JP2023051174A - ターボポンプ - Google Patents

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JP2023051174A JP2021161693A JP2021161693A JP2023051174A JP 2023051174 A JP2023051174 A JP 2023051174A JP 2021161693 A JP2021161693 A JP 2021161693A JP 2021161693 A JP2021161693 A JP 2021161693A JP 2023051174 A JP2023051174 A JP 2023051174A
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豊 和田
Yutaka Wada
正司 堀内
Shoji Horiuchi
卓司 園田
Takuji Sonoda
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Kuroiso Seisakusho Co Ltd
UBE KOKI KK
Chiba Institute of Technology
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Kuroiso Seisakusho Co Ltd
UBE KOKI KK
Chiba Institute of Technology
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Abstract

【課題】摩擦損失を抑制して効率よく冷却しつつ、モータ効率の低下を防止する。【解決手段】インペラ20の回転により被昇圧流体を昇圧するポンプ部19と、インペラの接続された主軸28を軸線回りに回転するモータ部10と、を備え、主軸に沿った方向にポンプ部からモータ部へと被昇圧流体の一部を流通させてモータ部を冷却するターボポンプ1であって、モータ部が、主軸と同心である両端の閉じた円筒状のケーシング3と、ケーシングの内部に収納された電動ステータ18と、電動ステータとギャップGを介してその内側に主軸と一体に回転する電動ロータ14と、ケーシングにおけるポンプ部に近接した主軸の回りに開口してケーシングの内部に被昇圧流体を流通させる流通部43と、を備え、主軸に設けられて流通部からケーシングに流通された被昇圧流体を気液分離し、気相を電動ロータに、液相を電動ステータに振り分ける気液分離部100を有する。【選択図】図1

Description

本発明はターボポンプに関する。
液体燃料ロケットは、液体水素や液体メタンなどの低沸点の推進剤(燃料)と液体酸素などの低沸点の酸化剤(ともに液体) をそれぞれのタンクから高圧の燃焼室へと送りこみ、燃焼室で燃焼させて発生した高温のガスを、ノズルから噴射することで推力を得るロケットである。ポンプで推進剤と酸化剤を燃焼室に送りこむポンプ方式が液体燃料ロケットにおいて用いられる場合がある。
ポンプを駆動するために電動モータ、例えばキャンドモータを使用することができる。キャンドモータを用いたロケットエンジン用電送ターボポンプが特許文献1に開示されている。この技術では、ロータが高速回転する缶の内部は気相とすることで粘性摩擦抵抗を抑制し、外部は液相とすることで、ステータの冷却をおこなっている。
つまり、特許文献1に記載の技術では、缶の仕切りによって、ロータ周囲を気相、ステータ周囲を液相に保持しており、これにより、回転時の摩擦損失の抑制と、スタータの冷却とを両立させている。
国際公開第2020/195792号
しかし、上記の特許文献に記載された技術では、ロータとステータとの間に固体壁が存在するため、ロータとステータとの間のギャップが広くなり、モータ効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、モータ効率の低下を防止しつつ、回転持の冷却液による摩擦損失の抑制とステータの冷却とを同時に可能とするターボポンプを提供するという目的を達成しようとするものである。
本発明の請求項1に記載されたターボポンプは、
インペラの回転により被昇圧流体を昇圧するポンプ部と、
前記インペラの接続された主軸を軸線回りに回転するモータ部と、
を備え、
前記主軸に沿った方向に前記ポンプ部から前記モータ部へと前記被昇圧流体の一部を流通させて前記モータ部を冷却するターボポンプであって、
前記モータ部が、
前記主軸と同心である両端の閉じた円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの内部に収納された電動ステータと、
