JP2023042478A - 蓄熱システム - Google Patents

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慎平 兼田
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Abstract

Figure 2023042478000001
【課題】蓄熱損失を減らして有効利用される熱量を増やすことができ、熱エネルギーの不定期な需要に即座に対応することができる蓄放熱装置および蓄放熱方法を提供する。
【解決手段】被加熱ガスと水分量が被加熱ガスよりも高い熱源ガスとの間で熱交換を行って被加熱ガスを温め、蓄熱運転時に、熱交換の行われた被加熱ガスを蓄熱材に接触させ、蓄熱材に接触させたガスを系外に抜き出し、放熱運転時に、熱交換の行われた熱源ガスと熱交換の行われていない被加熱ガスを蓄熱材に接触させ、蓄熱材に接触させたガスを需要先に供給する、ことを含む、蓄放熱方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄放熱装置に関する。より詳細に、本発明は、蓄熱損失を減らして有効利用される熱量を増やすことができ、熱エネルギーの不定期な需要に即座に対応することができる、蓄放熱装置および蓄放熱方法に関する。
化学蓄熱は、未利用熱の発生源と需要側との時間・距離・温度レベル的なギャップの解消に貢献する、有望な熱マネジメント技術である。蓄熱性能は、蓄熱材に蓄えられる熱容量と、蓄放熱時の熱交換応答性に依存する。さらに、蓄熱器から外部へ漏えいする熱エネルギーなどの蓄熱損失があるので、有効利用される熱量は、総蓄熱量から蓄熱損失を差引いたものである。
化学蓄熱装置は、通常、反応材が充填された反応器101と、水などの作動流体を貯蔵する蒸発/凝縮器102とからなり、反応器101内に熱交換器が設けられていて熱媒体との間で熱交換が行われる。未利用熱の発生源からの熱エネルギーを貯蔵する蓄熱操作(図8)と、貯蔵した熱エネルギーを需要先に供給する放熱操作(図9)が繰返される。作動流体は圧力差を推進力として、反応器と蒸発/凝縮器との間を移動する。
例えば、AB(固体) ←→ A(固体) + B(気体) で表される熱化学反応の場合、蓄熱操作時の反応器および凝縮器においては、 AB(反応生成物) → A(反応材) + B(蒸気); B(蒸気) → B(液体) のような変化が生じる。放熱操作時の反応器および蒸発器において、 A(反応材) + B(蒸気) → AB(反応生成物); B(液体) → B(蒸気) のような変化が生じる。蓄熱操作時の凝縮器における相変化は、冷却水等を介して系外に熱を漏出させてしまうことがある。例えば、石膏系蓄熱材単味の蓄熱量を1としたとき、凝縮熱による損失は約0.6であり、化学蓄熱装置正味の蓄熱量は約0.4である。ゼオライト系蓄熱材単味の蓄熱量を1としたとき凝縮熱による損失は約0.9であり、化学蓄熱装置正味の蓄熱量は約0.1である。さらに、凝縮器の製造および運転のコストは、比較的に高く、経済的でない。また、放熱操作時の発熱器における相変化も、未利用熱の発生源から発熱器に十分に伝達されず、系外に熱を漏出させてしまうことがある。また、反応器101内にある熱交換器における熱伝達においても系外に熱を漏出させてしまうことがある。
このような技術背景のもと、種々の蓄熱装置が提案されている。
例えば、特許文献1は、化学蓄熱材の水和発熱反応により反応生成物を生成する放熱過程、および前記反応生成物の脱水吸熱反応によって前記化学蓄熱材と水蒸気とを生成する蓄熱過程を有するケミカルヒートポンプを備える燃焼設備において、水素原子を含む燃料を燃焼するバーナが設けられた炉と、前記バーナの燃焼により生じた前記炉の内部の排ガスを排気する排気ラインと、前記化学蓄熱材が収容された反応容器と、前記排気ラインから分岐し前記反応容器の前記化学蓄熱材を貫通するように配置され弁が介設された第1取出ラインと、前記排気ラインから分岐して前記排ガスを前記反応容器に導入可能に配置され弁が介設された第2取出ラインとを備え、前記第2取出ラインの弁を開弁し、前記第2取出ラインに流入した前記炉の排ガスに含まれる水蒸気と前記化学蓄熱材との水和反応により反応生成物と熱を生成させて前記熱を放熱し、前記第1取出ラインの弁を開弁し、前記第1取出ラインに流入した前記炉の排ガスの熱を前記化学蓄熱材の反応生成物に吸熱させて前記化学蓄熱材を生成するように蓄熱することを特徴とする燃焼設備を開示している。特許文献1は、蓄熱操作時に排気ラインの弁を開くことによって生成した水蒸気をそのまま排出できるので、凝縮器が不要となることを開示している。
