JP2023046777A - 設備保守検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設備の保守検査を人手に頼ることなく高精度、かつ、自動的に推定する設備保守検査システムを提供する。【解決手段】設備の保守検査を行う設備保守検査システム1であって、ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、撮像した設備の種類に関する種類情報を取得する情報取得手段と、過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、設備の保守検査を行う設備保守検査システムに関する。
従来、ビルや建物の設備(水道、ガス、電気)、工場の設備(ライン、ベルトコンベア、ロボット、プラント設備)、施設の設備(調理場の設備、防火設備、空調設備)等の健全度について定期的に検査することが行われている。
この健全度の判別は、作業員が自ら設備まで至近距離まで接近し様々な方向から判別しないと分からない欠陥もある。また、設備によっては、設備が晒される環境や、検査時期、或いは他の分析データを含めて総合的に健全度を判別したい場合もある。
しかしながら、従来の設備保守検査システムでは、このような要望に応えることができる技術が未だ提案されていないのが現状であった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、設備の保守検査を人手に頼ることなく高精度かつ自動的に推定することが可能な設備保守検査システムを提供することにある。
本発明に係る設備保守検査システムは、設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、撮像した設備の種類に関する種類情報を取得する情報取得手段と、過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記設備の種類毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記種類情報に応じた設備の種類の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有することを特徴とする。
特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に構造物の保守検査を高精度に行うことができる。
本発明を適用したシステムの全体構成を示すブロック図である。 探索装置の具体的な構成例を示す図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。
以下、本発明を適用した構造物保守推定プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、本発明を適用した構造物保守推定プログラムが実装される構造物保守検査システム1の全体構成を示すブロック図である。構造物保守検査システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された推定装置2と、推定装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する推定装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を推定装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、風向センサ、を測るための照度センサで構成されていてもよい。また情報取得部9は、天候についてのデータを気象庁や民間の天気予報会社から取得する通信インターフェースで構成されていてもよい。また情報取得部9は身体に装着して身体のデータを検出するための身体センサで構成されていてもよく、この身体センサは、例えば体温、心拍数、血圧、歩数、歩く速度、加速度を検出するためのセンサで構成されていてもよい。また情報取得部9は図面等の情報をスキャニングしたり、或いはデータベースから読み出すことで取得するデバイスとして構成されていてもよい。情報取得部9は、これら以外に臭気や香りを検知する臭気センサにより構成されていてもよい。
データベース3は、健全度推定を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。健全度推定を行う上で必要な情報としては、過去において構造物の外観を撮像した構造物の外観の画像を撮像した参照用外観情報、構造物の外観の画像を撮像することにより抽出した構造物のキズ、欠陥、剥離、付着物の何れかからなる参照用表面情報外観情報表面情報外観情報他の参照用情報外観情報外観情報外観情報外観情報外観情報外観情報外観情報等と、これらに対して実際に判断がなされた構造物の健全度とのデータセットが記憶されている。
つまり、データベース3には、このような参照用外観情報外観情報又は参照用表面情報表面情報他の参照用情報等の何れか1以上と、構造物の健全度が互いに紐づけられて記憶されている。なお、データベース3にこのような学習データを記憶する代わりに、判別装置2や情報取得部9側に学習データを記憶させるようにしてもよい。即ち、判別装置2や情報取得部9をいわゆるエッジデバイスとし、このエッジデバイスに、人工知能を搭載し、学習データを蓄積させて推論を行うようにしてもよい。
推定装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この推定装置2による探索解を得ることができる。
図2は、推定装置2の具体的な構成例を示している。この推定装置2は、推定装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、推定装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる構造物保守検査システム1における動作について説明をする。以下でいう構造物は、あらゆる建築構造物(家屋、ビル、マンション、学校等)と、あらゆる土木構造物(道路、高速道路、ガードレール、トンネル、橋梁、フェンス、ダム、堤防等)が含まれる。
構造物保守検査システム1は、このような構造物の健全度を検査するものである。ここでいう健全度とは、いわゆる構造物として、どの程度の信頼性、耐久性が有るかを示すものである。この健全度は、逆に劣化度合を介して示されるものであってもよい。この健全度は、設計時における耐力、耐疲労特性、その他の機械的特性に対する、現時点におけるパフォーマンスがどの程度であるかを示すものであってもよい。この健全度は、構造物中に混入した異物や亀裂、欠陥、剥離等に応じて支配される場合が多い。
構造物保守検査システム1は、例えば図3に示すように、参照用外観情報と、構造物の健全度との3段階以上の連関度が予め設定されていることが前提となる。参照用外観情報とは、構造物の外観について、構造物を撮像することにより得られた外観情報から得られるものであり、外観情報を解析することで得ることができる。参照用外観情報とは、構造物の外観を構成する画像であればいかなるものも含まれるが、より具体的にはその画像から色、輝き、状態等を抽出したものであってもよい。この画像は静止画のみならず動画であってもよい。また、この画像は可視光で構成されるが画像ではなく、スペクトルに応じて表示色を切り替えたいわゆるスペクトル画像で構成されていてもよい。この参照用外観情報は、構造物について撮像した画像を解析することで、構造物の大きさ、形状、色の何れかに基づいて、構造物の外観を特定するようにしてもよい。またこの参照用外観情報は、構造物について撮像した超音波画像で構成してもよい。これらの構造物の外観は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。このとき、人工知能を活用し、構造物の大きさ、形状、色等の画像データと、構造物の健全度を学習させておき、実際に参照用外観情報を取得する際には、これらの学習させた画像データと照らし合わせて、その構造物の健全度を判別するようにしてもよい。
かかる場合には、外観情報と、構造物の大きさ、形状、色の何れかの外観とを教師データとして機械学習された予想モデルを用い、入力を上記外観情報とし、出力を上記外観として判定した結果に基づいて、外観を特定するようにしてもよい。
構造物の健全度は、その参照用外観情報として撮像した構造物の実際の健全度である。この健全度は、都度手入力により入力するようにしてもよい。また、構造物の健全度は、実際に専門家や当業者によって、あるいは業者によって評価されたものであってもよく、その鑑定書に記載の内容に基づいてもよいし、評価者によって評価され、例えば、100点満点、或いは1000点満点でランク付けされたものであってもよい。あるいは良、悪の2段階で、或いは2段階以上で評価されたものであってもよい。
このような参照用外観情報と、構造物の健全度からなるデータセットを取得しておき、これを学習させる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01~P03であるものとする。このような入力データとしての参照用外観情報P01~P03は、出力としての構造物の健全度に連結している。この出力においては、出力解としての、構造物の健全度が表示されている。
