JP2023052150A - エテンオキシドを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の存在下で過酸化水素によりエテンをエポキシ化することでエテンオキシドを製造する方法を提供する。【解決手段】(i)エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を用意する工程、(ii)(i)で用意した前記液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、前記液状供給物流を前記エポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および前記溶媒を含む反応混合物を得る工程、(iii)エテンオキシド、水および前記溶媒を含む排出流を前記エポキシ化ゾーンから取り出す工程を含む、エテンオキシドを製造する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、エテンオキシドを製造する液相法であって、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの存在下で、溶媒中で過酸化水素によりエテンをエポキシ化する液相法に関する。
EOは、化学産業における重要な中間体である。現在、EOは、エテンと酸素とを反応させることで気相法により製造されている。エチレンの転化率が反応器通過1回ごとに20%未満と一般的に低いこと、および反応熱を除去するために用いられるバラストガス、通常メタンが必要とされることを理由に、大きなガスループが必要とされ、それにより、最終的には、例えばコンプレッサなどに必要な巨額の投資費用および高いエネルギーコストが生じる。それでも、通常およそ15%のエテンがCOの形態でさらに失われる。
X.Luらは、過酸化水素をエポキシ化剤として使用する液相法におけるエチレンオキシドの合成を開示している。触媒活性材料としては、チタノシリケート、すなわち、Ti-MWW、TS-1、Ti-MORおよびTi-ベータが記載されている。Ti-MWW/過酸化水素/アセトニトリルの系が、最良な反応系として認識されていた。この物品において、エポキシ化反応は、バッチ式反応器(オートクレーブ反応器)内で、1.5時間という非常に限られた反応時間だけで実施された。通常、このような実験は、完全な稼働時間にわたり非常に高い選択率および同時に転化速度を可能にする触媒を用いて非常に長い稼働時間を目指すことが一般的な工業規模の方法にとって、かなり限られた意義しかもたらさない。X.Luらによる最良な反応系でさえも、54.4%の過酸化水素転化率しか達成されなかったことが知られており、このことは、工業規模の方法にとって許容可能ではない。
したがって、本発明が基づく課題は、触媒の存在下で過酸化水素によりエテンをエポキシ化することでエテンオキシドを製造する方法であって、高い過酸化水素転化率およびエテンオキシド選択率を長い反応期間にわたり示すことで、工業規模の方法として適切なものとなる方法を提供することであった。
本発明によると、この課題は、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含むエポキシ化触媒の存在下でエポキシ化を実施すると解決可能であると判明した。
したがって、本発明は、
(i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を用意する工程、
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および溶媒を含む反応混合物を得る工程、
(iii) エテンオキシド、水および溶媒を含む排出流をエポキシ化ゾーンから取り出す工程
を含む、エテンオキシドを製造する方法に関する。
本発明は、連続的な方法である先に規定した方法に関することが好ましい。本発明は、
(i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を連続的に用意する工程、
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに連続的に送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および溶媒を含む反応混合物を得る工程、
(iii) エテンオキシド、水および溶媒を含む排出流をエポキシ化ゾーンから連続的に取り出す工程
を含む、エテンオキシドを連続的に製造する先に規定した方法に関することがより好ましい。
(i)で用意する液状供給物流
(i)で用意する液状供給物流において、過酸化水素に対するエテンのモル比は、好ましくは1:1~5:1の範囲にあり、より好ましくは1:1~4:1の範囲にあり、より好ましくは1:1~3:1の範囲にあり、より好ましくは1:1~2:1の範囲にあり、より好ましくは1:1~1.5:1の範囲にある。
(i)で用意した液状供給物流は、エテンを、液状供給物流の総質量に対して、5~30質量%の範囲、より好ましくは5.5~25質量%の範囲、より好ましくは6~20質量%の範囲、より好ましくは6.5~17.5質量%の範囲、より好ましくは7~15質量%の範囲にある量で含むことが好ましい。
(i)に記載の液状供給物流に含まれる溶媒について、この溶媒は、1種または複数種の有機溶媒を含むことが好ましい。この溶媒は、tert-ブタノール、炭酸プロピレン、酢酸メチルおよびアセトニトリルのうちの1種または複数種を含むことがより好ましく、これらのうちの1種または複数種であることがより好ましい。この溶媒は、アセトニトリルを含むことがより好ましい。この溶媒は、アセトニトリルであることがより好ましい。
(i)で用意した液状供給物流は、溶媒を、液状供給物流の総質量に対して、60~85質量%の範囲、より好ましくは61~84質量%の範囲、より好ましくは62~83質量%の範囲、より好ましくは63~82質量%の範囲、より好ましくは64~81質量%の範囲、より好ましくは65~80質量%の範囲にある量で含むことが好ましい。好ましい範囲は、65~70質量%、または70~75質量%、または75~80質量%であり得る。
(i)で用意した液状供給物流は、水をさらに含むことが好ましい。少なくとも一部の水を溶媒として過酸化水素のために導入することが考えられる。溶媒に対する水のモル比は、例えば最大でも1:4であり、例えば、1:50~1:4の範囲、または1:15~1:4.1の範囲、または1:10~1:4.2の範囲にある。
さらに、(i)で用意した液状供給物流が、エテンに加えて1種または複数種のアルケンをさらに含むことが可能であり、ここで液状供給物流に含まれる1種または複数種のアルケンは、エテンに加えてプロペンを含むことが好ましい。1種または複数種のさらなるアルケンの合計に対するエテンのモル比は、100:1.0~100:0.1の範囲にあることが好ましい。
さらに、(i)で用意した液状供給物流が、1種または複数種のアルカンをさらに含むことが可能であり、ここで1種または複数種のアルカンは、メタンおよびエタンのうちの1種または複数種を含むことが好ましい。1種または複数種のアルカンの合計に対するエテンのモル比は、100:2.0~100:0.1の範囲にあることが好ましい。
(i)で用意した液状供給物流の少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも96質量%、より好ましくは少なくとも97質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%は、エテン、過酸化水素、溶媒および水から成ることが好ましい。
(i)で用意した液状供給物流は、溶解塩、好ましくは溶解カリウム塩をさらに含むことが好ましい。少なくとも1種のカリウム塩の化学的性質について、特定の制限はない。カリウム塩は、1種または複数種の無機カリウム塩および有機カリウム塩であることが好ましい。好ましい無機カリウム塩としては、塩化カリウムまたは臭化カリウムのようなハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、水酸化カリウム、過塩素酸カリウム、リンを含むカリウム塩、例えば、リン酸二水素カリウム、またはリン酸水素二カリウム、またはリン酸カリウム、または一塩基性ピロリン酸カリウムもしくは二塩基性ピロリン酸カリウムもしくは三塩基性ピロリン酸カリウムもしくは四塩基性ピロリン酸カリウムのようなピロリン酸カリウム、または一塩基性エチドロン酸カリウムもしくは二塩基性エチドロン酸カリウムもしくは三塩基性エチドロン酸カリウムもしくは四塩基性エチドロン酸カリウムのようなエチドロン酸カリウム、シアン酸カリウム、酸化カリウム(KO)もしくは超酸化カリウム(KO)もしくは過酸化カリウム(K)のようなカリウム酸化物類が挙げられるが、これらに限定されない。無機カリウム塩は、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、過塩素酸カリウムおよびリンオキシ酸のカリウム塩のうちの1種または複数種であることがより好ましい。リンオキシ酸の前記カリウム塩は、式Knx2+n(1-x)3n+1を有することが好ましく、式中、nは、1~10の範囲、好ましくは1~5の範囲、より好ましくは1~3の範囲にある整数であり、かつxは、0.6~1.4の範囲、好ましくは0.7~1.3の範囲、より好ましくは0.8~1.2の範囲にあり、ここでより好ましくは、nは1であり、かつxは0.95~1.05の範囲にある。
有機カリウム塩は、好ましくは1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する脂肪族飽和モノカルボン酸、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムのうちの1種または複数種であることが好ましく、ギ酸カリウムおよび酢酸カリウムのうちの1種または複数種であることが好ましい。有機カリウム塩は、ギ酸カリウムを含むことがより好ましく、ギ酸カリウムであることが好ましい。
(i)で用意した液状供給物流において、過酸化水素に対する溶解塩、好ましくは溶解カリウム塩のモル比は、25×10-6:1~500×10-6:1の範囲、好ましくは50×10-6:1~250×10-6:1の範囲、より好ましくは100×10-6:1~150×10-6:1の範囲にあることが好ましい。
したがって、(i)で用意した液状供給物流の少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも96質量%、より好ましくは少なくとも97質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%は、エテン、過酸化水素、溶媒、水および溶解塩、好ましくは溶解カリウム塩から成ることが好ましい。
(i)で用意した液状供給物流を、単独の供給物流として、(ii)に記載のエポキシ化ゾーンに送ることが好ましい。
(i)で用意した液状供給物流は、リン酸二水素アンモニウム不含であり、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウムおよびリン酸二水素アンモニウム不含であり、好ましくは、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸水素アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウム不含であり、より好ましくはアンモニウム塩不含であると考えられる。本発明のこの文脈において使用される「不含」という用語は、各化合物の濃度が、液状供給物流の総質量に対して、最大でも2質量ppm、好ましくは最大でも1質量ppmであることに関する。さらに、(i)で用意した液状供給物流は、ナトリウムを、110-6:1~25010-6:1の範囲、好ましくは510-6:1~5010-6:1の範囲にある、過酸化水素に対するナトリウムのモル比で含有すると考えられる。さらに、(i)で用意した液状供給物流は、溶解したリン酸二水素ナトリウム(NaHPO)を含まず、好ましくは、溶解したリン酸二水素ナトリウムも溶解したリン酸水素二ナトリウム(NaHPO)も含まず、より好ましくは、溶解したリン酸二水素ナトリウムも溶解したリン酸水素二ナトリウムも溶解したリン酸ナトリウム(NaPO)も含まないと考えられる。
