JP2023049237A - 二軸延伸装置およびフィルムの製造方法 - Google Patents

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高将 奥田
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Abstract

【課題】設備費が安価であり、破膜やネックインが抑制でき、収率も高く、MD延伸倍率が任意かつ容易に調整可能であり、操業性も良いBOを提供する。【解決手段】二軸延伸装置の延伸ゾーンをMDに沿って2ゾーンに区画し、前記2ゾーンのうちMD上流側のゾーンを第一延伸ゾーン21とし、MD下流側のゾーンを第二延伸ゾーン22とし、前記第一延伸ゾーン21において、ガイドレールに沿って隣接した把持部16間のMD距離と、TDに対向するガイドレールに沿って移動する把持部16間のTD距離とが入口から出口に向けて大きくなり、前記第一延伸ゾーン21におけるMD延伸倍率は固定であり、第二延伸ゾーン22において、TDに対向するガイドレールそれぞれに沿って移動する把持部16間のTD距離が一定であり、前記把持部16間のMD距離を、前記第一延伸ゾーン21の前記把持部16間のMD距離とは独立して変更可能な機構を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は処理対象物、例えば微多孔フィルム等を延伸する、特に処理対象物を搬送方向(MD)およびそれに交差する方向(TD)に延伸する二軸延伸装置(BO)およびフィルムの製造方法に関する。

ポリオレフィン微多孔フィルムは、リチウム電池用を始めとするバッテリーセパレーター、電解コンデンサ用隔膜、透湿防水衣料、各種濾過膜等の用途に広く用いられている。ポリオレフィン微多孔フィルムをバッテリーセパレーターに用いる場合、微多孔フィルムの孔径や強度比が電池の性能や安全性に深く関わってくる。しかし、顧客によって車載用バッテリー向けや携帯端末用バッテリー向けという様に用途が異なったり、電池の製法も異なったりするため、顧客によって求められる孔径、強度比は異なり、バッテリーセパレーターを製造する場合、その顧客の要求に応じて孔径や強度比を調整する必要が有る。しかし、微多孔フィルムに用いる樹脂の組成や分子量によっては、一般的なBOの等倍延伸では顧客が要求する強度比や孔径に調整できないため、追加的にMD延伸またはMD収縮してMD延伸倍率を変更し、強度比や孔径を調整する必要が有る。
MD延伸倍率を調整する手段として一般的に以下のような方式が知られている。
(i)全域可変式BO
(ii)Pre-MDO
(iii)Post-MDO
(iv)予熱ゾーンMD延伸倍率可変式BO
(v)延伸後半ゾーンMD追加延伸BO。
(i)は特許文献1に記載されているように、BOのガイドレールにMD全域で可動点を設けて、MD延伸倍率およびTD延伸倍率を任意に変更する方式である。
(ii)、(iii)は特許文献2に記載されているように、それぞれBOのMD上流側、下流側にロールを複数設け、ロール間の速度差によりMD延伸を行う方式である。
(iv)はBOの予熱ゾーン後半のガイドレールを稼働させることで、予熱ゾーン後半にてMD延伸し、MD延伸倍率を調整する方式である。
(v)は特許文献3に記載されているように、BO延伸ゾーン後半にMD延伸のみをおこなう工程を設ける方式である。
特開2019-93570号公報 特開2005-343958号公報 特開2011-203427号公報
特許文献1に記載されているような(i)の方式では、MD全域でガイドレールに可動点を設けなくてはならず、一般的なBOに比べてコストが非常に高い。また、MD延伸倍率を調整する際はBOのMD全域でレールを可動させる必要が有るため操業性が悪い。さらに、可動点ではガイドレールが屈曲するため、MD全域に設けられた多数の可動点においてひずみ速度が急激に上昇することとなり、破膜の原因になるため、収率が悪い。
