JP2023032688A - 装具 - Google Patents

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Satoshi Komatsu
嘉彦 安藤
Yoshihiko Ando
一輝 松村
Kazuki Matsumura
淳 森田
Atsushi Morita
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Abstract

【課題】用途に応じた適切な物性を有する装具を提供することである。【解決手段】本発明の装具は、n(nは3以上の整数)角柱形状の空間を一単位とする単位構造が複数配列され、複数の前記単位構造のうち少なくとも一つは、前記空間の中心と、前記n角柱形状を形成する2n個の頂点のうちp(pは2≦p≦(2n-1)を充たす整数)個の頂点とを接続するp本の構造柱を有する。【選択図】図5A

Description

本発明の実施形態は、装具に関する。
従来、物体(三次元構造体)には、耐久性、硬さ、反発性、衝撃吸収性、フィット性など、様々な力学物性(以下、単に「物性」とも記載する)がある。物体に求められる物性は、例えば、医療用製品、建築用資材等、その用途に応じて多種多様である。このため、特定用途の物体を製造する場合、例えば、その用途に応じて様々な物性の材料を組み合わせることが行われる。
例えば、医療分野では、病気や怪我等により身体機能が低下したり失われたりした際に、その機能を補ったり患部を保護したりするために、対象者(患者)の身体に装着される装具が利用されている。医療用の装具の一例としては、対象者の足裏と靴の中底との間に敷かれるインソール(医療用インソール)がある。インソールは、患部の位置や症状に応じて様々な物性を有する材料を組み合わせることで、患者一人一人に合わせて製造される。なお、装具は、医療目的に限らず、スポーツや日常生活における身体機能の補助や保護のためにも利用される。
特開2017-012751号公報
しかしながら、従来の技術では、用途に応じた物性を実現することが難しい場合があった。例えば、医療用製品、建築用資材等、その用途に応じて外形が規定される場合には、その外形を変えずに所望の物性を実現する必要がある。また、物体を3次元プリンタ(3D-Printer)等、製造方法によって材料の選択肢が限られる場合には、その限られた材料の中で所望の物性を実現する必要がある。このように、外形や材料に制約がある場合には、用途に応じた物性を実現することが難しい場合があった。
本発明は、用途に応じた適切な物性を有する装具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、n(nは3以上の整数)角柱形状の空間を一単位とする単位構造が複数配列され、複数の前記単位構造のうち少なくとも一つは、前記空間の中心と、前記n角柱形状を形成する2n個の頂点のうちp(pは2≦p≦(2n-1)を充たす整数)個の頂点とを接続するp本の構造柱を有する、装具である。
図1は、実施形態のインソールの構造の一例を示す図である。 図2は、実施形態の単位構造について説明するための図である。 図3は、実施形態の単位構造について説明するための図である。 図4は、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。 図5Aは、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。 図5Bは、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。 図5Cは、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。 図5Dは、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。 図5Eは、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。 図6は、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化と物性の関係について説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る装具の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
本実施形態では、装具の一例として医療用のインソールについて説明する。ただし、実施形態はインソールに限定されるものではなく、例えば、手、肘、膝、肩、頭部等、人体の各部位に当てて利用される装具に広く適用可能である。また、実施形態は医療用の装具に限定されるものではなく、例えば、スポーツや日常生活における身体機能の補助や保護のために利用される装具に広く適用可能である。なお、インソールは、中敷き、中底等とも呼ばれる。
