以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
<1.実施の形態>
[伝送システムの構成]
図1は、伝送システム30の構成例を示している。この伝送システム30は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム30は、HDM送信機であるソース機器310と、HDMI受信機であるシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330を有している。
伝送システム30の伝送チャネルには、デジタル信号としてビデオ、オーディオ、コントロールの各信号をTMDSデータで伝送する3つのTMDSチャネルと、クロック信号を伝送する1つのTMDSクロックチャネルがある。TMDSチャネルおよびTMDSクロックチャネルは、それぞれ、2本の差動信号ラインからなる。図示の例においては、1チャネル分のみを示している。
また、HDMIシステムの制御信号レーンとして、DDCライン、CECライン、HPDライン、ユーティリティ(Utility)ライン、+5V電源ラインがある。DDCラインは、HDMIケーブル330に含まれるSDAラインおよびSCLラインの2本の信号線からなる。DDCラインは、例えば、ソース機器310がシンク機器320からEDIDを読み出すために使用される。CECラインは、ソース機器310とシンク機器320との間で制御用のデータの双方向通信を行うために用いられる。
TMDSチャネルにおいては、シンク機器320側に繋がった50Ω終端抵抗からソース機器310側に電流を引く(Draw)ことでデータの“0”、“1”を伝送する電流駆動型が用いられる。このとき、D,D(バー)の差動信号に基づいて信号が差動で伝送される。なお、図示の例では、ソース機器310側の50Ω終端抵抗を使った例を示しているが、TMDSではこの50Ωを使わずに、シンク機器側の50Ω終端抵抗のみで駆動することもできる。
HDMI規格では、HDMIケーブル330を接続した際のシーケンスが規定されており、HDMIケーブル330のプラグ両端がそれぞれソース機器310とシンク機器320に接続されると、ソース機器310からシンク機器320に+5V電源ラインを介して5V電圧が伝わり、シンク機器320内で5Vを検知するとHPDラインを介してシンク機器320からソース機器310へ5Vを伝送することで正しくケーブルが繋がったことをソース機器310へ知らせる。
ソース機器310の制御部311は、HPDラインの5Vを検知すると、ケーブルが繋がったと判断し、シンク機器320側のEDID ROM321にDDCラインを使ってEDIDを読みにいく。その後、DDCラインなどの制御ラインを用いてHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection System)などの信号のやり取りをソース機器310とシンク機器320で開始し、ソース機器310からシンク機器320へ一方向に、TMDSチャネルを用いたTMDSデータの送信が開始される。なお、シンク機器320側の制御部322に用意されたレジスタを用いることで、ソース機器310とシンク機器320は情報交換が可能である。
ケーブル330にレジスタを用意し、ソース機器310とケーブル330との間で情報のやり取りを行おうとした場合、図2の伝送システム30Aに示すように、ケーブル330A内でDDCラインにパラレルにレジスタ331を配置することが考えられる。この場合、レジスタ331が持つ情報として、ケーブルID、回路特性調整用パラメータ、ケーブルが消費する電流量、伝送可能データレートなどが考えられる。なお、図2において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この構成の場合、ソース機器310は、ケーブル330Aのレジスタ331の新アドレスにアクセスすると同時にシンク機器320へもアクセスしてしまう。意図しないアドレスへのアクセスがあった場合、シンク機器320は誤動作を起こす可能性がある。
これを回避するためには、図3に示す伝送システム30Bに示すように、最も単純な方法として、ケーブル330B内でDDCラインのレジスタ331が接続される地点よりシンク機器320側にスイッチSW5を挿入し、ソース機器310からレジスタ331にリード/ライトのアクセスをする際に、アドレス情報がシンク機器320へ伝わらないようにする方法が考えられる。なお、図3において、図2と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この場合、ケーブル330Bは、ソース機器310からいつアクセスがあっても良いように、スイッチSW5の初期状態を開放状態としておく必要がある。ケーブル330Bはレジスタ331へのアクセス終了を検知したらスイッチSW5を短絡状態として通常動作へ移行できる。しかし、ソース機器310がレガシー機器であった場合、このソース機器310はレジスタ311にアクセスをしないため、ケーブル330BのスイッチSW5は開放状態のままとなり、通常のDDC通信を妨害する。
図4は、AOCであるHDMIケーブル330Cを用いた場合の伝送システム30Cの構成例を示している。この図4において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この伝送システム30Cの場合、HDMIケーブル330Cのソース側プラグ内には電気から光に変換する変換回路331Aが存在し、また、そのシンク側プラグ内には光から電気に変換する変換回路331Bが存在する。これらの変換回路331A,331Bに、+5V電源ラインの+5VからLDO(Low Drop Out)レギュレータ332A,332Bで得られた3.3Vの電源が与えられる。なお、変換回路331A,331Bは、データライン(TMDSライン)に介在される信号品質を調整するための素子であって電流消費部を構成する。
また、HDMIケーブル330Cのソース側プラグ内では、LDOレギュレータ332Aで得られた3.3Vが50Ωの終端抵抗を通じてデータライン(TMDSライン)にバイアス電圧として印加される。さらに、HDMIケーブル330Cのシンク側プラグ内には、変換回路331Bから得られる差動信号に基づいて信号を差動で伝送するための電流駆動部333Bが設けられている。
図5は、ACCであるHDMIケーブル330Dを用いた場合の伝送システム30Dの構成例を示している。この図5において、図4と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この伝送システム30Dの場合、HDMIケーブル330Dの両側のプラグ内には電気の50Ω配線を駆動するための駆動回路334A,334Bが存在する。これらの駆動回路334A,334Bに、+5V電源ラインの+5VからLDOレギュレータ335A,335Bで得られた3.3Vの電源が与えられる。なお、これらの駆動回路334A,334Bは、データライン(TMDSライン)に介在される信号品質を調整するための素子であって電流消費部を構成する。
また、HDMIケーブル330Dのソース側プラグ内では、LDO335Aで得られた3.3Vが50Ωの終端抵抗を通じてデータライン(TMDSライン)にバイアス電圧として印加される。さらに、HDMIケーブル330Dのシンク側プラグ内には、変換回路334Bから得られる差動信号に基づいて信号を差動で伝送するための電流駆動部336Bが設けられている。
ソース機器310における+5V電源ラインから出力する電流の保証値は最小55mAである。AOCであるHDMIケーブル330Cを用いる場合(図4参照)は、電気から光に変換するための回路および光から電気へ変換するための回路がケーブルのプラグ両端に必要になり、通常55mAで動作させることは難しい。このとき55mAしか保証しないソース機器からケーブルが55mA以上の電流を引こうとした場合、ソース機器が過電流に耐えられず故障する可能性がある。ACCであるHDMIケーブル330Dを用いる場合(図5参照)も、同様のことが言える。
この実施の形態において、伝送システムを構成するソース機器およびHDMIケーブルは、図6に示すように、それぞれ、対応品であるか否か、さらには相手が対応品であるか否かによって異なる動作をする。
図6(a)に示すように、対応ソース機器(対応品であるソース機器)は、対応ケーブル(対応品であるHDMIケーブル)が接続される場合は対応モードで動作し、非対応ケーブルが接続される場合は非対応モードで動作し、非対応ソース機器は、対応ケーブルおよび非対応ケーブルのいずれが接続される場合も通常動作をする。また、図6(b)に示すように、対応ケーブルは、対応ソース機器が接続される場合は対応モードで動作をし、非対応ソース機器が接続される場合は非対応モードで動作し、非対応ケーブルは、対応ソース機器および非対応ソース機器のいずれが接続される場合も通常動作をする。
「実施形態1」
図7は、伝送システム10-1の構成例を示している。この伝送システム10-1は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-1は、送信装置としてのソース機器110-1と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-1を有している。この図7において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-1は、ケーブル仕様データが格納されたレジスタ131を有する対応ケーブルである。このHDMIケーブル130-1は、レジスタ131の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW3,SW4,SW5、SW6および分圧用の抵抗R2を有している。
レジスタ131は、DDCラインの地点P1に接続されている。このDDCラインの地点P1よりシンク機器320側に、スイッチSW5が挿入されている。また、Utilityラインの地点P2と接地との間には、抵抗R2およびスイッチSW3の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点P2には、接地電圧である0Vが、抵抗R2およびスイッチSW3の直列回路を介して印加される。このUtilityラインの地点P2よりシンク機器320側に、スイッチSW4が挿入されている。また、+5V電源ラインには、スイッチSW6が挿入されている。
電圧モニタ部133は、Utilityラインの地点P2の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。電圧モニタ部134は、+5Vの電源ラインのスイッチSW6の挿入位置より端子側の地点P3の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、HDMIケーブル130-1の各部の動作を制御する。
ソース機器110-1は、対応ソース機器である。このソース機器110-1は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW1,SW2および分圧用の抵抗R1を有している。上述したHDMIケーブル130-1の抵抗R2とこのソース機器110-1の抵抗R1は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=100kΩ、R2=400kΩとして説明する。
+5V電源ラインとUtilityラインの地点Q1との間には、抵抗R1およびスイッチSW1の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点Q1には、+5Vが、抵抗R1およびスイッチSW1の直列回路を介して印加される。Utilityラインの地点Q1の端子側とは反対側にスイッチSW2が挿入されている。電圧モニタ部112は、Utilityラインの地点Q1の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。
図7に示す伝送システム10-1において、HDMIケーブル130-1は対応ケーブルであり、ソース機器110-1は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-1は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-1は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-1およびHDMIケーブル130-1の動作の詳細を説明する。図7において、ソース機器110-1およびHDMIケーブル130-1は、初期状態を示している。ソース機器110-1において、初期状態では、スイッチSW1は短絡状態とされており、スイッチSW2は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-1において、初期状態では、スイッチSW3は短絡状態とされており、スイッチSW4,SW5,SW6は開放状態とされている。
この初期状態では、スイッチSW1,SW3が短絡状態とされているので、ソース機器110-1の+5V電源ラインとHDMIケーブル130-1の接地(0V)との間に、抵抗R1,R2が直列に接続され、Utilityラインの地点Q1,P2には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-1の電圧モニタ部112は地点Q1の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-1の電圧モニタ部133は地点P2の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作するように制御する。
ここで、ソース機器110-1において、スイッチSW2が開放状態とされているので、4Vの電圧はソース機器110-1内部に伝搬されず、ソース機器110-1内部に影響を及ぼすことがない。同様に、HDMIケーブル130-1において、スイッチSW4は開放状態とされているので、4Vの電圧はシンク機器320に伝搬されず、シンク機器320に影響を及ぼすことがない。
ソース機器110-1は対応モードで動作するように制御されるので、制御部111は、DDCラインを介して、HDMIケーブル130-1のレジスタ131にアクセス(リード/ライト)する。この場合、スイッチSW5が開放状態にあるので、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報が送信されることを防止でき、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことが回避される。
ソース機器110-1において、HDMIケーブル130-1のレジスタ131へのアクセスが終了すると、図8に示すように、制御部111は、スイッチSW1を開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P2の電圧は0Vとなる。HDMIケーブル130-1において、電圧モニタ部133は地点P2の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。このように地点P2の電圧が0Vであることをモニタすることで、ソース機器からレジスタ131にアクセスされたことが確認される。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、ソース機器110-1によるレジスタ131へのアクセスが終了したと判断し、図9に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3を開放状態とし、次にスイッチSW4,SW5を短絡状態とし、最後にスイッチSW6を短絡状態とする。
スイッチSW6が短絡状態とされることで、ソース機器110-1からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-1にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-1の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図10に示すように、スイッチSW2を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
このように図7に示す伝送システム10-1においては、ソース機器110-1からHDMIケーブル130-1のレジスタ131へのアクセスが終了するまでは、スイッチSW5が開放状態に置かれる。そのため、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報がDDCラインを通じて送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことを回避できる。
また、図7に示す伝送システム10-1においては、ソース機器110-1からHDMIケーブル130-1のレジスタ131へのアクセスが終了した後にスイッチSW5が短絡状態に変更され、その後にスイッチSW6が短絡状態に変更される。そのため、シンク機器320からソース機器110-1に接続検知信号を送られた後にソース機器110-1からDDCラインを通じてシンク機器320に送られる通信信号が妨げられることを回避できる。
図11は、伝送システム10-1Aの構成例を示している。この伝送システム10-1Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-1Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-1を有している。この図11において、図1、図7と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-1Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-1は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図6参照)。
また、HDMIケーブル130-1は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点P2の電圧は0Vとなる。HDMIケーブル130-1の電圧モニタ部133は地点P2の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果と+5V電源ラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3を開放状態とし、次にスイッチSW4,SW5を短絡状態とし、最後にスイッチSW6を短絡状態とする。
図12は、伝送システム10-1Bの構成例を示している。この伝送システム10-1Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-1Bは、送信装置としてのソース機器110-1と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330を有している。この図12において、図1、図7と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-1Bにおいては、ソース機器110-1は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330はレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330は、通常動作をする(図6参照)。
ソース機器110-1は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点Q1の電圧は5Vとなる。ソース機器110-1の電圧モニタ部112は地点Q1の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部111は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、ソース機器110-1内部へ影響を与えないように、まずスイッチSW1を開放状態とし、次にスイッチSW2を短絡状態とする。
図13は、対応ソース機器であるソース機器110-1のシーケンスの一例を示している。ステップST1において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST2に進む。このステップST2において、制御部111により、電圧モニタ部112で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST3において、制御部111により、HDMIケーブルは対応ケーブルであると判断される。そして、ステップST4において、制御部111により、HDMIケーブルのレジスタへのアクセスが開始される。
次に、ステップST5において、HDMIケーブルのレジスタへのアクセスが終了した後に、制御部111により、スイッチSW1が短絡状態から開放状態に変更される。その後、ステップST6において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST7において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST8において、シーケンスが終了される。
また、ステップST2で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST9において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST2に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたとき、ステップST10において、制御部111により、HDMIケーブルは非対応ケーブルであると判断される。
そして、ステップST11において、スイッチSW1が短絡状態から開放状態に変更される。次に、ステップST7において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST8において、シーケンスが終了される。
図14は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-1のシーケンスの一例を示している。ステップST21において、電圧モニタ部134で5Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST22に進む。このステップST22において、制御部132により、電圧モニタ部133で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST23において、制御部132により、ソース機器は対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST24において、電圧モニタ部133で0Vが検知されると、ステップST25において、制御部132により、スイッチSW3が短絡状態から開放状態に変更される。この場合、電圧モニタ部133で0Vが検知されることで、ソース機器からレジスタ131がアクセスされたことが確認される。
次に、ステップST26において、制御部132により、スイッチSW4、SW5が開放状態から短絡状態に変更され、次に、ステップST27において、制御部132により、スイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST28において、シーケンスが終了される。
また、ステップST22で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST29において、制御部132により、ソース機器は非対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST25において、制御部132により、スイッチSW3が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST26において、制御部132により、スイッチSW4、SW5が開放状態から短絡状態に変更され、次に、ステップST27において、制御部132により、スイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST28において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-1のスイッチSW1,SW2およびHDMIケーブル130-1のスイッチSW3,SW4,SW5,SW6は、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
ここで、図7に示す伝送システム10-1において、HDMIケーブル130-1とソース機器110-1との接続が外れた場合を考える。HDMIケーブル130-1においては、+5V電源ラインの電圧が電圧モニタ部134で常にモニタされている。接続が外れた場合には、+5V電源ラインの電圧が5Vから低下するので、制御部132は、接続が外れたと判断し、各スイッチの状態を初期状態とする。
また、図7に示す伝送システム10-1において、ソース機器110-1のスイッチSW2とHDMIケーブル130-1のスイッチSW4について考える。ソース機器110-1とシンク機器320へのバイアス電圧伝搬が問題なければ、またはソース機器110-1とシンク機器320のUtilityラインの出力/入力回路がバイアス電圧へ影響を与えないのであれば、これらのスイッチSW2,SW4はなくても動作可能である。
また、図7に示す伝送システム10-1において、HDMIケーブル130-1の各部を動作させるための電源について考える。電圧モニタ部133,134レジスタ131、スイッチSW3,SW4,SW5,SW6および制御部132を動作させるための電源を、+5V電源ラインを介してソース機器110-1から与えるか、あるいはHDMIケーブル130-1内に持つ図示しないバッテリーから与えるか、ケーブルプラグ内にもつHDMI端子とは別の外部電源端子から与えることが考えられる。なお、このHDMIケーブルの各部を動作させるための電源についての考えは、以下の各ケーブルにおいても同様に適用し得るものである。
「実施形態2」
図15は、伝送システム10-2の構成例を示している。この伝送システム10-2は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-2は、送信装置としてのソース機器110-2と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-2を有している。
上述の図7に示す伝送システム10-1では、Utilityラインを用いてソース機器とHDMIケーブルが対応品か否かを判断するものであったが、この伝送システム10-2では、+5V電源ラインを用いて判断するものである。この図15において、図1、図7と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-2は、ケーブル仕様データが格納されたレジスタ131を有する対応ケーブルである。このHDMIケーブル130-2は、レジスタ131の他に、制御部132、電圧モニタ部133、スイッチSW13,SW14,SW15および分圧用の抵抗R2を有している。レジスタ131は、DDCラインの地点P11に接続されている。このDDCラインの地点P11よりシンク機器320側に、スイッチSW14が挿入されている。
また、+5V電源ラインの地点P12と接地との間には、抵抗R2およびスイッチSW13の直列回路が接続されている。これにより、+5V電源ラインの地点P12には、接地電圧である0Vが、抵抗R2およびスイッチSW13の直列回路を介して印加される。この+5V電源ラインの地点P12よりシンク機器320側に、スイッチSW15が挿入されている。電圧モニタ部133は、+5V電源ラインの地点P12の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、HDMIケーブル130-2の各部の動作を制御する。