また、特許文献2に記載されているような(ii)、(iii)の方式では、コストが高くはないが、ロールを用いて延伸するため、ロール起因の傷や汚れがフィルムに付き、収率が低下してしまう。また、ロール延伸ではBOと異なり、フィルム側端部が把持されていないため、ネックイン量が大きくなり収率が悪化すまた、(vi)の方式では、フィルムの昇温に必要な予熱ゾーン長に加えて、MDに延伸するゾーンを設けなければならず、炉長が長くなってコストが増大する。また、MD延伸倍率を変更する為には予熱区間だけではなく、MD全域でガイドレールを可動させる必要が有り、操業性が悪い。
また、特許文献3に記載されているような(v)の方式では、MD延伸倍率が一定で任意に変更できないため、顧客の要求に応じて孔径や強度比を調整することが出来ず、生産性が悪い。また、MD延伸のみ可能であるため、顧客の要求によってMD収縮する必要がある場合には対応することができない。
上述した課題に対して、本発明では、設備費が安価であり、破膜やネックインが抑制出来るため収率も高く、MD延伸倍率が任意にかつ、容易に調整可能であるため操業性も良いBOを提供することを目的とする
発明者らはMD延伸倍率の調整が可能なBOについて検討を重ね、延伸ゾーンの後半に倍率可変機構を設けることで、ガイドレールの後半のみ可動させれば良いため操業性が良く、また、全域可変式BOに比べ、延伸ゾーンにのみ倍率可変機構を設ければよく、可変機構の数を少なくできるため設備費が安価であり、全域可変式BOとは異なり、延伸ゾーンの前半には湾曲したガイドレールを用いることが出来るため、急激なひずみ速度の変化によるフィルム破膜を抑制し、また、Pre-MDOやPost-MDOとは異なって、BO前後でのロール延伸が不要なため、ロール起因の傷・汚れを抑制し、かつ、把持部でフィルム側端部を把持しながらMD延伸するため、ロール延伸と比べてネックイン量を抑制出来るため、収率も高くできることを見出した。
すなわち、本発明のBOは、処理対象物を搬送しながら延伸ゾーンにおいて搬送方向(MD)とそれに交差する方向(TD)に延伸するBOであって、前記BOは前記処理対象物を搬入する入口と前記処理対象物を搬出する出口と、前記入口から出口に至るまでMDに延在する、TDに対して対に設けられたガイドレールと、処理対象物の側端部を把持しながら、前記ガイドレールに沿って前記入口から出口に移動する複数の把持部とを備え、前記延伸ゾーンはMDに沿って二つのゾーンに区画され、前記二つのゾーンのうちMD上流側のゾーンを第一延伸ゾーンとし、前記二つのゾーンのうちMD下流側のゾーンを第二延伸ゾーンとし、前記第一延伸ゾーンにおいて、前記ガイドレールに沿って隣接した前記把持部間のMD距離と、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離とが入口から出口に向けて大きくなり、前記第二延伸ゾーンにおいて、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離が一定であり、前記把持部間のMD距離を、前記第一延伸ゾーンの前記把持部間のMD距離とは独立して変更可能な機構を有するBOである。
本発明のBOを用いることで、以下に挙げる(1)~(5)の効果の少なくとも一つ以上を得ることが出来る。
(1)MD延伸倍率が調整可能なため、微多孔フィルムの孔径や強度比を任意に調整できる。
(2)ガイドレールに設ける可動点を少なくできるため、設備費を安価にすることが出来る。
(3)延伸ゾーン後半以降のガイドレールのみを可動させれば良いため、操業性が良い。
(4)延伸ゾーン前半は湾曲レールを用いることが出来るため、急激なひずみ速度の変化によるフィルム破膜を抑制できる。
(5)BO前後でのロール延伸が不要なため、ロール起因の傷・汚れを抑制し、また、把持部で把持しながらMD延伸するため、Pre-MDOやPost-MDOといったロールを用いるMD延伸と比べてネックイン量を抑制し、収率を高くできる。
本発明の一実施形態に係るBOについて、その構成の概略を示す上面図である。 本発明の一実施形態に係るBOについて、パンタグラフ式BOの場合の構成を概略的に示す上面図である。 本発明の一実施形態に係るBOについて、パンタグラフ式BOの場合のガイドレール近傍を拡大して、第二延伸ゾーンのMD倍率が1の場合を示す説明図である。尚、把持部とリンク機構は省略してある。 本発明の一実施形態に係るBOについて、パンタグラフ式BOの場合のガイドレール近傍を拡大して、第二延伸ゾーンのMD倍率が1より大きい場合を示す説明図である。尚、把持部とリンク機構は省略してある。 本発明の一実施形態に係るBOについて、パンタグラフ式BOの場合のガイドレール近傍を拡大して、第二延伸ゾーンのMD倍率が1未満の場合を示す説明図である。尚、把持部とリンク機構は省略してある。
