JP2023032204A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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Masazumi Kobayashi
達朗 杉山
Tatsuro Sugiyama
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Abstract

【課題】 最大作動角の高角化と常用作動角の高角化が要求される使用条件に対して、強度、耐久性を確保した摺動式等速自在継手を提供することを目的とすること。【解決手段】 6個のトルク伝達ボール4を備え、ケージ5の球状外周面11の曲率中心O1と球状内周面12の曲率中心O2が、継手中心Oに対して軸方向の反対側にオフセットした摺動式等速自在継手1において、摺動式等速自在継手1が8°~12°の常用作動角で使用され、トルク伝達ボール4の直径DBALLと内側継手部材3の連結孔13のスプラインピッチ円直径DSPCDとの比DBALL/DSPCDを0.80~0.86とし、トルク伝達ボール4と直線状トラック溝7、9との接触角αを32°~35°とし、トルク伝達ボール4と直線状トラック溝7、9との接触率ψを1.05~1.08としたことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械に使用される摺動式等速自在継手に関する。
近年、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)等の4輪駆動車の市場人気に伴って、これに用いられる等速自在継手も最大作動角の更なる高角化(30°以上、例えば、35°)と、走破性を高めるためにデフの位置を高く設定したものが増えてきている。それにより、継手の車両取り付け角度が大きくなり、常用作動角も高角化(8°以上、例えば、10°)してきている。
自動車用ドライブシャフトは、通常、駆動車輪側(アウトボード側ともいう)に固定式等速自在継手が用いられ、デファレンシャル側(インボード側ともいう)に摺動式等速自在継手が用いられ、これらの2つの等速自在継手を中間シャフトで連結して構成されている。固定式等速自在継手は、大きな作動角が取れるが軸方向にはスライドしない。一方、摺動式等速自在継手は、軸方向にスライド可能であるが、あまり大きな作動角が取れない。
駆動車輪側に使用する固定式等速自在継手は、フル転舵時の角度にも対応できるように継手の最大許容角度は46°~50°程度に設定される。一方、デファレンシャル側に使用する摺動式等速自在継手は、サスペンションの動きを吸収できるように継手の最大許容角度は23°~30°程度に設定される。摺動式等速自在継手では、通常、サスペンションが最も伸びきったフルリバウンド状態のとき、最大作動角となる。一方、常用作動角については、現状の乗用車等のドライブシャフトにおける従来の常用作動角は、比較的に小さく、通常、6°程度で使用される。
一般に、乗用車より車高が高いSUVなどは、平地走行状態でのドライブシャフトの角度(以下、常用作動角という。常用作動角の定義は後述する。)が大きく、さらにサスペンションの動きも大きくなる傾向にある。最大作動角が25°を超え30°程度の高角度とコンパクト化を図ったDOJが提案されている(特許文献1)。
特開2007-85488号公報
DOJ型の等速自在継手において、作動角が高くなると、トルク伝達ボールに係る荷重が増大し、それによって、外側継手部材、内側継手部材のトラック溝に係る面圧も増大する。ただし、最大作動角となるフルリバウンド状態では、車輪は地面に接地していなく、車輪にトルク負荷がかからないので、前記の面圧は問題にならない。
一方、摺動式等速自在継手の車両取り付け角度が大きくなり、常時使用される角度(常用作動角)が高角化すると、等速自在継手の耐久性が著しく厳しくなる。すなわち、常用作動角の時は、車両が高速走行し、等速自在継手に負荷されるトルクは大きい。