ソース機器110-2は、対応ソース機器である。このソース機器110-2は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW11,SW12および分圧用の抵抗R1を有している。上述したHDMIケーブル130-2の抵抗R2とこのソース機器110-2の抵抗R1は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=100kΩ、R2=400kΩとして説明する。
+5V電源ラインの地点Q11には、5Vの電圧が抵抗R1およびスイッチSW11の直列回路を介して印加される。+5V電源ラインの地点Q11の端子側とは反対側にスイッチSW12が挿入されている。電圧モニタ部112は、+5V電源ラインの地点Q11の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。
図15に示す伝送システム10-2において、HDMIケーブル130-2は対応ケーブルであり、ソース機器110-2は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-2は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-2は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-2およびHDMIケーブル130-2の動作の詳細を説明する。図15において、ソース機器110-2およびHDMIケーブル130-2は、初期状態を示している。ソース機器110-2において、初期状態では、スイッチSW11は短絡状態とされており、スイッチSW12は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-2において、初期状態では、スイッチSW13は短絡状態とされており、スイッチSW14,SW15は開放状態とされている。
この初期状態では、スイッチSW11,SW13が短絡状態とされているので、抵抗R1,R2が直列に接続され、スイッチSW12とスイッチSW15の間に挟まれた+5V電源ラインの地点Q11,P12には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-2の電圧モニタ部112は地点Q11の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-2の電圧モニタ部133は地点P12の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作するように制御する。
ソース機器110-2は対応モードで動作するように制御されるので、制御部111は、DDCラインを介して、HDMIケーブル130-2のレジスタ131にアクセス(リード/ライト)する。この場合、スイッチSW14が開放状態にあるので、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報が送信されることを防止でき、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことが回避される。
ソース機器110-2において、HDMIケーブル130-2のレジスタ131へのアクセスが終了すると、図16に示すように、制御部111は、スイッチSW12を短絡状態とし、さらにスイッチSW11を開放状態とする。そのため、+5V電源ラインの地点P12の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-2において、電圧モニタ部133は地点P12の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。このように地点P12の電圧が5Vであることをモニタすることで、ソース機器からレジスタ131にアクセスされたことが確認される。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、ソース機器110-2によるレジスタ131へのアクセスが終了したと判断し、図17に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、まずスイッチSW13を開放状態、スイッチSW14を短絡状態とした後に、スイッチSW15を短絡状態とする。
スイッチSW15が短絡状態とされることで、ソース機器110-2からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-2にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-2の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、通常動作へと移行する。
このように図15に示す伝送システム10-2においては、ソース機器110-2からHDMIケーブル130-2のレジスタ131へのアクセスが終了するまでは、スイッチSW14が開放状態に置かれる。そのため、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報がDDCラインを通じて送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことを回避できる。
また、図15に示す伝送システム10-2においては、ソース機器110-2からHDMIケーブル130-2のレジスタ131へのアクセスが終了した後にスイッチSW14が短絡状態に変更され、その後にスイッチSW15が短絡状態に変更される。そのため、シンク機器320からソース機器110-2に接続検知信号を送られた後にソース機器110-2からDDCラインを通じてシンク機器320に送られる通信信号が妨げられることを回避できる。
図18は、伝送システム10-2Aの構成例を示している。この伝送システム10-2Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-2Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-2を有している。この図18において、図1、図15と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-2Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-2は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図6参照)。
また、HDMIケーブル130-2は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、+5V電源ラインの地点P12の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-2の電圧モニタ部133は地点P12の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいてソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、まずスイッチSW13を開放状態、スイッチSW14を短絡状態とし、その後にスイッチSW15を短絡状態として、通常動作へと移行する。
図19は、伝送システム10-2Bの構成例を示している。この伝送システム10-2Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-2Bは、送信装置としてのソース機器110-2と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330を有している。この図19において、図1、図15と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-2Bにおいては、ソース機器110-2は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330はレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330は、通常動作をする(図6参照)。
ソース機器110-2は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、+5V電源ラインの地点Q11の電圧は5Vとなる。ソース機器110-2の電圧モニタ部112は地点Q11の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。この場合、制御部111は、スイッチSW12を短絡状態とし、さらにスイッチSW11を開放状態として、通常動作へと移行する。
ここで、シンク機器320は、5Vを検知した段階で50mAを引き始める可能性がある。図19の初期状態で100kΩの抵抗R1を介して50mAが引かれると、スイッチSW12からシンク機器320側の+5V電源ラインの電圧は5Vから著しく低下し、定められたスペック範囲から大きく外れることが予想される。
これを回避する方法として、図20に示すように、例えば抵抗R1とスイッチSW11の間に電流計113を配置し、図15のソース機器とHDMIケーブルの双方が対応品である場合に流れる電流量I(= 5V/(R1+R2)=5V/500KΩ=10μA)から増加する方向に電流を検知したら、スイッチSW11、SW12を速やかに切り替え、ソース機器110-2の+5V電源ラインの大元から50mAをシンク機器320へ渡すようにすればよい。
図21は、対応ソース機器であるソース機器110-2のシーケンスの一例を示している。ステップST31において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST32に進む。このステップST32において、制御部111により、電圧モニタ部112で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST33において、制御部111により、HDMIケーブルは対応ケーブルであると判断される。そして、ステップST34において、制御部111により、HDMIケーブルのレジスタへのアクセスが開始される。
次に、ステップST35において、HDMIケーブルのレジスタへのアクセスが終了した後に、制御部111により、スイッチSW12が開放状態から短絡状態に変更されると共に、スイッチSW11が短絡状態から解放状態に変更される。そして、ステップST36において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST37において、シーケンスが終了される。
また、ステップST32で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST38において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST32に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたときステップST39において、制御部111により、HDMIケーブルは非対応ケーブルであると判断される。
そして、ステップST40において、制御部111により、スイッチSW12が開放状態から短絡状態に変更されると共に、スイッチSW11が短絡状態から解放状態に変更される。そして、ステップST37において、シーケンスが終了される。
図22は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-2のシーケンスの一例を示している。ステップST51において、電圧モニタ部133で+5V電源ラインに5Vまたは4Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST52に進む。このステップST52において、制御部132により、電圧モニタ部133で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST53において、制御部132により、ソース機器は対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST54において、電圧モニタ部133で5Vが検知されると、ステップST55において、制御部132により、スイッチSW13が短絡状態から開放状態に変更されると共に、スイッチSW14が開放状態から短絡状態に変更される。この場合、電圧モニタ部133で5Vが検知されることで、ソース機器からレジスタ131にアクセスされたことが確認される。そして、ステップST56において、制御部132により、スイッチSW15が開放状態から短絡状態に変更され、ステップST57において、シーケンスが終了される。
また、ステップST52で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST58において、制御部132により、ソース機器は非対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST55において、制御部132により、スイッチSW13が短絡状態から開放状態に変更されると共に、スイッチSW14が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST56において、制御部132により、スイッチSW15が開放状態から短絡状態に変更され、ステップST57において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-2のスイッチSW11,SW12およびHDMIケーブル130-2のスイッチSW13,SW14,SW15は、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
「実施形態3」
図23は、伝送システム10-3の構成例を示している。この伝送システム10-3は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-3は、送信装置としてのソース機器110-3と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するAOCであるHDMIケーブル130-3を有している。この図23において、図4と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-3は、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW23,SW24,SW26および分圧用の抵抗R2を有している。
Utilityラインの地点P22と接地との間には、抵抗R2およびスイッチSW23の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点P22には、接地電圧である0Vが、抵抗R2およびスイッチSW23の直列回路を介して印加される。このUtilityラインの地点P22よりシンク機器320側に、スイッチSW24が挿入されている。また、+5V電源ラインには、スイッチSW26が挿入されている。
電圧モニタ部133は、Utilityラインの地点P22の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。電圧モニタ部134は、+5Vの電源ラインのスイッチSW26の挿入位置より端子側の地点P23の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。LDOレギュレータ332A、332Bには、+5Vの電源ラインのスイッチSW26の挿入位置よりシンク機器320側の地点から電源が供給される。制御部132は、HDMIケーブル130-3の各部の動作を制御する。
ソース機器110-3は、対応ソース機器である。このソース機器110-3は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW21,SW22および分圧用の抵抗R1を有している。上述したHDMIケーブル130-3の抵抗R2とこのソース機器110-3の抵抗R1は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=100kΩ、R2=400kΩとして説明する。
+5V電源ラインとUtilityラインの地点Q21との間には、抵抗R1およびスイッチSW21の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点Q21には、+5Vが抵抗R1およびスイッチSW21の直列回路を介して印加される。Utilityラインの地点Q21の端子側とは反対側にスイッチSW22が挿入されている。電圧モニタ部112は、Utilityラインの地点Q21の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。
図23に示す伝送システム10-3において、HDMIケーブル130-3は対応ケーブルであり、ソース機器110-3は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-3は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-3は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-3およびHDMIケーブル130-3の動作の詳細を説明する。図23において、ソース機器110-3およびHDMIケーブル130-3は、初期状態を示している。ソース機器110-3において、初期状態では、スイッチSW21は短絡状態とされており、スイッチSW22は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-3において、初期状態では、スイッチSW23は短絡状態とされており、スイッチSW24,SW26は開放状態とされている。
この初期状態では、SW21,SW23が短絡状態とされているので、ソース機器110-3の+5V電源ラインとHDMIケーブル130-3の接地(0V)との間に、抵抗R1,R2が直列に接続され、Utilityラインの地点Q21,P22には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-3の電圧モニタ部112は地点Q21の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-3の電圧モニタ部133は地点P22の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作するように制御する。
ここで、ソース機器110-3において、スイッチSW22が開放状態とされているので、4Vの電圧はソース機器110-3内部に伝搬されず、ソース機器110-3内部に影響を及ぼすことがない。同様に、HDMIケーブル130-3において、スイッチSW24は開放状態とされているので、4Vの電圧はシンク機器320に伝搬されず、シンク機器320に影響を及ぼすことがない。
ソース機器110-3は対応モードで動作するように制御されるので、制御部111は、図24に示すように、スイッチSW21を開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P22の電圧は0Vとなる。HDMIケーブル130-3において、電圧モニタ部133は地点P22の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。このように地点P22の電圧が0Vであることをモニタすることで、ソース機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことが確認される。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、図25に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW23を開放状態とし、次にスイッチSW24を短絡状態とし、最後にスイッチSW26を短絡状態とする。その後、制御部132は、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとしてアクティブ回路である変換回路331A,331Bに3.3Vの電源を与え、これらの変換回路331A,331Bを動作状態(Enable)とする。
スイッチSW26が短絡状態とされることで、ソース機器110-3からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-3にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-3の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図26に示すように、スイッチSW22を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
なお、対応ソース機器110-3は常に+5V電源ラインによる供給可能電流が55mA以上であって対応ケーブルであるHDMIケーブル130-3のアクティブ回路に電流を供給可能に構成されていてもよいが、ソース機器110-3の制御部111は、接続されたHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断したとき、+5V電源ラインによる供給可能電流を55mA以上とするモードに変更するようにされてもよい。電流供給量のモードを切り替えることで、ソース機器110-3は電源回路部の電力削減を図ることができる。この場合、制御部111は、HDMIケーブルが対応ケーブルであると判断した後、スイッチSW21を開放状態とする前に、供給可能電流を55mA以上とするモードに変更する。
このように図23に示す伝送システム10-3においては、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-3は、接続されたソース機器が、自身のアクティブ回路に十分に電流を供給し得る対応ソース機器であると判断した場合に、自身のアクティブ回路を動作状態とする。そのため、HDMIケーブル130-3のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図27は、伝送システム10-3Aの構成例を示している。この伝送システム10-3Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-3Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-3を有している。この図27において、図4、図23と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-3Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-3は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図6参照)。
また、HDMIケーブル130-3は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点P22の電圧は0Vとなる。HDMIケーブル130-3の電圧モニタ部133は地点P22の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいてソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW23を開放状態とし、次にスイッチSW24を短絡状態とし、最後にスイッチSW26を短絡状態とする。また、この場合、制御部132は、LDOレギュレータ332A,332Bをオフのままとし、アクティブ回路である変換回路331A,331Bを非動作状態(Disable)のままとする。これにより、HDMIケーブル130-3はソース機器310から55mA以上の電流を引くということがなく、ソース機器310が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図28は、伝送システム10-3Bの構成例を示している。この伝送システム10-3Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-3Bは、送信装置としてのソース機器110-3と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330Cを有している。この図28において、図4、図23と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-3Bにおいては、ソース機器110-3は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330Cはレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330Cは、通常動作をする(図6参照)。
ソース機器110-3は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点Q21の電圧は5Vとなる。ソース機器110-3の電圧モニタ部112は地点Q21の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部111は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、ソース機器110-3内部へ影響を与えないように、まずスイッチSW21を開放状態とし、次にスイッチSW22を短絡状態とする。
図29は、対応ソース機器であるソース機器110-3のシーケンスの一例を示している。ステップST61において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST62に進む。このステップST62において、制御部111により、電圧モニタ部112で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST63において、制御部111により、HDMIケーブルは対応ケーブルであると判断される。そして、ステップST64において、制御部111によりスイッチSW21が短絡状態から開放状態に変更される。その後、ステップST65において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST66において、制御部111により、スイッチSW22が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST67において、シーケンスが終了される。
また、ステップST62で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST68において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST62に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたとき、ステップST69において、制御部111により、HDMIケーブルは非対応ケーブルであると判断される。
そして、ステップST70において、スイッチSW21が短絡状態から開放状態に変更される。次に、ステップST66において、制御部111により、スイッチSW22が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST67において、シーケンスが終了される。
