JP2023056085A - 光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール - Google Patents

光電変換素子、電子機器、及び電源モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 光電変換素子に対して光を長時間照射した場合、光照射後における光電変換効率が、光照射開始時の光電変換効率と比較して低下する課題がある。【解決手段】 光電変換層を有する光電変換素子であって、前記電子輸送層は、金属酸化物粒子を有し、前記電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行った場合、酸素原子の1s軌道を表す2種類のピークが検出され、前記2種類のピークのうち低エネルギー側のピークのピーク面積をXとし、前記2種類のピークのうち高エネルギー側のピークのピーク面積をYとしたとき、次式「Y/(X+Y)≧0.5」を満たすことを特徴とする光電変換素子。【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子、電子機器、及び電源モジュールに関する。
近年、あらゆるものがインターネットに接続し、包括的な制御を可能とするIoT(Internet of Things)社会の実現が期待されている。このようなIoT社会の実現のためには、多数のセンサを様々なものに取り付け、データを取得することが求められているが、多数のセンサを動かす電源が必要となる。多数のセンサへの配線や蓄電池の使用は実用的ではなく、また、環境負荷低減への社会的なニーズの高まりから、環境発電素子による給電が期待されている。
これらの中でも、光電変換素子は光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。特にフレキシブル性を持った光電変換素子は、高効率であることが期待されるとともに、様々な曲面に追従可能であってウェアラブルデバイス等へ適応可能であることも併せて期待されている。
例えば、非特許文献1及び2には、光電変換素子のウェアラブルデバイスに対する可能性検討の結果が報告されている。
また、一般的にフレキシブル性を有する高効率な環境発電素子としては、有機薄膜太陽電池が期待されており、特許文献1では、透明基材フィルムを基材とする光電変換素子が提案されている。
しかしながら、光電変換素子に対して光を長時間照射した場合、光照射後における光電変換効率が、光照射開始時の光電変換効率と比較して低下する課題がある。
本発明は、光電変換層を有する光電変換素子であって、前記電子輸送層は、金属酸化物粒子を有し、前記電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行った場合、酸素原子の1s軌道を表す2種類のピークが検出され、前記2種類のピークのうち低エネルギー側のピークのピーク面積をXとし、前記2種類のピークのうち高エネルギー側のピークのピーク面積をYとしたとき、次式「Y/(X+Y)≧0.5」を満たすことを特徴とする光電変換素子に関する。
本発明によれば、光電変換素子に対して光を長時間照射した場合であっても、光照射後における光電変換効率が、光照射開始時の光電変換効率と比較して低下することが抑制される光電変換素子を提供することができる。
図1は、光電変換素子の一例を示す俯瞰概略図である。 図2は、光電変換素子の一例を示す断面概略図である。 図3Aは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Bは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Cは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Dは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Eは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Fは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Gは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Hは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Iは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Jは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図3Kは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。 図4は、電子機器の基本構成の一例を示す概略図である。 図5は、電子機器の基本構成の一例を示す概略図である。 図6は、電子機器の基本構成の一例を示す概略図である。 図7は、電源モジュールの基本構成の一例を示す概略図である。 図8は、電源モジュールの基本構成の一例を示す概略図である。 図9は、パソコン用マウスの基本構成の一例を示す概略図である。 図10は、図9に示したパソコン用マウスの一例を示す概略外観図である。 図11は、パソコン用キーボードの基本構成の一例を示す概略図である。 図12は、図11に示したパソコン用キーボードの一例を示す概略外観図である。 図13は、図11に示したパソコン用キーボードの他の一例を示す概略外観図である。 図14は、センサの基本構成の一例を示す概略図である。 図15は、センサがセンシングして取得したデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する場合の一例を示す概略図である。 図16は、ターンテーブルの基本構成の一例を示す概略図である。
<<有機薄膜太陽電池に係る光電変換素子>>
「光電変換素子」とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子または電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子である。具体的には、太陽電池およびフォトダイオードなどを構成する素子が挙げられる。太陽電池としては、例えば、有機薄膜太陽電池が挙げられる。本開示では、一例として、有機薄膜太陽電池を構成する光電変換素子について以降説明する。
光電変換素子は、少なくとも、光電変換層を有し、具体的には、第一の電極、電子輸送層、光電変換層、及び第二の電極を順次有する。「順次」とは、これら電極および層が全体として上記の順で並んでいればよく、電極と層との間に他の層などが挿入されていてもよい。他の層が挿入されている場合としては、例えば、第一の電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、及び第二の電極を順次有する光電変換素子、並びに、第一の電極、電子輸送層、中間層、光電変換層、正孔輸送層、及び第二の電極を順次有する光電変換素子などが挙げられる。この場合、更に、電極と層との間または層と層との間に他の層などが挿入されていてもよい。また、「順次」とは、これら電極および層が、第一の電極側から順に積層されていてもよいし、第二の電極側から順に積層されていてもよいことを表す。具体的には、光電変換素子は、光の入射面側から観察した場合に、第一の電極、電子輸送層、光電変換層、及び第二の電極の順に積層されていてもよいし、第二の電極、光電変換層、電子輸送層、及び第一の電極の順に積層されていてもよい。また、光電変換素子が正孔輸送層を有する場合、光電変換素子は、光の入射面側から観察した場合に、第一の電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、及び第二の電極の順に積層されていてもよいし、第二の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第一の電極の順に積層されていてもよい。また、光電変換素子が正孔輸送層及び中間層を有する場合、光電変換素子は、光の入射面側から観察した場合に、第一の電極、電子輸送層、中間層、光電変換層、正孔輸送層、及び第二の電極の順に積層されていてもよいし、第二の電極、正孔輸送層、光電変換層、中間層、電子輸送層、及び第一の電極の順に積層されていてもよい。なお、本開示では、光の入射面側から観察した場合に、第一の電極、電子輸送層、中間層、光電変換層、正孔輸送層、及び第二の電極の順に積層されている場合を主に説明するが、本光電変換素子はかかる態様に限定されない。当業者であれば、かかる説明から他の態様、すなわち、光の入射面側から観察した場合に、第二の電極、正孔輸送層、光電変換層、中間層、電子輸送層、及び第一の電極の順に積層されている場合などについても容易に理解できる。
光電変換素子は、必要に応じて、基材、表面保護部、封止部材、及びUVカット層などを有する。
なお、第一の電極及び第二の電極のうち、光電変換素子における光の入射面から遠い位置に設けられた電極を「一方の電極」と称し、光電変換素子における光の入射面から近い位置に設けられた電極を「他方の電極」と称した場合において、光電変換素子が基材を有するとき、基材は、他方の電極の光電変換層と対向していない面側に設けられていることが好ましい。すなわち、光電変換素子は、光の入射面側から観察した場合に、例えば、基材、第一の電極、電子輸送層、中間層、光電変換層、正孔輸送層、及び第二の電極の順に積層されている構成、又は基材、第二の電極、正孔輸送層、光電変換層、中間層、電子輸送層、及び第一の電極の順に積層されている構成を有することが好ましい。
<基材>
「基材」とは、光電変換素子を構成する各電極及び各層などを支持する部材である。基材は、光電変換効率を高める観点から光透過性が高いことが好ましく、透明であることがより好ましい。また、基材は、光電変換素子の用途の幅を広げる観点からフレキシブル性が高いことが好ましい。
透明性及びフレキシブル性を有する基材の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、及びポリエーテルエーテルケトン等の樹脂フィルム、並びに薄膜ガラス(厚さが200μm以下のガラス)などが挙げられる。これら材料の中でも、易製造性及びコストの観点から、ポリエステル及びポリイミドの樹脂フィルム、並びに薄膜ガラスが好ましい。樹脂フィルム又は薄膜ガラスを基材の材料として用いる場合、基材の厚さは200μm以下であることが好ましい。基材の厚さが200μm以下であることでフレキシブル性が向上し、光電変換素子を屈曲する場合であっても耐久性が向上する。なお、基材の厚さは、公知の手段により測定することができ、例えば、接触式厚み計などを用いて測定することができる。
透明性を有するがフレキシブル性を有さない基材の材料としては、例えば、薄膜ガラス以外のガラス(言い換えると、厚さが200μm超のガラス)などの無機物透明結晶体などが挙げられる。これら材料は、フレキシブル性を有さないが高い平坦性を有するため好ましい。
なお、基材は、ガスバリア性を有することが好ましい。ガスバリア性とは、水蒸気や酸素などの透過を抑制する機能である。本開示において「ガスバリア性を有する基材」とは、基材自体がガスバリア性を有するものに限定されず、基材に隣接する位置にガスバリア性を有する層であるガスバリア層を有するものも含まれる。基材がガスバリア性を有することで、高温高湿環境下に長時間置かれたとしても光電変換効率の低下がより抑制される保管耐久性の高い光電変換素子を提供することができる。なお、ガスバリア層については後述する。
ガスバリア性を有する基材に要求される機能は、一般的に水蒸気透過量及び酸素透過量などで表現される。JIS K7129 B法準拠に準拠する一日あたりの水蒸気透過量は、例えば、10g/m以下であることが好ましく、低ければ低いほど好ましい。また、JIS K7126-2に準拠する一日あたりの酸素透過量は、例えば、1cm/m・atm以下であることが好ましく、低ければ低いほど好ましい。
なお、ガスバリア性を有する樹脂フィルムとしては、適宜公知のものを用いることができ、例えば、アルミニウム被覆された樹脂フィルムや酸化ケイ素被覆された樹脂フィルムなどが挙げられる。
<第一の電極>
「第一の電極」とは、光電変換されて生じた電子を捕集する電極である。第一の電極が光の入射面側に設けられている場合、第一の電極は、光電変換効率を高める観点から光透過性が高いことが好ましく、透明であることがより好ましい。但し、第一の電極が光の入射面の反対側に設けられている場合、光透過性及び透明性が低くてもよい。
透明性を有する第一の電極としては、可視光に対して透明な電極である透明電極を用いることができる。透明電極は、例えば、透明導電膜、金属薄膜、及び透明導電膜が順次積層された構造体などである。なお、金属薄膜を挟み込む2つの透明導電膜は同一の材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。
