JP2023044149A - 雨水貯留浸透緑地の排水構造 - Google Patents

雨水貯留浸透緑地の排水構造 Download PDF

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Akimasa Hirano
陽介 渡部
Yosuke Watabe
達也 松岡
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【課題】設計段階で容易に浸透機能・貯留機能の調整ができ、河川・海域への雨水流出抑制対策が可能な雨水貯留浸透緑地の排水構造を提供する。【解決手段】雨水貯留浸透緑地Rに備えられた排水構造1であって、鉛直方向に対して延在する筒状部材10と、前記筒状部材10に埋入し、外部から雨水が流入可能な第一流入部24と、前記第一流入部24よりも前記筒状部材10の下端部側に備えられた第一流出部25と、を有する第一桝20と、前記第一流出部25から下水道本管へ雨水の流路を形成する第一配管40と、前記第一桝20よりも鉛直上方側であって、前記筒状部材10に埋入し、外部から雨水が流入可能な第二流入部34と、前記第二流入部34よりも前記筒状部材10の下端部側に備えられた第二流出部35と、を有する第二桝30と、前記第二流出部35から下水道本管へ雨水の流路を形成する第二配管50と、を備える排水構造。【選択図】図4

Description

本発明は、雨水貯留浸透緑地の排水構造に関する。
近年、特に都市部においては、植生被覆面積の減少や不透水性地表の面積増加によって水循環システムの形成において重要な役割を持つ、緑地の雨水浸透機能および洪水緩和機能が失われつつある。また、世界各地でゲリラ豪雨や台風などの集中豪雨が年々増加している。都市部の下水道は、一般的には降水量1時間当たり50mmに対応するよう計画されている。しかし、前述したような気象現象に起因する局所的な集中豪雨によって、雨水は下水道の処理能力を越えると地表へ溢れる。緑地で浸透しきれず不浸透性地表をつたう雨水は、未処理汚水のまま越流水となり、河川・海域へ放流される。この越流水には、紫外線などで崩壊、微粒化した廃棄プラスチック(マイクロプラスチック)等が含まれており、水質汚染や生態系劣化の懸念が広がっている。
こうした気候変動への適応に向け、雨水を敷地で受容し、敷地外への流出を減らすことが環境配慮として重要になってきている。従来の雨水流出抑制対策として、雨水の貯水機能を有する貯水槽や、不透水性地表に配置され、雨水の浸透機能を向上させる浸透層・浸透桝がある。特許文献1には、地中に埋設され、多数の浸透孔を備えた雨水浸透桝を構成することが記載されている。
また、グリーンインフラ技術の一つである雨水貯留浸透緑地(レインガーデン)に注目が集まっている。レインガーデンは、不透水性の人工建造物(敷地の建物や道路)等に降った雨水を集め、一時的に貯留・地中浸透させる窪地状の緑地である。レインガーデンは雨水流出抑制効果以外にも景観や生物多様性、温熱環境の改善などの多様な機能を期待できる。
実開平3-58379号公報
しかしながら、特許文献1に記載の雨水浸透桝は、土壌水分や植物の生育状況等によって、雨水流出抑制効果(特に浸透能)が異なるため、浸透能の定量評価が難しいという問題がある。また、集中豪雨の発生により急激に水量が増大した雨水は、降雨の初期段階で土壌へ浸透する前に桝からオーバーフローし、マイクロプラスチック等を含む越流水として、河川・海域へ放流されるという問題がある。そのため、雨水管理施設として利用するためには、急増する雨水に対応した貯留機能に関する検討が必要である。上述したレインガーデンについても、整備実積が乏しく、定量データに基づく効果検証や設計・施工がなされていないのが現状である。そのため、設計段階で降雨の増減に応じて貯留機能や浸透機能を調整し、豪雨時の内水氾濫を予防する効果(ピークカット効果)を備えた雨水貯留浸透緑地を検討するのは困難であった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、設計段階で容易に浸透機能・貯留機能の調整ができ、河川・海域への雨水流出抑制対策が可能な雨水貯留浸透緑地の排水構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造は、雨水貯留浸透緑地に備えられ、鉛直方向に対して延在する筒状部材と、前記筒状部材に埋入し、外部から雨水が流入可能な第一流入部と、前記第一流入部よりも前記筒状部材の下端部側に備えられた第一流出部と、を有する第一桝と、前記第一流出部から下水道本管へ雨水の流路を形成する第一配管と、前記第一桝よりも鉛直上方側であって、前記筒状部材に埋入し、外部から雨水が流入可能な第二流入部と、前記第二流入部よりも前記筒状部材の下端部側に備えられた第二流出部と、を有する第二桝と、前記第二流出部から下水道本管へ雨水の流路を形成する第二配管と、を備えることを特徴とする。
