JP2023035209A - バッテリ温度推定方法及びバッテリ温度推定装置 - Google Patents

バッテリ温度推定方法及びバッテリ温度推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駐車中の車両のバッテリ温度をより高精度に推定する。【解決手段】車両10に設置されているバッテリ11の温度を推定するバッテリ温度推定装置30である。バッテリ温度推定装置30は、車両10に設置されているバッテリ温度センサ12の検出値を取得し、車両10が存在する位置に関する気象観測データに含まれる気温を取得する取得部35と、その気温とその検出値との差分値を算出する算出部36と、その差分値と、車両10の制御システムが停止中に取得された気温とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度を推定する推定部37とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に設置されているバッテリの温度を推定するバッテリ温度推定方法及びバッテリ温度推定装置に関する。
従来、車両に設置されているバッテリの温度を推定する技術が存在する。例えば、車両が駐車すると判断したときに取得されたバッテリの温度と、駐車予定場所における気温等の気象要素とに基づいて、駐車中のバッテリの温度推移を推定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-116357号公報
ここで、気象観測データに含まれる気温は、気象観測エリアにおける所定の気象観測地点での気温であるため、その気象観測地点と車両の駐車場所とが異なる場合には、気象観測エリアの気温と、車両の外気温との差が生じると想定される。このため、気象観測エリアの観測地点と車両の駐車場所とが異なる場合において、長期間、車両が駐車するときには、過去のバッテリの温度及び気象要素に基づいて、駐車中のバッテリの温度を適切に推定することは困難である。
本発明は、駐車中の車両のバッテリ温度をより高精度に推定することを目的とする。
本発明の一態様は、車両に設置されているバッテリの温度を推定するバッテリ温度推定方法である。このバッテリ温度推定方法は、車両に設置されている温度センサの検出値を取得する温度取得ステップと、車両が存在する位置に関する気象観測データに含まれる気温を取得する気温取得ステップと、その気温とその検出値との差分値を算出する算出ステップと、その差分値と、車両の制御システムが停止中に取得された気温とに基づいて、その停止中のバッテリの温度を推定する推定ステップとを備える。
本発明によれば、駐車中の車両のバッテリ温度をより高精度に推定することができる。
図1は、バッテリ温度推定システムのシステム構成例を簡略化して示すブロック図である。 図2は、記憶部に記憶されているプローブ情報DBの格納内容を簡略化して示す図である。 図3は、車両のバッテリの温度の遷移例を示す図である。 図4は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図5は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、複数の気象観測エリアの気象観測データを用いて、車両の周囲の気温を推定する例を示す図である。 図11は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、記憶部に記憶される差分値情報の一例を示す図である。 図13は、バッテリ温度推定装置におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。 図14は、車両の位置と、他の車両の位置と、気象観測エリアにおける気象観測地点の位置との関係に基づいて、他の車両の差分値を補正する例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
[バッテリ温度推定システムの構成例]
図1は、バッテリ温度推定システム1のシステム構成例を簡略化して示すブロック図である。バッテリ温度推定システム1は、車両3乃至5、10に設置されているバッテリの温度や劣化を推定するための通信システムであり、ネットワーク2と、車両3乃至5、10の制御システムと、気象データサーバ20と、バッテリ温度推定装置30と、プローブサーバ40とを備える。なお、図1では、4台の車両3乃至5、10が存在する例を示すが、車両の数はこれに限定されない。また、本実施形態では、主に、車両10のバッテリ11の温度や劣化を推定する例について説明するが、車両3乃至5のバッテリの温度や劣化を推定する場合についても同様に実施可能である。なお、バッテリ温度推定システム1は、バッテリ劣化推定システムを称することもできる。
ネットワーク2は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。また、バッテリ温度推定システム1を構成する各機器は、無線通信を利用した通信方式または有線通信を利用した通信方式の何れかの方式、または双方の方式によってネットワーク2に接続される。
車両10は、内燃機関車両、ハイブリッド車両、電動車両、燃料電池車両等の車両であり、バッテリ11と、バッテリ温度センサ12と、外気温センサ13と、日射量センサ14と、位置情報取得部15と、記憶部16と、車両ECU(Electronic Control Unit)17と、通信部18とを備える。これらの各部により車両10の制御システムが構成される。
バッテリ11は、車両10の駆動モータや補機類等の車載機器に対して電力を供給する二次電池であり、車載器の充電器又は車外の充電装置により充電可能である。バッテリ11として、例えば、リチウムイオン電池、鉛電池,ニッケル水素電池等を用いることができる。
バッテリ温度センサ12は、バッテリ11に関する温度を検出する温度センサであり、検出結果を車両ECU17に出力する。
外気温センサ13は、車両10の周囲の気温に関する温度を検出する温度センサであり、検出結果を車両ECU17に出力する。
日射量センサ14は、車両10における日射量(日照量)を検出する日射量センサであり、検出結果を車両ECU17に出力する。なお、バッテリ温度センサ12、外気温センサ13、日射量センサ14により取得された各検出値は、任意のタイミングでプローブサーバ40に順次送信してもよく、プローブサーバ40からの要求に応じて送信してもよい。
位置情報取得部15は、車両10が存在する位置に関する位置情報を取得するものであり、取得した位置情報を車両ECU17に出力する。位置情報取得部15は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を利用して位置情報を取得するGNSS受信機により実現できる。また、その位置情報には、GNSS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得してもよい。例えば、周囲に存在するアクセスポイントや基地局からの情報を用いて位置情報を導き出してもよい。また、例えば、ナビゲーション装置による位置推定技術を用いて位置情報を導き出してもよい。なお、位置情報取得部15により取得された車両10の位置情報は、任意のタイミングでプローブサーバ40に順次送信してもよく、プローブサーバ40からの要求に応じて送信してもよい。
記憶部16は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部16には、車両ECU17が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が記憶される。また、記憶部16には、通信部18を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部16として、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、これらの組み合わせを用いることができる。
車両ECU17は、記憶部16に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。例えば、車両ECU17は、各種プログラムに基づいて各種のアクチュエータ(ブレーキアクチュエータ、アクセルアクチュエータ、ステアリングアクチュエータなど)を制御する。また、車両ECU17は、プローブサーバ40からの要求や各種情報をプローブサーバ40に提供する。また、車両ECU17は、プローブサーバ40から指示情報に基づいて各種の処理を実行する。
通信部18は、車両ECU17の制御に基づいて、無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
気象データサーバ20は、ネットワーク2を介して各種の気象観測データを提供する情報処理装置である。具体的には、気象データサーバ20は、プローブサーバ40からの要求に応じて、プローブサーバ40により指定された1または複数の気象観測エリアの気象観測データをプローブサーバ40に提供する。例えば、気象データサーバ20は、気象観測データを提供する事業者により設置される。なお、気象観測データには、気象観測地点に関する情報(例えば緯度及び経度)、気象観測エリアに関する情報(例えば横浜市、千代田区)、気温、天候等に関する情報が含まれる。
バッテリ温度推定装置30は、プローブサーバ40のプローブ情報DB50に格納されている情報を用いて、プローブサーバ40により管理されている各車両に設置されているバッテリの温度や劣化を推定するものである。バッテリ温度推定装置30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。なお、バッテリ温度推定装置30は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現される。
通信部31は、制御部32の制御に基づいて、無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
記憶部33は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部33には制御部32が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が記憶される。また、記憶部33には、通信部31を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部33として、例えば、ROM、RAM、HDD、SSD、または、これらの組み合わせを用いることができる。
制御部32は、記憶部33に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置により実現される。
制御部32は、バッテリ温度推定処理に関する機能構成として、取得部35と、算出部36と、推定部37とを備える。
取得部35は、プローブサーバ40のプローブ情報DB50に格納されているプローブ情報や、気象データサーバ20により提供される気象観測データ等の各種情報を通信部31を介して取得するものであり、取得された各種情報を算出部36及び推定部37に出力する。
算出部36は、取得部35により取得された各情報を用いて各種の算出処理を行うものであり、その算出結果を推定部37に出力する。例えば、算出部36は、取得部35により取得された気象観測データに含まれる気温と、取得部35により取得されたプローブ情報に含まれる温度センサの検出値との差分値を算出する。なお、温度センサは、例えば車両10に設置されているバッテリ温度センサ12や外気温センサ13である。
推定部37は、プローブサーバ40により管理されている各車両に設置されているバッテリの温度や劣化を推定するものであり、その推定結果(温度、劣化)を記憶部33に記憶させるとともに、プローブサーバ40に供給する。例えば、推定部37は、算出部36により算出された差分値と、車両10の制御システムが停止中に取得部35により取得された気象観測データに含まれる気温とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度や劣化を推定する。
プローブサーバ40は、車両3乃至5、10に関する各種情報を管理する情報処理装置であり、通信部41と、制御部42と、記憶部43とを備える。
通信部41は、制御部42の制御に基づいて、無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
制御部42は、記憶部43に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部42は、例えば、CPU等の処理装置により実現される。
記憶部43は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部43には制御部42が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、プローブ情報DB50)が記憶される。また、記憶部43には、通信部41を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部43として、例えば、ROM、RAM、HDD、SSD、または、これらの組み合わせを用いることができる。
