JP2023056384A - マルチ荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

マルチ荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Abstract

【目的】マルチビーム描画において、各ビームの位置ずれ補正をドーズ変調により行う場合におけるドーズ変調率の増大を抑制可能な装置を提供する。【構成】本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、マルチ荷電粒子ビームの設計上の照射位置となる複数の設計グリッドの設計グリッド毎に、マルチ荷電粒子ビームのうち、対象ビームの設計グリッドから実際の照射位置が最も近い第1のビームを特定する特定部52と、設計グリッド毎に、マルチ荷電粒子ビームから第1のビームを含む2つ以上のビームで構成される複数の組み合わせを設定する設定部56と、設計グリッド毎、かつ、複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出するドーズ分配率算出部58と、設計グリッド毎に、第1のビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する組み合わせ選択部62と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、マルチビーム描画によるパターンの寸法ずれを低減する手法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、マスクブランクスへ電子線を使ってマスクパターンを描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小されることによりマスク像が縮小されて、偏向器で偏向されることにより試料上の所望の位置へと照射される。
マルチビームでは、光学系の特性上、露光フィールドに歪が生じ、かかる歪等によって、個々のビームの照射位置が理想グリッドからずれてしまう。しかし、マルチビームでは、個々のビームを個別に偏向することは難しいので個々のビームの試料面上の位置を個別に制御することは困難である。そのため、各ビームの位置ずれをドーズ変調によって補正することが行われる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ドーズ変調により位置ずれを補正する場合、ドーズ変調後の各ビームのドーズ変調率のうちの最大変調率が大きくなってしまう場合があるといった問題があった。最大変調率が大きくなるのに伴い、最大照射時間が長くなってしまう。
特開2019-029575号公報
本発明の一態様は、マルチビーム描画において、各ビームの位置ずれ補正をドーズ変調により行う場合におけるドーズ変調率の増大を抑制可能な装置及び方法を提供する。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
マルチ荷電粒子ビームを形成するビーム形成機構と、
マルチ荷電粒子ビームの設計上の照射位置となる複数の設計グリッドの設計グリッド毎に、マルチ荷電粒子ビームのうち、対象ビームの設計グリッドから実際の照射位置が最も近い第1のビームを特定する特定部と、
設計グリッド毎に、マルチ荷電粒子ビームから第1のビームを含む2つ以上のビームで構成される複数の組み合わせを設定する組み合わせ設定部と、
設計グリッド毎、かつ、複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームに、分配後の各分配ドーズ量の総和が当該設計グリッドに照射される予定のドーズ量と同等になるように当該設計グリッドに照射される予定のドーズ量を分配するための、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する分配率算出部と、
設計グリッド毎に、第1のビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する組み合わせ選択部と、
前記マルチ荷電粒子ビームのビームアレイ全体における設計グリッド毎に選択される組み合わせを構成する前記2つ以上のビームへのドーズ分配率に応じて、ビームの設計上の照射位置毎に分配された前記ドーズ量を当該照射位置のドーズ量に加算することにより補正し、この補正された補正ドーズ量を出力するドーズ補正部と、
前記補正ドーズ量のマルチ荷電粒子ビームを用いて、試料にパターンを描画する描画機構と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
マルチ荷電粒子ビームを形成する工程と、
マルチ荷電粒子ビームの設計上の照射位置となる複数の設計グリッドの設計グリッド毎に、マルチ荷電粒子ビームのうち、対象ビームの設計グリッドから実際の照射位置が最も近い第1のビームを特定する工程と、
設計グリッド毎に、マルチ荷電粒子ビームから第1のビームを含む2つ以上のビームで構成される複数の組み合わせを設定する工程と、
設計グリッド毎、かつ、複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームに、分配後の各分配ドーズ量の総和が当該設計グリッドに照射される予定のドーズ量と同等になるように当該設計グリッドに照射される予定のドーズ量を分配するための、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する工程と、
設計グリッド毎に、第1のビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する工程と、
前記マルチ荷電粒子ビームのビームアレイ全体における設計グリッド毎に選択される組み合わせを構成する前記2つ以上のビームへのドーズ分配率に応じて、ビームの設計上の照射位置毎に分配された前記ドーズ量を当該照射位置のドーズ量に加算することにより補正し、この補正された補正ドーズ量を出力する工程と、
前記補正ドーズ量のマルチ荷電粒子ビームを用いて、試料にパターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、マルチビーム描画において、各ビームの位置ずれ補正をドーズ変調により行う場合におけるドーズ変調率の増大を抑制できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の構成を示す断面図である。 実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と描画対象画素との一例を示す図である。 実施の形態1におけるマルチビームの描画方法の一例を説明するための図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるビームの位置ずれと位置ずれ周期性とを説明するための図である。 実施の形態1の比較例におけるビーム照射位置と位置ずれ補正を行う場合のドーズ分配率の一例を示す図である。 実施の形態1の比較例におけるビーム照射位置と位置ずれ補正を行う場合のドーズ分配率の他の一例を示す図である。 実施の形態1における制御グリットと実際のビーム照射位置との一例を示す図である。 実施の形態1における制限領域の一例を示す図である。 実施の形態1における制御グリットと実際のビーム照射位置とビームの組み合わせとの一例を示す図である。 実施の形態1における電流密度分布の一例を示す図である。 実施の形態1における位置ずれ補正に伴う最大変調率と最大位置ずれ量との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。 実施の形態1における繰り返し演算処理部の内部構成の一例を示すブロック図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画機構150と制御系回路160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画機構150は、電子鏡筒102(マルチ電子ビームカラム)と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、ブランキングアパーチャアレイ機構204、縮小レンズ205、制限アパーチャ基板206、対物レンズ207、偏向器208、及び偏向器209が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるレジストが塗布されたマスクブランクス等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。XYステージ105上には、さらに、ファラディーカップ106が配置される。
