JP2023057461A - ジピリジルフェニル基を有するトリアジン化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性に優れた有機電界発光素子の形成に資する、トリアジン化合物を提供すること、及び、駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性を発揮する有機電界発光素子を提供すること。【解決手段】式(1)で表されるトリアジン化合物。TIFF2023057461000030.tif49111【選択図】なし
Description
本開示は、トリアジン化合物、有機電界発光素子用材料、および有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子は、小型モバイル用途を中心に実用化が始まっている。しかしながら、更なる用途範囲の拡大には性能向上が必須であり、駆動電圧特性、発光効率特性および寿命特性などの素子特性の改善が求められている。
特許文献1は、長寿命で発光効率特性の優れた有機電界発光素子に用いられる材料であるトリアジン誘導体を開示している。特許文献2は、駆動電圧特性、発光効率特性のいずれか素子特性の向上に寄与することのできる材料である、ピリジル基を有するトリアジン誘導体を開示している。
特許文献1は、長寿命で発光効率特性の優れた有機電界発光素子に用いられる材料であるトリアジン誘導体を開示している。特許文献2は、駆動電圧特性、発光効率特性のいずれか素子特性の向上に寄与することのできる材料である、ピリジル基を有するトリアジン誘導体を開示している。
しかし、特許文献1および特許文献2にかかるトリアジン誘導体は、用途の拡大に関して必要とされる有機電界発光素子の駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性の3つの特性に対して、これらを十分に備えているとはいえず、上記3つの特性をさらなる高次元で達成したものが求められている。特に有機電界発光素子の使用時における消費電力の低減に向けて、発光効率特性および寿命特性の2つの特性において既知の材料よりも優れた素子特性を与える、有機電界発光素子用の材料が求められている。
そこで、本発明の一態様は、駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性に優れた有機電界発光素子の形成に資する、電子輸送能の向上に寄与する部分構造を有するトリアジン化合物を提供することに向けられている。さらに、本発明の他の態様は、駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性を発揮する有機電界発光素子を提供することに向けられている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機電界発光素子の電子輸送層として、ジピリジルフェニル基を含む部分構造を2価の芳香族基を介して導入したトリアジン化合物を用いることで、該有機電界発光素子の駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下のとおりである。
即ち本発明は、
(イ)下記式(1)で表されるトリアジン化合物;
即ち本発明は、
(イ)下記式(1)で表されるトリアジン化合物;
Lは、2価の6員環芳香族炭化水素基、または2価の6員環含窒素芳香族基を表す。
nは1から4の整数を表す。ただしnが1のとき、Lはパラフェニレンにはならない。nが2、3または4のとき、Lは相異なっていてもよい。
Py1およびPy2は、各々独立に、メチル基、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびピリジル基からなる群から選択される基で1つまたは2つ置換されていてもよいピリジル基を表す。)
(ロ)前記(イ)に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用材料;
及び、
(ハ)前記(イ)に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子;
に関するものである。
及び、
(ハ)前記(イ)に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子;
に関するものである。
本発明の一態様によれば、駆動電圧特性、発光効率特性、および寿命特性を高次元に発揮する有機電界発光素子の形成に資するトリアジン化合物を提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、上記トリアジン化合物を含む有機電界発光素子用材料を提供することができる。さらに、本発明のさらなる他の態様によれば、駆動電圧特性、発光効率特性および寿命特性を発揮し、種々の用途に利用可能な有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明の一態様にかかるトリアジン化合物について詳細に説明する。
<トリアジン化合物>
本発明の一態様にかかるトリアジン化合物は、式(1)で表されるトリアジン化合物である。
本発明の一態様にかかるトリアジン化合物は、式(1)で表されるトリアジン化合物である。
式中、Ar1およびAr2は、各々独立に、炭素数6から18の芳香族炭化水素基を表すか、またはC、HおよびNからなる6員環を含み、C、HおよびNからなる5員環は含まない、炭素数4から17の複素芳香族基を表す。前記芳香族炭化水素基および前記複素芳香族基は、それぞれ、単環もしくは縮合環、またはこれらの環から選ばれるいずれかの環が連結した連結環からなり、シアノ基またはメチル基で1つ以上置換されていてもよい。
Lは、2価の6員環芳香族炭化水素基、または2価の6員環含窒素芳香族基を表す。
nは1から4の整数を表す。ただしnが1のとき、Lはパラフェニレンにはならない。nが2、3または4のとき、Lは相異なっていてもよい。
Py1およびPy2は、各々独立に、メチル基、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびピリジル基からなる群から選択される基で1つまたは2つ置換されていてもよいピリジル基を表す。
以下、式(1)で示される本発明の一態様にかかるトリアジン化合物を、トリアジン化合物(1)と称することもある。トリアジン化合物(1)における置換基の定義およびその好ましい具体例について、それぞれ以下に詳細に説明する。
Lは、2価の6員環芳香族炭化水素基、または2価の6員環含窒素芳香族基を表す。
nは1から4の整数を表す。ただしnが1のとき、Lはパラフェニレンにはならない。nが2、3または4のとき、Lは相異なっていてもよい。
Py1およびPy2は、各々独立に、メチル基、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびピリジル基からなる群から選択される基で1つまたは2つ置換されていてもよいピリジル基を表す。
以下、式(1)で示される本発明の一態様にかかるトリアジン化合物を、トリアジン化合物(1)と称することもある。トリアジン化合物(1)における置換基の定義およびその好ましい具体例について、それぞれ以下に詳細に説明する。
[Ar1、Ar2について]
Ar1およびAr2は、各々独立に、炭素数6から18の芳香族炭化水素基を表すか、またはC、HおよびNからなる6員環を含み、C、HおよびNからなる5員環は含まない、炭素数4から17の複素芳香族基を表す。前記芳香族炭化水素基および前記複素芳香族基は、それぞれ、単環もしくは縮合環、またはこれらの環から選ばれるいずれかの環が連結した連結環からなり、シアノ基またはメチル基で1つ以上置換されていてもよい。
前述したように、Ar1およびAr2のとり得る基として、シアノ基またはメチル基で置換されていてもよい炭素数6から18の芳香族炭化水素基が挙げられる。ここで、該芳香族炭化水素基は、単環、縮合環、または連結環のいずれの態様であってもよい。また、Ar1およびAr2のとり得る基として、シアノ基またはメチル基で置換されていてもよい炭素数4から17の複素芳香族基も挙げられる。該複素芳香族基は、C、HおよびNからなる6員環を含み、C、HおよびNからなる5員環は含まない。該複素芳香族基は、C、HおよびNからなる6員環であるか、該6員環を含む縮合環の態様をとり得る。さらにまた、該複素芳香族基は、C、HおよびNからなる6員環、または該6員環を含む縮合環から選ばれるいずれかの環が連結した連結環の態様であってもよい。なお、複素芳香族基の連結環には、複素芳香族基の環と芳香族炭化水素基の環とが連結した態様も含まれる。
Ar1およびAr2は、各々独立に、炭素数6から18の芳香族炭化水素基を表すか、またはC、HおよびNからなる6員環を含み、C、HおよびNからなる5員環は含まない、炭素数4から17の複素芳香族基を表す。前記芳香族炭化水素基および前記複素芳香族基は、それぞれ、単環もしくは縮合環、またはこれらの環から選ばれるいずれかの環が連結した連結環からなり、シアノ基またはメチル基で1つ以上置換されていてもよい。
前述したように、Ar1およびAr2のとり得る基として、シアノ基またはメチル基で置換されていてもよい炭素数6から18の芳香族炭化水素基が挙げられる。ここで、該芳香族炭化水素基は、単環、縮合環、または連結環のいずれの態様であってもよい。また、Ar1およびAr2のとり得る基として、シアノ基またはメチル基で置換されていてもよい炭素数4から17の複素芳香族基も挙げられる。該複素芳香族基は、C、HおよびNからなる6員環を含み、C、HおよびNからなる5員環は含まない。該複素芳香族基は、C、HおよびNからなる6員環であるか、該6員環を含む縮合環の態様をとり得る。さらにまた、該複素芳香族基は、C、HおよびNからなる6員環、または該6員環を含む縮合環から選ばれるいずれかの環が連結した連結環の態様であってもよい。なお、複素芳香族基の連結環には、複素芳香族基の環と芳香族炭化水素基の環とが連結した態様も含まれる。
