JP2023057975A - 微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子 - Google Patents

微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2023057975A
JP2023057975A JP2021167765A JP2021167765A JP2023057975A JP 2023057975 A JP2023057975 A JP 2023057975A JP 2021167765 A JP2021167765 A JP 2021167765A JP 2021167765 A JP2021167765 A JP 2021167765A JP 2023057975 A JP2023057975 A JP 2023057975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
container
superabrasive
impact
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021167765A
Other languages
English (en)
Inventor
博 山中
Hiroshi Yamanaka
勝美 粂川
Katsumi Kumegawa
豊 安藤
Yutaka Ando
正任 荒木
Masato Araki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomei Diamond Co Ltd
Original Assignee
Tomei Diamond Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomei Diamond Co Ltd filed Critical Tomei Diamond Co Ltd
Priority to JP2021167765A priority Critical patent/JP2023057975A/ja
Publication of JP2023057975A publication Critical patent/JP2023057975A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】シリコンやその他の硬くて脆い材種の加工、特に電子部品等の微細精密加工において大きな加工速度と細かな仕上げ面粗さとを同時に達成しうる、典型的にはD50平均粒径40μm以下、特に5μm以下のミクロン、サブミクロンサイズダイヤモンド砥粒を提供すること。【解決手段】(1) 超砥粒粒子の非固結集合物を密閉容器内に収容し、該容器の外部から衝撃圧縮力を負荷することによって衝撃波の伝播ならびに粒子同士の衝突により収容粒子を断面が多角形の粒子に割砕し、次いで解砕することにより、鋭利化された形状の超砥粒粒子として回収することを特徴とする、微細超砥粒研磨材粒子の製造方法。(2) 回収された超砥粒粒子において、断面(投影図形)の輪郭が多角形で1以上の頂角が60°以下である粒子が1/3以上含まれている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法で作製された微細超砥粒研磨材粒子。【選択図】図3

Description

本発明は精密研削・研磨作業に多用される、ダイヤモンド等の超砥粒から成る研磨材粒子において、特に鋭利な切れ刃及び優れた自生発刃性によって高い研磨効率を示す、D50平均粒子径が40μm以下、特に5μm以下の微細な研磨材粒子及びその製造方法に関する。
精密研削・研磨に用いられるダイヤモンド砥粒は、ダイヤモンド本来の物性、特に強度を利用する観点から、欠陥が少なく、結晶面が発達した完全な結晶(自形結晶)に近い砥粒が好ましいとされている。このため合成反応の際には厳密な温度・圧力条件の管理や、種結晶使用による育成領域の管理が行われている。
ミクロンサイズと呼ばれる微細な粒子の製造においても、比較的粗いサイズについては自形結晶も合成されているが、多くは粗いダイヤモンド粒子を粉砕し、目的とするサイズの粒子を取り出す粉砕・分級操作を用いて製造されている。この際に球状に近い粒子が精度の高い分級に好都合であり、研磨材粒子としても好まれることから、粉砕粒子の形状を整える操作も付加されている。
例えば大型のボールミル、或いは振動ミルを用いて、比較的粗いダイヤモンドに鉄球を打ち付けて目標とするサイズに粉砕し(破砕工程)、針状、板状などの不規則形状の破砕片を砕き、同時に鋭いエッジを落とす目的で、鉄球を用いた比較的弱い粉砕、即ち摩砕に近い条件での粉砕を実施して形状を整え(整粒工程)、さらに篩い分け、或いは水簸操作によってサイズ分けが行われている(分級工程)。
