JP2023030480A - シート剛度検出装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置 - Google Patents

シート剛度検出装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置 Download PDF

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Hiromasa Seki
昌宏 野々山
Masahiro Nonoyama
拓 木村
Hiroshi Kimura
豊 山本
Yutaka Yamamoto
宏明 ▲高▼津
Hiroaki Takatsu
斉 浅野
Hitoshi Asano
康男 小柳
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Abstract

【課題】シートの剛度をより高精度で検出可能なシート剛度検出装置を提供すること。【解決手段】1枚目の用紙を給送し(S1)、その後、その用紙を搬送路上で一旦停止させる(S4)。この一旦停止により用紙が搬送ローラー対により片持ち支持されたようになり、用紙の、自由端側の用紙部分に押し曲げ部材を押し付けて撓みを生成する(S5)。用紙が撓む間に復元しようとするその用紙からの押圧力を受け付けるロードセルの検出値を一定周期でサンプリングし(S6)、用紙の単位撓み量当たりの押圧力の割合Gを算出する(S7)。この割合Gの大きさに応じた画像形成条件を決定し(S9)、決定された画像形成条件で用紙に対する画像形成を実行する(S11)。【選択図】図12

Description

本開示は、画像形成装置などに供されるシートの剛度を検出する技術の改良に関する。
プリンターなどの画像形成装置には、用紙などのシートの剛度を検出し、検出した剛度を、シートを搬送するローラーのトルク制御や回転制御などの種々の制御に利用するものがある。ここで、シートの剛度とは、例えばシートを撓ませるためにシートに曲げ方向の力を与えたときの抵抗性を表わすものであり、いわゆるシートの腰の強さに相当する。
画像形成装置におけるシートの剛度の検出について、例えば、特許文献1には、搬送中の用紙の先端が停止状態のレジストローラー対に当たって停止することによりその用紙が撓んでループが形成される位置に荷重センサーを配置し、用紙のループの頂部が荷重センサーのセンサー軸を押し込む力のピーク値を検出して、その用紙の剛度を検出する構成が開示されている。
特許文献2には、シートの表面をレバーで押してシートを撓ませたときの撓み量の大きさ(ピーク値)からシートの曲げ強さを検出する構成が開示されている。
特開2007-144666号公報 特開2003-312890号公報
特許文献1、2の構成では、剛度が同じ用紙であっても1枚の用紙ごとに剛度の検出値にばらつきが生じることがある。具体的に、特許文献1では、用紙の搬送ばらつきにより1枚目と2枚目の用紙にそれぞれ形成されるループの大きさが変わると、用紙のループの頂部が荷重センサーのセンサー軸を押し込む力のピーク値も変わり、1枚目と2枚目の用紙に対する剛度の検出値がばらついてしまう。
特許文献2の構成では、レバーがソレノイドに連結されており、レバーの移動できる距離がソレノイドのプランジャーの移動範囲内に制限されている。そのため、真っすぐなシートと、レバーで押されるシート表面部分がレバーから離れる方向に少し曲がってカールしているシートがある場合、真っすぐなシートについてはレバーの移動に制限が掛からなかったとしても、カールしているシートについてはレバーの移動に制限が掛かってそれ以上、レバーが動けない状態になれば、レバーで押されたときの撓み量がカールの分だけ真っすぐなシートよりも少なくなる。このため、剛度が同じ用紙であっても剛度の検出値にばらつきが生じる。
上記では、画像形成装置に供されるシートの剛度を検出する構成例について説明したが、これに限られない。例えば、原稿を搬送して原稿画像を読み取る画像読取装置において、搬送される原稿(シート)の剛度を検出して搬送制御などを行う構成や、シートに後処理(2つ折りなど)を施す後処理装置において、シートの剛度の検出結果により後処理の制御を変更するような構成にも、上記と同様の問題が生じ得る。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、シートの剛度をより高精度で検出可能なシート剛度検出装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本開示に係るシート剛度検出装置は、シートに撓みを生じさせる撓み生成手段と、撓んだシートの復元力の大きさの指標値を検出する検出手段と、シートの撓み量が変化する際における前記検出手段により検出された指標値の変動に基づいて、前記シートの剛性の度合いを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記判定手段は、前記シートが一定量撓んだときの、前記検出手段で検出された指標値の変化の割合を、前記指標値の変動とするとしても良い。
ここで、前記判定手段は、前記シートの撓み量の大きさを検出する撓み量検出手段を有し、前記撓み量検出手段により、前記シートが前記一定量撓んだことを検出するとしても良い。
ここで、前記撓み生成手段は、シートを片持ち支持する支持手段と、片持ち支持されたシートの自由端側をカールする方向に押し曲げる押し曲げ部材と、を備え、前記撓み量検出手段は、前記シートを押し曲げるときの前記押し曲げ部材の移動距離を求め、求めた移動距離から前記シートの撓み量の大きさを検出するとしても良い。
さらに、前記判定手段は、前記割合の大きさを前記シートの剛度の検出結果とするとしても良い。
また、前記撓み生成手段は、シートを片持ち支持する支持手段と、片持ち支持されたシートの自由端側をカールする方向に押し曲げる押し曲げ部材と、を備えるとしても良い。
ここで、前記押し曲げ部材は、前記シートの一方の面に当接する当接部材と、前記当接部材を前記シートに押し付ける方向に押し出す押し出し部材とを含み、前記検出手段は、前記当接部材と前記押し出し部材の間に介在され、撓んだシートから前記当接部材を介して伝わる前記シートの復元力と前記押し出し部材からの押圧力とのベクトル和から、前記撓んだシートの復元力の大きさの指標値を検出するとしても良い。
ここで、前記検出手段は、ロードセルであるとしても良い。
また、前記撓み生成手段は、前記シートの曲げ難さを指標するシート情報を取得し、取得したシート情報に基づき、前記押し曲げ部材が前記シートを押し曲げるときの前記押し曲げ部材の移動距離と移動速度の少なくとも一つを変更するとしても良い。
ここで、前記シート情報は、前記シートの種類または坪量を示す情報であるとしても良い。
さらに、検出されるべき前記シートの剛度の正常範囲を取得する取得手段と、前記シートの剛度が前記正常範囲内に入っていない場合に、その旨を示す警告を通知する通知手段と、を含むとしても良い。
また、前記シートは、前記シートの撓み量が大きくなるにつれて前記シートの復元力が大きくなる特性を有するとしても良い。
本開示に係る画像形成装置は、上記のシート剛度検出装置を備え、前記シート剛度検出装置により検出されたシートの剛度に応じた画像形成条件を決定して、前記シートに画像を形成することを特徴とする。
ここで、像担持体上の画像を、転写バイアスが供給された転写部材によりシート上に転写する転写部を備え、前記画像形成条件は、前記転写バイアスであるとしても良い。
ここで、像担持体上の画像を、前記像担持体と接触して転写ニップを形成する転写部材によりシート上に転写する転写部を備え、前記画像形成条件は、前記転写ニップのニップ圧であるとしても良い。
ここで、シート上に転写された画像を加熱部材により熱定着する定着部を備え、前記画像形成条件は、前記加熱部材の温度であるとしても良い。
ここで、画像が転写されたシートを、加熱部材に加圧部材を圧接して形成される定着ニップを通過させて、前記シート上の画像を定着する定着部を備え、前記画像形成条件は、前記定着ニップのニップ圧であるとしても良い。
ここで、前記シートを搬送する搬送手段を備え、前記画像形成条件は、前記搬送手段が前記シートを搬送するときの搬送トルクと搬送速度の少なくなくとも一つであるとしても良い。
ここで、像担持体上の画像を、搬送されているシート上に転写位置で転写する転写部を備え、前記シート剛度検出装置の前記撓み生成手段は、前記転写位置に到達する前に停止状態にされたシートに対して前記撓みを生成させるとしても良い。
ここで、前記シート剛度検出装置で検出されたシートの剛度の大きさが正常範囲内に入っていない場合に、検出されたシートの剛度に代えて、シートの曲げ難さを指標するシート情報に基づき前記画像形成条件を決定するとしても良い。
本開示に係る画像読取装置は、搬送される原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、上記のシート剛度検出装置と、前記シート剛度検出装置により検出されたシートの剛度に応じた搬送条件を決定して、前記原稿を搬送する搬送手段と、を備えることを特徴とする。
本開示に係る後処理装置は、画像形成後のシートに後処理を施す後処理装置であって、上記のシート剛度検出装置と、前記シート剛度検出装置により検出されたシートの剛度に応じた後処理条件を決定して、前記シートに後処理を施す後処理手段と、を備えることを特徴とする。
シートは、通常、その撓み量が大きくなるにつれて撓む前の姿勢に戻ろうとする復元力が大きくなる特性を有し、この特性を有しているシートは、レジストローラー対によるシートのループの大きさの変動やシートのカールの有無に関わらず、シートが撓む間における復元力の変化率が略一定になる。
この特性を利用して、1枚のシートごとに、撓んだシートの復元力の大きさの指標値を検出し、シートの撓み量が変化する際におけるその指標値の変動を求めれば、剛度が同じシートについては、同じ変動を示すことになる。
従って、レジストローラー対によるシートのループの大きさの変動やシートのカールの有無の影響を受けることがなくなり、この影響を受ける従来の構成よりもシートの剛度検出の精度を向上できる。
実施の形態に係るカラー複合機の全体構成を説明するための概略図である。 用紙撓み生成部の構成を示す概略図である。 用紙撓み生成部の具体的な構成を示す正面図である。 用紙撓み生成部の具体的な構成を示す斜視図である。 (a)と(b)は、用紙撓み生成部が用紙に撓みを生成する様子を説明するための模式図である。 普通紙の撓み特性を実測した結果のグラフを示す図である。 (a)~(d)は、用紙の剛度の検出精度が低下し易いという課題の発生を説明するための図である。 (a)と(b)は、実施例における用紙の剛度検出の方法を説明するための図である。 (a)と(b)は、ブレード移動距離-押圧力対応テーブルの内容例を示す図であり、(c)は、ブレード移動距離と押圧力の対応関係のグラフを示す図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 制御部のCPUの構成を示すブロック部である。 制御部がジョブ開始時に実行する処理の内容を示すフローチャートである。 剛度検出パラメーターテーブルの内容例を示す図である。 画像形成条件テーブルの内容例を示す図である。 後処理装置の構成例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態に係るシート剛度検出装置を備えた画像形成装置を、タンデム方式のカラー複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)に適用した例について、図面を参照しながら説明する。