透明導電膜の材料としては、例えば、スズドープインジウム酸化物(ITO)、亜鉛ドープインジウム酸化物(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO)、酸化スズ(SnO2)、銀のナノワイヤー、及びナノカーボン(カーボンナノチューブ、グラフェン等)などが挙げられる。これら材料の中でも、スズドープインジウム酸化物(ITO)、亜鉛ドープインジウム酸化物(IZO)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)が好ましい。
金属薄膜の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、及びニッケル等の金属により形成される薄膜などが挙げられる。
なお、透明性を有する第一の電極は、硬性を維持する観点から、上記の基材と一体化しているものを用いることが好ましい。例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜、ITO/銀/ITO積層コートプラスチック膜などが挙げられる。
透明性を有さない第一の電極の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、及びアルミニウム等の金属、並びにグラファイトなどが挙げられる。
第一の電極の平均厚みは、5nm以上10μm以下であることが好ましく、50nm以上1μm以下であることがより好ましい。
第一の電極のシート抵抗は、50Ω/□以下であることが好ましく、30Ω/□以下であることがより好ましく、20Ω/□以下であることが更に好ましい。
第一の電極が透明性を有する場合、第一の電極の光透過度は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。上限については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第一の電極は、湿式製膜法、蒸着法およびスパッタ法等の乾式製膜法、印刷法などにより形成することができる。
<電子輸送層>
「電子輸送層」とは、光電変換層で生じた電子を輸送し、光電変換層で生じた正孔の侵入を抑制する層であって、金属酸化物粒子を含有する層である。電子輸送層は、1層からなる構造でもよいし、2層以上有する構造であってもよい。
電子輸送層は、上記の通り、金属酸化物を構成材料として含む粒子である金属酸化物粒子を含有する層である。
金属酸化物としては、例えば、チタン、亜鉛、リチウム、及びスズ等の酸化物、並びにITO、FTO、ATO、AZO、及びGZOなどが挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、又は酸化スズであることが好ましく、酸化亜鉛であることがより好ましく、導電性を高めるためにドープされた酸化亜鉛であることが更に好ましい。ドープされた酸化亜鉛としては、例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、及びリチウムドープ酸化亜鉛などが挙げられる。また、金属酸化物は、金属のアルコキシド等を原料とするものを用いてもよい。
なお、本開示における「金属酸化物」は、構成材料として金属酸化物が含まれていればよく、上記の通り、ドープされた金属酸化物であってもドープされていない金属酸化物であってもよい。
金属酸化物粒子の個数平均粒子径としては、10nm以上50nm以下であることが好ましく、10nm以上40nm以下であることがより好ましく、10nm以上20nm以下であることが更に好ましい。金属酸化物粒子の個数平均粒子径が10nm以上50nm以下であることで、電子輸送層の膜厚が適切な範囲となる。
金属酸化物粒子の個数平均粒子径は、例えば、次のような方法により金属酸化物粒子の粒子径を無作為に100個以上測定し、これらの平均値を求めることで算出される。まず、金属酸化物粒子を含む分散液を、マイクロピペットを用いてガラス製のネブライザーに移す。次に、ネブライザーから、TEM用・コロジオン膜付きグリッドに噴霧させて分散液を散布する。PVD法を用いて、グリッドをカーボン蒸着し、電子顕微鏡にて、金属酸化物粒子の像を取得する。得られた像に画像処理を行い、金属酸化物粒子の粒子径を測定する。具体的には、得られた像における金属酸化物粒子の面積と同等面積の円における直径を金属酸化物粒子の粒子径とし、この粒子径が5nm以上であるものを採用する。なお、光電変換素子の断面を走査型透過電子顕微鏡(TEM)により観察し、画像処理を用いて粒子認識を行うことで金属酸化物粒子の粒子径を測定してもよい。また、レーザー回折・散乱法等により粒度分布の測定を行ってもよい。光電変換素子の断面出しの方法やTEMによる観察、粒度分布の測定は公知の方法で行うことができる。
なお、本開示における「金属酸化物粒子」は、上記の通り、粒子径が5nm以上であるものを表し、粒子径が5nm未満であるものは含まれないものとする。
電子輸送層の平均厚みは、10nm以上300nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることがより好ましい。
電子輸送層の製造方法としては、例えば、金属酸化物粒子及び分散媒を含む分散液と、金属酸化物の前駆体である金属酸化物前駆体及び溶媒を含む溶液と、を用いる方法が挙げられる。
上記の分散液は、電子輸送層を構成する上記の金属酸化物粒子を配置するために用いられる。
分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、2-メトキシエタノール、及び2-エトキシエタノール等のアルコール類、並びにこれらの混合物などが挙げられる。
上記の溶液は、熱又は光などの外部刺激が加わることで金属酸化物前駆体が金属酸化物に変化する方法(ゾルゲル法)に基づいて、電子輸送層を構成する金属酸化物膜を配置するために用いられる。本開示において「金属酸化物膜」とは、構成材料として金属酸化物を含み、複数の金属酸化物粒子の間に位置する金属酸化物の構造体(言い換えると、複数の金属酸化物粒子間に生じた空間を埋めるように存在する金属酸化物の構造体)を表し、上記の通り、一例として、溶液に含まれる金属酸化物前駆体に由来する。また、金属酸化物膜は、連続する金属酸化物の構造体であっても、金属酸化物微粒子の集合体であってもよい。なお、金属酸化物微粒子の集合体である場合、金属酸化物微粒子は上記の金属酸化物粒子に含まれない概念であり、具体的には、粒子径が5nmであるものを表す。
金属酸化物膜の構成材料である金属酸化物は、上記の、金属酸化物粒子の構成材料である金属酸化物として例示した材料と同様の材料を用いることができ、例えば、チタン、亜鉛、リチウム、及びスズ等の酸化物が挙げられ、これらの中でも、酸化亜鉛であることが好ましい。また、金属酸化物膜及び金属酸化物粒子は、構成材料として同一の金属酸化物を含むことが好ましく、構成材料としてともに酸化亜鉛を含むことが好ましい。また、金属酸化物膜の構成材料である金属酸化物が酸化亜鉛である場合、金属酸化物前駆体としては、例えば酢酸亜鉛を用いることができる。
また、溶媒としては、例えば、2-エタノールアミン及び2-メトキシエタノール、並びにこれらの混合物などが挙げられる。
具体的な電子輸送層の製造方法としては、例えば、上記の分散液を付与してから必要に応じて乾燥させることで金属酸化物粒子を配置する工程と、配置された金属酸化物粒子上に上記の溶液を付与してから外部刺激により金属酸化物前駆体を金属酸化物に変化させて金属酸化物膜を形成する工程と、を含む製造方法が挙げられる。
また、別の具体的な電子輸送層の製造方法としては、例えば、上記の分散液に含まれる成分(金属酸化物粒子)及び溶液に含まれる成分(金属酸化物前駆体)を混合した混合液を作製し、この混合液を付与してから、必要に応じて乾燥させることで金属酸化物粒子を配置させ、更に、外部刺激により金属酸化物前駆体を金属酸化物に変化させて金属酸化物膜を形成する工程を含む製造方法が挙げられる。
ここで、上記の分散液及び溶液を用いて電子輸送層を製造することが好ましい理由について説明する。
従来、電子輸送層の製造においては、上記の分散液のみを用いて製造するのが一般的であった。しかし、上記の分散液のみを用いて電子輸送層を製造した場合、光電変換素子を長時間使用している間において、金属酸化物粒子同士の隙間に電子輸送層と近接する層(後述する光電変換層など)の材料が入り込み、これら材料と第一の電極が接触することで、電子輸送層の電子輸送性及び正孔侵入抑制性(正孔ブロック性)が低下し、光電変換素子に対して光を長時間照射した場合において、光電変換素子の光電変換効率が経時的に低下する課題があった。
これに対し、電子輸送層の製造において、上記の分散液に加えて溶液も使用した場合、分散液を用いることで配置された金属酸化物粒子同士の隙間を、溶液を用いることで形成される金属酸化物膜で埋めることができ、光電変換素子を長時間使用したとしても、上記隙間に電子輸送層と近接する層の材料が入り込むことが抑制され、結果として、光電変換素子に対して光を長時間照射した場合において、光電変換素子の光電変換効率が経時的に低下することが抑制される。
上記の分散液及び溶液を用いて製造された電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析を行った場合、酸素原子の1s軌道を表す2種類のピークが検出され、2種類のピークのうち低エネルギー側のピークにおけるピーク面積をXとし、2種類のピークのうち高エネルギー側のピークにおけるピーク面積をYとしたとき、次式「Y/(X+Y)≧0.5」を満たす。
なお、従来通りに上記の分散液のみを用いて製造された電子輸送層に対して同分析を行った場合、次式「Y/(X+Y)≧0.5」は満たさないため、電子輸送層の製法の相違を、電子輸送層の分析結果の相違として判断可能である。言い換えると、次式「Y/(X+Y)≧0.5」を満たす場合、光電変換素子に対して光を長時間照射した場合において、光電変換素子の光電変換効率が経時的に低下することを抑制することができる。
なお、本開示では、電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行った場合、次式「Y/(X+Y)≧0.5」を満たすが、次式「0.8≧Y/(X+Y)≧0.5」を満たすことが好ましく、次式「0.7≧Y/(X+Y)≧0.5」を満たすことがより好ましい。
電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行った場合の詳細について説明する。具体例として、分散液に含まれる金属酸化物粒子の構成材料が酸化亜鉛であり、溶液に含まれる金属酸化物前駆体が酢酸亜鉛であって、この溶液を用いることでゾルゲル法に基づいて形成される金属酸化物膜の構成材料が酸化亜鉛である場合について説明する。この場合、上記の酸素原子の1s軌道を表す2種類のピークのうち、高エネルギー側のピークは532±1eVにピークトップを有し、低エネルギー側のピークは530±1eVにピークトップを有する。高エネルギー側のピークは水酸基に由来するピークと考えられ、低エネルギー側のピークは酸化亜鉛の酸素原子に由来するピークと考えられる。本開示においては、低エネルギー側のピークにおけるピーク面積(X)及び高エネルギー側のピークにおけるピーク面積(Y)を比較したときに、高エネルギー側のピーク(Y)におけるピーク面積の方が優位である(大きい)ことに特徴を有するが、これは、酸素原子の状態に関し水酸基に由来するものが優位である状態と言い換えることができる。この水酸基は、上記溶液に含まれていた金属酸化物前駆体の、外部刺激による金属酸化物への変化が不完全な状態であることを表しており、そのような状態の成分を含む金属酸化物膜と金属酸化物粒子とを含有する電子輸送層であれば、光電変換素子に対して光を長時間照射した場合において、光電変換素子の光電変換効率が経時的に低下することを抑制することができるといえる。
低エネルギー側のピークにおけるピーク面積(X)及び高エネルギー側のピークにおけるピーク面積(Y)の比率を制御する方法(言い換えると、「Y/(X+Y)」の値を制御する方法)としては、金属酸化物前駆体を金属酸化物に変化させる外部刺激の程度を調整する方法が挙げられ、具体的には、焼成温度をコントロールする方法が挙げられる。例えば、150℃未満の温度で焼成した場合には高エネルギー側のピークにおけるピーク面積(Y)が大きくなり、150℃以上の温度(特に、200℃以上の温度)で焼成した場合には低エネルギー側のピークにおけるピーク面積(X)が大きくなる傾向を有する。
なお、電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行う場合、例えば、K-Alpha(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて行うことができる。