(i)で用意した液状供給物流は、液状供給物流が、1種または複数種の液相、好ましくは1種または2種の液相から成る液状流である圧力および温度にあることが好ましい。(i)で用意した液状供給物流は、18~60bar(abs)の範囲、より好ましくは30~60bar(abs)の範囲、より好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲にある圧力下にあることが好ましい。(i)で用意した液状供給物流は、温度が、20~60℃の範囲、より好ましくは25~50℃の範囲、より好ましくは30~45℃の範囲にあることが好ましい。(i)で用意した液状供給物流は、30~60bar(abs)の範囲、より好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲にある圧力下にあり、温度が、20~60℃の範囲、より好ましくは25~50℃の範囲、より好ましくは30~45℃の範囲にあることがより好ましい。(i)で用意した液状供給物流は、1種または複数種の液相に加えて気相が存在する圧力および温度にあると考えることができ、ここで例えば、少量のエテンが、ガスとして存在していてもよい。
通常、(i)において任意の考えられる方法に従って、例えば、少なくとも4種の個別流を混合することで、液状供給物流を用意することができ、ここで第一の流は、過酸化水素を含み、第二の流は、エテンを含み、第三の流は、溶媒および任意に水を含み、かつ第四の流は、塩、好ましくはカリウム塩を、塩が(i)で用意した液状供給物流に溶解するような量で含む。
あらゆる考えられる方法に従って、過酸化水素を含む流を製造することができる。カソードで同時に水素を放出しながらアノード酸化により硫酸を転化させてペルオキソ二硫酸にすることで、過酸化水素を含む流を得ることが考えられる。その後、ペルオキソ二硫酸を加水分解することにより、ペルオキソ一硫酸を介して過酸化水素および硫酸が生成され、硫酸はこのようにして元に戻ったものが得られる。元素から過酸化水素を製造することも考えられる。特定の製造方法に応じて、過酸化水素を含む流は、例えば、水溶液流または水溶液/メタノール過酸化水素流、好ましくは過酸化水素水溶液流であってもよい。過酸化水素水溶液供給物を用いる場合、過酸化水素に対するこの流の含量は、通常、3~85質量%、好ましくは25~75質量%、より好ましくは30~50質量%、例えば、30~40質量%、または35~45質量%、または40~50質量%の範囲にある。過酸化水素含有流の少なくとも25質量%、より好ましくは少なくとも30質量%、より好ましくは少なくとも35質量%は、水および過酸化水素から成ることが好ましい。好ましい範囲は、30~80質量%、または35~75質量%、または40~70質量%である。過酸化水素の実質的に全世界の生産量を生み出すアントラキノン法として知られる方法であって、アルキル基、好ましくは2~10個の炭素原子、より好ましくは少なくとも5個の炭素原子、例えば5個の炭素原子または6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアントラキノンの溶液を使用し、かつ使用される溶媒が、通常2種の異なる溶媒の混合物から成る方法から得られた混合物を抽出することで粗過酸化水素溶液として得られる過酸化水素含有流を用いることが好ましいと思われる(例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、第A13巻(1989)443~466頁参照)。アントラキノンのこの溶液は、通常、使用液と称される。この方法において、アントラキノン法の過程で形成される過酸化水素は、通常、水素化/再酸化サイクル後に、各使用液から抽出することで分離される。好ましくは実質的に純水な水を用いて前記抽出を実施することができ、粗過酸化水素水溶液を得る。通常、このようにして得られた粗過酸化水素水溶液を蒸留によりさらに精製することが可能である一方で、本発明によると、蒸留により精製されていない粗過酸化水素水溶液を使用することが好ましい。さらに通常は、粗過酸化水素水溶液をさらなる抽出工程にかけることが可能であり、ここで、適切な抽出剤、好ましくは有機溶媒を使用する。このさらなる抽出工程に使用される有機溶媒は、アントラキノン法において使用される溶媒と同じであることがより好ましい。抽出は、使用液中で1種の溶媒のみを使用して、最も好ましくは使用液の最も無極性の溶媒のみを使用して、実施されることが好ましい。粗過酸化水素水溶液をこのようなさらなる抽出工程にかける場合、いわゆる洗浄済の粗過酸化水素溶液が得られる。本発明の好ましい実施形態によると、洗浄済の粗過酸化水素溶液を過酸化水素供給物として使用する。粗溶液の生成は、例えば欧州特許出願公開第1122249号明細書に記載されている。「実質的に純水な水」という用語については、参照により組み込まれている、欧州特許出願公開第1122249号明細書の第10段落3頁を参照する。水、好ましくは実質的に純粋な水で抽出する間に過酸化水素を十分に安定させるためには、通常、適切な安定剤を、使用される水、好ましくは使用される実質的に純粋な水に添加する。特に、強い無機酸および/またはキレート剤に言及したい。少量のニトラートおよび/またはホスファートおよびピロホスファートを、それぞれ安定剤として、酸またはナトリウム塩のいずれかとして添加してもよい。これらの安定剤は、通常、粗過酸化水素水溶液が、50~400質量ppmのナトリウムカチオン、リン酸イオン(PO 3-)として計算して100~700質量ppmのリン、および50~400質量ppmの硝酸アニオンを含むような量で添加され、どの場合も、粗過酸化水素水溶液に含有される過酸化水素に対して計算される。好ましい範囲は、例えば、50~200質量ppmまたは50~100質量ppmのナトリウムカチオン、100~500質量ppmまたは100~300質量ppmのリン、50~200質量ppmおよび50~100質量ppmの硝酸アニオンである。さらに、他の安定剤、例えば、亜スズ酸ナトリウム(NaSnO)のような亜スズ酸塩および/または有機ホスホン酸、特にエチドロン酸のような有機ジホスホン酸を使用することが考えられる。過酸化水素水溶液流はナトリウムを含むことが好ましく、ここで過酸化水素に対するナトリウムのモル比は、1×10-6:1~250×10-6:1、より好ましくは5×10-6:1~50×10-6:1の範囲にある。
(ii)におけるエポキシ化ゾーン
(ii)に記載のエポキシ化ゾーン内にて、反応混合物は、エポキシ化条件下で液状であることが好ましい。(ii)に記載のエポキシ化ゾーン内にて、反応混合物は、エポキシ化条件下で単一の液相から成ることがより好ましい。
(ii)によると、(i)で用意した液状供給物流をエポキシ化ゾーンに送る。一般的に、エポキシ化ゾーンの設計について特定の制限はないが、ただし、この設計は、連続的なエポキシ化反応を実施するのに適している。(ii)に記載のエポキシ化ゾーンは、1種または複数種のエポキシ化サブゾーンを含むことが好ましく、ここで所定のエポキシ化サブゾーンは、1個または複数個のエポキシ化反応器から成ることが好ましく、ここで、1個または複数個のエポキシ化反応器の設計について特定の制限はないが、ただし、反応器は、連続的なエポキシ化反応を実施するのに適している。
(ii)に記載のエポキシ化ゾーンは、1個または複数個のエポキシ化反応器Aから成る第一のエポキシ化サブゾーンを含むことが好ましい。本発明のこの文脈において使用される「第一のエポキシ化サブゾーン」という用語は、(i)で用意した液状供給物流が送られるエポキシ化サブゾーンに関し、ここで(ii)のエポキシ化ゾーンは、第一のエポキシ化サブゾーンの下流に配置されたさらなるエポキシ化サブゾーンを含んでいてもよい。第一のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Aから成る場合、2個以上のエポキシ化反応器Aを並列に配置することが好ましい。この場合、(ii)において、(i)で用意した液状供給物流をエポキシ化反応器Aのうちの少なくとも1個に送ることが好ましい。例えば、(i)で用意した液状供給物流をエポキシ化反応器Aのうちの少なくとも1個に送る間に、少なくとも1個の反応器Aを、例えばメンテナンスの目的のために、および/または少なくとも1個の反応器Aに含まれている触媒を回収するために操作から取り出すことが可能である。第一のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Aを含む場合、操作中の反応器は、実質的に同じ操作がされているため、操作中のあらゆるエポキシ化反応器Aにおいて、所定のエポキシ化条件が同じ範囲にある。
本発明の好ましい実施形態によると、(ii)に記載のエポキシ化ゾーンは、第一のエポキシ化サブゾーンから成る。
(ii)に記載のエポキシ化条件は、第一のエポキシ化サブゾーンにおけるエポキシ化温度を、20~60℃の範囲、より好ましくは25~50℃の範囲、より好ましくは30~45℃の範囲で含むことが好ましく、ここで前記エポキシ化温度は、好ましくは熱伝達媒体を1個または複数個のエポキシ化反応器Aのジャケットに通して送ることで第一のエポキシ化反応サブゾーンにおける反応混合物の温度を調節するために使用される熱伝達媒体の温度と規定され、ここで前記エポキシ化温度は、好ましくは反応混合物の温度を調節する前の熱伝達媒体の温度、より好ましくは1個または複数個のエポキシ化反応器Aのジャケットの入口における熱伝達媒体の温度である。
(ii)に記載のエポキシ化条件は、第一のエポキシ化反応圧力を、18~60bar(abs)の範囲、より好ましくは30~60bar(abs)の範囲、好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲で含むことが好ましく、ここで第一のエポキシ化反応圧力は、第一のエポキシ化サブゾーンの出口における絶対圧として規定される。
(ii)に記載のエポキシ化条件は、第一のエポキシ化サブゾーン中の触媒充填率を、0.05~1.25h-1の範囲、より好ましくは0.1~1h-1の範囲、より好ましくは0.2~0.7h-1の範囲で含むことが好ましく、ここで触媒充填率は、(ii)に記載の第一のエポキシ化サブゾーンに含まれるMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒のkg単位の量に対する、(i)で用意し、かつ(ii)に送った液状供給物流に含有される過酸化水素のkg/h単位の質量流束の比率と規定される。第一のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Aを含む場合、第一のエポキシ化サブゾーンにおける触媒充填率は、第一のエポキシ化サブゾーンの操作時の所定の反応器Aにおける触媒充填率に関する。
本発明の第二の好ましい実施形態によると、(ii)に記載のエポキシ化ゾーンは、1個または複数個のエポキシ化反応器Bから成る第二のエポキシ化サブゾーンをさらに含み、ここで第二のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Bを含む場合、2個以上のエポキシ化反応器Bを並列に配置し、ここで第二のエポキシ化サブゾーンを第一のエポキシ化サブゾーンの下流に配置する。この場合、(ii)において、第一のエポキシ化サブゾーンから得られた排出流を、任意に適切な中間処理後にエポキシ化反応器Bのうちの少なくとも1個に送ることが好ましい。例えば、第一のエポキシ化サブゾーンから得られた排出流を、任意に適切な中間処理後にエポキシ化反応器Bのうちの少なくとも1個に送る間に、少なくとも1個の反応器Bを、例えばメンテナンスの目的のために、および/または少なくとも1個の反応器Bに含まれている触媒を回収するために操作から取り出すことが可能である。第二のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Bを含む場合、操作中の反応器は、実質的に同じ操作がされているため、操作中のあらゆるエポキシ化反応器Bにおいて、所定のエポキシ化条件があらゆる反応器内で同じ範囲にある。通常、(ii)に記載のエポキシ化ゾーンは、第一のエポキシ化サブゾーンおよび第二のエポキシ化サブゾーンに加えて、第二のエポキシ化サブゾーンの下流に配置された少なくとも1個のさらなるエポキシ化サブゾーンを含むことが考えられる。