前記電動ステータとギャップを介してその内側に前記主軸と一体に回転する電動ロータと、
前記ケーシングにおける前記ポンプ部に近接した前記主軸の回りに開口して前記ケーシングの内部に前記被昇圧流体を流通させる流通部と、
を備え、
前記主軸に設けられて前記流通部から前記ケーシングに流通された前記被昇圧流体を気液分離し、気相を前記電動ロータに、液相を前記電動ステータに振り分ける気液分離部を有する、
ことにより上記課題を解決した。
この構成によれば、主軸と一体に回転する気液分離部によって、気相と液相とが混ざった被昇圧流体を、気相と液相とに分離するとともに、気液分離部の回転によって、分離した被昇圧流体のうち液相を冷却材として主軸回りの径方向外側に位置する電動ステータに供給し、同時に、気液分離部によって分離した被昇圧流体のうち気相を冷却材として主軸回りの径方向内側に位置する電動ロータに供給して、電動ロータの高速回転により生じる摩擦損失を低減しつつ、電動ステータおよび電動ロータをそれぞれ冷却することができる。
これにより、キャンドモータとは異なり、缶による仕切りを用いることなく電動ロータと電動ステータとのギャップが大きくならない状態で、モータ部を駆動することが可能となり、効果的に冷却を可能としつつ、モータ効率の低下を防止することができる。
本発明の請求項2に記載されたターボポンプは、
前記気液分離部が、前記主軸に設けられて一体に回転可能な気液分離板を有する、
ことができる。
この構成によれば、主軸が回転することで気液分離板を回転させて、流通部からケーシング内に流通した被昇圧流体を気相と液相とに分離することが可能となる。
これにより、気相を電動ロータの冷却に用い、液相を電動ステータの冷却に用いることができる。
本発明の請求項3に記載されたターボポンプは、
前記気液分離板が、前記主軸の軸線方向において前記電動ロータよりも前記インペラに近接して設けられる、
ことができる。
この構成によれば、流通部を介してポンプ部で昇圧する被昇圧流体の一部をケーシング内に導入するとともに、その導入位置をケーシング内における気液分離板に近接した位置とすることが可能となり、効率的に電動ロータと電動ステータとを冷却する気相と液相とを分離して、液相が高速回転する電動ロータに接触しないようにすることができる。これにより、摩擦損失を効果的に低減することができる。
本発明の請求項4に記載されたターボポンプは、
前記気液分離板が、前記主軸の径方向に沿って延在する気液分離面を有する、
ことができる。
この構成によれば、流通部を介し主軸に沿ってケーシング内に供給された被昇圧流体が、主軸回りの径方向に延在する気液分離面の回転による遠心力によって、気相と液相との分離位置を径方向で異なるように容易に分離することが可能となる。
本発明の請求項5に記載されたターボポンプは、
前記気液分離板の径方向寸法が、前記電動ロータの径寸法と同じか前記電動ロータの径寸法より小さい、
ことができる。
この構成によれば、気液分離板の回転による遠心力によって、分離した気相と液相とのうち、液相を冷却材として主軸回りの径方向外側に位置する電動ステータに供給し、同時に、気液分離部によって分離した被昇圧流体のうち気相を冷却材として主軸回りの径方向内側に位置する電動ロータに供給することができる。
本発明の請求項6に記載されたターボポンプは、
前記気液分離板が、前記主軸の軸線方向における前記電動ステータ端部と同じ位置か前記電動ステータ端部よりも前記インペラに近接する位置に設けられる、
ことができる。
この構成によれば、気液分離板の回転による遠心力によって、分離した気相と液相とのうち、液相を冷却材として主軸回りの径方向外側に位置する電動ステータに供給し、同時に、気液分離部によって分離した被昇圧流体のうち気相を冷却材として主軸回りの径方向内側に位置する電動ロータに供給することができる。
本発明の請求項7に記載されたターボポンプは、
前記ケーシングは、
前記主軸に沿った方向で前記電動ステータの前記ポンプ部と逆側に前記ケーシング内部の前記被昇圧流体を排出する排出部と、
前記ケーシングの内周面と前記電動ステータとの間に、前記主軸に沿った方向に延在する冷却溝と、
を有する、
ことができる。
この構成によれば、電動ステータを冷却する液相の被昇圧流体を冷却溝によって主軸に沿った方向に移動して、排出部から排出することができる。同時に、電動ロータと電動ステータとの間のギャップによって、電動ロータを冷却する気相を主軸に沿った方向に移動して、摩擦損失を低減しつつ排出部から排出することができる。
本発明の請求項8に記載されたターボポンプは、
