JP2023033007A - 車両を用いた鳥獣を追い払うための鳥獣の威嚇方法 - Google Patents

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Yuji Yamaguchi
大樹 横山
Daiki Yokoyama
明 北條
Akira Hojo
茂樹 宮下
Shigeki Miyashita
泰祐 吉田
Taisuke Yoshida
真也 金子
Shinya Kaneko
弘和 伊藤
Hirokazu Ito
知子 芹澤
Tomoko Serizawa
有史 菊田
Yuji Kikuta
佑介 萩原
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Abstract

Figure 2023033007000001
【課題】 車両を用いて農地等に侵入した鳥獣を威嚇し追い払うための方法に於いて、威嚇が有効でない位置から無駄に実施しなくてもよいようにする。
【解決手段】 車両10を用いて監視領域に侵入した鳥獣を追い払うために威嚇する方法では、監視領域への鳥獣の侵入が検知されたときに、その種類に対する威嚇が有効となる威嚇有効距離が未学習であるときには、車両を鳥獣に対する威嚇を実施しながら鳥獣へ向かって移動し、鳥獣が逃げ出した距離を威嚇有効距離として記憶し、威嚇有効距離が学習済みであるときには、車両の鳥獣からの距離が威嚇有効距離に達してから鳥獣に対する威嚇を実施する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、農地や牧場、住宅街などに侵入した鳥獣を威嚇し追い払うための方法に係り、より詳細には、そのような鳥獣の威嚇及び追い払いを車両を用いて行う方法に係る。
近年、農作物の鳥獣被害が増加しており、鳥獣に対する定置式の威嚇装置を設置して、対応している農家が増えている。そのような鳥獣の威嚇装置としては、例えば、特許文献1に於いては、レーザ光を用いて鳥獣を傷つけることなく確実に追い払うことのできる鳥獣追い払い機として、光源で発生した可視光レーザ光を集束させながらその投射形状を調節しつつ、レーザ光の投射先を上下左右方向または回転方向に移動させる光駆動部を備えた構成が提案されている。また、特許文献2では、鹿やイノシシなどから作物の被害を受ける農場に、動体を検知するセンサと、周囲を撮像する監視カメラと、音声または光を発生することにより、鳥獣を威嚇して追い払う威嚇手段とを設置し、センサが動体を検知したときに、監視カメラにより撮影した画像と鳥獣の撮像の開始日時と終了日時とを管理サーバに送信し、管理サーバが鳥獣判定テーブルを参照して、送信されてきた画像が鳥獣のものであるか否かを判定したときに、追い払いパターンテーブルを参照し、鳥獣の種別と、鳥獣の撮像の開始日時と、終了日時とに基づいて、追い払いパターンを選定して、その選定された追い払いパターンにより、威嚇を実施するという構成が開示されている。
特開2002-162 特開2017-205033
上記の如き定置式の装置から光や音を出して鳥獣を威嚇する構成の場合、その使用と共に光や音に鳥獣が慣れてしまい、威嚇効果が低減してしまうことがある。そこで、定置式の装置から単に光や音を発するだけではなく、車両が動いて、鳥獣に近づいて、光や音などで威嚇して、より確実に、鳥獣を追い払えるようにすることが考えられる。その場合、定置式の威嚇装置とは異なり、車両という巨体が鳥獣に近づくこととなるので、鳥獣への威嚇効果を高くすることが可能となる。また、鳥獣被害は夜間に多いところ、上記の如き車両を用いた鳥獣の威嚇システムに於いては、夜間に使われていない車両が有効に活用できることとなる。
