用することもできる。また、透光性等を損なわない範囲で、少量の着色剤や老化防止剤、抗菌剤、加工助剤等を含有していてもよい。なお、替歯ブラシ部5における毛束51、透光性樹脂プレート52、及びそれ以外の部分は、それぞれ別々の材質で構成されていてもよく、また、同一の材質で構成されていてもよい。毛束51を上記のように透光性のものとする場合も、透光性樹脂プレート52と同一の樹脂を用いてもよく、また、透光性樹脂プレート52に硬質だが特に透光性の高いポリカーボネート樹脂のような材料を用い、毛束51により柔軟なポリオレフィン樹脂やシリコーン等を使用してもよい。
(上部カバー部)
歯ブラシヘッド3を構成する上部カバー部4の材質には、特に制限はなく、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合体)、シリコーン、またはスチレン系、オレフィン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、もしくはポリエステル系の熱可塑性エラストマー等、種々の公知のポリマーを使用することができる。上記のように上部カバー部4は、少なくとも透光性樹脂プレート52に対応して位置する部分が、透光性を有することが必要である。そのため、当該部分は少なくとも目的とする波長域の光、例えば波長360~420nmの光を透過する材料であることが求められ、さらには半透明~透明、特に無色透明であることが好ましい。例えば、透光性樹脂プレート52に対応する箇所のみを、上記透光性樹脂プレート52と同様の材質で構成してもよい。上部カバー部4の全体を、透明な樹脂で成形することも可能である。また、上部カバー部4全体を同一のポリマーで形成し、箇所毎に成形時の熱処理条件を変えることによって、透光性樹脂プレート52に対応して位置する部分のみに高い透光性を付すこともできる。例えばポリプロピレンやPET等の樹脂は、熱処理の条件によって透明にも不透明にもすることができるので、こうした樹脂で上部カバー部4全体を成形した後、透光性樹脂プレート52に対応して位置する部分とそれ以外の部分とを異なる条件で熱処理して、前者のみを無色透明に、後者を白色不透明~半透明にすることも可能である。
発光ダイオード23から発せられる光を有効利用する上で、上部カバー部4の先端側の、透光性樹脂プレート52に面しない側面部や背面部の内面または外面に、金属メッキや金属蒸着、金属箔の接着等を施してもよい。このように金属層を付与し、光を反射させる構成にすることも可能である。メッキや蒸着の方式にも特に制限はなく、例えば汎用の無電解メッキ法を用いることができる。これらとは別に、上部カバー部4の先端側の側面部や背面部の内面または外面に、アルミニウム等の金属膜や、白色膜などのような反射層を形成することによって、光を反射させる構成にしてもよい。
(歯ブラシ本体及び上部カバー部の構造)
図6は、図1の歯ブラシを構成する歯ブラシ本体の内部構造体のみを分離した状態で示したものであって、図6(a)が平面図、図6(b)が図6(a)のVI-VI断面図である。本実施形態の歯ブラシ1において、歯ブラシ本体2は、電源部22及び電子回路基板24を有する内部構造体20と、内部構造体20の末端側から内部構造体20に被せるように配設される下部カバー部21(図4及び図8参照)とで構成されることが好ましい。歯ブラシ本体2に被せるように、先端側から上記の上部カバー部4が配設される。ここで、上部カバー部4を、図7に示すように本体側内周の一部を窪ませた構造としてもよい。こうした構造であれば、歯ブラシ本体2に上部カバー部4を接着またはネジ止めすることが容易となり、また、着脱可能な形で嵌合させることも可能となる。より好ましくは、下部カバー部21を、歯ブラシ本体2から着脱可能とする。例えば図8に示すように、下部カバー部21の内周部に嵌合用内側突起部21aを形成し、これを図6に示すような嵌合用凹溝27にはめ込む構造とする。こうした構造であれば、乾電池等の入れ替えを、一般の使用者が容易に行うことができる。
(歯ブラシ本体の材質)
