JP2023029539A - 加圧式医薬品注入器 - Google Patents

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直樹 松田
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Abstract

【課題】洗浄液を用いたシステム洗浄時、接続コネクターの取り外し操作で発生する薬液漏出により人体への曝露、感染を防止するための持ち運び可能な抗がん剤容器を提供する。【解決手段】薬液充填口及び薬液排出口を有するリザーバーと、薬液注入によって前記薬液収納部を加圧変形し加圧変形が戻る力によって薬液を押し出す加圧変形手段と、薬液の流量を抵抗によって調整する流量制御手段と洗浄液注入口、薬液充填口及び液体排出口を有するシステム洗浄ポートと、これらを内包するケースと、を備え、充填された薬液は、リザーバーの前記薬液充填口から前記加圧変形手段に充填され、前記リザーバーの薬液排出口から、前記流量制御手段を介して容器外部へと移動する。洗浄液は、前記流量制御手段の下流に配置された洗浄ポートの注入口から注入され、容器外部へと移動する。洗浄ポート周辺は。完全に滅菌シールで覆われ、使用時まで清潔に保たれる。【選択図】図3

Description

本発明は、洗浄液用インジェンクションポートを備える加圧式医薬品注入器に関する。
2013年国立がんセンター中央病院の発表によると、日本国内の全がん羅患数は862,452人と非常に多く、全国各地で治療が実施されている。現在のがん三大治療は「手術(外科治療)」「薬物療法(化学療法)」「放射線治療」で、その他に「IVR(カテーテル治療)」、「造血幹細胞移植」「免疫療法」「代替療法」等があり、癌種・ステージ(進行状況)・患者背景等によって、患者毎に各専門医師指導のもと上記の治療方法が単独または複数選択され集学的に治療が施されている。
このうち化学療法は、抗がん剤を用いて、がん細胞の増殖を抑えたり再発や転移を防いだりする効果がある。抗がん剤は1種類の薬剤だけで治療する場合と、いくつかの種類の薬剤を組み合わせて治療する場合がある。薬剤の種類によって経口または点滴、皮下注射、その他直接臓器に直接投与されている。従って、がん種や、ステージ(病状の進行度)、生活スタイル等によって、目的や実施するタイミングが異なる。通常、投与期間は数週間から数ヶ月の間に数回に分けて行われる。
また、薬剤反応がよく治療成績が高いことから化学療法が多く取り入れられている主ながん種として、大腸がん(部位別2位)・乳がん(部位別4位)がある。大腸がん化学療法の主な薬液投与スケジュールは静脈経由で1回あたり46~48時間持続投与を2週に一度、繰り返し実施し、携帯型の加圧式薬液注入ポンプを用いて薬剤投与が行われる場合が多い。また、乳がん化学療法も静脈経由で自然滴下を中心に1回あたり15~90分の持続投与を毎日21~28日を1クールとして実施されている。
これらの薬液を静脈経由で短期間に持続的、繰り返し投与すると、患者にとって(1)毎回注射針で血管を確保するため疼痛がある、(2)投与中は点滴のルートに繋がれているので動くことが制限される、(3)静脈注射は肘または手首等の抹消静脈を使用するが、それらの血管は細く、そこに高濃度の抗がん剤を投与すると浸透圧の関係で激痛の血管痛が発生することがある、(4)静脈注射を行う場合、静脈が細い、閉塞がある場合、何度も注射針の穿刺が必要となることがある、という問題があった。これらの問題を軽減するために、カテーテルと称す樹脂製の血管より細いチューブの先端を中心上静脈に挿入して、ポートと称す金属製または樹脂製のタンクにシリコン製のセプタム(繰り返しヒューバー針(ポート専用針)の穿刺が可能となる的)を配した器具に接続して皮下に埋め込むCVポートが開発され、抗がん剤治療を受ける患者に広く使用されている。CVポートを使用する際は、前記ヒューバー針を使用し薬液を投与しない場合はその針を抜去することで、点滴ラインから解放することができる。
