JP2023055074A - 撮像装置及びその制御方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが体験中(撮影中)は体験に集中できると共に、ユーザによる撮影後のトリミング作業等を不要とすることができる撮像装置及びその制御方法並びにプログラムを提供する。【解決手段】カメラ本体1は、映像を撮像する撮影部40と、使用者(ユーザ)の顔の各部の位置を検出し、前記使用者の観察方向を類推する顔方向検出部20と、顔方向検出部20と使用者の顔の間に異物が侵入したことを検出する異物侵入検出部20aと、撮影部40より撮像された映像のうち、観察方向を基準とする範囲の映像を出力する送信部70と、を備え、送信部70は、異物侵入検出部20aが異物が侵入したことを検出した場合、撮影部40より撮像された映像のうち、予め設定された範囲の映像を出力する。【選択図】図7E
Description
本発明は、撮像装置及びその制御方法並びにプログラムに関し、特にアクションカメラとして使用する撮像装置及びその制御方法並びにプログラムに関する。
従来、カメラの撮影は、撮影者であるユーザがカメラを撮影する方向に向け続ける必要があった。このため、撮影操作に手が取られることで撮影行為以外に手がまわせなかったり、撮影に意識を集中させられるためにその場に居る体験には意識を集中できなかったりしていた。
たとえば、撮影操作で言えば、撮影者である親は、子供を撮影している間は子供と一緒に遊ぶことはできなくなるし、子供と一緒に遊ぼうとすると撮影ができなくなるといった課題が生じる。
また、撮影への意識集中でいえば、スポーツ観戦中に撮影をしていると、ユーザは、応援できなかったり、ゲーム内容を覚えていなかったりするといった課題や、スポーツ観戦へ意識を集中すると撮影できないといった課題が生じる。同様に、グループ旅行中に撮影をしていると、ユーザは、他のメンバーと同じレベルでの感動を体験できないし、体験を優先すると撮影が疎かになるといった課題が生じる。
このような課題を解決する方法としては、頭部固定アクセサリーを用いてアクションカメラを頭部に固定して観察している方向を撮影することで、ユーザが撮影操作に手が取られることなく撮影する方法がある。また、全天球型撮影カメラで広範囲を撮影することで、体験中は体験に集中し、体験が終わってから撮影された全天球映像から必要な映像部分を切り出し編集し、体験したことの映像を残すという方法もある。
ただ前者の方法は、アクションカメラの本体が固定されている頭部固定アクセサリーを頭に装着するという煩わしい行為が必要になる。また、ユーザが頭部固定アクセサリーによってアクションカメラを頭部に装着すると、見栄えも悪い上、ユーザの髪型も乱れるなどの問題も起きる。さらには、頭に装着されている頭部固定アクセサリーとアクションカメラについて、その重さ等の存在が気になりユーザが体験に集中できなかったり、見栄えの悪さからユーザが抵抗を感じたりする等の理由で撮影そのものがし辛くなるという課題があった。
一方、後者の方法は、画像変換や切り出し位置指定など必要な箇所を切り出して平面変換する(以後「トリミング」という)作業を行わなければならない。このため、ユーザは、体験中(撮影中)は体験に集中できるがその後の作業量が膨大になるといった課題があった。
一方、特許文献1では、撮像部で撮像されたユーザの顔を含む画像からユーザの顔向きを推定する技術が開示されている。この技術を用いれば、その推定されたユーザの顔向きに基づきトリミング作業を行うことで、後者の方法の課題を解消することができる。尚、特許文献1では、撮像部で撮像された画像上のユーザの顔が手などで一部遮蔽されてもユーザの顔向きを推定することができる。
しかしながら、特許文献1では、ユーザと撮像部の間への物体の侵入等により撮像部で撮像された画像上のユーザの顔が完全に覆われてしまった場合、ユーザの顔向きを推定できなくなる。このため、特許文献1の技術も用いた場合においても、後者の方法を用いた場合のトリミング作業の実用化には課題があった。
そこで、本発明の目的は、ユーザが体験中(撮影中)は体験に集中できると共に、ユーザによる撮影後のトリミング作業等を不要とすることができる撮像装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る撮像装置は、映像を撮像する撮像手段と、使用者の顔の各部の位置を検出し、前記使用者の観察方向を検出する観察方向検出手段と、前記観察方向検出手段と前記使用者の顔の間に異物が侵入したことを検出する異物侵入検出手段と、前記撮像手段より撮像された映像のうち、前記観察方向を基準とする範囲の映像を出力する映像出力手段と、を備え、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したことを検出した場合、前記映像出力手段は、前記撮像手段より撮像された映像のうち、予め設定された範囲の映像を出力することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが体験中(撮影中)は体験に集中できると共に、ユーザによる撮影後のトリミング作業等を不要とすることができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1A~図1Dは、本発明の実施例に係る撮像装置としての撮影・検出部10を含むカメラ本体1とこれと別体で設定を表示・変更する表示装置800からなるカメラシステムを説明するための図である。尚、本実施例では、カメラ本体1と表示装置800は別体である場合を例に示しているが、一体的に構成されていてもよい。また、カメラ本体1を首にかけて装着しているユーザを以下、使用者という。
図1Aは、カメラ本体1の外観図である。
図1Aにおいて、カメラ本体1は、撮影・検出部10、バッテリー部90、撮影・検出部10とバッテリー部90(電源手段)を接続する接続部80を備える。
撮影・検出部10は、顔方向検出窓13、スタートスイッチ14、ストップスイッチ15、撮影レンズ16、LED17、及びマイク19L,19Rを備える。
顔方向検出窓13は、撮影・検出部10に内蔵される、使用者の顔の各部の位置を検出するための赤外LED点灯回路21(図5:赤外線照射手段)から投光される赤外線やその反射光線を透過する。
スタートスイッチ14は、撮影を開始するためのスイッチである。
ストップスイッチ15は、撮影を止めるためのスイッチである。
撮影レンズ16は、撮影する光線を撮影・検出部10の内部の固体撮像素子42(図5)に導く。
LED17は、撮影中であることを示したり、警告を示したりするLEDである。
マイク19R,19Lは、周辺の音を取りいれるマイクであり、マイク19Lは使用者の周辺左側(図1Aの向かって右側)の音を取り入れ、マイク19Rは使用者の周辺右側(図1Aの向かって左側)の音を取り入れる。
図1Bは、カメラ本体1を使用者が掛けた様子を示す図である。
バッテリー部90が使用者の背中側に、撮影・検出部10が使用者の体の前側にくるように装着すると、撮影・検出部10の左右端部近傍に両端が接続される接続部80によって胸方向に付勢され支えられる。これにより、撮影・検出部10が使用者の鎖骨の前あたりに位置するようになる。この時、顔方向検出窓13は使用者の顎の下に位置する。顔方向検出窓13内には、後ほど図2Eで図示する赤外線集光レンズ26がある。撮影レンズ16の光軸(撮像光軸)と赤外線集光レンズ26の光軸(検出光軸)は異なる方向を向いており、後述する顔方向検出部20(観察方向検出手段・観察方向検出部)により顔の各部の位置から使用者の観察方向を類推する。これにより、後述する撮影部40(撮像手段)によるその観察方向の撮影が可能となっている。
また、このように撮影・検出部10を体の前面、バッテリー部90を背面に配置することで、重量を分散し、使用者の疲れの軽減や使用者が動いた際の遠心力等によるズレの抑制効果がある。
尚、本実施例では、撮影・検出部10が使用者の鎖骨の前あたりに位置するように装着される例を示したがこれに限定されない。すなわち、カメラ本体1は顔方向検出部20により使用者の観察方向が検出でき、且つ撮影部40によりその観察方向の撮影が可能であれば、カメラ本体1は使用者の頭部以外の身体上のいずれに装着されてもよい。
図1Cは、バッテリー部90を図1Aの後方から見た図である。
図1Cにおいて、バッテリー部90は、充電ケーブル挿入口91、調整用ボタン92L,92R、及び背骨よけ切り欠き93を備える。
充電ケーブル挿入口91は、不図示の充電ケーブルの挿入口であり、この充電ケーブルを介して外部電源から内部のバッテリー94を充電したり、撮影・検出部10に給電したりする。
調整用ボタン92L,92Rは、接続部80のバンド部82L,82Rの長さの調整用ボタンである。調整用ボタン92Lは、向かって左側のバンド部82Lを調節するためのボタンであり、調整用ボタン92Rは、向かって右側のバンド部82Rを調節するためのボタンである。尚、本実施例では、調整用ボタン92L,92Rでバンド部82L,82Rの夫々の長さを独立に調整するが、1つのボタンでバンド部82L,82Rの長さを同時に調整するようにしてもよい。以下、バンド部82L,82Rをバンド部82と総称する。
背骨よけ切り欠き93は、バッテリー部90が使用者の背骨部分に当たらない様に背骨部分を避けた切り欠き部である。人体の背骨の凸部を避けることで装着の不快感を減らすと同時に、使用中に本体が左右に移動することを防止している。
図1Dは、カメラ本体1と無線接続する表示装置800の外観図である。
図1Dにおいて、表示装置800は、ボタンA802、表示部803、インカメラ805、顔センサ806を備える。また、図1Dにおいては不図示であるが、カメラ本体1との高速接続が可能な無線LANを備える。
ボタンA802は、表示装置800の電源ボタンの機能を備えるボタンであり、長押しによる電源のONとOFFの操作を受け付け、短押しによるその他の処理タイミングの指示を受け付ける。
表示部803は、カメラ本体1で撮影した映像を確認したり、設定に必要なメニュー画面を表示したりできる。本実施例では、表示部803の上面に透明なタッチセンサを設けてあり、表示中の画面(例えばメニュー画面)に対するタッチによる操作を受け付ける。
インカメラ805は、表示装置800を観察している人を撮像することが可能なカメラである。
顔センサ806は、表示装置800を観察している人の顔形状や観察方向を検出する。顔センサ806の具体的な構造は特に限定されないが、例えば構造光センサやToFセンサ、ミリ波レーダーなどの各種センサで実施することが可能である。
尚、本実施例に係る表示装置800には、一般のスマートフォンが利用されており、そのスマートフォン内のファームウェアをカメラ本体1側のファームウェアに対応させることで、本発明にかかるカメラシステムを実施可能としている。但し、カメラ本体1側のファームウェアを表示装置800としてのスマートフォンのアプリケーションやOSに対応することによる本発明にかかるカメラシステムの実施も可能である。
図2A~図2Fは、撮影・検出部10を詳細に説明する図である。これ以降の図では既に説明した部分については同一の番号を付することで、同一機能を意味し、本明細書中の説明を省略する。
図2Aは、撮影・検出部10を正面から見た図である。
接続部80は、使用者の身体の右側(図2Aの向かって左側)にある右側接続部80Rと、使用者の身体の左側(図2Aの向かって右側)に構成される左側接続部80Lにおいて撮影・検出部10と接続する。接続部80は詳細には、撮影・検出部10との角度を保持する硬質素材の角度保持部81とバンド部82に分かれる。すなわち、右側接続部80Rは、角度保持部81Rとバンド部82Rを有し、左側接続部80Lは、角度保持部81Lとバンド部82Lを有する。
図2Bは、接続部80のバンド部82の形状を示す図である。本図では、バンド部82の形状を示すため、角度保持部81を透視させている。
バンド部82は、接続面83、及び電気ケーブル84を備える。
接続面83は、角度保持部81とバンド部82の接続面であり、真円ではない断面形状、ここでは楕円形状を有する。以下、接続面83のうち、カメラ本体1の装着時に使用者の身体の右側(図2Bの向かって左側)及び左側(図2Bの向かって右側)に夫々左右対称に配置される接続面83を、右側接続面83R及び左側接続面83Lという。右側接続面83R及び左側接続面83Lは、ちょうどカタカナの「ハ」の字の様な形状となっている。すなわち、図2B向かって下方から上方に行くほど、右側接続面83R及び左側接続面83Lの間の距離が近くなる。これにより、カメラ本体1を使用者が掛けた場合に、接続部80の接続面83の長軸方向が使用者の体に沿う方向となるため、バンド部82が使用者の体に接するときに快適かつ、左右前後方向に撮影・検出部10が移動しないという効果が生じる。
電気ケーブル84(電力供給手段)は、バンド部82L内部に配線され、バッテリー部90と撮影・検出部10を電気的に接続するケーブルである。電気ケーブル84はバッテリー部90の電源を撮影・検出部10に接続したり、外部と電気信号の送受信をしたりする。
図2Cは、撮影・検出部10を裏側からみた図である。図2Cは、使用者の体に接する側、すなわち、図2Aの反対側からみた図のため、右側接続部80Rと左側接続部80Lの位置関係が図2Aとは逆になっている。
撮影・検出部10は、その裏側に、電源スイッチ11、撮影モードスイッチ12、及び胸部接続パッド18を備える。
