以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。
パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(遊技球が流下する遊技領域、盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する機種の例で説明しているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを後方へ押し込むことで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、ハンドルレバー62及びプッシュボタン64は同じ操作ユニット60に搭載されているが、ハンドルレバー62とプッシュボタン64とがそれぞれ独立した部材として設けられていてもよい。
その他に、受皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。なお、特に図示はしていないが、貸出操作部14の近傍には、音量を上げる上ボタン及び音量を下げる下ボタンを有する音量調整スイッチと、輝度を上げる上ボタン及び輝度を下げる下ボタンを有する輝度調整スイッチが配置されている。
〔装飾ユニット〕
パチンコ機1の前方上部には、装飾ユニット400が取り付けられている。装飾ユニット400は、所定の取り付け部材(ネジやフック等の機械的な機構)によってパチンコ機1に着脱可能である。なお、装飾ユニット400は、パチンコ機1から取り外し不能なものであってもよい。
装飾ユニット400(装飾物)は、箱型の部材であり、光を透過する透明又は半透明の部材により構成されている。
装飾ユニット400は、上部に配置された本体部ユニット410と、本体部ユニット410の下部に配置された前ランプユニット420とを含んでいる。
本体部ユニット410は、所定の文字情報が表示された立方体形状の部材であり、後方の一体扉ユニット4に配置されたLED(ガラス枠トップランプ46)が発光することにより発光する。
また、前ランプユニット420は、円柱形状の部材に半球形状の部材が結合された部材であり、後方の遊技盤ユニット8に配置されたLED(盤面ランプ53)が発光することにより発光する。
円柱形状の部材は、上部球通路500の視認性を向上させるために、無色透明であることが好ましく、半球形状の部材は、演出効果を向上させるために、有色透明であることが好ましい。
〔裏側の構成〕
図2に示すように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5及び図6)を参照しながらさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は第1可変入賞装置30の左下に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から10ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31f(排出領域)が配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に作動する可能性がある。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するロング開放パターンと、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放するだけのショート開放するショート開放パターンとのいずれかを適用する。いずれの動作パターンにより確変領域用羽根部材31dを動作させるかについては、当選図柄によって選択することができる。具体的には、確変図柄での当選時には確変領域をロング開放するロング開放パターンが選択され、通常図柄での当選時には確変領域をショート開放するショート開放パターンが選択される。
なお、確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、確変領域用羽根部材31dがロング開放するパターンのみを適用し、第1可変入賞装置30がショート開放してラウンドが終了する際には、確変領域用羽根部材31dがロング開放する機会を消滅させるようにしてもよい。また、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることは困難である。
そして、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に移行される。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(高確率時間短縮状態)。一方、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態に移行する。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(低確率時間短縮状態)。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば蝶々を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤ユニット8の上部には、後ランプユニット430が配置されている。そして、この後ランプユニット430は、前ランプユニット420と重なる位置に配置されている。
後ランプユニット430には、盤面ランプとしてのLED(不図示)が配置されており、このLEDが点灯することにより、前ランプユニット420が発光する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。遊技盤ユニット8には、窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値)を切り替える装置であり(設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
遊技盤ユニット8には、全ての入賞口及びアウト口を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチを設けることができる。アウトスイッチは、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチから入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数することができる。遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチは、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数することができる。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。払出計数スイッチ106の近傍には、払出検知スイッチを配置することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。なお、満タンスイッチ161がONになった場合、主制御CPU72は、満タンエラーコマンドを生成する。生成された満タンエラーコマンドは、演出制御装置124に送信される。なお、満タンエラーコマンドは、満タンスイッチ161がOFFになるまで送信し続けることができる。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板、演出制御基板、サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、ボタンランプ71、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56,58の駆動を制御する。このような演出制御装置124の内部の機能構成については、次の図を参照しながら詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66、ボタンランプ71の他に音量調整スイッチ67及び輝度調整スイッチ68が接続されており、遊技者が音量調整スイッチ67及び輝度調整スイッチ68を操作すると、これらの操作情報がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に通知される。
ボタンモータ63は、プッシュボタン64に対応したステッピングモータであり、操作ユニット60を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される(切替手段)。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ63を駆動することにより、プッシュボタン64を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替える(変位させる)。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図6は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存する構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
通常、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ46~52、盤面ランプ53、ボタンランプ71、スピーカ54,55,56,58等のデバイスを用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けることにより実現されている。図5では、演出制御CPU126の内部リソースをいくつかの機能ブロックに分けたものが演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226、入力制御部228等として示されている。以下の説明では、個々の機能ブロックを制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226又は入力制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、VDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)やCGROM(画像・音声ROM)190の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵する。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチ67が操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56,58の出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~52、盤面ランプ53、ボタンランプ71の点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。また、LEDドライバ198は、輝度調整スイッチ68が操作された場合に入力される操作情報に基づいて、各種ランプ(LED)の輝度を調整する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体40f等の駆動源となる可動体モータ57の駆動パターンを制御する。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。SMC199は、先ずモータ制御部226から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータ57に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53、ボタンランプ71等が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されたLEDである。ボタンランプ71は、プッシュボタン64に内蔵されたLEDである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64、方向キー66、音量調整スイッチ67、輝度調整スイッチ68等の操作部材(操作手段)が遊技者により操作された場合に入力される操作情報を、入力制御部228を経由して演出制御部210に通知する。演出制御部210は、通知される操作情報の内容に基づいて、演出を構築する。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図7及び図8は、CPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込ベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタテーブルのアドレスを割込制御に使用するIレジスタ(割込ベクタレジスタ)にセットする。割込ベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込ベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込要求を順番に実行することとなる。割込処理の制御については、詳しく後述する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチ304が操作されていなければ(No)、次にステップS112を実行する。