また、現在の化学療法は、各種臨床試験によりエビデンスに基づき実施され、抗がん剤によっては持続して投与することでより治療効果が向上することも証明されている。その治療成績から、がん化学療法の代表的な大腸がん化学療法では抗がん剤を46~48時間持続投与されるFOLFOX6・FOLFIRI療法が世界的標準治療となっている。また、レジメンによっては7日間持続投与されることもあり、患者は点滴ルートに繋がれているため入院による安静を余儀なく強いられる。そこで、近年、携帯型バルーン式薬液注入器が開発され、上述したCVポートシステムと組み合わせて使用することで、患者は薬液投与中も点滴ルートから解放されるので外来または在宅で治療が行われる様になった。
この抗がん剤投与システムとしては、CVポートと称される薬液充填ポートを外科的手術により患者の身体、例えば胸、上腕又は前腕に留置し、留置したCVポートに患者の皮膚を貫通してヒューバー針を穿刺し、ヒューバー針(及び連結するチューブ)を通して持ち運び可能な(携帯)加圧式医薬品注入器が広く知られている。
CVポートからの薬液注入を終了する際は、ポートとカテーテル内に残存する薬液を洗浄し、逆血による血栓形成及び薬剤の配合変化等によるカテーテル内の閉塞を予防する為に、ヒューバー針から洗浄液(生理食塩液または、ヘパリン加生理食塩液)を用いて、CVポート内を洗浄(以下、システム洗浄)する必要がある。
従来の抗がん剤投与に用いられる持ち運び可能な加圧式医薬品注入器としては、特許文献1に示されるような、医療用液体収納容器が知られている。この医療用液体収納容器は、薬液をバルーンに導入し拡張させることで、バルーンの収縮の力で薬液を容器外部へ押し出す加圧式医薬品注入器である。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、薬液投与後のCVポート、ヒューバー針及びチューブのシステム洗浄を行う際には、ヒューバー針のチューブコネクターから加圧式医薬品注入器のチューブコネクターを外し、別途用意した生理食塩液または、ヘパリン加生理食塩液の入ったシリンジ(以下洗浄液入りシリンジと言う)をそのヒューバー針のチューブコネクターに接続して洗浄操作を行う必要がある。この操作は、患者又は使用者にとって煩雑であるだけでなく、ルートの接続取り替え操作において、薬液又は洗浄液が漏出したり、感染のリスクが高まることが知られている。特に抗がん剤がルートから流出し、人体へ曝露すると人体に障害や損傷等、重篤な合併症となるおそれがある。これを防止する手段について、従来は漏出した薬剤に曝露しないように手袋を装着する、部材の取り扱い操作を慎重に行う等、不確実で煩雑な方法で実施されていた。
抗がん剤の入った持ち運び可能な加圧式医薬品注入器からの薬液注入が終了すると、医療従事者または患者やその家族等(以下、使用者と言う)が、上記のシステム洗浄を行うために、一般的には加圧式医薬品注入器とヒューバー針の接続部を外し、洗浄液入りシリンジをそこに接続してシステム洗浄を行うか、加圧式医薬品注入器とヒューバー針のルートに装着されている凸凹形状で接続可能な接続コネクター(三方活栓やYコネクター等)に洗浄液入りシリンジを接続しシステム洗浄を行っている。この操作は、抗がん剤で満たされているチューブを一旦開放して接続するために、抗がん剤の曝露や飛沫、感染の原因に常にさらされていると言える。
特開2015-181822号公報
従って、本願発明では、洗浄液を用いたシステム洗浄時に、薬液又は洗浄液の漏出及び人体への曝露、感染を防止するための持ち運び可能な加圧式医薬品注入器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では、システム洗浄機能を備える加圧式医薬品注入器であって、リザーバーに薬液を充填するための薬液充填口、薬液を貯留し薬液排出可能な圧力を有するバルーン等(薬剤が充填でき加圧機能を有するタンクを含む)とバルーン等から加圧によって排出された薬剤の流量を調整する流量制御管(流量制御チューブ等でもよい)、薬液を排出する薬液排出用口、エアーや細菌の混入を防ぐ輸液フィルター、システム洗浄ポートの薬液注入口を内包する容器で形成されている。
前記容器は、薬液充填口、システム洗浄液注入口及び薬液排出口は、それぞれの開口部を有しており、バルーンに充填された薬液は、リザーバーの薬液排出口→輸液フィルター→流量制御管→システム洗浄ポートをチューブ等の各連通手段を介して外部へと移動することを特徴とする加圧式医薬品注入器である。