参照用外観情報は、この出力解としての構造物の健全度A~Dに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。健全度は、その構造物が同一種類の構造物であると仮定した場合に、例えば健全度Aは、良好、健全度Bは、やや良好、健全度Cは、ふつう、健全度Dは、悪い等のように配列している。参照用外観情報がこの連関度を介して左側に配列し、各構造物の健全度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報に対して、何れの構造物の健全度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報が、いかなる構造物の健全度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報から最も確からしい構造物の健全度を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13~w19が示されている。このw13~w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての構造物の健全度と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
Figure 2023046777000002
推定装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13~w19を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と、その場合の構造物の健全度の何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用外観情報がαであるものとする。このような参照用外観情報に対する構造物の健全度としては構造物の健全度Aが多く評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用外観情報との連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01である場合に、過去の構造物の健全度の評価を行った結果の各種データから分析する。こ参照用外観情報P01である場合に、構造物の健全度Aの事例が多い場合には、この構造物の健全度の評価につながる連関度をより高く設定し、構造物の健全度Bの事例が多い場合には、この構造物の健全度の評価につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用外観情報P01の例では、構造物の健全度Aと、構造物の健全度Cにリンクしているが、以前の事例から構造物の健全度Aにつながるw13の連関度を7点に、構造物の健全度Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この連関度は、図4に示すように、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを、以前の評価対象の構造物の外観の画像等と実際に推定・評価した構造物の健全度とのデータセットを通じて作った後に、実際にこれから新たに構造物の健全度の判別を行う上で、上述した学習済みデータを利用して構造物の健全度を探索することとなる。かかる場合には、実際に判別対象の領域において外観情報を新たに取得する。新たに取得する外観情報は、上述した情報取得部9により入力される。外観情報は、健全度を判別しようとする構造物を撮像することで取得する。この判別方法は、上述した参照用外観情報と同様の手法で行うようにしてもよい。
このようにして新たに取得した外観情報に基づいて、構造物の健全度を判別する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して構造物の健全度Bがw15、構造物の健全度Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い構造物の健全度Bを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる構造物の健全度Cを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。なお、連関度は3段階以上のものを利用する場合に限定されるものではなく、2段階の連関性、即ち、1か0か、関係があるか否かを示すもので構成されるものであってもよい。かかる場合には、入力側の参照用外観情報と、出力側の健全度とが互いに紐付けられたテーブルを参照するようにしてもよい。そしてある外観情報が入力された場合、これに対応する参照用外観情報に紐付けられた健全度を出力することとなる。
このようにして、新たに取得する外観情報から、最も好適な構造物の健全度を探索し、推定表示することができる。
なお、この図3において、参照用外観情報の代替として、過去において構造物を撮像することにより抽出した構造物のキズ、欠陥、剥離、付着物の何れかからなる参照用表面情報表面情報と、構造物の健全度との3段階以上の連関度を予め学習させるようにしてもよい。ここでいう付着物とは、表面に付着した汚れや異物、塵やゴミである。欠陥とは、亀裂やヒビ等である。参照用表面情報は、例えばキズ、欠陥、剥離、付着物のサイズや量、位置、コントラスト、性質等の情報で構成される。参照用表面情報を取得する際には、図5に示すように、推定対象の構造物の外観を撮像した画像データと、構造物のキズ、欠陥、剥離、付着物の大きさや量等からなる表面情報とを教師データとして機械学習された予想モデルを用いるようにしてもよい。入力を上記画像データとし、出力を上記表面情報とすることで新たに表面情報を取得するようにしてもよい。即ち、この表面情報は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。なお、ここでいうキズは、実際に構造物につけられたキズ以外に、付着した汚れも含む。このとき構造物の外観を撮像した画像データは、いわゆるスペクトルカメラを利用して撮像した、波長ごとに色彩が分類されたスペクトル画像を利用するようにしてもよい。
このようにして得られた表面情報から参照用表面情報を構成し、また撮像した構造物についての実際の健全度(健全度)を取得することで上述と同様にデータセットを得て、図3、4に示すような連関度を形成しておく。次に実際に健全度を推定したい構造物について撮像することで画像データを取得する。この画像データについて、実際に図5に示す連関度を参照し、表面情報を得る。予め学習させた、参照用外観情報と構造物の健全度との3段階以上の連関度を参照し、取得した表面情報を介して健全度を探索することができる。
なお、上述した参照用外観情報は、例えば構造物の色、輝き、状態、透明度、加工状態等の情報で構成される。色、輝き、透明度はそのレベルに応じて階層化されたランクで表示されるものであってもよい。また加工状態は、構造物のカットの状態、カットされた各面の形状や大きさ、摩擦の仕上がり具合等を示すものであり、そのレベルに応じて階層化されたランクで表示されるものであってもよい。参照用外観情報を取得する際には、図6に示すように、推定対象の構造物の外観を撮像した画像データと、構造物の色、輝き、透明度、加工状態等からなる外観情報とを教師データとして機械学習された予想モデルを用いるようにしてもよい。入力を上記画像データとし、出力を上記外観情報とすることで新たに外観情報を取得するようにしてもよい。即ち、この外観情報は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。
このようにして得られた外観情報から参照用外観情報を構成し、また撮像した構造物についての実際の健全度(健全度)を取得することで上述と同様にデータセットを得て、図3、4に示すような連関度を形成しておく。次に実際に健全度を推定したい構造物について撮像することで画像データを取得する。この画像データについて、実際に図6に示す連関度を参照し、外観情報を得る。予め学習させた、参照用外観情報と構造物の健全度との3段階以上の連関度を参照し、取得した外観情報を介して健全度を探索することができる。このとき構造物を撮像した画像データは、いわゆるスペクトルカメラを利用して撮像した、波長ごとに色彩が分類されたスペクトル画像を利用するようにしてもよい。
なお本発明によれば、参照用外観情報と、構造物の健全度との3段階以上の連関度を予め学習させ、その連関度を利用して構造物の健全度を探索する場合に限定されるものではない。つまり外観情報と、構造物の健全度は、3段階以上の連関度ではなく、2段階以上の連関性に基づいていればよい。2段階以上の連関性とは、各参照用外観情報に、いかなる構造物の健全度が紐づいているか否かを示すものであってもよい。