上記の如く、鳥獣に車両を近づけて、車両から光や音を発して鳥獣を威嚇する構成に於いて、鳥獣から或る程度の近距離の位置から威嚇を実施しないと、鳥獣は逃げていかず、威嚇が有効でないことが分かっている。また、威嚇が有効でない位置から威嚇のための光や音を発すると、そのためのエネルギーが無駄になると共に、光や音が近隣の住民にとって迷惑となる可能性もある。更に、本発明の発明者等の研究によれば、威嚇が有効となる鳥獣までの距離は、鳥獣の種別や追払いの対象となる領域(「監視領域」と称する。)の環境条件によっても異なることが見出されている。従って、車両を用いて個々の監視領域に於ける鳥獣の威嚇を実施する場合には、鳥獣の種別毎に威嚇が有効となる距離を調査し学習して、その後は、威嚇が有効となる距離まで鳥獣に車両が近づいてから威嚇を行うようにすれば、無用な威嚇の実施を回避できることとなる。
かくして、本発明の一つの課題は、農地や牧場、住宅街などに侵入した鳥獣に車両を近づけて車両から鳥獣を威嚇して追い払うための方法に於いて、威嚇が有効でない位置から無駄に実施しなくてもよいようにできる構成を提供することである。
本発明によれば、上記の課題は、一つの態様に於いて、車両を用いて監視領域に侵入した鳥獣を追い払うために威嚇する方法にして、前記監視領域に鳥獣が侵入すると、前記鳥獣に前記車両を近づけて、前記車両に搭載された威嚇手段を用いて前記鳥獣を威嚇する方法であって、
前記監視領域への鳥獣の侵入の有無を検知する過程と、
前記監視領域への鳥獣の侵入が検知されたときに、前記鳥獣の種類に対する威嚇が有効となる威嚇有効距離が未学習であるときには、威嚇有効距離を学習する過程と、
前記監視領域への鳥獣の侵入が検知されたときに、前記鳥獣の種類に対する前記威嚇有効距離が学習済みであるときには、前記威嚇有効距離に基づいて前記鳥獣の威嚇を実施する過程と
を含み、
前記威嚇有効距離を学習する過程は、前記鳥獣の侵入の検知後、前記車両を前記鳥獣に対する威嚇を実施しながら前記鳥獣へ向かって移動する過程と、前記車両の移動中に前記鳥獣が逃げ出した距離を前記鳥獣の種類に対する前記威嚇有効距離として記憶する過程とを含み、
前記威嚇有効距離に基づいて前記鳥獣の威嚇を実施する過程は、前記鳥獣の侵入の検知後、前記車両を前記鳥獣からの距離が前記威嚇有効距離となるまで威嚇を実施せずに前記鳥獣へ向かって移動する過程と、前記車両の前記鳥獣からの距離が前記威嚇有効距離に達してから前記鳥獣に対する威嚇を実施する過程とを含む方法
によって達成される。
上記の構成に於いて、「監視領域」とは、鳥獣の追い払いが要求される領域を意味し、具体的には、農地や牧場の他、住宅街、商業地域、工業地域など、任意の地域であってよい。監視領域へ侵入した「鳥獣」は、鳥、シカ、イノシシ、サル、アライグマ、ハクビシン、タヌキ、イヌ、ネコなどの、監視領域に侵入したときに追い払いが要求される任意の動物であってよい。監視領域への鳥獣の侵入の検出は、任意の手法により達成されてよく、例えば、電柱、街灯柱、支柱、壁、建物などの任意の固定物に設置された定置式のカメラ又は車載のカメラなどの撮像手段によって監視領域を撮像することにより得られた画像に於いて任意の物体認識アルゴリズム(例えば、YOLOなど)を用いて鳥獣の像を検出することにより、達成されてよい。なお、監視領域への鳥獣の侵入の検出は、車載のミリ波レーダ、ライダ(LiDAR)などの周辺検出手段を用いて為されてもよい。「威嚇手段」とは、鳥獣を追い払うための威嚇として、種々の態様の発光器、発声器或いは発臭器などから光、音声又は臭いを発生する装置である。威嚇手段による威嚇の具体的な内容は、例えば、シカ、イノシシに対しては、赤色又は黄色の光を照射したり、犬の鳴き声を鳴らす、動物の嫌がる臭いの散布などであってよく、鳥獣のそれぞれの種類や大きさ、頭数に応じて、的確に、追い払いのできる威嚇内容が選択できるようになっていてよい。威嚇が有効となる「威嚇有効距離」とは、その距離から威嚇手段を用いて光や音を発することにより鳥獣の威嚇を実施すると、鳥獣が逃げ出す最長距離である。