歯ブラシ本体2を構成する内部構造体20や下部カバー部21の材質についても、特に制限はない。好ましい例として、上部カバー部4に使用するのと同様の樹脂を挙げることができる。なお、上部カバー部4と、歯ブラシ本体2、さらには下部カバー部21のハンドル部とその他の部位等とは、同一の材質で形成してもよく、また異なった材質で形成してもよい。例えばハンドル部のみを上記したような熱可塑性エラストマーで成形し、ハンドリング性を高めることができる。また、歯ブラシ本体2の内部構造体20及び下部カバー部21の嵌合部のみを、より可撓性の高い材質で構成してもよい。
(電子回路基板)
本発明の歯ブラシ1においては、上記のように歯ブラシ本体2は、電源部22から歯ブラシ1の長手方向に延在する電子回路基板24を有する。また、電子回路基板24においては、歯ブラシヘッド3の透光性樹脂プレート52の下面に対向する上部カバー部4の内部の位置に、少なくとも1個の、好ましくは複数の発光ダイオード23が配設される(図3及び図6参照)。これによって、透光性樹脂プレート52の上面である植毛面52Aの全体から毛束51の先端へ向かう方向に、所望のピーク波長を有する光が発せられて、口腔内を高照度で照らすことができる。発光ダイオード23は、光量の多い光を発して口腔内をより一層高い照度で照らす必要がある場合には、複数の毛束51の間に位置するように例えば複数個配設するか、あるいは、毛束51自体を、透光性を有する材料を用いて形成し、発光ダイオード23から出射した光を、毛束51の内部を透過させ、あるいは毛束51の表面で反射させることによって、透光性樹脂プレート52の植毛面52Aから毛束51の先端へ向かう方向に光を伝送するように構成することが好ましい。ここで、電子回路基板24上に配置される発光ダイオード23の配設個数は、透光性樹脂プレートの植毛面全体から光を発するように構成するため、複数個であることが好ましい。これによって、発光ダイオード23から照射された光が、植毛面52Aの全体から毛束51の先端へ向かう方向に放出され、口腔内をより広範囲かつ高い照度で照らすことが可能になる。なお、図3に示す実施形態では、発光ダイオード23を2個配設した場合を示しているが、本発明は、1個以上の発光ダイオードを配設する構成であればよく、こうした実施形態に限定されるものではない。発光ダイオード23として凸レンズ等のレンズ付きの発光ダイオードを配設し、照度や照射方向を調整してもよい。発光ダイオード23を複数個配設する場合の配置パターンにも特に制限はなく、種々の所望の配置パターンとすることができる。
(発光ダイオード)
本発明の歯ブラシは、発光ダイオード23が、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発する。こうした光は、主としてピーク波長が紫色から青色の波長域にある光であって、好ましくは発光ダイオード23が、360~420nmの波長域にピーク波長を有する。従来の歯ブラシでは、例えば口腔内を除菌する際、通常は、特許文献1に記載されたように波長450~690nm程度の光、特に波長460nm前後の青色光を用いるのが一般的であった。
本発明者らは、460nm前後のピーク波長を有する(青色)光よりも、360~420nmの波長域にピーク波長を有する(紫色~青色)光の方が、優れた除菌機能を発揮できるだけではなく、歯垢検出機能も発揮できることを見出した。すなわち、波長360~420nmの光を照射すると、光が照射されている口腔照射領域で、歯垢のある箇所は、歯垢のない箇所とは異なる色で浮かび上がって見えるため、歯垢が見え易くなるといった歯垢検出機能が発揮できることを見出した。
そのため、本発明の歯ブラシは、発光ダイオードを、歯ブラシヘッドの透光性樹脂プレートの下面に対向して位置する、透光性を有する上部カバー部の内部に配設し、これらの発光ダイオードが、透光性樹脂プレートの植毛面全体から毛束の先端へ向かう方向に、好適には360~420nmの波長域にピーク波長を有する光を発することによって、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を発揮することができる。
ここで、除菌機能及び歯垢検出機能のうち、例えば除菌機能を重視する場合には、360~420nmの波長域内において、短波長側の波長域にピーク波長を有する光、例えば360nm以上390nm以下の波長域にピーク波長を有する光を照射することが好ましい。
また、例えば歯垢検出機能を重視する場合には、360~420nmの波長域内において、長波長側の波長域にピーク波長を有する光、例えば390nm超え420nm以下の波長域にピーク波長を有する光を照射することが好ましい。こうした光を発する発光ダイオードとしては、特に制限はなく、任意のものを使用することができる。