本発明の第二の好ましい実施形態によると、(ii)に記載のエポキシ化ゾーンは、第一のエポキシ化サブゾーンおよび第二のエポキシ化サブゾーンから成ることが好ましい。
(ii)に記載のエポキシ化条件は、第二のエポキシ化反応圧力を、18~60bar(abs)の範囲、好ましくは30~60bar(abs)の範囲、好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲で含むことが好ましく、ここで第一のエポキシ化反応圧力は、第二のエポキシ化サブゾーンの出口における絶対圧と規定される。
(ii)に記載のエポキシ化条件は、第二のエポキシ化サブゾーン中の触媒充填率を、0.001~0.5h-1の範囲、好ましくは0.005~0.3h-1の範囲、より好ましくは0.01~0.2h-1の範囲で含むことが好ましく、ここで触媒充填率は、(ii)に記載の第二のエポキシ化サブゾーンに含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒のkg単位の量に対する、第二のエポキシ化サブゾーンに送られた供給物流に含有される過酸化水素のkg/h単位の質量流束の比率と規定される。
第二のエポキシ化反応サブゾーンにおける反応混合物の温度を、熱伝達媒体を1個または複数個のエポキシ化反応器Bのジャケットに通して送ることで調整しないことが好ましい。第二のエポキシ化サブゾーンは、実質的に断熱性のエポキシ化サブゾーンであることがより好ましい。第二のエポキシ化サブゾーンは、断熱性のエポキシ化サブゾーンであることがより好ましい。
第一のエポキシ化サブゾーンから得られた排出流を、第二のエポキシ化サブゾーンに送る前に、適切な中間処理にかけてもよい。このような中間処理の間に流の化学組成を変更しないことが好ましい。中間処理は熱交換を含むことがより好ましく、この熱交換により、流を第二のエポキシ化サブゾーンに送る前に、第一のエポキシ化サブゾーンから得られた排出流の温度を低下させることがより好ましい。流から得られたエネルギーを、例えば適切なプロセス流の温度を上昇させるために、エポキシ化法全体の1回または複数回の適切な工程で使用することができる。
(ii)における触媒
亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒は、エポキシ化ゾーン内にて、成形物として、好ましくは流動床触媒または固定床触媒として、より好ましくは固定床触媒として存在することが好ましい。
(ii)に記載の触媒は、成形物の多孔質構造を通る流体の拡散特性を反映した特定の屈曲パラメータを特徴とすることが好ましい。(ii)に記載の触媒の屈曲パラメータは、水に対して、最大でも4、より好ましくは4未満、より好ましくは最大でも3.5、より好ましくは最大でも3であることが好ましい。(ii)に記載の触媒の屈曲パラメータは、水に対して、0~4の範囲、より好ましくは0~4未満の範囲、より好ましくは0~3.5の範囲、より好ましくは0~3の範囲にあることがより好ましい。本明細書で使用されるように、「屈曲パラメータ」という用語は、298.15Kの温度での本発明の材料の屈曲特性を指し、好ましくは米国特許出願公開第2007/0099299号明細書において規定されており、より好ましくは以下の参照例1.1に規定されている。
(ii)に記載の触媒に含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトは、元素のチタンとして計算したチタンを、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~4質量%の範囲、より好ましくは1~3質量%の範囲、例えば1~2質量%の範囲、または1.5~2.5質量%の範囲、または2~3質量%の範囲にある量で含有することが好ましい。
(ii)に記載の触媒に含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトは、元素の亜鉛として計算した亜鉛を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~4質量%の範囲、より好ましくは1~3質量%の範囲、例えば1~2質量%、または1.5~2.5質量%、または2~3質量%の量で含有することが好ましい。
亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも98.5質量%、より好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、Zn、Ti、Si、OおよびHから成ることが好ましい。
亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒は、粉末、微細粉末、例えば噴霧粉末を含むあらゆる考えられる形態で、粉末を含む成形物として、または微細粉末、例えば噴霧粉末を含む成形物として用いることが可能である。亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を、粉末または微細粉末、例えば噴霧粉末を含む成形物として、より好ましくは微細粉末、例えば噴霧粉末を含む成形物として用いることが好ましい。好ましい微細粉末について、以下の微細粉末の各実施形態1から14を特徴とする微細粉末を参照する。好ましい成形物について、以下の成形物の各実施形態1から8を特徴とする成形物を参照する。亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒は、MWW型骨格を有するチタンゼオライトと、バインダー、好ましくはシリカバインダーとを含む成形物の形態にあることが好ましい。触媒は、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを、触媒の総質量に対して、好ましくは70~80質量%の範囲にある量で含み、シリカバインダーを、触媒の総質量に対して、好ましくは30~20質量%の量で含むことが好ましく、ここで、好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%の触媒が、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトとバインダーとから成る。
亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む微細粉末の形態で存在する、本発明の工程(ii)により使用される前記触媒は、記載した従属関係による実施形態の組み合わせを含む以下の特徴および実施形態を特徴とすることが好ましい:
1. その粒子が少なくとも2マイクロメートルのDv10値を有する微細粉末であって、DIN66133による水銀圧入法により求めて2~50nmの範囲にある平均細孔径(4V/A)を有するメソ細孔を含み、また亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを、微細粉末の質量に対して少なくとも95質量%含む、微細粉末。Dv10値は、本発明の参照例1.2により求められると理解される。
2. Dv10値を、2~5.5マイクロメートル、好ましくは3~5.5マイクロメートルの範囲で有する、実施形態1に記載の微細粉末。
3. Dv50値を、7~25マイクロメートルの範囲で有し、かつ任意にDv90値を、26~85マイクロメートルの範囲で有する、実施形態1または2に記載の微細粉末。Dv50およびDv90値は、本発明の参照例1.2により求められると理解される。
4. メソ細孔が、DIN66133による水銀圧入法により求めて、平均細孔径(4V/A)を、10~50nm、好ましくは15~40nm、より好ましくは20~30nmの範囲で有する、実施形態1から3のいずれか一つに記載の微細粉末。
5. 平均細孔径(4V/A)を50nm超の範囲で有するマクロ細孔をさらに含み、前記マクロ細孔が、DIN66133による水銀圧入法により求めて、好ましくは0.05~3マイクロメートルの範囲にある平均細孔径を有する、実施形態1から4のいずれか一つに記載の微細粉末。
6. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトのマイクロ孔が、DIN66135による窒素吸着により求めて、1.0~1.2ナノメートルの範囲にある平均細孔径を有する、実施形態1から5のいずれか一つに記載の微細粉末。
7. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを、微細粉末の質量に対して、少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.7質量%含む、実施形態1から6のいずれか一つに記載の微細粉末。
8. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトが、Znとして計算した亜鉛を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの質量に対して、0.1~5質量%、好ましくは1~3質量%の量で含有する、実施形態1から7のいずれか一つに記載の微細粉末。
9. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトが、Tiとして計算したチタンを、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの質量に対して、0.5~5質量%、好ましくは1~3質量%の量で含有する、実施形態1から8のいずれか一つに記載の微細粉末。
10. 結晶化度が、X線回折(XRD)分析により求めて、少なくとも(70+/-10)%、好ましくは少なくとも(80+/-10)%である、実施形態1から9のいずれか一つに記載の微細粉末。結晶化度は、本発明の参照例1.8により求められると理解される。
11. 貴金属、好ましくは、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムおよびこれら2種以上の混合物から成る群より選択される貴金属、より好ましくは、金、白金、金およびこれら2種以上の混合物から成る群より選択される貴金属を、微細粉末の総質量に対して、かつ元素として計算して、0.001質量%未満、好ましくは0.0001質量%未満含む、実施形態1から10のいずれか一つに記載の微細粉末。
12. ホウ素を、微細粉末の総質量に対して、かつ元素として計算して、0.1質量%未満、好ましくは0.01質量%未満含む、実施形態1から11のいずれか一つに記載の微細粉末。
13. 80~500g/mlの範囲にあるかさ密度を有する、実施形態1から12のいずれか一つに記載の微細粉末。
14. 噴霧粉末、好ましくは、噴霧乾燥またはスピンフラッシュ乾燥またはマイクロ波乾燥により得ることが可能であるか、または得られる、噴霧粉末である、実施形態1から13のいずれか一つに記載の微細粉末。
さらに、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む成形物の形態で存在する、本発明の工程(ii)により使用される前記触媒は、記載した従属関係による実施形態の組み合わせを含む以下の特徴および実施形態を特徴とすることが好ましい:
1. 亜鉛を含み、かつ骨格型を有するチタンゼオライトを含む成形物であって、好ましくは、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを、微細粉末の質量に対して少なくとも95質量%含み、より好ましくは、上記の微細粉末の実施形態1から14のいずれか1つに記載の微細粉末を含み、好ましくは、少なくとも1種のバインダー、好ましくはシリカバインダーをさらに含む、成形物。
2. DIN66133による水銀圧入法により求めて、4~40nm、好ましくは20~30nmの範囲にある平均細孔径を有するメソ細孔を含む、実施形態1に記載の成形物。
3. 結晶化度が、XRD分析により求めて、少なくとも(55+/-10)%、好ましくは((55~75)+/-10)%の範囲にある、実施形態1または2に記載の成形物。結晶度は、本発明の参照例1.8により求められると理解される。
4. 微細粉末を70~80質量%の範囲にある量で含み、かつシリカバインダーを30~20質量%の量で含み、微細粉末が、シリカバインダーとともに成形物の少なくとも99質量%を占め、ここで成形物は、Si原子の総数に対するシラノール基の濃度が、29Si MAS NMRにより求めて、最大でも6%、好ましくは最大でも3%である、実施形態1から3のいずれか一つに記載の成形物。シラノール基の濃度は、本発明の参照例1.3により求められると理解される。
