JP2023059701A - 抵抗スポット溶接装置及び抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼板が電極の軸心に対して傾いている場合であっても、電極チップの鋼板に対する打角を補正できると共に、電極のコンパクト化を図った抵抗スポット溶接装置及び抵抗スポット溶接方法を提供する。【解決手段】電極チップ50をそれぞれ備える一対の電極20は、鋼板Mに対する電極チップ50の角度を補正可能な角度補正機構である一対の自在継手30を備える。自在継手30は、先端部に凸球面状の係合部35を有する第1軸部31と、該係合部35が摺動自在に嵌合する凹球面状の被係合部39を有する第2軸部32とを備える。電極20は、一対の自在継手30を介して電極チップ50に通電可能である。【選択図】図4A

Description

本発明は、抵抗スポット溶接装置及び抵抗スポット溶接方法に関する。
近年、CO排出量の削減を目的とした車体軽量化や衝突安全性強化を実現するため、自動車のボディ骨格等に高張力鋼板(High Tensile Strength Steel;HTSS)が広く採用されている。また、自動車の車体の組立や部品の取付けなどでは、主として、抵抗スポット溶接が使用されており、高張力鋼板の溶接にも適用されている。
自動車用鋼板には、防錆化の観点から、耐食性に優れた亜鉛系めっきが施された高張力鋼板も多用されている。しかし、亜鉛系めっきが施された高張力鋼板を用いて抵抗スポット溶接を行うと、該溶接箇所の鋼板表面で溶融した亜鉛や、亜鉛と電極の銅との合金が、鋼板の結晶粒界に侵入して粒界強度を低下させる、LME(Liquid Metal Embrittlement)と呼ばれる粒界脆化割れが起きやすいことが知られている。このような割れが生じると、溶接部の強度が低下して抵抗スポット溶接継手の信頼性が低下してしまうことから、施工面での対策が求められている。
特許文献1には、溶接電極により加圧力F1で加圧しながら通電する溶接工程と、通電の終了直後から加圧力F2で保持する冷却工程を備え、加圧力がF2>F1×2の関係を満足することで、LME割れを抑制可能とした抵抗スポット溶接方法が開示されている。
また、特許文献2には、通電終了後の加圧力保持時間を適宜制御することにより、LME割れを抑制可能とした抵抗スポット溶接方法が開示されている。
さらに特許文献3には、一方の電極の基部材に螺合した筒状ソケット内部に鍔付きロッドを挿入し、この鍔付きロッドの基端に設けた凸球面座を、基部材の受面に当接させたスポット溶接機が開示されており、鍔付きロッドの凸球面座の揺動中心が、鍔付きロッドの略中央近くに位置しており、鍔付きロッドの先端部に設けた電極チップの原位置からのシフト量を抑えることで、LME割れを抑制している。
また、特許文献4には、一方の端部に電極チップが設けられた第1の電極用シャンクが、弾性変形可能な接続部材により第2の電極用シャンクと接続されており、電極チップが鋼板に傾斜した状態で接触したとき、接続部材が弾性変形することで電極と鋼板とのなす角度を垂直に保ち、LME割れを抑制可能としたスポット溶接ガン用電極が開示されている。
特開2019-171450号公報 国際公開第2017/033455号 実願昭58-168076号(実開昭60-74871号)のマイクロフィルム 実用新案登録第3226182号公報
ここで特許文献3及び4に記載のスポット溶接機では、電極の電極チップを揺動可能とすることで、鋼板に対する上下電極の打角を抑制して引張応力を低減させ、LME割れの抑制を図っている。
しかしながら、特許文献3に記載のスポット溶接機は、電極の軸心に対して鋼板が傾いていると、鍔付きロッドが凸球面座の揺動中心を中心として旋回して打角補正するため、電極チップが鋼板に対してずれを生じ、依然としてLME割れが生じる可能性がある。
また、特許文献4に記載の溶接ガンは、一対の電極用シャンクを弾性変形可能な接続部材(ばね)で接続して、鋼板が電極の軸心に対して傾いている場合でも、電極チップの鋼板に対する打角を補正し、一対の電極チップの軸心のずれを抑制している。しかしながら、溶接電流を電極チップに供給する導線が、一対の電極用シャンクの外側に配設されているため、該導線が狭隘部を溶接する際の障害となる場合があり、電極のコンパクト化が求められていた。