本発明では、雨水貯留浸透緑地に筒状部材を設け、第一桝と第一桝よりも鉛直上方側に第二桝とが筒状部材に設けられることで、雨水の排水量と貯留量を段階的に設定することができる。また、評価の難しい浸透・貯留能力を検討する必要がないため、施設内の雨水貯留施設として、設計段階から組み込むことができ、容易に浸透機能・貯留機能の調整が可能となる。
また、本発明に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造は、雨水貯留浸透緑地が周囲を不透水層で覆われ、地盤を掘削して形成された凹部を備え、前記凹部は、浸透機能を有する側面及び底面を有し、前記筒状部材の下端部が前記底面に設置されており、前記第二流入部が前記不透水層において、鉛直方向に対して水平面よりも鉛直下方に設置されていることを特徴としてもよい。
この場合には、不透水層から流れる雨水が凹部に貯留されるため、雨水は、浸透機能を有する側面及び底面に浸透することができる。また、第二流入部の位置を設置することで、排水構造は、雨水が凹部内で浸透しきれず凹部から溢れる前に、雨水を排水できる。
また、本発明に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造は、前記側面が、前記底面に設置された前記筒状部材に向かって雨水を誘導する傾斜面であることを特徴としてもよい。
この場合には、降雨時に雨水が側面上に沿って流れるため、例えば側面に植物を生育させると、潅水装置を設置しなくても容易に植物へ潅水できる。また、底面は側面と比べて頻繁に湛水面が発生しやすいため、湿性の植物の生育に好適である。さらに、多様な植物による浸透能力の違いが生まれ、土壌に水分量の違いを生じさせることができる。
また、本発明に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造は、雨水の降水量が1時間当たり50mmの場合に、雨水が前記凹部に集水され、1時間後に形成された湛水面において、前記底面よりも鉛直上方であって前記湛水面以下の鉛直下方に前記第一流入部が設置されていることを特徴としてもよい。
この場合には、都市の一般的な排水能力の目安(1時間当たり50mm)までは、第1桝からの排水や側面及び底面の浸透機能によって、雨水が無駄に凹部にたまることがない。また、豪雨時に、初期段階で雨水が凹部からオーバーフローし、周囲の不透水層へ流出してしまうのを防ぐことができる。
また、本発明に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造は、少なくとも前記第一流入部に設けられたメッシュ体であって、鉛直方向に延びる前記筒状部材の中心軸に対して水平方向に沿って前記筒状部材の全周面に配置され、鉛直下方に開口部が形成されるとともに鉛直上方の開口を塞ぐ端板を有して鉛直方向に延在する筒状のメッシュ本体を備え、全周面にわたってメッシュにより形成されたメッシュ体と、前記メッシュ本体の内側に配置され、雨水の中に含まれる小片を付着させることによる回収機能と透水性を有する小片回収材と、をさらに備えることを特徴としてもよい。
この場合には、マイクロプラスチック等の微小な小片が含まれる雨水が不透水層から流入した際、その雨水がメッシュ体におけるメッシュ本体の開口部からメッシュ本体内に流入し、雨水は小片回収部材とメッシュにより形成されるメッシュ本体とを通過してさらに筒状部材の第一流入部または第二流入部へ流入する。このとき、メッシュ本体内に流入した小片はメッシュ本体の内側に配置される小片回収部材に付着するため、容易に回収することができる。
本発明に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造によれば、設計段階で容易に浸透機能・貯留機能の調整ができ、雨水流出抑制対策が可能である。
