JP2023049831A - 紙容器用原紙及び紙容器 - Google Patents

紙容器用原紙及び紙容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2023049831A
JP2023049831A JP2021159820A JP2021159820A JP2023049831A JP 2023049831 A JP2023049831 A JP 2023049831A JP 2021159820 A JP2021159820 A JP 2021159820A JP 2021159820 A JP2021159820 A JP 2021159820A JP 2023049831 A JP2023049831 A JP 2023049831A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
pulp
fibers
fiber length
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021159820A
Other languages
English (en)
Inventor
隼介 塩田
Shunsuke Shioda
悟志 高橋
Satoshi Takahashi
丈夫 大石
Takeo Oishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2021159820A priority Critical patent/JP2023049831A/ja
Publication of JP2023049831A publication Critical patent/JP2023049831A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】成形性及び耐落下衝撃性を両立できる紙容器用原紙。【解決手段】パルプを含有する紙基材を有する紙容器用原紙であって、該紙容器用原紙を繊維状に離解して得られた該パルプを用い、ISO 16065-2:2007に準拠した該パルプの繊維長の測定において、該パルプの長さ加重平均繊維長が、0.7mm~1.5mmであり、該パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が、28個数%~57個数%であり、該パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が、43個数%~72個数%であることを特徴とする紙容器用原紙。【選択図】なし

Description

本開示は、紙容器用原紙及び紙容器に関する。
現在、環境への懸念などから、世界的に脱プラスチック、プラスチックフリーへの取り組みが加速している。食品用トレイなどの包装容器には、主にプラスチック製の材料が使用されてきたが、プラスチック製材料に代わり紙を使用した包装容器の材料の検討がなされている。例えば特許文献1では、紙を使用した手で容易に解体しうるトレイ容器が開示されている。
特開平10-053235号公報
紙を使用した包装容器には、容器に成形するための折り込み易さ、すなわち成形性(柔軟性)が必要である一方、耐落下衝撃性など成形後の強度も求められる。しかしながら、両者は紙の性質としてトレードオフの関係にあり、成形性及び耐落下衝撃性が両立できる良好な紙が求められる。
本開示は、成形性及び耐落下衝撃性を両立できる紙容器用原紙及び紙容器に関する。
すなわち、本開示は、以下の<1>~<8>に関する。
<1> パルプを含有する紙基材を有する紙容器用原紙であって、
該紙容器用原紙を繊維状に離解して得られた該パルプを用い、ISO 16065-2:2007に準拠した該パルプの繊維長の測定において、
該パルプの長さ加重平均繊維長が、0.7mm~1.5mmであり、
該パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が、28個数%~57個数%であり、
該パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が、43個数%~72個数%である
ことを特徴とする紙容器用原紙。
<2> 前記パルプに含まれる前記繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が、33個数%~55個数%であり、
前記パルプに含まれる前記繊維のうち繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が、45個数%~67個数%である<1>に記載の紙容器用原紙。
<3> 前記パルプの長さ加重平均繊維長が、0.8mm~1.0mmである<1>又は<2>に記載の紙容器用原紙。
<4> 前記紙基材の坪量が、200g/m~450g/mである<1>~<3>のいずれかに記載の紙容器用原紙。
<5 前記紙基材の密度が、0.50g/m~1.10g/mである<1>~<4>のいずれかに記載の紙容器用原紙。
<6> 前記紙容器用原紙が、前記紙基材の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有する<1>~<5>のいずれかに記載の紙容器用原紙。
<7> 前記パルプにおける針葉樹クラフトパルプの含有量が、10質量%以上60質量%以下である<1>~<6>のいずれかに記載の紙容器用原紙。
<8> <1>~<7>のいずれかに記載の紙容器用原紙の成形体である紙容器。
本開示によれば、成形性及び耐落下衝撃性を両立できる紙容器用原紙を提供することができる。
トレイに使用するブランクシートの例 成形したトレイの例