研磨材等の粒子の形状は屡々アスペクト比により表示されることがある。これは投影した砥粒の個々の像について、最大長さ(長軸長さまたは長軸径)と、長軸径の測定軸に垂直な軸における最大長さ(短軸長さまたは短軸径)とを求め、短軸長さを長軸長さで除した値で表示されることが多い。この表示において、アスペクト比1は投影像が円または正方形であることを示し、1よりも小さくなるのに伴って細長さが増すことになり、イレギュラー形状の指標とすることができる。
数十μm或いはそれ以下の粒径を持つダイヤモンド等の研磨材粒子は一般に球状度の高い、即ちアスペクト比が1に近いものが好んで使用され、製造においても破砕、整粒、分級の各段階でこのような粒子の収集に注力されている。このため、通常利用されている研磨材粒子の前記アスペクト比は、本発明者の測定によると最小でも0.75程度、好んで用いられている研磨材粒子ではそれ以上と見積もられる。
一方被削材の種類によっては鋭い刃先を有する不規則形状の砥粒、或いは容易に破砕される内部欠陥の多い砥粒を用いることで、大きな加工速度が得られ、単位時間当たりの生産性が高くなる場合のあることも知られている。この理由として、不規則形状粒子が持つ鋭いエッジが超硬合金などの比較的粘い材料の除去に有効であること、また研磨加工の進行に伴って加工に寄与するエッジが鈍くなり、研磨抵抗が増すと破砕されて新たなエッジが生じるという自生発刃作用により、切れ味が持続する効果が挙げられる。
砥粒の破砕工程において超砥粒粒子を強力な衝撃破砕処理に供するとアスペクト比の平均値が0.74以下の不規則形状の破砕粒子成分が多数得られ、このような砥粒を含有する研磨材全体としての自生発刃性の増強に有効なことが知られている。(特許文献1)
ところで、いくつかの材料の処理において、被処理物の周囲又は隣接して爆薬を配し、その爆発に依る衝撃圧縮負荷を利用する方法は公知である。さらに爆薬によって生じる衝撃超高圧力を用いてダイヤモンド粒子を加工する方法・装置も公知である(特許文献2)。またこの際金属材から成る飛翔体を処理物に衝突させることにより衝撃圧を負荷する手法、及び発生圧力の計算方法も公知である(非特許文献1)。
特開2019-210444号公報 特開2021-137715号公報
R. G. McQueen他(1970) "The equation of solids from shock wave studies" in High-Velocity Impact Phenomena (ed., R. Kinslow) Academic Press, New York, pp. 293-417
研磨材としてのダイヤモンドは、他の研磨材に比し卓越した硬さの故に広範な材料、特に硬くて脆い物質の研削・研磨に優れた加工能力を発揮している。しかし硬質材料の中でも比較的粘い被削材の加工においては、鋭い刃先による切り取り乃至すくい(掬い)取りの機能も要求されるところ、ダイヤモンド研磨材であっても従来の製品は、かかる加工においては十分に要求に対応しているとは言えなかった。
従って本発明の課題は、シリコンやその他の硬くて脆い材種の加工、特に電子部品等の微細精密加工において大きな加工速度と細かな仕上げ面粗さとを同時に達成しうる、典型的にはD50平均粒径40μm以下、特に5μm以下のミクロン、サブミクロンサイズダイヤモンド砥粒の提供を主な目的とする。
本発明は、超砥粒粒子の非固結集合物を密閉容器内に収容し、該容器の外周から衝撃圧縮力を負荷することによって衝撃波の伝播ならびに粒子同士の衝突により収容粒子を断面が多角形の粒子に割砕し、次いで解砕することにより、鋭利化された形状の超砥粒粒子として回収することを要旨とする。以下本発明においては、異なる性状を明示しない限り超砥粒粒子は非固結の集合物を意味する。
本発明の研磨材粒子においては衝撃破砕により生成された固有の鋭利なエッジからなる切れ刃と特異のアスペクト比を持つ砥粒として、電子部品等の微細精密加工において、大きな加工速度と細かな仕上げ面粗さとが同時に達成される。なお本発明において「アスペクト比」は上述した短軸長さを長軸長さで除した値を意味し、200個以上の粒子についての測定値の算術平均を本発明の平均値とする。
図1は、本発明の超砥粒粒子製造工程において、爆薬の爆発による超砥粒粒子割砕工程のための構成例を示す断面図。 図2は超砥粒粒子割砕工程のための別の構成例を示す断面図。 図3は、図1において金属円筒に充填した超砥粒粒子集合物に爆発衝撃を加える別の方法を示す断面図。 図4は爆薬の爆発圧力によって超砥粒粒子を割砕する別の方法を示す平面図。 図5は図4の平面図におけるB-B矢印方向の断面図。 図6は本発明の方法により作成されたダイヤモンド粒子の形状を示す顕微鏡写真。
本発明によれば、整粒された超砥粒粒子に1GPaを超える衝撃圧力が負荷されることにより、個々の粒子は衝撃破砕を受けて断面が多角形の角張った形状を呈する。断面の多角形の頂角は1個以上が衝撃破砕に特徴的な60゜以下の鋭角(鋭角多角形)を呈し、本発明においては粒子集合体の1/3以上がこのような鋭角多角形断面の角張った粒子として回収される。
本発明の超砥粒粒子はまた、投影図形における短軸長さを長軸長さで除した値と定義されるアスペクト比の平均値が0.74以下であることを特徴とする、高度の不規則形状を有する超砥粒研磨材が提供される。
