JP2023053487A - エンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水温センサの検出値に依存せず始動性能を確保したエンジン制御装置を提供する。【解決手段】始動時に出力軸10を回転駆動するスタータモータ111と、スタータモータに電力を供給する電源120と、燃焼室と吸気ポートの少なくとも一方に燃料を噴射する燃料噴射装置39とを有するエンジン1を制御するエンジン制御装置100を、電源の電圧を検出する電圧検出部121と、出力軸の角加速度を検出する角加速度検出部11と、スタータモータによる出力軸の回転駆動開始後における角加速度及び電圧に基づいて、燃料噴射装置における始動時燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部とを備える構成とする。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの始動時燃料噴射量を設定するエンジン制御装置に関する。
例えば自動車等の車両に搭載されるエンジンにおいては、暖機未了時、特に低温環境下において、フリクショントルクの増大により始動性が悪化することに対処するため、エンジンの冷却水温を検出し、検出値が低温である場合には始動時燃料噴射量を増量補正することが知られている。
このような始動時燃料噴射量の設定に関する技術として、例えば特許文献1には、エンジンの冷却水温を検出する水温センサの故障が検出された場合に、エンジン始動時における水温センサからの入力信号を所定の始動時設定値に切り替えて燃料噴射量を増量補正することが記載されている。
特許文献2には、機関始動時の水温センサ故障時に、水温センサの入力出力が始動時設定値に切り替えられるとともに、その後の燃料噴射量、機関回転数から自動時設定値を徐々に増加補正することが記載されている。
また、始動時のエンジンのフリクション推定に関する技術として、例えば特許文献3には、電動モータがクラッチを介して内燃エンジンをクランキングするハイブリッド駆動電気車両において、電動モータが回転している状態でクラッチを締結し、クラッチが締結に至る前の半クラッチ状態での電動モータの消費電力に基づいて内燃エンジンのフリクショントルクを推定することが記載されている。
特開平 1- 41642号公報 特開平 8-326590号公報 特開2009-280049号公報
上述した特許文献1,2においては、水温センサの故障時に、水温センサの出力値に代えて予め設定した所定値に切り替えることで始動性の確保を図っている。
このような技術では、始動時燃料噴射量はエンジンの暖機状態や外気温に関わらず一律に設定されることから、始動性がシビアな低温状態などでは十分な始動性を確保できないことが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、水温センサの検出値に依存せず始動性能を確保したエンジン制御装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明のエンジン制御装置は、始動時に出力軸を回転駆動するスタータモータと、前記スタータモータに電力を供給する電源と、燃焼室と吸気ポートの少なくとも一方に燃料を噴射する燃料噴射装置とを有するエンジンを制御するエンジン制御装置であって、前記電源の電圧を検出する電圧検出部と、前記出力軸の角加速度を検出する角加速度検出部と、前記スタータモータによる前記出力軸の回転駆動開始後における前記角加速度、及び、前記電圧に基づいて、前記燃料噴射装置における始動時燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部とを備えることを特徴とする。
これによれば、スタータモータによる出力軸の回転駆動開始後の出力軸の角加速度により、温度の変化に応じて変動するエンジンのフリクションを把握することができる。
また、スタータモータの駆動力が電源(典型的にはバッテリ)の出力電圧により変動することから、電源の電圧を検出することにより、より正確にフリクションを把握することができる。
そして、このように把握されたエンジンのフリクションに応じて始動時燃料噴射量を設定(増量補正)することにより、水温センサの検出値に依存せずにエンジンの始動性を確保することができる。
本発明において、前記燃料噴射量設定部は、前記電圧が同等である場合に前記角加速度の減少に応じて前記始動時燃料噴射量を増量する構成とすることができる。