ステップS112:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A5H」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS114を実行する。なお、電源遮断時に実行される処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS114:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS116を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするバックアップ有効判定フラグのアドレスを基準とした連続する所定範囲内のワーク領域のことである。この領域の記憶内容をアドレス毎に(バイト単位で)クリアしつつ、保存されている有効なバックアップ情報はそのまま保持しておくことにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることが可能となる(記憶復帰手段)。
ステップS118:主制御CPU72は、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定の演出コマンド(演出制御装置124に対し送信するべきコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチ304が操作されていた場合(ステップS110:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS112:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS114:No)、主制御CPU72はステップS120に移行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS122:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPUは、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定の演出コマンド(演出制御装置124に対するコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定)を演出コマンドバッファに出力する。主制御CPU72はさらに、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンドをセットし、これらを演出コマンドバッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットする。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後の演出コマンド送信処理(ステップS142)において演出制御装置124に対し送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(接続記号A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号を出力ポートの特定ビットにセットする。主コマンド許可信号とは、主制御装置70が自身へのコマンド送信を許可する旨を払出制御装置92に対し表明する信号である。主コマンド許可信号が払出制御装置92に入力されると、これを受けて払出制御装置92は、主制御装置70に対し払出コマンドの送信を許可する旨を表明する払出コマンド許可信号を入力することとなる。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする(特定出力情報クリア手段)。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、主制御CPU72はCPU初期化処理において電源復帰時のフローを実行し、バックアップ情報に基づいて主制御装置70を電源遮断時の状態に復帰させるが(ステップS116)、その一環で、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。ただし、ここで対象とする出力ポートバッファのアドレスは、RAM76のアドレス空間のうち、ステップS116でクリア対象とした連続領域からは外れた場所に位置している。このため仮に、ステップS116の処理の一環で、クリア対象領域に加えて発射許可信号がセットされている特定アドレスの特定ビットの値をもクリアしようとすると、その具体的なアドレスを特定した上で、そのアドレスに記憶されている8ビットのデータのうちの特定ビットのデータのみをクリアしつつ残りの7ビット分のデータは維持するという例外的な処理を行わなければならず、RAM76の一部領域をクリアする処理の効率が非常に悪くなる。このような事情から、主制御CPU72は、先のステップS116では発射許可信号をクリアせずに他のバックアップ対象データと区別せず同様に取扱い、一旦は電源遮断時の状態に戻すこととしている。
しかしながら、主制御装置70においてバックアップ情報が戻された段階(ステップS116)では、払出制御装置92との通信が未だ確立しておらず、払出制御装置92が正常に起動しているか(主制御装置70からのコマンドによる指示を受け付けられるか)否かを確認できていない。発射許可信号がONの状態で電源が遮断された場合には、発射許可信号がONに戻されるため、結果として払出制御装置92の正常性が不明であるにもかかわらず遊技球を発射できるという状態が発生することとなる。ここで仮に、電源の遮断中に払出制御装置92が本来の検査適合していない改造品(例えば、賞球数が改変されたもの等)と交換され、その後の電源復帰により主制御装置70が起動した場合、発射許可信号がONに戻されることより遊技球の発射が可能となってしまう。このような状態は、セキュリティの観点から好ましくない。
そこで、本実施形態においては、電源復帰による起動であるかRAMクリア指定の起動であるかに関わらず、主制御CPU72がメインループに遷移する前の段階で発射許可信号を一度明示的にクリア(OFFにリセット)している。その後、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されたことを主制御CPU72が確認し、その上で払出制御装置92に対して払出コマンドを送信したことを契機として、発射許可信号をONにセットする制御を採用している。このような制御を行うことにより、メインループの処理により遊技が開始(再開)しても主制御装置70と払出制御装置92との間の通信が確立しない限りは遊技球の発射が許可されないため、上述したような不正がなされた場合に遊技球の不正な発射を回避することができる。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72はタイマ割込周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込デイジーチェーンをリセットする。より具体的には、主制御CPU72は、割込処理の事前準備として、この後で説明するメインループの先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込処理を正常に開始させ、さらに割込処理の実行後にはメインループから処理を続行することが可能となる。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72はメインループ(以下に説明するステップS136~S146)に遷移する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループを終始繰り返して実行する。
ステップS136,ステップS138:主制御CPU72は割込を禁止した上で、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込処理(図9中のステップS212)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS138では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS136で割込を禁止した後にステップS138を実行しているのは、別のタイマ割込処理(図9中のステップS210)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。なお、タイマ割込処理については別の図面を用いて後述する。
ステップS140:主制御CPU72は、受信コマンド管理処理を実行する。この処理では、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。主制御CPU72は、受信したコマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、そうでない場合は受信データが所定範囲内の値であるか(受信コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外ならば払出エラー指定コマンドを演出コマンドバッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS142:主制御CPU72は、演出コマンド送信処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、演出コマンドバッファに出力されている各演出コマンドの送信を行う。
ステップS144,ステップS146:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中に割込要求が発生し、主制御CPU72が各種割込処理を実行した場合の残り時間で行われる。
〔タイマ割込処理〕
次に、タイマ割込処理について説明する。図9は、タイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込要求(PTC割込)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込処理(PTC割込処理)を実行する。以下、タイマ割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS202:次に主制御CPU72は、割込を許可する。ここで割込が許可されることにより、タイマ割込処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込が発生することが可能となる。このように、タイマ割込処理は多重割込が許可されている。なお、割込要求信号の受付や多重割込の優先制御等は、割込コントローラ192により実行される。割込コントローラ192による割込管理については、改めて後述する。
ステップS204:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。より具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後に、選択されたコモンに対応するコモン出力要求バッファに出力された内容を出力ポートに格納する。
ステップS206:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72はパラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号等が含まれる。
ステップS208:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技時間や普通電動役物の閉鎖時間を管理するタイマの他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを1減算して更新する。
