JP2023042641A - 繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バキュームバッグ等の被覆部材に生じた皺の、繊維強化樹脂への転写を抑制可能とする。【解決手段】繊維強化樹脂125を含む接合部品120の製造方法は、プリプレグ40上に剛性板であるプレート70を配し、さらに接着フィルム30(接着剤)、プリプレグ40、及びプレート70を含む積層体150をバッグフィルム80(被覆部材)で覆う工程と、バッグフィルム80で覆われた内部を真空引きする工程と、車両部品20(基材)、真空引きされたバッグフィルム80、及び積層体150を加熱処理する工程を含む。【選択図】図1

Description

本明細書では、繊維強化樹脂を基材に接合させた接合部品の製造方法が開示される。
従来から、繊維強化樹脂(FRP)を基材に接合させた接合部品が知られている。例えば、CFRP(炭素繊維強化プラスチック、CarbonFiber Reinforced Plastics)を金属部品等の異種基材に接合させた、異種接合部品が知られている。
接合部品の製造に当たり、繊維強化樹脂材料として、例えばプリプレグ(Pre-Preg(Pre-Impregnated:予め含浸された))が用いられる。プリプレグとは、強化繊維の束に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させてシート状に成形させた中間材料(言い換えると半完成品)である。
例えば特許文献1や特許文献2では、バキュームバッグ工法を用いて上記のような接合部品が製造される。具体的には、車両のバンパリーンフォース等の補強部材の表面に、熱接着フィルム等の接着剤層が積層される。接着剤層の上にプリプレグが積層される。さらに離型フィルムがプリプレグの上に積層され、その離型フィルムの上にブリーザークロスが積層される。ブリーザークロスは真空引きの際に空気の流路となる部材であって、例えば所定の厚みを持った不織布から構成される。
さらに接着剤層、プリプレグ、離型フィルム、及びブリーザークロスからなる積層体は、バキュームバッグに覆われる。さらにバキュームバッグの、上記積層体を覆う部分を囲む周縁部が、粘着テープ等により基材の積層面に枠状に貼着(固定)される。
この状態で作業員が真空ポンプを駆動させて、バキュームバッグの脱気ポートからバッグ内の空気を抜いて真空にする。この真空状態が維持されつつ、基材及び積層体はオートクレーブ等の成形炉に入れられて加熱させられる。このときにプリプレグに含まれる熱硬化性樹脂が硬化する。またこの加熱の際に接着剤層が溶けてプリプレグと基材とが接合(接着)される。
特開2020-19307号公報 特開2001-47507号公報
ところで、加熱処理時にバキュームバッグが熱収縮する場合がある。その収縮過程でバキュームバッグに皺が発生して、この皺が繊維強化樹脂に転写するおそれがある。例えば熱硬化中の、つまりまだ柔らかい状態の樹脂にバキュームバッグの皺形状が転写され、その結果、熱硬化後の繊維強化樹脂表面に溝(筋)が生じてしまい、外観品質を損ねるおそれがある。
そこで、本明細書では、バキュームバッグ等の被覆部材に生じた皺の、繊維強化樹脂への転写を抑制可能な、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法が開示される。
本明細書で開示される繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法は、基材の表面上に接着剤を配する工程と、接着剤上に、強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを積層する工程と、プリプレグ上に剛性板を配し、さらに接着剤、プリプレグ、及び剛性板を含む積層体を被覆部材で覆う工程と、被覆部材で覆われた内部を真空引きする工程と、基材、真空引きされた被覆部材、及び被覆部材に覆われた積層体を加熱処理する工程とを含む。
上記構成によれば、プリプレグと被覆部材との間に剛性板が挿入されるので、被覆部材に皺が生じてもプリプレグへの転写が抑制される。
また上記構成において、剛性板は、プリプレグが硬化された繊維強化樹脂と同じ熱膨張率を有していてよい。
真空引きされ積層体の各構成部品が拘束された状況下で加熱処理が実行されると、熱膨張によって各構成部品が変形する可能性がある。剛性板を、プリプレグが硬化された繊維強化樹脂と同じ熱膨張率の材料とすることで、特にプリプレグ硬化後の繊維強化樹脂と剛性板との変形態様が実質的に等しくなる。変形態様が実質的に等しいことで、変形差に起因する剛性板と繊維強化樹脂との面圧分布の偏りが抑制される。
また上記構成において、剛性板は、プリプレグが硬化された繊維強化樹脂であってよい。
