JP2023047366A - 電力制御システム、及び電力制御方法 - Google Patents

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功一 梅澤
Koichi Umezawa
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Takumi Iguchi
正二 林
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Abstract

【課題】ネガワット発電を小口需要家に適切に分配する。【解決手段】所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスとを有する計算機によって構成される電力制御システムであって、制御可能な電気機器とネットワークを介して通信可能に接続されており、節電の要請を前記電気機器に分配する演算処理を実行して、各電気機器に対する節電制御指令を生成し、前記生成した節電制御指令を前記電気機器に送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、ネガワット発電を需要家に分配する電力制御システムに関する。
太陽光などの再生可能エネルギーは発電量の変動が大きく、再生可能エネルギーの発電量が増加すると、電力系統の需給調整を強化して、安定的に電力を供給する必要がある。また、政府方針やグリーン社会の実現によって、今後も再生可能エネルギーの発電量の増加が予想される。
本技術分野の背景技術として、以下の先行技術がある。特許文献1(特開2010-75015号公報)には、家電機器の電力を抑制するためのコントローラを備えた家電機器デマンド制御システムにおいて、デマンド制御の優先度を設定するデマンド優先度設定手段及び設定された優先度をコントローラに通知する優先度通知手段を、家電機器側にそれぞれ設置し、コントローラは、優先度通知手段からの優先度に従ってデマンド制御対象の家電機器の順番を決定することによって、制御対象機器の個数の制限を受けないようにし、急を要する優先度設定の変更を可能にする家電機器デマンド制御システムが記載されている(要約参照)。
特開2010-75015号公報
再生可能エネルギーが流入する電力系統を安定化するため、電力不足を節電で補うネガワット発電や電力取引市場が設けられている。しかし、小口電力需要家のネガワット発電を適切に制御し、電力取引市場に提供することは考慮されていない。特に、HEMS(Home Energy Management System)を用いて家単位で家電機器を制御する場合、需要家の活動への影響が大きかった。また、節電対象の家電機器の種別によって節電対応が可能な方法に差があるが、家(電気メータ)単位で節電に対応するため、節電対応機器の特性を考慮して、節電制御指令の適切な分配が困難である。
このため、ネガワット取引制度に対応した遠隔制御が可能なコネクテッド家電を用いて、電力事業者の節電要請に基づいて、家族の生活リズムに合わせて家電の運転を遠隔で適切に制御するシステムが求められている。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、電力制御システムであって、所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスとを有する計算機によって構成され、制御可能な電気機器とネットワークを介して通信可能に接続されており、節電の要請を前記電気機器に分配する演算処理を実行して、各電気機器に対する節電制御指令を生成し、前記生成した節電制御指令を前記電気機器に送信する。
本発明の一態様によれば、ネガワット発電を小口需要家に適切に分配できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
本発明の実施例の電力システムの構成を示す図である。 図1に示す電力システムにおいて、ネットワークを経由して送受信される情報を示す図である。 電力制御システムの物理的な構成を示す図である。 電力制御システム及び電力取引システムが実行する処理のフローチャートである。 電力制御システム及び電力取引システムが実行する処理のフローチャートである。 デマンドコントロール対応機器の選定方法のフローチャートである。 デマンドコントロール対応機器の構成例を示す図である。
図1は、本発明の実施例の電力システムの構成を示す図である。
図1に示す電力システムは、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10が運営する電力制御システム11、電力アグリゲータ20が運営する電力取引システム21、電力会社(発電所)31、再生可能エネルギー発電事業者(発電所)32、電力取引市場36、電力配電網35、及び需要家40(デマンドコントロール対応機器44、端末45)を含む。
デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、電力アグリゲータ20から節電要請を受け、配下のデマンドコントロール対応機器44の動作を制御して、節電を実行すし、節電の実績データを電力アグリゲータ20に送信する。デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、電力アグリゲータ20から節電に対する報酬を受領し、節電に協力した需要家40に節電報酬を支払う。
電力アグリゲータ20は、電力取引市場36において電力を取り引きする。電力アグリゲータ20は、例えば、電力会社31からのネガワット発電要請を纏めて、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10、発電事業者、蓄電池による給電事業者などに契約を分配する機能を持つ特定卸供給事業者である。通常、ネガワット発電による節電は取り引きから実行までに数日から数時間のタイムラグがある。電力アグリゲータ20は、電力取引市場36で調達したネガワット発電について、このタイムラグを利用してデマンドコントロール対応サービス提供事業者10に節電を要請し、仮想発電所(Virtual Power Plant)を構成する。