ステップS210:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、CPU初期化処理の過程(図8のステップS138)で述べたものと同じである。
ステップS212:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS214:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、普通図柄記憶更新処理、第1特別図柄記憶更新処理、第2特別図柄記憶更新処理、第1大入賞口カウント処理、第2大入賞口カウント処理、第1入賞口カウント処理、第2入賞口カウント処理、確変領域通過時処理等を実行する。
普通図柄記憶更新処理は、普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満である場合に、普通図柄当り乱数を取得してRAM76の乱数記憶領域に記憶させ、普通図柄作動記憶数を1個増加させる処理である。
第1特別図柄記憶更新処理は、第1特別図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満である場合に、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数、第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数、第1特別図柄に対応するリーチ判定乱数、第1特別図柄に対応する変動パターン決定乱数を取得してRAM76の乱数記憶領域に記憶させ、第1特別図柄作動記憶数を1個増加させる処理である。なお、第1特別図柄記憶更新処理では、第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定する(いわゆる「先読み」により変動パターン先判定コマンドを生成する)取得時演出判定処理を実行することができる。第1特別図柄作動記憶数を1個増加させた場合、第1特別図柄に対応する作動記憶数増加時演出コマンドが生成され、演出制御装置124に対して送信される。
第2特別図柄記憶更新処理は、第2特別図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満である場合に、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数、第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数、第2特別図柄に対応するリーチ判定乱数、第2特別図柄に対応する変動パターン決定乱数を取得してRAM76の乱数記憶領域に記憶させ、第2特別図柄作動記憶数を1個増加させる処理である。なお、第2特別図柄記憶更新処理では、第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定する(いわゆる「先読み」により変動パターン先判定コマンドを生成する)取得時演出判定処理を実行することができる。第2特別図柄作動記憶数を1個増加させた場合、第2特別図柄に対応する作動記憶数増加時演出コマンドが生成され、演出制御装置124に対して送信される。
第1大入賞口カウント処理、第2大入賞口カウント処理、第1入賞口カウント処理、第2入賞口カウント処理は、それぞれの入賞口に対するカウント処理である。
確変領域通過時処理は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理である。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理では、確変領域通過コマンドを生成することができる。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。
ステップS215:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理では、設定値の変更や確認に伴う処理を実行する。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合、すなわち遊技可能状態である場合には、主制御CPU72は、本ステップをスキップして(設定変更処理を実行せずに)、代わりに、ベースを算出して性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースの算出が可能である。
また、本ステップにて設定変更処理(設定関連処理)を実行した場合には、主制御CPU72は、設定関連終了指定コマンドを生成する。ここで、「設定関連終了指定コマンド」とは、設定の変更又は確認に関連する処理が終了したことを伝える演出コマンドのことであり、設定関連終了指定コマンドには、この他に設定値の情報を含ませることができる。生成された設定関連終了指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図8中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS216,ステップS218:主制御CPU72は、特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS216)では、主制御CPU72は第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。
特別図柄遊技処理は、実行選択処理、特別図柄変動前処理、特別図柄変動中処理、特別図柄停止表示中処理、大当り時可変入賞装置管理処理、小当り時可変入賞装置管理処理のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む。
実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理を選択するといった具合である。
特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。具体的には、主制御CPU72は、変動の対象となる第1特別図柄又は第2特別図柄の作動記憶数を1減少させ、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出し、内部状態に基づいて大当り判定処理(内部抽選)や小当り判定処理を実行し、大当り時の停止図柄、小当り時の停止図柄、はずれ時の停止図柄等を決定し、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数に基づいて、大当り時の変動パターン(大当り時の変動時間)、小当り時の変動パターン(小当り時の変動時間)、はずれ時の変動パターン(はずれ時の変動時間)等を決定する処理を実行する。主制御CPU72は、決定内容に基づいて、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド等を生成し、演出制御装置124に対して送信する。作動記憶数減少時演出コマンドとしては、第1特別図柄の作動記憶数を1個減少させた場合には第1特別図柄に対応する作動記憶数減少時演出コマンドが生成され、第2特別図柄の作動記憶数を1個減少させた場合には第2特別図柄に対応する作動記憶数増加時演出コマンドが生成される。なお、変動パターンは、擬似連続演出(例えば、擬似1変動~擬似4変動)を実行するための変動パターンであることもある。
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
また、普通図柄遊技処理(ステップS218)では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS220:次に主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数よりも各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等の危険度の高い状態が発生していないかのチェックを行う。異常状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定の演出制御コマンドの送信により、異常が発生したことを報知する。
ステップS222:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS224:主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。詳細なフローは図示していないが、この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ(図7中のステップS118、ステップS124)、払出コマンドバッファに出力される(図7中のステップS126)が、この起動モードを示す払出コマンドがここで送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、前ステップS222において更新された各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがここで送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、前回以前に実行されたステップS224において送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)にのみ実行される。
また、特に電源投入時のステップS224においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする(特定出力情報セット手段)。これにより電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS226:主制御CPU72は、発射位置指定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず発射位置指定フラグを前回発射位置指定フラグにセットしてから発射位置指定フラグをクリアする。その上で、主制御CPU72は、可変入賞装置が作動中であるか又は時間短縮機能が作動中であれば発射位置指定フラグをONにし、さらに発射位置指定フラグと前回発射位置指定フラグが一致しなければ発射位置指定コマンドを生成する。生成された発射位置指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図8中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS227:主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種の入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、不正な入賞が発生したか否かの判定や、過度な入賞が発生しているか否かの判定を行う。また、主制御CPU72は、図示しない磁気検出センサや振動検出センサ、電波検出センサ等からの入力信号に基づいて不正行為の監視を行う。そして、主制御CPU72は、このようなエラーが発生していると判定した場合、エラーコマンドを生成する。なお、主制御CPU72は、エラーに対応した対応処理を実行することができる。対応処理は、例えば、不正入賞による入賞検出信号のビットをONからOFFに書き換える処理や、警告音を発生させる処理、遊技停止等の処理である。主制御CPU72は、エラーを検出した場合、各種エラーに対応するエラーコマンドを演出制御装置に送信する。エラーには、不正等のエラーだけでなく、遊技機の状態(設定変更等の状態)が含まれることもある。
ステップS228:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS230:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS232:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を管理する上で必要となる処理を行う。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS216)や普通図柄遊技処理(ステップS218)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、バイトデータとして各コモン用のポート出力要求バッファに格納する。
