JP2023046270A - 磁気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電極がショートすることを防止できる磁気センサを実現する。【解決手段】磁気センサ1は、上面301aを有する基板301と、基板301の上に配置され、それぞれ基板301の上面301aに対して傾斜した第1および第2の傾斜面305a,305bを有する絶縁層305と、MR素子構造体70とを備えている。MR素子70は、第1の傾斜面305aまたは第2の傾斜面305bの上に配置されている。MR素子70は、第1の傾斜面305aまたは第2の傾斜面305bに対向する下面70aと、上面70bと、下面70aと上面70bとを接続し且つ2つの段差を含む第1の面70cとを有している。【選択図】図8

Description

本発明は、傾斜面の上に配置された磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサに関する。
近年、種々の用途で、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサが利用されている。磁気センサを含むシステムでは、基板上に設けられた磁気抵抗効果素子によって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出したい場合がある。この場合、基板の面に垂直な方向の磁界を基板の面に平行な方向の磁界に変換する軟磁性体を設けたり、磁気抵抗効果素子を基板上に形成された傾斜面上に配置したりすることによって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出することができる。
特許文献1,2には、斜面の上に形成された磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサが開示されている。特許文献2に開示された磁気センサでは、磁気抵抗効果素子の側面は、斜面に対して順テーパー形状となっている。
特開2006-194733号公報 特開2008-309566号公報
磁気抵抗効果素子としては、例えば、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子またはGMR(巨大磁気抵抗効果)素子が用いられる。TMR素子では、TMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に電流が流される。また、GMR素子としては、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプのGMR素子が知られている。磁気抵抗効果素子としてTMR素子またはCPPタイプのGMR素子を用いた場合、複数の磁気抵抗効果素子は、複数の下部電極と複数の上部電極によって直列に接続される。
上述のように、TMR素子またはCPPタイプのGMR素子では、下部電極と上部電極との間に磁気抵抗効果素子が配置される。磁気抵抗効果素子の厚みは比較的小さいため、下部電極と上部電極との間隔も比較的小さくなり、下部電極と上部電極とがショートするおそれがある。この問題は、磁気抵抗効果素子を傾斜面の上に配置した場合に顕著になる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、傾斜面の上に配置された磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサにおいて、電極がショートすることを防止できるようにした磁気センサを提供することにある。
本発明の磁気センサは、基準平面を有する基板と、基板の上に配置され、基準平面に対して傾斜した傾斜面を有する支持部材と、傾斜面の上に配置され、傾斜面に対向する下面と、下面とは反対側の上面と、下面と上面とを接続し且つ2つの段差を含む第1の面とを有する磁気検出素子構造体とを備えている。
本発明の磁気センサでは、磁気検出素子構造体は、下面と、上面と、下面と上面とを接続し且つ2つの段差を含む第1の面を有している。これにより、本発明によれば、傾斜面の上に配置された磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサにおいて、電極がショートすることを防止することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の例のMR素子構造体を示す断面図である。 図8に示したMR素子構造体の磁気抵抗効果素子と下部電極を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における下部電極の第4の側面の第1の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における下部電極の第4の側面の第2の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の例のMR素子構造体を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの第1の変形例におけるMR素子構造体を示す断面図である。 図13に示したMR素子構造体の磁気抵抗効果素子と下部電極を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの第2の変形例におけるMR素子構造体を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示したように、磁気センサ1は、直方体形状のチップの形態を有している。磁気センサ1は、互いに反対側に位置する上面1aおよび下面と、上面1aおよび下面とを接続する4つの側面とを有している。また、磁気センサ1は、上面1a上に設けられた複数の電極パッドを有している。
ここで、図1を参照して、本実施の形態における基準座標系について説明する。基準座標系は、磁気センサ1を基準とした座標系であって、3つの軸によって定義された直交座標系である。基準座標系では、X方向、Y方向、Z方向が定義されている。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では特に、磁気センサ1の上面1aに垂直な方向であって、磁気センサ1の下面から上面1aに向かう方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。基準座標系を定義する3つの軸は、X方向に平行な軸と、Y方向に平行な軸と、Z方向に平行な軸である。
以下、基準の位置に対してZ方向の先にある位置を「上方」と言い、基準の位置に対して「上方」とは反対側にある位置を「下方」と言う。また、磁気センサ1の構成要素に関して、Z方向の端に位置する面を「上面」と言い、-Z方向の端に位置する面を「下面」と言う。また、「Z方向から見たとき」という表現は、Z方向に離れた位置から対象物を見ることを意味する。
図2に示したように、磁気センサ1は、第1の検出回路20と、第2の検出回路30とを備えている。第1および第2の検出回路20,30の各々は、複数の磁気検出素子を含み、対象磁界を検出して少なくとも1つの検出信号を生成するように構成されている。本実施の形態では特に、複数の磁気検出素子は、複数の磁気抵抗効果素子である。以下、磁気抵抗効果素子を、MR素子と記す。
第1および第2の検出回路20,30が生成する複数の検出信号は、プロセッサ40によって処理される。磁気センサ1とプロセッサ40は、磁気センサ装置100を構成する。プロセッサ40は、第1および第2の検出回路20,30が生成する複数の検出信号を処理することによって、所定の基準位置における磁界の互いに異なる2つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出値および第2の検出値を生成するように構成されている。本実施の形態では特に、上記の互いに異なる2つの方向は、XY平面に平行な1つの方向と、Z方向に平行な方向である。プロセッサ40は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)によって構成されている。
プロセッサ40は、例えば、磁気センサ1を支持する支持体に含まれていてもよい。この支持体は、複数の電極パッドを有している。第1および第2の検出回路20,30とプロセッサ40は、例えば、磁気センサ1の複数の電極パッド、支持体の複数の電極パッドおよび複数のボンディングワイヤを介して接続されている。磁気センサ1の複数の電極パッドが磁気センサ1の上面1aに設けられている場合、磁気センサ1は、磁気センサ1の下面が支持体の上面に対向する姿勢で、支持体の上面上に実装されていてもよい。
