JP2023026283A - ポリエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状オリゴマーの含有量が低減され、成形体としたときの透明性に優れるポリエステル樹脂を提供する。【解決手段】テレフタル酸とエチレングリコールとを主たる構成成分として含むポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂において、全グリコール成分中の、エチレングリコールのエーテル化物の合計の含有量が4.0~40.0モル%であり、環状オリゴマーの含有量が0.7質量%以下である。カルボキシル末端基量が20.0eq/t以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂およびその製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル樹脂は、機械的特性、化学的特性に優れており、広範な分野、例えば、衣料用や産業資材用の繊維、包装用や磁気テープ用等のフィルムまたはシート、中空成形品であるボトル、電気・電子部品のケーシング、その他エンジニアリングプラスチック成形品等において使用されている。
ポリエチレンテレフタレートは、例えばテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主たる成分とするエステル化物を、重縮合触媒の存在下で重合することで得られる。このようにして製造されたポリエステルは、環状オリゴマー(エチレンテレフタレートの環状2量体~環状10量体)が含有されることから、繊維や成形体、フィルムとした場合の品質が低下するという問題がある。
前記問題を解決するために、従来から種々の方法が検討されている。例えば、特許文献1では、エステル化工程または溶融重縮合工程で、重縮合触媒由来の金属とそれ以外の特定の金属原子とを添加し、環状オリゴマーの生成を抑制している。
特開平8-283393号公報
特許文献1においては、樹脂中の環状オリゴマー量は低減されているが、再溶融すると、環状オリゴマー量が増加し、成形体とした際に透明性に劣るものとなる。繊維とした際には、染色斑の原因となったり、加工時にガイドやヒーターにオリゴマーが付着・蓄積することで切糸などのトラブルを引き起こす。再溶融後の環状オリゴマー量を低減させるための処理を行うことは可能であるが、別途の処理を行うことは工程的に望ましくない。さらに近年では、環境負荷を低減するために、金属触媒を用いずに得られたポリエステル樹脂が望まれている。
本発明の目的は、環状オリゴマー量の生成量が抑制され、成形体としたときには透明性に優れ、繊維としたときには染色斑や加工時の切糸が抑制されるポリエステル樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討の結果、テレフタル酸とエチレングリコールとを主たる構成成分として含むポリエステル樹脂であって、環状オリゴマー量が低減され、成形体としたときの透明性に優れるポリエステル樹脂を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)テレフタル酸とエチレングリコールとを主たる構成成分として含むポリエステル樹脂であって、全グリコール成分中の、エチレングリコールのエーテル化物の合計の含有量が4.0モル%以上であり、環状オリゴマーの含有量が0.7質量%以下であるポリエステル樹脂。
(2)カルボキシル末端基量が20.0eq/t以上である、(1)のポリエステル樹脂。
(3)環状オリゴマーと非環状オリゴマーとの合計の含有量が1.6質量%以下である、(1)または(2)のポリエステル樹脂。
(4)ジエチレングリコールの含有量が全グリコール成分中2.5モル%以上である、(1)~(3)の何れかのポリエステル樹脂。
(5)トリエチレングリコールの含有量が全グリコール成分中0.1~5.5モル%である、(1)~(4)の何れかのポリエステル樹脂。
(6)テトラエチレングリコールの含有量が全グリコール成分中0.0モル%を超え2.0モル%以下である、(1)~(5)の何れかのポリエステル樹脂。
(7)トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールの含有量が合計で7モル%以下である、(1)~(6)の何れかのポリエステル樹脂。
(8)硫黄成分の含有量が1~500ppmである、(1)~(7)の何れかのポリエステル樹脂。
(9)厚さ1mmの成形体を用いて測定したヘイズが5%以下である、(1)~(8)の何れかのポリエステル樹脂。
(10)(1)~(9)の何れかのポリエステル樹脂からなる、成形体。
(11)(1)~(9)の何れかのポリエステル樹脂からなる、繊維。
(12)(1)~(9)の何れかのポリエステル樹脂からなる、フィルム。
(13)(1)~(9)の何れかのポリエステル樹脂を製造する方法であって、ポリエステル樹脂の原料に有機スルホン酸系化合物を添加し、グリコール成分のエーテル化反応を行う工程を含む、ポリエステル樹脂の製造方法。
(14)有機スルホン酸系化合物が、2-スルホ安息香酸無水物、o-スルホ安息香酸、m-スルホ安息香酸、p-スルホ安息香酸、5-スルホサリチル酸、ベンゼンスルホン酸、o-アミノベンゼンスルホン酸、m-アミノベンゼンスルホン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸メチル、5-スルホイソフタル酸、および、これらの塩から選択される1種類以上である、(13)のポリエステル樹脂の製造方法。
本発明のポリエステル樹脂は、環状オリゴマー量が低減され、成形体としたときの透明性に優れるものである。
以下、本発明のポリエステル樹脂を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールとを主たる構成成分として含むポリエステル樹脂であり、環状オリゴマー(エチレンテレフタレートの環状2量体~環状10量体)の含有量が0.7質量%以下である。
本発明のポリエステル樹脂において、環状オリゴマーの含有量が0.7質量%以下であり、0.6質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。環状オリゴマーの含有量が0.7質量%を超えると、成形体としたときの透明性に劣るものとなる。
本発明のポリエステル樹脂は、後述のように重合触媒として有機スルホン酸系化合物を用いることで、樹脂中の環状オリゴマーの含有量を上記範囲とすることができる。
本発明において、環状オリゴマーとは、エチレンテレフタレートの環状2量体~環状10量体をいう。
環状オリゴマーと非環状オリゴマー(エチレンテレフタレートの非環状2量体~非環状10量体)との合計の含有量が1.6質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましく、1.3質量%以下であることがさらに好ましい。
エチレンテレフタレートのオリゴマーとしては、環状オリゴマーと非環状オリゴマーとがある。本発明のポリエステル樹脂においては、そのうち環状オリゴマーの含有量を、上記したように特定範囲まで低減させることで、オリゴマー全体に対する、環状オリゴマーと非環状オリゴマーの合計含有量を低減でき、その結果、成形体としたときの透明性に優れる。
本発明のポリエステル樹脂のカルボキシル末端基量は、20.0eq/t以上であることが好ましく、25.0eq/t以上であることがより好ましく、30.0eq/t以上であることがさらに好ましい。カルボキシル末端基量の上限値は、ポリエステル樹脂の加水分解を抑制する観点から、100.0eq/tであることが好ましい。
<グリコール成分>
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分として、エチレングリコールを主たる構成成分として含むとともに、エチレングリコールのエーテル化物(以下、単に「エーテル化物」という場合がある)を含む。
本発明において、エーテル化物とは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールをいい、エーテル化物の合計の含有量とは、これらの合計含有量をいう。
グリコール成分中、エーテル化物の合計の含有量が4.0モル%以上であり、5~40モル%であることが好ましく、10~35モル%であることがより好ましく、15~30モル%であることがさらに好ましい。エーテル化物の合計の含有量が4.0モル%未満であると、環状オリゴマーの含有量を0.7質量%以下とすることができない。また、エーテル化物の合計の含有量が40.0モル%を超えると、熱特性、耐候性、機械的特性が低下する場合がある。