また、ピーク分離処理はX線光電子分光分析装置付属の解析ソフト(例えば、CasaXPS)を用いて行うことができる。詳細には、対象とする元素スペクトルの結合エネルギー範囲において、ソフト所定のピーク分離機能、フィッティング機能を用いて解析を行う。このとき、再現性良く解析出来る方法であれば分離条件は特に限定されない。また、対象とする元素でピーク分離したスペクトルに対し、それぞれピーク面積を算出することで結合状態由来ごとのピーク存在量を算出できる。このとき、再現性良く解析出来る方法であればピーク存在量の算出条件は特に限定されない。
<中間層>
「中間層」とは、光電変換層で生じた電子を輸送し、光電変換層で生じた正孔の侵入を抑制する層であって、金属酸化物粒子を含有しない層である。中間層は、1層からなる構造でもよいし、2層以上有する構造であってもよい。
中間層は、アミン化合物を含有する層であることが好ましい。アミン化合物としては、中間層を設けることで光電変換素子の光電変換効率を向上させることができる材料であることが好ましく、例えば、下記一般式(4)で表されるアミン化合物などを用いることができる。
Figure 2023056085000001
上記一般式(4)中、R及びRは、置換基を有してもよい炭素数が1以上4以下のアルキル基またはR及びRが結合する環構造を表し、置換基を有してもよい炭素数が1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、置換基を有さない炭素数が1以上4以下のアルキル基であることがより好ましい。上記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、及び水酸基などが挙げられる。また、上記環構造における炭素数は3以上6以下であることが好ましい。なお、R及びRが置換基を有してもよい炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合、R及びRにおけるアルキル基は同一でも異なってもよい。
上記一般式(4)中、Xは、炭素数6以上14以下の2価の芳香族基又は炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、炭素数6以上14以下の2価の芳香族基であることが好ましい。
上記一般式(4)中、Aは、下記構造式(1)~(3)で表される置換基のいずれかを表し、構造式(1)で表される置換基であることが好ましい。
Figure 2023056085000002
Figure 2023056085000003
Figure 2023056085000004
上記一般式(4)以外のアミン化合物としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シラン、トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン、ビス[3-(トリメトシキシリル)プロピル]アミン、ビス[3-(トリエトシキシリル)プロピル]アミン、N,N’-ビス[3-(トリメトシキシリル)プロピル]エタン-1,2-ジアミンなどを挙げることができる。
中間層の製造方法としては、例えば、アミン化合物を含有する溶液をスピンコート法、ディッピング法などで付与して乾燥させる方法が挙げられる。
<光電変換層>
「光電変換層」とは、光を吸収することで電子及び正孔を発生させる層である。光電変換層は、2種以上の有機材料を含有し、具体的には、ドナー性有機材料(p型有機半導体材料とも称する)とアクセプター性有機材料(n型有機半導体材料とも称する)とを含有する。ドナー性有機材料およびアクセプター性有機材料は、それぞれ、複数種類の有機材料を用いてよく、これにより光電変換層が3種以上の有機材料を含有することが好ましい。また、光電変換層において、ドナー性有機材料及びアクセプター性有機材料は、混合されてバルクヘテロ構造を形成していることが好ましい。
-ドナー性有機材料-
ドナー性有機材料は、最高被占軌道(HOMO)準位が4.8eV以上5.7eV以下であるπ電子共役化合物であることが好ましく、5.1eV以上5.5eV以下であるπ電子共役化合物または5.2eV以上5.6eV以下であるπ電子共役化合物であることがより好ましい。
なお、最高被占軌道(HOMO)準位は、光電子収量分光法による測定、サイクリックボルタンメトリー法による測定などによって求めることができる。具体的には、理研計器AC-3などの装置を用いて測定することができる。
ドナー性有機材料としては、例えば、各種の芳香族誘導体(例えば、チオフェン、フルオレン、カルバゾール、チエノチオフェン、ベンゾジチオフェン、ジチエノシロール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾールなど)をカップリングさせた共役高分子、低分子共役化合物であるポルフィリン類およびフタロシアニン類などが挙げられる。また、ドナー性有機材料は、分子内に電子供与性部位と電子受容性部位とを有するドナーアクセプター連結系材料類等であってもよい。
ドナー性有機材料の数平均分子量(Mn)は、低分子である場合は、10,000以下であることが好ましく、5,000以下であることがより好ましい。また、高分子である場合は、10,000以上であることが好ましい。
ドナー性有機材料の好ましい一例としては、最高被占軌道(HOMO)準位が5.1eV以上5.5eV以下であり且つ数平均分子量(Mn)が10,000以下である有機材料が挙げられる。このような有機材料としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2023056085000005
上記一般式(1)中、Rは炭素数が2以上8以下のアルキル基を表す。
上記一般式(1)中、nは1以上3以下の整数を表す。
上記一般式(1)中、Yはハロゲン原子を表す。
上記一般式(1)中、mは0以上4以下の整数を表す。
上記一般式(1)中、Xは下記一般式(2)又は下記一般式(3)を表す。
Figure 2023056085000006
Figure 2023056085000007
上記一般式(2)中、Rは直鎖又は分岐のアルキル基を表し、炭素数が2以上30以下の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(3)中、Rは直鎖又は分岐のアルキル基を表し、炭素数が2以上30以下の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
ドナー性有機材料の好ましい他の一例としては、最高被占軌道(HOMO)準位が5.2eV以上5.6eV以下であり且つ数平均分子量(Mn)が10,000以上である有機材料が挙げられる。なお、この有機材料は、上記の、最高被占軌道(HOMO)準位が5.1eV以上5.5eV以下であり且つ数平均分子量(Mn)が10,000以下である有機材料と併用することが好ましい。
最高被占軌道(HOMO)準位が5.2eV以上5.6eV以下であり且つ数平均分子量(Mn)が10,000以上である有機材料としては、例えば、2,1,3-ベンゾチアジアゾール-チオフェン系共重合体、キノキサリン-チオフェン系共重合体、チオフェン-ベンゾジチオフェン系共重合体、ポリフルオレン系重合体などが挙げられる。
2,1,3-ベンゾチアジアゾール-チオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格と2,1,3-ベンゾチアジアゾール骨格を主鎖に有する共役系共重合体を表す。2,1,3-ベンゾチアジアゾール-チオフェン系共重合体の具体例としては、下記一般式(5)~(8)などが挙げられる。なお、下記一般式(5)~(8)におけるnは、それぞれ独立して、1以上1000以下の整数を表す。
Figure 2023056085000008
Figure 2023056085000009
Figure 2023056085000010
Figure 2023056085000011
キノキサリン-チオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格とキノキサリン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を表す。キノキサリン-チオフェン系共重合体の具体例としては、下記一般式(9)などが挙げられる。なお、下記一般式(9)におけるnは、1以上1000以下の整数を表す。
Figure 2023056085000012
チオフェン-ベンゾジチオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格とベンゾジチオフェン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を表す。チオフェン-ベンゾジチオフェン系共重合体の具体例としては、下記一般式(10)~(13)などが挙げられる。なお、下記一般式(10)~(13)におけるnは、それぞれ独立して、1以上1000以下の整数を表す。
Figure 2023056085000013
Figure 2023056085000014
Figure 2023056085000015
Figure 2023056085000016
-アクセプター性有機材料-
アクセプター性有機材料は、最低空軌道(LUMO)準位が3.5eV以上4.5eV以下であるπ電子共役化合物であることが好ましい。
アクセプター性有機材料としては、例えば、フラーレン又はその誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸イミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸イミド誘導体などが挙げられる。これらの中でも、フラーレン誘導体が好ましい。
フラーレン誘導体としては、例えば、C60、フェニル-C61-酪酸メチル(公知文献等において、PCBM、[60]PCBM、又はPC61BMと記載されているフラーレン誘導体)、C70、フェニル-C71-酪酸メチル(公知文献等において、PCBM、[70]PCBM、又はPC71BMと記載されているフラーレン誘導体)、下記一般式(14)で表されるフラロピロリジン系フラーレン誘導体などが挙げられる。
Figure 2023056085000017
上記一般式(14)中、Y及びYは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。但し、Y及びYが共に水素原子であることはない。また、上記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びアラルキル基はいずれも、置換基を有していても有していなくてもよい。
上記一般式(14)中、Arは、アリール基を表す。但し、アリール基は置換基を有していても有していなくてもよい。
-光電変換層の平均厚み-
光電変換層の平均厚みは、50nm以上400nm以下であることが好ましく、60nm以上250nm以下であることがより好ましい。平均厚みが50nm以上であることで、光電変換層の光吸収による生じるキャリア量が十分となる。また、平均厚みが400nm以下であることで、光吸収により生じるキャリアの輸送効率低下が抑制される。
光電変換層の平均厚みは、例えば、次のような方法により光電変換層の厚みを無作為に9点で測定し、これらの平均値を求めることで算出される。まず、基材上に光電変換層を構成する材料を含む液体を塗布して乾燥させた後、溶剤で任意の点ふき取り、Bruker社製DEKTAKを用い、ふき取った場所の段差の高さを測定し、得られた測定値を厚みとする。なお、光電変換素子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより、光電変換層の平均厚みを測定してもよい。
-光電変換層におけるバルクへテロ接合の形成方法-
光電変換層は、上記の各有機材料を順次積層して平面的な接合界面を有する層としてもよいが、接合界面の面積を大きくするため、上記の各有機材料が三次元的に混在した構造を有するバルクへテロ接合を形成させることが好ましい。バルクヘテロ接合は、例えば、次のようにして形成する。
各有機材料が溶解性の高い材料である場合は、各有機材料を溶剤に溶かし、各有機材料が分子状で混合された溶液を作製し、塗布後に乾燥させて溶剤を除去することで形成する。この場合、更に加熱処理を行うことで各有機材料の凝集状態を最適化してもよい。
一方で、溶解性の低い有機材料を用いる場合は、一方の有機材料が溶解した溶液に他方の有機材料を分散させた液体を作製し、塗布後に乾燥させて溶剤を除去することで形成する。この場合、更に加熱処理を行うことで各有機材料の凝集状態を最適化してもよい。
-光電変換層の作製方法-
