JP2023056557A - 知能生成システム、方法およびプログラム - Google Patents

知能生成システム、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】デザイナーがエレメントを設計しなくても、ユーザと複数のペルソナが対話することを通じて、新たなペルソナを生成する。【解決手段】知能生成システムは、ユーザによって選択された第1のペルソナとユーザとの間の第1の対話を、対話アプリケーションを介して実行し、第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、対話候補の第2のペルソナを選択し、ユーザに提供することと、ユーザによって選択された第2のペルソナとユーザとの間の第2の対話を、対話アプリケーションを介して実行し、第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部と、第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部とに基づいて、第3のペルソナに関連付けられるルールツリーを生成することを実行する。【選択図】図7

Description

本発明は、デザイナーがエレメントを設計することなく、複数のペルソナに基づいて新たなペルソナを生成する知能生成システム、方法およびプログラムに関する。
様々な分野における専門家の知識を活用するためのエキスパートシステムが知られている(特許文献1)。特許文献1のエキスパートシステムは、各種の事例に関するデータに基づいて事例ベースを生成し、事例ベースから決定木を生成し、決定木に基づいてユーザに対してコンサルティングを行う。このエキスパートシステムは、事例ベースの蓄積に伴って、決定木を自動的に更新することにより好適な決定木を生成する。
人は、仕事、家庭、地域、趣味等の様々な場面での他者と関わりに応じて複数の人格(ペルソナ)を持ち得る。一般的に「ペルソナ」という用語は、人の属性等から消費行動を想定し、モデル化された顧客像を指す。このため、エキスパートシステムなどのAI技術を使用して人間のペルソナが生成される試みが行われている。
特許5572615号公報
しかしながら、従来の技術では、人間であるデザイナーがエレメントを設計した上で、専門家などのドナーが持つ知見をシステムが取り入れて決定木(ツリー)を生成する段階に止まっており、個々のユーザのニーズに沿ったペルソナを生成するのは困難であった。
従来の技術において、専門家ではない個人がドナーとなって、ツリーを生成することによってその個人のペルソナを生成することができたとしても、やはり、デザイナーがエレメントを設計する必要があったため、予め用意された会話の文言を使って対話を行うシステムに止まっていた。
ペルソナの利用が広まってくると、人間がペルソナを介してコンピュータともっと自由に会話したいという要求が高まってくるが、従来の技術では、ユーザとペルソナが自由な会話を行うことはできず、また、多様性のあるユーザのペルソナを柔軟に生成することができなかった。
本発明は、デザイナーがエレメントを設計しなくても、ユーザと複数のペルソナが対話することを通じて、新たなペルソナを生成する知能生成システム、方法およびプログラムを提供する。
本発明の一態様である知能生成システムは、
ユーザによって選択された第1のペルソナと前記ユーザとの間の第1の対話を、対話アプリケーションを介して実行し、前記第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、
対話候補の第2のペルソナを選択し、前記ユーザに提供することと、
前記ユーザによって選択された第2のペルソナと前記ユーザとの間の第2の対話を、前記対話アプリケーションを介して実行し、前記第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、
前記第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部と、前記第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部とに基づいて、第3のペルソナに関連付けられるルールツリーを生成することと
を実行するように構成される。
本発明によれば、専門家でない一般のユーザが複数のペルソナと会話することを通じて多様性のあるユーザのペルソナを生成することができるようになる。
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