5. 円形断面と、1.5~1.7mmの範囲にある直径と、少なくとも5N、好ましくは5~30Nの範囲、より好ましくは12~20Nの範囲にある破壊強度とを有するストランドであり、破壊強度が、本発明の参照例1.4に記載の方法により破壊強度試験機Z2.5/TS1Sで求められる、実施形態1から4のいずれか一つに記載の成形物。
6. 前記成形物の29Si-NMRスペクトルが、以下の配置で6つのピーク:
ピーク1 -98+/-xppm、
ピーク2 -104+/-xppm、
ピーク3 -110+/-xppm、
ピーク4 -113+/-xppm、
ピーク5 -115+/-xppm、
ピーク6 -118+/-xppm、
を含み、ここでxは、1.5、好ましくは1.0、より好ましくは0.5であるピークのいずれかにあり、
ここで、
Q=100{[a+a]/[a+a+a]}/a
と規定されるQは、最大でも2.5、好ましくは最大でも1.6、好ましくは最大でも1.4であり、ここで[a+a]は、ピーク1および2のピーク面積の合計であり、[a+a+a]は、ピーク4、5および6のピーク面積の合計であり、aは、ピーク3のピーク面積である、実施形態1から5のいずれか一つに記載の成形物。これらの29Si-NMR特性は、本発明の参照例1.5により求められると理解される。
7. 3~8質量%、好ましくは4~7質量%の範囲にある吸水量を有する、実施形態1から6のいずれか一つに記載の成形物。吸水量は、本発明の参照例1.6により求められると理解される。
8. 前記成形物の赤外スペクトルが、(3700~3750)+/-20cm-1の領域にある帯域および(3670~3690)+/-20cm-1の領域にある帯域を含み、ここで(3670~3690)+/-20cm-1の領域にある帯域に対する(3700~3750)+/-20cm-1の領域にある帯域の強度比率が、最大でも1.5、好ましくは最大でも1.4である、実施形態1から7のいずれか一つに記載の成形物。これらのIR特性は、本発明の参照例1.7により求められると理解される。
転化率および選択率
(ii)に記載のエポキシ化条件は、過酸化水素転化率を、85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲で含むことが好ましく、ここで、過酸化水素転化率は100×(1-y)%と規定され、式中、yは、(i)で用意した液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した排出流に含まれる過酸化水素のモル量である。
(ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(HP)は、80~100%の範囲、より好ましくは85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲にあることが好ましく、ここでエテンオキシド選択率S(HP)は、(i)で用意した液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した排出流に含まれるエテンオキシドのモル量と規定される。
(ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(ET)は、85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲にあることが好ましく、ここでエテンオキシド選択率S(ET)は、(i)で用意した液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した排出流に含まれるエテンオキシドのモル量と規定される。
(ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(HP)は、80~100%の範囲、より好ましくは85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲にあり、(ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンのエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(ET)は、85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲にあることがより好ましい。
(ii)に記載のエポキシ化条件は、過酸化水素転化率を、85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲で含み、(ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(HP)は、80~100%の範囲、より好ましくは85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲にあり、(ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(ET)は、85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲にあることがより好ましい。
(iii)で取り出した排出流は、二酸化炭素を、排出流の総質量に対して、100~1500質量ppmの範囲、より好ましくは150~1200質量ppmの範囲、より好ましくは200~1000質量ppmの範囲にある量で含むことが好ましい。
下流工程/後処理
(iii)で取り出した排出流は、エテンオキシド、水および溶媒を含むことが一般的である。エテンは、(ii)に記載のエポキシ化の間には完全に転化しないことが一般的である。したがって、(iii)で取り出した排出流は、エテンオキシド、水、溶媒およびエテンを含むことが好ましい。さらに、排出物は、好ましくは(ii)に記載のエポキシ化の間に形成された特定量の酸素を含む。したがって、(iii)で取り出した排出流は、エテンオキシド、水、溶媒および酸素を含むことが好ましい。(iii)で取り出した排出流は、エテンオキシド、水、溶媒、エテンおよび酸素を含むことがより好ましい。
価値ある生成物としてのエテンオキシドを排出流から分離するためには、好ましくは排出流に含まれるエテンおよび酸素を、排出流から適切に分離することが好ましい。本方法が、
(iv) エテンおよび酸素を排出流から分離し、排出流に対してエテンオキシド、溶媒および水を富化させた流S1を得る工程
をさらに含んでいたことが好ましい。
(iv)に記載の分離は、S1の好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、エテンオキシド、溶媒および水から成るように実施されることが一般的である。(iv)に記載の分離をどのように実施するかについて特定の制限はないが、分別ユニット、より好ましくは蒸留ユニットを使用し、ここでS1を、好ましくは底部流として得ることが好ましい。
排出流に対してエテンおよび酸素を富化させた流を(iv)から得ることが好ましい。この流を、分別ユニットからの、より好ましくは蒸留ユニットからの流として、好ましくは頂部流として得ることがより好ましい。この流について、その酸素含量を低減させることが好ましいであろう。どのようにこの流の酸素含量を低減させるかについて特定の制限はない。例えば、エテンおよび酸素を富化させた流を水素と反応させることが好ましいであろう。したがって、本方法は、
(iv-2) 流に含まれる酸素を水素と反応させて、エテンを含み、かつエテンおよび酸素を富化させた流に比べて酸素を減少させた流を得ることを好ましくは含む、エテンおよび酸素を富化させた流の酸素含量を低減させる工程
をさらに含んでいてもよい。
触媒の存在下で酸素と水素とを反応させることが好ましく、前記触媒は、銅を、元素の形態、酸化物の形態または元素および酸化物の形態で担体上に含むことが好ましく、ここで銅は、担体上で、触媒全体に対して、かつCuOとして計算して、好ましくは30~80質量%の量で存在する。エテンを含み、かつ酸素を減少させた、このようにして得られる流を、再循環させることが好ましく、(i)に再循環させることがより好ましいであろう。(i)に再循環させる前に、エテンを含み、かつ酸素を減少させた流を、1回または複数回のさらなる工程、例えば適切な精製工程にかけることが考えられる。
(iv)により得られた流S1を、価値ある生成物であるエテンオキシドに対して、さらなる精製にかけることが好ましい。本方法は、
(v) エテンオキシドを流S1から分離し、エテンオキシドを含み、かつ流S1に比べて溶媒および水を減少させた流S11を得て、流S1に比べて溶媒および水を富化させた流S12を得る工程
をさらに含むことがより好ましい。
どのように(v)に記載の分離を実施するかについて特定の制限はないが、分別ユニット、より好ましくは蒸留ユニットを使用することが好ましく、ここでS1を、好ましくは底部流として得て、ここでエテンオキシドを含み、かつ溶媒および水を減少させた流S11を、好ましくは頂部流として得て、かつ溶媒および水を富化させた流S12を、好ましくは底部流として得る。
流S1に対してエテンオキシドを富化させた流S11が(v)から得られる。この流について、例えば溶媒および水のその酸素含量をさらに低減させることが好ましいであろう。どのようにこのさらなる低減を実施するかについて特定の制限はない。例えば、流S11を反応させてさらに分別することが好ましいであろう。
したがって、本方法は、
(v-2) エテンオキシドを含み、かつ溶媒および水を減少させた流S11を、好ましくは分別ユニット、より好ましくは蒸留ユニット内で、エテンオキシドについてさらなる精製にかける工程
をさらに含んでいてもよい。
流S1に対して溶媒および水を富化させた流S12が(v)から得られる。この流を、再循環させることが好ましく、(i)に再循環させることがより好ましいであろう。(i)に再循環させる前に、流S12を、1回または複数回のさらなる工程、例えば1回または複数回の後処理段階、例えば1回または複数回の適切な精製工程にかけることが考えられる。
使用する方法
さらに、本発明は、エテンのエポキシ化のための、好ましくはエテンの液相でのエポキシ化のための、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を使用する方法にも関する。好ましい使用する方法については、過酸化水素をエポキシ化剤として用いる。さらなる好ましい使用する方法については、エテンの液相でのエポキシ化を、溶媒、好ましくはアセトニトリルを含む溶媒、より好ましくはアセトニトリルである溶媒中で実施する。
触媒系
さらに、本発明は、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含む、エテンのエポキシ化のための触媒系であって、溶解カリウム塩をさらに含み、かつ
(i) エテン、過酸化水素、溶媒および溶解カリウム塩を含む液状供給物流を用意する工程、および
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水、溶媒および溶解カリウム塩を含む反応混合物を得る工程
により得ることが可能であるか、または得られる、触媒系に関する。
好ましい溶媒および好ましいカリウム塩については、上記の各開示を参照する。
記載した従属関係および後方参照から生じる以下の一連の実施形態および実施形態の組み合わせにより、本発明をさらに説明する。
0. (i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を用意する工程、
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、MWW型骨格を有し、かつTi以外に少なくとも1種のさらなるヘテロ原子、好ましくはZr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、In、Sn、Pbのうちの1種または複数種を含むチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および溶媒を含む反応混合物を得る工程、
(iii) エテンオキシド、水および溶媒を含む排出流をエポキシ化ゾーンから取り出す工程、
