JP2023027836A - 膜分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の膜カートリッジを直列接続して装置形状の大型化等を抑制し、直列接続した複数の膜カートリッジの接続部分からの液体の漏洩を抑制する膜分離装置を提供する。【解決手段】油水分離装置1は、密閉容器2と、筒状を呈しかつ直列に接続される状態で密閉容器2に取り付けられる複数の膜カートリッジ4と、複数の膜カートリッジ4の両端に配される第一端板5及び第二端板6と、複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の一方に取り付けられて、隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分をシールする少なくとも一つのリング状のガスケット7と、複数の膜カートリッジ4をそれぞれの液体流路40の中心軸が同一直線状に位置するように整列させる芯出し手段8と、第二端板6を第一端板5側に押し付けた状態で固定して第一端板4及び第二端板5の間で複数の膜カートリッジ4を挟んで保持する固定手段9と、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、例えば下廃水等の液体に混ざった所定の物質を当該液体から分離するための膜分離装置に関し、複数の膜カートリッジを直列に接続した構造に特徴がある膜分離装置に関する。
この種の膜分離装置として、油水分離装置は、例えば船舶におけるビルッジ水等の水にグリース等の油が混ざった油水混合液から油分を分離する処理を行う装置である。油水分離装置は、コアレッサーと呼ばれる膜カートリッジを備えており、油水混合液がコアレッサーを通過することにより、油水混合液中に混濁する油滴がコアレッサーに捕捉され、捕捉された油滴同士が結合して粗粒化する。その結果、粗粒化した油滴がコアレッサーから脱離した後に浮力を増して油水分離装置内を浮上することにより、油分が油水混合液から分離する。
油水分離装置における油分の分離性能を向上するためには、装置設置面積あたりの膜面積を大きくする必要がある。ここで、膜カートリッジは、製造上、大きさ(長さや外径)の限界が概ね決まっており、長さなどを簡単に変更することができない。そのため、上述の膜面積を増加させるには、装置内に収納する膜カートリッジの数を増やす必要がある。複数の膜カートリッジを装置内に収納するに際しては、例えば特許文献1のように、複数の膜カートリッジを並列に配置するのが一般的であるが、これでは装置形状が大型化するため、装置が占拠する床面積が大きくなるうえ、メンテナンス時に複数の膜カートリッジを脱着する際に膜カートリッジごとに脱着する必要があるため、作業に要する労力及び時間がかかるなどの課題がある。
複数の膜カートリッジを装置内に収納するに際して、幾つかの膜カートリッジを直列接続すれば、装置形状の大型化を抑制できる。しかし、直列接続した複数の膜カートリッジ同士の連結方法が確立されておらず、接続部分からの液体の漏洩が懸念される。
本発明は、複数の膜カートリッジを直列に接続した構造を有する油水分離装置等の膜分離装置であって、上記課題を解消できる膜分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、液体に混ざった所定の物質を当該液体から分離する膜分離装置に関する。本発明の膜分離装置は、密閉容器と、内部に液体流路を有するように筒状を呈し、かつ直列に接続される状態で前記密閉容器に取り付けられる複数の膜カートリッジと、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの両端に配される第一端板及び第二端板と、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの一方に取り付けられて、隣り合う二つの前記膜カートリッジの接続部分をシールする少なくとも一つのリング状のガスケットと、直列に接続される複数の前記膜カートリッジを、それぞれの前記液体流路の中心軸が同一直線状に位置するように整列させる芯出し手段と、前記第二端板を前記第一端板側に押し付けた状態で固定して前記第一端板及び前記第二端板の間で直列に接続される複数の前記膜カートリッジを挟んで保持する固定手段と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の膜分離装置において好ましくは、記第一端板には、前記第二端板に向かって互いに平行に延びる少なくとも三本の棒状部材が設けられ、少なくとも三本の前記棒状部材が前記芯出し手段を構成し、少なくとも三本の前記棒状部材は、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの周囲に近接するように前記第一端板に周方向に等間隔をあけて配置されており、前記固定手段は、前記棒状部材と、前記第一端板側に押し付けられた前記第二端板を前記棒状部材に固定する固定具と、で構成される、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、前記第一端板に前記第二端板に向かって延びるとともに直列に接続される複数の前記膜カートリッジの内部に嵌挿される内管を設け、前記内管が前記芯出し手段を構成し、前記内管は、前記第一端板側の端が開口し、前記第二端板側の端は閉塞され、その周壁に複数の通液孔が形成され、かつ、前記開口から内部に液体が導入される、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、前記内管の前記第二端板側の端面には前記第二端板を貫通する棒状部材が突き出ており、前記固定手段は、前記棒状部材と、前記第一端板側に押し付けられた前記第二端板を前記棒状部材に固定する固定具と、で構成される、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの間に連結具が介在しており、少なくとも一つの前記連結具が前記芯出し手段を構成し、前記連結具は、隣り合う二つの前記膜カートリッジの内部に嵌挿される筒状部と、前記筒状部の外周面から突き出て隣り合う二つの前記膜カートリッジの間に挟まれる突出部と、を含む、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの一方の前記膜カートリッジの端面に前記ガスケットが取り付けられており、前記ガスケットには内側に筒状のガイドが一体形成されており、少なくとも一つの前記ガイドが前記芯出し手段を構成し、前記ガイドは、隣り合う二つの前記膜カートリッジの他方の前記膜カートリッジの内部に嵌挿される、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの一方の前記膜カートリッジの端面から連結管が突き出ており、少なくとも一つの前記連結管が前記芯出し手段を構成し、前記連結管は、隣り合う二つの前記膜カートリッジの他方の前記膜カートリッジの内部に嵌挿される、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、前記連結管の外周面と、前記連結管が嵌挿される前記膜カートリッジの内周面との間に前記ガスケットが設けられる、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の膜分離装置において好ましくは、油水分離装置である、ことを特徴とするように構成することができる。
