JP2023051546A - 電源装置及び電源装置の制御方法 - Google Patents

電源装置及び電源装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気二重層コンデンサの容量値と等価直列抵抗値を高精度及び高確度で測定可能な電源装置を提供する。【解決手段】電源に接続される第1ノード及び接地される第2ノードを有し第1ノードと第2ノードとの間に電気二重層コンデンサを備える蓄電回路と、前記蓄電回路を放電する放電回路と、前記蓄電回路を充電する充電回路と、前記第1ノードの電圧を測定する電源制御部と、を備え、前記電源制御部は、前記放電回路が前記蓄電回路を放電する時に前記電気二重層コンデンサの第1容量値及び第1等価直列抵抗値を測定する手順と、前記充電回路が前記蓄電回路を充電する時に前記電気二重層コンデンサの第2容量値及び第2等価直列抵抗値を測定する手順と、前記第1容量値及び前記第2容量値に基づいて第3容量値を算出する手順と、前記第1等価直列抵抗値及び前記第2等価直列抵抗値に基づいて第3等価直列抵抗値を算出する手順と、を実行する電源装置。【選択図】図1

Description

本開示は、電源装置及び電源装置の制御方法に関する。
自動車において、主電源の故障又は中断の場合に、主電源に代わって電気エネルギーを供給したり、主電源を補助したりするために備えられるバックアップ電源が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6675874号公報
特許文献1には、バックアップ電源としてスーパーキャパシタが使用されることが開示されている。特許文献1には、キャパシタンス値及び内部等価抵抗を測定することにより、スーパーキャパシタの健全性ステータスをモニタする診断モジュールを備えることが開示されている。
電気二重層コンデンサの劣化を監視するために、電気二重層コンデンサの容量値と等価直列抵抗値を高精度及び高確度な測定が必要となる。
本開示は、電気二重層コンデンサの容量値と等価直列抵抗値を高精度及び高確度で測定可能な電源装置を提供する。
本開示の一態様では、電源に接続される第1ノード及び接地される第2ノードを有し、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に電気二重層コンデンサを備える蓄電回路と、前記蓄電回路を放電する放電回路と、前記蓄電回路を充電する充電回路と、前記第1ノードの電圧を測定し、前記放電回路及び前記充電回路を制御する電源制御部と、を備え、前記電源制御部は、前記放電回路が前記蓄電回路を放電する時に、前記第1ノードの電圧を測定し、前記電気二重層コンデンサの第1容量値及び第1等価直列抵抗値を測定する手順と、前記充電回路が前記蓄電回路を充電する時に、前記第1ノードの電圧を測定し、前記電気二重層コンデンサの第2容量値及び第2等価直列抵抗値を測定する手順と、前記第1容量値及び前記第2容量値に基づいて第3容量値を算出する手順と、前記第1等価直列抵抗値及び前記第2等価直列抵抗値に基づいて第3等価直列抵抗値を算出する手順と、を実行する電源装置が提供される。
本開示の電源装置によれば、電気二重層コンデンサの容量値と等価直列抵抗値を高精度及び高確度で測定できる。
図1は、第1実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る電源装置の等化放電回路の構成例を示す図である。 図3は、第1実施形態に係る電源装置の処理手順を説明するフローチャートである。 図4は、第1実施形態に係る電源装置の処理手順を説明するフローチャートである。 図5は、第1実施形態に係る電源装置の特性測定処理を説明するフローチャートである。 図6は、第1実施形態に係る電源装置の放電式特性測定処理を説明するフローチャートである。 図7は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の放電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。 図8は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の容量値測定処理のフローチャートである。 図9は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。 図10は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の容量値及び等価直列抵抗値測定処理(特性測定処理)のフローチャートである。 図11は、第1実施形態に係る電源装置の充電式特性測定処理を説明するフローチャートである。 図12は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の充電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。 図13は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の容量値測定処理のフローチャートである。 図14は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。 図15は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の等化処理を行う回路の等価回路図である。 図16は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の等価処理のフローチャートである。 図17は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の放電処理のフローチャートである。 図18は、第1実施形態に係る電源装置における蓄電回路の充電処理のフローチャートである。 図19は、第2実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。 図20は、第2実施形態に係る電源装置の放電式特性測定処理を説明するフローチャートである。 図21は、第2実施形態に係る電源装置における蓄電回路の放電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。 図22は、第2実施形態に係る電源装置における蓄電回路の容量値測定処理のフローチャートである。 図23は、第2実施形態に係る電源装置における蓄電回路の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。 図24は、第2実施形態に係る電源装置の充電式特性測定処理を説明するフローチャートである。 図25は、第2実施形態に係る電源装置における蓄電回路の充電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。 図26は、第2実施形態に係る電源装置における蓄電回路の容量値測定処理のフローチャートである。 図27は、第2実施形態に係る電源装置における蓄電回路の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る電源装置について詳細に説明する。
<<第1実施形態>>
<電源装置1>
図1は、本実施形態に係る電源装置1の構成例を示す図である。近年、自動車ドアの機械的ロック機構であるラッチ機構において、ラッチのロック部分の動作をモータで行うシステムが電動ラッチシステムとして採用されている。自動車ドアは、事故等の緊急時にも解除出来ることが必須である。そのため、事故の破壊等によりバッテリ電源が喪失した場合でも、電動ラッチシステムは一定時間動作を継続できる必要がある。本実施形態に係る電源装置1は、例えば、電動ラッチシステムのバックアップ電源として用いられる。
電源装置1は、電源100から供給される電力を蓄電する。また、電源装置1は、電源100からの電力が遮断されたときに、負荷装置200に電源を供給する。なお、電源100は、負荷装置200にも直接接続される。電源100は、電流の逆流を防止するために、ダイオード71を介して、負荷装置200に接続される。
電源100は、例えば、車載バッテリである。負荷装置200は、負荷210と、負荷210を駆動する負荷駆動回路220と、を備える。負荷210は、例えば、自動車ドアの電動ラッチシステムにおけるモータである。
電源装置1は、蓄電回路10と、充電回路20と、昇圧回路30と、等化放電回路40と、電源制御部50と、を備える。電源装置1を構成する各構成要素について説明する。
[蓄電回路10]
蓄電回路10は、電気を蓄電する回路である。蓄電回路10は、少なくとも1つの電気二重層コンデンサ、いわゆる、スーパーキャパシタ、を備える。本実施形態に係る電源装置1の蓄電回路10は、直列に接続された電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12を備える。
[充電回路20]
充電回路20は、電源100から供給される電力により、蓄電回路10を充電する。充電回路20は、電源制御部50の充電制御信号CTL1に基づいて、充電を行う。
[昇圧回路30]
昇圧回路30は、蓄電回路10から供給される電力を昇圧して、負荷装置200に給電する。昇圧回路30は、電源制御部50の昇圧制御信号CTL2に基づいて、給電を行う。なお、昇圧回路30は、電流の逆流を防止するために、ダイオード72を介して負荷装置200に接続される。なお、ダイオード72は、省略してもよい。
[等化放電回路40]
等化放電回路40は、蓄電回路10の等化処理を行う。また、等化放電回路40は、蓄電回路10の放電処理を行う。図2は、本実施形態に係る電源装置1の等化放電回路40の構成例を示す図である。
スーパーキャパシタ等の電気二重層コンデンサを直列に接続する場合、個々のリーク電流バラつきや容量のバラつき等に起因する各コンデンサの電圧分担にアンバランスが生じる場合がある。各コンデンサの電圧分担にアンバランスが生じると、個々のコンデンサの定格電圧を加算した全体としての定格電圧内であっても、各コンデンサで見た場合にどちらかのコンデンサに定格や設定した値を超えた電圧がかかる可能性がある。等化放電回路40は、定格や設定した値を超えた電圧が電気二重層コンデンサ11又は電気二重層コンデンサ12にかかることを防ぐために、電圧分担アンバランスを解消しそれぞれのコンデンサにかかる電圧を等しくする等化処理を行う。
等化放電回路40は、スイッチ41の開閉を行うSW1制御信号CTL3と、スイッチ42の開閉を行うSW2制御信号CTL4によって、蓄電回路10の等化処理と放電処理を行う。さらに、等化放電回路40は、電気二重層コンデンサ11の電圧信号SIGV1と、電気二重層コンデンサ12の電圧信号SIGV2と、を電源制御部50に出力する。