上記の本発明の対象となる方法は、端的に述べれば、上記の如く、車両に鳥獣を威嚇するための手段を搭載し、監視領域に鳥獣が侵入したときに、車両を鳥獣に近づけ、車載の威嚇手段を用いて光、音声又は臭いを発生して、鳥獣を威嚇して追い払いを図る方法である。かかる構成に於いて、既に述べた如く、鳥獣までの距離が「威嚇有効距離」よりも長いとき、即ち、威嚇が有効とならないほどの距離であるときに、威嚇を実施しても無駄になってしまう。そこで、本発明に於いては、侵入が検知された鳥獣の種類に対する「威嚇有効距離」が不明のとき、即ち、「威嚇有効距離」が未学習のときには、威嚇有効距離を検出するべく、車両を、鳥獣に対する威嚇を実施しながら、鳥獣へ向かって移動させ、鳥獣が逃げ出したときの鳥獣までの距離が威嚇有効距離として学習される。その後、「威嚇有効距離」が分かっている種類の鳥獣の侵入があったときには、車を鳥獣へ向かって移動させる間、車と鳥獣との距離が威嚇有効距離を上回っている間は、威嚇を実施せず、車と鳥獣との距離が威嚇有効距離以下となってから、威嚇が開始される。かかる構成によれば、無駄な威嚇の実施が回避され、威嚇を実施する期間の最小化できるので、エネルギーの節約、近隣住民にとっての迷惑の軽減又は防止が期待されることとなる。
上記の構成に於いて、或る獣種についての威嚇有効距離の学習後に、その種類の鳥獣の侵入に応答して、鳥獣から威嚇有効距離の位置から威嚇を実施しても、威嚇が有効でなかった場合(鳥獣が逃げなかった場合)には、更に、威嚇を実施しながら、更に車両を鳥獣に近づけて、威嚇が有効となる距離の検出が試みられてよい(威嚇有効距離の再学習処理)。そして、再学習により得られた距離が新たな威嚇有効距離として、以降の鳥獣の威嚇の際に用いられてよい。
かくして、上記の本発明の構成に於いては、まず、鳥獣の種類によって威嚇の有効な距離である威嚇有効距離が調べられて、鳥獣の種類に紐付けて威嚇有効距離が学習され、しかる後に、車両が鳥獣から威嚇有効距離以下まで近づいてから、威嚇が実施されることとなる。かかる構成により、無用に威嚇が実施されなくなるので、その分、エネルギーの節約が可能となり、威嚇の実施による近隣住民に対する影響が最小限に抑えられることが期待される。本発明の方法は、日本国内だけでなく、日本国外の種々の地域に於ける鳥獣の追い払いに利用されてよい。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)、(B)は、本実施形態による車両を用いた鳥獣の威嚇方法の概略構成を表わした模式図である。(A)は、鳥獣の検出時の状態を示し、(B)は、威嚇の実行時の状態を示している。図1(C)は、本実施形態による鳥獣の威嚇方法の好ましい態様の一つを達成するシステムの構成をブロック図の形式にて表した図である。 図2は、本実施形態による鳥獣の威嚇方法に於いて、威嚇有効距離の検出の過程を模式的に描いた図である。(A)は、鳥獣の発見時であり、(B)は、車両を、威嚇を実行しながら、鳥獣へ向かって移動する状態であり、(C)は、威嚇が有効となる距離(威嚇によって鳥獣を逃走する状態となる距離)まで車両が移動した状態である。 図3は、本実施形態による鳥獣の威嚇方法に於ける処理をフローチャートの形式に表わした図である。
1…支柱
2…定置式カメラ
10…車両
12…車載通信機
14…車載周辺検知装置(車載カメラ、ミリ波レーダ、ライダなど)
16…威嚇装置(発光器、発声器)
a…鳥獣
威嚇システムの概略
図1(A)を参照して、本実施形態の車両を用いた鳥獣の追い払いのための鳥獣の威嚇方法を実現するシステムは、電柱などの支柱1、壁、その他の建築物などの任意の固定物に設置された定置式カメラ2、自動車等の車両10及びサーバを含んでいてよく、監視領域内への鳥獣(鳥、シカ、イノシシ、サル、アライグマ、ハクビシン、タヌキなど)の侵入が定置式カメラ2(又は車両10若しくはその他の車両の周辺検知装置)によって検出されると、その情報がサーバを経て車両10へ提供されるよう構成されていてよい。