特許文献2は、吸着材からなる蓄熱材を収容した収容体と、ファンと、当該ファンによって取り入れた外気に対して加熱する加熱部とを有し、前記加熱部によって加熱した後の空気を、前記ファンによって前記収容体内の蓄熱材に供給可能である蓄熱システムであって、蓄熱運転時には、前記加熱部によって加熱された空気を前記収容体に供給して前記蓄熱材で蓄熱し、放熱運転時には、取り入れた外気を前記収容体に供給して前記蓄熱材で外気中の水分を吸着し、前記水分が吸着された後の空気を、給気として熱の需要先に供給するようにしたことを特徴とする、蓄熱システムを開示している。
特開2013-108697号公報 特開2020-79706号公報
本発明の目的は、蓄熱損失を減らして有効利用される熱量を増やすことができ、熱エネルギーの不定期な需要に即座に対応することができる、蓄放熱装置および蓄放熱方法を提供することである。
上記課題を解決すべく検討した結果、以下のような態様を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 蓄熱材を収容してなる反応器、
被加熱ガスと水分量が被加熱ガスよりも高い熱源ガスとの間で熱交換を行うように構成された熱交換器、
熱交換の行われていない被加熱ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成された第1供給ライン、
熱交換の行われた被加熱ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成された第2供給ライン、
熱交換の行われた熱源ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成された第3供給ライン、
蓄熱材に接触させたガスを反応器から排出し系外に抜き出すように構成された第1排出ライン、および
蓄熱材に接触させたガスを反応器から排出し需要先に供給するように構成された第2排出ライン
を具備する、
蓄放熱装置。
〔2〕 蓄熱運転時に、第2供給ラインを開き、第1供給ラインおよび第3供給ラインを閉じるように、且つ
放熱運転時に、第2供給ラインを閉じ、第1供給ラインおよび第3供給ラインを開くように
構成された、供給ラインバルブシステムをさらに具備する、〔1〕に記載の蓄放熱装置。
〔3〕 蓄熱運転時に、第1排出ラインを開き、第2排出ラインを閉じるように、
放熱運転時に、第2排出ラインを開くように
構成された、排出ラインバルブシステムをさらに具備する、〔1〕または〔2〕に記載の蓄放熱装置。
〔4〕 熱交換の行われた被加熱ガスを需要先に供給するように構成された第3排出ラインをさらに具備する、〔1〕~〔3〕のいずれかひとつに記載の蓄放熱装置。
〔5〕 被加熱ガスと水分量が被加熱ガスよりも高い熱源ガスとの間で熱交換を行って被加熱ガスを温め、
蓄熱運転時に、熱交換の行われた被加熱ガスを蓄熱材に接触させ、蓄熱材に接触させたガスを系外に抜き出し、
放熱運転時に、熱交換の行われた熱源ガスと熱交換の行われていない被加熱ガスを蓄熱材に接触させ、蓄熱材に接触させたガスを需要先に供給する、
ことを含む、
蓄放熱方法。
〔6〕 熱交換の行われた被加熱ガスを需要先に供給する、ことをさらに含む、〔5〕に記載の方法。
〔7〕 放熱運転時に、蓄熱材に接触させたガスが需要先の要求物性を満たさない間、蓄熱材に接触させたガスを系外に抜き出す、ことをさらに含む、〔5〕または〔6〕に記載の方法。
〔8〕 放熱運転時に、蓄熱材に接触させたガスが需要先の要求物性を満たさない間、蓄熱材に接触させたガスを、蓄熱材に再び接触させる、ことをさらに含む、〔5〕または〔6〕に記載の方法。
本発明の蓄放熱装置および蓄放熱方法は、蓄熱損失を減らし、有効利用される熱量を増やすことができる。本発明の蓄放熱装置および蓄放熱方法は、蓄熱操作時の凝縮器における相変化が無いので、冷却水等を介しての系外への熱の漏出をほぼゼロにすことができる。放熱操作時の発熱器における相変化がないので、未利用熱の発生源から発熱器に伝達されずに系外に漏出する熱をなくすことができる。また、反応器内に収容した蓄熱材に被加熱ガスが直接に接触するので熱伝達率が高い。
本発明の蓄放熱装置(蓄熱運転時)の構成の一例を示す図である。 本発明の蓄放熱装置(放熱運転の開始直後)の構成の一例を示す図である。 本発明の蓄放熱装置(放熱運転時)の構成の一例を示す図である。 本発明の蓄放熱装置のタイムチャートの一例を示す図である。 本発明の蓄放熱装置(蓄熱運転時)の構成の一例を示す図である。 本発明の蓄放熱装置(放熱運転の開始直後)の構成の一例を示す図である。 本発明の蓄放熱装置(放熱運転時)の構成の一例を示す図である。 従来の化学蓄熱装置(蓄熱運転時)の構成の一例を示す図である。 従来の化学蓄熱装置(放熱運転時)の構成の一例を示す図である。