本発明の膜分離装置によれば、複数の膜カートリッジを直列接続することで装置形状の大型化等を抑制することができるうえ、直列接続した複数の膜カートリッジの接続部分からの液体の漏洩を抑制することができる。
膜分離装置の概要
本開示の膜分離装置は、不純物を含む液体を例えばろ過膜等の選択性を持つ膜(隔壁)に通すことにより、液体に混ざった所定の物質を当該液体から分離する装置である。本開示の膜分離装置は、複数の膜カートリッジを直列に接続した構造に特徴がある。以下、本開示の膜分離装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本開示の膜分離装置は、不純物を含む液体を例えばろ過膜等の選択性を持つ膜(隔壁)に通すことにより、液体に混ざった所定の物質を当該液体から分離する装置である。本開示の膜分離装置は、複数の膜カートリッジを直列に接続した構造に特徴がある。以下、本開示の膜分離装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
以下の実施形態では、膜分離装置が油水分離装置である例を説明している。なお、本開示の膜分離装置は油水分離装置には限定されず、膜を用いて不純物を含む液体から所定の物質を分離する装置に広く適用することができる。
油水分離装置(膜分離装置の一実施形態)の全体構成の説明
図1は、本開示の一実施形態の油水分離装置1の概略構成を示す。油水分離装置1は、例えば船舶におけるビルッジ水等の水にグリース等の油が混ざった廃水から油分を分離する処理を行う。処理対象の液体(被処理液)は、船舶で発生するビルッジ水に限らず、一般家庭・ビル・飲食店等からの排水や、各種工場等からの廃液、さらに事故等により油が流出した河川・海洋等の水等の油水混合液についても、油分と水分に分離する処理を行うことができる。油水分離装置1は、密閉容器2と、被処理液から油分を分離するための少なくとも一つのフィルターユニット3と、を備える。フィルターユニット3は、密閉容器2に取り外し可能に取り付けられる。
図1は、本開示の一実施形態の油水分離装置1の概略構成を示す。油水分離装置1は、例えば船舶におけるビルッジ水等の水にグリース等の油が混ざった廃水から油分を分離する処理を行う。処理対象の液体(被処理液)は、船舶で発生するビルッジ水に限らず、一般家庭・ビル・飲食店等からの排水や、各種工場等からの廃液、さらに事故等により油が流出した河川・海洋等の水等の油水混合液についても、油分と水分に分離する処理を行うことができる。油水分離装置1は、密閉容器2と、被処理液から油分を分離するための少なくとも一つのフィルターユニット3と、を備える。フィルターユニット3は、密閉容器2に取り外し可能に取り付けられる。
密閉容器の説明
図1から図3に示すように、密閉容器2は、円形筒状の周壁部20と、周壁部20の下端開口を塞ぐ底部21と、周壁部20の上端開口を塞ぐ上蓋部22と、を含む。周壁部20には、円形筒状の取付部23が外周面から水平に突き出るように設けられている。取付部23は、密閉容器2の内部にフィルターユニット3を横向きに挿入及び取り出し可能である。取付部23はフィルターユニット3の数に応じて周壁部20に設けられ、本実施形態では一つであるが複数であってもよい。
図1から図3に示すように、密閉容器2は、円形筒状の周壁部20と、周壁部20の下端開口を塞ぐ底部21と、周壁部20の上端開口を塞ぐ上蓋部22と、を含む。周壁部20には、円形筒状の取付部23が外周面から水平に突き出るように設けられている。取付部23は、密閉容器2の内部にフィルターユニット3を横向きに挿入及び取り出し可能である。取付部23はフィルターユニット3の数に応じて周壁部20に設けられ、本実施形態では一つであるが複数であってもよい。
取付部23の先端部にはフランジが設けられており、フランジには周方向に沿って等しい間隔をあけて複数の貫通孔24が形成されている。取付部23からは、一対のガイドレール25が密閉容器2の内部に向かって水平方向に互いに平行に延びており、その終端は取付部23と反対側の周壁部20の近傍に位置している。一対のガイドレール25は、取付部23の内面の底に間隔をあけて設けられた一対の支持部26に固定されている。一対のガイドレール25は、取付部23を介して密閉容器2の内部にフィルターユニット3を横向きに挿入又は取り出す際にフィルターユニット3を下方より支持する。なお、ガイドレール25は少なくとも二つあればよく、ガイドレール25が三つ以上であっても構わない。
被処理液は、フィルターユニット3の導液部53からフィルターユニット3の内部に供給され、フィルターユニット3を通過した後に密閉容器2の内部に供給される。導液部53には流路及び開閉弁V1が接続されており、開閉弁V1が開くことにより被処理液が導液部53からフィルターユニット3の内部に供給される。
周壁部20には、フィルターユニット3の上方の位置に、フィルターユニット3を通過した被処理液から浮上分離した油分を密閉容器2から排出するための円形筒状の排出部27が設けられている。排出部27には流路及び開閉弁V2が接続されており、開閉弁V2が開くことにより油分が排出部27から密閉容器2の外部に排出される。
周壁部20には、底部22のすぐ上方の位置に、油分が分離して油分濃度が低下した処理済の液体(処理液)を密閉容器2から排出するための円形筒状の排出部28が設けられている。排出部28には流路及び開閉弁V3が接続されており、開閉弁V3が開くことにより処理液が排出部28から密閉容器2の外部に排出される。
周壁部20には、底部22のすぐ上方の位置であって排出部28とは周方向の異なる位置に、底部22に沈殿した水分及びスラッジ等のドレンを密閉容器2から排出するための円形筒状の排出部29が設けられている。排出部29には流路及び開閉弁V4が接続されており、開閉弁V4が開くことによりドレンが排出部29から密閉容器2の外部に排出される。
フィルターユニットの説明