電源スイッチ11は、カメラ本体1の電源のON/OFFを切り替える電源スイッチである。本実施例の電源スイッチ11は、スライドレバーの形のスイッチであるが、これに限定されない。例えば、電源スイッチ11は、プッシュ型のスイッチでもよいし、また、撮影レンズ16の不図示のスライドカバーと一体的に構成されたスイッチでもよい。
撮影モードスイッチ12(変更手段)は、撮影モードを変更するスイッチであり、撮影にかかわるモードを変更できる。本実施例では、撮影モードスイッチ12は、静止画モードや動画モードに切り替えることが可能である。具体的には、撮影モードスイッチ12は、レバーのスライドにより図2Cに示す「Photo」、「Normal」のうちの一つを選択できるスライドレバーの形のスイッチである。撮影モードは、「Photo」へのスライドにより静止画モードに移行し、「Normal」へのスライドにより動画モードに移行する。尚、撮影モードスイッチ12は、撮影モードの変更が可能なスイッチであれば、本実施例の形態に限定されない。例えば、「Photo」、「Normal」の2つのボタンで撮影モードスイッチ12は構成されていてもよい。
胸部接続パッド18(固定手段)は、撮影・検出部10が使用者の体に対して付勢されるときに、使用者の体に当たる部分である。図2Aに示すように、撮影・検出部10は装着時に縦(上下)の全長より横(左右)の全長が長くなるように形作られており、胸部接続パッド18は、撮影・検出部10の左右の端部近傍に配置されている。このように配置されることで、カメラ本体1での撮影中の左右の回転ブレを抑制することが可能となる。また、胸部接続パッド18があることで、電源スイッチ11や、撮影モードスイッチ12が身体に接触することを防ぐことができる。さらに、胸部接続パッド18は、長時間の撮影で撮影・検出部10の温度が上昇しても使用者の体にその熱が伝わることを防ぐ役目や、撮影・検出部10の角度調整の役目も担っている。
図2Dは、撮影・検出部10を上からみた図である。
図2Dに示すように、撮影・検出部10の上面の中央部に、顔方向検出窓13が設けられ、また、胸部接続パッド18は、撮影・検出部10から突出している。
図2Eは、撮影・検出部10の内部であって、顔方向検出窓13の下部に配置される、後述する顔方向検出部20及び異物侵入検出部20aとして機能するハードウェア構成を示す図である。
顔方向検出窓13の下部には、赤外LED22、赤外線集光レンズ26、及び赤外検出処理装置27を備える。
赤外LED22は、使用者に向けて赤外線23(図5)を投光する。
赤外線集光レンズ26は、赤外LED22からの赤外線23の投光時に使用者から反射してくる反射光線25(図5)を、赤外線集光レンズ26の下部にある、点線で示す赤外検出処理装置27にあるセンサに結像させるレンズである。
図2Fは、カメラ本体1を使用者が掛けた状態を使用者の左側面からみた図である。
角度調節ボタン85Lは、角度保持部81Lに設けられるボタンであり、撮影・検出部10の角度調節の際に用いられる。尚、本図においては図示していないが、反対側面にある角度保持部81Rの内部にも、角度調節ボタン85Lと対称的な位置に角度調節ボタン85Rが設定されている。以下、角度調節ボタン85R,85Lを総称する際は、角度調節ボタン85という。
角度調節ボタン85は、図2A,図2C、図2Dでも見える位置にあるが、説明の単純化のために省略している。
使用者は、角度調節ボタン85を押しながら角度保持部81を図2F向かって上下に動かすことで撮影・検出部10と角度保持部81の角度を変更することが可能となる。また、胸部接続パッド18は、その突出角度の変更が可能である。撮影・検出部10は、この二つの角度変更部材(角度調節ボタン85及び胸部接続パッド18)の働きにより、使用者の胸位置形状の個人差に対して水平を撮影レンズ16の向きを水平に調節することが可能である。
図3は、バッテリー部90の詳細を説明する図である。
図3(a)は、バッテリー部90を背面から一部透視表示した図である。
図3(a)に示すように、バッテリー部90はその重量バランスを取るため、内部に左バッテリー94Lと右バッテリー94R(以下、バッテリー94とも総称する)の2個が対称的に搭載されている。このようにバッテリー部90の中央部に対してバッテリー94を対照的に配置することで、左右の重量バランスをあわせ、カメラ本体1の位置ズレを防止している。尚、バッテリー部90は、バッテリーを1つのみ搭載する構成としても良い。
図3(b)は、バッテリー部90を上部からみた図である。本図においても、バッテリー94が透視で示されている。
図3(b)に示すように、背骨よけ切り欠き93とバッテリー94の関係がわかる。このように、背骨よけ切り欠き93の両サイドにバッテリー94を対照的に配置することにより、比較的重量があるバッテリー部90を使用者に負担なく装着させることが可能である。
図3(c)は、バッテリー部90を裏側からみた図である。図3(c)は、使用者の体に接する側、すなわち、図3(a)の反対側からみた図である。
図3(c)に示すように、背骨よけ切り欠き93は、使用者の背骨に沿って中央に設けられている。
図4は、カメラ本体1の機能ブロック図である。詳細は後述するので、ここでは図4を用いてカメラ本体1で実行される大まかな処理の流れを説明する。
図4において、カメラ本体1は、顔方向検出部20、異物侵入検出部20a、記録方向・画角決定部30、撮影部40、画像切り出し・現像処理部50、一次記録部60、送信部70、及び他制御部111を備える。これらの機能ブロックは、カメラ本体1の全体制御を行う全体制御CPU101(図5)の制御により実行される。
顔方向検出部20(観察方向検出手段)は、先に出てきた赤外LED22や赤外検出処理装置27などにより実行される機能ブロックであり、顔方向を検出して観察方向を類推し、これを記録方向・画角決定部30に渡す。
異物侵入検出部20a(異物侵入検出手段)は、赤外LED22や赤外検出処理装置27などにより実行される機能ブロックであり、顔方向検出部20と使用者の顔の間への異物侵入の有無を検出し、これを記録方向・画角決定部30に渡す。
記録方向・画角決定部30(記録方向決定手段)は、顔方向検出部20で類推された観察方向、異物侵入検出部20aで判定された異物侵入の有無の検出結果に基づき各種演算を行う。これにより、撮影部40からの映像を切り出す際の位置や範囲の情報を決定し、この情報を画像切り出し・現像処理部50に渡す。尚、記録方向・画角決定部30で実行される処理の詳細については後述する。
撮影部40は、被写体からの光線を映像に変換し、その映像を画像切り出し・現像処理部50に渡す。
画像切り出し・現像処理部50(現像手段)は、記録方向・画角決定部30からの情報を用いて、撮影部40からの映像を切り出して現像することで、使用者が見ている方向の映像のみを一次記録部60に渡す。
一次記録部60は、一次メモリ103(図5)などにより構成される機能ブロックであり、映像情報を記録し、必要タイミングで送信部70に渡す。
送信部70(映像出力手段)は、あらかじめ決められた通信相手である、表示装置800(図1D)と無線接続し、これらに対して通信を行う。
表示装置800は、高速接続可能な無線LAN(以下「高速無線」という)で送信部70と接続可能な表示装置である。ここで本実施例では、高速無線に、IEEE802.11ax(WiFi 6)規格に対応する無線通信を利用するが、他の規格、例えばWiFi 4規格やWiFi 5規格に対応する無線通信を利用してもよい。また、表示装置800はカメラ本体1専用に開発した機器でも良いし、一般的なスマートフォンや、タブレット端末等でも良い。
尚、送信部70と表示装置800の接続には、小電力無線を用いていてもよいし、高速無線と小電力無線の両方で接続したり、切り替えて接続したりしても良い。本実施例では、後述する動画映像の映像ファイルなどデータ量の多いものは高速無線で伝送し、軽量のデータや、伝送に時間がかかっても良いデータは、小電力無線で伝送する。ここで本実施例では、小電力無線に、Bluetoothを利用するが、NFC(Near Field Communication)等の他の近距離(短距離)無線通信を用いてもよい。
図5は、カメラ本体1のハードウェア構成を示すブロック図である。また、図1A~図1C等を用いて説明した構成・機能については、同じ番号を用い詳細説明は省略する。
図5においてカメラ本体1は、全体制御CPU101、電源スイッチ11、撮影モードスイッチ12、顔方向検出窓13、スタートスイッチ14、ストップスイッチ15、撮影レンズ16、及びLED17を備える。
カメラ本体1はまた、顔方向検出部20及び異物侵入検出部20a(図4)として機能するハードウェア構成である、赤外LED点灯回路21、赤外LED22、赤外線集光レンズ26、及び赤外検出処理装置27を備える。
また、カメラ本体1は、撮像ドライバー41、固体撮像素子42、及び撮像信号処理回路43からなる撮影部40(図4)や、小電力無線ユニット71及び高速無線ユニット72からなる送信部70(図4)を備える。
尚、カメラ本体1には、本実施例では撮影部40は1つしか設けられていないが2以上の撮影部40を設け、3D映像の撮影をしたり、1つの撮影部40で取得できる画角より広角の映像の撮影をしたりするようにしたり、複数方向の撮影をしたりしてもよい。
カメラ本体1はまた、大容量不揮発性メモリ51、内蔵不揮発性メモリ102、及び一次メモリ103等の各種メモリを備える。
さらに、カメラ本体1は、音声処理部104、スピーカー105、振動体106、角速度センサ107、加速度センサ108、及び各種スイッチ110を備える。
全体制御CPU101は、図2Cを用いて前述した電源スイッチ11などが接続され、このカメラ本体1の制御を行う。図4の記録方向・画角決定部30、画像切り出し・現像処理部50、及び他制御部111は、全体制御CPU101自身によって構成される。
赤外LED点灯回路21は、図2Eを用いて前述した赤外LED22の点灯・消灯の制御を行い、赤外LED22から使用者に向けた赤外線23の投光を制御する。
顔方向検出窓13は、可視光カットフィルタで構成され、可視光線はほぼ透過できないが、赤外域の光である赤外線23やその反射光線25は十分透過する。
赤外線集光レンズ26は、反射光線25を集光するレンズである。
赤外検出処理装置27(赤外線検出手段)は、赤外線集光レンズ26で集光された反射光線25を検出するセンサを有する。このセンサは、集光された反射光線25を映像として結像し、センサデータに変換して、全体制御CPU101へ渡す。
図1Bに示すようにカメラ本体1を使用者が掛けている場合、顔方向検出窓13は使用者の顎の下に位置する。このため、赤外LED点灯回路21から投光された赤外線23は、図5に示すように顔方向検出窓13を透過して使用者の顎付近である赤外線照射面24に照射される。また、赤外線照射面24で反射した赤外線23は、反射光線25となり、顔方向検出窓13を透過し、赤外線集光レンズ26によって、赤外検出処理装置27にあるセンサに集光される。
各種スイッチ110は、図1A~図1C等では不図示である、詳細は省略するが、本実施例と関係がない機能を実行するためのスイッチである。
撮像ドライバー41は、タイミングジェネレータ等を含み、撮像にかかわる各部に各種タイミング信号を生成・出力し、撮影駆動する。
固体撮像素子42は、図1Aを用いて説明した撮影レンズ16から投影された被写体像を光電変換して得られた信号を撮像信号処理回路43に出力する。
撮像信号処理回路43は、固体撮像素子42からの信号に対してクランプなどの処理やA/D変換などの処理を行って生成した撮影データを全体制御CPU101に出力する。
内蔵不揮発性メモリ102は、フラッシュメモリなどが用いられ、全体制御CPU101の起動プログラムや、各種プログラムモードの設定値が記憶されている。本実施例では、観察視野(画角)の変更や防振制御の効果レベルを設定できるので、そういった設定値も記録する。
一次メモリ103は、RAMなどで構成され、処理中の映像データを一時的に記憶したり、全体制御CPU101の演算結果を一時的に記憶したりする。
大容量不揮発性メモリ51は、1次画像データの記録または読み出しを行う。本実施例では、説明の簡単化のため、大容量不揮発性メモリ51が脱着機構は無い半導体メモリである場合について説明を行うが、これに限定されない。例えば、大容量不揮発性メモリ51は、SDカードなどの脱着可能な記録媒体で構成してもよいし、内蔵不揮発性メモリ102と併用しても良い。
小電力無線ユニット71は、小電力無線で表示装置800との間でデータのやり取りを行う。
高速無線ユニット72は、高速無線で表示装置800との間でデータのやり取りを行う。
音声処理部104は、外部の音(アナログ信号)を収音する図1A向かって右側のマイク19L、同図向かって左側のマイク19Rを備え、収音されたアナログ信号を処理し音声信号を生成する。
LED17、スピーカー105及び振動体106は、光を発したり、音を発したり、振動したりすることで、カメラ本体1の状態を使用者に対して通達したり警告したりする。
角速度センサ107は、ジャイロ等を用いたセンサであり、カメラ本体1自体の移動をジャイロデータとして検出する。
加速度センサ108は、撮影・検出部10の姿勢を検出する。
これら、角速度センサ107及び加速度センサ108は、撮影・検出部10に内蔵される。
図6は、表示装置800のハードウェア構成を示すブロック図である。図1Dを用いて説明した箇所は説明の簡単化のため、同一の符号を用い説明を省略する。