(1)カラー複合機の全体構成
図1は、カラー複合機(以下、「MFP」という。)1の全体構成を説明するための概略図である。同図に示すように、MFP1は、大きく分けて、イメージリーダー部2とプリンター部3とからなり、画像読み取りジョブ、コピージョブ、プリントジョブなどの各種ジョブを実行可能である。
<イメージリーダー部>
イメージリーダー部2(画像読取装置)は、原稿画像を光学的に読み取って画像信号に変換するスキャナー部10、および、このスキャナー部10の上方に設けられた原稿搬送部(ADFユニット)11を備え、原稿画像を読み取る画像読み取りジョブを実行する。
原稿搬送部11は、原稿給紙トレイ11aにセットされた原稿束から原稿(シート)を1枚ずつ繰り出して、搬送ローラー対11dによりプラテンガラス10a上の読み取り位置R1に向けて搬送し、読み取り位置R1でスキャナー部10により原稿画像が読み取られた後、原稿排出トレイ11c上に排出するものである。
スキャナー部10では、LEDアレイなどからなる線状光源10bから光を発し、読み取り位置R1を通過する原稿からの反射光を、集光レンズ群10cを介してラインセンサー10d上に集光させる。
ラインセンサー10dは、複数のCCD(Charge Coupled Device)を、主走査方向と平行な方向に直線状に配列してなり、入射された原稿からの反射光を電気信号に変換してプリンター部3の制御部50に出力する。
<プリンター部>
プリンター部3(画像形成装置)は、画像形成部20、給紙部30、定着部40、制御部50、再給紙部60などからなり、イメージリーダー部2で読み取った原稿画像の画像データに基づきシート上に画像を形成するコピージョブ、ネットワークを介して他の外部端末から送信されてきた画像データに基づきシート上に画像を形成するプリントジョブを実行する。
画像形成部20は、不図示の駆動源により矢印方向に周回駆動される中間転写ベルト26と、中間転写ベルト26の鉛直方向の走行面に沿って列設された作像ユニット20Y、20M、20C、20Kとを備えている。
作像ユニット20Y、20M、20C、20Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を作像する。これらの作像ユニット20Y~20Kは、使用されるトナーの色を除き、何れも同様の構成になっているので、代表して作像ユニット20Yの構成についてのみ説明する。
作像ユニット20Yは、感光体ドラム21Yを中心にして、その周囲に帯電器22Y、露光器23Y、現像器24Yなどを配設してなる。
感光体ドラム21Yは、帯電器22Yによってその外周面が所定の電位に一様に帯電される。
露光器23Yは、イメージリーダー部2で取得された画像データ(もしくは、受付けたプリントジョブに含まれる画像データ)に基づき、レーザー光源を変調駆動して、帯電された感光体ドラム21Yの表面を露光走査する。これにより感光体ドラム21Yの外周面に静電潜像が形成される。
当該静電潜像は、現像器24YによってY色のトナーで現像され、現像されたトナー像は、一次転写ローラー25Yに印加された電圧によって、中間転写ベルト26上に一次転写される。
他の作像ユニット20M、20C、20Kにおける感光体ドラム上に、所定時間ずらして形成されたM色、C色、K色のトナー画像を、中間転写ベルト26上の同じ位置に重ねて一次転写することにより、カラーのトナー画像が形成される。
中間転写ベルト26上に一次転写されたトナー画像は、中間転写ベルト26の周回動作によって、二次転写ローラー27(転写部材)と対向する二次転写位置へと搬送される。二次転写位置では、中間転写ベルト26に二次転写ローラー27が接することにより中間転写ベルト26と二次転写ローラー27間に転写ニップ2aが形成されている。
一方、給紙部30は、給紙カセット31~33を有し、指定された給紙カセットからシート、ここでは用紙Sを搬送路39に繰り出し、搬送ローラー対34、35を介してレジストローラー対36に搬送する。搬送ローラー対34、35は、搬送モーター38により回転駆動される。
レジストローラー対36に搬送された用紙Sは、レジストローラー対36でタイミングを取って転写ニップ2aに搬送される。転写ニップ2aを用紙Sが通過する際、転写電源部2bから二次転写ローラー27に供給された転写電流によって、中間転写ベルト26上のトナー像がその用紙Sの表面(片面)上に二次転写される。
トナー像が転写された用紙Sは、定着部40に搬送される。定着部40は、定着ヒーター44により加熱される加熱ローラー41(加熱部材)に、これに圧接される加圧ローラー42(加圧部材)を備え、定着部40に搬送されて来た用紙Sが加熱ローラー41と加圧ローラー42間に形成された定着ニップ43を通過する際に、用紙S上のトナー像を熱定着する。熱定着後の用紙Sは、定着部40から排出ローラー28を介して排出トレイ29上に排出される。
上記では、用紙Sの表面(片面)に画像を形成する片面モードによる画像形成動作を説明したが、用紙Sの両面に画像を形成する両面モードでは、次の画像形成動作が実行される。すなわち、表面(片面)に画像が形成された用紙Sは、定着部40を通過後、排出ローラー28ではなく、再給紙部60の反転路61を介して退避路62に導かれて一旦停止する。退避路62で一旦停止した用紙Sは、それまでの搬送方向とは反対方向に搬送されて、再給紙路63に導かれる。退避路62から再給紙路63に用紙Sが導かれるときにその用紙Sがスイッチバックして用紙Sの表裏が反転する。
再給紙路63のシート搬送方向下流端は、搬送路39の途中位置、ここでは搬送ローラー対34と35の間の位置で搬送路39に合流しており、再給紙路63から搬送路39に戻った用紙Sは、片面モードの時と同様に搬送ローラー対35、レジストローラー対36を介して転写ニップ2aに向けて搬送される。
用紙Sのスイッチバックが行われている間に、画像形成部20では、その用紙Sの裏面に形成すべきカラートナー像の中間転写ベルト26上への作像動作が並行して実行される。スイッチバック後の用紙Sが転写ニップ2aを通過する際に、その用紙Sの裏面に中間転写ベルト26上のトナー像が二次転写される。裏面にトナー像が転写された用紙Sは、定着部40を通過後、排出ローラー28を介して排出トレイ29上に排出される。これにより、用紙Sの両面(表面と裏面)に画像を形成する両面モードが終了する。
給紙カセット31~33と搬送ローラー対34との間の搬送路39近傍の所定位置には、メディアセンサー68が配置されている。メディアセンサー68は、搬送路39を搬送される用紙Sの種類、例えば普通紙、厚紙、薄紙などを自動検出する公知の光学センサーや超音波センサーであり、検出した用紙Sの種類を示す用紙情報を制御部50に送る。この用紙情報は、後述の用紙Sの剛度検出の際に利用される。
また、装置本体の上部であり、ユーザーが操作し易い装置正面側の位置に、操作部69が配置されている。操作部69は、ユーザーからのコピージョブなどの各種ジョブの実行指示や使用すべき用紙Sが収容されている給紙カセット31~33の指定などを受け付けるためのキーやボタンが設けられてなる。また、操作部69には、タッチパネル(不図示)が設けられており、ユーザーは、そのタッチパネルに、給紙カセット31~33に収容されている用紙Sの種類の設定入力を受け付ける設定入力画面(不図示)を表示させて、その設定入力画面から用紙の種類を手動で設定入力することができる。設定入力された用紙の種類を示す用紙情報は、メディアセンサー68で検出された用紙情報と同様に、用紙Sの剛度検出の際に利用される。
さらに、搬送ローラー対35とレジストローラー対36との間の搬送路39近傍の所定位置(二次転写位置(転写ニップ2aの形成位置)よりも用紙搬送方向上流側の位置)には、搬送路39上の用紙Sを撓ませてその用紙Sの剛度を検出するための用紙撓み生成部70が配置されている。
(2)用紙撓み生成部の構成
図2は、用紙撓み生成部70の構成を示す概略図であり、図3は、用紙撓み生成部70の具体的な構成を示す正面図であり、図4は、その斜視図である。ここで、図2~図4では、用紙搬送方向に沿った方向をX軸方向、用紙Sの主面(表面または裏面)に直交する方向をY軸方向、X軸とY軸の双方に直交する方向をZ軸方向で示している。説明を分かり易くするために、Y軸方向を上下方向という場合がある。
まず、図2を用いて用紙撓み生成部70の概略構成を説明し、次に図3と図4を用いて用紙撓み生成部70の具体的な構成を説明する。
<概略説明>
図2に示すように用紙撓み生成部70は、押し曲げ部材71と、押し曲げモーター72と、力変換部73と、ホーム位置検出センサー74を備え、搬送路39よりも下の位置であり、搬送ローラー対35よりも用紙搬送方向下流側かつ搬送ローラー対35の近傍の位置に配置されている。
押し曲げ部材71は、基台711とロードセル712とブレード713がこの順に下から上に配置され、基台711とブレード713の間にロードセル712が介在した状態で一体になるように組み付けられてなる。
押し曲げモーター72は、ここではステッピングモーターが用いられる。
力変換部73は、押し曲げモーター72の回転駆動力を上下方向の力に変換して、その上下方向の力を押し曲げ部材71に伝達して、押し曲げ部材71を上下動させるものであり、ここではカム(図4)が用いられるが、これに限られない。例えば、モーターの回転力を直線方向の力に変換するラック・アンド・ピニオン構成や、モーターの軸が直線方向に移動する直動モーターなどを用いることもできる。
ホーム位置検出センサー74は、上下動する押し曲げ部材71がホーム位置に位置しているか否かを検出するものであり、ここではカム73の周面739(図4)との接触の有無を検出するいわゆる接触センサーが用いられる。
図2において押し曲げ部材71のブレード713の上端730が搬送路39よりも一定距離、例えば1.5mm下に位置するときの押し曲げ部材71の最下位置がホーム位置になる。ホーム位置ではブレード713の上端730が搬送路39から退避しているので、搬送ローラー対35による用紙Sの搬送を邪魔することがない。
後述のように用紙の剛度検出の際に用紙Sに撓みを生成するときには、搬送ローラー対35により搬送される用紙Sの先端部分Sbがブレード713の直上の位置に来たときに搬送ローラー対35が停止される。これにより、用紙Sが搬送ローラー対35により片持ち支持された状態で停止する(搬送の中断)。
用紙Sの停止後、押し曲げモーター72の駆動が開始され、押し曲げ部材71がホーム位置から上昇する。これにより、片持ち支持された用紙Sの自由端側である先端部分Sbが下から上に押し上げられて用紙Sの先端部分Sbがカールする方向、ここでは上方に撓む。