図4及び図5に示すように、フィルターユニット3は、直列に接続される複数の筒状の膜カートリッジ4と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の両端に配備される第一端板5及び第二端板6と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の一方に取り付けられて、当該隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分をシールする複数のリング状のガスケット7と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を整列させる芯出し手段8と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を第一端板5及び第二端板6の間に固定する固定手段9と、を備える。
図4及び図5に示すように、フィルターユニット3は、直列に接続される複数の筒状の膜カートリッジ4と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の両端に配備される第一端板5及び第二端板6と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の一方に取り付けられて、当該隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分をシールする複数のリング状のガスケット7と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を整列させる芯出し手段8と、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を第一端板5及び第二端板6の間に固定する固定手段9と、を備える。
膜カートリッジの説明
図4から図6及び図9に示すように、膜カートリッジ4は、内部に液体流路40を有するように筒状を呈している。膜カートリッジ4には、一方側の端の開口から液体流路40に被処理液が供給される。膜カートリッジ4の液体流路40に供給された被処理液は、後述のフィルター部材41を通って膜カートリッジ4の外側に排出されるうえ、膜カートリッジ4の他方側の端の開口から膜カートリッジ4の外側に排出され得る。
図4から図6及び図9に示すように、膜カートリッジ4は、内部に液体流路40を有するように筒状を呈している。膜カートリッジ4には、一方側の端の開口から液体流路40に被処理液が供給される。膜カートリッジ4の液体流路40に供給された被処理液は、後述のフィルター部材41を通って膜カートリッジ4の外側に排出されるうえ、膜カートリッジ4の他方側の端の開口から膜カートリッジ4の外側に排出され得る。
膜カートリッジ4は、被処理液から所定の物質を分離するためのフィルター部材41と、フィルター部材41を補強する外側及び内側の補強部材42,43と、フィルター部材41及び二つの補強部材42,43をひとかたまりにする一対のカバー部材44と、を含む。
フィルター部材41は、本実施形態では、被処理液がフィルター部材41を通過する間に被処理液中に混濁する油滴を捕捉し、油滴同士を結合して粗粒化させることで油滴径を大きくする機能を有する。粗粒化した油滴は浮力が増加するため、フィルター部材41から膜カートリッジ4の外側に脱離した後に密閉容器2内を浮上することにより密閉容器2の頂部に溜まって被処理液から分離する。密閉容器2の頂部に溜まった油分は排出部27から密閉容器2の外部に排出される。
フィルター部材41は、例えば織布、不織布、編物等の繊維集合体からなるシートを所定の厚さとなるように円筒状に巻いた筒状体、好ましくはプリーツが周方向に複数重ねて形成されるように円筒状に巻いた筒状体により構成することができる。繊維集合体を構成する繊維としては、特に限定されず、天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。フィルター部材41の目の大きさ(目開き)は特に限定されるものではなく、被処理液中の油滴を捕捉するのに好適な大きさとされる。なお、フィルター部材41は、上述した繊維集合体で形成された筒状体に限定されず、従来からこの種の膜分離装置に用いられる種々の公知のフィルター部材を構成するものを用いることができる。
外側補強材42は、フィルター部材41よりも大きい円形筒状を呈している。外側補強材42は、その内部にフィルター部材41が嵌挿されており、外側補強材42の内面がフィルター部材41の外面と接触している。内側補強材43はフィルター部材41よりも小さい円形筒状を呈している。内側補強材43は、フィルター部材41の内部に嵌挿されており、内側補強材43の外面がフィルター部材41の内面と接触している。二つの補強材42,43は、例えば金属製であり、被処理液を通過させるための複数の貫通孔がその全域に等しい間隔をあけて形成されている。
一対のカバー部材44は、フィルター部材41及び二つの補強部材42,43の両側の端部に取り付けられる。一対のカバー部材44は、円盤状の覆い部45及び円筒状の嵌合部46を含む。覆い部45にフィルター部材41及び二つの補強部材42,43の端面が突き当てられた状態で嵌合部46の内側にフィルター部材41及び二つの補強部材42,43の端部が嵌め込まれることにより、フィルター部材41及び二つの補強部材42,43が一対のカバー部材44によってひとかたまりにされる。覆い部45には中央位置に流通孔47が形成されている。流通孔47は、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の液体流路40を連通している。
外側及び内側の補強部材42,43と一対のカバー部材44の素材は特に限定されないが、金属等を用いることができる。
第一端板及び第二端板の説明
図4から図9に示すように、第一端板5は直列に接続される複数の膜カートリッジ4の一方側の端に配され、第二端板6は直列に接続される複数の膜カートリッジ4の他方側の端に配される。
図4から図9に示すように、第一端板5は直列に接続される複数の膜カートリッジ4の一方側の端に配され、第二端板6は直列に接続される複数の膜カートリッジ4の他方側の端に配される。
第一端板5は円形状を呈しており、その直径は膜カートリッジ4の直径よりも大きくて、密閉容器2の取付部23のフランジの直径とほぼ同じ大きさである。第一端板5の外周縁近傍には、外周縁に沿って等間隔をあけて複数の貫通孔50が形成されている。第一端板5は、密閉容器2の取付部23のフランジに重ね合わせた状態で両者の貫通孔24,50にボルト(図示せず)を通してナット(図示せず)で締め付けることで、取付部23に固定される。