本開示において、数値範囲を表す「X以上Y以下」や「X~Y」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本発明者らは、紙の性質としてトレードオフの関係にある成形性及び耐落下衝撃性を両立させるために検討した。まず、本発明者らは、パルプの長さ加重平均繊維長について検討した。長さ加重平均繊維長の値が小さい程、紙としての柔軟性が向上するため、紙を折込んだ際の反発力が低くなる。すなわち、成形性が向上する。しかし、長さ加重平均繊維長を小さくすると、強度が低下してしまい耐落下衝撃性も低下する。
そこで、本発明者らは、成形性と耐落下衝撃性を両立させるため、さらに特定の長さの繊維の含有割合、具体的にはパルプに含まれる繊維のうち長さが短い繊維(0.6mm未満の繊維)及び長い繊維(0.6mm以上の繊維)の割合に着目した。そして、成形性及び耐落下衝撃性を両立しうる、長さ加重平均繊維長及び特定の長さの繊維の含有割合の関係を見出した。
紙容器用原紙を繊維状に離解して得られたパルプを用い、ISO 16065-2:2007に準拠したパルプの繊維長の測定において、パルプの長さ加重平均繊維長が、0.7mm~1.5mmであることが必要である。長さ加重平均繊維長が上記下限未満であると、強度が低下し耐落下衝撃性が低下する。一方、長さ加重平均繊維長が上記上限を超えると、成形性が低下する。
パルプの長さ加重平均繊維長は、好ましくは0.8mm~1.0mmである。パルプの長さ加重平均繊維長は、使用するパルプの種類及び微細繊維の量などにより制御することができる。
また、上記繊維長の測定において、パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が、28個数%~57個数%であり、繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が、43個数%~72個数%であることが必要である。
長さ加重平均繊維長が同数値であっても、短い繊維が多い紙と少ない紙とでは、短い繊維が多い紙の方が、短い繊維が動きやすくなると推測される。そのため、柔軟性が向上し、成形性が良好になる。しかし、短い繊維が多すぎると強度が低下しやすい。繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が上記上限を超える(繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が上記下限未満である)と、強度が低下し、耐落下衝撃性が低下してしまう。
一方、長さ加重平均繊維長が同数値であっても、短い繊維の割合が少ないと、強度は向上するが、長繊維が多い分、繊維が動き難くなると推測される。そのため、柔軟性が低下し、成形性が低下する。よって、繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が上記下限未満である(繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が上記上限を超える)と、成形性が低下してしまう。
以上の通り、長さ加重平均繊維長、繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合及び繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合を上記特定の範囲にすることで、成形性及び耐落下衝撃性を両立することができる。
パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合は、30個数%以上であることが好ましく、33個数%以上であることがより好ましく、35個数%以上であることがさらに好ましく、38個数%以上であることがさらにより好ましい。一方、上限は、55個数%以下であることが好ましく、50個数%以下であることがより好ましく、45個数%以下であることがさらに好ましく、42個数%以下であることがさらにより好ましい。
パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合は、45個数%以上であることが好ましく、50個数%以上であることがより好ましく、55個数%以上であることがさらに好ましく、58個数%以上であることがさらにより好ましい。一方、上限は、70個数%以下であることが好ましく、67個数%以下であることがより好ましく、65個数%以下であることがさらに好ましく、62個数%以下であることがさらにより好ましい。
パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合(繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合)は、使用するパルプの種類、また、繊維分級機の使用により制御することができる。特に、パルプ(例えば、広葉樹晒クラフトパルプなどの広葉樹クラフトパルプ)をカッターミルなどで粉砕して得られた繊維長の短いパルプを配合することで、繊維の含有割合を上記特定の範囲に制御しやすい。
紙基材の坪量は、200g/m~450g/mであることが好ましく、250g/m~400g/mであることがより好ましく、300g/m~380g/mであることがさらに好ましい。坪量が上記下限以上であると強度が高くなり、耐落下衝撃性がより向上する。一方、坪量が上記上限以下であると成形性がより向上しやすくなる。したがって、上記数値範囲内であると、成形性及び耐落下衝撃性をより両立しやすい。
紙基材の厚さは、300μm~600μmであることが好ましく、350μm~5500μmであることがより好ましく、400μm~500μmであることがさらに好ましい。