図6において、表示装置800は、表示装置制御部801、ボタンA802、表示部803、インカメラ805、顔センサ806、各種スイッチ811、内蔵不揮発性メモリ812、及び一次メモリ813を備える。
また、表示装置800は、大容量不揮発性メモリ814、スピーカー815、振動体816、LED817、音声処理部820、その他機能部830、小電力無線ユニット871、及び高速無線ユニット872を備える。
表示装置制御部801は、CPUにより構成され、図1Dを用いて説明したボタンA802や顔センサ806等が接続され、表示装置800の制御を行う。
各種スイッチ811は、図1Dでは不図示である、詳細は省略するが、本実施例と関係がない機能を実行するためのスイッチである。
内蔵不揮発性メモリ812は、フラッシュメモリなどが用いられ、表示装置制御部801の起動プログラムや、各種プログラムモードの設定値が記憶されている。
一次メモリ813は、RAMなどで構成され、処理中の映像データを一時的に記憶する。
大容量不揮発性メモリ814は、表示装置800の画像データを記録または読み出す。
スピーカー815、振動体816及びLED817は、音を発したり、振動したり、光を発したりすることで、表示装置800の状態を使用者に対して通達したり、警告したりする。
音声処理部820は、外部の音(アナログ信号)を収音する左マイク819L、右マイク819Rを備え、収音されたアナログ信号を処理し音声信号を生成する。
小電力無線ユニット871は、小電力無線でカメラ本体1との間でデータのやり取りを行う。
高速無線ユニット872は、高速無線でカメラ本体1との間でデータのやり取りを行う。
その他機能部830は、詳細は省略するが、本実施例と関係がない機能であって、電話機能やその他センサなどスマートフォンならではの機能を実行する。
以下、カメラ本体1及び表示装置800の使い方について説明する。
図7Aは、カメラ本体1及び表示装置800において実行される、本実施例に係る撮影記録処理の概要を示すフローチャートである。
ステップS100では、電源スイッチ11がONとなり、カメラ本体1に電源投入がされると、全体制御CPU101は、起動して内蔵不揮発性メモリ102から起動プログラムを読み出す。その後、全体制御CPU101は、カメラ本体1の撮影前の設定を行う準備動作処理を実行する。準備動作処理の詳細は図7Bを用いて後述する。
ステップS200では、顔方向検出部20が顔方向を検出することで、観察方向を類推する顔方向検出処理を実行する。顔方向検出処理の詳細は図7Cを用いて後述する。本処理は、所定のフレームレートで実行される。
ステップS220では、顔方向検出部20と使用者の顔の間への異物侵入を検出する異物侵入検出処理を実行する。異物侵入検出処理の詳細は図7Dを用いて後述する。
ステップS300では、記録方向・画角決定部30が記録方向・範囲決定処理を実行する。記録方向・範囲決定処理の詳細は図7Eを用いて後述する。
ステップS400では、撮影部40が撮影を行い、撮影データを生成する。
ステップS500では、画像切り出し・現像処理部50がステップS400で生成された撮影データに対し、ステップS300で決定された記録方向、画角情報を用いて、映像を切り出し、その範囲の現像処理を行う記録範囲現像処理を実行する。記録範囲現像処理の詳細は図7Fを用いて後述する。
ステップS600では、ステップS500で現像された映像を、一次記録部60(映像記録手段)が内蔵不揮発性メモリ102に映像データとして保存する一次記録処理を実行する。一次記録処理の詳細は図14を用いて後述する。
ステップS700では、送信部70がステップS600で一次記録された映像を指定タイミングにて表示装置800に対して無線にて送信する表示装置800への転送処理を実行する。表示装置800への転送処理の詳細は図16を用いて後述する。
ステップS800では、ステップS600で一次記録された映像に対し光学補正を行う光学補正処理を実行する。光学補正処理の詳細は図17を用いて後述する。
ステップS900では、表示装置制御部801が、ステップS800で光学補正が行われた映像に対し防振処理を行う。防振処理の詳細は図19を用いて後述する。
尚、ステップS800とステップS900の順番を逆にしても良い。つまり、先に映像の防振補正を行い、あとから光学補正を行っても良い。
ステップS1000では、表示装置制御部801が、ステップS800,S900における光学補正処理、防振処理を完了した映像を大容量不揮発性メモリ51に記録する二次記録を行い、本処理を終了する。
次に図7B~図7Gを用いて、図7Aで説明した各ステップのサブルーチンについて処理の順番とともに他図なども用いながら詳細に説明する。
図7Bは、図7AのステップS100の準備動作処理のサブルーチンのフローチャートである。以下本処理を、図2や図5に図示した各箇所を使って説明する。
ステップS101では、電源スイッチ11がONか否かを判定する。電源がOFFのままの場合は待機し、ONとなるとステップS102へ進む。
ステップS102では、撮影モードスイッチ12で選択されているモードを判定する。判定の結果、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが動画モードである場合は、ステップS103に進む。
ステップS103では、動画モードの各種設定を内蔵不揮発性メモリ102から読み出して、一次メモリ103に保存した後、ステップS104に進む。ここで動画モードの各種設定には、画角設定値ang(本実施例では90°に事前設定される)や「強」「中」「切」などで指定される防振レベルが含まれる。
ステップS104では、動画モード用に撮像ドライバー41の不図示の同期回路の動作を開始した後、本サブルーチンを抜ける。
ステップS102の判定の結果、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが静止画モードである場合は、ステップS105に進む。
ステップS105では、静止画モードの各種設定を内蔵不揮発性メモリ102から読み出して、一次メモリ103に保存した後、ステップS106に進む。ここで静止画モードの各種設定には、画角設定値ang(本実施例では45°に事前設定される)や「強」「中」「切」などで指定される防振レベルが含まれる。
ステップS106では、静止画モード用に撮像ドライバー41の不図示の同期回路の動作を開始した後、本サブルーチンを抜ける。
ここで、図13を用いてステップS103で読み出した動画モードの各種設定について説明する。
図13(a)は、カメラ本体1での撮影前に、表示装置800の表示部803に表示される、動画モードの各種設定用のメニュー画面を示す図である。尚、図1Dと同じ箇所については同一の符号を用いて説明を省略する。尚、表示部803はタッチパネル機能を有しており、この後の説明はスワイプなどの動作を含むタッチ動作で機能するものとして説明する。
図13(a)において、メニュー画面には、プレビュー画面831、ズームレバー832、録画開始・停止ボタン833、スイッチ834、電池残量表示835、ボタン836、レバー837、アイコン表示部838、及び各種設定ボタン839が表示される。
プレビュー画面831は、カメラ本体1で撮影された映像の確認ができ、ズーム量や画角の確認ができる。
ズームレバー832は、左右にシフトすることでズーム設定ができる操作部である。本実施例では45°、90°、110°、130°の4つの値が画角設定値angとして設定できる場合について説明するが、ズームレバー832によりこれらの値以外も画角設定値angとして設定できるようにしてもよい。
録画開始・停止ボタン833は、スタートスイッチ14とストップスイッチ15の機能を兼ね備えるトグルスイッチである。
スイッチ834は、防振の「切」「入」を切り替えるスイッチである。
電池残量表示835は、カメラ本体1の電池残量を表示する。
ボタン836は、その他のモードに入るボタンである。
レバー837は、防振強度を設定するレバーである。本実施例では、防振強度として設定できるのは「強」「中」のみだが、他の防振強度、例えば「弱」なども設定できるようにしてもよい。また、無段階に防振強度を設定できるようにしても良い。
アイコン表示部838は、プレビュー用の複数のサムネイルアイコンを表示する。
各種設定ボタン839は、メニュー画面に表示されない本実施例に関係するその他設定を行う図13(b)の各種設定画面840に遷移するボタンである。
図13(b)に示すように、各種設定画面840には、メニュー画面復帰ボタン841、及び首可動域記憶時間設定部842等が表示される。
各種設定画面840は、メニュー画面に表示されない本実施例に関係する設定の一覧が表示された画面である。
メニュー画面復帰ボタン841は、各種設定画面840からメニュー画面に復帰するボタンである。
首可動域記憶時間設定部842は、顔方向検出部20と使用者の顔の間に異物が侵入し、使用者の観察方向viが算出できない場合に、記録方向として利用する対象となる首可動域の記憶時間を設定するボタンである。首可動域記憶時間設定部842に関しては後述にて説明する。
図7Cは、図7AのステップS200の顔方向検出処理のサブルーチンのフローチャートである。本処理の詳細を説明する前に、赤外線投光による顔方向の検出方法について図8A~図8Kを用いて解説する。
図8Aは、顔方向検出窓13から見える使用者の映像を示す図である。
図8Aの映像は、顔方向検出窓13に可視光カットフィルタ成分が無く、可視光を十分透過し、且つ赤外検出処理装置27が可視光用撮像素子だった場合に、その可視光用撮像素子において撮影される映像と同一である。
図8Aの映像には、使用者の鎖骨上の首前部201、顎の付け根202、顎先203、鼻を含む顔204が映っている。
図8Bは、顔方向検出窓13から見える使用者の映像に室内にある蛍光灯が背景として映りこんだ場合を示す図である。
図8Bの映像には、使用者の周囲にある複数の蛍光灯205が映っている。この様に使用条件により赤外検出処理装置27には様々な背景等が映り込むため、赤外検出処理装置27からのセンサデータから、顔方向検出部20や全体制御CPU101が顔部の映像を切り分けることが困難になる。昨今は、AI等の利用によりこういった映像を切り分ける技術もあるが、全体制御CPU101に高い能力が求められ、携帯機器であるカメラ本体1には適さない。
実際には顔方向検出窓13には可視光カットフィルタで構成されているので可視光はほぼ透過しないので、赤外検出処理装置27の映像は、図8A,図8Bのような映像にはならない。
図8Cは、図8Bに示す使用者及びその背景としての蛍光灯を、赤外LED22を点灯させない状態で、顔方向検出窓13を介して赤外検出処理装置27のセンサで結像させた場合の映像を示す図である。
図8Cの映像では、使用者の首や顎は暗くなっている。一方、蛍光灯205は、可視光線だけでなく赤外線成分も持っているためにやや明るく映っている。
図8Dは、図8Bに示す使用者及びその背景としての蛍光灯を、赤外LED22を点灯させた状態で、顔方向検出窓13を介して赤外検出処理装置27のセンサで結像させた場合の映像を示す図である。
図8Dの映像では、使用者の首や顎が明るくなっている。一方、図8Cと異なり、蛍光灯205周辺の明るさなどは変わっていない。
図8Eは、図8C,図8Dの映像から演算された差分映像を示す図である。使用者の顔が浮かび上がっていることがわかる。
このように、全体制御CPU101(映像取得手段)は、赤外LED22の点灯時及び消灯時の夫々において赤外検出処理装置27のセンサで結像された映像の差を演算することで、使用者の顔が抽出された差分映像(以下、顔映像ともいう)を得る。
本実施例の顔方向検出部20は赤外線反射強度を赤外検出処理装置27で2次元画像として抽出することにより顔映像を取得する方式を採用している。赤外検出処理装置27のセンサは、一般的な撮像素子と同様の構造を採用しており、顔画像を1フレームずつ取得している。そのフレーム同期を取る垂直同期信号(以下、V信号という)は赤外検出処理装置27で生成され全体制御CPU101に出力される。
図9は、赤外LED22の点灯・消灯のタイミングを示したタイミングチャートである。
図9(a)は、赤外検出処理装置27でV信号が生成されるタイミングを示す。V信号がHiになることで、フレーム同期及び赤外LED22の点灯・消灯のタイミングが計られる。
図9(a)では、t1が1回目の顔画像取得期間、t2が2回目の顔画像取得期間を示している。図9(a),(b),(c),(d)は、その横軸の時間軸が同一となるように記載されている。
図9(b)は、赤外検出処理装置27のセンサから出力される像信号のH位置を縦軸で表す。像信号のH位置が、図9(b)に示すように、V信号と同期するよう、赤外検出処理装置27はそのセンサの動きを制御する。尚、赤外検出処理装置27のセンサは、上述した通り、一般的な撮像素子と同様の構造を採用しておりその動きは公知であるため詳細の制御については割愛する。
図9(c)は、全体制御CPU101から赤外LED点灯回路21に出力されるIR-ON信号のHi及びLowの切り替えタイミングを示す。IR-ON信号のHi及びLowの切り替えは、図9(c)に示すように、V信号と同期するよう、全体制御CPU101が制御する。具体的には、全体制御CPU101は、t1の期間中は、LowのIR-ON信号を赤外LED点灯回路21に出力し、t2の期間中は、HiのIR-ON信号を赤外LED点灯回路21に出力する。