これによれば、例えば低温時などのエンジンのフリクションが増大する場合に始動時燃料噴射量を増量することにより、エンジンの始動性を確保することができる。
本発明において、前記燃料噴射量設定部は、前記スタータモータによる前記出力軸の回転駆動開始後、前記出力軸の累積回転数が2サイクル以下であるタイミングで検出された前記角加速度に基づいて前記始動時燃料噴射量を設定する構成とすることができる。
本発明においては出力軸の角加速度を用いてエンジンのフリクションを判別するため、出力軸の累積回転数が2サイクル(4ストロークエンジンの場合には4回転)以下であるような短時間であっても始動時燃料噴射量を適切に設定することが可能であり、エンジンの始動を早期化して車両の商品性を高めることができる。
本発明において、前記エンジンの冷却水温を検出する水温センサと、前記水温センサの異常を検出する水温センサ異常検出部とを備え、前記燃料噴射量設定部は、前記水温センサが正常である場合には前記水温センサが検出した前記冷却水温に基づいて前記始動時燃料噴射量を設定するとともに、前記水温センサが異常である場合には前記角加速度及び前記電圧に基づいて前記始動時燃料噴射量を設定する構成とすることができる。
これによれば、水温センサが正常である場合には、水温センサが検出する冷却水温に応じて始動時燃料噴射量を設定することにより、エンジン始動時の初爆時期を早め、早期にエンジンを始動完了することができる。
一方、水温センサに異常が発生した場合であっても、出力軸の角速度と電源の電圧に基づいて始動時燃料噴射量を設定することによって、エンジンの始動性を確保し、始動不能な状況を回避することができる。
以上説明したように、本発明によれば、水温センサの検出値に依存せず始動性能を確保したエンジン制御装置を提供することができる。
本発明を適用したエンジン制御装置の実施形態を有するエンジンの構成を模式的に示す図である。 実施形態のエンジン制御装置における始動時燃料噴射量設定に関する構成を示すブロック図である。 実施形態のエンジン制御装置におけるエンジン始動時の燃料噴射増量制御の概要を示すフローチャートである。 実施形態のエンジン制御装置を有するエンジンにおける水温センサフェール状態でのエンジン始動時のバッテリ電圧及びエンジン回転数の推移の一例を示す図である。
以下、本発明を適用したエンジン制御装置の実施形態について説明する。
実施形態のエンジン制御装置は、例えば、乗用車等の自動車に走行用動力源として搭載されるエンジン及びその補機類を統括的に制御するものである。
実施形態において、エンジンは、一例として水平対向4気筒の直噴ガソリンエンジンであるが、シリンダレイアウトや気筒数などは特に限定されない。
図1は、実施形態の触媒温度推定装置を有するエンジンの構成を模式的に示す図である。
エンジン1は、クランクシャフト10、シリンダブロック20(20R,20L)、シリンダヘッド30(30R,30L)、インテークシステム40、エキゾーストシステム50、EGR装置60、エンジン制御ユニット(ECU)100等を有して構成されている。
クランクシャフト10は、エンジン1の出力軸となる回転軸である。
クランクシャフト10の一方の端部には、図示しない変速機等の動力伝達機構が接続されている。
クランクシャフト10には、回転軸から偏心して配置されたクランクピンが形成されている。クランクピンには、図示しないコネクティングロッドを介して図示しないピストンが連結されている。
クランクシャフト10の端部には、クランクシャフトの角度位置を検出するクランク角センサ11が設けられている。
クランク角センサ11の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
エンジン制御ユニット100は、クランク角センサ11の出力に基づいて、エンジン回転数(クランクシャフト回転速度)を算出する。
エンジン1の始動時に、後述するスタータモータ111によるクランクシャフト10の駆動(クランキング)を開始してから、所定のタイミング(一例として2サイクル後)におけるエンジン回転数は、クランキング開始後2サイクルにおけるクランクシャフト10の平均角加速度を示す指標として利用することが可能である。
クランク角センサ11は、本発明の角加速度検出部としての機能を有する。
シリンダブロック20は、クランクシャフト10を、車体に縦置き搭載する場合における左右方向から挟みこむように、右側シリンダブロック20R、左側シリンダブロック20Lからなる二分割として構成されている。