紙基材の密度は、0.50g/m~1.10g/mであることが好ましく、0.60g/m~1.00g/mであることがより好ましく、0.65g/m~0.90g/mであることがさらに好ましく、0.70g/m~0.80μmg/mであることがさらにより好ましい。密度が上記下限以上であると強度が高くなり、耐落下衝撃性がより向上する。一方、密度が上記上限以下であると成形性がより向上しやすくなる。したがって、上記数値範囲内であると、成形性及び耐落下衝撃性をより両立しやすい。
次に、紙容器用原紙に使用しうる材料について説明する。
紙基材を構成するパルプとしては、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の広葉樹クラフトパルプ;針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の針葉樹クラフトパルプ;砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等の機械パルプ;古紙パルプ;ケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材繊維パルプ;合成パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
パルプは、上述したようなパルプ(例えば、広葉樹晒クラフトパルプなどの広葉樹クラフトパルプ)をカッターミルなど公知の粉砕装置で粉砕して得られた繊維長の短いパルプ(以下、「微細繊維」ともいう)を含有することが好ましい。微細繊維を用いることで、繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合を制御しやすくなる。
微細繊維は、例えば長さ加重平均繊維長が0.2mm以上0.6mm未満のものを使用しうる。
パルプは、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ及び微細繊維を含有することが好ましく、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを粉砕した微細繊維を含有することがさらに好ましい。このような組み合わせにより、長さ加重平均繊維長及び特定の長さの繊維の含有割合を満足しやすくなる。
パルプにおける広葉樹クラフトパルプの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらにより好ましくは45質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。一方、上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらにより好ましくは65質量%以下である。
パルプにおける針葉樹クラフトパルプの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは13質量%以上、さらにより好ましくは15質量%以上である。一方、上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらにより好ましくは35質量%以下である。
パルプにおける微細繊維の含有量は、好ましくは8質量%以上、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、さらにより好ましくは18質量%以上である。一方、上限は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらにより好ましくは22質量%以下である。
パルプの叩解度は、とくに限定するものではないが、カナダ標準濾水度(CSF)として、200~800mLが好ましく、400~650mLがより好ましい。CSFは、JIS P 8121-2:2012「パルプ-ろ水度試験方法-第2部:カナダ標準ろ水度法」に従って測定される。叩解の手段は特に制限されず、公知の方法を採用しうる。あらかじめ広葉樹クラフトパルプ及び針葉樹クラフトパルプをそれぞれ叩解しておき、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ及び微細繊維を混合して、所望の叩解度まで叩解してもよい。
紙基材には必要に応じ添加剤を用いてもよい。添加剤としては、例えばpH調整剤(炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等)、乾燥紙力剤(ポリアクリルアミド、澱粉等)、湿潤紙力剤(ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂のいずれか)、内添サイズ剤(ロジン系、アルキルケテンダイマー、硫酸バンド等)、濾水歩留り向上剤(ポリアクリルアミド樹脂)、消泡剤、填料(炭酸カルシウム、タルク等)、染料等が挙げられる。これらの添加剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。添加剤の含有量は、とくに限定されず、通常用いられている範囲であればよい。
〔紙基材の製造方法〕
紙基材を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法でパルプを含有する紙料を抄紙すればよい。なお、紙料は、必要に応じて添加剤をさらに含有してもよい。添加剤としては、例えば前術した添加剤が挙げられる。紙料は、パルプスラリーに必要に応じて添加剤
を添加することにより調製できる。パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。パルプの叩解方法、叩解装置はとくに限定されず、公知の叩解方法、叩解装置を採用しうる。