なお、ここで各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータは、タイマ割込処理が発生する毎にダイナミックポート出力処理(ステップS204)において1コモンずつ順繰りに出力ポートに格納されてポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込処理ではコモン1用として格納されたバイトデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込処理ではコモン2用として格納されたバイトデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)を構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御されることになる。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ソレノイド出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力要求バッファに格納する。
ステップS236:主制御CPU72は、ポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各出力バッファ(ポート出力要求バッファ)に値が格納されているかを確認し、値が格納されている場合はポート出力する。例えば、前ステップS234でポート出力要求バッファに格納された各ソレノイド88,90,97,99の各駆動信号をポート出力する。この場合、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97,99に送信され、各ソレノイドに駆動信号に応じた動作をさせることが可能となる。
ステップS238:制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図8)に復帰する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図10は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図10中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド大当り」や「8ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図10中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図10中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図10中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図10中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図10中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図10中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
次に、大当り(当選)時の演出例を説明する。
図11は、特別図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の流れを示す連続図である。スーパーリーチ演出は、中程度の変動時間(例えば50~100秒)が選択された変動表示に伴い実行されるリーチ演出である。
なお、ここでは大当り時に実行されるスーパーリーチ演出の流れを説明するが、スーパーリーチ演出は大当り時だけでなくはずれ時においても割合は低いが実行される。また、ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図11中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2については図示を省略している(以下の図面でも同様)。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図11中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図11中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階目から複数段階目(例えば2~5段階目)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図11中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図11中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図11中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図11中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図11中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えばハートの図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに通り過ぎていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上にハート群の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図11中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図11中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」-「5」-「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」~「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図11中(I):そして、最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、遊技者に対して大当りであるということを伝達することができる。
図11中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な停止表示演出を行うことにより、いずれの当選図柄で当選したのかということを遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔大役中演出(スペシャルボーナス演出)〕
図12は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。ここでは、10ラウンド大当りに該当したものとする。
〔1ラウンド〕
図12中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは7の演出図柄)が表示されている。また、画面の左下の領域には、大役中演出の名称を示す「スペシャルボーナス」の文字が表示されている。
〔右打ち示唆演出〕
また、ここでは、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、右打ち示唆画像(第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2)が表示される。第1右打ち示唆画像R1は、表示画面の中央に表示される。第1右打ち示唆画像R1は、馬にまたがり「右打ちしてね」という台詞を発する女性キャラクターの画像である。第1右打ち示唆画像R1は、右打ち状態突入時に表示される画像である。
一方、第2右打ち示唆画像R2は、表示画面の右上の領域に表示される。第2右打ち示唆画像R2は、右打ちの文字情報及び右方向を示す矢印により構成された画像である。第2右打ち示唆画像R2は、右打ち状態において常時表示される画像である。
なお、第1右打ち示唆画像R1は、1ラウンド目で表示するのではなく、大当り遊技のオープニング時間に(1ラウンドの開始前に)表示してもよい。
〔6ラウンド〕
図12中(B):高確率時間短縮状態に移行する当選図柄で当選している場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「10ラウンド確変図柄」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。なお、第2右打ち示唆画像R2は、継続して表示されている。
図12中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。なお、第2右打ち示唆画像R2は、継続して表示されている。
〔10ラウンド〕
図12中(D):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の10ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND10」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。
〔キャラクター選択演出(操作示唆演出)〕
また、最終の10ラウンドでは、キャラクター選択演出が実行される。キャラクター選択演出では、画面の中央に、プッシュボタンを模したボタン画像による第1操作示唆画像B1が表示される。この場合、プッシュボタン64に内蔵されたLED(ボタンランプ71)もあわせて点灯し、これによりプッシュボタン64の操作を液晶表示器とLEDとの複数のデバイスによって示唆する。この状態で、遊技者がプッシュボタン64を押下すると、画面の左側に表示されている女性キャラクターが別の女性キャラクターに変化する。遊技者は、プッシュボタン64を何回か押下することで、好みの女性キャラクターを選択することができる。そして、最終的に選択された女性キャラクターによって、その後に移行する花火ラッシュの背景や演出内容等が変化する。
さらに、最終の10ラウンドにおいても、第2右打ち示唆画像R2は、継続して表示されている。この場合、ハンドルユニット16の近傍に配置されたLED(各種ランプや盤面ランプ、又はハンドルユニット内に設けられたランプ等)は右打ちの操作を示唆するような点灯態様とはなっていない。
〔大役終了時〕
図12中(E):大当り遊技が終了するタイミング(エンディング時間)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔ボタン演出の演出例〕
図13及び図14は、ボタン演出の演出例を示す図である。以下に示すボタン演出は、主に花火ラッシュで実行される。花火ラッシュは、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである(高確率時間短縮状態)。以下、花火ラッシュ及びボタン演出の流れについて説明する。
図13中(A):「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに、キャラクター選択演出で選択した女性キャラクターが表示された背景画像となっている。また、表示画面の右上の領域では第4図柄Z2が変動表示されている。花火ラッシュにおいても、第2右打ち示唆画像R2が、継続して表示されることで、右打ち状態であることを示唆(指示)している(以下、同様)。
以下、花火ラッシュで実行されるいくつかのボタン演出について説明する。
図13中(B):図示の例では、連打演出(操作示唆演出)が実行されている。連打演出では、敵キャラクターと戦う女性キャラクターが攻撃や防御の動作を行う演出が実行される。そして、女性キャラクターが攻撃や防御に成功すると大当りとなる演出や、別の演出に切り替わる演出(発展演出等)が実行される。また、連打演出では、画面の中央に、連打の文字情報及びボタン画像により構成された第2操作示唆画像B2が表示される。
図13中(C):図示の例では、敵キャラクター選択演出(操作示唆演出)が実行されている。敵キャラクター選択演出では、女性キャラクターが戦う相手となる敵キャラクターが選択される演出が実行される。選択される敵キャラクターによって当選の期待度を異ならせることができる。この状態で遊技者がプッシュボタン64を押下すると、いずれかの敵キャラクターが選択される。敵キャラクター選択演出では、画面の中央に、表示画面を3分割する分割線及びボタン画像により構成された第3操作示唆画像B3が表示される。
図14中(D):図示の例では、一撃演出(操作示唆演出)が実行されている。一撃演出では、女性キャラクターが必殺技を成功させるか否かの演出が実行される。女性キャラクターが必殺技を成功させると敵キャラクターに勝利し、大当りとなる演出が実行される。また、一撃演出では、画面の中央に、一撃の文字情報及びボタン画像により構成された第4操作示唆画像B4が表示される。