例えば、参照用外観情報G11は、健全度が良好、参照用外観情報G12は、健全度が普通、参照用外観情報G13は、健全度が悪い等のように参照用外観情報と健全度が1対1で紐付けられている。このような紐付けをテンプレートや表にしたデータを予め準備しておくようにしてもよい。そして、実際に参照用外観情報に応じた外観情報を取得した場合には、そのテンプレートや表を参照し、これに対応する健全度を出力するようにしてもよい。即ち、外観情報に応じた参照用外観情報に基づいて健全度を取得することが可能となる。
同様に、参照用表面情報と、構造物の健全度との3段階以上の連関度を予め学習させ、その連関度を利用して構造物の健全度を探索する場合に限定されるものではない。つまり表面情報と、構造物の健全度は、3段階以上の連関度ではなく、2段階以上の連関性に基づいていればよい。2段階以上の連関性とは、各参照用表面情報に、いかなる構造物の健全度が紐づいているか否かを示すものであってもよい。
実際に参照用表面情報に応じた表面情報を取得した場合には、そのテンプレートや表を参照し、これに対応する健全度を出力するようにしてもよい。即ち、表面情報に応じた参照用外観情報に基づいて健全度を取得することが可能となる。
図7の例では、参照用外観情報と、他の参照用情報との他の参照用情報組み合わせが形成されていることが前提となる。他の参照用情報とは、参照用種類情報、参照用環境情報、参照用時期情報、参照用センシング情報、参照用利用状況情報、参照用材質情報、参照用築年数情報等が含まれる。
参照用種類情報とは、構造物の種類に関する情報である。ここでいう構造物の種類は、建築構造物であれば、家屋、ビル、マンション、学校等の何れの種類であるのか、或いは土木構造物であれば、道路、高速道路、ガードレール、トンネル、橋梁、フェンス、ダム、堤防等の何れの種類であるのかを示す情報である。この参照用種類情報は、このような大まかな分類以外に、更に細分化されていてもよく、例えばビルであれば、その階数、施工会社、大きさや広さ、工法等に分類されていてもよい。また家屋であれば、そのブランド名等に応じて細分化されていてもよい。
参照用環境情報とは、その構造物が設置され、晒される環境に関するあらゆる情報である。ここでいう環境とは、温度、湿度、風量等に加え、降水量、過去の水害による浸水の有無、日照量、日照時間等、環境に関するあらゆる情報が含まれる。構造物によっては、環境によってその健全度に影響する場合もあることから、これを参照用情報として含めている。
参照用時期情報は、検査を行う時期に関する情報である。この検査を行う時期は、月単位、週単位といった大まかなものから、日単位、時間、分、秒単位等まで細分化されるものであってもよい。構造物によっては、検査の時期によってその健全度に影響する場合もあることから、これを参照用情報として含めている。
参照用センシング情報は、構造物に対して非破壊検査を行うためのセンサによりセンシングした情報である。このセンサとは、超音波を利用した非破壊検査に利用される超音波センサや、ひずみゲージ、光を利用した非破壊検査に利用されるセンサ等である。また、構造物から発せられる各波長帯の光を検出するためのスペクトルセンサ等であってもよい。
参照用利用状況情報は、検査対象の構造物の利用状況を示すデータで構成される。参照用利用状況情報は、その構造物がどの程度利用されているかを示すものであり、利用頻度を示すものであってもよい。例えば道路や橋梁、トンネルであれば、単位時間当たりの車両通行量等であってもよい。このような利用頻度を時系列的にまとめたグラフを参照用利用情報としてもよい。構造物によっては、利用状況に応じて健全度の判定基準を変える必要が出てくるものもあることから、これを参照用情報として含めている。
参照用材質情報とは、構造物の材質に関する情報である。構造物の材質がコンクリートであれば、そのコンクリートの種類や製造条件、成分等のデータで構成される。
参照用築年数情報とは、構造物が完成してからの経過年数で示されるデータである。このような築年数も、構造物によっては、利用状況に応じて健全度の判定基準を変える必要が出てくるものもあることから、これを参照用情報として含めている。
図7の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01~P03、他の参照用情報P14~17であるものとする。このような入力データとしての、参照用外観情報に対して、他の参照用情報が組み合わさったものが、図7に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、構造物の健全度が表示されている。
参照用外観情報と他の参照用情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、構造物の健全度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報と他の参照用情報がこの連関度を介して左側に配列し、構造物の健全度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報と他の参照用情報に対して、構造物の健全度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報と他の参照用情報が、いかなる構造物の健全度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報と他の参照用情報から最も確からしい構造物の健全度を選択する上での的確性を示すものである。このため、これらの参照用外観情報と他の参照用情報の組み合わせで、最適な構造物の健全度を探索していくこととなる。
図7の例では、連関度としてw13~w22が示されている。このw13~w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
推定装置2は、このような図7に示す3段階以上の連関度w13~w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と他の参照用情報、並びにその場合の構造物の健全度が何れが見合うものであったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図7に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にあった実際の事例における参照用外観情報がαであるものとする。また他の参照用情報が、ある参照用時期情報である、時期Wであるものとする。かかる場合に、実際にその構造物の健全度がいくらであったかを示す構造物の健全度をデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。なお、このような参照用外観情報や、他の参照用情報は、業者等が管理する管理データベースから抽出するようにしてもよい。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01で、他の参照用情報P16である場合に、その構造物の健全度を過去のデータから分析する。構造物の健全度がAの事例が多い場合には、この健全度Aにつながる連関度をより高く設定し、構造物の健全度Bの事例が多く、構造物の健全度Aの事例が少ない場合には、構造物の健全度Bにつながる連関度を高くし、構造物の健全度Aにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、構造物の健全度Aと健全度Bの出力にリンクしているが、以前の事例から構造物の健全度Aにつながるw13の連関度を7点に、構造物の健全度Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図7に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図7に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外観情報P01に対して、他の参照用情報P14の組み合わせのノードであり、構造物の健全度Cの連関度がw15、構造物の健全度Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外観情報P02に対して、参照用位置情報P15、P17の組み合わせのノードであり、構造物の健全度Bの連関度がw17、構造物の健全度Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから構造物の健全度を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際に外観情報と、参照用情報に応じた情報とを取得する。参照用情報に応じた情報とは、例えば参照用情報が参照用時期情報であれば、検査時の時期情報に相当する。参照用情報が参照用種類情報であれば、検査対象の構造物の種類情報が参照用情報に応じた情報に相当する。参照用情報が参照用環境情報であれば、検査対象の構造物が晒される環境の環境情報が参照用情報に応じた情報に相当する。参照用情報が参照用センシング情報であれば、検査対象の構造物についてセンシングしたセンシング情報が参照用情報に応じた情報に相当する。参照用情報が参照用利用状況情報であれば、検査対象の構造物の利用状況に関する利用状況情報が参照用情報に応じた情報に相当する。参照用情報が参照用材質情報であれば、検査対象の構造物の材質に関する材質情報が参照用情報に応じた情報に相当する。参照用情報が参照用築年数情報であれば、検査対象の構造物の築年数に関する築年数情報が参照用情報に応じた情報に相当する。