図面を参照しながら、本発明を説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明の範囲はこれら例示によって何等制限されるものではない。
図1~3および5~7において、実線矢印のラインはガスが流れていることを、点線のラインはガスが流れていないことを意味する。白抜きの弁は開いていることを、黒塗りの弁は閉じていることを意味する。
図4中、Fにおいてハイは作動、ローは停止を意味し、a~hにおいてハイは開いていることを、ローは閉じていることを意味する。
本発明の蓄放熱装置は、反応器1、熱交換器2、第1供給ライン5、第2供給ライン6、第3供給ライン7、第1排出ライン8、および第2排出ライン9を具備する。
反応器1には、蓄熱材が収容されている。該蓄熱材は、化学反応、吸着などの時の、発熱または吸熱を利用して、放熱または蓄熱を行うことができる物質を主成分(含有率5割超の成分)として含むことが好ましい。蓄熱材の主成分の具体例としては、マグネシウムの水酸化物または酸化物、ストロンチウムの水酸化物または酸化物、バリウムの水酸化物または酸化物、カルシウムの水酸化物または酸化物、硫酸カルシウム、ゼオライト(X型ゼオライト、A型ゼオライト、LXS型ゼオライト、Mg交換A型ゼオライトNa6-2xMgxAl6Si6O48 nH2Oなど)、ハスクレイ(非晶質アルミニウムケイ酸塩(HAS : Hydroxyl Aluminum Silicate)と低結晶性粘土(Clay)とからなる複合体)などを挙げることができる。
マグネシウムの水酸化物または酸化物は、水酸化マグネシウムが脱水して酸化マグネシウムに変化する際の吸熱と、酸化マグネシウムが水和して水酸化マグネシウムに変化する際の発熱とを利用する、化学蓄熱材である。マグネシウムの水酸化物または酸化物による放蓄熱作動温度は350℃前後である。
ストロンチウムの水酸化物または酸化物は、水酸化ストロンチウムが脱水して酸化ストロンチウムに変化する際の吸熱と、酸化ストロンチウムが水和して水酸化ストロンチウムに変化する際の発熱とを利用する、化学蓄熱材である。
バリウムの水酸化物または酸化物は、水酸化バリウムが脱水して酸化バリウムに変化する際の吸熱と、酸化バリウムが水和して水酸化バリウムに変化する際の発熱とを利用する、化学蓄熱材である。
カルシウムの水酸化物または酸化物は、水酸化カルシウムが脱水して酸化カルシウムに変化する際の吸熱と、酸化カルシウムが水和して水酸化カルシウムに変化する際の発熱とを利用する、化学蓄熱材である。カルシウムの水酸化物または酸化物による放蓄熱作動温度は500℃前後である。
硫酸カルシウムは、硫酸カルシウム0.5水和物が脱水して無水硫酸カルシウムに変化する際の吸熱と、無水硫酸カルシウムが水和して硫酸カルシウム0.5水和物に変化する際の発熱とを利用する、化学蓄熱材である。硫酸カルシウムによる蓄熱作動温度は90℃前後である。
ゼオライト、ハスクレイなどは、水分を吸着する際の発熱と、水分を脱着する際の吸熱とを利用する、吸着蓄熱材である。
蓄熱材は、機械的強度、熱伝導性などの観点から、熱可塑性樹脂、熱伝導性付与材、無機充填剤、補強繊維、シリカゾル、ケイ酸塩、リン酸塩、セメントなどの添加剤を副成分として含むことができる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ジエン系重合体、シリコーン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアリ-レート;ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素含有重合体;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリーエーテル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、アクリル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、イソプレン-イソブチレン共重合体、水添イソプレン-イソブチレン共重合体などのオレフィン系重合体;C4石油樹脂、C5石油樹脂、C5-C9石油樹脂、C9石油樹脂およびこれらの水素化物などの石油樹脂(炭化水素樹脂)を挙げることができる。これらのうち、オレフィン系重合体が好ましく、ポリイソブチレン、イソプレン-イソブチレン共重合体がより好ましい。