なお、特許文献1及び2に記載のスポット溶接方法は、いずれも電極チップを揺動させる機構を備えておらず、打角が発生した場合にLME割れの抑制を図ることについて何ら考慮されていない。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、鋼板が電極の軸心に対して傾いている場合であっても、鋼板に対する電極チップの打角を補正できると共に、電極のコンパクト化を図った抵抗スポット溶接装置及び抵抗スポット溶接方法を提供することである。
したがって、本発明の上記目的は、抵抗スポット溶接装置に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 複数の鋼板を挟み込む電極チップをそれぞれ備える一対の電極と、
前記一対の電極の少なくとも一方に設けられ、前記鋼板に対する前記電極チップの角度を補正可能な角度補正機構と、
を備え、前記一対の電極チップによって前記複数の鋼板を挟み込み、前記一対の電極チップに加圧力を付与した状態で通電することで、前記複数の鋼板をスポット溶接する抵抗スポット溶接装置であって、
前記角度補正機構は、先端部が凸球面状の係合部と、該係合部が摺動自在に嵌合する凹球面状の被係合部とをそれぞれ有する一対の自在継手を備え、
前記電極は、前記一対の自在継手を介して前記電極チップに通電可能である、
抵抗スポット溶接装置。
また、本発明の上記目的は、抵抗スポット溶接方法に係る下記[2]の構成により達成される。
[2] [1]に記載の抵抗スポット溶接装置を用いて、
亜鉛系めっきが施された鋼板及びC:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上の鋼板を含む複数の鋼板、又は、C:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上で、かつ亜鉛系めっきが施された鋼板を少なくとも1枚有する複数の鋼板、をスポット溶接する抵抗スポット溶接方法。
本発明の抵抗スポット溶接装置によれば、鋼板が電極の軸心に対して傾いている場合であっても、電極チップの鋼板に対する打角を補正できると共に、コンパクトな電極を構成できる。
また、本発明の抵抗スポット溶接方法によれば、亜鉛系めっきが施された鋼板及び高張力鋼板を含む複数の鋼板、又は、亜鉛系めっきが施された高張力鋼板を含む複数の鋼板の抵抗スポット溶接において、抵抗スポット溶接継手の圧接部におけるLME割れの発生を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る抵抗スポット溶接装置の側面図である。 図2は、図1に示す電極の斜視図である。 図3は、図1に示す電極の側面図である。 図4Aは、図3に示す電極の縦断面図である。 図4Bは、図4AのIVB部における拡大断面図である。 図5は、本実施形態に係る一対の自在継手を有する電極が、傾いた鋼板に対して略垂直となるように打角補正する過程を説明する模式図である。 図6Aは、本実施形態に係る一対の電極が、傾いた鋼板に対して接触した状態を示す側面図である。 図6Bは、図6Aに示す状態から一対の電極がそれぞれの自在継手の作用により鋼板に対し略垂直に接触して、両電極の打角が補正された状態を示す側面図である。 図7は、一つの自在継手を有する電極が、傾いた鋼板に対して略垂直となるように打角補正する過程を説明する模式図である。 図8は、一対の電極が共に剛体電極である従来の抵抗スポット溶接装置により抵抗スポット溶接された継手と、本実施形態に係る抵抗スポット溶接装置とにより抵抗スポット溶接された継手を比較して示す断面図である。