シリンダブロック20の中央部には、クランクケース部が設けられている。
クランクケース部は、クランクシャフト10を収容する空間部である。
クランクケース部には、クランクシャフト10のジャーナル部を回転可能に支持するメインベアリングが設けられている。
クランクケース部を挟んで左右に配置される右側シリンダブロック20R、左側シリンダブロック20Lの内部には、図示しないピストンが挿入され内部で往復するシリンダが例えば2気筒ずつ(4気筒の場合)形成されている。
シリンダブロック20には、水温センサ21が設けられている。
水温センサ21は、エンジン1を冷却する冷却水の温度を検出する温度センサである。
水温センサ21の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
シリンダヘッド30(右側シリンダヘッド30R、左側シリンダヘッド30L)は、シリンダブロック20のクランクシャフト10とは反対側の端部(左右端部)にそれぞれ設けられている。
シリンダヘッド30は、燃焼室31、点火プラグ32、吸気ポート33、排気ポート34、吸気バルブ35、排気バルブ36、吸気カムシャフト37、排気カムシャフト38、インジェクタ39等を備えて構成されている。
燃焼室31は、シリンダヘッド30のピストン冠面と対向する箇所を、例えばペントルーフ状に凹ませて形成されている。
点火プラグ32は、エンジン制御ユニット100からの点火信号に応じてスパークを発生し、混合気に点火するものである。
点火プラグ32は、シリンダの軸方向から見て燃焼室31の中央に設けられている。
吸気ポート33は、燃焼用空気(新気)を燃焼室31に導入する流路である。
排気ポート34は、燃焼室31から既燃ガス(排気)を排出する流路である。
吸気バルブ35、排気バルブ36は、吸気ポート33、排気ポート34を所定のバルブタイミングで開閉するものである。
吸気バルブ35、排気バルブ36は、各気筒に例えば2本ずつ設けられる。
吸気バルブ35、排気バルブ36は、クランクシャフト10の1/2の回転数で同期して回転する吸気カムシャフト37、排気カムシャフト38によって開閉される。
吸気カムシャフト37、排気カムシャフト38のカムスプロケット部には、各カムシャフトの位相を進角・遅角させて各バルブの開弁時期、閉弁時期を変化させる図示しないバルブタイミング可変機構が設けられている。
インジェクタ39は、エンジン制御ユニット100が発する開弁信号に応じて、燃焼室31内に燃料を噴射して混合気を形成する燃料噴射部である。
インジェクタ39は、燃料を噴射するノズル部が、燃焼室31の内面における吸気ポート33側の領域からシリンダ内に露出するよう設けられている。
インテークシステム40は、空気を導入して吸気ポート33に導入する吸気装置である。
インテークシステム40は、インテークダクト41、チャンバ42、エアクリーナ43、エアフローメータ44、スロットルバルブ45、インテークマニホールド46、吸気圧センサ47等を備えて構成されている。
インテークダクト41は、外気を導入して吸気ポート33に導入する流路である。
チャンバ42は、インテークダクト41の入口部近傍に連通して設けられた空間部である。
エアクリーナ43は、空気を濾過してダスト等を取り除くものである。
エアクリーナ43は、インテークダクト41におけるチャンバ42との連通箇所の下流側に設けられている。
エアフローメータ44は、インテークダクト41内を通過する空気流量(エンジン1の吸入空気量)を計測するものである。
エアフローメータ44は、エアクリーナ43の出口近傍に設けられている。
エアフローメータ44の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
スロットルバルブ45は、空気の流量を調節してエンジン1の出力を制御するバタフライバルブである。
スロットルバルブ45は、インテークダクト41におけるインテークマニホールド46との接続部近傍に設けられている。
スロットルバルブ45は、エンジン制御ユニット100がドライバ要求トルク等に応じて設定する目標スロットル開度に応じて、図示しない電動式のスロットルアクチュエータによって開閉駆動される。
また、スロットルバルブ45には、その開度を検出するスロットルセンサが設けられ、その出力はエンジン制御ユニット100に伝達される。
インテークマニホールド46は、空気を各気筒の吸気ポート33に分配する分岐管である。