Ar1およびAr2としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、ビフェニル-2-イル基、ビフェニル-3-イル基、ビフェニル-4-イル基、3-[1:1’,4’:1’’]テルフェニル基、4-[1:1’,4’:1’’]テルフェニル基、3’-シアノビフェニル-2-イル基、3’-シアノビフェニル-3-イル基、3’-シアノビフェニル-4-イル基、4’-シアノビフェニル-2-イル基、4’-シアノビフェニル-3-イル基、4’-シアノビフェニル-4-イル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2-(1-ナフチル)フェニル基、3-(1-ナフチル)フェニル基、4-(1-ナフチル)フェニル基、2-(2-ナフチル)フェニル基、3-(2-ナフチル)フェニル基、4-(2-ナフチル)フェニル基、2-シアノフェニル基、3-シアノフェニル基、4-シアノフェニル基、3,5-ジシアノフェニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピリミジル基、4-ピリミジル基、5-ピリミジル基、2-ピラジル基、3-メチルピリジン-2-イル基、4-メチルピリジン-2-イル基、5-メチルピリジン-2-イル基、6-メチルピリジン-2-イル基、2-メチルピリジン-3-イル基、4-メチルピリジン-3-イル基、5-メチルピリジン-3-イル基、6-メチルピリジン-3-イル基、2-メチルピリジン-4-イル基、3-メチルピリジン-4-イル基、2,6-ジメチルピリジン-3-イル基、2,4-ジメチルピリジン-3-イル基、2,5-ジメチルピリジン-3-イル基、3-フェニルピリジン-2-イル基、4-フェニルピリジン-2-イル基、5-フェニルピリジン-2-イル基、6-フェニルピリジン-2-イル基、2-フェニルピリジン-3-イル基、4-フェニルピリジン-3-イル基、5-フェニルピリジン-3-イル基、6-フェニルピリジン-3-イル基、2-フェニルピリジン-4-イル基、3-フェニルピリジン-4-イル基、等が挙げられる。
トリアジン化合物(1)が電子輸送性材料としての特性に優れる点で、Ar1およびAr2は、シアノ基およびメチル基で1つ修飾されていてもよい炭素数6から18の芳香族炭化水素基であることが好ましく、トリアジン化合物(1)が移動度に優れる点で、シアノ基またはメチル基で1つ修飾されていてもよいフェニル基、ナフチル基、またはビフェニリル基であることがより好ましく、トリアジン化合物(1)の蒸着プロセスへの適応が容易である点で、フェニル基またはビフェニリル基であることがさらに好ましい。
トリアジン化合物(1)のAr1およびAr2が、シアノ基またはメチル基で置換されていてもよい炭素数4から17の複素芳香族基である場合には、電子輸送材料としての特性に優れる点で、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、シアノピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、メチルピリミジル基、ジメチルピリミジル基、キノリル基、メチルキノリル基、イソキノリル基、メチルイソキノリル基、アクリジル基、フェナントリジル基、ベンゾキノリル基、ベンゾイソキノリル基であることが好ましく、合成が容易な点で、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基であることがより好ましい。
[Py1、Py2について]
Py1およびPy2は、各々独立に、メチル基、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびピリジル基からなる群から選択される基で1つまたは2つ置換されていてもよいピリジル基を表す。
Py1およびPy2は、各々独立に、メチル基、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびピリジル基からなる群から選択される基で1つまたは2つ置換されていてもよいピリジル基を表す。
Py1およびPy2の例としては、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、3-メチルピリジン-2-イル基、4-メチルピリジン-2-イル基、5-メチルピリジン-2-イル基、6-メチルピリジン-2-イル基、2-メチルピリジン-3-イル基、4-メチルピリジン-3-イル基、5-メチルピリジン-3-イル基、6-メチルピリジン-3-イル基、2-メチルピリジン-4-イル基、3-メチルピリジン-4-イル基、2,6-ジメチルピリジン-3-イル基、2,4-ジメチルピリジン-3-イル基、2,5-ジメチルピリジン-3-イル基、3-シアノピリジン-2-イル基、4-シアノピリジン-2-イル基、5-シアノピリジン-2-イル基、6-シアノピリジン-2-イル基、2-シアノピリジン-3-イル基、4-シアノピリジン-3-イル基、5-シアノピリジン-3-イル基、6-シアノピリジン-3-イル基、2-シアノピリジン-4-イル基、3-シアノピリジン-4-イル基、2,6-ジシアノピリジン-3-イル基、2,4-ジシアノピリジン-3-イル基、2,5-ジシアノピリジン-3-イル基、3-フェニルピリジン-2-イル基、4-フェニルピリジン-2-イル基、5-フェニルピリジン-2-イル基、6-フェニルピリジン-2-イル基、2-フェニルピリジン-3-イル基、4-フェニルピリジン-3-イル基、5-フェニルピリジン-3-イル基、6-フェニルピリジン-3-イル基、2-フェニルピリジン-4-イル基、3-フェニルピリジン-4-イル基、3-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-2-イル基、4-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-2-イル基、5-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-2-イル基、6-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-2-イル基、2-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-3-イル基、4-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-3-イル基、5-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-3-イル基、6-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-3-イル基、2-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-4-イル基、3-(ビフェニル-2-イル)ピリジン-4-イル基、3-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-2-イル基、4-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-2-イル基、5-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-2-イル基、6-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-2-イル基、2-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-3-イル基、4-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-3-イル基、5-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-3-イル基、6-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-3-イル基、2-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-4-イル基、3-(ビフェニル-3-イル)ピリジン-4-イル基、3-(1-ナフチル)ピリジン-2-イル基、4-(1-ナフチル)ピリジン-2-イル基、5-(1-ナフチル)ピリジン-2-イル基、6-(1-ナフチル)ピリジン-2-イル基、2-(1-ナフチル)ピリジン-3-イル基、4-(1-ナフチル)ピリジン-3-イル基、5-(1-ナフチル)ピリジン-3-イル基、6-(1-ナフチル)ピリジン-3-イル基、2-(1-ナフチル)ピリジン-4-イル基、3-(1-ナフチル)ピリジン-4-イル基、3-(2-ナフチル)ピリジン-2-イル基、4-(2-ナフチル)ピリジン-2-イル基、5-(2-ナフチル)ピリジン-2-イル基、6-(2-ナフチル)ピリジン-2-イル基、2-(2-ナフチル)ピリジン-3-イル基、4-(2-ナフチル)ピリジン-3-イル基、5-(2-ナフチル)ピリジン-3-イル基、6-(2-ナフチル)ピリジン-3-イル基、2-(2-ナフチル)ピリジン-4-イル基、3-(2-ナフチル)ピリジン-4-イル基、3-フェニル-4-メチルピリジン-2-イル基、4-フェニル-3-メチルピリジン-2-イル基、5-フェニル-4-メチルピリジン-2-イル基、5-フェニル-6-メチルピリジン-2-イル基、5-フェニル-6-メチルピリジン-2-イル基、3-(2-ピリジル)ピリジン-2-イル基、4-(2-ピリジル)ピリジン-2-イル基、5-(2-ピリジル)ピリジン-2-イル基、6-(2-ピリジル)ピリジン-2-イル基、4-フェニル-6-(2-ピリジル)ピリジン-2-イル基、6-フェニル-4-(2-ピリジル)ピリジン-2-イル基等が挙げられる。
Py1およびPy2は互いに相異なっていてもよいが、トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、Py1およびPy2は同一であることが好ましい。有機電界発光素子の発光効率の向上に寄与する点で、Py1およびPy2は、メチル基、シアノ基、またはフェニル基で1つ置換されていてもよいピリジル基であることが好ましく、蒸着プロセスへの適用が容易である点で、Py1およびPy2は2-ピリジル基であることがより好ましい。
[Lについて]
Lは、2価の6員環芳香族炭化水素基、または2価の6員環含窒素芳香族基を表す。nは1から4の整数を表す。ただし、nが1のとき、Lはパラフェニレンにはならない。
Lは、2価の6員環芳香族炭化水素基、または2価の6員環含窒素芳香族基を表す。nは1から4の整数を表す。ただし、nが1のとき、Lはパラフェニレンにはならない。
Lの例としては、オルトフェニレン基、メタフェニレン基、パラフェニレン基、2,3-ピリジレン基、2,4-ピリジレン基、2,5-ピリジレン基、2,6-ピリジレン基、3,4-ピリジレン基、3,5-ピリジレン基、2,3-ピラジレン基、2,5-ピラジレン基、2,6-ピラジレン基、2,4-ピリミジレン基、2,5-ピリミジレン基、4,5-ピリミジレン基、4,6-ピリミジレン基を挙げることができる。nが2、3または4のとき、Lは互いに相異なっていてもよい。
トリアジン化合物(1)の電子輸送材料としての特性向上に資する点で、Lはフェニレン基またはピリジレン基であることが好ましく、トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、Lはフェニレン基であることがより好ましい。
トリアジン化合物(1)が高いガラス転移点を有する点で、nは1または2であることが好ましい。