本構成の加圧式医薬品注入器であれば、システム洗浄ポートを内部に一つのユニットとして設置したため、これまで薬液投与終了に使用者が実施していたステム洗浄において、チューブ等に装備されたコネクターを外し洗浄液入りシリンジの付け替え操作を行う必要はない。従って、使用者がCVポート等のシステム洗浄を行う際、薬液又は洗浄液が外部に漏出することはなく、使用者及び本品を取り扱う全ての人及び周辺人への薬液曝露防止が達成される。従って、薬剤曝露防止のための慎重な取り扱い操作及び漏出に備えた過度な予防及び手間が不要となる点で患者又は使用者にとって使用が簡便かつ安全であるといえる。
また、本構成の加圧式医薬品注入器によれば、薬液を注入する薬液充填口及びシステム洗浄ポート注入口は、すべて容器内部に配置しているため、薬液や洗浄液の充填・注入操作の際も薬液の漏出や曝露を防止することが可能である。
前記薬液充填口及び前記システム洗浄ポート注入口は、薬液及び洗浄液を導入するため、医療機器用シリンジの先端と嵌合するコネクター機能(ネジ穴)を有する。
本構成の加圧式医薬品注入器の、薬液充填・システム洗浄ポート注入口に接続する医療機器は、ネジ嵌合によって固定させることができ、薬液注入時のシリンジと各充填口とに注入圧で発生する反発作用による離間しようとする応力を抑制し、安全かつ容易に安心して操作を行うことができる。
前記容器の前記システム洗浄ポート注入口の開口部は、取り外し可能なシーリング部材によりシールされていることが望ましい。
システム洗浄操作で発生するコンタミネーション(感染の原因となる細菌等を操作で体内へ導入)を防止はすることは最も重要なひとつである。
本構成の加圧式医薬品注入器であれば、システム洗浄操作を行う直前まで、システム洗浄ポート注入口及びその開口部周辺は清潔なシーリング部材でシールされ、無菌状態を保ち接続操作によるコンタミネーションを防止し、患者にとって安全なシステム洗浄操作が可能となる。
本構成の加圧式医薬品注入器であれば、薬剤の性質、患者に関係なく、使用目的に合わせた薬剤の流量調整が可能で、携帯性にも優れつつ、様々な薬剤及び患者に対して幅広く適用可能となる。またバルーンと薬剤排出口との間で流量制御を行い、システム洗浄ポート注入口は流量制御管より下流側に取り付けることで、システム洗浄注入口より薬液を注入すると上流側は流量制御管の抵抗によって内圧が高まり、下流側は患者に留置されたCVポート経由で静脈と接続されているので、その圧格差で洗浄液がフラッシュポートの上流に向かうことができず、洗浄液は下流側に流入しシステム洗浄が可能となる。
流量制御管の直前に、所定の経以下の粒子及びエアーの通過を抑制する輸液フィルターが設けられることが望ましい。上記輸液フィルターは疎水性と親水性膜を備える。
本構成の加圧式医薬品注入器であれば、薬剤が通過する流路に輸液フィルターが設けられるため、別途輸液フィルターを用意することなく、患者にとってより簡易で安全な携帯性の良い投薬が可能となる。
前記容器内に配置した、薬液排出口、輸液フィルター、流量制御管、システム洗浄ポートの各部材の連通手段にチューブを用いるが、そのチューブ巻きつけることが可能な、外周部にらせん状の切り込みを備える略円筒形状のチューブ巻き付け部を備えることが好ましい。
これによって、長いチューブを使用する場合でも、容器内に配置することが可能となり、コンパクトな加圧式医薬品注入器を提供することが可能となる。
本発明の加圧式医薬品注入器によれば、使用者がシステム洗浄を行う際、薬液又は洗浄液が外部に漏出することはなく、使用者及び周辺関係者への曝露が防止され、薬液や洗浄液の加圧式医薬品注入器への充填の際も漏出や曝露を防止することが可能である。そのため、曝露防止のため手袋の装着や慎重操作による精神的負担が軽減される点も使用者にとって有益である。
また、本構成の加圧式医薬品注入器であれば、薬液や洗浄液を導入する際、全ての薬液注入口は医療用シリンジとネジ嵌合によって固定させることができ、注入時の薬液の反発力によって発生する離間を抑制し、安全かつ容易に操作を行うことができる。