本発明の一実施形態に係る知能生成システム10を含むシステム全体の構成図である。 本発明に係る知能生成システム10のシステム構成図である。 知能生成システム10に多重に格納されているルールツリーの一例を示す図である。 知能生成システム10が備え得る機能モジュールの一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るペルソナ集合体の学習を例示するフロー図である。 デザイナーが関与してペルソナが生成される第1のケースと、デザイナーが関与しないでペルソナが生成される第2のケースを説明する図である。 知能生成システム10が、ユーザと複数のペルソナとの間の対話に基づいて新たなペルソナを生成する処理について説明する図である。 図7の処理フローにしたがって新たなペルソナのルールツリーが生成されるイメージを説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。複数の図面において同一の符号は同一の要素を表し、重複した説明は省略する。本明細書において説明されるペルソナ化(本明細書では「AI化」と同義で使用する)する対象は、一般のユーザであり、特定の分野の専門家に限定されない。対話したペルソナおよびその対話内容によって、一般のユーザのペルソナが有するルールツリーは異なってくる。本明細書で挙げる例は、あくまでも一例であって、本明細書の記載によって何らかの制限を意図したものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る知能生成システム10を含むシステム全体の構成図である。図1に示すように、知能生成システム10は、ユーザ端末11と相互に通信可能に接続されている。
図1では、説明の便宜上、知能生成システム10およびユーザ端末11は、1つずつしか示されていないが、これらは複数存在し得る。本明細書で説明する知能生成システム10が行う機能をネットワーク接続された複数のシステムにて分散して行うことも可能である。
知能生成システム10は、ユーザによって登録されたユーザ情報と、ペルソナに関連付けられるルールツリー(決定木)を格納している。詳細に言えば、知能生成システム10は、第1の機械学習ツールおよび第2の機械学習ツールを有している。第1の機械学習ツールは、入力データに基づく事例を「条件属性(エレメント)」および「結論属性(ターゲット)」の組で表現することができる。機械学習ツールはまた、事例を元に観測された「条件属性値(エレメントバリュー)」から「結論属性値(ターゲットバリュー)」を推定するルールを決定木の形式(本明細書では「ルールツリー」という)で学習し、知能生成システム10に格納することができる。
第1の機械学習ツールは、予め設定された質問項目(エレメント)の応答の仕方(エレメントバリュー)に基づいて自動的にルールツリーを辿ることによって、ターゲットバリューを出力することができる。予め設定された質問項目(エレメント)の応答の仕方(エレメントバリュー)は、デザイナーによって設計されたものであってよい。すなわち、第1の機械学習ツールによって生成されるルールツリーは、デザイナーによって設計され、予め定められたドナーの知見に基づくものであってよい。
第2の機械学習ツールは、ユーザが複数のペルソナと対話した内容、すなわち、それぞれのペルソナのルールツリーを辿る途中で選択したエレメントおよびエレメントバリューを統合して、新たなルールツリーを生成することができる。新たに生成されたルールツリーは、エレメントがデザイナーによって予め設定されていたものではなく、ユーザと複数のペルソナとの対話過程でエレメントが取捨選択されて生成された決定木を示す。
知能生成システム10は、仲介ツールを含む対話アプリケーションをユーザ端末11に提供することによってユーザとペルソナとの間の対話の送受信を制御することができる。知能生成システム10は、受信した対話のデータを入力データとしてキャッシュ情報化する。仲介ツールは、知能生成システム10に格納されているユーザ情報および/または対話アプリケーションを通じて取得したユーザのメッセージ、画像、動画などのデータに基づいて、対話候補となるペルソナを検索し、1つまたは複数のペルソナをユーザに紹介することができる。
紹介されたペルソナの中から、ユーザによってペルソナが選択されると、ペルソナとユーザによる対話が対話アプリケーションを介して開始される。仲介ツールは、対話の途中でユーザが発した会話内容に基づいて別のペルソナをさらに紹介することができる。