制御系回路160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、デジタル・アナログ変換(DAC)アンプユニット132,134、ステージ位置検出器139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、DACアンプユニット132,134、ステージ位置検出器139及び記憶装置140,142,144は、図示しないバスを介して互いに接続されている。偏向制御回路130には、DACアンプユニット132,134及びブランキングアパーチャアレイ機構204が接続されている。DACアンプユニット132の出力は、偏向器209に接続される。DACアンプユニット134の出力は、偏向器208に接続される。偏向器208は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ134を介して偏向制御回路130により制御される。偏向器209は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ132を介して偏向制御回路130により制御される。ステージ位置検出器139は、レーザ光をXYステージ105上のミラー210に照射し、ミラー210からの反射光を受光する。そして、かかる反射光の情報を使ったレーザ干渉の原理を利用してXYステージ105の位置を測定する。
制御計算機110内には、ビーム位置ずれマップ作成部50、特定部52、領域制限部54、設定部56、ドーズ分配率算出部58、電流密度補正部60、組み合わせ選択部62、繰り返し演算処理部64、ラスタライズ部66、ドーズマップ作成部68、ドーズ補正部70、照射時間演算部72、及び描画制御部74が配置されている。ビーム位置ずれマップ作成部50、特定部52、領域制限部54、設定部56、ドーズ分配率算出部58、電流密度補正部60、組み合わせ選択部62、繰り返し演算処理部64、ラスタライズ部66、ドーズマップ作成部68、ドーズ補正部70、照射時間演算部72、及び描画制御部74といった各「~部」は、処理回路を有する。かかる処理回路は、例えば、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置を含む。各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いても良いし、或いは異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。ビーム位置ずれマップ作成部50、特定部52、領域制限部54、設定部56、ドーズ分配率算出部58、電流密度補正部60、組み合わせ選択部62、繰り返し演算処理部64、ラスタライズ部66、ドーズマップ作成部68、ドーズ補正部70、照射時間演算部72、及び描画制御部74に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
また、描画装置100の外部から描画データが入力され、記憶装置140に格納される。描画データには、通常、描画するための複数の図形パターンの情報が定義される。具体的には、図形パターン毎に、図形コード、座標、及びサイズ等が定義される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、縦(y方向)p列×横(x方向)q列(p,q≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2では、例えば、縦横(x,y方向)に512×512列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ直径の円形であっても構わない。成形アパーチャアレイ基板203(ビーム形成機構)は、マルチビーム20を形成する。具体的には、これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。また、穴22の配列の仕方は、図2のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)k段目の列と、k+1段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)k+1段目の列と、k+2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図3は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の構成を示す断面図である。ブランキングアパーチャアレイ機構204は、図3に示すように、支持台33上にシリコン等からなる半導体基板31が配置される。基板31の中央部は、例えば裏面側から削られ、薄い膜厚hのメンブレン領域330(第1の領域)に加工されている。メンブレン領域330を取り囲む周囲は、厚い膜厚Hの外周領域332(第2の領域)となる。メンブレン領域330の上面と外周領域332の上面とは、同じ高さ位置、或いは、実質的に同じ高さ位置になるように形成される。基板31は、外周領域332の裏面で支持台33上に保持される。支持台33の中央部は開口しており、メンブレン領域330の位置は、支持台33の開口した領域に位置している。
メンブレン領域330には、図2に示した成形アパーチャアレイ基板203の各穴22に対応する位置にマルチビーム20のそれぞれのビームの通過用の通過孔25(開口部)が開口される。言い換えれば、基板31のメンブレン領域330には、電子線を用いたマルチビーム20のそれぞれ対応するビームが通過する複数の通過孔25がアレイ状に形成される。そして、基板31のメンブレン領域330上であって、複数の通過孔25のうち対応する通過孔25を挟んで対向する位置に2つの電極を有する複数の電極対がそれぞれ配置される。具体的には、メンブレン領域330上に、図3に示すように、各通過孔25の近傍位置に該当する通過孔25を挟んでブランキング偏向用の制御電極24と対向電極26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)がそれぞれ配置される。また、基板31内部であってメンブレン領域330上の各通過孔25の近傍には、各通過孔25用の制御電極24に偏向電圧を印加する制御回路41(ロジック回路)が配置される。各ビーム用の対向電極26は、グランド接続される。
制御回路41内には、図示しないアンプ(スイッチング回路の一例)が配置される。アンプの一例として、CMOS(Complementary MOS)インバータ回路が配置される。そして、CMOSインバータ回路は正の電位(Vdd:ブランキング電位:第1の電位)(例えば、5V)(第1の電位)とグランド電位(GND:第2の電位)に接続される。CMOSインバータ回路の出力線(OUT)は制御電極24に接続される。一方、対向電極26は、グランド電位が印加される。そして、ブランキング電位とグランド電位とが切り替え可能に印加される複数の制御電極24が、基板31上であって、複数の通過孔25のそれぞれ対応する通過孔25を挟んで複数の対向電極26のそれぞれ対応する対向電極26と対向する位置に配置される。
CMOSインバータ回路の入力(IN)には、閾値電圧よりも低くなるL(low)電位(例えばグランド電位)と、閾値電圧以上となるH(high)電位(例えば、1.5V)とのいずれかが制御信号として印加される。実施の形態1では、CMOSインバータ回路の入力(IN)にL電位が印加される状態では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)は正電位(Vdd)となり、対向電極26のグランド電位との電位差による電界によりマルチビーム20中の対応する1本を偏向し、制限アパーチャ基板206で遮蔽することでビームOFFになるように制御する。一方、CMOSインバータ回路の入力(IN)にH電位が印加される状態(アクティブ状態)では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)はグランド電位となり、対向電極26のグランド電位との電位差が無くなりマルチビーム20中の対応する1本を偏向しないので制限アパーチャ基板206を通過することでビームONになるように制御する。