次に、図3ないし図6を参照して、第1および第2の検出回路20,30について説明する。図3は、第1の検出回路20の回路構成を示す回路図である。図4は、第2の検出回路30の回路構成を示す回路図である。図5は、磁気センサ1の一部を示す平面図である。図6は、磁気センサ1の一部を示す断面図である。
ここで、図5に示したように、U方向とV方向を、以下のように定義する。U方向は、X方向から-Y方向に向かって回転した方向である。V方向は、Y方向からX方向に向かって回転した方向である。本実施の形態では特に、U方向を、X方向から-Y方向に向かってαだけ回転した方向とし、V方向を、Y方向からX方向に向かってαだけ回転した方向とする。なお、αは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。一例では、αは45°である。また、U方向とは反対の方向を-U方向とし、V方向とは反対の方向を-V方向とする。
また、図6に示したように、W1方向とW2方向を、以下のように定義する。W1方向は、V方向から-Z方向に向かって回転した方向である。W2方向は、V方向からZ方向に向かって回転した方向である。本実施の形態では特に、W1方向を、V方向から-Z方向に向かってβだけ回転した方向とし、W2方向を、V方向からZ方向に向かってβだけ回転した方向とする。なお、βは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。また、W1方向とは反対の方向を-W1方向とし、W2方向とは反対の方向を-W2方向とする。W1方向およびW2方向は、それぞれ、U方向と直交する。
第1の検出回路20は、対象磁界のW1方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第1の検出信号を生成するように構成されている。第2の検出回路30は、対象磁界のW2方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第2の検出信号を生成するように構成されている。
図3に示したように、第1の検出回路20は、電源端V2と、グランド端G2と、信号出力端E21,E22と、第1の抵抗部R21と、第2の抵抗部R22と、第3の抵抗部R23と、第4の抵抗部R24とを含んでいる。第1の検出回路20の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R21,R22,R23,R24を構成する。
第1の抵抗部R21は、電源端V2と信号出力端E21との間に設けられている。第2の抵抗部R22は、信号出力端E21とグランド端G2との間に設けられている。第3の抵抗部R23は、信号出力端E22とグランド端G2との間に設けられている。第4の抵抗部R24は、電源端V2と信号出力端E22との間に設けられている。
図4に示したように、第2の検出回路30は、電源端V3と、グランド端G3と、信号出力端E31,E32と、第1の抵抗部R31と、第2の抵抗部R32と、第3の抵抗部R33と、第4の抵抗部R34とを含んでいる。第2の検出回路30の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R31,R32,R33,R34を構成する。
第1の抵抗部R31は、電源端V3と信号出力端E31との間に設けられている。第2の抵抗部R32は、信号出力端E31とグランド端G3との間に設けられている。第3の抵抗部R33は、信号出力端E32とグランド端G3との間に設けられている。第4の抵抗部R34は、電源端V3と信号出力端E32との間に設けられている。
電源端V2,V3の各々には、所定の大きさの電圧または電流が印加される。グランド端G2,G3の各々はグランドに接続される。
以下、第1の検出回路20の複数のMR素子を複数の第1のMR素子50Bと言い、第2の検出回路30の複数のMR素子を複数の第2のMR素子50Cと言う。第1および第2の検出回路20,30は磁気センサ1の構成要素であることから、磁気センサ1が複数の第1のMR素子50Bおよび複数の第2のMR素子50Cを含んでいるとも言える。また、任意のMR素子については、符号50を付して表す。
図7は、MR素子50を示す側面図である。MR素子50は、複数の磁性層を含むスピンバルブ型のMR素子である。MR素子50は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層51と、対象磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層53と、磁化固定層51と自由層53の間に配置されたギャップ層52とを有している。MR素子50は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層52はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層52は非磁性導電層である。MR素子50では、自由層53の磁化の方向が磁化固定層51の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。各MR素子50において、自由層53は、磁化容易軸方向が、磁化固定層51の磁化の方向に直交する方向となる形状異方性を有している。なお、自由層53に所定の方向の磁化容易軸を設定する手段として、自由層53に対してバイアス磁界を印加する磁石を用いることもできる。磁化固定層51、ギャップ層52および自由層53は、この順に積層されている。
MR素子50は、更に、磁化固定層51におけるギャップ層52とは反対側に配置された反強磁性層を有していてもよい。反強磁性層は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層51との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層51の磁化の方向を固定する。あるいは、磁化固定層51は、いわゆるセルフピン止め型の固定層(Synthetic Ferri Pinned 層、SFP層)であってもよい。セルフピン止め型の固定層は、強磁性層、非磁性中間層および強磁性層を積層させた積層フェリ構造を有し、2つの強磁性層を反強磁性的に結合させてなるものである。
なお、MR素子50における層51~53の配置は、図7に示した配置とは上下が反対でもよい。
図3および図4において、塗りつぶした矢印は、MR素子50の磁化固定層51の磁化の方向を表している。また、白抜きの矢印は、MR素子50に対象磁界が印加されていない場合における、MR素子50の自由層53の磁化の方向を表している。
図3に示した例では、第1および第3の抵抗部R21,R23の各々における磁化固定層51の磁化の方向は、W1方向である。第2および第4の抵抗部R22,R24の各々における磁化固定層51の磁化の方向は、-W1方向である。また、複数の第1のMR素子50Bの各々の自由層53は、磁化容易軸方向がU方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R21,R22の各々における自由層53の磁化の方向は、第1のMR素子50Bに対象磁界が印加されていない場合、U方向である。第3および第4の抵抗部R23,R24の各々における自由層53の磁化の方向は、上記の場合、-U方向である。
図4に示した例では、第1および第3の抵抗部R31,R33の各々における磁化固定層51の磁化の方向は、W2方向である。第2および第4の抵抗部R32,R34の各々における磁化固定層51の磁化の方向は、-W2方向である。また、複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層53は、磁化容易軸方向がU方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R31,R32の各々における自由層53の磁化の方向は、第2のMR素子50Cに対象磁界が印加されていない場合、U方向である。第3および第4の抵抗部R33,R34の各々における自由層53の磁化の方向は、上記の場合、-U方向である。
磁気センサ1は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層53に対して、所定の方向の磁界を印加するように構成された磁界発生器を含んでいる。本実施の形態では、磁界発生器は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層53に対して所定の方向の磁界を印加するコイル80を含んでいる。