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分として、所定量のエーテル化物を含有し、また、環状オリゴマー量が低減していることで、透明性に優れる成形体を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、エチレングリコールを主たるグリコール成分とすること、すなわち、グリコール成分におけるエチレングリコールの含有量が、50モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましく、80モル%以上であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂は、エチレングリコールの含有量が50モル%以上であることにより機械的特性にいっそう優れる成形体を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分におけるジエチレングリコールの含有量が2.5モル%以上であることが好ましく、3.0モル%以上であることがより好ましく、5.0モル%以上であることがさらに好ましく、10モル%以上であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂は、ジエチレングリコールの含有量が上記範囲であることにより、環状オリゴマーの低減効果がいっそう向上する。グリコール成分におけるジエチレングリコールの含有量の上限は、機械的特性の点から、30モル%以下であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分におけるトリエチレングリコールの含有量が0.1~5.5モル%であることが好ましく、0.2~4.0モル%であることが好ましい。トリエチレングリコールの含有量が0.1モル%未満であると、環状オリゴマーの低減効果が十分に得られない場合があり、一方、5.5モル%を超えると、熱特性、耐候性が低下する場合がある。
また、本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分におけるジエチレングリコールの含有量とトリエチレングリコールの含有量の合計が、2.6モル%以上であることが好ましく、2.6~35モル%であることがより好ましく、3.2~34モル%であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分がテトラエチレングリコールを含むことが好ましく、グリコール成分におけるテトラエチレングリコールの含有量が2.0モル%以下であることが好ましく、0.1~0.5モル%であることがより好ましい。ポリエステル樹脂は、グリコール成分におけるテトラエチレングリコールの含有量が2.0モル%を超えると、熱特性、耐候性が低下する場合がある。
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分におけるトリエチレングリコールの含有量とテトラエチレングリコールの含有量の合計が7.0モル%以下であることが好ましく、0.1~7.0モル%であることがより好ましく、0.2~7.0モル%であることがさらに好ましく、0.4~6.0モル%であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂は、グリコール成分におけるトリエチレングリコールの含有量とテトラエチレングリコールの含有量の合計が7.0モル%を超えると、機械的特性に劣る場合がある。
本発明のポリエステル樹脂において、環状オリゴマーの含有量、グリコール成分におけるエーテル化物の合計含有量を上記範囲とする方法としては、例えば、後述のポリエステル樹脂の製造方法において、重合触媒として有機スルホン酸系化合物を用いて、エチレングリコールのエーテル化反応を行う工程を含ませる方法が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、グリコール成分として、エチレングリコールと、そのエーテル化物を含むものであるが、それら以外のグリコール成分を含んでいてもよい。その具体例としては、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジエタノール、1,10-デカメチレングリコール、1,12-ドデカンジオール等に例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビスフェノール、1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p-ヒドロキシフェニル)メタン、1,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5-ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール等に例示される芳香族グリコールが挙げられる。中でも、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
<ジカルボン酸成分>
本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸を主たる構成成分として含む。ジカルボン酸成分におけるテレフタル酸の含有量が、50モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましく、80モル%以上であることが特に好ましい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸等に例示される飽和脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等に例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、5-(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ビフェニルジカルボン酸、4,4′-ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′-ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p′-ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸等に例示される芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられ、これらを併用してもよい。中でもテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(特に、2,6-ナフタレンジカルボン酸)が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、上記ジカルボン酸成分以外の多価カルボン酸成分や、ヒドロキシカルボン酸成分を含んでもよい。
<多価カルボン酸成分>
上記ジカルボン酸成分以外の多価カルボン酸成分として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3′,4′-ビフェニルテトラカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
<ヒドロキシカルボン酸成分>
ヒドロキシカルボン酸成分としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体や、ε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、β-メチル-β-プロピオラクトン、δ-バレロラクトン、グリコリド、ラクチド等の環状エステルが挙げられる。中でも、環状エステルは、ε-カプロラクトンを含有することが好ましく、特に、ポリエステル樹脂の1.0~50.0モル%であることが好ましい。
多価カルボン酸やヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物等が挙げられる。
<ヘイズ>
上記成分を含む本発明のポリエステル樹脂は、成形後において透明性に優れるものである。その指標としては、厚さ1mmの成形体を用いて測定したヘイズが5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
<機械的特性>
また、上記成分を含む本発明のポリエステル樹脂から得られた成形体は、引張特性等の機械的特性に優れるものである。その指標としては、引張破断伸度が、70%以上であることが好ましく、100%以上であることがより好ましく、180%以上であることがさらに好ましく、200%以上であることが特に好ましい。
<極限粘度>
本発明のポリエステル樹脂は、極限粘度が0.45dl/g以上であることが好ましく、0.5dl/g以上であることがより好ましく、0.6~0.8dl/gであることがさらに好ましい。極限粘度が0.45dl/g未満であると、成形体に加工した際に、十分な機械的特性が得られない場合がある。
<添加剤>
本発明のポリエステル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の重合体、制電剤、消泡剤、染色性改良剤、染料、顔料、艶消剤、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、その他の添加剤が添加されていてもよい。酸化防止剤としては、芳香族アミン系、フェノール系等の酸化防止剤が挙げられる。安定剤としては、リン酸またはリン酸エステル系等のリン系、硫黄系、アミン系等の安定剤が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、有機系、無機系または有機金属系のトナー、または蛍光増白剤等が添加されていてもよい。これにより、ポリエステル樹脂の黄み等の着色をさらに抑えることができる。または結晶性を向上させるため、ポリエチレンを初めとする他の樹脂、タルク等の無機核剤と混合されていてもよい。