nが1でありかつLがフェニレン基のとき、Lはパラフェニレン基ではなく、メタフェニレン基、またはオルトフェニレン基である。このように、nが1でありかつLがフェニレン基のとき、パラフェニレン基を除き、メタフェニレン基またはオルトフェニレン基に限定したことにより、駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性の3つの特性をさらに高次元に達成することができる有機電界発光素子の形成に資するトリアジン化合物を提供することができる。Lが、メタフェニレン基やオルトフェニレン基の場合、パラフェニレン基に比べ良好な結果を示すのは、メタフェニレンやオルトフェニレンの方が、パラフェニレンに比べ高いLUMO準位を有する為、発光層へのエネルギー障壁を低減させる効果を有している為と推測している。
nが1でありかつLがフェニレン基のとき、Lはパラフェニレン基ではなく、メタフェニレン基、またはオルトフェニレン基である。このように、nが1でありかつLがフェニレン基のとき、パラフェニレン基を除き、メタフェニレン基またはオルトフェニレン基に限定したことにより、駆動電圧特性、発光効率特性、寿命特性の3つの特性をさらに高次元に達成することができる有機電界発光素子の形成に資するトリアジン化合物を提供することができる。Lが、メタフェニレン基やオルトフェニレン基の場合、パラフェニレン基に比べ良好な結果を示すのは、メタフェニレンやオルトフェニレンの方が、パラフェニレンに比べ高いLUMO準位を有する為、発光層へのエネルギー障壁を低減させる効果を有している為と推測している。
[トリアジン化合物(1)の具体例]
トリアジン化合物(1)の具体例としては、以下の(A-1)から(A-144)を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
トリアジン化合物(1)の具体例としては、以下の(A-1)から(A-144)を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
有機電界発光素子における電子輸送材料としての性能が良い点で、トリアジン化合物としてはA-37、A-58、A-73、またはA-133で表される化合物が好ましい。
<トリアジン化合物の製造法>
次に、本発明の他の態様にかかるトリアジン化合物(1)の製造方法(以下、トリアジン化合物(1)の製造法と称する)について説明する。
次に、本発明の他の態様にかかるトリアジン化合物(1)の製造方法(以下、トリアジン化合物(1)の製造法と称する)について説明する。
トリアジン化合物(1)は、以下の合成経路(I)~(VI)に示される方法で製造可能である。
[合成経路(I)]
[合成経路(I)]
式(1)~(13)中、各符号の意味は以下のとおりである。
Ar1、Ar2、L、n、Py1、およびPy2の定義は、式(1)におけるAr1、Ar2、L、n、Py1、およびPy2の定義と同じである。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す。
M1、M2、M3、M4、M5、M6、およびM7は、ZnY1、MgY2、Sn(Y3)3、または、2つの(OY4)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OY4)2を表す。
Y1およびY2は、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
Y3は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す。
Y4は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す。また、2つの(OY4)基は一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよい。
Ar1、Ar2、L、n、Py1、およびPy2の定義は、式(1)におけるAr1、Ar2、L、n、Py1、およびPy2の定義と同じである。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはヨウ素原子を表す。
M1、M2、M3、M4、M5、M6、およびM7は、ZnY1、MgY2、Sn(Y3)3、または、2つの(OY4)基が一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよいB(OY4)2を表す。
Y1およびY2は、各々独立に、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
Y3は、各々独立に、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す。
Y4は、各々独立に、水素原子、炭素数1から4のアルキル基またはフェニル基を表す。また、2つの(OY4)基は一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよい。
合成経路(I)~(VI)におけるカップリング反応は、式(2)、(5)、(6)、(9)、(10)または(13)で表されるハロゲン化アリール化合物と、式(3)、(4)、(7)、(8)、(11)または(12)で表されるホウ素化合物または有機金属化合物とをパラジウム触媒存在下に反応させる方法であり、鈴木-宮浦反応、根岸反応、玉尾-熊田反応、スティレ反応等の、一般的なクロスカップリング反応の反応条件を適用することができる。
ホウ素化合物は、例えば特開2011-063584号公報、The Journal of Organic Chemistry,60巻,7508頁,1995年またはThe Journal of Organic Chemistry,65巻,164頁,2000年に開示されている方法に従い製造することができる。
有機金属化合物は、例えばChemical Reviews、93巻、2117頁、1993年またはAngewante Chemie International Edition、46巻、5359頁、2007年に開示されている方法に従い製造することができる。
有機金属化合物は、例えばChemical Reviews、93巻、2117頁、1993年またはAngewante Chemie International Edition、46巻、5359頁、2007年に開示されている方法に従い製造することができる。
ハロゲン化アリール化合物は、例えば、合成参考例-1もしくは2に示した製造法、特許文献1もしくは2、Journal of the American Chemical Society,74巻,6289頁,1952年またはSynlett,808頁,2002年に従い、製造することができる。また、市販品を用いてもよい。該ハロゲン化アリール化合物は、反応収率がよい点で、有機金属化合物またはホウ素化合物に対して0.5~3.0モル当量を用いることが好ましい。
前述のカップリング反応に用いるパラジウム触媒としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等のパラジウム塩が挙げられる。さらに、π-アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム等の錯化合物;および、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム等の第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が挙げられる。これらはパラジウム塩または錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。
第三級ホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、tert-ブチルジフェニルホスフィン、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2-(ジフェニルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジシクロへキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2-フリル)ホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリス(2,5-キシリル)ホスフィン、(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル等が挙げられる。
中でも、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が、収率がよい点で好ましく、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルまたはトリシクロヘキシルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体がさらに好ましい。
第三級ホスフィンとパラジウム塩または錯化合物とのモル比は1:10~10:1の範囲であることが好ましく、収率がよい点で1:2~3:1の範囲であることがさらに好ましい。前述のカップリング反応で用いるパラジウム触媒の量に制限はないが、収率がよい点で、パラジウム触媒のモル当量はハロゲン化アリール化合物に対して0.005~0.5モル当量の範囲にあることが好ましい。
前述のカップリング反応は溶媒中で実施することができる。
溶媒としては、水、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4-フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ-ラクトン等のエステル;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド;N,N,N’,N’-テトラメチルウレア(TMU)、N,N’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)等のウレア;ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2-トリフルオロエタノール等のアルコール;等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよく、任意の比で混合して用いてもよい。溶媒の使用量に特に制限はない。これらのうち、反応収率がよい点で水、エーテル、アミド、アルコール、およびこれらの混合溶媒が好ましく、THFと水との混合溶媒、または、トルエンと水との混合溶媒がさらに好ましい。
前述のカップリング反応は、0℃~200℃から適宜選択された温度にて実施することができ、反応収率がよい点で60℃~160℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
前述のカップリング反応は、反応の終了後に再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華精製、分取HPLCなどの一般的な精製処理を必要に応じて適宜組み合わせることによって、目的物を得ることができる。