撓んだ用紙Sの先端部分Sbの復元力がブレード713を介してロードセル712を押圧する押圧力としてロードセル712に伝わり、この押圧力の大きさをロードセル712が検出する。ロードセル712の検出結果から制御部50においてその用紙Sの剛度が検出される。
<具体的な説明>
図3の正面図と図4の斜視図に示すように押し曲げ部材71のブレード713は、Z軸方向(用紙幅方向)に長尺であり、その上端730が用紙Sの下面に当接した状態でその用紙Sを下から上に押し上げる当接部材に相当する。
ブレード713は、X軸とZ軸の双方に平行な平行平板731とY軸とZ軸の双方に平行な平行平板732とが、平行平板731の上面のX軸方向中央の位置に平行平板732が直角になるような横断面T字形状に、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などの樹脂により一体成型されてなる。
平行平板731は、平行平板732よりも肉厚であり、平行平板731の用紙幅方向長さLbは、最大用紙幅Lsよりも長くなっており、平行平板732の用紙幅方向長さは、平行平板731の長さLbよりも長くなっている。
平行平板732は、その用紙幅方向両端部735、736が装置本体の板状のフレーム701、702に設けられた上下方向の長孔703、704に挿通されており、ブレード713は、長孔703、704に沿って上下方向に移動自在に支持される構成になっている。
ロードセル712は、公知の荷重センサーであり、ここでは用紙幅方向に少し長い形状をしており、一端側の第1取付部721と、他端側の第2取付部722と、第1取付部721と第2取付部722の間の歪ゲージ部723からなる。
第1取付部721の上面がブレード713の平行平板731の下面737にネジや接着などで固着されている。第2取付部722と歪ゲージ部723とは、平行平板731の下面737から離隔しており、第2取付部722の下面が基台711の上面にネジや接着などで固着されている。ロードセル712による押圧力の検出方法については、後述する。
基台711は、X軸とZ軸の双方に平行な平行平板であり、ABSなどの樹脂からなり、基台711の下面にカム73の周面739が当接している。この当接は、押し曲げ部材71の自重によってなされるが、例えば不図示のバネなどの付勢手段により押し曲げ部材71がカム73の周面739に対して付勢される構成であっても良い。
カム73は、楕円状であり、その長軸と短軸の交点の位置に、押し曲げモーター72の回転軸729の先端部が固着されている。押し曲げモーター72が回転することで、回転軸729を介してカム73が回転する。カム73の回転に伴って、カム73の長軸と短軸の長さの差の大きさに応じた距離だけ押し曲げ部材71が上下方向に往復移動する。
カム73による上下方向の力が押し曲げ部材71の基台711からロードセル712を介してブレード713に伝わって、ブレード713が用紙Sの自由端側の用紙部分(シート部分)を上に押し曲げる。この意味で、基台711は、ロードセル712を介してブレード713(当接部材)を用紙Sに押し付ける方向に押し出す押し出し部材といえる。
なお、押し曲げ部材71が上下方向に移動する際、ブレード713が水平姿勢を保った状態で上下に移動するように、ブレード713に対するロードセル712と基台711の用紙幅方向における位置関係が決められている。
図5(a)と図5(b)は、用紙撓み生成部70が用紙Sに撓みを生成する様子を説明するための模式図である。
図5(a)は、押し曲げ部材71がホーム位置に静止している状態において、搬送路39上で用紙Sの先端Sfが搬送ローラー対35のニップ353(搬送ローラー351と352の当接部分)から所定距離Lp、例えば20mmだけ用紙搬送方向下流側の停止位置355に到達した時点でその用紙Sが停止している状態を示している。この状態では、搬送ローラー対35のニップ353で挟持されている用紙Sの後端側に対して用紙Sの先端部分Sbが自由端になり、用紙Sが搬送ローラー対35のニップ353により、いわゆる片持ち支持された格好になる。この意味で、搬送ローラー対35は、停止状態の用紙Sを片持ち支持する支持部を構成する。
所定距離Lpは、用紙Sの先端Sfが押し曲げ部材71よりも5~10mm程度、用紙搬送方向下流側に位置するような距離として、搬送ローラー対35と押し曲げ部材71との位置関係に基づき予め決められている。
用紙Sの停止制御は、搬送路39の近傍であり、搬送ローラー対35よりも用紙搬送方向下流側かつ押し曲げ部材71よりも用紙搬送方向上流側に配置された用紙検出センサー37による用紙Sの先端Sfの検知結果を用いて行われる。
具体的には、搬送ローラー対35により搬送される用紙Sの先端Sfが用紙検出センサー37の検出位置357を通過してから停止位置355に到達するまでに要する所定時間の経過時に搬送ローラー対35の回転が停止される。この所定時間は、搬送路39上における検出位置357から停止位置355までの距離を用紙Sの搬送速度で除した値に相当し、予め実験などにより求められている。搬送ローラー対35の回転停止は、搬送モーター38の回転停止により行われる。同図に示す搬送路39上における用紙Sの停止位置を剛度検出位置という。
用紙Sが剛度検出位置で停止後、図5(b)に示すように押し曲げモーター72の駆動によりカム73が回転して押し曲げ部材71がホーム位置から上昇する。これにより、同図に示すように、自由端側である用紙Sの先端部分Sbがブレード713の上端730により下から上に押し上げられて、その押し上げられた量に応じた分だけ、用紙Sの先端部分Sbが上方に撓む。これにより、用紙Sの姿勢が撓み前の真っすぐな姿勢から徐々に撓みが大きくなる姿勢に変化していく。
このときロードセル712の第1取付部721(図4)には、撓んだ用紙Sの先端部分Sbが元の姿勢に戻ろうとする復元力、つまりブレード713を上から下に押圧する下向きの力(押圧力)がブレード713を介して伝わっており、一方、基台711を介してカム73の周面739に当接している第2取付部722には、カム73の周面739から上向きの押圧力が加えられている。
ロードセル712の第1取付部721と第2取付部722に挟まれる歪ゲージ部723には、第1取付部721からの下向きの押圧力と第2取付部722からの上向きの押圧力の双方が同時に作用して、用紙Sの復元力と、基台711(押し出し部材)からの押圧力とのベクトル和の大きさの分、歪ゲージ部723の内部に歪が生じる。
この歪の大きさは、撓んだ用紙Sの復元力、つまり撓んだ用紙Sからのロードセル712に対する押圧力の大きさにより変動する。歪の大きさ、つまり用紙Sからの押圧力の大きさを示す電気信号がロードセル712から出力される。ここでは、ロードセル71の検出値(出力値)と押圧力とが比例関係を有する関係になっているものとする。
上記のように用紙Sは、通常、その撓み量が大きくなるにつれて元の姿勢に戻ろうとする復元力、つまり撓んだ用紙Sからロードセル712に作用する押圧力が大きくなる特性を有する。この押圧力は、撓んだ用紙Sの復元力の大きさの指標値といえる。
図6は、普通紙の撓み特性を実測した結果のグラフ90を示す図であり、横軸がブレード移動距離Bを示し、縦軸が押圧力Pを示している。ここで、ブレード移動距離Bとは、押し曲げ部材71がホーム位置に存するときを0mmとして、押し曲げ部材71がホーム位置から上に動いたときの押し曲げ部材71の移動距離をいう。押圧力Pは、普通紙を撓ませたときにロードセル712により実測された歪の大きさから得られる押圧力の値をいう。
同図に示すようにグラフ90は、ブレード移動距離Bが0~1.5mmまでに間で押圧力Pが略0になっている部分91と、ブレード移動距離Bが1.5~5mmまでの間で押圧力Pがブレード移動距離Bに比例して大きくなる直線の傾斜部92を含む。
ここで、ブレード移動距離Bが0~5mmまでに間が押し曲げモーター72がオン(回転)している区間であり、ブレード移動距離Bが5mmに達すると、押し曲げモーター72がオフ(停止)している。
ブレード移動距離Bが0~1.5mmまでの間では、ブレード713の上端730が用紙S(ここでは普通紙)の下面に当接していないので、用紙Sの先端部分Sbに撓みが生ぜず、押圧力Pが略0になる。
ブレード移動距離Bが1.5mmを超えると、ブレード713の上端730が用紙Sの先端部分Sbの下面に当接した状態で、用紙Sの先端部分Sbを押し上げるので、用紙Sの先端部分Sbに撓みが生じて、その撓み量の大きさに応じた押圧力Pが検出される。ブレード移動距離Bが1.5~5mmの範囲では、ブレード移動距離Bが大きくなると、その大きくなった分だけ、用紙Sの撓み量も大きくなる。
従って、用紙Sの撓みの開始から終了までの間に亘って、ロードセル712の検出値を一定周期、例えば数ミリ秒ごとにサンプリングすることにより、用紙Sが撓む間(撓みの開始から終了までの間)においてその撓み量が大きくなるのに伴って用紙Sからの押圧力Pの大きさが比例して大きくなっていくことを知ることができる。
ブレード移動距離Bが5mmに達して押し曲げモーター72が停止されると、ブレード移動距離Bが5mmよりも大きくなることはなく、押圧力Pが一定の大きさ、同図の例では約830gfに維持される(破線93の部分)。なお、上記では、普通紙についてその撓み量と押圧力の関係をグラフ90で示したが、普通紙以外の用紙種類、例えば薄紙や厚紙、コート紙などの特殊紙についても、それぞれが傾斜部92の相互に傾きが異なるが普通紙と同様の比例関係を有していることが確認されている。また、同じ種類の2枚の用紙Sについて、含水量の違いにより腰の強さがそれぞれ異なっているような場合に、その腰の強さの差分に応じた分、傾斜部92の傾きが異なることも確認されている。
このように普通紙などの用紙を含むシートは、通常、その撓み量が大きくなるにつれて元の姿勢に戻ろうとする(その腰の強さによる)復元力が大きくなる特性、同図ではグラフ90の傾斜部92がブレード移動距離B(用紙の撓み量)と押圧力Pとが比例関係になる特性を示している。
用紙Sの復元力が大きくなると押圧力Pも大きくなる関係を有し、用紙Sの復元力は、用紙Sの腰の強さ(曲げ剛性)が弱いよりも強い方が大きくなり、腰の強さは、用紙Sの剛度、つまり用紙Sを撓ませるために用紙Sに曲げ方向の力を与えたときの抵抗性(曲がり難さ)を表わす指標であることから、復元力も押圧力Pも用紙Sの剛度を指標するものといえる。
しかし、用紙Sを撓ませたときの押圧力Pのピーク値、同図の例では830gfを検出して、その検出結果から用紙の剛度を検出する方法をとると、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明したようにその検出精度が低下し易いという問題がある。
図7(a)~図7(d)は、用紙の剛度の検出精度が低下し易いという課題の発生を説明するための図である。より具体的に、図7(a)は、真っすぐな用紙Sに撓みが生成される場合の例を示しており、図7(b)は、図7(a)に示す用紙Sと腰の強さが同じであるが、先端部分Sbが少し上方にカールしている(曲がっている)用紙Sに撓みが生成される場合の例を示している。図7(a)、(b)において、撓み開始前の用紙Sの先端部分Sbを実線で示し、撓み生成が終了した用紙Sの先端部分Sbを破線で示している。