前記冷却溝は、前記主軸に沿った方向で前記ポンプ部に近接する端部が前記気液分離板よりも前記ポンプ部から離間する
ことができる。
この構成によれば、気液分離板の回転による遠心力によって分離した液相を効率よく冷却溝へと導入することができる。同時に、気液分離板の回転による遠心力によって分離した気相が冷却溝へと侵入することを効率的に抑制することができる。
本発明の請求項9に記載されたロケットエンジンシステムは、
上記のいずれか記載のターボポンプと、
前記ターボポンプによって前記被昇圧流体が供給される燃焼室と、
を有する
ことができる。
本発明によれば、モータ効率の低下を防止しつつ、回転持の冷却液による摩擦損失の抑制とステータの冷却とを同時に可能とするターボポンプを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るターボポンプの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係るロケットエンジンシステムの第1実施形態を示す模式図である。
以下、本発明に係るターボポンプの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるターボポンプを示す斜視図であり、図において、符号1は、ターボポンプである。
本実施形態に係るターボポンプ1は、ロケットエンジンシステムに用いられる。
本実施形態に係るターボポンプ1は、図1に示すように、モータ部10とポンプ部19を備える。ポンプ部19の取扱い液(被昇圧流体)は、ロケットエンジンの燃料や酸化剤である。ターボポンプ1は、高速回転(1万~10万rpm)する用途に用いることもできる。取扱い液は、液体水素や液体メタンといった燃料や、液体酸素や亜酸化窒素と言った酸化剤などであってよい。
ターボポンプ1は、ポンプ部19の羽根車(インペラ)20にて昇圧した取扱い液の一部が吐出ケーシング54とモータ部10の間の主軸28の周囲に形成された流通部43を通過し、モータケーシング3内部のロータ・ステータ室12に供給されて、この取扱い液によりモータ部10が冷却される。
モータ部10は、ロータ・ステータ室12に収納配置されるステータ18と、ロータ14とを有する。モータ部10には、駆動電力を供給する図示しない電源が接続される。さらに、モータ部10には、気液分離部100が設けられる。モータ部10は、ロータ・ステータ室12を冷却するための冷却液がロータ・ステータ室12に流入するように構成された流通部43と、冷却液がロータ・ステータ室12から流出するように構成された排出部44とを有する。
ロータ14は、毎分1万回から10万回、高速回転する。モータ部10おいては、主軸28を支える2個のラジアル軸受32(玉軸受)他の各部が高速回転下で発熱するが、ロータ・ステータ室12を通過する取扱い液によって冷却される。本実施形態では冷却液は、ポンプ部19で昇圧される燃料である。
本実施形態では、ステータ18の冷却は液体により行い、ロータ14の冷却は気体により行う。
ポンプ部19は、羽根車20とポンプケーシング21で構成されている。ポンプケーシング21は、吸込カバー52と吐出ケーシング54とを有する。吸込カバー52に吸込口23が設けられ、吐出ケーシング54に吐出口25が設けられる。取扱い液はポンプケーシング21の吸込口23から羽根車20に吸引され、羽根車20の回転により昇圧されて、ポンプケーシング21の吐出口25からポンプ外部に圧送される。なお、ポンプ部19は高速回転であるため、燃料や酸化剤の吸込性能の向上を目的として、ポンプ部19には、インデューサ50を羽根車20の上流側直前に配置している。
羽根車20は、モータ部10によって回転される。モータ部10は、ロータ14と、ステータ18と、モータケーシング(ケーシング)3と、主軸28とを有している。羽根車20は、ロータ14が固定されている主軸28に結合されている。この主軸28は、モータケーシング3に設けられているラジアル軸受32で回転可能に支承されている。
モータケーシング3は、モータハウジングまたはモータフレームとも呼ばれる。モータケーシング3は、円筒状のモータフレーム56と、モータフレーム56の両端を塞いで閉じる軸受カバー5、軸受ケーシング60、流通板58とを有する。モータフレーム56、軸受カバー5、流通板58、軸受ケーシング60は、本実施形態では、別箇の部品であるが、これらの部品の任意の組み合わせを、一体化した部品とすることができる。
ロータ・ステータ室12は、モータケーシング3のモータフレーム56、軸受カバー5、軸受ケーシング60、流通板58により形成されている。このロータ・ステータ室12には取扱い液が流入している。モータケーシング3の軸受カバー5と流通板58には、ラジアル軸受32が固定されている。流通板58は、軸受ケーシング60の中央に配置される。流通板58の中央には、ラジアル軸受32が固定されている。
