JP2023052709A - 固定化ニッケル触媒およびそれを用いたアミド化反応 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、回収再利用可能な芳香族アミド合成用の触媒を提供し、生成物への触媒金属混入が低減された簡便な合成プロセスを可能とすることを課題とする。【解決手段】本発明は、含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーおよびニッケルから構成される錯体を含む、固定化ニッケル触媒を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、固定化ニッケル触媒、同触媒を含む触媒組成物、および同触媒組成物を用いた芳香族アミドの製造方法等に関する。
医薬品に数多くみられる官能基である芳香族アミドの合成は医薬品合成プロセスにおいて重要である。従来、芳香族アミドの製造には、均一系パラジウム触媒が用いられている(非特許文献1)。しかしながら、パラジウムは高価であり、工業的スケールへの応用は難しい。また、均一系ニッケル触媒等の使用が検討されているが、医薬品合成において、触媒金属の生成物への混入(汚染)が問題になっている。例えば、医薬品規制調和国際会議(ICH)での規制では、生成物へのニッケルの混入が20ppm以下に抑えられないといけないとされている。しかし、既存の均一系触媒では多量のニッケルが生成物を汚染するため、通常プロセスではニッケルの除去の工程を必要とする。また、均一系触媒は、触媒の回収再利用は極めて困難である。
Gao, G.-Y.; Chen, Y.; Zhang, X. P. Org. Lett. 2004, 6, 1837.
本発明は、回収再利用可能な芳香族アミド合成用の触媒を提供し、生成物への触媒金属混入が低減された簡便な合成プロセスを可能とすることを課題とする。
上記課題の解決のため、本発明者等はポリビニルピリジン等のポリマー固定化ニッケル触媒を開発し、芳香族アミド合成反応に適用した。その結果、ポリマー固定化ニッケル触媒は、高い触媒活性を有し、回収再利用が可能であるとともに、同触媒を用いた触媒系においてニッケルの生成物への混入が抑制されることを知見した。本発明は、このような知見に基づき、完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーおよびニッケルから構成される錯体を含む、固定化ニッケル触媒。
[2] 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーが、下記式(I)で示さ
れる繰り返し単位から選ばれる1種または2種以上を含むポリマーである、[1]に記載の固定化ニッケル触媒。
Figure 2023052709000001
(式中、
Raは、水素、またはアルキル基を表す;
Rbは、反応に関与しない不活性な基、または原子を表す;
Lは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ原子、またはそれらの組合せを表
す;
nは、0以上の整数であり、上限は各環状構造部の置換可能数である;
*は、結合位置を表す;
環Qは、含窒素ヘテロ環を表す。)
[3] 含窒素ヘテロ環が、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、またはピラジル基である、[1]または[2]に記載の固定化ニッケル触媒。
[4] 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位が、2-ビニルイミダゾール、4-ビニルイミダゾール、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリミジン、4-ビニルピリミジン、または5-ビニルピリミジンである、[1]~[3]のいずれかに記載の固定化ニッケル触媒。
[5] 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーが、
含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位、ならびに、
(メタ)アクリル酸またはその誘導体を含む繰り返し単位、(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体を含む繰り返し単位、およびスチレンまたはその誘導体を含む繰り返し単位から選ばれる1種または2種以上を含むコポリマーである、[1]~[4]のいずれかに記載の固定化ニッケル触媒。
[6] Buchwald-Hartwigアミド化反応用である、[1]~[5]のいずれかに記載の固定化ニッケル触媒。
[7] 鈴木-宮浦クロスカップリング反応用である、[1]~[5]のいずれかに記載の固定化ニッケル触媒。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の触媒、および塩基を含む、触媒組成物。
[9] 塩基が、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、水酸化バリウム、水酸化タリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三ナトリウム
、リン酸三カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフロリド、およびナトリウムメトキシドから選ばれる1種または2種以上である、[8]に記載の触媒組成物。
[10] [8]または[9]に記載の触媒組成物の存在下、
芳香族ハロゲン化物とアミドを反応させ、Buchwald-Hartwigアミド化反応により芳香族アミドを製造する工程を含む、芳香族アミドの製造方法。
[11] 芳香族ハロゲン化物が、単環芳香族炭化水素基、二環芳香族炭化水素基、単環芳香族ヘテロ炭化水素基、または二環芳香族ヘテロ炭化水素基を有する、[10]に記載の芳香族アミドの製造方法。
[12] アミドが、脂肪族カルボン酸アミド、および芳香族カルボン酸アミドから選ばれる1種または2種以上である、[10]または[11]に記載の芳香族アミドの製造方法。
[13] [8]または[9]に記載の触媒組成物の存在下、
芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物を反応させ、鈴木-宮浦クロスカップリング反応により多環式芳香族化合物を製造する工程を含む、多環式芳香族化合物の製造方法。[14] 芳香族ハロゲン化物が、単環芳香族炭化水素基、二環芳香族炭化水素基、単環芳香族ヘテロ炭化水素基、または二環芳香族ヘテロ炭化水素基を有する、[13]に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