図7(c)は、図7(a)に示す真っすぐな用紙Sに撓みが生成される場合のブレード移動距離Bと押圧力Pの関係を示すグラフ100である。図7(d)は、図7(b)に示すカールした用紙Sに撓みが生成される場合のブレード移動距離Bと押圧力Pの関係を示すグラフ110である。
ここで、図7(c)と図7(d)に示すように用紙Sが真っすぐな場合もカールしている場合も、ブレード移動距離B、つまり押し曲げ部材71がホーム位置(0mm)から移動する距離が同じBzになっている。
図7(a)に示すように真っすぐな用紙Sに対し、押し曲げ部材71がホーム位置から距離Bzだけ上昇したときの用紙Sの撓み量FがF1になる。一方、図7(b)に示すようにカールしている用紙Sに対し、押し曲げ部材71がホーム位置から距離Bzだけ上昇したときの用紙Sの撓み量FがF2(<F1)になる。用紙Sのカールによる浮き量(カール量)F3の分、用紙Sの撓み量Fが減るからである。
図7(c)に示すグラフ100を見ると、真っすぐな用紙Sが撓む場合、ブレード移動距離BがBaになったときに用紙Sが撓み始め、用紙Sが撓み始めてから撓み量がF1に至るまでの間、直線の傾斜部102で示すようにブレード移動距離Bが大きくなるにつれて押圧力Pが比例して大きくなっていることが分かる。ここで、直線の傾斜部102は、上記の傾斜部92と同様に、用紙Sの撓み量Fに対する押圧力Pの割合(比率)を示す。撓み量がF1に至った時点、つまりブレード移動距離BがBzに至ると、押し曲げ部材71の上方への動きが停止して、用紙Sの撓みが最大になる。このときの押圧力PがPaになっている。
これに対し、図7(d)に示すグラフ110を見ると、カールしている用紙Sが撓む場合、ブレード移動距離BがBaよりも大きいBcになったときに用紙Sが撓み始める。これは、上記の用紙Sのカール量F3の分、用紙Sの撓み始めが遅れるからである。用紙Sが撓み始めてから撓み量がF2に至るまでの間、直線の傾斜部112で示すようにブレード移動距離Bが大きくなるにつれて押圧力Pが比例して大きくなっている。この直線の傾斜部112も、用紙Sの撓み量Fに対する押圧力Pの割合を示す。そして、傾斜部102の傾きと傾斜部112の傾きが同じである。
用紙Sがカールしていてもカールしていなくても、同じ腰の強さを持つ用紙Sであれば、撓む間においてその撓み量Fが大きくなるにつれて押圧力Pが比例して大きくなる特性を有しているからであり、このことは実験などにより実証されている。なお、この撓み量Fと押圧力Pの関係は、撓んだ用紙Sが撓む前の元の姿勢に戻ることができる範囲内(弾性の範囲内)で満たされ、例えば用紙Sが完全に折れており、折れる前の姿勢に戻ることができない範囲(いわゆる塑性の範囲)が除かれることはいうまでもない。
撓み量がF2に至った時点で押し曲げ部材71の上方への動きが停止する。このときの押圧力PがPb(<Pa)になっている。カールしている用紙Sは、その撓み量F2が真っすぐな場合の撓み量F1よりも少ない分、押圧力Pbが真っすぐな用紙Sの場合の押圧力Paよりも小さくなるからである。押圧力PaもPbも、押し曲げ部材71をホーム位置から同じ距離Bzだけ上方に動かしたときにロードセル712で検出された押圧力のピーク値になる。
このように腰の強さが同じであっても、カールしていない真っすぐな用紙Sと少しカールしている用紙Sとでは、ロードセル712で検出された押圧力Pのピーク値Pa、Pbが異なることになる。上記では、先端側が上向きにカールしている用紙の例について説明したが、例えば先端側が下向きにカールしている用紙についても、カールしていない用紙Sに対して押圧力Pのピーク値が異なることは上記同様である。従って、押圧力Pのピーク値から用紙Sの剛度を検出する方法では、剛度の検出精度が低下してしまう。
これに対し、本実施例では、上記したように同じ腰の強さを有する用紙Sでは、その撓み量Fと押圧力P(復元力の指標値に相当)とが比例関係を有するという特性、つまり傾斜部102と傾斜部112の傾きが同じになるという特性に着目し、この傾きを算出して、その算出結果を用紙Sの剛度の大きさとして検出する構成としている。具体的に、図8(a)、(b)を用いて説明する。
図8(a)に示すグラフ100は、図7(c)に示すグラフ100と同じものであり、直線の傾斜部102を見ると、ブレード移動距離BがBeのときに押圧力PがPcになり、ブレード移動距離BがBf(>Be)のときに押圧力PがPd(>Pc)になることが分かる。ここで、ブレード移動距離BeとBfの差は一定値Wである。従って、傾斜部102の傾きは、(Pd-Pc)/Wの式から算出することができる。
一方、図8(b)に示すグラフ110は、図7(d)に示すグラフ110と同じものであり、直線の傾斜部112を見ると、ブレード移動距離BがBiのときに押圧力PがPeになり、ブレード移動距離BがBj(>Bi)のときに押圧力PがPf(>Pe)になることが分かる。ブレード移動距離BiとBjの差は上記の一定値Wと同じ大きさである。従って、傾斜部112の傾きは、(Pf-Pe)/Wの式から算出することができる。この算出は、例えば次のようにして行うことができる。
すなわち、押し曲げ部材71をホーム位置から上方に一定距離Bzだけ動かして用紙Sに撓みを生成する用紙撓み生成動作の開始時から終了時までの間に亘って、ブレード移動距離Bがどの大きさになったときにロードセル712の検出値から得られる押圧力Pがどれだけ大きくなるかを把握する。この把握には、図9(a)に示すブレード移動距離-押圧力対応テーブル560(以下、「テーブル560」と略する。)が用いられる。
図9(a)に示すテーブル560は、モーターパルス数とブレード移動距離Bと押圧力Pとを対応付けたテーブルである。モーターパルス数は、ステッピングモーターである押し曲げモーター72のドライバー(不図示)に対する回転指示を示すパルス信号の駆動開始からのパルス数の累積値を示している。
モーターパルス数とブレード移動距離Bとは、モーターパルス数がMaのときにホーム位置から0.1mmにあり、モーターパルス数がMb(>Ma)のときにホーム位置から0.2mmになり、モーターパルス数がMc(>Mb)のときにホーム位置から0.3mmになるというように実験などから予めテーブル560に書き込まれている。
一方、押圧力Pについては、モーターパルス数が0のとき以外の各欄56a、56b、56c・・・が空欄になっている。用紙撓み生成動作の開始後、モーターパルス数がMaになったとき、つまりブレード移動距離Bが0.1mmになったときにロードセル712で検出された押圧力P1が、対応する欄56aに書き込まれ、その後、モーターパルス数がMbになったとき、つまりブレード移動距離Bが0.2mmになったときにロードセル712で検出された押圧力P2が、対応する欄56bに書き込まれる。ブレード移動距離Bが0.1mmずつ増えるごとに、その時点でロードセル712により検出された押圧力P3、P4・・・が対応する欄56c、56d・・・に順に書き込まれていく。図8(b)は、用紙撓み生成動作時にテーブル560の欄56a、56b、56c・・・に押圧力P1、P2、P3・・・が書き込まれた結果の例を示す図である。
押圧力Pの書き込み後のテーブル560を参照することで、図8(a)、(b)に示すグラフ100、110を生成することができ、生成したグラフ100、110からブレード移動距離Bの全範囲(0~Bz)のうち、押圧力Pと比例の関係にある範囲、つまり直線の傾斜部102、112になる範囲を特定して、その傾斜部の傾きを算出することができる。
具体的に、例えば真っすぐな用紙Sの場合に、テーブル560に書き込まれた押圧力P1、P2が0であり、P3、P4、P5・・・がブレード移動距離Bに対して比例関係を有するような場合、図9(c)に示すプロット121、122、123、124・・・を公知の手法で直線近似することにより、実線のグラフ120を生成して、その傾きを求めることができる。グラフ120上における2つのプロットのブレード移動距離Bの差分が用紙Sの撓み量になる。
また、例えばカールしている用紙Sの場合に、テーブル560に書き込まれた押圧力P1~P3が0であり、P4、P5・・・がブレード移動距離Bに対して比例関係を有するような場合、グラフ120と同様の直線近似により、図9(c)に示す破線のグラフ130を生成して、その傾きを求めることができる。
例えば、用紙Sが一定量Faだけ撓んだときに押圧力PがPxからPy(>Px)まで変動したことが検出された場合、その用紙Sの撓み量Faに対して、押圧力Pの検出値がどれだけ変化したかを示す割合、つまり〔(Py-Px)/Fa〕を求める。この割合が、実質、グラフ120、130の傾きに相当する。
また、これに代えて、次のような方法を用いることもできる。すなわち、図7(c)においてブレード移動距離Baを真っすぐな用紙Sが撓み始める起点のブレード移動距離Bとして予め決めておく。そして、図7(d)のようにブレード移動距離BがBaを超えても押圧力Pの上昇が始まらない場合には、用紙Sの先端部分Sbが上向きにカールしていると判断する。この場合、押圧力Pの上昇が始まったときのブレード移動距離Bcを記憶しておき、以後、ブレード移動距離Bが最大値Bzに達するまでの間、押圧力Pのサンプリングを行う。続いて、ブレード移動距離BがBzを超えて(Bz+F3)まで大きくなったと仮定した場合にその間に上昇すると想定される押圧力Pを、既に得られたサンプリング値の増加傾向から推測して、その推測値を用いて、傾斜部112から延長した直線(破線115)を計算し、ブレード移動距離Bの最大値があたかも(Bz+F3)になったと仮定した場合の傾斜部を求め、求めた傾斜部の傾きを計算する。
用紙のカール量F3が大きいほど、用紙Sの撓み量F2が小さくなり、このことは、ブレード移動距離Bc~Bz間の幅が狭くなることを意味する。上記の図8(a)、(b)に示す傾斜部102、112の傾きを、ブレード移動距離Bが一定の大きさWだけ変化したとき(用紙Sが一定量Wだけ撓んだとき)のその変化量Wに対する押圧力Pの変化量(Py-Px)の比率を計算する方法では、用紙Sのカール量F3が大きすぎて撓み量F2が一定値Wよりも狭くなっている場合、傾斜部の傾きを計算できなくなる。このような場合、傾斜部112を延長することで、用紙のカール量F3に左右されずに、剛度の検出を精度良く行えるようになる。
上記では、ブレード移動距離B、つまり押し曲げ部材71がホーム位置からどれだけ移動したかをモーターパルス数の大きさで管理するとしたが、これに限られない。
例えば、押し曲げ部材71のホーム位置から移動した距離を非接触の測距センサーで測定する構成をとることもできる。また、押し曲げモーター72の回転軸がどれだけ回転すると、押し曲げ部材71がどれだけの距離を移動するかの対応関係を予め求めておき、剛度検出時において押し曲げモーター72の回転数をロータリーエンコーダーで検出し、その検出結果に対応する距離を、押し曲げ部材71のホーム位置からの移動距離として測定する構成とすることもできる。他の方法であっても良い。