図30は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-3のシーケンスの一例を示している。ステップST81において、電圧モニタ部134で5Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST82に進む。このステップST82において、制御部132により、電圧モニタ部133で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST83において、制御部132により、ソース機器は対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST84において、電圧モニタ部133で0Vが検知されると、ステップST85において、制御部132により、スイッチSW23が短絡状態から開放状態に変更される。この場合、電圧モニタ部133で0Vが検知されることで、ソース機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことが確認される。
次に、ステップST86において、制御部132により、スイッチSW24が開放状態から短絡状態に変更され、次に、ステップST87において、制御部132により、スイッチSW26が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST88において、LDOレギュレータ332A,332Bがオンとされてアクティブ回路が動作状態(Enable)とされた後に、ステップST89において、シーケンスが終了される。
また、ステップST82で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST90において、制御部132により、ソース機器は非対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST91において、制御部132により、スイッチSW23が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST92において、制御部132により、スイッチSW24が開放状態から短絡状態に変更され、次に、ステップST93において、制御部132により、スイッチSW26が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST89において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-3のスイッチSW21,SW22およびHDMIケーブル130-3のスイッチSW23,SW24,SW26は、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
上述では、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-3は、ソース機器が対応機器であるか非対応機器であるかによってLDOレギュレータ332A,332Bのオンオフを制御するものであった。しかし、この場合、ソース機器が非対応機器である場合にはLDOレギュレータ332A,332Bがオフとなってアクティブ回路が非動作状態となるので、データ送信ができない状態となる。
従って、ソース機器が非対応ソース機器である場合、HDMIケーブル130-3は、LDOレギュレータ332A,332Bをオフの状態におくのではなく、データレートを落とすことで、ソース機器から引く電流を55mA以下に保証する、ようにされてもよい。これにより、ソース機器が非対応ソース機器であっても、データ送信が可能となる。
「実施形態4」
図31は、伝送システム10-4の構成例を示している。この伝送システム10-4は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-4は、送信装置としてのソース機器110-4と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-4を有している。
上述の図23に示す伝送システム10-3では、Utilityラインを用いてソース機器とHDMIケーブルが対応品か否かを判断するものであったが、この伝送システム10-4では、+5V電源ラインを用いて判断するものである。この図31において、図4、図23と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-4は、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路の他に、制御部132、電圧モニタ部133、スイッチSW33,SW35および分圧用の抵抗R2を有している。
+5V電源ラインの地点P32と接地との間には、抵抗R2およびスイッチSW33の直列回路が接続されている。これにより、+5V電源ラインの地点P32には、接地電圧である0Vが、抵抗R2およびスイッチSW33の直列回路を介して印加される。この+5V電源ラインの地点P32よりシンク機器320側に、スイッチSW35が挿入されている。電圧モニタ部133は、+5V電源ラインの地点P32の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、HDMIケーブル130-4の各部の動作を制御する。
ソース機器110-4は、対応ソース機器である。このソース機器110-4は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW31,SW32および分圧用の抵抗R1を有している。上述したHDMIケーブル130-4の抵抗R2とこのソース機器110-4の抵抗R1は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=100kΩ、R2=400kΩとして説明する。
+5V電源ラインの地点Q31には、5Vの電圧が抵抗R1およびスイッチSW31の直列回路を介して印加される。+5V電源ラインの地点Q31の端子側とは反対側にスイッチSW32が挿入されている。電圧モニタ部112は、+5V電源ラインの地点Q31の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。
図31に示す伝送システム10-4において、HDMIケーブル130-4は対応ケーブルであり、ソース機器110-4は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-4は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-4は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-4およびHDMIケーブル130-4の動作の詳細を説明する。図31において、ソース機器110-4およびHDMIケーブル130-4は、初期状態を示している。ソース機器110-4において、初期状態では、スイッチSW31は短絡状態とされており、スイッチSW32は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-4において、初期状態では、スイッチSW33は短絡状態とされており、スイッチSW35は開放状態とされている。
この初期状態では、スイッチSW31,SW33が短絡状態とされているので、抵抗R1,R2が直列に接続され、スイッチSW32とスイッチSW35の間に挟まれた+5V電源ラインの地点Q31,P32には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-4の電圧モニタ部112は地点Q31の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-4の電圧モニタ部133は地点P32の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作するように制御する。
ソース機器110-4は対応モードで動作するように制御される。図32に示すように、制御部111は、スイッチSW32を短絡状態とし、さらにスイッチSW31を開放状態とする。そのため、+5V電源ラインの地点P32の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-4において、電圧モニタ部133は地点P32の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。このように地点P32の電圧が5Vであることをモニタすることで、ソース機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判別されたことが確認される。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、図33に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、ソース機器110-4やシンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW33を開放状態とし、次にスイッチSW35を短絡状態とする。その後、制御部132は、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとしてアクティブ回路である変換回路331A,331Bに3.3Vの電源を与え、これらの変換回路331A,331Bを動作状態(Enable)とする。
スイッチSW35が短絡状態とされることで、ソース機器110-3からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-1にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-4の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、通常動作へと移行する。
なお、対応ソース機器110-4は常に+5V電源ラインによる供給可能電流が55mA以上であって対応ケーブルであるHDMIケーブル130-4のアクティブ回路に電流を供給可能に構成されていてもよいが、ソース機器110-4の制御部111は、接続されたHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断したとき、+5V電源ラインによる供給可能電流を55mA以上とするモードに変更するようにされてもよい。電流供給量のモードを切り替えることで、ソース機器110-4は電源回路部の電力削減を図ることができる。この場合、制御部111は、HDMIケーブルが対応ケーブルであると判断した後、スイッチSW31を開放状態とする前に、供給可能電流を55mA以上とするモードに変更する。
このように図31に示す伝送システム10-4においては、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-3は、接続されたソース機器が、自身のアクティブ回路に十分に電流を供給し得る対応ソース機器であると判断した場合に、自身のアクティブ回路を動作状態とする。そのため、HDMIケーブル130-4のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図34は、伝送システム10-4Aの構成例を示している。この伝送システム10-4Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-4Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-4を有している。この図34において、図4、図31と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-4Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-4は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図6参照)。
また、HDMIケーブル130-4は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、+5V電源ラインの地点P32の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-4の電圧モニタ部133は地点P32の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいてソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW33を開放状態とし、次にスイッチSW35を短絡状態とする。また、この場合、制御部132は、LDOレギュレータ332A,332Bをオフのままとし、アクティブ回路である変換回路331A,331Bを非動作状態(Disable)のままとする。これにより、HDMIケーブル130-4はソース機器310から55mA以上の電流を引くということがなく、ソース機器310が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図35は、伝送システム10-3Bの構成例を示している。この伝送システム10-4Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-4Bは、送信装置としてのソース機器110-4と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330Cを有している。この図35において、図4、図31と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-4Bにおいては、ソース機器110-4は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330Cはレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330Cは、通常動作をする(図6参照)。
ソース機器110-4は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、+5V電源ラインの地点Q31の電圧は5Vとなる。ソース機器110-4の電圧モニタ部112は地点Q31の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。この場合、制御部111は、スイッチSW32を短絡状態とし、スイッチSW31を開放状態として、通常動作へと移行する。
ここで、シンク機器320は、5Vを検知した段階で50mAを引き始める可能性がある。図35の初期状態で100kΩの抵抗R1を介して50mAが引かれると、スイッチSW32からシンク機器320側の+5V電源ラインの電圧は5Vから著しく低下し、定められたスペック範囲から大きく外れることが予想される。
これを回避する方法として、図36に示すように、例えば抵抗R1とスイッチSW31の間に電流計113を配置し、図31のソース機器とHDMIケーブルの双方が対応品である場合に流れる電流量I(= 5V/(R1+R2)=5V/500KΩ=10μA)から増加する方向に電流を検知したら、スイッチSW31、SW32を速やかに切り替え、ソース機器110-4の+5V電源ラインの大元から50mAをシンク機器320へ渡すようにすればよい。
図37は、対応ソース機器であるソース機器110-4のシーケンスの一例を示している。ステップST101において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST102に進む。このステップST102において、制御部111により、電圧モニタ部112で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST103において、制御部111により、HDMIケーブルは対応ケーブルであると判断される。そして、ステップST104において、制御部111により、スイッチSW32が開放状態から短絡状態に変更されると共に、スイッチSW31が短絡状態から開放状態に変更される。そして、ステップST105において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST106において、シーケンスが終了される。
また、ステップST102で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST107において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST102に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたときステップST108において、制御部111により、HDMIケーブルは非対応ケーブルであると判断される。
そして、ステップST109において、制御部111により、スイッチSW32が開放状態から短絡状態に変更されると共に、スイッチSW31が短絡状態から開放状態に変更される。そそして、ステップST106において、シーケンスが終了される。
図38は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-4のシーケンスの一例を示している。ステップST111において、電圧モニタ部133で+5V電源ラインに5Vまたは4Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST112に進む。このステップST112において、制御部132により、電圧モニタ部133で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST113において、制御部132により、ソース機器は対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST114において、電圧モニタ部133で5Vが検知されると、ステップST115において、制御部132により、スイッチSW33が短絡状態から開放状態に変更される。この場合、電圧モニタ部133で5Vが検知されることで、ソース機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことが確認される。
次に、ステップST116において、制御部132により、スイッチSW35が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST117において、LDOレギュレータ332A,332Bがオンとされてアクティブ回路が動作状態(Enable)とされた後に、ステップST118において、シーケンスが終了される。
また、ステップST112で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST119において、制御部132により、ソース機器は非対応ソース機器であると判断される。次に、ステップST120において、制御部132により、スイッチSW33が短絡状態から開放状態に変更される。そして、ステップST121において、制御部132により、スイッチSW35が開放状態から短絡状態に変更され、ステップST118において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-4のスイッチSW31,SW32およびHDMIケーブル130-4のスイッチSW33,SW35は、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
なお、上述では、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-4は、ソース機器が対応機器であるか非対応機器であるかによってLDOレギュレータ332A,332Bのオンオフを制御するものであった。しかし、この場合、ソース機器が非対応機器である場合にはLDOレギュレータ332A,332Bがオフとなってアクティブ回路が非動作状態となるので、データ送信ができない状態となる。
従って、ソース機器が非対応ソース機器である場合、HDMIケーブル130-4は、LDOレギュレータ332A,332Bをオフの状態におくのではなく、データレートを落とすことで、ソース機器から引く電流を55mA以下に保証する、ようにされてもよい。これにより、ソース機器が非対応ソース機器であっても、データ送信が可能となる。
「実施形態5」
図39は、伝送システム10-5の構成例を示している。この伝送システム10-5は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-5は、送信装置としてのソース機器110-5と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-5を有している。
上述の図23の伝送システム10-3におけるHDMIケーブル130-3はレジスタを有していないが、伝送システム10-5におけるHDMIケーブル130-5では、上述の図7の伝送システム10-1におけるHDMIケーブル130-1と同様のレジスタ131を有している。この図39において、図7、図23と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-5は、対応ケーブルである。このHDMIケーブル130-5は、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW3,SW4,SW5および分圧用の抵抗R2を有している。
ソース機器110-5は、対応ソース機器である。このソース機器110-5は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW1,SW2および分圧用の抵抗R1を有している。上述したHDMIケーブル130-5の抵抗R2とこのソース機器110-5の抵抗R1は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=100kΩ、R2=400kΩとして説明する。
図39に示す伝送システム10-5において、HDMIケーブル130-5は対応ケーブルであり、ソース機器110-5は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-5は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-5は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-5およびHDMIケーブル130-5の動作について説明する。詳細説明は省略するが、上述の図7の伝送システム10-1におけるソース機器110-1およびHDMIケーブル130-1と同様に動作し、ソース機器110-5の制御部111からHDMIケーブル130-5のレジスタ131へのアクセス(リード/ライト)を経た後に、それぞれ、通常動作に移行する。
ソース機器110-5の制御部111は、レジスタ131へのアクセス時に、自身が55mA以上電流を引いても良いことをレジスタ131に書き込むことができる。HDMIケーブル130-5の制御部132は、通常動作に移行した後に、レジスタ131の情報に基づいて、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとして、+5Vの電源ラインから55mA以上を引くことができる。つまり、図39の伝送システム10-5の場合、ソース機器110-5は、自身が55mA以上電流を引いても良いことを、レジスタ131を通して、HDMIケーブル130-5に通達できる。
なお、図39に示す伝送システム10-5では、Utilityラインを用いてソース機器とHDMIケーブルが対応品か否かを判断するものであったが、+5V電源ラインを用いてソース機器とHDMIケーブルが対応品か否かを判断するものも同様に構成できる(図15、図31参照)。
図39に示す伝送システム10-5においては、ソース機器110-5からHDMIケーブル130-5のレジスタ131へのアクセスが終了するまでは、スイッチSW5が開放状態に置かれる。そのため、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報がDDCラインを通じて送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことを回避できる。
また、図39に示す伝送システム10-5においては、ソース機器110-5からHDMIケーブル130-5のレジスタ131へのアクセスが終了した後にスイッチSW5が短絡状態に変更され、その後にスイッチSW6が短絡状態に変更される。そのため、シンク機器320からソース機器110-5に接続検知信号を送られた後にソース機器110-5からDDCラインを通じてシンク機器320に送られる通信信号が妨げられることを回避できる。
また、図39に示す伝送システム10-5においては、HDMIケーブル130-5の制御部132は、ソース機器110-5からレジスタ131を通して通達される、自身が55mA以上電流を引いても良いという情報に基づいて、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとして、+5Vの電源ラインから55mA以上を引くように制御する。そのため、HDMIケーブル130-5のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
「実施形態6」
図40は、伝送システム10-3Cの構成例を示している。この伝送システム10-3Cは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-3Cは、送信装置としてのソース機器110-3と、中継器としてのリピータ140と、受信装置としてのシンク機器320と、ソース機器110-3とリピータ140を接続するHDMIケーブル330と、リピータ140とシンク機器320を接続するHDMIケーブル130-3を有している。
上述の図23の伝送システム10-3では、対応ソース機器であるソース機器110-3とシンク機器320が対応ケーブルであるHDMIケーブル130-3を介して直接接続されているが、図40の伝送システム10-3Cでは、さらに、ソース機器110-3とHDMIケーブル130-3の間にHDMIケーブル330およびリピータ140が直列に挿入されるものである。この図40において、図1、図23と対応する部分には同一符号を付して示している。
ここで、リピータ140はデータライン上に増幅器141を持っている。また、リピータ140は、ソース機器110-3から供給される+5V電源ラインとは別系統で電源を持っており、シンク機器320には、この別系統の電源から+5V電源ラインを通じて5Vが供給される。この場合、ソース機器110-3とHDMIケーブル130-3の間では、リピータ140により、+5V電源ラインが分離されたものとなる。また、ここで、リピータ140のUtility等の制御線のインプットとアウトプットは低インピーダンスで接続されているものとする。
図40の伝送システム伝送システム10-3Cの場合、ソース機器110-3とHDMIケーブル130-3の間では、Utilityラインが、非対応ケーブルであるHDMIケーブル330とリピータ140を介して接続されることになる。ソース機器110-3とHDMIケーブル130-3は、リピータ140が存在するにも関わらず互いに対応品としてシーケンス動作をする。
この場合、HDMIケーブル130-3の電圧モニタ部133は地点P22の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいてソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作するように制御する。従って、スイッチSW26は短絡状態とされ、LDOレギュレータ332A,332Bがオンとされ、変換回路331A,331Bが動作状態とされ、電流を+5Vラインから引き始める。