なお、図1では、バッテリ温度推定装置30及びプローブサーバ40が別体の機器として構成される例を示すが、バッテリ温度推定装置30及びプローブサーバ40を一体として構成し、バッテリ温度推定装置30による各機能をプローブサーバ40により実現してもよい。
[プローブ情報DBの格納内容例]
図2は、記憶部43に記憶されているプローブ情報DB50の格納内容を簡略化して示す図である。
プローブ情報DB50は、プローブサーバ40により管理されている各車両に関する各種情報が車両毎に格納されているデータベースである。具体的には、車両位置52と、起動日時53と、停止日時54と、バッテリ温度56と、バッテリ電流57と、バッテリ電圧58と、バッテリ充電量59と、充電履歴60と、外気温度61と、日射量センサ値62と、気象観測エリア63と、差分値64と、バッテリ劣化度65とが、車両ID51に関連付けて格納されている。これらの各情報は、ネットワーク2を介して各車両やバッテリ温度推定装置30から送信された各情報に基づいて、適宜格納される。
なお、本実施形態では、各機器から送信されてプローブサーバ40に蓄積されている各種の情報をプローブ情報と称して説明する。
車両ID51は、プローブサーバ40により管理されている各車両を識別するために各車両に付与される識別情報である。図2では、車両10には「NM01」が付与され、車両3に「NM02」が付与され、車両4に「NM03」が付与され、車両5に「NM04」が付与されている例を示す。
車両位置52は、プローブサーバ40により管理されている各車両が存在する位置を特定するための位置情報である。この位置情報は、各車両に設置されている位置情報取得部により取得された位置情報であり、例えば、緯度及び経度が格納される。なお、この例では、最新の車両位置を格納する例を示すが、車両位置の移動履歴情報を格納してもよい。
起動日時53は、プローブサーバ40により管理されている各車両の制御システムが起動した日時に関する時間情報である。例えば、車両10のユーザがイグニッションキー(スタートキー)を用いて車両10を起動させた場合、すなわちキーオン(IGN ON)された場合には、車両10の車両ECU17は、その起動時刻をプローブサーバ40に送信する。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した起動時刻を、車両ID51の「NM01」に関連付けて起動日時53に記録する。なお、この例では、最新の起動日時のみを格納する例を示すが、過去の起動日時を履歴情報として格納してもよい。
停止日時54は、プローブサーバ40により管理されている各車両のシステムが停止した日時に関する時間情報である。例えば、車両10のユーザがイグニッションキーを用いて車両10を停止させた場合、すなわちキーオフ(IGN OFF)された場合には、車両10の車両ECU17は、その停止時刻をプローブサーバ40に送信する。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した停止時刻を、車両ID51の「NM01」に関連付けて停止日時54に記録する。なお、この例では、最新の停止日時のみを格納する例を示すが、過去の停止日時を履歴情報として格納してもよい。
バッテリ温度56、バッテリ電流57、バッテリ電圧58、バッテリ充電量59、充電履歴60は、プローブサーバ40により管理されている各車両に設置されているバッテリに関する各種のバッテリ情報である。例えば、車両10が起動している場合において、車両10の車両ECU17は、所定タイミングで、バッテリ11に関する温度をバッテリ温度センサ12から取得し、その温度をプローブサーバ40に送信する。所定タイミングは、例えば定期的なタイミングやバッテリ11の温度に所定の変化が発生したタイミングとすることができる。なお、所定の変化は、バッテリ11の温度が所定値以上変化することを意味する。なお、バッテリ11に関する電流、電圧、充電量についても同様に、車両10の車両ECU17は、所定タイミングで、それらの各情報を取得し、その各情報をプローブサーバ40に送信する。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した各情報を、車両ID51の「NM01」に関連付けてバッテリ温度56、バッテリ電流57、バッテリ電圧58、バッテリ充電量59に記録する。なお、バッテリ充電量は、SOC(State Of Charge)と称することができる。
また、例えば、車両10においてバッテリ11への充電が実行された場合には、車両10の車両ECU17は、その充電に関する各情報をプローブサーバ40に送信する。なお、充電に関する各情報は、例えば充電開始時刻、充電終了時刻、充電量、充電の種類(普通充電または急速充電)である。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その充電に関する各情報を、車両ID51の「NM01」に関連付けて充電履歴60に記録する。なお、図2では、バッテリ情報として、充電履歴60に充電終了時刻のみを格納する例を示す。また、この例では、最新のバッテリ情報のみを格納する例を示すが、過去の各種のバッテリ情報を履歴情報として格納してもよい。
なお、制御システムが停止中の車両のバッテリ温度56には、バッテリ温度推定装置30により推定されたバッテリ温度が格納される。なお、バッテリ温度センサ12により取得されたバッテリ温度と、バッテリ温度推定装置30により推定されたバッテリ温度とを、異なる情報として格納してもよい。また、過去の各バッテリ温度を履歴情報として格納してもよい。
なお、バッテリ温度56に格納されているバッテリ温度については、プローブサーバ40により管理されている車両に提供してもよく、車両の販売店や製造会社等に提供してもよい。例えば、バッテリ温度が車両に通知された場合には、車載バッテリコントローラにおいて、バッテリ充電状態(SOCなど)の演算や充電電流制御等のバッテリ制御機能、過温度検知等のバッテリ自己診断機能に使用することができる。また、プローブサーバ40により管理されている各車両のバッテリ温度については、地域によるバッテリ使用環境の特性解析等に使用することができる。
外気温度61は、プローブサーバ40により管理されている各車両の外気温に関する温度情報である。例えば、車両10が起動している場合において、車両10の車両ECU17は、所定タイミングで、車両10の外気温を外気温センサ13から取得し、その温度をプローブサーバ40に送信する。所定タイミングは、例えば定期的なタイミングや車両10の外気温に所定の変化が発生したタイミングとすることができる。なお、所定の変化は、車両10の外気温が所定値以上変化することを意味する。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した温度を、車両ID51の「NM01」に関連付けて外気温度61に記録する。なお、この例では、最新の外気温度のみを格納する例を示すが、過去の外気温度を履歴情報として格納してもよい。
日射量センサ値62は、プローブサーバ40により管理されている各車両の日射量に関する日射量情報である。例えば、車両10が起動している場合において、車両10の車両ECU17は、所定タイミングで、車両10の日射量を日射量センサ14から取得し、その日射量をプローブサーバ40に送信する。所定タイミングは、例えば定期的なタイミングや車両10の日射量に所定の変化が発生したタイミングとすることができる。なお、所定の変化は、車両10の日射量が所定値以上変化することを意味する。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した日射量を、車両ID51の「NM01」に関連付けて日射量センサ値62に記録する。なお、この例では、最新の日射量のみを格納する例を示すが、過去の日射量を履歴情報として格納してもよい。
気象観測エリア63は、プローブサーバ40により管理されている各車両が存在する位置を含む気象観測エリアに関する情報である。例えば、バッテリ温度推定装置30により車両10のバッテリ温度が推定された場合において、その推定に用いられた気象観測データの気象観測エリアがバッテリ温度推定装置30からプローブサーバ40に送信される。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した気象観測エリアを、車両ID51の「NM01」に関連付けて気象観測エリア63に記録する。なお、この例では、最新の気象観測エリアのみを格納する例を示すが、過去の気象観測エリアを履歴情報として格納してもよい。
差分値64は、プローブサーバ40により管理されている各車両についてバッテリ温度推定装置30により算出された差分値に関する情報である。例えば、バッテリ温度推定装置30により車両10について差分値が算出された場合には、その差分値がバッテリ温度推定装置30からプローブサーバ40に送信される。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信した差分値を、車両ID51の「NM01」に関連付けて差分値64に記録する。なお、この例では、最新の差分値のみを格納する例を示すが、過去の差分値を履歴情報として格納してもよい。
バッテリ劣化度65は、プローブサーバ40により管理されている各車両についてバッテリ温度推定装置30により推定されたバッテリ劣化の程度に関する情報である。例えば、バッテリ温度推定装置30により車両10についてバッテリ劣化度が推定された場合には、そのバッテリ劣化度がバッテリ温度推定装置30からプローブサーバ40に送信される。そして、プローブサーバ40の制御部42は、その受信したバッテリ劣化度を、車両ID51の「NM01」に関連付けてバッテリ劣化度65に記録する。なお、この例では、最新のバッテリ劣化度のみを格納する例を示すが、過去のバッテリ劣化度を履歴情報として格納してもよい。
なお、バッテリ劣化度として、例えば、100%の状態から、どの程度劣化したかを示す情報が格納される。例えば、10%劣化したと推定された場合には、バッテリ劣化度として90%が格納される。なお、バッテリの使用可能期間を示す情報や、バッテリの走行可能距離を示す情報等のバッテリの寿命を示す情報を、バッテリ劣化度として格納してもよい。
なお、バッテリ劣化度65に格納されている情報については、プローブサーバ40により管理されている各車両に提供してもよく、各車両の販売店等に提供してもよい。例えば、バッテリ劣化度を各車両のユーザに通知することにより、ユーザはバッテリの寿命等を容易に把握することができる。また、例えば、バッテリ劣化度を販売店に通知することにより、販売店は、バッテリの交換時期や、バッテリを回収した後のリサイクル方法を容易に把握することができる。
[バッテリ温度の遷移例]
図3は、車両10のバッテリ11の温度の遷移例を示す図である。なお、図3に示すグラフにおいて、横軸は時間軸を示し、縦軸は温度を示す。
図3では、車両10の制御システムが起動中の期間SU1、SU2と、車両10の制御システムが停止中の期間SI1とを示す。すなわち、最初の期間SU1において、制御システムが起動中の車両10が時刻T1で停止し、次の期間SI1において、制御システムが停止中の車両10が時刻T2で起動する例を示す。
図3では、バッテリ温度センサ12により取得されたバッテリ温度BT1乃至BT6とともに、外気温センサ13により取得された車両10の外気温OT1、OT2とを示す。これらの各温度については、上述したように、プローブサーバ40のプローブ情報DB50に順次格納される。また、図3では、気象データサーバ20から取得された気象観測データに含まれる気温WD1乃至WD11を示す。この気象観測データについてもプローブサーバ40のプローブ情報DB50に順次格納してもよい。
また、図3では、それらの各温度に基づいて推定されたバッテリ11の温度(バッテリ推定温度EB1乃至EB10)及び車両10の外気温(外気温推定温度EO1乃至EO10)を示す。
図3に示すように、車両10の制御システムが起動中の期間SU1、SU2では、バッテリ温度センサ12によりバッテリ11の温度(バッテリ温度BT1乃至BT6)を直接的に取得することが可能である。しかし、車両10の制御システムが停止中の期間SI1では、バッテリ温度センサ12によりバッテリ11の温度を取得することができない。そこで、本実施形態では、車両10の制御システムが停止中の期間SI1において、気象データサーバ20から取得された気象観測データに含まれる気温WD1乃至WD10に基づいて、バッテリ11の温度を推定する例を示す。
ここで、例えば、リチウムイオン電池(バッテリの一例)は、経時劣化するため、劣化状態を推定する必要があり、その推定精度を向上させるためには、バッテリの温度情報を利用する必要がある。しかし、車両の制御システムの停止時には、バッテリ温度センサの検出値を取得することができないため、その停止時におけるバッテリ推定は、バッテリの温度情報を利用できず誤差が生じやすい。特に、車両の制御システムが長期間停止する場合には、その長期の停止期間中にバッテリ温度センサの検出値を取得することができない。そこで、気象観測データ(気温)に基づいてバッテリ温度を推定することが考えられる。しかし、気象観測データは、気象観測エリアの平均的なデータであるため、車両が駐車している位置での気温とは誤差があり、バッテリ温度を正確に推定することが困難となる。そこで、車両の制御システムが長期間停止した場合でも、停止中のバッテリ温度を正確に推定し、これにより、バッテリの劣化状態を精度よく推定することが重要となる。