ロータ(電動ロータ)14は、ロータ・ステータ室12の内部に設けられているステータ(電動ステータ)18が発生する電磁気的な作用により回転力を発生している。ロータ14は、回転軸である主軸28の周りに配置されたロータコアを有する。
ロータ14の端部14aには、径方向の寸法が小さく形成された薄肉部14cが形成される。ロータ14の端部14bには、径方向の寸法が小さく形成された薄肉部14dが形成される。
ステータ18は、略円筒形状で、多数の軸方向スロットを有するステータコアと、これら軸方向スロットの内部に収められたモータコイルを有している。モータコイルの軸方向の両端部にコイルエンド部がある。モータコイルに、例えば後述する駆動回路から電力が供給されることで、ステータ18は回転磁界を発生する。
ステータ18の端部18aには、径方向の寸法が小さく形成された薄肉部18cが形成される。ステータ18の端部18bには、径方向の寸法が小さく形成された薄肉部18dが形成される。
ロータ14とステータ18の間には、所定のギャップGが形成される。主軸28に沿った方向では、ロータ14の端部14aとステータ18の端部18aとは異なる位置にある。具体的には、ロータ14の端部14aよりもステータ18の端部18aが、主軸28に沿った方向で、ポンプ部19に近接する。
ステータ18とモータフレーム56との間には、主軸28に沿った方向に延在する冷却溝110が形成される。冷却溝110は、モータフレーム56の内周面に凹溝として形成される。あるいは、冷却溝110が、ステータ18の外周面に凹溝として形成されてもよい。冷却溝110は、モータフレーム56の内周面に周方向に互いに離間して複数本形成される。
主軸28に沿った方向における冷却溝110の端部110aは、後述する気液分離板101よりも、ロータ14の端部14aに近接して形成される。冷却溝110の端部110aは、主軸28に沿った方向において、ステータ18の端部18aよりもインペラ20から離間した位置にある。冷却溝110の端部110aは、ステータ18の薄肉部18cの径方向外側に位置する。冷却溝110の端部110aは、主軸28に沿った方向において、ステータ18の薄肉部18cと対応した位置にある。つまり、冷却溝110の端部110aは、主軸28に沿った方向において、ステータ18の端部18aと薄肉部18cの基端との間に位置する。
主軸28に沿った方向における冷却溝110の端部110bは、主軸28に沿った方向において、ステータ18の端部18bよりも軸受カバー5から離間した位置にある。冷却溝110の端部110bは、ステータ18の薄肉部18dの径方向外側に位置する。冷却溝110の端部110bは、主軸28に沿った方向において、ステータ18の薄肉部18dと対応した位置にある。つまり、冷却溝110の端部110bは、主軸28に沿った方向において、ステータ18の端部18bと薄肉部18dの基端との間に位置する。
モータ部10は、ロータ14およびステータ18を冷却するための冷却液がロータ・ステータ室12に流入するように構成された流通部43と、冷却液がロータ・ステータ室12から流出するように構成された排出部44とを有する。
流通部43は、流通板58に貫通孔として形成されている。流通部43は、主軸28の周囲に配置される。流通部43は、主軸28の回りで周方向に離間して複数形成される。流通部43は、インペラ20よりもモータ部10側にあり、主軸28に沿った方向に見てロータ14に重なる。流通部43は、ポンプ部19およびモータ部10に開口している。流通部43は、ポンプ部19からモータ部10へと連通している。流通部43は、主軸28に沿った方向に見てラジアル軸受32に重ならない配置とされる。
流通部43は、主軸28に沿った方向に見て後述する気液分離板101に重なる。流通部43となる貫通孔は、流通板58に主軸28の周りに複数設けてもよい。
排出部44は、主軸28に沿った方向でポンプ部19とは逆側となるモータケーシング3の外周位置に設けられる。
排出部44は、軸受カバー5に近接して設けられる。軸受カバー5にラジアル軸受32bが備えられる。排出部44は、軸受カバー5に近接したモータフレーム56の外周端部に設けられる。排出部44は、モータフレーム56に複数個設けてもよい。排出部44は、軸受カバー5に設けてもよい。
ロータ・ステータ室12の内部で流通部43に近接する位置には、気液分離部100が設けられる。