ここで、IR-ON信号がHiの期間中は、赤外LED点灯回路21は赤外LED22を点灯し、赤外線23が使用者に投光される。一方、IR-ON信号がLowの期間中は、赤外LED点灯回路21は赤外LED22を消灯する。
図9(d)は、赤外検出処理装置27のセンサから全体制御CPU101に出力される撮像データである。縦方向が信号強度であり、反射光線25の受光量を示している。つまりt1の期間中は、赤外LED22は消灯しているので使用者の顔部分からの反射光線25は無い状態であり、図8Cの様な撮像データが得られる。一方、t2の期間中は、赤外LED22は点灯しているので、使用者の顔部分からは反射光線25がある状態であり、図8Dの様な撮像データが得られる。このため、図9(d)に示すように、t2の期間中の信号強度は、t1の期間中の信号強度と比べて使用者の顔部分からの反射光線25の分だけ強度が上がる。
図9(e)は、図9(d)のt1,t2の夫々の期間中の撮像データの差分を取ったものであり、図8Eの様な、使用者の顔からの反射光線25の成分のみが抽出された撮像データが得られる。
上述の図8C~図8E,図9を用いて説明した動作を含めた上での、ステップS200における顔方向検出処理を図7Cに示す。
まず、ステップS201で、赤外検出処理装置27から出力されたV信号が、t1の期間が開始したタイミングV1となったとき、ステップS202に進む。
ついでステップS202で、IR-ON信号をLowに設定し、赤外LED点灯回路21に出力する。これにより、赤外LED22は消灯する。
ステップS203で、t1の期間中において赤外検出処理装置27から出力された1フレーム分の撮像データを読み出し、そのデータをFrame1として一次メモリ103に一時保存する。
ステップS204で、赤外検出処理装置27から出力されたV信号が、t2の期間が開始したタイミングV2となったとき、ステップS203に進む。
ステップS205で、IR-ON信号をHiに設定し、赤外LED点灯回路21に出力する。これにより、赤外LED22は点灯する。
ステップS206で、t2の期間中において赤外検出処理装置27から出力された1フレーム分の撮像データを読み出し、そのデータをFrame2として一次メモリ103に一時保存する。
ステップS207で、IR-ON信号をLowに設定し、赤外LED点灯回路21に出力する。これにより赤外LED22は消灯する。
ステップS208で、一次メモリ103からFrame1及びFrame2を読み出し、Frame2からFrame1を引いた差分であり、図9(e)の使用者の反射光線25成分の光強度Fnを演算する(これは一般的には黒引きと呼ばれる処理にあたる)。
ステップS209で、光強度Fnより首元位置(首回転中心)を抽出する。
まず、全体制御CPU101(分割手段)は、光強度Fnを基に、顔映像を、図8Fを用いて説明する複数の距離エリアに分割する。
図8Fは、使用者の顔・首部の各部位について光量の分布をみるため、図8Eの差分映像の濃淡を、使用者の顔・首部に投光された赤外線23の反射光線25の光強度にスケールを合わせて調整した場合を示す図である。
図8F(ア)は、説明の簡単化のため、図8Eの顔映像における反射光線25の光強度の分布を領域分けしてグレーの段階で示した図である。使用者の首の中央部から顎先に抜ける方向に説明用にXf軸を取っている。
図8F(イ)は、横軸は図8F(ア)のXf軸上の光強度を示し、縦軸はXf軸を示す。横軸は右方向に行くほど強い光強度を示している。
図8F(ア)において、顔映像は、光強度に応じた6つの領域(距離エリア)211~216に分けられている。
領域211は、一番光強度が強い領域であり、グレーの段階として、白色で示されている。
領域212は、領域211より少しだけ光強度が落ちる領域であり、グレーの段階として、かなり明るいグレー色で示されている。
領域213は、領域212よりさらに光強度が落ちる領域であり、グレーの段階として、明るいグレー色で示されている。
領域214は、領域213よりさらに光強度が落ちる領域であり、グレーの段階として、中間のグレー色で示されている。
領域215は、領域214よりさらに光強度が落ちる領域であり、グレーの段階として、やや暗めのグレー色で示されている。
領域216は、最も光強度が弱い領域であり、グレーの段階としては、最も暗いグレーとなっている。領域216より上方向は光強度の無い黒色となっている。
この光強度について、以下、図10を用いて詳細に解説する。
図10は、使用者の顔の上下方向の動きを説明する図であり、使用者の左横方向より観察した状態を示す。
図10(a)は、使用者が正面を向いている様子を示す図である。使用者の鎖骨前方に撮影・検出部10がある。また、撮影・検出部10の上部にある顔方向検出窓13から、赤外LED22の赤外線23が使用者頭部の下部に照射されている。顔方向検出窓13から使用者の鎖骨上の首の付け根200までの距離をDn、顔方向検出窓13から顎の付け根202までの距離をDb、顔方向検出窓13から顎先203までの距離をDcとすると、Dn,Db,Dcの順に距離が遠くなっていることがわかる。光強度は距離の2乗に反比例するので、赤外線照射面24からの反射光線25が赤外検出処理装置27のセンサに結像された際の光強度は、首の付け根200、顎の付け根202、顎先203の順に弱くなる。また、顔方向検出窓13からの距離がDcよりさらに遠い位置にある、鼻を含む顔204については、その光強度はさらに暗くなることがわかる。すなわち、図10(a)のような場合、図8Fで示した光強度の分布となる映像が取得されることがわかる。
尚、使用者の顔方向が検出できれば顔方向検出部20の構成は、本実施例に示す構成に限定されない。例えば、赤外LED22(赤外線パターン照射手段)より赤外線パターンを照射するようにし、照射対象から反射された赤外線パターンを赤外検出処理装置27のセンサ(赤外線パターン検出手段)で検出するようにしてもよい。この場合、赤外検出処理装置27のセンサは、構造光センサであることが好ましい。また、赤外検出処理装置27のセンサを、赤外線23と反射光線25の位相比較を行うセンサ(赤外線位相比較手段)、例えば、Tofセンサとしてもよい。
次に、図8Gを用いて、図7CのステップS209における首元位置の抽出について説明する。
図8G(ア)は、図8Fに、図10(a)における使用者の身体の各部位を示す符号、及び首元位置と顎先位置を示す二重丸及び黒丸の符号を重ねた図である。
白色の領域211は、首の付け根200(図10(a))と対応しており、かなり明るいグレー色の領域212は、首前部201(図10(a))と対応しており、明るいグレー色の領域213は、顎の付け根202(図10(a))と対応している。また、中間のグレー色の領域214は、顎先203(図10(a))と対応しており、やや暗めのグレー色の領域215は、顔204(図10(a))の下部に位置する唇及びその周辺の顔下部と対応している。さらに、暗めのグレー色の領域216は、顔204(図10(a))の中央に位置する鼻及びその周辺の顔上部と対応している。
尚、図10(a)に示すように、Db,Dcの距離は、顔方向検出窓13から使用者の他の部位までの距離に比べると差が少ないので、明るいグレー色の領域213及び中間のグレー色の領域214における反射光強度の差も少ない。
一方、図10(a)に示すように、顔方向検出窓13から使用者の各部位までの距離のうち、Dnの距離は最も短い至近距離であるので、首の付け根200に対応する白色の領域211が一番反射強度の強い箇所となる。
よって、全体制御CPU101(設定手段)は、領域211が首の付け根200周辺であり、領域211の左右の中心で且つ撮影・検出部10に一番近い、図8G(ア)で二重丸で示す位置206を首回転中心の位置(以下、首元位置206という)に設定する。ここまでの処理が図7CのステップS209で行う内容である。
ついで、図8Gを用いて、図7CのステップS210の顎先位置の抽出について説明する。
図8G(ア)に示す、顔204の内の唇を含む顔下部に対応する領域215より明るい、中間のグレー色の領域214が顎先を含む領域である。図8G(イ)を見ればわかるように領域214と接する領域215で光強度は急激に落ちており、顔方向検出窓13からの距離変化が大きくなる。全体制御CPU101は、光強度の急激な落ち込みがある領域215の手前の領域214が顎先領域であると判別する。さらに、全体制御CPU101は、領域214の左右の中心で且つ首元位置206から一番遠い位置(図8G(ア)において黒丸で示す位置)を顎先位置207として算出(抽出)する。
たとえば顔が右方向を向いている時の変化を示しているのが図8H,図8Iである。
図8Hは、使用者の顔が右方向を向いている時に、図8Eと同様の方法で演算された差分映像を示す図である。図8Iは、図8Hに首稼働の中心位置である首元位置206と顎先位置207rを示す二重丸及び黒丸の符号を重ねた図である。
領域214は使用者が右を向いたので、撮影・検出部10側から見上げると左方向にある、図8Iに示す領域214rへと移動する。顔204の内の唇を含む顔下部に対応する領域215も、撮影・検出部10側から見上げると左方向にある領域215rへと移動する。
よって、全体制御CPU101は、光強度の急激な落ち込みがある215rの手前の領域214rを顎先領域と判別する。さらに、全体制御CPU101は、214rの左右の中心で且つ首元位置206から一番遠い位置(図8Iにおいて黒丸で示す位置)を顎先位置207rとして算出(抽出)する。
その後、全体制御CPU101は、図8G(ア)の顎先位置207から首元位置206を中心として右方向に、図8Iの顎先位置207rがどれだけ移動したかを示す移動角度θrを求める。図8Iに示すように、移動角度θrは、使用者の顔の左右方向の角度となる。
以上の方法で、ステップS210において、顔方向検出部20(3次元検出センサ)の赤外検出処理装置27で顎先位置と使用者の顔の左右方向の角度を検出する。
次に顔の上方向の検出について説明する。
図10(b)は、使用者が顔を水平方向に向けている様子を示す図であり、図10(c)は使用者が顔を水平方向より上部33°に向けている様子を示す図である。
図10(b)では、顔方向検出窓13から顎先位置207までの距離をFfhとし、図10(c)では、顔方向検出窓13から顎先位置207uまでの距離をFfuとしている。
図10(c)に示すように、顔とともに顎先203も上に移動するため、FfuはFfhより距離が長くなっていることがわかる。
図8Jは、使用者が水平より33°上方に顔を向けている際に、顔方向検出窓13から見える使用者の映像を示す図である。図10(c)に示すように、使用者は上を向いているので、使用者の顎の下に位置する顔方向検出窓13からは唇や鼻を含む顔204は見えておらず、顎先203までが見えている。この時に使用者に赤外線23を照射したときの反射光線25の光強度の分布を、図8Kで示す。図8Kは、図8Eと同様の方法で演算された差分映像に、首元位置206と顎先位置207uを示す二重丸及び黒丸の符号を重ねた図である。
図8Kにおける光強度に応じた6つの領域211u~216uは、図8Fに示す領域と同じ光強度の領域に「u」を付けて示す領域である。使用者の顎先203の光強度は、図8Fでは中間のグレー色の領域214にあったが、図8Kではグレー側へとシフトし、やや暗めのグレー色の領域215uにあることがわかる。このように、図10(c)に示すように、FfuがFfhより距離が長い結果、使用者の顎先203の反射光線25の光強度は距離の2乗に反比例して弱まっていることが、赤外検出処理装置27で検出できる。
次に顔の下方向の検出について説明する。
図10(d)は、使用者が顔を水平方向より22°下方向に向けている様子を示す図である。
図10(d)では、顔方向検出窓13から顎先位置207dまでの距離をFfdとしている。
図10(d)に示すように、顔とともに顎先203も下に移動するため、FfdはFfhより距離が短くなり、顎先203の反射光線25の光強度は強くなることがわかる。
図7Cに戻り、ステップS211では、全体制御CPU101(距離算出手段)は、顔方向検出部20(3次元検出センサ)の赤外検出処理装置27で検出された顎先位置の光強度より、顎先位置から顔方向検出窓13までの距離を算出する。これに基づき、顔の上下方向の角度も算出する。
例えば、図10(b)に示すように、使用者が顔を水平方向に向けているときの首の上下角度をθh、使用者の顎先位置207及び首元位置206までの水平方向成分の距離をLhとすると、Ffh×cosθh=Lhとなる。
また、図10(c)に示すように、使用者が顔を上部33°に向けているときの首の上下角度をθu、使用者の顎先位置207u及び首元位置206までの水平方向成分の距離をLuとすると、Ffu×cosθu=Luとなる。
よって、全体制御CPU101は、θhとθuの差分を顔の上下方向の角度として算出する。
尚、距離Ffh,Ffuは、夫々図8Gの顎先位置207の光強度及び図8Kの顎先位置207uの光強度から算出される。
また、距離Lh,Luは、夫々、図8Gの顔映像における顎先位置207及び首元位置206までの距離、図8Kの顔映像における顎先位置207u及び首元位置206までの距離を、被写体の原寸大に変換することで算出される。
なお、今回の角度算出は、頭部の稼働中心から顎先までの距離と、顔方向検出窓13から顎先までの距離がほぼ同等の場合で算出している。撮影・検出部10を別箇所に設置するような場合の算出方法はより複雑になる。