定置式カメラ2は、それが設けられる場合、農地や牧場、住宅街、商業地域、工業地域などで鳥獣aが侵入した場合にはその追い払い要求される領域(監視領域)に於いて、鳥獣aの侵入を監視することが可能な任意のカメラであってよい。かかるカメラは、屋外にて、可視光にて撮像することができるだけでなく、暗闇でも撮像の可能な暗視カメラであってよい。定置式カメラ2の視野αは、好適には、監視領域全域を網羅できるようになっていることが好ましいところ、視野が固定された状態で監視領域の広い範囲、好適には全域、の撮像が可能な広角なものであってもよく、或いは、視野が移動されて監視領域の広い範囲、好適には全域、逐次的に撮像できるようになっていてもよい。また、定置式カメラ2は、その視野αをできるだけ広く取るために、支柱1等に於いて、高い位置から監視領域を監視できるように設置されていることが好ましい。定置式カメラ2は、複数台設置され、それらで監視領域を網羅するようになっていてもよい。そして、定置式カメラ2の撮像画像は、図示していない画像処理装置に逐次与えられ、そこに於いて、鳥獣aの像の有無が判定されてよい。かかる鳥獣aの像の認識は、例えば、YOLOなどの任意の画像内の物体像の認識アルゴリズムを用いて達成可能である。また、画像内の位置と画角内の監視領域上の位置とは、一対一に対応しており、鳥獣の像の位置から監視領域に於ける位置は決定可能であるので、鳥獣aの像が検知されたときには、その像の画像内の画素位置から実際の監視領域上の位置が特定されてよい。典型的には、定置式カメラ2の監視する領域の範囲αは、概ね50m又は100mの距離までであってよく、特定される位置の精度(分解能)は、10m~20m程度又はそれ以下であってよい。かくして、定置式カメラ2にて識別された画像内にて検出された鳥獣の像の有無、種類、数或いは更に位置などの情報は、定置式カメラ2に備えられた情報通信装置(通信モジュール)を通じて、サーバへ伝達されるようになっていてよく、更に、車両10の通信機(DCM等)12にも伝達されるようになっていてもよい。定置式カメラ2とサーバ及び車両10の通信機12との通信は、モバイルデータ通信、近距離間データ通信、無線LAN、WiFiなどの任意の無線ネットワーク技術により達成されてよい。
車両10は、既に述べた如く、監視領域に鳥獣aの侵入があったときに、図1(B)に描かれている如く、その鳥獣aから近距離にて、特に、検知時に鳥獣が車両から離れている場合には接近して、光、音或いは臭いなど(γ)を発生して威嚇を実施し、これにより、監視領域からの鳥獣の追い払いが図られる。鳥獣aへの接近は、定置式カメラ2又はサーバから受信した鳥獣aの侵入又は更にその位置の情報に応答して、任意の態様にて実行されてよい。なお、車両10に於いて、鳥獣の侵入を検知して、威嚇を実行するようになっていてもよい。車両10に於いては、通信機12の他に、それ自身で、鳥獣の位置を把握するための車両の周囲の物体の検知が可能な周辺検知装置14と、威嚇するための威嚇装置16とが設けられていてよい。
周囲検知装置14としては、車載カメラ、ミリ波レーダ、ライダ、又はそれらの組み合わせなど、車両の周囲βの状況の検知又は認識が可能な任意の装置が採用されてよい。この点に関し、周囲検知装置14の物体の検知可能な範囲(視野)βは、定置式カメラの視野αよりも狭いが、物体の位置の特定、種別の認識がより精度よく達成できる装置が採用されてよく、また、鳥獣に近接して鳥獣の像を捉えることができるので、より正確に、鳥獣の位置の特定、種別、数の認識が可能となることが期待される。周囲検知装置14の検知する領域の範囲βは、概ね30m又は50mの距離までであってよく、特定される位置の精度(分解能)は、数mから10m程度又はそれ以下であってよい。