紙基材は、単層構成の紙であってもよいし、2以上の層からなる多層構成の紙(多層紙)であってもよい。多層紙の場合、層の数は2以上7以下であることが好ましく、4以上6以下であることがより好ましい。多層紙では各層の原料配合や坪量、抄造条件等を任意に調整することができ、層間には層間接着を強化する澱粉や紙力増強剤などを含有させてもよい。
叩解の際のパルプスラリーの固形分濃度は特に制限されないが、好ましくは1~20質量%程度であり、より好ましくは2~10質量%程度である。また、紙料又は紙基材におけるパルプの含有量は、とくに限定されず、通常用いられている範囲であればよい。例えば、紙料(固形分)又は紙基材の総質量に対して、60質量%以上100質量%以下が好ましく、80質量%以上100質量%未満がより好ましく、90質量%以上98質量%以下がより好ましい。
紙基材の抄紙においては、公知の湿式抄紙機を適宜選択して使用することができる。抄紙機としては、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機などが挙げられる。
紙基材を多層構造にする場合、抄紙工程において層間にスプレーなどで馬鈴薯澱粉などの澱粉を含有させてもよい。
抄紙の際に、紙基材の少なくとも一方の面上に、水溶性高分子の層などの塗工層を設けてもよい。これらの層は単独、または2種以上を組み合わせて使用することができる。水溶性高分子としては特に限定されないが、ポリビニルアルコール(PVA)、酸化澱粉などの澱粉類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレンイミン類などが挙げられる。好ましくは澱粉類を塗工する。塗工層の形成方法については特に制限されず、サイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーターなど公知の方法を用いることができる。塗工層の量は固形分換算で、0.2g/m~2.0g/m程度であることが好ましく、0.5g/m~1.5g/m(固形分換算)程度であることがより好ましい。
抄紙した後、必要に応じ公知の方法でカレンダー処理及び乾燥工程を行い、紙基材を得ることができる。カレンダー処理による線圧は、特に制限されず、坪量やパルプの材料などに応じて適宜制御すればよい。好ましくは70kN/m~200kN/mであり、より好ましくは100kN/m~150kN/mである。
得られた紙基材は、そのまま紙容器用原紙として使用することができる。防水性及び防汚性の向上の観点から、必要に応じて、紙基材の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を設けてもよい。また、紙容器用原紙には、上記効果を損なわない程度に、その他の樹脂層などを設けてもよい。紙容器用原紙は、紙基材の一方の面に熱可塑性樹脂層を有していてもよいし、紙基材の両方の面に熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂としては特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂の中から、適宜選択すればよい。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリアミド;ポリ
アクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート等のポリエステルが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネートがより好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンがさらに好ましく、ポリエチレンがよりさらに好ましい。
また、上記の材料の他、樹脂として、バイオマス樹脂や生分解性樹脂を用いてもよい。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂は、ラミネート層として、シート基材にラミネートできるものが好ましい。熱可塑性樹脂の中では、押し出しラミネート性とバリア性が優れることからポリエチレンが好ましい。
ポリエチレン(PE)は、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のように区分される。これらの中では、押し出しラミネート性および発泡性に優れることから、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。
熱可塑性樹脂層は、公知の製造方法から適宜選択して製造すればよく、例えば、溶融押出法、溶融流延法、カレンダー法等の中から、適宜選択すればよい。熱可塑性樹脂層の厚さは特に制限されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは8μm以上である。一方、厚さの上限は、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
得られた紙容器用原紙の用途は特に制限されず、適宜成形体とすることで、トレイ、カップ、パックなどの各種紙容器に使用しうる。例えば、紙皿、紙カップ、紙パック、紙トレイなどの紙容器に成形して使用しうる。すなわち、本開示は、紙容器用原紙の成形体である紙容器を提供する。例えば、紙容器用原紙は食品容器用原紙であることが好ましく、紙容器は食品用紙容器として使用することが好ましい。成形の方法は特に制限されず、公知の方法を採用しうる。例えば、折り曲げ成形、プレス成型などにより、所望の形状に成形しうる。紙容器は折り曲げ成形されたものが好ましい。
以下、各物性の測定方法について記載する。