上記構成によれば、剛性板としてプリプレグが硬化された繊維強化樹脂、つまり完成品が用いられる。この構成によれば、剛性板を繊維強化樹脂成形時の上型として利用できることから、当該上型形状に倣ってプリプレグ及びその硬化後の繊維強化樹脂を成形することが出来る。
また上記構成において、接着剤を配する工程の前に、上方が開口されたチャンバを備える成形型に、基材を収容する工程が含まれてよい。この場合、成形型には、真空引きする工程のときにチャンバ内を真空引きする脱気ポートが設けられる。
バキュームバッグ等の被覆部材に脱気ポートを設ける場合、加熱処理時に被覆部材が熱収縮して、その結果、脱気ポートが被覆部材から離脱するおそれがある。これに対して上記構成では、脱気ポートが成形型に設けられているため、加熱処理時の当該ポートの抜けが抑制される。
また上記構成において、被覆部材と剛性板が一体化されていてもよい。
上記構成によれば、プリプレグ上に剛性板を配する作業と、積層体を被覆部材で覆う作業を一度に行うことができ、作業時間が短縮可能となる。
本明細書で開示される、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法によれば、バキュームバッグ等の被覆部材に生じた皺の、繊維強化樹脂への転写が抑制可能となる。
本実施形態に係る方法により製造された接合部品を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造に用いられる材料や加工用品等を例示する分解斜視図である。 図2のA-A断面図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(1/8)を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(2/8)を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(3/8)を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(4/8)を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(5/8)を例示する図である。 図8の別例を示す図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(6/8)を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(7/8)を例示する図である。 本実施形態に係る接合部品の製造プロセス(8/8)を例示する図である。
以下に、実施形態に係る、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法が図面を用いて説明される。以下で説明する形状、材料、個数、及び数値は、説明のための例示であって、製造対象の接合部品の仕様に応じて適宜変更することができる。また以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号が付される。
<接合部品の材料及び加工用品>
図1には、本実施形態に係る製造方法により製造された接合部品120が例示される。接合部品120は、基材である車両部品20に繊維強化樹脂125が接合されることで構成される。
車両部品20は、例えば車両の骨格部材やその補強部材等であって、衝突荷重に耐え得る程度の一定の剛性が要求される。骨格部材として、ピラーやサイドメンバ、ロッカ等が挙げられる。また補強部材として、バンパリーンフォースが挙げられる。車両部品20は、例えば高張力鋼や軽金属等の金属材料から構成される。
車両の骨格部材や補強部材を、金属部品とCFRP等の繊維強化部材の異種接合部品からなる接合部品120とすることで、金属部品単体の場合と比較して、耐荷重性は維持されたままでの軽量化が可能となる。
例えば車両部品20がフロントバンパーリーンフォースである場合には、前面衝突(前突)時にまず荷重が入力される前側表面が、繊維強化樹脂125が接合される接合面22となる。
後述されるように、本実施形態に係る接合部品120の製造方法では、加熱処理が実行される。繊維強化樹脂125は強化繊維と樹脂との混合材料であり、熱膨張率はそれぞれの材料で異なる。例えば強化繊維として炭素繊維が用いられる場合は、その熱膨張率は-1×10―6/℃ ~ -3×10―6/℃程度である(つまり加熱時に縮む)ことが知られている。一方樹脂としてエポキシ樹脂が用いられる場合は、その熱膨張率は15×10-6/℃ ~ 45×10-6/℃程度であることが知られている。これらの熱膨張率が反映されて、繊維強化樹脂125全体の熱膨張率が求められる。例えば繊維強化樹脂125が炭素繊維強化樹脂(CFRP)である場合には、その熱膨張率は-1.5×10-6 ~ 0.5×10-6程度となる。