第二端板6は円形状を呈しており、その直径は膜カートリッジ4の直径よりも大きくて、第一端板5の直径よりも小さい。第二端板6は、後述する固定手段9により、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を第一端板5との間に挟んだ状態で第一端板5と連結される。直列に接続される複数の膜カートリッジ4は、第一端板5及び第二端板6によって挟持される。
第二端板6には、外周縁に一対の切欠き60が形成されている。一対の切欠き60は、フィルターユニット3を密閉容器2に取り付ける際に、それぞれ対応する密閉容器2のガイドレール25を受け入れることにより、第二端板6を各ガイドレール25上で摺動させながらフィルターユニット3を密閉容器2の内部に挿入できるとともにフィルターユニット3の周方向の回転を規制する役割を果たす。切欠き60の形状は、上述した役割を果たすことができれば、種々の形状を採用することができる。
第一端板5及び第二端板6の外側面(互いに対向する側の面と反対側の面)には、それぞれ取っ手51,61が設けられている。フィルターユニット3を密閉容器2に取り付ける際に、作業者は取っ手51,61を掴むことで、フィルターユニット3の扱いが容易となり、作業し易くなる。
第一端板5の中央位置には貫通孔52が形成されている。貫通孔52の直径は膜カートリッジ4の内径と同じ又は当該内径よりも小さい。貫通孔52は第一端板5に液体流路40と同心円状となるように形成される。第一端板5の外側面には貫通孔52の周囲に円形筒状の導液部53が貫通孔52と同心円状になるように設けられている。導液部53の内径は貫通孔52の直径と同じ又は大きい。
フィルターユニット3は、被処理液が導液部53から貫通孔52を介して第一端板5と隣り合う膜カートリッジ4の液体流路40に導入され、第二端板6と隣り合う膜カートリッジ4の液体流路40まで、順次、直列に並ぶ各膜カートリッジ4の液体流路40に被処理液が導入される。そして、被処理液は、内側補強材43の複数の貫通孔からフィルター部材41に伝わり、フィルター部材41を内周面から外周面に向かって通過後に外側補強材42の複数の貫通孔から膜カートリッジ4の外側の密閉容器2内に排出される。
ガスケットの説明
図4から図6に示すように、ガスケット7は、その内径が膜カートリッジ4の内径よりも大きくかつその外径が膜カートリッジ4の外径と同じ又は当該外径よりも小さいリング状を呈している。
図4から図6に示すように、ガスケット7は、その内径が膜カートリッジ4の内径よりも大きくかつその外径が膜カートリッジ4の外径と同じ又は当該外径よりも小さいリング状を呈している。
ガスケット7は、直列に接続される複数の膜カートリッジ4のそれぞれについて、膜カートリッジ4の一方側の端面(本実施形態では一方のカバー部材44の外側面)に液体流路40と同心円状になるように配置され、当該膜カートリッジ4に固定されている。また、ガスケット7は、第一端板5の内側面(第二端板6と対向する側の面)に、液体流路40と同心円状をなす貫通孔52と同心円状になるように配置され、当該第一端板5に固定されている。これら複数のガスケット7により、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の間(接続部分)、並びに、第一端板5及び第二端板6とこれに隣り合う膜カートリッジ4との間(接続部分)がシールされるため、それぞれの接続部分において、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の各液体流路40からフィルター部材41を通過することなく膜カートリッジ4の外側に被処理液が漏れるのが抑制される。
ガスケット7は、特に限定されるものではなく、この種の膜分離装置に用いられる種々の公知のガスケット(例えば断面円形のOリング、偏平なガスケット等)を用いることができる。
芯出し手段の説明
図4、図5及び図7から図9に示すように、芯出し手段8は、第一端板5及び第二端板6の間で直列に接続される複数の膜カートリッジ4をそれぞれの液体流路40の中心軸が同一直線状に位置する、言い換えれば複数の膜カートリッジ4の軸芯が一致するように整列させる。複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際にそれぞれの膜カートリッジ4の軸芯がずれた状態で接続されると、接続部分においてガスケット7によるシールを精度よくできずに液体流路40から被処理液の漏洩が生じ得る。本実施形態では、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に芯出し手段8によってそれぞれの膜カートリッジ4の軸芯が一致した状態となるように整列させており、これにより、接続部分におけるガスケット7のシール精度を上げて、液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制している。
図4、図5及び図7から図9に示すように、芯出し手段8は、第一端板5及び第二端板6の間で直列に接続される複数の膜カートリッジ4をそれぞれの液体流路40の中心軸が同一直線状に位置する、言い換えれば複数の膜カートリッジ4の軸芯が一致するように整列させる。複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際にそれぞれの膜カートリッジ4の軸芯がずれた状態で接続されると、接続部分においてガスケット7によるシールを精度よくできずに液体流路40から被処理液の漏洩が生じ得る。本実施形態では、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に芯出し手段8によってそれぞれの膜カートリッジ4の軸芯が一致した状態となるように整列させており、これにより、接続部分におけるガスケット7のシール精度を上げて、液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制している。
芯出し手段8は、本実施形態では、第一端板5から第二端板6まで延びる少なくとも三本(本実施形態では四本)の棒状部材80により構成されている。少なくとも三本の棒状部材80は互いに並行である。棒状部材80は一方側の端部の外周面に雄ねじ(図示せず)が形成されている。