等化放電回路40は、スイッチ41及びスイッチ42と、抵抗45及び抵抗46と、を備える。なお、蓄電回路10は、ノードN1とノードN3との間に電気二重層コンデンサ11を備える。また、蓄電回路10は、ノードN3とノードN2との間に電気二重層コンデンサ12を備える。ノードN1は、電源100及び負荷装置200に接続される。ノードN2は接地される。
スイッチ41は、第1端子41a及び第2端子41bを有する。スイッチ41は、第1端子41aと第2端子41bとの間を接続又は開放する。スイッチ41は、ノードN1と抵抗45との間に設けられる。なお、以下の説明においてスイッチ41をスイッチSW1という場合がある。スイッチ41はSW1制御信号CTL3に基づいて開閉される。
抵抗45は、スイッチ41とノードN4との間に設けられる。なお、抵抗45及び抵抗46は、ノードN4で直列に接続される。抵抗45は、抵抗値R1を有する。
スイッチ42は、第1端子42a及び第2端子42bを有する。スイッチ42は、第1端子42aと第2端子42bとの間を接続又は開放する。スイッチ42は、ノードN2と抵抗46との間に設けられる。なお、以下の説明においてスイッチ42をスイッチSW2という場合がある。スイッチ42はSW2制御信号CTL4に基づいて開閉される。
抵抗46は、ノードN4とノードN2との間に設けられる。抵抗46は、抵抗値R2を有する。なお、抵抗値R2は、抵抗値R1と等しくてもよい。なお、抵抗値が等しいという場合には、完全に一致する場合に限らず、例えば、製造誤差範囲内で等しい場合も含まれる。
等化放電回路40は、ノードN1における端子電圧Vtc1を、電圧信号SIGV1として、電源制御部50に出力する。また、等化放電回路40は、ノードN3における端子電圧Vtc2を、電圧信号SIGV2として、電源制御部50に出力する。なお、ノードN1における電圧を、蓄電回路10の端子電圧Vtcという場合がある。
なお、電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12が電気二重層コンデンサの一例、である。また、ノードN1は第1ノードの一例、ノードN2は第2ノードの一例、である。
[電源制御部50]
電源制御部50は、蓄電回路10の充電、給電、放電、等化を制御する。また、電源制御部50は、蓄電回路10の特性を測定する。電源制御部50は、例えば、マイコン等のコントローラにより構成される。
電源制御部50は、充電制御信号CTL1により、充電回路20の蓄電回路10への充電を制御する。また、電源制御部50は、昇圧制御信号CTL2により、昇圧回路30の負荷装置200への給電を制御する。電源制御部50は、SW1制御信号CTL3又はSW2制御信号CTL4により、等化放電回路40の等化処理を制御する。
また、電源制御部50は、SW1制御信号CTL3及びSW2制御信号CTL4により、等化放電回路40の放電処理を制御する。電源制御部50は、駆動制御信号CTL5により、負荷駆動回路220を制御する。
電源制御部50は、時間を測定するためにタイマーを備える。電源制御部50は、当該タイマーによりタイマーカウントを開始して停止するまでのカウント数を用いて、時間を算出する。
電源制御部50には、車両制御部300が接続される。車両制御部300は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。電源制御部50は、車両制御部300から、例えば、車両が停止状態か、使用状態か、等の各種信号CTLhが入力され、電源制御部50は、例えば、電源制御部50の状態や情報等を車両制御部300に出力する。
なお、停止状態とは、エンジンが停止し、電動ラッチ等のシステムの動作が停止している状態である。また、停止状態では、車両のシステムは低消費電力状態になっている。停止状態には、車両が駐車している状態、車両が保管されている状態、が含まれる。また、使用状態とは、エンジンが動作する状態又はエンジンが起動できるような状態であって、電動ラッチ等のシステムが動作している状態である。
<電源装置1の処理手順>
次に、電源装置1の処理手順について説明する。図3及び図4は、第1実施形態に係る電源装置1の処理手順を説明するフローチャートである。本説明においては、処理開始前は、電源装置1が搭載される車両は、使用状態であるとする。
処理が開始すると、電源制御部50は、車両制御部300から車両の状態、例えば、使用状態であるのか、停止状態であるのか、情報を取得する。そして、電源制御部50は、車両が停止状態であるのかどうかを判断する(ステップS10)。
車両が停止状態でない場合、例えば、車両制御部300から停止状態への移行を検出しない場合(ステップS10のNo)は、電源制御部50は、ステップS10を繰り返す。
車両が停止状態である場合、例えば、車両制御部300から停止状態への移行を検出した場合(ステップS10のYes)は、電源制御部50は、特性測定処理を行う(ステップS20)。
第1実施形態に係る電源装置1においては、特性測定処理として、放電式特性測定処理と充電式特性測定処理とを組み合わせた特性測定処理を行う。
[特性測定処理]
図5は、放電式特性測定処理と充電式特性測定処理とを組み合わせた特性測定処理を説明するフローチャートである。放電式特性測定処理と充電式特性測定処理とを組み合わせた特性測定処理は、放電式特性測定処理(ステップS21)と、充電式特性測定処理(ステップS81)と、最終的な容量値及び等価直列抵抗値を算出するステップ(ステップS203)と、を含む。放電式特性測定処理と充電式特性測定処理については以下に詳細を示す。
そして、ステップS203において、電源制御部50は、蓄電回路10の特性として、蓄電回路10の統合容量値及び統合平均等価直列抵抗値を求める。電源制御部50は、統合容量値として、例えば、放電式特性測定処理により測定した第1容量値と、充電式特性測定処理により測定した第2容量値の平均値を求める。また、電源制御部50は、統合等価直列抵抗値として、例えば、放電式特性測定処理により測定した第1等価直列抵抗値と充電式特性測定処理により測定した第2等価直列抵抗値との平均値を求める。
なお、統合容量値は第3容量値の一例、統合等価直列抵抗値は第3等価直列抵抗値の一例である。
放電式特性測定処理と充電式特性測定処理とを組み合わせて特性測定処理を行うことにより、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を高精度で確度を高く測定できる。
なお、最終的な容量値及び等価直列抵抗値を求める場合は、単純な平均に限らず、例えば、加重平均等を用いて求めてもよい。
[放電式特性測定処理]
第1実施形態に係る電源装置1の電源制御部50における蓄電回路10の放電式特性測定処理について説明する。図6は、第1実施形態に係る電源装置1の放電式特性測定処理を説明するフローチャートである。放電式特性測定処理は、容量値測定処理(ステップS22)と、等価直列抵抗値測定処理(ESR値測定処理)(ステップS24)と、を含む。電源制御部50は、蓄電回路10の特性として、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を求める。
[蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値]
第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の特性について説明する。図7は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の放電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。
本実施形態に係る蓄電回路10について、直列に接続している電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12を、等価的に容量値Cscを有する一つのコンデンサと、当該コンデンサに直列に接続された抵抗値ESRscを有する一つ抵抗と見なす。そして、容量値Csc及び抵抗値ESRscを用いて蓄電回路10の特性を求める。
また、直列に接続された抵抗45及び抵抗46は、抵抗値R(=抵抗値R1+抵抗値R2)の放電抵抗R_dischargeと見なして評価を行う。すなわち、抵抗45の抵抗値R1と抵抗46の抵抗値R2とを加算した抵抗値Rを放電抵抗R_dischargeの抵抗値とする。
更に、スイッチSW1及びスイッチSW2は、特性測定処理においては、同時にオン(閉)、オフ(開)する。したがって、スイッチSW1及びスイッチSW2を同時にオン(閉)、オフ(開)することを、スイッチSWdをオン(閉)、オフ(開)することで等価的に表す。
[蓄電回路10の容量値の測定]
電気二重層コンデンサは使用により特性劣化が進行する。電気二重層コンデンサの劣化が進行して、容量値が低下していった場合、例えば、モータへの供給電流に支障が生じて、バックアップ電源として使用可能な時間が短くなったり、ラッチの解除ができなかったりする場合が想定される。したがって、第1実施形態に係る電源装置1では、電気二重層コンデンサの容量値を測定して容量値の監視を行う。
図8は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の容量値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、充電回路20及び昇圧回路30は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、電源100から充電は行われていない状態である。また、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行っていない状態である。また、蓄電回路10は、本処理を行う場合は、ある程度充電されている状態、例えば、満充電の50%以上、好ましくは80%以上充電されている状態が望ましい。
図8のフローチャートに沿って、第1実施形態に係る電源装置1の電源制御部50の処理手順及び電源装置1の制御方法の工程について説明する。
(ステップS221)
最初に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオン(閉)にする。すなわち、スイッチSWdをオン(閉)にする。スイッチSW1及びスイッチSW2がオン(閉)になると、放電抵抗R_dischargeが蓄電回路10に接続される。放電抵抗R_dischargeが蓄電回路10に接続されると、蓄電回路10に蓄えられた電力が、放電抵抗R_dischargeを経由して、電流I_Rで接地に流れる。なお、蓄電回路10に蓄えられた電力が電流I_Rで接地に流れると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが低下を始める。