図2には、本実施形態に係る接合部品の製造方法に用いられる加工用品及び材料が例示される。接合部品120の材料として、基材である車両部品20、接着フィルム30、及びプリプレグ40が含まれる。
また本実施形態に係る製造方法に使用される加工用品として、成形型10、離型フィルム50、ブリーザークロス60、プレート70(剛性板)、及びバッグフィルム80(被覆部材)が含まれる。さらに本実施形態に係る製造方法に使用される製造装置として、真空ポンプ100及び成形炉であるオートクレーブ110(図12参照)が含まれる。
以下では説明の便宜上、接着フィルム30、プリプレグ40、離型フィルム50、ブリーザークロス60、及びプレート70がまとめて積層体150として適宜示される。これらの積層体150及びバッグフィルム80は、例えば展開状態において矩形形状となる。
成形型10は、例えばステンレス鋼等の金属材料から構成される金型である。成形型10は例えば箱型形状であって、上方が開口されたチャンバ11が形成される。チャンバ11には基材である車両部品20が収容される。
例えばチャンバ11は複数の隔壁で仕切られており、複数の車両部品20を収容可能となっている。例えば図2の例では、4個の車両部品20がチャンバ11内に収容される。さらにそれぞれの車両部品20の接合面22上に、接着フィルム30及びプリプレグ40が積層及び接合される。
図3には、図2のA-A断面が例示される。チャンバ11の内側面12及び内底面13には支持突起14が複数形成される。この支持突起14に車両部品20が支持される。また、支持突起14を設けることで、車両部品20と内側面12及び内底面13との間にクリアランス17(隙間)が形成される。さらに内底面13には脱気路15が設けられる。後述されるように、上記クリアランス17を備えることで、チャンバ11とバッグフィルム80の内部空間とが連通し、その結果、脱気路15を経由してバッグフィルム80の内部が真空引き可能となる。
脱気路15の下端は脱気ポート16が形成され、真空パイプ102に接続される。脱気ポート16と真空パイプ102との接続機構は既知であるため、図3等では、その詳細な構造について図示が省略される。
真空パイプ102は真空ポンプ100(図2参照)に接続される。後述されるように、真空パイプ102の一部(成形型側の部分)は、成形炉であるオートクレーブ110(図12参照)に収容される。後述されるようにオートクレーブ110内は高温高圧となることから、真空パイプ102は、例えば耐熱性かつ耐荷重性の材料から構成される。例えば真空パイプ102は、SUS材等からなるフレキシブルパイプから構成される。
図2、図3を参照して、接着フィルム30はフィルム状接着剤であって、例えば熱可塑性接着フィルム(ホットメルト接着フィルム)から構成される。接着フィルム30の寸法は、接合面22より小さく、またプリプレグ40と同等以下となるように定められる。例えば接着フィルム30とプリプレグ40の長さ及び幅は等しくなるように定められる。
なお、以下では、各加工用品や材料の寸法を説明するに当たり、「長さ」は図2のX軸方向寸法(長手方向寸法)を指す。また「幅」は図2のY軸方向寸法(短手方向寸法)を指す。
プリプレグ40は、強化繊維の束にエポキシ樹脂等の未硬化の熱硬化性樹脂が含浸されてシート状に成形された軟性の中間材料(半完成品)である。強化繊維には、炭素繊維やガラス繊維が含まれる。
プリプレグ40を熱処理させることで、熱硬化性樹脂が硬化され、図1に例示される繊維強化樹脂125(の完成品)が得られる。なお、接合部品120の製造に当たり、複数枚のプリプレグ40が積層されてもよい。例えば3層以上10層以下のプリプレグ40が接着フィルム30上に積層されてもよい。
プリプレグ40の寸法は、車両部品20の接合面22よりも小さくなるように形成される。例えばプリプレグ40の長さ及び幅は接合面22の長さの80%以上95%以下となるように、プリプレグ40が形成される。
離型フィルム50はプリプレグ40とその上層との貼着を抑制するためのフィルムであって、例えば表面にシリコンコーティングを施した樹脂フィルムやフッ素樹脂フィルム等から構成される。
離型フィルム50は、例えばチャンバ11内の全てのプリプレグ40を覆うようにその寸法が定められる。例えば図11に例示されるように、全てのプリプレグ40が離型フィルム50で覆われたときに、プリプレグ40及び接着フィルム30から外側に僅かにはみ出すとともに、チャンバ11のクリアランス17よりも内側で終端するように、離型フィルム50の寸法が定められる。