ステップS212では、ステップS210,S211で夫々取得した顔の左右方向(第1の検出方向)及びこれと垂直な上下方向(第2の検出方向)の角度を、3次元からなる使用者の観察方向viとして一次メモリ103に保存する(iは任意の符号)。たとえば、使用者が正面中心部を観察していた場合の観察方向voは、左右方向θhが0°、上下方向θvが0°であるので、[0°,0°]というベクトル情報となる。また、使用者が右45°を観察していた場合の観察方向vrは、[45°,0°]というベクトル情報となる。
尚、ステップS211では、顔方向検出窓13からの距離を検出することで、顔の上下方向の角度を算出したが、この方法に限定されない。例えば、顎先203の光強度の変異レベルを比較することで、角度変化を算出しても良い。つまり図8G(イ)の顎の付け根202から顎先203の反射光強度の勾配CDhに対し、図8K(ウ)の顎の付け根202から顎先203の反射光強度の勾配CDuの勾配変化をもとに、顎部の角度変化を算出しても良い。
図7Dは、図7AのステップS220の異物侵入検出処理のサブルーチンのフローチャートである。本処理の詳細を説明する前に、まず図8Lを用いて、本実施例における異物侵入の検出方法について説明する。
図8Lは、顔方向検出部20と使用者の顔の間に異物(別の人の顔217)が映り込んだ場合の映像を示す図である。
ステップS206~S212にて前述した通り、使用者の観察方向viは、光強度Fnより抽出した首元位置、及び顎先位置の関係から算出される。しかしながら、図8Lに示すように、使用者の前面に別の人の顔217が映り込んだ場合、使用者の首元位置206、顎先位置207を覆い隠してしまうため、使用者の観察方向viの算出ができない、もしくは異常値となってしまう。また異常値となった観察方向viを用い、後段の記録方向・画角決定を行うと、使用者の意図しない撮影範囲の映像が記録されてしまう懸念がある。
このため、ステップS220の異物侵入検出処理では、ステップS300の記録方向・画角決定処理の前段にて、未然に顔方向検出部20と使用者の顔の間への異物侵入の有無を検出する。この異物侵入の有無の検出結果に応じて、ステップS300の記録方向・範囲決定処理では、正常に使用者の観察方向viが算出されているかを判断する。
図7Dに戻り、まず、ステップS221では、ステップS208~S210にて求めた光強度Fn、首元位置、顎先位置を取得する。
ステップS222では、ステップS221で取得した首元位置、顎先位置が共に正常範囲内にあるかを判定する正常判定を行う。首元位置、顎先位置が共に正常範囲内であればステップS223へ進む。一方、そうでない場合、算出される使用者の観察方向viが異常値となると判断し、ステップS225へ進む。
ここで、ステップS222の正常判定の方法について図8Mを用いて説明する。
図8Mは、首元位置の正常範囲206R及び顎先位置の正常範囲207Rを説明するための図である。
全体制御CPU101は、予め使用者が顔を水平方向に向けているときの顎先位置207、及び顎先位置207を中心とする標準的な人間の首可動域の上下左右の限界にある顎先位置を包含する領域を、顎先位置の正常範囲207Rとして保持する。
図8Mでは、顎先位置207、及び顎先位置207から顔を右方向及び左方向の夫々に傾けた場合の標準的な人間の首可動域の限界(顎先位置207rmax,207lmax)が図示されている。
同様に、全体制御CPU101は、予め使用者が顔を水平方向に向けているときの首元位置206、及び首元位置206を中心とする標準的な人間の首可動域の上下左右の限界にある首元位置を包含する領域を、首元位置の正常範囲206Rとして保持する。
なお、激しい運動時やカメラ本体1を触った時など意図的にカメラ本体1がズレてしまう状況で使用しない限り、カメラ本体1の位置は使用者の胸元位置に固定される。このため、首元位置の正常範囲206R、及び顎先位置の正常範囲207Rも固定され、安定的に図7のステップS222の正常判定を行うことができる。
すなわち、ステップS222では、ステップS221で取得した首元位置が正常範囲206Rにあり、且つステップS221で取得した顎先位置が正常範囲207Rにあるかを判定する。
図7に戻り、ステップS223では、ステップS221で取得した光強度Fnから顔方向検出部20と使用者の顔の間に異物が存在しないかを判定する。異物が存在しないと判定された場合はステップS224へ進み、異物が存在すると判定された場合はステップS225へ進む。
ステップS224では、異物侵入なしと判定し、本サブルーチンを抜ける。
ステップS225では、ステップS222にて首元位置、顎先位置の少なくとも一方が正常範囲内にないと判定された場合、もしくはステップS223にて異物が存在すると判定された場合に、異物侵入ありと判定し、本サブルーチンを抜ける。
図7Eは、図7AのステップS300の記録方向・範囲決定処理のサブルーチンのフローチャートである。本処理の詳細を説明する前に、まず図11Aを用いて、本実施例における記録方向・記録範囲が決定される対象となる超広角映像について説明する。
本実施例のカメラ本体1では、撮影・検出部10周辺を撮影部40が超広角な撮影レンズ16を用いて超広角映像を撮影し、その一部を切り出すことによって観察方向の映像を得ることを達成している。
図11Aは、使用者が正面を向いている場合の、撮影部40により撮影された超広角映像における狙い視野125を示す図である。
図11Aに示すように、固体撮像素子42の撮影可能な画素領域121は、長方形の領域である。また、有効投影部122(所定領域)は、撮影レンズ16によって固体撮像素子42に魚眼投影される円形の半天球映像が表示される領域である。尚、画素領域121の中心及び有効投影部122の中心は一致するように撮影レンズ16は調整されている。
円形の有効投影部122の最外周がFOV(Field of view)角180°の位置を示している。使用者が水平垂直中心を見ている場合、撮影記録される領域である狙い視野125は有効投影部122の中心からの角度はその半分の角度の90°となる。尚、本実施例の撮影レンズ16は有効投影部122より外側の光線も導入でき、最大FOV角192°の程度までの光線を固体撮像素子42に魚眼投影できる。但し、有効投影部122を超えると極端に解像力がおちたり、光量がおちたり、歪が強まったりと、光学性能が大きく落ちる。よって、本実施例では、記録領域は有効投影部122に表示される半天球映像のうち画素領域121に投影された映像(以下、単に超広角映像という)内からのみ観察方向の映像を切り出す例で説明する。
尚、本実施例では有効投影部122の上下方向のサイズが画素領域121の短辺のサイズより大きい為、有効投影部122における上下端の映像は画素領域121を外れているがこれに限定されない。例えば、撮影レンズ16の構成を変更して有効投影部122の全てが画素領域121の領域内に収まるように設計してもよい。
無効画素領域123は、画素領域121のうち有効投影部122に含まれなかった画素領域である。
狙い視野125は、超広角画像から使用者の観察方向の映像を切り出す範囲を示す領域であり、観察方向を中心とする予め設定された左右上下の画角(ここでは45°FOV角90°)により規定される。図11Aの例では、使用者は正面を向いているので、狙い視野125の中心は、有効投影部122の中心である観察方向voとなっている。
図11Aに示す超広角映像には、子供である被写体A131、被写体Aである子供が登ろうとしている階段である被写体B132、及び機関車の形の遊具である被写体C133が含まれる。
次に、図8N、図8Oを用いて、顔方向検出部20と使用者の顔の間に異物が侵入し、使用者の観察方向viが算出できない場合に、記録方向として利用する対象となる首可動域について説明する。
図8Nは、使用者の首可動域を説明する図である。
前述したように、ステップS206~S212にて、全体制御CPU101が使用者の観察方向viを類推している。そこで、本実施例では、その類推された観察方向viの推移を一定の蓄積期間だけ、蓄積することで、直近の使用者の観察エリア(以後、首可動域と説明)を特定する。
これにより、異物侵入などの要因により使用者の観察方向が算出できない期間、記録方向を直近に特定された使用者の首可動域に設定することで、使用者が最低限撮影したい範囲の映像を記録することが可能となる。尚、ここでは狙い視野の形状は、説明を簡略化するため全ての観察方向viにおいて矩形であるものとして説明する。
図8Nに示すように、まず全体制御CPU101は、類推された使用者の観察方向vi(ここでは観察方向vo)に対応する狙い視野125o(観察方向voを中心とする予め設定された左右上下の画角により規定される領域)を初期首可動域に設定する。その後、設定された初期首可動域を一次メモリ103に記憶する。
その後、使用者が右に首を傾けた場合、観察方向viは、観察方向voから観察方向vrへ移動する。この場合、全体制御CPU101は、使用者の首可動域を、先程記憶した初期首可動域である狙い視野125oと観察方向vrに対応する狙い視野125rとを包含した領域である首可動域8000に更新する。
次に使用者が下に首を傾けた場合、観察方向viは、観察方向vrから観察方向vdへ移動する。この場合、全体制御CPU101は、使用者の首可動域を、先程更新した首可動域8000と観察方向vdに対応する狙い視野125dとを包含した領域である首可動域8001に更新する。
このように、使用者の観察方向viの推移を一定の蓄積期間、蓄積することで、直近の使用者の首可動域を特定することができる。
尚、上記一定の蓄積期間は、初期設定されていてもよいし、表示装置800の表示部803に表示される各種設定画面840の首可動域記憶時間設定部842にて、使用者が手動で設定可能な構成としてもよい。
また、上記一定の蓄積期間は、全体制御CPU101が、使用者による首の動かし方の傾向を判断し、その傾向に応じて変動させる構成としてもよい。例えば、使用者の首が動く速度に応じて、上記一定の蓄積期間を変動させる、例えば、使用者がゆっくり首を動かしている場合は、上記一定の蓄積期間を長くするようにしてもよい。また、使用者の首が動く頻度に応じて、上記一定の蓄積期間を変動させる、例えば、使用者が頻繁に首を動かす場合は、上記一定の蓄積期間を短くするようにしてもよい。これにより、使用者の使用感により近い首可動域を特定することが出来る。
また本実施例では一例として使用者の観察方向が算出できない期間に設定する記録方向を首可動域としているが、使用者が最低限撮影したい範囲として予め設定した範囲であれば首可動域に限定されない。例えば、同期間に設定する記録方向を、撮影部40の撮像全領域としてもよいし、異物侵入直前の観察方向に固定しても良い。また、同期間に設定する記録方向を、異物侵入直前の観察方向から、徐々に予め設定した範囲(首可動域や撮像全領域)に変更するようにしてもよい。また、同期間に設定する記録方向を、まず、異物侵入直前の観察方向に設定し、その後、一定期間、異物侵入が検出されている場合に、その予め設定した範囲(首可動域や撮像全領域)に変更するようにしてもよい。
図8Oは、一定の蓄積時間経過後の首可動域の更新方法について説明するための図である。
首可動域を更新し続けるためには、過去の使用者の観察方向のうち、一定の蓄積期間が経過した観察方向については首可動域対象から外す必要がある。以下、図8Nで説明した順に首可動域が更新された後、使用者の観察方向viが観察方向vdに固定されている場合について説明する。
図8O(a)は、狙い視野125oが初期首可動域として記憶されてから一定の蓄積期間が経過した時点での首可動域8001を示す。
この時点から一定期間経過すると、全体制御CPU101は、過去の使用者の観察方向vo,vr,vdの内、首可動域対象から外す必要がある観察方向が無いかを判定する。ここでは、観察方向voがこれに該当するので、首可動域対象から外し、首可動域の再設定を行う。この再設定の結果、観察方向vrに対応する狙い視野と、観察方向vdに対応する狙い視野とを包含する領域が、新たな首可動域8002(図8O(b))に再設定される。
この首可動域の再設定から一定期間経過すると、全体制御CPU101は、過去の使用者の観察方向vr,vdの内、首可動域対象から外す必要がある観察方向が無いかを判定する。ここでは、観察方向vrがこれに該当するので、首可動域対象から外し、首可動域の再設定を行う。この再設定の結果、観察方向vdに対応する狙い視野を包含する領域が、新たな首可動域8003(図8O(c))に再設定される。
上記のように一定期間経過毎に首可動域の再設定を行いながら、直近の使用者の使用感により近い首可動域に更新し続ける。
次に、上記図11Aを用いて説明した超広角映像から観察方向の映像を得るために実行されるステップS300における記録方向・範囲決定処理を図7Eに示す。以下、狙い視野125の具体例である図12A~図12Gを用いて本処理を説明する。
ステップS301で、前述のステップS200の異物侵入検出処理の判定結果を取得し、異物侵入なしとの判定結果であった場合、正常に使用者の観察方向viが算出されていると判断し、ステップS302へ進む。一方、異物侵入があるとの判定結果がであった場合、正常に使用者の観察方向viが算出されていないと判断し、ステップS309へ進む。
ステップS302で、事前に設定された画角設定値angを一次メモリ103から読み出すことで取得する。