光電変換層の作製方法は、上記の各有機材料を含有する液体を付与する工程などを有する。付与方法としては、例えば、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法などが挙げられる。これらの中から、厚み制御や配向制御など、作製しようとする光電変換層の特性に応じて適宜選択する。
例えば、スピンコート法を用いる場合、上記の各有機材料を5mg/mL以上40mg/mL以下の濃度で含有する溶液を用いることが好ましい。なお、濃度とは、各有機材料を含む溶液の体積に対する各有機材料の合計質量を表す。上記濃度に設定することで均質な光電変換層を容易に作製することができる。
また、付与された各有機材料を含む液体から溶媒又は分散媒を除去するために、減圧下又は不活性雰囲気下(窒素、アルゴン雰囲気下)においてアニーリング処理を行ってもよい。アニーリング処理の温度は、40℃以上300℃以下であることが好ましく、50℃以上150℃以下であることがより好ましい。なお、アニーリング処理を行うことで、積層した層間の界面において、各層を構成する材料が互いに浸透することで接触面積が増加し、短絡電流を増大させることができる場合があるため好ましい。
各有機材料を溶解又は分散させる溶媒又は分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o-クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、及びγ-ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、クロロベンゼン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼンが特に好ましい。
なお、上記溶媒又は分散媒には各種添加剤を含有させてもよい。各種添加剤としては、例えば、ジヨードオクタン、オクタンジチオール等を用いることができる。
<正孔輸送層>
「正孔輸送層」とは、光電変換層で生じた正孔を輸送し、光電変換層で生じた電子の侵入を抑制する層である。正孔輸送層は、1層からなる構造でもよいし、2層以上有する構造であってもよい。以下、一例として、正孔輸送層を1層有する構造である場合について説明する。
正孔輸送層は、正孔輸送性を有する有機化合物及び無機化合物から選ばれる少なくとも1つを含有する層であることが好ましい。正孔輸送性を有する有機化合物としては、PEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)等の導電性高分子、及び芳香族アミン誘導体などが挙げられる。正孔輸送性を有する無機化合物としては、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、及び酸化銅(I)などが挙げられる。これら正孔輸送性を有する化合物の中でも、酸化モリブデン、酸化タングステン、及び酸化バナジウムが好ましい。
正孔輸送層の平均厚みは、200nm以下であることが好ましく、1nm以上50nm以下であることがより好ましい。
正孔輸送層の製造方法としては、例えば、正孔輸送性を有する化合物と溶媒又は分散媒とを含む液体を塗布して乾燥させる方法が挙げられる。塗布方法としては、スピンコート法、ゾルゲル法、スリットダイコート法、及びスパッタリング法などが挙げられる。
<第二の電極>
「第二の電極」とは、光電変換されて生じた正孔を捕集する電極である。第二の電極が光の入射面側に設けられている場合、第二の電極は、光電変換効率を高める観点から光透過性が高いことが好ましく、透明であることがより好ましい。但し、第二の電極が光の入射面の反対側に設けられている場合、光透過性及び透明性が低くてもよい。
第二の電極は、上記の第一の電極と同様のものを用いることができるため説明を省略する。
<表面保護部>
「表面保護部(層状である場合において「パッシベーション層」とも称される)」とは、第一の電極及び第二の電極のうち、光の入射面から遠い位置に設けられた電極である一方の電極と封止部材とが直接接触することを防止する部材であり、一方の電極と封止部材との間に設けられる部材である。また、表面保護部の形状は特に限定されないが、層状であることが好ましい。このような表面保護部が一方の電極上に設けられていることで(具体的には、一方の電極の光電変換層と対向していない非対向面と隣接するように設けられていることで)、封止部材を構成する接着部材が一方の電極と直接接触しないように光電変換素子を構成することができ、一方の電極を構成する材料が接着部材側に転写されることで生じる剥離の問題が抑制される。
表面保護部を構成する材料としては、例えば、SiOx、SiOxNy、Al等の金属酸化物、ポリエチレン、フッ素系材料、ポリパラキシリレン等のポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、金属酸化物又はフッ素系材料が好ましい。
表面保護部の製造方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法などが挙げられる。
<封止部材>
「封止部材」とは、水および酸素などの外部物質が光電変換素子内部へ侵入して上記各層と接触することを抑制する部材である。封止部材は、一方の電極側から、封止部材を他の部材と接着可能にする接着部材と、外部物質が光電変換素子内部へ侵入することを抑制するガスバリア部材と、を順次有することが好ましく、これら部材が一体化したフィルム状の部材であることがより好ましい。なお、「順次」とは、これら部材が全体として上記の順で並んでいればよく、接着部材とガスバリア部材との間に他の部材又は層などが挿入されていてもよい。また、封止部材が光の入射面の反対側に設けられている場合、封止部材は光透過性又は透明性を有していなくてもよい。なお、封止部材は光電変換素子の最外部を構成する部材であることが好ましい。
ガスバリア部材に要求される機能は、一般的に水蒸気透過量及び酸素透過量などで表現される。JIS K7129 B法準拠に準拠する一日あたりの水蒸気透過量は、例えば、10g/m以下であることが好ましく、低ければ低いほど好ましい。また、JIS K7126-2に準拠する一日あたりの酸素透過量は、例えば、1cm/m・atm以下であることが好ましく、低ければ低いほど好ましい。
接着部材の材料は、例えば、有機電界発光素子及び有機トランジスタ等の封止に用いられる一般的な材料を使用することができる。具体的には、感圧接着性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、封止工程で加熱する必要がない、感圧接着性樹脂が好ましい。なお、接着部材の材料の具体的例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン-イソブチレン樹脂、炭化水素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。これら樹脂の主鎖、分岐鎖、末端における化学修飾、分子量の調整等によって、各種接着特性を得ることができる。
<UVカット層>
「UVカット層」とは、光の入射面側に設けられ、UV光による光電変換素子の劣化を抑制する層である。UVカット層は、UV光を吸収するフィルム状の部材であることが好ましい。また、UVカット層は、光の入射面側に位置する基材上に設けられていることが好ましい。
UVカット層に要求される機能は、一般的に光透過率などで表現される。波長370nm以下の光に対する光透過率は、例えば、1%未満であることが好ましい。また、波長410nm以下の光に対する光透過率は、例えば、1%未満であることが好ましい。
<ガスバリア層>
「ガスバリア層」とは、水および酸素などの外部物質が光電変換素子内部へ侵入することを抑制する層である。ガスバリア層は、連続膜であることが好ましい。また、ガスバリア層は、基材(素子基材)と隣接して設けられることが好ましく、他方の電極と基材との間に設けられることがより好ましい。なお、ガスバリア層が基材と隣接して設けられている場合、本開示では、ガスバリア層を、基材(素子基材)を構成する一構成とみなす。
ガスバリア層に要求される機能は、一般的に水蒸気透過量及び酸素透過量などで表現される。JIS K7129 B法に準拠する一日あたりの水蒸気透過量は、例えば、10g/m以下であることが好ましく、低ければ低いほど好ましい。また、JIS K7126-2に準拠する一日あたりの酸素透過量は、例えば、1cm/m・atm以下であることが好ましく、低ければ低いほど好ましい。
ガスバリア層の材料としては、例えば、SiO、SiNx、Al、SiC、SiCN、SiOC、SiOAlを含む材料、及びシロキサン系材料などが挙げられる。
<その他の層>
光電変換素子は、更に必要に応じて、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層などのその他の層を有してもよい。
<光電変換素子の構成>
光電変換素子の構成の一例について図1~2を用いて説明する。図1は、光電変換素子の一例を示す俯瞰概略図である。図2は、光電変換素子の一例を示す断面概略図である。
図1の俯瞰概略図に示す通り、光電変換素子1は、光電変換可能な領域である光電変換領域2、光電変換領域2を取り囲む封止領域3、及び端子等のその他部材が設けられたその他領域4を有する。
図2の断面概略図に示す通り、光電変換素子1は、光電変換領域2において、積層方向zに沿って、光の入射面側から順に、UVカット層11、基材12、第一の電極13、電子輸送層14、中間層15、光電変換層16、正孔輸送層17、第二の電極18、表面保護部(パッシベーション層)19、及び封止部材20を積層した構造(以降、「構造A」とも称する)を有する。また、光電変換素子1は、封止領域3において、積層方向zに沿って、光の入射面側から順に、UVカット層11、基材12、第一の電極13、及び封止部材20を積層した構造を有する。このとき、封止部材20は、接着部材21及びガスバリア部材22を有する。また、封止部材20は、電子輸送層14、中間層15、光電変換層16、正孔輸送層17、第二の電極18、及び表面保護部(パッシベーション層)19を内包し、且つ表面保護部19(パッシベーション層)及び第一の電極13における接着領域30と接着している。なお、光電変換素子1において、第一の電極13は上記の「他方の電極」に相当し、第二の電極18は上記の「一方の電極」に相当する。また、光電変換素子1は、更に、別の光電変換素子と直列又は並列に電気的に接続されるための接続部などを有していてもよい。また、積層方向zは、光電変換素子における各層の面(xy面)に対して垂直な方向を表す。
なお、構造Aを有する光電変換素子1の光電変換領域2における第一の電極13から第二の電極18までの積層順は、上記の通り、この順に限られない。具体的には、光電変換素子1は、光電変換領域2において、積層方向zに沿って、光の入射面側から順に、UVカット層11、基材12、第二の電極13、正孔輸送層14、光電変換層15、中間層16、電子輸送層17、第一の電極18、表面保護部(パッシベーション層)19、及び封止部材20を積層した構造(以降、「構造B」とも称する)であってもよい。このとき、封止部材20は、正孔輸送層14、光電変換層15、中間層16、電子輸送層17、第一の電極18、及び表面保護部(パッシベーション層)19を内包し、且つ表面保護部19(パッシベーション層)及び第二の電極13における接着領域30と接着している。なお、光電変換素子1において、第二の電極13は上記の「他方の電極」に相当し、第一の電極18は上記の「一方の電極」に相当する。
本開示では、図1~2に示す通り、構造Aを有する光電変換素子を一例として主に説明するが、当業者であれば、かかる説明から構造Bを有する光電変換素子について容易に理解できる。
<<光電変換モジュール>>
「光電変換モジュール」とは、電気的に接続されている複数の光電変換素子を有するものである。電気的な接続は、光電変換素子が直列に接続されている場合及び並列に接続されている場合のいずれであってもよい。また、光電変換モジュールは、直列に接続されている複数の光電変換素子および並列に接続されている複数の光電変換素子の両方を有していてもよい。なお、本開示における「接続」は、いずれも、物理的な接続に限定されず、電気的な接続も含まれるものとする。
光電変換モジュールは、複数の光電変換素子と、光電変換素子間を電気的に接続する接続部と、を有し、必要に応じてその他部材を有する。言い換えると、光電変換モジュールは、少なくとも、第一の光電変換素子と、第一の光電変換素子と隣接する第二の光電変換素子と、第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子を電気的に接続する接続部と、を有し、必要に応じてその他部材を有する。なお、光電変換素子および接続部は、機能上区別される部材であればよく、光電変換素子および接続部がそれぞれ独立した部材であってもよいが、光電変換素子および接続部が連続的または一体的に設けられた部材であってもよい。例えば、光電変換素子の一構成である電極等と接続部とが、それぞれ独立した部材であってもよいが、連続的または一体的に設けられた部材であってもよい。