ユーザ端末11は、ユーザによって使用される端末であり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォンやタブレット端末などの通信機能を備えたコンピュータとすることができるが、特定の装置に限定されない。
ユーザ端末11は、知能生成システム10によって提供される対話アプリケーションを介して、複数のペルソナと会話することができる。詳細に言えば、ユーザ端末11は、知能生成システム10がルールツリーを辿る途中で選択したエレメントおよびエレメントバリューに対応したテキスト、画像、動画等のデータを、対話アプリケーションを介して受信し、そのディスプレイに表示する。ユーザは、表示されたデータに対する応答をユーザ端末11に入力し、ユーザ端末11は、入力された応答を知能生成システム10に送信する。このようなコミュニケーションを通じて、ユーザは、ユーザ端末11を介して複数のペルソナと会話することができる。
(システム構成)
図2は、本発明に係る知能生成システム10のシステム構成図である。知能生成システム10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104および出力部105を備える。知能生成システム10は、補助記憶部103内のファイル/データベースなどの記憶手段として、ユーザ情報106およびペルソナ107を備える。
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、知能生成システム10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行できる。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶できる。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を同一のコンピュータ内に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、知能生成システム10は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、知能生成システム10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
なお、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104および出力部105と同様な機能の構成要素は、ユーザ端末11にも存在するが、本明細書ではこれらについての説明を省略する。
ユーザ情報106は、本発明に係る知能生成システム10を利用してペルソナを生成するユーザについての情報を格納する。ユーザは、ユーザ自身の所定の情報(例えば、氏名、生年月日、性別、家族構成、趣味、特技など)を、ユーザ端末11を介して登録し、および更新する。ユーザ情報106のデータ内容は、特に限定されない。
ペルソナ107は、第1の機械学習ツールおよび第2の機械学習ツールによって生成されたルールツリーとテーブルを格納する。図3は、知能生成システム10に多重に格納されているルールツリーの一例を示す図である。ルールツリー301は、ユーザAに関連付けられるルールツリーであり、ユーザAの知見に基づいて生成され、格納されている。ルールツリー302は、ユーザBに関連付けられるルールツリーであり、ユーザBの知見に基づいて生成され、格納されている。ルールツリー301およびルールツリー302は、第1の機械学習ツールによって生成され、更新される。
ルールツリー303は、ユーザCがユーザAのペルソナおよびユーザBのペルソナと対話した結果、生成され、格納されたルールツリーである。ルールツリー303は、第2の機械学習ツールによって生成され、更新される。ルールツリー303は、ルールツリー301の一部のツリー構造とルールツリー302の一部のツリー構造を含むことができる。
具体的な例として、ユーザAがファッションコーディネーターであり、ユーザBがメークアップアーティストであるとする。ユーザCは、ユーザCのユーザ情報(例えば、性別、年齢、趣味など)および/またはユーザAのペルソナおよびユーザBのペルソナとの対話内容に基づいて自分自身のファッションについての知見を増やしていくことができ、第2の機械学習ツールは、ユーザCのペルソナであるルールツリー303を生成することができる。ルールツリー303は、ルールツリー301の一部とルールツリー302の一部に基づくことができる。