デマンドコントロール対応サービス提供事業者10と電力アグリゲータ20は、同じ事業者でも、違う事業者でもよい。デマンドコントロール対応サービス提供事業者10と電力アグリゲータ20が同じ事業者の場合、電力制御システム11と電力取引システム21は一つの計算機で構成されてもよい。
電力会社31、33は、発電、送電を行う電気事業者であり、電力取引市場36を介して又は介さないで、電力配電網35によって需要家40に電力を供給する。電力会社31は、電力会社31は、電力配電網35へ電力を供給する責任を有し、再生可能エネルギー発電の不安定性に伴って生じる電力の不足分を供給する。
再生可能エネルギー発電事業者32は、電力取引市場36を介して又は介さないで、電力配電網35によって需要家40に電力を供給する。再生可能エネルギーは、天候事情などによる発電量の変動が大きい。
電力会社31及び再生可能エネルギー発電事業者32は、共に需要家40に電力を供給する事業者であるが、電力会社31は、電力安定化義務を負い、再生可能エネルギーの買取要請に対応しなければならない。また、発電能力の限界に近い量の発電は、旧式発電機を作動しなければならず、発電コストが高くなる。一方、再生可能エネルギー発電事業者32は、電力会社31による発電量が十分な時は系統から切り離され、発電した電気の売却が困難で、収益が減少する。このため、電力需要が増大すると予想される時に、電力会社31は、発電量を増やす他、ネガワット発電によって電力需要を抑制して、電力需給をバランスさせてもよい。このため、電力会社31は、電力取引市場36でネガワット発電によって減少する電力需要を調達し、節電の実績に対する報酬であるネガワット電気代を支払う。
電力取引市場36は、電力アグリゲータ20、電力会社31、再生可能エネルギー発電事業者32等が参加して、電力会社31及び再生可能エネルギー発電事業者32が発電した電力や、電力会社31が調達するネガワット発電を取り引きする。
電力配電網35は、電力会社31及び再生可能エネルギー発電事業者32が発電した電力を需要家40まで配電する。
需要家40は、電力を消費する者(設備や機器)である。需要家40の建屋には、スマートメータ41、通信装置42、家庭内ネットワーク43、デマンドコントロール対応機器44、及び端末45が設けられる。スマートメータ41は需要家40が供給を受ける電力量を計測し、電力会社が提供する専用線などの通信回線を介して、計測結果を電力会社31へ送信する。通信装置42は、外部ネットワーク(例えば、インターネット)と接続されるルータである。家庭内ネットワーク43は、通信装置42に接続されたLAN(Local Area Network)である。デマンドコントロール対応機器44は、家庭内ネットワーク43に接続されたコネクテッド家電(照明器具、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、IHコンロ、エアコンなど)や給湯器などの電力を消費する機器である。デマンドコントロール対応機器44の構成例は、図7を参照して後述する。端末45は、家庭内ネットワーク43に接続された計算機、タブレット端末、スマートフォンであり、デマンドコントロール対応機器44の動作条件を設定するために使用される。
デマンドコントロール対応機器44の節電設定の変更は、端末45から電力制御システム11が提供するウェブサイトへの入力操作の他、デマンドコントロール対応機器44の操作によっても行えるとよい。
需要家40がデマンドコントロール対応サービス提供事業者10と節電制御の契約をしている場合、スマートメータ41の計測結果はデマンドコントロール対応サービス提供事業者10へも送信される。また、当該需要家40のデマンドコントロール対応機器44は、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10の電力制御システム11からの制御指令に従って、消費電力を低減する。この節電は、需要家40の生活パターンに合わせて、消費電力のピークシフトとピークカットを組み合わせて実現するとよい。
また、電力制御システム11からの制御指令は、スマートメータ41ではなくデマンドコントロール対応機器44に送信されるので、需要家40は、建屋(メータ)単位ではなく、機器単位でデマンドコントロール対応サービス提供事業者10と節電制御の契約を締結できる。需要家40は自己が使用又は所有する複数の機器を選択的に契約でき、統合的に管理できる。また、契約対象を家単位だけではなく部屋単位や複数の居住地を対象にするなど、契約単位を任意にグループ化できる。
なお、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10と節電制御の契約を締結する者は、電力を消費する者だけでなく、集合住宅の貸主が複数軒の貸与する機器を纏めて契約したり、マンション管理組合がマンション全体を取り纏めて契約したり、社宅や寮の管理会社が据え付け機器を纏めて契約してもよい。
デマンドコントロール対応サービス提供事業者10と需要家40との節電制御の契約は、電気料金の支払いとは別な契約でも、電気料金の支払いと一体の契約(すなわち、電気料金の支払いと節電報酬が相殺される)でもよい。
デマンドコントロール対応サービス提供事業者10と需要家40との節電制御の契約は、デマンドコントロール対応機器44によって節電ポリシーが異なる設定が可能である。例えば、時間帯によって異なる節電量が設定されたり、需要家40の操作によって「今は節電に協力できない」設定ができるオプションがあってもよい。
図2は、図1に示す電力システムにおいて、ネットワークを経由して送受信される情報を示す図であり、ネガワットの取り引きに至る前段階から節電報酬の支払いまでの過程を示す。
(1)再生可能エネルギー発電事業者32は、発電予測量(又は買取電力予測量)を電力会社(供給・系統管理)33に報告する。
(2)電力会社(供給・系統管理)33は、電力会社(発電)31に発電量を指示する。
(3)電力会社(供給・系統管理)33は、需要予測に基づいて、再生可能エネルギー発電事業者32の発電量と電力会社(発電)31の発電量からの不足を計算し、不足する電力を電力取引市場36から調達する。
(4)電力アグリゲータ20が電力取引市場36からネガワットのVPP発電を受注する。
(5)電力アグリゲータ20がデマンドコントロール対応サービス提供事業者10にデマンド指令(節電量と節電時間)を通知する。