本発明は、処理対象物を搬送しながら延伸ゾーンにおいて搬送方向(MD)とそれに交差する方向(TD)に延伸する二軸延伸装置(BO)であって、
前記二軸延伸装置は前記処理対象物を上流側にて搬入する入口と前記処理対象物を下流側にて搬出する出口と、
前記入口から前記出口に至るまでMDに各々延在する、前記処理対象物の搬送領域をTD両端部側から挟むように設けられた一対のガイドレールと、
前記ガイドレールの各々に設けられ、前記処理対象物のTD側端部を把持しながら、前記ガイドレールに沿って前記入口から前記出口に移動する複数の把持部と、を備え、
前記延伸ゾーンはMDに沿って二つのゾーンに区画され、前記二つのゾーンのうちMD上流側のゾーンを第一延伸ゾーン、前記二つのゾーンのうちMD下流側のゾーンを第二延伸ゾーンとすると、
前記第一延伸ゾーンにおいて、前記ガイドレールに沿って隣接した前記把持部間のMD距離と、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離と、が前記入口から前記出口に向けて大きくなるように設定され、前記第二延伸ゾーンにおいて、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離が一定に設定されると共に、前記把持部間のMD距離を、前記第一延伸ゾーンの前記把持部間のMD距離とは独立して変更可能な機構を有する二軸延伸装置(BO)に関する。
本発明のBOは、処理対象物を搬送しながら延伸ゾーンにおいて搬送方向(MD)とそれに交差する方向(TD)に延伸する二軸延伸装置であって、
前記二軸延伸装置は前記処理対象物を上流側にて搬入する入口と前記処理対象物を下流側にて搬出する出口と、前記入口から前記出口に至るまでMDに各々延在する、前記処理対象物の搬送領域をTD両端部側から挟むように設けられた一対のガイドレールと、
前記ガイドレールの各々に設けられ、前記処理対象物のTD側端部を把持しながら、前記ガイドレールに沿って前記入口から前記出口に移動する複数の把持部と、を備え、前記延伸ゾーンはMDに沿って二つのゾーンに区画され、前記二つのゾーンのうちMD上流側のゾーンを第一延伸ゾーン、前記二つのゾーンのうちMD下流側のゾーンを第二延伸ゾーンとすると、前記第一延伸ゾーンにおいて、前記ガイドレールに沿って隣接した前記把持部間のMD距離と、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離と、が前記入口から前記出口に向けて大きくなるように設定され、
前記第二延伸ゾーンにおいて、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離が一定に設定されると共に、前記把持部間のMD距離を、前記第一延伸ゾーンの前記把持部間のMD距離とは独立して変更可能な機構を有するBOであることが好ましい。
本発明のBOの処理対象物としては例えば、樹脂と可塑剤を混錬し、ダイなどからシート状に押し出し、冷却して固化されたフィルムを用いる。前記フィルムは樹脂と可塑剤から成り、前記樹脂はPP,PEなどが例として挙げられるが、特に限定されるものではない。前記樹脂や前記可塑剤のほかに酸化防止剤などの添加剤を加えても良い。
本発明のBOにて延伸された前記フィルムを溶剤に浸漬し、可塑剤と置換し、その後、前記溶剤を乾燥させることで、前記フィルムに微多孔構造を形成し、微多孔フィルムを得る工程を設けることが好ましい。
本発明のBOのTD延伸倍率やMD延伸倍率によって、前記微多孔フィルムの孔径や強度比が変化するが、本発明のBOのMD延伸倍率は前述の通り任意に調整できるため、前記微多孔フィルムの孔径や強度比を任意に調整することが出来る。以下で、図2を用いながら本発明のBOの具体的な形態を説明する。
本発明のBOは処理対象物を搬入する入口11と搬出する出口12が有り、入口11から出口12に渡って、ガイドレール13がTDに対となってMDに延在している。