本発明においては、ダイヤモンド等の超砥粒粒子の非固結集合物を衝撃圧縮負荷に供し、衝撃破砕によって超砥粒粒子に固有の不規則形状、即ち頂角60゜以下の鋭いエッジを創成し、また内部欠陥を増加せしめて破砕性も向上させる。この操作により特に電子部品等の微細精密加工において大きな加工速度及び細かな仕上げ粗さを同時に達成可能なD50平均粒径40μm以下のミクロンサイズ超砥粒、特にD50平均粒径5μm以下のダイヤモンド粒子が提供される。
本発明においては、上記の鋭角エッジおよび小さなアスペクト比をもつ研磨材粒子の製造に、主としてへき(劈)開割れに起因する割れを生じさせる手段として、以下に詳記する爆薬を用いた高衝撃破砕方法が用いられ、基本的に次のような、前段と後段とから成る2段階操作で構成されている。
(1)超砥粒研磨材粒子、特に静的超高圧技術によって合成された、或いは天然のダイヤモンド粒子を金属製容器に封入し、
(2)上記容器外面に1GPa以上の衝撃高圧力を負荷して封入された超砥粒粒子を割砕する(前段工程)。
(3)割砕された粒子に弱い機械的衝撃を加えて、凝集粒子を孤立粒子に解砕して研磨材粒子を得る(後段工程)。
本発明によれば、出発原料の超砥粒は大きな衝撃力を受けることによって破砕されると共に、得られた個々の粒子内部に多量の欠陥やクラックを生じる。このため各粒子は微小破砕されやすくなり、かかる特性が研削・研磨加工時における自生発刃作用に効果的に寄与する。
破砕粒子の形状不規則性を評価する方法としては、比較的粗いメッシュサイズ粒子については、嵩密度の対比によって、整った形状の粒子と不規則形状粒子との差を間接的に表すことが可能である。しかしこの方法はミクロンサイズ粒子への適用が困難であることから、本発明においては比較的簡便な対比方法として提案されている、前記のアスペクト比による評価方法を用いる。
上記の評価方法において、球状に近いタフな、即ち破砕されにくい粒子を目標に整粒された通常工程品の粒子では、前記したようにアスペクト比が一般に0.75以上と見積もられる。これに対して高衝撃破砕による破砕品の集合体で構成される本発明品粒子のアスペクト比は、最大でも0.74、通常0.72以下の値を示すという特徴を有している。
衝撃加圧による破砕は主としてへき開割れによるものであるが、本発明においては、へき開割れに伴う60゜以下の鋭い頂角の出現と共に、摩砕されないより大きな頂角も維持され、このことが本発明方法による製品の一つの特徴でもある。
本発明に於いて、金属容器内に収容された超砥粒粒子が割砕される機構は、爆薬の爆発による衝撃的な荷重が超砥粒粒子に加わることにより応力によって破砕されると共に、粒子同士の衝突による破砕が加わる。超砥粒粒子を収納する容器に加える衝撃応力が1GPa以上であることの必要性は、それ未満では集合体全体に衝撃応力を伝えることが困難で、破砕効果が低いためである。加える応力は過剰である必要はなく、50GPa以下でよい。
爆薬によって生じる爆発圧力の算出には、例えばR. G. McQueen他による論文(非特許文献1)などを参照することができ、次の式(1)から算出される。
P = ρ0DUp (1)
ここで、Pは爆発圧力、ρ0は充填時における爆薬の密度、Dは爆発速度、Upは爆発生成物の流速である。
ρ0は充填爆薬の値で容易に求められ、Dの爆発速度の計測も比較的容易であるが 、Upの値を求めることは簡単ではない。そこで経験値として
p = D/4 (2)
で近似できることが知られているので、数式(1)は次式に変形することができる。
P = ρ02/4 (3)
高速で衝突する物体が発生する圧力は、次式で求めることができる。
P = ρ0sp (4)
p = Ufs/2 (5)
ここでUfsは衝突速度である。
衝突速度Ufsの測定は比較的容易であるが、衝撃波速度Usの測定は困難である。そこで、例えば金属容器と衝突する金属体の材質が等しく鋼である場合、UsとUpとの関係は知られていて、
s = 3.574 + 1.920Up - 0.068Up 2 (6)
上記においてUsとUpとの単位はkm/secである。
金属容器と金属体の材質が鋼以外であったり、異なる材質のものが衝突する場合に発生する圧力の計算方法も、非特許文献1から知ることができる。
また、爆薬をダイヤモンド粒子を収納した金属容器に接触させず、爆発圧力で加速された金属管体或いは金属板を飛翔体としてダイヤモンド粒子を収納した金属容器に衝突させる方法をとることによって、爆薬を金属容器に直接接触させて爆発させるよりも高い圧力を加えることができる。
爆薬の爆発圧力によって、加速される金属が移動する距離に応じた速度は次式で求めることができる。
pm = (2Eg)1/2[{(1 + md/mx)3 + 1}/{6(1 + md/mx)} + md/mx]-1/2 (7)
ここで、Vpmは設定条件での可能な最高速度、Egは使用する爆薬のkg当たり発生熱量の60%、mdは加速する金属の1m3あたり質量、mxは爆薬の1m3あたりの質量である。
YPx /(mdpm 2) = -ln(1 - Vp/Vpm) - Vp/Vpm (8)