ここで、気象観測データの気温と、外気温センサの検出値と、バッテリ温度センサの検出値との関係は、走行条件や車両位置によって変化する。そこで、本実施形態では、走行条件や車両位置によって変化する、それらの関係を利用して、車両の制御システムが停止中のバッテリ温度を推定する。具体的には、気象観測データ(気温)と温度センサの検出値との差分値を算出し、その差分値に基づいて、気象観測データ(気温)を補正することにより、車両の制御システムが停止中のバッテリ温度を推定する。これにより、気象観測地点と車両の位置との違い等による気温差がある場合でも、気象観測データ(気温)を用いて停止中のバッテリ温度をより高精度に推定することができる。
例えば、気象観測データに含まれる気温WD1乃至WD10は、車両10が存在する位置を含む気象観測エリアの気象観測地点での気温である。なお、気象観測エリアは、予め設定されているエリアであり、例えば市区町村等のエリアである。このため、車両10の外気温(外気温推定温度EO1乃至EO10)と比較的近い値になると想定される。しかし、上述したように、気象観測エリアの気象観測地点と車両10が存在する位置とが異なる場合には、車両10が存在する位置を含む気象観測エリアの気温と、車両10の外気温との差が生じると想定される。そこで、本実施形態では、車両10の制御システムが停止中の期間SI1におけるバッテリ11の温度を推定する場合に、気象データサーバ20から取得された気象観測データに含まれる気温と、車両10の外気温との差分値を用いて、温度差の補正を行うようにする。
なお、外気温センサ13は、車両10の内部(例えばエンジンルームの中)に設置されることが多いため、車両10の温度が高いと、外気温センサ13の検出値も、外気温よりも高くなる。このため、例えば、車両10の停止直後では、直前の車両10の走行条件の影響等により、外気温センサ13により取得された車両10の外気温は、実際の車両10の外気温と比較して、誤差が発生する可能性がある。
例えば、車両10の制御システムが起動中の期間SU1の最後に、外気温センサ13により取得された車両10の外気温OT1を比較例として説明する。この外気温OT1は、起動中の期間SU1の車両10の走行条件の影響等により、実際の外気温OT1‘よりも高い値となることが多い。図3に示す例では、外気温センサ13により取得された車両10の外気温OT1が、実際の外気温OT1‘よりも差分値DV1だけ高い場合の例を示す。
このように、外気温センサ13により取得された車両10の外気温は、直前の車両10の走行条件の影響等により、誤差が発生する可能性がある。そこで、車両10の制御システムの起動時において、外気温センサ13により取得された車両10の外気温を用いることが好ましい。ここでは、車両10の制御システムの起動時において、外気温センサ13により取得された車両10の外気温と、気象データサーバ20から取得された気象観測データに含まれる気温との差分値を用いて、その起動前の停止中の車両10のバッテリ11の温度を推定する例を示す。
具体的には、時刻T2で車両10の制御システムが起動した直後において、外気温センサ13により取得された車両10の外気温OT2と、気象データサーバ20から取得された気象観測データに含まれる気温WD11との差分値ΔT1を用いて、バッテリ11の温度を推定する。例えば、以下の式を用いて差分値ΔT1を算出する。
ΔT1=気温WD11-外気温OT2
次に、停止中の期間SI1におけるバッテリ11の温度を、差分値ΔT1を用いて推定する。例えば、以下の式を用いて、停止中の期間SI1における車両10の外気温(外気温推定温度EO1乃至EO10)を算出する。
外気温推定温度=気象観測データの気温-ΔT1
具体的には、外気温推定温度EO1=WD1-ΔT1、…、外気温推定温度EO10=WD10-ΔT1が順次算出される。このように算出された車両10の外気温(外気温推定温度EO1乃至EO10)に基づいて、停止中の期間SI1におけるバッテリ11の温度(バッテリ推定温度EB1乃至EB10)を推定する。
ここで、車両10の駐車直後では、直前の車両10の走行条件の影響等により、バッテリ11の温度が高い状態であり、バッテリ11の温度と車両10の外部の気温(外気温)とが離れていると想定される。しかし、時間の経過に応じて、バッテリ11の温度と車両10の外気温との差が小さくなると想定される。そこで、差分値ΔT1を用いて算出された外気温推定温度(例えばEO1乃至EO10)を、バッテリ11の温度と推定してもよい。ただし、車両10の外気温と車両10の内部に設置されているバッテリ11の温度とは、必ずしも一致しないと想定される。そこで、本実施形態では、差分値ΔT1を用いて算出された外気温推定温度に所定の演算を行うことにより、バッテリ11の温度をより高精度に推定するようにする。
具体的には、温度とバッテリに関する各情報とを用いた公知の推定方法を用いて、バッテリ11の温度を推定することができる。例えば、車両10の外気温(外気温推定温度)及びバッテリ11間の熱抵抗と、バッテリ11の熱容量とに基づいて、バッテリ11の温度を演算することができる。これにより、バッテリ11の過渡的な温度変化を精度良く推定できる。なお、車両10の駐車直後においては、直前の車両10の走行条件の影響等を考慮して、一時遅れ演算に基づいてバッテリ11の温度を推定してもよい。この例については図7において後述する。
ここでは、車両10の制御システムの起動時において算出された差分値ΔT1を用いて、その起動前の停止中の車両10のバッテリ11の温度を推定する例を示したが、これに限定されない。例えば、車両10の起動時において算出された差分値ΔT1を用いて、その起動後の停止中の車両10のバッテリ11の温度を推定してもよく、車両10の駐車直前において算出された差分値ΔT1を用いて、その駐車中の車両10のバッテリ11の温度を推定してもよい。これらの例については、図4乃至図9を参照して説明する。このように、車両10の制御システムが停止中のバッテリ11の温度を推定するために用いる差分値については、車両10の制御システムの停止中の前後、例えば、停止の直前や起動の直後などに算出することが好ましい。
なお、車両10が長期間(例えば数週間、数か月)同じ場所に駐車している場合には、車両10の環境も変化するため、その変化に応じて差分値ΔT1を更新することが好ましい。しかし、車両10の制御システムが長期間停止している場合には、バッテリ温度センサ12を使用することができず、バッテリ11の温度を取得することができない。このため、上述した差分値ΔT1を算出することができない。そこで、車両10の制御システムが長期間停止している場合には、略同じ環境(例えば同じ季節)と想定される過去の差分値を使用してバッテリ11の温度を推定することができる。この例を図11に示す。また、車両10の制御システムが長期間停止している場合には、車両10の近くに存在する他の車両の差分値を使用してバッテリ11の温度を推定することができる。この例を図13に示す。なお、車両10の制御システムが長期間停止している場合には、車両10の制御システムを周期的に起動させて差分値を取得し、その差分値を使用してバッテリ11の温度を推定することができる。この例については、後述する。
このように、車両10の制御システムが停止中のバッテリ11の温度は、長時間経過後には、車両10の外気温に近い値となる。このため、簡易なバッテリ温度推定として、気象観測データ(気温)から上述した差分値を減算した値(=外気温推定温度)に基づいてバッテリ温度を推定することができる。より詳細には、外気温推定温度及びバッテリ間の熱抵抗、および、バッテリの熱容量等に基づいて、バッテリ温度を演算することにより、過渡的な温度変化を精度良く推定できる。
[バッテリ温度推定装置の動作例]
図4は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。この処理例では、所定タイミングでバッテリ温度推定装置30が各車両のバッテリの温度を推定する例を示す。所定タイミングは、例えば、1日のうちの1または複数の所定時刻とすることができる。また、車両の駐車を検出したタイミングや、駐車していた車両の起動を検出したタイミングを所定タイミングとすることができる。また、この処理例は、記憶部33に記憶されているプログラムに基づいて制御部32により実行される。図4では、図1乃至図3に示す例を適宜参照して説明する。
ステップS91において、取得部35は、通信部31を介したプローブサーバ40とのやりとりにより、プローブサーバ40により管理されている車両の車両IDを特定する。例えば、取得部35は、プローブ情報DB50の車両ID51に車両IDが格納されている車両のうちから、バッテリ温度推定処理の対象となる1つの車両の車両IDを順次特定する。すなわち、プローブサーバ40により管理されている各車両について、バッテリ温度推定処理が順次実行される。
ステップS92において、取得部35は、ステップS91で特定された車両IDに関連付けてプローブ情報DB50に格納されている各プローブ情報を取得する。例えば、ステップS91で車両ID51「MN01」が特定された場合には、車両ID51「MN01」に関連付けられている各情報が取得される。
ステップS93において、取得部35は、気象データサーバ20から気象観測データを取得する。この場合に、取得部35は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる車両位置(図2に示す車両位置52)を含む気象観測エリアの気象観測データを取得する。なお、ステップS91で特定された車両IDに対応する車両の車両位置を含む気象観測エリアと、その周囲の気象観測エリアとの各気象観測データを取得してもよい。
ここで、上述した差分値ΔT1の算出に用いる気象観測データについては、その差分値ΔT1の算出に用いる外気温センサの検出値の検出時刻と同一時刻または略同一時刻に観測されたデータを用いることが好ましい。そこで、所定時間内の複数の観測時刻に対応する気象観測データを取得し、その複数の気象観測データのうちから、外気温センサの検出値の検出時刻に最も近い観測時刻の気象観測データを用いることが好ましい。なお、プローブサーバ40が、外気温センサの検出値を取得する毎に、その検出値の検出時刻と同一時刻または略同一時刻に観測された気象観測データを取得し、プローブ情報DB50に順次格納してもよい。この場合には、取得部35は、プローブサーバ40のプローブ情報DB50から気象観測データを取得することができる。
ステップS100において、バッテリ温度推定処理が実行される。このバッテリ温度推定処理については、図5等を参照して説明する。
ステップS94において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両のバッテリについて、ステップS100で推定されたバッテリ温度に基づいて、バッテリ劣化度を演算する。
[バッテリ劣化推定例]
ここでは、車両10のバッテリ11の劣化度を推定する推定方法について説明する。最初に、バッテリの劣化の種類について説明する。
バッテリの劣化の種類として、主に、保存劣化と、サイクル劣化とがある。保存劣化は、バッテリを置いておくだけで、時間の経過に応じて劣化が進むことを意味する。また、サイクル劣化は、充電放電を繰り返すことで、劣化が進むことを意味する。
なお、保存劣化及びサイクル劣化の双方とも、バッテリの温度の影響があることが知られている。例えば、保存劣化については、置いておくだけで劣化するため、バッテリを保存する環境によって劣化の進行度合いが変化する。特に、バッテリを保存する環境の温度の影響が大きい。例えば、バッテリが設置されている車両がどのような環境に駐車されているかに応じても変化する。例えば、保存劣化は、例えば、バッテリの温度が高くなるのに応じて右上がりに劣化することが知られている。一方、保存劣化は、バッテリの温度が極端に低くても劣化することが知られている。
また、車両の移動や駐車に応じても劣化の進行が異なる。例えば、車両が走行している場合には、保存劣化とサイクル劣化との双方の劣化が進行することになる。一方、車両が駐車している場合には、保存劣化が進行することになる。そこで、車両が駐車している場合において、バッテリの劣化を推定する場合には、バッテリの温度が、バッテリの劣化を推定するための重要なパラメータとなる。しかし、車両が駐車している場合には、車両の制御システムも停止していることが多いため、バッテリの温度をバッテリ温度センサにより検出することができず、バッテリ温度に基づくバッテリ劣化推定を行うことができない。そこで、本実施形態では、上述したように、気象観測データに含まれる気温のデータを使用して、バッテリの温度を推定し、そのバッテリ温度に基づいてバッテリ劣化推定を行うようにする。このバッテリ劣化推定方法については、保存劣化とサイクル劣化との双方の劣化を考慮した公知の演算方法を用いることができる。
[差分値の移動平均値を用いたバッテリ劣化推定例]