本実施例では、画像切り出し・現像処理部50にて観察方向の映像を超広角画像から切り出すことが可能な全ての画角、45°、90°、110°、130°が画角設定値angとして内蔵不揮発性メモリ102に保存されている。また、ステップS103,S106,S108のいずれかのステップで、内蔵不揮発性メモリ102に保存されている画角設定値angの一つが設定され、一次メモリ103に保存されている。
また、ステップS302では、ステップS212で決まった観察方向viを記録方向に決定し、これを中心とする上記取得した画角設定値angで超広角画像から切り出された狙い視野125の映像を、一次メモリ103に保存する。
例えば、画角設定値angが90°であり、且つ顔方向検出処理(図7C)で観察方向vo(ベクトル情報[0°,0°])が検出された場合、有効投影部122の中心Oを中心とする左右45°、上下45°の範囲が狙い視野125(図11A)に設定される。つまり、全体制御CPU101(相対位置設定手段)は、顔方向検出部20で検出された顔方向の角度を、超広角映像に対する相対位置を示すベクトル情報である観察方向viに設定している。
ここで、観察方向voの場合は撮影レンズ16による光学歪の影響はほぼ無視できるため、設定された狙い視野125の形状がそのまま後述するステップS304の歪み変換後の狙い視野125o(図12A)の形状となる。以下、観察方向viの場合の、歪み変換後の狙い視野125を、狙い視野125iという。
次にステップS304で、事前に設定された防振レベルを一次メモリ103から読み出すことで取得する。
本実施例では、上述の通り、ステップS103,S106,S108のいずれかのステップで防振レベルが設定され、一次メモリ103に保存されている。
また、ステップS304では、上記取得した防振レベルを基に防振用予備画素量Pisを設定する。
防振処理では、撮影・検出部10のブレ量に追随して、ブレ方向と反対方向の映像に追随した映像を取得する。このため、本実施例では、狙い視野125iの周囲に防振に必要な予備領域を設ける。
また本実施例では、各防振レベルに紐づく防振予備画素数Pisの値を保持するテーブルが内蔵不揮発性メモリ102に格納されている。例えば、防振レベルが「中」だった場合、上記テーブルから読み出された防振予備画素数Pisである100画素の予備画素領域が予備領域として設定される。
図12Eは、図12Aで示す狙い視野125oの周囲に予備領域を付与した例を示す図である。ここでは、防振レベルが「中」、すなわち防振予備画素量Pisが100画素である場合について説明する。
図12Eに示すように、狙い視野125oに対し、上下左右に夫々防振予備画素量Pisである100画素の余裕(予備領域)をもたせた点線部が防振用予備画素枠126oとなる。
図12A、図12Eでは説明の簡単化のため、観察方向viが有効投影部122の中心O(撮影レンズ16の光軸中心)と一致する場合について説明した。しかし、以下のステップで説明するように、観察方向viが有効投影部122の周辺部である場合は、光学歪の影響を受けるので変換が必要である。
ステップS304では、ステップS302で設定された狙い視野125の形状を、観察方向vi及び撮影レンズ16の光学特性を考慮して補正(歪み変換)し、狙い視野125iを生成する。同様に、ステップS303で設定された防振用予備画素数Pisも、観察方向vi及び撮影レンズ16の光学特性を考慮して補正する。
たとえば、画角設定値angが90°で、使用者が中心oより右45°を観察しているとする。この場合、ステップS212で決まった観察方向viが観察方向vr(ベクトル情報[45°,0°])であり、観察方向vrを中心とする、左右45°、上下45°の範囲が狙い視野125となる。しかし、撮影レンズ16の光学特性を考慮し、狙い視野125は、図12Bに示す狙い視野125rに補正される。
図12Bに示すように、狙い視野125rは有効投影部122の周辺部に行くにつれ広くなっており、且つ観察方向vrの位置も狙い視野125rの中心よりやや内側に来ている。これは、本実施例では、撮影レンズ16に立体射影魚眼に近い光学設計をしているためである。尚、撮影レンズ16が、等距離射影魚眼や、等立体角射影魚眼、正射影魚眼などによる設計であるとその関係は変わってくるので、その光学特性にあわせた補正が狙い視野125に対して行われる。
図12Fは、図12Bで示す狙い視野125rの周囲に、図12Eの予備領域と同一防振レベル「中」の予備領域を付与した例を示す図である。
防振用予備画素枠126o(図12E)では、狙い視野125oの上下左右の夫々に防振予備画素数Pisである100画素の余裕が設定された。これに対し、防振用予備画素枠126r(図12F)は、有効投影部122の周辺部に行くにつれ、防振予備画素数Pisは補正されて増えている。
このように、狙い視野125rの形状と同様にその周囲に設けられた防振に必要な予備領域の形状も、図12Fの防振用予備画素枠126rに示すように、有効投影部122の周辺部に行くにつれその補正量が大きくなる。これも、本実施例では、撮影レンズ16に立体射影魚眼に近い光学設計をしているためである。尚、撮影レンズ16が、等距離射影魚眼や、等立体角射影魚眼、正射影魚眼などによる設計であるとその関係は変わってくるので、その光学特性にあわせた補正が防振用予備画素枠126rに対して行われる。
ステップS304で実行される、撮影レンズ16の光学特性を考慮して、狙い視野125及びその予備領域の形状を逐次切り替える処理は、複雑な処理となる。そのため、本実施例では、内蔵不揮発性メモリ102内にある、観察方向vi毎の狙い視野125i及びやその予備領域の形状が保持されるテーブルを用いてステップS304の処理は実行される。尚、先にあげた撮影レンズ16の光学設計によっては演算式を全体制御CPU101内に持っておき、その演算式によって光学歪値を算出しても良い。
ステップS305では、映像記録用枠の位置及びサイズを算出する。
上述の通り、ステップS304では、防振に必要な予備領域を狙い視野125iの周囲に設け、これを防振用予備画素枠126iとして算出した。しかし、観察方向viの位置により、例えば防振用予備画素枠126rの様にその形状がかなり特殊なものとなる。
全体制御CPU101は、このような特殊な形状の範囲だけの現像処理を行って映像を切り出すことは可能である。しかし、ステップS600で映像データとして記録する際に、長方形ではない映像を用いることは一般的でない。そこでステップS305では、この防振用予備画素枠126iの全体を包含する、長方形形状の映像記録用枠127iの位置及びサイズを算出する。
図12Fでは、防振用予備画素枠126rに対してステップS305で算出された、一点鎖線で示す映像記録用枠127rを示す。
ステップS306では、ステップS305で算出された映像記録用枠127iの位置とサイズを一次メモリ103に記録する。
本実施例では、超広角映像における映像記録用枠127iの左上の座標Xi,Yiを、映像記録用枠127iの位置として記録し、座標Xi,Yiからの映像記録用枠127iの横幅WXi及び縦幅WYiを、映像記録用枠127iのサイズとして記録する。例えば、図12Fに示す映像記録用枠127rに対しては、図示される座標Xr,Yr、横幅WXr、及び縦幅WYrがステップS306で記録される。尚、座標Xi,Yiは、所定の基準点、具体的には撮影レンズ16の光学中心を原点とするXY座標である。
ステップS307では、図8N、図8Oにて前述したように首可動域を算出する。具体的には、観察方向viに対応する狙い視野を、一次メモリ103に首可動域がまだ記録されていない場合は初期首可動域として一次メモリ103に記録する。また、すでに一次メモリ103に首可動域が記録されている場合は、記録されている首可動域と観察方向に対応する狙い視野を包含すると共に、一定の蓄積時間を経過した観察方向については首可動域対象から外した領域を首可動域として更新する。
ステップS308では、ステップS307で算出された領域に首可動域を一次メモリ103に記録(更新)し、本サブルーチンを抜ける。
ステップS309にて、一次メモリ103に首可動域が既に記録されているかどうかを判定する。例えば、カメラ本体1の電源投入直後から、顔方向検出部20と使用者の顔の間に異物が存在しており、一次メモリ103に首可動域が記録されていない場合がある。この場合、使用者の首元位置や顎先位置の判定が正常に行えず、算出された使用者の観察方向viが異常値を取る可能性がある。よって、首可動域がまだ一次メモリ103に記録されていない場合(ステップS309で未記録)、ステップS311に進み、撮像全領域を映像記録用枠として採用し、本サブルーチンを抜ける。尚、ステップS311では、ステップS306と同様に、映像記録用枠として採用された範囲の位置とサイズを一次メモリ103に記録する。ここで本実施例では、ステップS311で、映像記録用枠として採用される領域を撮像全領域としたが、予め全体制御CPU101内で設定されている最低限使用者が撮影したい範囲であれば、これに限定されない。
一方、首可動域が既に記録されている場合(ステップS309にで記録済)、ステップS310へ進み、映像記録用枠を記録されている首可動域に設定し、本サブルーチンを抜ける。尚、ステップS310では、ステップS306と同様に、映像記録用枠として採用された首可動域の位置とサイズを一次メモリ103に記録する。
尚、ここまでの説明では、複雑な光学歪変換の説明の簡単化のために観察方向viの例として、水平0°を含む観察方向、すなわち観察方向vo(ベクトル情報[0°,0°])や観察方向vr(ベクトル情報[45°,0°])を用いた説明を行った。しかし実際には、使用者の観察方向viは様々な方向となる。よって以下、そのような場合に実行される記録範囲現像処理について説明する。
例えば、画角設定値angが90°で観察方向vl[-42°,-40°]の場合の狙い視野125lは、図12Cのようになる。
また狙い視野125lと同じ観察方向vl(ベクトル情報[-42°,-40°])であっても、図11Eに示すように画角設定値angが45°であった場合、図12Dに示すように、狙い視野125lより一回り小さい狙い視野128lとなる。さらに狙い視野128lについては、図12Gに示すような、防振用予備画素枠129l及び映像記録用枠130lが設定される。これにより、図11Fの様に子供(被写体A131)を中心にズームされた歪や揺れの補正された映像を得ることができる。
ステップS400は撮影の基本動作であり、撮影部40の一般的なシーケンスを用いるので、詳細は他の文献に譲りここでは説明を省略する。尚、本実施例では、撮影部40にある撮像信号処理回路43は、固体撮像素子42から出力された、固有の出力形態(規格の例:MIPI,SLVS)での信号を、一般的なセンサ読み出し方式の撮影データに修正する処理も行う。
尚、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが動画モードの場合は、スタートスイッチ14の押下に応じて、撮影部40が録画を開始する。その後、ストップスイッチ15が押下されたとき、録画を終了する。一方、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが静止画モードの場合は、スタートスイッチ14の押下がある毎に、撮影部40が静止画を撮影する。
図7Fは、図7AのステップS500の記録範囲現像処理のサブルーチンのフローチャートである。
ステップS501では、ステップS400において撮影部40で生成された撮影データ(超広角映像)の全領域のRawデータを取得し、全体制御CPU101の不図示のヘッド部と呼ばれる映像取り込み部に入力する。
次いでステップS502では、ステップS306,S310,S311で一次メモリ103に記録された座標Xi,Yi、横幅WXi及び縦幅WYiに基づき、ステップS501で取得した超広角映像から映像記録用枠127iの部分を切り出す。この切り出し後、防振用予備画素枠126i内の画素のみに対して、以下実行するステップS503~S508からなるクロップ現像処理(図7G)が開始する。これにより、ステップS501で読み込んだ超広角映像の全領域に対して現像処理を行う場合と比べて演算量を大幅に削減でき、演算時間や電力を削減することができる。
尚、図7Gに示すように、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが動画モードである場合、ステップS200,S220,S300の処理と、ステップS400の撮影は、夫々同一又は異なるフレームレートで並列に実行される。つまり、撮影部40で生成された1フレーム分の全領域のRawデータが取得される毎に、その時点で一次メモリ103に記録されている座標Xi,Yi、横幅WXi及び縦幅WYiに基づきクロップ現像処理が行われる。
防振用予備画素枠126i内の画素に対するクロップ現像処理を開始すると、まず、ステップS503でベイヤ配列に配置された色画素情報を補完する色補完を行う。
その後、ステップS504でホワイトバランスの調整を行った後、ステップS505で色変換を行う。
ステップS506では、あらかじめ設定したガンマ補正値に従って階調を補正するガンマ補正を行う。
ステップS507では、画像サイズに合わせたエッジ強調を行う。
ステップS508では、圧縮その他の処理を行うことで一次保存可能なデータ形式に変換し、内蔵不揮発性メモリ102に記録した後、本サブルーチンを抜ける。この一次保存可能なデータ形式の詳細については後述する。