熱可塑性樹脂の量は、例えば、蓄熱材主成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上30質量部以下、より好ましくは3質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは4質量部以上15質量部以下である。
無機充填剤としては、酸化チタン、酸化ケイ素、アルミナシリケート繊維、Eガラス繊維などを挙げることができる。酸化チタンおよび酸化ケイ素は、粉末状のものであることが好ましい。
無機充填剤の量は、例えば、蓄熱材主成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上55質量部以下、より好ましくは8質量部以上50質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上45質量部以下である。
熱伝導性付与材としては、溶融シリカ、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルムニウム、窒化珪素、炭酸マグネシウム、カーボンナノチューブ、窒化ホウ素ナノチューブ、酸化ベリリウムなどを挙げることができる。
補強繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ポリオレフィン繊維、ビニロン繊維、鋼繊維などを挙げることができる。
他の添加剤として、活性白土、セピオライト、ベントナイト、パリゴルスタイト、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、黒鉛、フェライトなどを挙げることができる。これらのうち、蓄熱材が多孔質となる添加剤が好ましく用いられる。
本発明に用いられる蓄熱材は、公知の成形法によって、球、ラシヒリング、ベルルサドル、ポールリング; ハニカム、板、コルゲートなどの形状にしたものであってもよい。蓄熱材は、反応器の中に、固定床、流動床、または移動床を形成するように収容することができる。
熱交換器2は、被加熱ガスと熱源ガスとの間で熱交換を行うように構成されている。被加熱ガスと熱源ガスとの間での熱交換によって、被加熱ガスは温められる。熱交換量は、被加熱ガスの流れるラインおよび熱源ガスの流れるラインに設置された流量調節弁a,bの開度を調整することによって、適宜に、変更することができる。
熱交換する前の被加熱ガスは、少なくとも水分を含むガスが好ましく、例えば、大気などである。熱交換する前の被加熱ガスは、水分量が、例えば、好ましくは0.5~7体積%、より好ましくは1~5体積%である。熱交換する前の被加熱ガスは、温度が、例えば、好ましくは0~50℃、より好ましくは5~35℃である。
熱交換する前の熱源ガスは水分量が熱交換する前の被加熱ガスよりも高いものである。熱交換する前の熱源ガスは、水蒸気分圧が、例えば、10kPa以上であることが好ましい。熱交換する前の熱源ガスは、水分量が、例えば、好ましくは5~40体積%、より好ましくは10~20体積%である。熱交換する前の熱源ガスは、温度が、例えば、好ましくは120~200℃、より好ましくは140~180℃である。熱源ガスとしては、例えば、ボイラやガスタービンなどから排出される使用済みの燃焼ガス(燃焼排ガス)、蒸気タービンから排出される使用済みの水蒸気などを挙げることができる。燃焼排ガスは脱硝処理、脱硫処理、脱炭酸処理などの浄化処理を施したものであってもよいし、浄化処理を施してないものであってもよい。熱源ガスに含まれる微量成分が、蓄熱材に付着して蓄熱材の劣化を招く可能性があるときは、浄化処理を施した熱源ガスを利用することが好ましい。
熱交換した後の熱源ガスは、温度が、例えば、好ましくは90~150℃、より好ましくは110~130℃である。熱交換した後の熱源ガスは、水分量が、例えば、好ましくは5~40体積%、より好ましくは10~20体積%である。
第1供給ライン5は、熱交換の行われていない被加熱ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成されている。
第2供給ライン6は、熱交換の行われた被加熱ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成されている。