このようにして新たに取得した外観情報、参照用情報に応じた情報に基づいて、最適な構造物の健全度を探索する。かかる場合には、予め取得した図7(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、参照用情報に応じた情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、構造物の健全度Cがw19、構造物の健全度Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い構造物の健全度Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる構造物の健全度Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1~w12の例を以下の表2に示す。
Figure 2023046777000003
この入力から伸びている連関度w1~w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1~w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1~w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
なお、上述した図7の例では、参照用外観情報と、他の参照用情報との組み合わせに対する構造物の健全度に関する連関度を適用する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、上述した参照用表面情報と他の参照用情報との組み合わせに対する構造物の健全度に関する連関度を形成するものであってもよい。かかる場合における構造物の健全度推定方法は、上述と同様であるため、以下での説明を省略する。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に構造物の健全度の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
なお、上述した連関度では、参照用外観情報又は参照用表面情報に加え、上述した各参照用情報の何れかとの組み合わせで構成されている場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。つまり連関度は、参照用外観情報又は参照用表面情報に加え、上述した各参照用情報の何れか2以上との組み合わせで構成されていてもよい。また連関度は、参照用外観情報又は参照用表面情報に加え、上述した各参照用情報の何れか1以上に加え、他のファクターがこの組み合わせに加わって連関度が形成されていてもよい。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0~100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしい構造物の健全度を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また参照用外観情報、参照用表面情報、他の参照用情報を取得し、これらに対する構造物の健全度、改善施策に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
なお図3に示す連関度が、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものである場合には、入力データとして参照用外観情報が入力され、出力データとして構造物の健全度が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。
また本発明は、図8に示すように参照用情報Uと参照用情報Vという2種類以上の情報の組み合わせの連関度に基づいて構造物の健全度を判別するものである。この参照用外観情報Uが参照用外観情報又は参照用表面情報であり、参照用情報Vが他の参照用情報の何れかであるものとする。
このとき、図8に示すように、参照用情報Uについて得られた出力をそのまま入力データとして、参照用情報Vとの組み合わせの中間ノード61を介して出力(構造物の健全度)と関連付けられていてもよい。例えば、参照用情報U(参照用外観情報)について、図3に示すように出力解を出した後、これをそのまま入力として、他の参照用情報Vとの間での連関度を利用し、出力(構造物の健全度)を探索するようにしてもよい。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでは無く、例えば図9に示すように、基調となる参照用情報(参照用外観情報又は参照用表面情報)と、構造物の健全度との3段階以上の連関度を利用するようにしてもよい。かかる場合には、新たに取得した情報に応じた構造物の健全度との3段階以上の連関度に基づき、解探索を行うことになる。基調となる参照用情報は、上述した参照用外観情報又は参照用表面情報であるが、他の参照用情報も適用可能である。
これらの場合も同様に、学習用データとして用いられた参照用情報に応じた情報が入力された場合に、上述した方法に基づいて解探索が行われることとなる。
連関度を通じて求められる探索解は、更に、他の参照用情報に基づいて修正され、或いは重み付けを変化させるようにしてもよい。
ここでいう他の参照用情報とは、上述した参照用情報の何れかを基調となる参照用情報とした場合、当該基調となる参照用情報以外のいかなる参照用情報に該当する。
例えば、他の参照用情報の一つとして、ある参照用表面情報P14において、以前において健全度としてBが判別される経緯が多かったものとする。このような参照用表面情報P14に応じた健全度を新たに取得したとき、健全度の探索解Bに対して、重み付けを上げる処理を行い、換言すれば健全度の探索解Bにつながるようにする処理を行うように予め設定しておく。
例えば、他の参照用情報Gが、より健全度の探索解Cを示唆するような分析結果であり、参照用情報Fが、より健全度の探索解Dを示唆するような分析結果であるものとする。このように参照用情報との間での設定の後、実際に取得した情報が参照用情報Gと同一又は類似する場合には、健全度の探索解Cの重み付けを上げる処理を行う。これに対して、実際に取得した情報が参照用情報Fと同一又は類似する場合には、健全度の探索解Dの重み付けを上げる処理を行う。つまり、健全度につながる連関度そのものを、この参照用情報F~Hに基づいてコントロールするようにしてもよい。或いは、健全度を上述した連関度のみで決定した後、この求めた探索解に対して参照用情報F~Hに基づいて修正を加えるようにしてもよい。後者の場合において、参照用情報F~Hに基づいてどのように探索解としての健全度にいかなるウェートで修正を加えるかは、都度システム側において設計したものを反映させることとなる。
また他の参照用情報は、何れか1種で構成される場合に限定されるものではなく、2種以上の参照用情報に基づいて解探索するようにしてもよい。かかる場合も同様に、参照用情報の示唆する健全度につながるケースほど、連関度を介して求められた探索解としての当該判別類型をより高く修正するようにしてもよい。
第2実施形態
第2実施形態においては、判別装置2、又はこの判別装置2及び情報取得部9をウェアラブル端末の中でも特に眼鏡型端末、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用するものである。このHMDは、ユーザの頭部又は眼鏡に一体又は部分的に装着され、拡張現実(AR:Augmented Reality)或いは複合現実(MR:Mixed Reality)といった技術を利用し、取得した各種の映像情報に基づいて生成された情報を透過状態で表示する表示部を備える。ユーザは、表示すべき情報をHMD上において透過して表示する表示部を介して、視認し、理解することができる。これによりユーザは、目の前の状況を見つつ、取得された各種の映像情報に基づいて生成された情報や各種コンテンツを合わせて確認することが可能となる。
このため、本発明においては、例えば、外観情報や表面情報をこのHMDに実装された情報取得部9を介して取得する。そして、HMD内において実装された判別装置2により解探索を行い、得られた探索解(構造物の健全度やその販売価格等)を、表示部を介して透過状態で表示するようにしてもよい。
このような第2実施形態において学習用データとして学習させる参照用外観情報や、参照用表面情報は、実際にHMD等を始めとする眼鏡型端末で撮像したものであってもよいが、これに限定されるものではなく、通常のデジタルカメラやスマートフォン等で撮像したものであってもよい。