さらに、異なったピーク波長を有する複数種の発光ダイオードを、電子回路基板24に配設する複数の発光ダイオード23として組み合わせて用いることもできる。例えば、前記複数の発光ダイオードは、360nm以上390nm以下の波長域にピーク波長を有する第一の発光ダイオード、及び390nm超え420nm以下の波長域にピーク波長を有する第二の発光ダイオードのうちの少なくとも一方の発光ダイオードで構成されていてもよい。
また、第一の発光ダイオードは、第二の発光ダイオードに比べて、比視感度が低い傾向がある。このような発光ダイオードから発した光が、口腔内に照射されるとき、発光ダイオードから発した光は、本実施形態の歯ブラシの構成の場合、発光ダイオードの上方に位置する、上部カバー、透光性樹脂プレート、毛束等のような光路周辺の各部材に邪魔されることなく、100%の透過率で透過できることが理想である。
しかしながら、発光ダイオードから発した光の一部は、各部材に対して吸収、屈折、反射等の現象が少なからず生じることになる。そして、これらの現象が生じると、前記光は、より長波長の青色光へと変化(シフト)しやすくなる。
このため、本発明において、発光ダイオードとして、第一の発光ダイオードを使用する場合には、360nm以上390nm以下の波長域にピーク波長を有する波長光は、口腔照射領域で照射される光(青色光)が長波長側に多少(30~60nm程度)変化したとしても、ピーク波長が420nm以下の波長域を維持することができるので、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を発揮することができる。なお、第一の発光ダイオードは、比視感度が相対的に低いことから、それを補うため、第一の発光ダイオードの配設個数を増やすか、あるいは発光強度が高い発光ダイオードを使用することが好ましい。
加えて、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を発揮できる程度の第一の発光ダイオードの比視感度を確保する点で、発光ダイオードの上方に位置する、上部カバー、透光性樹脂プレート、毛束等のような光路周辺の各部材は、高透過率で透過できる材質で形成することが好ましい。
また、本発明において、発光ダイオードとして、第二の発光ダイオードを使用する場合には、390nm超え420nm以下の波長域にピーク波長を有する波長光は、口腔照射領域で照射される光(青色光)が、(例えば10~30nm程度)長波長側に変化すると、好適ピーク波長範囲(360~420nm)を外れて、除菌機能及び歯垢検出機能を発揮できなくなるおそれがある。このため、かかる構成を採用する場合には、第二の発光ダイオードの上方に位置する、上部カバー、透光性樹脂プレート、毛束等のような光路周辺の各部材は、高透過率で透過できる材質で形成することが好ましい。なお、第二の発光ダイオードは、(第一の発光ダイオードに比べて、)比視感度が比較的高いので、第一の発光ダイオードの配設個数よりも少ない配設個数で十分であり、また、発光強度が低い発光ダイオードを使用することもまた可能である。
以上、360~420nmの波長域にピーク波長を有する発光ダイオード23を備える歯ブラシヘッド3の実施形態について説明したが、本発明の歯ブラシを構成する歯ブラシヘッド3は、そうした発光ダイオード23だけではなく、後記するようにさらに別の波長域にピーク波長を有する発光ダイオードをさらに組み合わせて配設してもよい。
(他の実施形態)
また、以上で歯ブラシヘッド3を歯ブラシ本体2の長手方向に据え付け、電源部22からの給電により音波振動を発生させる発振部25をさらに有し、発振部25で発生させた音波振動が、歯ブラシヘッド3に伝達される実施形態を中心に説明したが、本発明の歯ブラシはこうした構成に限定されるものではない。例えば歯ブラシヘッド上の略円形状の透光性樹脂プレート52が、歯磨き時に回転する構成としてもよい。この場合、歯ブラシヘッドは、歯ブラシ本体2に対して長手方向とは垂直側に重ねられ、歯ブラシ本体2内のモーター等の発振部25によって回転する実施形態であってもよい。また、発振部25を有さない実施形態であってもよい。本発明の歯ブラシでは、上記のように歯ブラシヘッドに、除菌機能を有しかつ歯垢が見える光を発する発光ダイオードが備えられているので、これら発光機能を歯磨き中にまたはその前後に使用することにより、十分な歯磨き操作が促されると共に歯茎等の除菌が行われ、口腔内の環境を良好に保つことができる。