図14中(E):図示の例では、長押し演出(操作示唆演出)が実行されている。長押し演出では、一撃演出と同様に、女性キャラクターが必殺技を成功させるか否かの演出が実行される。女性キャラクターが必殺技を成功させると敵キャラクターに勝利し、大当りとなる演出が実行される。また、長押し演出では、画面の中央に、長押しの文字情報及びボタン画像により構成された第5操作示唆画像B5が表示される。
図14中(F):図示の例では、エフェクトボタン演出(操作示唆演出)が実行されている。エフェクトボタン演出では、カットイン演出が実行されるか否かの演出が実行される。また、エフェクトボタン演出では、画面の中央に、炎やオーラを模したエフェクトの画像及びボタン画像により構成された第6操作示唆画像B6が表示される。エフェクトボタン演出は、単独で実行される以外に、他の示唆画像と複合することでボタン演出に対する期待度の違いを表すようにしてもよい。
図15は、遊技者が操作示唆演出により示唆通りの操作を行わなかった場合の演出例を示す図である。
図15中(A):図示の例では、キャラクター選択演出が実行されている。キャラクター選択演出の内容は、図12中(D)で説明した通りである。
図15中(B):ここで、遊技者がハンドルユニットを盤面右側に発射操作していない、もしくは何らかの理由で発射した遊技球が盤面左側を流下している状態を検出し、その状態において遊技者がプッシュボタン64を押下しなかったものとする。例えば、遊技者としては、右打ちをしていると思っていても発射力が弱く、左打ちになってしまうこともある。そうすると、左打ち領域の入賞口への入球等によって左打ち状態が検出される。
図15中(C):この場合、左打ち状態の検出によって、「右打ちしてください」という音声報知は実行されるが、プッシュボタン64の押下が検出されなくても「ボタンを押してください」という音声報知は実行されない。
図16は、遊技者が操作示唆演出により示唆通りの操作を行った場合の演出例を示す図である。
図16中(A):図示の例では、一撃演出が実行されている。キャラクター選択演出の内容は、図14中(D)で説明した通りである。
図16中(B):ここで、遊技者がハンドルユニットを盤面右側に発射操作して右打ちを実行しつつ、プッシュボタン64を押下したものとする。例えば、遊技者が、右手でハンドルユニットを握って右打ちをしながら、左手でプッシュボタン64を押下したものとする。
図16中(C):この場合、第4操作示唆画像B4はプッシュボタン64の押下を契機に消滅(消去、遊技者に視認不可能な状態等)されるが、第2右打ち示唆画像R2は、継続して表示される。なお、今回の変動は、大当りに該当しているため、図示の例では、女性キャラクターが必殺技を成功させ、女性キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行されている。
図17は、球皿ユニットに遊技球が貯留されている状態で遊技者が球抜き動作を行わなかった場合の演出例を示す図である。
図17中(A):図示の例では、エフェクトボタン演出が実行されている。エフェクトボタン演出の内容は、図14中(F)で説明した通りである。
図17中(B):ここで、球皿に遊技球が貯留され続けることにより満タンスイッチ161がオンになったものとする。この場合、球抜き示唆演出が実行される。球抜き示唆演出では、画面の中央に「球を抜いてください」という球抜き示唆画像Cが表示される。なお、遊技者に注意を引き付けられる位置であれば、球抜き示唆画像Cを表示する位置は、画面の中央に限らず、画面上部でも下部でも左部でも右部であってもよい。
図17中(C):その後、遊技者が持ち球をドル箱に移して、満タンスイッチ161がオフになったものとする。この場合、球抜き示唆画像Cは満タンスイッチ161オフを契機に消滅(消去、遊技者に視認不可能な状態等)されるが、第2右打ち示唆画像R2は、継続して表示される。なお、エフェクトボタンも継続して表示可能とされる。なお、球抜き示唆画像Cは、第2右打ち示唆画像R2やエフェクトボタンよりも前面に表示することが好ましい。また、球抜き示唆画像Cは、第2右打ち示唆画像R2やエフェクトボタンに重ならない位置に表示するようにしてもよい。
図18は、第2右打ち示唆画像R2の表示態様を示す図である。
第2右打ち示唆画像R2は、3つの画像パターンの繰り返しにより表示される。
図18中(A):第1画像パターンは、「右」の文字と「矢印の左側」とが強調される画像パターンとなっている。
図18中(B):第2画像パターンは、「打」の文字と「矢印の中央」とが強調される画像パターンとなっている。
図18中(C):第3画像パターンは、「ち」の文字と「矢印の右側」とが強調される画像パターンとなっている。
そして、このような3つの画像パターンを第1の周期(例えば1.0秒)で繰り返し表示することにより、右方向に光が流れるような状態を表現することができる。
なお、第1右打ち示唆画像R1については、第2右打ち示唆画像R2と同様に、複数の画像パターンを用いて動画像となるように表示してもよく、1つの画像パターンを用いて静止画像となるように表示してもよい。
第2右打ち示唆画像R2は、3つの画像パターンに限定されるものではなく、それ以上でもそれ以下であってもよい。また、第2右打ち示唆画像R2は、右方向に流れるような状態(画像)に限定されるものではなく、上下左右のいずれかの方向に流れるような状態であってもよい。
図19は、第1操作示唆画像B1及び球抜き示唆画像Cの表示態様を示す図である。
第1操作示唆画像B1は、2つの画像パターンの繰り返しにより表示される。
図19中(A):第1画像パターンは、ボタンの押し込みが行われていない画像パターンとなっている。
図19中(B):第2画像パターンは、ボタンの押し込みが行われており、かつ、ボタンの押し込みによるエフェクトが表示される画像パターンとなっている。
そして、このような2つの画像パターンを第2の周期(例えば、0.5秒)で繰り返し表示することにより、ボタンを連打しているような状況を表現することができる。
なお、第2操作示唆画像B2~第6操作示唆画像B6については、第1操作示唆画像B1と同様に、複数の画像パターンを用いて動画像となるように表示してもよく、1つの画像パターンを用いて静止画像となるように表示してもよい。
球抜き示唆画像Cは、1つの画像パターンの繰り返しにより表示される。
図19中(C):球抜き示唆画像Cの画像パターンは、「球を抜いてください」という文字情報が表示される画像パターンとなっている。
そして、このような画像パターンを第3の周期(例えば、0.3秒)で繰り返し表示することにより、「球を抜いてください」という文字情報を表示し続けることができる。
なお、球抜き示唆画像Cについては、第3の周期のような更新周期を設定せず、満タンスイッチ161がオフになるまで球抜き示唆画像Cを表示し続けるといった制御を採用してもよい。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した各演出は、以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように演出制御プロセッサとしての機能と演出再生プロセッサとしての機能を有しており、各々に演出制御CPU126の異なるリソースを割り当てることによりこれら2つの機能を実現している。演出制御プロセッサとしての演出制御CPU126は、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、この内容に応じて演出の再生を指示する各種の制御テーブルを設定する。また、演出再生プロセッサとしての演出制御CPU126は、演出制御プロセッサにより設定された制御テーブルを解析し、その内容に基づき各デバイスに向けてより具体的な指示を行うことにより各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56,58による音声出力、各種ランプ46~52、盤面ランプ53、ボタンランプ71等による発光、可動体モータ57による各種可動体の変位等)を制御し、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、これ以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサとして機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と表現し、演出制御CPU126が演出表示プロセッサとして機能する場合の動作主体を内容に応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」又は「モータ制御部226」と表現することとする。
図20は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、エラー演出管理処理(ステップS400a)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、入力制御処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出コマンドを受信する。また、演出制御部210は受信した演出コマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出コマンドには、例えば、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、各種のエラーコマンド、変動パターン先判定コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド、設定関連終了指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、満タンエラーコマンド等がある。
ステップS400a:エラー演出管理処理において、演出制御部210は各種のエラーコマンドに基づいて、エラー演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する(エラー演出実行手段)。例えば、満タンエラーコマンドを受信した場合、演出制御部210は、球抜き示唆画像Cを表示する処理を実行する。なお、球抜き示唆画像Cは、演出図柄や予告演出を表示するレイヤーよりも上位のレイヤーに表示することが好ましい。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は記憶表示演出や、マーカM1,M2の表示制御を行う。本処理においては、マーカM1,M2等を用いた先読み予告演出の実行を制御してもよい。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段)。また、この処理において、演出制御部210は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号、当該保留消去等)を指示するメッセージや制御テーブルを設定する。これを受けて表示制御部220は、設定されたメッセージや制御テーブルの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS405:入力制御処理では、先ず演出制御部210が、演出の進行に伴い遊技者による操作を要求する場面に同期させて、入力制御部228に対して、いずれかの操作部材が遊技者により指定した態様で操作されるか否かの検出を指示する。より具体的には、演出制御部210は、制御ROM180に予め定義されているいずれかの入力制御テーブルを設定する。これを受けて入力制御部228は、設定された入力制御テーブルの内容を解析し、これに基づいて、いずれかの操作部材に対する操作の受付を可能とする期間を設定する。また、演出制御部210が指定した態様に合致する操作(遊技者に要求する操作)がなされるか否かを検出し、検出結果を出力して演出制御部210に返す。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けてランプ制御部224は、設定された制御テーブルの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52、盤面ランプ53、ボタンランプ71、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)させる。