なお、磁化固定層51の磁化の方向と自由層53の磁化容易軸の方向は、MR素子50の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。また、磁化固定層51の磁化は、上述の方向を主成分とする磁化成分を含むように構成されていてもよい。この場合、磁化固定層51の磁化の方向は、上述の方向またはほぼ上述の方向になる。
本実施の形態では、MR素子50は、複数の磁性層すなわち磁化固定層51および自由層53の積層方向に電流が流れるように構成されている。後述するように、磁気センサ1は、MR素子50に電流を流すための下部電極および上部電極を備えている。MR素子50は、下部電極と上部電極との間に配置されている。
以下、図5および図6を参照して、磁気センサ1の具体的な構造について詳しく説明する。図6は、図5において6-6線で示す位置の断面の一部を示している。
磁気センサ1は、上面301aを有する基板301と、絶縁層302,303,304,305,307,308,309,310と、複数の下部電極61Bと、複数の下部電極61Cと、複数の上部電極62Bと、複数の上部電極62Cと、複数の下部コイル要素81と、複数の上部コイル要素82とを含んでいる。基板301の上面301aは、XY平面に平行であるものとする。Z方向は、基板301の上面301aに垂直な一方向でもある。なお、コイル要素とは、コイルの巻線の一部である。
絶縁層302は、基板301の上に配置されている。複数の下部コイル要素81は、絶縁層302の上に配置されている。絶縁層303は、絶縁層302の上において複数の下部コイル要素81の周囲に配置されている。絶縁層304,305は、複数の下部コイル要素81および絶縁層303の上に、この順に積層されている。
複数の下部電極61Bと複数の下部電極61Cは、絶縁層305の上に配置されている。絶縁層307は、絶縁層305の上において複数の下部電極61Bの周囲と複数の下部電極61Cの周囲に配置されている。複数の第1のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bの上に配置されている。複数の第2のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cの上に配置されている。絶縁層308は、複数の下部電極61B、複数の下部電極61Cおよび絶縁層307の上において複数の第1のMR素子50Bの周囲と複数の第2のMR素子50Cの周囲に配置されている。複数の上部電極62Bは、複数の第1のMR素子50Bおよび絶縁層308の上に配置されている。複数の上部電極62Cは、複数の第2のMR素子50Cおよび絶縁層308の上に配置されている。絶縁層309は、絶縁層308の上において複数の上部電極62Bの周囲と複数の上部電極62Cの周囲に配置されている。
絶縁層310は、複数の上部電極62B、複数の上部電極62Cおよび絶縁層309の上に配置されている。複数の上部コイル要素82は、絶縁層310の上に配置されている。磁気センサ1は、更に、複数の上部コイル要素82および絶縁層310を覆う図示しない絶縁層を含んでいてもよい。
磁気センサ1は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cを支持する支持部材を含んでいる。支持部材は、基板301の上面301aに対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面を有している。本実施の形態では特に、支持部材は、絶縁層305によって構成されている。なお、図5では、磁気センサ1の構成要素のうち、絶縁層305、複数の第1のMR素子50B、複数の第2のMR素子50Cおよび複数の上部コイル要素82を示している。
絶縁層305は、それぞれ基板301の上面301aから遠ざかる方向(Z方向)に張り出す複数の凸面305cを有している。複数の凸面305cの各々は、U方向に平行な方向に延在している。凸面305cの全体形状は、図6に示した凸面305cの曲線形状(アーチ形状)をU方向に平行な方向に沿って移動してできる半円筒状の曲面である。また、複数の凸面305cは、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。
複数の凸面305cの各々は、基板301の上面301aから最も遠い上端部を有している。本実施の形態では、複数の凸面305cの各々の上端部は、U方向に平行な方向に延在するものとする。ここで、複数の凸面305cのうちの任意の1つの凸面305cに着目する。凸面305cは、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとを含んでいる。第1の傾斜面305aは、凸面305cのうち、凸面305cの上端部よりもV方向側の面である。第2の傾斜面305bは、凸面305cのうち、凸面305cの上端部よりも-V方向側の面である。図5では、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとの境界を、点線で示している。
凸面305cの上端部は、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとの境界であってもよい。この場合、図5に示した点線は、凸面305cの上端部を示している。
基板301の上面301aは、XY平面に平行である。第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々は、基板301の上面301aすなわちXY平面に対して傾斜している。基板301の上面301aに垂直な断面において、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの間隔は、基板301の上面301aから遠ざかるに従って小さくなる。
本実施の形態では、凸面305cが複数存在することから、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bもそれぞれ複数存在する。絶縁層305は、複数の第1の傾斜面305aと、複数の第2の傾斜面305bとを有している。
絶縁層305は、更に、複数の凸面305cの周囲に存在する平坦面305dを有している。平坦面305dは、基板301の上面301aに平行な面である。複数の凸面305cの各々は、平坦面305dからZ方向に突出している。また、本実施の形態では、複数の凸面305cは、所定の間隔を開けて配置されている。従って、V方向に隣接する2つの凸面305cの間には、平坦面305dが存在する。
絶縁層305は、それぞれZ方向に突出した複数の突出部と、複数の突出部の周囲に存在する平坦部とを含んでいる。複数の突出部の各々は、U方向に平行な方向に延在すると共に、凸面305cを有している。また、複数の突出部は、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。平坦部の厚み(Z方向の寸法)は、実質的に一定である。また、絶縁層304は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層305の下面に沿って形成されている。
複数の下部電極61Bは、複数の第1の傾斜面305aの上に配置されている。複数の下部電極61Cは、複数の第2の傾斜面305bの上に配置されている。前述のように、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々は、基板301の上面301aすなわちXY平面に対して傾斜していることから、複数の下部電極61Bの各々の上面と複数の下部電極61Cの各々の上面も、XY平面に対して傾斜する。従って、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cは、XY平面に対して傾斜した傾斜面上に配置されていると言える。絶縁層305は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々をXY平面に対して傾くように支持するための部材である。
なお、本実施の形態では、第1の傾斜面305aは曲面である。そのため、第1のMR素子50Bは、曲面(第1の傾斜面305a)に沿って湾曲する。本実施の形態では、便宜上、第1のMR素子50Bの磁化固定層51の磁化の方向は、直線的な方向として前述のように定義される。第1のMR素子50Bの磁化固定層51の磁化の方向であるW1方向および-W1方向は、第1の傾斜面305aのうち、第1のMR素子50Bの近傍の部分に接する接線が延在する方向でもある。