尚、ステップS503~S508で実行されるクロップ現像処理の順序や処理の有無は、カメラシステムに合わせて行えばよく、本発明を制限するものではない。
また、動画モードが選択されている場合、ステップS200~S500までの処理は録画が終了されるまで繰り返し実行される。
また、本実施例では、動画記録中の全体制御CPU101の制御負荷を軽くするため、映像の光学補正処理(図7AのステップS800)や防振処理(図7AのステップS900)は動画記録完了後に続く処理で行う。そのため、投影された超広角映像から部分的に切り出した映像のデータだけを内蔵不揮発性メモリ102に保存しておくと、該続く処理で光学補正処理や防振処理を行うことができない。つまり、切り出した映像のデータだけでは、光学補正処理の際に式に代入したり、防振処理の際に補正テーブルより参照したりするために用いる位置情報が無い為、これらの処理を表示装置800において正しく実行できない。そのため、本実施例では、切り出した映像のデータだけでなく、その映像の超広角映像からの切り出し位置の情報等を含む補正データも共に内蔵不揮発性メモリ102に保存しておく。
ここで切り出した映像が静止画映像である場合、静止画映像のデータと補正データを個別に内蔵不揮発性メモリ102に保存しても静止画映像のデータと補正データは1対1対応であるので、正しく光学補正処理や防振処理を行うことができる。一方、切り出した映像が動画映像である場合、動画映像のデータと補正データを個別に内蔵不揮発性メモリ102に保存すると、別に保存された補正データが、動画映像の各フレームに対するいずれの補正データであるかの判断が難しくなる。
よって、本実施例では、動画映像のデータに対してその補正データを適切に付与する。以下、その方法について説明する。
図14は、図7AのステップS600の一次記録処理のサブルーチンのフローチャートである。本処理を、以下、図15を参照して説明する。図14では、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが動画モードである場合の処理が示されている。尚、選択されているモードが静止画モードである場合は、本処理は、ステップS601の処理から始まり、ステップS606の処理が終わると終了する。
ステップS601aで、全体制御CPU101は記録範囲現像処理(図7F)で現像された動画映像からステップS601~S606までの処理が未処理である1つのフレームの画像を読み出す。また、全体制御CPU101(メタデータ生成手段)はその読み出したフレームのメタデータである補正データを生成する。
ステップS601では、全体制御CPU101はステップS600で読み出したフレームの画像の切り出し位置の情報を補正データに添付する。ここで添付される情報は、ステップS305で取得した映像記録用枠127iの座標Xi,Yiである。尚、ここで添付される情報を、観察方向Viを示すベクトル情報としてもよい。
ステップS602では、全体制御CPU101(光学補正値取得手段)は光学補正値を取得する。光学補正値はステップS304で設定された光学歪値である。あるいは、周辺光量補正値や回折補正といったレンズ光学特性に応じた補正値でもよい。
ステップS603では、全体制御CPU101はステップS602の歪み変換に用いた光学補正値を補正データに添付する。
ステップS604では、全体制御CPU101は防振モードであるか否かを判断する。具体的には、事前に設定された防振モードが「中」又は「強」だった場合、防振モードであると判断してステップS605に進む。一方、事前に設定された防振モードが「切」だった場合は防止モードでないと判断してステップS606に進む。尚、ここで防振モードが「切」だった場合にステップS605をスキップする理由は、スキップした分、全体制御CPU101の演算データ量や無線送信時のデータ量を削減でき、ひいては、カメラ本体1の電力削減や発熱低減もできるためである。尚、ここでは防振処理に用いるデータの削減について説明したが、ステップS602で取得した光学補正値に含まれる、周辺光量補正値や、解析補正の有無についてのデータ削減を行っても良い。
本実施例では防振モードは、表示装置800による使用者の操作により事前に設定されているが、カメラ本体1の初期設定として設定されていてもよい。また、表示装置800に転送後に防振処理の有無を切り替えるようなカメラシステムとした場合は、ステップS604を無くし、ステップS603から直接ステップS605に進む。
ステップS605では、全体制御CPU101(移動量検出手段)はステップS302で取得した防振モード、及び一次メモリ813にあるステップS600で読み出したフレームと紐づくジャイロデータを補正データに添付する。
ステップS606では、ステップS600で読み出されたフレームの画像のデータと、ステップS601~S605により各種データが添付された補正データとをエンコードしたデータで、映像ファイル1000(図15)を更新する。尚、ステップS601aにおいて動画映像の最初のフレームの読み出しがされた場合については、ステップS606で映像ファイル1000が生成される。
ステップS607で、記録範囲現像処理(図7E)で現像された動画映像の全てのフレームの画像の読み出しが終了したか判別し、終了していない場合は、ステップS601aに戻る。一方、終了している場合は、本サブルーチンを抜ける。生成された映像ファイル1000は、内蔵不揮発性メモリ102に保存される。内蔵不揮発性メモリ102に保存されるだけでなく、大容量不揮発性メモリ51にも保存されるようにしてもよい。
ここで、本実施例において、エンコードとは、映像データと補正データを合体させ1つのファイルにすることを指すが、この際、映像データを圧縮、あるいは映像データと補正データを合体させたものを圧縮してもよい。
図15は、映像ファイル1000のデータ構造を示す図である。
映像ファイル1000は、ヘッダ1001とフレーム1002で構成される。フレーム1002は、動画映像を構成する各フレームの画像とこれに対応するフレームメタがセットとなったフレームデータセットで構成されている。すなわち、フレーム1002には、動画映像の総フレーム分だけフレームデータセットが存在する。
本実施例では、フレームメタは、切り出し位置(映像内位置情報)、光学補正値及びジャイロデータが必要に応じて添付された補正データがエンコードされた情報であるがこれに限定されない。例えば、撮影モードスイッチ12で選択された撮影モードに応じてフレームメタに他の情報を添付したり、あるいは、フレームメタにある情報を削除したりするなどしてフレームメタの情報量を変更しても良い。
ヘッダ1001には、各フレームのフレームデータセットまでのオフセット値または先頭アドレスを記録しておく。あるいは、映像ファイル1000に対応した時刻やサイズといったメタデータを保存してもよい。
尚、本実施例では、フレームメタに光学補正値が含まれたが、映像全体に対して光学補正値を付与するようにしてもよい。
図16は、図7AのステップS700の表示装置800への転送処理のサブルーチンのフローチャートである。図16では、撮影モードスイッチ12で選択されているモードが動画モードである場合の処理が示されている。尚、選択されているモードが静止画モードである場合は、本処理は、ステップS702の処理から始まる。
ステップS701では、撮影部40による動画映像の録画(ステップS400)が終了したか、また録画中である否かを判断する。ここで、動画映像が録画中である場合、フレーム毎の記録範囲現像処理(ステップS500)や、一次記録処理(ステップS600)での映像ファイル1000の更新(ステップS606)が順次行われている状態となる。無線転送は電力負荷が大きいため、録画中に並行して行うと、バッテリー94の電池容量を多く必要としたり発熱対策を別途行う必要があったりする。また、演算能力の観点で見ても、録画中に並行して無線転送を行うと演算負荷が大きくなるため、高スペックの全体制御CPU101を準備する必要があり、コストとしても大きくなってしまう。本実施例ではこれらを鑑み、動画映像の録画の終了を待ってから(ステップS701でYES)、ステップS702へ進み、表示装置800との接続を確立する。ただし、本実施例のカメラシステムが、バッテリー94から供給される電力に余裕があり且つ別途の発熱対策は不要であれば、カメラ本体1の起動時や録画を開始する前などであらかじめ表示装置800と接続をしてもよい。
ステップS702では、データ量の多い映像ファイル1000を表示装置800に転送するため、高速無線ユニット72を介して表示装置800との接続を確立する。尚、小電力無線ユニット71は、表示装置800への画角確認のための低解像度映像(あるいは映像)の転送や、表示装置800との間での各種設定値の送受信に利用するが、伝送に時間を要してしまうため映像ファイル1000の転送には利用しない。
ステップS703では、高速無線ユニット72を介して映像ファイル1000を表示装置800へ転送し、転送が終了した時点で、ステップS704に進み、表示装置800との接続を閉じた後、本サブルーチンを抜ける。
ここまでは1つの動画映像の全フレームの画像を含む1つの映像ファイルを処理する場合を説明したが、数分にわたる長時間の動画映像の場合は、時間単位で区切った複数の映像ファイルとしても良い。図15に示すデータ構造の映像ファイルであれば、1つの動画映像を複数の映像ファイルとして処理しても、補正データとのタイミングズレなく動画映像を補正することが可能となる。
図17は、図7AのステップS800の光学補正処理のサブルーチンのフローチャートである。本処理を、以下、図18を参照して説明する。
ステップS801では、映像ファイル1000から抽出した光学補正値を取得する。
続いてステップS802では、全体制御CPU101は、映像ファイル1000から映像(動画映像の1つのフレームの画像)を取得する。
ステップS803では、全体制御CPU101は、ステップS801で取得した光学補正値によりステップS802で取得した映像の光学補正を行い、補正した映像を1次メモリ103に保存し、本サブルーチンを抜ける。尚、ステップS802で行われる光学補正が、ステップS801で取得した映像自体に対して行うのではなく、その一部を切り出した画像に対して行うようにしてもよい。この場合、ステップS302で超広角画像から切り出された狙い視野の一部の領域(切り出し現像領域)の画像を切り出して処理が行われる。
図18は、図17のステップS803において歪曲収差補正を実施した場合を説明するための図である。
図18(a)は、使用者が撮影時に肉眼でみた被写体1401の位置を示す図であり、図18(b)は、被写体1401が固体撮像素子42上に映った像を示す図である。
図18(c)は、図18(b)の像における現像領域1402を示す図である。ここで、現像領域1402は先ほど説明した切り出し現像領域のことである。
図18(d)は、現像領域1402の像が切り出された、切り出し現像領域を示す図であり、図18(e)は、図18(d)の切り出し現像領域を歪曲補正した映像を示す図である。切り出し現像映像の歪曲補正時に切り出し処理を行うので、図18(e)に示す映像は、図18(d)に示す切り出し現像領域よりさらに画角は小さくなる。
図19は、図7AのステップS900の防振処理のサブルーチンのフローチャートである。本処理を、以下、図25を参照して説明する。
ステップS901では、映像ファイル1000のフレームメタから、現在処理中のフレーム(現フレーム)及び1フレーム前のフレーム(前フレーム)のジャイロデータを取得する。ステップS901では併せて、前フレームに対して後述のステップS902で算出されたブレ量Vn-1
Detも取得する。
ステップS902では、映像から詳細なブレ量Vn
Detをもとめる。ブレ量の検出は、現フレームの画像の特徴点が前フレームからどの程度移動したかを計算することで行う。
特徴点の抽出は既知の方法が採用できる。例えば、フレームの画像の輝度情報のみを抽出した輝度情報画像を生成し、それを1乃至数ピクセルずらした画像をもとの画像から減算してその絶対値が閾値以上の画素を特徴点として抽出してもよい。また上記輝度情報画像にハイパスフィルターをかけた画像を、もとの輝度情報画像から減算し抽出されたエッジを特徴点として抽出してもよい。
現フレームと前フレームの輝度情報画像を1乃至数ピクセルずつずらしながら複数回差分を計算し、特徴点の画素での差分が少なくなる位置を計算することで移動量が算出される。
特徴点は後述するように複数点が必要となるため、現フレーム及び前フレームの夫々の画像を複数のブロックに分割して特徴点の抽出を行なうことが好ましい。ブロック分割は画像のピクセル数やアスペクト比にもよるが、一般的には4×3の12ブロック乃至は96×64ブロックが好ましい。ブロック数が少ないとカメラ本体1の撮影部40のあおりによる台形や光軸方向の回転などの補正が正確にできなくなるが、ブロック数が多すぎると1ブロックのサイズが小さくなり、特徴点が近くなるため誤差を含むようになるためである。このようなことから画素数や特徴点の見つけやすさ、被写体の画角などによって適宜最適なブロック数が選択される。
移動量の算出には、現フレームと前フレームの輝度情報画像を1乃至数ピクセルずつずらして複数回の差分計算を行う必要があるため計算量が多くなる。そこで実際の移動量はブレ量Vn
Preから何ピクセルだけずれているかを算出すべく、その近傍のみの差分計算を行うことで大幅に計算量を減らすことが可能である。