本発明は、上記の問題に鑑み、最大作動角の高角化と常用作動角の高角化が要求される使用条件に対して、強度、耐久性を確保した摺動式等速自在継手を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するため種々検討、検証した結果、高い常用作動角(例えば、10°程度)での耐久性を従来の常用作動角(例えば、6°程度)時と同等に確保するという指針に辿り着いた。そして、摺動式等速自在継手の内部仕様設定のためのポイントとして最大作動角の高角化と常用作動角の高角化という2つの要因に着目し、これら両要因を融合させて内部仕様を設定するという新たな着想によって、本発明に至った。
前述の目的を達成する技術的手段として、本発明は、円筒状内周面に6本の直線状トラック溝が軸方向に沿って形成された外側継手部材と、球状外周面に前記外側継手部材の直線状トラック溝に対向する6本の直線状トラック溝が軸方向に沿って形成されると共に中心部にシャフトを連結する連結孔が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材の直線状トラック溝と前記内側継手部材の直線状トラック溝間に組込まれた6個のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持し、前記外側継手部材の円筒状内周面と前記内側継手部材の球状外周面に接触案内される球状外周面と球状内周面を有するケージとからなり、前記ケージの球状外周面の曲率中心と球状内周面の曲率中心が、継手中心に対して軸方向の反対側にオフセットした摺動式等速自在継手において、前記摺動式等速自在継手が8°~12°の常用作動角で使用され、前記トルク伝達ボールの直径(DBALL)と前記内側継手部材の連結孔のスプラインピッチ円直径(DSPCD)との比DBALL/DSPCDを0.80~0.86とし、前記トルク伝達ボールと前記直線状トラック溝との接触角(α)を32°~35°とし、前記トルク伝達ボールと前記直線状トラック溝との接触率(ψ)を1.05~1.08としたことを特徴とする。上記の構成により、最大作動角の高角化と共に常用作動角の高角化の使用条件に対して、強度、耐久性を確保した摺動式等速自在継手を実現できる。
具体的には、上記の直線状トラック溝のピッチ円直径(DTPCD)と上記のスプラインピッチ円直径(DSPCD)との比DTPCD/DSPCDを2.25~2.40とすることが望ましい。これにより、外側継手部材の外径を抑えつつ、トラック面圧を抑制することができる。
上記のケージの球状外周面の曲率中心と球状内周面の曲率中心のオフセット量(F)と上記のスプラインピッチ円直径(DSPCD)との比F/DSPCDを0.18~0.19とすることが望ましい。これにより、ボールの接触楕円のトラック溝からのはみ出しを抑えると共にトラック面圧を抑制することができる。
上記の摺動式等速自在継手の最大作動角が30°~35°であることにより、SUV等の用途に好適である。
上記の摺動式等速自在継手をインボード側に装着し、8個のトルク伝達ボールを有する固定式等速自在継手をアウトボード側に装着したドライブシャフトを構成することにより、SUV等の用途に好適である。
本発明の摺動式等速自在継手によれば、最大作動角の高角化と常用作動角の高角化が要求される使用条件に対して、強度、耐久性を確保した摺動式等速自在継手を実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る摺動式等速自在継手の縦断面図で、図2のB-N-B線における縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る摺動式等速自在継手の横断面図で、図1のA-A線における横断面図である。 図2の1個のトルク伝達ボールとトラック溝を拡大した横断面図である。 本実施形態の摺動式等速自在継手と従来の摺動式等速自在継手の横断面を対比した図である。 本実施形態の摺動式等速自在継手が最大作動角を取った状態を示す縦断面図である。 本実施形態の摺動式等速自在継手と8個のトルク伝達ボールを有する固定式等速自在継手を装着したドライブシャフトを示す縦断面図である。 高い常用作動角の状態と従来の常用作動角の状態とを対比した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る摺動式等速自在継手が最大作動角を取った状態を示す縦断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る摺動式等速自在継手を図1~図7に基づいて説明する。