それぞれのルールツリーは、テーブルと関連付けられている。知能生成システム10は、ユーザとペルソナの対話によって得られた事例をテーブルに格納する。テーブルは、模倣するユーザの世界観を表す情報を含んでいる。テーブルは、入力データに基づいてルールツリーを辿って(オートコンサルティングを行って)得られた事例を集積する。すなわち、知能生成システム10は、ユーザとペルソナのコミュニケーションの内容を分析することによって、人の感性、思考、ノウハウ等の情報を得て、テーブルに格納する。テーブルに含まれる情報は、誰に対してオートコンサルティングを行い、得られた事例かによって異なる。すなわち、Aという人から得られた事例、Bという人から得られた事例等に応じて、事例ごとにテーブルが複数用意される。テーブルは、一意となるアドレス、ID等によって呼び出すように実装されてもよい。
ユーザを模倣するペルソナは、例えば仕事、家庭、地域、個人、趣味等の細分化されたペルソナを含むペルソナ集合体として表すことができる。例えば、栄養士のペルソナ集合体は、仕事内容に応じた細分化されたペルソナ単体を含むものとして表すことができる。ペルソナ集合体がどのようなペルソナを含むかはデザインに応じて異なり、例えば人のあらゆる側面を模倣する場合には数千個の細分化されたペルソナ単体を含んでもよい。ペルソナ集合体は、例えば一意となるアドレスと関連付けられ、ネットワーク上の任意のデータベースに登録され得る。ペルソナ集合体は、アドレスをキーとして呼び出すことによって、任意のデバイスから利用できる。
ペルソナ集合体に含まれるペルソナ単体は、1つまたは複数のルールツリーおよびテーブルを含む。ペルソナ集合体がただ1つのペルソナ単体を含む場合、ペルソナ集合体とペルソナ単体とは等しくなる。ペルソナ集合体は、複数のペルソナ単体を予め定義し、多量のサンプル事例を集積することによって、平均的な初期のモデルを生成してもよい。初期のペルソナ集合体は、テーブル、ルールツリー等を更新すること等によって変化し得る。
図4を参照しながら、知能生成システム10が備え得る機能モジュールの一例を説明する。知能生成システム10は、メインモジュール401を備える。メインモジュール401は、指定されたペルソナ集合体とテーブルをアクティブにするmain文である。メインモジュール401はまた、知能生成システム10への入力データをキャッシュ情報化する。入力データは、知能生成システム10によって提供される対話アプリケーションなどのプログラムを介して収集されることが可能である。
知能生成システム10は、反映モジュール402を備える。反映モジュール402は、ルールツリーを辿って得られた事例等を記録し、テーブルに反映する。反映モジュール402はまた、1つまたは複数のルールツリーにエレメントバリューの情報を連携する。エレメントバリューの連携によって、入力データから得られたエレメントバリューに基づいて、複数のルールツリーを同時進行で辿ることができ、重複が生じない。連携されたエレメントバリューは、1つまたは複数のルールツリーのうちのいずれかのエレメントに対応付けられると、対応付けられたエレメントの次のエレメントを辿るようにオートコンサルティングが行われてもよい。このようにすることで、「そういえば、〇〇は?」という具合に異なるルールツリーやエレメントの順であっても辿ることができ、単独のルールツリーを順番に辿るよりも人間的/自然なオートコンサルティングを行うことができる。
知能生成システム10は、選択モジュール403を備える。入力データに基づいてなされたルールツリーに対する反応がテーブルに反映されると、選択モジュール403は、記録された反応に対する処理の選択を促す。選択モジュール403は、例えば入力データを事例として単に蓄積するか否か、学習するか否か等の選択を可能にする。知能生成システム10は、選択を容易にするためのGUIを備えてもよい。
知能生成システム10は、ペルソナ集合体更新モジュール404を備える。ペルソナ集合体更新モジュール404は、テーブルに記録した事例、ルールツリーに対する反応を第1の機械学習ツールまたは第2の機械学習ツールによって学習する。学習によって、テーブル、ルールツリー等が更新される。ペルソナ集合体更新モジュール404は、ペルソナ集合体に含まれるペルソナ単体のルールツリーを新しく生成することもできる。