本発明のポリエステル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、色調改善等の目的で、コバルト化合物が添加されていてもよい。コバルト化合物としては特に限定されないが、具体的には例えば、酢酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、それらの水和物等が挙げられる。中でも特に酢酸コバルト四水和物が好ましい。コバルト化合物の添加量は、コバルト原子として、ポリエステル樹脂に対して10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは5ppm以下であり、さらに好ましくは3ppm以下である。
本発明のポリエステル樹脂に、製造工程で発生した廃棄樹脂または市場から回収されたリサイクルポリエステル樹脂等(例えば、PETボトル等)を混合させても、劣化が少なく高品質の成形体等を得ることができる。
<ポリエステル樹脂の製造方法>
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、重合触媒として、ポリエステル樹脂の原料に有機スルホン酸系化合物を用い、グリコール成分のエーテル化反応を行う工程を含む。
本発明においては、重縮合反応を行う前に、エーテル化反応を行う工程を含むことで、ポリエステル樹脂のカルボキシル末端基量を増加させ、また環状オリゴマー含有量を低減することができる。さらに、エーテル化物の合計含有量を特定範囲とすることができる。その結果、成形体とした場合の透明性に優れるポリエステル樹脂を得ることができる。
(原料)
ポリエステル樹脂の原料としては、例えば、エチレングリコールを含むグリコール成分、テレフタル酸を含むジカルボン酸成分、グリコール成分とジカルボン酸成分とからなる低次縮合物としてのエステル化物等が挙げられる。
上記エステル化物を得る手法としては、例えば、テレフタル酸、エチレングリコ-ル、および必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去し、エステル化して、ポリエステル樹脂の原料としてのエステル化物を得る。または、テレフタル酸ジメチル、エチレングリコ-ル、および必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコ-ルを留去し、エステル交換させてエステル化物を得る。エステル化反応、エステル交換反応は1段階で行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。
ジカルボン酸、またはそのエステル誘導体1モルに対して、好ましくは1.02~2.5モル、より好ましくは1.03~1.8モルのエチレングリコ-ルが含まれたスラリーを調製し、これをエステル化反応器に連続的に供給し、エステル化物を得る。
エステル化反応は、エチレングリコ-ルが還流する条件下で、反応によって生成した水またはアルコ-ルを、精留塔で系外に除去しながら行う。エステル化反応は、複数のエステル化反応器を直列に連結した多段式装置を用いて行うことができる。
エステル化反応を多段階で行う場合、第1段階の温度は、240~270℃であることが好ましく、245~265℃であることがより好ましい。圧力は、0.2~3kg/cmGであることが好ましく、0.5~2kg/cmGであることがより好ましい。
最終段階のエステル化反応の温度は、250~290℃であることが好ましく、255~275℃であることがより好ましい。圧力は、0~1.5kg/cmGであることが好ましく、0~1.3kg/cmGであることがより好ましい。
エステル化反応を3段階以上で実施する場合には、中間段階のエステル化反応の反応条件は、上記第1段階の反応条件と最終段階の反応条件の間の条件であることが好ましい。
多段階でのエステル化反応の反応率は、各段階で滑らかに上昇させることが好ましい。
最終的にはエステル化反応率は90%以上に達することが好ましく、93%以上に達することがより好ましい。これらのエステル化反応によりエステル化物を得ることができ、その好ましい分子量は500~5000程度である。
エステル化反応においてテレフタル酸を用いる場合、テレフタル酸の酸としての触媒作用により反応が進行する。
上記のようにして得られたエステル化物に対し、重合触媒として、有機スルホン酸系化合物を添加した後、エーテル化反応を行う。その後、重縮合反応を進行させて、本発明のポリエステル樹脂を得る。
(触媒)
本発明においては、重合触媒として有機スルホン酸系化合物を用いることで、エーテル化物の合計含有量、環状オリゴマーの含有量を、本発明の範囲に制御し易くなる。その理由は、有機スルホン酸系化合物を用いると、重合反応中でのポリエステル樹脂のカルボキシル末端基量が多くなり、環状オリゴマーの生成起点となるヒドロキシ末端基が少なくなると推察されるからである。有機スルホン酸系化合物としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、m-またはp-ベンゼンジスルホン酸、1,3,5-ベンゼントリスルホン酸、o-、m-またはp-スルホ安息香酸、ベンズアルデヒド-o-スルホン酸、アセトフェノン-p-スルホン酸、アセトフェノン-3,5-ジスルホン酸、o-、m-またはp-アミノベンゼンスルホン酸、スルファニル酸、2-アミノトルエン-3-スルホン酸、フェニルヒドロキシルアミン-3-スルホン酸、フェニルヒドラジン-3-スルホン酸、1-ニトロナフタレン-3-スルホン酸、チオフェノール-4-スルホン酸、アニソール-o-スルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、o-、m-またはp-クロルベンゼンスルホン酸、o-、m-またはp-ブロモベンゼンスルホン酸、o-、m-またはp-ニトロベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼン-2,4-ジスルホン酸、ニトロベンゼン-3,5-ジスルホン酸、ニトロベンゼン-2,5-ジスルホン酸、2-ニトロトルエン-5-スルホン酸、2-ニトロトルエン-4-スルホン酸、2-ニトロトルエン-6-スルホン酸、3-ニトロトルエン-5-スルホン酸、4-ニトロトルエン-2-スルホン酸、3-ニトロ-o-キシレン-4-スルホン酸、5-ニトロ-o-キシレン-4-スルホン酸、2-ニトロ-m-キシレン-4-スルホン酸、5-ニトロ-m-キシレン-4-スルホン酸、3-ニトロ-p-キシレン-2-スルホン酸、5-ニトロ-p-キシレン-2-スルホン酸、6-ニトロ-p-キシレン-2-スルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、3,5-ジニトロベンゼンスルホン酸、o-、m-またはp-フルオロベンゼンスルホン酸、4-クロロ-3-メチルベンゼンスルホン酸、2-クロロ-4-スルホ安息香酸、5-スルホサリチル酸、4-スルホフタル酸、2-スルホ安息香酸無水物、3,4-ジメチル-2-スルホ安息香酸無水物、4-メチル-2-スルホ安息香酸無水物、5-メトキシ-2-スルホ安息香酸無水物、1-スルホナフトエ酸無水物、8-スルホナフトエ酸無水物、3,6-ジスルホフタル酸無水物、4,6-ジスルホイソフタル酸無水物、2,5-ジスルホテレフタル酸無水物、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチオン酸、シクロペンタンスルホン酸、1,1-エタンジスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸無水物、3-プロパンジスルホン酸、β-スルホプロピオン酸、イセチオン酸、ニチオン酸、ニチオン酸無水物、3-オキシ-1-プロパンスルホン酸、2-クロルエタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、β-フェニルエタンスルホン酸、α-フェニルエタンスルホン酸、クロルスルホン酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル、5-スルホサリチル酸ジメチル、4-スルホフタル酸トリメチル等、およびこれらの塩が挙げられる。中でも、汎用性の観点から、2-スルホ安息香酸無水物、o-スルホ安息香酸、m-スルホ安息香酸、p-スルホ安息香酸、5-スルホサリチル酸、ベンゼンスルホン酸、o-アミノベンゼンスルホン酸、m-アミノベンゼンスルホン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸メチル、5-スルホイソフタル酸、これらの塩などが好ましい。
有機スルホン酸系化合物は、例えば固体状、スラリー状、または水、グリコール等に溶解させた溶液として、ポリエステル原料に添加することができる。
有機スルホン酸系化合物の添加量は、その種類にもよるが、ポリエステル樹脂を構成する酸成分1モルに対して0.5×10-4~40×10-4モルとすることが好ましく、1.0×10-4~20.0×10-4モルであることがより好ましい。添加量が上記範囲より少ないと、環状オリゴマー含有量を本発明の範囲とできない場合、重合度の高いポリエステル樹脂を短時間で得ることができない場合、またエーテル化物の合計含有量が少なくなりすぎる場合がある。一方、上記範囲を超えると、ポリエステル樹脂の着色の原因となる場合がある。
有機スルホン酸系化合物の添加量を上記の範囲とすることで、得られるポリエステル樹脂の硫黄成分の含有量を、好ましくは1~500ppm、より好ましくは2~250ppm、さらに好ましくは2~50ppmとすることができる。硫黄成分の含有量が1ppm未満であると、機械的特性に劣る場合がある。一方、500ppmを超えると、成形体等としたときの強度が低下する場合や、ポリエステルの着色の原因となる場合がある。