車両10に搭載される威嚇装置16は、典型的には、鳥獣の威嚇が可能な発光器、発声器、発臭器であってよい。威嚇として有効な内容、即ち、光や音声、臭いの態様は、鳥獣の種別、数によって異なり得るので、監視領域に侵入することが想定される鳥獣に合わせた種類の威嚇装置が搭載されていることが好ましい。
上記の車両10の鳥獣の位置又はその近傍までの移動は、典型的には、自動運転制御により達成されてよい。従って、車両10には、定置式カメラ2又はサーバからの位置の指示に従って、或いは、周囲検知装置14により検知された鳥獣の位置に向かって、自動的に車両を移動させるための任意の自動運転制御装置が搭載されてよい。また、車両10は、自律的に監視領域内を移動して、鳥獣の侵入を監視するようになっていてもよい。しかしながら、車両10の移動は、運転者が運転することによって達成されてもよく、そのような場合も本実施形態の範囲に属することは理解されるべきである。
車両10の周囲検知装置14により得られた画像にて認識された鳥獣の情報も、定置式カメラ2の場合と同様に、情報通信装置(通信モジュール)を通じて、サーバへ伝達されるようになっていてよい。車両10の通信機12とサーバとの通信は、モバイルデータ通信、近距離間データ通信、無線LAN、WiFiなどの任意の無線ネットワーク技術により達成されてよい。
サーバは、上記の如く、定置式カメラ2又は車両10からの監視領域内の画像にて認識された鳥獣の情報を受信し、それらの情報を用いて、車両10に対して、鳥獣への接近と威嚇の実施とを指示するよう構成される。なお、サーバは、鳥獣の情報を、複数の車両、複数の定置式カメラ2から受信し、それらの情報を基づいて、車両10へ鳥獣への接近と威嚇の実施の指示を与えるようになっていてよい。
定置式カメラ2に於けるカメラの作動、画像認識処理及び鳥獣の情報の送信、車両10に於ける鳥獣の情報の送信、周辺検知手段14の作動制御及び威嚇装置16の作動制御、サーバに於ける情報通信又は追払いの実行指示処理(サーバにて実行する場合)は、定置式カメラ2、車両10、サーバのそれぞれに搭載されたコンピュータ装置の作動によって実現される。コンピュータ装置は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。後に説明される本実施形態の定置式カメラ2と車両10とサーバの各部の構成及び作動は、それぞれ、プログラムに従ったコンピュータ装置の作動により実現されてよい。
また、本実施形態の方法に於いては、特に、監視領域に侵入した鳥獣の種類毎に、車両からの威嚇が有効となる鳥獣までの距離である威嚇有効距離を調べて学習する処理が実行され、威嚇有効距離の学習済みの種類の鳥獣が監視領域に侵入したときには、車両を威嚇を実行せずに鳥獣まで威嚇有効距離の位置に移動し、しかる後、威嚇が実行されることとなる。なお、「威嚇が有効となる」とは、威嚇によって鳥獣が逃走して監視領域からの追払いが成功することである。後に説明される如く、威嚇有効距離を学習する過程に於いては、鳥獣の発見後、車両の鳥獣への接近は、威嚇を実施しながら、実行されることとなる。
システムの各装置の構成
図1(C)を参照して、本実施形態の威嚇方法を実現するシステムに於いて、定置式カメラ2は、カメラ本体と、画像認識部と、通信モジュールとを有していてよい。カメラ本体は、撮像装置であり、上記の如く、好適には、その視野が監視領域を網羅するように配置され、そこで撮像された画像が逐次的に画像認識部へ送られる。画像認識部は、上記の如き、任意の物体認識アルゴリズムに従って画像内の物体の像を認識する画像認識装置であってよく、本実施形態に於いては、鳥獣の像の認識、又は更に、その像の鳥獣の種別若しくは更に数の認識、鳥獣の位置の特定を実行するよう構成される。通信モジュールは、サーバ又は更に車両10との間で情報の送受信を実行する。