インテークマニホールド46は、スロットルバルブ45の下流側に設けられている。
吸気圧センサ47は、インテークマニホールド46内の空気の圧力(吸気圧力)を検出するものである。
吸気圧センサ47の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
エキゾーストシステム50は、排気ポート34から排出された排気(排ガス)を外部に排出する排気装置である。
エキゾーストシステム50は、エキゾーストマニホールド51、エキゾーストパイプ52、触媒コンバータ53、NOトラップ触媒54、空燃比センサ55等を有して構成されている。
エキゾーストマニホールド51は、各気筒の排気ポート34から出た排気を集合させる集合管である。
エキゾーストパイプ52は、エキゾーストマニホールド51から出た排気を外部に排出する管路(排気流路)である。
触媒コンバータ53は、エキゾーストパイプ52の中間部分に設けられ、排気中のHC、NO、CO等を浄化する三元触媒を備えている。
三元触媒は、プラチナ、ロジウム、パラジウム等の貴金属を、アルミナ等の担体に担持させたものであり、エンジン1の空燃比がストイキ(理論空燃比)近傍の領域において浄化機能を発揮する。
触媒コンバータ53は、エキゾーストパイプ52におけるエキゾーストマニホールド51の出口に隣接する領域に設けられている。
NOトラップ触媒54は、三元触媒の活性範囲に対して空気過剰(λ>1)となるリーン運転時に、排ガス中のNOを一時的にトラップ(吸蔵)し、リッチ運転時に還元(N化)するNOx吸蔵還元触媒である。
NOトラップ触媒54は、エキゾーストパイプ52における触媒コンバータ53の下流側の領域に設けられている。
空燃比センサ(A/Fセンサ)55は、エキゾーストパイプ52における触媒コンバータ53の入口近傍の部分に設けられ、当該箇所を通過する排ガス中の酸素量に応じた電圧を発生することにより、排ガス中の酸素量と相関するλ値(空気過剰率)を検出するものである。
実際のエンジンの吸入空気量をL、理論上必要な最小空気量をLとするとき、
λ=L/Lとして表される。
λ値は、排ガス中に残存する酸素量を示す指標として用いることができる。
空燃比センサ55として、例えば、制限電流方式のリーンセンサと、ジルコニアセンサとを統合したワイドバンドセンサなどを用いることができる。
EGR装置60は、エキゾーストマニホールド51から排気の一部をEGRガスとして抽出し、インテークマニホールド46内に導入する排気再循環(EGR)を行うものである。
EGR装置60は、EGR流路61、EGRクーラ62、EGRバルブ63等を備えている。
EGR流路61は、エキゾーストマニホールド51から、インテークマニホールド46に排気(EGRガス)を導入する管路である。
EGRクーラ62は、EGR流路61を流れるEGRガスを、エンジン1の冷却水との熱交換によって冷却するものである。
EGRクーラ62は、EGR流路61の途中に設けられている。
EGRバルブ63は、EGR流路61内を通過するEGRガスの流量を調節する調量弁である。
EGRバルブ63は、EGR流路61におけるEGRクーラ62の下流側に設けられている。
EGRバルブ63は、ソレノイド等の電動アクチュエータによって駆動され開閉する弁体を有し、エンジン制御ユニット100によって、所定の目標EGR率(EGRガス流量/吸気流量)に基づいて設定された開度マップを用いて開度を制御される。
エンジン制御ユニット(ECU)100は、エンジン1、及び、その補機類を、統括的に制御するエンジン制御装置である。
エンジン制御ユニット100は、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を備えて構成されている。
また、エンジン制御ユニット100には、ドライバによる図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ101が設けられている。
エンジン制御ユニット100は、アクセルペダルセンサ101の出力等に基づいて、ドライバ要求トルクを設定する機能を備えている。
エンジン制御ユニット100は、エンジン1が実際に発生するトルクが、設定されたドライバ要求トルクに近づくよう、スロットルバルブ開度、過給圧、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、バルブタイミング等を制御する。