<有機電界発光素子用材料>
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
トリアジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用材料として、特に有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、発光効率および寿命を高次元に達成可能な有機電界発光素子の作製に資するものである。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
トリアジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用材料として、特に有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、発光効率および寿命を高次元に達成可能な有機電界発光素子の作製に資するものである。
<有機電界発光素子>
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
例えば、トリアジン化合物(1)を含有する有機電界発光素子用材料を用いて、有機電界発光素子を形成することができる。トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、高い発光効率および低電圧特性を発揮し、長寿命であり、種々の用途または様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子の作製に資するものである。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
例えば、トリアジン化合物(1)を含有する有機電界発光素子用材料を用いて、有機電界発光素子を形成することができる。トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、高い発光効率および低電圧特性を発揮し、長寿命であり、種々の用途または様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子の作製に資するものである。
以下、トリアジン化合物(1)を含有する有機電界発光素子(以下、単に有機電界発光素子と称することがある)について説明する。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トリアジン化合物(1)を含有する。
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)~(v)の構成が挙げられる。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トリアジン化合物(1)を含有する。
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)~(v)の構成が挙げられる。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
トリアジン化合物(1)は、上記のいずれの層に含まれていてもよいが、有機電界発光素子の発光特性に優れる点で、発光層および該発光層と陰極との間の層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。したがって、上記(i)~(v)に示された構成の場合、トリアジン化合物(1)が、発光層、電子輸送層および電子注入層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
発光層、電子輸送層および電子注入層のうち少なくともいずれか1層は、トリアジン化合物(1)を含有する有機電界発光素子用材料を用いて形成されていることが好ましい。
発光層、電子輸送層および電子注入層のうち少なくともいずれか1層は、トリアジン化合物(1)を含有する有機電界発光素子用材料を用いて形成されていることが好ましい。
以下、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子を、上記(v)の構成を例に挙げて、図1を参照しながらより詳細に説明する。
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
図1は、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
有機電界発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7および陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層の一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、発光層5と電子輸送層6との間に正孔阻止層9が設けられていてもよく、正孔注入層3が省略され、陽極2上に正孔輸送層4が直接設けられていてもよい。また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層4、単層の電子輸送層6が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
<<トリアジン化合物(1)を含有する層>>
図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上にトリアジン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
なお、以下においては、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子100について説明する。
図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上にトリアジン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
なお、以下においては、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子100について説明する。
[基板1]
基板1としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス板、石英板、光透過性プラスチックフィルムが好ましい。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
なお、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
基板1としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス板、石英板、光透過性プラスチックフィルムが好ましい。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
なお、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
[陽極2]
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属、CuI、酸化インジウム-スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すかまたは実質的に通す導電性透明材料で形成される。
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属、CuI、酸化インジウム-スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すかまたは実質的に通す導電性透明材料で形成される。
[正孔注入層3、正孔輸送層4]
陽極2と後述する発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
陽極2と後述する発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
また、正孔注入層、正孔輸送層は、電子障壁性の層としても機能する。すなわち、陰極から注入され、電子注入層および/または電子輸送層より発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層および/または正孔輸送層との界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層および/または正孔輸送層に漏れることが抑制される。その結果、該電子が発光層内の界面に累積され、発光効率が向上する等の効果をもたらし、発光性能の優れた有機電界発光素子が得られる。
正孔注入層、正孔輸送層の材料としては、正孔注入性、正孔輸送性、電子障壁性の少なくともいずれかを有するものである。正孔注入層、正孔輸送層の材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物などが挙げられる。これらの中でも、有機電界発光素子の性能がよい点で、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物が好ましく、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(m-トリル)-〔1,1’-ビフェニル〕-4,4’-ジアミン(TPD)、2,2-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラ-p-トリル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(4-メトキシフェニル)-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N-トリ(p-トリル)アミン、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-〔4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4-N,N-ジフェニルアミノ-(2-ジフェニルビニル)ベンゼン、3-メトキシ-4’-N,N-ジフェニルアミノスチルベンゼン、N-フェニルカルバゾール、4,4’-ビス〔N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’-トリス〔N-(m-トリル)-N-フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
また、p型-Si、p型-SiCなどの無機化合物も正孔注入層の材料、正孔輸送層の材料の一例として挙げることができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[発光層5]