各通過孔を通過するマルチビーム20中の対応する1本の電子ビームは、それぞれ独立に対となる2つの制御電極24と対向電極26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。具体的には、制御電極24と対向電極26の組は、それぞれ対応するスイッチング回路となるCMOSインバータ回路によって切り替えられる電位によってマルチビーム20の対応ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向する。このように、複数のブランカーが、成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビーム20のうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。
図4は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図4に示すように、試料101の描画領域30は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20のショットで照射可能な照射領域34が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば-x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は例えば等速で連続移動させる。第1番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を-y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域32の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域34が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、-x方向に向かって同様に描画を行う。第3番目のストライプ領域32では、x方向に向かって描画し、第4番目のストライプ領域32では、-x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域32を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、成形アパーチャアレイ基板203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、最大で成形アパーチャアレイ基板203に形成された複数の穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。また、図4の例では、各ストライプ領域32を1回ずつ描画する場合を示しているが、これに限るものではない。同じ領域を複数回描画する多重描画を行っても好適である。多重描画を行う場合には、位置をずらしながら各パスのストライプ領域32を設定すると好適である。
図5は、実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と描画対象画素との一例を示す図である。図5において、ストライプ領域32には、例えば、試料101面上におけるマルチビーム20のビームサイズピッチで格子状に配列される複数の制御グリッド27(設計グリッド)が設定される。この制御グリッド27は、例えば、10nm程度の配列ピッチにすると好適である。かかる複数の制御グリッド27が、マルチビーム20の設計上の照射位置となる。制御グリッド27の配列ピッチはビームサイズに限定されるものではなく、ビームサイズとは関係なく偏向器209の偏向位置として制御可能な任意の大きさで構成されるものでも構わない。そして、各制御グリッド27を中心とした、制御グリッド27の配列ピッチと同サイズでメッシュ状に仮想分割された複数の画素36が設定される。各画素36は、マルチビームの1つのビームあたりの照射単位領域となる。図5の例では、試料101の描画領域が、例えばy方向に、1回のマルチビーム20(ビームアレイ)の照射で照射可能な照射領域34(描画フィールド)のサイズと実質同じ幅サイズで複数のストライプ領域32に分割された場合を示している。照射領域34のx方向サイズは、マルチビーム20のx方向のビーム間ピッチにx方向のビーム数を乗じた値で定義できる。照射領域34のy方向サイズは、マルチビーム20のy方向のビーム間ピッチにy方向のビーム数を乗じた値で定義できる。なお、ストライプ領域32の幅は、これに限るものではない。照射領域34のn倍(nは1以上の整数)のサイズであると好適である。図5の例では、例えば512×512列のマルチビームの図示を8×8列のマルチビームに省略して示している。そして、照射領域34内に、1回のマルチビーム20のショットで照射可能な複数の画素28(ビームの描画位置)が示されている。言い換えれば、隣り合う画素28間のピッチが設計上のマルチビームの各ビーム間のピッチとなる。図5の例では、ビーム間ピッチで囲まれる領域で1つのサブ照射領域29を構成する。図5の例では、各サブ照射領域29は、4×4画素で構成される場合を示している。
図6は、実施の形態1におけるマルチビームの描画方法の一例を説明するための図である。図6では、図5で示したストライプ領域32を描画するマルチビームのうち、y方向k段目の座標(1,3),(2,3),(3,3),・・・,(512,3)の各ビームで描画するサブ照射領域29の一部を示している。図6の例では、例えば、XYステージ105が8ビームピッチ分の距離を移動する間に4つの画素を描画(露光)する場合を示している。かかる4つの画素を描画(露光)する間、照射領域34がXYステージ105の移動によって試料101との相対位置がずれないように、偏向器208によってマルチビーム20全体を一括偏向する。これによって、照射領域34をXYステージ105の移動に追従させる。言い換えれば、トラッキング制御が行われる。図6の例では、8ビームピッチ分の距離を移動する間に4つの画素を描画(露光)することで1回のトラッキングサイクルを実施する場合を示している。
具体的には、各ショットにおいて、設定された最大照射時間内のそれぞれの制御グリッド27に対応する照射時間(描画時間、或いは露光時間)ビームを照射する。具体的には、各制御グリッド27にマルチビーム20のうちONビームのそれぞれ対応するビームを照射する。そして、最大照射時間にDACアンプの整定時間を加算したショットサイクル時間Ttr毎に、偏向器209による一括偏向により各ビームの照射位置を次のショット位置へと移動する。
そして、図6の例では4ショット終了した時点で、DACアンプユニット134は、トラッキング制御用のビーム偏向をリセットする。これにより、トラッキング位置をトラッキング制御が開始されたトラッキング開始位置に戻す。
なお、各サブ照射領域29の右から1番目の画素列の描画は終了している。よって、トラッキングリセットした後に、次回のトラッキングサイクルにおいてまず偏向器209は、各サブ照射領域29の下から1段目かつ右から2番目の画素の制御グリッド27にそれぞれ対応するビームの照射位置を合わせる(シフトする)ように偏向する。かかる動作を繰り返すことで、すべての画素の描画が行われる。サブ照射領域29がn×n画素で構成される場合に、n回のトラッキング動作でそれぞれ異なるビームによってn画素ずつ描画される。これにより、1つのn×n画素の領域内のすべての画素が描画される。マルチビームの照射領域内の他のn×n画素の領域についても同時期に同様の動作が実施され、同様に描画される。
次に描画装置100における描画機構150の動作について説明する。電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、矩形の複数の穴22(開口部)が形成される。そして、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過する。これによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム20)が形成される。かかるマルチビーム20は、ブランキングアパーチャアレイ機構204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビームを偏向する(ブランキング偏向を行う)。