図1は、本実施形態の摺動式等速自在継手の縦断面図で、図2のB-N-B線における縦断面図である。図2は、本実施形態の摺動式等速自在継手の横断面図で、図1のA-A線における横断面図である。図3は、図2の上側の1個のトルク伝達ボールとトラック溝を拡大した横断面図で、図4は、本実施形態の摺動式等速自在継手と従来の摺動式等速自在継手の横断面を対比した図である。図5は、本実施形態の摺動式等速自在継手が最大作動角を取った状態を示す縦断面図で、図6は、本実施形態の摺動式等速自在継手と8個のトルク伝達ボールを有する固定式等速自在継手を装着したドライブシャフトを示す縦断面図である。図7は、高い常用作動角の状態と従来の常用作動角の状態とを対比した模式図である。
図1、図2に示すように、摺動式等速自在継手1は、いわゆる、ダブルオフセット型摺動式等速自在継手(DOJと略称することもある。)であり、外側継手部材2、内側継手部材3、トルク伝達ボール4およびケージ5を主な構成とする。外側継手部材2の円筒状内周面6には、6本のトラック溝7が円周方向に等間隔で、かつ軸方向に沿って直線状に形成されている。内側継手部材3の球状外周面8には、外側継手部材2のトラック溝7と対向するトラック溝9が円周方向に等間隔で、かつ軸方向に沿って直線状に形成されている。外側継手部材2のトラック溝7と内側継手部材3のトラック溝9との間に6個のトルク伝達ボール(以下、単にボールともいう)4が1個ずつ組み込まれている。ボール4はケージ5のポケット5aに収容されている。
ケージ5は、球状外周面11と球状内周面12を有し、球状外周面11は外側継手部材2の円筒状内周面6と嵌合して接触案内され、球状内周面12は内側継手部材3の球状外周面8と嵌合して接触案内される。ケージ5の球状外周面11は曲率中心O1を有し、球状内周面12は曲率中心O2を有している。曲率中心O1、O2は、軸線N上に位置し、継手中心Oに対して軸方向に等距離Fでオフセットされている。これにより、継手が作動角を取った場合、外側継手部材2と内側継手部材3の両軸線がなす角度を二等分する平面上にボール4が常に案内され、二軸間が等速回転で伝達される。
外側継手部材2の開口側端部に止め輪溝15が設けられ、この止め輪溝15に止め輪(図示省略)が装着されて、図1に示す内側継手部材3、ボール4、ケージ5の内側組立体が、外側継手部材2の開口側端部から抜け出すのを防止する。外側継手部材2の開口側端部の外周にブーツ装着溝16が設けられている。外側継手部材2の反開口側にはステム部(軸部)2bが一体に形成され、デファレンシャル(図示省略)に連結される。
内側継手部材3の球状外周面8に直線状のトラック溝9が形成されているので、内側継手部材3の軸方向の中心から両端に行くにつれてトラック溝9の溝深さが浅くなる。内側継手部材3の連結孔13にスプライン(セレーションを含む、以下同じ)14が形成され、中間シャフト27(図5参照)の軸端部がスプライン嵌合され、中間シャフト27の肩部と止め輪によって軸方向に固定される。本実施形態の摺動式等速自在継手1では、35°の最大作動角を許容するため、内側継手部材3の軸方向幅は従来品より長く設定されている。
図1のA-A線で示すケージ5の軸方向中心に6個のポケット5aが円周方向に等間隔で設けられ、隣接するポケット5a間は柱部5b(図2参照)となっている。ケージ5の大径側端部の内周に内側継手部材3を組み込むための切欠き5cが設けられている。ケージ5のストッパ面5dは、球状外周面11に接線として接続する円すい状に形成されている。ケージ5は、継手が作動角を取った場合、外側継手部材2と内側継手部材3の両軸線がなす角度の半分だけ傾くので、ストッパ面5dの傾斜角度Sは17.5°に設定されている。これにより、摺動式等速自在継手1の最大許容角度を規制することができる。
図3に示すように、外側継手部材2のトラック溝7と内側継手部材3のトラック溝9の横断面は、2つの円弧を組合せたゴシックアーチ形状や楕円形状に形成されている。このため、ボール4は、トラック溝7、9に対して各2つの点C1、C2、C3、C4でアンギュラコンタクトする。