(6)デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、契約している需要家40のデマンドコントロール対応機器44に低減する電力量を配分し、節電制御信号を送信する。
(7)デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、契約している需要家40のデマンドコントロール対応機器44から節電実績の報告を受ける。
(8)デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、節電実績データに基づいて、電力アグリゲータ20へ請求データを送信する。
(9)電力アグリゲータ20は、節電実績データを纏め、発注元の電力会社(供給・系統管理)33に請求データを送信する。
(10)電力会社(供給・系統管理)は、VPP分も含めた電力料金を、電力会社(売電)34に請求データを送信する。
(11)電力会社(売電)34は、電力料金データを需要家40に送信する。
(12)需要家40は、電力会社(売電)34に電力料金を支払うための支払データを生成する。
(13)電力会社(売電)34は、電力会社(供給・系統管理)33に電力料金を支払うための支払データを生成する。
(14)電力会社(供給・系統管理)33は、電力会社(発電)31、再生可能エネルギー発電事業者32及び電力アグリゲータ20に、電力料金を支払うための支払データを生成する。
(15)電力アグリゲータ20は、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10へVネガワット発電の代金を支払うための支払データを生成する。
(16)デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、需要家40にデマンドコントロールによる節電報酬を支払うための支払データを生成する。需要家40への節電報酬の支払いは、現金、クーポン、将来の機器購入時の割り引き、電力料金の割り引きなどの様々な形態がある。
なお、電力料金の請求・支払いには複数のバリエーションがある。前述したように、需要家40が電力会社(売電)34へ通常電力料金を支払い、デマンドコントロールによる節電報酬はデマンドコントロール対応サービス提供事業者10から別に受け取る方法の他、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10が、電力料金と節電報酬を纏めて、節電報酬分割り引かれた電力料金を請求してもよい。
電力制御システム11からの節電制御指令によって、単に消費電力が低減する場合、消費電力が低減し、電力会社34(売電)に支払う電力料金が低廉になるが、ピークシフトを行う場合、熱効率や放熱の影響で、全消費電力が増大することがある。このため、増大した消費電力分を補填するように、需要家40に支払われる節電報酬を計算するとよい。また、デマンドコントロール対応機器44ごとの契約種別によって、節電報酬の分配を変えてもよい。例えば、節電制御指令期間中は機器を停止するような、需要家40の負担が大きな契約は、節電報酬の分配を大きくするとよい。
図3は、本実施例の電力制御システム11の物理的な構成を示す図である。以下、電力制御システム11について説明するが、電力取引システム21も同じ構成でよい。
本実施例の電力制御システム11は、プロセッサ(CPU)101、メモリ102、補助記憶装置103及び通信インターフェース104を有する計算機によって構成される。
プロセッサ101は、メモリ102に格納されたプログラムを実行する。なお、プロセッサ101がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、FPGAやASICなどのハードウェアによる演算装置)で実行してもよい。
メモリ102は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサ101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
補助記憶装置103は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、プロセッサ101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置103から読み出されて、メモリ102にロードされて、プロセッサ101によって実行される。
通信インターフェース104は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインターフェース装置である。
電力制御システム11は、入力インターフェース105及び出力インターフェース108を有してもよい。入力インターフェース105は、キーボード106やマウス107などが接続され、ユーザからの入力を受けるインターフェースである。出力インターフェース108は、ディスプレイ装置109やプリンタ(図示省略)などが接続され、プログラムの実行結果をユーザが視認可能な形式で出力するインターフェースである。なお、電力制御システム11にネットワークを介して接続された端末が入力インターフェース105及び出力インターフェース108を提供してもよい。
プロセッサ101が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して電力制御システム11に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置103に格納される。このため、電力制御システム11は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
電力制御システム11は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作するとよい。電力制御システム11の各処理部は異なる計算機上で動作してもよい。また、電力制御システム11は、物理的に一つの計算機上で構成される計算機システムであり、同一の計算機上で1又は複数のスレッドで動作するものでもよい。
