JP2023028394A - 静止電磁機器 - Google Patents

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雄一郎 田中
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Abstract

【課題】板状導電材を巻回した巻線を適用した変圧器等の静止電磁電器において,該巻線に交流電流が流れる際に発生する漏洩磁界が,該板状導電材を鎖交して生じる渦電流損失を低減させる方法を提供する。【解決手段】鉄心2と,該鉄心2の磁脚部の周囲に板状導電材30を巻回した第1の巻線31と,該第1の巻線31の外側に板状導電材30を巻回した第2の巻線32からなる静止電磁機器1において,該板状導電材30の上下端部4の厚さを,端部に向かって連続的に減少させ,該板状導電材30の上下端部4に,巻回方向に対して一定,または不等間隔で切り込み5を備える。【選択図】図3

Description

本発明は,変圧器等の静止電磁機器を構成する鉄心に巻回された,板状導電材からなる巻線から発生する漏洩磁界に起因する渦電流損失の低減技術に関する。
電力系統における送配電電圧の変換,および2系統の電線間の電気的絶縁に用いられる変圧器等の静止電磁機器は,鉄を主成分とする方向性珪素鋼板,アモルファス合金,ナノ結晶合金等の導電性軟磁性材料,あるいはフェライト等の非導電性軟磁性材料により構成された鉄心の磁脚部に,高圧側と低圧側の2系統の巻線が巻回されている。これらの巻線に交流電流が流れる際には,周囲に漏洩磁界が発生し,これが巻線を鎖交して渦電流が生じることにより発熱し,電力の損失(渦電流損失)が生じる。
静止電磁機器への新たな構造の追加や,巻線の構成の変更により,上述した渦電流損失を低減させる技術が開示されている。例えば特許文献1には,鉄心と鉄心脚に巻かれたコイルからなる静止電磁機器において,該コイルの上方同士および下方同士を共通して覆うように配置されるシールドを備え,コイルからの漏洩磁界により発生する渦電流損失を低減する技術が開示されている。また特許文献2では,巻線の上端部および下端部に導体を切り欠いた切り欠け部が形成されて,漏洩磁界による渦電流損失を低減させる技術が開示されている。
特開2019-67993号公報 特開2016-157915号公報
特許文献1で開示されている技術では,静止誘導機器の巻線の上方と下方に,巻線部を覆うシールド材を備える必要があるため,静止誘導機器の重量,コストが増加する課題がある。また,特許文献2で開示されている技術は,巻線内で漏洩磁界が特に集中する箇所の導電材を選択的に除去して構成するものである。よって該巻線の巻数を一定に保つためには,漏洩磁界が集中しない箇所に導電材を新たに巻回する必要があるため,該巻線が大形化する可能性がある。さらに,例えば板状の導電材を巻回して構成される巻線の場合,該導電材の内部に発生する渦電流損失は低減されない課題がある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本発明は上記課題を解決するため,例えば特許請求の範囲に記載された構成を採用する。本願は上記課題を解決する複数の手段を含んでいるが,その一例を挙げるならば,鉄心と,その磁脚部の周囲に板状導電材を巻回した第1の巻線と,その外側に巻回した第2の巻線からなる静止電磁機器において,該板状導電材の上下端部の厚さを,端部に向かって連続的に減少させたこと,を特徴とする。
また,板状導電材の上下端部に一定,または不等間隔で切り込みを備えるのがよい。
また,板状導電材の上下端部の厚さを,端部に向かって連続的に減少させ,かつ,該板状導電材の上下端部に一定,または不等間隔で切り込みを備えるのがよい。
なお,板状導電材の上下端部の厚さを,端部に向かって連続的に減少させる構成は,該板状導電材の表裏両面に適用してもよいし,表裏のどちらか一方のみに適用してもよい。
なお,板状導電材の上下端部の厚さを,一定の値に薄くしてもよい。
なお,上記の構造を適用した板状導電材から構成される巻線は,鉄心の磁脚部の周囲に巻回された第1の巻線と,その外側に巻回された第2の巻線の両方に適用してもよいし,前記第1の巻線のみに上記の構造を適用し,前記第2の巻線には,リッツ線,平角線等の,従来の導電材を適用してもよい。
なお,上記の構造を板状導電材に適用するために,該板状導電材を研磨してもよいし,圧延してもよい。
なお,静止電磁機器の鉄心は鉄を主成分とする方向性珪素鋼板,アモルファス合金,ナノ結晶合金等の導電性軟磁性材料,あるいはフェライト等の非導電性軟磁性材料により構成され,第1の巻線および第2の巻線は,銅,アルミニウム,または両材料の組み合わせにより構成するのがよい。