また、この参照用外観情報、参照用表面情報を実際に得る上で、構造物のいかなる部位を撮像しているかを紐づけるようにしてもよい。
例えば参照用外観情報を得る上で、構造物の健全度を評価する熟練のベテランの鑑定者や当業者が、構造物のいかなる部位を見ているかを検出する。仮にベテラン鑑定者が、構造物の底面の部位を中心に視認しているか、或いは構造物の斜め上の部位を中心に視認しているか、或いは構造物の側面の部位を中心に視認しているのかを検出する。
この検出は、例えばベテラン鑑定者に眼鏡型端末を装着させて実際に構造物に近づいて確認する作業を行わせ、その間において眼鏡型端末に実装されている情報取得部9を介して随時ベテラン鑑定者が視認している方向の画像を撮像し続ける。そして、事後的にその録画した画像を解析し、或いは画像を再生することにより、実際にベテラン鑑定者が構造物の外観情報や表面情報を介して構造物の健全度を評価する作業を行う上で、構造物のいかなる部位を視認しているかを検知することが可能となる。
かかる場合において、図10に示すように、眼鏡型端末で撮像された動画像を時系列的に並べた場合に、構造物が橋梁である場合に、橋脚の画像(P1)、橋梁の床版表面の画像(P2)、床版表面の拡大画像(P3)、欄干の画像(P4)であったものとする。このようにして時系列的に得られた画像から、撮像対象部位情報を検出するようにしてもよい。ここでいう撮像対象部位情報とは、眼鏡型端末で撮像された画像が構造物のいかなる部位を撮像しているかに関する情報である。この撮像対象部位情報は、図10に示すように、橋脚、床版、欄干等のように実際に撮像している部位の名称で構成されていてもよいし、当該部位を特定するための記号や数値、番号等で表現されるものであってもよい。また撮影対象部位情報は、例えば、撮影が拡大画像であるか縮小画像であるか否か、また撮影する際の撮影方向や画角等の情報も盛り込むようにしてもよい。
この撮影対象部位情報の取得は、撮影対象となる部位を都度人間が判別して手入力してもよいが、取得した画像を周知の画像解析技術を利用することで得るようにしてもよい。この撮影対象部位情報の取得は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。例えば構造物の橋脚、床版、欄干等の各部の画像を、ディープラーニング技術を利用して、人工知能を通じて抽出することで判別するようにしてもよい。かかる場合には、参照用外観情報に含まれる構造物の部位と、撮像対象部位情報とを教師データとして用い、入力を参照用外観情報とし、出力を撮像対象部位情報とした機械学習モデルを利用する。そして、新たにユーザ端末を介して撮像された参照用外観情報に基づいて撮像対象部位情報を取得する。また、撮影対象部位情報の取得は、これ以外に、HMDや眼鏡型端末において搭載されている、アイトラッキング機能を利用して検出した視線の方向、加速度センサやジャイロセンサを利用して検出した頭部の向き、操作デバイスやハンドトラッキング機能を利用したユーザの手の動き等を介して、撮影対象部位情報を取得するようにしてもよい。
このようにして得られた撮影対象部位情報を上述した各画像P1~P4等と紐付けて記録しておくことにより、各画像P1~P4が構造物のいかなる部位を撮像した画像であるかをセットで取得することができる。仮にベテランの鑑定者からこのような参照用外観情報を構成する画像P1~P4と、撮影対象部位情報を取得することで、ベテランの鑑定者が実際に構造物の検査を行う上でいかなる部位をいかなる順番で確認しているのか、また拡大画像であるか否か、また撮影角度等のような撮影環境も取得することができる。参照用表面情報についても同様に撮影対象部位情報を取得して、これを紐付けて記録しておくことが可能となる。
第2実施形態においては、撮影対象部位情報を活用することで、実際の解探索時の利便性を高めることができる。上述した学習データを予め構築した上で、HMDを装着したユーザが本発明を実施する場合、探索解(健全度、販売価格等)の探索は、上述した第1実施形態において説明した方法に基づいて実行する。このとき、HMDを装着したユーザが自ら視認している構造物について撮像した外観情報、表面情報を取得する過程で、同様に撮影対象部位情報を得るようにしてもよい。外観情報、表面情報からこの撮影対象部位情報を取得する方法としては、上述したように学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよく、例えば外観情報中の構造物の橋脚、床版、欄干等の構造物の各部の画像を、ディープラーニング技術を利用して、人工知能を通じて抽出することで判別するようにしてもよい。かかる場合には、外観情報に含まれる構造物の部位と、撮像対象部位情報とを教師データとして用い、入力を外観情報とし、出力を撮像対象部位情報とした機械学習モデルを利用する。そして、新たにユーザ端末を介して撮像された外観情報に基づいて撮像対象部位情報を取得する。表面情報からも同様に撮像対象部位情報を取得することができる。
以下、外観情報、表面情報等を始めとする情報から取得した撮影対象部位情報を第1撮影対象部位情報ともいい、参照用外観情報、参照用表面情報等を始めとする参照用情報から取得した撮影対象部位情報を第2撮影対象部位情報ともいう。
外観情報、表面情報を取得する過程で、このような第1撮影対象部位情報を都度取得することで以下に説明する優れた効果がある。撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報と、参照用外観情報の第2撮影対象部位情報が一致しているかを都度確認することが可能となる。撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報と、参照用外観情報の第2撮影対象部位情報が不一致の場合には、HMDの表示部を介してユーザに注意喚起の表示をすることができる。
例えば、撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報が“橋脚”であり、これに対応させるための参照用外観情報の第2撮影対象部位情報が“床版”である場合には、HMDを装着するユーザが外観情報を撮影する構造物の部位が誤った部位を撮影していることとなる。かかる場合には、上述のように注意喚起をすることで正しい部位に撮影対象を合わせることをユーザに促すことが可能となる。また、参照用外観情報に紐付けられた第2撮影対象部位情報が、欄干を拡大して視認するものであるのに対して、外観情報に紐付けられた第1撮影対象部位情報が同じ欄干の画像であるが拡大して視認していない場合には、同様にユーザに対して、画像を拡大して視認するように促すことが可能となる。
このようにして、撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報と、参照用外観情報の第2撮影対象部位情報との一致度、又は撮像した表面情報の撮影対象部位情報と、参照用表面情報の撮影対象部位情報との一致度を介して、HMDを装着したユーザに対して、実際に外観情報、表面情報の撮影方法について様々な示唆を行い、又は様々な修正を促すことが可能となる。このとき、このような示唆や修正の促進を、HMDや眼鏡型端末の表示部を介して透過状態で表示する、上述したARやMRを実現するようにしてもよい。なお、この撮影方法についての示唆は、第1撮像対象部位情報と、第2撮像対象部位情報とに基づいたものであればいかなる示唆を表示するものであってもよい。
なお、上述した図10の例において構造物について複数箇所を順次撮影対象を切り替える場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、参照用外観情報等が1箇所の構造物について得られたものである場合においても同様に撮影対象部位情報を取得して紐付けておくことで、実際に外観情報等を取得するユーザに対して上述した誘導を行うことが可能となる。
なお本発明は、図11に示すように、参照用外観情報又は参照用表面情報と、構造物の健全度との3段階以上の連関度を上記構造物の部位毎に予め取得するようにしてもよい。かかる場合には、橋脚用、床版用、欄干用等の構造物の各部位毎に、独立して参照用外観情報又は参照用表面情報と、構造物の健全度との連関度を学習させて保存しておく。
そして、取得した第1撮影対象部位情報に応じた構造物の部位の連関度を読み出し、上述と同様に解探索する。仮に第1撮影対象部位情報が構造物の橋脚であれば、その橋脚用の連関度からなる評価モデルを選択し、健全度推定を行う。これにより、構造物の部位毎に特化した評価モデルを選択することができ、より高精度な健全度推定を行うことができる。