知能生成システム10は、誘導モジュール405を備える。誘導モジュール405は、ペルソナ集合体とユーザとの間のコミュニケーションに基づいて、ユーザのペルソナを生成する。誘導モジュール405は例えば、「この質問項目ではこのように応答する」等の事例におけるエレメントとエレメントバリューとの組み合わせを分析し、「このように応答したときはどのような状況か」という事例を生成する。誘導モジュール405は、ユーザの反応に基づいて生成された事例に沿うように1つまたは複数のルールツリーを生成する。誘導モジュール405は、生成された1つまたは複数のルールツリーに基づいて、ユーザのペルソナを生成することができる。誘導モジュール405は、第2の機械学習ツールとも呼ぶことができる。
知能生成システム10は、ペルソナ集合体起動モジュール406を備える。ペルソナ集合体起動モジュール406は、他のペルソナ集合体を起動でき、ユーザと他のペルソナ集合体との間のコミュニケーションを可能にする。
知能生成システム10は、ペルソナ起動モジュール407を備える。ペルソナ起動モジュール407は、ユーザとペルソナ集合体の対話の途中で他のペルソナ集合体に含まれるペルソナ単体を(例えば、一意に関連付けられたアドレスに基づいて)起動でき、起動したペルソナに関連付けられるルールツリーを利用可能にする。かかる場合、元のペルソナ集合体のテーブルと起動されたペルソナのテーブルは、連結されて一体のものとして扱われ得る。さらに、対話の中で入力されたデータは、元のペルソナ集合体と起動されたペルソナの両方によって利用され得る。
知能生成システム10は、出力モジュール408を備える。出力モジュール408は、ルールツリーを辿る途中で選択されたエレメントおよびエレメントバリューに対応したテキスト、画像、動画等のデータをユーザ端末11に出力する。出力モジュール408は、エレメントバリューが所定の条件を満たすかどうか等に応じて出力を変更させてよい。
図5は、本発明の一実施形態に係るペルソナ集合体の学習を例示するフロー図である。本フローでは、第1の機械学習ツールによってペルソナ集合体の学習する場面について説明する。
S501:知能生成システム10は、対話アプリケーションを介して取得されたテキストデータ、画像、動画などの入力データを収集する。
S502:知能生成システム10は、入力データに基づいてルールツリーを辿り、事例を集積する。知能生成システム10は、入力データから得られたエレメントおよびエレメントバリューに基づいてルールツリーを辿り、必要に応じて追加のメッセージを、対話アプリケーションを介してユーザ端末11に送信する等を行い、事例の集積を行う。集積した事例やユーザの反応は、テーブルに記録される。
S503:知能生成システム10は、集積した事例を単に記録するか、第1の機械学習ツールに利用するかどうかを選択する。ここでは、第1の機械学習ツールに利用すると選択するものとする。
S504:知能生成システム10は、テーブルに記録した事例、ルールツリーに対するユーザの反応を第1の機械学習ツールによって学習する。
S505:知能生成システム10は、集積した事例に基づいてルールツリーを生成する。ルールが追加されることで、ペルソナ集合体は、事例を学習したことになる。知能生成システム10はまた、生成された1つまたは複数のルールツリーに基づいて、ユーザのペルソナを生成してもよい。
本発明の一実施形態では、知能生成システム10により生成されたユーザのペルソナは、他の様々なペルソナとネットワークを介して接続されるプラットフォームを構築できる。このようなプラットフォームは、ペルソナが提供するサービスを必要なときに利用可能となり得る。さらに、ユーザのペルソナ集合体が、所定のイベントに基づいて、対話アプリケーション等を介して他のペルソナ集合体あるいはペルソナと相互通信することにより、自動的に機械学習を行うこともできる。
上記の実施形態では、ユーザのペルソナ集合体やペルソナ単体(両者を合わせて単に「ペルソナ」または「ペルソナAI」と呼ぶこともある)を生成する処理を説明した。ペルソナは、デザイナーが関与して生成されるケースと、関与せずに生成されるケースがある。以下、最初にデザイナーが関与してペルソナが生成される第1のケースを説明し、その次に、デザイナーが関与しないでペルソナが生成される第2のケースを説明する。
図6は、デザイナーが関与してペルソナが生成される第1のケースと、デザイナーが関与しないでペルソナが生成される第2のケースを説明する。第1のケースでは、デザイナー兼ドナー611が、ペルソナをデザインし、事例を登録してペルソナを生成し、一般のユーザ612にペルソナを公開する。この実施形態では、デザイナーとドナーは同一人物であるが、別人であっても構わない。その場合、デザイナーがペルソナをデザインした後、ドナーが事例を登録することによりペルソナが生成されることとなる。第2のケースでは、ユーザ612は、複数のペルソナと第2のアプリ602などの対話アプリケーションを介してコミュニケーションを行い、新たなペルソナを生成する。