前記ガイドレール13は、処理対象物の側端部を把持しながら、前記ガイドレール13に沿って前記入口11から前記出口12に移動する複数の把持部を備えている。
前記入口11における前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離と、前記延伸ゾーン終わりにおける前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離との比がMD延伸倍率となる。例えば、前記入口11における前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離が20mmで、前記延伸ゾーン終わりにおける前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離が100mmのとき、MD延伸倍率は5倍となる。
本発明のBOは少なくとも、処理対象物をTD及びMDに延伸する延伸ゾーン2を有するが、前記延伸ゾーン2より前記入口11側に、処理対象物を所定の温度まで昇温せしめる予熱ゾーン1、前記延伸ゾーンより前記出口12側に、処理対象物を所定の温度にて熱処理せしめる熱固定ゾーン3を設けても良い。
本発明において前記延伸ゾーン2はMDに沿って二つの延伸ゾーンに区画され、前記二つのゾーンのうちMD上流側のゾーンを第一延伸ゾーン21とし、MD下流側のゾーンを第二延伸ゾーン22とする。前記第一延伸ゾーン21において、MDの最上流を第一延伸ゾーン21始点とし、最下流を第一延伸ゾーン21終点とする。同様に前記第二延伸ゾーン22において、MDの最上流を第二延伸ゾーン22始点とし、最下流を第二延伸ゾーン22終点とする。すなわち、前記第一延伸ゾーン21終点と前記第二延伸ゾーン22始点はMDで重なることになる。
前記第一延伸ゾーン21始点における前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離と、前記第一延伸ゾーン21終点における前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離との比を第一MD延伸倍率とし、前記第二延伸ゾーン22始点における前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離と、前記第二延伸ゾーン22終点における前記ガイドレール13に沿った前記把持部16間のMD距離との比を第二MD延伸倍率とし、前記第一MD延伸倍率と前記第二MD延伸倍率との積を最終MD延伸倍率とする。第二MD延伸倍率は1未満の値であっても良く、このとき処理対象物は前記第二延伸ゾーン22始点から前記第二延伸ゾーン22終点にかけてMDに収縮されることとなる。ここで、前記第一MD延伸倍率は2倍以上10倍以下の範囲が好ましく、4倍以上7倍以下の範囲がより好ましい。また、前記第二MD延伸倍率は0.1倍以上2倍以下の範囲が好ましく、0.5倍以上1.5倍以下の範囲がより好ましい。
前記第一延伸ゾーン21において、前記TDに対となって配置されたガイドレール間のTD距離と、前記複数の把持部16間のMD距離とが、前記入口11から前記出口12に向かって漸次大きくなるように構成される。前記複数の把持部16間のMD距離を大きくする機構としては例えばリニアモータ式、パンタグラフ式、モーターチェーン駆動式などがあるが、リニアモータ式とパンタグラフ式が好ましく、パンタグラフ式が特に好ましい。
前記第二延伸ゾーン22において、前記TDに対となって配置されたガイドレール13間のTD距離は一定であり、前記第一延伸ゾーン21の前記複数の把持部16間のMD距離とは独立して、前記複数の把持部16間のMD距離を変更可能な機構を有している。前記機構は例えば、前記第一延伸ゾーン21と同様にリニアモータ式、パンタグラフ式、モーターチェーン駆動式が挙げられるが、リニアモータ式とパンタグラフ式が好ましく、パンタグラフ式が特に好ましい。また、前記第一延伸ゾーン21の機構と前記第二延伸ゾーン22の機構は同一のものを選択することが好ましい。
リニアモータ式の場合、前記第二延伸ゾーン22において、リニアモータによって駆動する複数の把持部16間の速度を前記第一延伸ゾーン21での速度から変更することで、前記複数の把持部16間のMD距離を変更すればよい。