エンジン制御ユニット100は、エンジン1の始動後に暖機が完了した状態における定常運転時においては、空燃比が所定の目標空燃比範囲(一例として、三元触媒の活性範囲内(ストイキ)や、所定のリーン空燃比範囲)内となるよう燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック制御を行う。
また、エンジン制御ユニット100は、エンジン1の冷間始動時においては、始動性を確保するために、以下説明する始動時燃料噴射量設定(増量補正)を行っている。
図2は、実施形態のエンジン制御装置における始動時燃料噴射量設定に関する構成を示すブロック図である。
エンジン制御装置100は、エンジン1を始動する始動装置110を制御する機能を有する。
始動装置110は、スタータモータ111、スタータリレー112等を有して構成されている。
スタータモータ111は、バッテリ120から供給される電力によってクランクシャフト10を回転駆動(クランキング)する電動モータである。
スタータモータ111は、例えば、減速歯車を介してクランクシャフト10端部に取り付けられたフライホイールの外縁部を駆動する構成とすることができるが、これに限らず、例えばベルト及びプーリを介してクランクシャフト10と連結され、エンジン1の運転時には発電を行う機能を有するインテグレーテッドスタータジェネレータ(ISG)を用いてもよい。
スタータリレー112は、エンジン制御装置100からの指令に応じて、バッテリ120からスタータモータ111へ通電される通電状態と、通電が遮断される遮断状態とを切り替える継電器である。
バッテリ120は、車両の電装品に電力を供給する例えば12Vや48V等の定格電圧を有する2次電池である。
バッテリ120からスタータリレー112に電力を供給する回路には、バッテリ120の出力電圧を検出する電圧センサ121が設けられている。
電圧センサ121の検出値は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
以下、実施形態のエンジン制御装置における冷間(未暖機)エンジン始動時の燃料噴射増量制御について説明する。
図3は、実施形態のエンジン制御装置におけるエンジン始動時の燃料噴射増量制御の概要を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:水温センサフェール判定>
エンジン制御ユニット100は、公知のオンボード診断技術を用いて、水温センサ21及びその配線等に異常(センサの故障や配線の断線など)がないか判別する。
例えば、水温センサ21の出力電圧が所定の正常範囲にない場合に、水温センサ21の異常(フェール)が発生していると判別する。
水温センサ21の異常(フェール)が発生している場合はステップS03に進み、その他の場合はステップS02に進む。
<ステップS02:水温センサ出力に基づき始動時燃料噴射量設定>
エンジン制御ユニット100は、クランキング開始後でありかつ空燃比フィードバック制御が開始される前に適用される燃料噴射量である始動時燃料噴射量を、水温センサ21の出力に基づいて設定する。
始動時にインジェクタ39に供給される燃料の圧力(燃圧)が一定の場合には、燃料噴射量は燃料噴射信号のパルス幅(開弁時間と相関する)により制御することが可能である。始動時燃料噴射量は、燃料噴射信号のパルス幅として設定することができる。
具体的には、水温センサ21が検出する冷却水温が低温となるのに応じて、例えば潤滑油の粘性増加などによるフリクションの増大に対応するため、始動時燃料噴射量を増量(パルス幅を拡大・噴射時間を延長)する。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS03:クランキング開始後2サイクル経過時の回転数・電圧取得>
エンジン制御ユニット100は、クランク角センサ11の出力に基づいて、スタータモータ101によるクランクシャフト10のクランキングが開始されてから、クランクシャフト10が4回転する(各気筒において2サイクルが経過する)タイミングを取得する。
そして、2サイクル経過時におけるクランクシャフト10の回転速度(いわゆるエンジン回転数)を検出する。
2サイクル経過時におけるクランクシャフト10の回転速度は、クランキング開始後2サイクルにおけるクランクシャフト10の平均角加速度を示すパラメータとして利用される。
また、エンジン制御ユニット100は、電圧センサ121により、クランキング開始直後におけるバッテリ120の出力電圧を検出する。