重合触媒として、金属系触媒を用いない場合には、得られる本発明のポリエステル樹脂中の、金属系触媒由来の金属成分の含有量を少なくすることができる。金属成分の含有量が多いと、透明性に劣ったり、溶融加工時に異物が発生したりする場合がある。金属成分の含有量は、1ppm以下であることが好ましく、0.5ppm以下であることがより好ましく、0ppmであることがさらに好ましい。金属系触媒としては、例えばアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マンガン、ニッケル、コバルト等の化合物が挙げられる。
(エーテル化反応)
エーテル化反応の温度は240℃以上であることが好ましく、240~300℃であることがより好ましく、250℃~280℃であることがさらに好ましい。240℃未満であると、反応が十分に進行せず、ポリエステル樹脂中の環状オリゴマーの含有量、エーテル化物の合計含有量が特定範囲から外れることがある。エーテル化反応の温度が300℃を超えると、反応中にエステル化物の分解が進行し、得られるポリエステル樹脂は、成形体としたときの破断伸度等の機械的特性が低下することがある。
エーテル化反応の時間(加熱時間)は、5~120分間が好ましく、10~60分間であることがより好ましい。反応時間が5分未満であると、エーテル化反応が十分に進行せず、ポリエステル樹脂中の環状オリゴマーの含有量、エーテル化物の合計の含有量が特定範囲から外れることがある。反応時間が120分を超えると、反応中にエステル化物の分解が進行し、得られるポリエステル樹脂は、機械的特性が低下することがある。
エーテル化反応は、常圧または加圧下において進行させることが好ましく、その圧力は、0~3.0kg/cmGであることが好ましい。
エーテル化反応に供される原料における、グリコール成分(G)と酸成分(A)とのモル比(G/A)を調整することにより、環状オリゴマーの生成量、エチレングリコールのエーテル化物の生成量を好ましい範囲とすることができる。G/Aは1.05~3.00であることが好ましく、1.10~2.00であることがより好ましい。G/Aを調整するために、必要に応じて、ポリエステル樹脂の原料に、エチレングリコール等のグリコール成分を追加で添加してもよい。G/Aが1.05未満であると、エーテル化物の生成量が少なくなり過ぎたり、環状オリゴマーの生成量を抑制できない場合があり、一方、G/Aが3.00を超えると、エーテル化物の生成量が多くなり過ぎる場合がある。
(重合反応)
エーテル化反応の後に、重縮合反応を行って、本発明のポリエステル樹脂を得ることができる。重縮合反応としては、例えば溶融重縮合反応が挙げられる。重縮合反応は1段階で行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。
重縮合反応条件としては、特に限定されるものではないが、第1段階の重縮合反応においては、温度が250~290℃であることが好ましく、260~280℃であることがより好ましい。圧力は500~20Torrであることが好ましく、200~30Torrであることがより好ましい。
多段階の場合、最終段階の重縮合反応の温度は265~300℃であることが好ましく、275~295℃であることが好ましい。圧力は10~0.1Torrが好ましく、5~0.5Torrであることがより好ましい。3段階以上で実施する場合には、中間段階の反応条件は、第1段階と最終段階の間の反応条件とすることが好ましい。これらの各段階において重合度を滑らかに上昇させることが好ましい。
ポリエステル樹脂の重合度を増大させるために、重縮合反応後に、さらに固相重合を行ってもよい。固相重合には、従来公知の方法を採用することができる。例えば、まず固相重合に供される前のポリエステルを、不活性ガス雰囲気下または減圧下、水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下において、100~210℃の温度で1~5時間加熱して予備結晶化する。次いで、不活性ガス雰囲気下または減圧下において、190~230℃の温度で1~30時間の固相重合を行う。
また固相重合前に、ポリエステル樹脂の結晶化を促進するために、重縮合反応により得られたポリエステルを吸湿させたのち加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポリエステルチップに吹きつけて加熱結晶化させたりしてもよい。
特に、低フレーバー飲料やミネラルウォーター用の耐熱中空成形体の用途のように、アセトアルデヒドまたは環状3量体の含有量が低いことが要求される用途等に用いられるポリエステル樹脂は、溶融重縮合反応後に固相重合することが好ましい。
重縮合反応または固相重合反応には、回分式反応装置または連続式反応装置を用いることができる。重縮合反応と固相重合反応は連続で行ってもよいし、分割して行ってもよい。
重合後に、触媒の除去または塩基性化合物の添加により触媒を失活させることで、熱安定性をさらに高めることができる。
本発明のポリエステル樹脂に、他の樹脂または添加剤等を含有させる場合、添加段階は特に限定されず、添加剤の特性またはポリエステル樹脂に要求される性能に応じて選択することができる。例えば、ポリエステル樹脂の重合時もしくは重合後、またはポリエステル樹脂の成形時の任意の段階で添加することができる。
<ポリエステル樹脂の用途>
(繊維)
本発明の繊維は、本発明のポリエステル樹脂からなるものである。本発明のポリエステル樹脂を用いて繊維を得るには、常法の溶融紡糸法を採用することができ、例えば、紡糸、延伸を2ステップで行う方法、または1ステップで行う方法を採用できる。さらに、繊維に対して捲縮を付与したり、熱セットを施したり、カット工程によるステープル(短繊維)としたりすることができる。
繊維は、短繊維の場合には、紡糸操業性、抄紙用途に用いる場合の分散性を向上させるために、フィラーを含有してもよい、フィラーとしては、シリカなどの無機物または有機フィラー等が挙げられる。
また繊維は、フィラメント(長繊維)の場合には、滑り性、隠蔽性を付与するために、非金属系の艶消剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の繊維は、単繊維の全てが本発明のポリエステル樹脂で形成されている繊維のみならず、本発明のポリエステル樹脂と、それ以外のポリエステル樹脂(バージンポリエステル樹脂や他の共重合成分を含有するポリエステル樹脂など)とが複合された複合繊維であってもよい。複合繊維の形態としては、芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型のものが挙げられる。
なお、本発明の繊維に含まれる本発明のポリエステル樹脂の割合は、本発明の繊維中、30質量%以上であることが好ましく、中でも50質量%以上であることが好ましく、さらには70質量%以上であることが好ましい。本発明の繊維が複合繊維でない場合は、80質量%以上であることが好ましく、中でも90質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
本発明の繊維は、混繊、混紡等の公知の糸加工手段を採用し、加工糸としてもよい。その場合においても、本発明の繊維中に含まれるポリエステル樹脂の割合は上記範囲とすることが好ましい。
また、本発明の繊維は、異型断面糸、中空断面糸や原着糸であってもよい。
本発明の繊維は、モノフィラメントであってもよい。例えば、ストッキング、釣糸、漁網、各種ブラシ用毛材、3Dプリンター用フィラメント、漁網、人口毛髪、ラケットのガット、工業用織物、亀甲網、防鳥線、楽器弦、芯地、筆、電気工事用リード線、通信ケーブル支持材等の用途に使用することができる。
本発明の繊維は、織編物または不織布等に加工することができる。例えば、衣料用繊維、人工皮革用繊維、履物用繊維、カーテン、テーブルクロス、カーペット、ふとん綿、ファイバーフィル等に代表されるインテリア・寝装用繊維、テント等のアウトドア製品用繊維、ミシン糸、タイヤコード、ロープ等の抗張力線、土木・建築資材、エアバッグ等の車輛用資材等に代表される産業資材用繊維、各種織物、各種編物、ネット、短繊維不織布、長繊維不織布用等の各種繊維用途に使用することができる。
不織布は、単体だけでなく、例えば、不織布同士、または不織布とフィルム等との2層以上の多層積層体に積層することができる。不織布は、分離膜またはろ過材の支持体、各種フィルター、電池セパレータ、ハウスラップ等の産業資材用途をはじめ、マスク、メディカルガウン等の医療用途、衣料用途、カーペット用途、梱包用資材等、タイヤ類、ベルト類、ホース類、ターポリン等のゴム製品の補強用材料、重布類、ロープ類、網類等に用いることができる。
(成形体)
本発明のポリエステル樹脂は、中空成形体等の成形体に成形することができる。中空成形体としては、ミネラルウォーター、ジュース、ワインまたはウイスキー等の飲料容器、ほ乳瓶、瓶詰め食品容器、整髪料、化粧品等の容器、住居および食器用洗剤容器等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂の持つ衛生性、強度、耐溶剤性を活かし、耐圧容器、耐熱耐圧容器、耐アルコール容器の形態として、各種飲料用に特に好適である。
中空成形体の製造方法としては、ポリエステルチップを真空乾燥法等によって乾燥した後、押出成形機または射出成形機等の成形機を用いて成形する方法、溶融重合後の溶融体を溶融状態のまま成形機に導入して成形する直接成形方法により、有底の予備成形体を得、この予備成形体を延伸ブロー成形、ダイレクトブロー成形、押出ブロー成形するブロー成形法を採用することができる。