本発明の構成によれば,板状導電材を巻回した巻線を適用した変圧器等の静止電磁電器において,該巻線に交流電流が流れる際に発生する漏洩磁界が,該板状導電材を鎖交して生じる渦電流損失が低減され,静止電磁電器の電力損失が低減する効果を奏する。なお,本発明の構成は,周波数が1kHzを超える高周波電流が巻線に流れる,高周波変圧器において特に好適である。
本発明の第1の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。 本発明の第2の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。 本発明の第3の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。 本発明の効果を説明するために設計した変圧器の上面図。 本発明の効果を説明するために設計した変圧器の正面図。 本発明の効果を説明するために設計した変圧器の巻線の縦断面図。 本発明の効果を説明するために設計した第1の実施例の板状導電材の寸法図。 本発明の効果を説明するために設計した第3の実施例の板状導電材の寸法図。 本発明の効果を説明するために設計した変圧器の巻線損失の周波数特性の比較図。 本発明の第4の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。 本発明の第5の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。 本発明の第6の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。 比較例を示す,静止電磁機器の斜視図と巻線の縦断面図。
以下,本発明の複数の実施例を,図面を用いて詳細に説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
本発明の第1の実施例の構成と効果について,図1と図10(比較例)を比較しながら説明する。図1は、第1の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。図10は比較例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。
図1と図10において、単相静止電磁機器1、1rは,鉄心2、2rの磁脚部2a、2b,2ar、2brの周囲に第1の巻線31、31rが巻回され,さらに第1の巻線31、31rの外側に,第2の巻線32、32rが巻回され,両巻線31、31r,32、32rには,互いに逆向きの交流電流が流れる。特に周波数が1kHz以上の交流電流が流れる高周波変圧器の場合,単相静止電磁機器1、1rの2つの巻線31、31r,32、32rは,表皮効果,および近接効果による電気抵抗の増加を抑制するため,比較例は図10の(a)に示したように板状導電材30rで構成したり,図10の(b)に示したように,絶縁材で被覆された複数の細線を撚ったリッツ線32arで構成したり,あるいは両者を組み合わせて構成される。
比較例(図10の(a))で用いられる板状導電材30rは,電流密度を高くできるので,巻線31r,32rおよび静止電磁機器1rが小形化できる一方,漏洩磁界が該板状導電材30rを鎖交して生じる渦電流損失に起因する電力損失が大きくなる。これに対してリッツ線32arで生じる渦電流損失は,板状導電材30rに比べて抑制されるため,静止電磁機器1rの電力損失が低減される一方,リッツ線32arは絶縁材で被覆された複数の細線から構成されているため電流密度が低く,巻線31r,32rおよび静止電磁機器1rが大形化する。かつ,リッツ線32ar自体の価格が高く,電極と接続させるための工数が多いので,静止電磁機器1rのコストが高くなる。
本実施例は図1に示したように,該板状導電材30の上下の端部4の厚さを,端部4の先端側に向かって減少させ,断面形状をナイフ様とする。加工方法は,銅,あるいはアルミニウム製の板状導電材30を研磨,または圧延するのが好適である。高周波変圧器の巻線を流れる高周波電流により生じる漏洩磁界が,該板状導電材30を鎖交して発生する渦電流損失は,前記高周波電流の周波数が高いほど,上下の端部4に集中する特性がある。また,前記渦電流損失は,漏洩磁界が鎖交する該板状導電材30の厚さに比例して増加する特性がある。本実施例は,これら2つの電磁気学的特性に基づき考案されたもので,該板状導電材30内で,渦電流が集中する上下の端部4の厚さを選択的に薄くすることで,該板状導電材30で発生する渦電流損失を効果的に低減させることができる。
本発明の第2の実施例の構成と効果について,図2を用いて説明する。実施例1の説明にて述べたものと同一の記号については,その説明を省略する。