ステップS408:音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けて音声制御部222は、設定された制御テーブルの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56,58から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、モータ制御部226に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けてモータ制御部226は、設定された制御テーブルの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容の指示を行う。さらにSMC199は、モータ制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力し、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔作動記憶演出管理処理〕
図21は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
作動記憶演出管理処理は、主制御装置70において記憶されている抽選要素の数(作動記憶数)の増減に連動させて液晶表示器42の画面上になされる第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2の表示を更新する処理である。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図20)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図22は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、大当り遊技や小当り遊技が実行されている場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄(第4図柄を含む)を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出の実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(連打演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。例えば、ボタン演出(連打演出、敵キャラクター選択演出、一撃演出、長押し演出、エフェクトボタン演出等)を実行する際には操作示唆画像を表示し、ボタン演出の実行中にプッシュボタン64が押下された場合には、演出の内容に応じて操作示唆画像を消去する演出パターンを選択したり、ボタン有効時間が終了するまで操作示唆画像の表示を継続する演出パターンを選択したり、プッシュボタン64の押下態様に応じて操作示唆画像を変化させる演出パターン(図19等)を選択したりする。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄(第4図柄を含む)や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御部210は表示制御部220に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて表示制御部220は、VDP152を介して実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。
〔演出図柄変動前処理〕
図23は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図20中のステップS404)、ランプ駆動処理(図20中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。なお、ステップS608,ステップS610,ステップS612において、演出制御部210は、はずれ時、大当り時、小当り時に対応した第4図柄の変動パターンも決定する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御部210は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御部210は、花火をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。なお、花火ラッシュの背景画像には、キャラクター選択演出で選択されたキャラクターを含ませることができる。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御部210は、海岸をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。なお、滞在モードが「高確率非時間短縮状態」である場合、演出制御部210は、通常モードに対応する背景画像を選択してもよく、通常モードとは別の背景画像を選択してもよい。
また、右打ち状態となる花火ラッシュや海岸モードでは、第2右打ち示唆画像R2を表示する演出パターンを選択する処理を実行する(図13、図14、図18)。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図22中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図24は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御部210は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、図12に示す内容の大役中演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、大役中演出(大当り演出)の実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228に検出させるとともに、その結果に応じた演出内容の制御情報を表示制御部220に対して指示する。また、この可変入賞装置作動中処理において、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出を選択する処理を実行する一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出を選択する処理を実行する。さらに、可変入賞装置作動中処理において、一定時間(例えば数秒~数十秒)にわたり、賞球内容コマンドを受信しない場合もしくは何らかの理由で発射した遊技球が盤面左側を流下している状態を検出した場合、演出制御部210は、「右打ちしてください」という音声報知を行う演出パターンを選択することができる。また、この処理において、演出制御部210は、キャラクター選択演出によって選択されたキャラクターを保存する処理を実行する。選択されたキャラクターは、例えば、花火ラッシュの背景画像の一部として表示される。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御部210は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御部210は、当選図柄や確変領域の通過の有無に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出を選択する処理を実行し、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、海岸モードに突入することを示す演出を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図22)に復帰する。
図25は、予告選択処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS910:演出制御部210は、ボタン演出の実行条件を満たすか否かを確認する処理を実行する。
ボタン演出の実行条件は、以下の条件のうち少なくとも1つの条件(好ましくは全部の条件)を満たした場合に満たされる条件とすることができる。
(1)所定時間以上の変動時間を有する変動パターンが選択されていること。
(2)所定の演出実行抽選に当選したこと。
(3)特定の遊技状態(例えば、高確率時間短縮状態)であること。
その結果、ボタン演出の実行条件を満たすことを確認した場合(Yes)、演出制御部210は、ステップS911を実行する。一方、ボタン演出の実行条件を満たすことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、ステップS912を実行する。
ステップS911:演出制御部210は、ボタン演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、図13中(B)~図14中(F)及びその説明で示した内容の少なくとも1つのボタン演出(連打演出、敵キャラクター選択演出、一撃演出、長押し演出、エフェクトボタン演出)の演出パターンを選択する処理を実行する。
そして、選択された演出パーンに基づいて、表示出力処理においてボタン演出の映像が制御され、ランプ駆動処理や音響駆動処理において光や音が制御される。
ステップS911:演出制御部210は、その他予告演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、ボタン演出以外の予告演出を選択する処理を実行する。ボタン演出以外の予告演出は、例えば、ステップアップ演出、擬似連続演出、電断演出、セリフ演出、群予告演出、カットイン演出等がある。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図24)に復帰する。
以上説明したように、本実施形態の遊技機は、以下に示す第1の技術的特徴~第5の技術的特徴を備えている。
〔第1の技術的特徴~第5の技術的特徴の課題〕
遊技者に操作命令(操作示唆)を促す演出において、複数の操作命令事象が重なる場合がある。この場合、遊技者は複数の操作命令に気づきづらく、どのように対応すればよいか混乱をきたす可能性がある。
そこで、第1の技術的特徴~第5の技術的特徴では、遊技者に複数の操作命令の重要度を認識しやくすることを目的としている。
〔第1の技術的特徴の具体的構成〕
第1の技術的特徴は、以下の構成を備えている。
(A1)右打ち状態(特定状態)で遊技可能な遊技機である。例えば、低確率非時間短縮状態(通常モード)である場合には左打ち状態となり、通常モード以外の大当り中や花火ラッシュ中である場合には右打ち状態となる。遊技機は、液晶表示器42と、ハンドルユニット16と、プッシュボタン64と、ハンドルレバー62と、上皿球抜きボタン6dと、下皿球抜きレバー6eと、を備えている。液晶表示器42は、演出を実行可能な演出手段である。ハンドルユニット16、プッシュボタン64、ハンドルレバー62、上皿球抜きボタン6d、及び、下皿球抜きレバー6eは、遊技者が操作可能な操作手段である。
(A2)右打ち状態においては、以下の態様となる。
(A3)遊技者に右打ち(特定操作)を示唆する右打ち示唆演出(第1示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図12~図14)。
(A4)遊技者にプッシュボタン64の操作(特別操作)を示唆する操作示唆演出(第2示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図12中(D)、図13中(B)~図14中(F))。
(A5)右打ち示唆演出と操作示唆演出とを同時期(同時)に実行可能である(図12~図14)。液晶表示器42においては、それぞれの演出が重畳しないように表示することができる。
(A6)右打ち示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに遊技しない場合、右打ち示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:右打ちしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(A7)右打ち示唆演出と操作示唆演出とでは、右打ち示唆演出の示唆パターン(右打ち示唆演出に用いる第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2)が、操作示唆演出の示唆パターン(操作示唆演出に用いる第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6)よりも少ない。
すなわち、右打ち示唆演出に用いる右打ち示唆画像(第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2)と操作示唆演出に用いる操作示唆画像(第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6)とでは、遊技者に対する不利益が大きい方(右打ち示唆画像)の画像パターン(画像の種類)が少ない(「右打ち示唆画像」の種類数<「操作示唆画像」の種類数)。