ブランキングアパーチャアレイ機構204を通過したマルチビーム20は、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、マルチビーム20のうち、ブランキングアパーチャアレイ機構204のブランカーによって偏向された電子ビームは、制限アパーチャ基板206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板206によって遮蔽される。一方、ブランキングアパーチャアレイ機構204のブランカーによって偏向されなかった電子ビームは、図1に示すように制限アパーチャ基板206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構47のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ基板206は、個別ブランキング機構47によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビーム毎に、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板206を通過したビームにより、1回分のショットのビームが形成される。制限アパーチャ基板206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208,209によって、制限アパーチャ基板206を通過した各ビーム(通過したマルチビーム20全体)が同方向に一括して偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的には成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。
上述したように、マルチビーム描画では、光学系の特性上、露光フィールドに歪が生じ、かかる歪等によって、マルチビーム20の個々のビームの照射位置が理想グリッドからずれてしまう。しかし、マルチビーム20の個々のビームを個別に偏向することは難しいので個々のビームの試料101面上の位置を個別に制御することは困難である。そのため、各ビームの位置ずれをドーズ変調によって補正することが行われる。しかしながら、ドーズ変調後の各ビームのドーズ変調率のうちの最大変調率が大きくなってしまう場合がある。最大変調率が大きくなるのに伴い、最大照射時間が長くなってしまう。そこで、実施の形態1では、制御グリッド27に最も近くに照射される最近接ビームに着目し、かかる最近接ビームへのドーズ分配量を高くすることで、最大変調率を低減する。以下、具体的に説明する。
図7は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図7において、実施の形態1における描画方法は、ビーム位置ずれ量測定工程(S102)と、第1近接ビーム特定工程(S104)と、領域制限工程(S106)と、組み合わせ設定工程(S108)と、ドーズ分配率算出工程(S110)と、電流密度補正工程(S112)と、組み合わせ選択工程(S114)と、繰り返し演算処理工程(S118)と、ドーズ量演算工程(S130)と、ドーズ補正工程(S134)と、照射時間演算工程(S140)と、描画工程(S142)と、いう一連の工程を実施する。
ビーム位置ずれ量測定工程(S102)と、第1近接ビーム特定工程(S104)と、領域制限工程(S106)と、組み合わせ設定工程(S108)と、ドーズ分配率算出工程(S110)と、電流密度補正工程(S112)と、組み合わせ選択工程(S114)と、繰り返し演算処理工程(S118)と、の各工程は、描画処理を開始する前の前処理として実施される。
なお、実施の形態1における描画方法では、繰り返し演算処理工程(S118)を実施した方が好適であるが、省略しても構わない。繰り返し演算処理工程(S118)を省略する場合、図1において制御計算機110内に配置される繰り返し演算処理部64を省略して構わない。逆に、繰り返し演算処理工程(S118)を実施する場合、その内部工程として、合成マップ作成工程(S120)と、判定工程(S122)と、組み合わせ更新工程(S124)と、組み合わせ変更工程(S125)と、判定工程(S126)と、いう一連の工程を実施する。
また、実施の形態1における描画方法では、電流密度補正工程(S112)を実施した方が好適であるが、省略しても構わない。電流密度補正工程(S112)を省略する場合、図1において制御計算機110内に配置される電流密度補正部60を省略して構わない。
ビーム位置ずれ量測定工程(S102)として、描画装置100は、マルチビーム20の各ビームの試料101面上の照射位置が、対応する制御グリッド27からずれる位置ずれ量を測定する。
図8は、実施の形態1におけるビームの位置ずれと位置ずれ周期性とを説明するための図である。マルチビーム20では、図8(a)に示すように、光学系の特性上、露光フィールドに歪が生じ、かかる歪等によって、個々のビームの実際の照射位置39が理想グリッドである制御グリッド27からずれてしまう。そこで、実施の形態1では、かかる個々のビームの実際の照射位置39の位置ずれ量を測定する。具体的には、レジストが塗布された評価基板に、マルチビーム20を照射し、評価基板を現像することで生成されるレジストパターンの位置を位置測定器で測定する。これにより、ビーム毎の位置ずれ量を測定する。各ビームのショットサイズでは、各ビームの照射位置におけるレジストパターンのサイズを位置測定器で測定困難であれば、各ビームで、位置測定器で測定可能なサイズの図形パターン(例えば矩形パターン)を描画する。そして、図形パターン(レジストパターン)の両側のエッジ位置を測定して、両エッジ間の中間位置と設計上の図形パターンの中間位置との差分から対象ビームの位置ずれ量を測定すればよい。そして、得られた各ビームの照射位置の位置ずれ量データは、描画装置100に入力され、記憶装置144に格納される。また、マルチビーム描画では、ストライプ領域32内において照射領域34をずらしながら描画を進めていくため、例えば、図6において説明した描画シーケンスでは、図4の下段に示すように、ストライプ領域32の描画中、照射領域34a~34oといった具合に順次照射領域34の位置が移動する。そして、照射領域34の移動毎に、各ビームの位置ずれに周期性が生じることになる。或いは、各ビームが、それぞれ対応するサブ照射領域29内のすべての画素36を照射する描画シーケンスの場合であれば、図8(b)に示すように、少なくとも照射領域34と同じサイズの単位領域35毎(35a、35b、・・・)に各ビームの位置ずれに周期性が生じることになる。よって、ビームアレイの照射領域34分の各ビームの位置ずれ量を測定すれば、測定結果を流用できる。言い換えれば、各ビームについて、対応するサブ照射領域29内の各画素36での位置ずれ量を測定できれば良い。
そして、ビーム位置ずれマップ作成部50は、まず、ビームアレイ単位、言い換えれば、照射領域34に対応する試料面上の1つの矩形単位領域35内の各画素36の各ビームの位置ずれ量を定義するビーム位置ずれ量マップを作成する。具体的には、ビーム位置ずれマップ作成部54は、記憶装置144から各ビームの照射位置の位置ずれ量データを読み出し、かかるデータをマップ値としてビーム位置ずれ量マップを作成すればよい。マルチビーム20全体の照射領域34に対応する試料面上の1つの矩形単位領域35内の各画素36の制御グリッド27をどのビームが照射するのかは、例えば図6において説明したように、描画シーケンスによって決まる。よって、ビーム位置ずれマップ作成部50は、描画シーケンスに応じて1つの単位領域35内の各画素36の制御グリッド27毎に当該制御グリッド27への照射を担当するビームを特定して、当該ビームの位置ずれ量を演算する。作成されたビーム位置ずれ量マップは、記憶装置144に格納しておく。
図9は、実施の形態1の比較例におけるビーム照射位置と位置ずれ補正を行う場合のドーズ分配率の一例を示す図である。