この場合、実際の電流の供給元は、ソース機器110-3の+5V電源ラインではなく、リピータ140の+5V電源ラインである。この際、リピータ140が55mA以上の電流供給に対応していない場合は、故障する可能性がある。
この実施の形態においては、このようなリピータ140の故障を回避するために、伝送システムを構成するソース機器およびHDMIケーブルは、図41(a),(b)に示すように、それぞれ、リピータの介在があるが否かを考慮しつつ、対応品であるか否か、さらには相手が対応品であるか否かによって異なる動作をする。
対応ソース機器(対応品であるソース機器)および非対応ソース機器は、図41(a)に示すように動作する。すなわち、対応ソース機器は、対応ケーブル(対応品であるHDMIケーブル)が接続される場合は、非対応リピータの介在があるときは非対応モードで動作し、リピータの介在がないときは対応モードで動作をする。また、対応ソース機器は、非対応ケーブルが接続される場合は非対応モードで動作する。また、非対応ソース機器は、対応ケーブルおよび非対応ケーブルのいずれが接続される場合も通常動作をする。
また、対応ケーブルおよび非対応ケーブルは、図41(b)に示すように動作する。すなわち、対応ケーブルは、対応ソース機器が接続される場合は、非対応リピータの介在があるときは非対応モードで動作し、リピータの介在がないときは対応モードで動作をする。また、対応ケーブルは、非対応ソース機器が接続される場合は非対応モードで動作する。また、非対応ケーブルは、対応ソース機器および非対応ソース機器のいずれが接続される場合も通常動作をする。
また、図41(c),(d)は、対応/非対応のリピータと対応/非対応のケーブル2の動作関係を示す。対応リピータの場合、ソース機器とリピータの間では、リピータはシンク機器の受け口と同等に動き、上述の図6のモードが成り立つ。リピータとシンク機器の間では、リピータがソース機器の出し口と同等に動き、すなわち対応ソース機器と同じように分圧用の抵抗RやスイッチSWを持つので、図41(c),(d)のモードとなる。このとき、対応ケーブルはリピータの介在を判断するわけではなく、あたかもソース機器と繋がったと判断して動作するが、対応リピータは55mA以上流せるため問題はない。
図42は、伝送システム10-6の構成例を示している。この伝送システム10-6は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-6は、送信装置としてのソース機器110-6と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するAOCであるHDMIケーブル130-6を有している。この図42において、図23と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-6は、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW43,SW44,SW46および分圧用の抵抗R2を有している。
Utilityラインの地点P42と+5V電源ラインの地点P44との間には、抵抗R2およびスイッチSW43の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点P42には、5Vが、抵抗R2およびスイッチSW43の直列回路を介して印加される。このUtilityラインの地点P42よりシンク機器320側に、スイッチSW44が挿入されている。また、+5V電源ラインの地点P44よりシンク機器320側に、スイッチSW46が挿入されている。
電圧モニタ部133は、Utilityラインの地点P42の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。電圧モニタ部134は、+5Vの電源ラインのスイッチSW46の挿入位置より端子側の地点P43の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。LDOレギュレータ332A、332Bには、+5Vの電源ラインのスイッチSW46の挿入位置よりシンク機器320側の地点から電源が供給される。制御部132は、HDMIケーブル130-6の各部の動作を制御する。
ソース機器110-6は、対応ソース機器である。このソース機器110-6は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW41,SW42,SW47,SW48および分圧用の抵抗R1,R3を有している。上述したHDMIケーブル130-6の抵抗R2とこのソース機器110-6の抵抗R1,R3は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=400kΩ、R2=100kΩ、R3=500kΩとして説明する。
接地とUtilityラインの地点Q41との間には、抵抗R1およびスイッチSW41の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点Q41には、接地電圧である0Vが抵抗R1およびスイッチSW41の直列回路を介して印加される。Utilityラインの地点Q41の端子側とは反対側にスイッチSW42が挿入されている。電圧モニタ部112は、Utilityラインの地点Q41の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。また、+5V電源ラインの地点Q42には、5Vの電圧が抵抗R3およびスイッチSW47の直列回路を介して印加される。+5V電源ラインの地点Q42の端子側とは反対側にスイッチSW48が挿入されている。
図42に示す伝送システム10-6において、HDMIケーブル130-6は対応ケーブルであり、ソース機器110-6は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-6は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-6は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-6およびHDMIケーブル130-6の動作の詳細を説明する。図42において、ソース機器110-6およびHDMIケーブル130-6は、初期状態を示している。ソース機器110-6において、初期状態では、スイッチSW41,SW48は短絡状態とされており、スイッチSW42,SW47は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-6において、初期状態では、スイッチSW43は短絡状態とされており、スイッチSW44,SW46は開放状態とされている。
この初期状態では、SW41,SW43が短絡状態とされているので、ソース機器110-6の接地(0V)とHDMIケーブル130-6の+5V電源ラインとの間に、抵抗R1,R2が直列に接続され、Utilityラインの地点Q41,P42には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-6の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断する。
同様に、HDMIケーブル130-6の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断する。
ここで、ソース機器110-6において、スイッチSW42が開放状態とされているので、4Vの電圧はソース機器110-6内部に伝搬されず、ソース機器110-6内部に影響を及ぼすことがない。同様に、HDMIケーブル130-6において、スイッチSW44は開放状態とされているので、4Vの電圧はシンク機器320に伝搬されず、シンク機器320に影響を及ぼすことがない。
ソース機器110-6の制御部111は、電圧モニタ部133による4Vのモニタ結果に基づいて、図43に示すように、スイッチSW47を短絡状態とし、その後にスイッチSW48を開放状態とする。ここで、抵抗R1,R2に直列に抵抗R3が接続され、Utilityラインの地点Q41,P42には、抵抗分圧により、2Vの電圧が得られる。
このとき、ソース機器110-6とHDMIケーブル130-6の間に、リピータ140(図40参照)等のように+5V電源ラインを分離する中継機器が接続されている場合、抵抗R3による発生電圧の変化は起きない。よって、Utilityラインの地点Q41,P42に2Vの電圧が得られるということは、リピータ等の中継機器が接続されていないこととなる。
ソース機器110-6の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が2Vになったことをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の接続はないと判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-6の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が2Vになったことをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の接続はないと判断し、対応モードで動作するように制御する。
ソース機器110-6は対応モードで動作するように制御されるので、制御部111は、図44に示すように、スイッチSW48を短絡状態とし、スイッチSW47を開放状態とし、さらにスイッチSW41を開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P42の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-6において、電圧モニタ部133は地点P42の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。このように地点P42の電圧が5Vであることをモニタすることで、ソース機器において自身のケーブルが対応ケーブルであると共に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断されたことが確認される。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、図45に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW43を開放状態とし、次にスイッチSW44を短絡状態とし、最後にスイッチSW46を短絡状態とする。その後、制御部132は、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとしてアクティブ回路である変換回路331A,331Bに3.3Vの電源を与え、これらの変換回路331A,331Bを動作状態(Enable)とする。
スイッチSW46が短絡状態とされることで、ソース機器110-6からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-6にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-6の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図46に示すように、スイッチSW42を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
なお、図43の時点で、Utilityラインの地点Q41,P42に4Vの電圧が得られたままである場合、ソース機器110-6およびHDMIケーブル130-6は、それぞれ、以下のように動作する。この場合、ソース機器110-6の制御部111は+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断し、非対応モードで動作するように制御する。すなわち、制御部111は、スイッチSW48を短絡状態とし、スイッチSW47を開放状態とし、スイッチSW41を開放状態とし、さらにスイッチSW42を短絡状態として、通常動作へと移行する。
また、この場合、HDMIケーブル130-6の制御部111は+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断し、非対応モードで動作するように制御する。すなわち、制御部132は、スイッチSW43を開放状態とし、スイッチSW44を短絡状態とし、さらにスイッチSW46を短絡状態として、通常動作へと移行する。
なお、ソース機器110-6は常に+5V電源ラインによる供給可能電流が55mA以上であって対応ケーブルであるHDMIケーブル130-6のアクティブ回路に電流を供給可能に構成されていてもよいが、ソース機器110-6の制御部111は、接続されたHDMIケーブルが対応ケーブルであると共に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断したとき、+5V電源ラインによる供給可能電流を55mA以上とするモードに変更するようにされてもよい。電流供給量のモードを切り替えることで、ソース機器110-6は電源回路部の電力削減を図ることができる。例えば、制御部111は、上述したようにスイッチSW41を開放状態とする前に、供給可能電流を55mA以上とするモードに変更する。
このように図42に示す伝送システム10-6において、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-6は、接続されたソース機器が、自身のアクティブ回路に十分に電流を供給し得る対応ソース機器であると判断すると共に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断した場合に、自身のアクティブ回路を動作状態とする。そのため、HDMIケーブル130-6のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器やリピータ等の中継機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図47は、伝送システム10-6Aの構成例を示している。この伝送システム10-6Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-6Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-6を有している。この図47において、図4、図42と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-6Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-6は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図41参照)。
また、HDMIケーブル130-6は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点P42の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-6の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、電圧モニタ部134で5Vが検知されているにもかかわらず、地点P42の電圧が5Vのままであるときは、非対応ソース機器が繋がったと判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW43を開放状態とし、次にスイッチSW44を短絡状態とし、最後にスイッチSW46を短絡状態とする。また、この場合、制御部132は、+5V電源ラインから55mA以上電流を引かないようにアクティブ回路を制御する。例えば、LDOレギュレータ332A,332Bをオフのままとし、アクティブ回路である変換回路331A,331Bを非動作状態(Disable)のままとする。これにより、HDMIケーブル130-6はソース機器310から55mA以上の電流を引くということがなく、ソース機器310が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
なお、上述では、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-6は、ソース機器が対応機器であるか非対応機器であるかによってLDOレギュレータ332A,332Bのオンオフを制御するものであった。しかし、この場合、ソース機器が非対応機器である場合にはLDOレギュレータ332A,332Bがオフとなってアクティブ回路が非動作状態となるので、データ送信ができない状態となる。
従って、ソース機器が非対応ソース機器である場合、HDMIケーブル130-6は、LDOレギュレータ332A,332Bをオフの状態におくのではなく、データレートを落とすことで、ソース機器から引く電流を55mA以下に保証する、ようにされてもよい。これにより、ソース機器が非対応ソース機器であっても、データ送信が可能となる。
図48は、伝送システム10-6Bの構成例を示している。この伝送システム10-6Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-6Bは、送信装置としてのソース機器110-6と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330Cを有している。この図48において、図4、図42と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-6Bにおいては、ソース機器110-6は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330Cはレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330Cは、通常動作をする(図41参照)。
ソース機器110-6は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点Q41の電圧は0Vとなる。ソース機器110-6の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部111は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、ソース機器110-6内部へ影響を与えないように、まずスイッチSW41を開放状態とし、次にスイッチSW42を短絡状態とする。
図49は、伝送システム10-6Cの構成例を示している。この伝送システム10-6Cは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-6Cは、送信装置としてのソース機器110-6と、中継器としてのリピータ140と、受信装置としてのシンク機器320と、ソース機器110-6とリピータ140を接続するケーブル330と、リピータ140とシンク機器320を接続するHDMIケーブル130-6を有している。
上述の図42の伝送システム10-6では、対応ソース機器であるソース機器110-6とシンク機器320が対応ケーブルであるHDMIケーブル130-6を介して直接接続されているが、伝送システム10-6Cでは、さらに、ソース機器110-6とHDMIケーブル130-6の間にHDMIケーブル330およびリピータ140が直列に挿入されるものである。この図49において、図40、図42と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。なお、制御ラインは、リピータ140内でインとアウトが接続された状態にあるとする。
図49に示す伝送システム10-6Cにおいて、HDMIケーブル130-6は対応ケーブルであり、ソース機器110-6は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-6は、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断するが、+5V電源ラインを分離するリピータ140の介在を認識し、非対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-6は、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断するが、リピータ140の介在を認識し、非対応モードで動作する。
図49の伝送システム10-6Cにおけるソース機器110-6およびHDMIケーブル130-6の動作の詳細を説明する。図49において、ソース機器110-6およびHDMIケーブル130-6は、初期状態を示している。ソース機器110-6において、初期状態では、スイッチSW41,SW48は短絡状態とされており、スイッチSW42,SW47は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-6において、初期状態では、スイッチSW43は短絡状態とされており、スイッチSW44,SW46は開放状態とされている。
この初期状態では、SW41,SW43が短絡状態にあり、かつUtilityラインはソース機器110-6とHDMIケーブル130-6の間でHDMIケーブル330およびリピータ140を通じて接続されているので、ソース機器110-6の接地(0V)とHDMIケーブル130-6の+5V電源ラインとの間に、抵抗R1,R2が直列に接続され、Utilityラインの地点Q41,P42には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-6の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断する。
同様に、HDMIケーブル130-6の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断する。
ソース機器110-6の制御部111は、電圧モニタ部112による4Vのモニタ結果に基づいて、図50に示すように、スイッチSW47を短絡状態とし、その後にスイッチSW48を開放状態とする。このとき、ソース機器110-6の+5V電源ラインとHDMIケーブル130-6の+5V電源ラインがリピータ140内で分離されているので、抵抗R3は抵抗R1,R2に直列に繋がらず、よってUtilityラインの地点Q41,P42の電圧は4Vから変動しない。
ソース機器110-6の制御部111は、電圧モニタ部112による4Vのモニタ結果に基づいて、自身と対応ケーブルの間にリピータの存在があると判断し、非対応モードで動作するように制御する。同様に、HDMIケーブル130-6の制御部132は、電圧モニタ部133による4Vのモニタ結果に基づいて、自身と対応ソース機器の間にリピータの存在があると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
ソース機器110-6の制御部111は、図51に示すように、スイッチSW48を短絡状態とし、スイッチSW47を開放状態とし、さらにスイッチSW41を開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P42の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-6において、電圧モニタ部133は地点P42の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。このように地点P42の電圧が5Vであることをモニタすることで、ソース機器において自身のケーブルが対応ケーブルであると共に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断されたことが確認される。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、図52に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、まずスイッチSW43を開放状態とし、次にスイッチSW44を短絡状態とし、最後にスイッチSW46を短絡状態とする。また、この場合、制御部132は、+5V電源ラインから55mA以上電流を引かないようにアクティブ回路を制御する。例えば、LDOレギュレータ332A,332Bをオフのままとし、アクティブ回路である変換回路331A,331Bを非動作状態(Disable)のままとする。これにより、HDMIケーブル130-6はリピータ140から55mA以上の電流を引くということがなく、リピータ140が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
また、スイッチSW46が短絡状態とされることで、リピータ140からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-6にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-6の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図53に示すように、スイッチSW42を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
図54は、対応ソース機器であるソース機器110-6のシーケンスの一例を示している。ステップST131において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST132に進む。このステップST132において、制御部111により、電圧モニタ部112で第1のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
第1のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST133において、制御部111により、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断される。そして、ステップST134において、制御部111により、スイッチSW47が開放状態から短絡状態に変更され、その後にスイッチSW48が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST135において、制御部111により、電圧モニタ部112で第2のバイアス電圧(2V)が検知されたか判断される。第2のバイアス電圧(2V)が検知されたとき、制御部111により、HDMIケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断され、ステップST136に進む。このステップST136において、制御部111により、スイッチSW48が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW47が短絡状態から開放状態に変更され、さらに、スイッチSW41が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST137において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST138において、制御部111により、スイッチSW42が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST139において、シーケンスが終了される。