ブリーザークロス60は、真空引きの際の空気流路となる部材であって、例えば所定の厚さを有する不織布から構成される。ブリーザークロス60の寸法は、離型フィルム50よりも一回り大きい寸法であって、その周縁が、チャンバ11のクリアランス17(図11参照)に接続されるような寸法に定められる。
剛性板であるプレート70は、離型フィルム50及びブリーザークロス60を挟んでプリプレグ40上に配置される。プレート70は、加熱処理時における、バッグフィルム80の皺のプリプレグ40への転写を抑制するための犠牲層または保護層として機能する。
例えばプレート70は、厚さ1mm以上5mm以下のアルミ板等の金属板から構成される。例えばプレート70は、プリプレグ40よりも一回り大きくなるように、その寸法が定められる。例えばプレート70は、プリプレグ40よりも5mm以上15mm以下の範囲で長さ及び幅が長くなるような形状に定められる。または、図9に例示されるように、チャンバ11内に収容される全てのプリプレグ40を覆うような寸法に、プレート70が構成されてもよい。
またプレート70は、プリプレグ40が加熱処理され硬化した後の繊維強化樹脂125(図1参照)と同じ熱膨張率を有する剛性板材から構成されてもよい。後述されるように、プリプレグ40及びプレート70は真空引きにより、バッグフィルム80に(より原理的には大気圧に)押さえつけられその位置が固定される。そして加熱処理において、プリプレグ40が硬化された繊維強化樹脂125及びプレート70がバッグフィルム80内で熱膨張するとそれぞれの部材は変形する。
この変形時において、両者の熱膨張率が等しいと、変形態様もそれぞれが類似したものとなる。例えば両者の歪み量は同等のものとなる。これにより、プレート70と繊維強化樹脂125との面圧分布の偏り(例えば片当たりの発生)が抑制される。面圧分布の偏りが抑制されることで、加熱処理後常温まで冷却中の繊維強化樹脂125における肉厚の偏りを抑制可能となる。
なお、「熱膨張率が等しい」とは厳密に2者の熱膨張率が同一である場合に限らない。このような場合に加えて、2者間で熱膨張率に差異があっても、当該差異が要求品質に応じた許容範囲内に収まっていれば、熱膨張率が等しいと捉えられる。
例えばプレート70は、プリプレグ40が加熱処理されて硬化した後の、つまり完成品の繊維強化樹脂125から構成される。この点で、プレート70はプリプレグ40の上型としても機能し得る。例えばプリプレグ40を加熱して凹凸状の繊維強化樹脂125を得る場合には、当該形状に沿ったプレート70が上型としてブリーザークロス60上に配される。
このようなプレート70を、プリプレグ40から製造する場合、例えばプリプレグ40が巻回されたロールからプレート70に適する寸法のプリプレグ40が切り出される。さらに切り出されたプリプレグ40が単体でオートクレーブ110にて加熱処理される。これによりバインダーである熱硬化性樹脂が硬化して、プレート70が得られる。
図2を参照して、バッグフィルム80は接着フィルム30、プリプレグ40、離型フィルム50、ブリーザークロス60、及びプレート70からなる積層体150を覆う被覆部材である。バッグフィルム80は例えばシリコンゴムを射出成形することで得られる。
例えばバッグフィルム80は、従来から接合部品の製造に用いられているバキュームバッグと比較して肉厚であり、複数回の使用が可能となっている。後述されるように、加熱工程でバッグフィルム80が熱収縮してその一部に皺が生じる場合があるが、プリプレグ40とバッグフィルム80との間にプレート70が挿入されることで、バッグフィルム80の皺がプリプレグ40(及び繊維強化樹脂)に転写することが抑制される。
バッグフィルム80は、本体部82、側壁部84、段差部86、及びシール部88を備える立体形状を有する。本体部82は積層体上に配置される。本体部82は例えばプレート70の長さと同一の寸法となるように形成される。例えば本体部82はシール部88よりも肉薄となっており、シール部88と比較して高い伸縮性を有する。また本体部82を相対的に肉薄とすることで本体部82に光透過性が得られ、作業者がバッグフィルム80内部の積層体150を外部から視認可能となる。
例えば図3に示される積層体150及びこれを覆うバッグフィルム80は、オートクレーブ110に収容される前に真空ポンプ100により真空引きされる。このとき、作業者がバッグフィルム80の本体部82からプレート70の位置確認を行い、必要であれば真空引きを中断してプレート70の位置を修正することが出来る。
または、バッグフィルム80がプレート70と一体化されてもよい。例えば本体部82の裏面、つまり積層体150と対面する面に、剛性板であるプレート70が接合される。これによれば、プリプレグ40上にプレート70を配する作業と、積層体150をバッグフィルム80で覆う作業を一度に行うことができ、作業時間が短縮可能となる。