ここで、ボール接触角αとは、図3の直線Laと直線Lbとの間の角度αを意味する。直線Laはトラック溝7、9の横断面の中心線で、図2のB-N線に対応する。直線Lbは、トラック溝7、9の側面におけるボール4の接触点C1、C2、C3、C4とボール4の中心Obを結ぶ直線である。
図3に示すように、内側継手部材3のトラック溝9の曲率半径R2の曲率中心は、接触角αをもつ直線Lb上でボール中心Obよりオフセットしている。外側継手部材3のトラック溝7の曲率半径も内側継手部材3のトラック溝9と同様にR2である。ボール4の半径はR1である。ボール接触率ψとは、トラック溝7、9の横断面の曲率半径R2とボール4の半径R1(R1=DBALL/2)との比率R2/R1を意味する。
図7は、本実施形態の摺動式等速自在継手1が使用される高い常用作動角の状態と従来の常用作動角の状態とを対比した模式図である。図7に示すように、ドライブシャフト20は、アウトボード端の固定式等速自在継手21が車輪Wに連結され、インボード端の摺動式等速自在継手1がデファレンシャルDfに連結される。図7の左半分が高い常用作動角θ1の状態を示し、右半分が従来の常用作動角θ2の状態を示す。高い常用作動角θ1の場合は、デファレンシャルDfの地上からの高さが従来の常用作動角θ2の場合よりΔh高くなり、走破性が高まる。しかし、常用作動角が高くなるので、トルク伝達ボールに係る荷重が増大する。
ここで、特許請求の範囲および本明細書における常用作動角について定義する。常用作動角とは、水平で平坦な路面上で1名乗車時の自動車において、ステアリングを直進状態にした時にドライブシャフトの摺動式等速自在継手で生じる作動角をいう。現状の乗用車等のドライブシャフトにおける従来の常用作動角は、比較的小さく、通常、6°程度で使用される。
次に、本発明の開発過程における知見や着想について説明する。本発明者らは、最大作動角の高角化と常用作動角の高角化が要求される使用条件に対応するために種々検討、検証した結果、高い常用作動角(例えば、10°程度)での耐久性を従来の常用作動角(例えば、6°程度)時と同等に確保するという指針に辿り着いた。そして、摺動式等速自在継手の内部仕様設定のためのポイントとして最大作動角の高角化と常用作動角の高角化という2つの要因に着目し、これら両要因を融合させて内部仕様を設定するという新たな着想によって、本発明に至った。
上記の指針および着想に基づいて、まず、ボールとトラック溝間の面圧を支配する抜本的な内部仕様であるトルク伝達ボールのボール径を以下のような要領で見出した。すなわち、表1に示すように、ボール径のサイズアップへの影響度合は、最大作動角の高角化35°、常用作動角の高角化10°のそれぞれで50%程度であることを突き止めた。そして、要求される使用条件(最大作動角35°、常用作動角10°)に対応する摺動式等速自在継手について、トルク伝達ボールの直径DBALLと内側継手部材の連結孔のスプラインピッチ円直径DSPCDとの比DBALL/DSPCDを0.80~0.86とすることを見出した。上記の要領は当業者にとって初めての試みである。
(注)ボール径の1サイズの差は、1/32インチ(約0.8mm)である。
Figure 2023032204000002
尚、ジョイントのサイズは、内側継手部材の連結孔(シャフト)のスプライン径で表すことができるため、上記の寸法値および後述する寸法値は内側継手部材の連結孔のスプラインPCDとの比で無次元化して表すこととする。
DOJ型摺動式等速自在継手の耐久性は、使用作動角が高い程、低下する。DOJ型摺動式等速自在継手では、作動角が付くと1回転中にボールに作用する力が変動し、最大負荷時は、作動角0°時の数パーセントから角度によっては数倍の荷重が負荷されることになる。例えば、常用作動角が高くなり、現状の常用作動角の6°から10°に常用作動角が高角化されると、ボールに負荷される最大荷重は20~30%程度高くなる。
前述したトルク伝達ボールの直径DBALLと内側継手部材の連結孔のスプラインピッチ円直径DSPCDとの比DBALL/DSPCDを0.80~0.86とすることをベースにし、ボールとトラック溝間の面圧に影響する諸寸法を調整し面圧を緩和することにより、高い常用作動角(例えば、10°程度)での耐久性を従来の常用作動角(例えば、6°程度)時と同等に確保するできる確証が得られた。