[15] 芳香族ホウ素化合物が、芳香族ボロン酸エステルである、[13]または[14]に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
本発明は、新規な固定化ニッケル触媒、および同触媒を含む触媒組成物を提供する。また、本発明は、本発明の触媒組成物を用いた新規な芳香族アミドの製造方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の触媒組成物を用いた新規な多環式芳香族化合物の製造方法を提供する。
本発明の固定化ニッケル触媒は、高い触媒活性を有し、回収再利用可能であり、また同触媒を用いた触媒系では、ニッケルの生成物への混入が抑制されている。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<固定化ニッケル触媒>
本発明の一態様は、含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーおよびニッケルから構成される錯体を含む、固定化ニッケル触媒(以下、「本発明の固定化ニッケル触媒」ということがある)に関する。
すなわち、本発明の触媒は、触媒活性部位としてニッケル、配位子として含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーを用いた、自己集合プロセスにより形成される錯体を含む触媒である。ニッケルは、含窒素ヘテロ環の窒素を介して、ポリマーを架橋し、高分子錯体を形成する。このようにして形成される、ポリマーに固定化されたニッケル錯体を、本発明の固定化ニッケル触媒として用いることができる。
≪含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマー≫
本発明の固定化ニッケル触媒に用いられる、含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーとしては、ニッケルを固定化することができ、本発明の固定化ニッケル触媒の触媒反応等に影響しないものであれば、限定されない。含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーは、1種、または2種以上の含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位から選択される繰り返し構成単位を含んでよい。
含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーとしては、限定されないが、下記式(I)から選択されるものであることが好ましい。
Figure 2023052709000002
(式中、
Raは、水素、またはアルキル基を表す;
Rbは、反応に関与しない不活性な基、または原子を表し、Rbはそれぞれ独立である;
Lは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ原子、またはそれらの組合せを表
す;
nは、0以上の整数であり、上限は各環状構造部の置換可能数である;
*は、結合位置を表す;
環Qは、含窒素ヘテロ環を表す。)
Raは、水素、または直鎖、分岐または環状のアルキル基(炭素数1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~2が特に好ましい)を表す。この中で、Raが、水素またはメチル基
であることが好ましい。
Rbは、重合反応、触媒反応に関与しない不活性な基、または原子であれば特に限定されず、例えば、ハロゲン、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~20の炭化水素基、炭素
数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル
基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
炭素数1~6(好ましくは1~2)のハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基が挙げられる。
炭素数1~20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~20(好ましくは1~6、より好ましくは1~2)のアルキル基であり、直鎖、分岐または環状のアルキル基であってよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロペン
チル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、2-メチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基等が挙げられる。
炭素数1~20の炭化水素基としては、例えば、炭素数6~20(好ましくは6~18、より好
ましくは6~12)のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基
、ビフェニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等が挙げられる。
炭素数1~20のアルコキシ基(好ましくは1~6、より好ましくは1~2)としては、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、n-ヘ
キシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、n-イコシルオキシ基等が挙げられる。
上記炭素数2~20(好ましくは2~6、より好ましくは2~3)のアシル基としては、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
上記炭素数2~20(好ましくは2~6、より好ましくは2~3)のアルコキシカルボニル基
としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
環Qは、1または複数の、同一または異なった置換基Rbを有していてよい。また、これらRbはさらに置換基を有していてもよい。環Q上の置換基Rbは、炭素数1~2のアルキル基ま
たは炭素数1~2のアルコキシ基が好ましい。
なお、環Q上の置換基Rbの数は、反応に影響を及ぼさない限り限定されないが、好まし
くは0または1である。環Q上の置換基Rbの置換位置は特に限定されない。
Lは、単結合、アルキレン基(炭素数1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~3が特に好ましい)、アリーレン基(炭素数6~22が好ましく、6~14がより好ましい)、ヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄が好ましい)、またはそれらの組合せを表す。この中で、Lが、