(3)制御部の構成
図10は、制御部50の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部50は、通信I/F(インターフェース)部51と、CPU(Central Processing Unit)52と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、記憶部55を備えており、CPU52等はそれぞれが内部バス59により相互に通信可能に接続されている。
通信I/F部51は、ネットワーク、ここではLANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースであり、LANを介して外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブのデータを受信する。
CPU52は、ユーザーによる操作部69の入力情報などに基づき、ROM53から必要なプログラムを読み出して、イメージリーダー部2とプリンター部3を統括的に制御して、画像の読み取り、コピーやプリントなどのジョブを円滑に実行させる。RAM54は、CPU52のワークエリアを提供する。
記憶部55は、不揮発性のものであり、上記のテーブル560や後述の剛度検出パラメーターテーブル561と画像形成条件テーブル562などが格納されている。
図11は、CPU52の構成を示すブロック部である。
同図に示すようにCPU52は、全体制御部521と、用紙撓み生成制御部522と、判定部523と、画像形成条件決定部524などを備える。
全体制御部521は、イメージリーダー部2とプリンター部3を統括制御する。
用紙撓み生成制御部522は、搬送モーター制御部531と押し曲げモーター制御部532を含む。
搬送モーター制御部531は、搬送モーター38を制御して、搬送ローラー対35により搬送されている用紙Sの先端Sfが搬送ローラー対35のニップ353から所定距離Lp(図5(a))だけ用紙搬送方向下流側の停止位置355に到達した時点でその用紙Sを停止させる。この用紙Sの停止制御は、上記のように用紙検出センサー37の検出結果に基づき、搬送モーター38をオフすることにより行われる。
押し曲げモーター制御部532は、用紙Sの撓み生成指示を受け付けると、押し曲げモーター72を制御して、用紙Sの先端部分Sbに撓みを生成させる。具体的には、押し曲げモーター72の駆動開始から、押し曲げ部材71の移動距離に相当するブレード移動距離Bが基準値、ここではBzに至った時点で押し曲げモーター72を停止させる。ブレード移動距離がBzに至ったことの判断は、押し曲げモーター72の駆動開始からのモーターパルス数がブレード移動距離Bzに対応するパルス数Mz(図9(a)のテーブル560参照)に至ったことを判断することで行われる。
押し曲げモーター72の駆動とその後の停止により、押し曲げ部材71がホーム位置(図5(a))から、ブレード移動距離Bzの相当分だけ上方の位置で静止した状態になる(図5(b))。
押し曲げモーター制御部532は、押し曲げモーター72の停止後、押し曲げモーター72を逆転させる。これにより押し曲げ部材71が下降する。押し曲げモーター制御部532は、ホーム位置検出センサー74により押し曲げ部材71がホーム位置に戻ったことが検出されると、押し曲げモーター72を停止して、用紙Sの撓み生成動作を終了する。これにより、用紙Sの撓み生成動作が1回行われる度に、押し曲げ部材71がホーム位置から上昇し、停止後、下降し、再びホーム位置に戻るまでの一連の動きが繰り返される。
判定部523は、押し曲げ部材71が上昇する間、つまり用紙Sの撓み生成動作の実行中にロードセル712の検出値を随時、ここでは上記の一定周期で取得し、取得した検出値(撓んだ用紙Sの復元力の大きさを指標する指標値)の変動に基づいて、撓みが生成されている用紙Sの曲げ剛性の高低(度合い)を判定する。この判定は、上記のグラフ120、130の傾きの算出により行われ、この算出は、傾き算出部525により行われ、算出された傾きの大きさが、用紙Sの剛性の度合いの判定結果を示している。
画像形成条件決定部524は、判定部523の判定結果に基づき、その用紙Sに対する画像形成条件、ここでは転写電流、定着温度、搬送トルクを決定する処理を行う。この処理の内容については、後述する。
(4)制御部がジョブ開始時に実行する処理
図12は、制御部がコピージョブまたはプリントジョブ開始時に実行する処理の内容を示すフローチャートであり、この処理には、用紙の撓み生成、剛度検出、画像形成条件の決定の処理が含まれている。
同図に示すように1枚目の用紙Sを、指定された給紙カセット31~33のいずれかから給紙、搬送する(ステップS1)。そして、用紙情報を取得する(ステップS2)。用紙情報は、上記のように1枚目の用紙Sに対するメディアセンサー68の検出結果から得られるものと、当該ジョブの開始前にユーザーが操作部69で設定入力したものとの二つがある。ここでは、ユーザーが操作部69から用紙情報を設定入力し忘れていた場合には、メディアセンサー68で検出された用紙情報を用い、設定入力されていた場合には、メディアセンサー68の検出結果ではなく、その設定入力された用紙情報を用いて、以後の処理を実行する。なお、メディアセンサー68と操作部69の一方しか存在しない場合には、存在する方の用紙情報が用いられることはいうまでもない。
次に、剛度検出パラメーターテーブルを参照して、取得した用紙情報から剛度検出パラメーターを決定する(ステップS3)。
図13は、剛度検出パラメーターテーブル561(以下、「テーブル561」と略する。)の内容例を示す図である。
同図に示すようにテーブル561は、用紙種類とブレード移動距離とブレード移動速度の各欄を有する。用紙種類欄には、普通紙、薄紙、厚紙などが書き込まれている。
ブレード移動距離欄には、用紙種類ごとにその用紙種類に適したブレード移動距離の大きさが書き込まれている。ブレード移動距離は、上記のブレード移動距離Bに相当する。
同図の例では、ブレード移動距離が普通紙と薄紙に対してBz、厚紙に対してBy(<Bz)になっている。By<Bzの大小関係は、次の理由による。
すなわち、厚紙は普通紙や薄紙よりも通常、撓みにくく、ブレード移動距離、つまり撓み量を普通紙や薄紙と同じ大きさにすると厚紙が折れたり厚紙に折り目がついたりして、上記の弾性の範囲から外れて検出精度が低下するおそれがあるからである。そこで、厚紙に対するブレード移動距離(撓み量)Byを普通紙と薄紙のブレード移動(撓み量)Bzよりも少なくすることで、剛度検出のために厚紙が折れることなどを防止できる。
ブレード移動速度欄には、用紙種類ごとにその用紙種類に適したブレード移動速度(押し曲げ部材71の上昇速度)の大きさが書き込まれている。同図の例では、ブレード移動速度が普通紙と薄紙に対してα1、厚紙に対してα2(<α1)になっている。α2<α1の大小関係は、上記のブレード移動距離と同様の理由による。すなわち、普通紙や薄紙と同じ速度で押し曲げ部材71を上昇させて厚紙を撓ませると、その勢いで厚紙が折れたり折り目がついたりして、上記の弾性の範囲から外れて検出精度が低下するおそれがあるからである。用紙種類ごとに適したブレード移動距離と速度が予め実験などにより決められて、当該テーブル561に書き込まれる。
テーブル561の用紙種類欄に書き込まれている用紙種類(普通紙、薄紙、厚紙・・・)のうち、ステップS2で取得した用紙情報に含まれる用紙種類と一致する用紙種類に対応するブレード移動距離と速度を読み出して、読み出した距離と速度を剛度検出パラメーターに決定する。例えば、取得した用紙情報が普通紙であれば、ブレード移動距離Bzと速度α1が剛度検出パラメーターに決定される。
なお、上記では、用紙種類に応じて、押し曲げ部材71が用紙Sを押し曲げるときの押し曲げ部材71の移動距離と移動速度の両方を決定するとしたが、これに限られず、移動距離と移動速度の少なくとも一つを用いることができる。
また、用紙情報を用紙種類とする構成に代えて、例えば用紙Sの坪量とする構成とすることもできる。この構成では、テーブル561に、用紙Sの坪量の大きさに適したブレード移動距離と移動速度が書き込まれており、ステップS3ではそのテーブル561を参照して、ステップS2で取得した用紙の坪量に応じたブレード移動距離と移動速度を剛度検出パラメーターとして読み出すとしても良い。用紙情報は、剛度とは異なる用紙の種類、坪量などの用紙(シート)の曲げ難さを指標するシート情報とすることができる。
図12に戻って、ステップS4では、給送された用紙Sが搬送路39上における剛度検出位置(図5(a)に示す用紙Sの位置)に到達すると、用紙Sの搬送を停止させる。剛度検出位置は、二次転写位置よりも用紙搬送方向上流側の位置であり、用紙Sの停止制御は、上記のように搬送モーター制御部531により行われる。
用紙Sの搬送が停止すると、これを用紙Sの撓み生成指示として受け付けて、ステップS3で決定された剛度検出パラメーターに基づき、押し曲げ部材71をホーム位置から上昇させて用紙Sを撓ませる用紙Sの撓み生成を開始する(ステップS5)。
用紙Sの撓み生成は、用紙Sが二次転写位置に到達する前に停止状態にされた用紙Sに対して、押し曲げ部材71が剛度検出パラメーターで示される移動距離および/または移動速度で上昇するように、押し曲げモーター制御部532により押し曲げモーター72が制御されることにより実行される。
なお、上記では、ブレード移動距離Bを基準値(=Bz)とした場合の例を説明したが、剛度検出パラメーターに含まれるブレード移動距離が基準値Bzと異なる場合には、剛度検出パラメーターとして決定されたブレード移動距離として制御される。具体的に、例えば厚紙の場合、ブレード移動距離がByになるので、図9(a)に示すテーブル560のブレード移動距離欄に書き込まれている「By」に対応するモーターパルス数「My」になった時点で押し曲げモーター72が停止される。ブレード移動速度については、普通紙や薄紙に対する速度α1を基準に、厚紙では基準よりも遅い速度α2で押し曲げモーター72が回転するように制御される。
そして、用紙Sの撓み生成と並行して用紙Sが撓む間に一定周期ごとにサンプリングしたロードセル712の検出値から得られた押圧力Pの値をテーブル560の押圧力Pの欄に書き込む(ステップS6)。この書き込みは、判定部523により行われる。具体的に、上記の図9(a)と(b)に示すようにブレード移動距離Bが0.1mmのときの押圧力P1、ブレード移動距離Bが0.2mmのときの押圧力P2、ブレード移動距離Bが0.3mmのときの押圧力P3・・・というように、ブレード移動距離Bが0.1mmずつ増える度にその時点でロードセル712の検出結果から得られた押圧力Pの値を押圧力Pの欄に順に書き込んでいくことが行われる。
そして、テーブル560に書き込まれた押圧力P1、P2、P3・・・の値から、用紙Sの単位撓み量当たりの押圧力の割合、つまり上記のグラフ120、130の傾きGを算出する(ステップS7)。この算出は、判定部523の傾き算出部525で行われ、判定部523は、用紙Sの撓み量の大きさを検出する撓み量検出部を構成する。