さらに、本発明の加圧式医薬品注入器によれば、使用者が薬液投与中に落下等による誤操作で、薬液が入ったバルーン等に衝撃や応力が直接加わらない用に柔軟で強度のある樹脂性の容器が衝撃を吸収する。万が一バルーン破損して液漏れが発生した場合、上記容器は、疎水性のエアーフィルターを用いていることで容器外部に薬液が漏れることがない。これにより、使用者及び周辺人への曝露を防止することができる。また、落下時にも、直接内部の薬液充填口やシステム洗浄ポートへ衝撃を与えず、損壊を防止することができる。

本発明の加圧式医薬品注入器における薬液の流路の模式図例を示している。 本発明の加圧式医薬品注入器における薬液の他の流路の模式図を示している。 本発明の加圧式医薬品注入器における薬液の流路のさらに他の模式図を示している。 本発明の加圧式医薬品注入器の一例の斜視図を示している。 図4の背面側から見た斜視図を示している。 (a)は、図4をA-A’断面で切断した一方の加圧式医薬品注入器の断面斜視図、(b)は図4をA-A’断面で切断した他方の加圧式医薬品注入器の断面斜視図を示している。
以下、本発明の加圧式医薬品注入器を図面を参照しつつ説明する。
図1、図2及び図3は、本発明の加圧式医薬品注入器の具体的構成例(図4~図6参照)の薬液及び洗浄液の流路を示す模式図例である。図1、図2及び図3の模式図を用いて、加圧式医薬品注入器について詳しく説明する。各部材名については、流路の説明後に詳しく説明する。
図1(a)、(b)、図2(a)、(d)及び図3は、図4~図6に示す本発明の実施形態である加圧式医薬品注入器1の流路例を示している。図1(a)の流路によると、薬液を本加圧式医薬品注入器1の薬液充填口からバルーン50に充填後、リザーバー8の薬液排出口8dから第1チューブ(図示せず)を介して輸液フィルター14に移動し、輸液フィルター14から第2チューブ(図示せず)を介して流量制御管11に移動し、流量制御管11から第3チューブ(図示せず)を介し、洗浄液を導入するための洗浄液注入口(図示せず)を有するシステム洗浄ポート12に移動し、さらに第4チューブ(図示せず)を介して患者:CVポートへと移動する。この際、流量制御管11の代用として、流量制御チューブを用いると、第2チューブから第3チューブまで、上記流量制御チューブで対応することも可能となる。
流量制御チューブは、チューブの内側の凹凸によって摩擦性によって流速を調整するチューブであり、長さを任意に調整することで、薬剤の投与速度を任意に調整することが可能である。
一方、流量制御管11を用いる場合は、チューブの取り回しを考慮する必用がなく、部材の配置を安定して行えるので、無駄な空間を減らすことが可能で、携帯性に優れた加圧式医薬品注入器1となる。
本発明の加圧式医薬品注入器1は、上記流路のうち、薬液排出口8dからシステム洗浄ポート12の下流までのチューブを一つのユニットとして備える構成であり、この構成により、システム洗浄を行う場合、本加圧式医薬品注入器1とヒューバー針を取り外す、又は他の接続システムを用いる等の、洗浄液注入のためのルート切り替え操作の必要がなく簡便で、使用者等への身体への薬液の曝露防止が可能である。
次に図1(b)の流路は、輸液フィルター14を薬液排出口8dと一体としたものである。この場合、上記第1チューブが不要となり第2チューブが輸液フィルター14から流量制御管11へと直接連通し、さらに第4チューブからCVポートを怪介して患者へと移動する。該構成であれば、加圧式医薬品注入器1としてのユニットサイズ及び重量が小さくなるため、携帯性に優れる。
図1(b)の流路では、図1(a)の流路と同様に、流量制御管11の代用として、流量制御チューブを用いると、第2チューブから第3チューブまで、上記流量制御チューブで対応することも可能となる。
図2(a)のように輸液フィルター14を用いない構成を使用しても良い。この構成であれば、加圧式医薬品注入器1としてのユニットサイズが小さく計量となるため、携帯性に優れる。図2(a)の流路では、薬液排出口8dから第1チューブを介して流量制御管11に移動し、流量制御管11から第3チューブを介し、洗浄液を導入するための洗浄液注入口を有するシステム洗浄ポート12に移動し、さらに第4チューブからCVポートを介して患者へと移動する。この際、流量制御管11の代用として、流量制御チューブを用いると、第1チューブから第3チューブまで、上記流量制御チューブで対応することも可能となる。