本発明の一実施形態に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造の一例を説明する概略構成の斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 同雨水貯留浸透緑地の排水構造の斜視図である。 図3のB-B線断面図である。 同雨水貯留浸透緑地の雨水の貯留推移の一例を説明する図である。
本発明の一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1及び図2に本発明の一実施形態に係る雨水貯留浸透緑地の排水構造の一例を説明する概略構成の斜視図、断面図を示す。図3及び図4に、同雨水貯留浸透緑地の排水構造の斜視図、断面図を示す。また、図5には、同雨水貯留浸透緑地の雨水の貯留推移の一例を説明する図を示しており、(a)は降雨前、(b)は降雨初期、(c)は降雨中期、(d)は降雨後期を説明する図である。
本実施形態における排水構造1は、図1及び図2に示すように、レインガーデン(雨水貯留浸透緑地)Rの窪地(凹部)100に設けられる。
レインガーデンRは、周囲を人工地盤C(不透水層)で覆われており、側面110及び底面120を備えた窪地100(凹部)を有する。側面110には、河原植生の植物110sが生育しており、側面110は底面120に設置された筒状部材10に向かって雨水を誘導する傾斜面である。底面120は、鉛直方向に直交する水平面であり、湿生の植物120sが生育する。
図3及び図4に示すように、排水構造1は、レインガーデンRにおいて筒状部材10と、第一桝20と、第二桝30と、第一配管40と、第二配管50と、を備える。筒状部材10の中心を通る鉛直方向の中心軸Oは、第一桝20の中心及び第二桝30の中心を通る軸と共通の中心軸である。
筒状部材10は、下部管11と、中部管12と、上部管13と、を備え、それぞれが断面円形状の中空のコンクリート管である。
下部管11は、筒状部材10の下端に備えられる。下部管11の上端は、後述する第一桝20へ連結され、下部管11の下端は、窪地100の底面120の中央に設置される。
中部管12は、筒状部材10において、下部管11よりも鉛直上方に配置される。中部管12の上端は、後述する第二桝30へ連結され、中部管12の下端は、第一桝20へ連結される。
上部管13は、筒状部材10の上端に備えられる。上部管13の上端は、コンクリート製、あるいは溶融亜鉛メッキされた金属製の蓋体131で覆われている。上部管13の下端は、第二桝30へ連結されている。
次に、排水構造1は、図4に示すように、筒状部材10の下部管11と中部管12との間に配置された第一桝20と、中部管12と上部管13との間に配置され、第一桝20よりも鉛直上方側に第二桝30と、を有する。
第一桝20は、図4に示すように、第一桝蓋21と、第一桝底板22と、第一桝側壁23と、第一流入管24(第一流入部)と、第一流入管24よりも第一桝20の下端部側に設けられた第一流出部25と、を備える。第一桝20は、有底筒状かつ中空の桝である。第一桝20の外径は、筒状部材10と略同じ外径を有する。第一桝蓋21は、後述する第二配管50が貫通できる程度の大きさの上部配管孔21hを有し、第一桝底板22は、第二配管50が貫通できる程度の大きさの下部配管孔22hを有する。第一桝蓋21と第一桝底板22と第二配管50の貫通部分は、所定の固定手段により固定され、漏水防止の弾性変形可能な材料(例えば、樹脂やゴム等)のシール部材等で漏水防止処置を行う。
第一流入管24は、窪地100に溜まった雨水が流入可能であり、中心軸Oに直交する水平面において、周方向に略等間隔に4つ設けられる。また、第一流入管24は、外部と第一桝20の内部空間を連通するように、第一桝側壁23に取り付けられる。また、第一流入管24は、後述するメッシュ体60の端板63を筒状部材10の上方から挿入した際に引っ掛かり、メッシュ体60を窪地100の空間内に設置できるように、第一桝側壁23から外部に向けて突出した状態で設けられる。
第一流出部25は、第一桝底板22に形成され、後述する第一配管40が連通できる程度の大きさの貫通孔である。第一桝底板22と第一配管40の連通部分は、所定の固定手段により固定されている。例えば、弾性変形可能な材料(例えば、樹脂やゴム等)のシール部材等で漏水防止処置を行う。
第二桝30は、図4に示すように、第二桝蓋31と、第二桝底板32と、第二桝側壁33と、第二流入管34(第二流入部)と、第二流入管34よりも第二桝30の下端部側に設けられた第二流出部35と、を備え、有底筒状かつ中空の桝である。第二桝30の外径は、筒状部材10と同じ外径を有する。