中空容器は、積層ボトルなどの多層構造を有するものであってもよい。例えば、ポリビニルアルコールまたはポリメタキシリレンジアミンアジペート等のガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層、リサイクルポリエステル層等を中間層として設けた多層構造が挙げられる。蒸着またはCVD(ケミカルベーパーデポジット)等の方法を用いて、アルミニウム等の金属またはダイヤモンド状カーボンの層で容器の内外を被覆することもできる。
本発明のポリエステル樹脂をホットメルトモールディング用途またはポッティング用途に用いることもできる。
なお、ホットメルトモールディング法とは、溶剤を用いることなく、樹脂を溶融し、予め工業用部品(特に電子部品)が配置された金型内に、溶融した樹脂を低圧(好ましくは0.1~3MPa)で射出注入し、前記部品のハウジングまたはケースとして樹脂の成形(いわゆるインサート成形)を行う方法をいう。
ポッティング法とは、予めハウジング内または基板上に工業用部品を置き、これに溶融した樹脂を低圧(好ましくは1MPa以下)で注入または滴下し、前記ハウジングまたは基板と前記部品とを一体化させる方法をいう。
また、本発明のポリエステル樹脂は、熱伝導性充填材を混合し、射出成形、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、シート成形など通常公知の溶融成形法を用いて所望の形状に成形して、熱伝導性の成形体とすることもできる。
熱伝導性の成形体の具体例としては、半導体素子や抵抗などの封止物、コネクタ、ソケット、コンピュータ関連部品等の電気・電子部品、家庭電気製品部品、放熱シートや電子部品からの熱を外部に逃すための放熱部材、ランプソケットなど照明器具部品、通信機器部品、印刷機関連部品、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース等の機械部品、自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品等の自動車部品、耐熱食器等の調理用器具、フェイスシールド等の衛生用品、航空機、宇宙機、宇宙機器用部品、センサー類部品等が挙げられる。
(シート)
本発明のポリエステル樹脂は、シートに成形することができる。シートは、例えば、ポリエステル樹脂を押出機からシート状物に押出すことにより製造することができる。その後、さらに真空成形、圧空成形、型押し等により加工することができる。シートの用途としては、食品用または雑貨用のトレイまたは容器、カップ、ブリスターパック、電子部品のキャリアテープ、電子部品配送用トレイ、各種カード等が挙げられる。シートにおいても、中間層としてガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層、リサイクルポリエステル層等を設けた多層構造とすることもできる。
(フィルム)
本発明のポリエステル樹脂は、フィルムに成形することができる。フィルムに成形する方法としては、例えば、ポリエステル樹脂を溶融押出し、T-ダイスより冷却回転ロール上にシート状に成形し、未延伸フィルムを作成する方法が挙げられる。また、複数の押出機を用い、共押出法により積層フィルムとし、コア層、スキン層に各種機能を分担させることもできる。
フィルムは配向されてもよい。配向されたフィルムは、例えば公知の方法を用いて、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度未満で、少なくとも一軸方向に1.1~6倍に延伸することにより製造することができる。
二軸方向に配向されたフィルムを製造する方法としては、例えば、縦方向または横方向に一軸延伸を行い、次いで直交方向に延伸する逐次二軸延伸方法や、縦方向および横方向に同時に延伸する同時二軸延伸方法が挙げられる。また、同時二軸延伸する際の駆動方法として、リニアモーターを用いる方法、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの、同一方向に数回に分けて延伸する多段延伸方法が挙げられる。延伸終了後には、フィルムの熱収縮率を低減させるために、例えば、(融点-50℃)~融点未満の温度で、30秒以内(好ましくは10秒以内)の熱固定処理を行い、0.5~10%の縦弛緩処理、横弛緩処理等を施すことが好ましい。
フィルムの厚みは、1~1000μmであることが好ましく、5~500μmであることがより好ましく、10~200μmであることがより好ましい。フィルムは、厚みが1μm未満では腰が無く、また1000μmを超えると硬すぎて、何れも取り扱いが困難となる場合がある。
フィルムの表面に、接着性、離型性、制電性、赤外線吸収性、抗菌性、耐擦り傷性等の各種機能を付与するために、例えばコーティング法により、高分子樹脂からなる被覆層を設けてもよい。また、被覆層にのみ無機粒子および/または有機粒子を含有させて、易滑高透明フィルムとしてもよい。また、フィルムの表面に無機蒸着層を設けることにより、酸素、水、オリゴマー等の各種バリア機能を付与したり、スパッタリング法等で導電層を設けることにより、導電性を付与したりすることもできる。
また、滑り性、走行性、耐摩耗性、巻き取り性等ハンドリング特性を向上させるために、無機粒子、有機塩粒子または架橋高分子樹脂粒子等の不活性粒子を含有させて、フィルム表面に凹凸を形成させてもよい。これらの不活性粒子は、ポリエステル樹脂の重合時もしくは重合後、またはフィルムの製膜後の任意の段階で添加することができる。
不活性粒子は無機または有機、親水または疎水等の表面処理がされたものであってもよいし、未処理のものであってもよいが、例えば分散性を向上させる等の目的で、表面処理した粒子を用いる方が好ましい場合がある。
無機粒子としては、例えば炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム、ソジュウムカルシウムアルミシリケート等が挙げられる。
有機塩粒子としては、例えばシュウ酸カルシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
架橋高分子樹脂粒子としては、例えばジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂等の有機粒子が挙げられる。
不活性粒子を含有させる方法は、限定されないが、以下の(a)~(d)の方法が挙げられる。
(a)ポリエステル樹脂の構成成分であるグリコール成分中に、不活性粒子をスラリー状に分散処理し、ポリエステルの重合反応系へ添加する方法
(b)溶融押出工程においてベント式二軸押出機で、溶融ポリエステル樹脂に分散処理した不活性粒子の水スラリーを添加する方法
(c)ポリエステル樹脂と不活性粒子を溶融状態で混練する方法
(d)ポリエステル樹脂と不活性粒子のマスターレジンを溶融状態で混練する方法
上記方法(a)の場合、エステル化反応またはエステル交換反応前から、不活性粒子スラリーを重縮合反応開始前の溶融粘度の低い反応系に添加することが好ましい。また、不活性粒子スラリーを調製する際には、高圧分散機、ビーズミル、超音波分散等の物理的な分散処理を行うことが好ましい。さらに、分散処理したスラリーを安定化させるために、使用する粒子の種類に応じて適切な化学的な分散安定化処理を併用することが好ましい。
分散安定化処理としては、例えば粒子表面にカルボキシル基を有する架橋高分子樹脂粒子等の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ化合物をスラリーに添加し、電気的な反発により粒子間の再凝集を抑制する処理が挙げられる。また、炭酸カルシウム粒子、ヒドロキシアパタイト粒子等の場合には、トリポリ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸カリウムをスラリー中に添加することが好ましい。
また、不活性粒子スラリーをポリエステルの重合反応系へ添加する際、重合反応系へ添加した際のヒートショック(スラリーと重合反応系との温度差)を小さくして分散性を向上させる上で、スラリーをグリコール成分の沸点近くまで加熱処理することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は熱安定性に優れるので、例えばフィルム等を作成する際、延伸工程で生ずるフィルムの耳の部分また規格外のフィルムを溶融し、再利用することもできる。
本発明のフィルムは、例えば、帯電防止性フィルム、易接着性フィルム、離型フィルム、カード用、ダミー缶用、食品包装用、農業用、建材用、化粧材用、壁紙用、OHPフィルム用、印刷用、インクジェット記録用、昇華転写記録用、レーザービームプリンタ記録用、電子写真記録用、熱転写記録用、感熱転写記録用、プリント基板配線用、メンブレンスイッチ用、プラズマディスプレイ用、タッチパネル用、マスキングフィルム用、写真製版用、レントゲンフィルム用、写真ネガフィルム用、位相差フィルム用、偏光フィルム用、偏光膜保護(TAC)用、プロテクトフィルム用、感光性樹脂フィルム用、視野拡大フィルム用、拡散シート用、反射フィルム用、反射防止フィルム用、導電性フィルム用、磁気テープ用、フィルムコンデンサ用、セパレータ用、紫外線防止用、バックグラインドテープ用等に用いられる。
(接着剤)
本発明のポリエステル樹脂は、接着剤として好適に用いられる。接着剤には、溶媒または各種の添加剤を含有していてもよい。