図10は、実施の形態1の比較例におけるビーム照射位置と位置ずれ補正を行う場合のドーズ分配率の他の一例を示す図である。図9及び図10では、例えば5×5個の画素36が配列される領域を示している。各画素36をどのビームが照射するのかは描画シーケンスによって決まる。格子状に配列される制御グリッド27に対して、各ビームの実際の照射位置39はずれてしまう場合が多い。図9の例では、中心に位置する画素の制御グリッド27aに所望のドーズ量を照射したい場合、比較例では、制御グリッド27aを取り囲む3つのビームに制御グリッド27aに照射予定のドーズ量を分配する。図9の例では、例えば、照射位置39aのビームと照射位置39bのビームと照射位置39cのビームとにドーズ分配する。ドーズ分配量の重心が制御グリッド27aの位置になるようにドーズ分配率が算出される。この結果、照射位置39aのビームは、制御グリッド27aからのずれ量が小さいにもかかわらず、ドーズ分配率が0.03となる。この結果、制御グリッド27aから離れた照射位置39bのビームへのドーズ分配率が0.64となる。同様に、照射位置39bのビームよりももっと離れた照射位置39cのビームへのドーズ分配率が0.33となる。このようにして、各制御グリッド27について、同様に、周囲のビームへとドーズを分配するためのドーズ分配率を算出する。
図10の例では、制御グリッド27aのy方向に隣接する画素36の制御グリッド27bについてドーズを分配する場合の一例を示している。図10の例では、制御グリッド27bを取り囲む、例えば、照射位置39bのビームと照射位置39dのビームと照射位置39eのビームとにドーズ分配する。制御グリッド27aの場合と同様、ドーズ分配量の重心が制御グリッド27bの位置になるようにドーズ分配率が算出される。その結果、制御グリッド27bに最も近い照射位置39bのビームは、ドーズ分配率が0.82となる。照射位置39dのビームへのドーズ分配率が0.15となる。同様に、照射位置39eのビームへのドーズ分配率が0.03となる。2つの制御グリッド27a,27bについての7ドーズ分配だけで、照射位置39bのビームへのドーズ分配率が1.46(=0.64+0.82)になる。その他の制御グリッド27からの照射位置39bのビームへのドーズ分配率も加算される可能性が高い。このように、比較例では、合計ドーズ分配率が、1を大きく超えてしまうビームが生じる。この原因として、制御グリッド27aからのずれ量が小さい照射位置39aのビームへの制御グリッド27aからのドーズ分配率が0.03と小さいことが挙げられる。そこで、実施の形態1では、各制御グリッド27に最も近くに照射される最近接ビームへのドーズ分配率を高くする。そのために、以下の工程を実施する。
第1近接ビーム特定工程(S104)として、特定部52は、マルチビーム20の設計上の照射位置となる複数の制御グリッド27の制御グリッド27毎に、マルチビーム20のうち、対象の制御グリッド27から実際の照射位置39が最も近い最近接ビーム(第1のビーム)を特定する。
図11は、実施の形態1における制御グリットと実際のビーム照射位置との一例を示す図である。図11の例では、例えば5×5個の画素36が配列される領域を示している。各画素36をどのビームが照射するのかは描画シーケンスによって決まる。格子状に配列される制御グリッド27に対して、各ビームの実際の照射位置39はずれてしまう場合が多い。図11の例では、図9及び図10と同じ位置関係にある制御グリット27と実際のビーム照射位置39との一例を示している。図11において、中心に位置する画素36の制御グリッド27aから最も近い最近接ビームは、照射位置39aのビームであることがわかる。よって、特定部52は、制御グリッド27aについて、照射位置39aのビームを最近接ビームと特定する。その他の制御グリッド27についても、同様に、最近接ビームを特定する。
領域制限工程(S106)として、領域制限部54は、制御グリッド27毎に、マルチビーム20から最近接ビームを含む2つ以上のビームで構成される複数の組み合わせを設定するための2番目のビーム(第2のビーム)を選択するための領域(制限領域)を制限する。
図12は、実施の形態1における制限領域の一例を示す図である。図12において、制限領域17は、対象の制御グリッド27aと最近接ビームの照射位置39aとを結ぶ直線11に直交すると共に制御グリッド27aを通る直線13に対して、最近接ビームの照射位置39aとは反対側の領域である。
組み合わせ設定工程(S108)として、設定部56(組み合わせ設定部)は、制御グリッド27毎に、マルチビーム20から最近接ビームを含む2つ以上のビーム、例えば3つで構成される複数の組み合わせを設定する。
図13は、実施の形態1における制御グリットと実際のビーム照射位置とビームの組み合わせとの一例を示す図である。上述したように、設定部56は、複数の組み合わせの組み合わせ毎に、制限された制限領域17内のビーム群の中から2つ以上のビームのうちの第2番目のビームを選択する。図13の例では、第2番目のビームは、直線13に対して、照射位置39aとは反対側の制限領域17から選択される。図13の例では、例えば、照射位置39fのビームが第2番目のビーム(第2のビーム)として選択される。第2番目のビームが、最近接ビームに対して直線13の反対側に位置することで、最近接ビームのドーズ分配率を高めることができる。
設定部56は、組み合わせを構成する2つ以上のビームの第3番目以降のビームを選択する。第3番目以降のビームについては、組み合わせを構成する3つ以上のビームで対象の制御グリッド27を取り囲むことができる位置であれば良い。図13の例では、照射位置39gのビームが第3番目のビーム(第3のビーム)として選択される。このように、図13では、制御グリッド27aについて設定される複数の組み合わせのうちの1つが、照射位置39aのビームと照射位置39fのビームと照射位置39gのビームとで構成される場合を示している。その他の組み合わせについては、図示を省略している。ここでは、3つのビームで組み合わせを構成する場合を説明するが、3つ以上のビームであればよい。
ドーズ分配率算出工程(S110)として、ドーズ分配率算出部58(分配率算出部)は、制御グリッド27毎、かつ、複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームに、分配後の各分配ドーズ量の総和が当該制御グリッド27に照射される予定のドーズ量と同等になるように、例えば一致するように当該制御グリッド27に照射される予定のドーズ量を分配するための、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する。ドーズ分配率算出部58は、2つ以上のビームに分配後の各分配ドーズ量の重心と対応する制御グリッド27とのずれが許容範囲Th内になるように2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する。実施の形態1において、重心が制御グリッド27と完全一致することが望ましいが、これに限るものではない。重心と制御グリッド27とのずれが許容範囲Th内であればよい。例えば、画素サイズの1/5内であれば好適である。さらに望ましくは画素サイズの1/10内であると良い。対象の制御グリッド27の規格化されたドーズ量d(i)をd(i)=1とした場合に、最近接ビームと第2番目のビームと第3番目のビームへのドーズ分配率d、d,dは、任意の基準位置から対象の制御グリッド27へのベクトルrと各ビームへのベクトルr,r,rを用いて以下の式(1-1)及び式(1-2)を満たす値として求めることができる。iはインデックスを示す。
Figure 2023056384000002
Th=0の場合のドーズ分配率d、d,dの他、Th=0でない場合のドーズ分配率d、d,dが算出でき得るが、これらのうち最近接ビームのドーズ分配率dができるだけ大きくなる値を採用することが望ましい。
電流密度補正工程(S112)として、電流密度補正部60(重み付け処理部)は、制御グリッド27毎、かつ、複数の組み合わせの組み合わせ毎に、2つ以上のビームへのドーズ分配率に、電流密度のずれを補正する電流密度補正値を用いて重み付けされたドーズ分配率を算出する。
図14は、実施の形態1における電流密度分布の一例を示す図である。図14の例では、例えば、5×5本のマルチビーム20を用いる場合を示している。図14の例に示すように、電流密度は、一般的に、中心ビームが最も高く、外周方向に向かって小さくなる分布を形成する。よって、中心ビームで照射される場合と、外周ビームで照射される場合とで、同じ照射時間であっても入射ドーズ量は異なる。そこで、電流密度補正部60は、対応するビームの電流密度のずれを補正する電流密度補正値を用いて重み付けされたドーズ分配率を算出する。重み付けされたドーズ分配率di′は、以下の式(2)で定義できる。具体的には、理想的な電流密度Jをi番目のビームの実際の電流密度J(i)で割った比をi番目のビームへのドーズ分配率diに乗じる。これにより、i番目のビームへの重み付けされたドーズ分配率di′を求めることができる。理想的な電流密度Jをi番目のビームの実際の電流密度J(i)で割った比(J/J(i))が電流密度補正値の一例となる。