ここで、Pxは爆発圧力で式(3)から得られ、Yは衝突までの飛翔距離、Vpは飛翔距離に応じた速度で、式の左辺と右辺が等しくなるVpを試行錯誤で求める。
本発明による超砥粒粒子の製造に利用可能な衝撃加圧装置構成の例を、添付の略図によって詳細に説明する。
図1の構成において、超砥粒粒子1は金属円筒2に収納され、円筒2の両端は金属栓3、4で閉鎖されている。爆薬5は金属円筒2を包囲する形で容器6に収納され、雷管7で起爆される。
雷管7で爆薬5が起爆されると、起爆された側から反対側に向かって爆発が爆薬特有の高速度で進行し、発生した爆発圧力によって金属円筒2は中心軸に向かって高速で圧縮され、同時に収納されている超砥粒粒子が圧縮荷重によって割砕される。
超砥粒割砕のための別の構成を示した図2において、要素1、2、6、7は図1と共通であるが、この図の構成においては超砥粒粒子を充填するための金属円筒2の中心には細い金属管8が中心軸に共軸的に配置されている。金属菅2両端の金属栓9、10には、金属細管を通すために中央に貫通孔が設けられている。
この構成においては、爆薬5が雷管7によって起爆されると起爆された側から反対側に向かって爆薬特有の速度で爆発が進行し、発生した爆発圧力によって金属円筒2は中心軸に向かって高速で圧縮され、収容充填された超砥粒粒子全体において圧縮による割砕が進む一方で、中心軸上に配された細い金属円筒8が圧潰して実質的に中実となるまで変形する。その変形によって、ダイヤモンド粒子全体は中心軸上の細い金属管を配しない場合に比して大きく変位し、その間ダイヤモンド粒子同士が擦れ合う度合いが大きくなり、割砕効果が向上する。
図3において、要素1~6は図1と同様に構成されるが、金属円筒2内の超砥粒粒子集合体への爆発衝撃負荷方法が異なり、金属円筒2の外方周囲に、飛翔させて円筒2に衝突させるための金属円筒11が配置されている。金属円筒2と金属円筒11との間には空間12が設けられる。
爆薬5が雷管7によって起爆されると、起爆された側から反対側に向かって爆薬特有の速度で爆薬の燃焼(爆発)が進行し、発生した爆発圧力によって、飛翔体用金属円筒11が高速で収縮、さらに空間12を通過して金属円筒2の表面を衝撃圧縮し、これによって円筒内の超砥粒粒子1が割砕される。
図3の構成では金属円筒2として単純な中空管を用い、全空間に超砥粒粒子が充填されているが、中心に図2に示すような細い金属円筒(図示せず)を介在させることも可能である。
図4は本発明によるさらに別の態様による超砥粒製造方法のための構成であり、出発超砥粒粒子1は一例として矩形で示した金属製の箱15に収納され、上面を蓋16で覆われている。金属製の箱15の上部全面を覆って爆薬5が配置され、箱内の収容超砥粒粒子の全断面を蓋越しに覆っている。
爆薬5は容器17に収納され、容器17の一端に起爆用に雷管7が配される。超砥粒粒子1は金属板からなる底板18上に支持され、金属製の箱15の底面19と底板18との間には空間20が設けられている。
この図の構成において爆薬5が雷管7によって起爆されると、爆発は起爆された側から反対側に向かって爆薬特有の高速度で進行する。発生した爆発圧力によって金属製の蓋16はB-B矢視断面図の下方に向かって高速で移動し、収容超砥粒粒子1の個々の粒子は金属製の蓋16と金属製の底板18との間に挟まれて割砕されつつ図の下方に高速で移動し、金属製の箱15の底面19に衝突し、その衝撃で超砥粒粒子の割砕は更に進行する。
この形式の装置構成において、金属製の箱底面19と金属製底板18との間の空間20は省略することも可能である。また金属製の蓋16の上方に空間を設け(図示せず)、爆薬容器17の下面に金属板(図示せず)を飛翔板として配置し、金属製の蓋16に高速で衝突させ、さらに高い衝撃圧力をダイヤモンド粒子全体に加えることもできる。さらには、超砥粒粒子及び爆薬収納のための容器形状を円筒形としてもよい。
上記の割砕操作の前段工程を経たダイヤモンド粒子は、収納容器の金属管または金属製の箱に閉じ込められた形で衝撃加圧操作から回収される。回収粒子の多くは大きなクラックを内蔵している粉粒体であることから、後段工程として軽く解砕して分散させ孤立粒子を得る。解砕装置には既存のボールミル、振動ミルなどを用いることができるが、摩砕によるエッジの鈍化を避けるために、操作時間は短時間に止める必要がある。
図3に示した円筒衝撃加圧装置を用いて、静圧法による合成ダイヤモンドの割砕を実施した。出発材料のダイヤモンド粒子として、IMS#20/30:80gと、IRM30-40:40g(共にトーメイダイヤ(株)製)との混合物を外径20mm、内径17mm、長さ300mmの鋼管に充填し、両端を外径17mm、長さ30mmの鋼栓で封じて収納した。収納されたダイヤモンド粒子の嵩密度は2.20g/cm3であった。
ダイヤモンド粒子を充填した鋼管と中心軸を等しくして、外径60mm、内径54mm、長さ400mmの鋼管を飛翔管として、また爆薬管として外径101mm、内径93mm、長さ400mmの鋼管を配し、両管の間の空間に爆発エネルギー4,000kJ/kgのANFO爆薬1.9kgを充填し、6号電気雷管で起爆した。