気液分離部100は、主軸28に設けられる。気液分離部100は、流通部43からロータ・ステータ室12に流通された取扱い液(被昇圧流体)を気液分離し、気相を電動ロータ14に、液相を前記電動ステータ18に振り分ける。
気液分離部100は、主軸28に設けられて一体に回転可能な気液分離板101を有する。気液分離板101は、主軸28の軸線方向において電動ロータ14よりもインペラ20に近接して設けられる。気液分離板101は、主軸28の軸線方向と直交する円盤状とされる。
気液分離板101は、主軸28の径方向に沿って延在する気液分離面103を有する。気液分離面103は、気液分離板101の流通部43に対向する側の全面とされる。気液分離板101の径方向寸法は、電動ロータ14の径寸法と同じか電動ロータ14の径寸法より小さい。気液分離板101の径方向寸法は、ギャップGの径方向寸法よりも小さい。
気液分離板101は、主軸28の軸線方向における電動ステータ18の端部18aと同じ位置か、端部18aよりもインペラ20に近接する位置に設けられる。気液分離板101は、主軸28の軸線方向において、ラジアル軸受32aに隣接して、主軸28に設けられる。
気液分離面103は、ステータ18の端部18aと平行な面である。気液分離面103は、ロータ14の端部14aと平行な面である。気液分離面103は、主軸28の軸線方向において、ステータ18の端部18aよりもやや流通部43に近接する。
本実施形態におけるターボポンプ1には、モータ部10に電源から駆動電力を供給して駆動し、主軸28端部に接続されたインペラ20を回転させる。これにより、吸込口23から取扱い液がインペラ20に吸引され、インペラ20の回転により昇圧されて、吐出口25からポンプ外部に圧送される。
このとき、取扱い液の一部が流通部43から、ロータ・ステータ室12に流入する。
流通部43から流入した取扱い液は、主軸28に沿った方向にロータ・ステータ室12に流入する。すると、流通部43から流入した取扱い液は、気液分離部100の気液分離板101に形成された気液分離面103に当たる。このとき、主軸28に固定された気液分離板101は、主軸28と一体に回転している。気液分離面103に当たった取扱い液は、気液分離面103において遠心力により主軸28の径方向に飛ばされる。
すると、取扱い液のうち、気相に比べて液相が勢いよく飛ばされて、気相に比べて液相が遠くに飛ばされて、気相と液相とに分離される。
分離された気相は、ロータ・ステータ室12における径方向の内側で主軸28の軸方向に移動する。同時に、分離された液相は、ロータ・ステータ室12の径方向外側で主軸28の軸方向に移動する。
ステータ18の薄肉部18cよりも径方向内側の気相である取扱い液は、冷却剤としてステータ18とロータ14とのギャップGを主軸28の軸方向に移動する。このとき、冷却剤はガスであるため、ステータ18とロータ14とを冷却しても、摩擦損失の発生を抑制することができる。
ステータ18の薄肉部18cよりも径方向外側の液相である取扱い液は、冷却剤としてステータ18とモータフレーム56との冷却溝110を主軸28の軸方向に移動する。このとき、冷却剤は液体であるため、ステータ18とモータフレーム56とを充分冷却することができる。
ギャップGを移動した気相である冷却剤と、冷却溝110を移動した液相である冷却剤とは、ロータ・ステータ室12を主軸28の軸方向に移動し、ステータ18の端部18bに対応する位置を通過して、排出部44からロータ・ステータ室12の外部へと排出される。冷却剤は、その後、燃焼室に送られる。
ステータ18やロータ14で発生した電気的損失に起因する発熱の一部は、ロータ・ステータ室12内の冷却液で除去される。このとき、モータ部10から発生した熱で取扱い液のガス化(気化)が促進された場合でも、高速回転するロータ14には、液相の取扱い液は接触しない。このため、取扱い液は流れにくくなることがなく、ステータ18の冷却が困難となることがなく、モータ部10の温度が急上昇して機能停止に至ることがない。また、取扱い液のガス化(気化)によりロータ14や、その他の回転体が振動を起こすこともない。
同時に、液相の取扱い液をステータ18の外周で流すことができるため、ステータ18の冷却を充分に行うことができる。
このように、気液分離板101の遠心分離作用によって気液を分離し、気相と液相とで別々に充分な冷却をおこないつつも、キャンドモータのようにロータ14とステータ18との間に、仕切り部材等を配置する必要がないため、ギャップGを狭くしてモータの出力が低下してモータ効率を高くすることができる。
次に、本実施形態におけるターボポンプ1を備えたロケットエンジンシステムについて説明する。
図2は、本実施形態におけるロケットエンジンシステムを示す模式図である。