正孔輸送層4と後述する電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
正孔輸送層4と後述する電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
発光層は、単一の低分子材料または単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
ホスト材料としては、例えば、ビフェニリル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントリル基を有する化合物が挙げられる。より具体的には、DPVBi(4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)-1,1’-ビフェニル)、BCzVBi(4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)1,1’-ビフェニル)、TBADN(2-ターシャルブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)-2,2’-ジメチルビフェニル)、2-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-9-[4-(4-フェニルフェニルキナゾリン-2-イル)カルバゾール、9,10-ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム、チアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物、等が挙げられる。蛍光ドーパントはこれらから選ばれる2種以上を組み合わせたものであってもよい。
燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
蛍光ドーパント、燐光ドーパントの具体例としては、Alq3(トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPAVBi(4,4’-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、ビス[2-(4-n-ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)、Ir(PPy)3(トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III))、およびFIrPic(ビス(3,5-ジフルオロ-2-(2-ピリジル)フェニル-(2-カルボキシピリジル)イリジウム(III)))等が挙げられる。
また、発光材料は発光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、発光材料は、発光層に隣接した層(正孔輸送層4、または電子輸送層6)が含有していてもよい。これによってさらに有機電界発光素子の電流効率を高めることができる。
発光層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電子輸送層6]
発光層5と後述する電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
発光層5と後述する電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子輸送層は、前述したとおり、トリアジン化合物(1)を含むことが好ましい。また、電子輸送層は、トリアジン化合物(1)に加えてさらに従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
なお、トリアジン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
なお、トリアジン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
従来公知の電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-1-ナフトラートアルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-2-ナフトラートガリウム等が挙げられる。
有機電界発光素子用電子輸送材料の好ましい態様として、トリアジン化合物(1)と、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上とを混合する有機電界発光素子用電子輸送材料が挙げられる。
中でも、より好ましい態様として、トリアジン化合物(1)と8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)とを混合する有機電界発光素子用電子輸送材料が挙げられる。
有機電界発光素子用電子輸送材料が、トリアジン化合物(1)と、従来公知の電子輸送材料とを混合して作製される場合、トリアジン化合物(1)の混合割合は、有機電界発光素子用電子輸送材料に対し、例えば、5~70質量%であり、好ましくは、30~60質量%である。
中でも、より好ましい態様として、トリアジン化合物(1)と8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)とを混合する有機電界発光素子用電子輸送材料が挙げられる。
有機電界発光素子用電子輸送材料が、トリアジン化合物(1)と、従来公知の電子輸送材料とを混合して作製される場合、トリアジン化合物(1)の混合割合は、有機電界発光素子用電子輸送材料に対し、例えば、5~70質量%であり、好ましくは、30~60質量%である。
電子輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
本態様にかかる有機電界発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、または高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
[電子注入層7]
電子輸送層6と後述する陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子注入層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子輸送層6と後述する陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子注入層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子注入層の材料としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、、アントロン等の有機化合物が挙げられる。また、電子注入層の材料としては、SiO2、AlO、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、などの各種酸化物、LiFなどの各種フッ化物、SiN、TaNなどの窒化物、酸化窒化物等、Yb等の無機化合物も挙げられる。
[陰極8]
電子注入層7上には陰極8が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
陰極の材料としては、例えば、仕事関数の小さい金属(以下、電子注入性金属とも称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。ここで、仕事関数の小さい金属とは、例えば、4eV以下の金属である。
陰極の材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。
これらの中で、電子注入性および酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
電子注入層7上には陰極8が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
陰極の材料としては、例えば、仕事関数の小さい金属(以下、電子注入性金属とも称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。ここで、仕事関数の小さい金属とは、例えば、4eV以下の金属である。
陰極の材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。
これらの中で、電子注入性および酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
[正孔阻止層9]
前述したとおり、有機電界発光素子100には、さらに正孔阻止層9を設けることができる。
図1では不図示であるが、例えば、正孔阻止層9は、発光層5と電子輸送層6との間に設けることができる。
正孔阻止層は、発光層からの正孔漏れ出しを抑制し、電子と正孔の再結合確率を向上させることによって発光効率を向上させる役割を有する。
正孔阻止層の材料の具体例としては、トリアジン誘導体、ピリミジン誘導体、フルオランテン誘導体、多環式の芳香族炭化水素化合物、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、スピロフルオレン誘導体などが挙げられる。
前述したとおり、有機電界発光素子100には、さらに正孔阻止層9を設けることができる。
図1では不図示であるが、例えば、正孔阻止層9は、発光層5と電子輸送層6との間に設けることができる。
正孔阻止層は、発光層からの正孔漏れ出しを抑制し、電子と正孔の再結合確率を向上させることによって発光効率を向上させる役割を有する。
正孔阻止層の材料の具体例としては、トリアジン誘導体、ピリミジン誘導体、フルオランテン誘導体、多環式の芳香族炭化水素化合物、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、スピロフルオレン誘導体などが挙げられる。
[各層の形成方法]
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm~5μmの範囲である。
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm~5μmの範囲である。
陽極および陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
陽極および陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
なお、トリアジン化合物(1)を含む層を形成するには、上記の従来公知の電子輸送性材料と併用してもよい。したがって、例えば、トリアジン化合物(1)と従来公知の電子輸送性材料とを共蒸着してもよく、トリアジン化合物(1)の層に従来公知の電子輸送性材料の層を積層してもよい。