同様に、本実施の形態では、第2の傾斜面305bは曲面である。そのため、第2のMR素子50Cは、曲面(第2の傾斜面305b)に沿って湾曲する。本実施の形態では、便宜上、第2のMR素子50Cの磁化固定層51の磁化の方向は、直線的な方向として前述のように定義される。第2のMR素子50Cの磁化固定層51の磁化の方向であるW2方向および-W2方向は、第2の傾斜面305bのうち、第2のMR素子50Cの近傍の部分に接する接線が延在する方向でもある。
図5に示したように、複数の第1のMR素子50Bは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。1つの第1の傾斜面305aの上には、複数個の第1のMR素子50Bが1列に並んでいる。同様に、複数の第2のMR素子50Cは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。1つの第2の傾斜面305bの上には、複数個の第2のMR素子50Cが1列に並んでいる。本実施の形態では、複数の第1のMR素子50Bの列と複数の第2のMR素子50Cの列が、V方向に平行な方向において交互に並んでいる。
なお、隣接する1つの第1のMR素子50Bと1つの第2のMR素子50Cは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。また、1つの第2のMR素子50Cを挟んで隣接する2つの第1のMR素子50Bは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。また、1つの第1のMR素子50Bを挟んで隣接する2つの第2のMR素子50Cは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。
複数の第1のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bと複数の上部電極62Bによって、直列に接続されている。ここで、図7を参照して、複数の第1のMR素子50Bの接続方法について詳しく説明する。図7において、符号61は、任意のMR素子50に対応する下部電極を示し、符号62は、任意のMR素子50に対応する上部電極を示している。図7に示したように、個々の下部電極61は細長い形状を有している。下部電極61の長手方向に隣接する2つの下部電極61の間には、間隙が形成されている。下部電極61の上面上において、長手方向の両端の近傍に、それぞれMR素子50が配置されている。また、個々の上部電極62は細長い形状を有し、下部電極61の長手方向に隣接する2つの下部電極61上に配置されて隣接する2つのMR素子50同士を電気的に接続する。
図示しないが、1列に並んだ複数個のMR素子50の列の端に位置する1つのMR素子50は、下部電極61の長手方向と交差する方向に隣接する他の複数個のMR素子50の列の端に位置する他の1つのMR素子50に接続されている。この2つのMR素子50は、図示しない電極によって互いに接続されている。図示しない電極は、2つのMR素子50の下面同士または上面同士を接続する電極であってもよい。
図7に示したMR素子50が第1のMR素子50Bである場合、図7に示した下部電極61は下部電極61Bに対応し、図7に示した上部電極62は上部電極62Bに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、U方向に平行な方向になる。
同様に、複数の第2のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cと複数の上部電極62Cによって、直列に接続されている。前述の複数の第1のMR素子50Bの接続方法についての説明は、複数の第2のMR素子50Cの接続方法にも当てはまる。図7に示したMR素子50が第2のMR素子50Cである場合、図7に示した下部電極61は下部電極61Cに対応し、図7に示した上部電極62は上部電極62Cに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、U方向に平行な方向になる。
複数の上部コイル要素82の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の上部コイル要素82は、X方向に並ぶように配列されている。本実施の形態では特に、Z方向から見たときに、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々には、2つの上部コイル要素82が重なっている。
複数の下部コイル要素81の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の下部コイル要素81は、X方向に並ぶように配列されている。複数の下部コイル要素81の形状および配列は、複数の上部コイル要素82の形状および配列と同じであってもよいし、異なっていてもよい。図5および図6に示した例では、複数の下部コイル要素81の各々のX方向の寸法は、複数の上部コイル要素82の各々のX方向の寸法よりも小さい。また、X方向に隣接する2つの下部コイル要素81の間隔は、X方向に隣接する2つの上部コイル要素82の間隔よりも小さい。
図5および図6に示した例では、複数の下部コイル要素81と複数の上部コイル要素82は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層53に対して、X方向に平行な方向の磁界を印加するコイル80を構成するように、電気的に接続されている。また、コイル80は、例えば、第1の検出回路20の第1および第2の抵抗部R21,R22と第2の検出回路30の第1および第2の抵抗部R31,R32における自由層53に対してX方向の磁界を印加し、第1の検出回路20の第3および第4の抵抗部R23,R24と第2の検出回路30の第3および第4の抵抗部R33,R34における自由層53に対して-X方向の磁界を印加することができるように構成されていてもよい。また、コイル80は、プロセッサ40によって制御されてもよい。
次に、第1および第2の検出信号について説明する。始めに、図3を参照して、第1の検出信号について説明する。対象磁界のW1方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第1の検出回路20の抵抗部R21~R24の各々の抵抗値は、抵抗部R21,R23の抵抗値が増加すると共に抵抗部R22,R24の抵抗値が減少するか、抵抗部R21,R23の抵抗値が減少すると共に抵抗部R22,R24の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E21,E22の各々の電位が変化する。第1の検出回路20は、信号出力端E21の電位に対応する信号を第1の検出信号S21として生成し、信号出力端E22の電位に対応する信号を第1の検出信号S22として生成するように構成されている。
次に、図4を参照して、第2の検出信号について説明する。対象磁界のW2方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第2の検出回路30の抵抗部R31~R34の各々の抵抗値は、抵抗部R31,R33の抵抗値が増加すると共に抵抗部R32,R34の抵抗値が減少するか、抵抗部R31,R33の抵抗値が減少すると共に抵抗部R32,R34の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E31,E32の各々の電位が変化する。第2の検出回路30は、信号出力端E31の電位に対応する信号を第2の検出信号S31として生成し、信号出力端E32の電位に対応する信号を第2の検出信号S32として生成するように構成されている。
次に、プロセッサ40の動作について説明する。プロセッサ40は、第1の検出信号S21,S22および第2の検出信号S31,S32に基づいて、第1の検出値と第2の検出値を生成するように構成されている。第1の検出値は、対象磁界のV方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。第2の検出値は、対象磁界のZ方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。以下、第1の検出値を記号Svで表し、第2の検出値を記号Szで表す。
プロセッサ40は、例えば、以下のようにして第1および第2の検出値Sv,Szを生成する。プロセッサ40は、まず、第1の検出信号S21と第1の検出信号S22の差S21-S22を求めることを含む演算によって、値Saを生成すると共に、第2の検出信号S31と第2の検出信号S32の差S31-S32を求めることを含む演算によって、値Sbを生成する。次に、プロセッサ40は、下記の式(1)、(2)を用いて、値Sc,Sdを算出する。