図4は、実施形態のエンジン制御装置を有するエンジンにおける水温センサフェール状態でのエンジン始動時のバッテリ電圧及びエンジン回転数の推移の一例を示す図である。
図4において、横軸は時間を示し、縦軸はバッテリ120の出力電圧、及び、エンジン回転数(クランクシャフト10の回転速度)を示している。
バッテリ電圧120は、クランキング開始時に降下し、その後徐々に回復する。
また、エンジン回転数は、クランキング開始時に増大するが、目標アイドル回転数(一例として500乃至600rpm程度)よりは低くなっている。
その後、燃料噴射が開始されて着火(爆発)するとエンジン回転数は急激に増大し、一旦目標アイドル回転数を超過(オーバーシュート)した後、吸入空気量をフィードバック制御すること等により、アイドル回転数に収束する。
本実施形態においては、燃料噴射開始の直前であるクランキング開始後2サイクル経過時の回転数、電圧を取得している。
回転数、電圧の取得後、ステップS04に進む。
<ステップS04:回転数-電圧マップから始動時燃料噴射量設定>
エンジン制御ユニット100は、予め準備され記憶部に保持された回転数-電圧マップを用いて、始動時燃料噴射量を設定する。
回転数-電圧マップは、クランクシャフト10の回転速度(回転数)、及び、バッテリ120の出力電圧を入力として、始動時燃料噴射量が読みだされる3次元マップである。
例えば、バッテリ120の出力電圧が一定である場合には、エンジン1が低温であるほど、フリクションが増加して回転数が低下することになる。
このため、回転数の低下に応じて、増加するフリクションに抗するトルクを得られるよう、始動時燃料噴射量は増加する傾向に設定される。
一方、例えばエンジン1の温度が一定、つまりフリクションが一定である場合には、バッテリ120の出力電圧が高いほど、スタータモータのトルクが増大して回転数が高くなることになる。
このため、あるエンジン回転数に対する始動時燃料噴射量は、バッテリ120の出力電圧の増大に応じて増量される傾向に設定される。(同一のエンジン回転数を得るために高電圧が必要であるということは、フリクションが大きいことを意味している。)
始動時燃料噴射量の設定後、ステップS05に進む。
<ステップS05:燃料噴射開始>
エンジン制御ユニット100は、ステップS02又はステップS04において設定した始動時燃料噴射量を用いて、インジェクタ39に噴射指令(噴射パルス信号)を与え、燃料噴射を開始させる。
その後、一連の処理を終了する。
エンジン1の完爆判定(例えばエンジン回転数が所定の閾値以上)が成立し、さらに各センサ、触媒が活性温度に到達後、燃料噴射量の制御は通常の空燃比フィードバック制御に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)スタータモータ111による出力軸の回転駆動開始後2サイクルのクランクシャフト10の平均角加速度を示すエンジン回転数により、温度の変化に応じて変動するエンジン1のフリクションを把握することができる。
また、スタータモータ111の駆動力がバッテリ120の出力電圧により変動することから、バッテリ120の出力電圧を検出することにより、より正確にフリクションを把握することができる。
そして、このように把握されたエンジン1のフリクションに応じて始動時燃料噴射量を設定(増量補正)することにより、水温センサの検出値に依存せずにエンジン1の始動性を確保することができる。
(2)バッテリ120の出力電圧が同等である場合に、エンジン回転数の減少に応じて始動時燃料噴射量を増量することにより、例えば低温時などのエンジン1のフリクションが増大する場合に始動時燃料噴射量を増量してエンジン1の始動性を確保することができる。
(3)スタータモータ111によるクランクシャフト10の回転駆動開始後、クランクシャフトの累積回転数が2サイクルであるタイミングで検出されたエンジン回転数(始動後2サイクルの平均角加速度を示す)に基づいて始動時燃料噴射量を設定することにより、短時間であっても始動時燃料噴射量を適切に設定することが可能であり、エンジンの始動を早期化して車両の商品性を高めることができる。
(4)水温センサ21が正常である場合には、水温センサ21が検出する冷却水温に応じて始動時燃料噴射量を設定することにより、エンジン始動時の初爆時期を早め、早期にエンジン1を始動完了することができる。