単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、または酸素であることが好ましい。
なお、隣接する置換基や連結基は、本発明の効果を損ねない範囲で、互いに結合して環を形成していてもよい。以下、特に断らない限り、本明細書において同様である。
nは、0以上の整数を表す。nの上限は各環状構造部の置換可能数である。例えば、式(I)が下記式(II)-1~6に表される化合物であれば4であり、式(II)-7または8に表される化合
物であれば3である。
環Qは、含窒素ヘテロ環を表し、含窒素芳香族ヘテロ環が好ましく、5員または6員環の
含窒素芳香族ヘテロ環がより好ましく、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、またはピラジル基(いずれもC位で結合)がさらに好ましい。
その環構造として具体的には、下記式(II)-1~8が最も好ましい。
Figure 2023052709000003
Rcは、水素、または直鎖、分岐または環状のアルキル基(炭素数1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~2が特に好ましい)を表す。この中で、Rcが、水素またはメチル基
であることが好ましい。
上記の環構造基はいずれも所定数の置換基Rbを伴っていてもよい。また、オニウムもしくはその塩となっていてもよい。
上記含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位(対応するモノマーの名称で示すことがある)は、より好ましくは、2-ビニルイミダゾール、4-ビニルイミダゾール、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリミジン、4-ビニルピリミジン、または5-ビニルピリミジン等であり、特に好ましくは、4-ビニルピリジンである。
含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーは、上に挙げた繰り返し単位を含有するホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
あるいは、さらに別の繰り返し単位を有するコポリマーであってもよい。別の繰り返し単位としては、含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位と共重合可能であり、本発明の固定化ニッケル触媒の触媒反応等に影響せず、ニッケルを固定化できるものであれば、限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルまたはその誘導体を含む繰り返し単位、(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体を含む繰り返し単位、およびスチレンまたはその誘導体を含む繰り返し単位から選ばれる繰り返し単位等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸またはその誘導体を含む繰り返し単位としては、公知の(メタ)アクリル酸またはそのエステル誘導体等が使用でき、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル
、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチル等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体を含む繰り返し単位としては、公知の(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体が使用でき、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-フェニルメタアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジブチルアクリルアミド、N-メチル,N-フェニルアクリルアミド等が挙げられる。
スチレンまたはその誘導体を含む繰り返し単位としては、公知のスチレンまたはその誘導体が使用でき、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、p-クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸、ニトロスチレン、シアノスチレン、アミノスチレン、ビニルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するコポリマー中の含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位の数は、繰り返し単位の合計数の40 %以上、50 %以上、60 %以上、70 %以上、80 %以上、90 %以上、95 %以上、99 %以上であってよい。上限値は特になく、100 %以下であってよい。
含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーは、ホモポリマー、ランダムコポリマー、交互コポリマー、周期コポリマー(periodiccopolymer)、ブロックコポリ
マー(例えば、AB、ABA、ABC等)等のいずれであってもよい。
含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーの重量平均分子量は、限定さないが、1,000以上1,000,000以下、2,000以上500,000以下、3,000以上200,000以下、5,000以上100,000以下等であってよい。本発明において重量平均分子量の測定は、GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)法で測定される値として定義する。
≪固定化ニッケル触媒の製造方法≫
本発明の固定化ニッケル触媒は、本願明細書の記載および化学合成分野における常法に基づき、調製することができる。例えば、含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーとニッケル塩等のニッケル化合物を、常温、常圧下で混合することにより、不溶性のポリマーに固定化されたニッケル錯体が調製できる。このようにして形成される、ポリマーに固定化されたニッケル錯体を、本発明の固定化ニッケル触媒として用いることができる。含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマー、およびニッケル化合物は、常法に基づき合成したものであってもよく、市販のものであってもよい。
触媒調製後、所望により、公知の単離・精製方法、例えば、沈殿、ろ過、乾燥等の一般的な操作によって単離・精製することができる。