を含む、エテンオキシドを製造する方法。
1. (i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を用意する工程、
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および溶媒を含む反応混合物を得る工程、
(iii) エテンオキシド、水および溶媒を含む排出流をエポキシ化ゾーンから取り出す工程、
を含む、エテンオキシドを製造する方法、好ましくは実施形態0に記載の方法。
2. (i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を連続的に用意する工程、
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに連続的に送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および溶媒を含む反応混合物を得る工程、
(iii) エテンオキシド、水および溶媒を含む排出流をエポキシ化ゾーンから連続的に取り出す工程、
を含む、エテンオキシドを連続的に製造する方法である実施形態1に記載の方法。
3. (i)で用意した液状供給物流において、過酸化水素に対するエテンのモル比が、1:1~5:1の範囲、好ましくは1:1~3:1の範囲、より好ましくは1:1~2:1の範囲、より好ましくは1:1~1.5:1の範囲にある、実施形態1または2に記載の方法。
4. (i)で用意した液状供給物流が、エテンを、液状供給物流の総質量に対して、5~30質量%の範囲、好ましくは6~20質量%の範囲、より好ましくは7~15質量%の範囲にある量で含む、実施形態1から3のいずれか一つに記載の方法。
5. 溶媒が、1種または複数種の有機溶媒、好ましくは、tert-ブタノール、炭酸プロピレン、酢酸メチルおよびアセトニトリルのうちの1種または複数種、より好ましくはアセトニトリルを含み、ここでより好ましくは、溶媒がアセトニトリルである、実施形態1から4のいずれか一つに記載の方法。
6. (i)で用意した液状供給物流が、溶媒を、液状供給物流の総質量に対して、60~85質量%の範囲、好ましくは62~83質量%の範囲、より好ましくは65~80質量%の範囲にある量で含む、実施形態1から5のいずれか一つに記載の方法。
7. (i)で用意した液状供給物流が水をさらに含む、実施形態1から6のいずれか一つに記載の方法。
8. (i)で用意した液状供給物流が、エテンに加えて、1種または複数種のアルケンをさらに含む、実施形態1から7のいずれか一つに記載の方法。
9. エテンに加えて液状供給物流に含まれる1種または複数種のアルケンがプロペンを含む、実施形態8に記載の方法。
10. (i)で用意した液状供給物流において、1種または複数種のさらなるアルケンの合計に対するエテンのモル比が、100:1.0~100:0.1の範囲にある、実施形態8または9に記載の方法。
11. (i)で用意した液状供給物流が、1種または複数種のアルカンをさらに含む、実施形態1から10のいずれか一つに記載の方法。
12. 1種または複数種のアルカンが、メタンおよびエタンのうちの1種または複数種を含む、実施形態11に記載の方法。
13. (i)で用意した液状供給物流において、1種または複数種のアルカンの合計に対するエテンのモル比が、100:2.0~100:0.1の範囲にある、実施形態11または12に記載の方法。
14. (i)で用意した液状供給物流の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、エテン、過酸化水素、溶媒および水から成る、実施形態1から13のいずれか一つに記載の方法。
15. (i)で用意した液状供給物流が、溶解塩、好ましくは溶解カリウム塩をさらに含む、実施形態1から14のいずれか一つに記載の方法。
16. カリウム塩が、1種または複数種の無機カリウム塩および有機カリウム塩である、実施形態15に記載の方法。
17. 無機カリウム塩が、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、過塩素酸カリウムおよびリンオキシ酸のカリウム塩のうちの1種または複数種である、実施形態15または16に記載の方法。
18. リンオキシ酸のカリウム塩が、式Knx2+n(1-x)3n+1を有し、式中、nが、1~10の範囲、好ましくは1~5の範囲、より好ましくは1~3の範囲にある整数であり、かつxが、0.6~1.4の範囲、好ましくは0.7~1.3の範囲、より好ましくは0.8~1.2の範囲にあり、式中、より好ましくは、nが1であり、かつxが0.95~1.05の範囲にある、実施形態17に記載の方法。
19. 有機カリウム塩が、好ましくは1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する脂肪族飽和モノカルボン酸、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムのうちの1種または複数種、好ましくはギ酸カリウムおよび酢酸カリウムのうちの1種または複数種である、実施形態16から18のいずれか一つに記載の方法。
20. 有機カリウム塩がギ酸カリウムを含み、好ましくはギ酸カリウムである、実施形態16から19のいずれか一つに記載の方法。
21. (i)で用意した液状供給物流において、過酸化水素に対する溶解塩のモル比が、25×10-6:1~500×10-6:1の範囲、好ましくは50×10-6:1~250×10-6:1の範囲、より好ましくは100×10-6:1~150×10-6:1の範囲にある、実施形態15から20のいずれか一つに記載の方法。
22. (i)で用意した液状供給物流の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、エテン、過酸化水素、溶媒、水および溶解塩から成る、実施形態15から21のいずれか一つに記載の方法。
23. (i)で用意した液状供給物流が、18~60bar(abs)の範囲、好ましくは30~60bar(abs)の範囲、より好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲の圧力下にある、実施形態1から22のいずれか一つに記載の方法。
24. (i)で用意した液状供給物流は、温度が、20~60℃の範囲、好ましくは25~50℃の範囲、より好ましくは30~45℃の範囲にある、実施形態1から23のいずれか一つに記載の方法。
25. (ii)に記載のエポキシ化ゾーン内にて、反応混合物が、エポキシ化条件下で液状である、実施形態1から24のいずれか一つに記載の方法。
26. (ii)に記載のエポキシ化ゾーン内にて、反応混合物が、エポキシ化条件下で単一の液相から成る、実施形態1から25のいずれか一つに記載の方法。
27. (ii)に記載のエポキシ化ゾーンが、1個または複数個のエポキシ化反応器Aから成る第一のエポキシ化サブゾーンを含み、ここで第一のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Aを含む場合、2個以上のエポキシ化反応器Aを並列に配置し、ここで(ii)において、(i)で用意した液状供給物流をエポキシ化反応器Aのうちの少なくとも1個に送る、実施形態1から26のいずれか一つに記載の方法。
28. (ii)に記載のエポキシ化ゾーンが第一のエポキシ化サブゾーンから成る、実施形態27に記載の方法。
29. (ii)に記載のエポキシ化条件が、第一のエポキシ化サブゾーンにおけるエポキシ化温度を、20~60℃の範囲、好ましくは25~50℃の範囲、より好ましくは30~45℃の範囲で含み、ここで前記エポキシ化温度が、好ましくは熱伝達媒体を1個または複数個のエポキシ化反応器Aのジャケットに通して送ることで第一のエポキシ化反応サブゾーンにおける反応混合物の温度を調節するために使用される熱伝達媒体の温度と規定され、ここで前記エポキシ化温度が、好ましくは反応混合物の温度を調節する前の熱伝達媒体の温度、より好ましくは1個または複数個のエポキシ化反応器Aのジャケットの入口における熱伝達媒体の温度である、実施形態27または28に記載の方法。
30. (ii)に記載のエポキシ化条件が、第一のエポキシ化反応圧力を、18~60bar(abs)の範囲、好ましくは30~60bar(abs)の範囲、好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲で含み、ここで第一のエポキシ化反応圧力が、第一のエポキシ化サブゾーンの出口における絶対圧と規定される、実施形態27から29のいずれか一つに記載の方法。
31. (ii)に記載のエポキシ化条件が、第一のエポキシ化サブゾーン中の触媒充填率を、0.05~1.25h-1の範囲、好ましくは0.1~1h-1の範囲、より好ましくは0.2~0.7h-1の範囲で含み、ここで触媒充填率が、(ii)に記載の第一のエポキシ化サブゾーンに含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒のkg単位の量に対する、(i)で用意した液状供給物流に含有される過酸化水素のkg/h単位の質量流束の比率と規定される、実施形態27から30のいずれか一つに記載の方法。
32. (ii)に記載のエポキシ化ゾーンが、1個または複数個のエポキシ化反応器Bから成る第二のエポキシ化サブゾーンをさらに含み、ここで第二のエポキシ化サブゾーンが、2個以上のエポキシ化反応器Bを含む場合、2個以上のエポキシ化反応器Bを並列に配置し、ここで第二のエポキシ化サブゾーンを第一のエポキシ化サブゾーンの下流に配置する、実施形態27から31のいずれか一つに記載の方法。
33. (ii)に記載のエポキシ化ゾーンが、第一のエポキシ化サブゾーンおよび第二のエポキシ化サブゾーンから成る、実施形態32に記載の方法。
34. (ii)に記載のエポキシ化条件が、第二のエポキシ化反応圧力を、18~60bar(abs)の範囲、好ましくは30~60bar(abs)の範囲、好ましくは35~55bar(abs)の範囲、より好ましくは40~50bar(abs)の範囲で含み、ここで第一のエポキシ化反応圧力が、第二のエポキシ化サブゾーンの出口における絶対圧と規定される、実施形態32または33に記載の方法。
35. (ii)に記載のエポキシ化条件が、第二のエポキシ化サブゾーン中の触媒充填率を、0.001~0.5h-1の範囲、好ましくは0.005~0.3h-1の範囲、より好ましくは0.01~0.2h-1の範囲で含み、ここで触媒充填率が、(ii)に記載の第二のエポキシ化サブゾーンに含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒のkg単位の量に対する、第二のエポキシ化サブゾーンに送られた供給物流に含有される過酸化水素のkg/h単位の質量流束の比率と規定される、実施形態32から34のいずれか一つに記載の方法。
36. 第二のエポキシ化反応サブゾーンにおける反応混合物の温度を、熱伝達媒体を1個または複数個のエポキシ化反応器Bのジャケットに通して送ることで調整せず、ここで好ましくは、第二のエポキシ化サブゾーンが、実質的に断熱性のエポキシ化サブゾーン、より好ましくは断熱性のエポキシ化サブゾーンである、実施形態32から35のいずれか一つに記載の方法。
37. (ii)によると、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒が、エポキシ化ゾーン内にて、固定床触媒として、好ましくは参照例1.1に記載のように求めて水に対して最大でも4の屈曲パラメータを有する固定床触媒として存在する、実施形態1から36のいずれか一つに記載の方法。
38. (ii)に記載の触媒に含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトが、元素のチタンとして計算したチタンを、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲にある量で含む、実施形態1から37のいずれか一つに記載の方法。
39. (ii)に記載の触媒に含まれる、MWW型骨格を有するチタンゼオライトが、元素の亜鉛として計算した亜鉛を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲にある量で含む、実施形態1から38のいずれか一つに記載の方法。
40. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、Zn、Ti、Si、OおよびHから成る、実施形態1から39のいずれか一つに記載の方法。
41. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒が、MWW型骨格を有するチタンゼオライトと、バインダー、好ましくはシリカバインダーとを含む成形物の形態にある、実施形態1から40のいずれか一つに記載の方法。
42. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒が、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを、触媒の総質量に対して、好ましくは70~80質量%の範囲にある量で含み、シリカバインダーを、触媒の総質量に対して、好ましくは30~20質量%の量で含み、ここで、好ましくは少なくとも99質量%の触媒が、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトとバインダーとから成る、実施形態41に記載の方法。
43. (ii)に記載のエポキシ化条件が、過酸化水素転化率を、85~100%の範囲、好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲で含み、ここで、過酸化水素転化率が100×(1-y)%と規定され、式中、yが、(i)で用意した液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した排出流に含まれる過酸化水素のモル量である、実施形態1から42のいずれか一つに記載の方法。
44. (ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(HP)が、80~100%の範囲、好ましくは85~100%の範囲、より好ましくは90~100%の範囲にあり、ここでエテンオキシド選択率S(HP)は、(i)で用意した液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した排出流に含まれるエテンオキシドのモル量と規定される、実施形態1から43のいずれか一つに記載の方法。
45. (ii)に記載のエポキシ化反応ゾーンにおけるエポキシ化反応のエテンオキシド選択率S(ET)が、85~100%の範囲、好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲にあり、ここでエテンオキシド選択率S(ET)が、(i)で用意した液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した排出流に含まれるエテンオキシドのモル量と規定される、実施形態1から44のいずれか一つに記載の方法。
46. (iii)で取り出した排出流が、二酸化炭素を、排出流の総質量に対して、100~1500質量ppmの範囲、好ましくは150~1200質量ppmの範囲、より好ましくは200~1000質量ppmの範囲にある量で含む、実施形態1から45のいずれか一つに記載の方法。
47. (iii)で取り出した排出流が、エテンオキシド、水、溶媒、エテンおよび酸素を含む、実施形態1から46のいずれか一つに記載の方法。
48. (iv) エテンおよび酸素を排出流から分離し、排出流に対してエテンオキシド、溶媒および水を富化させた流S1を得る工程
をさらに含む、実施形態47に記載の方法。
49. S1の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、エテンオキシド、溶媒および水から成り、ここで(iv)における分離のために、好ましくは分別ユニット、より好ましくは蒸留ユニットを使用し、ここでS1を好ましくは底部流として得る、実施形態48に記載の方法。
50. (iv)において、排出流に対してエテンおよび酸素を富化させた流を好ましくは49に記載の分別ユニットにおける頂部流として得る、実施形態48または49に記載の方法。
51. (iv-2) 流に含まれる酸素を水素と反応させて、エテンを含み、かつエテンおよび酸素を富化させた流に比べて酸素を減少させた流を得ることを好ましくは含む、エテンおよび酸素を富化させた流の酸素含量を低減させる工程
をさらに含む、実施形態50に記載の方法。
52. 触媒の存在下で酸素と水素とを反応させ、前記触媒が、銅を、元素の形態、酸化物の形態または元素および酸化物の形態で担体上に含むことが好ましく、ここで銅が、担体上で、触媒全体に対して、かつCuOとして計算して、好ましくは30~80質量%の量で存在する、実施形態51に記載の方法。
53. エテンを含み、かつ酸素を減少させた流を、任意に1回または複数回の後処理段階後に、(i)に再循環させる、実施形態51または52に記載の方法。
54. (v) エテンオキシドを流S1から分離し、エテンオキシドを含み、かつ流S1に比べて溶媒および水を減少させた流S11を得て、流S1に比べて溶媒および水を富化させた流S12を得る工程
をさらに含む、実施形態48から53のいずれか一つに記載の方法。
55. (v)における分離のために、分別ユニット、好ましくは蒸留ユニットを使用し、ここでエテンオキシドを含み、かつ溶媒および水を減少させた流S11を、好ましくは頂部流として得て、かつ溶媒および水を富化させた流S12を、好ましくは底部流として得る、実施形態54に記載の方法。
56. (v-2) エテンオキシドを含み、かつ溶媒および水を減少させた流S11を、好ましくは分別ユニット、より好ましくは蒸留ユニット内で、エテンオキシドについてさらなる精製にかける工程
をさらに含む、実施形態54または55に記載の方法。
57. 溶媒および水を富化させた流S12を、任意に1回または複数回の後処理段階後に、(i)に再循環させる、実施形態54から56のいずれか一つに記載の方法。
58. エテンのエポキシ化のための、好ましくはエテンの液相でのエポキシ化のための、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を使用する方法。
59. エテンの液相でのエポキシ化を、溶媒中で、好ましくは溶媒としてのアセトニトリル中で実施する、実施形態58に記載の使用する方法。
60. 過酸化水素をエポキシ化剤として用いる、実施形態58または59に記載の使用する方法。
61. エテンを好ましくは液相でエポキシ化する方法であって、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒の存在下でエテンをエポキシ化する、方法。
62. エテンの液相でのエポキシ化を、溶媒中で、好ましくは溶媒としてのアセトニトリル中で実施する、実施形態61に記載の方法。
63. 過酸化水素をエポキシ化剤として用いる、実施形態61または62に記載の方法。
64. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含む、エテンのエポキシ化のための触媒系であって、溶解カリウム塩をさらに含み、かつ
(i) エテン、過酸化水素、溶媒および溶解カリウム塩を含む液状供給物流を用意する工程、ならびに
(ii) (i)で用意した液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、液状供給物流をエポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水、溶媒および溶解カリウム塩を含む反応混合物を得る工程
により得ることが可能であるか、または得られる、触媒系。
65. (ii)における触媒に含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトが、元素のチタンとして計算したチタンを、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲にある量で含有し、また元素の亜鉛として計算した亜鉛を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%、好ましくは1~3質量%の範囲にある量で含有する、実施形態64に記載の触媒系。
66. 溶解カリウム塩が、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、過塩素酸カリウム、リンオキシ酸のカリウム塩、ギ酸カリウムおよび酢酸カリウムのうちの1種または複数種である、実施形態64または65に記載の触媒系。
以下の参照例および実施例により本発明をさらに説明する。
実施例
参照例1:触媒特性の特定
参照例1.1:屈曲パラメータの特定
屈曲パラメータを、米国特許出願公開第20070099299号明細書の実験の項に記載されているように特定した。特に、この効果に対して、25℃および1bar、125MHzのH共鳴周波数で、FEGRIS NT NMR分光計(Stallmachら、Annual Reports on NMR Spectroscopy 2007、第61巻、51~131頁参照)を用いて、ライプツィヒ大学のFaculty for Physics and Geological SciencesでNMR分析を実施した。PFG NMR自己拡散分析に使用されるパルスプログラムは、米国特許出願公開第20070099299号明細書の図1bに記載のパルス磁場勾配を有する励起されたスピンエコーであった。各試料について、磁場勾配の強度を段階的に上昇(gmax=10T/m)させることにより、7つの異なる拡散時間(Δ/ms=7、10、12、25、50、75、100)まで、スピンエコー減衰曲線を測定した。スピンエコー減衰曲線から、孔隙水の自己拡散係数の時間依存度を、米国特許出願公開第20070099299号明細書の等式(5)および(6)により特定した。
屈曲の計算
このように求めた自己拡散係数D(Δ)から、米国特許出願公開第20070099299号明細書の等式(7)を使用して、平均二次シフト(quadratic shift)の時間依存度:
Figure 2023052150000001
を計算した。例として、米国特許出願公開第20070099299号明細書の図2では、前記文書の例示的な触媒担体について、自由水についての相応する結果とともに、両対数の形態でデータがプロットされている。また米国特許出願公開第20070099299号明細書の図2は、いずれの場合にも、拡散時間Δに応じて、
Figure 2023052150000002
の直線フィッティングからの最良なフィッティング直線を示す。米国特許出願公開第2007/0099299号明細書の等式(7)によると、その傾斜は、値:
Figure 2023052150000003
に正確に相応し、ここで
Figure 2023052150000004
は、拡散時間間隔にわたり平均した自己拡散係数に相応する。次いで、米国特許出願公開第20070099299号明細書の等式(3)によると、成形物における平均自己拡散係数の相応する値に対する、このようにして求められる自由溶媒(free solvent)の平均自己拡散係数(D)の比率から屈曲度が得られる。
参照例1.2:Dv10、Dv50およびDv90値の特定
1.0gの微細粉末を100gの脱イオン水に懸濁し、1分にわたり撹拌する。以下のパラメータを使用して、装置内で試料を測定にかけた:Mastersizer S長床版2.15、シリアル番号33544-325;サプライヤー:Malvern Instruments GmbH、Herrenberg、ドイツ:焦点幅300RFmm;ビーム長10.00mm;モジュールMS17;シャドーイング16.9%;分散モデル3$$D;分析モデル多分散補正なし。
参照例1.3:本発明の成形物のシラノール濃度の特定
シラノール濃度を特定するために、29Si MAS NMRの実験を、5.0mmのZrOのロータを使用したVARIANのInfinityplus-400分光計において室温で実施した。29Si MAS NMRスペクトルを、10秒の繰り返し時間(recycle delay)および4000回のスキャンで、1.9μsπ/4(マイクロ秒pi/4)のパルスを使用して、79.5MHzで集めた。6kHzでスピンさせた試料について、すべての29Siスペクトルを記録し、化学シフトについて4,4-ジメチル-4-シラペンタンスルホン酸ナトリウム(DSS)を参照した。シラノール基の濃度を求めるために、所定の29Si MAS NMRスペクトルを適切なガウス-ローレンツ線形により逆畳み込み(deconvolved)する。Si原子の総数に対するシラノール基の濃度は、逆畳み込みされた29Si MAS NMRスペクトルを積分することで得られる。