なお、本発明は、図12に示すように、連関度を上述したように構造物の各部位について構築するとともに、その連関度を他の参照用情報毎に分類されていてもよい。ここでいう他の参照用情報とは、第1実施形態において説明したあらゆる参照用情報が含まれる。このうち、参照用種類情報に着目した場合、例えば図12に示すように、他の参照用情報Aとして、構造物についてそれぞれ橋脚用、床版用、欄干用等の構造物の各部位毎の連関度が形成されており、他の参照用情報Bとして構造物についてそれぞれ橋脚用、床版用、欄干用等の構造物の各部位毎の連関度が形成されている。このような各参照用情報毎に分類された、各部位毎の連関度を準備しておく。そして、新たに解探索を行う場合には、上述した撮影対象部位情報を取得すると共に、他の情報を取得する。この取得する他の情報とは、上述した他の参照用情報に対応したものである。仮に他の参照用情報が、参照用種類情報であれば、種類情報を取得することになる。取得した他の情報に応じた参照用情報における構造物の部位毎に分類された評価モデルを選択し、同様に解探索を行う。上述した図12の例の場合、取得したものが他の情報B(種類情報B)である場合、これに応じた他の参照用情報B(参照用種類情報B)における構造物の部位毎に分類された何れかの評価モデルを選択し解探索することとなる。
なお、構造物の各部位について構築する連関度は、上述した参照用種類情報毎に構築する場合以外に、他のいかなる参照用情報毎に構築してもよい。かかる場合も同様に参照用情報に応じた情報を取得し、取得した情報に応じて連関度を選択することとなる。
学習済みモデルを構築する過程では、上述した参照用外観情報、参照用表面情報を取得する際に、同様に第2撮影対象部位情報を取得しておく。また撮像し構造物についての実際の健全度(販売価格)を取得することで上述と同様にデータセットを得て、図3、4に示すような連関度を形成しておく。解探索時には、推定対象の構造物について取得した表面情報から参照用表面情報を構成し、或いは取得した外観情報から参照用外観情報を構成すると共に、同様に第1撮影対象部位情報を取得する。
そして取得した第1撮像対象部位情報と、取得した外観情報(表面情報)と同一又は類似の参照用外観情報(参照用表面情報)に紐付けられて記録されている第2撮像対象部位情報とに基づいて、上述と同様にユーザに対して撮影方法についての示唆を表示する。
なお本発明は、図13に示すように、参照用外観情報又は参照用画像情報と、構造物の健全度との3段階以上の連関度をモデル選択情報毎に予め取得するようにしてもよい。ここでいうモデル選択情報とは、第1実施形態において説明した参照用情報としての、参照用種類情報に応じた種類情報、参照用環境情報に応じた環境情報、参照用時期情報に応じた時期情報、参照用センシング情報に応じたセンシング情報、参照用利用状況情報に応じた利用状況情報、参照用材質情報に応じた材質情報、参照用築年数情報に応じた築年数情報である。これらの情報の詳細は、第1実施形態の説明を引用することにより、以下での説明は省略する。モデル選択情報は、この第1実施形態において説明した種類情報、環境情報、時期情報、センシング情報、利用状況情報、材質情報、築年数情報等のうち何れか1種から選択され、選択されたモデル選択情報の内訳(選択情報1、2、3、・・・)毎に独立して参照用外観情報又は参照用画像情報と、構造物の健全度との連関度を学習させて保存しておく。モデル選択情報が種類情報であれば、選択情報1として種類〇〇、選択情報2として種類▲▲、選択情報3として種類◇◇等が挙げられ、これらの選択情報毎に連関度が設けられている。
そして、推定時には、推定対象の構造物におけるモデル選択情報を取得する。そして、取得したモデル選択情報に応じた構造物の選択情報1、2、3、・・・の何れかの連関度を読み出し、上述と同様に解探索する。仮にモデル選択情報が選択情報2であれば、その選択情報2用の連関度からなる評価モデルを選択し、健全度推定を行う。これにより、選択情報1、2、3、・・・毎に特化した評価モデルを選択することができ、より高精度な売買価格推定を行うことができる。
なお、本発明は、図14に示すように、連関度を上述したように選択情報1、2、3、・・・について構築するとともに、その連関度を他の参照用情報毎に分類されていてもよい。ここでいう他の参照用情報とは、第1実施形態において説明したあらゆる参照用情報(参照用種類情報、参照用環境情報、参照用時期情報、参照用センシング情報、参照用利用状況情報、参照用材質情報、参照用築年数情報等)が含まれる。このうち、参照用利用状況情報に着目した場合、例えば図14に示すように、他の参照用情報Aとして、利用状況〇〇についてそれぞれ選択情報1、2、3、・・・用毎の連関度が形成されており、他の参照用情報Bとして利用状況▲▲についてそれぞれ選択情報1、2、3、・・・用毎の連関度が形成されている。このような各参照用情報毎に分類された、各部位毎の連関度を準備しておく。そして、新たに解探索を行う場合には、上述したモデル選択情報を取得すると共に、モデル選択情報以外の他の情報を取得する。この取得する他の情報とは、上述した他の参照用情報に対応したものである。仮に他の参照用情報が、参照用利用状況情報であれば、利用状況情報を取得することになる。取得した他の情報に応じた参照用情報における選択情報1、2、3、・・・毎に分類された評価モデルを選択し、同様に解探索を行う。上述した図14の例の場合、取得したものが他の情報B(利用状況情報B)である場合、これに応じた他の参照用情報B(参照用利用状況情報B)における選択情報1、2、3、・・・毎に分類された何れかの評価モデルを選択し解探索することとなる。
なお、各モデル選択情報について構築する連関度は、上述した参照用利用状況情報毎に構築する場合以外に、他のいかなる参照用情報毎に構築してもよい。かかる場合も同様に参照用情報に応じた情報を取得し、取得した情報に応じて連関度を選択することとなる。 なお本発明は、構造物の代わりに、設備についても同様に健全度を保守検査する際にも適用することができる。ここでいう設備とは、ビルや建物の設備(水道、ガス、電気、トイレ、給湯、配電、照明)、工場の設備(ライン、ベルトコンベア、ロボット、プラント設備)、施設の設備(調理場の設備、防火設備、空調設備)等である。このような設備に対して健全度を検査する際にも同様に、参照用外観情報又は参照用画像情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度をモデル選択情報毎に予め取得する。そして、検査対象の設備に対して新たに取得した外観情報又は表面情報に基づいて設備の健全度を解探索する。
この構造物の代わりに設備について健全度を保守点検する詳細な説明は、上述した説明において構造物を設備に置き換えて説明することにより、以下での詳細な説明は省略する。
また、図10に示すように、設備の健全性を検証する際において、参照用外観情報、参照用表面情報を実際に得るときに、設備のいかなる部位を撮像しているかを紐づけるようにしてもよい。
例えば参照用外観情報を得る上で、設備の健全度を評価する熟練のベテランの鑑定者や当業者が、設備のいかなる部位を見ているかを検出する。仮にベテラン鑑定者が、設備の底面の部位を中心に視認しているか、或いは設備の斜め上の部位を中心に視認しているか、或いは設備の側面の部位を中心に視認しているのかを検出する。
この検出は、例えばベテラン鑑定者に眼鏡型端末を装着させて実際に設備に近づいて確認する作業を行わせ、その間において眼鏡型端末に実装されている情報取得部9を介して随時ベテラン鑑定者が視認している方向の画像を撮像し続ける。そして、事後的にその録画した画像を解析し、或いは画像を再生することにより、実際にベテラン鑑定者が設備の外観情報や表面情報を介して設備の健全度を評価する作業を行う上で、設備のいかなる部位を視認しているかを検知することが可能となる。
かかる場合において、図10に示すように、眼鏡型端末で撮像された動画像を時系列的に並べた場合に、設備が照明設備である場合に、照明の側面の画像(P1)、照明の底部の画像(P2)、照明の底部の拡大画像(P3)、照明の斜め下からの画像(P4)であったものとする。このようにして時系列的に得られた画像から、撮像対象部位情報を検出するようにしてもよい。ここでいう撮像対象部位情報とは、眼鏡型端末で撮像された画像が設備のいかなる部位を撮像しているかに関する情報である。この撮像対象部位情報は、図10に示すように、側面、底部、斜め下等のように実際に撮像している部位の名称で構成されていてもよいし、当該部位を特定するための記号や数値、番号等で表現されるものであってもよい。また撮影対象部位情報は、例えば、撮影が拡大画像であるか縮小画像であるか否か、また撮影する際の撮影方向や画角等の情報も盛り込むようにしてもよい。
この撮影対象部位情報の取得は、撮影対象となる部位を都度人間が判別して手入力してもよいが、取得した画像を周知の画像解析技術を利用することで得るようにしてもよい。この撮影対象部位情報の取得は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。例えば側面、底部、斜め下等の各部の画像を、ディープラーニング技術を利用して、人工知能を通じて抽出することで判別するようにしてもよい。かかる場合には、参照用外観情報に含まれる設備の部位と、撮像対象部位情報とを教師データとして用い、入力を参照用外観情報とし、出力を撮像対象部位情報とした機械学習モデルを利用する。そして、新たにユーザ端末を介して撮像された参照用外観情報に基づいて撮像対象部位情報を取得する。また、撮影対象部位情報の取得は、これ以外に、HMDや眼鏡型端末において搭載されている、アイトラッキング機能を利用して検出した視線の方向、加速度センサやジャイロセンサを利用して検出した頭部の向き、操作デバイスやハンドトラッキング機能を利用したユーザの手の動き等を介して、撮影対象部位情報を取得するようにしてもよい。