第一端板5の内側面には、膜カートリッジ4の周囲となる位置に、内周面に雌ねじ(図示せず)が形成された複数(本実施形態では四つ)の筒状の連結部81が膜カートリッジ4の周方向に沿って間隔をあけて設けられている。棒状部材80の一方側の端部が第一端板5の連結部81にネジ結合により連結されることで、棒状部材80が第一端板5から延びている。なお、棒状部材80は連結部81を介することなく溶接等で第一端板5に設けられていてもよいし、第一端板5に一体形成されていてもよい。第二端板6には、膜カートリッジ4の周囲となる位置であって第一端板5の複数の連結部51と対向する位置に、複数(本実施形態では四つ)の貫通孔(図示せず)が膜カートリッジ4の周方向に間隔をあけて形成されている。
複数の棒状部材80は、第一端板5の貫通孔52と同心円状をなす仮想円上に等間隔をあけて配置されている。複数の棒状部材80は、膜カートリッジ4の周囲に配置されるが、膜カートリッジ4に近接して配置されている。なお、近接とは、棒状部材80が膜カートリッジ4の少なくとも一部に当たって接している状態、又は、直接に当たってはいないが僅かな隙間をあけて膜カートリッジ4のすぐ近くに位置している状態を指す。
第一端板5から延びる四本の棒状部材80をガイドにして複数の膜カートリッジ4を四本の棒状部材80の内側領域に挿入した後、四本の棒状部材80の他方側の端部を第二端板6の四つの貫通孔(図示せず)に通して第二端板6と第一端板5とで複数の膜カートリッジ4を挟む。これにより、複数の膜カートリッジ4を軸芯が一致した整列状態で直列に接続することができ、これに伴って、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の接続部分に介在したガスケット7が当該接続部分においてシールを正確に行うことができる適正位置に配備される。よって、前記接続部分においてガスケット7によるシールが精度よく行われて液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。なお、第一端板5及び第二端板6とこれに隣り合う膜カートリッジ4との接続部分においても、ガスケット7がシールを正確に行うことができる適正位置に配備されるため、前記接続部分においてもガスケット7によるシールが精度よく行われて液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。
固定手段の説明
図4、図5及び図7から図9に示すように、固定手段9は、第二端板6を第一端板5側に押し付けた状態で固定して第一端板5及び第二端板6の間で直列に接続される複数の膜カートリッジ4を挟んで保持する。固定手段9は、本実施形態では、上述した芯出し手段8を構成する複数(本実施形態では四本)の棒状部材80と、第一端板5側に押し付けられた第二端板6を複数の棒状部材80に固定する複数(本実施形態では四つ)の固定具90と、で構成されている。
図4、図5及び図7から図9に示すように、固定手段9は、第二端板6を第一端板5側に押し付けた状態で固定して第一端板5及び第二端板6の間で直列に接続される複数の膜カートリッジ4を挟んで保持する。固定手段9は、本実施形態では、上述した芯出し手段8を構成する複数(本実施形態では四本)の棒状部材80と、第一端板5側に押し付けられた第二端板6を複数の棒状部材80に固定する複数(本実施形態では四つ)の固定具90と、で構成されている。
棒状部材80は、第一端板5の連結部81に連結される一方側の端部と反対の他方側の端部にも外周面に雄ねじ(図示せず)が形成されており、他方側の端部は第二端板6の貫通孔(図示せず)を通過して第二端板6から突き出ている。第二端板6から突き出る棒状部材80の他方側の端部にナット等の固定具90を装着し、第二端板6を固定具90によって第一端板5側に締め付ける。これにより、第二端板6は、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を第一端板5側に押し付けた状態で複数の棒状部材80に固定され、直列に接続される複数の膜カートリッジ4は、第一端板5及び第二端板6の間に保持される。
棒状部材80の素材は特に限定されないが、金属等を用いることができる。固定具90は、必ずしもナットを用いる必要はなく、第二端板6を第一端板5側に押し付けた状態で棒状部材80に固定できるものであれば、種々の公知のものを用いることができる。
密閉容器に対するフィルターユニットの取付方法の説明
まず、フィルターユニット3を組み立てる。第一端板5に対して、複数の棒状部材80をガイドにして複数の膜カートリッジ4を一つずつ位置決めしながらセットすることで複数の膜カートリッジ4を直列に整列させる。そして、第二端板6を、その複数の貫通孔(図示せず)に複数の棒状部材80の他方側の端部を通すことにより、第一端板5に対して位置決めしながらセットし、第一端板5及び第二端板6で複数の膜カートリッジ4を挟む。そして、複数の棒状部材80の他方側の端部に固定具90を装着し、固定具90によって第二端板6を第一端板5側に締め付けた状態で第二端板6を複数の棒状部材80に固定する。これにより、第一端板5及び第二端板6の間で複数の膜カートリッジ4が保持される。
まず、フィルターユニット3を組み立てる。第一端板5に対して、複数の棒状部材80をガイドにして複数の膜カートリッジ4を一つずつ位置決めしながらセットすることで複数の膜カートリッジ4を直列に整列させる。そして、第二端板6を、その複数の貫通孔(図示せず)に複数の棒状部材80の他方側の端部を通すことにより、第一端板5に対して位置決めしながらセットし、第一端板5及び第二端板6で複数の膜カートリッジ4を挟む。そして、複数の棒状部材80の他方側の端部に固定具90を装着し、固定具90によって第二端板6を第一端板5側に締め付けた状態で第二端板6を複数の棒状部材80に固定する。これにより、第一端板5及び第二端板6の間で複数の膜カートリッジ4が保持される。
次に、フィルターユニット3を密閉容器2の取付部23から内部へと挿入する。この際に、第二端板6の一対の切欠き51にそれぞれガイドレール25が入るようにして第二端板6を一対のガイドレール25上に載せ、第二端板6を一対のガイドレール25上を摺動させながらフィルターユニット3を押し込む。これにより、取付部23から密閉容器2の内部にフィルターユニット3を挿入し易くなる。そして、第一端板5を取付部23のフランジに固定することで、フィルターユニット3は、各膜カートリッジ4の液体流路40が水平方向に延びる横向きで密閉容器2に取り付けられる。
油水分離装置(膜分離装置の一実施形態)の作用効果の説明
上述した本実施形態の油水分離装置1によれば、密閉容器2に複数の膜カートリッジ4を取り付け可能なため、装置の設置面積あたりの膜面積を大きくすることができる。よって、油水分離装置1における油分の分離性能を向上することができる。さらに、複数の膜カートリッジ4が直列に接続されているため、並列に配置されている場合よりも装置形状を小型化することができる。よって、装置が占拠する床面積を減らすことができる。そのうえ、装置のメンテナンス時等において密閉容器2に対して複数の膜カートリッジ4をまとめて脱着することができるため、作業が容易となり、作業に要する労力及び時間を低減することができる。