爆薬は3,200m/sの速度で爆発し、上掲数式(2)によって計算したところ、ダイヤモンド粒子に付加された爆発圧力は35.5GPaと見積もられた。
衝撃圧力を付加した金属管から、割砕されたダイヤモンド粒子107gを回収した。この中から5gを秤取し、フリッチュ遊星型ボールミルP-5を用いた湿式解砕を行った。解砕操作条件は仕込みダイヤモンド量5.0g、粉砕ボールφ6.5mmの鉄球650g、回転数 220r.p.m.、解砕時間2分間とした。
解砕済みのダイヤモンド粉は、全量が目開き106μmの篩を通過した。次いで塩酸・硝酸混液を用いて付着鉄粉を溶解除去し、簡易水簸操作によってサイズ分けを行った。まず水簸操作の初期に沈降した部分を粗粒フラクションとして分離し、静置による沈降部分と懸濁部分との分離により、平均サイズ0.722、0.534、0.209μmの3種類のフラクションを回収した。
図6は平均サイズ0.534μmのフラクションの粒子形状を示す写真であって、本発明方法によって生じる多数の先端の尖った細長い粒子が認められる。
アスペクト比(形状係数値)の測定は、シスメックス社製FPIA-3000湿式フロー式粒子径・分析装置を用いて実施した。初期フラクションに含まれる円相当径2乃至8μmの範囲の粒子4727ケについてのアスペクト比平均値は0.673であり、測定領域の微粒側2μm近傍粒子95ケの平均値は0.65、粗粒側8μm近傍粒子72ケについての平均値は0.69であった。
同フラクションに含まれる衝撃破砕に特徴的な60゜以下の鋭角を有する砥粒の存在割合は、8μmより大きな粒子については211ケ中88ケ、8μm以下、2.9μm以上の粒子では2222ケ中866ケであった。
1 出発超砥粒粒子
2 金属円筒
3、4 金属栓
5 爆薬
6 爆薬容器
7 雷管
8 金属細管
9、10 金属栓
11 飛翔用金属円筒
12 空間
15 金属製収納箱
16 箱の蓋
17 爆薬容器
18 底板
19 箱底面
20 空間

Claims (15)

  1. 超砥粒粒子の非固結集合物を密閉容器内に収容し、該容器の外部から衝撃圧縮力を負荷することによって衝撃波の伝播ならびに粒子同士の衝突により収容粒子を断面が多角形の粒子に割砕し、次いで解砕することにより、鋭利化された形状の超砥粒粒子として回収することを特徴とする、微細超砥粒研磨材粒子の製造方法。
  2. 前記容器が全体として円筒状である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記容器が水平な底面を有する箱状体である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記容器が全体として矩形である請求項3に記載の方法。
  5. 前記容器が金属材で構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記容器として円筒形容器を用い、中心軸上に圧縮性の中空の小径円筒体を配置して周囲に前記超砥粒粒子を充填密閉し、該容器の外周から衝撃圧縮力を負荷し、小径円筒体が圧潰する間衝撃波の負荷時間を増加させる、請求項1、2、又は5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記衝撃圧縮力が容器器壁の外周に沿って配置された爆薬の急速燃焼(爆発)に基づく衝撃荷重によって達成される、請求項2、5又は6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記円筒形容器の外方周囲に空間を保って金属円筒を配置し、爆薬爆発に基づく衝撃荷重によって軸方向に収縮させ該容器壁に衝突させる、請求項2、5又は6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記容器として箱状体を用い、金属板を介して該容器内の超砥粒粒子の集合物に衝撃圧縮力を負荷し、該超砥粒粒子を割砕させる、請求項3の方法。
  10. 前記衝撃圧縮力が1GPa以上50GPa以下である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記超砥粒がダイヤモンドである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 回収された超砥粒粒子において、断面(投影図形)の輪郭が多角形で1以上の頂角が60°以下である粒子が1/3以上含まれている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法で作製された微細超砥粒研磨材粒子。
  13. 前記研磨材粒子の断面(投影図形)の短軸対長軸の軸長によるアスペクト比の平均値が0.74以下である、請求項12に記載の微細超砥粒研磨材粒子。
  14. 50平均粒子径が40μm以下である、請求項12又は13に記載の微細超砥粒研磨材粒子。
  15. 50平均粒子径が5μm以下である、請求項12又は13に記載の微細超砥粒研磨材粒子。