このようにして得られた撮影対象部位情報を上述した各画像P1~P4等と紐付けて記録しておくことにより、各画像P1~P4が設備のいかなる部位を撮像した画像であるかをセットで取得することができる。仮にベテランの鑑定者からこのような参照用外観情報を構成する画像P1~P4と、撮影対象部位情報を取得することで、ベテランの鑑定者が実際に設備の検査を行う上でいかなる部位をいかなる順番で確認しているのか、また拡大画像であるか否か、また撮影角度等のような撮影環境も取得することができる。参照用表面情報についても同様に撮影対象部位情報を取得して、これを紐付けて記録しておくことが可能となる。
第2実施形態においては、撮影対象部位情報を活用することで、実際の解探索時の利便性を高めることができる。上述した学習データを予め構築した上で、HMDを装着したユーザが本発明を実施する場合、探索解(健全度、販売価格等)の探索は、上述した第1実施形態において説明した方法に基づいて実行する。このとき、HMDを装着したユーザが自ら視認している設備について撮像した外観情報、表面情報を取得する過程で、同様に撮影対象部位情報を得るようにしてもよい。外観情報、表面情報からこの撮影対象部位情報を取得する方法としては、上述したように学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよく、例えば外観情報中の設備が照明設備であれば、その側面、底部、斜め下等の設備の各部の画像を、ディープラーニング技術を利用して、人工知能を通じて抽出することで判別するようにしてもよい。かかる場合には、外観情報に含まれる設備の部位と、撮像対象部位情報とを教師データとして用い、入力を外観情報とし、出力を撮像対象部位情報とした機械学習モデルを利用する。そして、新たにユーザ端末を介して撮像された外観情報に基づいて撮像対象部位情報を取得する。表面情報からも同様に撮像対象部位情報を取得することができる。
以下、外観情報、表面情報等を始めとする情報から取得した撮影対象部位情報を第1撮影対象部位情報ともいい、参照用外観情報、参照用表面情報等を始めとする参照用情報から取得した撮影対象部位情報を第2撮影対象部位情報ともいう。
外観情報、表面情報を取得する過程で、このような第1撮影対象部位情報を都度取得することで以下に説明する優れた効果がある。撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報と、参照用外観情報の第2撮影対象部位情報が一致しているかを都度確認することが可能となる。撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報と、参照用外観情報の第2撮影対象部位情報が不一致の場合には、HMDの表示部を介してユーザに注意喚起の表示をすることができる。
例えば、撮像した外観情報の第1撮影対象部位情報が“底部”であり、これに対応させるための参照用外観情報の第2撮影対象部位情報が“側面”である場合には、HMDを装着するユーザが外観情報を撮影する設備の部位が誤った部位を撮影していることとなる。かかる場合には、上述のように注意喚起をすることで正しい部位に撮影対象を合わせることをユーザに促すことが可能となる。また、参照用外観情報に紐付けられた第2撮影対象部位情報が、底部を拡大して視認するものであるのに対して、外観情報に紐付けられた第1撮影対象部位情報が同じ底部の画像であるが拡大して視認していない場合には、同様にユーザに対して、画像を拡大して視認するように促すことが可能となる。
なお、上述した図10の例において設備について複数箇所を順次撮影対象を切り替える場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、参照用外観情報等が1箇所の設備について得られたものである場合においても同様に撮影対象部位情報を取得して紐付けておくことで、実際に外観情報等を取得するユーザに対して上述した誘導を行うことが可能となる。
なお、本発明は、図12に示すように、連関度を上述したように設備の各部位について構築するとともに、その連関度を他の参照用情報毎に分類されていてもよい。ここでいう他の参照用情報とは、第1実施形態において説明したあらゆる参照用情報が含まれる。このうち、参照用種類情報に着目した場合、例えば図12に示すように、他の参照用情報Aとして、設備についてそれぞれ側面用、底部用、斜め下用等の設備の各部位毎の連関度が形成されており、他の参照用情報Bとして設備についてそれぞれ側面用、底部用、斜め下用等の設備の各部位毎の連関度が形成されている。このような各参照用情報毎に分類された、各部位毎の連関度を準備しておく。そして、新たに解探索を行う場合には、上述した撮影対象部位情報を取得すると共に、他の情報を取得する。この取得する他の情報とは、上述した他の参照用情報に対応したものである。仮に他の参照用情報が、参照用種類情報であれば、種類情報を取得することになる。取得した他の情報に応じた参照用情報における設備の部位毎に分類された評価モデルを選択し、同様に解探索を行う。上述した図12の例の場合、取得したものが他の情報B(種類情報B)である場合、これに応じた他の参照用情報B(参照用種類情報B)における設備の部位毎に分類された何れかの評価モデルを選択し解探索することとなる。
なお、設備についての健全度を求める上での各参照用情報は、以下に示す内容となる。
参照用種類情報とは、設備の種類に関する情報である。ここでいう設備の種類は、ビルや建物の設備(水道、ガス、電気、トイレ、給湯、配電、照明)、工場の設備(ライン、ベルトコンベア、ロボット、プラント設備)、施設の設備(調理場の設備、防火設備、空調設備)等の各種類の分類を示すものである。参照用種類情報は、例えば水道であれば、水道であれば、更に水道の配管なのか、蛇口なのか、あるいはそのコンロトールシステムであるのかまで細分化されていてもよい。
参照用環境情報とは、その設備が晒される環境に関するあらゆる情報である。ここでいう環境とは、温度、湿度、風量等に加え、降水量、過去の水害による浸水の有無、日照量、日照時間等、環境に関するあらゆる情報が含まれる。設備によっては、環境によってその健全度に影響する場合もあることから、これを参照用情報として含めている。
参照用時期情報は、検査を行う時期に関する情報である。この検査を行う時期は、月単位、週単位といった大まかなものから、日単位、時間、分、秒単位等まで細分化されるものであってもよい。構造物によっては、検査の時期によってその健全度に影響する場合もあることから、これを参照用情報として含めている。
参照用センシング情報は、設備に対してセンサにより外観をセンシングした情報である。このセンサとは、構造や寸法を検出するための周知の光やレーザを利用したもの以外に色彩を検出するためのセンサ、設備から発せられる各波長帯の光を検出するためのスペクトルセンサ等であってもよい。
参照用利用状況情報は、検査対象の設備の利用状況を示すデータで構成される。参照用利用状況情報は、その設備がどの程度利用されているかを示すものであり、利用頻度を示すものであってもよい。例えばプラントや工場であれば、単位時間当たりの生産量等であってもよい。このような利用頻度を時系列的にまとめたグラフを参照用利用情報としてもよい。設備によっては、利用状況に応じて健全度の判定基準を変える必要が出てくるものもあることから、これを参照用情報として含めている。
また、この設備の健全性検査を行う上では、参照用分析情報を適用するようにしてもよい。参照用分析情報とは、設備を各種手法により、分析したデータで構成される。この参照用分析情報は、設備から生産される製品の化学分析、成分分析結果、匂いや味の分析結果、微生物分析の結果が含まれるものであってもよい。また、設備から発せられる音声もこの参照用分析情報に含めるようにしてもよい。
なお、設備の各部位について構築する連関度は、上述した参照用種類情報毎に構築する場合以外に、他のいかなる参照用情報毎に構築してもよい。かかる場合も同様に参照用情報に応じた情報を取得し、取得した情報に応じて連関度を選択することとなる。
なお本発明は、図13に示すように、参照用外観情報又は参照用画像情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度をモデル選択情報毎に予め取得するようにしてもよい。ここでいうモデル選択情報とは、設備の健全度を求める上でも同様に、第1実施形態において説明した参照用情報としての、参照用種類情報に応じた種類情報、参照用環境情報に応じた環境情報、参照用時期情報に応じた時期情報、参照用センシング情報に応じたセンシング情報、参照用利用状況情報に応じた利用状況情報、参照用分析情報に応じた分析情報である。