第二流入管34は、第一流入管24と略同様に、中心軸Oに直交する水平面において、周方向に略等間隔に4つ設けられる。また、第二流入管34は、外部と第二桝30の内部空間を連通するように、第二桝30の第二桝側壁33に取り付けられる。第二流入管34は、後述するメッシュ体60の端板63を筒状部材10の上方から挿入した際に引っ掛からないように、第一桝側壁23から外部に突出しない状態で設けられる。
第二流出部35は、第二桝底板32に形成され、後述する第二配管50が連通できる程度の大きさの流出孔である。第二桝底板32と第二配管50の連通部分は、所定の固定手段により固定されている。例えば、弾性変形可能な材料(例えば、樹脂やゴム等)のシール部材等で漏水防止処置を行う。
図4に示すように、排水構造1は、第一配管40と、第二配管50と、を有する。第一配管40は、第一桝20の第一流出部25と下水道本管(不図示)までの間を連通し、管内に雨水の流路を形成する。第二配管50は、第二桝30の第二流出部35から第一桝蓋21及び第一桝底板22を貫通し、下水道本管(不図示)までの間に雨水の流路を形成する。
第一配管40は、一端に先端開口部40aを有し、他端に基端開口部40bを有する。先端開口部40aは、第一桝底板22から上方に突出するように設けられ、雨水の流入口となる。基端開口部40bは、下水道本管(不図示)へ連通し、先端開口部40aから流入した雨水が排水される。また、先端開口部40aには、グレーチング蓋を設ける。
第二配管50は、一端に先端開口部50aを有し、他端に基端開口部50bを有する。先端開口部50aは、第二桝底板32から上方に突出するように設けられ、雨水の流入口となる。基端開口部50bは、下水道本管(不図示)へ連通し、先端開口部50aから流入した雨水が排水される。また、先端開口部50aには、グレーチング蓋を設ける。
第一配管40及び第二配管50の外径は、筒状部材10の内径よりも小さく、筒状部材10の内部に配置される。先端開口部40a及び先端開口部50aは、それぞれ第一桝底板22及び第二桝底板32から突出することで、雨水内に含まれるゴミや草木等が桝内から流出する前に第一桝底板22及び第二桝底板32へ沈殿し、桝内にたまりやすくなる。そのため、グレーチング蓋の目詰まりを低減することができる。
また、図4に示すように、排水構造1は、全周面にわたってメッシュ材により形成されたメッシュ体60と、スチールウール70(小片回収部材)と、をさらに有する。
メッシュ体60は、第一桝20の第一桝側壁23に沿って中心軸O方向に延在する筒状のメッシュ本体61と、スチールウール受け部64と、を備えている。メッシュ体60は、ステンレス製のメッシュ材により形成される。
メッシュ本体61は、中心軸Oを中心に、中央に筒状部材10を貫通できるための貫通孔61aを備え延在する筒体62と、筒体62の上端開口を塞ぐ端板63と、を備えている。筒体62の上端開口の内側上縁部62a及び外側上縁部62bは、第一流入管24の最上部24jと略同じ高さに設定される。筒体62の下端開口の内側下縁部62c及び外側下縁部62dは、第一流入管24の最下部24kよりも鉛直下方に設定される。筒内側面623は、内側上縁部62aから内側下縁部62cまでを鉛直方向に沿って、第一流入管24の開口部を塞ぐように、筒状部材10の全周に設けられる。筒外側面624は、外側上縁部62bから外側下縁部62dまで鉛直方向に沿って、筒状部材10の全周に設けられる。筒内側面623及び筒外側面624は、同じ高さに設定される。また、端板63は、内側上縁部62aと外側上縁部62bの間のドーナツ状の上端開口を塞ぐように設けられる。
端板63は、端板内側縁部63aと端板外側縁部63bを有し、中心軸Oに直交する水平な板状である。端板外側縁部63bは、筒体62の外側上縁部62bと連接する。端板内側縁部63aは、筒体62の内側上縁部62aよりも中心軸Oに近い位置に設けられ、筒状部材10が通り抜けられる程度に、筒状部材10と略同じ外径を有する。端板63は、第一流入管24が第一桝側壁23から突出した長さと略同じ長さだけ端板内側縁部63aを内側上縁部62aから中心軸O方向に向かって突出させ、端板突出部631を形成する。そのため、端板63は、円筒部材の上端から鉛直下方に向けて挿入した場合に、端板突出部631が第一流入管24へ引っ掛かり、メッシュ体60を窪地100内に設置することができる。端板63は、メッシュ体60と同様にステンレス製のメッシュ材により形成される。