操作示唆演出の示唆パターンは、例えば、プッシュボタン64やハンドルレバー62について一回押し・連打・長押し等の他、大きいもの・エフェクトが派手なもの・表示色が異なるもの等、多数のパターンを有することができる。一方、右打ち示唆演出の示唆パターンは、右打ち状態突入時に表示するもの(第1右打ち示唆画像R1)、常時表示するもの(第2右打ち示唆画像R2)、さらに左打ち示唆画像を含め、操作示唆演出の示唆パターンよりも少ない。なお、左打ち示唆画像は、右打ち状態が終了して左打ち状態に移行した場合や、左打ち状態で誤って右打ちをした場合に、表示することができる。
〔第1の技術的特徴の効果〕
第1の技術的特徴によれば、右打ち示唆演出の示唆パターンの数が少ないことで、右打ち示唆演出を見る機会が増えるほどその演出がどのような趣旨の示唆であるかを認識しやすくなり、複数の示唆演出が同時期に実行された場合にも、重要度が高い右打ち示唆演出(示唆パターンが少ない方)の趣旨が容易に理解可能となり、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
また、第1の技術的特徴によれば、遊技者に操作示唆(操作命令)を促す演出において、それぞれの重要度を認識させることができる。
〔第2の技術的特徴の具体的構成〕
第2の技術的特徴は、以下の構成を備えている。
(B1)右打ち状態(特定状態)で遊技可能な遊技機である。例えば、低確率非時間短縮状態(通常モード)である場合には左打ち状態となり、通常モード以外の大当り中や花火ラッシュ中である場合には右打ち状態となる。遊技機は、液晶表示器42と、ハンドルユニット16と、プッシュボタン64と、ハンドルレバー62と、上皿球抜きボタン6dと、下皿球抜きレバー6eと、を備えている。液晶表示器42は、演出を実行可能な演出手段である。ハンドルユニット16、プッシュボタン64、ハンドルレバー62、上皿球抜きボタン6d、及び、下皿球抜きレバー6eは、遊技者が操作可能な操作手段である。
(B2)右打ち状態においては、以下の態様となる。
(B3)遊技者に右打ち(特定操作)を示唆する右打ち示唆演出(第1示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図12~図14)。
(B4)遊技者にプッシュボタン64の操作(特別操作)を示唆する操作示唆演出(第2示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図12中(D)、図13中(B)~図14中(F))。
(B5)右打ち示唆演出と操作示唆演出とを同時期(同時)に実行可能である(図12~図14)。液晶表示器42においては、それぞれの演出が重畳しないように表示することができる。
(B6)右打ち示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに遊技しない場合、右打ち示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:右打ちしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(B7)右打ち示唆演出と操作示唆演出とは別に、遊技者に遊技球の球抜き操作(特殊操作)を示唆する球抜き示唆演出(第3示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図17中(B))。
(B8)球抜き示唆演出は、右打ち示唆演出と操作示唆演出との実行中に実行可能である(図17中(B))。
(B9)球抜き示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに操作しない場合、球抜き示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:球抜きしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(B10)右打ち示唆演出と操作示唆演出と球抜き示唆演出とでは、球抜き示唆演出の示唆パターン(球抜き示唆演出に用いる球抜き示唆画像C)が最も少ない。なお、右打ち示唆演出の示唆パターンと操作示唆演出の示唆パターンとの関係については、いずれが多くてもよく、同数であってもよい。
〔第2の技術的特徴の効果〕
第2の技術的特徴によれば、球抜き示唆演出の示唆パターンが最も少ないため、球抜き示唆演出が実行されると直ちに認識でき、即座に対応可能となり、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
また、第2の技術的特徴によれば、遊技者に操作示唆(操作命令)を促す演出において、それぞれの重要度を認識させることができる。
〔第3の技術的特徴の具体的構成〕
第3の技術的特徴は、以下の構成を備えている。
(C1)右打ち状態(特定状態)で遊技可能な遊技機である。例えば、低確率非時間短縮状態(通常モード)である場合には左打ち状態となり、通常モード以外の大当り中や花火ラッシュ中である場合には右打ち状態となる。遊技機は、液晶表示器42と、ハンドルユニット16と、プッシュボタン64と、ハンドルレバー62と、上皿球抜きボタン6dと、下皿球抜きレバー6eと、を備えている。液晶表示器42は、演出を実行可能な演出手段である。ハンドルユニット16、プッシュボタン64、ハンドルレバー62、上皿球抜きボタン6d、及び、下皿球抜きレバー6eは、遊技者が操作可能な操作手段である。
(C2)右打ち状態においては、以下の態様となる。
(C3)遊技者に右打ち(特定操作)を示唆する右打ち示唆演出(第1示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図12~図14)。
(C4)遊技者にプッシュボタン64の操作(特別操作)を示唆する操作示唆演出(第2示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図12中(D)、図13中(B)~図14中(F))。
(C5)遊技者に遊技球の球抜き操作(特殊操作)を示唆する球抜き示唆演出(第3示唆演出)を液晶表示器42にて実行可能である(図17中(B))。
(C6)右打ち示唆演出と操作示唆演出と球抜き示唆演出とを同時期(同時)に実行可能である(図17中(B))。液晶表示器42においては、それぞれの演出が重畳しないように表示することができる。
(C7)右打ち示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに遊技しない場合、右打ち示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:右打ちしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(C8)球抜き示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに操作しない場合、球抜き示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:球抜きしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(C9)右打ち示唆演出と操作示唆演出と球抜き示唆演出とでは、演出に用いる画像の画像更新周期が異なる(図18、図19)。「画像更新周期が異なる」とは、画像の更新周期の時間の長さが異なることである。なお、右打ち示唆演出と操作示唆演出と球抜き示唆演出とでは、画像の更新周期の時間の長さを同一とし、演出に用いる画像の数を異ならせるようにしてもよい。
〔第3の技術的特徴の効果〕
第3の技術的特徴によれば、右打ち示唆演出と操作示唆演出と球抜き示唆演出とにおいて画像更新周期を異ならせているため、同じような示唆演出であっても、それぞれの示唆演出で見え方を異ならせ、それによって役割の違いを直感的に分かりやすく遊技者に伝達することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
また、第3の技術的特徴によれば、遊技者に操作示唆(操作命令)を促す演出において、それぞれの重要度を認識させることができる。
〔第4の技術的特徴の具体的構成〕
第4の技術的特徴は、以下の構成を備えている。
(D1)右打ち状態(特定状態)で遊技可能な遊技機である。例えば、低確率非時間短縮状態(通常モード)である場合には左打ち状態となり、通常モード以外の大当り中や花火ラッシュ中である場合には右打ち状態となる。遊技機は、液晶表示器と、ハンドルユニットと、プッシュボタンと、ハンドルレバーと、近傍LEDと、内蔵LEDと、を備えている。
(D2)右打ち状態において、遊技者に右打ち(特定打ち)を示唆する右打ち示唆演出(第1示唆演出)を実行可能である(図12~図14)。
(D3)右打ち示唆演出では、遊技者に右打ちを示唆する第1右打ち示唆画像R1(第1示唆画像)、第2右打ち示唆画像R2(第1示唆画像)を液晶表示器42(表示手段)に表示可能である。第1右打ち示唆画像R1は、液晶表示器42の中央に表示する。第2右打ち示唆画像R2は、液晶表示器42の右上に表示する。
(D4)右打ち示唆演出は、第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2の表示によって右打ちを示唆するが、ハンドルユニット16(発射手段)の近傍におけるLED(近傍発光手段)によって右打ちを示唆しない(図12中(D))。
(D5)右打ち状態において、遊技者にプッシュボタン64(操作手段)の操作を示唆する操作示唆演出(第2示唆演出)を実行可能である(図12中(D)、図13中(B)~図14中(F))。
(D6)操作示唆演出では、遊技者にプッシュボタン64の操作を示唆する第1操作示唆画像B1(第2示唆画像)~第6操作示唆画像B6(第2示唆画像)を液晶表示器42(表示手段)の中央に表示可能である。なお、第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6は、右打ち示唆演出(右打ち示唆画像)と重畳しないように表示すれば、「中央」以外に表示してもよい。
(D7)操作示唆演出は、第1操作示唆画像B1の表示とともにプッシュボタン64(操作手段)の内蔵LED(内蔵発光手段)によって操作を示唆する(図12中(D))。この点は、第2操作示唆画像B2~第6操作示唆画像B6についても同様である。
(D8)右打ち状態において、右打ち示唆演出と操作示唆演出とは同時期に実行可能である(図12~図14)。液晶表示器42においては、それぞれの演出が重畳しないように表示することができる。
(D9)右打ち示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに遊技しない場合、右打ち示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:右打ちしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(D10)右打ち示唆画像と操作示唆画像とでは、右打ち示唆画像の画像パターン(第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2)が、操作示唆画像の画像パターン(第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6)よりも少ない。
すなわち、右打ち示唆画像(第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2)と操作示唆画像(第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6)とでは、遊技者に対する不利益が大きい方(右打ち示唆画像)の画像パターン(画像の種類)が少ない(「右打ち示唆画像」の種類数<「操作示唆画像」の種類数)。
操作示唆画像は、例えば、プッシュボタン64やハンドルレバー62について一回押し・連打・長押し等の他、大きいもの・エフェクトが派手なもの・表示色が異なるもの等、多数のパターンを有することができる。一方、右打ち示唆画像は、右打ち状態突入時に表示するもの(第1右打ち示唆画像R1)、常時表示するもの(第2右打ち示唆画像R2)、さらに左打ち示唆画像を含め、操作示唆画像よりも少ない。なお、左打ち示唆画像は、右打ち状態が終了して左打ち状態に移行した場合や、左打ち状態で誤って右打ちをした場合に、表示することができる。
〔第4の技術的特徴の効果〕
第4の技術的特徴によれば、右打ち示唆画像の画像パターンの数が少ないことで、右打ち示唆画像を見る機会が増えるほどその表示がどのような趣旨の示唆であるかを認識しやすくなり、複数の示唆画像が同時期に表示された場合にも、重要度が高い右打ち示唆画像(種類が少ない方)の趣旨が容易に理解可能となり、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