<<光電変換素子、光電変換モジュールの製造方法>>
光電変換モジュールの製造方法の一例について説明することで、同時に、光電変換素子の製造方法の一例についても説明する。なお、本開示では、図2に示すような構造Aを有する光電変換素子の製造方法の一例について説明するが、当業者であれば、かかる説明から構造Bを有する光電変換素子の製造方法の一例について容易に理解できる。
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、例えば、基材上にガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程と、ガスバリア層を有する基材上に第一の電極を形成する第一の電極形成工程と、第一の電極上に電子輸送層を形成する電子輸送層形成工程と、電子輸送層上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、電子輸送層及び光電変換層を貫通する貫通部を形成する貫通部形成工程と、光電変換層上に正孔輸送層を形成し且つ貫通部における第一の電極、電子輸送層、及び光電変換層の露出表面を正孔輸送層の材料で被覆する正孔輸送層形成工程と、正孔輸送層上に第二の電極を形成し且つ貫通部を第二の電極の材料で充填して貫通構造を形成する第二の電極形成工程と、第二の電極上に表面保護部を形成する表面保護部形成工程と、電子輸送層から表面保護部までの積層物における外周部を除去することで第一の電極における接着領域を形成する接着領域形成工程と、封止部材に電子輸送層から表面保護部までの積層物を内包させ且つ表面保護部及び接着領域と接触させる封止部材形成工程とを有し、必要に応じて、UVカット層形成工程などのその他工程等を有する。
<ガスバリア層形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、基材上にガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程を有することが好ましい。なお、基材自体がガスバリア性を有する場合、ガスバリア層は形成しなくてもよい。
<第一の電極形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、ガスバリア層を有する基材上に第一の電極を形成する第一の電極形成工程を有することが好ましい。なお、基材がガスバリア層を有さない場合は、基材上に第一の電極を形成してもよい。
第一の電極を形成する方法は、第一の電極に関する説明において記載した通りである。
<電子輸送層形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、第一の電極上に電子輸送層を形成する電子輸送層形成工程を有することが好ましい。
電子輸送層を形成する方法は、電子輸送層に関する説明において記載した通りである。
<光電変換層形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、電子輸送層上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程を有することが好ましい。
光電変換層を形成する方法は、光電変換層に関する説明において記載した通りである。
<貫通部形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、電子輸送層及び光電変換層を貫通する貫通部を形成する貫通部形成工程を有することが好ましい。本開示において貫通部とは空孔を表し、図2に示すような構造Aを有する光電変換素子であれば電子輸送層及び光電変換層を貫通する空孔を表す。貫通部の形状および大きさ等は、光電変換素子間を電気的に接続可能である限り限定されないが、例えば、光電変換モジュールを第二の電極側から平面視した場合にライン状または円形状になる形状が挙げられ、光電変換素子の断面を観察した場合に長方形または正方形になる形状が挙げられる。この貫通部により各層が分割されて複数の光電変換素子が形成される。
貫通部を形成する方法としては、例えば、レーザーデリーションやメカニカルスクライブなどが挙げられる。
<正孔輸送層形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、光電変換層上に正孔輸送層を形成し且つ貫通部における第一の電極、電子輸送層、及び光電変換層の露出表面を正孔輸送層の材料で被覆する正孔輸送層形成工程を有することが好ましい。
正孔輸送層を形成する方法は、正孔輸送層に関する説明において記載した通りである。
<第二の電極形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、正孔輸送層上に第二の電極を形成し且つ貫通部を第二の電極の材料で充填して貫通構造を形成する第二の電極形成工程を有することが好ましい。本開示において貫通構造とは貫通部の内部を満たす構造体を表し、図2に示すような構造Aを有する光電変換モジュールであれば正孔輸送層の材料および第二の電極の材料で形成される構造体を表す。この貫通構造が、光電変換素子間を接続する接続部として機能する。
第二の電極を形成する方法は、第二の電極に関する説明において記載した通りである。
<表面保護部形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、第二の電極上に表面保護部を形成する表面保護部形成工程を有することが好ましい。
表面保護部を形成する方法は、表面保護部に関する説明において記載した通りである。
<接着領域形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、電子輸送層から表面保護部までの積層物(電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、第二の電極、及び表面保護部の積層物)における外周部を除去することで第一の電極を露出させて、第一の電極上に接着領域を形成する接着領域形成工程を有することが好ましい。
外周部を除去する方法としては、例えば、レーザーデリーション及びメカニカルスクライブなどが挙げられる。
<封止部材形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、封止部材に電子輸送層から表面保護部までの積層物(電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、第二の電極、及び表面保護部の積層物)を内包させ且つ表面保護部及び接着領域と接触させることで接着させる封止部材形成工程を有していてもよい。
<UVカット層形成工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、必要に応じて、光の入射面側にUVカット層を形成するUVカット層形成工程を有していてもよい。
<その他工程>
光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法は、必要に応じて、絶縁性多孔質層形成工程、劣化防止層形成工程、保護層形成工程等を有していてもよい。
<光電変換素子、光電変換モジュールの製造方法の具体例>
図3Aから図3Mを用いて、光電変換素子を有する光電変換モジュールの製造方法の一例を詳細に説明する。図3Aから図3Mは、光電変換モジュールの製造方法の一例を示す概略図である。
図3Aに示すように、まず、ガスバリア性を有する基材12上に第一の電極13(他方の電極)を形成する。一つの基材12上に複数の光電変換素子を形成する場合、図3Bに示すように、形成した第一の電極13の一部を消失させ、第一の分割部13’を形成する。このとき、分割部13’の左側に形成されることになる光電変換素子を第一の光電変換素子と称し、分割部13’の右側に形成されることになる光電変換素子を第二の光電変換素子と称する。次に、図3C及び図3Dに示すように、基材12及び第一の電極13上に電子輸送層14及び中間層15を形成する。次に形成した中間層15上に、図3Eに示すように、光電変換層16を形成する。光電変換層16を形成した後、図3Fに示すように、第一の電極13上に形成した電子輸送層14及び中間層15と、光電変換層16と、を貫通するよう所定の領域を除去し、貫通部16’を形成する。貫通部16’を形成した後、図3G及び図3Hに示すように、正孔輸送層17及び第二の電極18を形成する。また、正孔輸送層17及び第二の電極18の形成に伴い、貫通部16’に正孔輸送層の材料および第二の電極の材料からなる構造体である接続部18’が形成される。一つの基材12上に複数の光電変換素子を形成する場合、図3Iに示すように、第一の光電変換素子における第二の電極18(一方の電極)及び第二の光電変換素子における第二の電極18(一方の電極)の間において、第二の電極18と、正孔輸送層17と、を貫通するよう所定の領域を除去し、第二の分割部13’’を形成する。次に、図3Jに示すように、第二の電極18上に表面保護部19を形成する。このとき、表面保護部19の形成に伴って、第二の分割部13’’に表面保護部を構成する材料を含有する構造体(本構造体も分割部の一構成であるとする)が形成される。なお、上記構造体(分割部)は、図3Jに示すように、第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子における各表面保護部19と連続する。また、上記構造体(分割部)は、図3Jに示すように、第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子における各第二の電極18(一方の電極)の側面と、第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子における各正孔輸送層17の側面と、光電変換層16と、接触している。表面保護部を構成する材料と同様の上記構造体(分割部)が上記側面及び光電変換層と接触して被覆していることで、外部から侵入してきた水又は酸素が光電変換層等の各層と接触することを抑制できるため、光電変換層等の各層において経時的に生じる腐食及び劣化等が抑制され、保管耐久性が向上する。次に、図3Kに示すように、電子輸送層14から表面保護部19までの積層物における外周部を除去することで第一の電極13を露出させて、第一の電極13上に接着領域を形成し、更に、封止部材20で電子輸送層から表面保護部までの積層物を内包させ且つ表面保護部及び接着領域と接触させることで接着させる。
<<有機薄膜太陽電池に係る光電変換モジュール>>
「光電変換モジュール」とは、電気的に接続されている複数の光電変換素子を有するものである。電気的な接続は、光電変換素子が直列に接続されている場合及び並列に接続されている場合のいずれであってもよい。また、光電変換モジュールは、直列に接続されている複数の光電変換素子および並列に接続されている複数の光電変換素子の両方を有していてもよい。なお、本開示における「接続」は、いずれも、物理的な接続に限定されず、電気的な接続も含まれるものとする。
光電変換モジュールは、複数の光電変換素子と、光電変換素子間を電気的に接続する接続部と、を有し、必要に応じてその他部材を有する。言い換えると、光電変換モジュールは、少なくとも、第一の光電変換素子と、第一の光電変換素子と隣接する第二の光電変換素子と、第一の光電変換素子及び第二の光電変換素子を電気的に接続する接続部と、を有し、必要に応じてその他部材を有する。なお、光電変換素子および接続部は、機能上区別される部材であればよく、光電変換素子および接続部がそれぞれ独立した部材であってもよいが、光電変換素子および接続部が連続的または一体的に設けられた部材であってもよい。例えば、光電変換素子の一構成である電極等と接続部とが、それぞれ独立した部材であってもよいが、連続的または一体的に設けられた部材であってもよい。
<<電子機器>>
電子機器は、少なくとも、上記の光電変換素子(複数の光電変換素子を有する光電変換モジュールであってもよい)と、光電変換素子と電気的に接続された装置と、を有する。光電変換素子と電気的に接続された装置は、光電変換素子が光電変換することにより生じた電力などにより動作する装置である。また、電子機器は、用途によって複数の実施形態を有し、例えば、次の第一の形態および第二の形態などを挙げることができる。
第一の形態は、光電変換素子と、光電変換素子と電気的に接続された装置と、を有し、必要に応じて、その他装置を有する電子機器である。
第二の形態は、光電変換素子と、光電変換素子と電気的に接続された蓄電池と、光電変換素子および蓄電池と電気的に接続された装置と、を有し、必要に応じて、その他装置を有する電子機器である。
<<電源モジュール>>
電源モジュールは、少なくとも、上記の光電変換素子と、光電変換素子と電気的に接続された電源IC(Integrated Circuit)と、を有し、必要に応じて、その他装置を有する。
<<用途>>