(ステップS222)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を開始電圧値V1として記録(取得)する。また、同時にタイマーカウントを開始する。
(ステップS223)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定値に設定された終了電圧値V2以下になったかどうかを判定する。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定の終了電圧値V2より高い場合(ステップS223のNo)は、ステップS223を再度繰り返す。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が所定の終了電圧値V2以下の場合(ステップS223のYes)は、電源制御部50は、ステップS224に処理を進める。終了電圧値V2は、開始電圧値V1よりも低い値に設定される。
(ステップS224)
次に、電源制御部50は、タイマーカウントを停止して、カウント値を記録する。そして、電源制御部50は、カウント値からタイマーカウントを開始してから停止するまでの時間Tを算出して記録する。ステップS224の処理は、ステップS223と同時に又はステップS223を実行してから電源制御部50が実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS225)
次に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオフ(開)にする。スイッチSW1及びスイッチSW2がオフ(開)になると、放電抵抗R_dischargeは蓄電回路10から切り離される。
(ステップS226)
次に、電源制御部50は、測定した開始電圧値V1及び終了電圧値V2と、時間Tと、を用いて、式1により容量値Cscを計算する。なお、抵抗値Rは、放電抵抗R_dischargeの抵抗値である。Lnは、自然対数を表す。
Figure 2023051546000002
なお、例えば、ステップS223において、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、例えば終了電圧値V2以下になったとき、改めて端子電圧Vtcを測定して終了電圧値V2としてもよい。また、設定した時間Tsを先に設定し、スイッチSW1及びスイッチSW2をオン(閉)してステップS222において端子電圧Vtcを測定した後、時間Tsを経過した時の蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値を終了電圧値V2として測定してもよい。時間Tsを設定する場合は、式1の時間Tは時間Tsとする。
本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10から電流が放出される放電において、蓄電回路10の容量値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の容量値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
本実施形態に係る電源装置1の等化放電回路40は、蓄電回路10に蓄電されたエネルギーを放電する放電回路としても動作する。したがって、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の容量値を測定することにより、放電回路の動作の確認を行うことができる。
[蓄電回路10の等価直列抵抗値の測定]
電気二重層コンデンサは使用により特性劣化が進行する。電気二重層コンデンサの劣化が進行して、等価直列抵抗値が増加していった場合、例えば、モータへの供給電流に支障が生じて、ラッチの解除ができない場合が想定される。したがって、本実施形態に係る電源装置1では、電気二重層コンデンサの等価直列抵抗値を測定して等価直列抵抗値の監視を行う。
図9は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、充電回路20及び昇圧回路30は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、電源100から充電は行われていない状態である。また、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行っていない状態である。また、蓄電回路10は、本処理を行う場合は、ある程度充電されている状態、例えば、満充電の50%以上、好ましくは80%以上充電されている状態が望ましい。
図9のフローチャートに沿って、本実施形態に係る電源装置1の電源制御部50の処理手順及び電源装置1の制御方法の工程について説明する。
(ステップS241)
最初に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2、すなわち、スイッチSWd、をオン(閉)にする。スイッチSW1及びスイッチSW2がオン(閉)になると、放電抵抗R_dischargeが蓄電回路10に接続される。放電抵抗R_dischargeが蓄電回路10に接続されると、蓄電回路10に蓄えられた電力が、放電抵抗R_dischargeを経由して、電流I_Rで接地に流れる。蓄電回路10に蓄えられた電力が電流I_Rで接地に流れると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが低下を始める。
(ステップS242)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を導通時電圧値Vsc_onとして記憶(取得)する。
(ステップS243)
次に、電源制御部50は、ステップS242で蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定した直後に、スイッチSW1及びスイッチSW2をオフ(開)にする。スイッチSW1及びスイッチSW2がオフ(開)になると、放電抵抗R_dischargeは蓄電回路10から切り離される。ステップS243の処理は、ステップS242と同時に又はステップS242を実行してから電源制御部50が実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS244)
次に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2がオフ(開)になった後に、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を非導通時電圧値Vsc_offとして記憶(取得)する。
(ステップS245)
次に、電源制御部50は、測定した導通時電圧値Vsc_on及び非導通時電圧値Vsc_offと、を用いて、式2により等価直列抵抗値ESRを計算する。なお、抵抗値Rは、放電抵抗R_dischargeの抵抗値である。
Figure 2023051546000003
本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10から電流が放出される放電において、蓄電回路10の等価直列抵抗値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の等価直列抵抗値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
また、本実施形態に係る電源装置1の等化放電回路40は、蓄電回路10に蓄電されたエネルギーを放電する放電回路としても動作する。したがって、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の等価直列抵抗値を測定することにより、放電回路の動作の確認を行うことができる。
[蓄電回路10の容量値と等価直列抵抗値の同時測定]
また、第1実施形態に係る電源装置1は、電気二重層コンデンサの容量値及び等価直列抵抗値を同時に測定できる。
図10は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値測定処理(特性測定処理)のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、充電回路20及び昇圧回路30は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、電源100から充電は行われていない状態である。また、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行っていない状態である。また、蓄電回路10は、本処理を行う場合は、ある程度充電されている状態、例えば、満充電の50%以上、好ましくは80%以上充電されている状態が望ましい。
図10のフローチャートに沿って、本実施形態に係る電源装置1の電源制御部50の処理手順及び電源装置1の制御方法の工程について説明する。
(ステップS261)
最初に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2、すなわち、スイッチSWdをオン(閉)にする。スイッチSW1及びスイッチSW2がオン(閉)になると、放電抵抗R_dischargeが蓄電回路10に接続される。放電抵抗R_dischargeが蓄電回路10に接続されると、蓄電回路10に蓄えられた電力が、放電抵抗R_dischargeを経由して、電流I_Rで接地に流れる。蓄電回路10に蓄えられた電力が電流I_Rで接地に流れると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが低下を始める。
(ステップS262)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を開始電圧値V1として記録(取得)する。また、タイマーカウントを開始する。
(ステップS263)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定値に設定された終了電圧値V2以下になったかどうかを判定する。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定の終了電圧値V2より高い場合(ステップS263のNo)は、ステップS263を再度繰り返す。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が所定の終了電圧値V2以下の場合(ステップS263のYes)は、電源制御部50は、ステップS264に処理を進める。終了電圧値V2は、開始電圧値V1よりも低い値に設定される。