Sc=(Sb+Sa)/(2cosα) …(1)
Sd=(Sb-Sa)/(2sinα) …(2)
第1の検出値Svは、値Scそのものであってもよいし、値Scに対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。同様に、第2の検出値Szは、値Sdそのものであってもよいし、値Sdに対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の構造上の特徴について説明する。ここで、MR素子50と下部電極61とを合わせたものをMR素子構造体と呼び、符号70で表す。MR素子構造体70は、下部電極61と、下部電極61の上に配置されたMR素子50とを含んでいる。MR素子50は、磁化固定層51と自由層53とを含んでいる。MR素子構造体70は、下部電極61およびMR素子50の積層方向に電流が流れるように構成されている。
始めに、第1の例のMR素子構造体70について説明する。図8は、第1の例のMR素子構造体70を示す断面図である。図9は、図8に示したMR素子構造体70のMR素子50と下部電極61を示す断面図である。
図8は、任意の傾斜面305eの上に配置されたMR素子50と交差する断面であって、VZ平面に平行な断面を示している。以下、VZ平面に平行な断面を、VZ断面と言う。図8に示したVZ断面は、図6と同様に、U方向の先にある位置からMR素子50の断面を見たVZ断面であってもよい。この場合、MR素子50、下部電極61および傾斜面305eは、それぞれ、第1のMR素子50B、下部電極61Bおよび第1の傾斜面305aに対応する。あるいは、図8に示したVZ断面は、-U方向の先にある位置からMR素子50の断面を見たVZ断面であってもよい。この場合、MR素子50、下部電極61および傾斜面305eは、それぞれ、第2のMR素子50C、下部電極61Cおよび第2の傾斜面305bに対応する。
ここで、図8および図9に示したように、VZ平面に平行な第1の方向D1と第2の方向D2を定義する。第1の方向D1は、傾斜面305eに沿った方向であり且つ基準平面から遠ざかる方向である。本実施の形態では、基板301の上面301a(図6参照)を、基準平面とする。Z方向は、基準平面(基板301の上面301a)に垂直な一方向である。第2の方向D2は、傾斜面305eに沿った方向であり且つ基準平面(基板301の上面301a)に近づく方向である。
また、以下の説明において、傾斜面305eに沿った方向であり且つ第1の方向D1に平行な方向(第2の方向D2に平行な方向)を、単に傾斜面305eに沿った方向と言う。この方向は、傾斜面305eに沿った方向であり且つ基準平面(基板301の上面301a)からの距離が変化する方向でもある。
MR素子50は、傾斜面305eに対向する下面50aと、下面50aとは反対側の上面50bと、第1の側面50cと、第2の側面50dとを有している。第1の側面50cは、下面50aの第1の方向D1の端部と上面50bの第1の方向D1の端部とを接続している。第2の側面50dは、第1の側面50cから見て第2の方向D2の先に配置されている。第2の側面50dは、下面50aの第2の方向D2の端部と上面50bの第2の方向D2の端部とを接続している。
図8において、符号P1は、MR素子50と交差し且つ傾斜面305eに垂直な仮想の平面を示している。本実施の形態では特に、MR素子50の上面50bは湾曲している。仮想の平面P1は、図8に示したMR素子50の上面50bを円筒面の一部とみなしたときに、この円筒面の中心軸C1を含むと共に、MR素子50と交差する。また、仮想の平面P1は、傾斜面305eに沿った方向における上面50bの中央と交差する。
図8に示したように、第1の側面50cの一部は、下部電極61に近づくに従って、第1の側面50cの一部と仮想の平面P1との間の距離が大きくなるように傾斜している。また、第2の側面50dは、下部電極61に近づくに従って、第2の側面50dと仮想の平面P1との間の距離が大きくなるように傾斜している。また、第1の側面50cと第2の側面50dとの間の距離は、下部電極61に近づくに従って大きくなる。
VZ平面に平行な任意の断面において、MR素子50の第2の側面50dは、MR素子50の第1の側面50cとは異なる形状を有している。具体的には、第2の側面50dは、仮想の平面P1を中心として第1の側面50cに対して非対称な形状を有している。傾斜面305eに平行な任意の断面において、第1の側面50cと仮想の平面P1との間の距離は、下部電極61の上面61bの近傍の部分では、第2の側面50dと仮想の平面P1との間の距離よりも大きい。下部電極61の上面61bの近傍の部分以外の部分では、第1の側面50cと仮想の平面P1との間の距離は、第2の側面50dと仮想の平面P1との間の距離と等しくてもよい。
図9に示したように、第1の側面50cは、傾斜面305eに対してなす角度が互いに異なる第1の部分S1および第2の部分S2を含んでいる。第1の例では特に、第1の部分S1が傾斜面305eに対してなす角度は、0またはほぼ0である。第1の部分S1は、下部電極61の上面61bに沿って延在している。
第2の部分S2は、第1の部分S1よりも傾斜面305eからより遠い位置に配置されている。第2の部分S2が傾斜面305eに対してなす角度は、第1の部分S1が傾斜面305eに対してなす角度よりも大きい。また、第2の部分S2がZ方向に平行な方向に対してなす角度は、第1の部分S1がZ方向に平行な方向に対してなす角度よりも小さい。また、第2の部分S2は、下部電極61に近づくに従って、第2の部分S2と仮想の平面P1(図8参照)との間の距離が大きくなるように傾斜している。第2の部分S2と仮想の平面P1との間の距離は、第1の部分S1と仮想の平面P1との間の最小の距離以下になる。
図9に示した例では、第1の部分S1と第2の部分S2の各々は、曲面である。第1の部分S1が傾斜面305eに対してなす角度は、それぞれVZ平面に平行な第1の接線と第2の接線とがなす角度であってもよい。第1の接線は、第1の部分S1上の任意の第1の点に接する接線である。第2の接線は、第1の点の近傍において傾斜面305eに接する接線である。なお、第1の接線と第2の接線が互いに平行である場合には、第1の部分S1が傾斜面305eに対してなす角度は0である。第2の部分S2が傾斜面305eに対してなす角度についても、第1の部分S1が傾斜面305eに対してなす角度と同様に定義されてもよい。なお、第1の部分S1と第2の部分S2の各々は、曲面に限らず、平面であってもよい。
前述のように、MR素子50は、第1の磁性層である磁化固定層51と、第2の磁性層である自由層53とを含んでいる。本実施の形態では特に、磁化固定層51は、傾斜面305eと自由層53との間に介在している。第1の部分S1の少なくとも一部は、磁化固定層51の側面によって構成されている。第2の部分S2の少なくとも一部は、自由層53の側面によって構成されている。第1の例では特に、第2の部分S2は、自由層53の側面に加えて、磁化固定層51の側面によって構成されている。すなわち、第2の部分S2は、磁化固定層51から自由層53にかけて形成されている。
第1の側面50cは、更に、第3の部分S3を含んでいる。第3の部分S3は、第1の部分S1よりも傾斜面305eにより近い位置に配置されている。また、第3の部分S3は、第1の部分S1から見て第1の方向D1の先に配置されている。
図9に示したように、第2の側面50dは、傾斜面305eに対してなす角度が互いに異なる第4の部分S4および第5の部分S5を含んでいる。第5の部分S5は、第4の部分S4よりも傾斜面305eからより遠い位置に配置されている。第5の部分S5が傾斜面305eに対してなす角度は、第4の部分S4が傾斜面305eに対してなす角度よりも大きい。また、第5の部分S5がZ方向に平行な方向に対してなす角度は、第4の部分S4がZ方向に平行な方向に対してなす角度よりも小さい。
第4の部分S4は、下部電極61に近づくに従って、第4の部分S4と仮想の平面P1(図8参照)との間の距離が大きくなるように傾斜している。同様に、第5の部分S5は、下部電極61に近づくに従って、第5の部分S5と仮想の平面P1(図8参照)との間の距離が大きくなるように傾斜している。第5の部分S5と仮想の平面P1との間の距離は、第4の部分S4と仮想の平面P1との間の最小の距離以下になる。
図9に示した例では、第4の部分S4と第5の部分S5の各々は、曲面である。しかし、第4の部分S4と第5の部分S5の各々は、平面であってもよい。