パンタグラフ式の場合の詳細な構成について、図2を用いながら以下で説明する。
前記ガイドレール13は、水平方向に隣接した内側ガイドレール14と外側ガイドレール15とから構成される。前記第一延伸ゾーン21において、前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15から構成される前記ガイドレール13は水平方向に湾曲したレールを用いることが好ましい。すなわち、前記TDに対となって配置されたガイドレール13間のTD距離が入口から出口に向かって漸次大きくなるように構成され、また、前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15との距離が漸次減少する様に構成されることが好ましい。複数のリンクから構成されるリンク機構17が前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15に沿って配置され、処理対象物を把持する把持部16が前記リンク機構17に複数備えられ、前記リンク機構17が前記入口11から前記出口12に向かって前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15に沿って移動することで、前記把持部16同士のMD距離が大きくなり、前記処理対象物はMDに延伸される。ここで、前記第一延伸ゾーン21に前記水平方向に湾曲したレールを用いた場合、前記第一MD延伸倍率は前記水平方向に湾曲したレールの形状によって決定されるため、変更出来ず固定の値となる。
前記第二延伸ゾーン22において、前記内側ガイドレール14は湾曲すること無く直線状であり、TDに対となって配置された前記内側ガイドレール14間のTD距離は一定となるよう構成される。一方、前記外側ガイドレール15は二つ以上の屈曲点18と回動機構とを備え、前記回動機構により前記外側ガイドレール15を前記屈曲点18周りに回動せしめることで、前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15のTD距離が変更可能なように構成される。前記屈曲点18としては前記外側ガイドレール15が屈曲可能なものであれば特に限定されるものではないが、ジョイントを設けたり、低剛性材料で構成したり、屈曲が容易となる様に複数のスリットを設けたりすればよい。また、前記屈曲点18は二つ以上設ければ、本発明の目的を達成することが出来るが、四つ以上設けると、ひずみ速度の変化を抑制するレールパターンを選択することが可能であり、破膜を抑制する観点から好ましい。しかし、前記屈曲点18が増えると設備費も増大するため、費用との兼合いから前記屈曲点18の個数を決定すればよい。前記回動機構としては前記外側ガイドレール15を前記屈曲点18回りに回動せしめるものであれば特に限定はされないが、例えば、スピンドルやラックアンドピニオンといった直線運動する機構を前記外側ガイドレール15または前記屈曲点18に接続し、前記直線運動する機構が直動することで、前記外側ガイドレール15を回動せしめるものがあげられる。
図3は前記TDに対となって配置されたガイドレール13のうち片側を延伸ゾーン2付近で拡大して図示したものである。尚、把持部16とリンク機構17は省略してある。図3で示された、第二延伸ゾーンの前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15間のTD距離はMDに対して一定であり、前記リンク機構17が前記第二延伸ゾーン22始点から前記第二延伸ゾーン22終点に向かって、前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15に沿って移動するとき、前記把持部16同士のMD距離は変化しないため、前記第二MD延伸倍率は1.0となる。