Figure 2023056384000003
ここで、n回の多重描画を行う場合、各制御グリッド27についてドーズ分配されるビームは異なることになる。各制御グリッド27に照射する予定の照射時間を各パスにおいて均一に分割する場合、各パスの照射時間は、n回分の電流密度n・Jを各パスのビームの電流密度J(i)の合計で割った比で重み付けすることができる。一方、パス毎に、各制御グリッド27からドーズ分配される2つ以上のビームは異なる。このため、各パスの第2番目或いは/及び第3番目のビームの中には、他のパスと照射位置が全く異なる位置になる場合もあり得る。一方、最近接ビームは、対象の制御グリッド27付近を照射する。そこで、制御グリッド27毎に、各パスの最近接ビームの電流密度J(i)を用いて、n回分の電流密度n・Jを各パスの最近接ビームの電流密度J(i)の合計で割った比で各パスの2つ以上のビームの各ドーズ分配率diの重み付けを行う。重み付けされたドーズ分配率di′は、以下の式(3)で定義できる。n回分の電流密度n・Jを各パスの最近接ビームの電流密度J(i)の合計で割った比が電流密度補正値の他の一例となる。
Figure 2023056384000004
ここで、理想的な電流密度Jを規格化した1とした場合に、4回の多重描画の各パスでの最近接ビームの電流密度が、例えば1.0,0.9,0.95,0.85であるとする。式(2)を用いた電流密度補正値は、パス毎に、(1.0/1.0)、(1.0/0.9)、(1.0/0.95)、(1.0/0.85)となる。よって、これらの中の最大値は、1.18(=1.0/0.85)となる。これに対して、式(3)を用いた電流密度補正値の計算では、4回のパスの実際の電流密度の合計値が3.7(=1.0+0.9+0.95+0.85)となる。4回のパスの理想的な電流密度の合計n・Jが4(=4×1.0)となる。よって、各パスの電流密度補正値は、1.08(=4/3.7)となり、式(2)を用いた場合よりも小さくできる。
組み合わせ選択工程(S114)として、組み合わせ選択部62は、制御グリッド27毎に、最近接ビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する。最近接ビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせが2以上存在する場合には、最近接ビームのドーズ分配率が最も大きくなる組み合わせを選択すると好適である。
なお、電流密度補正工程(S112)を省略する場合、組み合わせ選択工程(S114)で対象となるドーズ分配率は、電流密度補正値で重み付けされる前のドーズ分配率を用いる。電流密度補正工程(S112)を実施する場合、組み合わせ選択部62は、最近接ビームの重み付けされたドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームの重み付けされたドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する。
図15は、実施の形態1における位置ずれ補正に伴う最大変調率と最大位置ずれ量との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。図15において縦軸は最大変調率を示す。横軸はマルチビーム20の最大位置ずれ量を示す。最大変調率は、各制御グリット27でドーズ分配された各ドーズ分配率をビーム毎に合計した合計ドーズ分配率のうちの最大値で定義する。◇で示すデータは、最近接ビームのドーズ分配率が残りのビームのドーズ分配率より大きくするように考慮していない場合を示している。図15の例では、最近接ビームのドーズ分配率を大きくする考慮を実施しないと、いずれの場合でも最大変調率が1以上になることがわかる。また、位置ずれ量が大きくなるのに伴い、最大変調率も大きくなることがわかる。これに対して、実施の形態1では、最近接ビームのドーズ分配率が残りのビームのドーズ分配率より大きくなるように組み合わせを選択することで、最大変調率を低減することができる(□で示すデータ)。また、位置ずれ量が大きくなるのに伴い、最大変調率も大きくなる傾向は同様である。また、電流密度補正値でドーズ分配率を重み付けした上で組み合わせを選択することで最大変調率をさらに低減することができる(△で示すデータ)。図15の例での電流密度補正値は式(3)の比を用いた場合を示している。
次に、繰り返し演算処理工程(S118)を実施する場合について説明する。
繰り返し演算処理工程(S118)として、繰り返し演算処理部64は、制御グリッド毎に選択される組み合わせを変えながら、その都度ビームアレイ全体におけるビームの設計上の照射位置毎に合計した合計ドーズ分配率を算出する。具体的には以下のように動作する。
図16は、実施の形態1における繰り返し演算処理部の内部構成の一例を示すブロック図である。図16において、繰り返し演算処理部64内には、合成マップ作成部80、判定部82、判定部86、及び組み合わせ変更部88が配置される。合成マップ作成部80、判定部82、判定部86、及び組み合わせ変更部88といった各「~部」は、処理回路を有する。かかる処理回路は、例えば、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置を含む。各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いても良いし、或いは異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。合成マップ作成部80、判定部82、判定部86、及び組み合わせ変更部88に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
合成マップ作成工程(S120)として、合成マップ作成部80(合計算出部)は、マルチビーム20のビームアレイ全体における制御グリッド27毎に選択される組み合わせを構成する2つ以上のビームへのドーズ分配率を、ビームの設計上の照射位置毎に合計(合成)した合計ドーズ分配率を算出する。そして、各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率を要素とする合成マップを作成する。合成マップは、マルチビーム20のビームアレイ配列と同様の配列で作成されると好適である。1つのビームに複数の制御グリッド27からドーズ分配される場合がある。そこで、複数の制御グリッド27からドーズ分配された各ドーズ分配率をビームの設計上の照射位置毎に合成する。ここでは単純に合計値を算出すればよい。
判定工程(S122)として、判定部82は、k回目の制御グリッド27毎に選択された組み合わせでの各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の最大値(最大変調量)が、k-1回目以前の制御グリッド27毎に選択された組み合わせでの各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の最大値(最大変調量)よりも小さくなったかどうかを判定する。初回は、前回以前の合計ドーズ分配率の最大値と比較できないので、小さくならないと判定すればよい。2回目以降では、前回以前の最大変調量が存在するのでその都度大小関係を判定すればよい。最大変調量が小さくなった場合には、組み合わせ更新工程(S124)に進む。最大変調量が小さくならなかった場合には、組み合わせ変更工程(S125)に進む。また、この工程で、仮で、合計ドーズ分配率を更新しても良い。その場合の更新は注目している制御グリッド27にかかわる部分だけ実施する。
組み合わせ更新工程(S124)として、組み合わせ選択部62は、k回目(kは2以上の整数)のビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の最大値がk-1回目以前のビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の最大値よりも小さい場合に、k回目のビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の基となる制御グリッド27毎の組み合わせを選択し直す。言い換えれば、現在選択されている制御グリッド27毎の組み合わせを更新する。あわせて、合計ドーズ分配率を更新する。この更新は、組み合わせを更新した制御グリッド27にかかわる部分だけ実施する。