第4の部分S4の少なくとも一部は、磁化固定層51の側面によって構成されている。第5の部分S5の少なくとも一部は、自由層53の側面によって構成されている。第4の部分S4の全体が磁化固定層51の側面によって構成され、第5の部分S5の全体が自由層53の側面によって構成されていてもよい。あるいは、第4の部分S4と第5の部分S5の各々の一部がギャップ層52の側面によって構成されていてもよい。この場合、第1の部分S1と第2の部分S2との境界が、ギャップ層52の側面に存在していてもよい。
図8に示したように、下部電極61は、傾斜面305eに対向する下面61aと、下面61aとは反対側の上面61bと、第3の側面61cと、第4の側面61dとを有している。第3の側面61cは、下面61aの第1の方向D1の端部と上面61bの第1の方向D1の端部とを接続している。
第4の側面61dは、絶縁層305の上面に沿って第3の側面61cから遠ざかる方向の先に配置されている。ここで、第4の側面61dの第1の例と第2の例について説明する。始めに、図10を参照して、第4の側面61dの第1の例について説明する。図10は、第4の側面61dの第1の例を示す断面図である。第1の例では、下部電極61は、傾斜面305eから平坦面305dにかけて形成されている。第4の側面61dは、平坦面305dの上において、平坦面305dの上方にある下面61aの端部と上面61bの端部とを接続している。
次に、図11を参照して、第4の側面61dの第2の例について説明する。図11は、第4の側面61dの第2の例を示す断面図である。第2の例では、下部電極61は、その全体が傾斜面305eの上に配置されている。第4の側面61dは、傾斜面305eの上にある。第4の側面61dは、下面61aの第2の方向D2の端部と上面61bの第2の方向D2の端部とを接続している。
なお、図6には、図11に示した第4の側面61dを有する下部電極61を示している。しかし、図6の下部電極61は、図10に示した第4の側面61dを有していてもよい。
MR素子構造体70は、傾斜面305eに対向する下面70aと、下面70aとは反対側の上面70bとを有している。MR素子構造体70の下面70aは、下部電極61の下面61aによって構成されている。MR素子構造体70の上面70bは、MR素子50の上面50bによって構成されている。
MR素子構造体70は、更に、下面70aと上面70bとを接続する第1の面70cを有している。第1の面70cは、MR素子50の第1の側面50cと、下部電極61の第3の側面61cと、下部電極61の上面61bのうちのMR素子50Cによって覆われていない部分の一部とによって構成されている。
第1の面70cは、2つの段差を含んでいる。すなわち、第1の面70cは、第1の側面50cの第1の部分S1と第3の部分S3との間に存在する第1の段差と、第1の側面50cの第3の部分S3と下部電極61の第3の側面61cとの間に存在する第2の段差を含んでいる。第1の段差は、MR素子構造体70のMR素子50に存在する。第2の段差は、MR素子50と下部電極61との間に存在する。
MR素子構造体70は、更に、絶縁層305の上面に沿って第1の面70cから遠ざかる方向の先において下面70aと上面70bとを接続する第2の面70dを有している。第2の面70dは、MR素子50の第2の側面50dと、下部電極61の第4の側面61dと、下部電極61の上面61bのうちのMR素子50Cによって覆われていない部分の他の一部とによって構成されている。第2の面70dは、第1の面70cよりも少ない数の段差を含んでいる。すなわち、第2の面70dは、第2の側面50dと第4の側面61dとの間に存在する1つの段差を含んでいる。
VZ平面に平行な任意の断面において、第2の面70dは、第1の面70cとは異なる形状を有している。具体的には、第2の面70dは、仮想の平面P1を中心として第1の面70cに対して非対称な形状を有している。
次に、第2の例のMR素子構造体70について説明する。図12は、第2の例のMR素子構造体70を示す断面図である。
第2の例では、MR素子50の第1の側面50cの形状が、第1の例と異なっている。第2の例では、MR素子50の第1の側面50cは、第3の部分S3(図9参照)を含んでいない。また、第2の例では、VZ平面に平行な任意の断面において、MR素子50の第1の側面50cと第2の側面50dは、実質的に対称またはほぼ対称な形状を有している。具体的には、第1の側面50cは、仮想の平面P1を中心として第2の側面50dに対して対称またはほぼ対称な形状を有している。傾斜面305eに平行な任意の断面において、第1の側面50cと仮想の平面P1との間の距離は、第2の側面50dと仮想の平面P1との間の距離と等しいか、ほぼ等しい。
また、第2の例では、第1の例における第2の側面50dの第4および第5の部分S4,S5についての説明は、第2の例における第1の側面50cの第1および第2の部分S1,S2にも当てはまる(図9参照)。第1の例における第2の側面50dの第4および第5の部分S4,S5についての説明中の第4および第5の部分S4,S5を、それぞれ第1および第2の部分S1,S2に置き換えれば、第2の例における第1の側面50cの第1および第2の部分S1,S2についての説明になる。
また、第2の例では、下部電極61の上面61bは、第1の部分61b1と、第2の部分61b2と、第3の部分61b3とを含んでいる。MR素子50は、第1の部分61b1の上に配置されている。第2の部分61b2は、下部電極61の第3の側面61cに接続されている。第1および第2の部分61b1,61b2の各々は、傾斜面305eに沿って延在している。第2の部分61b2は、第1の部分61b1よりも傾斜面305eにより近い位置に配置されている。第3の部分61b3は、第1の部分61b1と第2の部分61b2とを接続している。
また、第2の例では、MR素子構造体70の第1の面70cは、MR素子50の第1の側面50cと、上面61bの第1の部分61b1のうちMR素子50によって覆われていない部分の一部と、上面61bの第2および第3の部分61b2,61b3と、第3の側面61cとによって構成されている。第1の面70cは、MR素子50の第1の側面50cと下部電極61の上面61bの第3の部分61b3との間に存在する第1の段差と、下部電極61の第3の側面61cと下部電極61の上面61bの第3の部分61b3との間に存在する第2の段差とを含んでいる。第1の段差は、MR素子50と下部電極61との間に存在する。第2の段差は、下部電極61に存在する。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、MR素子構造体70の第1の面70cは、第1および第2の段差を含んでいる。第1の例では、第1の段差は、MR素子構造体70のMR素子50に存在する。仮に、第1の段差が存在しない場合、MR素子50の第1の側面50cは、MR素子50の下面50aから上面50bにかけてなだらかに変化する。傾斜面305eに沿った方向におけるMR素子50の下面50aの寸法と上面50bの寸法を同じにして比較すると、MR素子50の第1の側面50cと上部電極62との間隔は、第1の段差が存在しない場合に比べて大きくなる。これにより、本実施の形態によれば、第1の側面50cと上部電極62とがショートすることを抑制することができる。
また、第2の例では、第2の段差は、下部電極61に形成されている。これにより、本実施の形態によれば、第2の段差が存在しない場合に比べて、下部電極61と上部電極62との間隔を大きくすることができる。これにより、本実施の形態によれば、下部電極61と上部電極62とがショートすることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、磁化固定層51は、傾斜面305eと自由層53との間に介在している。傾斜面305eに沿った方向におけるMR素子50の上面50bの寸法を同じにして比較すると、傾斜面305eに沿った方向における磁化固定層51の寸法は、第1の側面50cが第1の部分S1を含まない場合に比べて大きくなる。これにより、本実施の形態によれば、磁化固定層51の体積を大きくして、磁化固定層51の磁化の方向がずれることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、第2の側面50dは、傾斜面305eに対してなす角度が互いに異なる第4の部分S4および第5の部分S5を含んでいる。本実施の形態では特に、第5の部分S5が傾斜面305eに対してなす角度は、第4の部分S4が傾斜面305eに対してなす角度よりも大きい。第2の側面50dが第5の部分S5を含まない場合、すなわち第2の側面50dの全体が実質的に第4の部分S4である場合には、第2の側面50dが傾斜面305eに対してなす角度は、全体的に小さくなる。この場合、第2の側面50dは、緩やかなテーパー形状となる。上部電極62と第2の側面50dとが対向する面積は、テーパーが緩やかになるに従って大きくなる。