一方、図4で示す様に、前記第二延伸ゾーン22始点における前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15のTD距離が、前記第二延伸ゾーン22終点における前記第二延伸ゾーン22始点における前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15のTD距離より小さい場合は、前記リンク機構17が前記第二延伸ゾーン22始点から前記第二延伸ゾーン22終点に向かって、前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15に沿って移動することで、前記把持部16同士のMD距離が大きくなり、前記処理対象物は前記第二延伸ゾーン22始点から前記第二延伸ゾーン22終点にかけてMDに延伸され、前記第二MD延伸倍率は1より大きい値となる。
さらに、図5で示される様に、前記第二延伸ゾーン22始点における前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15のTD距離が、前記第二延伸ゾーン22終点における前記第二延伸ゾーン22始点における前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15のTD距離より大きい場合は、前記リンク機構17が前記第二延伸ゾーン22始点から前記第二延伸ゾーン22終点に向かって、前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15に沿って移動することで、前記把持部16同士のMD距離が小さくなり、前記処理対象物は前記第二延伸ゾーン22始点から前記第二延伸ゾーン22終点にかけてMDに収縮され、前記第二MD延伸倍率は1未満の値となる。
図3、4、5から明らかな様に、前記第二延伸ゾーン22において、前記内側ガイドレール14の前記屈曲点18間の長さは前記第二MD延伸倍率によって異なるが、前記内側ガイドレール14は伸縮機構を備えており、前記第二MD延伸倍率に応じて、前記屈曲点18間の長さが調整される。また、前記伸縮機構を設けずに、前記内側ガイドレール14を伸縮可能な材料で構成してもよい。
図2、3、4、5で示されるように、前記熱固定ゾーン3よりも前記出口12側に調整機構19を備えており、これは、前記熱固定ゾーン3における前記内側ガイドレール14と前記外側ガイドレール15のTD距離をMDに対して一定に保つ機構である。前記調整機構19は本発明の目的を達成するのに必須のものではなく、熱固定ゾーン3を設けない場合は不要である。
上記のような構成とすることで、前記第二延伸ゾーン22において、前記ガイドレール13に沿って隣接した前記把持部16間のMD距離を、前記第一延伸ゾーン21の前記把持部16間のMD距離とは独立して変更可能、すなわち、前記第二MD延伸倍率を前記第一MD延伸倍率とは独立して変更可能となる。
上記構成によって、本発明のBOは前記ガイドレール13のMD後半部分のみ可動させれば良いため操業性が良く、また、延伸ゾーン2にのみ倍率可変機構を設ければよく、全域可変式BOに比べ、可変機構の数を少なくできるため設備費が安価であり、全域可変式BOとは異なり、延伸ゾーンの前半には湾曲したガイドレールを用いることが出来るため、急激なひずみ速度の変化によるフィルム破膜を抑制し、また、Pre-MDOやPost-MDOとは異なって、BO前後でのロール延伸が不要なため、ロール起因の傷・汚れを抑制し、かつ、把持部でフィルム側端部を把持しながらMD延伸するため、ロール延伸と比べてネックイン量を抑制出来るため、収率も高く出来るのである。
本発明のBOの後工程に前記微多孔フィルムの物性を測定する工程を設けても良い。前記物性を測定する工程にて、前記微多孔フィルムの物性を取得し、前記物性を本発明のBOにフィードバックして、前記第二MD延伸倍率を調整するシステムを設けても良い。このようにすることで、物性の調整が短時間で可能となり生産性を向上することが可能となる。
また、本発明の一態様として、フィルムを延伸する延伸工程を有するフィルムの製造方法であって、前記延伸工程はフィルムをMDおよびTDに延伸する二軸延伸工程と、前記二軸延伸工程の直後に、MDに延伸する追加MD延伸工程とからなり、前記追加MD延伸工程は前記二軸延伸工程におけるMD延伸倍率とは異なる倍率にMD延伸倍率を調整する工程であるフィルムの製造方法が挙げられる。フィルムとしては特に限られるものでは無いが、微多孔フィルムの製造方法として好適に用いられる。