サーバには、追払い実行指示部と、通信モジュールとが設けられてよい。追払い実行指示部は、通信モジュールを通じて、定置式カメラ又は車両(車両10の他の車両であってもよい。)から監視領域内への鳥獣の侵入が検知されたことの情報を受けると、車両10による鳥獣への接近(移動が必要な場合)と威嚇とを実行することを決定する。そして、鳥獣への接近又は威嚇の実施の指示は、通信モジュールを通じて、車両10へ送信される。
本実施形態のシステムに於ける車両10に於いては、周辺検知装置、追払い制御部、走行制御部、威嚇装置、通信モジュールが設けられてよい。周辺検知装置は、既に述べた如く、車載カメラ、ミリ波レーダ、ライダなどの物体像の検出器により、車両の周辺の物体の像を検知し、認識する装置であってよい。周辺検知装置は、物体像の検出器を作動して、画像内にて鳥獣の像を認識することにより、鳥獣の存在の有無、その位置を検知し、更に、鳥獣の種別、数などを認識するよう構成されていてよい。追払い制御部は、通信モジュールを通じたサーバからの鳥獣への接近と威嚇の実施の指示に従い、或いは、周辺検知装置に於ける鳥獣の検知に応答して、走行制御部に指示して車両を移動し、そこに於いて鳥獣へ向けて、威嚇として光、音又は臭いを発生するべく、威嚇装置を作動して、威嚇を実施する。通信モジュールは、サーバ又は更に定置式カメラ2との間で情報の送受信を実行する。
なお、後により詳細に説明される如く、本実施形態に於いては、鳥獣の種類毎に威嚇有効距離が未学習のときには学習する処理を実行し、鳥獣の種類毎に威嚇有効距離を記憶し、威嚇有効距離の学習後には、威嚇有効距離を参照して、威嚇が実施される。従って、学習処理により得られた鳥獣の種類毎の威嚇有効距離の情報を記憶しておくための記憶手段が、サーバの追払い実行指示部又は車両の追払い制御部に装備され、追払いの実行時に、威嚇有効距離の情報が参照されるようになっていてよい。
鳥獣の種類毎の威嚇有効距離の学習処理
本実施形態に於ける鳥獣の威嚇方法に於いては、鳥獣の侵入が検知されると、車両からの威嚇を無駄に実施しないように、車両を鳥獣から威嚇有効距離の位置まで移動してから、鳥獣の威嚇を開始される。この点に関し、威嚇有効距離、即ち、威嚇が有効な距離は、鳥獣の種類や監視領域の環境条件によっても変化するので、本実施形態に於いては、個々の監視領域に於いて、鳥獣の種類毎に、威嚇有効距離を調べ、鳥獣の種類に紐付けて学習される。威嚇有効距離の学習は、監視領域に侵入した鳥獣の種類についての威嚇有効距離が未学習の場合に実行される。
図2を参照して、威嚇有効距離の学習処理に於いて、具体的には、監視領域への鳥獣aの侵入が検知され(図2(A))、その監視領域に於ける侵入の検知された鳥獣の種類についての威嚇有効距離が未学習の場合には、車両10が威嚇を実行しながら鳥獣aへ向かって移動される(図2(B))。鳥獣に対して実行される威嚇の内容は、鳥獣の種類に応じて追払いに効果のある刺激であってよく、予め調査されていてよい。威嚇内容の例として、シカの場合には、シカの鳴き声→ハザード→犬の咆哮音を順に発する、イノシシの場合には、ハザード(青系ライト)→人の声を順に発する、ウサギやハクビシンの場合には、ライト点灯→ハザード→犬等の咆哮音を順に発するなどであってよい。かくして、車両10が威嚇を実行しながら鳥獣aへ近づく間に、鳥獣が逃走したとき、逃走直前の鳥獣と車両との距離が威嚇有効距離Lsとして記憶され、鳥獣の種類と紐付けて記憶されてよい。そして、威嚇有効距離Lsが学習されると、それ以降に、同種の鳥獣が侵入してきたときには、車両は、威嚇を実施せずに、鳥獣から威嚇有効距離Lsまで近づき、その後、威嚇を実施するよう制御される。