ロケットエンジンシステム90は、ロケット99に搭載されて、図2に示すように、タンク91と、ターボポンプ1と、固体推進薬95を備えた燃焼室93とを有する。ロケット99は、液体燃料ロケットやハイブリッドロケットである。固体推進薬95は、固体推進薬や、固体燃料を含む。
タンク91は、液体水素や液体メタンなどの液体燃料他の取扱い液を貯留する。取扱い液は、タンク91から配管によりターボポンプ1に送られて、ターボポンプ1により高圧にされた後に、配管を介して燃焼室93に送られる。
また、一部の取扱い液は、流通部43からロータ・ステータ室12へと送られてモータ部10を冷却した後、排出部44から排出されて、同様に、配管を介して燃焼室93に送られる。なお、配管には、所定の制御弁、あるいは他のポンプ等が設けられていてもよい。
以上、本発明の実施形態の例について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
1…ターボポンプ
3…モータケーシング(ケーシング)
5…軸受カバー
10…モータ部
12…ロータ・ステータ室
14…ロータ(電動ロータ)
18…ステータ(電動ステータ)
19…ポンプ部
20…羽根車(インペラ)
21…ポンプケーシング
28…主軸
32,32a,32b…ラジアル軸受
43…流通部
44…排出部
56…モータフレーム
58…流通板
60…軸受ケーシング
90…ロケットエンジンシステム
93…燃焼室
99…液体燃料ロケット
100…気液分離部
101…気液分離板
103…気液分離面
110…冷却溝
G…ギャップ

Claims (9)

  1. インペラの回転により被昇圧流体を昇圧するポンプ部と、
    前記インペラの接続された主軸を軸線回りに回転するモータ部と、
    を備え、
    前記主軸に沿った方向に前記ポンプ部から前記モータ部へと前記被昇圧流体の一部を流通させて前記モータ部を冷却するターボポンプであって、
    前記モータ部が、
    前記主軸と同心である両端の閉じた円筒状のケーシングと、
    前記ケーシングの内部に収納された電動ステータと、
    前記電動ステータとギャップを介してその内側に前記主軸と一体に回転する電動ロータと、
    前記ケーシングにおける前記ポンプ部に近接した前記主軸の回りに開口して前記ケーシングの内部に前記被昇圧流体を流通させる流通部と、
    を備え、
    前記主軸に設けられて前記流通部から前記ケーシングに流通された前記被昇圧流体を気液分離し、気相を前記電動ロータに、液相を前記電動ステータに振り分ける気液分離部を有する、
    ことを特徴とするターボポンプ。
  2. 前記気液分離部が、前記主軸に設けられて一体に回転可能な気液分離板を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載のターボポンプ。
  3. 前記気液分離板が、前記主軸の軸線方向において前記電動ロータよりも前記インペラに近接して設けられる、
    ことを特徴とする請求項2記載のターボポンプ。
  4. 前記気液分離板が、前記主軸の径方向に沿って延在する気液分離面を有する、
    ことを特徴とする請求項3記載のターボポンプ。
  5. 前記気液分離板の径方向寸法が、前記電動ロータの径寸法と同じか前記電動ロータの径寸法より小さい、
    ことを特徴とする請求項3または4記載のターボポンプ。
  6. 前記気液分離板が、前記主軸の軸線方向における前記電動ステータ端部と同じ位置か前記電動ステータ端部よりも前記インペラに近接する位置に設けられる、
    ことを特徴とする請求項2から5のいずれか記載のターボポンプ。
  7. 前記ケーシングは、
    前記主軸に沿った方向で前記電動ステータの前記ポンプ部と逆側に前記ケーシング内部の前記被昇圧流体を排出する排出部と、
    前記ケーシングの内周面と前記電動ステータとの間に、前記主軸に沿った方向に延在する冷却溝と、
    を有する、
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれか記載のターボポンプ。
  8. 前記冷却溝は、前記主軸に沿った方向で前記ポンプ部に近接する端部が前記気液分離板よりも前記ポンプ部から離間する
    ことを特徴とする請求項7記載のターボポンプ。
  9. 請求項1から8のいずれか記載のターボポンプと、
    前記ターボポンプによって前記被昇圧流体が供給される燃焼室と、
    を有する
    ことを特徴とするロケットエンジンシステム。
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