以下、本発明の固定化ニッケル触媒の製造方法の一態様として、含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーとしてポリ(4-ビニルピリジン)、ニッケル塩としてNiCl2・6H2Oを用いた場合を例示して説明するが、本発明は、この態様に限定されるもの
ではない。
市販のポリ(4-ビニルピリジン)のメタノール溶液をNiCl2・6H2O水溶液と混合し、室
温で6時間攪拌すると、緑色がかった固体が観察される。固体をろ過、水とメタノールで
洗浄し、真空下室温で12時間乾燥する。
この操作により、塩化物イオンが金属中心に付着しておらず、4当量の遊離ピリジン単
位を有する水和錯体である[Ni(PVPy)4(H2O)2]Cl2が得られる。
触媒におけるニッケルの担持量は、限定されないが、0.01~20質量%、0.1~15質量%
、または1~10質量%等であり得る。
<触媒組成物>
本発明の別の一態様は、本発明の固定化ニッケル触媒、および塩基を含む、触媒組成物(以下、「本発明の触媒組成物」ということがある)に関する。
本発明の触媒組成物は、前記触媒および塩基以外に、必要に応じて、公知の増粘剤、補強材、添加剤等を含んでいてもよい。
本発明の触媒組成物において用いる塩基としては、触媒反応を進行させ得るものであれば限定されないが、例えば、25℃の水溶液中における酸解離定数(pKa)が、5~14、7~13、または10~12のもの等を用いることができる。
具体的には、例えば、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、N-メチルモルホリン(NMM)、N,N-ジメチルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N,N-ジエチルメチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ジメチルアニリン、シクロヘキシルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン、ピペ
ラジン、1,4-エチレンピペラジン、イミダゾール、オキサゾール、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエタノールアミン、テ
トラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の有機塩基;
水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸
化ルビジウム(RbOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ベリリウム(Be(OH)2)、水酸
化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化タリウ
ム(TlOH)、水酸化鉄(II、III)(Fe(OH)2、Fe(OH)3)、水酸化マンガン(Mn(OH)2)、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)、水酸化銅(II)(Cu(OH)2)、水酸化ランタン(La(OH)3)、炭
酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸ルビジウム(Rb2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、リン酸三
リチウム(Li3PO4)、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)、リン酸三カリウム(K3PO4)、リ
ン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸水素二カリウム(K2HPO4)、リチウムtert-ブトキシド(LiOBu)、ナトリウムtert-ブトキシド(NaOBu)、カリウムtert-ブトキシド(KOBu)、フッ化カリウム(KF)、フッ化セシウム(CsF)、テトラブチルアンモニウムフ
ロリド(Bu4NF)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、アンモニア(NH3)、等の無機塩基
;またはこれらの塩基と反応して得られる塩が挙げられる。また、これらの塩基は置換基を有していてもよい。塩基は、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。塩基は、常法に基づき合成したものであってもよく、市販のものであってもよい。
好ましくは、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、水酸化バリウム、水酸化タリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフロリド、ナトリウムメトキシド等が挙げられ、より好ましくはリン酸三カリウムが挙げられる。
塩基の使用量は、基質に対して、例えば、1当量~5当量、または1.2当量~3当量である。
なお、本明細書において、「基質」とは、本発明の芳香族アミドの製造方法および本発明の多環式芳香族化合物の製造方法であれば、芳香族ハロゲン化物である。
また、本明細書において、単に「当量」というときは、「mol当量」を意味する。
<触媒の用途および触媒組成物を用いた製造方法>
本発明の触媒は、各種反応を触媒することができる。例えば、Buchwald-Hartwig(バックワルド・ハートウィッグ)アミド化反応による芳香族ハロゲン化物とアミドからの芳香族アミド化合物の合成反応を挙げることができる。さらに、本発明の触媒は、鈴木-宮浦クロスカップリング反応による芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物等とのカップリングによる多環式芳香族化合物の合成反応に使用することができる。
すなわち、本発明の一態様は、本発明の固定化ニッケル触媒のBuchwald-Hartwigアミド化反応への用途に関する。また、本発明の一態様は、本発明の触媒組成物の存在下、芳香族ハロゲン化物とアミドを反応させ、Buchwald-Hartwigアミド化反応により芳香族アミドを製造する工程を含む、芳香族アミドの製造方法(以下、「本発明の芳香族アミドの製造方法」ということがある)に関する。
また、本発明の一態様は、本発明の固定化ニッケル触媒の鈴木-宮浦クロスカップリング反応への用途に関する。また、本発明の一態様は、本発明の触媒組成物の存在下、芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物を反応させ、鈴木-宮浦クロスカップリング反応により多環式芳香族化合物を製造する工程を含む、多環式芳香族化合物の製造方法(以下、「本発明の多環式芳香族化合物の製造方法」ということがある)に関する。