かかる製造方法においては、前記二軸延伸工程におけるMD延伸倍率は固定であることが好ましい。また、フィルムの物性を測定する測定工程を含み、前記追加MD延伸工程は、前記測定工程にて得られた物性をフィードバックして前記MD延伸倍率を調整する工程であることが好ましい。
かかる製造方法とすることで、顧客の求める微多孔フィルムの孔径や強度比に応じて、前記二軸延伸工程の直後に追加的にMD延伸またはMD収縮して前記MD延伸倍率を変更し、前記微多孔フィルムの孔径や強度比を短時間で容易に調整することが可能であり、前記微多孔フィルムの生産性を向上することができる。
1 予熱ゾーン
2 延伸ゾーン
3 熱固定ゾーン
11 入口
12 出口
13 ガイドレール
14 内側ガイドレール
15 外側ガイドレール
16 把持部
17 リンク機構
18 屈曲点
19 調整機構
21 第一延伸ゾーン
22 第二延伸ゾーン

Claims (8)

  1. 処理対象物を搬送しながら延伸ゾーンにおいて搬送方向(MD)とそれに交差する方向(TD)に延伸する二軸延伸装置であって、
    前記二軸延伸装置は前記処理対象物を上流側にて搬入する入口と前記処理対象物を下流側にて搬出する出口と、
    前記入口から前記出口に至るまでMDに各々延在する、前記処理対象物の搬送領域をTD両端部側から挟むように設けられた一対のガイドレールと、
    前記ガイドレールの各々に設けられ、前記処理対象物のTD側端部を把持しながら、前記ガイドレールに沿って前記入口から前記出口に移動する複数の把持部と、を備え、
    前記延伸ゾーンはMDに沿って二つのゾーンに区画され、前記二つのゾーンのうちMD上流側のゾーンを第一延伸ゾーン、前記二つのゾーンのうちMD下流側のゾーンを第二延伸ゾーンとすると、
    前記第一延伸ゾーンにおいて、前記ガイドレールに沿って隣接した前記把持部間のMD距離と、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離と、が前記入口から前記出口に向けて大きくなるように設定され、
    前記第二延伸ゾーンにおいて、TDに対向する前記ガイドレールそれぞれに沿って移動する前記把持部間のTD距離が一定に設定されると共に、前記把持部間のMD距離を、前記第一延伸ゾーンの前記把持部間のMD距離とは独立して変更可能な機構を有する二軸延伸装置。
  2. 前記第一延伸ゾーンにおけるMD延伸倍率が固定である請求項1に記載の二軸延伸装置。
  3. パンタグラフ式二軸延伸装置であり、
    前記一対のガイドレールが各々内側ガイドレールと外側ガイドレールから構成され、
    前記機構は、
    前記第二延伸ゾーンにおいて、前記外側ガイドレールに二つ以上の屈曲点と回動機構とを備え、
    前記回動機構により前記外側ガイドレールを前記屈曲点周りに回動せしめることで、前記内側ガイドレールと前記外側ガイドレール間の距離を変更させ、
    前記内側ガイドレールと前記外側ガイドレール間の距離を変更することで、前記ガイドレールに沿って隣接した前記把持部間のMD距離を、前記第一延伸ゾーンの前記把持部間のMD距離とは独立して変更可能に構成している請求項1または2に記載の二軸延伸装置。
  4. 前記第一延伸ゾーンにおける、前記内側ガイドレール及び外側ガイドレールが前記搬送領域から離れるように湾曲したレールである請求項3に記載の二軸延伸装置
  5. フィルムを延伸する延伸工程を有するフィルムの製造方法であって、
    前記延伸工程はフィルムをMDおよびTDに延伸する二軸延伸工程と、
    前記二軸延伸工程の直後に、MDに延伸する追加MD延伸工程とからなり、
    前記追加MD延伸工程は前記二軸延伸工程におけるMD延伸倍率とは異なる倍率にMD延伸倍率を調整する工程であるフィルムの製造方法。
  6. 前記二軸延伸工程におけるMD延伸倍率は固定である請求項5に記載のフィルムの製造方法。
  7. フィルムの物性を測定する測定工程を含み、
    前記追加MD延伸工程は、前記測定工程にて得られた物性をフィードバックして前記MD延伸倍率を調整する工程である
    請求項5または6に記載のフィルムの製造方法。
  8. 請求項5~7のいずれかに記載の微多孔フィルムの製造方法。
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