第1のアプリ601および第2のアプリ602は、知能生成システム10によって提供される。本明細書では、ドナーは、模倣対象となる人であり、ペルソナを生成する元となる人を意味する。また、本明細書では、学習という用語は、機械学習という用語と交換可能に使用され得る。
第1のケースでは、デザイナー兼ドナー611が、第1のアプリ601を使用して、ペルソナをデザインし、事例を登録することにより、知能生成システム10がルールツリーを生成する。生成したペルソナは第2のアプリ602に公開される。図6は、知能生成システム10によって実行される、第1のアプリ601および第2のアプリ602の利用形態を説明する図である。
第1のアプリ601は、ペルソナのデザイナー兼ドナーの端末611によって利用されるアプリケーションである。デザイナー兼ドナーは、端末611を介して知能生成システム10にアクセスし、第1のアプリ601を起動する。第1のアプリ601は、限定はされないが以下の機能を有する。
・ペルソナの生成
・エレメントおよびエレメントバリューの生成
・エレメントおよびエレメントバリューに関連付けられるコメントや動画像の設定
・エレメントバリューのエイリアス(別名)の設定
・エレメントバリューに関連付けられる聞き直しコメントの設定
・回答の記憶
・第2のアプリ602で指定されたエレメントまたはエレメントバリューに到達した際に実行する追加機能(例えば、他のツリーの呼び出し、など)の設定
・事例の登録、ルールツリーの生成
ここで、図3を参照しながら、デザイナー兼ドナー611が、任意のペルソナ(例えば、タレントAのペルソナ)をデザインし、事例を登録してルールツリー301を生成する一例を説明する。デザイナー兼ドナー611は、第1のアプリ601を介して、任意のペルソナを生成し、タレントAに関連付けられるエレメントおよびエレメントバリューを設定する。デザイナー兼ドナー611は、第1のアプリ601を介して、様々な事例を登録し、第1のアプリ601は、登録された事例をルールツリー301として学習する。事例は、エレメントおよびエレメントバリューの組み合わせであってよい。
デザイナー兼ドナー611は、第1のアプリ601を介して、ルールツリー301におけるそれぞれのエレメントまたはエレメントバリューごとに追加機能を設定することができる。例えば、ペルソナのあるエレメントには、他のペルソナを呼び出す機能を設定することができる。一方、デザイナー兼ドナー611は、他のペルソナのあるエレメントについて元のペルソナを呼び出す機能を設定することができる。これにより、知能生成システム10は、複数のペルソナに関連付けられたルールツリーを辿ることができるようになる。
図3の例では、デザイナー兼ドナー611が生成したペルソナは、単一のルールツリー301を有するように示されているが、これは単なる例に過ぎない。ペルソナは、複数のルールツリー(例えば、ルールツリー301、302)を有することができ、ルールツリーのいくつかは互いに関連付けられていることが可能である。
上記の第1のケースでは、デザイナーがペルソナの生成に関与する実施形態を説明したが、次に、デザイナーがペルソナの生成に関与しない第2のケースを説明する。
デザイナー兼ドナー611によるペルソナの生成が完了すると、知能生成システム10は、デザイナー兼ドナーの端末611からの指示に応答して、生成されたペルソナを第2のアプリ602に公開することができる。
第2のアプリ602は、一般ユーザの端末612によって利用される。ユーザは、端末612を介して知能生成システム10にアクセスし、第2のアプリ602を起動する。第2のアプリ602は、以下の機能を有する。
・ユーザに関連付けられる情報に基づいて、会話する対象となるペルソナの検索、表示、選択(仲介ツールとしての機能)
・ユーザと複数のペルソナとの会話を通じて、新たなエレメントバリューをルールツリーに追加して新しいペルソナを生成する。新たに生成されたペルソナは、複数のペルソナに関連付けられるそれぞれのルールツリーの一部または全てを含んでいる
・他のペルソナの呼び出し、呼び出し回数の記録
ここで、図7を参照しながら、知能生成システム10が、ユーザと複数のペルソナとの間の対話に基づいて新たなペルソナを生成する処理について説明する。
S701にて、知能生成システム10は、ユーザ端末11からの要求に応答して、ユーザに関連付けられるユーザ情報を読み出し、読み出したユーザ情報に基づいて対話候補の第1のペルソナを選択し、ユーザ端末11に提供する。紹介される第1のペルソナは複数であってもよい。対話相手となる第1のペルソナがユーザによって選択される。