図1は、実施形態のインソール10の構造の一例を示す図である。図1の左図には、右足用のインソール10を人体の各部位と直接的または間接的に接触する当接面側から見た平面図を例示する。図1の右図には、左図の側面図を例示する。なお、図1の上側にインソール10のつま先側を示し、図1の下側にインソール10の踵側を示す。
図1に示すように、実施形態のインソール10は、領域R1、領域R2、及び領域R3を有する。領域R1は、インソール10の全体的な外形を構成する領域である。領域R2は、踵骨付近の部位が接する領域である。領域R3は、母指の中足指関節付近の部位が接する領域である。
実施形態に係る領域R1、領域R2、及び領域R3は、互いに異なる単位構造により構成される。すなわち、インソール10は、互いに異なる単位構造により構成される領域を少なくとも2つ有するのが好適である。
なお、図1に示した内容はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、インソール10を構成する各領域の数、位置、大きさ、形状、及び厚みについては、装着する人の使用目的や症状に応じて任意に変更可能である。また、インソール10は、個別の領域を有さず、全体として均一な物性で製造されても良い。
図2及び図3を用いて、単位構造について説明する。図2及び図3は、実施形態の単位構造について説明するための図である。
図2には、単位構造が一単位とする空間形状を例示する。図2に示すように、単位構造は、6つの正方形の面により構成される立方体形状の空間(単位空間)を一単位とする。単位構造は、頂点に対応する8つの点P1~点P8を有する。
ここで、単位構造における線及び面の表記方法について説明する。本実施形態では、線及び面を表記する場合、その線又は面を構成する頂点を括弧書きで示す。例えば、「線(P1,P2)」という表記は、点P1と点P2とを結ぶ線を表す。また、「線(P1,P7)」という表記は、点P1と点P7とを結ぶ線(対角線)を表す。また、「面(P1,P2,P3,P4)」という表記は、点P1、点P2、点P3、及び点P4を頂点とする面(底面)を表す。
実施形態に係る単位構造は、複数の点P1~点P8のうち2点を接続する構造柱を複数備える。つまり、図2の空間形状は、単位構造の形状に対応する。構造柱の数及び方向(配置方向)については、例えば、単位格子モデルにより予め規定されている。なお、単位格子モデルにより規定される単位構造を、単位格子構造とも記載する。
図3には、単位構造の基本的な骨格形状を示す単位格子モデルを例示する。図3において、破線は、一単位に相当する立方体形状の空間(図2の空間)を示す。また、実線は、構造柱の存在を示す。なお、図3に例示の単位格子モデルは、その配置方向が図3の鉛直下方向に装具にかかる荷重方向と一致するようにインソール10の各領域に配置されるのが好適である。なお、装具にかかる荷重方向とは人体の各部位から受けた荷重が加わる方向である。
図3に示すように、例えば、単位格子モデルは、モデルA、モデルB、モデルC、モデルD、モデルE、及びモデルFを含む。ここで、モデルA、モデルB、及びモデルCは、立方体形状の空間の中心に構造柱の交差部を有する。また、モデルD及びモデルEは、立方体形状を構成する複数の面のうち少なくとも1つの面の中心に構造柱の交差部を有する。
モデルAは、立方体形状の対角線に沿って配置される4本の構造柱を備える単位格子モデルである。具体的には、モデルAは、線(P1,P7)、線(P2,P8)、線(P3,P5)、及び線(P4,P6)上に、それぞれ構造柱を有する。
モデルBは、モデルAと同様の4本の線に加えて、立方体形状を構成する底面及び上面を囲む複数の辺に沿って配置される8本の線上に更に構造柱を備える単位格子モデルである。具体的には、モデルBは、モデルAが有する4本の線上に構造柱を有する。更に、モデルBは、底面(P1,P2,P3,P4)を囲む4本の線(P1,P2)、線(P2,P3)、線(P3,P4)、及び線(P4,P1)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルBは、上面(P5,P6,P7,P8)を囲む4本の線(P5,P6)、線(P6,P7)、線(P7,P8)、及び線(P8,P5)上に、それぞれ構造柱を有する。
モデルCは、モデルBと同様の12本の線に加えて、荷重方向に沿って配置される4本の線上に更に構造柱を備える単位格子モデルである。具体的には、モデルCは、モデルBが有する12本の線上に構造柱を有する。更に、モデルCは、インソールにかかる荷重方向に沿って配置される4本の線(P1,P5)、線(P2,P6)、線(P3,P7)、及び線(P4,P8)上に、それぞれ構造柱を有する。
つまり、モデルBとモデルCとの差異は、荷重方向に沿って配置される4本の線(P1,P5)、線(P2,P6)、線(P3,P7)、及び線(P4,P8)上に、構造柱を有するか否かである。