スチールウール受け部64は、図4に示すように、筒下開口の内側下縁部62cから鉛直上方に傾斜角を設け屈曲し、内先端641aを持つ内側受け部641を有する。さらに、スチールウール受け部64は、外側下縁部62dから鉛直上方に内側受け部641と同程度の傾斜角を設け屈曲し、外先端642aを持つ外側受け部642を有する。内先端641aと外先端642aは当接しておらず、内先端641aと外先端642aとの間は、平面視ドーナツ状の開口部64kが形成される。開口部64kは、メッシュ体60内に貯留される雨水内に留置されたゴミや草木等が流入できる程度に形成される。スチールウール受け部64も、メッシュ体60と同様にステンレス製のメッシュ材により形成される。
上記の構成により、一度メッシュ体60に流入した雨水は、側面110と底面120へ雨水が浸透し、徐々に水位面が低下する際に、ゴミや草木等がスチールウール受け部64で引っ掛かり、回収しやすくなる。
メッシュ体60は、内部に多数のスチールウール70を有する。スチールウール70は、所定の大きさに形成され、メッシュ本体61の内面及びスチールウール受け部64の内側に全周配置されている。
スチールウール70は、ステンレス製のワイヤーメッシュにより形成される部材である。本実施形態では、スチールウール70を小片回収部材の一例としているが、これに限定されることはなく、例えばポリ塩化ビニリデン系繊維の不織布等、あるいは微小孔が形成された部材も採用することができる。要は、小片回収部材として、マイクロプラスチック等の微小な小片を付着させることによる回収機能と透水性を有する部材であればよい。さらに小片回収部材としては、水や土壌などの粉体は通過可能で、マイクロプラスチック等の小片等は通過させずに絡め取るように表面部に付着させる機能を有する部材が好ましい。
さらに小片回収部材の具体的な一例として、OM-150 サラロック(登録商標、大東産業株式会社製)、ワイヤーメッシュデミスター(登録商標、株式会社奥谷金網製作所社製)等を採用することができる。また、スチールウール70は、紐等の固定手段によってメッシュ体60に固定される。
本実施形態において、図1、図2に示すように、降雨時に窪地100へ流れ込む雨水は、窪地100内に湛水面Qを形成する。ここで、図5に示すように、雨水の降水量が1時間当たり50mmの場合に、雨水が窪地100に集水され、1時間後に形成された湛水面を一次湛水面Q1とする。前述の第一流入管24の最下部24kは、一次湛水面Q1と略同じ高さに設ける。また、窪地100内が満水のとき、湛水面Qは最大湛水面QMとなる。第二流入管34の最上部34jは、最大湛水面QMと略同じ高さに設ける。湛水面Qは、最大湛水面QMを極力超えないように排水構造1の排水能力が設定されている。
次に、本実施形態の雨水貯留浸透緑地の排水構造1の作用について、図5を参照して詳細に説明する。
図5(a)は降雨前の場合である。図面に示すように、窪地100の側面110及び底面120は、異なる植物が生育している状態である。また、このとき草木やごみ、マイクロプラスチック等の小片が、風雨によって窪地100に飛散・運搬され、底面120に溜まった状態である。
次に、図5(b)の降雨初期において、窪地100に降る雨水と、人工地盤C上で浸透できない雨水が、窪地100へ流れ込む。雨水は窪地100の側面110を沿って底面120に流れ、側面110及び底面120の浸透能力を超えた雨水が、底面120から徐々に貯留される。湛水面Qが一次水面Q1未満の場合、第一流入管24の最下部24kは、一次湛水面Q1と同じ高さのため、雨水は排水されずに窪地100に貯留される。底面120は湿生の植物120sが生育しており、湿生の植物120sに好適な環境を生じさせることができる。
次に図5(c)は、降雨中期であり、湛水面Qが一次湛水面Q1以上の場合である。この場合、窪地100に貯留されていた雨水は、第一流入管24より排水し始める。そのため、窪地100内に貯留される雨水は、無駄に窪地100に貯留されることなく、湛水面Qが最大湛水面QMを超えオーバーブローする前に排水できる。また、豪雨時に、初期段階で雨水が窪地100からオーバーフローしてしまい、周囲の人工地盤Cへ流出するのを防ぐことができる。降雨中期で雨が止むと、側面110及び底面120において雨水の浸透が進み、湛水面Qが徐々に下がる。すると、メッシュ体60内に流入した雨水に含まれる草木やごみ、マイクロプラスチック等の小片がメッシュ体60のスチールウール受け部64及びスチールウール70に引っ掛かり、容易に回収できる。貯留された雨水が、第一流入管24での排水能力、側面110や底面120等における浸透能力以上の降水量となった場合は、さらに第一桝20を超え、さらに窪地100へ貯留される。