本発明のポリエステル樹脂をホットメルト接着剤とする場合には、ペレット状、粉状、シート状、フィルム状、不織布状等各種の形状に成形し、被着体に挟み込んで加熱接着する方式、溶融アプリケータを使用し被着体に塗布した後、貼り合わせる方式、押出機を使用して被着体にフィルム状、チューブ状に被覆コートした後、貼り合わせる方式等、各種の方式を採用することができる。
接着剤としては、包装材料用接着剤、紙容器用接着剤、蓋材用接着剤、インモールド転写箔用接着剤、PP鋼板用接着剤、太陽電池モジュール用接着剤、植毛用接着剤、二次電池電極用バインダー用接着剤、二次電池外装用接着剤、自動車用ベルトモール用接着剤、自動車部材用接着剤、異種基材用接着剤、繊維収束剤等が挙げられる。
また、アンカーコート剤やプライマーとして用いることもでき、例えば、PP押出ラミ用、UV硬化型コート剤用、靴用プライマー、自動車バンパー用プライマー、クリアボックス用プライマー等が挙げられる。
(熱伝導性組成物)
本発明のポリエステル樹脂は、熱伝導性充填材を混合することで、熱伝導性の組成物とすることもできる。熱伝導性の組成物の具体的な用途としては、上述の熱伝導性成形体の具体例に挙げられたものがある。
(粉体)
本発明のポリエステル樹脂は、粉体に加工し、金型に充填して圧縮成形して樹脂成形体を作製する際の原料、または、樹脂に配合するフィラー等として用いることができる。ポリエステル樹脂の粉体を原料として得られる樹脂成形体は、例えば、コネクタ、LEDリフレクタに用いることができる。またポリエステル樹脂のフィラーを配合した樹脂は、例えば、研磨剤に用いることができる。
粉体は、粉体塗料として用いることもできる。粉体塗料は、例えば、自転車カゴ、ガーデニング用品、台所用品、衣料金具、冷蔵庫棚、冷凍ショーケース、食器洗い乾燥機カゴ、取手、ショッピングカート、フェンス、グレーチング、鋼管継柱下管、支部アンカー部品、建築スペーサ、防護棚、鋼管、パネルタンク、バルブ、自動車部品、車両用取手、レール締付具、ボンネットステー、室外機ファンカバー、ブースバー、テレフォンポール、テレフォンケーブル部品、架線金物バンド、電線管継手、工業用配管、配管機材、フランジ・バルブ類、硫酸タンク、タンクローリー内面、継手内面塗装、配管機材、熱交換機、屎尿処理器具、メッキ治具等に用いることできる。
(樹脂溶液)
本発明のポリエステル樹脂は、種々の溶媒に溶解または分散し、樹脂溶液の形態で種々の用途に展開できる。本発明において樹脂溶液とは、ポリエステル樹脂が溶解した溶液および分散した溶液の両者を含む。
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロロエタン、トリフルオロ酢酸、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、トリメチルベンゼン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、γ-ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノン等が挙げられる。上記溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、上記以外の溶媒と混合して使用してもよい。上記溶媒は、ポリエステル樹脂の種類、重合度、所望の濃度等を考慮し、適宜選択できる。
樹脂溶液には、無機フィラー、バインダー、酸化防止剤、濡れ剤、レベリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。
本発明のポリエステル樹脂を、他の樹脂または硬化剤と反応させて使用する場合、本発明の樹脂溶液と、他の樹脂または硬化剤の溶液とをそれぞれ調製し、使用直前に混合し、その後、塗布乾燥等して両樹脂を反応硬化させてもよい。
本発明の樹脂溶液を塗布し、乾燥することにより、被膜、積層体、フィルム等を形成することができる。被膜、積層体形成の際に使用できる基材の具体例としては、ガラス基板、各種金属板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム等が挙げられる。
樹脂溶液を基材へ塗布する方法は特に限定されないが、例えば、ワイヤーバーコーター塗り、フィルムアプリケーター塗り、スプレー塗り、グラビアロールコーティング法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法、リップコーティング、エアナイフコーティング法、カーテンフローコーティング法、浸漬コーティング法、ダイコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、インクジェット法が挙げられる。被膜は、従来の方法、装置等を使用して形成することができ、本発明の樹脂溶液を基材に塗布し、溶媒成分を乾燥することにより得られる。
本発明の樹脂溶液は、缶塗料として使用できる。缶塗料の塗布用機材である金属板としては、シート状または帯状の鋼板、アルミニウム板、あるいは、それらの表面に種々のメッキ処理や化成処理を施したものが挙げられる。樹脂溶液を金属板上に塗布後、焼き付けることで、金属表面に塗膜を形成することができる。塗膜を有する金属板は2ピース缶の缶胴や上蓋、3ピース缶の缶胴や底蓋材等加工性が必要な部材として用いることができる。
本発明の樹脂溶液は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子用セパレータにも使用できる。樹脂溶液を用いて作製した多孔膜をセパレータとして使用してもよいし、既存のセパレータの両面または片面に本発明の樹脂溶液を用いて多孔被膜を形成したものをセパレータとして使用してもよい。
また、本発明の樹脂溶液は、プリプレグの製造にも使用できる。プリプレグは、ポリエステルと反応重合する化合物を有機溶媒に溶解した樹脂溶液を、強化繊維クロスに含浸または塗布させた後、乾燥することにより得ることができる。
また、本発明の樹脂溶液は、塗料、コーティング剤、接着剤、ワニス等に用いることもできる。
本発明の樹脂溶液を使用して製造される上記種々の物品(被膜、フィルム、各種部品材料、塗膜等)は、さらにアニーリング処理を施してもよい。これにより、さらに樹脂が硬化し、耐熱性、硬度等を向上させることができる。アニーリング温度としては、例えば乾燥温度以上、好ましくは100℃~280℃程度である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、測定、評価は以下の方法により行った。
(1)極限粘度[η]
フェノール/四塩化エタンとの等重量混合液を溶媒として、温度20℃で測定した。
(2)ポリエステル樹脂の組成
重水素化クロロホルム/重水素化トリフルオロ酢酸=9/1(質量比)の混合溶媒1mLに10mgの試料を溶解し、日本電子社製LA-400型NMRにてH-NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンのピーク積分強度から、ジカルボン酸成分、トリエチレングリコール成分とテトラエチレングリコール成分との合計量、および、それ以外の各グリコール成分のモル比を算出した。
次いで、下記のようにして、トリエチレングリコールとテトラエチレングリコールの定量を行った。
ポリエステル樹脂を濃度0.75規定の水酸化カリウム/メタノール溶液中で加水分解した後、テレフタル酸を添加して中和した。次に、濾過して得られた濾液について、ガスクロマトグラフ法による測定をおこない、あらかじめ作成した検量線を用いて、トリエチレングリコールとテトラエチレングリコールとのモル比を算出し、これらのモル比と、前述のH-NMRを測定結果(トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールの合計量と、それ以外の各グリコール成分とのモル比)とから、全グリコール成分中の、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールの含有量を算出した。
(4)オリゴマー含有量
ポリエステル樹脂100mgをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムとの容量比が1/20の混合溶媒に溶解させ、アセトニトリルを加え、抽出したのち、液体クロマトグラフィーを用いて以下の条件にて測定し、2量体~10量体のオリゴマー(環状オリゴマー、非環状オリゴマー)の含有量を算出した。
カラム:Waters マイクロボンダスフィア
充填剤:Si-C18S 5μ 100A
検出器: Waters 2996型 PDA検出器(光源波長 254nm)
測定時流速:1.0 mL/分
移動相溶媒:アセトニトリル/水=7/3及びアセトニトリル
(5)カルボキシル末端基量
ポリエステル樹脂0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解し、この溶液にクロロホルム10mlを加えた後、1/10規定の水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定して求めた。
(6)硫黄成分の含有量
ポリエステル樹脂を300℃で溶融成形して直径3cm×厚み1cmの円盤状の成形板とし、リガク社製蛍光X線分析装置 ZSX Primusを用いて、検量線法により定量分析を行った。
(7)ヘイズ
ポリエステル樹脂を日精樹脂社製射出成形機 PS-200に投入し、シリンダ温度285℃、金型温度40℃で、長さ50mm、幅50mm、厚さ1mmのプレートを作製した。得られたプレートの濁度を日本電色工業社製の濁度系MODEL 1001DPで評価した。この値が小さいほど透明性が良好であり、例えば、空気のヘイズは0%である。