図2(b)の経路は、薬液排出口8dと輸液フィルター14と流量制御管11を一体としたのである。上記第1チューブ・第2チューブが不要となり第3チューブがシステム洗浄ポート12へと直接連通し、さらに第4チューブを介して患者:CVポートへと移動する。この構成であれば、加圧式医薬品注入器1としてのユニットサイズ及び重量が小さくなるため、携帯性に優れる。
また、図3の経路は、薬液排出口8dと輸液フィルター14と流量制御管11とシステム洗浄ポート12を一体としたものである。上述の第1チューブ・第2チューブ・第3チューブが不要となり、第4チューブを介して患者:CVポートへと移動する。該構成であれば、加圧式医薬品注入器1としてのユニットサイズ及び重量が小さくなるため、携帯性に優れる点で有利である。
なお、図1(b)、図2(a)(b)及び図3の流路を採用する本加圧式医薬品注入器1であっても、図1(a)と同様、薬液をバルーンに充填する薬液充填口から薬液排出口8d~システム洗浄ポート12の下流までのチューブを一つのユニットとして少なくとも備える構成と言える。
次に、上述した本発明の加圧式医薬品注入器1の具体的な構成例を図4~6を用いて説明する。
図4及び図5は、本発明の加圧式医薬品注入器1の実施例を示した斜視図である。図5は、図4の背面視(紙面奥)を示している。図4及び図5に示す本発明の加圧式医薬品注入器1は、概ね外装ケース2と、上部カバー4と、リザーバー8と、チューブ巻き付け部10と、システム洗浄ポート12と輸液フィルター14、図6に示す薬液連結管20とバルーン50から構成される。
外装ケース2は、図示するz方向断面が、r形状の角を有する矩形であり、下端部から底面まで先細りする所謂テーパ状に形成される。したがって、全体として角の少なく患者の衣類のポケット等に入れる際、安全性や引っ掛かりをなくした形状となっている。上部カバー4は、外装ケース2と同様にz方向断面がr形状の角を有する矩形であり、天板を備え下方を開放して形成し、外装ケース2の上部に被せて連結する。外装ケース2と上部カバー4との間には、外装ケース2の上方部分である略平面の天板6が配置され、外装ケース2及び天板6と上部カバー4及び天板6との間には、それぞれ隙間(空間)が設けられる。
外装ケース2と上部カバー4からなる容器は樹脂等の軽い素材で形成用され携帯性に優れる。また、落下等の衝撃や外部の応力に対する破損や損傷を防止するために図4~図6の例では弾性素材が採用されている。
天板6上において、天板6の長手方向略直列に、チューブ巻きつけ部10、リザーバー8及びシステム洗浄ポート12が配置され、チューブ巻きつけ部10、リザーバー8及びシステム洗浄ポート12の上端と上部カバー4の天板とが互いに干渉しないように配置されている。上部カバー4の天板には、略円状の開口部4a及び4bが設けられており、リザーバー8の薬液充填口8a及びシステム洗浄ポート12の洗浄液導入部12aが、薬液及び洗浄液を導入する際に医療用シリンジと流体的に接続し得る。また、上部カバー4のシステム洗浄ポート12の近傍の側部には、外部へ薬液又は洗浄液を排出するためチューブを通すための略円状の開口部4cが設けられている。
上記構成により、加圧式医薬品注入器1は、ポーチや鞄に収まり易く、衣類のポケットに入れたままでの投薬が可能になり患者にとって持ち運びが簡便となる。詳細には後述するが本加圧式医薬品注入器1では、洗浄液を導入するためのシステム洗浄ポートが加圧式医薬品注入器1内にあるため、システム洗浄注入する薬液及び洗浄液のルート切り替え操作を行う必要がなく、不意の液漏れによる曝露や感染を回避しつつ洗浄が可能となる。
リザーバー8は図6に示す薬液連結管20一体に形成され、外装ケース2の天板6を貫通している。リザーバー8の天板6の上部側には、薬液充填口8aが配置され、上部カバー2にはこの薬液充填口8aと接続するための開口部4aが形成されている。
一方、天板6の下部側リザーバー8と一体形成された薬液連結管20が外装ケース2と天板6との間の空間に配置され、それを覆う様にバルーン50が装着されている。