参照例1.4:成形物の破壊強度の特定
本発明に関連して言及した破壊強度は、破壊強度試験機Z2.5/TS1S、サプライヤーZwick GmbH&Co.、D-89079 Ulm、ドイツにより求められると理解すべきである。この機械の基本事項およびその操作については、各取扱説明書「Register1:Betriebsanleitung/Sicherheitshandbuch fuer die Material-Pruefmaschine Z2.5/TS1S」、第1.5版、2001年12月、Zwick GmbH&Co.Technische Dokumentation製、August-Nagel-Strasse 11、D-89079 Ulm、ドイツを参照する。前記機械を用いて、ストランドが破壊されるまで直径3mmのプランジャにより、所定のストランドに次第に力をかける。ストランドが破壊する力をストランドの破壊強度と称する。この機械に、固定された水平の台を備え、この台にストランドを配置する。垂直方向に自在に可動するプランジャが、ストランドを固定台に向かって動かす。この装置を、0.5Nの予備力(preliminary force)、この予備力の下での10mm/分のせん断速度、および1.6mm/分の事後試験速度で操作した。垂直可動式プランジャを、力を検出するためにロードセルに接続し、測定の間に、調査すべき成形物(ストランド)を配置する固定式の回転台へと移動させ、このようにして、ストランドを台に向かって動かした。スタンドにおいてその縦軸に対して垂直にプランジャを適用した。コンピュータにより実験を制御し、このコンピュータで、測定の結果を記録および評価した。得られた値は、いずれの場合にも、10本のストランドについて測定した平均値である。
参照例1.5:QおよびQ構造についての29Si固体NMRスペクトル
材料におけるQおよびQ構造に関する成形物に対する本発明の水処理の効果を、同等の条件下で29Si固体NMRスペクトルにおける変化を比較することで特徴付けた。29Si固体NMRの実験はすべて、300MHzのHラーモア周波数を有するBruker Advance分光計(Bruker Biospin、ドイツ)を使用して実施した。試料を7mmのZrOロータに詰め、室温で、5kHzのマジックアングルスピニングで測定した。5マイクロ秒のパルス幅と、スペクトルにおいて-65ppmに相応する29Si搬送波周波数と、120秒のスキャン繰り返し時間とで、(pi/2)パルス励起を使用して、29Si直接偏光スペクトルを得た。25マイクロ秒にわたり45kHzの高出力プロトンデカップリングでシグナルを獲得し、10~17時間かけて蓄積した。BrukerのTopspinを使用して、30Hzの指数的線幅拡大と、手動位相と、フルスペクトル幅にわたる手動式のベースライン補正とにより、スペクトルを処理した。外部第二標準としてのポリマーQ8M8でスペクトルを参照し、トリメチルシリルM基の共鳴を12.5ppmに設定した。その後、識別可能な共鳴の数に応じて、スペクトルを一連のガウス線形にフィッティングした。ここで評価したスペクトルについて、合計6本の線が使用され、このことは、(およそ-118、-115、-113、-110および-104ppmでの)5つの明白なピーク最大値および-98ppmでの明らかなショルダーを表している。DMFit(Massiotら、Magnetic Resonance in Chemistry、40(2002)、70~76頁)を使用してフィッティングを実施した。ピークを明らかなピーク最大値またはショルダーに手動で設定した。その後、ピーク位置および線幅のいずれも未制御のままにした。すなわち、フィッティングピークを特定の位置に固定しなかった。フィッティングの結果は、数値的に安定しており、すなわち、上記の最初のフィッティング設定におけるひずみにより、類似した結果がもたらされた。フィッティングしたピーク面積をさらに使用して、DMFitにより行ったように標準化した。本発明の水処理後に、スペクトルの左手側のシグナル強度、すなわちQシラノール構造を含む領域(ここでは特に:およそ-104ppmかつ-104ppm超、すなわち-104ppmの「左」)の減少が観察された。さらに、スペクトルの右手側のシグナル(ここで:-110ppm未満、すなわち-110ppmの「右」)、すなわちQ構造のみを含む領域の増加が観察された。スペクトルの変化を定量化するために、「左手」および「右手」のピーク面積における変化を反映した比率を以下のように計算した。6つのピークを、1、2、3、4、5および6と分類し、比率Qを、式100{[a+a]/[a+a+a]}/aで計算した。この式において、ai,i=1...6は、この数が帰属するフィッティングしたピークの面積を表す。
参照例1.6:水吸着/脱離-吸水量
段階的等温プログラムに従って、水吸着/脱離等温測定をTA InstrumentsのVTI SA装置で実施した。この実験は、装置内部の微量天秤皿に置いた試料材料について実施される1回の実施または一連の実施から成る。測定を開始する前に、試料を100℃(5℃/分の加熱傾斜度)に加熱し、かつこれを6時間にわたりN流下で維持することで、試料の残留水分を除去した。乾燥プログラム後に、小容器内の温度を25℃に減少させ、測定の間、等温で維持した。微量天秤を較正して、乾燥した試料の質量を秤量した(最大質量偏差は0.01質量%)。試料の吸水量を、乾燥試料の質量に対する質量増加分として測定した。試料を曝す相対湿度(RH)(小容器内部の雰囲気における質量%での水として表す)を増加させ、平衡時の試料の吸水量を測定することで、吸着曲線をまず測定した。1段階で10質量%ずつ5%から85%にRHを増加させ、それから平衡条件に達し、かつ質量の増加が記録されるまで、各段階においてシステムによりRHを制御し、かつ試料の質量を監視した。試料を85質量%のRHに曝した後に、試料により吸収された総水量を取り出す。脱離測定の間に、1段階で10%ずつ85質量%から5質量%にRHを減少させ、試料の質量の変化(吸水量)を監視し、記録した。
参照例1.7:FT-IR測定
FT-IR(フーリエ変換赤外)測定をNicolet6700分光計において実施した。成形物を粉末化し、その後、いかなる添加剤も使用することなく、圧縮して自立型ペレットにした。FT-IR装置内に置いた高真空(HV)小容器にペレットを導入した。測定前に、試料を高真空(10-5mbar)で300℃で3時間にわたり前処理した。小容器を50℃に冷却した後に、スペクトルを収集した。スペクトルを4000~800cm-1の範囲において2cm-1の分解能で記録した。得られたスペクトルを、x軸に波数(cm-1)およびy軸に吸光度(任意単位、a.u.)を有するプロットで表す。ピーク高さおよびこれらのピークの間の比率を定量的に求めるために、ベースライン補正を実施した。3000~3900cm-1領域における変化を分析し、複数の試料を比較するために、参照として1880±5cm-1での帯域を用いた。
参照例1.8:XRDによる結晶化度の特定
本発明によるゼオライト材料の結晶化度をXRD分析により求めた。Cu-X線源およびエネルギー分散点検出器を備える標準的なBragg-Brentano型回折計を使用して、データを収集した。2°~70°(2シータ)の角度範囲を0.02°の刻み幅でスキャンする一方で、可変発散スリットを20mmの一定の照射された試料の長さに設定した。その後、TOPAS V4ソフトウェアを使用してデータを分析し、ここで以下の開始パラメータを有する単位胞を含むPawleyフィットを使用して、鋭い回折ピークをモデル化した:空間群P6/mmmにおいて、a=14.4オングストローム(1オングストローム=10-10m)およびc=25.2オングストローム。これらを整えてデータをフィッティングした。独立したピークを以下の位置:8.4°、22.4°、28.2°および43°に挿入した。これらを使用して、非晶質含量を表した。結晶性含量は、散乱強度の合計に対する結晶性シグナルの強度を表す。このモデルには、線形バックグラウンド(linear background)、ローレンツおよび偏光補正、格子パラメータ、空間群、ならびに結晶子径も含まれる。
参照例2:エテンエポキシ化触媒の製造
国際公開第2013/117536号の76頁1行目~78頁11行目の例3に従って、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を製造した。この触媒の屈曲パラメータは、先の参照例1.1に記載されているように求めて、水に対して2.2+/-0.1であった。
参照例3:エポキシ化の設定および分析
エポキシ化の設定
実験の設定は、固定床反応器を有する連続的なプラントから成っていた。供給物および生成物を秤量し、ガスクロマトグラフィー(GC)により分析した。マイクロプラントを2個のスチール製チャンバに取り付けた。供給物をすべて一定に保ち、温度および/またはカリウム塩の供与量を調整することで過酸化水素転化率を90±5%に維持した。一日に1回、転化率および温度の確認および補正を行った。過剰なエテン(1.3mol/molのH)で実験を実施した。エチレン(工業グレード、99質量%超のエチレンを400Lの圧力容器に供給した。パイプラインを通してエチレンを2Lの緩衝容器に供給した。Nを圧縮して、供給ポンプの安定した操作およびプラントの安定した供給を保証することで、レクチャーボトル内における約30bar(abs)の一定圧力を維持した。溶媒(アセトニトリル)を200Lのドラムに供給した。温度を制御しながら、過酸化水素(水中で40質量%)を圧力容器(5L、5bar(abs)のN圧力)内で貯蔵した。添加剤、例えばカリウム塩(複数可)を、緩衝容器内でアセトニトリルまたは過酸化水素のいずれかに添加してもよいだろう。供給物流をすべて混合し、上向流の方式でエポキシ化反応器に供給した(圧力:20bar(abs)、温度:30~80℃)。
反応器(材料:ステンレス鋼1.4571)は、水により冷却または加熱するためのダブルジャケットを有する内部直径7mmの1400mm×10mmの管であった。冷却媒体(エチレングリコール/水の混合物)を並流で供給し、流入口と流出口との間の温度差は、1℃未満であった。上記の参照例2による触媒15gを新たにエポキシ化反応器(固定床)に充填し、それから実験を開始した。反応器内の残りの空間を不活性材料で満たした。
放圧後に、反応器の排出流を気液分離器に供給し、この気液分離器から、液相を下水道パイプラインに圧送した。反応器の排出流を、15℃/1013mbarで液相と気相とに分けた。
サンプリングおよび分析
気相を、炎へと、または三方弁を介してオンラインGCへと供給した。気相を分析するためのガスメーターおよびガスクロマトグラフをユニットに割り当てた。定期的に、気相の組成をGMA/Cでオフライン測定することによりダブルチェックした。液相を質量収支およびさらなる分析のために収集した。供給物流および反応器の排出流におけるH濃度の光度測定(硫酸チタニル法)によりH転化率を求めた。他のすべての成分をガスクロマトグラフィーで定量化した。記載した設定における選択率測定の一般的な精度は、およそ±2%であると見積もられた。
実施例1
エポキシ化反応器に供給した液状供給物流は、以下の組成を有していた:
- エテン:9.1質量%(11.1g/h)
- 過酸化水素:13.8質量%(16.7g/h;40質量%の水溶液)
- 水:20.8質量%(25.2g/h)
- カリウム塩(ギ酸カリウム):130micromol/mol過酸化水素
- 溶媒(アセトニトリル):56.2質量%(68.0g/h)
実施例1に記載の実験を90%の平均過酸化水素転化率で実施した。これらの結果は、図2に示されている。図2から分かるように、エテンオキシドの選択率は、およそ40℃の温度でさえ、(過酸化水素に対して)およそ94%および(エテンに対して)98%と一定のままであった。主な副生成物は、エチレングリコール(およそ1%の選択率)、ペルオキシエタノール(およそ1.5%の選択率)および酸素(およそ2%の選択率)であった。排ガス分析により、最初の1100時間の稼働時間の間においてはCOが形成されないことが示された。
実施例2