有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像をスクリーン等に投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として有機電界発光素を使用する場合、駆動方式としては、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式であってもよく、アクティブマトリクス方式であってもよい。また、異なる発光色を有する有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
トリアジン化合物(1)は、電子輸送層として用いた際に従来公知のトリアジン化合物に比べて、発光効率および長寿命特性が顕著に優れる有機電界発光素子を提供することができる。更に、トリアジン化合物(1)はその立体障害骨格によってアモルファス性が高く、高い膜質安定性を有する。このため有機電界発光素子の駆動安定性の向上や、発光効率の向上等の効果が得られる。またさらに、トリアジン化合物(1)は、その特徴的な骨格から、化学的安定性が高く、有機電界発光素子の長寿命化に寄与することが可能である。
トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子の電子輸送層として用いることで素子の低電圧駆動、高効率化および長寿命化のいずれも高次元に達成可能なトリアジン化合物を提供することができる。さらに、トリアジン化合物(1)を用いた、低電圧駆動、高効率化および長寿命化を発揮し得る有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
[1H-NMR測定]
1H-NMRの測定には、Bruker ASCEND HD(400MHz;BRUKER製)を用いた。1H-NMRは、重クロロホルム(CDCl3)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。また、試薬類は市販品を用いた。
1H-NMRの測定には、Bruker ASCEND HD(400MHz;BRUKER製)を用いた。1H-NMRは、重クロロホルム(CDCl3)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。また、試薬類は市販品を用いた。
[発光特性測定]
有機電界発光素子の発光特性は、25℃環境下、各実施例(後述)で作製した素子に直流電流を印加し、輝度計 BM-9(トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
有機電界発光素子の発光特性は、25℃環境下、各実施例(後述)で作製した素子に直流電流を印加し、輝度計 BM-9(トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
[化合物の合成]
合成参考例-1
5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)ベンゼン
合成参考例-1
5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)ベンゼン
アルゴン雰囲気下、5-クロロ-1,3-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン、(10.0g,27.3mmol)、2-ブロモピリジン(11.9g,71.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.12g,1.00mmol)をTHF(120mL)中に懸濁した。この懸濁液に、2M-炭酸ナトリウム水溶液(60mL)を加えた後、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水およびメタノ-ルを加えた。析出した固体をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ-(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、目的の5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)ベンゼンを得た。(6.21g,23.1mmol,85%)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.29(td,J=4.9,1.4Hz,2H),7.76-7.85(m,4H),8.07(d,J=1.6Hz,2H),8.51(t,J=1.7Hz,1H),8.72(dt,J=4.9,0.8Hz,2H).
1H-NMR(CDCl3)δ7.29(td,J=4.9,1.4Hz,2H),7.76-7.85(m,4H),8.07(d,J=1.6Hz,2H),8.51(t,J=1.7Hz,1H),8.72(dt,J=4.9,0.8Hz,2H).
合成参考例-2
2,4-ビス(2-ピリジル)-1-トリフルオロメタンスルホニルオキシベンゼン
2,4-ビス(2-ピリジル)-1-トリフルオロメタンスルホニルオキシベンゼン
1H-NMR(CDCl3)δ7.38-7.44(m,2H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.75(dt,J=7.9,0.9Hz,1H),7.86-7.96(m,3H),8.15(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),8.39(d,J=2.4Hz,1H),8.76-8.83(m,2H).
合成実施例-1
2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
アルゴン雰囲気下、4,6-ビス(4-ビフェニル)-2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1,3,5-トリアジン(4.89g,8.28mmol)、5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)ベンゼン(2.52g,9.31mmol)、酢酸パラジウム(60mg,0.29mmol)、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(254mg,0.58mmol)をTHF(80mL)中に懸濁した。この懸濁液に、2M-炭酸カリウム水溶液(13mL)を加えた後、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水およびメタノ-ルを加えた。析出した固体をろ取し、トルエンで再結晶することで、目的の2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)を得た。(5.00g,7.17mmol,87%)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.31(td,J=4.9,1.1Hz,2H),7.50(t,J=7.4Hz,4H),7.60-7.74(m,7H),7.80-7.86(m,6H),7.97(dt,J=8.0,1.0Hz,2H),8.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H),8.43(d,J=1.7Hz,2H),8.70(t,J=1.7Hz,1H),8.78(ddd,J=4.8,1.7,0.9Hz,2H),8.85(dt,J=7.9,1.4Hz,1H),8.89(dd,J=8.5,1.8Hz,4H),9.12(t,J=1.7Hz,1H).
1H-NMR(CDCl3)δ7.31(td,J=4.9,1.1Hz,2H),7.50(t,J=7.4Hz,4H),7.60-7.74(m,7H),7.80-7.86(m,6H),7.97(dt,J=8.0,1.0Hz,2H),8.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H),8.43(d,J=1.7Hz,2H),8.70(t,J=1.7Hz,1H),8.78(ddd,J=4.8,1.7,0.9Hz,2H),8.85(dt,J=7.9,1.4Hz,1H),8.89(dd,J=8.5,1.8Hz,4H),9.12(t,J=1.7Hz,1H).
合成実施例-2
2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’’,5’’-ビス(2-ピリジル)-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’’,5’’-ビス(2-ピリジル)-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
アルゴン雰囲気下、4,6-ビス(4-ビフェニル)-2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビフェニル-3’-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.15mmol)、5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)ベンゼン(48mg,0.18mmol)、酢酸パラジウム(2mg,0.01mmol)、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(8mg,0.02mmol)をTHF(1mL)中に懸濁した。この懸濁液に、2M-炭酸カリウム水溶液(0.3mL)を加えた後、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水およびメタノ-ルを加えた。析出した固体をろ取し、トルエンで再結晶することで、目的の2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’’,5’’-ビス(2-ピリジル)-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-58)を得た。(101mg,0.14mmol,95%)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.24(td,J=6.7,0.9Hz,2H),7.42(tt,J=7.4,1.2Hz,2H),7.50(t,J=7.7Hz,4H),7.64-7.73(m,6H),7.75-7.85(m,7H),7.92-7.96(m,3H),8.13(t,J=1.8Hz,1H),8.42(d,J=1.4Hz,2H),8.64(t,J=1.7Hz,2H),8.73(ddd,J=4.9,1.9,1.4Hz,2H),8.83(dt,J=8.8,1.7Hz,1H),8.87(dd,J=8.6,1.6Hz,4H),9.10(t,J=1.4Hz,1H).