S702にて、ユーザと第1のペルソナとの間の対話が第2のアプリ602などの対話アプリケーションを介して行われる。知能生成システム10は、対話アプリケーションを介してユーザのテキストメッセージ、画像、動画等のデータを受信し、第1のペルソナに関連付けられるルールツリーを辿ることによってユーザに対する応答を決定し、ユーザ端末11に応答を送信する。知能生成システム10は、対話に基づいて辿られたルールツリーのエレメントおよびターゲットエレメント、並びにそれらの値(バリュー)を取得して記憶する。
S703にて、知能生成システム10は、対話候補の第2のペルソナを選択し、ユーザ端末11に提供する。第2のペルソナは、対話の間にユーザが発した内容に基づいて選択されてもよいし、あるいは、新たに対話を開始するユーザが対話相手として希望するペルソナの条件に基づいて選択されてもよい。第2のペルソナは複数であってもよい。対話相手となる第2のペルソナがユーザによって選択される。
S704にて、ユーザと第2のペルソナとの間の対話が第2のアプリ602などの対話アプリケーションを介して行われる。知能生成システム10は、対話アプリケーションを介してユーザのテキストメッセージ、画像、動画等のデータを受信し、第2のペルソナに関連付けられるルールツリーを辿ることによって応答を決定し、ユーザ端末11に応答を送信する。知能生成システム10は、対話に基づいて辿られたルールツリーのエレメントおよびターゲットエレメント、並びにそれらの値(バリュー)を取得して記憶する。
S705にて、知能生成システム10は、記憶された第1のペルソナに関連付けられるルールツリーのエレメントおよびターゲットエレメント、並びにそれらの値(バリュー)と、記憶された第2のペルソナに関連付けられるルールツリーのエレメントおよびターゲットエレメント、並びにそれらの値(バリュー)とに基づいて新たなペルソナのルールツリーを生成する。上述したように、第3のペルソナのルールツリーの生成は、デザイナーによるエレメントおよびエレメントバリューの設計が行われることなく、実行される。
図8を参照して、図7の処理フローにしたがって新たなペルソナのルールツリーが生成されるイメージを説明する。
まず、ユーザ801は、ペルソナ802と対話アプリケーションを介して第1の対話811を行う。ペルソナ802は、複数のルールツリーとテーブルを有している。ペルソナ802は、例えば、ファッションコーディネーターのペルソナであってよく、ユーザ801は、自分の好みや洋服を着るシチュエーションなどを相談しながら、ユーザ801に似合う洋服を選んでいく。第1の対話811は、ペルソナ802のルールツリーの一部分(エレメントおよびエレメントバリュー)を辿って行われ、使用されたルールツリーの一部分は知能生成システム10によって記憶される。
次に、ユーザ801は、ペルソナ803と対話アプリケーションを介して第2の対話812を行う。ペルソナ803は、複数のルールツリーとテーブルを有している。ペルソナ803は、例えば、メークアップアーティストのペルソナであってよく、ユーザは、選んだ洋服とTPOに合わせたメークのやり方を相談しながら、メークのやり方を学んでいく。第2の対話812は、ペルソナ803のルールツリーの一部分(エレメントおよびエレメントバリュー)を使用して行われ、使用されたルールツリーの一部分は知能生成システム10によって記憶される。
知能生成システム10は、記憶したそれぞれのペルソナ802、803のルールツリーの一部分に基づいて新たなペルソナ804のルールツリーを生成する(813)。生成されたペルソナ804のルールツリーは、ペルソナ802のルールツリーの一部分およびペルソナ803のルールツリーの一部分に基づいて生成されており、デザイナーによって設計されて生成されたものではない。
図8を参照して説明したように、本発明では、複数のペルソナとの対話の内容に基づいて新たなペルソナが生成される。上記の例において新たに生成されたペルソナ804は、例えば、ユーザと同じ世代のファッションに関心がある他のユーザの対話相手のペルソナとなり得る。このようにして、本発明によれば、デザイナーによる関与がなくても、複数のペルソナとの対話に基づいて、新たなペルソナを生成することができるようになる。ユーザは、対話した複数のペルソナに従って、多様性のある自分自身のペルソナを生成することができる。