以下、本発明に係る抵抗スポット溶接装置及び抵抗スポット溶接方法の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、本実施形態の抵抗スポット溶接装置は、複数の金属板(鋼板)をスポット溶接するためのものであるが、特に、C:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上で、かつ亜鉛系めっきが施された鋼板(すなわち、亜鉛系めっきが施された高張力鋼板)を、少なくとも1枚有する複数の鋼板Mを、スポット溶接する場合に好適に用いられる。また、本実施形態の抵抗スポット溶接装置は、亜鉛系めっきが施された軟鋼などの通常の亜鉛系めっき鋼板と、該鋼板に接触する、C:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上で、亜鉛系めっきなしの高張力鋼板とを有する、複数の鋼板Mをスポット溶接する場合にも好適に用いられる。
なお、亜鉛系めっきが施された鋼板としては、例えば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)などが挙げられる。
図1に示すように、本実施形態の抵抗スポット溶接装置10は、平面視で略C型の形状を呈するフレーム11と、フレーム11の一端に設けられた加圧シリンダ12と、フレーム11及び加圧シリンダ12の対向する端部に設けられた2つの基台13A,13Bと、可動側の基台13Aに設けられた可動側の電極20と、固定側の基台13Bに設けられた固定側の電極20を備える。なお、可動側の電極20及び固定側の電極20は、同軸上において対向するように配置されている。
ここで、スポット溶接を行う場合、重ね合わせた複数(図では2枚)の被接合体である鋼板Mを、可動側の電極20及び固定側の電極20間に挿入し、鋼板Mを固定側の電極20に当接させた状態で、加圧シリンダ12により可動側の電極20を図中下方へ進出させて、鋼板Mを一対の電極20,20の間に挟み込む。この状態で加圧しながら一対の電極20,20間に通電を行い、スポット溶接を行う。
なお、可動側の電極20及び固定側の電極20は同一構造を有するため、以下の説明では、可動側の電極20についてのみ説明する。
図2~図4Bに示すように、電極20は、角度補正機構である一対の自在継手30と、一対の自在継手30にそれぞれ設けられた一対のばね機構15と、鋼板Mに当接する電極チップ50と、基台13A,13Bに取付けるための固定部14と、を備える。
また、図4A及び図4Bに示すように、一対の自在継手30は、それぞれ第1軸部31、第2軸部32及びカバー部材33を有しており、これらにより一体に組み付けられている。なお、一対の自在継手30は、第2軸部32を共通の単一部材として、第2軸部32の軸方向中間部に対して上下対称で、同一の構成を備えており、一対のばね機構15も、第2軸部32の軸方向中間部に対して上下に同一の構成を備える。
第1軸部31は、軸方向に貫通する貫通孔34が形成された柱状部材であり、その一端には外形が凸球面状に形成された係合部35が設けられ、他端には先細りとなるテーパー部36が設けられている。鋼板M側に配置される一方の第1軸部31のテーパー部36には、電極チップ50が固定され、加圧シリンダ12側に配置される他方の第1軸部31のテーパー部36には、固定部14が固定されている。そして、固定部14に形成された雄ねじ14aが、基台13Aの不図示の雌ねじに螺合して基台13Aに固定されている。さらに、第1軸部31の軸方向中間部の外径側には、雄ねじ部37が形成されている。
第2軸部32は、その外径が第1軸部31の外径よりも大径の柱状部材であり、軸方向に貫通する貫通孔38を有し、その軸方向両端部には、凹球面状に形成された半球状凹部39aが形成されている。また、第2軸部32の軸方向中間部の外径側には、雄ねじ部40が設けられている。
なお、本実施形態では、貫通孔38の内径は、第1軸部31の貫通孔34の内径よりも僅かに大きく形成されている。
カバー部材33は、第2軸部32の外径と略等しい外径を有する円盤状部材であり、第2軸部32の半球状凹部39aと同じ曲率半径を有し、凹球面状の半球状凹部39bが一部に形成された孔部41を有する。そして、カバー部材33の孔部41に第1軸部31の軸部を挿通し、第1軸部31の係合部35の一部分にカバー部材33の半球状凹部39bを嵌合させた後、係合部35の残りの部分を第2軸部32の半球状凹部39aに嵌合し、カバー部材33をねじ42により第2軸部32の軸方向両端部に固定する。これにより、カバー部材33の半球状凹部39bと第2軸部32の半球状凹部39aとは、凹球面状の被係合部39を形成する。