<パルプの長さ加重平均繊維長、繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合及び繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合>
紙容器用原紙におけるパルプ繊維長は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定する。具体的には以下の通りである。
紙容器用原紙を40cm角に切り出し、それをイオン交換水に浸し、固形分濃度2質量%に調整した上で、24時間浸漬する。24時間浸漬した後、標準型離解機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、20分間離解処理を行い、パルプを繊維状に離解する。もし、未離解パルプが存在するようならば、再度、20分間離解処理を行い、パルプを繊維状に離解する。紙容器用原紙が樹脂層を有する場合には、樹脂層を有した形態にて、上記離解処理を行い、スラリー(パルプ繊維の分散液)を分取する。また、樹脂層を除けることができるならば、除いた形態にて離解処理を行うことが好ましい。なお、離解は、JISP8220-2:2012に準拠して行う。
得られたパルプ繊維のサンプルを用いて、繊維長測定機(型式FS-5 UHDベースユニット付、バルメット社製)を使用して、「長さ加重平均繊維長」を測定する。
また、同機器は、付属のカメラにより繊維の1本1本を検出し、測定可能である。同機器により、繊維長違いの含有割合が算出されるため、繊維長の全含有割合に基づき、繊維
長0.6mm未満の繊維の含有割合及び繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合を算出する。
なお、ここでの「繊維長」の測定には0.2mm以上7.6mm以下の繊維を選択するものとする。
<坪量>
紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定する。
なお、紙容器用原紙が紙基材に加えて樹脂層を有する場合には、公知の方法及び下記の手順で樹脂層の材料、厚さ及び密度などを特定したうえで、紙基材の坪量を算出しうる。
具体的には、所定の大きさにカットした、樹脂層が設けられた紙基材の重量を測定(全重量)し、その後、樹脂層付きの紙基材をセルラーゼなどの酵素につけ、紙基材を完全に溶解させたことを確認する。その後、樹脂層のみの重量(樹脂層重量)を測定し、全重量から樹脂層重量を差し引くことで紙基材のみの重量を算出し、紙基材の坪量を測定する。
<厚さ>
紙基材の厚さ(紙厚)は、JIS P 8118:2014に準拠して測定する。なお、紙容器用原紙が紙基材に加えて樹脂層を有する場合には、紙容器用原紙の断面の電子顕微鏡(SEM)の観察像から、紙基材層、および熱可塑性樹脂層のそれぞれについて、厚みを測定する。
<密度>
紙基材の密度は、上述した測定方法により得られた厚さ及び坪量から算出する。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。また、特にことわりがない限り、「部」は、「質量部」を表す。また、実施例および比較例の操作は、特にことわりがない限り、室温(20~25℃)、常湿(40~50%RH)の条件で行った。
<実施例1>
パルプ原料として、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)をそれぞれ、ダブルディスクレファイナーを使用して、CSF(カナダ標準ろ水度)600mlまで叩解した。一方、微細繊維は、LBKPのドライシートを、カッターミル(株式会社ホーライ製、HA8 2542 30E、スクリーン0.24mm)で機械粉砕して作製した。
得られたパルプスラリー及び微細繊維を表1の配合比率で混合した。すなわち、LBKPパルプスラリーA質量%(55質量%)、NBKPパルプスラリーB質量%(35質量%)、及び微細繊維C質量%(10質量%)を混合した。得られた混合物を、濃度3%にてCSF(カナダ標準ろ水度)が500mlまで叩解した。
叩解したパルプスラリーを使用し、固形分換算でパルプ100部に対し、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉(ピラースターチ株式会社製、P-3Y)0.55部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤(星光PMC株式会社製、AD1612)0.25部(固形分換算)、硫酸バンド0.18部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤(星光PMC株式会社製、WS4024)0.12部(固形分換算)を添加し、紙料を調製した。
この紙料を用い、5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を2.50部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を1.0±0.2g/m(固形
分換算)塗布した。カレンダーを用い、線圧120kN/mの条件にて処理を行い、実施例1で使用する坪量340g/mの紙基材を得た。
得られた紙基材を実施例1の紙容器用原紙とした
Figure 2023049831000001
<実施例2~7、12、13>
LBKPパルプスラリー、NBKPパルプスラリー及び微細繊維の量を表1のように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2~7、12、13の紙容器用原紙を得た。
<実施例8>
パルプスラリーの吐出量を調整することで坪量を250g/mに変えた以外は、実施例3と同様にして、実施例8の紙容器用原紙を得た。