上記反応工程においては、本発明の触媒組成物と、芳香族ハロゲン化物とアミドとの接触を可能にする形態、あるいは、本発明の触媒組成物と、芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物との接触を可能にする形態であれば、特に限定されず、使用することができる。例えば、本発明の触媒はベッドまたはカラムの形としてもよい。
≪芳香族ハロゲン化物≫
本発明の芳香族アミドの製造方法に用いられる芳香族ハロゲン化物としては、具体的には、例えば、芳香族化合物の芳香族炭化水素基に含まれる水素の一部がハロゲンに置換された化合物、または芳香族ヘテロ環化合物の芳香族ヘテロ炭化水素基に含まれる水素の一部がハロゲンに置換された化合物である。
芳香族ハロゲン化物としては、例えば、下記式(A)で示される化合物を挙げることがで
きる。
Ar1-(X)m (A)
(式中、Ar1は、炭素数6~30(好ましくは6~10)の芳香族炭化水素基または炭素数4~30(好ましくは4~8)の芳香族ヘテロ炭化水素基を表す;Xは、ハロゲンを表し、Xはそれぞれ独立である;mは1~3の整数である。)
Ar1が表す芳香族炭化水素基とは、芳香族化合物に含まれる水素の一部が結合手となっ
た基を意味する。Ar1が表す芳香族炭化水素基として具体的には、例えば、フェニル基等
の単環芳香族炭化水素基、ビフェニル基、ナフチル基等の二環芳香族炭化水素基、フルオレニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等の三環芳香族炭化水素基等の多環芳香族炭化水素基(多環のいずれかが芳香族炭化水素基であるものを含む)を挙げることができる。
Ar1が表す芳香族ヘテロ炭化水素基とは、芳香族性を有するヘテロ環式化合物に含まれ
る水素の一部が結合手となった基を意味する。芳香族ヘテロ炭化水素基に含まれるヘテロ原子としては、例えば、酸素、硫黄、窒素等が挙げられる。Ar1が表す芳香族ヘテロ炭化
水素基として具体的には、例えば、フリル基、チオフェニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、またはピラジル基等の単環芳香族ヘテ
ロ炭化水素基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基等の二環芳香族ヘテロ炭化水素基等の多環芳香族炭化水素基(多環のいずれかが芳香族ヘテロ炭化水素基であるものを含む)を挙げることができる。
本発明に用いられる芳香族ハロゲン化物における芳香族炭化水素基または芳香族ヘテロ炭化水素基、およびAr1が表す芳香族炭化水素基または芳香族ヘテロ炭化水素基は、反応
に影響しない置換基を有していてもよい。Ar1上の置換基は、上記環Q上の置換基と同様である。Ar1は、1または複数の、同一または異なった置換基を有していてよい。Ar1の置換
基は、好ましくは、ハロゲン、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルキルカルボキシ基である。より好ましくは、塩素、臭素;トリフルオロメチル基:メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基;メトキシ基、エトキシ基;アセチル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基である。
なお、Ar1上の置換基の数は、反応に影響を及ぼさない限り限定されないが、好ましく
は0~2である。Ar1上の置換基の置換位置は特に限定されない。なお、強い電子吸引性基
等の場合、Xに対してp-位以外の置換位置が好ましい。
Xは、ハロゲンを表し、Xはそれぞれ独立である。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素等が挙げられ、好ましくはヨウ素である。mは、好ましくは1である。
なお、これら芳香族ハロゲン化物は1種を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪アミド≫
Buchwald-Hartwigアミド化反応による、本発明の芳香族アミドの製造方法に用いられるアミドとしては、特に限定されないが、例えば、直鎖、分岐または環状の、炭素数1~20
(好ましくは炭素数1~6)のアルキル基、炭素数2~20(好ましくは炭素数2~6)のアル
ケニル基または炭素数2~20(好ましくは炭素数2~6)のアルキニル基等の脂肪族炭化水
素基を有する脂肪族カルボン酸アミド、炭素数6~30(好ましくは6~10)の芳香族炭化水素基または炭素数4~30(好ましくは4~8)の芳香族ヘテロ炭化水素基を有する芳香族カ
ルボン酸アミドを用いることができる。
アミドにおける芳香族炭化水素基および芳香族ヘテロ炭化水素基は、上記Ar1が表す芳
香族炭化水素基および芳香族ヘテロ炭化水素基と同様である。好ましくは、単環芳香族炭化水素基および単環芳香族ヘテロ炭化水素基、より好ましくは、フェニル基、ピリジル基を挙げることができる。
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または芳香族ヘテロ炭化水素基は、反応に影響しない置換基を有していてよい。置換基は、上記環Q上の置換基と同様である。脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基または芳香族ヘテロ炭化水素基は、1または複数の、同一また
は異なった置換基を有していてよい。脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または芳香族ヘテロ炭化水素基の置換基は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基である。より好ましくは、メチル基、エチル基;メトキシ基、エトキシ基である。
なお、置換基の数は、反応に影響を及ぼさない限り限定されないが、好ましくは0また
は1である。置換基の置換位置は特に限定されない。なお、強い電子吸引性基等の場合、
アミド基に対してp-位以外の置換位置が好ましい。
脂肪族カルボン酸アミドとしては、例えば、アセトアミド、エチルアミド、n-プロピルアミド、イソプロピルアミド、n-ブチルアミド、ヘキサ-5-エンアミド等、芳香族カルボ
ン酸アミドとしては、ベンズアミド、メチルベンズアミド、メトキシベンズアミド、ニコチンアミド等が挙げられる。
なお、これらアミドは1種を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪芳香族ホウ素化合物≫
本発明の芳香族アミドの製造方法において、反応のプロモーターとして芳香族ホウ素化合物を使用する。本発明の芳香族アミドの製造方法に用いられる芳香族ホウ素化合物としては、特に限定されないが、芳香族炭化水素基を有する芳香族ボロン酸、芳香族ボロン酸エステル、有機ボラン、または有機ホウ酸塩等である。