したがって、凹球面状の被係合部39に凸球面状の係合部35が摺動自在に嵌合する。すなわち、第2軸部32の軸方向両端部に、第1軸部31が旋回自在に嵌合する一対の自在継手30が形成される。なお、自在継手30は、第2軸部32に対して第1軸部31が屈曲したとき、カバー部材33の孔部41に第1軸部31の軸部が干渉することで、所定の角度を超えて屈曲しすぎないように構成されている。
また、図4Bに示すように、カバー部材33には、半球状凹部39bの内周面及び第2軸部32との当接面に、それぞれOリング43を装着するためのOリング溝44が形成されている。Oリング43は、凸球面状の係合部35と半球状凹部39bとの摺接部、及びカバー部材33と第2軸部32との当接部のそれぞれから、後述する冷却水が漏れることを防止している。
また、図4Aに示すように、一対の第1軸部31の貫通孔34,34と第2軸部32の貫通孔38は連通しており、テフロン(登録商標)などのチューブ48が各貫通孔34,38,34を貫通して挿通されている。
各貫通孔34,38,34及びチューブ48は、電極チップ50を冷却するための冷却水の流路Tを形成する。具体的には、チューブ48が往路T1を形成し、チューブ48と各貫通孔34,38,34との間の空間が復路T2を形成する。そして、図示しないスポット溶接機の本体から供給され、固定部側から往路T1に送られた冷却水は、図4Aに示す矢印方向に流れ、電極チップ50を冷却した後、復路T2を通過して、スポット溶接機の本体へと戻される。
続いて、電極20の一対のばね機構15は、第1ばね受け45と、第2ばね受け46をそれぞれ有する。第1ばね受け45は、第2軸部32の軸方向中間に形成された雄ねじ部40に螺合して第2軸部32に固定されている。また、第2ばね受け46は、一対の第1軸部31のそれぞれの雄ねじ部37に螺合して第1軸部31に固定されている。なお、第1ばね受け45と第2ばね受け46との間には、弾性部材であるコイルばね(圧縮ばね又は引張ばね)47がそれぞれ装着されている。
コイルばね47は、第1軸部31及び第2軸部32の周囲で、第1ばね受け45及び第2ばね受け45を介して、第1軸部31及び第2軸部32との間に配置され、その弾性力により第1軸部31を第2軸部32から離間させる方向に付勢する。コイルばね47の弾性力は、自在継手30が屈曲したときに弾性変形し、加圧力が除去されたときに第1軸部31と第2軸部32を直線状に整列させるように作用する。
また、第1軸部31、第2軸部32及びカバー部材33は、それぞれ導電性を有する、例えば真鍮のような金属(合金)からなる導電性材料により構成されており、溶接電流の導電路として作用する。これにより、例えば特許文献4に示すような一対の電極用シャンクの外側に配設された、専用の導電路を別途設ける必要がなく、コンパクトな電極20を構成できる。
電極チップ50は、その先端面の曲率半径Rは40mm以上(R≧40mm)となっており、また、その先端面の直径(外径)φが16mm以下(φ≦16mm)となっている(図4A参照)。これにより、鋼板Mに対する電極チップ50の片当たりが抑制されて確実に接触する。
なお、本実施形態では、電極チップ50は、その先端面から外径面にかけて凸曲面状に形成されているが、図5~図7に示すように、先端面と外径面とを面取りを介して連続させた円柱状に形成されてもよい。なお、図5~図7では、便宜上、電極チップ50の先端面を平坦に示している。
次に、角度補正機構である一対の自在継手30の作用について説明する。一対の電極20は、それぞれ一対の自在継手30の作用により、鋼板Mに対する打角を補正して、可動側及び固定側の両電極チップ50,50を鋼板Mに対して略垂直状態で接触させる。
詳細には、電極20を模式的に示す図5の左図のように、電極20の軸心に対して傾斜している鋼板Mに電極20が接触すると、一対の自在継手30は、図5の右図のように、電極チップ50を有する側の第1軸部31、すなわち図5における下方の第1軸部31が、第2軸部32に対して反時計方向に回動し、またそれと同時に、第2軸部32が、第1軸部31の回転方向と反対方向である時計方向に回動して略くの字形に屈曲することで、電極チップ50が鋼板Mに対して略垂直に接触する。