モデルDは、6つの面それぞれの対角線に沿って配置される12本の線上に構造柱を備える単位格子モデルである。具体的には、モデルDは、底面(P1,P2,P3,P4)の対角線に対応する2本の線(P1,P3)及び線(P2,P4)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルDは、上面(P5,P6,P7,P8)の対角線に対応する2本の線(P5,P7)及び線(P6,P8)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルDは、側面(P1,P2,P5,P6)の対角線に対応する2本の線(P1,P6)及び線(P2,P5)を有する。また、モデルDは、側面(P2,P3,P6,P7)の対角線に対応する2本の線(P2,P7)及び線(P3,P6)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルDは、側面(P3,P4,P7,P8)の対角線に対応する2本の線(P3,P8)及び線(P4,P7)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルDは、側面(P1,P4,P5,P8)の対角線に対応する2本の線(P1,P8)及び線(P4,P5)上に、それぞれ構造柱を有する。
モデルEは、モデルDと比較して底面及び上面の対角線上に構造柱を備えず、底面及び上面を囲む複数の辺に対応する8本の線上に更に構造柱を備える単位格子モデルである。具体的には、モデルEは、側面(P1,P2,P5,P6)の対角線に対応する2本の線(P1,P6)及び線(P2,P5)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルEは、側面(P2,P3,P6,P7)の対角線に対応する2本の線(P2,P7)及び線(P3,P6)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルEは、側面(P3,P4,P7,P8)の対角線に対応する2本の線(P3,P8)及び線(P4,P7)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルEは、側面(P1,P4,P5,P8)の対角線に対応する2本の線(P1,P8)及び線(P4,P5)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルEは、底面(P1,P2,P3,P4)を囲む4本の線(P1,P2)、線(P2,P3)、線(P3,P4)、及び線(P4,P1)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルEは、上面(P5,P6,P7,P8)を囲む4本の線(P5,P6)、線(P6,P7)、線(P7,P8)、及び線(P8,P5)上に、それぞれ構造柱を有する。
つまり、モデルD及びモデルEの差異は、底面及び上面に配置された線上の構造柱の有無である。具体的には、底面及び上面の対角線に沿った4本の線(P1,P3)、線(P2,P4)、線(P5,P7)、及び線(P6,P8)上に構造柱を有するのが、モデルDである。また、底面及び上面を囲む8本の線(P1,P2)、線(P2,P3)、線(P3,P4)、線(P4,P1)、線(P5,P6)、線(P6,P7)、線(P7,P8)、及び線(P8,P5)上に構造柱を有するのが、モデルEである。
なお、図3では、モデルD及びモデルEの構造柱を2種類の太さの実線によって図示したが、これは実際の構造柱の太さを示すものではなく、図示の明瞭化を意図したものである。つまり、太い方の実線は、立方体形状の空間を箱に見立てた場合に、「箱の手前側に見える面」に含まれる構造柱を示す。また、細い方の実線は、立方体形状の空間を箱に見立てた場合に、「箱の奥側に見える面」にのみ含まれる構造柱を示す。なお、「箱の手前側に見える面」とは、上面(P5,P6,P7,P8)、側面(P1,P2,P5,P6)、及び側面(P1,P4,P5,P8)である。また、「箱の奥側に見える面」とは、底面(P1,P2,P3,P4)、側面(P2,P3,P6,P7)、及び側面(P3,P4,P7,P8)である。
モデルFは、図2に示した単位構造が一単位とする空間形状の各辺に対応する12本の線上に構造柱を備える単位格子モデルである。具体的には、モデルFは、底面(P1,P2,P3,P4)を囲む4本の線(P1,P2)、線(P2,P3)、線(P3,P4)、及び線(P4,P1)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルFは、上面(P5,P6,P7,P8)を囲む4本の線(P5,P6)、線(P6,P7)、線(P7,P8)、及び線(P8,P5)上に、それぞれ構造柱を有する。また、モデルFは、インソールにかかる荷重方向に沿って配置される4本の線(P1,P5)、線(P2,P6)、線(P3,P7)、及び線(P4,P8)上に、それぞれ構造柱を有する。