図4、図5は、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10の電力制御システム11及び電力アグリゲータ20の電力取引システム21が実行する処理のフローチャートである。図中、実線出示すステップはデマンドコントロール対応サービス提供事業者10の電力制御システム11が実行し、破線で示すステップは電力アグリゲータ20の電力取引システム21が実行する。
まず、電力会社(供給・系統管理)33は、発電量の不足を補うためネガワット発電を電力取引市場36に要請する。
電力アグリゲータ20の電力取引システム21は、電力取引市場36を介して、電力会社(供給・系統管理)33からのネガワット発電要請を受信し(S101)、ネガワット発電の提供が可能か、収益がある取り引きかを判断し、ネガワット発電を受諾し(S102)、契約しているデマンドコントロール対応サービス提供事業者10の電力制御システム11に節電要請を送信する(S103)。
電力制御システム11は、電力取引システム21から節電要請を受信する(S104)。
電力制御システム11は、電力取引システム21から受信した節電要請に従って、ネガワット発電(節電)量を計算し、需要家40のデマンドコントロール対応機器44が対応可能な節電量を計算し、節電制御指令をデマンドコントロール対応機器44に送信する(S105)。各デマンドコントロール対応機器44の節電量の決定方法は、図6を参照して説明する。
デマンドコントロール対応機器44は、電力制御システム11からの節電制御指令に従って、消費電力を低減し、節電制御指令への対応状況及び電力消費量を電力制御システム11に送信する。
電力制御システム11は、デマンドコントロール対応機器44から、節電制御指令への対応状況及び電力消費量を受信する(S106)。なお、電力制御システム11は、デマンドコントロール対応機器44から、節電制御指令への対応中以外でも電力消費量を受信して、電力使用履歴と消費電力低減量をログとして記録するとよい。ログには、人の在/不在の情報も記録されるとよい。需要家40は、ログを参照することによって、デマンドコントロール対応機器44の過去の電力使用履歴を見られる。
電力制御システム11は、デマンドコントロール対応機器44に送信する節電制御指令によって、十分な節電量を確保できない場合がある。例えば、デマンドコントロール対応機器44の性能上、全てのデマンドコントロール対応機器44が最大限節電しても、消費電力の低減量が不足する場合や、節電制御指令に反して、需要家40がデマンドコントロール対応機器44を動作させる場合がある。
その後、電力制御システム11は、デマンドコントロール対応機器44の通常の電力消費量から節電制御指令対応中の電力消費量を減じて、ネガワット発電量(節電量)を計算し、節電実績データとして電力取引システム21へ送信する(S107)。
電力取引システム21は、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10から受信した節電実績データを集計し、ネガワット発電を要請した電力会社(供給・系統管理)33へ節電実績を報告し、節電によるネガワット発電の対価(節電報酬)の請求データを電力会社(供給・系統管理)33へ送信する(S108)。なお、電力アグリゲータ20は、要請されたネガワット発電量を達成できない場合、不足する電力量のペナルティを電力会社(供給・系統管理)33へ支払う支払データを電力会社(供給・系統管理)33へ送信する。
電力取引システム21は、節電実績に基づくネガワット発電の対価を受け取り、受け取った対価を、節電実績に基づいてデマンドコントロール対応サービス提供事業者10へ分配し、対価の通知を電力制御システム11に送信する(S109)。なお、電力アグリゲータ20は、受諾したネガワット発電量をデマンドコントロール対応サービス提供事業者10が達成していない場合、不足する電力量のペナルティを受け取るための支払データをデマンドコントロール対応サービス提供事業者10へ送信する。
電力制御システム11は、節電実績に基づいて分配される対価の通知を受信し(S110)、節電実績に基づいて電力アグリゲータ20からの対価を需要家40へ分配し、需要家40に節電報酬を支払うためのデータを生成する(S111)。
図4、図5は、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10の電力制御システム11が実行する処理と、電力アグリゲータ20の電力取引システム21が実行する処理との両方を記載した。例えば、一つの企業がデマンドコントロール対応サービス提供事業者10と電力アグリゲータ20の両方であって、電力制御システム11が電力取引システム21の機能を有する場合に、図4及び図5の全ステップが、電力制御システム11で実行される。
図6は、デマンドコントロール対応機器44の選定方法のフローチャートである。
まず、電力制御システム11は、データベースを参照して、ピークシフトによって消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を見つける(S121)。ピークシフトは、電力を消費する時間を変更して、特定の時間帯の消費電力を低減する方法であり、例えば、給湯器が、節電時間を避けて加熱装置を動作させることが可能であれば、ピークシフト対応機器として選定できる。ピークシフトは、節電要請の時間帯の前の時間帯に電力を消費する時間帯を移動しても、後の時間帯に電力を消費する時間帯を移動してもよい。
データベースに登録された全てのデマンドコントロール対応機器44について、節電時間を避けた電力消費が可能かを判定し、節電時間を避けた電力消費が可能であれば、当該機器を抑制対象リストに登録する(S122)。
その結果、抑制対象リストに登録された機器で電力低減量が十分であれば、他に消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を探さなくてよいので、ステップS132に進む。
また、抑制対象リストに登録された機器では電力低減量が不十分であれば、まだ抑制機器リストに登録されていない機器から、消費電力が大きい主機能のピークカットによって消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を見つける(S123)。ピークカットは、特定の時間帯の消費電力を低減する方法であり、例えば、無人の場所の照明を消灯したり、給湯器の加熱装置を停止したり、冷房温度を下げることが可能であれば、ピークカット対応機器として選定できる。