一対の自在継手30を備える一対の電極20,20が、傾斜している鋼板Mを上下から挟持すると、図6Aに示すように、電極チップ50,50は当接点P1,P2においてそれぞれ鋼板Mに当接した状態となり、各電極20,20に荷重Fが印加される。
そして、図6Bに示すように、両電極チップ50,50は、荷重Fの作用により当接点P1,P2を中心として矢印R1方向に回転し、電極チップ50が鋼板Mに対し略垂直に接触する。このとき、両電極チップ50,50は、当接点P1,P2を中心として回転して鋼板Mに対して垂直となるため、両電極チップ50,50の軸心Y1,Y2には、少しのずれδが生じ得る。しかしながら、このようなずれδはわずかなものであり、溶接品質に実質的に影響を及ぼすことはなく、良好なスポット溶接を実現することができる。
なお、ここでいう「略垂直」とは、工業的に達成可能な角度を意味し、例えば、90°±5°の角度誤差を許容する。
これに対して、図7に示すように、凹球面状の被係合部39に凸球面状の係合部35が摺動自在に嵌合する自在継手30が1つだけである従来の電極20Aによると、電極20Aの軸心に対して鋼板Mが傾いていると、図7の左図のように、電極チップ50は当接点P1において鋼板Mに当接した状態で電極20Aに荷重が印加される。
そして、図7の右図のように、第1軸部31は、凹球面状の被係合部39の曲率中心を中心として旋回して、電極チップ50が鋼板Mに対して垂直に接触する。このとき、当接点P1は当接点P1´に移動する。すなわち、電極チップ50は鋼板Mに対して図中右方向にずれる。この電極チップ50のずれは、引張応力の発生要因となるため、LME割れが生じる可能性があり、好ましくない。
以上説明したように、本実施形態の一対の自在継手30は、電極チップ50の鋼板Mに対する角度を補正可能な角度補正機構として作用して、電極チップ50の打角を補正すると共に、鋼板Mに対する電極チップ50のずれを抑制する。すなわち、上下一対の電極チップ50,50は、鋼板Mに対して略垂直、かつ、ずれが抑制された状態で鋼板Mに当接することで、引張応力を低減させてLME割れを抑制する。
また、一対の自在継手30,30は、いずれも剛体である第1軸部31、第2軸部32及びカバー部材33で一体的に構成されているため、電極20は軸方向に対して高い剛性を有しており、鋼板Mから電極20に荷重Fが作用しても軸方向位置を一定位置に維持することができ、安定した抵抗スポット溶接を行い得る。
また、電極20に作用する荷重Fは、高い剛性を有する一対の自在継手30で受けられるため、該荷重Fが、コイルばね47に作用することはない。したがって、コイルばね47は、自在継手30が屈曲したとき、第1軸部31及び第2軸部32を直線状に整列させることが可能な程度の小型のばねで形成することができ、コンパクトな電極20を構成できる。
さらに、少なくとも一対の第1軸部31及び第2軸部32は、導電性材料で形成されているため、電極チップ50に溶接電流を供給するための専用の導電部材が不要となり、電極20がさらにコンパクト化されて、狭隘部の溶接の際にも障害となるおそれはなく、狭隘部を容易に溶接することができる。
以下、本発明の効果を説明するための実施例について説明する。図8は、可動側電極及び固定側電極が共に剛体電極、すなわち自在継手を備えない電極である、従来の抵抗スポット溶接装置により抵抗スポット溶接された継手と、両電極が一対の自在継手を備える、本実施形態に係る抵抗スポット溶接装置とにより抵抗スポット溶接された継手を比較して示す断面図である。
溶接条件は、いずれも板厚1.4mmのGA980DP(引張強度980MPaの合金化溶融めっきDual-Phase鋼)の鋼板を2枚重ねとして、加圧力:3.5kN、通電時間:300ms、ホールド時間:0.01sec以上、板隙間(Sheet gap):2mm、傾斜角度(打角:Tilt angle):5°の条件で複数組の鋼板Mに対してスポット溶接した。また、溶接電流(Current)は、7kA,8kA,11kAの各条件で行った。なお、溶接電流8kA,11kAでのスポット溶接は、チリ(Splash)が発生する条件である。