(8)成形体としたときのオリゴマー含有量
上記(7)のようにして成形体を得た。そして、この成形体100mgを試料として、上記(4)と同様にして、オリゴマーの含有量を測定した。
(9)繊維としたときのオリゴマー含有量
得られたポリエステル樹脂を用い、エクストルーダー型溶融紡糸機によって、樹脂温度295℃、紡糸ノズル(孔数84ホール)より紡出し、2900m/分の紡糸速度で巻き取り、マルチフィラメント(部分配向未延伸糸)を得た。その後、延伸温度90℃、熱セット温度150℃で延伸し、総繊度45dtexのマルチフィラメント(延伸糸)を得た。
得られたマルチフィラメント(延伸糸)100mgを試料として、上記(4)と同様にして、オリゴマーの含有量を測定した。
(10)延伸性
上記(9)の延伸工程において、6時間連続して延伸を行った際に発生した切糸回数をカウントし、以下の式により切糸発生率(%)を算出して評価した。
切糸発生率(%)={(延伸の全錘数)-(6時間切糸なく延伸できた錘数)}÷(延伸の全錘数)×100
○:延伸時の切糸発生率≦5%
×:延伸時の切糸発生率>5%
(11)染色性
上記(9)と同様にして得られたマルチフィラメント(延伸糸)を編機(小池機械製作所製、針本数:300本、釜径:3.5インチ)を用いて筒編地にした。作製した筒編地を分散染料としてスミカロンを用い、分散剤としてDisper TLを用いた染液を使用し、0.3%o.w.f.となる条件で、130℃で30分間染色を行った。染色した30本の筒編地を目視にて観察し、染色筋や染色斑の有無を評価し、染色筋と染色斑ともに有していない良品の本数をカウントし、以下のように評価した。
〇:良品の本数が27本以上
×:良品の本数が26本以下
[エステル化物Aの作製]
エステル化反応缶に、テレフタル酸とエチレングリコール(モル比1/1.6)のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間として、エステル化物A(テレフタル酸:エチレングリコール=100:111(モル比))を得た。
[エステル化物Bの作製]
エステル化反応缶に、イソフタル酸とエチレングリコール(モル比1/3.5)のスラリーを供給し、温度200℃、圧力0.2MPaの条件で4時間反応させ、エステル化物B(イソフタル酸:エチレングリコール=100:332(モル比))を得た。
実施例1
加熱溶融したエステル化物Aを280℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、2-スルホ安息香酸無水物(OSB)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、280℃で10分間エーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を280℃に維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を3時間行い、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は12ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は0.8モル%であった。
実施例2~6
有機スルホン酸系化合物を、それぞれ5-スルホサリチル酸二無水物(SS)、o,m,p-アミノベンゼンスルホン酸(o,m,p-ABS)、p-トルエンスルホン酸メチル(p-TSMe)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリエステル樹脂を得た。すべてのポリエステル樹脂は硫黄成分を1ppm以上含んでおり、トリエチレングリコール量は0.2モル%以上であった。
実施例7
加熱溶融したエステル化物Aを250℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、250℃で60分間のエーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を10分間で280℃に昇温し、温度を維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を4時間行い、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、12ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は1.1モル%であった。
実施例8
エーテル化反応時間を120分間に変更した以外は、実施例7と同様の操作を行って、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、12ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は1.2モル%であった。
実施例9
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を、250℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、さらにG/Aを1.31とするために、エチレングリコール(6質量部)を投入したのち、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、250℃で30分間のエーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を10分間で280℃に昇温し、温度を維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を4時間行い、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、12ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は2.8モル%、テトラエチレングリコール量は0.1モル%であった。
実施例10
エーテル化反応時間を60分間に変更する以外は実施例9と同様の操作を行って、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、15ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は3.4モル%、テトラエチレングリコール量は0.2モル%であった。
実施例11
G/Aを1.51にするために、エチレングリコールを12質量部投入した以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、14ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は2.8モル%、テトラエチレングリコール量は0.2モル%であった。
実施例12
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)とエステル化物B(19質量部)とを、260℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、260℃で10分間エーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を10分間で280℃に昇温し、温度を維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を4時間行い、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、10ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は1.6モル%、テトラエチレングリコール量は0.1モル%であった。
実施例13~18
エステル化物Bの投入量を、それぞれ表1に示したように変更する以外は、実施例12と同様の操作を行って、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、すべて10ppm以上の硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は1.9モル%以上、テトラエチレングリコール量は0.1モル%以上であった。
実施例19
加熱溶融したエステル化物Aを250℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、250℃で180分間のエーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を10分間で280℃に昇温し、温度を維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を5時間行い、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、21ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は1.8モル%であった。
実施例20