<歯磨き方法>
(口腔内環境改善方法)
上記のように、本発明の歯ブラシ中の発光ダイオードの発光機能を活用し、歯磨き中またはその前後に歯垢を見え易くすることができる。そのため、本発明の歯ブラシを用いることにより、歯垢を残さずに歯を磨き、口腔内環境を良好にすることが可能となる。発光ダイオードから発せられる光、特に波長が360~420nm前後の光は、除菌機能も有するため、本発明の歯ブラシによって口腔内を除菌・殺菌することもできる。そのため、本発明の歯ブラシは、歯のホワイトニングの他、虫歯・歯周病予防、及び口臭の予防に有用である。本発明はまた、上記の歯ブラシを使用する、口腔殺菌方法等の口腔内環境改善方法をも包含する。
また、本発明の歯ブラシに、例えば630~660nmの波長域、特に640~650nm程度の波長域にピーク波長を有する発光ダイオードを備え、その発光機能を活用して口腔内の細胞を活性化することも可能である。波長が630~660nm前後の光は、歯茎や唾液腺等の細胞を活性化する機能を有するので、歯のホワイトニングだけでなく、虫歯・歯周病を予防し、さらには歯茎等に潤いをもたらして、口腔内環境を整える上で有用である。
(歯磨きジェル)
本発明の歯ブラシは、上記のように種々の機能を有するので、所望の歯磨き剤と共に使用し、あるいは歯磨き剤なしでブラシのみを単独で使用することにより、使用者の口腔内環境をより一層良好に整えることができる。しかしながら本発明の歯ブラシは、特定の材料を含有する歯磨きジェルと共に使用することが好ましい。
酸化チタンや酸化タングステン等の物質は、光触媒として機能し、特定の波長の光が照射されると除菌や細胞活性化等の効果を奏する。そのため、そうした物質を含有する歯磨き剤と、特定波長の光を発する本発明の上記歯ブラシとを併用することにより、歯磨きの度に口腔内の環境を整えることができる。本発明はまた、上記のような本発明の歯ブラシと、酸化チタンを含有する第1歯磨きジェル及び酸化タングステンを含有する第2歯磨きジェルのうちの少なくとも一方の歯磨きジェルを使用する、歯磨き方法を包含する。
ここで、酸化チタンは主に青色(~紫色)光、例えば360~500nm、中でも360~420nmの波長域、例えば365nm前後、375nm前後、385nm前後、または405nm前後にピーク波長を有する光を照射されると、光触媒としての機能を発揮する。本発明の歯ブラシにおいては、発光ダイオードが、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発する。そのため、本発明の歯ブラシは、第1歯磨きジェルを使用する際に好適である。
一方の酸化タングステンは、主に赤色光、例えば630~660nm前後、特に640~650nm前後の波長の光により、光触媒機能を発揮する。そのため、本発明の歯ブラシにさらに、630~660nmの波長域にピーク波長を有する発光ダイオードを備えた実施形態は、第2歯磨きジェルを使用する際に好適である。
上記歯磨きジェルは、酸化チタンや酸化タングステン以外にも、炭酸カルシウムやヒドロキシアパタイト等の研磨剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、抗菌剤、殺菌剤、香料、ハッカ等の清涼剤類、着色剤、長鎖脂肪酸やヒマシ油等のオイル類、ヒアルロン酸類、キシリトール類、オリゴ糖やその塩、各種植物エキス等、種々の公知の成分を含有していてもよい。特に、第2歯磨きジェルは、細胞活性化機能をさらに高める上で、ヒアルロン酸類や各種植物エキス等の様々な成分を、より多く含んでいることが好ましい。
本発明の歯磨き方法や歯磨きジェルは上記に限定されるものではなく、所望により上記以外の使い方をすることができる。例えば、種々の波長域にピーク波長を有する複数種の発光ダイオードを備えた歯ブラシで、酸化チタンと酸化タングステンの両者を含有する歯磨きジェルを使用してもよい。歯垢を検知し易く、磨き残しを生じ難い光を発する発光ダイオードのみを備える歯ブラシと、第1歯磨きジェルとの組み合わせを朝方に、細胞活性化機能を有する光を発する発光ダイオードをも備えた歯ブラシと、第2歯磨きジェルとの組み合わせを就寝前に、それぞれ使用することもできる。