図8に示すように、従来の抵抗スポット溶接装置(いわゆる通常シャンク)よるスポット溶接では、いずれの溶接電流(7kA,8kA,11kA)でも、図中矢印で示すように、5回の試験回数のうち、ほとんどの組の鋼板MにLME割れが発生した。
一方、本実施形態に係る抵抗スポット溶接装置10(いわゆるフレキシブルシャンク)よるスポット溶接では、いずれの溶接電流(7kA,8kA,11kA)でも、10回の試験回数のうち、11kAの1回を除いて、LME割れは発生しなかった。これは、両電極20,20がそれぞれ備える一対の自在継手30の角度補正機構により、鋼板Mに対する打角が補正されると共に、両電極チップ50,50の軸心のずれが抑制された効果によると考えられる。
なお、通電後の鋼板Mの冷却に伴うナゲットの熱収縮によって、板厚方向に引張応力が発生して圧接部でのLME割れが生じる場合がある。このことから、溶接後の冷却時間を確保するためのホールド時間は、ナゲットの熱収縮に伴う板厚方向の引張応力を低減することができ、LME割れ発生の抑制に有効である。LME割れの発生を効果的に抑制するためには、上記ホールド時間として、通電終了後、0.01sec以上加圧保持したのち、電極の加圧から圧力開放に転じる制御を行うことが好ましい。
なお、本発明は、前述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1軸部に係合部が設けられ、第2軸部に被係合部が設けられるとしたが、これとは逆に、第1軸部に被係合部を設け、第2軸部に係合部を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、一対の第1軸部、第2軸部及び一対のカバー部材は、それぞれ導電性材料によって構成されるが、本発明においては、少なくとも一対の第1軸部及び第2軸部が導電性材料によって構成されればよい。
さらに、上記の実施形態では、一対の自在継手を有する角度補正機構は、一対の電極にそれぞれ設けられているが、本発明は、該角度補正機構は、一対の電極の少なくとも一方に設けられてもよい。
以上のとおり、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 複数の鋼板を挟み込む電極チップをそれぞれ備える一対の電極と、
前記一対の電極の少なくとも一方に設けられ、前記鋼板に対する前記電極チップの角度を補正可能な角度補正機構と、
を備え、前記一対の電極チップによって前記複数の鋼板を挟み込み、前記一対の電極チップに加圧力を付与した状態で通電することで、前記複数の鋼板をスポット溶接する抵抗スポット溶接装置であって、
前記角度補正機構は、先端部が凸球面状の係合部と、該係合部が摺動自在に嵌合する凹球面状の被係合部とをそれぞれ有する一対の自在継手を備え、
前記電極は、前記一対の自在継手を介して前記電極チップに通電可能である、
抵抗スポット溶接装置。
この構成によれば、鋼板が電極の軸心に対して傾いている場合であっても、電極チップの鋼板に対する打角を補正できると共に、コンパクトな電極を構成できる。
(2) 前記一対の自在継手は、前記係合部を有する一対の第1軸部と、軸方向両端部に前記両被係合部の一部分を有する第2軸部と、前記第2軸部の軸方向両端部に取り付けられ、前記両被係合部の残りの部分を有する一対のカバー部材と、を有し、
少なくとも前記一対の第1軸部、及び前記第2軸部は、導電性材料によって構成される、
(1)に記載の抵抗スポット溶接装置。
この構成によれば、簡単な機構により、溶接電流の導電路として利用することができる自在継手を形成することができ、コンパクトな電極を構成できる。
(3) 前記電極は、前記第1軸部及び前記第2軸部の周囲で、前記第1軸部及び前記第2軸部との間に配置され、屈曲した前記自在継手の前記第1軸部及び前記第2軸部を直線状に整列可能な弾性部材をさらに備える(2)に記載の抵抗スポット溶接装置。
この構成によれば、角度補正機構の作用により溶接時に屈曲した電極を、溶接終了後に元の状態に自動的に復元できる。