(ステップS264)
次に、電源制御部50は、タイマーカウントを停止して、カウント値を記録する。そして、電源制御部50は、カウント値からタイマーカウントを開始してから停止するまでの時間Tを算出して記録する。ステップS264の処理は、ステップS263と同時に又はステップS263を実行してから電源制御部50が実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
なお、例えば、ステップS263において、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、例えば終了電圧値V2以下になったとき、改めて端子電圧Vtcを測定して終了電圧値V2としてもよい。また、設定した時間Tsを先に設定し、スイッチSW1及びスイッチSW2をオン(閉)してステップS262において端子電圧Vtcを測定した後、時間Tsを経過した時の蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値を終了電圧値V2として測定してもよい。
(ステップS265)
次に、電源制御部50は、ステップS264の直後に、スイッチSW1及びスイッチSW2をオフ(開)にする。スイッチSW1及びスイッチSW2がオフ(開)になると、放電抵抗R_dischargeは蓄電回路10から切り離される。ステップS265の処理は、ステップS264と同時に又はステップS264を実行してから電源制御部50が実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS266)
次に、電源制御部50は、スイッチSW1がオフ(開)になった後に、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値を測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を非導通時電圧値V3として記憶する。
(ステップS267)
次に、電源制御部50は、測定した開始電圧値V1及び終了電圧値V2と、時間Tと、を用いて、式1により容量値Cscを計算する。なお、抵抗値Rは、放電抵抗R_dischargeの抵抗値である。
(ステップS268)
次に、電源制御部50は、終了電圧値V2及び測定した非導通時電圧値V3と、を用いて、式3により等価直列抵抗値ESRを計算する。なお、抵抗値Rは、放電抵抗R_dischargeの抵抗値である。
Figure 2023051546000004
本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10から電流が放出される放電において、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
[充電式特性測定処理]
第1実施形態に係る電源装置1の電源制御部50における蓄電回路10の充電式特性測定処理について説明する。図11は、第1実施形態に係る電源装置1の充電式特性測定処理を説明するフローチャートである。充電式特性測定処理は、容量値測定処理(ステップS82)と、等価直列抵抗値測定処理(ESR値測定処理)(ステップS84)と、を含む。電源制御部50は、蓄電回路10の特性として、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を求める。
[蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値]
第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の特性について説明する。図12は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の充電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。
本実施形態に係る蓄電回路10について、直列に接続している電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12を、等価的に容量値Cscを有する一つのコンデンサと、当該コンデンサに直列に接続された抵抗値ESRscを有する一つ抵抗と見なす。そして、容量値Csc及び抵抗値ESRscを用いて蓄電回路10の特性を求める。
第1実施形態に係る蓄電回路10においては、定電圧源から蓄電回路10に充電する。電源100は、定電圧源である。電源100の電源電圧Vbatで、定電圧で蓄電回路10を充電する。蓄電回路10は、電源100と蓄電回路10の間に、充電抵抗Rc及びスイッチSWcを備える。例えば、充電回路20は、充電抵抗Rc及びスイッチSWcを備える。
[蓄電回路10の容量値の測定]
図13は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の容量値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、昇圧回路30及び等化放電回路40は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、負荷装置200への給電及び等化放電動作は行っていない状態である。
図13のフローチャートに沿って、第1実施形態に係る電源装置1の電源制御部50の処理手順及び電源装置1の制御方法の工程について説明する。
(ステップS821)
最初に、電源制御部50は、スイッチSWcをオン(閉)にする。スイッチSWcがオン(閉)になると、電源100及び充電抵抗Rcが蓄電回路10に接続される。電源100及び充電抵抗Rcが蓄電回路10に接続されると、電源100から充電抵抗Rcを介して蓄電回路10が充電される。蓄電回路10が充電されると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが上昇を始める。
(ステップS822)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を開始電圧値V4として記録(取得)する。また、タイマーカウントを開始する。
(ステップS823)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定値に設定された終了電圧値V5以上になったかどうかを判定する。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定の終了電圧値V5より低い場合(ステップS823のNo)は、ステップS823を再度繰り返す。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が所定の終了電圧値V5以上の場合(ステップS823のYes)は、電源制御部50は、ステップS824に処理を進める。終了電圧値V5は、開始電圧値V4よりも高い値に設定される。
(ステップS824)
次に、電源制御部50は、タイマーカウントを停止して、カウント値を記録する。そして、電源制御部50は、カウント値からタイマーカウントを開始してから停止するまでの時間T1を算出する。ステップS824の処理は、ステップS823と同時に又はステップS823を実行してから電源制御部50が実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS825)
次に、電源制御部50は、スイッチSWcをオフ(開)にする。スイッチSWcがオフ(開)になると、電源100及び充電抵抗Rcは蓄電回路10から切り離される。
(ステップS826)
次に、電源制御部50は、測定した開始電圧値V4及び終了電圧値V5と、時間T1と、を用いて、式1により容量値Cscを計算する。なお、抵抗値Rは、充電抵抗Rcの抵抗値である。Lnは、自然対数を表す。
Figure 2023051546000005
なお、例えば、ステップS823において、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、例えば終了電圧値V5以上になったとき、改めて端子電圧Vtcを測定して終了電圧値V5としてもよい。また、設定した時間Tsを先に設定し、スイッチSWcをオン(閉)してステップS822において端子電圧Vtcを測定した後、時間Tsを経過した時の蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値を終了電圧値V5として測定してもよい。時間Tsを設定する場合は、式4の時間T1は時間Tsとする。
本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10に電流が流入する充電において、蓄電回路10の容量値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の容量値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
[蓄電回路10の等価直列抵抗値の測定]
図14は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、昇圧回路30及び等化放電回路40は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、負荷装置200への給電及び等化放電動作は行っていない状態である。
図14のフローチャートに沿って、本実施形態に係る電源装置1の電源制御部50の処理手順及び電源装置1の制御方法の工程について説明する。
(ステップS841)
最初に、電源制御部50は、スイッチSWcをオン(閉)にする。スイッチSWcがオン(閉)になると、電源100及び充電抵抗Rcが蓄電回路10に接続される。電源100及び充電抵抗Rcが蓄電回路10に接続されると、電源100から充電抵抗Rcを介して蓄電回路10が充電される。蓄電回路10が充電されると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが上昇を始める。
(ステップS842)
次に、電源制御部50は、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を導通時電圧値Vsc_on1として記憶(取得)する。
(ステップS843)