データベースに登録された全てのデマンドコントロール対応機器44について、主機能のピークカットによる消費電力低減が可能かを判定し、ピークカットによる消費電力低減が可能であれば、当該機器を抑制対象リストに登録する(S124)。
その結果、抑制対象リストに登録された機器で電力低減量が十分であれば、他に消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を探さなくてよいので、ステップS132に進む。
さらに、抑制対象リストに登録された機器では電力低減量が不十分であれば、まだ抑制機器リストに登録されていない機器から、消費電力が小さい付加機能のピークカットによって消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を見つける(S125)。例えば、節電時間を避けて、冷蔵庫の霜とりや空調機の洗浄などを行わないことが可能であれば、ピークカット対応機器として選定できる。
ステップS123及びS125におけるピークシフトは、ピークカットと共に、すなわち、ピークシフトのみを実行して消費電力を低減するデマンドコントロール対応機器44を選定しても、ピークシフト及びピークカットの両方を実行して消費電力を低減するデマンドコントロール対応機器44を選定してもよい。ピークシフト及びピークカットを併用して消費電力を低減するデマンドコントロール対応機器44の運転パターンの例としては、節電時間は空調機の消費電力を10%低下して、節電制御指令の前の時間は空調機の消費電力を10%増加することによって、需要家40の負担を軽減しつつ、節電制御指令の時間におけるデマンドコントロール対応機器44の消費電力を低減できる。
データベースに登録された全てのデマンドコントロール対応機器44について、付加機能のピークカットによる消費電力低減が可能かを判定し、ピークカットによる消費電力低減が可能であれば、当該機器を抑制対象リストに登録する(S126)。
その結果、抑制対象リストに登録された機器で電力低減量が十分であれば、他に消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を探さなくてよいので、ステップS132に進む。
さらに、抑制対象リストに登録された機器では電力低減量が不十分であれば、まだ抑制機器リストに登録されていない機器から、電力消費を間引くピークカットによって消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を見つける(S127)。例えば、節電時間に、消費電力の5%低減、稼働時間の10%短縮、10%の間引き運転が可能であれば、ピークカット対応機器として選定できる。
電力消費を間引く動作は、動作時間がスケジュール化できない機器に有効な消費電力低減方法である。例えば、電子レンジ、IHレンジなど調理家電、ドライヤ、掃除機などは、スケジュール化しにくく突発的に電力を消費するので、節電時間は、機能に影響が生じない範囲で消費電力を数%低減する(例えば、調理家電の最大出力を数%低減したり、加熱時間を数%短縮する)。また、節電時間は、常時動作しているデマンドコントロール対応機器44の消費電力を数%低減する。例えば、照明を数%暗くする。エアコンや空気清浄機などの周辺状態に合わせて稼働する機器の設定温度の変更や風量の低減などで消費電力を抑制する。
データベースに登録された全てのデマンドコントロール対応機器44について、電力消費を間引くピークカットによる消費電力低減が可能かを判定し、ピークカットによる消費電力低減が可能であれば、当該機器を抑制対象リストに登録する(S128)。
その結果、抑制対象リストに登録された機器で電力低減量が十分であれば、他に消費電力を低減できるデマンドコントロール対応機器44を探さなくてよいので、ステップS132に進む。
さらに、抑制対象リストに登録された機器では電力低減量が不十分であれば、抑制機器リストに登録されている機器の節電量を増やせる機器を見つけ(S129)、見つけた機器を抑制対象リストに登録する(S130)。
その結果、抑制対象リストに登録された機器で電力低減量が十分であれば、さらに節電量を増加しなくてもよいので、ステップS132に進む。
一方、抑制対象リストに登録された機器では電力低減量が不十分であれば、当該不足量を補うための蓄電池の放電、発電された電力の購入、ネガワット発電電力の購入などを探す(S131)。デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、電力アグリゲータ20から要請されたネガワット発電量を達成できない場合、不足する電力を電力取引市場36に提供することによって、ペナルティを避けることができる。なお、将来、電力低減量の不足が生じた際の参考にするために、ネガワット発電の不足を補う電力購入を記録するとよい。その後、対応機器選定処理を終了する。
デマンドコントロール対応機器44が抑制対象リストへの登録された後、節電制御指令をデマンドコントロール対応機器44に送信する。そして、節電制御指令への対応状況及び電力消費量をデマンドコントロール対応機器44から受信し、抑制対象リストへの登録する(S132)。電力制御システム11は、抑制対象リストへ登録された節電実績に基づいて、節電報酬を需要家40に支払うためのデータを生成する。
ここで、デマンドコントロール対応機器44のピークカット、ピークシフト動作の具体例を説明する。
ピークシフト動作は、給湯器、冷蔵庫、空調機など常時動作している機器であり、動作時間の指定によって機器側で時間をずらした動作を制御できる機器が対象となる。電力消費は、冬場の家庭では夕方の家事時間帯と暖房による電力消費が重なる時間にピークがあり、夏場は11時から14時の気温が高い時間帯にピークがある。ピーク時間帯は季節や天候も関係する。
・給湯機のピークシフト:ピーク時間外に加温動作する。
・冷蔵庫のピークシフト:ピーク時間外に霜取り動作する。
・空調機のピークシフト:ピーク時間外に洗浄動作する。
・照明の不要箇所の節電:節電制御指令の時間帯に、無人の場所の発光量を低減する。
・空調機の不要箇所の節電:節電制御指令の時間帯に、無人の場所の設定温度を変更して、電力消費を低減する。