(4) 前記電極チップは、先端面の曲率半径RがR≧40mm、かつ、外径φがφ≦16mmである(1)~(3)のいずれか1つに記載の抵抗スポット溶接装置。
この構成によれば、鋼板に対する電極チップの片当たりが抑制されて電極チップを鋼板に確実に接触できる。
(5) (1)~(4)のいずれか1つに記載の抵抗スポット溶接装置を用いて、
亜鉛系めっきが施された鋼板及びC:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上の鋼板を含む複数の鋼板、又は、C:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上で、かつ亜鉛系めっきが施された鋼板を少なくとも1枚有する複数の鋼板、をスポット溶接する抵抗スポット溶接方法。
この構成によれば、亜鉛系めっきが施された鋼板及び高張力鋼板を含む複数の鋼板、又は、亜鉛系めっきが施された高張力鋼板を含む複数の鋼板の抵抗スポット溶接において、抵抗スポット溶接継手の圧接部におけるLME割れの発生を抑制できる。
(6) 通電終了後、0.01sec以上加圧保持したのち、前記電極の加圧から圧力開放に転じる制御を行う、(5)に記載の抵抗スポット溶接方法。
この構成によれば、ナゲットの熱収縮に伴う板厚方向の引張応力を低減することができ、LME割れ発生の抑制できる。
10 抵抗スポット溶接装置
20 電極
30 自在継手(角度補正機構)
31 第1軸部
32 第2軸部
33 カバー部材
35 係合部
39 被係合部
41 孔部
47 コイルばね(弾性部材)
50 電極チップ
M 鋼板
R 電極チップの先端面の曲率半径
φ 電極チップの先端面の外径

Claims (6)

  1. 複数の鋼板を挟み込む電極チップをそれぞれ備える一対の電極と、
    前記一対の電極の少なくとも一方に設けられ、前記鋼板に対する前記電極チップの角度を補正可能な角度補正機構と、
    を備え、前記一対の電極チップによって前記複数の鋼板を挟み込み、前記一対の電極チップに加圧力を付与した状態で通電することで、前記複数の鋼板をスポット溶接する抵抗スポット溶接装置であって、
    前記角度補正機構は、先端部が凸球面状の係合部と、該係合部が摺動自在に嵌合する凹球面状の被係合部とをそれぞれ有する一対の自在継手を備え、
    前記電極は、前記一対の自在継手を介して前記電極チップに通電可能である、
    抵抗スポット溶接装置。
  2. 前記一対の自在継手は、前記係合部を有する一対の第1軸部と、軸方向両端部に前記両被係合部の一部分を有する第2軸部と、前記第2軸部の軸方向両端部に取り付けられ、前記両被係合部の残りの部分を有する一対のカバー部材と、を有し、
    少なくとも前記一対の第1軸部及び前記第2軸部は、導電性材料によって構成される、
    請求項1に記載の抵抗スポット溶接装置。
  3. 前記電極は、前記第1軸部及び前記第2軸部の周囲で、前記第1軸部及び前記第2軸部との間に配置され、屈曲した前記自在継手の前記第1軸部及び前記第2軸部を直線状に整列可能な弾性部材をさらに備える請求項2に記載の抵抗スポット溶接装置。
  4. 前記電極チップは、先端面の曲率半径RがR≧40mm、かつ、外径φがφ≦16mmである請求項1~3のいずれか1項に記載の抵抗スポット溶接装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の抵抗スポット溶接装置を用いて、
    亜鉛系めっきが施された鋼板及びC:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上の鋼板を含む複数の鋼板、又は、C:0.08質量%以上、Si:0.50質量%以上を含み、引張強度が980MPa以上で、かつ亜鉛系めっきが施された鋼板を少なくとも1枚有する複数の鋼板、をスポット溶接する抵抗スポット溶接方法。
  6. 通電終了後、0.01sec以上加圧保持したのち、前記電極の加圧から圧力開放に転じる制御を行う、請求項5に記載の抵抗スポット溶接方法。
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