また、ステップST135で第2のバイアス電圧(2V)が検知されないとき、制御部111により、HDMIケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断され、ステップST140に進む。このステップST140において、制御部111により、スイッチSW48が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW47が短絡状態から開放状態に変更され、さらに、スイッチSW41が短絡状態から開放状態に変更される。そして、ステップST138において、制御部111により、スイッチSW42が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST139において、シーケンスが終了される。
また、ステップST132で第1のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST141において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST132に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたとき、ステップST142において、制御部111により、非対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断される。
そして、ステップST143において、スイッチSW41が短絡状態から開放状態に変更される。次に、ステップST138において、制御部111により、スイッチSW42が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST139において、シーケンスが終了される。
図55は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-6のシーケンスの一例を示している。ステップST151において、電圧モニタ部134で5Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST152に進む。このステップST152において、制御部132により、電圧モニタ部133で第1のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
第1のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST153において、制御部132により、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断される。そして、ステップST154において、制御部132により、電圧モニタ部133で第2のバイアス電圧(2V)が検知されたか判断される。
第2のバイアス電圧(2V)が検知されたとき、制御部132により、ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断され、ステップST155に進む。このステップST155において、電圧モニタ部133で5Vが検知されると、ステップST156において、制御部132により、スイッチSW43が短絡状態から開放状態に変更され、スイッチSW44が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW46が開放状態から短絡状態に変更される。
次に、ステップST157において、LDOレギュレータ332A,332Bがオンとされてアクティブ回路が動作状態(Enable)とされた後に、ステップST158において、シーケンスが終了される。
また、ステップST154で第2のバイアス電圧(2V)が検知されないとき、制御部132により、ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断され、ステップST159に進む。このステップST159において、制御部132により、スイッチSW43が短絡状態から開放状態に変更され、スイッチSW44が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW46が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST158において、シーケンスが終了される。
また、ステップST152で第1のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST160において、制御部132により、非対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断される。そして、ステップST159において、制御部132により、スイッチSW43が短絡状態から開放状態に変更され、スイッチSW44が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW46が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST158において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-6のスイッチSW41,SW42,SW47,SW48およびHDMIケーブル130-6のスイッチSW43,SW44,SW46は、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
「実施形態7」
図56は、伝送システム10-7の構成例を示している。この伝送システム10-7は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-7は、送信装置としてのソース機器110-7と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-7を有している。
上述の図42の伝送システム10-6におけるHDMIケーブル130-6はレジスタを有していないが、図56の伝送システム10-7におけるHDMIケーブル130-7では、上述の図7の伝送システム10-1におけるHDMIケーブル130-1と同様のレジスタ131を有している。この図56において、図7、図42と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-7は、対応ケーブルである。このHDMIケーブル130-7は、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW3,SW4,SW5,SW6および分圧用の抵抗R2を有している。
ソース機器110-7は、対応ソース機器である。このソース機器110-7は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW1,SW2,SW7,SW8および分圧用の抵抗R1,R3を有している。上述したHDMIケーブル130-7の抵抗R2とこのソース機器110-7の抵抗R1,R3は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=400kΩ、R2=100kΩ、R3=500kΩとして説明する。
図56に示す伝送システム10-7において、HDMIケーブル130-7は対応ケーブルであり、ソース機器110-7は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-7は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-7は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-7およびHDMIケーブル130-7の動作について説明する。詳細説明は省略するが、上述の図7の伝送システム10-1におけるソース機器110-1およびHDMIケーブル130-1と同様に動作し、ソース機器110-7の制御部111からHDMIケーブル130-7のレジスタ131へのアクセス(リード/ライト)を経た後に、それぞれ、通常動作に移行する。
ソース機器110-7の制御部111は、レジスタ131へのアクセス時に、自身が55mA以上電流を引いても良いことをレジスタ131に書き込むことができる。HDMIケーブル130-7の制御部132は、通常動作に移行した後に、レジスタ131の情報に基づいて、アクティブ回路を動作状態(Enable)として、+5Vの電源ラインから55mA以上を引く状態とにすることが可能である。つまり、図56の伝送システム10-7の場合、ソース機器110-7は、自身が55mA以上電流を引いても良いことを、レジスタ131を通して、HDMIケーブル130-7に通達できる。
また、詳細説明は省略するが、ソース機器110-7およびHDMIケーブル130-7は、図42の伝送システム10-6におけるソース機器110-6およびHDMIケーブル130-6と同様に動作する。これにより、ソース機器110-7の制御部111は対応ケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在の有無を認識する。同様に、HDMIケーブル130-7の制御部132は対応ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在の有無を認識する。
上述したように、HDMIケーブル130-7の制御部132は、通常動作に移行した後に、レジスタ131の情報に基づいて、アクティブ回路を動作状態(Enable)として、+5V電源ラインから55mA以上を引く状態とにすることが可能である。しかし、対応ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると認識されている場合、+5V電源ラインから55mA以上電流を引かないようにアクティブ回路を制御することで、介在されているリピータ等の中継機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図56に示す伝送システム10-7においては、ソース機器110-7からHDMIケーブル130-7のレジスタ131へのアクセスが終了するまでは、スイッチSW5が開放状態に置かれる。そのため、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報がDDCラインを通じて送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことを回避できる。
また、図56に示す伝送システム10-7においては、ソース機器110-7からHDMIケーブル130-7のレジスタ131へのアクセスが終了した後にスイッチSW5が短絡状態に変更され、その後にスイッチSW6が短絡状態に変更される。そのため、シンク機器320からソース機器110-7に接続検知信号を送られた後にソース機器110-7からDDCラインを通じてシンク機器320に送られるため、その通信信号が妨げられることを回避できる。
また、図56に示す伝送システム10-7においては、HDMIケーブル130-7の制御部132は、ソース機器110-7からレジスタ131を通して通達される、自身が55mA以上電流を引いても良いという情報に基づいて、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとして、+5V電源ラインから55mA以上を引くように制御する。そのため、HDMIケーブル130-7のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
また、図56に示す伝送システム10-7においては、ソース機器110-7とHDMIケーブル130-7の間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在がある場合には、それを認識し、+5V電源ラインから55mA以上電流を引かないようにHDMIケーブル130-7のアクティブ回路を制御でき、当該中継機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
なお、図42の伝送システム10-6などでは、また、+5V電源ラインの地点Q42に5Vの電圧が抵抗R3およびスイッチSW47の直列回路を介して印加される構成を設けることで第2の電圧(2V)を生成している。しかし、抵抗R3をなくして、5V電位を直接変動して第2の電圧(2V)を生成する構成も考えられる。
「実施形態8」
図57は、伝送システム10-8の構成例を示している。この伝送システム10-8は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-8は、送信装置としてのソース機器110-8と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-8を有している。この図57において、図7と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
図7の伝送システム10-1においては、DDCラインのI2C(Inter-Integrated Circuit)を使って、ソース機器110-1がケーブル130-1内に用意されたレジスタ131を読み書きすることで、ケーブルID、回路特性調整用パラメータ、ケーブルが消費する電流量、伝送可能データレートなどといった情報を、ソース機器110-1とケーブル130-1の間でやり取りすることができるものであった。
これに対して、伝送システム10-8は、可変抵抗回路の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8の間で種々の情報をやり取りするものであり、DDCライン上にレジスタが不要になり、従って、レジスタのアクセス情報がDDCラインを通じてシンク機器320に送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じるということがなくなる。
HDMIケーブル130-8は、対応ケーブルである。このHDMIケーブル130-8は、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW4,SW6および可変抵抗回路135を有している。Utilityラインには、地点P2よりシンク機器320側に、スイッチSW4が挿入されている。また、+5V電源ラインには、地点P3よりシンク機器320側に、スイッチSW6が挿入されている。
電圧モニタ部133は、Utilityラインの地点P2の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。電圧モニタ部134は、+5Vの電源ラインの地点P3の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、HDMIケーブル130-8の各部の動作を制御する。
Utilityラインの地点P2と接地(0V)との間には、可変抵抗回路135が接続されている。可変抵抗回路135は、抵抗とスイッチの直列回路が所定個数だけ並列に接続された構成とされている。図示の例においては、抵抗R2xとスイッチSW3xの直列回路、抵抗R2yとスイッチSW3yの直列回路、および抵抗R2zとスイッチSW3zの直列回路が並列接続されている。
ソース機器110-8は、対応ソース機器である。このソース機器110-8は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW2および可変抵抗回路114を有している。Utilityラインには、地点Q1より内部側に、スイッチSW2が挿入されている。電圧モニタ部112は、Utilityラインの地点Q2の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。
+5V電源ラインとUtilityラインの地点Q1との間には、可変抵抗回路114が接続されている。可変抵抗回路114は、抵抗とスイッチの直列回路が所定個数だけ並列に接続された構成とされている。図示の例においては、抵抗R1xとスイッチSW1xの直列回路、抵抗R1yとスイッチSW1yの直列回路、および抵抗R1zとスイッチSW1zの直列回路が並列接続されている。
上述したHDMIケーブル130-8の抵抗R2x,R2y,R2zと、このソース機器110-8の抵抗R1x,R1y,R1zは、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。この値に限定されるものではないが、以下、R1x=100kΩ、R1y=200kΩ、R1z=300kΩ、R2x=400kΩ、R2y=500kΩ、R2z=600kΩとして説明する。
図57に示す伝送システム10-8において、HDMIケーブル130-8は対応ケーブルであり、ソース機器110-8は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-8は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-8は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-8およびHDMIケーブル130-8の動作の詳細を説明する。図57において、ソース機器110-8およびHDMIケーブル130-8は、初期状態を示している。ソース機器110-8において、初期状態では、スイッチSW1xは短絡状態とされており、スイッチSW1y,SW1z,SW2は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-8において、初期状態では、スイッチSW3xは短絡状態とされており、スイッチSW3y,SW3z,SW4,SW6は開放状態とされている。
この初期状態では、スイッチSW1x,SW3xが短絡状態とされているので、ソース機器110-8の+5V電源ラインとHDMIケーブル130-8の接地(0V)との間に、抵抗R1x,R2xが直列に接続され、Utilityラインの地点Q1,P2には、抵抗分圧により、4Vの電圧(バイアス電圧)が得られる。
ソース機器110-8の電圧モニタ部112は地点Q1の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-8の電圧モニタ部133は地点P2の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作するように制御する。
ここで、ソース機器110-8において、スイッチSW2が開放状態とされているので、4Vの電圧はソース機器110-8内部に伝搬されず、ソース機器110-8内部に影響を及ぼすことがない。同様に、HDMIケーブル130-8において、スイッチSW4は開放状態とされているので、4Vの電圧はシンク機器320に伝搬されず、シンク機器320に影響を及ぼすことがない。
ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8ではそれぞれ対応モードでの動作が開始され、まず情報送受信が行われる。この場合、ソース機器110-8は、可変抵抗回路114の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、種々の情報をHDMIケーブル130-8に送信できる。HDMIケーブル130-8側では、Utilityラインの地点P2におけるバイアス電圧のモニタ結果が電圧モニタ部133から制御部132に供給される。制御部132は、バイアス電圧値と情報との対応関係を示すテーブルを参照して、ソース機器110-8からの送信情報を理解し、取得する。
また、この場合、HDMIケーブル130-8は、可変抵抗回路135の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、種々の情報をソース機器110-8に送信できる。ソース機器110-8側では、Utilityラインの地点Q1におけるバイアス電圧のモニタ結果が電圧モニタ部112から制御部111に供給される。制御部111は、バイアス電圧値と情報との対応関係を示すテーブルを参照して、HDMIケーブル130-8からの送信情報を理解し、取得する。
図58は、ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8との間における情報送受信時における可変抵抗回路114,135の動作の一例を示している。図58(a)は、図57と同じ初期状態を示している。ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8が双方とも対応品と判断すると、まず、図58(b)に示すように、ソース機器110-8は可変抵抗回路114のスイッチ群を切り替え、抵抗分圧で発生するバイアス電圧を変えることで、HDMIケーブル130-8へ情報を送信する。ソース機器110-8は、HDMIケーブル130-8への情報送信が終了すると、図58(c)に示すように、可変抵抗回路114のスイッチ群を初期のスイッチ状態(図58(a)参照)へと移行し、HDMIケーブル130-8に情報送信が終了したことを知らせる。
その後、図58(d)に示すように、HDMIケーブル130-8は可変抵抗回路135のスイッチ群を切り替え、抵抗分圧で発生するバイアス電圧を変えることで、ソース機器110-8へ情報を送信する。HDMIケーブル130-8は、ソース機器110-8への情報送信が終了すると、図58(e)に示すように、可変抵抗回路135のスイッチ群を初期のスイッチ状態(図58(a)参照)へと移行し、ソース機器110-8に情報送信が終了したことを知らせる。
なお、図57の伝送システム10-8においては、ソース機器110-8の可変抵抗回路114とHDMIケーブル130-8の可変抵抗回路135は3つの抵抗をパラレルに並べる例を示しているが、パラレルに並べる抵抗の数は3つに限定されない。
例えば、図59に示すように、重み付けされた抵抗を8つパラレルに並べることで256階調を表現することができる。この場合、ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8は、例えば、図60に示すようなテーブルを共通に持つものとされる。そして、この場合、例えばソース機器110-8からHDMIケーブル130-8へ情報を伝えるときは、テーブル内の決められたコードの電圧を発生させることで、そのコードの情報をソース機器110-8がサポートすることをHDMIケーブル130-8は検知できる。ただし、上記実装例の場合だと2階調は既に使用されている。
スイッチを全て開放する階調0は次のシーケンスへ移行する条件となっており、また、ある階調はネゴシエーションの初期状態に使われる。この2階調は情報伝達として使えないため、256階調用意されている場合は254階調を自由に使えることになる。図60の例の場合、ソース機器110-8からHDMIケーブル130-8へソースバージョンを伝えたい場合、階調2か3のいずれかの電圧を表現することで伝えることができる。階調を切り替える方法として、連続的に目的の階調へと切り替えても良いし、一度ある決められた階調へ必ず戻ることで次の階調へ移ることをソース機器110-8とHDMIケーブル130-8が認識できるようにしてもよい。
また、図57の伝送システム10-8においては、ソース機器110-8の可変抵抗回路114とHDMIケーブル130-8の可変抵抗回路135は3つの抵抗をパラレルに並べる例を示し、スイッチ群内の各スイッチの短絡状態、開放状態を切り替えることで抵抗値を変えるものであるが、これらの可変抵抗回路114、135を、抵抗値を可変し得る1つの抵抗素子(可変抵抗素子)を用いて構成することも考えられる。
ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8との間の情報の送受信が終了すると、図61に示すように、ソース機器110-8の制御部111は、スイッチSW1群内の全てのスイッチを開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P2の電圧は0Vとなる。HDMIケーブル130-8において、電圧モニタ部133は地点P2の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、情報の送受信が終了したと判断し、図62に示すように、スイッチSW3群およびスイッチSW4,SW6の状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3群内の全てのスイッチを開放状態とし、次にスイッチSW4を短絡状態とし、最後にスイッチSW6を短絡状態とする。
スイッチSW6が短絡状態とされることで、ソース機器110-8からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-8にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-8の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図63に示すように、スイッチSW2を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
このように図57に示す伝送システム10-8においては、可変抵抗回路114,135の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、ソース機器110-8とHDMIケーブル130-8の間で種々の情報の送受信を行うものであり、DDCライン上にレジスタが不要になる。そのため、レジスタのアクセス情報がDDCラインを通じてシンク機器320に送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じるということがなくなる。
図64は、伝送システム10-8Aの構成例を示している。この伝送システム10-8Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-8Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-8を有している。この図64において、図1、図57と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-8Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-8は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図6参照)。
また、HDMIケーブル130-8は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点P2の電圧は0Vとなる。HDMIケーブル130-8の電圧モニタ部133は地点P2の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果と+5V電源ラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3群内の全てのスイッチを開放状態とし、次にスイッチSW4を短絡状態とし、最後にスイッチSW6を短絡状態とする(図63参照)。
図65は、伝送システム10-8Bの構成例を示している。この伝送システム10-8Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-8Bは、送信装置としてのソース機器110-8と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330を有している。この図65において、図1、図57と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-8Bにおいては、ソース機器110-8は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330はレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330は、通常動作をする(図6参照)。