第3供給ライン7は、熱交換の行われた熱源ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成されている。
第1排出ライン8は、蓄熱材に接触させたガスを反応器から排出し系外に抜き出すように構成されている。
第2排出ライン9は、蓄熱材に接触させたガスを反応器から排出し需要先に供給するように構成されている。
第3排出ライン12は、熱交換の行われた被加熱ガスを需要先に供給するように構成されている。
第4排出ライン13は、熱交換の行われた熱源ガスを系外に抜き出すように構成されている。熱源ガスが浄化処理を施してないガスであるときは、第4排出ライン13の先に浄化処理装置を設けることができる。
供給ラインバルブシステムは、蓄熱運転時に、第2供給ライン6を開き、第1供給ライン5および第3供給ライン7を閉じるように、且つ放熱運転時に、第2供給ライン6を閉じ、第1供給ライン5および第3供給ライン7を開くように構成されている。
排出ラインバルブシステムは、蓄熱運転時に、第1排出ライン8を開き、第2排出ライン9を閉じるように、且つ放熱運転時に、第2排出ライン9を開くように構成されている。
供給ラインバルブシステムおよび排出ラインバルブシステムは、例えば、図4のタイムチャートに示すようなシーケンスにて弁の開閉を行うことができる。
蓄熱運転時において、第2供給ライン6を開き、第1供給ライン5および第3供給ライン7を閉じ、第1排出ライン8を開き、第2排出ライン9を閉じると、被加熱ガス4が、熱交換器2を通過し、第2供給ライン6を経て、反応器1に流入する(図1、図5)。蓄熱運転時に反応器に流入するガスは、温度が、例えば、好ましくは100~180℃、より好ましくは120~160℃である。蓄熱運転時に反応器に流入するガスは、水分量が、例えば、好ましくは0.5~3体積%、より好ましくは1~2体積%である。
蓄熱運転時に反応器に流入したガスは、蓄熱材において水の脱離(desorption)を生じさせ、その際に、反応器に流入したガスの持つ熱エネルギーを蓄熱材が吸収し、蓄える。
蓄熱運転時に反応器から流出したガスは、温度が、例えば、好ましくは70~150℃、より好ましくは90~130℃である。蓄熱運転時に反応器から流出したガスは、水分量が、蓄熱運転時に反応器に流入するガスよりも多く、例えば、好ましくは3~8体積%、より好ましくは4~6体積%である。蓄熱運転時に反応器から流出したガスは、第1排出ライン8を経て、系外に抜き出される。これにより、凝縮器を設置する必要が無くなる。
なお、蓄熱運転時に需要先が熱エネルギーを要求する場合は、第3排出ライン12を開いて、熱交換の行われた被加熱ガスの一部を、需要先に供給することができる。
一方、放熱運転時において、第2供給ライン6を閉じ、第1供給ライン5および第3供給ライン7を開くと、熱交換の行われていない被加熱ガス4が、第1供給ライン5を経て、反応器1に流入し、且つ熱交換の行われた熱源ガス3が、第3供給ライン7を経て、反応器1に流入する(図3、図7)。放熱運転時に反応器に流入するガスは、温度が、例えば、好ましくは20~80℃、より好ましくは40~60℃である。放熱運転時に反応器に流入するガスは、水分量が、蓄熱運転時に反応器に流入するガスよりも多く、例えば、好ましくは3~8体積%、より好ましくは4~6体積%である。放熱運転時に反応器に流入するガスの温度および水分量は、この例示に限定されない。第1供給ライン5を経て反応器1に流入するガスと第3供給ライン7を経て反応器1に流入するガスとの比率を適宜調整することによって、放熱運転時に反応器に流入するガスの温度および水分量を変更できる。
放熱運転時に反応器に流入したガスは、蓄熱材において水の吸収(absorption)若しくは吸着(adsorption)を生じさせ、その際に、蓄熱材が蓄えていた熱エネルギーを、反応器に流入したガスに、放出し、温める。
放熱定常運転時に反応器から流出したガスは、温度が、例えば、好ましくは70~150℃、より好ましくは90~130℃である。放熱運転時に反応器から流出したガスは、水分量が、例えば、好ましくは0~0.5体積%、より好ましくは0体積%である。
反応器において温められたガスを、第2排出ライン9を開いて、需要先に供給する。放熱運転時に反応器から流出したガスは、水分量が少ないので、熱風乾燥処理などでの使用に適する。
放熱運転の開始直後においては、蓄熱材からの熱エネルギーの放出が充分でないことがあり、反応器から流出したガスの温度が低いことがある。その場合には、蓄熱材に接触させたガスが需要先の要求物性を満たさない間、図2に示すように、第1排出ライン8を開いたままにして系外にガスを抜き出すように構成してもよいし、または図6に示すように、第1排出ライン8を閉じ、戻りライン14を開いて、ガスを反応器に戻し、蓄熱材に再び接触させるように構成してもよい。