・電子レンジの電力消費を間引き:節電制御指令の時間帯には最大出力(500W)を1%削減した495Wで動作する。又は、節電制御指令の時間帯に、動作時間を2.5%短縮する(加熱時間を10分から9分45秒に短縮する)。
・照明の電力消費を間引き:節電制御指令の時間帯に発光量を数%低減する。
・空調機の電力消費を間引き:節電制御指令の時間帯に、利用者が体感できない程度に設定温度を変更する(冷房の設定温度を0.5度高くする)。
・空調機のピークシフト:ピーク時間帯の前に部屋を強めに冷やし、ピーク時間外に動作を抑制する。
図6に示す対応機器選定処理では、ステップS121、S123、S125、S127の順、すなわち、ピークシフト、主機能のピークカット、付加機能のピークカット、電力消費を間引くピークカットの順に、消費電力を低減可能なデマンドコントロール対応機器44を探したが、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10や需要家40が設定したポリシーに従って判定の順序を変えてもよい。また、他の指標を用いて消費電力を低減可能なデマンドコントロール対応機器44を探してもよい。
さらに、過去に消費電力を低減したデマンドコントロール対応機器44の消費電力低減量と時間が記録されたログを用いて学習したAIモデルを用いて、消費電力を低減可能なデマンドコントロール対応機器44を探してもよい。
デマンドコントロール対応機器44によっては、ピークカットとピークシフトの両方の対応が可能な場合があり、デマンドコントロール対応機器44の種別や電力消費の特性の少なくとも一つに従って、ピークカット、ピークシフト、又はピークカットとピークシフトの両方のいずれかを決定するとよい。
電力制御システム11は、推奨スケジュール案を生成してもよい。電力制御システム11が、ログに記録されたデマンドコントロール対応機器44の過去の電力使用履歴や、人の在/不在の情報に基づいて、節電に対応可能な動作モードの動作パターンからなる推奨スケジュール案を計算する。需要家40は、ログを参照して、推奨スケジュール案を変更できる。また、需要家40は、電力制御システム11が推奨スケジュール案を計算するためのロジックの設定を変更できる。
データベースには、後述するように、デマンドコントロール対応機器44毎に、需要家40の負担が少ない節電方法を選択するための情報が記憶されている。電力制御システム11は、データベースを参照することによって、デマンドコントロール対応機器44から需要家40の負担が少ない節電方法を選択し、節電制御指令を送信する。
また、人の在/不在で動作が変わる機器は、不在の建屋や不在の部屋を優先して、消費電力を低減するデマンドコントロール対応機器44を探して、需要家40の負担が少ない節電方法を選択してもよい。人の在/不在は、デマンドコントロール対応機器44に内蔵された人感センサのセンシング結果や、デマンドコントロール対応機器44の操作履歴に基づいて推定するとよい。
また、需要家40による端末45又はデマンドコントロール対応機器44の操作によって、節電制御の契約の対象であるデマンドコントロール対応機器44を対象から除外する設定ができるとよい。例えば、乳児、病人、ペット等のために、一時的にデマンドコントロール対応機器44の消費電力を低減した運転が困難な状況に対応し、需要家40の負担を低減できる。
また、デマンドコントロール対応機器44が節電制御指令に対応して消費電力を低減中でも、需要家40による端末45又はデマンドコントロール対応機器44の操作によって、当該デマンドコントロール対応機器44の低消費電力動作を停止し、他のデマンドコントロール対応機器44で消費電力を低減してもよい。このため、電力制御システム11は、需要家40の操作による低消費電力動作を停止の要求を受信すると、当該デマンドコントロール対応機器44が低減すべき電力を代行できるデマンドコントロール対応機器44を探して、見つかったデマンドコントロール対応機器44に節電制御指令を送信する。このように代替機器で消費電力を低減することによって、需要家40の活動への影響を低減しつつ、消費電力を低減できる。デマンドコントロール対応サービス提供事業者10は、低減できなくなった消費電力を補完する手段(蓄電池や自家発電からの電力の供給など)を提供すると、需要家40による電力消費の低減義務を緩和でき、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10と契約する需要家40を集めやすくなる。
図6に示す対応機器選定処理によると、デマンドコントロール対応機器44毎に節電に対応するかを定めるので、需要家40の負担を低減しつつ、効率的に節電量を分配でき、節電制御指令をデマンドコントロール対応機器44に送信できる。
また、データベースに登録された全てのデマンドコントロール対応機器44から、消費電力を低減するデマンドコントロール対応機器44を探すので、複数のデマンドコントロール対応機器44が低減する電力量を加算して、全体として消費電力を低減することによって、電力アグリゲータ20からの節電要請に応えることができる。
電力制御システム11は、デマンドコントロール対応サービス提供事業者10との契約の休止や解除を推奨するデマンドリコメンド機能を有するとよい。需要家40は、節電スケジュール、推奨スケジュール、節電制御指令にかかわらず、デマンドコントロール対応機器44を使用したり、動作モードを変更できる。
電力制御システム11は、データベースを参照して消費電力を低減するデマンドコントロール対応機器44を探すのではなく、消費電力を低減する候補のデマンドコントロール対応機器44に問い合わせて、応諾したデマンドコントロール対応機器44に節電制御指令を送信してもよい。この手順で、消費電力を低減する機器を、他のデマンドコントロール対応機器44に切り替えてもよい。
図7は、デマンドコントロール対応機器44の構成例を示す図である。
デマンドコントロール対応機器44は、電力制御システム11からの節電制御指令に従って消費電力を低減するものであれば、図7(A)から図7(E)のような様々な形態を取り得る。
図7(A)に示すデマンドコントロール対応機器44は、無線LANなどのネットワークへの接続機能を有するコネクテッド家電機器である。図7(A)に示すコネクテッド家電機器は、屋内に設けられたルータ(アクセスポイント)と接続し、インターネット経由で電力制御システム11からの節電制御指令を受信する。