例えば、外気温センサの検出値への一時的な外乱の影響などが発生することも想定される。そこで、外乱の影響などを考慮して、バッテリ劣化推定を行うことができる。例えば、上述した差分値を順次記録しておき、所定期間における各差分値の平均値(移動平均値)を算出し、その差分値の平均値に基づいて推定されたバッテリ温度を用いて、バッテリ劣化推定を行うことができる。なお、所定期間は、実験データ等に基づいて適宜設定可能である。このように、差分値の移動平均値に基づいて推定されたバッテリ温度を用いて、バッテリ劣化推定を行うことにより、外気温センサの検出値への一時的な外乱の影響等を抑制して適切なバッテリ温度を推定することができる。これにより、バッテリ劣化推定の精度を高めることができる。
[各種のパラメータを用いたバッテリ劣化推定例]
ここで、外気温センサの検出値への一時的な外乱の影響等により、バッテリの温度の推定の信憑性が低下することも想定される。また、車両の周囲の環境の急激な変化や、車両が駐車している位置によっては、気象観測データの信憑性が低下することも想定される。このような場合には、上述した差分値が大きな値となることが想定される。そこで、上述した差分値が大きな値となる場合でも、バッテリ劣化推定の精度を維持するため、各種のパラメータを用いてバッテリ劣化推定の演算処理を実行してもよい。そこで、以下では、各種のパラメータを用いてバッテリ劣化推定の精度を向上させる例を示す。
ここでは、ステップS100で推定されたバッテリの温度を用いたバッテリ劣化推定演算(第1演算)と、バッテリの温度以外の他のデータを用いたバッテリ劣化推定演算(第2演算)との少なくとも1つに基づいてバッテリ劣化推定処理を行う例を示す。このバッテリ劣化推定処理では、車両の制御システムが停止中のバッテリの劣化を推定する場合に、上述した差分値に基づいて、第1演算の演算結果と、第2演算の演算結果との重み付けをして、バッテリ劣化推定を行う。この場合に、上述した差分値が大きくなるのに応じて、第1演算の演算結果の重み付けを小さくして、バッテリ劣化推定を行うようにする。すなわち、異なる2つのパラメータを用いてバッテリの劣化を推定する場合に、これらの2つのパラメータの重み付けをし、その重み付けを、差分値に基づいて変更する。このように、上述した差分値の信憑性が低下し、バッテリの温度推定の信憑性も低下したような場合には、第2演算の重みを増すことにより、バッテリの劣化推定の精度を向上させることができる。
なお、第1演算は、バッテリ温度を用いた保存劣化及びサイクル劣化に基づいてバッテリ劣化を推定する演算方法である。また、第2演算は、EIS(Electrochemical Impedance Spectroscopy)に基づいてバッテリ劣化を推定する演算方法や、電流積算に基づいてバッテリ劣化を推定する演算方法である。なお、EISを用いた演算方法は、バッテリの内部インピーダンスの変化を分析し、インピーダンスの変化に基づいてバッテリ劣化を推定する演算方法である。また、電流積算を用いた演算方法は、バッテリの発電、充電等のバッテリへの電流の入出に関する情報に基づいてバッテリ劣化を推定する演算方法である。なお、第2演算では、これらの各演算方法を組み合わせてバッテリ劣化推定を行うようにしてもよい。
[バッテリ温度推定処理例]
図5は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図4に示すステップS100に対応する。
ステップS101において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両の制御システムが停止中であるか否かを判定する。具体的には、推定部37は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる起動日時53、停止日時54に基づいて、車両の制御システムが停止中であるか否かを判定する。車両の制御システムが停止中である場合には、ステップS104に進む。一方、車両の制御システムが起動中である場合には、ステップS102に進む。
ステップS102において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されているバッテリ温度センサの検出値を、その車両のバッテリの温度とする。すなわち、推定部37は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれるバッテリ温度56の値を、ステップS91で特定された車両IDの車両のバッテリの温度とする。このように、車両の制御システムが起動中のバッテリ温度については、バッテリ温度センサにより検出が可能であるため、そのバッテリ温度センサの検出値を用いることができる。
ステップS103において、算出部36は、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されている外気温センサの検出値と、ステップS93で取得された気象観測データに含まれる気温との差分値を算出する。すなわち、算出部36は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる外気温度61の値と、ステップS93で取得された気象観測データに含まれる気温との差分値を算出する。そして、算出部36は、算出された差分値を車両IDに関連付けて記憶部33に保持させる。なお、図5では、車両の制御システムが起動中(例えば車両が走行中や停止中)である場合に、差分値を算出する例を示すが、所定のタイミングでのみ差分値を算出してもよい。例えば、車両の駐車を検出したタイミングや、駐車していた車両の起動を検出したタイミングでのみ差分値を算出してもよい。また、最新の差分値のみを記憶部33に保持してもよく、複数の差分値を記憶部33に保持してもよい。なお、長期間における複数の差分値を記憶部33に保持する例については図11に示す。このように、差分値が順次更新される。なお、差分値を、プローブサーバ40に送信し、プローブ情報DB50の差分値64に格納してもよい。
ステップS104において、推定部37は、ステップS93で取得された気象観測データに含まれる気温と、ステップS103で算出された差分値とに基づいて、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されているバッテリの温度を推定する。このバッテリ温度の推定方法は、図3で説明した推定方法と同様である。
なお、この例では、車両の制御システムの起動中に差分値を演算する例について説明するが、気象観測データ(気温)と外気温センサの検出値とのそれぞれのデータを取得することができる他のタイミングで差分値を演算してもよい。
このように、気象観測データの気象観測地点と、車両の位置との間の気温差を、気象観測データに含まれる気温と、車両の外気温センサの検出値との差分値に基づいて演算することができる。また、車両の制御システムが停止中においてバッテリ温度センサの検出値が取得できないときには、気象観測データに含まれる気温と、その差分値とに基づいて、車両の位置での気温を演算し、車両位置での気温から、バッテリ温度を推定する。
[差分値の平均値を用いるバッテリ温度推定処理例]
図5では、車両の制御システムが起動中に算出された差分値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示した。ここで、差分値の算出に用いる外気温センサの検出値には、外乱が影響することも想定される。そこで、外気温センサへの外乱の影響などを排除するため、例えば、差分値の平均値や最頻値などを用いることが考えられる。そこで、図6では、車両の制御システムが起動中に算出された差分値の平均値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示す。
図6は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図5に示すバッテリ温度推定処理の変形例であるため、図5と共通する処理手順には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
ステップS111において、算出部36は、ステップS103で算出された差分値と、記憶部33に保持されている差分値とを用いて、差分値の平均化処理を行う。例えば、1つの差分値のみが記憶部33に保持されている場合には、その差分値と、ステップS103で算出された差分値とを加算し、2で除算することにより差分値の平均値を求める。また、例えば、複数の差分値が記憶部33に保持されている場合には、その複数の差分値と、ステップS103で算出された差分値とを加算し、加算された差分値の数で除算することにより差分値の平均値を求める。なお、記憶部33に保持されている差分値の数が閾値を超えている場合や差分値の算出日時が所定期間を超えている場合には、平均値の算出に用いる差分値を選択して用いてもよい。
ステップS112において、推定部37は、ステップS93で取得された気象観測データに含まれる気温と、ステップS111で算出された差分値の平均値とに基づいて、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されているバッテリの温度を推定する。このバッテリ温度の推定方法は、図3で説明した推定方法において、差分値の代わりに差分値の平均値を用いる点が異なるが、他は、図3で説明した推定方法と同様である。
このように、差分値の変動(ばらつき)を考慮して、車両の制御システムが起動中の所定周期毎に演算した複数の差分値の平均値を演算して用いることができる。なお、図6では、差分値の平均値を用いる例を示したが、差分値の中央値、最頻値等を用いてもよい。また、気象状況や車両の運転条件等に応じて、演算条件(例えば差分値、中央値、最頻値)を選択してもよい。
このように、差分値の平均値や中央値、最頻値等を用いることにより、外気温センサへの外乱の影響等を排除することができる。
[車両の起動初期に差分値を算出するバッテリ温度推定処理例]
図5、6では、車両の制御システムが起動中に算出された差分値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示した。ここで、車両が走行中には、環境条件による外乱の影響を外気温センサが受けていることが想定される。そこで、外気温センサへの外乱の影響が少ない起動初期における外気温センサの検出値を用いて差分値を算出することが考えられる。そこで、図7では、車両の制御システムの起動初期における外気温センサの検出値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示す。
図7は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図5に示すバッテリ温度推定処理の変形例であるため、図5と共通する処理手順には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
ステップS121において、算出部36は、ステップS91で特定された車両IDの車両の制御システムが起動初期状態であるか否かを判定する。具体的には、算出部36は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる起動日時53に基づいて、車両の制御システムが起動初期状態であるか否かを判定する。車両の制御システムが起動初期状態である場合には、ステップS103に進む。一方、車両の制御システムが起動初期状態でない場合には、バッテリ温度推定処理の動作を終了する。
このように、車両の運転条件により走行風や空調等による外気温センサへの外乱の影響が少ない起動初期に、差分値の算出処理を行うようにする。すなわち、車両の制御システムの起動初期、例えば、外気温センサの出力が安定して検出できるようになったら、気象観測データに含まれる気温と外気温センサの検出値との差分値を演算する。
ステップS122において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両の制御システムが停止してから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、外気温センサへの外乱の影響が閾値よりも小さくなると想定される経過時間である。例えば、バッテリ温度と車両の外気温との差が閾値よりも小さくなると想定される経過時間を所定時間とすることができる。なお、この所定時間は、実験データ等により適宜設定することができる。具体的には、推定部37は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる停止日時54と、ステップS124で積算される停止時間とに基づいて、車両の制御システムが停止してから所定時間が経過したか否かを判定する。車両の制御システムが停止してから所定時間が経過した場合には、ステップS104に進む。一方、車両の制御システムが停止してから所定時間が経過していない場合には、ステップS123に進む。