1H-NMR(CDCl3)δ7.24(td,J=6.7,0.9Hz,2H),7.42(tt,J=7.4,1.2Hz,2H),7.50(t,J=7.7Hz,4H),7.64-7.73(m,6H),7.75-7.85(m,7H),7.92-7.96(m,3H),8.13(t,J=1.8Hz,1H),8.42(d,J=1.4Hz,2H),8.64(t,J=1.7Hz,2H),8.73(ddd,J=4.9,1.9,1.4Hz,2H),8.83(dt,J=8.8,1.7Hz,1H),8.87(dd,J=8.6,1.6Hz,4H),9.10(t,J=1.4Hz,1H).
合成実施例-3
2,4-ジフェニル-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
2,4-ジフェニル-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.23mmol)、5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)ベンゼン(67mg,0.27mmol)、酢酸パラジウム(2mg,0.01mmol)、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(8mg,0.02mmol)をTHF(2mL)中に懸濁した。この懸濁液に、2M-炭酸カリウム水溶液(0.4mL)を加えた後、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水およびメタノ-ルを加えた。析出した固体をろ取し、トルエンで洗浄することで、目的の2,4-ジフェニル-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-1)を得た。(111mg,0.22mmol,93%)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.31(ddd,J=7.5,4.6,1.1Hz,2H),7.56-7.64(m,6H),7.70(t,J=7.7Hz,1H),7.83(td,J=7.7,1.8Hz,2H),7.96(d,J=8.0Hz,2H),8.00(dt,J=7.7,1.3Hz,1H),8.42(d,J=1.1Hz,2H),8.69(t,J=2.0Hz,1H),8.76-8.83(m,7H),9.12(t,J=1.7Hz,1H).
1H-NMR(CDCl3)δ7.31(ddd,J=7.5,4.6,1.1Hz,2H),7.56-7.64(m,6H),7.70(t,J=7.7Hz,1H),7.83(td,J=7.7,1.8Hz,2H),7.96(d,J=8.0Hz,2H),8.00(dt,J=7.7,1.3Hz,1H),8.42(d,J=1.1Hz,2H),8.69(t,J=2.0Hz,1H),8.76-8.83(m,7H),9.12(t,J=1.7Hz,1H).
合成実施例-4
2,4-ジフェニル-6-[3’’,5’’-ビス(2-ピリジル)-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
2,4-ジフェニル-6-[3’’,5’’-ビス(2-ピリジル)-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[3’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.20mmol)、5-クロロ-1,3-ビス(2-ピリジル)-ベンゼン(57mg,0.25mmol)、酢酸パラジウム(2mg,0.01mmol)、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(8mg,0.02mmol)をTHF(2mL)中に懸濁した。この懸濁液に、2M-炭酸カリウム水溶液(0.4mL)を加えた後、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水およびメタノ-ルを加えた。析出した固体をろ取し、トルエンで洗浄することで、目的の2,4-ジフェニル-6-[3’’,5’’-ビス(2-ピリジル)-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-7)を得た。(106mg,0.19mmol,90%)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.29(ddd,J=7.7,4.1,1.2Hz,2H),7.54-7.71(m,8H),7.75-7.85(m,4H),7.93(d,J=8.2Hz,3H),8.10(t,J=1.7Hz,1H),8.41(d,J=1.6Hz,2H)8.64(t,J=1.7Hz,1H),8.73-8.81(m,7H),9.06(t,J=1.7Hz,1H).
1H-NMR(CDCl3)δ7.29(ddd,J=7.7,4.1,1.2Hz,2H),7.54-7.71(m,8H),7.75-7.85(m,4H),7.93(d,J=8.2Hz,3H),8.10(t,J=1.7Hz,1H),8.41(d,J=1.6Hz,2H)8.64(t,J=1.7Hz,1H),8.73-8.81(m,7H),9.06(t,J=1.7Hz,1H).
合成実施例-5
4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-[2’,4’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-[2’,4’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン
アルゴン雰囲気下、4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1,3,5-トリアジン(3.88g,6.60mmol),2,4-ビス(2-ピリジル)-1-トリフルオロメタンスルホニルオキシベンゼン(2.76g,7.26mmol),酢酸パラジウム(74mg,0.33mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(315mg,0.66mmol)をTHF(66mL)中に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液を加えた後、24時間加熱還流した。放冷後、反応混合液に水及びメタノールを加えた。生じた固体をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/クロロホルム)により精製することで、目的の4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-[2’,4’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-133)を得た。(2.23g,3.23mmol,49%)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.08-7.12(m,2H),7.27-7.29(m,1H),7.39-7.46(m,3H),7.47-7.55(m,6H),7.70-7.84(m,10H),7.92(d,J=8.0Hz,1H),8.25(dd,J=8.0,1.9Hz,1H),8.39(d,J=1.9Hz,1H),8.68-8.76(m,4H),8.79-8.84(m,4H).
1H-NMR(CDCl3)δ7.08-7.12(m,2H),7.27-7.29(m,1H),7.39-7.46(m,3H),7.47-7.55(m,6H),7.70-7.84(m,10H),7.92(d,J=8.0Hz,1H),8.25(dd,J=8.0,1.9Hz,1H),8.39(d,J=1.9Hz,1H),8.68-8.76(m,4H),8.79-8.84(m,4H).