材質としては、落下時に容易な破損を防止するためのある程度の弾性を有する樹脂製であることが好ましい。薬液の充填の際は、医療従事者の手技又は機械制御による図示しない注射器等から、図示しない薬液が、上部カバー4の開口部4a及び薬液充填口8aを介して図6に示す薬液連結管20へと注入される。図示しないが薬液充填口8aとリザーバー支柱の間に逆支弁8cが配置されているため、薬液充填口への逆流はなく、薬液充填口8aには図示しないが専用のネジ式栓を装着する。
また、図示しないが薬液充填口8aの他の例として、バルーン50内に薬液を導入するための医療用シリンジの先端と嵌合するネジ穴を有する。ネジ式ロックを有する医療用シリンジ先端では回転させながら薬液充填口8aにネジ嵌合で固定することで、薬液充填時の薬液充填口8aと医療用シリンジとの薬液の抵抗で発生する反作用の影響を抑制し、離間を防止することが可能で安定した薬液充填が可能となる。
上部カバー4の開口部4aには、例えばネジ嵌合により着脱可能な図示しないキャップを設ける。薬剤導入時にはキャップを取り外し、薬剤導入前後はキャップを取り付けることで、薬液充填操作前に開口部4aの汚染を防止し薬液充填中の加圧式医薬品注入器1内部への汚染(コンタミネーション)を防止し、医療用シリンジ等を取り外す際、開口部に残存する薬剤を封印することができる。なお、キャップは、使用中紛失しない様に外装ケース2や上部カバー2とストラップ等で付随されていることが好ましい。
ここで、図6を参照して、リザーバー8の構造についてさらに説明する。図6は図4をA-A’断面(x-z断面)で切断した図を示し、図6(a)は図4の紙面手前側、図6(b)は紙面奥側から見た図を示している。図6に示すようにリザーバー8は上部側より薬液充填口8a、受け部8b、逆止弁8c、薬液連結管20、薬液排出口8dが一体に形成されている。医療従事者は、医療用シリンジ等の先端を薬液充填口8aに接続し、陽圧を加えて薬液を逆止弁8cに通過させてバルーンとの薬液連結管20からバルーン50に充填する。バルーン50に充填された薬液は、逆止弁8cにより、薬液充填口8aに逆流することが完全に防止され、薬剤を薬液排出口8dへと送り出すことができる。
バルーン50は、外装ケース2と天板6の間に配置され、リザーバー8の薬液連結管20を覆い、充填された薬剤が漏れない様に固定する。
バルーン50の材質は薬品性及び耐圧性能を持ち、弾性を持ったシリコンゴム等の樹脂性ゴムを用いる。バルーン50に薬液が充填されると加圧変形し、加圧変形が戻る力作用によって薬液を上方へ押し出すことが可能である。これにより薬液は薬液連結管20を介し薬液排出口8dへと送り出される。
図6の点線表示は、薬液の充填によってバルーン50が拡張した状態を示している。バルーン50は、外装ケース2の空間範囲内で拡張し、元の大きさに収縮する際に内包する薬液をバルーンの上方へと押し出すこととなる。
また、加圧変形手段はバルーン以外に、モーター、気圧、バネ等の駆動方法を用いてもよい。
薬液排出口8dには、第1チューブ(図示せず)が連結され、輸液フィルター14の注入口14aに連結され、輸液フィルター14の排出口14bに、流量制御チューブ(図示せず)が連結されている。流量制御チューブが5~10cmを要するので、略円柱形状のチューブ巻き付け部10に、チューブが折れないように巻きつけ、システム洗浄ポート12のポート入口12bに連結され、システム洗浄ポート12の排出口12cに第4チューブが連結され、上部カバー4の開口部4Cから、第4チューブが容器の外へと出る。
チューブ巻き付け部10は、流量制御チューブを巻き付けやすく、チューブの潰れや折れないように弾性がある軽量な樹脂で、外周にはらせん状の丸みを帯びた溝を外周部に備えることが好ましい。
輸液フィルター14は、上部カバー4の長手方向内側側面近傍に配設される。形状は一般的なものが採用され、図4~6では略円形のものを示す。輸液フィルター14は薬液をフィルトレーションし、充填した薬液に異物や大粒径物、エアーの混入がある場合、患者への混入防止、流量制御管11や流量制御チューブの閉塞防止が可能なので採用することが好ましい。