上述した本実施形態の油水分離装置1によれば、密閉容器2に複数の膜カートリッジ4を取り付け可能なため、装置の設置面積あたりの膜面積を大きくすることができる。よって、油水分離装置1における油分の分離性能を向上することができる。さらに、複数の膜カートリッジ4が直列に接続されているため、並列に配置されている場合よりも装置形状を小型化することができる。よって、装置が占拠する床面積を減らすことができる。そのうえ、装置のメンテナンス時等において密閉容器2に対して複数の膜カートリッジ4をまとめて脱着することができるため、作業が容易となり、作業に要する労力及び時間を低減することができる。
また本実施形態の油水分離装置1によれば、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に、芯出し手段8により複数の膜カートリッジ4をそれぞれの軸芯が一致した状態で整列させることができ、固定手段9によりこの整列状態で複数の膜カートリッジ4を保持することができる。そのため、ガスケット7をそれぞれの膜カートリッジ4に対して所望のシールを達成できる適正位置に予め配備しておくことで、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分において各液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。
変形例の説明
以上、本開示の膜分離装置の一実施形態について説明したが、本開示の膜分離装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。なお、以下に説明する本開示の膜分離装置の他の実施形態において、上記実施形態と同一の構成については、同一の符号を付することで詳細な説明は省略する。
以上、本開示の膜分離装置の一実施形態について説明したが、本開示の膜分離装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。なお、以下に説明する本開示の膜分離装置の他の実施形態において、上記実施形態と同一の構成については、同一の符号を付することで詳細な説明は省略する。
例えば上記実施形態では、第一端板5及び第二端板6を連結する複数の棒状部材80を直列に接続される複数の膜カートリッジ4の周囲に近接させて配置することにより、複数の棒状部材80によって直列に接続される複数の膜カートリッジ4を整列させている。他の実施形態として、複数の棒状部材80を直列に接続される複数の膜カートリッジ4の周囲に離間させて配置し、複数の棒状部材80は単に第一端板5及び第二端板6を連結するだけで直列に接続される複数の膜カートリッジ4を整列させず、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を整列させる部材を別に用いてもよい。つまり、複数の棒状部材80は固定手段9を構成するが芯出し手段8は構成せず、別の部材が芯出し手段8を構成してもよい。
例えば図10及び図11に示すように、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の間に連結具82を介在させて、少なくとも一つの連結具82を芯出し手段8の構成要素とすることができる。連結具82は、隣り合う二つの膜カートリッジ4の各液体流路40に嵌挿される筒状部83と、筒状部83の外周面から突き出て隣り合う二つの膜カートリッジ4の間に挟まれる突出部84と、を含む。連結具82の素材は特に限定されないが、金属、合成樹脂、硬質ゴム等を用いることができる。
筒状部83は、その外径が膜カートリッジ4の内径と同じ又は当該内径よりも僅かに小さい円筒状を呈している。筒状部83は、膜カートリッジ4の端部において膜カートリッジ4の内部に嵌め込まれ、中空内部により隣り合う二つの膜カートリッジ4の液体流路40を連通する。筒状部83の厚みや長さは膜カートリッジ4の内部に嵌め込み可能であれば特に限定されないが、厚みは強度が十分であれば薄いほうが好ましい。
突出部84は、その外径が膜カートリッジ4の内径よりも大きくかつガスケット7の内径よりも小さい円盤状を呈している。突出部84が膜カートリッジ4の端面に当接することで、連結具82は隣り合う二つの膜カートリッジ4の間の定位置に保持される。突出部84の厚みや外径は隣り合う二つの膜カートリッジ4の間に挟み込み可能であれば特に限定されないが、厚みは強度が十分であれば薄いほうが好ましい。なお、突出部84は必ずしも円盤である必要はなく、複数の板状部(図示せず)が筒状部83の外周面から周方向に等間隔に突き出ていてもよい。
図10及び図11に示す実施形態の油水分離装置1においても、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に、連結具82により複数の膜カートリッジ4をそれぞれの軸芯が一致した状態で整列させることができ、固定手段9によりこの整列状態で複数の膜カートリッジ4を保持することができる。そのため、ガスケット7をそれぞれの膜カートリッジ4に対して所望のシールを達成できる適正位置に予め配備しておくことで、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分において各液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。
その他に、図12から図14に示すように、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の間に介在するガスケット7について、当該ガスケット7の内側に筒状のガイド85を一体形成して、少なくとも一つのガイド85を芯出し手段8の構成要素とすることができる。ガイド85は、隣り合う二つの膜カートリッジ4のガスケット7及びガイド85が取り付けられていない方の膜カートリッジ4の液体流路40に嵌挿される。
ガイド85は、その外径が膜カートリッジ4の内径と同じ又は当該内径よりも僅かに小さい円筒状を呈している。ガイド85は、膜カートリッジ4の端部において膜カートリッジ4の内部に嵌め込まれ、中空内部により隣り合う二つの膜カートリッジ4の液体流路40を連通する。ガイド85の厚みや長さは膜カートリッジ4の内部に嵌め込み可能であれば特に限定されないが、厚みは強度が十分であれば薄いほうが好ましい。