実施例2に記載の実験を、実施例1(上記参照)と同じ液状供給物流に基づいて、かつ少なくとも98%の平均過酸化水素転化率で実施した。この過酸化水素転化率を達成するために、冷却水の温度を、実施例1における実験に比べておよそ4℃上昇させた。これらの結果は、図3に示されている。それにより、図3から分かるように、エテンオキシドの選択率は、すでに実施例1で観察されたように、一定の高い水準のままであった。
考えられる溶媒後処理順序を含む本発明の方法のプロセスフローシートを示し、ここで略語は、以下の意味を有する: (1) エテン流 (2) 過酸化水素流 (3) (メイクアップ)溶媒流 (4) カリウム塩を含む流 (5) 水素(H)流 (6) エテンオキシド(生成物)流 (7) 低沸点物質流 (8) 高沸点物質流 (9) 排水流 (10) 排ガス流 (a) エポキシ化ユニット(第一のエポキシ化サブゾーン) (b) 酸素(O)およびエテンの分離ユニット (c) 水素化ユニット(エテン再循環) (d) 溶媒の分離ユニット (e) エテンオキシドの精製ユニット (f1)(f2) 第一の溶媒の後処理ユニット(部分流の蒸留ユニット) (g) 第二の溶媒の後処理ユニット(水/溶媒の相分離) (h) 第三の溶媒の後処理ユニット(溶媒の蒸留) (i) 第四の溶媒の後処理ユニット(水の分離) 実施例1に記載のエポキシ化反応の最初の1100時間の稼働時間の間におけるエテンオキシドの選択率を示す。左手のY軸は、過酸化水素転化率を%で示し、かつ過酸化水素およびエテンそれぞれに対するエテンオキシドの正規化された選択率をいずれも%で示す。右手のY軸は、温度を℃で示す。図2における凡例をさらに参照する。 実施例2に記載のエポキシ化反応の最初の600時間の稼働時間の間におけるエテンオキシドの選択率を示す。左手のY軸は、過酸化水素転化率を%で示し、かつ過酸化水素およびエテンそれぞれに対するエテンオキシドの正規化された選択率をいずれも%で示す。右手のY軸は、温度を℃で示す。図3における凡例をさらに参照する。
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- 欧州特許出願公開第1122249号明細書
- 国際公開第2013/117536号

Claims (16)

  1. (i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を用意する工程、
    (ii) (i)で用意した前記液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、前記液状供給物流を前記エポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および前記溶媒を含む反応混合物を得る工程、
    (iii) エテンオキシド、水および前記溶媒を含む排出流を前記エポキシ化ゾーンから取り出す工程
    を含む、エテンオキシドを製造する方法。
  2. (i) エテン、過酸化水素および溶媒を含む液状供給物流を連続的に用意する工程、
    (ii) (i)で用意した前記液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに連続的に送り、前記液状供給物流を前記エポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水および前記溶媒を含む反応混合物を得る工程、
    (iii) エテンオキシド、水および前記溶媒を含む排出流を前記エポキシ化ゾーンから連続的に取り出す工程
    を含む、エテンオキシドを連続的に製造する方法である請求項1に記載の方法。
  3. (i)で用意した前記液状供給物流において、過酸化水素に対するエテンのモル比が、1:1~5:1の範囲、好ましくは1:1~1.5:1の範囲にあり、ここで(i)で用意した前記液状供給物流が、前記エテンを、前記液状供給物流の総質量に対して、好ましくは5~30質量%の範囲、より好ましくは7~15質量%の範囲にある量で含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記溶媒が、1種または複数種の有機溶媒、好ましくは、tert-ブタノール、炭酸プロピレン、酢酸メチルおよびアセトニトリルのうちの1種または複数種、より好ましくはアセトニトリルを含み、ここで(i)で用意した前記液状供給物流が、前記溶媒を、前記液状供給物流の総質量に対して、好ましくは60~85質量%の範囲、より好ましくは65~80質量%の範囲にある量で含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. (i)で用意した前記液状供給物流が、溶解塩、好ましくは溶解カリウム塩をさらに含み、ここで前記溶解カリウム塩が、水酸化カリウム、ハロゲン化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、過塩素酸カリウム、リンオキシ酸のカリウム塩、ギ酸カリウムおよび酢酸カリウムのうちの1種または複数種である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (ii)に記載の前記エポキシ化ゾーン内にて、前記反応混合物が、エポキシ化条件下で液状であり、好ましくは前記エポキシ化条件下で単一の液相から成る、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (ii)に記載の前記エポキシ化ゾーンが、1個または複数個のエポキシ化反応器Aから成る第一のエポキシ化サブゾーンを含み、ここで前記第一のエポキシ化サブゾーンが2個以上のエポキシ化反応器Aを含む場合、前記2個以上のエポキシ化反応器Aを並列に配置し、ここで(ii)において、(i)で用意した前記液状供給物流を前記エポキシ化反応器Aのうちの少なくとも1個に送り、ここで(ii)に記載の前記エポキシ化条件が、前記第一のエポキシ化サブゾーンにおけるエポキシ化温度を、20~60℃の範囲、好ましくは30~45℃の範囲で含み、ここで前記エポキシ化温度が、好ましくは熱伝達媒体を前記1個または複数個のエポキシ化反応器Aのジャケットに通して送ることで第一のエポキシ化反応サブゾーンにおける前記反応混合物の温度を調節するために使用される前記熱伝達媒体の温度と規定され、ここで前記エポキシ化温度が、好ましくは前記反応混合物の温度を調節する前の前記熱伝達媒体の温度、より好ましくは前記1個または複数個のエポキシ化反応器Aの前記ジャケットの入口における前記熱伝達媒体の温度であり、ここで(ii)に記載の前記エポキシ化条件が、第一のエポキシ化反応圧力を、18~60bar(abs)の範囲、好ましくは40~50bar(abs)の範囲で含み、ここで前記第一のエポキシ化反応圧力が、前記第一のエポキシ化サブゾーンの出口における絶対圧と規定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. (ii)に記載の前記エポキシ化条件が、前記第一のエポキシ化サブゾーン中の触媒充填率を、0.05~1.25h-1の範囲、好ましくは0.2~0.7h-1の範囲で含み、ここで前記触媒充填率が、(ii)に記載の前記第一のエポキシ化サブゾーンに含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒のkg単位の量に対する、(i)で用意した前記液状供給物流に含有される過酸化水素のkg/h単位の質量流束の比率と規定され、ここで(ii)によると、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む前記触媒が、前記エポキシ化ゾーン内にて、固定床触媒として存在することが好ましい、請求項7に記載の方法。
  9. (ii)に記載の前記触媒に含まれる、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有する前記チタンゼオライトが、元素のチタンとして計算したチタンを、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有する前記チタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲にある量で含み、元素の亜鉛として計算した亜鉛を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有する前記チタンゼオライトの総質量に対して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲にある量で含み、ここで、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有する前記チタンゼオライトの少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%が、Zn、Ti、Si、OおよびHから成る、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有する前記チタンゼオライトを含む前記触媒が、MWW型骨格を有する前記チタンゼオライトと、バインダー、好ましくはシリカバインダーとを含む成形物の形態にある、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. (ii)に記載の前記エポキシ化条件が、過酸化水素転化率を、85~100%の範囲、好ましくは90~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲で含み、ここで、前記過酸化水素転化率が100×(1-y)%と規定され、式中、yが、(i)で用意した前記液状供給物流に含まれる過酸化水素のモル量に対する、(iii)で取り出した前記排出流に含まれる過酸化水素のモル量である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (iii)で取り出した前記排出流が、エテンオキシド、水、前記溶媒、エテンおよび酸素を含み、前記方法が、
    (iv) エテンおよび酸素を前記排出流から分離し、前記排出流に対してエテンオキシド、前記溶媒および水を富化させた流S01を得る工程
    をさらに含み、ここで(iv)において、前記排出流に対してエテンおよび酸素を富化させた流を得る、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (iv-2) 前記流に含まれる前記酸素を水素と反応させて、エテンを含み、かつエテンおよび酸素を富化させた前記流に比べて酸素を減少させた流を得ることを好ましくは含む、エテンおよび酸素を富化させた前記流の酸素含量を低減させる工程
    をさらに含み、ここでエテンを含み、かつ酸素を減少させた前記流を、任意に1回または複数回の後処理段階後に、(i)に再循環させる、請求項12に記載の方法。
  14. (v) エテンオキシドを流S1から分離し、エテンオキシドを含み、かつ前記流S1に比べて前記溶媒および水を減少させた流S11を得て、前記流S1に比べて前記溶媒および水を富化させた流S12を得る工程
    をさらに含み、ここで前記溶媒および水を富化させた前記流S12を、任意に1回または複数回の後処理段階後に、(i)に再循環させる、請求項12または13に記載の方法。
  15. (v-2) エテンオキシドを含み、かつ前記溶媒および水を減少させた前記流S11を、好ましくは分別ユニット、より好ましくは蒸留ユニット内で、エテンオキシドについてさらなる精製にかける工程
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含む、エテンのエポキシ化のための触媒系であって、溶解カリウム塩をさらに含み、かつ
    (i) エテン、過酸化水素、溶媒および溶解カリウム塩を含む液状供給物流を用意する工程、ならびに
    (ii) (i)で用意した前記液状供給物流を、亜鉛を含み、かつMWW型骨格を有するチタンゼオライトを含む触媒を含むエポキシ化ゾーンに送り、前記液状供給物流を前記エポキシ化ゾーン内でエポキシ化反応条件に曝し、エテンオキシド、水、前記溶媒および前記溶解カリウム塩を含む反応混合物を得る工程
    により得ることが可能であるか、または得られる、触媒系。
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