なお、鳥獣が威嚇に慣れてしまうなどの理由により、車両を鳥獣から威嚇有効距離Lsまで近づけて威嚇を実施しても、鳥獣が逃走しない場合が起き得る。そのような場合には、威嚇有効距離の再学習が実施されてよい。かかる再学習処理に於いては、車両を鳥獣から威嚇有効距離Lsまで近づけて威嚇を実施しても、鳥獣が逃走しない場合に、そのまま、威嚇を実施しながら、車両を鳥獣へ向かって移動し、鳥獣が逃走したところで、逃走直前の鳥獣と車両との距離が新たな威嚇有効距離Lsとして記憶されてよい。
システムの処理過程
本実施形態による威嚇方法は、図3の如き処理過程に従って実行されてよい。なお、既に述べた如く、図3の処理は、サーバに於いて実行されてもよく、車両10に於いて実行されてもよい。処理がサーバに於いて実行される場合には、各処理に従った制御指令が車両10へ送信される。
同図を参照して、本実施形態のシステムの鳥獣の追払いのための処理は、監視領域への鳥獣の侵入の検知に応答して実行が開始される。具体的には、まず、鳥獣の侵入の検知があると(ステップ1)、侵入した鳥獣の種類が認識される(ステップ2)。そして、その種類に対する威嚇有効距離が学習済みか否かが判定され(ステップ3)、威嚇有効距離が未学習である場合には、車両から威嚇を実行しながら車両を鳥獣へ向かって走行させ(ステップ4)、その過程に於いて、鳥獣が逃走したとき(ステップ5)、その逃走時(逃走直前であってよい)の鳥獣と車両との距離が威嚇有効距離Lsとして学習される(ステップ6)。鳥獣と車両との距離は、車載の周辺検知手段14を用いて検出されてよい。
一方、侵入した鳥獣の種類に対する威嚇有効距離が学習済みであるときには(ステップ3)、車両と鳥獣との距離ΔLが威嚇有効距離Lsを下回るまで、車両が鳥獣に向かって移動され(ステップ7、8)、ΔL<Lsが成立すると、鳥獣への威嚇が実行される。ここで、鳥獣が逃走した場合には(ステップ10)、追払いが完了する。しかしながら、鳥獣が逃走しなかった場合には、ステップ4~6の処理が実行され、威嚇有効距離Lsの再学習が実行されてよい。
上記の本実施形態の威嚇方法によれば、監視領域に侵入している鳥獣の種類に対する威嚇有効距離が学習済みであるときには、無用な威嚇が実施されず、これにより、エネルギーの節約が図られることとなる。また、威嚇の実施を最小限にできることが期待されるので、近隣住民への影響も最小限に抑えられることが期待される。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (1)

  1. 車両を用いて監視領域に侵入した鳥獣を追い払うために威嚇する方法にして、前記監視領域に鳥獣が侵入すると、前記鳥獣に前記車両を近づけて、前記車両に搭載された威嚇手段を用いて前記鳥獣を威嚇する方法であって、
    前記監視領域への鳥獣の侵入の有無を検知する過程と、
    前記監視領域への鳥獣の侵入が検知されたときに、前記鳥獣の種類に対する威嚇が有効となる威嚇有効距離が未学習であるときには、威嚇有効距離を学習する過程と、
    前記監視領域への鳥獣の侵入が検知されたときに、前記鳥獣の種類に対する前記威嚇有効距離が学習済みであるときには、前記威嚇有効距離に基づいて前記鳥獣の威嚇を実施する過程と
    を含み、
    前記威嚇有効距離を学習する過程は、前記鳥獣の侵入の検知後、前記車両を前記鳥獣に対する威嚇を実施しながら前記鳥獣へ向かって移動する過程と、前記車両の移動中に前記鳥獣が逃げ出した距離を前記鳥獣の種類に対する前記威嚇有効距離として記憶する過程とを含み、
    前記威嚇有効距離に基づいて前記鳥獣の威嚇を実施する過程は、前記鳥獣の侵入の検知後、前記車両を前記鳥獣からの距離が前記威嚇有効距離となるまで威嚇を実施せずに前記鳥獣へ向かって移動する過程と、前記車両の前記鳥獣からの距離が前記威嚇有効距離に達してから前記鳥獣に対する威嚇を実施する過程とを含む方法。
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