図12から図14に示す実施形態の油水分離装置1においても、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に、ガイド85により複数の膜カートリッジ4をそれぞれの軸芯が一致した状態で整列させることができ、固定手段9によりこの整列状態で複数の膜カートリッジ4を保持することができる。そのため、ガスケット7をそれぞれの膜カートリッジ4に対して所望のシールを達成できる適正位置に予め配備しておくことで、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分において各液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。
なお、図12から図14に示す実施形態では、第一端板5の内側面に取り付けられたガスケット7、及び、第二端板6に隣り合う膜カートリッジ4の端面に取り付けられたガスケット7についてもガイド85が一体形成されている。第一端板5に取り付けられたガスケット7のガイド85は、その外径が膜カートリッジ4の内径よりも小さい円筒状を呈し、液体流路40と同心円状をなす貫通孔52と同心円状になるように第一端板5の内側面に配置され、第一端板5に隣り合う膜カートリッジ4の液体流路40に嵌挿される。第二端板6には内側面(第一端板5と対向する側の面)に凹部63が形成されている。第二端板6に隣り合う膜カートリッジ4に取り付けられたガスケット7のガイド85は、その外径が凹部63の径よりも小さい円筒状を呈し、当該膜カートリッジ4の端面に液体流路40と同心円状になるように配置され、第二端板6の凹部63に嵌挿される。ただし、第一端板5に取り付けられたガスケット7、及び、第二端板6に隣り合う膜カートリッジ4に取り付けられたガスケット7は必ずしもガイド85が一体形成されている必要はない。
その他に、図15から図18に示すように、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の一方の膜カートリッジ4の端面に連結管86を当該端面から突き出るように設けて、少なくとも一つの連結管86を芯出し手段8の構成要素とすることができる。連結管86は、隣り合う二つの膜カートリッジ4の連結管86が設けられていない方の膜カートリッジ4の液体流路40に嵌挿される。
連結管86は、その外径が膜カートリッジ4の内径よりも小さい円筒状を呈している。連結管86は、膜カートリッジ4の端面に液体流路40と同心円状になるように配置されている。連結管86の外周面には、リング状のガスケット7が取り付けられている。連結管86は、膜カートリッジ4の端部において膜カートリッジ4の内部にガスケット7を介して嵌め込まれ、中空内部により隣り合う二つの膜カートリッジ4の液体流路40を連通する。連結管86の厚みや長さは膜カートリッジ4の内部に嵌め込み可能であれば特に限定されないが、厚みは強度が十分であれば薄いほうが好ましい。連結管86の素材は特に限定されないが、金属、合成樹脂、硬質ゴム等を用いることができる。
図15から図18に示す実施形態の油水分離装置1においても、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に、連結管86により複数の膜カートリッジ4をそれぞれの軸芯が一致した状態で整列させることができ、固定手段9によりこの整列状態で複数の膜カートリッジ4を保持することができる。そのため、ガスケット7をそれぞれの膜カートリッジ4に対して所望のシールを達成できる適正位置に予め配備しておくことで、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分において各液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。
なお、図15から図18に示す実施形態では、第一端板5の内側面、及び、第二端板6に隣り合う膜カートリッジ4の端面にも連結管86が設けられ、当該連結管86の外周面にはリング状のガスケット7が取り付けられている。第一端板5に設けられる連結管86は、その外径が膜カートリッジ4の内径よりも小さい円筒状を呈し、液体流路40と同心円状をなす貫通孔52と同心円状になるように第一端板5の内側面に配置され、第一端板5に隣り合う膜カートリッジ4の液体流路40にガスケット7を介して嵌挿される。第二端板6には内側面に凹部63が形成されている。第二端板6に隣り合う膜カートリッジ4に設けられた連結管86は、その外径が凹部63の径よりも小さい円筒状を呈し、当該膜カートリッジ4の端面に液体流路40と同心円状になるように配置され、第二端板6の凹部63にガスケット7を介して嵌挿される。ただし、第一端板5、及び、第二端板6に隣り合う膜カートリッジ4には必ずしも連結管86が設けられている必要はない。
図15から図18に示す実施形態では、リング状のガスケット7は、連結管86の外周面に取り付けられているが、上記実施形態と同様に、第一端板5の内側面及び膜カートリッジ4の端面に取り付けられていてもよい。この場合、連結管86はその外径が膜カートリッジ4の内径と同じ又は当該内径よりも僅かに小さい円筒状を呈する。
その他に、図19から図22に示すように、第一端板5に第二端板6に向かって延びる内管87を設けて、内管87を芯出し手段8の構成要素とすることができる。内管87は、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の各液体流路40に嵌挿される。内管87は、その外径が膜カートリッジ4の内径と同じ又は当該内径よりも僅かに小さい円筒状を呈している。
内管87の厚みや長さは直列に接続される複数の膜カートリッジ4の内部に嵌め込み可能であれば特に限定されないが、厚みは強度が十分であれば薄いほうが好ましい。内管87の素材は特に限定されないが、金属、合成樹脂、硬質ゴム等を用いることができる。
内管87は、第一端板5の内側面の貫通孔52の周囲に貫通孔52と同心円状になるように設けられている。内管87の第一端板5側の端は開口し、当該開口が第一端板5の貫通孔52に隣接して導液部53と連通している。内管87の第二端板6側の端は閉塞し、第二端板6側の端は第二端板6の近傍に位置している。内管87の周壁にはその軸方向及び周方向に沿って間隔をあけて複数の通液孔88が形成されている。被処理液は、導液部53から内管87の第一端板5側の端の開口を通って内管87の内部に導入され、複数の通液孔88を通って内管87の周囲の膜カートリッジ4のフィルター部材40に供給される。