次に、電源制御部50は、ステップS842で蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定した直後に、スイッチSWcをオフ(開)にする。スイッチSWcがオフ(開)になると、電源100及び充電抵抗Rcは蓄電回路10から切り離される。ステップS843の処理は、ステップS842と同時に又はステップS842を実行してから電源制御部50が実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS844)
次に、電源制御部50は、スイッチSWcがオフ(開)になった後に、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値を非導通時電圧値Vsc_off1として記憶(取得)する。
(ステップS845)
次に、電源制御部50は、測定した導通時電圧値Vsc_on1及び非導通時電圧値Vsc_off1と、を用いて、式5により等価直列抵抗値ESRを計算する。なお、抵抗値Rは、充電抵抗Rcの抵抗値である。
Figure 2023051546000006
本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10に電流が流入する充電において、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1は、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
<端子電圧Vtcの測定>
ステップS20が終了後、電源制御部50は、端子電圧Vtcの電圧値が、保管時電圧値Vsc_stg以上か判断する(ステップS30)。
端子電圧Vtcの電圧値が、保管時電圧値Vsc_stg以上である場合(ステップS30のYES)は、ステップS40の等価処理に進む。端子電圧Vtcの電圧値が、保管時電圧値Vsc_stgより低い場合(ステップS30のNo)は、ステップS60に進む。
[等化処理]
次に、ステップS40の等化処理について説明する。図15は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の等化処理を行う回路の等価回路図である。
図16は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の等価処理のフローチャートである。
(ステップS41)
等化処理が開始されると、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオフ(開)にする。
(ステップS42)
次に、電源制御部50は、端子電圧Vtc1及び端子電圧Vtc2の電圧値を測定する。
(ステップS43)
次に、電源制御部50は、電気二重層コンデンサ11の容量電圧値Vsc1と、電気二重層コンデンサ12の容量電圧値Vsc2を算出する。具体的には、容量電圧値Vsc1は、端子電圧Vtc1の電圧値から端子電圧Vtc2の電圧値を引いた電圧値である。容量電圧値Vsc2は、端子電圧Vtc2の電圧値である。
(ステップS44)
次に、電源制御部50は、容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより高いか判断する。容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより高い場合(ステップS44のYes)は、等化処理が必要と判断する。容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vth以下の場合(ステップS44のNo)は、等化処理を終了する。
(ステップS45)
次に、電源制御部50は、容量電圧値Vsc1が容量電圧値Vsc2より高いか判断する。容量電圧値Vsc1が容量電圧値Vsc2より高い場合(ステップS45のYes)には、電源制御部50は、ステップS461に処理を進める。容量電圧値Vsc1が容量電圧値Vsc2より低い場合(ステップS45のNo)には、電源制御部50は、ステップS466に処理を進める。
(ステップS461)
容量電圧値Vsc1が容量電圧値Vsc2より高い場合(ステップS45のYes)には、電源制御部50は、スイッチSW1をオン(閉)にする。スイッチSW1をオン(閉)にすると、電気二重層コンデンサ11に貯蔵された電荷が抵抗45により放電される。したがって、容量電圧値Vsc1が徐々に小さくなる。
(ステップS462)
電源制御部50は、容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより低いか判断する。容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより低い場合(ステップS462のYes)は、電源制御部50は、ステップS463に処理を進める。容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vth以上の場合(ステップS462のNo)は、電源制御部50は、ステップS462の処理を繰り返す。なお、閾値電圧値Vthは、所定の電圧値ではなく、一定の幅を持った電圧の範囲としてもよい。
(ステップS463)
容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより低い場合(ステップS462のYes)には、電源制御部50は、スイッチSW1をオフ(開)にする。スイッチSW1をオフ(開)にすると、電気二重層コンデンサ11は、抵抗45から切り離される。なお、閾値電圧値Vthを電圧の範囲とした場合は、その範囲内となったら、スイッチSW1をオフ(開)にするのでもよい。
(ステップS466)
容量電圧値Vsc1が容量電圧値Vsc2より低い場合(ステップS45のNo)には、電源制御部50は、スイッチSW2をオン(閉)にする。スイッチSW2をオン(閉)にすると、電気二重層コンデンサ12に貯蔵された電荷が抵抗46により放電される。したがって、容量電圧値Vsc2が徐々に小さくなる。
(ステップS467)
電源制御部50は、容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより低いか判断する。容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより低い場合(ステップS467のYes)は、電源制御部50は、ステップS468に処理を進める。容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vth以上の場合(ステップS467のNo)は、電源制御部50は、ステップS467の処理を繰り返す。なお、閾値電圧値Vthは、所定の電圧値ではなく、一定の幅を持った電圧の範囲としてもよい。
(ステップS468)
容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2との差分の絶対値が、閾値電圧値Vthより低い場合(ステップS467のYes)には、電源制御部50は、スイッチSW2をオフ(開)にする。スイッチSW2をオフ(開)にすると、電気二重層コンデンサ12は、抵抗46から切り離される。なお、閾値電圧値Vthを電圧の範囲とした場合は、その範囲内となったら、スイッチSW2をオフ(開)にするのでもよい。
本実施形態に係る電源装置1は、容量電圧値Vsc1と容量電圧値Vsc2とを比較して、容量電圧値の高い電気二重層コンデンサを放電する。したがって、例えば、等化回路に使用する抵抗値を高く設定し常時動作させる方法や、抵抗値を低めに設定し充電を継続しながらSW1、SW2を同時にONして等化動作をさせる方法、等価回路に使用する抵抗値を低めに設定し間欠的に等価回路の各SWを単独で適時オンオフさせる方法と比較すると、等化処理に係る時間や電力を低減できる。
[放電処理]
次に、ステップS50の放電処理について説明する。図17は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の放電処理のフローチャートである。なお、放電処理は、図15の等価回路図を使って説明する。放電処理においては、蓄電回路10に係る電圧の電圧値を通常使用する場合の後述する動作電圧値Vactより低い保管時電圧値Vsc_stg以下にする。
(ステップS51)
最初に、電源制御部50は、端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、測定した端子電圧Vtcの電圧値が保管時電圧値Vsc_stgより高いかどうか判断する。端子電圧Vtcの電圧値が保管時電圧値Vsc_stgより高い場合(ステップS51のYes)は、電源制御部50は、ステップS52に処理を進める。端子電圧Vtcの電圧値が保管時電圧値Vsc_stg以下の場合(ステップS51のNo)は、蓄電回路10は十分放電され低い電圧となっているとして、放電処理を終了する。
(ステップS52)
次に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオン(閉)にして、蓄電回路10、すなわち、電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12に、放電抵抗である抵抗45及び抵抗46を接続する。すなわち、スイッチSW1及びスイッチSW2は、ノードN1から抵抗45及び抵抗46を介して接地に流れる経路を導通する。蓄電回路10に放電抵抗である抵抗45及び抵抗46を接続することにより、電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12のそれぞれに蓄電されている電荷が放電される。したがって、端子電圧Vtcは、徐々に低下する。
(ステップS53)
次に、電源制御部50は、端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、端子電圧Vtcの電圧値が、保管時電圧値Vsc_stg以下であるかどうか判断する。端子電圧Vtcの電圧値が保管時電圧値Vsc_stgより高い場合(ステップS53のNo)は、電源制御部50はステップS53を繰り返す。端子電圧Vtcの電圧値が保管時電圧値Vsc_stg以下の場合(ステップS53のYes)は、電源制御部50はステップS54に進む。
(ステップS54)
次に、電源制御部50は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオフ(開)にして、蓄電回路10、すなわち、電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12から、放電抵抗である抵抗45及び抵抗46を切り離す。すなわち、スイッチSW1及びスイッチSW2は、ノードN1から抵抗45及び抵抗46を介して接地に流れる経路を開放する。そして、電源制御部50は、放電処理を終了する。