ステップS123において、推定部37は、ステップS92で取得されたプローブ情報データに含まれるバッテリ温度56(図2参照)を用いた一次遅れ演算に基づいて、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されているバッテリの温度を推定する。この一次遅れ演算として、例えば、公知の一次遅れ演算方法を用いることができる。すなわち、車両の制御システムが停止する直前に取得されたバッテリ温度センサの検出値と、時定数とに基づいて、一次遅れ演算が行われる。なお、時定数等は、予め実験的に取得したものを用いることができる。
このように、車両が駐車して、車両の制御システムが停止してから所定時間が経過するまでの間は、バッテリ温度が高いことが多い。このため、その期間は、バッテリ温度が、車両が存在する位置の気温よりも高いことが多い。そこで、バッテリ温度が、車両が存在する位置の気温と略同じ温度となるまでの期間においては、一次遅れ演算に基づいて、バッテリ温度を推定するようにする。なお、ステップS122、S123の各処理については、図5、図6に示す例において追加で実行してもよい。
なお、図7では、車両の制御システムが停止してから所定時間が経過するまでの間のバッテリ温度の推定方法として、一次遅れ演算を用いる例を示したが、他の演算方法を用いて、バッテリ温度を推定してもよい。例えば、車両の走行時間または走行距離と、車両の駐車後からのバッテリ温度の温度変化との実験データに基づいて取得されたバッテリ温度遷移情報を用いて、バッテリ温度を推定してもよい。
[前回の停止時間が長いことを条件に差分値を算出するバッテリ温度推定処理例]
図7では、車両の制御システムの起動初期における外気温センサの検出値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示した。ここで、車両の制御システムが起動する前の停止時間が短い場合には、車両には前回の起動中の走行風や空調等の影響が残っていることが想定される。また、外気温センサの検出値は、前回の起動中の走行風や空調等の外乱の影響により温度が高くなっていることが想定される。そこで、このような外乱の影響を回避するため、車両の制御システムが起動する前の停止時間が所定値以下である場合には、外気温センサの検出値を用いた差分値を算出しないことが好ましい。そこで、図8では、車両の制御システムが起動する前の停止時間が所定値を超えた場合におけるその起動初期における外気温センサ13の検出値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示す。
図8は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図7に示すバッテリ温度推定処理の変形例であるため、図7と共通する処理手順には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
ステップS131において、算出部36は、ステップS91で特定された車両IDの車両の制御システムが起動する前の停止時間が所定時間よりも大きいか否かを判定する。具体的には、算出部36は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる起動日時53、停止日時54に基づいて、その停止時間が所定時間よりも大きいか否かを判定する。この所定時間は、外気温センサへの外乱の影響が閾値よりも小さくなると想定される経過時間である。例えば、バッテリ温度と車両の外気温との差が閾値よりも小さくなると想定される経過時間を所定時間とすることができる。なお、この所定時間は、実験データ等により適宜設定することができる。例えば、ステップS122で示す所定時間と同じ値としてもよい。その停止時間が所定時間よりも大きい場合には、ステップS103に進む。一方、その停止時間が所定時間以下である場合には、バッテリ温度推定処理の動作を終了する。このように、外乱の影響を受けなくなる程度の停止時間が発生するまでは、差分値を算出しないようにする。
なお、図8、図9では、車両の制御システムの起動初期における外気温センサの検出値を用いて、その起動後におけるバッテリ温度推定を行う例を示した。ただし、図3に示すように、車両の制御システムの起動初期における外気温センサの検出値を用いて、その起動前における車両の制御システムが停止中のバッテリ温度を推定してもよい。この場合には、ステップS104でバッテリ温度を推定する代わりに、気象観測データに含まれる気温及び観測時刻を記憶部33に順次保持しておく。そして、ステップS103で差分値が算出された後に、推定部37は、その差分値と、記憶部33に保持されている各気温とに基づいてバッテリ温度を、各観測時刻について推定する。すなわち、ステップS103で差分値が算出される前のバッテリ温度を推定する。
[車両の停止直前に差分値を算出するバッテリ温度推定処理例]
図7、8では、車両の制御システムの起動初期における外気温センサの検出値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示した。ここで、車両の制御システムが停止している間は、外気温センサの検出値を取得することができない。そこで、車両の制御システムが停止する直前に、外気温センサの検出値を取得しておき、その検出値を用いて差分値を更新し、この差分値を用いてその後の停止中のバッテリ温度を推定することも考えられる。そこで、図9では、車両の制御システムの停止直前における外気温センサの検出値を用いて、バッテリ温度推定を行う例を示す。
図9は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図7に示すバッテリ温度推定処理の変形例であるため、図7と共通する処理手順には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
ステップS141において、算出部36は、ステップS91で特定された車両IDの車両の制御システムが停止する直前であったか否かを判定する。具体的には、算出部36は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる停止日時54に基づいて、車両の制御システムが停止する直前であったか否かを判定する。車両の制御システムが停止する直前であった場合には、ステップS103に進む。一方、車両の制御システムが停止する直前でない場合には、バッテリ温度推定処理の動作を終了する。
このように、車両の制御システムの停止中は、外気温センサの検出値を取得することができないため、その停止直前で取得された外気温センサの検出値を用いて、差分値を演算して更新する。すなわち、車両においてキーオフされたタイミングでの外気温センサの検出値を用いて差分値を演算して更新することができる。そして、車両の制御システムの停止中は、その更新後の差分値を用いてバッテリ温度の推定を行う。これにより、時間的に先行している情報(差分値)を用いて、リアルタイムに停止中のバッテリ温度を推定することができる。
なお、外気温センサに対する外乱の影響を回避するため、例えば、外気温センサの検出値の所定回数分の平均値(移動平均値)を演算しておき、キーオフしたタイミングでの平均値を、外気温センサの検出値の代わりに使用してもよい。また、例えば、外気温センサに対する外乱の影響を考慮した値を、実験データ等により予め設定しておき、その外乱の影響を考慮した値を用いて、差分値を算出してもよい。例えば、図3に示すように、外気温センサの検出値(車両の外気温)OT1と、実際の外気温OT1‘との差分値DV1を、外気温センサに対する外乱の影響を考慮した値として設定することができる。この場合には、ステップS103において、算出部36は、外気温センサの検出値から差分値DV1を減算した値と、気象観測データに含まれる気温との差分値を算出する。
[複数の気象観測エリアの気象観測データを用いて車両の外気温を補正する例]
図10は、複数の気象観測エリアOA11乃至OA14の気象観測データを用いて、車両10の周囲の気温を推定する例を示す図である。気象観測エリアOA11は、車両10が存在するエリアであり、気象観測エリアOA12乃至OA14は、気象観測エリアOA11に隣接するエリアであるものとする。なお、図10では、車両10が存在する気象観測エリアOA11と、その周囲の3つの気象観測エリアOA12乃至OA14とを対象エリアとする例を示すが、これに限定されない。気象観測エリアOA11と、その周囲の2または4以上の気象観測エリアを対象エリアとしてもよい。
ここで、気象観測エリアOA11乃至OA14の気象観測地点WP11乃至WP14と、車両10との各距離をD11乃至D14とする。また、気象観測地点WP11で観測された気温をTAとし、気象観測地点WP12で観測された気温をTBとし、気象観測地点WP13で観測された気温をTCとし、気象観測地点WP14で観測された気温をTDとする。
この場合に、気象観測地点WP11乃至WP14と車両10との各距離D11乃至D14に基づいて、気象観測地点WP11乃至WP14での気温TA乃至TDを補間演算し、車両10の位置での気温データを演算する。例えば、気象観測地点WP11乃至WP14と車両10との各距離D11乃至D14の逆数を重みとして気温データを演算することができる。具体的には、WA=1/DAとし、WB=1/DBとし、WC=1/DCとし、WD=1/DDとする。そして、気象観測地点WP11乃至WP14での気温と、上述した重みとに基づいて、車両10の位置での気温T10を求める。具体的には、次の式を用いて、車両10の位置での気温T10を求めることができる。
T10=(WA×TA+WB×TB+WC×TC+WD×TD)÷(WA+WB+WC+WD)
上述した式により求められた気温T10を、気象観測データに含まれる気温の代わりに用いて、差分値を演算することができる。例えば、ステップS103において、算出部36は、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されている外気温センサの検出値と、上述した式により求められた気温T10との差分値を算出する。このように、近接する複数の気象観測エリアの気象観測データ(気温)を補間演算した値に基づいて、差分値を取得することができる。
例えば、気象観測エリアが広く、かつ、その気象観測エリアの気象測定地点から車両10までの距離が離れている場合、例えば気象観測エリアの境界近くに車両10が存在する場合でも、精度良くバッテリ温度を推定できる。
[第1実施形態の構成及び効果]
第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法は、車両10に設置されているバッテリ11の温度を推定するバッテリ温度推定方法である。このバッテリ温度推定方法は、車両10に設置されている外気温センサ13(温度センサの一例)の検出値を取得する温度取得ステップ(ステップS92)と、車両10が存在する位置に関する気象観測データに含まれる気温を取得する気温取得ステップ(ステップS93)と、その気温とその検出値との差分値を算出する算出ステップ(ステップS103)と、その差分値と、車両10の制御システムが停止中に取得された気温とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度を推定する推定ステップ(ステップS104、S112)とを備える。
この構成によれば、車両10の制御システムが停止中において、バッテリ温度センサ12の検出値が取得できない場合でも、気象観測データに基づいてバッテリ11の温度を正確に推定できる。また、気象観測地点と車両10の位置との違い等による気温差がある場合でも、気象観測データ(気温)を用いて停止中のバッテリ11の温度を正確に推定できる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、算出ステップ(ステップS103)は、車両10の制御システムが起動中に取得された気温及び検出値を用いて、差分値を算出する。
この構成によれば、車両10の制御システムが停止する前後に取得された気温及び検出値を用いて、気象観測地点と車両10の位置との気温差を精度良く演算することができ、停止中のバッテリ11の温度の推定精度を高めることができる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、算出ステップ(図7、図8に示すステップS103)は、車両10の制御システムの起動時(起動初期)に取得された気温及び検出値を用いて、差分値を算出し、推定ステップ(ステップS104)は、その差分値の算出に用いられた気温及び検出値が取得されたタイミングの直前(図3参照)またはその後の制御システムの停止中のバッテリ11の温度を推定する。
この構成によれば、外気温センサ13の検出値に対する走行中の環境条件による外乱の影響を回避して、停止中のバッテリ11の温度を正確に推定することができる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、算出ステップ(図8に示すステップS103)は、車両10の制御システムの停止期間が所定時間以上である場合に、その停止期間後の起動時(起動初期)に取得された気温及び検出値を用いて、差分値を算出する。