組み合わせ変更工程(S125)として、組み合わせ変更部88は、制御グリッド27毎に選択される組み合わせを変更する。制御グリッド27毎に最近接ビームは特定されている。第2番目のビームは制限領域17内を照射位置39とするビームに制限される。かかる条件で、他の組み合わせに変更する。制御グリッド27毎に、最近接ビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせが2以上存在する場合には、この中から組み合わせを変更しても好適である。そして、合成マップ作成工程(S120)に戻り、次の判定工程(S126)で規定回数に達するまで、合成マップ作成工程(S120)から組み合わせ変更工程(S125)を繰り返す。なお、繰り返す場合の合成マップ作成工程(S120)では、ビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率を計算し直す場合に限るものではなく、組み合わせを変更した制御グリッドの組み合わせ対象となる照射位置での合計ドーズ分配率だけを算出しても良い。
判定工程(S126)として、判定部86は、組み合わせ更新がなされた繰り返し演算処理の回数kが予め設定された回数mに達したかどうかを判定する。組み合わせ更新がなされた繰り返し演算処理の回数kが予め設定された回数mに達した場合、現在選択されている制御グリッド27毎の組み合わせを維持して繰り返し演算処理を終了する。組み合わせ更新がなされた繰り返し演算処理の回数kが予め設定された回数mに達していない場合、組み合わせ変更工程(S125)に進む。組み合わせ更新がなされた繰り返し演算処理の回数kがm回に達していなくても、k-1回目との最大値の差分が、予め設定された値よりも小さい場合に繰り返し演算処理を終了しても好適である。また、繰り返し演算処理を行った結果、組み合わせ更新がなされることが無かった場合でも、制御グリッド毎に当該制御グリッドでの繰り返し演算処理の回数が予め設定された回数qに達したら当該制御グリッドでの繰り返し演算処理を終了しても構わない。
そして、合成マップ作成工程(S120)に戻り、繰り返し演算処理の回数kが予め設定された回数mに達するまで、合成マップ作成工程(S120)から組み合わせ変更工程(S125)までの各工程を繰り返す。
合成マップ作成部80は、制御グリッド27毎に選択される組み合わせを変えながら、その都度ビームアレイ全体におけるビームの設計上の照射位置毎に合計した合計ドーズ分配率を算出する。組み合わせを変更後の各組み合わせを構成する2つ以上のビームへの各ドーズ分配率はドーズ分配率算出工程(S110)で既に算出された結果を流用すればよい。
制御グリッド27毎の組み合わせを変えることで、ビームの設計上の照射位置毎の合計ドーズ分配率が変化する。この結果、合成後の最大変調率が変化する。よって、繰り返し演算処理(イタレーション)を行うことで、最大変調率をさらに低減できる。
そして、制御グリッド27毎に選択された組み合わせを構成する2つ以上のビームへのビームの変調率は、位置ずれ補正データとして、記憶装置144に格納される。位置ずれ補正データは、照射領域34に対応する試料面上の1つの矩形単位領域35について作成されればよい。
ドーズ量演算工程(S130)として、ドーズマップ作成部68(ドーズ量演算部)は、描画パターン毎に、当該描画パターンに応じた試料101上の各画素36の個別のドーズ量を演算する。具体的には、以下のように動作する。まず、ラスタライズ部66は、記憶装置140から描画データを読み出し、画素36毎に、当該画素36内のパターン面積密度ρ’を演算する。かかる処理は、例えば、ストライプ領域32毎に実行する。
次に、ドーズマップ作成部68は、まず、描画領域(ここでは、例えばストライプ領域32)を所定のサイズでメッシュ状に複数の近接メッシュ領域(近接効果補正計算用メッシュ領域)に仮想分割する。近接メッシュ領域のサイズは、近接効果の影響範囲の1/10程度、例えば、1μm程度に設定すると好適である。ドーズマップ作成部68は、記憶装置140から描画データを読み出し、近接メッシュ領域毎に、当該近接メッシュ領域内に配置されるパターンのパターン面積密度ρを演算する。
次に、ドーズマップ作成部68は、近接メッシュ領域毎に、近接効果を補正するための近接効果補正照射係数Dp(x)(補正照射量)を演算する。未知の近接効果補正照射係数Dp(x)は、後方散乱係数η、しきい値モデルの照射量閾値Dth、パターン面積密度ρ、及び分布関数g(x)を用いた、従来手法と同様の近接効果補正用のしきい値モデルによって定義できる。
次に、ドーズマップ作成部68は、画素36毎に、当該画素36に照射するための入射照射量D(x)(ドーズ量)を演算する。入射照射量D(x)は、例えば、予め設定された基準照射量Dbaseに近接効果補正照射係数Dpとパターン面積密度ρ’とを乗じた値として演算すればよい。基準照射量Dbaseは、例えば、Dth/(1/2+η)で定義できる。以上により、描画データに定義される複数の図形パターンのレイアウトに基づいた、近接効果が補正された本来の所望する入射照射量D(x)を得ることができる。
そして、ドーズマップ作成部68は、ストライプ単位で画素36毎の入射照射量D(x)を定義したドーズマップを作成する。かかる画素36毎の入射照射量D(x)は、設計上、当該画素36の制御グリッド27に照射される予定の入射照射量D(x)となる。言い換えれば、ドーズマップ作成部68は、ストライプ単位で制御グリッド27毎の入射照射量D(x)を定義したドーズマップを作成する。この作成されたドーズマップは、例えば、記憶装置144に格納される。
ドーズ補正工程(S134)として、ドーズ補正部70は、描画パターン毎に、記憶装置144から位置ずれ補正データを読み出し、当該描画パターンに応じた各画素の個別のドーズ量に位置ずれ補正データを適用して、ドーズ量を補正する。具体的には、ドーズ補正部70は、制御グリッド27毎に、対象の制御グリッド27に照射される予定の入射照射量D(x)をドーズ分配率に応じて組み合わせを構成する2つ以上のビームが照射する設計上の照射位置となる画素へと分配される。そして、ビームの設計上の照射位置となる画素毎に分配されたドーズ量を加算する。言い換えれば、ドーズ補正部70は、画素毎に分配されたドーズ量を当該画素のドーズ量に加算することにより補正し、補正された補正ドーズ量を出力する。加算される当該画素のドーズ量は、他の画素への分配がある場合には、他の画素へ分配されて残ったドーズ量に相当する。
照射時間演算工程(S140)として、照射時間演算部72は、ビームの位置ずれが補正された各画素のドーズ量に対応する照射時間tを演算する。照射時間tは、ドーズ量Dを電流密度Jで割ることで演算できる。各画素36(制御グリッド27)の照射時間tは、マルチビーム20の1ショットで照射可能な最大照射時間Ttr内の値として演算される。各画素36(制御グリッド27)の照射時間tは、最大照射時間Ttrを例えば1023階調(10ビット)とする0~1023階調の階調値データに変換する。階調化された照射時間データは記憶装置142に格納される。
描画工程(S142)として、まず、描画制御部74は、照射時間データを描画シーケンスに沿ってショット順に並び替える。そして、ショット順に照射時間データを偏向制御回路130に転送する。偏向制御回路130は、ブランキングアパーチャアレイ機構204にショット順にブランキング制御信号を出力すると共に、DACアンプユニット132,134にショット順に偏向制御信号を出力する。そして、描画機構150は、各制御グリッド27に照射される予定のドーズ量がそれぞれ選択された組み合わせを構成する2つ以上のビームに分配されたマルチビーム20を用いて、試料101にパターンを描画する。言い換えれば、ドーズ補正工程(S134)によるドーズ量の加算によって補正された補正ドーズ量のマルチビーム20を用いて、試料101にパターンを描画する。