傾きGが大きいほど、用紙Sの剛性が高い、つまり曲げ剛性が強いと判定され、傾きGが小さいほど、用紙Sの剛性が低い、つまり曲げ剛性が弱いと判定される。この傾きG(上記の割合)の大きさが、用紙Sの剛性の度合いを示し、ここでは用紙Sの剛度の検出結果になる。このことから、用紙撓み生成制御部522と、判定部523と、搬送モーター38や押し曲げモーター72と、ロードセル712などが用紙(シート)の剛度を検出するシート剛度検出装置を構成するといえる。
なお、押圧力Pに代えて、ロードセル712の検出値から傾きGを求めることもできる。この場合、テーブル560の押圧力欄にロードセル712の検出値が書き込まれる。押圧力Pもロードセル712の検出値も、撓んだ用紙Sの復元力の指標値に含まれる。
検出された剛度Gの大きさが正常範囲であるか否かを判断する(ステップS8)。剛度の正常範囲は、MFP1で使用可能な用紙(普通紙、薄紙、厚紙・・・)のうち、最も剛度が低い用紙の当該剛度の大きさから最も剛度が高い用紙の当該剛度の大きさまでの範囲、つまり使用可能な用紙が正しく使用されていれば検出されるべき剛度の範囲として予め決められている。ここでは、正常範囲を示す情報が記憶部55に記憶されており、記憶部55からその情報を読み出すことにより取得される。
剛度Gの大きさが正常範囲内であることを判断すると(ステップS8で「Yes」)、画像形成条件テーブルを参照して、算出された剛度Gの大きさに応じた画像形成条件を決定する(ステップS9)。
図14は、画像形成条件テーブル562(以下、「テーブル562」と略する。)の内容例を示す図である。
同図に示すようにテーブル562は、剛度Gと二次転写電流と定着温度と搬送トルクの各欄を有する。剛度G欄には、Ga未満と、Ga以上かつGb未満と、Gb以上の3つの範囲が書き込まれている。
二次転写電流欄には、剛度Gの範囲ごとにその範囲に適した二次転写電流の大きさが書き込まれている。同図の例では、剛度GがGa以上かつGb未満の基準範囲内の場合、二次転写電流が基準値であり、Ga未満の場合、二次転写電流が(基準値-Tf1)であり、Gb以上の場合、二次転写電流が(基準値+Tf1)になっている。
剛度Gが大きいほど、通常、用紙Sの厚みが厚くなるので、剛度Gが基準範囲よりも大きい用紙Sに対しては、二次転写電流を(基準値+Tf1)に上げた方が用紙Sの二次転写効率が向上する。一方で、厚紙であるが湿気により腰が弱くなっている場合には、その剛度が小さくなっており、二次転写電流が例えば(基準値-Tf1)になることがある。
用紙Sが湿っていると、二次転写電流が過多になって転写ムラが生じ易いので、二次転写電流を(基準値-Tf1)とすることで、転写ムラの発生を抑制できる。また、二次転写電流を下げることで、二次転写時における用紙Sの、中間転写ベルト26または二次転写ローラー27からの分離性の向上を図れる。転写電流の切り替えは、転写電源部2bの出力電流の制御で行うことができる。上記では、二次転写に用いる転写バイアスの例として転写電流を用いる例を説明したが、これに代えて転写電圧を用いることもできる。
定着温度欄には、剛度Gの範囲ごとにその範囲に適した定着温度が書き込まれている。定着温度は、加熱ローラー41の温度のことであり、同図の例では、剛度Gが基準範囲内の場合、定着温度が基準温度であり、Ga未満の場合、定着温度が(基準-Ts1)であり、Gb以上の場合、定着温度が(基準+Ts1)になっている。
剛度Gが基準範囲よりも大きい、つまり厚みが厚い用紙Sに対しては、定着温度を(基準値+Ts1)に上げた方がトナー像の用紙Sへの定着性が向上する。一方で、厚紙であるが湿気により腰が弱くなったために剛度Gが小さくなっている場合には、定着温度を(基準値-Ts1)にして下げた方が定着ニップ43を用紙Sの先端が通過する際の加熱ローラー41からの分離性が向上してジャム発生を抑制できる。定着温度の切り替えは、定着ヒーター44への供給電力の制御で行うことができる。
搬送トルク欄には、剛度Gの範囲ごとにその範囲に適した搬送トルクが書き込まれている。同図の例では、剛度Gが基準範囲内の場合、搬送トルクが基準値であり、Ga未満の場合、搬送トルクが(基準値-Tr1)であり、Gb以上の場合、搬送トルクが(基準値+Tr1)になっている。ここで搬送トルクは、用紙Sの搬送に用いられる搬送部材、具体的には搬送ローラー対34、35、レジストローラー対36、加熱ローラー41、加圧ローラー42、排出ローラー28および他の搬送ローラーの回転駆動時の搬送トルクを示している。搬送トルクは、各搬送部材を回転駆動するための駆動モーター、例えば搬送モーター38や不図示の他のモーターの回転トルクを制御する、具体的には供給電流量を制御することで行うことができる。
通常、用紙Sの剛度Gが大きい、つまり撓みにくくなるほど、搬送時に各搬送部材にかかる搬送負荷が大きくなることから、搬送トルクを上げることで、用紙Sの搬送性を向上させることができる。一方で、搬送トルクを上げると、駆動モーターの電流量が増えて、消費電力が上がったり、駆動モーターの負荷が増大して寿命が短くなったりすることが生じ易い。そこで、剛度Gの範囲に応じて搬送トルクを切り替えることで、用紙Sの搬送性の向上と駆動モーターの電流量の増大を抑制することができる。
なお、搬送トルクに代えて、または搬送トルクに加えて、用紙Sの搬送速度を、剛度の大きさに応じて切り替える構成をとることもできる。撓み難い用紙Sを高速搬送すると、ジャム(紙詰まり)が発生し易くなるなど搬送性の低下に繋がり易いので、用紙Sの剛度Gが基準範囲よりも大きい場合に、用紙Sの搬送速度を基準よりも遅くすることで、搬送性の低下を抑制できる。なお、用紙Sの搬送に用いられる各搬送部材のうち、用紙の剛度によって搬送性の低下が起き易い搬送部材に対してのみトルクや速度制御を行うとしても良い。
検出された剛度Gが、例えば基準範囲であれば、画像形成条件としての二次転写電流、定着温度、搬送トルクの全てが基準値に決定される。
図12に戻って、ステップS9で画像形成条件が決定されると、押し曲げ部材71をホーム位置に戻してから、搬送を中断していた1枚目の用紙Sの搬送を再開する(ステップS10)。押し曲げ部材71をホーム位置に戻す動作は、押し曲げモーター制御部532により押し曲げモーター72が逆転制御されることにより行われる。また、用紙Sの搬送再開は、搬送モーター38の回転を再開することで行われる。
上記決定された画像形成条件に基づき1枚目の用紙Sに対する画像形成を実行する(ステップS11)。例えば、決定された二次転写電流が基準値の場合、二次転写ローラー27に供給される二次転写電流の値が基準値になるように転写電源部2bが制御される。また、定着温度が基準値の場合、加熱ローラー41の温度が基準値になるように定着ヒーター44への供給電力が制御される。さらに、搬送トルクが基準値の場合、搬送ローラー対35などの各搬送部材の搬送トルクが基準値になるように、搬送モーター38などの駆動モーターへの供給電流量が制御される。
続いて、当該ジョブのおける2枚目以降の各用紙Sを1枚ずつ順次、給送し、1枚目の用紙Sと同じ画像形成条件に基づき各用紙Sに対する画像形成を実行して(ステップS11)、当該処理を終了する。
なお、上記では画像形成条件として二次転写電流と定着温度と搬送トルクの3つを用紙Sの剛度Gの大きさに応じて切り替える例を説明したが、これに限られず、画像形成条件を二次転写電流と定着温度と搬送トルクの少なくとも一つとすることもできる。
このように1枚目の用紙Sのみに対して剛度検出を行い、2枚目以降の各用紙Sに対して剛度検出を行わないのは、次の理由による。すなわち、同じ給紙カセットに収容されている用紙束の各用紙Sは同じ種類の用紙であることがほとんどであり、2枚目以降の各用紙Sが同じ種類であれば、1枚目の用紙Sに対する剛度検出結果を援用できること、および2枚目以降の各用紙Sについて搬送を一旦停止して剛度検出する動作を行わなくて済む分、用紙搬送の生産性を向上できるからである。
一方、算出された剛度Gの大きさが正常範囲ではないことを判断すると(ステップS8で「No」)、剛度が正常範囲内ではない用紙、つまりMFP1の仕様範囲外の用紙が搬送されていることを示す警告をユーザーに通知する(ステップS12)。このユーザーとは、当該ジョブを要求したユーザーであり、ユーザーへの通知は、コピージョブの場合、操作部69のタッチパネルへの警告表示や操作部69のスピーカー(不図示)からの警告音声の出力などにより行われる。また、プリントジョブの場合、当該ジョブの要求元である外部の端末装置に対して、その警告メッセージなどを含むデータを通信I/F部51からLANなどのネットワークを通じて送信して、その端末装置に警告メッセージの表示や音声出力等をさせることにより行われる。
そして、剛度Gの検出結果を用いることなく、ステップS2で取得した用紙情報に基づき画像形成条件を決定して(ステップS14)、ステップS10に進む。例えば、用紙情報が厚紙の場合、厚紙に対して予め決められた画像形成条件(転写電流や定着温度など)が決定される。
上記では、剛度Gが仕様範囲外である場合、剛度Gの検出結果を用いないとしたが、これに限られない。例えば、ステップS2で取得した用紙情報で示される用紙種類(普通紙、厚紙など)から剛度Gが正常範囲内か否かを判断することもできる。
具体的には、用紙種類のそれぞれごとに、その種類の用紙に対して通常、検出されるべき剛度Gの大きさの正常範囲を予め実験などで求めておいて記憶しておく。そして、検出された剛度Gの大きさが、取得された用紙Sの種類に対して記憶されている正常範囲内に入っているか否かを判断する。
正常範囲内に入っていないことを判断した場合、取得した用紙情報に誤りがある、すなわちユーザーによる用紙種類の設定入力のミスまたはメディアセンサー68の誤検知をユーザーに通知する。画像形成条件は、検出された剛度Gに基づき決定する。このようにすれば、ユーザーに設定入力のやり直しを促す警告や、MFP1の管理者にメディアセンサー68が正常に動作していない可能性があることの警告を通知することができる。
上記では、プリントジョブにおいて1枚目の用紙Sのみに剛度検出を行うとしたが、これに限られず、2枚目以降の各用紙Sに対しても1枚ずつ剛度検出を行うとしても良い。
また、両面モードの場合に、表面へのトナー像の二次転写後、定着部40、再給紙部60を通じて再度、搬送路39に戻された用紙Sに対しても剛度検出を行うとしても良い。この用紙Sは、既に1回、定着部40を通過しており、定着部40の通過の前後で用紙Sの含水率が変化して曲げ剛性が変わっているおそれがある。このような場合に、裏面へのトナー像の二次転写の前に再度、剛度検出を行うことで、両面モードにおける表面と裏面のそれぞれについて用紙Sの剛度に適した画像形成条件を設定することができる。
以上、説明したように本実施の形態では、撓み量が大きくなるにつれて撓む前の姿勢に戻ろうとする復元力が大きくなるという通常の用紙の撓み特性を利用して、用紙Sの剛度を検出する。
これにより、真っすぐな用紙S(図7(a))でも、カールしている用紙S(図7(b))でも、用紙Sの撓み量が変化、上記では増加する際における押圧力P(復元力の大きさの指標値)の変動、つまり単位撓み量に対する押圧力Pの変化の割合(グラフ120、130の傾き)が、同じ剛度の用紙Sであれば、同じ結果を示すようになる。