芳香族ボロン酸および芳香族ボロン酸エステルとしては、例えば、下記式(B)で示され
る化合物を挙げることができる。
Ar2-B(Y1)(Y2) (B)
(式中、Ar2は、炭素数6~30(好ましくは6~10)の芳香族炭化水素基を表す;Y1およびY2は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基または炭素数1~4(好ましくは1~2)のアルコキシ
基を表すか、またはY1とY2が結合して形成した炭素数1~8(好ましくは1~5)のアルキレンジオキシ基を表す。)
Ar2が表す芳香族炭化水素基は、上記Ar1が表す芳香族炭化水素基と同様である。好ましくは、単環芳香族炭化水素基、より好ましくは、フェニル基を挙げることができる。
本発明に用いられる芳香族ホウ素化合物における芳香族炭化水素基、Ar2が表す芳香族
炭化水素基は、反応に影響しない置換基を有していてもよい。Ar2上の置換基は、上記環Q上の置換基と同様である。Ar2は、1または複数の、同一または異なった置換基を有していてよい。Ar2の置換基は、好ましくは、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基であ
る。より好ましくは、トリフルオロメチル基;メチル基、エチル基;メトキシ基、エトキシ基である。
なお、Ar2上の置換基の数は、反応に影響を及ぼさない限り限定されないが、好ましく
は0または1である。Ar2上の置換基の置換位置は特に限定されない。なお、強い電子吸引
性基等の場合、-B(Y1)(Y2)に対してp-位以外の置換位置が好ましい。
Y1およびY2が表す炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基等が挙げられる。
Y1とY2が結合して形成した炭素数1~8のアルキレンジオキシ基としては、直鎖または分岐のアルキレンを有するアルキレンジオキシ基が挙げられる。
芳香族ボロン酸エステルとしては、具体的には、2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン
、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン、2-フェニル-1,3,2-ジオキサボロ
ラン等を挙げることができる。
芳香族ボロン酸としては、フェニルボロン酸等を挙げることができる。
有機ボランとしては、例えば、トリフェニルボラン等のトリ有機ボラン等を挙げることができる。
有機ホウ酸塩としては、例えば、トリフルオロ(フェニル)-λ4-ボランカリウム塩等
のテトラ有機ホウ酸塩等を挙げることができる。
なお、これら芳香族ホウ素化合物は1種を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
鈴木-宮浦クロスカップリング反応による、本発明の多環式芳香族化合物の製造方法に用いられる芳香族ハロゲン化物としては、上記芳香族アミドの製造方法に用いられる芳香族ハロゲン化物と同様である。
鈴木-宮浦クロスカップリング反応による、本発明の芳香族アミドの製造方法に用いられる芳香族ホウ素化合物としては、上記芳香族アミドの製造方法に用いられる芳香族ホウ素化合物と同様である。好ましくは、芳香族ボロン酸エステルである。
上記製造方法に使用される芳香族ハロゲン化物、アミド、および芳香族ホウ素化合物は、公知の合成方法により合成したもの、および市販のものを使用することができる。
≪反応条件≫
上記反応における条件等は、従来のBuchwald-Hartwigアミド化反応、鈴木-宮浦クロスカップリング反応を参照して行うことができる。
より具体的には、Buchwald-Hartwigアミド化反応であれば、芳香族ハロゲン化物とアミドとの反応割合(モル比)は、通常1:10~10:1、好ましくは1:1~1:3の範囲である。
Buchwald-Hartwigアミド化反応におけるプロモーターとしての芳香族ホウ素化合物の使用量は、芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物との割合(モル比)として、通常1:10~10:1、好ましくは1:1.5~1:3の範囲である。なお、使用量は、反応におけるアミドの量を超えないことが好ましい。
鈴木-宮浦クロスカップリング反応であれば、芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物との反応割合(モル比)は、通常1:10~10:1、好ましくは1:1~1:5の範囲である。
上記触媒組成物の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基質に対して、ニッケル換算として0.01 mol%~10 mol%、0.05 mol%~5 mol%または0.1 mol%~2 mol%であってよい。
反応温度は、反応液の組成や触媒の耐熱温度等を考慮して適宜選定することができるが、通常50~130℃である。反応温度は高いほど反応速度が速く効率的に反応が実施でき、
低いほど触媒の劣化速度が遅くなり、反応を長時間連続的に実施できる。反応時間は、特に制限されないが、例えば1分~48時間の範囲で設定される。また、反応が行われる雰囲
気は、空気中でもかまわないが、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
上記反応に使用可能な溶媒は、反応原料と均一相をなすものが適しており、限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル溶媒、tert-ブタノール等のアルコール溶媒、トルエン、キ
シレン等の芳香族溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等を用いることできる。これらの中で、1,4-ジオキサンが好ましく用いることができる。
反応後、所望により、公知の単離・精製方法、例えば、ろ過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な操作によって、生成物を単離・精製することができる。
本発明の触媒の触媒活性は、限定されないが、例えば、収率が70 %以上、80 %以上、85 %以上、90 %以上、95 %以上、99 %以上である。収率は、公知の方法、例えば後記実施例に記載の方法で求めることができる。
≪回収再利用性≫
本発明の触媒は、ろ過および洗浄等の公知の方法によって反応混合物から容易に分離され、再利用することができる。すなわち、本発明の触媒は、回収再利用性が高い触媒である。ここで、再利用性が高いとは、限定されないが、例えば、5回再利用の活性が初回利
用の活性に対して、80 %以上、85 %以上、90 %以上、95 %以上、95 %以上である。