電気二重層コンデンサは、長期間使用すると劣化する。電気二重層コンデンサの劣化は、動作温度、容量電圧によって異なる。例えば、電気二重層コンデンサにかかる電圧が低い方が、電気二重層コンデンサの劣化の進行は遅くなる。
本実施形態に係る電源装置1においては、停止状態に移行すると判断したときに、電気二重層コンデンサにかかる電圧を保管時電圧値Vsc_stg以下にすることにより、電気二重層コンデンサの劣化を抑制できる。
また、電磁二重層コンデンサの放電は、上記の放電処理に限らず、例えば、等化処理によって放電を行ってもよいし、負荷装置200等の負荷に電力を供給する処理(給電処理)によって放電を行ってもよい。いいかえると、電源制御部50は、休止状態への移行を検出した場合に、給電処理、放電処理及び等化処理の少なくともいずれか一つを実行して蓄電回路10の放電を行ってもよい。なお、電源制御部50は、給電処理、放電処理及び等化処理のそれぞれを任意に組み合わせて、蓄電回路10の放電を行ってもよい。例えば、電源制御部50は、最初に端子電圧Vtcの電圧が所定の基準電圧(第1基準電圧)になるまで放電処理を行い、その後さらに低い電圧(第2基準電圧)になるまで給電処理を行ってもよい。
さらにまた、放電処理を行う際に、放電と放電停止を複数回繰り返して行ってもよい。例えば、放電を開始して一定期間経過後放電を停止して、端子電圧Vtcを測定し、保管時電圧値Vsc_stgより大きい場合は、再度放電を開始して停止するという手順を複数回繰り返して行ってもよい。
なお、放電処理は、等化放電回路40を用いる場合に限らず、等化放電回路40とは別に放電抵抗を有する放電回路を備えてもよい。
なお、保管時電圧値Vsc_stgは第1基準電圧の一例である。
[停止状態へ移行]
放電処理が終了すると、車両は、停止状態へ移行する(ステップS60)。停止状態とは、電動ラッチ等のシステムが動作を停止し、車両全体が低消費電力の状態である。停止状態への移行において、電源制御部50は、車両制御部300から車両の状態、例えば、使用状態であるのか、停止状態であるのか、情報を取得する。そして、電源制御部50は、車両が使用状態であるのかどうかを判断する(ステップS70)。
車両が使用状態でない場合(ステップS70のNo)は、電源制御部50は、ステップS70を繰り返す。車両が使用状態であると判断した場合(ステップS70のYes)は、電源制御部50は、ステップS75の処理に進む。車両が使用状態でない場合の車両使用状態の判断は、電源制御部50によるステップS70の繰り返し判断の代わりに、車両制御部300等から電源制御部50への起動情報、車両情報等により判断してもよい。
(ステップS75)
電源制御部50は、端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、端子電圧Vtcの電圧値が、閾値電圧値Vsc_th2より低いかどうか判断する。端子電圧Vtcの電圧値が閾値電圧値Vsc_th2以上の場合(ステップS75のNo)は、電源制御部50はステップS90に処理を進める。端子電圧Vtcの電圧値が閾値電圧値Vsc_th2より低い場合(ステップS75のYes)は、電源制御部50はステップS80に処理を進める。
電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12のそれぞれは、停止状態において、電気二重層コンデンサ及び回路の漏れ電流等により、端子電圧Vtcは、時間の経過とともに低下する。したがって、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定することにより、停止状態であった期間を推定できる。
例えば、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、閾値電圧値Vsc_th2のときに、停止状態であった期間が閾値期間であると判断する。すなわち、電源制御部50は、端子電圧Vtcの電圧値が閾値電圧値Vsc_th2より低い場合は、停止状態であった期間が閾値期間より長いと判断する。
停止状態であった期間が長くなると、電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12の特性が、ステップS20で測定した状態と異なる場合が考えられる。そこで、本実施形態に係る電源装置1においては、端子電圧Vtcの電圧値が所定の閾値電圧値Vsc_th2より低い場合は、長期間停止状態が継続したとして、蓄電回路10のステップS80において特性の測定を行う。なお、ステップS80の特性測定処理は、ステップS20と同様の処理である。
例えば、ステップS20において、容量値及び等価直列抵抗値を測定しても、長期間にわたって停止状態で放置されると、放電時に測定した容量値及び等価直列抵抗値が有効でない場合が考えられる。そこで、ステップS75において、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定することにより長期間停止状態であったと判断した場合には、ステップS80により使用状態に移行するときに、容量値及び等価直列抵抗値の測定を行う。使用状態に移行するときに、容量値及び等価直列抵抗値の測定を行うことにより、使用状態に移行したときの容量値及び等価直列抵抗値を正確に把握できる。なお、使用状態に移行する際の容量値及び等価直列抵抗値の測定については、充電回路による充電時における測定、または放電回路による放電時における測定、又はその両者における測定によって容量値及び等価直列抵抗値を得ることができる。
一方、短期間において停止状態であった場合には、放電時に測定した容量値及び等価直列抵抗値を用いることにより、即座の容量値及び等価直列抵抗値の劣化判定と告知が可能となり、また、充電時は充電動作のみとして測定を行なわないことによる電源制御部の処理負荷の低減や電源装置1の充電期間の短縮等を行うことができる。また、短期間の停止状態であった場合においても、毎回又は必要に応じて充電回路による充電時における測定、放電回路による放電時における測定、又はその両者における測定によって容量値及び等価直列抵抗値を得てもよい。
[充電処理]
次に、ステップS90の充電処理について説明する。図18は、第1実施形態に係る電源装置1における蓄電回路10の充電処理のフローチャートである。なお、充電処理は、図12の等価回路図を使って説明する。
(ステップS91)
最初に、電源制御部50は、スイッチSWcをオン(閉)にして、電源100及び充電抵抗Rcを蓄電回路10に接続する。蓄電回路10に電源100及び充電抵抗Rcを接続することにより、蓄電回路10の電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12のそれぞれが充電される。したがって、端子電圧Vtcは、徐々に上昇する。この時、スイッチSWcを間欠的にオン(閉)にしPWM動作をさせてもよいし、PWMのDutyを変化させ、疑似的な定電流充電としてもよい。
(ステップS92)
次に、電源制御部50は、端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50は、端子電圧Vtcの電圧値が、動作電圧値Vactより高いかどうか判断する。端子電圧Vtcの電圧値が動作電圧値Vact以下である場合(ステップS93のNo)は、電源制御部50はステップS92を繰り返す。端子電圧Vtcの電圧値が動作電圧値Vactより高い場合(ステップS92のYes)は、電源制御部50はステップS93に進む。
(ステップS93)
次に、電源制御部50は、スイッチSWcをオフ(開)にして、電源100及び充電抵抗Rcを蓄電回路10から切り離す。そして、電源制御部50は、充電処理を終了する。
<<第2実施形態>>
<電源装置1a>
図19は、本実施形態に係る電源装置1aの構成例を示す図である。電源装置1aは、電源装置1に更に定電流放電回路48を備える。また、電源装置1aは、電源装置1の充電回路20及び電源制御部50に換えて、それぞれ充電回路20a及び電源制御部50aを備える。
[定電流放電回路48]
定電流放電回路48は、蓄電回路10から所定の定電流で放電する回路である。定電流放電回路48は、電源制御部50aにより制御される。電源制御部50aは、放電制御信号CTL6により、定電流放電回路48を制御する。
第2実施形態に係る電源装置1aは、第1実施形態に係る電源装置1と、ステップS20における放電式特性測定処理の内容及び充電式特性測定処理の内容が異なる。ステップS80についても同様である。
[放電式特性測定処理]
最初に、第2実施形態に係る電源装置1aの電源制御部50aにおける蓄電回路10の放電式特性測定処理について説明する。図20は、第2実施形態に係る電源装置1aの放電式特性測定処理を説明するフローチャートである。放電式特性測定処理は、容量値測定処理(ステップS122)と、等価直列抵抗値測定処理(ESR値測定処理)(ステップS124)と、を含む。電源制御部50aは、蓄電回路10の特性として、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を求める。
[蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値]
第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の特性について説明する。図21は、第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の放電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。
本実施形態に係る蓄電回路10について、直列に接続している電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12を、等価的に容量値Cscを有する一つのコンデンサと、当該コンデンサに直列に接続された抵抗値ESRscを有する一つ抵抗と見なす。そして、容量値Csc及び抵抗値ESRscを用いて蓄電回路10の特性を求める。
定電流放電回路48は、定電流源CCSdと、スイッチSWd1と、を備える。定電流源CCSdは、スイッチSWd1がオン(閉)になると、一定の電流I_ccsdを流す。
[蓄電回路10の容量値の測定]