従って、用紙Sがカールしていてもカールしていなくてもその用紙Sに対して検出された剛度の結果が同じになり、カールの有無の影響を受ける従来の構成よりも、用紙の剛度検出の精度を向上できる。また、同じ種類(例えば同じ厚み)の用紙Sであるが、例えばMFP1の設置環境が常湿から高湿環境下に変わるなどにより、用紙Sの含水量が多くなったために少ないものよりも腰の強さが弱くなっている場合、その時々で、腰の強さの違いに応じた用紙Sの剛度を検出できるので、単に用紙種類を検出する構成よりも用紙搬送性などを向上できる。
なお、上記では、用紙Sの撓み量が大きくなるにつれて増える押圧力Pの増加の割合からその用紙Sの剛度を検出するとしたが、これに限られない。
例えば用紙Sの撓み量が減少する間に検出された押圧力Pの低下の割合からその用紙Sの剛度を検出することもできる。用紙Sの撓み量が減少する間とは、カム73を図5(b)に示す角度位置から図5(a)に示す角度位置まで回転させる間、つまり押し曲げ部材71を最上位置からホーム位置まで下降させる間のことである。用紙Sの撓み量の減少の間に押圧力Pをロードセル712で検出することでも、その用紙Sの復元力の大きさの指標値を得ることができる。このことから、用紙Sの撓み量が変化(増加または減少)する間に検出された押圧力Pの大きさから用紙Sの剛度を検出できることになる。
また、レジストローラー対36による用紙Sのループが形成される位置に荷重センサーを配置し、形成されるループが荷重センサーのセンサー軸を押し込む力を荷重センサーで検出する従来相当の構成に、上記の剛度検出方法を適用しても、用紙Sの剛度の検出精度を向上できる。
なぜなら、用紙Sのループが大きくなる間における荷重センサーの検出値は、用紙Sの腰の強さによる復元力の大きさに依存しており、用紙Sのループ(撓み量)が大きくなるにつれて荷重センサーの検出値が比例して大きくなるという関係を有し、上記の片持ち支持された用紙Sの自由端側の用紙部分を撓ませる構成と実質同じであるからである。
上記では、シートの剛度を検出する画像形成装置の例を説明したが、これに限られず、シートの剛度を検出する方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本開示に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD-ROM、DVD-RAM、CD-ROM、CD-R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
(5)変形例
以上、実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(5-1)上記実施の形態では、グラフ120、130の傾きGの大きさ(判定部523による用紙剛性の度合いの判定結果)を、用紙Sの剛度の検出値としてそのまま用いて画像形成条件を決定するとしたが、これに限られない。
例えば、傾きGの大きさを予め大、中、小などの異なる区分に分けておき、算出された傾きGの値がどの区分に属するか、例えば大の区分であれば剛性が高いと判定し、中の区分であれば剛性が中程度と判定して、判定した区分(大、中、小など)を剛度の検出結果として画像形成条件を決定する構成をとることもできる。
また、傾きGの大きさを、市販されている一般の剛度検出装置で検出される用紙Sの剛度の大きさに変換した値を、その用紙Sの剛度の検出値とすることもできる。実施例における剛度の検出結果を市販の剛度検出装置の検出結果に合わせることができる。
(5-2)上記実施の形態では、画像形成に供される用紙Sの剛度を検出する構成例を説明したが、剛度検出の対象はこれに限られない。例えば、原稿搬送部11により搬送されるシート状の原稿を剛度検出の対象とすることができる。具体的には、原稿(シート)を搬送する搬送ローラー対11dの原稿搬送方向下流側近傍の位置に用紙撓み生成部70を配置して、上記同様に搬送ローラー対11dの停止により原稿を片持ち支持した状態で原稿の自由端側のシート部分を撓ませて、その撓みの間においてロードセル712の検出結果から得られる押圧力P(撓んだ原稿の復元力を指標する指標値)の変動に基づき原稿の剛度を検出する。
原稿の剛度の大きさに適した搬送条件、例えば原稿搬送部11において原稿搬送に用いられる搬送ローラー対11dや他の搬送ローラーなどの搬送手段による搬送トルクや搬送速度などを予め決めておき、画像読み取りジョブの実行の際に検出された原稿の剛度の大きさに応じた搬送条件を決定し、決定された搬送条件に基づき、搬送トルクや搬送速度を制御して原稿を搬送する構成とすることができる。
搬送トルクや搬送速度の制御は、搬送ローラー対11dなどの搬送手段を回転駆動するモーターなどの駆動部(不図示)を制御することで行うことができる。例えば、剛度が大きい原稿に対しては、剛度の小さい原稿よりも搬送トルクを上げたり、搬送速度を落としたりすることで、そのような制御を行わない構成よりも、撓み難い、つまり曲げ剛性が強い原稿の搬送性を向上できる。
なお、上記のように押圧力Pに代えて、撓んだ原稿の復元力を指標する指標値の例として、ロードセル712の検出値そのものの変動に基づき上記の傾きGを求めて原稿の剛度を検出することもできる。このことは、次に説明する後処理装置についても適用できる。
(5-3)さらに、画像形成後の用紙Sに対してステープル綴じや2つ折りなどを後処理として行う後処理装置に供される用紙Sを剛度検出の対象とすることもできる。
図15は、後処理装置15の構成例を示す図であり、MFP1については用紙Sの排出部28aを除いて構成を省略して示している。
同図に示すように後処理装置15は、MFP1において画像形成後、排出ローラー28により排出口28bから排出される用紙Sを受け入れ口150から受け入れ、受け入れた用紙Sを搬送路191に沿って搬送ローラー151、152によって搬送する。ステープル綴じや2つ折りなどの後処理を行わない通常モードのときには、用紙Sを搬送路191から搬送路192に導き、搬送路192上を搬送ローラー153、154によりさらに搬送した後、収容トレイ181に収容させる。
ステープル綴じを行うステープル綴じ処理では、搬送路191上の用紙Sを搬送路193に導き、搬送ローラー155によりステープル綴じ部160に搬送する。ステープル綴じ部160は、搬送ローラー155により搬送されて来た用紙Sを収容するトレイ161を有する。トレイ161上にステープル綴じすべき複数枚の用紙Sが積載収容されると、積載収容された複数枚の用紙Sからなる用紙束を綴じ部162の駆動によりステープル綴じする。綴じ部162の駆動は、駆動モーター163により行われる。ステープル綴じ後の用紙束は、不図示の搬送手段により、収容トレイ182に収容される。
2つ折りを行う折り処理では、搬送路191上の用紙Sを搬送路194に導き、搬送ローラー156、157により折り部170に搬送する。折り部170は、搬送されて来た用紙Sを収容する傾斜トレイ171を有する。傾斜トレイ171上に収容された用紙Sは、その搬送方向先端(下端)がストッパー178により落下が阻止された状態で、傾斜トレイ171の傾斜に沿った姿勢で静止する。
傾斜トレイ171上で静止している用紙Sに対して、その用紙Sの裏面側(同図右側)から折りナイフ174が近づいて用紙Sの裏面に当接し、その当接している用紙部分を、同図矢印方向に回転している折りローラー対172のニップ173に押し込む。ニップ173に押し込まれた用紙部分が2つ折りの折り目になった状態でニップ173に引き込まれる。用紙Sが折り目を先頭にして折りローラー対172のニップ173を通過する際に用紙Sの2つ折りが行われる。2つ折りされた用紙Sは、折りローラー対172により搬送され、収容トレイ183に収容される。折りナイフ174の駆動は、駆動モーター176により行われ、折りローラー対172の駆動は、駆動モーター175により行われる。
このような構成において、例えば、搬送ローラー151と152の間の搬送路191の近傍位置に用紙撓み生成部70を配置して、上記同様の剛度検出を行うことができる。
用紙Sの剛度の大きさに適した後処理条件、例えば駆動モーター163、175、176の駆動トルクまたは駆動速度を決定して、決定した後処理条件に基づきその用紙Sに対して後処理を施す。例えば、剛度が大きい用紙Sに対しては、剛度の小さい用紙Sよりも駆動モーター163、175、176の駆動トルクを上げたり駆動速度を落としたりすることで、このような制御を行わない構成よりも、曲げ剛性が強い(撓み難い)用紙Sに対する2つ折りやステープル綴じを精度良く行える。
なお、用紙Sに対して後処理を施す後処理手段として、ステープル綴じ部160と折り部170の例を説明したが、これに限られない。例えば、用紙Sに棒状のパンチ刃を押し付けて孔を開けるパンチ処理を行うパンチ部を後処理手段とすることもできる。パンチ部は、パンチ刃の用紙Sへの押し付け力を付与するパンチモーター(不図示)を有し、後処理条件としてそのパンチモーターの駆動トルクまたは駆動速度を決定して、決定した条件に基づきその用紙Sに対するパンチ処理を実行する。
例えば、剛度が大きい用紙Sに対しては、剛度の小さい用紙Sよりもパンチモーターの駆動トルクを上げたり移動速度を落としたりすることで、曲げ剛性が強い用紙Sに対するパンチ孔の穴開けをより確実に行うことができる。
(5-4)上記実施の形態では、画像形成条件として二次転写電流や定着温度などを剛度Gの大きさに応じて変更するとしたが、画像形成条件は上記のものに限られない。
例えば、中間転写ベルト26と二次転写ローラー27との間に形成される転写ニップ2aのニップ圧(転写ニップ圧)を画像形成条件として変更する構成をとることもできる。
剛度Gが低い、つまり腰が弱い用紙Sに対して転写ニップ圧を高くしすぎると、その用紙Sの中間転写ベルト26または二次転写ローラー27からの分離性が低下し易い。このため、剛度Gが低い薄紙のような用紙Sに対しては、剛度Gが高い普通紙や厚紙よりも転写ニップ圧を小さい値に決定(変更する)ことで、その用紙Sの分離性を向上できる。
転写ニップ圧の変更制御は、例えば二次転写ローラー27を中間転写ベルト26に対して相対的に遠近方向(一方を他方に近づける方向または遠ざける方向)に移動自在に支持する支持部(不図示)と、二次転写ローラー27を中間転写ベルト26に押し付けるための押し付け力を可変可能な駆動モーターなどの駆動部(不図示)を設け、駆動部を制御してその押し付け力を剛度Gの大きさに応じて変更することで行うことができる。
また、定着ニップ43のニップ圧(定着ニップ圧)を画像形成条件として変更する構成をとることもできる。定着ニップ圧についても転写ニップ圧と同様に、剛度Gが低い用紙Sに対しては定着ニップ圧を小さい値にすることで、定着ニップ43を通過する用紙Sの加熱ローラー41または加圧ローラー42からの分離性を向上できる。