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を、250℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、さらにG/Aが3.11となるようにエチレングリコール(62質量部)を投入したのち、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、250℃で60分間のエーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を10分間で280℃に昇温し、温度を維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を5時間行い、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂は、25ppmの硫黄成分を含んでおり、トリエチレングリコール量は5.3モル%、テトラエチレングリコール量は0.4モル%であった。
実施例1~20における製造条件、ポリエステル樹脂組成を表1に示す。
Figure 2023026283000001
実施例1~20で得られたポリエステル樹脂特性、評価結果を表2に示す。
Figure 2023026283000002
比較例1
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を280℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、三酸化アンチモン(Sb)を2.3×10-4モル/酸成分モル添加し、エーテル化反応を行わずに反応缶の温度を280℃に維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を2時間行い、ポリエステル樹脂を得た。
比較例2
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を280℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、三酸化アンチモン(Sb)を2.3×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、280℃で60分間のエーテル化反応を行い、反応缶の温度を280℃に維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を2時間行い、ポリエステル樹脂を得た。
比較例3
三酸化アンチモン(Sb)2.3×10-4モル/酸成分をテトラ-n-ブチルチタネート(TBT)0.8×10-4モル/酸成分に変更する以外は比較例1と同様の操作を行いポリエステル樹脂を得た。
比較例4
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を280℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、エーテル化反応を行わずに反応缶の温度を280℃に維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を3時間行い、ポリエステル樹脂を得た。
比較例5
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を230℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、5-スルホサリチル酸二無水物(SS)を2.0×10-4モル/酸成分モル添加し、常圧下、230℃で10分間のエーテル化反応を行った。次に、反応缶の温度を10分間で280℃に昇温し、温度を維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を2時間行い、ポリエステル樹脂を得た。
比較例6
加熱溶融したエステル化物A(100質量部)を280℃に加熱した重縮合反応缶に投入し、三酸化アンチモン(Sb)を2.3×10-4モル/酸成分モル添加し、エーテル化反応を行わずに反応缶の温度を280℃に維持したまま、系の圧力を徐々に減じて60分後に0.5hPa以下にした。この条件で撹拌しながら重縮合反応を2時間行い、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂ペレットを粉砕機により平均粒子径1.0~1.5mmとし、高圧容器内に500g充填した。続いて容器内に、圧力20MPa、温度80℃で、120分間、6モル%のエタノールを添加した高圧二酸化炭素を50ml/分の流量で連続供給し、オリゴマーの抽出処理を行った。抽出処理後、ポリエステル樹脂を取り出し評価を行った。
比較例7
三酸化アンチモン(Sb)2.3×10-4モル/酸成分をテトラ-n-ブチルチタネート(TBT)0.8×10-4モル/酸成分に変更する以外は比較例6と同様の操作を行いポリエステル樹脂を得た。
比較例1~7における製造条件、ポリエステル樹脂組成を表3に示す。
Figure 2023026283000003
比較例1~7で得られたポリエステル樹脂特性、評価結果を表4に示す。
Figure 2023026283000004
実施例1~20で得られたポリエステル樹脂は、環状オリゴマーの含有量が少なく、エーテル化物の合計含有量が本発明の範囲であった。これらのポリエステル樹脂を成形体としたときの環状オリゴマーの生成が抑制されており、透明性は良好であった。繊維にしたときにもオリゴマーの生成が抑制されており、延伸性および染色性は良好であった。
比較例1~3においては、重合触媒として金属触媒を用いてポリエステル樹脂を得た。環状オリゴマーの含有量が本発明の範囲より多くなり、また、成形体としたときの環状オリゴマーの生成量が多くなり、透明性に劣るものであった。繊維にしたときにおいてもオリゴマーの生成量が多くなり延伸性と染色性に劣るものであった。
比較例4においてはエーテル化反応を行わずにポリエステル樹脂を得た。環状オリゴマーの含有量が本発明の範囲より多くなり、また、成形体としたときの環状オリゴマーの生成量が多くなり、透明性に劣るものであった。繊維にしたときにおいてもオリゴマーの生成量が多くなり延伸性と染色性に劣るものであった。
比較例5においては、エーテル化反応温度を低くしてポリエステル樹脂を得た。環状オリゴマーの含有量が本発明の範囲より多くなり、また、成形体としたときの環状オリゴマーの生成量が多くなり、透明性に劣るものであった。繊維にしたときにおいてもオリゴマーの生成量が多くなり延伸性と染色性に劣るものであった。
比較例6、7においては、重合触媒として金属系触媒を用いて得られたポリエステル樹脂に対し、オリゴマーの抽出処理を行った。樹脂中の環状オリゴマーの含有量を低減させることはできたが、これを再溶融して成形体としたときの環状オリゴマーの生成量が多くなり、透明性に劣るものであった。繊維にしたときにおいてもオリゴマーの生成量が多くなり延伸性と染色性に劣るものであった。

Claims (14)

  1. テレフタル酸とエチレングリコールとを主たる構成成分として含むポリエステル樹脂であって、全グリコール成分中の、エチレングリコールのエーテル化物の合計の含有量が4.0~40.0モル%であり、環状オリゴマーの含有量が0.7質量%以下であるポリエステル樹脂。
  2. カルボキシル末端基量が20.0eq/t以上である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 環状オリゴマーと非環状オリゴマーとの合計の含有量が1.6質量%以下である、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂。
  4. ジエチレングリコールの含有量が全グリコール成分中2.5モル%以上である、請求項1~3の何れか1項に記載のポリエステル樹脂。
  5. トリエチレングリコールの含有量が全グリコール成分中0.1~5.5モル%である、請求項1~4の何れか1項に記載のポリエステル樹脂。
  6. テトラエチレングリコールの含有量が全グリコール成分中0.0モル%を超え2.0モル%以下である、請求項1~5の何れか1項に記載のポリエステル樹脂。
  7. トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールの含有量が合計で7.0モル%以下である、請求項1~6の何れか1項に記載のポリエステル樹脂。
  8. 硫黄成分の含有量が1~500ppmである、請求項1~7の何れか1項に記載のポリエステル樹脂。
  9. 厚さ1mmの成形体を用いて測定したヘイズが5%以下である、請求項1~8の何れか1項に記載のポリエステル樹脂。
  10. 請求項1~9の何れか1項に記載のポリエステル樹脂からなる、成形体。
  11. 請求項1~9の何れか1項に記載のポリエステル樹脂からなる、繊維。
  12. 請求項1~9の何れか1項に記載のポリエステル樹脂からなる、フィルム。
  13. 請求項1~9の何れか1項に記載のポリエステル樹脂を製造する方法であって、ポリエステル樹脂の原料に有機スルホン酸系化合物を添加し、グリコール成分のエーテル化反応を行う工程を含む、ポリエステル樹脂の製造方法。
  14. 有機スルホン酸系化合物が、2-スルホ安息香酸無水物、o-スルホ安息香酸、m-スルホ安息香酸、p-スルホ安息香酸、5-スルホサリチル酸、ベンゼンスルホン酸、o-アミノベンゼンスルホン酸、m-アミノベンゼンスルホン酸、p-アミノベンゼンスルホ
    ン酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸メチル、5-スルホイソフタル酸、および、これらの塩から選択される1種類以上である、請求項13に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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