これに対し、本実施の形態では、第2の側面50dは、第4の部分S4に加えて、第5の部分S5を含んでいる。傾斜面305eに沿った方向におけるMR素子50の下面50aの寸法を同じにして比較すると、上部電極62と第2の側面50dとが対向する面積は、第2の側面50dが第5の部分S5を含まない場合に比べて小さくなる。これにより、本実施の形態によれば、第1の側面50cと上部電極62とがショートすることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、第4の部分S4の少なくとも一部は、磁化固定層51に属している。第5の部分S5の少なくとも一部は、自由層53に属している。傾斜面305eに沿った方向におけるMR素子50の上面50bの寸法を同じにして比較すると、傾斜面305eに沿った方向における自由層53の寸法は、第2の側面50dが第5の部分S5を含まない場合に比べて小さくなる。傾斜面305eに沿った方向は、MR素子50の長手方向(U方向に平行な方向)に直交する方向であり、MR素子50の短手方向である。従って、本実施の形態によれば、MR素子50の短手方向の寸法を小さくすることができ、これにより、自由層53の形状異方性(形状磁気異方性)が小さくなることを抑制することができる。
また、自由層53の形状異方性(形状磁気異方性)は、自由層53の側面(第2の側面50dの一部)が傾斜面305eに対してなす角度によっても変化する。すなわち、上記の角度が小さくなるに従って、自由層53の形状異方性(形状磁気異方性)が小さくなる。本実施の形態では、自由層53に第5の部分S5が形成されていることから、第5の部分S5が存在しない場合に比べて、上記の角度は大きくなる。これにより、本実施の形態によれば、自由層53の形状異方性(形状磁気異方性)が小さくなることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、傾斜面305eに沿った方向におけるMR素子50の上面50bの寸法を同じにして比較すると、傾斜面305eに沿った方向における磁化固定層51の寸法は、第2の側面50dが第4の部分S4を含まない場合に比べて大きくなる。これにより、本実施の形態によれば、磁化固定層51の体積を大きくして、磁化固定層51の磁化の方向がずれることを抑制することができる。
ここで、第3の例のMR素子構造体70について簡単に説明する。第3の例のMR素子構造体70は、第2の例のMR素子50と、第1の例の下部電極61とを含んでいる。本実施の形態では、第1または第2の例のMR素子50と第3の例のMR素子50の組を、本実施の形態における第1のMR素子50Bおよび第2のMR素子50Cの組とすることができる。例えば、第1のMR素子50Bを第1または第2の例のMR素子50とし、第2のMR素子50Cを第3の例のMR素子50としてもよい。この場合、第2のMR素子50Cが含まれるMR素子構造体70の第1および第2の面70c,70dの各々は、1つの段差を含んでいる。
あるいは、第1のMR素子50Bおよび第2のMR素子50Cを、いずれも、第1または第2の例のMR素子50としてもよい。
[変形例]
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の第1および第2の変形例について説明する。始めに、図13および図14を参照して、第1の変形例について説明する。図13は、第1の変形例におけるMR素子構造体を示す断面図である。図14は、図13に示したMR素子構造体の磁気抵抗効果素子と下部電極を示す断面図である。
図13は、任意の傾斜面305fの上に配置されたMR素子50と交差するVZ断面を示している。このVZ断面は、図6と同様に、U方向の先にある位置からMR素子50の断面を見たVZ断面であってもよい。この場合、MR素子50、下部電極61および傾斜面305fは、それぞれ、第2のMR素子50C、下部電極61Cおよび第2の傾斜面305bに対応する。あるいは、図13に示したVZ断面は、-U方向の先にある位置からMR素子50の断面を見たVZ断面であってもよい。この場合、MR素子50、下部電極61および傾斜面305fは、それぞれ、第1のMR素子50B、下部電極61Bおよび第1の傾斜面305aに対応する。
ここで、図13および図14に示したように、VZ平面に平行な第3の方向D3と第4の方向D4を定義する。第3の方向D3は、傾斜面305fに沿った方向であり基準平面(基板301の上面301a)から遠ざかる方向である。第4の方向D4は、傾斜面305fに沿った方向であり基準平面(基板301の上面301a)に近づく方向である。
また、以下の説明において、傾斜面305fに沿った方向であり且つ第3の方向D3に平行な方向(第4の方向D4に平行な方向)を、単に傾斜面305fに沿った方向と言う。この方向は、傾斜面305fに沿った方向であり且つ基準平面(基板301の上面301a)からの距離が変化する方向でもある。
図13において、符号P2は、MR素子50と交差し且つ傾斜面305fに垂直な仮想の平面を示している。仮想の平面P2は、図13に示したMR素子50の上面50bを円筒面の一部とみなしたときに、この円筒面の中心軸C2を含むと共に、MR素子50と交差する。また、仮想の平面P2は、傾斜面305fに沿った方向における上面50bの中央と交差する。
第1の例のMR素子構造体70についての説明は、以下で説明する複数の点を除いて、第1の変形例におけるMR素子構造体70にも当てはまる。第1の例のMR素子構造体70についての説明中の傾斜面305e、第1の方向D1、第2の方向D2および仮想の平面P1を、それぞれ、傾斜面305f、第3の方向D3、第4の方向D4および仮想の平面P2に置き換えれば、第1の変形例におけるMR素子構造体70についての説明になる。
第1の変形例では、MR素子50の第1の側面50cの形状が、第1の例と異なっている。第1の変形例では、第1の側面50cは、第3の部分S3を含んでいない。
また、第1の変形例では、MR素子構造体70の第1の面70cは、MR素子50の第1の側面50cと、下部電極61の第3の側面61cとによって構成されている。第1の面70cは、第1の側面50cの第2の部分S2と下部電極61の第3の側面61cとの間に存在する1つの段差を含んでいる。
次に、図15を参照して、第2の変形例について説明する。図15は、第2の変形例におけるMR素子構造体を示す断面図である。
第2の変形例では、MR素子50の第1の側面50cの形状が、第1の変形例と異なっている。第2の変形例では、第1の側面50cの第1の部分S1は、磁化固定層51の側面に加えて、自由層53の側面によって構成されている。すなわち、第1の部分S1は、磁化固定層51から自由層53にかけて形成されている。
[第2の実施の形態]
次に、図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサ1について説明する。図16は、本実施の形態に係る磁気センサ1の一部を示す断面図である。
本実施の形態では、絶縁層305の複数の凸面305cの各々の全体形状は、図16に示した凸面305cの三角形形状をU方向に平行な方向に沿って移動してできる三角屋根形状である。また、絶縁層305の複数の第1の傾斜面305aと複数の第2の傾斜面305bの各々は、平面である。複数の第1の傾斜面305aの各々は、U方向とW1方向に平行な平面である。複数の第2の傾斜面305bの各々は、U方向とW2方向に平行な平面である。
絶縁層305は、図6に示した例と同様に、複数の凸面305cを形成する複数の突出部を含んでいてもよい。あるいは、絶縁層305は、V方向に平行な方向に並ぶ複数の溝部を含んでいてもよい。複数の溝部の各々は、第1の傾斜面305aに対応する第1の壁面と、第2の傾斜面305bに対応する第2の壁面とを有している。1つの凸面305cは、1つの溝部の第1の壁面と、この1つの溝部の-V方向側に隣接する他の1つの溝部の第2の壁面とによって構成される。
なお、図16に示した例では、複数の溝部の各々は、更に、平坦面305dに対応する底面を有している。しかし、複数の溝部の各々は、底面を有していなくてもよい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、請求の範囲の要件を満たす限り、MR素子構造体70の第1および第2の面70c,70dの各々の形状は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。第1の面70cは、3つ以上の段差を含んでいてもよい。この場合、第2の面70dは、第1の面70cの段差よりも少ない数の複数の段差を含んでいてもよい。