このように、領域R1、領域R2、及び領域R3は、互いに異なる単位構造により構成される。すなわち、インソール10の各領域は、複数の単位構造が繰り返し連続して配列された構造である。具体的には、インソール10の各領域は、複数の単位構造が同一平面上に配列された層を少なくとも1つ有し、この層が積層されて構成される。なお、構造柱の断面形状は、四角形、五角形、六角形等の多角形、円形、楕円形等、任意の形状が適用可能である。
なお、図2及び図3に示した内容はあくまで一例であり、図示の内容に限定されるものではない。例えば、図2に示した立方体形状の空間はあくまで一例であり、単位構造が一単位とする空間形状は、多角柱形状であっても良い。この場合、単位構造は、例えば、三角柱形状、四角柱形状、及び六角柱形状のうちいずれか1つの形状の空間を一単位とすることが好適である。三角柱形状としては正三角柱形状が好適である。また、四角柱形状としては上述した立方体形状以外に直方体形状が好適である。また、六角柱形状としては正六角柱形状が好適である。また、構造柱は、多角柱形状又は円柱形状等の柱状である。また、構造柱の短手方向とは、構造柱の軸方向に直交する方向である。
また、領域R1~領域R3それぞれを構成する単位構造は、一定の空間形状であるのが好適である。例えば、領域R1を構成する単位構造は三角柱形状で統一され、領域R2を構成する単位構造は四角柱形状で統一され、領域R3を構成する単位構造は六角柱形状で統一される。
また、各領域R1~領域R3を構成する単位構造は、境界部では一部が欠けた(切除された)構造となる場合がある。ここで、境界部とは、インソール10の輪郭面、領域R1と領域R2との間の境界面、及び領域R1と領域R3との間の境界面などに対応する。このような境界部は、単位構造の外面とは必ずしも一致しないため、境界部の形状に合わせて単位構造を一部切除した構造にすることとなる。なお、境界部は、単位構造(又は切除された単位構造)が露出していても良いし、任意の厚みの膜などで覆われていても良い。
また、図3に示したモデルはあくまで一例であり、単位格子モデルは任意の位置に構造柱を備えていても良い。ただし、単位構造は、多角柱形状の空間を構成する全ての頂点をいずれかの構造柱が通るように、複数の構造柱を備えるのが好適である。
ここで、本実施形態に係るインソール10は、構造柱の欠失(deletion)による荷重方向における単位構造の非対称化を導入したことにより、用途に応じた適切な物性を有する。すなわち、インソール10は、n(nは3以上の整数)角柱形状の空間を一単位とする単位構造が複数配列される。また、インソール10において、複数の単位構造のうち少なくとも一つは、空間の中心と、n角柱形状を形成する2n個の頂点のうちp(pは2≦p≦(2n-1)を充たす整数)個の頂点とを接続するp本の構造柱を有する。なお、n角柱形状は、四角柱形状又は六角柱形状であるのが好適である。
図4、図5A、図5B、図5C、図5D、及び図5Eを用いて、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明する。図4~図5Eは、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化について説明するための図である。なお、図4~図5Eでは、図3のモデルAの単位構造に構造柱の欠失を導入した場合を例示して説明する。図4~図5Eにおいて、点P1~点P8は、図2に示した点P1~点P8にそれぞれ対応する。点P9は、単位構造が一単位とする空間の中心点(モデルAの交差部)に対応する。また、図4~図5Eにおいて、Y軸は荷重方向の逆方向に対応し、X軸はY軸に直交し、Z軸はX軸及びY軸に直交する。つまり、インソール10において、単位構造は、n角柱形状の空間の上面に対して荷重がかかるように配置される。
図4には、欠失が無いモデルAの単位構造(対称な単位構造)において、欠失対象となり得る各構造柱について説明する。図4において、構造柱L1は、点P1と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L2は、点P2と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L3は、点P3と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L4は、点P4と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L5は、点P5と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L6は、点P6と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L7は、点P7と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。構造柱L8は、点P8と点P9とを結ぶ線上に配置された構造柱である。