以上のように、実施の形態1によれば、マルチビーム描画において、各ビームの位置ずれ補正をドーズ変調により行う場合におけるドーズ変調率の増大を抑制できる。よって、最大照射時間の増大を抑制し、ひいては描画時間の増加を抑制できる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。上述した例では、1ショット分の最大照射時間Ttr内で、マルチビーム20の各ビームが照射時間をビーム毎に個別に制御する場合について説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、1ショット分の最大照射時間Ttrを照射時間の異なる複数のサブショットに分割する。そして、各ビームに対して、それぞれ複数のサブショットの中から1ショット分の照射時間になるようにサブショットの組合せを選択する。そして、同じ画素に対して連続して同じビームで選択されたサブショットの組合せ分が照射されることにより、ビーム毎に1ショット分の照射時間を制御するようにしても好適である。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
24 制御電極
25 通過孔
26 対向電極
27 制御グリッド
28 画素
29 サブ照射領域
30 描画領域
32 ストライプ領域
31 基板
33 支持台
34 照射領域
35 矩形単位領域
36 画素
39 照射位置
41 制御回路
50 ビーム位置ずれマップ作成部
52 特定部
54 領域制限部
56 設定部
58 ドーズ分配率算出部
60 電流密度補正部
62 組み合わせ選択部
64 繰り返し演算処理部
66 ラスタライズ部
68 ドーズマップ作成部
70 ドーズ補正部
72 照射時間演算部
74 描画制御部
80 合成マップ作成部
82,86 判定部
88 組み合わせ変更部
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
130 偏向制御回路
132,134 DACアンプユニット
139 ステージ位置検出器
140,142,144 記憶装置
150 描画機構
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
204 ブランキングアパーチャアレイ機構
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ基板
207 対物レンズ
208,209 偏向器
210 ミラー
330 メンブレン領域
332 外周領域

Claims (7)

  1. マルチ荷電粒子ビームを形成するビーム形成機構と、
    前記マルチ荷電粒子ビームの設計上の照射位置となる複数の設計グリッドの設計グリッド毎に、前記マルチ荷電粒子ビームのうち、対象ビームの設計グリッドから実際の照射位置が最も近い第1のビームを特定する特定部と、
    設計グリッド毎に、前記マルチ荷電粒子ビームから前記第1のビームを含む2つ以上のビームで構成される複数の組み合わせを設定する組み合わせ設定部と、
    設計グリッド毎、かつ、前記複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームに、分配後の各分配ドーズ量の総和が当該設計グリッドに照射される予定のドーズ量と同等になるように当該設計グリッドに照射される予定の前記ドーズ量を分配するための、当該組み合わせを構成する前記2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する分配率算出部と、
    設計グリッド毎に、前記第1のビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する組み合わせ選択部と、
    前記マルチ荷電粒子ビームのビームアレイ全体における設計グリッド毎に選択される組み合わせを構成する前記2つ以上のビームへのドーズ分配率に応じて、ビームの設計上の照射位置毎に分配された前記ドーズ量を当該照射位置のドーズ量に加算することにより補正し、この補正された補正ドーズ量を出力するドーズ補正部と、
    前記補正ドーズ量のマルチ荷電粒子ビームを用いて、試料にパターンを描画する描画機構と、
    を備えたマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記組み合わせ設定部は、前記複数の組み合わせの組み合わせ毎に、制限された制限領域内のビーム群の中から前記2つ以上のビームのうちの第2のビームを選択する請求項1記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記制限領域は、前記第1のビームの対象の設計グリッドと前記第1のビームの照射位置とを結ぶ直線に直交すると共に、前記第1のビームの対象の設計グリッドを通る直線に対して、前記第1のビームの照射位置とは反対側の領域である請求項2記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記分配率算出部は、2つ以上のビームに分配後の各分配ドーズ量の重心と対応する設計グリッドとのずれが許容範囲内になるように前記2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する請求項1~3のいずれかに記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 設計グリッド毎、かつ、前記複数の組み合わせの組み合わせ毎に、前記2つ以上のビームへのドーズ分配率に、電流密度のずれを補正する電流密度補正値を用いて重み付けされたドーズ分配率を算出する重み付け処理部をさらに備えた請求項1~4のいずれかに記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  6. 前記マルチ荷電粒子ビームのビームアレイ全体における設計グリッド毎に選択される組み合わせを構成する前記2つ以上のビームへのドーズ分配率を、ビームの設計上の照射位置毎に合計した合計ドーズ分配率を算出する合計算出部をさらに備え、
    前記合計算出部は、設計グリッド毎に選択される組み合わせを変えながら、その都度ビームアレイ全体における前記ビームの設計上の照射位置毎に合計した合計ドーズ分配率を算出し、
    前記組み合わせ選択部は、k回目(kは2以上の整数)のビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の最大値がk-1回目以前のビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の最大値よりも小さい場合に、k回目のビームアレイ全体における各ビームの設計上の照射位置の合計ドーズ分配率の基となる設計グリッド毎の組み合わせを選択し直す請求項1~5のいずれかに記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  7. マルチ荷電粒子ビームを形成する工程と、
    前記マルチ荷電粒子ビームの設計上の照射位置となる複数の設計グリッドの設計グリッド毎に、前記マルチ荷電粒子ビームのうち、対象ビームの設計グリッドから実際の照射位置が最も近い第1のビームを特定する工程と、
    設計グリッド毎に、前記マルチ荷電粒子ビームから前記第1のビームを含む2つ以上のビームで構成される複数の組み合わせを設定する工程と、
    設計グリッド毎、かつ、前記複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせを構成する2つ以上のビームに、分配後の各分配ドーズ量の総和が当該設計グリッドに照射される予定のドーズ量と同等になるように当該設計グリッドに照射される予定の前記ドーズ量を分配するための、当該組み合わせを構成する前記2つ以上のビームの各ビームへのドーズ分配率を算出する工程と、
    設計グリッド毎に、前記第1のビームのドーズ分配率が当該組み合わせを構成する2つ以上のビームの残りの1つ以上のビームのドーズ分配率よりも大きくなる組み合わせを選択する工程と、
    前記マルチ荷電粒子ビームのビームアレイ全体における設計グリッド毎に選択される組み合わせを構成する前記2つ以上のビームへのドーズ分配率に応じて、ビームの設計上の照射位置毎に分配された前記ドーズ量を当該照射位置のドーズ量に加算することにより補正し、この補正された補正ドーズ量を出力する工程と、
    前記補正ドーズ量のマルチ荷電粒子ビームを用いて、試料にパターンを描画する工程と、
    を備えたマルチ荷電粒子ビーム描画方法。
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