上記の光電変換素子は、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることができる。また、光電変換素子は、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を外部電源に接続したり、電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることができる。また、電子機器に乾電池を用いる場合は、その分、電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、持ち運びに支障を来すことがあるが、光電変換素子は、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、光電変換素子は自立型電源として使用できるため、光電変換素子を搭載した電子機器は様々な用途に用いることができる。例えば、光電変換素子を搭載した電子機器の用途としては、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、パソコン用マウス、パソコン用キーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPS(Global Positionin System)などの発信機、補助灯、リモコン等が挙げられる。
本開示の光電変換素子は、低照度の光でも発電できる。低照度とは、例えば、照明等で照らされた室内環境における照度が挙げられ、具体的には、20ルクス以上1,000ルクス以下の照度であり、太陽の直射光(およそ100,000ルクス)と比較し、非常に微弱である。即ち室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることもできる。このように、光電変換素子と、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器を得ることができる。そのため、光電変換素子を搭載した電子機器は様々な用途に用いることができる。
光電変換素子と、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力によって動作する装置回路とを組み合わせた電子機器の基本構成の一例を示す概略図を図4に示す。光電変換素子に光が照射されると発電して電力を取り出すことができ、装置回路はその電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図4に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図5の電子機器の基本構成の一例を示す概略図に示すように、装置回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と装置回路との間に電源ICを組み込むことが好ましい。
また、光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図6の電子機器の基本構成の一例を示す概略図に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路との間に設けることによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することができ、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することができ、機器回路を安定に動作させることが可能となる。
このように、光電変換素子および機器回路を組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子を搭載した電子機器は様々な用途に用いることができる。
また、光電変換素子は、電源モジュールとしても使用することが可能である。例えば、図7の電源モジュールの基本構成の一例を示す概略図に示すように、光電変換素子および電源ICを接続すると、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図8の電源モジュールの基本構成の一例を示す概略図に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図7及び図8に示した電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。そのため、光電変換素子を搭載した電源モジュールは様々な用途に用いることができる。
以下、上記の光電変換素子と、電力によって動作する装置と、を有する電子機器の具体的な用途について説明する。
<パソコン用マウス用途>
図9は、電子機器の一例としてのパソコン用マウス(以降、「マウス」とも称する)の基本構成の一例を示す概略図である。図9に示すように、マウスは、光電変換素子と、電源ICと、蓄電デバイスと、マウス制御回路と、を有する。また、マウス制御回路の電源は、接続されている光電変換素子又は蓄電デバイスから電力が供給される。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、マウス用途として好適である。
図10は、図9に示したパソコン用マウスの一例を示す概略外観図である。図10に示すように、光電変換素子、電源IC、蓄電デバイス、及びマウス制御回路は、マウス内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置は、これに限られるものではなく、例えば、マウスを手で覆っていても光が光電変換素子に当たる位置に配置することもできる。
<パソコン用キーボード用途>
図11は、電子機器の一例としてのパソコン用キーボード(以降、「キーボード」とも称する)の基本構成の一例を示す概略図である。図11に示すように、キーボードは、光電変換素子と、電源ICと、蓄電デバイスと、キーボード制御回路と、を有する。また、キーボード制御回路の電源は、接続されている光電変換素子又は蓄電デバイスから電力が供給される。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、キーボード用途として好適である。
図12は、図11に示したパソコン用キーボードの一例を示す概略外観図である。図12に示すように、光電変換素子、電源IC、蓄電デバイス、及びキーボード制御回路は、キーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置は、これに限られるものではなく、例えば、光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードである場合には、図13の、図11に示したパソコン用キーボードの他の一例を示す概略外観図に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むこともできる。
<センサ用途>
図14は、電子機器の一例としてのセンサの基本構成の一例を示す概略図である。図14に示すように、センサは、光電変換素子と、電源ICと、蓄電デバイスと、センサ回路と、を有する。また、センサ回路の電源は、接続されている光電変換素子又は蓄電デバイスから電力が供給される。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサを構成することが可能となる。センサのセンシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧などを挙げることができる。センサは、図15中Aに示すように、定期的に測定対象をセンシングして取得したデータをPC(Personal Computer)やスマートフォンなどに無線通信で送信することが好ましい。
IoT(Internet of Things)社会の到来により、センサは急増することが予想されている。一方で、この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所に配置されることも作業性を低下させている。そのため、光電変換素子により電力供給できるセンサのメリットは非常に大きい。また、本開示の光電変換素子は、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
<ターンテーブル用途>
図16は、電子機器の一例としてのターンテーブルの基本構成の一例を示す概略図である。図16に示すように、ターンテーブルは、光電変換素子と、電源ICと、蓄電デバイスと、ターンテーブル制御回路と、を有する。また、ターンテーブル制御回路の電源は、接続されている光電変換素子又は蓄電デバイスから電力が供給される。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。なお、ターンテーブルは、例えば、商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。そのため、光電変換素子により電力供給できるターンテーブルのメリットは非常に大きい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<光電変換素子の作製>
-第一の電極付き基材-
まず、インジウムドープ酸化スズ(ITO)が、パターン製膜されたガスバリア層付きポリエチレンテレフタレート(PET)基材をジオマテック株式会社より調達した。
-電子輸送層の形成-
次に、金属酸化物粒子を含む分散液であるAZOナノ粒子液(Aldrich社製、個数平均粒子径12nm)を、ITOガスバリアPETフィルム(15Ω/□)上に3,000rpmでスピンコートし、100℃で10分加熱し、平均厚み30nmの金属酸化物粒子(AZO粒子)を基材上に配置した。
また、酢酸亜鉛2水和物0.5mmmol、2-エタノールアミン0.5mmol、及び2-メトキシエタノール20mLを混合して1時間室温で撹拌することで、金属酸化物前駆体を含む溶液を調整した。次に、この溶液を、AZO粒子が配置されたITOガスバリアPETフィルム(15Ω/□)上に3,000rpmでスピンコートし、130℃で10分加熱し、金属酸化物粒子(AZO粒子)同士の隙間に金属酸化物膜(ZnO膜)を有する平均厚み40nmの電子輸送層を形成した。
また、形成した電子輸送層に対して下記方法によりX線光電子分光(XPS)分析を行ったところ、酸素原子の1s軌道を表す2種類のピークが検出され、2種類のピークのうち低エネルギー側のピークにおけるピーク面積をXとし、2種類のピークのうち高エネルギー側のピークにおけるピーク面積をYとしたときの、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
なお、X線光電子分光(XPS)分析においては、K-Alpha(Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。また、ピーク分離処理はX線光電子分光分析装置付属の解析ソフトCasaXPSを用いた。詳細には、対象とする元素スペクトルの結合エネルギー範囲において、ソフト所定のピーク分離機能、フィッティング機能を用いて解析を行った。このとき、再現性良く解析出来る方法であれば分離条件は特に限定されない。また、対象とする元素でピーク分離したスペクトルに対し、それぞれピーク面積を算出することで結合状態由来ごとのピーク存在量を算出した。このとき、再現性良く解析出来る方法であればピーク存在量の算出条件は特に限定されない。
-光電変換層の形成-
次に、下記に示す例示化合物1(数平均分子量(Mn)=1,554、最高被占軌道(HOMO)準位:5.14eV)15mgと、下記の例示化合物3を10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Aとした。
Figure 2023056085000018
Figure 2023056085000019
次に、電子輸送層上に光電変換層塗工液Aを600rpmでスピンコートし、平均厚み300nmの光電変換層を形成した。
-正孔輸送層及び第二の電極の形成-
次に、光電変換層上に酸化モリブデン(高純度化学株式会社製)からなる正孔輸送層の材料を20nmの平均厚みで、銀からなる第二の電極の材料を100nmの平均厚みで、順次真空蒸着にて付与し、正孔輸送層及び第二の電極を形成した。
-太陽電池の経時特性に関する評価-
まず、作製した光電変換素子の白色LED照射下(0.07mW/cm、照度200lx.)における電流-電圧特性を計測した。得られた電流-電圧曲線から、初期(光照射開始時)の光電変換効率を算出した。白色LED照明は電球形LEDランプ(東芝ライテック株式会社製、LDA11N-G/100W)を用い、評価機器(ソースメータ)はKETSIGHT B2902Aを用いて測定した。LED光源の出力の測定はセコニック社製分光色彩照度計C-7000を用いた。