図22は、第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の容量値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、充電回路20a及び昇圧回路30は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、電源100から充電は行われていない状態である。また、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行っていない状態である。また、等化放電回路40のスイッチSW1及びスイッチSW2は、オフ(開)であるとする。
図22のフローチャートに沿って、第2実施形態に係る電源装置1aの電源制御部50aの処理手順及び電源装置1aの制御方法の工程について説明する。
(ステップS1221)
最初に、電源制御部50aは、定電流放電回路48のスイッチSWd1をオン(閉)にする。スイッチSWd1がオン(閉)になると、定電流源CCSdが蓄電回路10に接続される。定電流源CCSdが蓄電回路10に接続されると、蓄電回路10から一定の電流I_ccsdが接地に流れる。蓄電回路10から一定の電流I_ccsdが接地に流れると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが低下を始める。
(ステップS1222)
次に、電源制御部50aは、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50aは、測定した端子電圧Vtcの電圧値を開始電圧値V11として記録(取得)する。また、タイマーカウントを開始する。
(ステップS1223)
次に、電源制御部50aは、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定値に設定された終了電圧値V12以下になったかどうかを判定する。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定の終了電圧値V12より高い場合(ステップS1223のNo)は、ステップS1223を再度繰り返す。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が所定の終了電圧値V12以下の場合(ステップS1223のYes)は、電源制御部50aは、ステップS1224に処理を進める。終了電圧値V12は、開始電圧値V11よりも低い値に設定される。
(ステップS1224)
次に、電源制御部50aは、タイマーカウントを停止して、カウント値を記録する。そして、電源制御部50aは、カウント値からタイマーカウントを開始してから停止するまでの時間T2を算出して記録する。ステップS1224の処理は、ステップS1223と同時に又はステップS1223を実行してから電源制御部50aが実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS1225)
次に、電源制御部50aは、スイッチSWd1をオフ(開)にする。スイッチSWd1がオフ(開)になると、定電流源CCSdは蓄電回路10から切り離される。
(ステップS1226)
次に、電源制御部50aは、測定した開始電圧値V11及び終了電圧値V12と、時間T2と、を用いて、式6により容量値Cscを計算する。なお、電流値Icは、定電流源CCSdを流れる一定の電流である電流I_ccsdの電流値である。
Figure 2023051546000007
なお、例えば、ステップS1223において、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、例えば終了電圧値V12以下になったとき、改めて端子電圧Vtcを測定して終了電圧値V12としてもよい。また、設定した時間Tsを先に設定し、スイッチSWd1をオン(閉)してステップS1222において端子電圧Vtcを測定した後、時間Tsを経過した時の蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値を終了電圧値V12として測定してもよい。時間Tsを設定する場合は、式6の時間T2は時間Tsとする。
本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10から電流が放出される放電において、蓄電回路10の容量値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10の容量値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
[蓄電回路10の等価直列抵抗値の測定]
図23は、第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、充電回路20a及び昇圧回路30は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、電源100から充電は行われていない状態である。また、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行っていない状態である。また、等化放電回路40のスイッチSW1及びスイッチSW2は、オフ(開)であるとする。
図23のフローチャートに沿って、本実施形態に係る電源装置1aの電源制御部50aの処理手順及び電源装置1aの制御方法の工程について説明する。
(ステップS1241)
最初に、電源制御部50aは、スイッチSWd1をオン(閉)にする。スイッチSWd1がオン(閉)になると、定電流源CCSdが蓄電回路10に接続される。定電流源CCSdが蓄電回路10に接続されると、蓄電回路10から一定の電流I_ccsdが接地に流れる。蓄電回路10から一定の電流I_ccsdが接地に流れると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが低下を始める。
(ステップS1242)
次に、電源制御部50aは、一定期間待機する。例えば、電流I_ccsdが安定するまで、電源制御部50aは、一定期間待機する。
(ステップS1243)
次に、電源制御部50aは、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50aは、測定した端子電圧Vtcの電圧値を導通時電圧値Vsc_on2として記憶(取得)する。
(ステップS1244)
次に、電源制御部50aは、ステップS1243で蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定した直後に、スイッチSWd1をオフ(開)にする。スイッチSWd1がオフ(開)になると、定電流源CCSdは蓄電回路10から切り離される。ステップS1244の処理は、ステップS1243と同時に又はステップS1243を実行してから電源制御部50aが実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS1245)
次に、電源制御部50aは、スイッチSW1がオフ(開)になった後に、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50aは、測定した端子電圧Vtcの電圧値を非導通時電圧値Vsc_off2として記憶(取得)する。
(ステップS1246)
次に、電源制御部50aは、測定した導通時電圧値Vsc_on2及び非導通時電圧値Vsc_off2と、を用いて、式7により等価直列抵抗値ESRを計算する。なお、電流値Icは、定電流源CCSdを流れる一定の電流である電流I_ccsdの電流値である。
Figure 2023051546000008
本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10から電流が放出される放電において、蓄電回路10の等価直列抵抗値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10の等価直列抵抗値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
[充電式特性測定処理]
第2実施形態に係る電源装置1aの電源制御部50aにおける蓄電回路10の充電式特性測定処理について説明する。図24は、第2実施形態に係る電源装置1aの充電式特性測定処理を説明するフローチャートである。充電式特性測定処理は、容量値測定処理(ステップS182)と、等価直列抵抗値測定処理(ESR値測定処理)(ステップS184)と、を含む。電源制御部50aは、蓄電回路10の特性として、蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値を求める。
[蓄電回路10の容量値及び等価直列抵抗値]
第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の特性について説明する。図25は、第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の充電式特性測定処理を行う回路の等価回路図である。
本実施形態に係る蓄電回路10について、直列に接続している電気二重層コンデンサ11及び電気二重層コンデンサ12を、等価的に容量値Cscを有する一つのコンデンサと、当該コンデンサに直列に接続された抵抗値ESRscを有する一つ抵抗と見なす。そして、容量値Csc及び抵抗値ESRscを用いて蓄電回路10の特性を求める。
第2実施形態に係る蓄電回路10においては、定電流源CCScから蓄電回路10に充電する。電源101は、定電流源CCScである。電源101は、例えば、電源100と充電回路20aとを組み合わせて構成する。電源101は、一定の電流I_ccscで、蓄電回路10を充電する。電源装置1aは、電源101と蓄電回路10の間にスイッチSWc1を備える。例えば、充電回路20aは、スイッチSWc1を備える。
[蓄電回路10の容量値の測定]
図26は、第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の容量値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、昇圧回路30、等化放電回路40、定電流放電回路48は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行わず、等化放電動作、定電流放電動作もしていない状態である。
図26のフローチャートに沿って、第2実施形態に係る電源装置1aの電源制御部50aの処理手順及び電源装置1aの制御方法の工程について説明する。
(ステップS1821)