図2は本発明の第2の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。本実施例では,巻線31と32を構成する板状導電材30の上下の端部4に,巻回方向に対して一定,または不定間隔(または、不等間隔)で切り込み5を設ける。本実施例の構成により,該板状導電材30内の渦電流が流れる経路長が長尺化し,渦電流損失が低減する効果が得られる。
本発明の第3の実施例の構成と効果について,図3から図6を用いて説明する。
図3は本発明の第3の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。本実施例では,前記第1の実施例と同様に,板状導電材30の上下の端部4の厚さを,端部4の先端側に向かって減少させ,断面形状をナイフ様とするとともに,前記第2の実施例と同様に,該板状導電材30の上下の端部4に,巻回方向に対して一定,または不定間隔(不等間隔)で切り込み5を設ける。本実施例の構成により,第1,および第2の実施例と比較して,さらに渦電流損失が低減する効果が得られる。
次に,本実施例の適用による静止電磁機器の巻線で発生する損失の低減効果を,電力容量500kVAの単相高周波変圧器を例にとり,有限要素法による電磁界解析の計算結果を示しながら説明する。図4A,図4B,図4Cは,上記単相高周波変圧器の形状と寸法を示したものであり,図4Aは上面図,図4Bは正面図,そして図4Cは,図4B中にBで示した平面における巻線の縦断面図である。該高周波変圧器の鉄心2は,例えば、(株)日立金属製の2605HB1Mアモルファス薄帯を積層し,環状に成型したものを利用できる。静止電磁機器1の鉄心2は鉄を主成分とする方向性珪素鋼板,アモルファス合金,ナノ結晶合金等の導電性軟磁性材料,あるいはフェライト等の非導電性軟磁性材料により構成するのがよい。また、第1の巻線31および第2の巻線32は,銅,アルミニウム,または両材料の組み合わせにより構成するのがよい。該鉄心2の磁脚部2a,2bには,銅の抵抗率を持つ板状導電材30で構成された第1の巻線31と,第2の巻線32を,2か所に分けて重ねて巻回している。なお,前記2つの巻線31,32の巻数は,それぞれ1か所あたり15回,2か所を合わせた合計値は30回である。該第1の巻線31の電極には,実効値208A,周波数100Hzから10kHzの正弦波電流源を接続し,該第2の巻線32の電極を短絡した際に,前記2つの巻線31,32で発生する損失値を,表皮効果と近接効果による増加分,および漏洩磁界に起因する渦電流損失による増加分を考慮して計算した。
図5A、図5Bに示したのは,本発明の2つの実施例1,3を施した板状導電材30の寸法図である。図5Aは第1の実施例、図5Bは第3の実施例を適用した図である。下記の一覧は,以上説明した図4A、図4B,図4C、図5Aおよび図5B中に示した寸法の記号と意味,および各寸法値(mm)の一覧である。
一覧
記号:意味:寸法値(mm)
a:鉄心の厚さ:90
b:鉄心の幅:213
c:巻線の厚さ:78
d1:巻線と鉄心の距離:35
d2:巻線同士の距離:40
d3:巻線端部と鉄心の距離:50
d:第1,第2巻線の距離:20
ds:板状導電材間の距離:1
t:板状導電材の厚さ:0.5
h:板状導電材の高さ:200
h1:上下端部の厚さ変更部の高さ:5
t1:板状導電材の最薄部の厚さ:0.04
L:切り込みの長さ:10
S:切り込みの幅:1
G:切り込みの間隔:20
ここで、上下端部4の厚さ変更部の高さh1は板状導電材30の厚さtと比較して大きくされている(h1>t)。この様に、h1>tの関係とすることにより、漏洩磁界が鎖交する導体の厚さが減り,渦電流による損失を効果的に減少させることができる。
図6は,以上説明した高周波変圧器の巻線で発生する損失の計算値の,周波数に対する依存性を比較した図である。60は図10の(a)に示した,比較例の板状導電材30rで構成した巻線で発生する損失を示す。そして61は図5Aに示した,板状導電材30の上下の端部4の先端部から5mm(h1に対応する)の領域の厚さを,端部4の先端部に向かって連続的に減少させた,第1の実施例(図1参照)を適用した巻線31,32の損失を,62は図5Bに示した,前記第1の実施例に加えて,板状導電材30の上下の端部4に,一定間隔で切り込み5を備えた,第3の実施例(図3参照)を適用した巻線31,32の損失を示す。本発明の2つの実施例を適用した巻線の損失61および62は,ともに1kHz以上の周波数範囲で,比較例を適用した巻線の損失60より低減される。例えば周波数3kHzにおいて,比較例の結果60と比較して,第1の実施例を適用した巻線の損失61は14%,第3の実施例を適用した巻線の損失62は19%,それぞれ低減される効果が得られる。