<実施例9>
パルプスラリーの吐出量を調整することで坪量を400g/mに変えた以外は、実施例3と同様にして、実施例9の紙容器用原紙を得た。
<実施例10>
ソフトニップカレンダーの線圧を80kN/mに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の紙容器用原紙を得た。
<実施例11>
ソフトニップカレンダーの線圧を180kN/mに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例11の紙容器用原紙を得た。
<実施例14>
得られた紙基材の片面に対し、熱可塑性樹脂としてプロピレン樹脂(社名:サンアロマー株式会社、品番:PHA03A)10μmをラミネートした以外は、実施例3と同様の手法で、実施例14の紙容器用原紙を得た。
<実施例15>
得られた紙基材の片面に対し、熱可塑性樹脂としてプロピレン樹脂(社名:サンアロマー株式会社、品番:PHA03A)40μmをラミネートした以外は、実施例3と同様の手法で、実施例15の紙容器用原紙を得た。
<実施例16>
得られた紙基材の片面に対し、熱可塑性樹脂としてエチレン樹脂(社名:日本ポリエチレン株式会社、品番:LC522)20μmをラミネートした以外は、実施例3と同様の手法で、実施例16の紙容器用原紙を得た。
<実施例17>
得られた紙基材の両面に対し、熱可塑性樹脂としてプロピレン樹脂(社名:サンアロマー株式会社、品番:PHA03A)20μmをラミネートした以外は、実施例3と同様の手法で、実施例17の紙容器用原紙を得た。
<比較例1~7>
LBKPパルプスラリー、NBKPパルプスラリー及び微細繊維の量を表1のように変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1~7の紙容器用原紙を得た。
得られた紙容器用原紙を用いて以下の評価を実施した。
(成形性)
紙容器用原紙を用いて図1に示すブランクシート(特開平10-053235号公報のように図2のトレイに成形可能)を作製し、23±5℃、50±10%Rh環境下に1日静置した。
上記環境下中にて、図1の斜線の箇所(フランジ部)を手で折り込み、1kgのテープ圧着ローラー(手動)(安田精機製作所製、品番:No.349)を用いて、約10[mm/s]の速度で、折返し箇所を2往復し圧着させ、30分静置した。
上記サンプルを目視により、4辺全ての開き具合(角度)を分度器により測定し、4辺の平均値を算出した。上記トレイを各実施例及び比較例で5個ずつ準備し、それぞれ試験を行い、最も悪い結果(最も大きく開いたトレイの角度)を採用した。
なお、測定結果は、以下基準にて判断した。
5:角度が30°未満
4:角度が30°以上60°未満
3:角度が60°以上90°未満
2:角度が90°以上120°未満
1:角度が120°以上
3以上を良好と判断した。当該角度が90°未満であると、二重フランジを形成するため、ヒートシールやホットメルトにより接着する場合に固定がしやすい。
(耐落下衝撃性)
紙容器用原紙を用いて図1のブランクシートを作製し、手折により図2のトレイ状に組み立てた。なお、図2のフランジ部1、フランジコーナー部2及びコーナーフラップ3の箇所は、予め、両面粘着テープ(社名:3M、品番:スコッチ超強力両面テープ プレミ
アゴールド スーパー多用途PPS-10)を貼り付けることで固定した。
トレイ成形したサンプルに、350gの砂を詰め、フランジ部4辺に両面粘着テープ(
社名:3M、品番:スコッチ超強力両面テープ プレミアゴールド スーパー多用途PPS-10)を貼り付け、フィルム(社名三菱ケミカル:、型番:ダイアミロンF001、40μm厚み)をフランジ部4辺に固定させた。
上記トレイを各実施例及び比較例で5個ずつ準備した。得られたサンプルを、-5℃の環境下にて1日静置し、取出し直後に以下評価を行った。トレイの底面を水平にしてトレイの底面と底面4隅のいずれかが床の上に最初に接触するように、80cmの高さからSUS板を引いた床の上に、加速をつけずにトレイを落下させた。各実施例及び比較例で準備した5個のトレイで試験し、試験後のトレイの様子を観察した。なお、測定結果は、以下基準にて判断した。
5:評価前後で、トレイ5個全てに変化が見られなかった。
4:評価前後で、トレイ5個中1~4個において、トレイ底面4隅に凹みは生じなかったが、トレイ底面に歪みが生じた。
3:評価前後で、トレイ5個全てに、トレイ底面4隅に凹みは生じなかったが、トレイ底面に歪みが生じた。
2:評価前後で、トレイ5個の1~4個に、トレイ底面4隅に凹みが生じた。
1:評価前後で、トレイ5個全てに、トレイ底面4隅に凹みが生じた。
3以上を良好な結果とした。
実施例1~17及び比較例1~7の各物性と、評価結果を表2に示す。
Figure 2023049831000002
1:フランジ部、2:フランジコーナー部、3:コーナーフラップ

Claims (8)

  1. パルプを含有する紙基材を有する紙容器用原紙であって、
    該紙容器用原紙を繊維状に離解して得られた該パルプを用い、ISO 16065-2:2007に準拠した該パルプの繊維長の測定において、
    該パルプの長さ加重平均繊維長が、0.7mm~1.5mmであり、
    該パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が、28個数%~57個数%であり、
    該パルプに含まれる繊維のうち繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が、43個数%~72個数%である
    ことを特徴とする紙容器用原紙。