合成参考例-3
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[4’-(4-ピリジル)ビフェニル-4-イル]-1,3,5-トリアジン
2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[4’-(4-ピリジル)ビフェニル-4-イル]-1,3,5-トリアジン
参考例として、2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-[4’-(4-ピリジル)ビフェニル-4-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物ETL-1)を合成した。尚、ETL-1は特許第2007-314503号公報の実施例22に記載と同様の方法で合成した。
ついで、得られた化合物を用いて素子評価を実施した。
素子実施例-1(図2参照)
(基板1、陽極2の用意)
陽極2をその表面に備えた基板1として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
陽極2をその表面に備えた基板1として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
(正孔注入層3の作製)
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンと1,2,3-トリス[(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンとを99:1(質量比)の割合で10nm成膜し、正孔注入層3を作製した。成膜速度は0.1nm/秒の速度であった。
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンと1,2,3-トリス[(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンとを99:1(質量比)の割合で10nm成膜し、正孔注入層3を作製した。成膜速度は0.1nm/秒の速度であった。
(第一正孔輸送層41の作製)
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンを0.2nm/秒の速度で85nm成膜し、第一正孔輸送層41を作製した。
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンを0.2nm/秒の速度で85nm成膜し、第一正孔輸送層41を作製した。
(第二正孔輸送層42の作製)
昇華精製したN-フェニル-N-(9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル)-N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミンを0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第二正孔輸送層42を作製した。
昇華精製したN-フェニル-N-(9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル)-N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミンを0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第二正孔輸送層42を作製した。
(発光層5の作製)
昇華精製した3-(10-フェニル-9-アントリル)-ジベンゾフランと2,7-ビス[N,N-ジ-(4-tertブチルフェニル)]アミノ-ビスベンゾフラノ-9,9’-スピロフルオレンとを95:5(質量比)の割合で20nm成膜し、発光層5を作製した。成膜速度は0.1nm/秒であった。
昇華精製した3-(10-フェニル-9-アントリル)-ジベンゾフランと2,7-ビス[N,N-ジ-(4-tertブチルフェニル)]アミノ-ビスベンゾフラノ-9,9’-スピロフルオレンとを95:5(質量比)の割合で20nm成膜し、発光層5を作製した。成膜速度は0.1nm/秒であった。
(正孔阻止層9の作製)
昇華精製した2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを0.05nm/秒の速度で6nm成膜し、正孔阻止層9を作製した。
昇華精製した2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを0.05nm/秒の速度で6nm成膜し、正孔阻止層9を作製した。
(電子輸送層6の作製)
合成実施例-2で合成した2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)および8-ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、電子輸送層6を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
合成実施例-2で合成した2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)および8-ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、電子輸送層6を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
(電子注入層7の作製)
Liqを0.02nm/秒の速度で1nm成膜し、電子注入層7を作製した。
Liqを0.02nm/秒の速度で1nm成膜し、電子注入層7を作製した。
(陰極8の作製)
最後に、基板1上のITOストライプ(陽極2)と直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
最後に、基板1上のITOストライプ(陽極2)と直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
以上により、図2に示すような発光面積4mm2有機電界発光素子100を作製した。なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
素子参考例-1
素子実施例-1において、電子輸送層6に、2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、合成参考例-3で合成したETL-1およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製した。
素子実施例-1において、電子輸送層6に、2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、合成参考例-3で合成したETL-1およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、上記発光特性測定に記載した方法に従って発光特性を評価した。
発光特性として、電流密度10mA/cm2を流した時の電圧(V)、電流効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命を測定した。当該素子寿命は初期輝度を1000cd/m2で駆動したときの連続点灯時の輝度減衰時間を測定し、輝度(cd/m2)が5%減じるまでに要した時間を測定した。なお、電圧(V)、電流効率(cd/A)および寿命の値は、素子参考例-1を100とした時の相対値で表した。結果を表1に示す。
素子実施例-2~素子実施例-5
素子実施例-1において、電子輸送層6に、合成実施例-2で合成した2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)に変えて、合成実施例-1、合成実施例-3、合成実施例-4、および合成実施例-5で合成したトリアジン化合物(1)をそれぞれ使用した以外は、素子実施例-1と同じ方法で、素子実施例-2~素子実施例-5の有機電界発光素子を作製した。
作製した素子実施例-2~素子実施例-5の有機電界発光素子に対して、上記素子実施例-1と同様な方法で発光特性を評価したところ、素子実施例-2~素子実施例-5についても、素子実施例-1と同様、素子参考例-1と比べ優れた駆動電圧特性と、発光効率特性と、素子寿命特性を示した。
素子実施例-1において、電子輸送層6に、合成実施例-2で合成した2,4-ビス(4-ビフェニル)-6-[3’,5’-ビス(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物A-37)に変えて、合成実施例-1、合成実施例-3、合成実施例-4、および合成実施例-5で合成したトリアジン化合物(1)をそれぞれ使用した以外は、素子実施例-1と同じ方法で、素子実施例-2~素子実施例-5の有機電界発光素子を作製した。
作製した素子実施例-2~素子実施例-5の有機電界発光素子に対して、上記素子実施例-1と同様な方法で発光特性を評価したところ、素子実施例-2~素子実施例-5についても、素子実施例-1と同様、素子参考例-1と比べ優れた駆動電圧特性と、発光効率特性と、素子寿命特性を示した。
参考例と比較した実施例の結果より、トリアジン化合物(1)を用いた有機電界発光素子は、駆動電圧特性と、発光効率特性と、素子寿命特性において、これらを高次元に達成し得ることが見出された。
1.基板
2.陽極
3.正孔注入層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.電子輸送層
7.電子注入層
8.陰極
9.正孔阻止層
41.第一の正孔輸送層
42.第二の正孔輸送層
100.有機電界発光素子
2.陽極
3.正孔注入層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.電子輸送層
7.電子注入層
8.陰極
9.正孔阻止層
41.第一の正孔輸送層
42.第二の正孔輸送層
100.有機電界発光素子
Claims (12)
- 下記式(1)で表されるトリアジン化合物。
Lは、2価の6員環芳香族炭化水素基、または2価の6員環含窒素芳香族基を表す。
nは1から4の整数を表す。ただしnが1のとき、Lはパラフェニレンにはならない。nが2、3または4のとき、Lは相異なっていてもよい。
Py1およびPy2は、各々独立に、メチル基、シアノ基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびピリジル基からなる群から選択される基で1つまたは2つ置換されていてもよいピリジル基を表す。) - Ar1およびAr2が、シアノ基およびメチル基で1つ以上置換されていてもよい、炭素数6から18の芳香族炭化水素基であって、前記芳香族炭化水素基は、単環もしくは縮合環、またはこれらの環から選ばれるいずれかの環が連結した連結環からなる、請求項1に記載のトリアジン化合物。
- Ar1およびAr2が、シアノ基またはメチル基で1つ以上置換されていてもよい、フェニル基、ナフチル基、およびビフェニリル基の基から選ばれるいずれかの基である、請求項2に記載のトリアジン化合物。
- Ar1およびAr2が、フェニル基、またはビフェニリル基である、請求項2または3に記載のトリアジン化合物。
- Lが、フェニレン基またはピリジレン基である、請求項1から4のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
- Lが、メタフェニレン基またはオルトフェニレン基である、請求項1から4のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
- nが1または2である、請求項1から6のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
- Py1およびPy2が、各々独立に、メチル基、シアノ基、およびフェニル基からなる群から選択される基で1つ置換されていてもよいピリジル基である、請求項1から7のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
- Py1およびPy2が、2-ピリジル基である、請求項1から8のいずれか1項に記載のトリアジン化合物。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用材料。
- 前記有機電界発光素子用材料が、有機電界発光素子用電子輸送材料である、請求項10に記載の有機電界発光素子用材料。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子。
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JP2021167010A JP2023057461A (ja) | 2021-10-11 | 2021-10-11 | ジピリジルフェニル基を有するトリアジン化合物 |
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JP2021167010A Pending JP2023057461A (ja) | 2021-10-11 | 2021-10-11 | ジピリジルフェニル基を有するトリアジン化合物 |
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2021
- 2021-10-11 JP JP2021167010A patent/JP2023057461A/ja active Pending
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