これらの情報の詳細は、第1実施形態の説明を引用することにより、以下での説明は省略する。モデル選択情報は、この第1実施形態において説明した種類情報、環境情報、時期情報、センシング情報、利用状況情報、分析情報等のうち何れか1種から選択され、選択されたモデル選択情報の内訳(選択情報1、2、3、・・・)毎に独立して参照用外観情報又は参照用画像情報と、設備の健全度との連関度を学習させて保存しておく。モデル選択情報が種類情報であれば、選択情報1として種類〇〇、選択情報2として種類▲▲、選択情報3として種類◇◇等が挙げられ、これらの選択情報毎に連関度が設けられている。
そして、推定時には、推定対象の設備におけるモデル選択情報を取得する。そして、取得したモデル選択情報に応じた設備の選択情報1、2、3、・・・の何れかの連関度を読み出し、上述と同様に解探索する。仮にモデル選択情報が選択情報2であれば、その選択情報2用の連関度からなる評価モデルを選択し、健全度推定を行う。これにより、選択情報1、2、3、・・・毎に特化した評価モデルを選択することができ、より高精度な推定を行うことができる。
なお、本発明は、図14に示すように、連関度を上述したように選択情報1、2、・・・について構築するとともに、その連関度を他の参照用情報毎に分類されていてもよい。ここでいう他の参照用情報とは、第1実施形態において説明したあらゆる参照用情報(参照用種類情報、参照用環境情報、参照用時期情報、参照用センシング情報、参照用利用状況情報、参照用分析情報等)が含まれる。このうち、参照用利用状況情報に着目した場合、例えば図14に示すように、他の参照用情報Aとして、利用状況〇〇についてそれぞれ選択情報1、2、3、・・・用毎の連関度が形成されており、他の参照用情報Bとして利用状況▲▲についてそれぞれ選択情報1、2、3、・・・用毎の連関度が形成されている。このような各参照用情報毎に分類された、各部位毎の連関度を準備しておく。そして、新たに解探索を行う場合には、上述したモデル選択情報を取得すると共に、モデル選択情報以外の他の情報を取得する。この取得する他の情報とは、上述した他の参照用情報に対応したものである。仮に他の参照用情報が、参照用利用状況情報であれば、利用状況情報を取得することになる。取得した他の情報に応じた参照用情報における選択情報1、2、3、・・・毎に分類された評価モデルを選択し、同様に解探索を行う。上述した図14の例の場合、取得したものが他の情報B(利用状況情報B)である場合、これに応じた他の参照用情報B(参照用利用状況情報B)における選択情報1、2、3、・・・毎に分類された何れかの評価モデルを選択し解探索することとなる。
なお、各モデル選択情報について構築する連関度は、上述した参照用利用状況情報毎に構築する場合以外に、他のいかなる参照用情報毎に構築してもよい。かかる場合も同様に参照用情報に応じた情報を取得し、取得した情報に応じて連関度を選択することとなる。
1 構造物保守検査システム
2 推定装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 推定部
28 記憶部
61 ノード

Claims (9)

  1. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、撮像した設備の種類に関する種類情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記設備の種類毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記種類情報に応じた設備の種類の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
  2. 上記情報取得手段は、撮像した設備の画像と、種類情報とを教師データとして用い、入力を撮像した設備の画像とし、出力を種類情報とした機械学習モデルを利用し、新たに上記ユーザ端末を介して撮像された設備の画像に基づいて種類情報を取得すること
    を特徴とする請求項1記載の設備保守検査システム。
  3. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、上記設備が晒される環境に関する環境情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記環境毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記環境情報に応じた環境の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
  4. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、上記検査を行う時期に関する時期情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記検査を行う時期毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記時期情報に応じた時期の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
  5. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、上記検査対象の設備に対してセンサにより外観をセンシングしたセンシング情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記センサによるセンシング結果毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記セイン寝具情報に応じたセンシング結果の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
  6. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、上記設備の利用状況に関する利用状況情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記設備の利用状況毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記利用状況情報に応じた利用状況の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
  7. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観に関する外観情報を撮像すると共に、上記設備について分析した分析情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像した参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度が規定され、入力を参照用外観情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された外観情報に応じた参照用外観情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用外観情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記設備の分析結果毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記分析情報に応じた分析結果の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
  8. 上記連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されること
    を特徴とする請求項1~7のうち何れか1項記載の設備保守検査システム。
  9. 設備の保守検査を行う設備保守検査システムにおいて、
    ユーザの頭部又は眼鏡に装着されるユーザ端末に含まれ、当該ユーザ端末を介して検査対象の設備の外観の画像を撮像することにより抽出した設備のキズ、欠陥、剥離、付着物の何れかからなる表面情報と共に、撮像した設備の種類に関する種類情報を取得する情報取得手段と、
    過去において設備の外観の画像を撮像することにより抽出した設備のキズ、欠陥、剥離、付着物の何れかからなる参照用表面情報とし、出力を設備の健全度とした学習済みモデルを利用し、上記情報取得手段により取得された表面情報に応じた参照用表面情報に基づき、上記連関度のより高いものを優先させて、設備の健全度を推定する推定手段とを備え、
    上記推定手段は、上記参照用表面情報と、設備の健全度との3段階以上の連関度を上記設備の種類毎に予め記憶しておき、上記情報取得手段により取得された上記種類情報に応じた設備の種類の上記連関度を読み出して設備の健全度を推定し、
    上記ユーザ端末は、上記ユーザに対して上記推定手段により推定された設備の健全度を透過状態で表示する表示部を有すること
    を特徴とする設備保守検査システム。
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