図19から図22に示す実施形態の油水分離装置1においても、複数の膜カートリッジ4を直列に接続する際に、内管87により複数の膜カートリッジ4をそれぞれの軸芯が一致した状態で整列させることができ、固定手段9によりこの整列状態で複数の膜カートリッジ4を保持することができる。そのため、ガスケット7をそれぞれの膜カートリッジ4に対して所望のシールを達成できる適正位置に予め配備しておくことで、直列に接続される複数の膜カートリッジ4の隣り合う二つの膜カートリッジ4の接続部分において各液体流路40からの被処理液の漏洩を抑制することができる。
図19から図22に示す実施形態において、固定手段9は、上記実施形態と同様、複数の棒状部材80及び複数の固定具90を構成要素とすることができるが、これに代えて、内管87の第二端板6側の端面から突き出る少なくとも一つ(本実施形態では一つ)の棒状部材91と、第一端板5側に押し付けられた第二端板6を棒状部材91に固定する少なくとも一つ(本実施形態では一つ)の固定具92と、を固定手段9の構成要素にしてもよい。
棒状部材91は、第二端板6の中央位置の貫通孔64を貫通して先端部が第二端板6から突き出ており、第二端板6から突き出る先端部の外周面に雄ねじ93が形成されている。棒状部材91の先端部にナット等の固定具92を装着し、第二端板6を固定具92によって第一端板5側に締め付ける。これにより、第二端板6は、直列に接続される複数の膜カートリッジ4を第一端板5側に押し付けた状態で棒状部材91に固定され、直列に接続される複数の膜カートリッジ4は、第一端板5及び第二端板6の間に保持される。
棒状部材91の素材は特に限定されないが、金属等を用いることができる。固定具92は、必ずしもナットを用いる必要はなく、第二端板6を第一端板5側に押し付けた状態で棒状部材91に固定できるものであれば、種々の公知のものを用いることができる。
なお、上述した全ての実施形態の芯出し手段8や固定手段9はあくまでも一例であり、芯出し手段8や固定手段9は例示した構成のものに限定されない。
その他の実施形態として、図示は省略するが、フィルターユニット3は、各膜カートリッジ4の液体流路40が鉛直方向に延びる縦向きで密閉容器2に取り付けることができる。
その他の実施形態として、図示は省略するが、密閉容器2に複数の取付部23を設け、複数のフィルターユニット3を密閉容器2に並列に取り付けることができる。
1 油水分離装置(膜分離装置)
2 密閉容器
3 フィルターユニット
4 膜カートリッジ
5 第一端板
6 第二端板
7 ガスケット
8 芯出し手段
9 固定手段
40 液体流路
80 棒状部材
82 連結具
83 筒状部
84 突出部
85 ガイド
86 連結管
87 内管
88 通液孔
90 固定具
91 棒状部材
92 固定具
2 密閉容器
3 フィルターユニット
4 膜カートリッジ
5 第一端板
6 第二端板
7 ガスケット
8 芯出し手段
9 固定手段
40 液体流路
80 棒状部材
82 連結具
83 筒状部
84 突出部
85 ガイド
86 連結管
87 内管
88 通液孔
90 固定具
91 棒状部材
92 固定具
Claims (9)
- 液体に混ざった所定の物質を当該液体から分離する膜分離装置であって、
密閉容器と、
内部に液体流路を有するように筒状を呈し、かつ直列に接続される状態で前記密閉容器に取り付けられる複数の膜カートリッジと、
直列に接続される複数の前記膜カートリッジの両端に配される第一端板及び第二端板と、
直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの一方に取り付けられて、隣り合う二つの前記膜カートリッジの接続部分をシールする少なくとも一つのリング状のガスケットと、
直列に接続される複数の前記膜カートリッジを、それぞれの前記液体流路の中心軸が同一直線状に位置するように整列させる芯出し手段と、
前記第二端板を前記第一端板側に押し付けた状態で固定して前記第一端板及び前記第二端板の間で直列に接続される複数の前記膜カートリッジを挟んで保持する固定手段と、
を備える膜分離装置。 - 前記第一端板には、前記第二端板に向かって互いに平行に延びる少なくとも三本の棒状部材が設けられ、少なくとも三本の前記棒状部材が前記芯出し手段を構成し、
少なくとも三本の前記棒状部材は、直列に接続される複数の前記膜カートリッジの周囲に近接するように前記第一端板に周方向に等間隔をあけて配置されており、
前記固定手段は、前記棒状部材と、前記第一端板側に押し付けられた前記第二端板を前記棒状部材に固定する固定具と、で構成される、請求項1に記載の膜分離装置。 - 前記第一端板に前記第二端板に向かって延びるとともに直列に接続される複数の前記膜カートリッジの内部に嵌挿される内管を設け、前記内管が前記芯出し手段を構成し、
前記内管は、前記第一端板側の端が開口し、前記第二端板側の端は閉塞され、その周壁に複数の通液孔が形成され、かつ、前記開口から内部に液体が導入される、請求項1に記載の膜分離装置。 - 前記内管の前記第二端板側の端面には前記第二端板を貫通する棒状部材が突き出ており、
前記固定手段は、前記棒状部材と、前記第一端板側に押し付けられた前記第二端板を前記棒状部材に固定する固定具と、で構成される、請求項3に記載の膜分離装置。 - 直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの間に連結具が介在しており、少なくとも一つの前記連結具が前記芯出し手段を構成し、
前記連結具は、隣り合う二つの前記膜カートリッジの内部に嵌挿される筒状部と、前記筒状部の外周面から突き出て隣り合う二つの前記膜カートリッジの間に挟まれる突出部と、を含む、請求項1に記載の膜分離装置。 - 直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの一方の前記膜カートリッジの端面に前記ガスケットが取り付けられており、
前記ガスケットには内側に筒状のガイドが一体形成されており、少なくとも一つの前記ガイドが前記芯出し手段を構成し、
前記ガイドは、隣り合う二つの前記膜カートリッジの他方の前記膜カートリッジの内部に嵌挿される、請求項1に記載の膜分離装置。 - 直列に接続される複数の前記膜カートリッジの隣り合う二つの前記膜カートリッジの一方の前記膜カートリッジの端面から連結管が突き出ており、少なくとも一つの前記連結管が前記芯出し手段を構成し、
前記連結管は、隣り合う二つの前記膜カートリッジの他方の前記膜カートリッジの内部に嵌挿される、請求項1に記載の膜分離装置。 - 前記連結管の外周面と、前記連結管が嵌挿される前記膜カートリッジの内周面との間に前記ガスケットが設けられる、請求項7に記載の膜分離装置。
- 前記膜分離装置が油水分離装置である、請求項1~8のいずれかに記載の膜分離装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240523 |