図5Aでは、1本の構造柱の欠失による非対称化について説明する。図5Aに例示の単位構造「D1」は、構造柱L1が欠失した構造である。つまり、単位構造「D1」は、構造柱L2、構造柱L3、構造柱L4、構造柱L5、構造柱L6、構造柱L7、及び構造柱L8を有する構造である。
図5B~図5Dでは、2本の構造柱の欠失による非対称化について説明する。図5Bに例示の単位構造「D2A」は、構造柱L1及び構造柱L7が欠失した構造である。つまり、単位構造「D2A」は、構造柱L2、構造柱L3、構造柱L4、構造柱L5、構造柱L6、及び構造柱L8を有する構造である。図5Cに例示の単位構造「D2B」は、構造柱L1及び構造柱L2が欠失した構造である。つまり、単位構造「D2B」は、構造柱L3、構造柱L4、構造柱L5、構造柱L6、構造柱L7、及び構造柱L8を有する構造である。図5Cに例示の単位構造「D2C」は、構造柱L1及び構造柱L3が欠失した構造である。つまり、単位構造「D2C」は、構造柱L2、構造柱L4、構造柱L5、構造柱L6、構造柱L7、及び構造柱L8を有する構造である。
図5Eでは、4本の構造柱の欠失による非対称化について説明する。図5Eに例示の単位構造「D4」は、構造柱L1、構造柱L3、構造柱L6、及び構造柱L8が欠失した構造である。つまり、単位構造「D4」は、構造柱L2、構造柱L4、構造柱L5、及び構造柱L7を有する構造である。
なお、単位構造のうちいずれかの構造柱を欠失させたとしても、各単位構造が3次元的に配列されると、各頂点にはいずれかの単位構造の構造柱が存在することになるので、各頂点には構造物が残存することになる。このため、例えば図5Aに示したように、構造柱L1が欠失した場合にも、点P1には球状の構造物が残存することとなる。なお、図5Bの点P1及び点P7、図5Cの点P1及び点P2、図5Dの点P1及び点P3、図5Eの点P1、点P3、点P6、及び点P8の各点の球状の構造物についても同様である。
このように、図5A~図5Eに示したモデルAの単位構造は、8本の構造柱L1~構造柱L8のうち、少なくとも1本の構造柱が欠失した非対称な構造を有する。そして、この非対称な単位構造がX軸、Y軸、及びZ軸方向に複数配列されることにより、用途に応じた適切な物性を有するインソール10が造形可能となる。
なお、図4~図5Eに示した内容はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、欠失させる構造柱の本数は、欠失の無い単位構造における構造柱の総数のうち半数以下であれば任意に欠失可能である。つまり、モデルAの単位構造では、8本の構造柱L1~構造柱L8のうち4本以下であれば構造柱を欠失させることが可能である。言い換えると、単位構造は、(n/2)本以上の構造柱を有するのが好適である。
また、欠失させる構造柱の位置は、任意に設定可能である。例えば、1本の構造柱を欠失させる場合には、8本の構造柱L1~構造柱L8のうち任意の1本を欠失させることが可能である。
また、図4~図5Eでは、構造柱が円柱形状である場合を示したが、多角柱形状であっても良い。つまり、構造柱は、円柱形状又は多角柱形状であるのが好適である。
次に、図6を用いて、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化と物性の関係について説明する。図6は、実施形態に係る荷重方向における単位構造の非対称化と物性の関係について説明するための図である。図6には、物体の圧縮特性を例示する。圧縮特性とは、物体に印加された応力[MPa]と、その応力による物体の圧縮比率[%](変位)との関係を表した曲線(グラフ)である。図6では、各単位構造により造形された物体に対して重力方向に平面圧縮することにより圧縮特性を計測した。
図6において、グラフの縦軸は応力[MPa]に対応し、グラフの横軸は圧縮比率[%]に対応する。「D4 100-15」は、単位空間の一辺の長さを「100」とした場合の構造柱の太さが「15」である単位構造「D4」(図5E)の圧縮時の曲線を示す。「D2A 100-12」は、単位空間の一辺の長さを「100」とした場合の構造柱の太さが「12」である単位構造「D2A」(図5B)の圧縮時の曲線を示す。「D2B 100-12」は、単位空間の一辺の長さを「100」とした場合の構造柱の太さが「12」である単位構造「D2B」(図5C)の圧縮時の曲線を示す。「100-7」は、単位空間の一辺の長さを「100」とした場合の構造柱の太さが「7」であるモデルAの単位構造(欠失無し)の圧縮時の曲線を示す。「100-10」は、単位空間の一辺の長さを「100」とした場合の構造柱の太さが「10」であるモデルAの単位構造(欠失無し)の圧縮時の曲線を示す。「100-12」は、単位空間の一辺の長さを「100」とした場合の構造柱の太さが「12」であるモデルAの単位構造(欠失無し)の圧縮時の曲線を示す。