ソース機器110-8は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点Q1の電圧は5Vとなる。ソース機器110-8の電圧モニタ部112は地点Q1の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部111は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、ソース機器110-8内部へ影響を与えないように、まずスイッチSW1群内の全てのスイッチを開放状態とし、次にスイッチSW2を短絡状態とする(図63参照)。
図66は、対応ソース機器であるソース機器110-8のシーケンスの一例を示している。ステップST161において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST162に進む。このステップST162において、制御部111により、電圧モニタ部112で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST163において、制御部111により、HDMIケーブルは対応ケーブルであると判断される。そして、ステップST164において、HDMIケーブルとの間で抵抗値変化を用いた情報の送信および受信が行われる。
次に、ステップST165において、情報の送受信が終了した後に、制御部111により、スイッチSW1群内の全てのスイッチが開放状態とされる。その後、ステップST166において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST167において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST168において、シーケンスが終了される。
また、ステップST162で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST169において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST162に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたとき、ステップST170において、制御部111により、HDMIケーブルは非対応ケーブルであると判断される。
そして、ステップST171において、スイッチSW1群内の全てのスイッチが開放状態とされる。次に、ステップST167において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST168において、シーケンスが終了される。
図67は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-8のシーケンスの一例を示している。ステップST181において、電圧モニタ部134で5Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST182に進む。このステップST182において、制御部132により、電圧モニタ部133で所定のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
所定のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST183において、制御部132により、ソース機器は対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST184において、ソース機器との間で抵抗値変化を用いた情報の送信および受信が行われる。次に、ステップST185において、電圧モニタ部133で0Vが検知されると、ステップST186において、制御部132により、スイッチSW3群内の全てのスイッチが開放状態とされる。
次に、ステップST187において、制御部132により、スイッチSW4が開放状態から短絡状態に変更され、次に、ステップST188において、制御部132により、スイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST189において、シーケンスが終了される。
また、ステップST182で所定のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST190において、制御部132により、ソース機器は非対応ソース機器であると判断される。そして、ステップST186において、制御部132により、スイッチSW3群内の全てのスイッチが開放状態とされる。
次に、ステップST187において、制御部132により、スイッチSW4が開放状態から短絡状態に変更され、次に、ステップST188において、制御部132により、スイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST189において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-8の各スイッチおよびHDMIケーブル130-8の各スイッチは、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
「実施形態9」
図68は、伝送システム10-9の構成例を示している。この伝送システム10-9は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-9は、送信装置としてのソース機器110-9と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するAOCであるHDMIケーブル130-9を有している。この図68において、図42、図57と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-9は、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW44,SW46および可変抵抗回路135を有している。
Utilityラインには、地点P42よりシンク機器320側に、スイッチSW44が挿入されている。Utilityラインの地点P42と+5V電源ラインとの間には、可変抵抗回路135が接続されている。これにより、Utilityラインの地点P42には、5Vが可変抵抗回路135を介して印加される。この可変抵抗回路135は、抵抗R2xとスイッチSW3xの直列回路、抵抗R2yとスイッチSW3yの直列回路、および抵抗R2zとスイッチSW3zの直列回路が並列接続されて構成されている。
電圧モニタ部133は、Utilityラインの地点P42の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。電圧モニタ部134は、+5Vの電源ラインのスイッチSW46の挿入位置より端子側の地点P43の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。LDOレギュレータ332A、332Bには、+5Vの電源ラインのスイッチSW46の挿入位置よりシンク機器320側の地点から電源が供給される。制御部132は、HDMIケーブル130-9の各部の動作を制御する。
ソース機器110-9は、対応ソース機器である。このソース機器110-9は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、SW42,SW47,SW48、分圧用の抵抗R3および可変抵抗回路114を有している。
接地とUtilityラインの地点Q41との間には、可変抵抗回路114が接続されている。これにより、Utilityラインの地点Q41には、可変抵抗回路114を介して0Vが印加される。この可変抵抗回路114は、抵抗R1xとスイッチSW1xの直列回路、抵抗R1yとスイッチSW1yの直列回路、および抵抗R1zとスイッチSW1zの直列回路が並列接続されて構成されている。
上述したHDMIケーブル130-9の抵抗R2x,R2y,R2zと、このソース機器110-9の抵抗R1x,R1y,R1z,R3は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。この値に限定されるものではないが、以下、R1x=400kΩ、R1y=500kΩ、R1z=600kΩ、R2x=100kΩ、R2y=200kΩ、R2z=300kΩ、R3=500kΩとして説明する。
Utilityラインの地点Q41の端子側とは反対側にスイッチSW42が挿入されている。電圧モニタ部112は、Utilityラインの地点Q41の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。また、+5V電源ラインの地点Q42には、5Vの電圧が抵抗R3およびスイッチSW47の直列回路を介して印加される。+5V電源ラインの地点Q42の端子側とは反対側にスイッチSW48が挿入されている。
図68に示す伝送システム10-9において、HDMIケーブル130-9は対応ケーブルであり、ソース機器110-9は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-9は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-9は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-9およびHDMIケーブル130-9の動作の詳細を説明する。図68において、ソース機器110-9およびHDMIケーブル130-9は、初期状態を示している。ソース機器110-9において、スイッチSW1x,SW48は短絡状態とされており、スイッチSW1y,SW1z,SW42,SW47は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-9において、初期状態では、スイッチSW3xは短絡状態とされており、スイッチSW3y,SW3z,SW44,SW46は開放状態とされている。
この初期状態では、SW1x,SW3xが短絡状態とされているので、ソース機器110-9の接地(0V)とHDMIケーブル130-9の+5V電源ラインとの間に、抵抗R1x,R2xが直列に接続され、Utilityラインの地点Q41,P42には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-9の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断する。
同様に、HDMIケーブル130-9の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断する。
ここで、ソース機器110-9において、スイッチSW42が開放状態とされているので、4Vの電圧はソース機器110-9内部に伝搬されず、ソース機器110-9内部に影響を及ぼすことがない。同様に、HDMIケーブル130-9において、スイッチSW44は開放状態とされているので、4Vの電圧はシンク機器320に伝搬されず、シンク機器320に影響を及ぼすことがない。
ソース機器110-9の制御部111は、電圧モニタ部112による4Vのモニタ結果に基づいて、図69に示すように、スイッチSW47を短絡状態とし、その後にスイッチSW48を開放状態とする。ここで、抵抗R1x,R2xに直列に抵抗R3が接続され、Utilityラインの地点Q41,P42には、抵抗分圧により、2Vの電圧が得られる。
このとき、ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9の間にリピータ140等のように+5V電源ラインを分離する中継機器が接続されている場合(後述する図75でスイッチSW47を短絡状態とし、スイッチSW48を開放状態とした場合を参照)、ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9の間でリピータ140によって電源ラインが分離された状態となるので、抵抗R3による発生電圧の変化は起きない。よって、Utilityラインの地点Q41,P42に2Vの電圧が得られるということは、リピータ等の中継機器が接続されていないことを意味する。
ソース機器110-9の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が2Vになったことをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の接続はないと判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-9の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が2Vになったことをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の接続はないと判断し、対応モードで動作するように制御する。
ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9ではそれぞれ対応モードでの動作が開始され、まず情報の送受信が行われる。この場合、ソース機器110-9は、可変抵抗回路114の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、種々の情報をHDMIケーブル130-9に送信できる。HDMIケーブル130-9側では、Utilityラインの地点P42におけるバイアス電圧のモニタ結果が電圧モニタ部133から制御部132に供給される。制御部132は、バイアス電圧値と情報との対応関係を示すテーブルを参照して、ソース機器110-9からの送信情報を理解し、取得する。
また、この場合、HDMIケーブル130-9は、可変抵抗回路135の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、種々の情報をソース機器110-9に送信できる。ソース機器110-9側では、Utilityラインの地点Q41におけるバイアス電圧のモニタ結果が電圧モニタ部112から制御部111に供給される。制御部111は、バイアス電圧値と情報との対応関係を示すテーブルを参照して、HDMIケーブル130-9からの送信情報を理解し、取得する。
ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9との間の情報の送受信が終了すると、図70に示すように、ソース機器110-9の制御部111は、スイッチSW48を短絡状態とし、スイッチSW47を開放状態とし、さらにスイッチSW1群内の全てのスイッチを開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P42の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-9において、電圧モニタ部133は地点P42の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、情報の送受信が終了したと判断し、図71に示すように、スイッチSW3群およびスイッチSW44,SW46の状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3群内の全てのスイッチを開放状態とし、次にスイッチSW44を短絡状態とし、最後にスイッチSW46を短絡状態とする。
スイッチSW46が短絡状態とされることで、ソース機器110-9からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られ、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-9にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られる。これにより、ソース機器110-9の制御部111は、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図72に示すように、スイッチSW42を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
なお、図69の時点で、Utilityラインの地点Q41,P42に4Vの電圧が得られたままである場合、ソース機器110-9およびHDMIケーブル130-9は、それぞれ、以下のように動作する。この場合、ソース機器110-9の制御部111は+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断し、非対応モードで動作するように制御する。すなわち、制御部111は、スイッチSW48を短絡状態とし、スイッチSW47を開放状態とし、スイッチSW1群の全てのスイッチを開放状態とし、さらにスイッチSW42を短絡状態として、通常動作へと移行する。
また、この場合、HDMIケーブル130-9の制御部111は+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断し、非対応モードで動作するように制御する。すなわち、制御部132は、スイッチSW3群の全てのスイッチを開放状態とし、スイッチSW44を短絡状態とし、さらにスイッチSW46を短絡状態として、通常動作へと移行する。
なお、ソース機器110-9は常に+5V電源ラインによる供給可能電流が55mA以上であって対応ケーブルであるHDMIケーブル130-9のアクティブ回路に電流を供給可能に構成されていてもよいが、ソース機器110-9の制御部111は、接続されたHDMIケーブルが対応ケーブルであると共に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断したとき、+5V電源ラインによる供給可能電流を55mA以上とするモードに変更するようにされてもよい。電流供給量のモードを切り替えることで、ソース機器110-9は電源回路部の電力削減を図ることができる。例えば、制御部111は、上述したようにスイッチSW1群内の全てのスイッチを開放状態とする前に、供給可能電流を55mA以上とするモードに変更する。
このように図68に示す伝送システム10-9においては、上述の図57に示す伝送システム10-8と同様に、可変抵抗回路114,135の抵抗値を変えてUtilityラインのバイアス電圧を変化させることで、ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9の間で種々の情報の送受信を行うものであり、DDCライン上にレジスタが不要になる。そのため、レジスタのアクセス情報がDDCラインを通じてシンク機器320に送信されることがなく、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じるということがなくなる。
また、図68に示す伝送システム10-9においては、図42に示す伝送システム10-6と同様に、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-9は、接続されたソース機器が、自身のアクティブ回路に十分に電流を供給し得る対応ソース機器であると判断すると共に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断した場合に、自身のアクティブ回路を動作状態とする。そのため、HDMIケーブル130-9のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器やリピータ等の中継機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
図73は、伝送システム10-9Aの構成例を示している。この伝送システム10-9Aは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-9Aは、送信装置としてのソース機器310と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-9を有している。この図73において、図4、図68と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-9Aにおいては、ソース機器310はレガシーのような非対応ソース機器であり、HDMIケーブル130-9は対応ケーブルである。この場合、ソース機器310は、通常動作をする(図41参照)。
また、HDMIケーブル130-9は、ソース機器が非対応ソース機器であると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点P42の電圧は5Vとなる。HDMIケーブル130-6の電圧モニタ部133は地点P42の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、電圧モニタ部134で5Vが検知されているにもかかわらず、地点P42の電圧が5Vのままであるときは、非対応ソース機器が繋がったと判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部132は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3群の全てのスイッチを開放状態とし、次にスイッチSW44を短絡状態とし、最後にスイッチSW46を短絡状態とする。また、この場合、制御部132は、+5V電源ラインから55mA以上電流を引かないようにアクティブ回路を制御する。例えば、LDOレギュレータ332A,332Bをオフのままとし、アクティブ回路である変換回路331A,331Bを非動作状態(Disable)のままとする。これにより、HDMIケーブル130-9はソース機器310から55mA以上の電流を引くということがなく、ソース機器310が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
なお、上述では、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-9は、ソース機器が対応機器であるか非対応機器であるかによってLDOレギュレータ332A,332Bのオンオフを制御するものであった。しかし、この場合、ソース機器が非対応機器である場合にはLDOレギュレータ332A,332Bがオフとなってアクティブ回路が非動作状態となるので、データ送信ができない状態となる。
従って、ソース機器が非対応ソース機器である場合、HDMIケーブル130-9は、LDOレギュレータ332A,332Bをオフの状態におくのではなく、データレートを落とすことで、ソース機器から引く電流を55mA以下に保証する、ようにされてもよい。これにより、ソース機器が非対応ソース機器であっても、データ送信が可能となる。
図74は、伝送システム10-9Bの構成例を示している。この伝送システム10-9Bは、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-9Bは、送信装置としてのソース機器110-9と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル330Cを有している。この図74において、図4、図68と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この伝送システム10-9Bにおいては、ソース機器110-9は対応ソース機器であり、HDMIケーブル330Cはレガシーのような非対応ケーブルある。この場合、HDMIケーブル330Cは、通常動作をする(図41参照)。
ソース機器110-9は、HDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作する。この場合、初期状態において、Utilityラインの地点Q41の電圧は0Vとなる。ソース機器110-9の電圧モニタ部112は地点Q41の電圧が0Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果とHPDラインがハイレベル(5V)にあることに基づいてHDMIケーブルが非対応ケーブルであると判断し、非対応モードで動作するように制御する。
この場合、制御部111は、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、ソース機器110-9内部へ影響を与えないように、まずスイッチSW1群内の全てのスイッチを開放状態とし、次にスイッチSW42を短絡状態とする。
図75は、詳細説明は省略するが、ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9の間に、+5V電源ラインを分離するリピータ140が接続された伝送システム10-9Cの構成例を示している。この伝送システム10-9Cでは、ソース機器110-9とHDMIケーブル130-9の間にHDMIケーブル330およびリピータ140が直列に挿入されている。なお、制御ラインは、リピータ140内でインとアウトが接続された状態にある。
このような伝送システム10-9Cにおいて、上述したように、ソース機器110-9およびHDMIケーブル130-9は、リピータ140が介在されていることを検知でき、例えば、HDMIケーブル130-9はリピータ140から誤って55mA以上電流を引くことを回避でき、リピータ140の故障を未然に防ぐことが可能となる。
図76は、対応ソース機器であるソース機器110-9のシーケンスの一例を示している。ステップST191において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST192に進む。このステップST192において、制御部111により、電圧モニタ部112で第1のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
第1のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST193において、制御部111により、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断される。そして、ステップST194において、制御部111により、スイッチSW47が開放状態から短絡状態に変更され、その後にスイッチSW48が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST195において、制御部111により、電圧モニタ部112で第2のバイアス電圧(2V)が検知されたか判断される。第2のバイアス電圧(2V)が検知されたとき、制御部111により、HDMIケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断され、ステップST196に進む。このステップST196において、HDMIケーブルとの間で抵抗値変化を用いた情報の送信および受信が行われる。
次に、ステップST197において、制御部111により、スイッチSW48が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW47が短絡状態から開放状態に変更され、さらに、スイッチSW1群内の全てのスイッチが開放状態とされる。
次に、ステップST198において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST199において、制御部111により、スイッチSW42が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST200において、シーケンスが終了される。
また、ステップST195で第2のバイアス電圧(2V)が検知されないとき、制御部111により、HDMIケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断され、ステップST201に進む。このステップST201において、制御部111により、スイッチSW48が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW47が短絡状態から開放状態に変更され、さらに、スイッチSW1群内の全てのスイッチが開放状態とされる。そして、ステップST199において、制御部111により、スイッチSW42が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST200において、シーケンスが終了される。