JP2021167765A 2021-10-12 2021-10-12 微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子 Pending JP2023057975A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021167765A JP2023057975A (ja) 2021-10-12 2021-10-12 微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021167765A JP2023057975A (ja) 2021-10-12 2021-10-12 微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023057975A true JP2023057975A (ja) 2023-04-24

Family

ID=86054554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021167765A Pending JP2023057975A (ja) 2021-10-12 2021-10-12 微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023057975A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8022019B2 (en) Method of making proppant used in gas or oil extraction
US3834631A (en) Spin breaking process
US11447426B2 (en) Forming evaporite mineral products and their use as fertiliser
US9968941B2 (en) Method of ball milling aluminum metaphosphate
JP4712909B1 (ja) 廃材分別装置
JP2023057975A (ja) 微細超砥粒研磨材粒子の製法及び微細超砥粒研磨材粒子
WO2011077183A1 (en) Method of making proppants used in gas or oil extraction
US2877954A (en) Dressing of ore
US20190284460A1 (en) Particulate material and method for forming same
Blazy et al. Vibroinertial comminution—principles and performance
JP3377881B2 (ja) 粉砕機用部材
RU2042474C1 (ru) Способ предварительной переработки твердых сплавов и устройство для его осуществления
JPS63112627A (ja) トナ−粉の製造方法
JP2001232224A (ja) ガラス廃棄物の再資源化方法
RU2423180C1 (ru) Способ дробления материала в конусной инерционной дробилке с получением кубовидного продукта при минимальном переизмельчении
Yahyaei et al. Impact of mill size on low-energy surface damage
JPH06184526A (ja) 高強度超砥粒およびその製法
Seifelnassr et al. Grindability of quartz under compressive and impact forces
Schade Milling of Brittle and Ductile Materials
von Krüger et al. The effect of using concave surfaces as grinding media
Tanaka Determining the optimum diameter of grinding media used for ultrafine grinding mechanisms
MXPA03002153A (es) Procedimiento y dispositivo para triturar particulas.
JP2019210444A (ja) 高度の不規則形状を有する超砥粒研磨材
RU2224594C2 (ru) Способ получения кубовидного щебня в инерционной конусной дробилке
Scanlon et al. Particle size formation during food comminution operations

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240109