図6に示すように、構造柱の欠失の無いモデルAの単位構造では、構造柱の太さに応じて圧縮初期(圧縮比率0~10%程度)の傾きや、圧縮後期(圧縮比率50%以上)のグラフ形状、グラフの面積(積分値)などが大きく異なっていた。ここで、圧縮初期の傾きは、インソール10の「フィット感」に寄与する。また、圧縮後期のグラフ形状は、インソール10の「応力(硬さ)」に寄与する。また、グラフの面積は、インソール10の「衝撃吸収性」に寄与する。このことから、構造柱の欠失の無いモデルAの単位構造では、構造柱の太さを変更しただけで、フィット感、応力(硬さ)、衝撃吸収性などの物性がともに大きく変化することが示唆された。
例えば「100-10」と比較した場合、「100-12」では構造柱を太くすることで応力(硬さ)及び衝撃吸収性が向上する一方、圧縮初期の傾きも大きく変化しており、フィット感が損なわれる可能性を示唆している。一方、構造柱を細くすると「100-7」のグラフが示すように応力(硬さ)及び衝撃吸収性が低下する。このことから、モデルAの単位構造で構造柱の太さを変更しただけでは、フィット感、応力(硬さ)、衝撃吸収性などの物性が連動して変化してしまうことが示唆された。すなわち、モデルAの単位構造で構造柱の太さを変更しただけでは、フィット感、応力(硬さ)、及び衝撃吸収性などの物性を個別に所望の範囲にコントロールすることは難しいことが示唆された。
これに対し、実施形態に係る単位構造「D4」、単位構造「D2A」及び単位構造「D2B」では、圧縮初期の傾きは概ね一致していたのに対し、圧縮後期の傾きやグラフの面積は異なっていた。このことから、構造柱が欠失した単位構造で構造柱の太さを変更することで、フィット感をほぼ一定に保ったまま、一定変位時の応力(硬さ)及び衝撃吸収性を所望の範囲にコントロールできることが示唆された。したがって、構造柱の欠失の無い単位構造のみを用いた場合に比べ、構造柱の欠失を含む単位構造を併用する場合には、フィット感、応力(硬さ)、衝撃吸収性をより柔軟にコントロールでき、設計の自由度が向上することが示唆された。
上述してきたように、実施形態のインソール10は、n(nは3以上の整数)角柱形状の空間を一単位とする単位構造が複数配列される。また、インソール10において、複数の単位構造のうち少なくとも一つは、空間の中心と、n角柱形状を形成する2n個の頂点のうちp(pは2≦p≦(2n-1)を充たす整数)個の頂点とを接続するp本の構造柱を有する。これにより、実施形態のインソール10は、用途に応じた適切な物性を有する。例えば、インソール10は、外形や材料に制約がある場合にも、単位構造に構造柱の欠失を導入したことにより、用途に応じた適切な物性を有する。つまり、本実施形態によれば、用途に応じた外形と物性を兼ね備える三次元構造体を提供することができる。
なお、図6において、単位構造「D4」及び単位構造「D2A」は、単位構造「D2B」と比較してグラフ形状に歪みが少なかった。単位構造「D4」及び単位構造「D2A」は、構造柱L1が欠失した頂点P1に隣接する3つの頂点P2、頂点P4、及び頂点P5に構造柱が接続される構造である。つまり、2n個の頂点のうち構造柱が接続されない頂点に隣接する頂点は、構造柱が接続されるのが好適である。
また、単位構造「D2C」及び単位構造「D4」は、構造柱L1が欠失した頂点P1に対して中心点(点P9)を挟んで対向する頂点P7は、構造柱L7が接続される。つまり、2n個の頂点のうち構造柱が接続されない頂点に対して中心を挟んで対向する頂点は、構造柱が接続されるのが好適である。
また、インソール10は、1種類の単位構造によって造形されても良いし、複数種類の単位構造(対称な単位構造及び非対称な単位構造を含む)によって造形されても良い。例えば、インソール10の全体が単位構造「D1」によって造形されても良い。また、全体が単位構造「D1」によって造形されたインソール10において、領域Aが他の単位構造(例えば、単位構造「D2A」)によって造形されても良い。
なお、本実施形態にて記載した「欠失」は、例えば、「欠陥」、及び「欠損」などと言い換え可能である。なお、「欠失」、「欠陥」、及び「欠損」などの記載は、元の単位格子モデルと比較して一部の構造柱が除外された構造であることを表す意図であり、最終製品としての装具の機能が劣っているという意図ではない。
(装具の製造方法)
上記の実施形態で説明した物体(インソール10)は、3次元プリンタ(3D-Printer)によって造形(製造)されるのが好適である。3次元プリンタによるインソール10の造形方法としては、光造形方式や粉末造形方式が適用可能である。