また、ステップST192で第1のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST202において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST192に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたとき、ステップST203において、制御部111により、非対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断される。
そして、ステップST204において、スイッチSW1群内の全てのスイッチが開放状態に変更される。次に、ステップST199において、制御部111により、スイッチSW42が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST200において、シーケンスが終了される。
図77は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-9のシーケンスの一例を示している。ステップST211において、電圧モニタ部134で5Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST212に進む。このステップST212において、制御部132により、電圧モニタ部133で第1のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
第1のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST213において、制御部132により、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断される。そして、ステップST214において、制御部132により、電圧モニタ部133で第2のバイアス電圧(2V)が検知されたか判断される。
第2のバイアス電圧(2V)が検知されたとき、制御部132により、ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断され、ステップST215に進む。このステップST215において、ソース機器との間で抵抗値変化を用いた情報の送信および受信が行われる。
次に、ステップST216において、電圧モニタ部133で5Vが検知されると、ステップST217において、制御部132により、スイッチSW3群内の全てのスイッチが開放状態とされ、スイッチSW44が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW46が開放状態から短絡状態に変更される。
次に、ステップST218において、LDOレギュレータ332A,332Bがオンとされてアクティブ回路が動作状態(Enable)とされた後に、ステップST219において、シーケンスが終了される。
また、ステップST214で第2のバイアス電圧(2V)が検知されないとき、制御部132により、ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断され、ステップST220に進む。このステップST220において、制御部132により、スイッチSW3群内の全てのスイッチが開放状態とされ、スイッチSW44が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW46が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST219において、シーケンスが終了される。
また、ステップST212で第1のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST221において、制御部132により、非対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断される。そして、ステップST220において、制御部132により、スイッチSW3群内の全てのスイッチが開放状態とされ、スイッチSW44が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW46が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST219において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-9の各スイッチおよびHDMIケーブル130-9の各スイッチは、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
「実施形態10」
例えば、上述の図68に示した伝送システム10-9において、アクティブ回路への給電を、ソース機器110-9から+5V電源ラインを介して行うのではなく、例えばHDMIに規定されているピン以外に給電端子を用意し、外部から行う場合が考えられる。この外部給電はアクティブ回路だけに繋がり、アクティブ回路への電流供給だけに使われる場合は問題ない。
しかし、例えば、図78に示す伝送システム10-9Dに示すように、+5V電源ラインに直接接続された場合、HPDがソース機器110-9に戻るタイミングを制御できず、上記で説明したシーケンスが成り立たなくなる。なお、詳細説明は省略するが、伝送システム10-9Dは、送信装置としてのソース機器110-9と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続する、外部給電端子を持つHDMIケーブル130-9Dを有している。
上記不都合を回避するために、図79の伝送システム10-10に示すように、外部給電端子と+5V電源ラインとの間にスイッチSW49を設け、シーケンスが全て終了した後に当該スイッチSW49を閉じることで対応可能である。または外部給電端子と+5V電源ラインとの間にスイッチを設けるのではなく、外部給電端子と+5Vとの接続点からシンク機器320側にスイッチを設けても良い。なお、詳細説明は省略するが、伝送システム10-10は、送信装置としてのソース機器110-9と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続する、外部給電端子を持つと共にスイッチSW49が設けられたHDMIケーブル130-10を有している。
「実施形態10」
図80は、伝送システム10-10の構成例を示している。この伝送システム10-10は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-10は、送信装置としてのソース機器110-10と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-10を有している。この図80において、図42、図7と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-10は、レジスタ131を有する対応ケーブルである。このHDMIケーブル130-10は、レジスタ131の他に、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW3,SW4,SW5、SW6および分圧用の抵抗R2を有している。
レジスタ131は、DDCラインの地点P1に接続されている。このDDCラインの地点P1よりシンク機器320側に、スイッチSW5が挿入されている。Utilityラインの地点P2と+5V電源ラインの地点P3との間には、抵抗R2およびスイッチSW3の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点P2には、5Vが、抵抗R2およびスイッチSW3の直列回路を介して印加される。このUtilityラインの地点P2よりシンク機器320側に、スイッチSW4が挿入されている。また、+5V電源ラインの地点P3よりシンク機器320側に、スイッチSW6が挿入されている。
電圧モニタ部133は、Utilityラインの地点P2の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。電圧モニタ部134は、+5Vの電源ラインの地点P3の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、HDMIケーブル130-10の各部の動作を制御する。
ソース機器110-10は、対応ソース機器である。このソース機器110-10は、各部の動作を制御する制御部111の他に、電圧モニタ部112、スイッチSW1,SW2,SW7,SW8および分圧用の抵抗R1,R3を有している。上述したHDMIケーブル130-10の抵抗R2とこのソース機器110-10の抵抗R1,R3は、それぞれ、消費電流を少なくするためにはある程度大きな値であることが望ましい。以下、R1=400kΩ、R2=100kΩ、R3=500kΩとして説明する。
接地とUtilityラインの地点Q1との間には、抵抗R1およびスイッチSW1の直列回路が接続されている。これにより、Utilityラインの地点Q1には、接地電圧である0Vが抵抗R1およびスイッチSW1の直列回路を介して印加される。Utilityラインの地点Q1の端子側とは反対側にスイッチSW2が挿入されている。電圧モニタ部112は、Utilityラインの地点Q1の電圧をモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。また、+5V電源ラインの地点Q2には、5V電源が抵抗R3およびスイッチSW7の直列回路を介して印加される。+5V電源ラインの地点Q2の端子側とは反対側にスイッチSW8が挿入されている。
図80に示す伝送システム10-10において、HDMIケーブル130-10は対応ケーブルであり、ソース機器110-10は対応ソース機器である。そのため、ソース機器110-10は、接続されているHDMIケーブルが対応ケーブルであると判断し、対応モードで動作する。同様に、HDMIケーブル130-10は、接続されているソース機器が対応ソース機器であると判断し、対応モードで動作する。
ソース機器110-10およびHDMIケーブル130-10の動作の詳細を説明する。図80において、ソース機器110-10およびHDMIケーブル130-10は、初期状態を示している。ソース機器110-10において、初期状態では、スイッチSW1,SW8は短絡状態とされており、スイッチSW2,SW7は開放状態とされている。一方、HDMIケーブル130-10において、初期状態では、スイッチSW3,SW4,SW5,SW6は開放状態とされている。
HDMIケーブル130-10の制御部132は、電圧モニタ部134のモニタ結果を受けて、+5Vの電源ラインの地点P3の電圧、つまり+5Vの電源ラインの電圧が5Vに安定したことを検知すると、スイッチSW3を、図81に示すように、短絡状態にする。このように電源ラインの電圧が5Vに安定した状態となってからスイッチSW3を短絡状態とすることで、ケーブル挿入時の電源ラインの電圧が不安定な状態が原因でソース機器110-10およびHDMIケーブル130-10のネゴシエーションの開始タイミングがずれることを避けることができる。
スイッチSW3が短絡状態になると、ソース機器110-10の接地(0V)とHDMIケーブル130-10の+5V電源ラインとの間に、抵抗R1,R2が直列に接続され、Utilityラインの地点Q1,P2には、抵抗分圧により、4Vの電圧が得られる。
ソース機器110-10の電圧モニタ部112は地点Q1の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断する。同様に、HDMIケーブル130-10の電圧モニタ部133は地点P2の電圧が4Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断する。
ここで、ソース機器110-10において、スイッチSW2が開放状態とされているので、4Vの電圧はソース機器110-10内部に伝搬されず、ソース機器110-10内部に影響を及ぼすことがない。同様に、HDMIケーブル130-10において、スイッチSW4は開放状態とされているので、4Vの電圧はシンク機器320に伝搬されず、シンク機器320に影響を及ぼすことがない。
ソース機器110-10の制御部111は、電圧モニタ部112による4Vのモニタ結果に基づいて、図82に示すように、スイッチSW7を短絡状態とし、その後にスイッチSW8を開放状態とする。ここで、抵抗R1,R2に直列に抵抗R3が接続され、Utilityラインの地点Q1,P2には、抵抗分圧により、2Vの電圧が得られる。
ここで、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間に、リピータ140(図50参照)等のように+5V電源ラインを分離する中継機器が接続されている場合、抵抗R3による発生電圧の変化は起きない。よって、Utilityラインの地点Q1,P2に2Vの電圧が得られるということは、リピータ等の中継機器が接続されていないこととなる。
ソース機器110-10の電圧モニタ部112は地点Q1の電圧が2Vになったことをモニタし、そのモニタ結果を制御部111に送る。制御部111は、このモニタ結果に基づいて、対応ケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の接続はないと判断し、対応モードで動作するように制御する。
同様に、HDMIケーブル130-10の電圧モニタ部133は地点P2の電圧が2Vになったことをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。制御部132は、このモニタ結果に基づいて、対応ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の接続はないと判断し、対応モードで動作するように制御する。
なお、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間にリピータ等の中継機器の接続がある場合、スイッチSW7を短絡状態とし、スイッチSW8を開放状態としても、Utilityラインの地点Q1,P2の電圧は4Vのままに置かれる。この場合、ソース機器110-10の制御部111は、自身でスイッチSW7,SW8の状態切り替えを制御しているので、スイッチSW7,SW8の状態切り替えを行っても地点Q1の電圧が4Vのままにあることから、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間にリピータ等の中継機器の接続があると判断できる。
しかし、HDMIケーブル130-10の制御部132は、ソース機器110-10のスイッチSW7,SW8の状態切り替えが行われるタイミングが不明であるので、地点P2の電圧のモニタ結果では、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間にリピータ等の中継機器の接続があると判断できない。そこで、この場合、ソース機器110-10の制御部111は、スイッチSW1を開放状態として、Utilityラインの地点P2の電圧は5Vとし、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間にリピータ等の中継機器の接続があることを、HDMIケーブル130-10の制御部132に知らせる。
このようにソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間にリピータ等の中継機器の接続がある場合、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10は、所定の手順を踏んで通常動作へ移行する。
ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10の間にリピータ等の中継機器の接続がない場合、ソース機器110-10は対応モードで動作するように制御される。そのため、制御部111は、DDCラインを介して、HDMIケーブル130-10のレジスタ131にアクセス(リード/ライト)する。この場合、制御部111は、レジスタ131に存在するHDMIケーブル130-10の仕様情報等を読み出して利用でき、また、ソース機器110-10の電流供給能力の情報を書き込むことができる。HDMIケーブル130-10の制御部132は、通常動作に移行した後に、レジスタ131に書き込まれたソース機器110-10の電流供給能力の情報を読み出して利用できる。
なお、制御部111がDDCラインを介してレジスタ131にアクセス(リード/ライト)する場合、スイッチSW5が開放状態にあるので、シンク機器320にレジスタ131のアクセス情報が送信されることを防止でき、該当アドレスが定義されていないシンク機器320で誤動作を生じてしまうことが回避される。
ソース機器110-10の制御部111は、上述したレジスタ131へのアクセス(リード/ライト)が終了した後に、図83に示すように、スイッチSW8を短絡状態とし、スイッチSW7を開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P2の電圧は、再び4Vとなる。HDMIケーブル130-10において、電圧モニタ部133は地点P2の電圧が4Vとなることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、図84に示すように、スイッチSW6を短絡状態とする。このようにスイッチSW6が短絡状態とされることで、ソース機器110-10からシンク機器320に+5V電源ラインを通じて5V電圧が送られた場合、それに伴ってシンク機器320からソース機器110-10にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)を送ることが可能な状態となる。
この場合、ソース機器110-10のスイッチSW1は短絡状態にあると共に、HDMIケーブル130-10のスイッチSW3も短絡状態にあるので、Utilityラインの地点Q1の電圧は4Vとなっている。そのため、ソース機器110-10の制御部111は、ソース機器110-10からHDMIケーブル130-10が抜去された場合に、そのことを電圧モニタ部112のモニタ結果から検知でき、誤動作を起こさないようにスイッチを初期状態に戻す等の対処をすることが可能となる。
例えば、図85に示すように、HDMIケーブル130-10に対してシンク機器320が非接続の状態にあった場合、シンク機器320からソース機器110-10にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られない状態が続く。この状態で、ソース機器110-10からHDMIケーブル130-10が抜去された場合、Utilityラインの地点Q1の電圧は4Vから0Vに変化する。これにより、ソース機器110-10の制御部111は、ソース機器110-10からHDMIケーブル130-10が抜去されたことを検知できる。
ソース機器110-10の制御部111は、シンク機器320からソース機器110-6にHPDラインを介して5V電圧(接続検知信号)が送られてくるとき、ケーブルの準備が完了したことを認識し、図86に示すように、スイッチSW1を開放状態とする。そのため、Utilityラインの地点P2の電圧は5Vとなる。
HDMIケーブル130-10において、電圧モニタ部133は地点P2の電圧が5Vであることをモニタし、そのモニタ結果を制御部132に送る。
制御部132は、このモニタ結果に基づいて、図87に示すように、各スイッチの状態を変更して、通常動作へと移行する。この場合、シンク機器320へ影響を与えないように、まずスイッチSW3を開放状態とし、次にスイッチSW4を短絡状態とし、また、スイッチSW5を短絡状態とする。また、ソース機器110-10の制御部111は、スイッチSW1を開放状態としてから一定時間待機後に、図88に示すように、スイッチSW2を短絡状態とし、通常動作へと移行する。
上述では、HDMIケーブル130-10にレジスタ131が存在する場合について説明したが、ソース機器110-10からのレジスタアクセスが無いことが分かっている場合は、HDMIケーブル130-10はレジスタ131およびスイッチSW5を持たなくてもよい。なお、ソース機器110-10からのレジスタアクセスがあるか否かわからない場合は、HDMIケーブル130-10がレジスタ131を持たなくても、スイッチSW5を設けておくことで、シンク機器320への未定義アドレスの送信を防ぐことができ、シンク機器320における誤動作の発生を未然に回避できる。
このように図80に示す伝送システム10-10においては、+5Vの電源ラインの電圧が5Vに安定した後に、HDMIケーブル130-10のスイッチSW3が短絡状態とされ、ソース機器110-10の接地(0V)とHDMIケーブル130-10の+5V電源ラインとの間に、抵抗R1,R2が直列に接続され、Utilityラインの地点Q1,P2に4Vの電圧が得られる。そのため、ソース機器110-10では対応HDMIケーブルの接続があると判断することが可能となり、HDMIケーブル130-10では対応ソース機器の接続があると判断することが可能となる。
また、図80に示す伝送システム10-10においては、スイッチSW7が短絡状態とされ、スイッチSW8を開放状態とされ、ソース機器110-10の接地(0V)と5V電源との間に、抵抗R1,R2,R3が直列に接続され、Utilityラインの地点Q1,P2に2Vの電圧が得られる。そのため、ソース機器110-10とHDMIケーブル130-10はそれぞれ間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断することが可能となる。
また、図80に示す伝送システム10-10においては、ソース機器110-10で、HPDラインを介してシンク機器320から接続検知信号を受け取るまでは、スイッチSW1は短絡状態とされ、Utilityラインの地点Q1に4Vの電圧が得られた状態におかれる。そのため、ソース機器110-10からHDMIケーブル130-10が抜去された場合、Utilityラインの地点Q1の電圧が4Vから0Vに変化することから、ソース機器110-10は当該抜去を検知でき、誤動作を起こさないようにスイッチを初期状態に戻す等の対処をすることが可能となる。
図89は、対応ソース機器であるソース機器110-10のシーケンスの一例を示している。ステップST231において、例えば電源スイッチがオンとされて+5Vが立ち上げられると、シーケンスが開始され、ステップST232に進む。このステップST232において、制御部111により、電圧モニタ部112で第1のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。
第1のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST233において、制御部111により、対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断される。そして、ステップST234において、制御部111により、スイッチSW7が開放状態から短絡状態に変更され、その後にスイッチSW8が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST235において、制御部111により、電圧モニタ部112で第2のバイアス電圧(2V)が検知されたか判断される。第2のバイアス電圧(2V)が検知されたとき、制御部111により、HDMIケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断され、ステップST236に進む。このステップ236において、制御部111により、HDMIケーブルのレジスタへのアクセス(リード/ライト)が行われる。
そして、HDMIケーブルのレジスタへのアクセスが終了した後、ステップST237において、制御部111により、スイッチSW8が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW7が短絡状態から開放状態に変更される。
次に、ステップST238において、制御部111により、HPDラインがハイレベル(5V)になったことが検知されると、ステップST239において、制御部111により、スイッチSW1が短絡状態から開放状態に変更される。そして、一定時間待機後に、ステップST240において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更され、その後、ステップST241において、シーケンスが終了される。
また、ステップS235で第2のバイアス電圧(2V)が検知されないとき、制御部111により、HDMIケーブルとの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断され、ステップST242に進む。このステップST242において、制御部111により、スイッチSW8が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW7が短絡状態から開放状態に変更され、さらに、スイッチSW1が短絡状態から開放状態に変更される。そして、ステップST240において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST241において、シーケンスが終了される。
また、ステップST232で第1のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST243において、制御部111により、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたか否かが判断される。HPDラインのハイレベル(5V)が検知されないとき、ステップST232に戻る。一方、HPDラインのハイレベル(5V)が検知されたとき、ステップST244において、制御部111により、非対応ケーブルであるHDMIケーブルの接続があると判断される。
そして、ステップST245において、スイッチSW1が短絡状態から開放状態に変更される。次に、ステップST240において、制御部111により、スイッチSW2が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST241において、シーケンスが終了される。
図90は、対応ケーブルであるHDMIケーブル130-10のシーケンスの一例を示している。ステップST251において、電圧モニタ部134で5Vの電圧が検知されると、シーケンスが開始され、ステップST252に進む。このステップST252において、制御部132により、+5V電源ラインの5Vの電圧が安定してから、スイッチSW3が開放状態から短絡状態に変更される。
次に、ステップST253において、制御部132により、電圧モニタ部133で第1のバイアス電圧(4V)が検知されたか判断される。第1のバイアス電圧(4V)が検知されたとき、ステップST254において、制御部132により、対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断される。
次に、ステップST255において、制御部132により、電圧モニタ部133で第2のバイアス電圧(2V)が検知されたか判断される。第2のバイアス電圧(2V)が検知されたとき、制御部132により、ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断され、ステップST256に進む。このステップST256において、電圧モニタ部133で第1のバイアス電圧(4V)が検知されると、ステップST257に進む。