図5(d)の降雨後期においては、湛水面Qが最大湛水面QM付近に達する場合である。窪地100に貯留されていた雨水は、第一流入管24及び第二流入管34より排水される。そのため、窪地100内に貯留される雨水は、窪地100からオーバーフローし、人工地盤Cへ流れ出す前に排水される。
本実施形態では、排水構造1に第一桝20と第二桝30を設けることで、雨水の排水量と貯留量を段階的に設定することができる。また、評価の難しい浸透・貯留能力を検討する必要がないため、施設内の雨水貯留施設として、設計段階から組み込むことができ、容易に浸透機能・貯留機能の調整が可能となる。
また、本実施形態では、人工地盤Cから流れる雨水が凹部に貯留されるため、雨水は、浸透機能を有する側面及び底面に浸透することができる。また、第二流入管の位置を設置することで、排水構造は、雨水が凹部内で浸透しきれず凹部から溢れる前に、雨水を排水できる。また、本実施形態では、降雨時に雨水が側面上に沿って流れるため、例えば側面に植物を生育させると、潅水装置を設置しなくても容易に植物へ潅水できる。また、底面は側面と比べて頻繁に湛水面が発生しやすいため、湿性の植物の生育に好適である。さらに、多様な植物による浸透能力の違いが生まれ、土壌に水分量の違いを生じさせることができる。
上述のように、本実施形態による雨水貯留浸透緑地の排水構造1は、設計段階で容易に浸透機能・貯留機能の調整ができ、河川・海域への雨水流出抑制対策が可能である。
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
例えば、排水構造1が備えられた緑地の適用対象として、本実施形態ではレインガーデンを対象としているが、レインガーデンに限定されることはなく、緑地を形成する領域を対象としてもよい。さらに、緑地の凹部は、あらかじめ不透水性の人工建造物(敷地の建物や道路など)の設計段階で組み込んでもよいし、既に建設された人工建造物の不透水性層を掘削し、設けてもよい。
本実施形態の排水構造1またはメッシュ体60の形状や寸法等の構成は、適用する排水能力を考慮して適宜設定することができる。
上記実施形態において、筒状部材10は、上部管13と、中部管12と、下部管11と、を備え、断面円形状の中空のコンクリート管であったが、筒状部材10の形状及び材料はこれに限定されない。また、第一配管及び第二配管の設置位置は筒状部材10の内部でなくてもよく、筒状部材10の外部に設置してもよい。
上記実施形態において、筒状部材10は、緑地の窪地100(凹部)に少なくとも1つ設置されるが、2つ以上設置してもよく、筒状部材10の設置個数については限定されない。筒状部材10は、設置個数を変更できることで、窪地100(凹部)の排水能力を容易に変更できる。
本実施形態においては、第一桝20及び第二桝30は、排水構造1に2つ配置されているが、桝の個数は適宜設定できる。例えば、桝の個数を増やすことで、窪地内の雨水の排水量を細分化できる。そのため、生育させる植物を段階的に変化させることができる。
また、第一桝20及び第二桝30は、桝自体に貯水機能を設けてもよい。桝内に貯留した雨水は、例えば、水洗便所の用水などの建築物の種々の用水設備や樹木の散水用等に利用することができる。さらに、第一桝側壁23及び第二桝側壁33には、人間の手が挿入できる程度の開閉扉を設けてもよい。開閉扉を設けることで、桝内の第一桝底板22に溜まったゴミや草木等を容易に掃除することができる。
また、本実施形態では、第一流入管24及び第二流入管34は、複数の流入管を中心軸Oに直交する水平面に設けているが、第一流入管24の形状または大きさは適宜設定できる。さらに、流入管を設けずに、グレーチングを第一桝20及び第二桝30の全周に設けることで第一流入部とし、直接雨水が第一桝20及び第二桝30へ流入する構成としてもよい。さらに、第一流入管24の最下部24kは、一次湛水面Q1と同じ高さに設けているが、最下部24kに限定されない。また第二流入管34の最上部34jは、本実施形態では、最大湛水面QMと同じ高さに設けているが、最上部34jに限定されず、第二流入管34の中間部を最大湛水面QMと同じ高さとしてもよい。この場合においても、第二流入管34の最下部は最大湛水面QMよりも鉛直下方となるため、凹部から溢れることなく雨水を排水することができ、さらに窪地の貯留量を増やすことができる。