  2. 前記パルプに含まれる前記繊維のうち繊維長0.6mm未満の繊維の含有割合が、33個数%~55個数%であり、
    前記パルプに含まれる前記繊維のうち繊維長0.6mm以上の繊維の含有割合が、45個数%~67個数%である請求項1に記載の紙容器用原紙。
  3. 前記パルプの長さ加重平均繊維長が、0.8mm~1.0mmである請求項1又は2に記載の紙容器用原紙。
  4. 前記紙基材の坪量が、200g/m~450g/mである請求項1~3のいずれか一項に記載の紙容器用原紙。
  5. 前記紙基材の密度が、0.50g/m~1.10g/mである請求項1~4のいずれか一項に記載の紙容器用原紙。
  6. 前記紙容器用原紙が、前記紙基材の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有する請求項1~5のいずれか一項に記載の紙容器用原紙。
  7. 前記パルプにおける針葉樹クラフトパルプの含有量が、10質量%以上60質量%以下である請求項1~6のいずれか一項に記載の紙容器用原紙。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の紙容器用原紙の成形体である紙容器。
JP2021159820A 2021-09-29 2021-09-29 紙容器用原紙及び紙容器 Pending JP2023049831A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021159820A JP2023049831A (ja) 2021-09-29 2021-09-29 紙容器用原紙及び紙容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021159820A JP2023049831A (ja) 2021-09-29 2021-09-29 紙容器用原紙及び紙容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023049831A true JP2023049831A (ja) 2023-04-10

Family

ID=85801677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021159820A Pending JP2023049831A (ja) 2021-09-29 2021-09-29 紙容器用原紙及び紙容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023049831A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11668050B2 (en) Ultrasonic welding of wet laid nonwoven compositions
US11479919B2 (en) Molded articles from a fiber slurry
US11525215B2 (en) Cellulose and cellulose ester film
US11384210B2 (en) 3-D formable sheet material
US11390996B2 (en) Elongated tubular articles from wet-laid webs
US11339537B2 (en) Paper bag
US11390991B2 (en) Addition of cellulose esters to a paper mill without substantial modifications
US11332885B2 (en) Water removal between wire and wet press of a paper mill process
US11441267B2 (en) Refining to a desirable freeness
US20200063367A1 (en) Food packaging articles
US20200063346A1 (en) Process to produce a paper article comprising cellulose fibers and a staple fiber
US20200063354A1 (en) Air filtration articles
US20200063348A1 (en) Soft wipe comprising cellulose acetate
US20200063371A1 (en) Tissue product comprising cellulose acetate
JP7198889B1 (ja) クルパック紙及び紙加工品
JP2023049831A (ja) 紙容器用原紙及び紙容器
JP2020104309A (ja) 発泡断熱紙容器用基材、発泡断熱紙容器用シートおよび発泡断熱紙容器
WO2021131949A1 (ja) ラミネート紙およびこれを用いた液体用紙容器
JP7281003B1 (ja) ラミネート紙および液体容器
JP2024003759A (ja) ラミネート紙および液体容器
JP2023039214A (ja) クルパック紙及び紙加工品
JP2024003760A (ja) ラミネート紙および液体容器
JP2023135996A (ja) 合紙及び該合紙を加工して得られる紙加工品
JP2023039213A (ja) クルパック紙及び紙加工品
JP2024120326A (ja) 発泡断熱紙容器用シート、及び発泡断熱紙容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240924