再利用性は、公知の方法、例えば後記実施例に記載の方法で求めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に限定されない。
<実施例1> ポリビニルピリジン(PVPy)担持ニッケル触媒の調製
市販のポリ(4-ビニルピリジン)(Mw160,000)のメタノール溶液をNiCl2・6H2O水溶液で処理し(ポリ(4-ビニルピリジン)210 mgに対し、NiCl2・6H2O 238 mgを使用)、室温で6時間攪拌すると、緑色がかった固体が観察された。固体をろ過、水とメタノールで洗
浄した。最後に、真空下室温で12時間乾燥した。233 mgの固体が得られた。
Figure 2023052709000004
この固体は、XANESおよびEXAFS解析により、塩化物イオンが金属中心に付着しておらず、水和錯体であることが示唆された。固体錯体の元素分析により、Ni:N:Cl比が1:6:2である一方、触媒が7.04%のニッケルを含むことが示された。この結果に基づき、錯体の構造を、4当量の遊離ピリジン単位を有する[Ni(PVPy)4(H2O)2]Cl2と特定した。
<実施例2> PVPy担持ニッケル触媒による触媒反応
実施例1で調製した[Ni(PVPy)4(H2O)4]Cl2錯体の触媒活性を、バックワルド・ハートウィッグアミド化反応を用いて確認した。条件および結果を表1に示す。
Figure 2023052709000005
プロモーターとしてのフェニルボロン酸エステル(2a)と1000 mol ppm (基質1aに対しNi換算で0.1 mol%)のPVPy-Ni触媒の存在下、ヨウ化p-トリル(1a)(1.5 mmol)をベンズアミド(3a)で処理したところ、所望のアミド化生成物4aaを、鈴木・宮浦反応生成物(5aa、エントリー1)を生じない優れた選択性(99%)で得た。さらに、PVPy-Ni触媒は、ベンズ
アミド非存在下、C-C結合形成鈴木・宮浦反応を、非常に高い収率で生成した(エントリ
ー9,10)。
<実施例3> PVPy担持ニッケル触媒によるアミド化反応
<3-1>
アミド化反応の芳香族ハロゲン化物の基質範囲を確認した。基質1は1.5 mmol使用した
。条件および結果を表2に示す。
Figure 2023052709000006
この反応は、表2に示すように、非常に広い官能基許容性を示した。また、ベンゼン系芳香族ハロゲン化物のみならず、芳香族ヘテロ環ハロゲン化物、縮合環芳香族ハロゲン化物についても基質となった。フェニルボロン酸エステル2aは、C-N結合を形成するアミド
化反応が全て終了後、91~96 %、回収可能であった。同様に、他の芳香族ハロゲン化物
についても、所望の生成物が得られた。なお、ヨウ化アリールのパラ位に付着した電子吸引性置換基により、反応遅延を経て収率が減少した。
<3-2>
次いで、アミド化反応のアミド基質の基質範囲を確認した。基質1aは1.5 mmol使用した。条件および結果を表3に示す。
Figure 2023052709000007
各種アミド基質を用いて、アミド化反応が可能であった。なお、芳香族置換基の電子的摂動は、生成結果に影響を及ぼす。ベンズアミド(p-、m-、o-)上のメチル基の位置とは関係無く、アミド化反応は非常に円滑に進行した(表3、エントリー2~4)。p-メトキシベンズアミド(3e)により、4aeが99 %の収率で得られた(エントリー5)。電子吸引性基(3f)の導入は、ベンズアミド(エントリー6)の求核性を低減させ、反応を完全に抑制した。興味深いことに、触媒反応条件下、ニコチンアミド(3g)がN-(p-トリル)ニコチン
アミド(4ag)を成功裡にもたらした(エントリー7)。芳香族アミドだけではなく、脂肪
族アミドもこうした変換に適合する。
<実施例4> PVPy担持ニッケル触媒によるクロスカップリング反応
<4-1>
次いで、C-C結合を形成する鈴木・宮浦反応の芳香族ハロゲン化物の基質範囲を確認し
た。条件および結果を表4に示す。
Figure 2023052709000008
1当量(0.5 mmol)の1-ヨード-4-メチルベンゼン1aを、1,4-ジオキサン溶媒中、0.1 mol%のPVPy-Ni触媒および3当量のK3PO4の存在下、5当量の2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン2aと、115℃で反応させ、所望のビフェニル誘導体5aaを91 %の収率で得た(表4)
。同様に、他の芳香族ハロゲン化物についても、所望の生成物が得られた。
なお、ハロゲン化物の部分的な電子吸引性効果が、ヨウ化アリールの反応性を低減させた。1-(4-ヨードフェニル)エタン-1-オン(1n)を触媒反応条件下で処理し、63 %の収率で所望の生成物を得た一方、強い電子吸引性p-トリフルオロメチル置換を有する基質とごく微量の反応が進行した(1l)。
<4-2>
さらに、各種ホウ素源の効果を検討した。基質1aは0.5 mmol使用した。条件および結果を表5に示す。
Figure 2023052709000009
2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン2aは91 %の収率をもたらしたが、フェニルボロン酸ネオペンチルグリコールエステル2bは、60 %の収率をもたらした。フェニルボロン酸
グリコールエステル2cが80 %の所望生成物をもたらしたのにも関わらず、フェニルボロ
ン酸ピナコールエステル2dは、ホウ素源のかさ高い性質のために、触媒条件下でC-C結合
を構築できなかった。単純なフェニルボロン酸2eではカップリング生成物が得られず、トリフルオロ(フェニル)-λ4-ボランカリウム塩2fではビフェニル誘導体が得られなかっ
た。これら実験に基づくと、フェニルボロン酸エステル誘導体は、本反応における鈴木・宮浦型のC-C結合形成に必須であった。
<実施例5> 触媒の回収と再利用性の確認
[Ni(PVPy)4(H2O)2]Cl2 (0.1 mol%)触媒の回収と再利用性を確認した。反応条件は実施例2と同様である。結果を表6に示す。
通常のニッケル触媒と異なり、本発明の触媒は、著しく反応性を失うことなく少なくとも5回は再利用できる(表6)。触媒の回収は再利用に充分であった。鈴木・宮浦カップ
リングからの触媒の回収も良好であり、回収した触媒は、アミド化反応またはC-C結合形
成反応で使用可能である。さらに、単離生成物からのニッケル浸出の可能性を確認した。ICP-MSによる実験では浸出は全く観察されなかった。
Figure 2023052709000010
<実施例6> PVPy担持ニッケル触媒による医薬品化合物の合成
本発明のニッケル触媒を、プロモーターとしてのフェニルボロン酸2eの存在下に2'-ヨ
ード-[1,1'-ビフェニル]-2-カルボキサミド6 (0.31 mmol)の分子内アミド化反応に用いると、環化反応は極めて良好に進行し、フェナンスリジノンを97 %の収率で得た(スキー