最初に、電源制御部50aは、スイッチSWc1をオン(閉)にする。スイッチSWc1がオン(閉)になると、電源101が蓄電回路10に接続される。電源101が蓄電回路10に接続されると、電源101により蓄電回路10が充電される。蓄電回路10が充電されると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが上昇を始める。
(ステップS1822)
次に、電源制御部50aは、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50aは、測定した端子電圧Vtcの電圧値を開始電圧値V13として記録(取得)する。また、タイマーカウントを開始する。
(ステップS1823)
次に、電源制御部50aは、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定値に設定された終了電圧値V14以上になったかどうかを判定する。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、所定の終了電圧値V14より低い場合(ステップS1823のNo)は、ステップS1823を再度繰り返す。蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が所定の終了電圧値V14以上の場合(ステップS1823のYes)は、電源制御部50aは、ステップS1824に処理を進める。終了電圧値V14は、開始電圧値V13よりも高い値に設定される。
(ステップS1824)
次に、電源制御部50aは、タイマーカウントを停止して、カウント値を記録する。そして、電源制御部50aは、カウント値からタイマーカウントを開始してから停止するまでの時間T3を算出して記録する。ステップS1824の処理は、ステップS1823と同時に又はステップS1823を実行してから電源制御部50aが実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS1825)
次に、電源制御部50aは、スイッチSWc1をオフ(開)にする。スイッチSWc1がオフ(開)になると、電源101は蓄電回路10から切り離される。
(ステップS1826)
次に、電源制御部50aは、測定した開始電圧値V13及び終了電圧値V14と、時間T3と、を用いて、式8により容量値Cscを計算する。なお、電流値Icは、定電流源CCScを流れる一定の電流である電流I_ccscの電流値である。
Figure 2023051546000009
なお、例えば、ステップS1823において、蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値が、例えば終了電圧値V14以上になったとき、改めて端子電圧Vtcを測定して終了電圧値V14としてもよい。また、設定した時間Tsを先に設定し、スイッチSWc1をオン(閉)してステップS1822において端子電圧Vtcを測定した後、時間Tsを経過した時の蓄電回路10の端子電圧Vtcの電圧値を終了電圧値V14として測定してもよい。時間Tsを設定する場合は、式8の時間T3は時間Tsとする。
本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10に電流が流入する充電において、蓄電回路10の容量値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10の容量値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
[蓄電回路10の等価直列抵抗値の測定]
図27は、第2実施形態に係る電源装置1aにおける蓄電回路10の等価直列抵抗値測定処理のフローチャートである。なお、本処理を行う場合は、昇圧回路30は、動作を停止する。すなわち、蓄電回路10は、負荷装置200への給電は行っていない状態である。
図27のフローチャートに沿って、本実施形態に係る電源装置1aの電源制御部50aの処理手順及び電源装置1aの制御方法の工程について説明する。
(ステップS1841)
最初に、電源制御部50aは、スイッチSWc1をオン(閉)にする。スイッチSWc1がオン(閉)になると、電源101が蓄電回路10に接続される。電源101が蓄電回路10に接続されると、電源101により蓄電回路10が充電される。蓄電回路10が充電されると、蓄電回路10の端子電圧Vtcが徐々に上昇する。
(ステップS1842)
次に、電源制御部50aは、一定期間待機する。例えば、充電電流が安定するまで、電源制御部50aは、一定期間待機する。
(ステップS1843)
次に、電源制御部50aは、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50aは、測定した端子電圧Vtcの電圧値を導通時電圧値Vsc_on3として記憶(取得)する。
(ステップS1844)
次に、電源制御部50aは、ステップS1843で蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定した直後に、スイッチSWc1をオフ(開)にする。スイッチSWc1がオフ(開)になると、電源101は蓄電回路10から切り離される。ステップS1844の処理は、ステップS1843と同時に又はステップS1843を実行してから電源制御部50aが実行可能な範囲でできるだけ速く実行することが望ましい。
(ステップS1845)
次に、電源制御部50aは、スイッチSWc1がオフ(開)になった後に、蓄電回路10の端子電圧Vtcを測定する。そして、電源制御部50aは、測定した端子電圧Vtcの電圧値を非導通時電圧値Vsc_off3として記憶(取得)する。
(ステップS1846)
次に、電源制御部50aは、測定した導通時電圧値Vsc_on3及び非導通時電圧値Vsc_off3を用いて、式9により等価直列抵抗値ESRを計算する。なお、電流値Icは、定電流源CCScを流れる一定の電流である電流I_ccscの電流値である。
Figure 2023051546000010
本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10に電流が流入する充電において、蓄電回路10の容量値を測定することができる。また、本実施形態に係る電源装置1aは、蓄電回路10の容量値を測定することにより、蓄電回路10が備える電気二重層コンデンサの特性劣化を監視することができる。
<作用・効果>
本実施形態に係る電源装置は、放電時と充電時に電気二重層コンデンサの特性を測定することから、電気二重層コンデンサの容量値と等価直列抵抗値を高精度及び高確度で測定できる。
以上、電源装置を実施形態により説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
本実施形態に係る電源装置は、電動ラッチシステムのバックアップ電源に限らず、例えば、ブレーキシステム(電動パーキングブレーキを含む電動ブレーキ)、エアバッグシステム用のパックアップのバックアップ電源として用いられてもよい。また、本実施形態に係る電源装置は、バックアップ電源に限らず、主電源(通常状態で使用する電源)として用いてもよい。
1、1a 電源装置
10 蓄電回路
11、12 電気二重層コンデンサ
20、20a 充電回路
30 昇圧回路
40 等化放電回路
41 スイッチ
41a 第1端子
41b 第2端子
42 スイッチ
42a 第1端子
42b 第2端子
45 抵抗
46 抵抗
48 定電流放電回路
50、50a 電源制御部
300 車両制御部

Claims (5)

  1. 電源に接続される第1ノード及び接地される第2ノードを有し、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に電気二重層コンデンサを備える蓄電回路と、
    前記蓄電回路を放電する放電回路と、
    前記蓄電回路を充電する充電回路と、
    前記第1ノードの電圧を測定し、前記放電回路及び前記充電回路を制御する電源制御部と、を備え、
    前記電源制御部は、
    前記放電回路が前記蓄電回路を放電する時に、前記第1ノードの電圧を測定し、前記電気二重層コンデンサの第1容量値及び第1等価直列抵抗値を測定する手順と、
    前記充電回路が前記蓄電回路を充電する時に、前記第1ノードの電圧を測定し、前記電気二重層コンデンサの第2容量値及び第2等価直列抵抗値を測定する手順と、
    前記第1容量値及び前記第2容量値に基づいて第3容量値を算出する手順と、
    前記第1等価直列抵抗値及び前記第2等価直列抵抗値に基づいて第3等価直列抵抗値を算出する手順と、を実行する、
    電源装置。
  2. 前記電源制御部は、
    前記第3容量値を算出する手順において、前記第1容量値と前記第2容量値との平均により前記第3容量値を算出し、
    前記第3等価直列抵抗値を算出する手順において、前記第1等価直列抵抗値と前記第2等価直列抵抗値との平均により前記第3等価直列抵抗値を算出する、
    請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記放電回路は、前記蓄電回路を放電する時に前記第1ノードに接続される放電抵抗を備え、
    前記充電回路は、前記蓄電回路を充電する時に前記第1ノードに定電圧を供給する、
    請求項1又は請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記放電回路は、前記蓄電回路を放電する時に前記第1ノードに接続される定電流源を備え、
    前記充電回路は、前記蓄電回路を充電する時に前記第1ノードに定電流を供給する、
    請求項1又は請求項2に記載の電源装置。
  5. 電源に接続される第1ノード及び接地される第2ノードを有し、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に電気二重層コンデンサを備える蓄電回路と、
    前記蓄電回路を放電する放電回路と、
    前記蓄電回路を充電する充電回路と、
    を備える電源装置の制御方法であって、
    前記放電回路が前記蓄電回路を放電する時に、前記第1ノードの電圧を測定し、前記電気二重層コンデンサの第1容量値及び第1等価直列抵抗値を測定する手順と、
    前記充電回路が前記蓄電回路を充電する時に、前記第1ノードの電圧を測定し、前記電気二重層コンデンサの第2容量値及び第2等価直列抵抗値を測定する手順と、
    前記第1容量値及び前記第2容量値に基づいて第3容量値を算出する手順と、
    前記第1等価直列抵抗値及び前記第2等価直列抵抗値に基づいて第3等価直列抵抗値を算出する手順と、を含む、
    電源装置の制御方法。
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