放熱運転時において、熱交換の行われた被加熱ガスを、第3排出ライン12を開いて、需要先に供給することができる。
本発明の蓄放熱装置または蓄放熱方法は、燃焼排ガスなどの熱源ガスから熱エネルギーを汲み上げ、蓄熱材に蓄えることができる。そして、需要先の要求に応じて、蓄熱材に蓄えた熱エネルギーを放出し、供給することができる。蓄熱材に蓄えた熱エネルギーが乏しい場合でも、熱源ガスから熱エネルギーを汲み上げ、それを需要先に供給することができる。本発明の蓄放熱装置または蓄放熱方法は、蓄熱運転時における水の凝縮に起因する熱損失がほとんど無い。本発明の蓄放熱装置または蓄放熱方法は、蓄熱損失を減らして有効利用される熱量を増やすことができ、熱エネルギーの不定期な需要に即座に対応することができる。
1:反応器
2:熱交換器
3:熱源ガス
4:被加熱ガス
5:第1供給ライン
6:第2供給ライン
7:第3供給ライン
8:第1排出ライン
9:第2排出ライン
10:需要先
11:系外
12:第3排出ライン
13:第4排出ライン
14:戻りライン

101:反応器
102:蒸発/凝縮器

ΔT:大気温度と反応器出口ガスの温度との差
Q:蓄熱量
a,b,c,f:流量調節弁
d,e,g,h,i:開閉弁
F:被加熱ガス送風機
Stt:起動
Stp:停止
res:蓄熱運転
rad:放熱運転

Claims (8)

  1. 蓄熱材を収容してなる反応器、
    被加熱ガスと水分量が被加熱ガスよりも高い熱源ガスとの間で熱交換を行うように構成された熱交換器、
    熱交換の行われていない被加熱ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成された第1供給ライン、
    熱交換の行われた被加熱ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成された第2供給ライン、
    熱交換の行われた熱源ガスを反応器に供給し蓄熱材に接触させるように構成された第3供給ライン、
    蓄熱材に接触させたガスを反応器から排出し系外に抜き出すように構成された第1排出ライン、および
    蓄熱材に接触させたガスを反応器から排出し需要先に供給するように構成された第2排出ライン
    を具備する、
    蓄放熱装置。
  2. 蓄熱運転時に、第2供給ラインを開き、第1供給ラインおよび第3供給ラインを閉じるように、且つ
    放熱運転時に、第2供給ラインを閉じ、第1供給ラインおよび第3供給ラインを開くように
    構成された、供給ラインバルブシステムをさらに具備する、請求項1に記載の蓄放熱装置。
  3. 蓄熱運転時に、第1排出ラインを開き、第2排出ラインを閉じるように、
    放熱運転時に、第2排出ラインを開くように
    構成された、排出ラインバルブシステムをさらに具備する、請求項1または2に記載の蓄放熱装置。
  4. 熱交換の行われた被加熱ガスを需要先に供給するように構成された第3排出ラインをさらに具備する、請求項1~3のいずれかひとつに記載の蓄放熱装置。
  5. 被加熱ガスと水分量が被加熱ガスよりも高い熱源ガスとの間で熱交換を行って被加熱ガスを温め、
    蓄熱運転時に、熱交換の行われた被加熱ガスを蓄熱材に接触させ、蓄熱材に接触させたガスを系外に抜き出し、
    放熱運転時に、熱交換の行われた熱源ガスと熱交換の行われていない被加熱ガスを蓄熱材に接触させ、蓄熱材に接触させたガスを需要先に供給する、
    ことを含む、
    蓄放熱方法。
  6. 熱交換の行われた被加熱ガスを需要先に供給する、ことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 放熱運転時に、蓄熱材に接触させたガスが需要先の要求物性を満たさない間、蓄熱材に接触させたガスを系外に抜き出す、ことをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
  8. 放熱運転時に、蓄熱材に接触させたガスが需要先の要求物性を満たさない間、蓄熱材に接触させたガスを、蓄熱材に再び接触させる、ことをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
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