この構成によれば、外気温センサ13の検出値に対する走行中の環境条件による外乱の影響を回避するための具体的な条件を設定して、停止中のバッテリ11の温度を正確に推定することができる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、算出ステップ(図9に示すステップS103)は、車両10の制御システムが停止する直前(起動末期)に取得された気温及び検出値を用いて、差分値を算出し、推定ステップ(図9に示すステップS104)は、その差分値の算出に用いられた気温及び検出値が取得されたタイミングの直後の車両10の制御システムの停止中のバッテリ11の温度を推定する。
この構成によれば、時間的に先行している情報(差分値)を用いて、リアルタイムに停止中のバッテリ11の温度を推定することができる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、算出ステップ(ステップS103)は、車両10が存在する位置を含む気象観測エリアと、その気象観測エリアに近接する他の気象観測エリアとの複数の気象観測エリアに関する気象観測データに含まれる気温を補間演算した値に基づいて、差分値を算出する。
この構成によれば、気象観測エリアが広く、かつ、その気象観測エリアの気象測定地点と車両10の駐車位置とが離れている場合(例えば気象観測エリアの境界近く等に車両10が駐車している場合)でも、バッテリ11の温度を精度良く推定できる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、推定ステップ(ステップS104)は、差分値の移動平均値に基づいて、車両10の制御システムが停止中のバッテリ11の温度を推定する。また、その推定ステップ(ステップS104)で推定されたバッテリ11の温度を用いて、車両10の制御システムが停止中のバッテリ11の劣化を推定する劣化推定ステップ(ステップS94)をさらに備える。
この構成によれば、外気温センサ13の検出値への一時的な外乱の影響等を抑制しながら推定したバッテリ11の温度に基づいて、バッテリ11の劣化推定を精度良く行うことができる。
また、第1実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、推定ステップ(ステップS104)で推定されたバッテリ11の温度を用いたバッテリ劣化推定演算(第1演算)と、バッテリ11の温度以外の他のデータを用いたバッテリ劣化推定演算(第2演算)との少なくとも1つに基づいて、車両10の制御システムが停止中のバッテリ11の劣化を推定する劣化推定ステップ(ステップS94)をさらに備える。その劣化推定ステップ(ステップS94)は、差分値に基づいて、第1演算の演算結果と、第2演算の演算結果との重み付けをして、バッテリ11の劣化を推定し、差分値が大きくなるのに応じて、第1演算の演算結果の重み付けを小さくする。
この構成によれば、外気温センサ13の検出値への一時的な外乱の影響等により、バッテリ11の温度推定の信憑性が低下するような場合でも、その他のデータによる劣化推定演算の重みを増すことにより、バッテリ11の劣化推定を精度良く行うことができる。
また、バッテリ温度推定装置30は、車両10に設置されているバッテリ11の温度を推定するバッテリ温度推定装置である。バッテリ温度推定装置30は、車両に設置されている温度センサの検出値を取得する取得部35(温度取得部の一例)と、車両10が存在する位置に関する気象観測データに含まれる気温を取得する取得部35(気温取得部の一例)と、その気温とその検出値との差分値を算出する算出部36と、その差分値と、車両10の制御システムが停止中に取得された気温とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度を推定する推定部37とを備える。なお、本実施形態に係るバッテリ温度推定装置は、車両の制御システム(例えば車両ECU17を含むシステム)や、プローブサーバ40により実現してもよく、バッテリ温度推定システム1を構成する複数の機器により実現してもよい。
この構成によれば、車両10の制御システムが停止中において、バッテリ温度センサ12の検出値が取得できない場合でも、気象観測データに基づいてバッテリ11の温度を正確に推定できる。また、気象観測地点と車両10の位置との違い等による気温差がある場合でも、気象観測データ(気温)を用いて停止中のバッテリ11の温度を正確に推定できる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、車両の制御システムが起動中に算出された差分値を用いて、車両の制御システムが停止中のバッテリ温度を推定する例を示した。これにより、車両の制御システムが起動中に差分値が順次更新されるため、車両の環境に応じてバッテリ温度をより高精度に推定することができる。ここで、車両の制御システムの停止期間が長い場合には、差分値の更新を行うことができない。この場合には、差分値の算出時期と、バッテリ温度を推定する推定時期とが大きく異なることも想定される。例えば、夏に算出された差分値を用いて、冬にバッテリ温度を推定することも想定される。この場合には、季節に応じた適切なバッテリ温度の推定を行うことができないことも想定される。そこで、第2実施形態では、所定期間(例えば1年)内に算出された差分値を保存しておき、その保存された各差分値を用いてバッテリ温度の推定を行う例を示す。なお、第2実施形態は、第1実施形態の一部を変形したものであるため、第1実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
[過去の差分値を保存して用いるバッテリ温度推定処理例]
図11は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図7に示すバッテリ温度推定処理の変形例であるため、図7と共通する処理手順には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
図12は、記憶部33に記憶される差分値情報の一例を示す図である。記憶部33には、差分値情報として、差分値72と、算出時刻73と、車両の位置情報74とが車両ID71に関連付けて格納される。
ステップS151において、算出部36は、ステップS103で算出された差分値と、その算出時刻と、ステップS91で特定された車両IDの車両の位置情報とを記憶部33に車両IDに関連付けて保持させる。例えば、図12に示すように、差分値に関する差分値情報が記憶部33に記憶される。なお、車両の位置情報として、例えば、車両が存在する位置を含む気象観測エリアに関する情報を保持させるようにしてもよい。なお、この例では、バッテリ温度推定装置30が差分値情報を保持する例を示すが、ステップS103で算出された差分値をプローブサーバ40に順次送信し、その差分値をプローブサーバ40のプローブ情報DB50の差分値64(図2参照)に車両IDに関連付けて保持させるようにしてもよい。なお、所定期間(例えば1年)前の差分値は消去してもよい。
ステップS152において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両の制御システムが長期間停止中か否かを判定する。具体的には、推定部37は、ステップS92で取得されたプローブ情報に含まれる起動日時53、停止日時54に基づいて、その制御システムが長期間停止中か否かを判定する。長期間を判定するための閾値は、例えば、実験データ等により適宜設定することができる。例えば、1月乃至1年程度の値を、長期間を判定するための閾値とすることができる。その制御システムが長期間停止中である場合には、ステップS153に進む。一方、その制御システムが長期間停止中でない場合には、ステップS122に進む。
ステップS153において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDに関連付けて記憶部33に記憶されている差分値を取得する。この場合に、記憶部33に記憶されている差分値が複数である場合には、それらの各差分値を取得する。
ステップS154において、推定部37は、ステップS93で取得された気象観測データに含まれる気温と、ステップS153で取得された差分値とに基づいて、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されているバッテリの温度を推定する。この場合に、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両の位置と同じ車両位置(同じ気象観測エリア)において過去に算出された差分値のうち、同じ時期(例えば、同じ月)に算出された差分値を用いる。また、算出対象となる差分値が複数記憶されている場合には、それらを用いた演算結果(例えば、平均値)を用いることができる。このように、ステップS154では、過去に算出された差分値のうち、位置や時期が略同じ差分値を用いてバッテリの温度を推定するのに対し、ステップS104では、最新の差分値を用いてバッテリの温度を推定する。
このように、車両の制御システムの長期間の停止により、差分値の更新ができない場合でも、過去に算出された差分値情報を用いて、バッテリ温度の推定を行う。この場合に、車両の駐車位置と同じ位置(例えば自宅車庫)に対応する気象観測エリアの気温を用いた過去の差分値を用いることができ、適切にバッテリ温度の推定を行うことができる。また、気象観測地点と駐車位置(例えば自宅車庫)の気温差に季節による変動があるような場合でも、その変動に応じて、適切にバッテリ温度の推定を行うことができる。すなわち、車両の制御システムの長期間の停止により、差分値の更新ができない場合でも、車両の過去の差分値情報を用いて、季節による変動等を加味して、バッテリ温度の推定を行うことができる。
なお、車両が長期間の駐車ではなく、ある頻度で差分値の更新ができる場合でも、過去の差分値との平均値等を用いることにより、過去のデータも加味して、バッテリ温度の推定の精度を上げることもできる。
[第2実施形態の構成及び効果]
第2実施形態に係るバッテリ温度推定方法は、算出ステップ(ステップS103)で算出された差分値を記憶部33に記憶させる記憶ステップ(ステップS151)をさらに備える。また、推定ステップ(ステップS154)は、車両10の制御システムが停止中に取得された気温と、記憶部33に記憶されている差分値とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度を推定する。
この構成によれば、車両10の制御システムが長期間停止している場合において、新たな差分値を取得できないときでも、車両10の過去の差分値を用いて、バッテリ11の温度を精度良く推定できる。
第2実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、記憶ステップ(ステップS151)は、少なくとも過去1年間に算出された差分値を記憶部33に記憶させ、推定ステップ(ステップS154)は、車両10の制御システムが停止中に取得された気温と、記憶部33に記憶されている差分値のうちの当該停止中の時期に対応する差分値とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度を推定する。
この構成によれば、車両10の制御システムが長期間停止している場合において、新たな差分値を取得できないときでも、車両10の過去の差分値を用いて、季節による変動等を加味して、バッテリ11の温度を精度良く推定できる。
[第3実施形態]
第1、第2実施形態では、車両10について算出された差分値を用いて、バッテリ11の温度を推定する例を示した。ここで、第2実施形態で示したように、車両の制御システムの停止期間が長い場合(例えば1月以上の場合)には、差分値の更新を行うことができず、差分値の算出時期と、バッテリ温度を推定する推定時期とが大きく異なることも想定される。この場合には、季節に応じた適切なバッテリ温度の推定を行うことができないことも想定される。そこで、第3実施形態では、近くに存在する他の車両について算出された差分値を用いて、バッテリ温度の推定を行う例を示す。なお、第3実施形態は、第1、第2実施形態の一部を変形したものであるため、第1、第2実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
[他の車両の差分値を用いるバッテリ温度推定処理例]
図13は、バッテリ温度推定装置30におけるバッテリ温度推定処理の一例を示すフローチャートである。このバッテリ温度推定処理は、図11に示すバッテリ温度推定処理の変形例であるため、図11と共通する処理手順には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
ステップS161において、推定部37は、ステップS91で特定された車両IDの車両以外の他の車両について算出された差分値を取得する。ここで、他の車両は、車両10の近くに存在する車両、車両10と同じ地域に存在する車両、車両10と同じ気象観測エリアに存在する車両等とすることができる。具体的には、取得部35は、ステップS91で特定された車両IDの車両以外の他の車両に関連付けてプローブ情報DB50に格納されている各プローブ情報を取得する。例えば、車両位置52(図2参照)に基づいて、車両10の近くに存在する車両や、車両10と同じ地域に存在する車両を抽出することができる。また、気象観測エリア63(図2参照)に基づいて、車両10と同じ気象観測エリアに存在する車両を抽出することができる。そして、推定部37は、取得部35により取得された各プローブ情報に含まれる他の車両の差分値を取得する。なお、現時刻に最も近い時刻に算出された差分値を取得することが好ましい。