また、第4の技術的特徴によれば、遊技者に操作示唆(操作命令)を促す演出において、それぞれの重要度を認識させることができる。
〔第5の技術的特徴の具体的特徴〕
第5の技術的特徴は、以下の構成を備えている。
(E1)右打ち状態(特定状態)で遊技可能な遊技機である。例えば、低確率非時間短縮状態(通常モード)である場合には左打ち状態となり、通常モード以外の大当り中や花火ラッシュ中である場合には右打ち状態となる。遊技機は、液晶表示器と、ハンドルユニットと、プッシュボタンと、ハンドルレバーと、を備えている。
(E2)右打ち状態において、遊技者に右打ち(特定打ち)を示唆する右打ち示唆演出(第1示唆演出)を実行可能である(図12~図14)。
(E3)右打ち示唆演出では、遊技者に右打ちを示唆する第1右打ち示唆画像R1(第1示唆画像)、第2右打ち示唆画像R2(第1示唆画像)を液晶表示器42(表示手段)に表示可能である。第1右打ち示唆画像R1は、液晶表示器42の中央に表示する。第2右打ち示唆画像R2は、液晶表示器42の右上に表示する。
(E4)右打ち状態において、遊技者にプッシュボタン64(操作手段)の操作を示唆する操作示唆演出(第2示唆演出)を実行可能である(図12中(D)、図13中(B)~図14中(F))。
(E5)操作示唆演出では、遊技者にプッシュボタン64の操作を示唆する第1操作示唆画像B1(第2示唆画像)~第6操作示唆画像B6(第2示唆画像)を液晶表示器42(表示手段)の中央に表示可能である。なお、第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6は、右打ち示唆演出(右打ち示唆画像)と重畳しないように表示すれば、「中央」以外に表示してもよい。
(E6)右打ち状態において、右打ち示唆演出と操作示唆演出とは同時期に実行可能である(図12~図14)。液晶表示器42においては、それぞれの演出が重畳しないように表示することができる。
(E7)右打ち示唆演出と操作示唆演出とでは、示唆通りに遊技しない場合、右打ち示唆演出の示唆に従わない方が操作示唆演出の示唆に従わないよりも不利である(不利益の大小関係:右打ちしないことによる不利益>ボタン操作しないことによる不利益)。
(E8)右打ち状態において、右打ち示唆演出と操作示唆演出とは別に、遊技者に遊技球の球抜きを示唆する球抜き示唆演出(第3示唆演出)を実行可能である(図17中(B))。
(E9)球抜き示唆演出は、右打ち示唆演出と操作示唆演出との実行中に実行可能であり、遊技者に遊技球の球抜きを示唆する球抜き示唆画像C(第3示唆画像)を液晶表示器42(表示手段)に表示可能である。球抜き示唆画像Cは、右打ち示唆画像や操作示唆画像の少なくとも一部と重畳するように表示可能である。また、球抜き示唆画像Cは、右打ち示唆画像や操作示唆画像とは異なる表示面積で表示可能である。
(E10)右打ち示唆画像と操作示唆画像と球抜き示唆画像とでは、球抜き示唆画像の画像パターン(球抜き示唆画像C)が最も少ない。なお、右打ち示唆画像の画像パターンと操作示唆画像の画像パターンとの関係については、いずれが多くてもよく、同数であってもよい。
より好ましくは、右打ち示唆画像と操作示唆画像と球抜き示唆画像とでは、球抜き示唆画像の画像パターン(球抜き示唆画像C)が最も少なく、右打ち示唆画像の画像パターン(第1右打ち示唆画像R1、第2右打ち示唆画像R2)が次に少なく、操作示唆画像の画像パターン(第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6)が最も多くなるように設定することができる。
すなわち、右打ち示唆画像と操作部材示唆画像と球抜き示唆画像とでは、遊技者に対する不利益が大きい方の画像パターン(画像の種類)が少なくなるように設定することができる(「球抜き示唆画像」の種類数<「右打ち示唆画像」の種類数<「操作部材示唆画像」の種類数)。球抜き示唆画像の種類数は、1種類又は2種類とすることができ、右打ち示唆画像の種類数よりも少なくすることが好ましい。なお、球抜き示唆画像の種類数を2種類とする場合には、右打ち示唆画像の種類数を3種類以上5種類以下とすることができる。
〔第5の技術的特徴の効果〕
第5の技術的特徴によれば、球抜き示唆画像の画像パターンの数が最も少ないため、表示されると直ちに認識でき、即座に対応可能となり、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
また、第5の技術的特徴によれば、遊技者に操作示唆(操作命令)を促す演出において、それぞれの重要度を認識させることができる。
各演出(右打ち示唆演出、操作示唆演出、球抜き示唆演出)が実行されているにも関わらず、指示通りに操作しない場合、以下に示す態様となる。
〔(1)右打ち示唆演出〕
指示通りに操作しない場合(左打ちを実行する、左打ちも右打ちも実行しない等の場合)は、遊技仕様に沿った遊技を実行していない可能性(大当り中であるのにアタッカに入賞できず払い出しが受けられない、高確中であるのに高確中に沿った内部抽選を受けることができない等の可能性)がある。この場合、遊技機による遊技自体は実行可能であるが、通常の(遊技の仕様に応じた)恩恵を得られない不利益を被る可能性がある。
〔(2)操作示唆演出〕
指示通りに操作しない場合(操作有効期間にボタン操作を行わない、よそ見をしている等の場合)は、ボタン操作等により発生する演出の確認ができない不利益を被る可能性がある。
〔(3)球抜き示唆演出〕
指示通りに操作しない場合(球抜き指示をそのまま放置した場合)は、遊技球が貯留され続けて賞球通路が満杯となり、遊技球の発射操作が不能となる可能性があり、遊技自体が不可能となる不利益を被る可能性がある。
〔各演出の不利益の大小関係〕
各演出に従わないことによる不利益の大小関係は、「(3)球抜き示唆演出」>「(1)右打ち示唆演出」>「(2)操作示唆演出」とすることができる。
すなわち、遊技者にとっては、「(3)球抜き示唆演出」に従わない場合の遊技不能が最も不利益が大きい。
また、遊技者にとっては、「(3)球抜き示唆演出」よりも、「(1)右打ち示唆演出」に従わない場合の通常の恩恵を得られない方が、不利益が小さい。
さらに、遊技者にとっては、「(1)右打ち示唆演出」よりも「(2)操作示唆演出」に従わない場合の演出の確認ができない方が、不利益が小さい。
〔その他の構成〕
第1の技術的特徴~第5の技術的特徴には、以下に示す構成を少なくとも1つ追加することができる。
(1)右打ち示唆画像は、第1の周期で画像を更新表示する(図18)。例えば、右打ち示唆画像の光沢を表現するように、光を強調する部分が一定周期で変化する。
(2)操作示唆画像は、第2の周期で画像を更新表示する(図19中(A)(B))。例えば、プッシュボタン64が通常の状態から押し込まれる状態を表現するように、操作示唆画像の画像パターンや操作示唆画像に対するエフェクトの変化態様が一定周期で変化する。
(3)右打ち示唆画像と操作示唆画像では、遊技者に対する不利益が大きい方(右打ち示唆画像)について、液晶表示器42における表示領域に対する画像の表示面積を小さくしている(図12中(D):「第2右打ち示唆画像R2」の表示面積<「第1操作示唆画像B1」の表示面積)。本構成によれば、右打ち示唆画像を画面端に寄せて他の演出と重ならないサイズで表示することで、他の演出を邪魔しない範囲で効果的に表示可能とするとともに重要度が高いことを理解させることが可能である。
なお、表示面積の関係は、特定状態のときには逆になるようにしてもよい(「右打ち示唆画像」の表示面積>「操作示唆画像」の表示面積)。
(4)右打ち示唆画像における第1の周期と、操作示唆画像における第2の周期とでは、遊技者に対する不利益が大きい方の周期を他方と比べて長くしている(1周期の時間が長い)。右打ち示唆画像における第1の周期と、操作示唆画像における第2の周期では、遊技者に対する不利益が大きい方の周期を遅くしている(第1の周期を遅くする)。本構成によれば、右打ち示唆画像のループ周期を長くしてアニメーションをゆっくり行うことで、1周期するまでの動きをしっかりと認識させつつ、操作示唆画像の短時間で終了するアニメーションよりも、多くの動きを見せることができる。
なお、第1の周期と第2の周期の長さの関係は、特定状態のときには逆になるようにしてもよい(第1の周期の長さ<第2の周期の長さ)。
(5)右打ち示唆演出(遊技者に対する示唆未実行に対する不利益の程度が操作示唆演出よりも大きい方)は、示唆演出の通りにハンドルユニットを操作しない場合に右打ち示唆演出とは別に音声等による操作示唆の演出(付加演出)を実行可能とするが、操作示唆演出は示唆の通りにプッシュボタンを操作しない場合であっても、操作示唆演出とは別に音声等による操作示唆の演出(付加演出)を実行することなく進行する(図15)。
(6)右打ち示唆演出は、遊技者が命令(示唆)通りにハンドルユニットを操作すると音声等による操作示唆の演出(付加演出)を実行することなく右打ち示唆演出を継続して実行可能とするが、操作示唆演出は、遊技者が命令(示唆)通りにプッシュボタンを操作すると操作示唆演出を終了可能とする(図16)。なお、特定の操作示唆演出については、遊技者が命令(示唆)通りにプッシュボタンを操作した場合、操作示唆演出を継続させることもできる。
(7)球抜き示唆画像は、第1の周期や第2の周期とは異なる第3の周期で画像を更新表示可能とする(図19中(C))。操作示唆に対して応答しない場合の不利益の程度がより大きい球抜き示唆画像において、右打ち示唆演出や操作示唆演出よりも周期を長くすることで、球抜き示唆画像の表示に対する重要度をさらに認識させることができる。
(8)右打ち示唆画像と操作示唆画像と球抜き示唆画像とでは、液晶表示器42における表示領域に対する画像の表示面積を異ならせるようにしてもよい。
具体的には、球抜き示唆画像の画像パターン(球抜き示唆画像C)を、右打ち示唆画像の画像パターン(第2右打ち示唆画像R2)や、操作示唆画像の画像パターン(第1操作示唆画像B1~第6操作示唆画像B6)よりも大きくして、遊技者に対する不利益が大きい画像パターンを、他の演出と重畳させるようなサイズで表示することで、球抜き示唆画像については重要度が高い画像であることを理解させることが可能となる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。また、いわゆる同時回し機に本発明を適用することも可能である。
第1の技術的特徴の構成~第5の技術的特徴の構成は、組み合わせて用いることができる。また、一の技術的特徴の構成の一部を他の技術的特徴に追加することもできる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔スロットマシン(回胴式遊技機、スロット機、パチスロ機)〕
上述した実施形態では、遊技球を用いるパチンコ機に本発明を適用する例について説明したが、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数を設定し、スタートレバーの操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンによる停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシンに適用してもよい。
スロットマシンは、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、図柄)を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール)を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機(例えば、スロットマシン)である。
また、スロットマシンとは、レバー状のスタートスイッチと、ボタン状のストップスイッチと、スタートスイッチの操作に基づいて回転を開始するとともに遊技者のストップスイッチの操作に基づいて回転を停止する複数の回転リールと、を備え、遊技媒体としてのメダル又は遊技球が遊技の開始に十分な数投入された状態において、スタートスイッチの操作に基づいて所定の当選役に当選するか否かを決定する当選役抽選を行うとともに複数の回転リールを回転し、ストップスイッチの操作に基づいて、操作されたストップスイッチに対応した回転している回転リールを停止し、停止した各回転リールの所定の図柄位置を結ぶ有効ライン上に表示された図柄の組み合わせに基づいて、当選役抽選によって当選した当選役に入賞したか否かの入賞判定を行い、入賞判定の結果に基づいて、遊技者に対して遊技媒体、再遊技、役物や役物連続作動装置等の特典を付与する遊技機である。