DOJ型摺動式等速自在継手のボールとトラック溝間の面圧に影響する諸寸法は、(1)ボール径、(2)トラック溝の接触角、(3)トラック溝の接触率、(4)トラックPCD、(5)ケージオフセットである。表2に上記(1)~(5)の諸寸法のボールとトラック溝間の面圧への影響を示す。また、併せてその場合の懸念点も示す。
Figure 2023032204000003
ボールとトラック溝間の面圧を抑制するために、単純にボール径を大きくするだけで対策できるものではなく、トラック溝の接触角、トラック溝の接触率、トラックPCD、ケージオフセット量等を複合的に設定して、それぞれの項目の最適値を見出した。本実施形態の摺動式等速自在継手1の内部仕様を表3に示す。
Figure 2023032204000004
上記の内部仕様の設定ついて視覚的に補足するために、本実施形態の摺動式等速自在継手1と従来品の横断面を図4に対比して示す。図4の紙面における上下方向の中心線の左側半分が本実施形態の摺動式等速自在継手1であり、右側半分が従来品である。本実施形態の摺動式等速自在継手1に対応する従来品の構成部材には、本実施形態に用いた符号にそれぞれ50を加え、トラック溝PCDはDT’PCD、外輪外径はD’OUTERの符号を付している。本実施形態の摺動式等速自在継手1は、従来品より外側継手部材1の外径、すなわち外輪外径DOUTERは2サイズ(5~10%)程度大きくなるが、実用可能である。
図5に本実施形態の摺動式等速自在継手1が最大作動角θmaxを取った状態を示す。ケージ5のストッパ面5dが、外側継手部材2の円筒状内周面6に当接し、摺動式等速自在継手1の最大許容角度を規制する。最大作動角θmaxは35°である。
図6に本実施形態の摺動式等速自在継手1を適用したドライブシャフト20を示す。このドライブシャフト20は、中間シャフト27の一端に固定式等速自在継手21が連結され、他端に本実施形態の摺動式等速自在継手1が連結されている。ダブルオフセット型摺動式等速自在継手1の外側継手部材2はカップ部の底部から軸方向に延びた軸部2bを有する。固定式等速自在継手21は、8個のボールを用いたツェッパ型等速自在継手であり、カップ部の底部から軸方向に延びた軸部22bを有する外側継手部材22と、外側継手部材22のカップ部の内周に収容された内側継手部材23と、外側継手部材22と内側継手部材23との間に配置されたトルク伝達要素としてのボール24と、外側継手部材22の球状内周面と内側継手部材23の球状外周面との間に配され、ボール24を保持するケージ25とを備える。
中間シャフト27は、その両端部外径にトルク伝達用のスプライン26を有する。そして、インボード側のスプライン26を摺動式等速自在継手1の内側継手部材3とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト27と摺動式等速自在継手1の内側継手部材3とがトルク伝達可能に連結される。また、アウトボード側のスプライン26を固定式等速自在継手21の内側継手部材23とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト27と固定式等速自在継手21の内側継手部材23とがトルク伝達可能に連結される。両等速自在継手1、21の内部には潤滑剤としてのグリースが封入されている。グリースの外部漏洩や継手外部からの異物侵入を防止するため、ダブルオフセット型摺動式等速自在継手1の外側継手部材2と中間シャフト27との間、および固定式等速自在継手21の外側継手部材22と中間シャフト27との間には、蛇腹状のブーツ29、30がそれぞれ装着されている。
本発明の第2の実施形態に係る摺動式等速自在継手を図8に基づいて説明する。図8は、本実施形態に係る摺動式等速自在継手1が最大作動角を取った状態を示す縦断面図である。本実施形態の摺動式等速自在継手は、前述した第1の実施形態の摺動式等速自在継手と比べて最大作動角の値が異なる。その他の構成については第1の実施形態と同様であるので、同様の機能を有する部位には同じ符号を付して、第1の実施形態において前述した内容を準用する。