ステップS162において、推定部37は、ステップS93で取得された気象観測データに含まれる気温と、ステップS161で取得された他の車両の差分値とに基づいて、ステップS91で特定された車両IDの車両に設置されているバッテリの温度を推定する。なお、他の車両について算出された差分値として、複数の車両の差分値が取得された場合には、これらのうちの1つの差分値(例えば車両位置が最も近い車両の差分値)を用いるようにしてもよく、複数の差分値(例えば平均値)を用いるようにしてもよい。
このように、車両の制御システムの停止期間が長い場合(例えば1月以上の場合)において、差分値の算出ができないときでも、車両の周囲に存在する他の車両の差分値を用いて、バッテリの温度を精度良く推定できる。
[他の車両の差分値を補正する例]
図13では、他の車両の差分値を用いて車両10のバッテリ11の温度を推定する例を示した。ここで、車両10と他の車両との間が比較的離れている場合には、車両10の周囲の温度と他の車両の周囲の温度とが異なることも想定される。そこで、図14では、車両10の位置と他の車両の位置とを考慮して他の車両の差分値を補正する例を示す。
図14は、車両10の位置と、他の車両の位置と、気象観測エリアにおける気象観測地点の位置との関係に基づいて、他の車両の差分値を補正する例を示す図である。図14(A)には、他の車両が1台である場合の補正例を示し、図14(B)には、他の車両が複数台である場合の補正例を示す。
図14(A)では、車両10の位置と、車両3の位置と、気象観測エリアOA1における気象観測地点WP1の位置との関係に基づいて、車両3の差分値を補正する例を示す。ここで、車両3の差分値をΔTaとし、車両10及び気象観測地点WP1間の距離をD1とし、車両3及び気象観測地点WP1間の距離をDaとする。この場合には、気象観測地点WP1までの各距離D1、Daと差分値ΔTaとの関係に基づいて、気象観測地点WP1までの距離に比例して差分値が変化するように、車両10の差分値ΔT1を演算することができる。具体的には、次の式を用いて車両10の差分値ΔT1を演算することができる。
ΔT1=ΔTa×D1/Da
図14(B)では、等高線データの補間演算に基づいて、他の車両3乃至5の差分値を補正する例を示す。図14(B)に示すように、気象観測エリアOA2内に多くの車両3乃至5が存在する場合には、各車両3乃至5の位置及び差分値に基づいて、等高線データED1乃至ED3を作成する。なお、等高線データED1乃至ED3は、気象観測地点WP2及び車両3乃至5間の距離と、車両3乃至5の差分値との関係に基づいて作成されるデータである。すなわち、矢印AR1方向に進むに従って、気象観測地点WP2との温度差が大きくなるため、この温度差に基づいて、等高線データED1乃至ED3が作成される。例えば、等高線データED1に対応する線上に存在する各車両の外気温は、同一の温度と推定される。同様に、等高線データED2、3に対応する線上に存在する各車両の差分値は、同一の値と推定される。そして、等高線データED1乃至ED3における車両10の位置に基づいて、他の車両の差分値を補正することができる。
このように、等高線データED1乃至ED3を用いた補間演算により、車両10の差分値を求めることもできる。これにより、車両の周囲に存在する他の車両の差分値を用いてバッテリ温度を推定する場合でも、位置関係による補間演算により、バッテリの温度を精度良く推定できる。
[第3実施形態の構成及び効果]
第3実施形態に係るバッテリ温度推定方法は、車両10の制御システムの停止期間が所定時間以上である場合に、車両10と同じ気象観測エリアに存在する他の車両について算出された差分値を取得する差分値取得ステップ(ステップS161)をさらに備える。また、推定ステップ(ステップS162)は、車両10の制御システムの停止期間が所定時間以上である場合には、その停止中に取得された気温と、差分値取得ステップ(ステップS161)で取得された他の車両に関する差分値とに基づいて、その停止中のバッテリ11の温度を推定する。
この構成によれば、車両10の制御システムが長期間停止している場合において、差分値の算出ができないときでも、車両10の周囲に存在する他の車両の差分値を用いて、バッテリ11の温度を精度良く推定できる。
第3実施形態に係るバッテリ温度推定方法において、推定ステップ(ステップS162)は、車両10が存在する位置と、他の車両が存在する位置と、気象観測エリアにおける気象観測データの観測位置とに基づいて、差分値取得ステップ(ステップS161)で取得された他の車両に関する差分値を補正し、その補正後の差分値に基づいて、停止中のバッテリ11の温度を推定する。
この構成によれば、車両10の周囲に存在する他の車両の差分値を、位置関係による補間演算により補正することができる。これにより、車両10の制御システムが長期間停止している場合において、車両10について差分値の算出ができないときでも、バッテリ11の温度を精度良く推定できる。
[他の実施形態]
[制御システムを周期的に起動させて差分値を取得する例]
第1乃至第3実施形態では、車両の制御システムが起動中に算出された差分値(他の車両の差分値を含む)を用いて、バッテリ温度を推定する例を示した。ここで、車両10が長期間駐車している場合において、車両10の過去の差分値を用いることができないこと(例えば差分値が保存されていないこと)や、車両10の近くに他の車両が存在しないこと等も想定される。このような場合には、適切に差分値を取得することができないと想定される。そこで、車両10が長期間駐車している場合において、適切な差分値を取得することができない場合には、車両10の制御システムを一時的に起動させ、外気温センサ13の検出値に基づいて差分値の取得を行うようにする。この一時的な起動は、例えば、一週間に一度、1月に一度、半年に一度等のように周期的に行うことができる。例えば、差分値を更新するタイミングに基づいて、車両10の制御システムを一時的に起動させることが好ましい。例えば、環境や季節等に応じた実験データ等で求めた最適なタイミングを設定することが好ましい。
また、車両10の制御システムを一時的に起動させた場合には、バッテリ温度センサ12の検出値を取得することもできるため、その一時的な起動時のバッテリ温度として、バッテリ温度センサ12の検出値を用いることができる。
具体的には、プローブサーバ40の制御部42は、車両10が長期間駐車している場合には、バッテリ温度推定装置30からの要求に基づいて、制御システムを一時的に起動させるための起動指示情報を車両10に送信する。車両10の車両ECU17は、その起動指示情報を受信すると、その起動指示情報に基づいて、所定時間、制御システムを起動させる。この起動中に、車両ECU17は、その起動指示情報に基づいて、各センサ(バッテリ温度センサ12、外気温センサ13、日射量センサ14を含む)の検出値を取得し、プローブサーバ40に送信する。また、バッテリ温度推定装置30は、その検出値を用いて差分値を算出する。
このように、車両10の制御システムを周期的に起動させ、外気温センサ13の検出値に基づいて差分値の取得を行うことにより、車両10の制御システムが長期間停止している場合においても、差分値の更新を行うことができる。これにより、適切な差分値を用いて、適切なバッテリ温度を推定することができる。
[車両の周囲の環境を考慮して差分値を算出する例]
ここで、屋根がない野外に車両10が駐車している場合には、夏の天気晴れの日中には、日射によりバッテリ11の温度が急激に上昇する。また、地下やガレージ等の屋内に車両10が駐車している場合には、夜間でも温度があまり下がらないことが多い。そこで、駐車している車両10の周囲の環境を考慮して差分値を算出することが好ましい。
具体的には、取得部35は、車両10が存在する位置の日射状況に関する日射状況情報を、プローブ情報DB50から取得する。この日射状況情報は、例えば日射量センサ値62である。また、推定部37は、その日射状況情報に基づいて、上述した差分値を補正する。例えば、野外で屋根付き場所、野外で屋根無し場所、屋内(地下駐車場やガレージ)等によって、日中や夜間の温度変化に特徴がある。そこで、日射状況情報と、1日の時間帯とに関する温度変化の特徴を、地域や季節毎に数値化して数値化データ(補正情報)として保持しておく。この数値化データは、プローブサーバ40に保持してもよく、バッテリ温度推定装置30に保持してもよい。そして、推定部37は、その数値化データを用いて、差分値を取得したときの季節や時間帯における数値化データを基準とした補正を、差分値に対して行う。すなわち、温度変化の特徴に応じて、差分値の補正を行う。
このように、停止場所の日射状況を判別し、日射状況に基づいて差分値を補正することができる。これにより、日射状況に応じて精度良くバッテリ温度を推定できる。
なお、ここでは、日射量センサの検出値を用いて差分値を補正する例を示したが、ドライブレコーダ等のカメラにより取得された画像や地図情報を用いて車両10の駐車場所を判定し、その判定された駐車場所に応じて、差分値を補正するようにしてもよい。ここで判定される駐車場所は、上述したように、野外で屋根付き場所、野外で屋根無し場所、屋内(地下駐車場やガレージ)等である。また、気象観測データに含まれる駐車場所での天候を用いて、差分値を補正するようにしてもよい。例えば、天候が晴れで野外屋根無し場所では、日射によりバッテリ11の温度が急激に上昇すると想定される。一方、天候が雪で野外屋根無し場所では、雪によりバッテリ11の温度が急激に下降すると想定される。これらの天候や駐車場所に関する温度変化の特徴を、地域や季節毎に数値化して数値化データ(補正情報)として保持し、この数値化データを用いて差分値を補正することができる。
[他の車両のバッテリ温度センサの検出値を用いてバッテリ温度を推定する例]
以上では、差分値(他の車両の差分値を含む)及び気象観測データを用いて、バッテリ温度を推定する例を示した。しかし、通信回線の故障等によって気象観測データが取得できない場合や、局所的な気象変動等により気象観測データの信憑性が低い場合等も想定される。これらの場合には、停止中のバッテリ温度を適切に推定できることも想定される。そこで、ここでは、適切な気象観測データを取得することができない場合に、車両10の近くに存在する他の車両に設置されている温度センサの検出値を用いて、バッテリ温度を推定する例を示す。
具体的には、取得部35は、適切な気象観測データを取得することができない場合には、車両10の近くに存在する他の車両に設置されている温度センサの検出値を取得する。ここで、他の車両は、第3実施形態と同様に、車両10の近くに存在する車両、車両10と同じ地域に存在する車両、車両10と同じ気象観測エリアに存在する車両等とすることができる。具体的には、取得部35は、ステップS91で特定された車両IDの車両以外の他の車両に関連付けてプローブ情報DB50に格納されている各プローブ情報を取得する。例えば、車両位置52(図2参照)に基づいて、車両10の近くに存在する車両や、車両10と同じ地域に存在する車両を抽出することができる。また、気象観測エリア63(図2参照)に基づいて、車両10と同じ気象観測エリアに存在する車両を抽出することができる。そして、推定部37は、取得部35により取得された各プローブ情報に含まれる他の車両のバッテリ温度56(図2参照)を取得する。なお、現時刻に最も近い時刻に算出されたバッテリ温度を取得することが好ましい。
次に、推定部37は、取得された他の車両のバッテリ温度に基づいて、車両10に設置されているバッテリ11の温度を推定する。例えば、取得された他の車両のバッテリ温度を、バッテリ11の温度として推定することができる。なお、他の車両のバッテリ温度として、複数の車両のバッテリ温度が取得された場合には、これらのうちの1つのバッテリ温度(例えば車両位置が最も近い車両のバッテリ温度)を用いるようにしてもよく、複数のバッテリ温度(例えば平均値)を用いるようにしてもよい。
[バッテリ温度センサの検出値を用いて差分値を算出する例]
以上では、外気温センサの検出値を用いて差分値を算出する例を示した。これにより、気象観測データに基づいて、車両の制御システムが停止中の外気温度センサが、起動したら検出すると想定される温度を推定することができる。これにより、車両の制御システムが停止中のバッテリ温度を推定することができる。ただし、他の温度センサの検出値を用いて差分値を算出してもよい。例えば、バッテリ温度センサの検出値を用いて差分値を算出することができる。例えば、車両が長期間駐車した直後に起動する場合には、外気温センサの温度と、バッテリ温度センサの温度との差が小さいと想定される。そこで、このような場合には、バッテリ温度センサの検出値を用いて差分値を算出してもよい。また、例えば、バッテリ温度センサの検出値と、車両の駐車場所との関係に基づく温度変化の特徴を、地域や季節毎に数値化して数値化データ(補正情報)として保持し、この数値化データを用いて差分値を算出することができる。