光造形方式としては、例えば、SLA(Stereolithography)方式やDLP(Digital Light Projector)方式、LCD(Liquid Crystal Display)方式が適用可能である。SLA方式は、液体状の光硬化性樹脂に対して選択的にレーザーを照射して造形部位を一層ずつ光硬化させて積層していく造形方法である。また、DLP方式は、液体状の光硬化性樹脂に対してプロジェクタを用いて平面的に露光して高速に造形する造形方法である。また、LCD方式は、液体状の光硬化性樹脂に対して、紫外光をバックライトにして液晶パネル(LCD)に表示させた画像を投影させる造形方法である。
また、粉末造形方式としては、例えば、粉末焼結積層造形方式や粉末樹脂の熱融合による方式が適用可能である。粉末焼結積層造形方式は、粉末状の樹脂に対して選択的にレーザーを照射して造形部位を焼結させる造形方法である。また、粉末樹脂の熱融合による方式は、粉末状の樹脂に対して選択的に溶融促進剤を噴射し、次いで加熱することで造形部位を融着させて積層していく造形方式である。
ここで、光造形方式では光硬化性樹脂が利用され、粉末造形方式では熱可塑性樹脂が利用される。つまり、上記の実施形態で説明した単位構造は、光硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂により造形される。
なお、上述した製造方法はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、物体(装具)に要求される物性を有する材料を、単位構造の形成に要求される位置精度で造形可能な方法であれば、任意の造形方法が適用可能である。
また、インソール10は、それぞれの領域(領域R1、領域R2、及び領域R3)が一体として造形(成形)可能である。一体として造形することにより、一度にインソール10全体を造形でき、また、各領域の境界部分の強度を保ち易い。
また、インソール10は、それぞれの領域(領域R1、領域R2、及び領域R3)のパーツが個別に造形されても良い。個別に造形する場合、各領域の境界部分は互いに嵌合可能な形状に造形され、造形後に各領域のパーツが互いに嵌合されることでインソール10が製造される。個別に造形することにより、各領域のパーツを部分的に交換することができる。例えば、物性が異なる領域R2のパーツを複数造形しておき、対象者の状態(症状、病状など)に応じて領域R2のパーツを交換することで、物性を変更することができる。また、例えば、破損した領域のパーツのみを造形し、交換することもできる。
(荷重方向)
上記の実施形態では、例えば図3に示すように荷重方向が図中の鉛直下方向に対応する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、装具内での単位構造の方向は、製造者の任意により適宜設定可能である。例えば、手に装着する装具であれば、手と装具との接点における法線方向を荷重方向として定義してもよい。この場合、図3の単位構造は、図中の鉛直下方向が人体との接点における法線方向に対応するように装具内に配列される。
以上説明した実施形態によれば、用途に応じた適切な物性を有する装具を提供することができる。
10 インソール

Claims (9)

  1. n(nは3以上の整数)角柱形状の空間を一単位とする単位構造が複数配列され、
    複数の前記単位構造のうち少なくとも一つは、前記空間の中心と、前記n角柱形状を形成する2n個の頂点のうちp(pは2≦p≦(2n-1)を充たす整数)個の頂点とを接続するp本の構造柱を有する、
    装具。
  2. 前記2n個の頂点のうち前記構造柱が接続されない頂点に隣接する頂点は、前記構造柱が接続される、
    請求項1に記載の装具。
  3. 前記2n個の頂点のうち前記構造柱が接続されない頂点に対して前記中心を挟んで対向する頂点は、前記構造柱が接続される、
    請求項1に記載の装具。
  4. 前記単位構造は、(n/2)本以上の構造柱を有する、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の装具。
  5. 前記単位構造は、荷重方向において非対称性を有する、
    請求項1~4のいずれか一つに記載の装具。
  6. 前記n角柱形状は、四角柱形状又は六角柱形状である、
    請求項1~5のいずれか一つに記載の装具。
  7. 前記構造柱は、円柱形状又は多角柱形状である、
    請求項1~6のいずれか一つに記載の装具。
  8. 前記単位構造は、光硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂により造形される、
    請求項1~7のいずれか一つに記載の装具。
  9. インソールである、
    請求項1~8のいずれか一つに記載の装具。
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