本実施形態の摺動式等速自在継手は、最大作動角θmaxは32°で、常用作動角は、第1の実施形態の摺動式等速自在継手と同じ10°である。ボール径の1サイズの寸法差(寸法間隔)は、1/32インチであるので、本実施形態の摺動式等速自在継手1の(1)ボール径(DBALL)/スプラインPCD(DSPCD)、(2)トラック溝の接触角α、(3)トラック溝の接触率ψ、(4)トラックPCD(DTPCD)/スプラインPCD(DSPCD)、(5)ケージオフセット量F/スプラインPCD(DSPCD)から構成される内部仕様は、第1の実施形態の摺動式等速自在継手1のものと同じ値となる。なお、ストッパ面5dの傾斜角度Sは16°に設定されている。
以上の実施形態の摺動式等速自在継手では、最大作動角を32°と35°のもの、常用作動角を10°のものを例示したが、これに限られものではなく、最大作動角は30°~35°程度および常用作動角は8°~12°程度で実用可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 摺動式等速自在継手
2 外側継手部材
3 内側継手部材
4 トルク伝達ボール
5 ケージ
5a ポケット
5d ストッパ面
6 円筒状内周面
7 トラック溝
8 球状外周面
9 トラック溝
11 球状外周面
12 球状内周面
13 連結孔
14 スプライン
20 ドライブシャフト
21 固定式等速自在継手
BALL ボール径
OUTER 外輪外径
DTPCD トラック溝ピッチ円径
DSPCD スプライン大径
F オフセット量
O 継手中心
O1 曲率中心
O2 曲率中心
S 傾斜角度
α ボール接触角
θmax 最大作動角
ψ ボール接触率

Claims (5)

  1. 円筒状内周面に6本の直線状トラック溝が軸方向に沿って形成された外側継手部材と、球状外周面に前記外側継手部材の直線状トラック溝に対向する6本の直線状トラック溝が軸方向に沿って形成されると共に中心部にシャフトを連結する連結孔が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材の直線状トラック溝と前記内側継手部材の直線状トラック溝間に組込まれた6個のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持し、前記外側継手部材の円筒状内周面と前記内側継手部材の球状外周面に接触案内される球状外周面と球状内周面を有するケージとからなり、前記ケージの球状外周面の曲率中心と球状内周面の曲率中心が、継手中心に対して軸方向の反対側にオフセットした摺動式等速自在継手において、
    前記摺動式等速自在継手が8°~12°の常用作動角で使用され、
    前記トルク伝達ボールの直径(DBALL)と前記内側継手部材の連結孔のスプラインピッチ円直径(DSPCD)との比DBALL/DSPCDを0.80~0.86とし、
    前記トルク伝達ボールと前記直線状トラック溝との接触角(α)を32°~35°とし、
    前記トルク伝達ボールと前記直線状トラック溝との接触率(ψ)を1.05~1.08としたことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 前記直線状トラック溝のピッチ円直径(DTPCD)と前記スプラインピッチ円直径(DSPCD)との比DTPCD/DSPCDを2.25~2.40としたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. 前記ケージの球状外周面の曲率中心と球状内周面の曲率中心のオフセット量(F)と前記スプラインピッチ円直径(DSPCD)との比F/DSPCDを0.18~0.19としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摺動式等速自在継手。
  4. 前記摺動式等速自在継手の最大作動角が30°~35°であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載された前記摺動式等速自在継手をインボード側に装着し、8個のトルク伝達ボールを有する固定式等速自在継手をアウトボード側に装着したドライブシャフト。
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