本発明の歯ブラシは、上記のように口腔内の広い範囲にわたって、特定のピーク波長を有する光を、高い照度で安定して照射できる。また、本発明の歯ブラシは、除菌機能及び歯垢検出機能を備える光を発し得るので、歯垢チェッカーを使用せずとも、歯磨き中に歯垢を容易に検出できるので、磨き残しを低減することができると同時に、除菌効果も発揮することが可能である。本発明の歯ブラシは、歯垢の検出や口腔内の環境改善用装置として、歯磨き時以外に使用することもできる。
1 歯ブラシ
2 歯ブラシ本体
3 歯ブラシヘッド
4 上部カバー部
5 替歯ブラシ部
20 内部構造体
21 下部カバー部
21a 嵌合用内側突起部
22 電源部
22a 正極端子
22b 負極端子
23 発光ダイオード
24 電子回路基板
25 発振部
26 スイッチ
27 嵌合用凹溝
41 操作ボタン
51 毛束
52 透光性樹脂プレート
52A 植毛面

Claims (9)

  1. 歯ブラシヘッドと、
    前記歯ブラシヘッドを保持し、内部に収容された電源部、及び外面に手で把持可能なハンドル部を有する歯ブラシ本体と
    を備えた歯ブラシにおいて、
    前記歯ブラシヘッドは、
    複数の毛束が植設された植毛面を有する板状の透光性樹脂プレートを備える替歯ブラシ部と、
    前記歯ブラシ本体の先端側から前記歯ブラシ本体に被せるように配設され、少なくとも前記替歯ブラシ部の前記透光性樹脂プレートに対応して位置する部分が透光性を有し、先端側の外面部分に前記替歯ブラシ部が装着される上部カバー部と
    で構成され、
    前記歯ブラシ本体は、
    前記電源部から前記歯ブラシの長手方向に延在し、前記歯ブラシヘッドの前記透光性樹脂プレートの下面に対向する前記上部カバー部の内部の位置に、少なくとも1個の発光ダイオードが配設されてなる電子回路基板を有し、
    前記少なくとも1個の発光ダイオードが、前記電源部からの給電によって、前記透光性樹脂プレートの前記植毛面全体から前記毛束の先端へ向かう方向に、除菌機能及び歯垢検出機能の双方を有する波長の光を発することを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記毛束は透光性を有する、請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記歯ブラシ本体は、前記電源部及び前記電子回路基板を有する内部構造体と、
    前記内部構造体の末端側から前記内部構造体に被せるように配設される下部カバー部と
    で構成される、請求項1または2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記少なくとも1個の発光ダイオードが、360~420nmの波長域にピーク波長を有する発光ダイオードで構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の歯ブラシ。
  5. 前記少なくとも1個の発光ダイオードが、360nm以上390nm以下の波長域にピーク波長を有する第一の発光ダイオード及び390nm超え420nm以下の波長域にピーク波長を有する第二の発光ダイオードのうちの少なくとも一方の発光ダイオードで構成される、請求項4に記載の歯ブラシ。
  6. 前記歯ブラシ本体は、前記電源部からの給電により音波振動を発生させる発振部をさらに有し、前記発振部で発生させた音波振動が、前記歯ブラシヘッドに伝達される、請求項1~5のいずれか1項に記載の歯ブラシ。
  7. 前記替歯ブラシ部が、前記上部カバー部から着脱可能である、請求項1~6のいずれか1項に記載の歯ブラシ。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の歯ブラシを使用する、口腔内環境改善方法。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の歯ブラシと、酸化チタンを含有する第1歯磨きジェル及び酸化タングステンを含有する第2歯磨きジェルのうちの少なくとも一方の歯磨きジェルを使用する、歯磨き方法。
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