次にステップS903では、ステップS902で取得した詳細なブレ量Vn
Detを用いて防振補正を行った後、本サブルーチンを抜ける。
尚、防振処理の方法としては、回転や平行移動が可能なユークリッド変換、それらが可能なアフィン変換、さらに台形補正が可能な射影変換などが従来より知られている。
X軸、Y軸への移動や回転の場合はユークリッド変換で可能であるが、実際にカメラ本体1の撮影部40で撮影した場合に生じるブレは前後方向やパン・チルト方向の手振れなどもある。よって、本実施例では拡大、スキューなども補正可能なアフィン変換を用いて防振補正を行う。アフィン変換では、基準となる特徴点の座標(x,y)が座標(x’,y’)に移動する場合、以下の式100で表わされる。
式100の3×3行列をアフィン係数は、最低3か所の特徴点のずれが検出できれば算出可能である。ただし、検出された特徴点が互いに近い距離にある場合や、直線上にのってしまう場合、特徴点よりも遠い箇所やその直線から離れた箇所の防振補正が不正確になる。よって検出される特徴点は、互いに遠い距離にあり、且つ直線上にのらないものを選択することが好ましい。よって、複数の特徴点が検出された場合は、互いに近い特徴点を省いて残りを最小二乗法で正規化を行う。
図18(f)は、図18(e)に示す歪曲補正をした映像に対してステップS903の防振補正をした映像を示す図である。防振補正時に切り出し処理を行うので、図18(f)に示す映像は、図18(e)に示す映像より画角は小さくなる。
このような防振処理を行うことで、ブレを補正した品位のある映像を得ることが可能である。
以上、本実施例のカメラシステムに含まれるカメラ本体1及び表示装置800で実行される一連の動作を説明した。
使用者が電源スイッチ11をONとした後に撮影モードスイッチ12で動画モードを選択し、顔を上下左右の方向を向かずにただ正面を観察していると、まず顔方向検出部20が観察方向vo(ベクトル情報[0°,0°])(図12A)を検出する。その後、記録方向・画角決定部30が、固体撮像素子42に投影される超広角映像から図12Aに示す狙い視野125oの映像(図11B)を切り出す。
その後、使用者がカメラ本体1を操作することなく、例えば、図11Aの子供(被写体A131)の観察を開始すると、まず顔方向検出部20が観察方向vl(ベクトル情報[-42°,-40°])(図11C)を検出する。その後、記録方向・画角決定部30が、撮影部40で撮影された超広角映像から狙い視野125lの映像(図11C)を切り出す。
このように観察方向に応じて様々な形状に切り出された映像に対する光学補正処理及び防振処理が、ステップS800,S900で表示装置800において行われる。これにより、カメラ本体1の全体制御CPU101が低スペックでも、大きな歪みがある、例えば狙い視野125l(図11C)の映像を切り出した場合も、図11Dの様に子供(被写体A131)を中心とした歪や揺れの補正された映像とすることができる。すなわち使用者は、電源スイッチ11をONとし撮影モードスイッチ12でモード選択をする以外には、カメラ本体1に触れなくとも、自身の観察方向が撮影された映像を得ることができる。
尚、本実施例では、カメラ本体1において顔方向検出部20と撮影部40とが一体的に構成される場合について説明したが、顔方向検出部20が使用者の頭部以外の身体上に装着され、撮影部40が使用者の身体上に装着されていればこれに限定されない。例えば、本実施例の撮影・検出部10を肩上や腹部に設置することも可能である。ただし、肩上の場合、右肩の上に撮影部40を設置すると、左側の被写体は頭部に遮られることが考えられるため、左肩なども含めた複数の撮影手段を設置して補う構成が好ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実行可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実行可能である。
1 カメラ本体
10 撮影・検出部
11 電源スイッチ
12 撮影モードスイッチ
13 顔方向検出窓
14 スタートスイッチ
15 ストップスイッチ
16 撮影レンズ
17 LED
18 胸部接続パッド
19L,19R マイク
20 顔方向検出部
20a 異物侵入検出部
30 記録方向・画角決定部
40 撮影部
41 撮像ドライバー
42 固体撮像素子
43 撮像信号処理回路
50 画像切り出し・現像処理部
51 大容量不揮発性メモリ
60 一次記録部
70 送信部
71 小電力無線ユニット
72 高速無線ユニット
80 接続部
81 角度保持部
82 バンド部
83 接続面
84 電気ケーブル
90 バッテリー部
91 充電ケーブル挿入口
92L,92R 調整用ボタン
93 背骨よけ切り欠き
94 バッテリー
101 全体制御CPU
102 内蔵不揮発性メモリ
103 一次メモリ
104 音声処理部
105 スピーカー
106 振動体
107 角速度センサ
108 加速度センサ
110 各種スイッチ
111 他制御部
800 表示装置
801 表示装置制御部
802 ボタンA
803 表示部
805 インカメラ
811 各種スイッチ
812 内蔵不揮発性メモリ
813 一次メモリ
814 大容量不揮発性メモリ
815 スピーカー
816 振動体
820 音声処理部
830 その他機能部
871 小電力無線ユニット
872 高速無線ユニット
10 撮影・検出部
11 電源スイッチ
12 撮影モードスイッチ
13 顔方向検出窓
14 スタートスイッチ
15 ストップスイッチ
16 撮影レンズ
17 LED
18 胸部接続パッド
19L,19R マイク
20 顔方向検出部
20a 異物侵入検出部
30 記録方向・画角決定部
40 撮影部
41 撮像ドライバー
42 固体撮像素子
43 撮像信号処理回路
50 画像切り出し・現像処理部
51 大容量不揮発性メモリ
60 一次記録部
70 送信部
71 小電力無線ユニット
72 高速無線ユニット
80 接続部
81 角度保持部
82 バンド部
83 接続面
84 電気ケーブル
90 バッテリー部
91 充電ケーブル挿入口
92L,92R 調整用ボタン
93 背骨よけ切り欠き
94 バッテリー
101 全体制御CPU
102 内蔵不揮発性メモリ
103 一次メモリ
104 音声処理部
105 スピーカー
106 振動体
107 角速度センサ
108 加速度センサ
110 各種スイッチ
111 他制御部
800 表示装置
801 表示装置制御部
802 ボタンA
803 表示部
805 インカメラ
811 各種スイッチ
812 内蔵不揮発性メモリ
813 一次メモリ
814 大容量不揮発性メモリ
815 スピーカー
816 振動体
820 音声処理部
830 その他機能部
871 小電力無線ユニット
872 高速無線ユニット
Claims (19)
- 映像を撮像する撮像手段と、
使用者の顔の各部の位置を検出し、前記使用者の観察方向を検出する観察方向検出手段と、
前記観察方向検出手段と前記使用者の顔の間に異物が侵入したことを検出する異物侵入検出手段と、
前記撮像手段より撮像された映像のうち、前記観察方向を基準とする範囲の映像を出力する映像出力手段と、を備え、
前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したことを検出した場合、前記映像出力手段は、前記撮像手段より撮像された映像のうち、予め設定された範囲の映像を出力することを特徴とする撮像装置。 - 前記予め設定された範囲は、一定の蓄積期間の前記使用者の首可動域であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記予め設定された範囲を、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したと検出する直前に前記観察方向検出手段により検出した観察方向を基準とする範囲から、徐々に一定の蓄積期間の前記使用者の首可動域に変更することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記予め設定された範囲を、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したと検出する直前に前記観察方向検出手段により検出した観察方向を基準とする範囲とし、その後、前記異物侵入検出手段により一定期間、前記異物が侵入したことが検出された場合に、前記一定の蓄積期間の前記使用者の首可動域に変更することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
- 前記使用者の首可動域は、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したことを検出していない期間中であって前記一定の蓄積期間に前記観察方向検出手段により検出された前記観察方向を基準とする範囲を包含する領域であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記使用者の首可動域を記録する記録手段を更に備え、
前記記録手段に前記使用者の首可動域が記録されていない場合の前記予め設定された範囲は、前記撮像手段の撮像全領域であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記一定の蓄積期間は、前記使用者が手動で設定可能であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記一定の蓄積期間を、前記使用者の首が動く速度に応じて変動させることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記一定の蓄積期間を、前記使用者の首が動く頻度に応じて変動させることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記予め設定された範囲は、前記撮像手段の撮像全領域であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記予め設定された範囲は、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したと検出する直前に前記観察方向検出手段が検出した観察方向を基準とする範囲であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記予め設定された範囲を、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したと検出する直前に前記観察方向検出手段により検出した観察方向を基準とする範囲から、徐々に前記撮像手段の撮像全領域に変更することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記予め設定された範囲を、前記異物侵入検出手段が前記異物が侵入したと検出する直前に前記観察方向検出手段により検出した観察方向を基準とする範囲とし、その後、前記異物侵入検出手段により一定期間、前記異物が侵入したことが検出された場合に、前記撮像手段の撮像全領域に変更することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記観察方向検出手段は、前記使用者に照射される赤外線の反射光線の光強度を基に、前記使用者の首元位置及び顎先位置を取得して、前記観察方向を検出し、
前記異物侵入検出手段は、前記観察方向検出手段で取得された前記使用者の首元位置及び顎先位置の少なくとも一方が正常範囲にない場合、前記異物が侵入したことを検出することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記使用者の首元位置の正常範囲は、前記使用者の首元位置を中心とする標準的な人間の首可動域の上下左右の限界にある首元位置を包含する領域であることを特徴とする請求項14記載の撮像装置。
- 前記使用者の顎先位置の正常範囲は、前記使用者の顎先位置を中心とする標準的な人間の首可動域の上下左右の限界にある顎先位置を包含する領域であることを特徴とする請求項14又は15記載の撮像装置。
- 前記異物侵入検出手段は、前記反射光線の光強度から、前記異物が侵入したことを検出することを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 映像を撮像する撮影部と、使用者の顔の各部の位置を検出し、前記使用者の観察方向を検出する観察方向検出部とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記観察方向検出部と前記使用者の顔の間に異物が侵入したことを検出する異物侵入検出ステップと、
前記撮影部より撮像された映像のうち、前記観察方向を基準とする範囲の映像を出力する映像出力ステップと、を有し、
前記異物侵入検出ステップで前記異物が侵入したことが検出された場合、前記映像出力ステップにおいて、前記撮影部より撮像された映像のうち、予め設定された範囲の映像が出力されることを特徴とする撮像装置。 - コンピュータを、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の撮像装置の各ステップとして機能させる、コンピュータにより実行可能なプログラム。
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