このステップST257において、制御部132により、スイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。次に、ステップST258において、電圧モニタ部133で5Vが検知されると、ステップST259において、制御部132により、スイッチSW3が短絡状態から開放状態に変更され、スイッチSW4が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW5が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST260において、シーケンスが終了される。
また、ステップST255で第2のバイアス電圧(2V)が検知されないとき、電圧モニタ部133で5Vが検知された後に、制御部132により、ソース機器との間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在があると判断され、ステップST261に進む。このステップST261において、制御部132により、スイッチSW3が短絡状態から開放状態に変更され、スイッチSW4が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW5が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST260において、シーケンスが終了される。
また、ステップST253で第1のバイアス電圧(4V)が検知されないとき、ステップST262において、制御部132により、非対応ソース機器であるソース機器の接続があると判断される。そして、ステップST261において、制御部132により、スイッチSW3が短絡状態から開放状態に変更され、スイッチSW4が開放状態から短絡状態に変更され、スイッチSW5が開放状態から短絡状態に変更され、さらにスイッチSW6が開放状態から短絡状態に変更される。そして、ステップST260において、シーケンスが終了される。
なお、ソース機器110-10のスイッチSW1,SW2,SW7,SW8およびHDMIケーブル130-10のスイッチSW3,SW4,SW5,SW6は、+5V電源ラインの電圧が落ちたら、初期状態にリセットされる。
「実施形態11」
図91は、伝送システム10-11の構成例を示している。この伝送システム10-11は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-11は、送信装置としてのソース機器110-11と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-11を有している。この図91において、図80、図39と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
ソース機器110-11は、図80の伝送システム10-10におけるソース機器110-10と同様の構成とされる。HDMIケーブル130-11は、図80の伝送システム10-10におけるHDMIケーブル130-10が通常のHDMIケーブルであるのに対して、AOC(Active Optical Cable)である。
そのため、HDMIケーブル130-11は、レジスタ131、制御部132、電圧モニタ部133,134、スイッチSW3,SW4,SW5,SW6の他に、変換回路331A,331B、LDOレギュレータ332A,332B、電流駆動部333BなどのAOC構成回路を有している。
この伝送システム10-11においても、詳細説明は省略するが、図80の伝送システム10-10と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
なお、この伝送システム10-11においては、HDMIケーブル130-11の制御部132は、ソース機器110-11からレジスタ131を通して通達される電流供給能力情報、つまり自身が55mA以上電流を引いても良いという情報に基づいて、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとして、+5Vの電源ラインから55mA以上を引くように制御できる。この場合、例えば、図90のHDMIケーブルのシーケンスにおいて、ステップST259の処理の後に、LDOレギュレータ332A,332Bがオンとされてアクティブ回路が動作状態(Enable)とされる。これにより、HDMIケーブル130-11のアクティブ回路では適切な動作が可能となり、また、ソース機器が過電流に耐えられず故障を起こすことを回避できる。
また、HDMIケーブル130-11がレジスタ131を備えていない場合、HDMIケーブル130-11の制御部132は、ソース機器110-11が対応ケーブルであるとの判断に基づいて、ソース機器110-11が十分な電流供給能力情報を有しているものとし、LDOレギュレータ332A,332Bをオンとして、+5Vの電源ラインから55mA以上を引くように制御することも考えられる。
「実施形態12」
図92は、伝送システム10-12の構成例を示している。この伝送システム10-12は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-12は、送信装置としてのソース機器110-12と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-12を有している。この図92において、図80と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-12は、図80の伝送システム10-10におけるHDMIケーブル130-10と同様の構成とされる。ソース機器110-12は、図80の伝送システム10-10におけるソース機器110-10がスイッチSW7を備えているのに対して、このスイッチSW7が除かれており、その他は同様の構成とされ、同様の動作をする。
この伝送システム10-12においても、詳細説明は省略するが、図80の伝送システム10-10と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
「実施形態13」
図93は、伝送システム10-13の構成例を示している。この伝送システム10-13は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-13は、送信装置としてのソース機器110-13と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-13を有している。この図93において、図91と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-13は、図91の伝送システム10-11におけるHDMIケーブル130-11と同様の構成とされる。ソース機器110-13は、図91の伝送システム10-11におけるソース機器110-11がスイッチSW7を備えているのに対して、このスイッチSW7が除かれており、その他は同様の構成とされ、同様の動作をする。
この伝送システム10-13においても、詳細説明は省略するが、図91の伝送システム10-11と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
「実施形態14」
図94は、伝送システム10-14の構成例を示している。この伝送システム10-14は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-14は、送信装置としてのソース機器110-14と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-14を有している。この図94において、図80、図92と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-14は、図92の伝送システム10-12におけるHDMIケーブル130-12と同様の構成とされる。ソース機器110-14は、図92の伝送システム10-12におけるソース機器110-12が抵抗R3を備えているのに対して、これに代えてLDO(Low Drop Out)レギュレータ115が配置されている。このLDOレギュレータ115は、制御部111によって制御され、スイッチSW8が開放状態とされるタイミングで3Vの電圧を発生し、スイッチSW8が短絡状態にある場合は、5Vの電圧を発生するように制御される。
このようにLDOレギュレータ115は、スイッチSW8が開放状態とされるタイミングで3Vの電圧を発生するので、ソース機器110-14の接地(0V)と3V電源との間に、抵抗R1,R2が直列に接続された状態となり、Utilityラインの地点Q1,P2に2Vの電圧が得られる。これにより、図80、図92の伝送システム10-10,10-12と同様に、ソース機器110-14とHDMIケーブル130-14はそれぞれの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断することが可能となる。
この伝送システム10-14においても、詳細説明は省略するが、図80、図92の伝送システム10-10,10-12と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。また、この伝送システム10-14においては、抵抗R3の代わりにLDOレギュレータ115を用いることで、スイッチSW8を開放状態としたときに、+5V電源ラインに安定した3Vの電圧を印加し、Utilityラインの地点Q1,P2に2Vの電圧を精度よく発生させることができ、リピータ等の中継機器の介在はないとの判断を精度よく行うことが可能となる。因みに、抵抗R3による電圧降下を利用する場合には、この抵抗R3を介してR1とR2のシリーズ抵抗に流れる電流以外に大きな電流が引かれる場合には、この抵抗R3における電圧降下が大きくなり、+5V電源ラインに3Vに満たない電圧が印加される可能性がある。
「実施形態15」
図95は、伝送システム10-15の構成例を示している。この伝送システム10-15は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-15は、送信装置としてのソース機器110-15と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-15を有している。この図95において、図93、図94と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-15は、図93の伝送システム10-13におけるHDMIケーブル130-13と同様の構成とされる。ソース機器110-15は、図93の伝送システム10-13におけるソース機器110-13が抵抗R3を備えているのに対して、これに代えてLDO(Low Drop Out)レギュレータ115が配置されている。このLDOレギュレータ115は、制御部111によって制御され、スイッチSW8が開放状態とされるタイミングで3Vの電圧を発生し、スイッチSW8が短絡状態にある場合は、5Vの電圧を発生するように制御される。
この伝送システム10-15においても、詳細説明は省略するが、図93、図94の伝送システム10-13,10-14と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
「実施形態16」
図96は、伝送システム10-16の構成例を示している。この伝送システム10-16は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-16は、送信装置としてのソース機器110-16と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-16を有している。この図96において、図80、図92、図94と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-14は、図94の伝送システム10-14におけるHDMIケーブル130-14と同様の構成とされる。ソース機器110-16は、図94の伝送システム10-14におけるソース機器110-14がLDOレギュレータ115およびスイッチSW8を備えているのに対して、これらに代えて+5V電源ラインの電圧を設定するLDOレギュレータ116が配置されている。このLDOレギュレータ116は、制御部111によって制御され、図94の伝送システム10-14でスイッチSW8が開放状態とされると同様のタイミングで3Vの電圧を発生し、その他のタイミングでは5Vの電圧を発生するように制御される。
このようにLDOレギュレータ116は、図94の伝送システム10-14でスイッチSW8が開放状態とされると同様のタイミングで3Vの電圧を発生するので、ソース機器110-16の接地(0V)と3V電源との間に、抵抗R1,R2が直列に接続された状態となり、Utilityラインの地点Q1,P2に2Vの電圧が得られる。これにより、図80、図92、図94の伝送システム10-10,10-12,10-14と同様に、ソース機器110-16とHDMIケーブル130-16はそれぞれの間に+5V電源ラインを分離するリピータ等の中継機器の介在はないと判断することが可能となる。
この伝送システム10-16においても、詳細説明は省略するが、図80、図92、図94の伝送システム10-10,10-12,10-14と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。また、この伝送システム10-16においては、スイッチSW8を用いないので、このスイッチSW8の開放、短絡の切り替え時に発生するリップルで動作の不安定となることを回避できる。
「実施形態17」
図97は、伝送システム10-17の構成例を示している。この伝送システム10-17は、デジタルインタフェースとしてHDMIを用いたHDMI伝送システムである。この伝送システム10-17は、送信装置としてのソース機器110-17と、受信装置としてのシンク機器320と、これらを接続するHDMIケーブル130-17を有している。この図97において、図95、図96と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
HDMIケーブル130-17は、図95の伝送システム10-15におけるHDMIケーブル130-15と同様の構成とされる。ソース機器110-17は、図95の伝送システム10-15におけるソース機器110-15がLDOレギュレータ115およびスイッチSW8を備えているのに対して、これらに代えて+5V電源ラインの電圧を設定するLDOレギュレータ116が配置されている。このLDOレギュレータ116は、制御部111によって制御され、図95の伝送システム10-15でスイッチSW8が開放状態とされると同様のタイミングで3Vの電圧を発生し、その他のタイミングでは5Vの電圧を発生するように制御される。
この伝送システム10-17においても、詳細説明は省略するが、図95、図96の伝送システム10-15,10-16と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
<2.変形例>
なお、上述の実施形態10から実施形態17においては、ソース機器で、HPDラインを介してシンク機器から接続検知信号を受け取るまでは、スイッチSW1を短絡状態とし、Utilityラインの地点Q1に4Vの電圧が得られる状態にして、ソース機器からHDMIケーブルが抜去された場合に、ソース機器でそのことを検知可能にしている。詳細説明は省略するが、その他の実施の形態においても、同様の構成として、同様の効果を得るようにすることも考えられる。
また、上述実施の形態においては、Utilityラインや電源ラインを用いてソース機器とHDMIケーブルが対応品か否かを判断する例を示したが、使用するラインはこれに限定されるものではなく、その他のラインを使用することも考えられる。
また、上述実施の形態においては、ソース機器とシンク機器をHDMIケーブルで接続する伝送システムを例にとって説明した。しかし、本技術は、送信装置と受信装置とを“VESA Plug and Display(P&D) Specification”で定義されている仕組みを使うケーブルにも同様に適用可能なため、DVI、MHL、Display Port等にも適用できる。また、本技術は、AOCやACCに限らず、無線通信等に応用することも可能である。さらに、本技術は、USBケーブルなどにも同様に適用し得ることは勿論である。
例えば、「Display Port」を使った場合の構成について簡単に説明する。図98(a)は、「Display Port」におけるピン配置を示している。AuX+/-はHDMIのDDCに対応し、3.3VはHDMIの+5Vに対応する。ホットプラグ検出はHDMIのHPDに対応している。
図15に記載した構成であれば+5V電源ラインの代わりに3.3V電源ラインを用いれば可能である。図7の構成の場合、Utilityラインの代わりに、14ピンのGNDを用いてもよい。片方がレガシーのような非対応品であった場合、図7に示すスイッチSW2またはスイッチSW4が存在しないため、GNDとショートすることになるが、図11のようにソース機器が非対応の場合は、ケーブル側も0Vのため問題はない。図12のようにケーブルが非対応の場合も、3.3Vが100kΩを介してGNDに接続されるため、漏れ電流としては33μAと非常に小さいため問題はない。
また、本技術は、「Thunderbolt」へも適用可能である。図98(b)は、「Thunderbolt」におけるピン配置を示している。「Thunderbolt」の場合、+5Vラインに相当するのが「DPPWR」である。HPDはもとから用意されている。HDMIではUtilityラインを使って抵抗分圧をソースとケーブル間で行う例を記載したが、「Thunderbolt」の場合、No.10あるいはNo.12のリザーブを使えばよい。
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)第1の電子機器と第2の電子機器の間に接続されるケーブルであって、
上記第1の電子機器が対応電子機器であるか否かを判断する判断部と、
上記判断部の判断結果に基づき、上記第1の電子機器が対応電子機器であるときは対応モードで動作し、上記第1の電子機器が対応電子機器でないときは非対応モードで動作するように制御する制御部を備える
ケーブル。
(2)上記判断部は、所定電圧が分圧用抵抗を介して印加されている所定ラインの電圧モニタ結果に基づき上記第1の電子機器が対応電子機器であるか否かを判断する
前記(1)に記載のケーブル。
(3)上記分圧用抵抗と直列に第1のスイッチが接続されており、
上記第1のスイッチは、上記判断が行われるときは短絡状態とされる
前記(2)に記載のケーブル。
(4)上記所定ラインの上記電圧モニタを行う地点より上記第2の電子機器側に第2のスイッチが挿入されており、
上記第2のスイッチは、上記判断が行われるときは開放状態とされる
前記(3)に記載のケーブル。
(5)上記制御部は、上記対応モードでは、上記電圧モニタで上記所定ラインの電圧が上記所定電圧となったとき、上記第1のスイッチを短絡状態から開放状態にした後に、上記第2のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(4)に記載のケーブル。
(6)通信ラインに接続されたレジスタをさらに備え、
上記通信ラインの上記レジスタが接続されている地点より上記第2の電子機器側に第3のスイッチが接続されており、
上記制御部は、上記対応モードでは、上記第1の電子機器から上記レジスタがアクセスされたことを確認した後に、上記第3のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(1)から(5)のいずれかに記載のケーブル。
(7)上記制御部は、所定電圧が分圧用抵抗を介して印加されている所定ラインの電圧モニタ結果に基づき、上記第1の電子機器から上記レジスタがアクセスされたことを確認する
前記(6)に記載のケーブル。
(8)電源ラインに第4のスイッチが挿入されており、
上記制御部は、上記対応モードでは、上記第3のスイッチを開放状態から短絡状態にした後に、上記第4のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(6)または(7)に記載のケーブル。
(9)上記制御部は、上記非対応モードでは、上記第1の電子機器から上記レジスタがアクセスされたことを確認することなく、上記第3のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(6)から(8)のいずれかに記載のケーブル。
(10)電源ラインに第4のスイッチが挿入されており、
上記制御部は、上記非対応モードでは、上記第3のスイッチを開放状態から短絡状態にした後に、上記第4のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(9)に記載のケーブル。
(11)電源ラインに接続された電流消費部をさらに備え、
上記制御部は、上記対応モードでは、上記第1の電子機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことを確認した後に、上記電流消費部を電流非消費状態から電流消費状態にする
前記(1)から(5)のいずれかに記載のケーブル。
(12)上記電源ラインに第5のスイッチが挿入されており、
上記制御部は、上記対応モードでは、上記第1の電子機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことを確認した後に、上記第5のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(11)に記載のケーブル。
(13)上記制御部は、所定電圧が分圧用抵抗を介して印加されている所定ラインの電圧モニタ結果に基づき、上記第1の電子機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことを確認する
前記(11)に記載のケーブル。
(14)上記制御部は、上記非対応モードでは、上記第1の電子機器で自身のケーブルが対応ケーブルであると判断されたことを確認することなく、上記第5のスイッチを開放状態から短絡状態にする
前記(12)に記載のケーブル。
(15)上記制御部は、上記第1の電子機器が対応電子機器であって、さらに上記第1の電子機器との間に電源ラインを分離する中継機器の介在がないとき、上記対応モードで動作するように制御する
前記(1)または(2)に記載のケーブル。
(16)上記制御部は、所定電圧が分圧用抵抗を介して印加されている所定ラインの電圧が第1の電圧となることで上記第1の電子機器が対応電子機器であると判断し、その後上記所定ラインの電圧が第2の電圧に変化することで上記第1の電子機器との間に上記中継機器の介在がないと判断する
前記(15)に記載のケーブル。
(17)上記対応モードで動作するときに機能する、上記第1の電子機器との間で情報伝送を行う情報伝送部をさらに備える
前記(1)または(2)に記載のケーブル。
(18)上記情報伝送部は、
所定ラインに接続された可変抵抗回路を有し、
上記可変抵抗回路の抵抗値を変化させることで上記第1の電子機器に任意の情報を送信する
前記(17)に記載のケーブル。
(19)上記情報伝送部は、
上記可変抵抗回路の抵抗値を所定値に固定した状態で上記所定ラインの電圧をモニタすることで上記第1の電子機器から所定の情報を受信する
前記(18)に記載のケーブル。
(20)第1の電子機器と第2の電子機器の間に接続されるケーブルの制御方法であって、
判断部が、上記第1の電子機器が対応電子機器であるか否かを判断する判断ステップと、
制御部が、上記判断部の判断結果に基づき、上記第1の電子機器が対応電子機器であるときは対応モードで動作し、上記第1の電子機器が対応電子機器でないときは非対応モードで動作するように制御する制御ステップを有する
ケーブルの制御方法。
(21)第1の電子機器と第2の電子機器の間に接続される接続装置であって、
上記第1の電子機器が対応電子機器であるか否かを判断する判断部と、
上記判断部の判断結果に基づき、上記第1の電子機器が対応電子機器であるときは対応モードで動作し、上記第1の電子機器が対応電子機器でないときは非対応モードで動作するように制御する制御部を備える
接続装置。
(22)ケーブルを介して外部機器に接続される電子機器であって、
上記ケーブルが対応ケーブルであるか否かを判断する判断部と、
上記判断部の判断結果に基づき、上記ケーブルが対応ケーブルであるときは対応モードで動作し、上記ケーブルが対応ケーブルでないときは非対応モードで動作するように制御する制御部を備える
電子機器。
(23)上記判断部は、所定電圧が分圧用抵抗を介して印加されている所定ラインの電圧モニタ結果に基づき上記ケーブルが対応ケーブルであるか否かを判断する
前記(22)に記載の電子機器。
(24)上記分圧用抵抗と直列に第1のスイッチが接続されており、
上記第1のスイッチは、上記判断が行われるときは短絡状態とされる
前記(23)に記載の電子機器。
(25)上記所定ラインの上記電圧モニタを行う地点の端子側とは反対側に第2のスイッチが挿入されており、
上記第2のスイッチは、上記判断が行われるときは開放状態とされる
前記(24)に記載の電子機器。
(26)上記制御部は、上記対応モードでは、接続検知ラインがハイレベルになったことを検知した後に、上記第1のスイッチを短絡状態から開放状態にする
前記(24)または(25)に記載の電子機器。
(27)上記制御部は、上記非対応モードでは、上記第1のスイッチを短絡状態から開放状態にする
前記(24)に記載の電子機器。
(28)上記制御部は、上記対応モードでは、上記第1のスイッチを短絡状態から開放状態にする前に、通信ラインを通じて上記ケーブルのレジスタにアクセスする
前記(24)から(26)のいずれかに記載の電子機器。
(29)上記制御部は、上記対応モードでは、上記第1のスイッチを短絡状態から開放状態にする前に、電源ラインによる供給可能電流を第1の電流から該第1より高い第2の電流に変更する
前記(24)から(26)のいずれかに記載の電子機器。
(30)上記制御部は、上記ケーブルが対応ケーブルであって、さらに上記ケーブルとの間に電源ラインを分離する中継機器の介在がないとき、上記対応モードで動作するように制御する
前記(22)または(23)に記載の電子機器。
(31)上記制御部は、所定電圧が分圧用抵抗を介して印加されている所定ラインの電圧が第1の電圧となることで上記ケーブルが対応ケーブルであると判断し、その後上記所定ラインの電圧が第2の電圧に変化することで上記ケーブルとの間に上記中継機器の介在がないと判断する
前記(30)に記載の電子機器。
(32)上記対応モードで動作するときに機能する、上記ケーブルとの間で情報伝送を行う情報伝送部をさらに備える
前記(22)または(23)に記載の電子機器。
(33)上記情報伝送部は、
所定ラインに接続された可変抵抗回路を有し、
上記可変抵抗回路の抵抗値を変化させることで上記ケーブルに任意の情報を送信する
前記(32)に記載の電子機器。
(34)上記情報伝送部は、
上記可変抵抗回路の抵抗値を所定値に固定した状態で上記所定ラインの電圧をモニタすることで上記ケーブルから所定の情報を受信する
前記(33)に記載の電子機器。
(35)ケーブルを介して外部機器に接続される電子機器の制御方法であって、
判断部が、上記ケーブルが対応ケーブルであるか否かを判断する判断ステップと、
制御部が、上記判断部の判断結果に基づき、上記ケーブルが対応ケーブルであるときは対応モードで動作し、上記ケーブルが対応ケーブルでないときは非対応モードで動作するように制御する制御ステップを有する
電子機器の制御方法。
(36)接続装置を介して外部機器に接続される電子機器であって、
上記接続装置が対応接続装置であるか否かを判断する判断部と、
上記判断部の判断結果に基づき、上記接続装置が対応接続装置であるときは対応モードで動作し、上記接続装置が対応接続装置でないときは非対応モードで動作するように制御する制御部を備える
電子機器。