また、磁気センサ1は、更に、対象磁界のXY平面に平行な一方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第3の検出信号を生成するように構成された第3の検出回路を備えていてもよい。この場合、プロセッサ40は、少なくとも1つの第3の検出信号に基づいて、対象磁界のU方向に平行な方向の成分に対応する検出値を生成するように構成されていてもよい。第3の検出回路は、第1および第2の検出回路20,30と一体化されていてもよいし、第1および第2の検出回路20,30とは別のチップに含まれていてもよい。
以上説明したように、本発明の磁気センサは、基準平面を有する基板と、基板の上に配置され、基準平面に対して傾斜した傾斜面を有する支持部材と、傾斜面の上に配置され、傾斜面に対向する下面と、下面とは反対側の上面と、下面と上面とを接続し且つ2つの段差を含む第1の面とを有する磁気検出素子構造体とを備えている。
本発明の磁気センサにおいて、磁気検出素子構造体は、更に、傾斜面に沿って第1の面から遠ざかる方向の先において下面と上面とを接続する第2の面を有していてもよい。第2の面は、磁気検出素子構造体と交差し且つ傾斜面に垂直な仮想の平面を中心として第1の面に対して非対称な形状を有していてもよい。第2の面は、第1の面よりも少ない数の段差を含んでいてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、磁気検出素子構造体は、下部電極と、下部電極の上に配置された磁気検出素子とを含み、下部電極および磁気検出素子の積層方向に電流が流れるように構成されていてもよい。磁気検出素子は、外部磁界に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層と、方向が固定された磁化を有すると共に自由層と傾斜面との間に介在する磁化固定層とを含んでいてもよい。2つの段差の一方は、磁気検出素子に存在していてもよく、2つの段差の他方は、磁気検出素子と下部電極との間に存在していてもよい。あるいは、2つの段差の一方は、磁気検出素子と下部電極との間に存在していてもよく、2つの段差の他方は、下部電極に存在していてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、第1の面は、曲面部分を含んでいてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、傾斜面は、曲面であってもよい。あるいは、傾斜面は、平面であってもよい。
また、本発明の磁気センサは、更に、絶縁層と、上部電極とを備えていてもよい。磁気検出素子構造体は、下部電極と、前記下部電極の上に配置された磁気検出素子とを含んでいてもよい。上部電極は、下部電極との間に磁気検出素子を挟む位置に配置されていてもよい。絶縁層は、下部電極と上部電極との間において磁気検出素子構造体の周囲に配置されていてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、支持部材は、基準平面から遠ざかる方向に張り出す凸面を有していてもよい。凸面は、傾斜面と、基準平面に対して傾斜すると共に傾斜面とは異なる方向に向いた他の傾斜面とを含んでいてもよい。この場合、本発明の磁気センサは、更に、他の傾斜面の上に配置され、他の傾斜面に対向する下面と、下面とは反対側の上面と、下面と上面とを接続する2つの面を有する他の磁気検出素子構造体を備えていてもよい。他の磁気検出素子構造体の2つの面の各々は、第1の面よりも少ない数の段差を含んでいてもよい。
1…磁気センサ、20…第1の検出回路、30…第2の検出回路、40…プロセッサ、50…MR素子、50B…第1のMR素子、50C…第2のMR素子、51…磁化固定層、52…ギャップ層、53…自由層、61,61B,61C…下部電極、62,62B,62C…上部電極、70…MR素子構造体、70a…下面、70b…上面、70c…第1の面、70d…第2の面、80…コイル、81…下部コイル要素、82…上部コイル要素、100…磁気センサ装置、301…基板、301a…上面、302~305,307~310…絶縁層、305a…第1の傾斜面、305b…第2の傾斜面、305c…凸面、305d…平坦面、305e,305f…傾斜面、S1…第1の部分、S2…第2の部分、S3…第3の部分、S4…第4の部分。

Claims (14)

  1. 基準平面を有する基板と、
    前記基板の上に配置され、前記基準平面に対して傾斜した傾斜面を有する支持部材と、
    前記傾斜面の上に配置され、前記傾斜面に対向する下面と、前記下面とは反対側の上面と、前記下面と前記上面とを接続し且つ2つの段差を含む第1の面とを有する磁気検出素子構造体とを備えたことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記磁気検出素子構造体は、更に、前記傾斜面に沿って前記第1の面から遠ざかる方向の先において前記下面と前記上面とを接続する第2の面を有することを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記第2の面は、前記磁気検出素子構造体と交差し且つ前記傾斜面に垂直な仮想の平面を中心として前記第1の面に対して非対称な形状を有していることを特徴とする請求項2記載の磁気センサ。
  4. 前記第2の面は、前記第1の面よりも少ない数の段差を含むことを特徴とする請求項3記載の磁気センサ。
  5. 前記磁気検出素子構造体は、下部電極と、前記下部電極の上に配置された磁気検出素子とを含み、前記下部電極および前記磁気検出素子の積層方向に電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  6. 前記磁気検出素子は、外部磁界に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層と、方向が固定された磁化を有すると共に前記自由層と前記傾斜面との間に介在する磁化固定層とを含むことを特徴とする請求項5記載の磁気センサ。
  7. 前記2つの段差の一方は、前記磁気検出素子に存在し、
    前記2つの段差の他方は、前記磁気検出素子と前記下部電極との間に存在することを特徴とする請求項5記載の磁気センサ。
  8. 前記2つの段差の一方は、前記磁気検出素子と前記下部電極との間に存在し、
    前記2つの段差の他方は、前記下部電極に存在することを特徴とする請求項5記載の磁気センサ。
  9. 前記第1の面は、曲面部分を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  10. 前記傾斜面は、曲面であることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  11. 前記傾斜面は、平面であることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  12. 更に、絶縁層と、
    上部電極とを備え、
    前記磁気検出素子構造体は、下部電極と、前記下部電極の上に配置された磁気検出素子とを含み、
    前記上部電極は、前記下部電極との間に前記磁気検出素子を挟む位置に配置され、
    前記絶縁層は、前記下部電極と前記上部電極との間において前記磁気検出素子構造体の周囲に配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  13. 前記支持部材は、前記基準平面から遠ざかる方向に張り出す凸面を有し、
    前記凸面は、前記傾斜面と、前記基準平面に対して傾斜すると共に前記傾斜面とは異なる方向に向いた他の傾斜面とを含むことを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  14. 更に、前記他の傾斜面の上に配置され、前記他の傾斜面に対向する下面と、前記下面とは反対側の上面と、前記下面と前記上面とを接続する2つの面を有する他の磁気検出素子構造体を備え、
    前記他の磁気検出素子構造体の前記2つの面の各々は、前記第1の面よりも少ない数の段差を含むことを特徴とする請求項13記載の磁気センサ。
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