図7は本発明の第4の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。本実施例では,該板状導電材30の上下の端部4の片面のみの厚さを,端部4の先端部に向かって減少(一方の任意の面を薄肉化)させ,断面形状をナイフ様とするとともに,前記第2の実施例と同様に,該板状導電材30の上下の端部に,巻回方向に対して一定,または不定間隔(不等間隔)で切り込み5を設ける。板状導電材30の上下の端部4を研磨,または圧延することにより、板状導電材30の上下の端部4の先端部の形状を加工することができる。本実施例の構成により,前記第3の実施例と同様に,渦電流損失が低減する効果が得られる。また,図7中に示した切り込み5を設けない構成でも,前記第1の実施例と同様の,渦電流損失の低減効果が得られる。
端部4の先端部の断面形状は、拡大して示すように、板状導電材30の断面形状において左辺側が端部4の先端部に向かって減少する第1形状71、または、右辺側が端部4の先端部に向かって減少する第2形状72とされてもよい。巻線31,32の端部4の先端部のすべてが第1形状71とされる場合、巻線31,32の端部4の先端部のすべてが第2形状72とされる場合、巻線31の端部4の先端部が第1形状71または第2形状72の一方とされ巻線32の端部4の先端部が第1形状71または第2形状72の他方とされる場合なども、同様な効果を得ることができる。さらに、板状導電材30の上側の端部の先端部が第1形状71または第2形状72の一方とされ、板状導電材30の下側の端部の先端部が第1形状71または第2形状72の他方とされてもよい。
図8は本発明の第5の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。本実施例では,板状導電材30の上下の端部4の厚さを,上下の端部4において両面を薄肉化することで、一定の値に減少させて断面形状を段状とするとともに,前記第2の実施例と同様に,該板状導電材30の上下の端部4に,巻回方向に対して一定,または不定間隔で切り込み5を設ける。板状導電材30の上下の端部4を研磨,または圧延することにより、板状導電材30の上下の端部4の先端部の形状を加工することができる。本実施例の構成により,前記第3,および第4の実施例と同様に,渦電流損失が低減する効果が得られる。また,図8中に示した切り込み5を設けない構成でも,前記第1の実施例と同様の,渦電流損失の低減効果が得られる。
端部4の先端部の断面形状は、拡大して示すように、端部4の厚さtを,一定の値t1に左右の辺側から均等に減少させて断面形状を段状にした第1形状81の他、端部4の厚さtを,一定の値t1に左辺側を減少させて断面形状を段状にした第2形状82、あるい、端部4の厚さtを,一定の値t1に右辺側を減少させて断面形状を段状にした第3形状83とされてもよい。
巻線31,32の端部4の先端部のすべてが第2形状82とされる場合、巻線31,32の端部4の先端部のすべてが第3形状83とされる場合でも、同様な効果を得ることができる。
また、巻線31の端部4の先端部の形状と巻線32の端部4の先端部の形状とを異ならせてもよい。つまり、巻線31の端部4の先端部のすべての形状を第1形状81、第2形状82および第3形状83から選択された1つの形状とし、巻線32の端部4の先端部のすべての形状を、前記選択された1つの形状と異なる第1形状81、第2形状82および第3形状83から選択された他の1つの形状とされてもよい。この場合も、同様な効果を得ることができる。
また、巻線31(又は巻線32)の上側の端部4の先端部の形状と、巻線31(又は巻線32)の下側の端部4の先端部の形状とを異ならせてもよい。上側の端部4の先端部の形状を第1形状81、第2形状82および第3形状83から選択された1つの形状とし、下側の端部4の先端部の形状を前記選択された1つの形状と異なる第1形状81、第2形状82および第3形状83から選択された他の1つの形状とする。この場合も、同様な効果を得ることができる。
図9は本発明の第6の実施例を示す,静止電磁機器の斜視図と,斜視図中Aで示した面における巻線の縦断面図である。本実施例では,鉄心2の磁脚部に巻回された第1の巻線31を板状導電材30で構成し,該板状導電材30の上下の端部4の厚さを,第1の実施例と同様に端部に向かって減少させ,断面形状をナイフ様とする。さらに,第1の巻線31の外側に巻回される第2の巻線32を,従来から用いられるリッツ線32aで構成する。
2系統の巻線から構成される変圧器において,第1の巻線を流れる電流は第2の巻線を流れる電流より大きいのが一般的である。本実施例のように,第1の巻線31のみに本発明を適用した,電流密度を高くできる板状導電材30を適用し,第2の巻線32に,渦電流損失が抑制できるリッツ線32aを適用することで,静止電磁機器の電力損失の低減と,小形化,低コスト化の効果を得ることができる。また,第2の巻線32に,平角線等の従来の導電材を用いても,該巻線に流れる電流が小さいので,発生する渦電流損失は,第1の巻線31に比べて小さいので,静止電磁機器の電力損失の低減効果は得ることができる。