図7(B)に示すデマンドコントロール対応機器44は、無線LANなどのネットワークへの接続機能を有するコネクテッド家電機器(親機)に接続される子機タイプのコネクテッド家電機器である。図7(B)に示すコネクテッド家電機器(親機)は、屋内に設けられたルータ(アクセスポイント)と接続し、インターネット経由で電力制御システム11からの節電制御指令をコネクテッド家電機器(子機)に中継する。コネクテッド家電機器(子機)は、コネクテッド家電機器(親機)と接続し、電力制御システム11からの節電制御指令を受信する。
図7(C)に示すデマンドコントロール対応機器44は、公衆通信網(4G、5Gなど)への接続機能を有するコネクテッド家電機器である。図7(C)に示すコネクテッド家電機器は、公衆モバイル通信網の基地局と接続し、インターネット経由で電力制御システム11からの節電制御指令を受信する。
図7(D)に示すデマンドコントロール対応機器44は、コネクテッド家電互換機能を有するスマートリモコンに制御される被制御家電機器である。図7(D)に示すスマートリモコンは、屋内に設けられたルータ(アクセスポイント)又は公衆モバイル通信網の基地局と接続し、インターネット経由で電力制御システム11からの節電制御指令を受信し、赤外線、近距離無線通信などによるリモコン信号によって被制御家電機器を制御する。被制御家電機器は、スマートリモコンからのリモコン信号によって、電力制御システム11からの節電制御指令に従って動作する。
図7(E)に示すデマンドコントロール対応機器44は、コネクテッド家電互換機能を有するスマートリレーに制御される被制御家電機器である。図7(E)に示すスマートリレーは、屋内に設けられたルータ(アクセスポイント)又は公衆モバイル通信網の基地局と接続し、インターネット経由で電力制御システム11からの節電制御指令を受信し、受信した節電制御指令に従って被制御家電機器への電源の供給・遮断を制御する。被制御家電機器は、スマートリレーからの給電によって、電力制御システム11からの節電制御指令に従って動作する。
次に、デマンドコントロール対応機器44の動作が記録されるデータベースについて説明する。このデータベースは、補助記憶装置103又は外部の記憶装置に記憶され、電力制御システム11が管理する。
データベースは、(A)契約時に決まる情報、(B)デマンドコントロール対応機器44の製造時に決まる情報、(C)デマンドコントロール対応機器44の周辺状態の情報、(D)節電制御指令の情報、(F)デマンドコントロール対応機器44のみなし節電可能量予測の情報、(G)節電制御指令対応実績履歴(ログ)、(H)デマンドコントロール対応機器44の節電実績に基づく配当分配のポイント、(I)ピークシフトに関する情報に分類できる。これらは、一つのテーブルに登録されても、分類毎に別のテーブルに登録されてもよい。以下、各分類のテーブルに記録されるデータの項目を列記する。
(A)契約時に決まる情報
・契約者ユーザ名:需要家40の名称
・契約者ID:契約者に一意に付与される識別情報
・機器ID:デマンドコントロール対応機器44に一意に付与される識別情報
・機器アドレス:デマンドコントロール対応機器44をネットワーク上で一意に識別するためのアドレス(例えば、MACアドレス)
・契約機器製番:デマンドコントロール対応機器44の製造番号
(B)デマンドコントロール対応機器44の製造時に決まる情報
・契約機器種別:デマンドコントロール対応機器44の種類
・契約機器型番:デマンドコントロール対応機器44の型式
・契約機器名称:デマンドコントロール対応機器44の名称
・契約機器年式:デマンドコントロール対応機器44の登録年
(C)デマンドコントロール対応機器44の周辺状態
・契約機器センサ在不在フラグ:デマンドコントロール対応機器44内蔵の人感センサによる人の存/不在の判定結果
(D)節電制御指令の情報
・節電制御指令受諾フラグ:需要家40が指定した節電制御指令を受諾するか否か
・節電制御指令受諾レベル:需要家40が指定した節電制御指令の受諾レベル
・節電制御指令指定スケジュールID:節電制御指令のスケジュールの識別情報
節電制御指令のスケジュールは、開始日時、終了日時、節電制御指令への対応許可/不許可、節電制御指令の許可レベルを含むとよい。
・節電制御指令対象フラグ:節電制御指令の対象と電力制御システム11が指定したフラグ
・節電制御指令対象レベル:節電制御指令の対象と電力制御システム11が指定したレベル(需要家40の指定レベルと同じか、低いレベルとする)
(F)デマンドコントロール対応機器44のみなし節電可能量予測の情報
・契約機器の対応レベルごとのみなし節電量DB参照ID:指定レベルごとのみなし節電量のDB
(G)節電制御指令対応実績履歴(ログ)、
・電力消費の開始時間
・電力消費の終了時間
・デマンドコントロール対応機器44が開始日時と終了日時の間に消費した電力
(H)デマンドコントロール対応機器44の節電実績に基づく配当分配のポイント
・未払いポイント
・分配ポイント
(I)ピークシフトに関する情報
・ピークシフト動作可能機種フラグ:ピークシフト動作が可能な機器か機種ごとで確認するフラグ
・ピークシフト動作レベル:機種ごとの特性から決定されるピークシフト動作レベル
・ピークシフト契約者動作設定フラグ:ピークシフト動作が可能な機器か契約者の設定を確認するフラグ
・ピークシフト対応可能状況フラグ:ピークシフト動作が可能な機器か機器固有の設定を確認するフラグ(契約機器固有の状況で動作が必要でピークシフトに対応できない場合、試運転時、お湯の残量が少ない場合、手動での操作を支持されている場合など)
・ピークシフト前倒対応機種毎必要時間:機種ごとのピークシフト動作(前に移動)のために確保が必要な全体の時間(湯沸かしには2時間以上前倒しが必要など)
・ピークシフト後倒対応機種毎必要時間:機種ごとのピークシフト動作(後に移動)のために確保が必要な全体の時間(湯沸かしには2時間以上後ろ倒しが必要など)
・ピークシフト前後分割対応機種毎必要時間:機種ごとのピークシフト動作(前後に分割)のために確保が必要な全体の時間(湯沸かしには前後に2時間必要など)
・ピークシフト対応時デマンド節電量予測:機種ごとの特性で、ピークシフト対応時のデマンド対応時間内の節電可能量(予測値)