ム2a)。2eの不在下では環化反応は観察されなかった(スキーム2b)。このフェナンスリジノンは生物学的活性化合物であり、かつ、いくつかの薬学的活性分子の合成に重要な合成中間体である。
Figure 2023052709000011
分子間アミド化反応をいくつかの生物学的活性化合物の合成に用いた。1.5当量の2-フ
ェニル-1,3,2-ジオキサボリナン2a存在下、4-メトキシヨードベンゼン1e(2g, 0.0085 mol)を3当量のアセトアミド3hで処理すると、メタセチン4ehが2グラムのスケールで効果的に得られた(スキーム3a)。Cで標識されたメタセチンは通常、肝疾患の診断に用いる
。市販薬物、パラセタモール8、はこのメタセチンから容易に得られた(スキーム3b)
。パラセタモールは、鎮痛剤や解熱剤として用いる。N-(4-ブロモフェニル)ベンズアミド4haを、0.5 mol%のPVPyポリマー担持パラジウム触媒((PVPy)3PdCl2)の存在下、フェニルボロン酸2dと反応させ、天然生成物9を88 %の収率で得た(スキーム3c)。
Figure 2023052709000012
ポリビニルピリジン担持ニッケル触媒を用いることで、高い活性(0.1mol %レベル)と再利用可能(顕著な反応性の損失なしに少なくとも5回再利用)な固定化ニッケル触媒が得
られた。同触媒により、Buchwald-Hartwig芳香族アミド合成反応および鈴木・宮浦クロスカップリング反応が進行した。なお、ニッケル触媒は、コスト的に有利であり、工業的スケールにも適用可能である。また固定化PVPyパラジウム触媒ではアミド化反応は全く進行しなかった。
本発明の触媒組成物は、Buchwald-Hartwigアミド化反応用および鈴木-宮浦クロスカップリング反応用として好適に利用できる。

Claims (15)

  1. 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーおよびニッケルから構成される錯体を含む、固定化ニッケル触媒。
  2. 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーが、下記式(I)で示される繰
    り返し単位から選ばれる1種または2種以上を含むポリマーである、請求項1に記載の固定化ニッケル触媒。
    Figure 2023052709000013
    (式中、
    Raは、水素、またはアルキル基を表す;
    Rbは、反応に関与しない不活性な基、または原子を表し、Rbはそれぞれ独立である;
    Lは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ原子、またはそれらの組合せを表
    す;
    nは、0以上の整数であり、上限は各環状構造部の置換可能数である;
    *は、結合位置を表す;
    環Qは、含窒素ヘテロ環を表す。)
  3. 含窒素ヘテロ環が、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、またはピラジル基である、請求項1または2に記載の固定化ニッケル触媒。
  4. 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位が、2-ビニルイミダゾール、4-ビニルイミダゾール、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリミジン、4-ビニルピリミジン、または5-ビニルピリミジンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の固定化ニッケル触媒。
  5. 含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位を有するポリマーが、
    含窒素ヘテロ環を含む繰り返し構成単位、ならびに、
    (メタ)アクリル酸またはその誘導体を含む繰り返し単位、(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体を含む繰り返し単位、およびスチレンまたはその誘導体を含む繰り返し単位から選ばれる1種または2種以上を含むコポリマーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の固定化ニッケル触媒。
  6. Buchwald-Hartwigアミド化反応用である、請求項1~5のいずれか1項に記載の固定化ニッケル触媒。
  7. 鈴木-宮浦クロスカップリング反応用である、請求項1~5のいずれか1項に記載の固定化ニッケル触媒。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の触媒、および塩基を含む、触媒組成物。
  9. 塩基が、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、水酸化バリウム、水酸化タリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフロリド、およびナトリウムメトキシドから選ばれる1種または2種以上である、請求項8に記載の触媒組成物。
  10. 請求項8または9に記載の触媒組成物の存在下、
    芳香族ハロゲン化物とアミドを反応させ、Buchwald-Hartwigアミド化反応により芳香族アミドを製造する工程を含む、芳香族アミドの製造方法。
  11. 芳香族ハロゲン化物が、単環芳香族炭化水素基、二環芳香族炭化水素基、単環芳香族ヘテロ炭化水素基、または二環芳香族ヘテロ炭化水素基を有する、請求項10に記載の芳香族アミドの製造方法。
  12. アミドが、脂肪族カルボン酸アミド、および芳香族カルボン酸アミドから選ばれる1種または2種以上である、請求項10または11に記載の芳香族アミドの製造方法。
  13. 請求項8または9に記載の触媒組成物の存在下、
    芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物を反応させ、鈴木-宮浦クロスカップリング反応により多環式芳香族化合物を製造する工程を含む、多環式芳香族化合物の製造方法。
  14. 芳香族ハロゲン化物が、単環芳香族炭化水素基、二環芳香族炭化水素基、単環芳香族ヘテロ炭化水素基、または二環芳香族ヘテロ炭化水素基を有する、請求項13に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
  15. 芳香族ホウ素化合物が、芳香族ボロン酸エステルである、請求項13または14に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
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