次に、作製した光電変換素子を、常温常湿下、500時間、疑似太陽光照射下(照度100,000lx)に放置した後、上記同様の方法により電流-電圧曲線を計測し、得られた電流-電圧曲線から、長時間の光照射後における光電変換効率を算出した。
その後、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
(実施例2)
<光電変換素子の作製>
実施例1の電子輸送層の形成において、下記方法に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-電子輸送層の形成-
実施例1において用いた金属酸化物粒子を含む分散液及び金属酸化物前駆体を含む溶液を質量比が1:1となるように混合して得られた混合液を、ITOガスバリアPETフィルム(15Ω/□)上に3,000rpmでスピンコートし、130℃で10分加熱し、金属酸化物粒子(酸化亜鉛粒子)同士の隙間に金属酸化物膜(ZnO膜)を有する平均厚み40nmの電子輸送層を形成した。
(実施例3)
<光電変換素子の作製>
実施例2の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Aを下記の光電変換層塗工液Bに変更した以外は実施例2と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液B-
上記の例示化合物1を15mgと、P3HT(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.2eV)5mgと、上記の例示化合物3を10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Bとした。
(実施例4)
<光電変換素子の作製>
実施例3の光電変換素子の作製において、電子輸送層の形成後であって電子輸送層の形成前において、下記の中間層の形成を行った以外は実施例3と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-中間層の形成-
ジメチルアミノ安息香酸(DMABA、東京化成工業株式会社製)をエタノールに溶かして1mg/mlの溶液を調整し、電子輸送層上に、3,000rpmでスピンコートし、10nm未満の中間層を形成した。
(実施例5)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Cに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液C-
上記の例示化合物1を15mgと、P3HT(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.2eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Cとした。
(実施例6)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Dに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液D-
下記の例示化合物4(数平均分子量(Mn)=1,463、最高被占軌道(HOMO)準位:5.27eV)を15mgと、P3HT(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.2eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Dとした。
Figure 2023056085000020
(実施例7)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Eに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液E-
下記の例示化合物5(数平均分子量(Mn)=1,886、最高被占軌道(HOMO)準位:5.00eV)を15mgと、P3HT(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.2eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Eとした。
Figure 2023056085000021
(実施例8)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Fに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液F-
上記の例示化合物1を15mgと、PTB7(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.15eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Fとした。
(実施例9)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Gに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液G-
上記の例示化合物1を15mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Gとした。
(実施例10)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Hに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液H-
上記の例示化合物1を15mgと、PBDB-T-2F(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Hとした。
(実施例11)
<光電変換素子の作製>
実施例4の電子輸送層の形成において、下記方法に変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-電子輸送層の形成-
金属酸化物粒子を含む分散液であるZnOナノ粒子液(Aldrich社製、個数平均粒子径12nm)及び実施例1において用いた金属酸化物前駆体を含む溶液を質量比が1:1となるように混合して得られた混合液を、ITOガスバリアPETフィルム(15Ω/□)上に3,000rpmでスピンコートし、130℃で10分加熱し、金属酸化物粒子(ZnO粒子)同士の隙間に金属酸化物膜(ZnO膜)を有する平均厚み40nmの電子輸送層を形成した。
(実施例12)
<光電変換素子の作製>
実施例4の電子輸送層の形成において、下記方法に変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-電子輸送層の形成-
金属酸化物粒子を含む分散液であるSnOナノ粒子液(アルファエイサー社製、個数平均粒子径12~20nm)及び実施例1において用いた金属酸化物前駆体を含む溶液を質量比が1:1となるように混合して得られた混合液を、ITOガスバリアPETフィルム(15Ω/□)上に3,000rpmでスピンコートし、130℃で10分加熱し、金属酸化物粒子(SnO粒子)同士の隙間に金属酸化物膜(ZnO膜)を有する平均厚み40nmの電子輸送層を形成した。
(実施例13)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Iに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液I-
上記の例示化合物1を12mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Iとした。
(実施例14)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Jに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液J-
上記の例示化合物1を10mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Jとした。
(実施例15)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Kに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液K-
上記の例示化合物1を7.5mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)7.5mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Kとした。
(実施例16)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Lに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液L-
上記の例示化合物1を5mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)10mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Lとした。
(実施例17)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Mに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液M-
上記の例示化合物1を6.7mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3.3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)10mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Mとした。
(実施例18)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Nに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液N-
上記の例示化合物1を6.7mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3.3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)15mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Nとした。
(実施例19)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Oに変更した以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液O-
上記の例示化合物1を6.7mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3.3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)20mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Oとした。
(実施例20)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Pに変更し、更に、光電変換層の平均厚みを150nmにした以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液P-
上記の例示化合物1を6.7mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3.3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)20mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Pとした。
(実施例21)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Qに変更し、更に、光電変換層塗工液Qを500rpmでスピンコートし、光電変換層の平均厚みを500nmにした以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液Q-
上記の例示化合物1を6.7mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3.3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)20mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Qとした。
(実施例22)
<光電変換素子の作製>