このように、気象観測データに基づいて、車両の制御システムが停止中のバッテリ温度センサが、起動したら検出すると想定される温度を推定することができる。これにより、車両の制御システムが停止中のバッテリ温度を推定することができる。
[他の実施形態の構成及び効果]
他の実施形態に係るバッテリ温度推定方法は、算出ステップ(ステップS103)は、車両10の制御システムが停止中において、所定タイミングでのその制御システムの一時的な起動により取得された外気温センサ13の検出値を用いて、差分値を算出する。
この構成によれば、車両10の制御システムが長期間停止している場合でも、差分値の適切な更新を行うことができる。
他の実施形態に係るバッテリ温度推定方法は、車両10が存在する位置の日射状況に関する日射状況情報を取得する日射状況取得ステップ(ステップS92)をさらに備える。また、推定ステップ(ステップS100)は、その日射状況情報に基づいて、差分値を補正する。
この構成によれば、車両10が存在する位置の日射状況に応じて、バッテリ11の温度を精度良く推定できる。
また、他の実施形態に係るバッテリ温度推定方法は、気温取得ステップ(ステップS92)で適切な気象観測データを取得することができない場合に、車両10の近くに存在する他の車両に設置されている温度センサの検出値を取得する他車両検出値取得ステップ(ステップS92)をさらに備える。また、推定ステップ(ステップS100)は、気温取得ステップ(ステップS92)で適切な気象観測データを取得することができない場合には、他車両検出値取得ステップ(ステップS92)で取得された検出値に基づいて、停止中のバッテリの温度を推定する。
この構成によれば、何らかの原因により気象観測データが取得できない場合や、気象観測データの信憑性が低い場合等においても、車両10の制御システムが停止中のバッテリ11の温度をより高精度に推定することができる。
なお、本実施形態では、バッテリの温度推定処理及び劣化推定処理をバッテリ温度推定装置30において実行する例を示したが、それらの各処理の全部または一部を他の機器において実行してもよい。この場合には、それらの各処理の一部を実行する各機器によりバッテリ温度推定システムが構成される。また、本実施形態では、それらの各処理を実行する際に用いられるプローブ情報DB50(図2参照)をプローブサーバ40において管理する例を示す。ただし、それらの全部または一部のDBを、プローブサーバ40以外の1または複数の他の機器により管理し、バッテリ温度推定装置30は、他の機器により管理されているDBを取得して用いてもよい。
また、バッテリ温度推定装置30の機能を含むバッテリ温度推定システム1の一部(または全部)については、ネットワーク2を介して提供可能なアプリケーションにより提供されてもよい。このアプリケーションは、例えばSaaS(Software as a Service)である。
また、バッテリの温度推定処理及び劣化推定処理の全部または一部を車両10において実行してもよい。この場合には、車両10の車両ECU17は、バッテリ温度推定装置30の制御部32が備える取得部35、算出部36、推定部37のうちの全部または一部の処理を実行する。また、車両10の記憶部16には、上述したプローブ情報DB50のうちの一部(車両10に関する情報)を記憶させてもよい。なお、車両10は、プローブ情報DB50を用いる場合には、外部装置から取得して用いてもよい。
例えば、車両10に関する情報は、プローブサーバ40で管理せずに車両10において管理し、車両10において、バッテリ11の温度推定処理及び劣化推定処理を実行してよい。このようにバッテリ温度推定装置30の各処理の全部または一部を車両10において実行する場合には、車両10は、バッテリ温度推定装置として機能する。
なお、本実施形態で示した各処理は、各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行されるものである。このため、本実施形態は、それらの各処理を実行する機能を実現するプログラム、そのプログラムを記憶する記録媒体の実施形態としても把握することができる。例えば、情報処理装置に新機能を追加するためのアップデート処理により、そのプログラムを情報処理装置の記憶装置に記憶させることができる。これにより、そのアップデートされた情報処理装置に本実施形態で示した各処理を実施させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1 バッテリ温度推定システム、2 ネットワーク、3~5、10 車両、11 バッテリ、12 バッテリ温度センサ、13 外気温センサ、14 日射量センサ、15 位置情報取得部、16 記憶部、17 車両ECU、18 通信部、20 気象データサーバ、30 バッテリ温度推定装置、31 通信部、32 制御部、33 記憶部、35 取得部、36 算出部、37 推定部、40 プローブサーバ、41 通信部、42 制御部 、43 記憶部、50 プローブ情報DB

Claims (16)

  1. 車両に設置されているバッテリの温度を推定するバッテリ温度推定方法であって、
    前記車両に設置されている温度センサの検出値を取得する温度取得ステップと、
    前記車両が存在する位置に関する気象観測データに含まれる気温を取得する気温取得ステップと、
    前記気温と前記検出値との差分値を算出する算出ステップと、
    前記差分値と、前記車両の制御システムが停止中に取得された前記気温とに基づいて、当該停止中の前記バッテリの温度を推定する推定ステップと、を備える、
    バッテリ温度推定方法。
  2. 請求項1に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップは、前記制御システムが起動中に取得された前記気温及び前記検出値を用いて、前記差分値を算出する、
    バッテリ温度推定方法。
  3. 請求項1または2に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップは、前記制御システムの起動時に取得された前記気温及び前記検出値を用いて、前記差分値を算出し、
    前記推定ステップは、前記差分値の算出に用いられた前記気温及び前記検出値が取得されたタイミングの直前またはその後の前記制御システムの停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  4. 請求項3に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップは、前記制御システムの停止期間が所定時間以上である場合に、当該停止期間後の起動時に取得された前記気温及び前記検出値を用いて、前記差分値を算出する、
    バッテリ温度推定方法。
  5. 請求項1または2に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップは、前記制御システムが停止する直前に取得された前記気温及び前記検出値を用いて、前記差分値を算出し、
    前記推定ステップは、前記差分値の算出に用いられた前記気温及び前記検出値が取得されたタイミングの直後の前記制御システムの停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  6. 請求項1または2に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップで算出された前記差分値を記憶部に記憶させる記憶ステップをさらに備え、
    前記推定ステップは、前記制御システムが停止中に取得された前記気温と、前記記憶部に記憶されている差分値とに基づいて、当該停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  7. 請求項6に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記記憶ステップは、少なくとも過去1年間に算出された前記差分値を前記記憶部に記憶させ、
    前記推定ステップは、前記制御システムが停止中に取得された前記気温と、前記記憶部に記憶されている差分値のうちの当該停止中の時期に対応する差分値とに基づいて、当該停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  8. 請求項1または2に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記制御システムの停止期間が所定時間以上である場合に、前記車両と同じ気象観測エリアに存在する他の車両について算出された前記差分値を取得する差分値取得ステップをさらに備え、
    前記推定ステップは、前記制御システムの停止期間が前記所定時間以上である場合には、当該停止中に取得された前記気温と、前記差分値取得ステップで取得された前記他の車両に関する前記差分値とに基づいて、当該停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  9. 請求項8に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記推定ステップは、前記車両が存在する位置と、前記他の車両が存在する位置と、前記気象観測エリアにおける前記気象観測データの観測位置とに基づいて、前記差分値取得ステップで取得された前記他の車両に関する前記差分値を補正し、当該補正後の差分値に基づいて、前記停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  10. 請求項1に記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップは、前記制御システムが停止中において、所定タイミングでの前記制御システムの一時的な起動により取得された前記検出値を用いて、前記差分値を算出する、
    バッテリ温度推定方法。
  11. 請求項1から10の何れかに記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記算出ステップは、前記車両が存在する位置を含む気象観測エリアと、当該気象観測エリアに近接する他の気象観測エリアとの複数の気象観測エリアに関する気象観測データに含まれる気温を補間演算した値に基づいて、前記差分値を算出する、
    バッテリ温度推定方法。
  12. 請求項1から11の何れかに記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記車両が存在する位置の日射状況に関する日射状況情報を取得する日射状況取得ステップをさらに備え、
    前記推定ステップは、前記日射状況情報に基づいて、前記差分値を補正する、
    バッテリ温度推定方法。
  13. 請求項1から12の何れかに記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記気温取得ステップで適切な気象観測データを取得することができない場合に、前記車両の近くに存在する他の車両に設置されている温度センサの検出値を取得する他車両検出値取得ステップをさらに備え、
    前記推定ステップは、前記気温取得ステップで適切な気象観測データを取得することができない場合には、前記他車両検出値取得ステップで取得された検出値に基づいて、前記停止中の前記バッテリの温度を推定する、
    バッテリ温度推定方法。
  14. 請求項1から13の何れかに記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記推定ステップは、前記差分値の移動平均値に基づいて、前記停止中の前記バッテリの温度を推定し、
    前記推定ステップで推定された前記バッテリの温度を用いて、前記制御システムが停止中の前記バッテリの劣化を推定する劣化推定ステップをさらに備える、
    バッテリ温度推定方法。
  15. 請求項1から13の何れかに記載のバッテリ温度推定方法であって、
    前記推定ステップで推定された前記バッテリの温度を用いたバッテリ劣化推定演算である第1演算と、当該バッテリの温度以外の他のデータを用いたバッテリ劣化推定演算である第2演算との少なくとも1つに基づいて、前記制御システムが停止中の前記バッテリの劣化を推定する劣化推定ステップをさらに備え、
    前記劣化推定ステップは、前記差分値に基づいて、前記第1演算の演算結果と、前記第2演算の演算結果との重み付けをして、前記バッテリの劣化を推定し、
    前記差分値が大きくなるのに応じて、前記第1演算の演算結果の重み付けを小さくする、
    バッテリ温度推定方法。
  16. 車両に設置されているバッテリの温度を推定するバッテリ温度推定装置であって、
    前記車両に設置されている温度センサの検出値を取得する温度取得部と、
    前記車両が存在する位置に関する気象観測データに含まれる気温を取得する気温取得部と、
    前記気温と前記検出値との差分値を算出する算出部と、
    前記差分値と、前記車両の制御システムが停止中に取得された前記気温とに基づいて、当該停止中の前記バッテリの温度を推定する推定部と、を備える、
    バッテリ温度推定装置。
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