図2及び図3を参照して、矩形状の本体部82の四辺から側壁部84が立設される。側壁部84は例えば本体部82の面に対して垂直に(Z軸方向に)延設される。側壁部84の下端部には段差部86が設けられる。段差部86は例えばブリーザークロス60及び離型フィルム50による段差構造を覆う(吸収する)ために形成される。
さらに段差部86の外端部には、シール部88が接続される。シール部88は矩形形状のバッグフィルム80の外縁(四辺)に設けられた枠状の構造であって、例えば図11に例示されるように、チャンバ11のクリアランス17を覆わないような寸法に形成される。例えばシール部88の内縁は、チャンバ11のクリアランス17の外縁と一致するか、これを外側に超過するような寸法に形成される。
またシール部88は、真空引きに際して成形型10のシール面19とのシール代を十分に備える。例えばシール部88の下面(言い換えると、シール面19との当接面)は、バッグフィルム80の全周に亘り10mm以上の寸法となるように、シール部88が形成される。
図12を参照して、成形炉であるオートクレーブ110は、高温高圧状態で加熱処理を行う。図12には図示が省略されているが、オートクレーブ110内に圧縮空気を導入するコンプレッサがオートクレーブ110に設けられてもよい。
オートクレーブ110の構造や機能は既知であるため、ここでは簡略的な説明が示される。オートクレーブ110は、その炉内に成形型10が載置されるステージ112を備える。さらにオートクレーブ110は、炉内空気を加熱するヒータ116及び空気循環用のファン114を備える。さらに真空パイプ102は、その一端が成形型10の脱気ポート16に接続され、他端が炉外の真空ポンプ100に接続される。
<接合部品の製造プロセス>
図4-図12には、本実施形態に係る接合部品120の製造工程が例示される。なお以下では、作業者等によるいわゆるマニュアル作業としてこの製造工程が説明されるが、一部または全工程がロボット等により製造されてもよい。なお以下では、プレート70として、プリプレグ40の完成品である繊維強化樹脂125が用いられる。
図4を参照して、成形型10のチャンバ11に、基材である車両部品20が収容される。さらにチャンバ11から露出する接合面22上に、接着フィルム30が積層される。例えば接合面22の中心位置と、接着フィルム30の中心位置とが位置合わせされ、その上で接着フィルム30が接合面22上に積層される。
図5を参照して、接着フィルム30上に、プリプレグ40が積層される。これも上記と同様にして、接着フィルム30とプリプレグ40の中心位置が位置合わせされた状態で、接着フィルム30上にプリプレグ40が積層される。
図6を参照して、チャンバ11内の全てのプリプレグ40を覆うようにして、離型フィルム50が掛けられる。このとき、図11に例示されるように、離型フィルム50の外縁は、チャンバ11のクリアランス17よりも中心側に位置するように位置決めされる。例えば離型フィルム50の外縁が耐熱性シーラントテープ等で接合面22上に貼着される。
図7を参照して、離型フィルム50がブリーザークロス60で覆われる。このとき、図11を参照して、ブリーザークロス60の外縁はチャンバ11のクリアランス17の上端に接続されるように位置決めされる。
図8を参照して、ブリーザークロス60上にプレート70(ここではプリプレグ40の完成品である繊維強化樹脂125)が配置される。プレート70の中心位置は、下層のプリプレグ40の中心位置と位置合わせされる。この位置合わせに当たり、プレート70の視認が困難な場合、例えばブリーザークロス60が不透明の不織布から構成される場合であっても、ブリーザークロス60には、プリプレグ40に対応する位置に凸形状(膨らみ)が形成される。この凸形状をもとに、作業者等によりプリプレグ40の位置が確認され、それによって、プリプレグ40上に、剛性板であるプレート70が配置される。
さらに図10を参照して、接着フィルム30、プリプレグ40、離型フィルム50、ブリーザークロス60、及びプレート70から構成される積層体150が、被覆部材であるバッグフィルム80に覆われる。図11に例示されるように、バッグフィルム80は、シール部88の内縁がチャンバ11のクリアランス17の外縁と一致するか、それよりも外側に位置するように位置決めされる。
なお、バッグフィルム80のシール部88と成形型10のシール面19とのシール性を維持するために、シール部88が耐熱性シーラントテープ等でシール面19上に枠状に貼着されてもよい。
その後、真空ポンプ100が作業者等により駆動され、チャンバ11及び真空パイプ102を経由して、バッグフィルム80で覆われた内部が真空引きされる。この真空引きの際にブリーザークロス60が空気流路となることで、当該ブリーザークロス60に覆われたプリプレグ40が面的に均等に加圧される。