薬液排出口8dからポート入口12bまでの構成において、図示しない他の例として、薬液排出口8dとポート入口12bとの間を流量制御管11で連通する構成もある。この構成によれば、薬液排出口8dとポート入口12bとの間を、チューブを介さず直接流量制御管11に接続することが可能で、チューブを使用しない分、必要空間が小さくなるため、加圧式医薬品注入器1全体の大きさをさらに減少させ得る。ここで流量制御管とは、管中に凹凸やフィルター等の抵抗装置を入れることにより流量制御を行うことができるものを意味する。また、輸液フィルター14に流量制御管内に備えれば、加圧式医薬品注入器1の大きさをよりコンパクトにしつつ、患者への異物、大粒径物の混入を防止する。
また、図示しない他の例として上部カバー4の開口部4bは、取り外し可能なシーリング部材を設けても良い。シーリング部材は開口部4bを覆うように外部からシールしており、洗浄液の導入時にシーリング部材を取り除くことで、開口部4b及び開口部4bから洗浄液導入部12aを覗くことが可能となる。これにより、システム洗浄時まで、洗浄液導入部12a周辺のコンタミネーション(汚染)を防止し、フラッシュポート12が清潔な状態に保つことができる。なお、開口部4bの他、洗浄液導入部12a、開口部4b及び洗浄液導入部12aをシーリング部材でシールしても良い。また、シーリング部材の他、必要に応じて先述のキャップ部材を採用することも考えられる。
また、システム洗浄ポート12においては、上述した、リザーバー8と同様に、システム洗浄ポート12の上端の洗浄液導入部12aの上部と、上部カバー4の天板の開口部4bとは離間して配置され、本構成であれば、薬液又は洗浄液導入時に誤操作が発生した場合や、開口部4bが地面方向に向いた場合でも薬液又は洗浄液が加圧式医薬品注入器1の外部へと漏出することが防止可能である。
さらに、上部カバー4によって、リザーバー8やシステム洗浄ポート12への直接の衝撃を緩和する効果も増大する。
以上、図4~6を用いて本発明の加圧式医薬品注入器1について説明したが、医療現場で使用に適するような設計変更がされても良い。例えば、携帯性を向上させるためにフィルター14を除くことで、第1チューブを流量制御管11に連結して第2チューブと無くしてもよい。また、フィルター14をリザーバー8に一体に設けても良い。また、加圧式医薬品注入器1全体の形状を留置する場所に合わせてより平坦なものや細長いものとすることも可能である。
また、さらに他の例として、システム洗浄ポート12の洗浄液導入部12a配置を、例えば外装ケース2に設け、外装ケース2に開口部を設けることで、洗浄液導入部12aと薬液充填口8aとを離れた場所に配置することで、より軽量小型化にすることも考えられる。その他、システム洗浄ポート12の洗浄液導入部12aの衛生状態の維持のために、洗浄液導入部12aを含むシステム洗浄ポート12を略密閉空間内に配置する方法も考えられる。
従来の加圧式医薬品注入器では、システム洗浄時、洗浄液注入のためにチューブ接続等の切り替えが必要であり、薬液への曝露や感染の危険性があった。本発明の加圧式医薬品注入器1は上述したように、外装ケース2及び上部カバー4とで形成される略密閉空間内に、システム洗浄ポート12を備えるものであり、本構成により、チューブ接続等の切り替えの必要性がなく、また、チューブやフィルター等を全て内包した一つのユニットとして薬液充填及び洗浄液注入が可能となる。チューブ巻き付け部10は一定空間において、損傷なく密に任意の長さのチューブを配置可能とする。
以上の本願発明の加圧式医薬品注入器1について説明したが、部材の配置形状大きさについては、薬品及び医療機器として使用に適したものであり、日々進化する医療に対応すべく一般的な範囲での改変が可能であることは言うまでもないであろう。
2 外装ケース
4 上部カバー
6 天板
8 リザーバー
8d 薬液排出口
10 チューブ巻き付け部
12 システム洗浄ポート
14 輸液フィルター
20 薬液連結管
50 バルーン

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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