定着ニップ圧の変更制御は、例えば加熱ローラー41と加圧ローラー42を相対的に遠近方向に移動自在に支持する支持部(不図示)と、加熱ローラー41に加圧ローラー42を押圧するための押圧力を可変可能な駆動モーターなどの駆動部(不図示)を設け、駆動部を制御してその押圧力を剛度Gの大きさに応じて変更することで行うことができる。
(5-5)上記実施の形態では、歪ゲージを有するロードセル712を用いる例を説明したが、これに限られず、撓んだ用紙Sの復元力の大きさを指標する指標値を検出可能なセンサーなどの検出手段一般を用いることができる。
(5-6)上記実施の形態では、図2に示すように略水平方向の搬送路39よりも下に配置された用紙折し曲げ部材71を上方に移動させて用紙Sを撓ませるとしたが、これに限られない。
例えば、搬送路39よりも上に配置した用紙折し曲げ部材71を下方に移動させて用紙Sを撓ませる構成や、上下方向に用紙Sを搬送する搬送路に対して、その横に配置された用紙折し曲げ部材71を横方向に移動させて用紙Sを撓ませる構成などにも上記の剛度検出を適用できる。
(5-7)上記実施の形態では、用紙情報に基づく正常範囲内に剛度Gの検出値が入っているか否かを判断して、その判断結果から、剛度Gの検出値と用紙情報の一方を用いて画像形成条件を決定する制御(図12のステップS8、S9、S14)の例を説明したが、これに限られない。用紙情報の有無に関わらず、剛度Gの検出値を用いて画像形成条件を決定する制御(ステップS8を行わず、ステップS7の次にステップS9を行う)としても良い。
(5-8)上記実施の形態では、MFP1がタンデム方式のカラー複合機である場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのはいうまでもなく、画像形成装置1はタンデム方式以外のカラー複合機であってもよいし、モノクロ複合機であってもよい。像担持体上に画像を形成し、像担持体上の画像をシートに転写部で転写した後、シートに転写された画像を定着部で熱定着する画像形成装置に上記の用紙剛度検出を適用できる。ここで、像担持体には、感光体ドラムや感光体ベルトなどの感光体、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を含むとすることができる。
また、転写部材を回転体である二次転写ローラー27を用いる例を説明したが、回転体に限られず、中間転写ベルト26に接する非回転体の転写部材を用いる構成をとることもできる。さらに、定着部40において、加熱部材として加熱ローラー41(回転体)を用い、加圧部材として加圧ローラー42(回転体)を用いる構成例を説明したが、加熱部材と加圧部材の一方を回転体、他方を固定部材とすることもできる。
また、MFP1は、電子写真方式に限られず、例えばインクジェット方式の画像形成装置であっても良い。インクジェット方式において、搬送される用紙Sの剛度に応じて、搬送ローラーなどの搬送手段の駆動トルクや搬送速度などを制御することで、用紙Sの搬送性を向上できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の構成をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
本開示は、画像形成などに供されるシートの剛度を検出する剛度検出装置に広く適用することができる。
1 MFP
2 イメージリーダー部(画像読取装置)
2a 転写ニップ
3 プリンター部(画像形成装置)
11 原稿搬送部
15 後処理装置
27 二次転写ローラー
34、35 搬送ローラー対
38 搬送モーター
41 加熱ローラー
42 加圧ローラー
43 定着ニップ
50 制御部
70 用紙撓み生成部
71 押し曲げ部材
72 押し曲げモーター
160 ステープル綴じ部(後処理手段)
163、175、176 駆動モーター
170 折り部(後処理手段)
522 用紙撓み生成制御部
523 判定部
524 画像形成条件決定部
525 傾き算出部
560 ブレード移動距離-押圧力対応テーブル
561 剛度検出パラメーターテーブル
562 画像形成条件テーブル
712 ロードセル
S 用紙
Sb 用紙の先端部分(自由端側の用紙部分)
Sf 用紙先端

Claims (22)

  1. シートに撓みを生じさせる撓み生成手段と、
    撓んだシートの復元力の大きさの指標値を検出する検出手段と、
    シートの撓み量が変化する際における前記検出手段により検出された指標値の変動に基づいて、前記シートの剛性の度合いを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするシート剛度検出装置。
  2. 前記判定手段は、前記シートが一定量撓んだときの、前記検出手段で検出された指標値の変化の割合を、前記指標値の変動とすることを特徴とする請求項1に記載のシート剛度検出装置。
  3. 前記判定手段は、
    前記シートの撓み量の大きさを検出する撓み量検出手段を有し、
    前記撓み量検出手段により、前記シートが前記一定量撓んだことを検出することを特徴とする請求項2に記載のシート剛度検出装置。
  4. 前記撓み生成手段は、
    シートを片持ち支持する支持手段と、
    片持ち支持されたシートの自由端側をカールする方向に押し曲げる押し曲げ部材と、
    を備え、
    前記撓み量検出手段は、
    前記シートを押し曲げるときの前記押し曲げ部材の移動距離を求め、求めた移動距離から前記シートの撓み量の大きさを検出することを特徴とする請求項3に記載のシート剛度検出装置。
  5. 前記判定手段は、前記割合の大きさを前記シートの剛度の検出結果とすることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置。
  6. 前記撓み生成手段は、
    シートを片持ち支持する支持手段と、
    片持ち支持されたシートの自由端側をカールする方向に押し曲げる押し曲げ部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート剛度検出装置。
  7. 前記押し曲げ部材は、
    前記シートの一方の面に当接する当接部材と、前記当接部材を前記シートに押し付ける方向に押し出す押し出し部材とを含み、
    前記検出手段は、前記当接部材と前記押し出し部材の間に介在され、撓んだシートから前記当接部材を介して伝わる前記シートの復元力と前記押し出し部材からの押圧力とのベクトル和から、前記撓んだシートの復元力の大きさの指標値を検出することを特徴とする請求項6に記載のシート剛度検出装置。
  8. 前記検出手段は、ロードセルであることを特徴とする請求項7に記載のシート剛度検出装置。
  9. 前記撓み生成手段は、
    前記シートの曲げ難さを指標するシート情報を取得し、取得したシート情報に基づき、前記押し曲げ部材が前記シートを押し曲げるときの前記押し曲げ部材の移動距離と移動速度の少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置。
  10. 前記シート情報は、前記シートの種類または坪量を示す情報であることを特徴とする請求項9に記載のシート剛度検出装置。
  11. 検出されるべき前記シートの剛度の正常範囲を取得する取得手段と、
    前記シートの剛度が前記正常範囲内に入っていない場合に、その旨を示す警告を通知する通知手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置。
  12. 前記シートは、前記シートの撓み量が大きくなるにつれて前記シートの復元力が大きくなる特性を有することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置を備え、
    前記シート剛度検出装置により検出されたシートの剛度に応じた画像形成条件を決定して、前記シートに画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  14. 像担持体上の画像を、転写バイアスが供給された転写部材によりシート上に転写する転写部を備え、
    前記画像形成条件は、前記転写バイアスであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 像担持体上の画像を、前記像担持体と接触して転写ニップを形成する転写部材によりシート上に転写する転写部を備え、
    前記画像形成条件は、前記転写ニップのニップ圧であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  16. シート上に転写された画像を加熱部材により熱定着する定着部を備え、
    前記画像形成条件は、前記加熱部材の温度であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  17. 画像が転写されたシートを、加熱部材に加圧部材を圧接して形成される定着ニップを通過させて、前記シート上の画像を定着する定着部を備え、
    前記画像形成条件は、前記定着ニップのニップ圧であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  18. 前記シートを搬送する搬送手段を備え、
    前記画像形成条件は、前記搬送手段が前記シートを搬送するときの搬送トルクと搬送速度の少なくなくとも一つであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  19. 像担持体上の画像を、搬送されているシート上に転写位置で転写する転写部を備え、
    前記シート剛度検出装置の前記撓み生成手段は、前記転写位置に到達する前に停止状態にされたシートに対して前記撓みを生成させることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  20. 前記シート剛度検出装置で検出されたシートの剛度の大きさが正常範囲内に入っていない場合に、検出されたシートの剛度に代えて、シートの曲げ難さを指標するシート情報に基づき前記画像形成条件を決定することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  21. 搬送される原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
    請求項1~12のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置と、
    前記シート剛度検出装置により検出されたシートの剛度に応じた搬送条件を決定して、前記原稿を搬送する搬送手段と、
    を備えることを特徴とする画像読取装置。
  22. 画像形成後のシートに後処理を施す後処理装置であって、
    請求項1~12のいずれか1項に記載のシート剛度検出装置と、
    前記シート剛度検出装置により検出されたシートの剛度に応じた後処理条件を決定して、前記シートに後処理を施す後処理手段と、
    を備えることを特徴とする後処理装置。
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