真空引きされた積層体150は、基材である車両部品20、真空引きされたバッグフィルム80及び成形型10とともに成形炉であるオートクレーブ110(図12参照)に収容され、加熱処理される。加熱処理により接着フィルム30が溶融して、プリプレグ40と車両部品20とが接合(接着)される。さらにプリプレグ40の熱硬化性樹脂が硬化することで、所望の強度を備える繊維強化樹脂125(図1参照)が得られる。
またこの際、バッグフィルム80の特に本体部82(図2参照)がわずかに熱収縮する。例えば肉厚の切り替わり部である、本体部82と側壁部84との境界部分が収縮する。しかしながらバッグフィルム80は、従来から接合部品の製造に用いられているバキュームバッグと比較して肉厚であり、バキュームバッグと比較して熱収縮の規模が抑えられる。したがってバッグフィルム80に生じる皺の本数や長さは、従来のバキュームバッグと比較して少ない。
また本実施形態に係る接合部品の製造方法では、仮にバッグフィルム80に皺が生じても、プリプレグ40と本体部82との間にプレート70が挟まれているため、本体部82の皺の、プリプレグ40への転写が抑制される。したがってバッグフィルム80に皺が生じた後も、繰り返しバッグフィルム80を接合部品120の製造に用いることができる。
オートクレーブ110内の加熱処理により、プリプレグ40が硬化した繊維強化樹脂125及びプレート70が熱膨張により変形する。このとき、繊維強化樹脂125とプレート70との熱膨張係数が等しいため、両者の熱変形の態様は同等のものとなる。これにより、繊維強化樹脂125とプレート70との間で面圧分布の偏りが抑制される(例えば片当たりが抑制される)。面内分布の偏りが抑制されることで、繊維強化樹脂125の肉厚分布の偏りを抑制可能となる。
なお、本実施形態では成形炉として、加圧及び加熱を行うオートクレーブ110を用いたが、加熱機能は有する一方で加圧機能を備えない成形炉を用いて、言い換えると加圧を行わず加熱のみにて、接合部品120を成形してもよい。
10 成形型、11 チャンバ、15 脱気路、16 脱気ポート、20 車両部品(基材)、22 車両部品の接合面、30 接着フィルム(接着剤)、40 プリプレグ、50 離型フィルム、60 ブリーザークロス、70 プレート(剛性板)、80 バッグフィルム(被覆部材)、82 バッグフィルムの本体部、84 バッグフィルムの側壁部、86 バッグフィルムの段差部、88 バッグフィルムのシール部、100 真空ポンプ、110 オートクレーブ、120 接合部品、125 繊維強化樹脂、150 積層体。

Claims (5)

  1. 基材の表面上に接着剤を配する工程と、
    前記接着剤上に、強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを積層する工程と、
    前記プリプレグ上に剛性板を配し、さらに前記接着剤、前記プリプレグ、及び前記剛性板を含む積層体を被覆部材で覆う工程と、
    前記被覆部材で覆われた内部を真空引きする工程と、
    前記基材、真空引きされた前記被覆部材、及び前記被覆部材に覆われた前記積層体を加熱処理する工程と、
    を含む、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法であって、
    前記剛性板は、前記プリプレグが硬化された繊維強化樹脂と同じ熱膨張率を有する、
    繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法。
  3. 請求項2に記載の、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法であって、
    前記剛性板は、前記プリプレグが硬化された繊維強化樹脂である、
    繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法であって、
    前記接着剤を配する工程の前に、上方が開口されたチャンバを備える成形型に、前記基材を収容する工程が含まれ、
    前記成形型には、前記真空引きする工程のときに前記チャンバ内を真空引きする脱気ポートが設けられる、
    繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の、繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法であって、
    前記被覆部材と前記剛性板が一体化されている、
    繊維強化樹脂を含む接合部品の製造方法。
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