一方、水温センサ21に異常が発生した場合であっても、クランクシャフト10の角速度とバッテリ120の電圧に基づいて始動時燃料噴射量を設定することによって、エンジン1の始動性を確保し、始動不能な状況を回避することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エンジン制御装置、エンジンや、エンジンが搭載される車両等の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することが可能である。
例えば、エンジンのシリンダレイアウト、気筒数、過給の有無、燃料噴射方式、その他補機類の構成等は、適宜変更することが可能である。
(2)実施形態においては、クランクシャフトの回転駆動開始後2サイクル時の回転数(回転速度)を、クランクシャフトの角加速度を示す指標として用いているが、これに限らず、他の手法により出力軸の角加速度(あるいは角加速度を示す指標)を求めてもよい。例えば、所定のサンプリング周期で出力軸の回転角度位置を取得し、角度位置を時間により2回微分して角加速度を求めてもよい。
さらに、始動時燃料噴射量を設定するための角加速度を求めるタイミングも、駆動開始後2サイクルに限定されず、適宜変更することが可能である。
1 エンジン
10 クランクシャフト 11 クランク角センサ
20 シリンダブロック
20R 右側シリンダブロック 20L 左側シリンダブロック
21 水温センサ 30 シリンダヘッド
30R 右側シリンダヘッド 30L 左側シリンダヘッド
31 燃焼室
32 点火プラグ 33 吸気ポート
34 排気ポート 35 吸気バルブ
36 排気バルブ 37 吸気カムシャフト
38 排気カムシャフト 39 インジェクタ
40 インテークシステム 41 インテークダクト
42 チャンバ 43 エアクリーナ
44 エアフローメータ 45 スロットルバルブ
46 インテークマニホールド 47 吸気圧センサ
50 エキゾーストシステム 51 エキゾーストマニホールド
52 エキゾーストパイプ 53 触媒コンバータ
54 NOxトラップ触媒 55 空燃比センサ
60 EGR装置 61 EGR流路
62 EGRクーラ 63 EGRバルブ
100 エンジン制御ユニット(ECU)
110 始動装置 111 スタータモータ
112 スタータリレー 120 バッテリ
121 電圧センサ

Claims (4)

  1. 始動時に出力軸を回転駆動するスタータモータと、
    前記スタータモータに電力を供給する電源と、
    燃焼室と吸気ポートの少なくとも一方に燃料を噴射する燃料噴射装置と
    を有するエンジンを制御するエンジン制御装置であって、
    前記電源の電圧を検出する電圧検出部と、
    前記出力軸の角加速度を検出する角加速度検出部と、
    前記スタータモータによる前記出力軸の回転駆動開始後における前記角加速度、及び、前記電圧に基づいて、前記燃料噴射装置における始動時燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部とを備えること
    を特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記燃料噴射量設定部は、前記電圧が同等である場合に前記角加速度の減少に応じて前記始動時燃料噴射量を増量すること
    を特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記燃料噴射量設定部は、前記スタータモータによる前記出力軸の回転駆動開始後、前記出力軸の累積回転数が2サイクル以下であるタイミングで検出された前記角加速度に基づいて前記始動時燃料噴射量を設定すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記エンジンの冷却水温を検出する水温センサと、
    前記水温センサの異常を検出する水温センサ異常検出部とを備え、
    前記燃料噴射量設定部は、前記水温センサが正常である場合には前記水温センサが検出した前記冷却水温に基づいて前記始動時燃料噴射量を設定するとともに、前記水温センサが異常である場合には前記角加速度及び前記電圧に基づいて前記始動時燃料噴射量を設定すること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
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