・ピークシフト対応時シフト時間電力量予測:機種ごとの特性で、ピークシフトに対応してシフトした動作を行うために必要な電力使用予測量(予測値)
・ピークシフト対応時デマンド節電量実績:機種ごとの特性で、ピークシフト対応時のデマンド対応時間での節電量(実測値)
・ピークシフト対応時シフト時間電力量実績:機種ごとの特性で、ピークシフトに対応してシフトした動作を行うために必要だった電力使用量(実績値)
・ピークシフト対応超過電力量予測:機種ごとの特性で、ピークシフトに対応することでより多く必要になる電力使用量(予測値)
・ピークシフト対応超過電力量実績:機種ごとの特性で、ピークシフトに対応することでより多く必要になった電力使用量(実績値)
・ピークシフト対応実行済時間:ピークシフト動作 すでに実行した動作時間(湯沸かし、1時間実行済みなど(上記必要な時間から引き算すると残りの時間がわかる))
・ピークシフト対応未実施時間:ピークシフト動作 実行する必要があるのこり時間(湯沸かし、1時間実行済みなど(上記必要な時間から引き算すると残りの時間がわかる))
・ピークシフト動作計画開始日時:ピークシフト動作を開始する計画時間
・ピークシフト動作計画終了日時:ピークシフト動作を終了する計画終了時間
・ピークシフト動作開始日時:ピークシフト動作開始時間
・ピークシフト動作終了日時:ピークシフト動作終了時間
・ピークシフト対応計画レベル:ピークシフト動作の計画時の対応レベル(どのくらい抑制するか、どのくらい動作するかのレベルがあれば)
・ピークシフト動作実施レベル:ピークシフト動作の実施中、実施済みの実績レベル(どのくらい抑制するか、どのくらい動作するかのレベルがあれば)
以上に説明したように、本発明の実施例の電力制御システム11は、ネガワット発電を小口需要家に適切に分配できる。また、デマンドコントロール対応機器44の1台の消費電力の削減量は小さくても、多くのデマンドコントロール対応機器44が削減した電力量を集めて、多くの電力を削減でき、削減した電力を電力取引市場36に提供できる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
10 デマンドコントロール対応サービス提供事業者
11 電力制御システム
20 電力アグリゲータ
21 電力取引システム
31 電力会社(発電)
32 再生可能エネルギー発電事業者
33 電力会社(供給・系統管理)
34 電力会社(売電)
35 電力配電網
36 電力取引市場
40 需要家
41 スマートメータ
42 通信装置
43 家庭内ネットワーク
44 デマンドコントロール対応機器
45 端末

Claims (10)

  1. 電力制御システムであって、
    所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスとを有する計算機によって構成され、
    制御可能な電気機器とネットワークを介して通信可能に接続されており、
    節電の要請を前記電気機器に分配する演算処理を実行して、各電気機器に対する節電制御指令を生成し、
    前記生成した節電制御指令を前記電気機器に送信することを特徴とする電力制御システム。
  2. 請求項1に記載の電力制御システムであって、
    前記ネットワークは、公衆ネットワークであり、
    前記計算機は、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上であることを特徴とする電力制御システム。
  3. 請求項1に記載の電力制御システムであって、
    前記節電は、電力取引市場を介して要請されるものであることを特徴とする電力制御システム。
  4. 請求項1に記載の管理装置であって、
    前記電気機器が前記節電制御指令に応じられない場合、当該節電制御指令に応じる他の電気機器を探し、新たに生成した節電制御指令を送信することを特徴とする電力制御システム。
  5. 請求項1に記載の管理装置であって、
    前記節電制御指令の対象時間帯において、前記電気機器が消費電力を低減する節電制御指令を生成することを特徴とする電力制御システム。
  6. 請求項5に記載の管理装置であって、
    前記電気機器の種別及び電力消費の特性の少なくとも一つに従って、
    前記節電制御指令の対象時間帯において、前記電気機器が消費電力を低減する節電制御指令を生成するか、
    前記節電制御指令の時間帯外において、前記電気機器が消費電力を増加するモードで運転し、前記節電制御指令の対象時間帯において、前記電気機器が消費電力を低減する節電制御指令を生成するかを決定することを特徴とする電力制御システム。
  7. 請求項1に記載の管理装置であって、
    前記節電制御指令の前の時間帯において、前記電気機器が消費電力を増加するモードで運転し、前記節電制御指令の対象時間帯において、前記電気機器が消費電力を低減する節電制御指令を生成することを特徴とする電力制御システム。
  8. 請求項1に記載の管理装置であって、
    前記節電制御指令の時間帯において、前記電気機器の出力を所定割合減少する、及び、前記電気機器の動作時間を所定割合短縮するの少なくとも一つを指示する節電制御指令を生成することを特徴とする電力制御システム。
  9. 請求項4に記載の管理装置であって、
    前記電気機器の使用者が操作可能な端末装置と前記ネットワークを介して接続されており、
    前記端末装置に入力された前記節電制御指令に応じられない旨の応答を受信することを特徴とする電力制御システム。
  10. 電力制御システムが実行する電力制御方法であって、
    前記電力制御システムは、
    所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスとを有する計算機によって構成され、
    制御可能な電気機器とネットワークを介して通信可能に接続されており、
    前記電力制御方法は、
    前記演算装置が、節電の要請を、前記電気機器に分配する演算処理を実行して、各電気機器に対する節電制御指令を生成し、
    前記演算装置が、前記生成した節電制御指令を前記電気機器に送信することを特徴とする電力制御方法。
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