実施例4の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Bを下記の光電変換層塗工液Rに変更し、更に、光電変換層塗工液Rを400rpmでスピンコートし、光電変換層の平均厚みを800nmにした以外は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液R-
上記の例示化合物1を6.7mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)3.3mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)20mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Rとした。
(実施例23)
<光電変換素子の作製>
実施例22の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Rを下記の光電変換層塗工液Sに変更し、更に、光電変換層塗工液Sを600rpmでスピンコートし、光電変換層の平均厚みを450nmにした以外は実施例22と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液S-
上記の例示化合物1を8.0mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)2.0mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)20mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Sとした。
(実施例24)
<光電変換素子の作製>
実施例22の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Rを下記の光電変換層塗工液Tに変更し、更に、光電変換層塗工液Tを600rpmでスピンコートし、光電変換層の平均厚みを450nmにした以外は実施例22と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液T-
上記の例示化合物1を9.0mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)1.0mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)20mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Tとした。
(実施例25)
<光電変換素子の作製>
実施例22の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Rを下記の光電変換層塗工液Uに変更し、更に、光電変換層塗工液Uを600rpmでスピンコートし、光電変換層の平均厚みを450nmにした以外は実施例22と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液U-
上記の例示化合物1を8.0mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)2.0mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)15mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Uとした。
(実施例26)
<光電変換素子の作製>
実施例22の光電変換素子の作製において、光電変換層塗工液Rを下記の光電変換層塗工液Vに変更し、更に、光電変換層塗工液Vを600rpmでスピンコートし、光電変換層の平均厚みを450nmにした以外は実施例22と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-光電変換層塗工液V-
上記の例示化合物1を9.0mgと、PBDB-T(Osilla社製、最高被占軌道(HOMO)準位:5.33eV)1.0mgと、PC61BM(フロンティアカーボン社製)15mgと、をクロロホルム1mLに溶解させ、光電変換層塗工液Vとした。
(比較例1、3~10、13~22)
<光電変換素子の作製>
実施例1、3~10、13~22の電子輸送層の形成において、下記方法に変更した以外はそれぞれ実施例1、3~10、13~22と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
-電子輸送層の形成-
金属酸化物粒子を含む分散液であるAZOナノ粒子液(Aldrich社製、個数平均粒子径12nm)を、ITOガスバリアPETフィルム(15Ω/□)上に3,000rpmでスピンコートし、100℃で10分加熱し、金属酸化物粒子(AZO粒子)を有する平均厚み30nmの電子輸送層を形成した。
(比較例22’)
<光電変換素子の作製>
実施例22の光電変換素子の作製において、電子輸送層形成時の加熱温度を200℃にした以外は実施例22と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に、形成した電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行い、次式「Y/(X+Y)」により算出される値を求めた。算出結果を下記表1に示す。
また、実施例1と同様に、太陽電池の経時特性に関する評価を行い、長時間の光照射後における光電変換効率の初期の光電変換効率に対する割合を算出した。算出結果を下記表1に示す。
Figure 2023056085000022
1 光電変換素子
2 光電変換領域
3 封止領域
4 その他部材
11 UVカット層
12 基材
13 第一の電極
14 電子輸送層
15 中間層
16 光電変換層
17 正孔輸送層
18 第二の電極
19 表面保護部
20 封止部材
21 接着部材
22 ガスバリア部材
30 接着領域
特開2014-220333号公報
Applied Physics letters 108,253301 (2016) Japanese Journal of Applied Physics 54,071602 (2015)

Claims (19)

  1. 光電変換層を有する光電変換素子であって、
    前記電子輸送層は、金属酸化物粒子を有し、
    前記電子輸送層に対してX線光電子分光(XPS)分析を行った場合、酸素原子の1s軌道を表す2種類のピークが検出され、前記2種類のピークのうち低エネルギー側のピークのピーク面積をXとし、前記2種類のピークのうち高エネルギー側のピークのピーク面積をYとしたとき、次式「Y/(X+Y)≧0.5」を満たすことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記金属酸化物粒子の個数平均粒子径は、10nm以上50nm以下である請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記金属酸化物粒子は、酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化スズからなる群より選択される少なくとも1つを構成材料として含む請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記金属酸化物粒子は、酸化亜鉛を構成材料として含む請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  5. 前記電子輸送層は、更に、複数の前記金属酸化物粒子の間に位置する金属酸化物膜を有し請求項1から4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 前記金属酸化物膜は、酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化スズからなる群より選択される少なくとも1つを構成材料として含む請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記金属酸化物膜は、酸化亜鉛を構成材料として含む請求項5に記載の光電変換素子。
  8. 前記第一の電極、前記電子輸送層、前記光電変換層、正孔輸送層、及び前記第二の電極を順次有する請求項1から7のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  9. 前記第一の電極、前記電子輸送層、中間層、前記光電変換層、前記正孔輸送層、及び前記第二の電極を順次有する請求項8に記載の光電変換素子。
  10. 前記光電変換層は、最高被占軌道(HOMO)準位が5.1eV以上5.5eV以下であり且つ数平均分子量(Mn)が10,000以下である有機材料を含有する請求項1から9のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  11. 前記光電変換層は、更に、最高被占軌道(HOMO)準位が5.2eV以上5.6eV以下であり且つ数平均分子量(Mn)が10,000以上である有機材料を含有する請求項10に記載の光電変換素子。
  12. 前記光電変換層は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1から11のいずれか一項に記載の光電変換素子。
    Figure 2023056085000023
    (前記一般式(1)中、Rは炭素数が2以上8以下のアルキル基を表し、nは1以上3以下の整数を表し、Xは下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表され、Yはハロゲン原子を表し、mは0以上4以下の整数を表す。)
    Figure 2023056085000024
    (前記一般式(2)中、Rは直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
    Figure 2023056085000025
    (前記一般式(3)中、Rは直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
  13. 前記光電変換層は、フラーレン誘導体である有機材料を含有する請求項1から12のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  14. 前記中間層は、下記一般式(4)で表されるアミン化合物を含有する請求項9に記載の光電変換素子。
    Figure 2023056085000026
    (前記一般式(4)中、R及びRは置換基を有してもよい炭素数が1以上4以下のアルキル基またはR及びRが結合する環構造を表し、Xは炭素数6以上14以下の2価の芳香族基又は炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、Aは下記構造式(1)~(3)で表される置換基のいずれかを表す。)
    Figure 2023056085000027
    Figure 2023056085000028
    Figure 2023056085000029
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の光電変換素子と、前記光電変換素子と電気的に接続された装置と、を有することを特徴とする電子機器。
  16. 請求項1から14のいずれか一項に記載の光電変換素子と、前記光電変換素子と電気的に接続された蓄電池と、前記光電変換素子および前記蓄電池と電気的に接続された装置と、を有することを特徴とする電子機器。
  17. 請求項1から14のいずれか一項に記載の光電変換素子と、前記光電変換素子と電気的に接続された電源ICと、を有することを特徴とする電源モジュール。
  18. 電子輸送層を有する光電変換素子の製造方法であって、
    前記電子輸送層は、金属酸化物粒子を有し、
    前記金属酸化物粒子を含む分散液を付与して前記金属酸化物粒子を配置する工程と、
    配置された前記金属酸化物粒子に、金属酸化物の前駆体である金属酸化物前駆体を含む溶液を付与し、外部刺激により前記金属酸化物前駆体を前記金属酸化物に変化させる工程と、を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  19. 電子輸送層を有する光電変換素子の製造方法であって、
    前記電子輸送層は、金属酸化物粒子を有し、
    前記金属酸化物粒子と、金属酸化物の前駆体である金属酸化物前駆体と、を含む混合液を付与することで、前記金属酸化物粒子を配置し、更に、外部刺激により前記金属酸化物前駆体を前記金属酸化物に変化させる工程と、を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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