なお,本実施例では,第1の巻線31に,第1の実施例と同様の構造を適用しているが,第4,第5の実施例の構造を適用しても,同等の効果が得られる。さらに,図9には図示していないが,巻線31の板状導電材30の上下の端部4に,図3で説明したように、巻回方向に対して一定,または不定間隔で切り込み5を設ければ,渦電流損失がさらに低減される効果は当然得られる。
以上説明した複数の実施例は本発明の構成を限定するものではなく,任意の複数の実施例を組み合わせても,本発明が提供する効果は同様に得られる。また,本明細書で示した実施例は,いずれも単相変圧器をひとつの例として示したが,三相変圧器,および単相,三相リアクトル等の,他の形態の静止電磁機器に対しても,本発明の効果は同様に得られる。
1:静止電磁機器
2:鉄心
30:板状導電材
31:第1の巻線
32:第2の巻線
32a:リッツ線
4:板状導電材の端部
5:切り込み
60:比較例の巻線損失の周波数特性
61:第1の実施例の巻線損失の周波数特性
62:第3の実施例の巻線損失の周波数特性

Claims (9)

  1. 鉄心と,
    前記鉄心の磁脚部の周囲に板状導電材を巻回した第1の巻線と,
    該第1の巻線の外側に板状導電材を巻回した第2の巻線と、を有し、
    該板状導電材の上下の端部の厚さを,前記端部に向かって連続的に減少させたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  2. 鉄心と,
    前記鉄心の磁脚部の周囲に板状導電材を巻回した第1の巻線と,
    該第1の巻線の外側に板状導電材を巻回した第2の巻線と、を有し、
    該板状導電材の上下端部に,巻回方向に対して一定,または不等間隔で切り込みを備えたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  3. 鉄心と,
    前記鉄心の磁脚部の周囲に板状導電材を巻回した第1の巻線と,
    該第1の巻線の外側に板状導電材を巻回した第2の巻線と、を有し、
    該板状導電材の上下端部の厚さを,端部に向かって連続的に減少させ,
    該板状導電材の上下端部に,巻回方向に対して一定,または不等間隔で切り込みを備えたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  4. 請求項1および請求項3のいずれか一項に記載の静止電磁機器において,
    前記板状導電材の上下端部の厚さを,一定の値に薄くして,断面形状を段状としたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  5. 請求項4に記載の静止電磁機器において,
    前記板状導電材の上下端部の厚さを,該板状導電材の上下端部の両面を薄肉化することにより,端部に向かって連続的に減少させ,または一定の値に薄くして断面形状を段状としたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  6. 請求項1および請求項3のいずれか一項に記載の静止電磁機器において,
    前記板状導電材の上下端部の厚さを,該板状導電材の一方の任意の面を薄肉化することにより,端部に向かって連続的に減少させ,または、一定の値に薄くして断面形状を段状としたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  7. 請求項1および請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の静止電磁機器において,
    前記板状導電材の上下端部の厚さを,該板状導電材を研磨,または圧延することにより,端部に向かって連続的に減少させ,または一定の値に薄くして断面形状を段状としたこと,を特徴とする静止電磁機器。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の静止電磁機器において,
    前記第1の巻線の外側に巻回された前記第2の巻線を,該板状導電材から、平角線,またはリッツ線に変更して構成したこと,を特徴とする静止電磁機器。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の静止電磁機器において,
    前記鉄心は、鉄を主成分とする方向性珪素鋼板,アモルファス合金,ナノ結晶合金等の導電性軟磁性材料,あるいはフェライト等の非導電性軟磁性材料により構成され,
    前記第1の巻線および前記第2の巻線は,銅,アルミニウム,または両材料の組み合わせにより構成されたこと,を特徴とする静止電磁機器。
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