また、本実施形態では、端板63を第一流入管24に引っ掛けてメッシュ体60を固定しているが、固定手段はこれに限定されない。例えば紐等で、筒状部材10へ括り付けて固定する方法でもよい。
さらに、本実施形態では、スチールウール70(小片回収部材)がメッシュ本体61の内面及びスチールウール受け部64の内側に全周配置されているが、これに限定されることはない。例えば筒内側面623の第一流入管24の開口部を塞ぐ部分のみに配置されていてもよいし、あるいは、単にスチールウール受け部64のみに設けることも可能である。
また、メッシュ体60はステンレス製であることに制限されることはなく、他の部材を採用することも可能である。
例えば、本実施形態では、メッシュ体60にスチールウール受け部64を備えた構成としているが、このようなスチールウール受け部64を省略することができる。
100 窪地(凹部)
110 側面
110s 河原植生の植物
120 底面
120s 湿生の植物
1 排水構造
10 筒状部材
20 第一桝
24 第一流入管(第一流入部)
25 第一流出部
30 第二桝
34 第二流入管(第二流入部)
35 第二流出部
40 第一配管
50 第二配管
60 メッシュ体
61 メッシュ本体
64 スチールウール受け部
70 スチールウール(小片回収材)
R レインガーデン(雨水貯留浸透緑地)
Q 湛水面
C 人工緑地(不透水層)

Claims (5)

  1. 雨水貯留浸透緑地に備えられた排水構造であって、
    鉛直方向に対して延在する筒状部材と、
    前記筒状部材に埋入し、
    外部から雨水が流入可能な第一流入部と、
    前記第一流入部よりも前記筒状部材の下端部側に備えられた第一流出部と、
    を有する第一桝と、
    前記第一流出部から下水道本管へ雨水の流路を形成する第一配管と、
    前記第一桝よりも鉛直上方側であって、前記筒状部材に埋入し、
    外部から雨水が流入可能な第二流入部と、
    前記第二流入部よりも前記筒状部材の下端部側に備えられた第二流出部と、
    を有する第二桝と、
    前記第二流出部から下水道本管へ雨水の流路を形成する第二配管と、
    を備える雨水貯留浸透緑地の排水構造。
  2. 前記雨水貯留浸透緑地は、
    周囲を不透水層で覆われ、地盤を掘削して形成された凹部を備え、
    前記凹部は、浸透機能を有する側面及び底面を有し、前記筒状部材の下端部が前記底面に設置されており、前記第二流入部が前記不透水層において、鉛直方向に対して水平面よりも鉛直下方に設置されていること
    を特徴とする請求項1に記載の雨水貯留浸透緑地の排水構造。
  3. 前記側面が、前記底面に設置された前記筒状部材に向かって雨水を誘導する傾斜面であることを特徴とする請求項2に記載の雨水貯留浸透緑地の排水構造。
  4. 雨水の降水量が1時間当たり50mmの場合に、雨水が前記凹部に集水され、1時間後に形成された湛水面において、前記底面以下の鉛直上方であって前記湛水面よりも鉛直下方に前記第一流入部が設置されていること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の雨水貯留浸透緑地の排水構造。
  5. 少なくとも前記第一流入部に設けられたメッシュ体であって、鉛直方向に延びる前記筒状部材の中心軸に対して水平方向に沿って前記筒状部材の全周面に配置され、鉛直下方に開口部が形成されるとともに鉛直上方の開口を塞ぐ端板を有して鉛直方向に延在する筒状のメッシュ本体を備え、全周面にわたってメッシュにより形成されたメッシュ体と、
    前記メッシュ本体の内側に配置され、雨水の中に含まれる小片を付着させることによる回収機能と透水性を有する小片回収材と、
    をさらに備える請求項1乃至4のいずれかの1項に記載の雨水貯留浸透緑地の排水構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117027141A (zh) * 2023-08-03 2023-11-10 广州珠江外资建筑设计院有限公司 一种可调节的下沉绿地雨水溢流口

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