本発明の一実施形態は、プログラムモジュール等のコンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令という一般的文脈で説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のジョブを実行する、または特定の抽象データ型を実現する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造等を含む。本発明の一実施形態はまた、分散コンピューティング環境で実現することができ、ジョブは、通信ネットワークを通して接続された遠隔処理装置によって実行される。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールを、ローカルコンピュータストレージ媒体および遠隔コンピュータストレージ媒体内に配置することができる。
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能である。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を採用することが可能である。

Claims (7)

  1. ユーザによって選択された第1のペルソナと前記ユーザとの間の第1の対話を、対話アプリケーションを介して実行し、前記第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、
    対話候補の第2のペルソナを選択し、前記ユーザに提供することと、
    前記ユーザによって選択された第2のペルソナと前記ユーザとの間の第2の対話を、前記対話アプリケーションを介して実行し、前記第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、
    前記第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部と、前記第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部とに基づいて、第3のペルソナに関連付けられるルールツリーを生成することと
    を実行するように構成された知能生成システム。
  2. 前記第3のペルソナに関連付けられるルールツリーを生成することは、デザイナーによるエレメントおよびエレメントバリューの設計が行われることなく、実行される、請求項1の知能生成システム。
  3. 前記第1の対話を実行することは、
    前記ユーザから受信したデータに基づいて、前記第1のペルソナに関連付けられるルールツリーを辿ることによって前記ユーザに対する応答を決定して、送信することと、
    前記ルールツリーを辿って前記第1の対話に関連するエレメントおよびエレメントバリューを記憶することと
    を含む、請求項1の知能生成システム。
  4. 前記第2のペルソナの選択は、前記第1の対話の間に前記ユーザが発した内容に基づいて行われ、または、前記第2の対話を開始する前記ユーザが対話相手として希望するペルソナの条件に基づいて行われる、請求項1の知能生成システム。
  5. 前記第2の対話を実行することは、
    前記ユーザから受信したデータに基づいて、前記第2のペルソナに関連付けられるルールツリーを辿ることによって前記ユーザに対する応答を決定して、送信することと、
    前記ルールツリーを辿って前記第2の対話に関連するエレメントおよびエレメントバリューを記憶することと
    を含む、請求項1の知能生成システム。
  6. 知能生成システムによって実行される方法であって、
    ユーザによって選択された第1のペルソナと前記ユーザとの間の第1の対話を、対話アプリケーションを介して実行し、前記第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、
    対話候補の第2のペルソナを選択し、前記ユーザに提供することと、
    前記ユーザによって選択された第2のペルソナと前記ユーザとの間の第2の対話を、前記対話アプリケーションを介して実行し、前記第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部を記憶することと、
    前記第1の対話に関連付けられるルールツリーの一部と、前記第2の対話に関連付けられるルールツリーの一部とに基づいて、第3のペルソナに関連付けられるルールツリーを生成することと
    を備える方法。
  7. コンピュータに、請求項6に記載の方法を実行させるためのプログラム。
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