JP2023024834A - エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路 - Google Patents

エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路 Download PDF

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康裕 森泉
Yasuhiro Moriizumi
廣道 渡部
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Abstract

【課題】素子にかかる負荷を低減し、素子の故障を防ぐエレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路を提供する。【解決手段】エレクトロポレーション用回路1を用いたエレクトロポレーション方法であって、該エレクトロポレーション用回路は、それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサC1~Cmと、複数の時定数変化部2と、スイッチS11~Smnと、スイッチに直列に接続される抵抗R11~Rmnと、を含む。【選択図】図1

Description

本出願における開示は、エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路に関する。
DNAやRNA等の核酸分子やタンパク質等の生体物質、薬剤の有効成分となる化合物等を外来物質として標的細胞内に導入する方法が多く開発されている。特に核酸分子を細胞内に導入する遺伝子導入技術は遺伝子工学の基礎技術である。そのため、遺伝子導入技術は、遺伝子組み換え作物、遺伝子治療、ゲノム解析、ゲノム編集技術等の幅広い分野において必要とされている。
遺伝子導入技術の手法としては、生物学的手法、化学的手法、物理的手法に分類することができる。生物学的手法としては、ウイルスを用いた方法等が挙げられる。また、化学的手法としては、リン酸カルシウム法やリポフェクション法等が挙げられる。そして、物理的手法としては、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)、パーティクルガン法(遺伝子銃法)、ソノポレーション法(超音波を使用する方法)等が挙げられる。
物理的手法は、生物学的手法および化学的手法に比べて、細胞に対する毒性を考慮する必要がなく、適用細胞の制限がないという利点を有する。特に、特許文献1および特許文献2に開示されるようにエレクトロポレーション法は、物理的手法の中で最も汎用性が高く普及している手法である。エレクトロポレーション法は、細胞に電気パルスを与え、細胞膜に外来物質が通過できる小孔を一過性に作ってDNA等を取り込ませる方法である。エレクトロポレーション法は、化学的手法と比較して高い導入効率が得られる上、操作が簡便で再現性及び安全性が高く、動物細胞、植物細胞、酵母等の真菌細胞、バクテリア等様々な生物種に対して適用可能な技術である。また、様々な種類の組織の細胞への適用も可能である。
国際公開第2016/017045号 特開平2-035071号公報
特許文献1には、高電圧で短時間の電気パルスを発生する手段および低電圧でパルス幅の長い電気パルスを発生する手段を有する多段階方式エレクトロポレーター用電気パルス発生器が開示されている。そして、特許文献1に開示された多段階方式エレクトロポレーター用電気パルス発生器は、対象物のインピーダンスの違いに応じて高電圧で短時間の電気パルスを数十~数千ボルトの範囲で調整し、低インピーダンスと高インピーダンス対象の両方の細胞や生物種に対して遺伝子導入を行っている。また、特許文献2には、コンデンサを介して直流電圧パルスを印加する際の時定数を連続的に可変とする電気刺激装置の発明が開示されている。
特許文献1に開示される多段階方式エレクトロポレーター用電気パルス発生器は、高電圧生成回路の下流に、スイッチを介し電気パルスを発生させるための電荷を充電するコンデンサを設けている。そのため、電気パルスを発生させるための電荷をコンデンサに充電する際、高電圧生成回路で生成した高電圧がスイッチに負荷をかけてしまう。また、特許文献1にも開示されているように、エレクトロポレーション用回路は、数千ボルトの高電圧のパルス発生が必要とされる。その際、エレクトロポレーション用回路は、耐電圧の大きいスイッチ等の素子を使用して高電圧用とする必要がある。しかしながら、従来のエレクトロポレーション用回路では、耐電圧の大きい素子を使用していても、何らかの原因によって一部の素子が故障してしまうと、他の素子に負荷がかかってしまい他の素子も故障してしまうという問題がある。
上記問題を解決するために発明者は、鋭意研究の結果、高電圧のパルスを発生するエレクトロポレーション用回路の素子にかかる負荷を低減させることを新たに見出した。
そこで、本出願の開示の目的は、素子にかかる負荷を低減し、素子の故障を防ぐエレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路を提供することにある。本出願における開示のその他の任意付加的な効果は、発明を実施するための形態において明らかにされる。
(1)エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法であって、
サンプルに電気信号を供給するステップを含み、
エレクトロポレーション用回路は、
それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサと、
m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部と、を含み、
m行n列の複数の時定数変化部は、
第1の方向にm個の時定数変化部が直列に接続され、
nが2以上である場合、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部に対し並列に接続され、
各時定数変化部は、
スイッチと、
スイッチに直列に接続される抵抗と、を含み、
1つのコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部の間を接続し、
入力回路およびサンプルに接続した際、直列に接続されるコンデンサおよび複数の時定数変化部は、入力回路およびサンプルに対し並列に接続される、
エレクトロポレーション方法。
(2)サンプルに電気信号を供給するステップにおいて、
2つ以上のコンデンサに充電された電荷を同時に放電させるように時定数変化部のスイッチを閉じる、
または、
2つ以上のコンデンサに充電された電荷を順次放電させるように時定数変化部のスイッチを閉じる、
上記(1)に記載のエレクトロポレーション方法。
(3)サンプルに電気信号を供給するステップにおいて、
スイッチの少なくとも1つがPWM(Pulse Width Modulation)制御される、
上記(1)または(2)に記載のエレクトロポレーション方法。
(4)エレクトロポレーション用回路は、入力回路を含み、
入力回路と少なくとも2つ以上のコンデンサとによって、直流高電圧生成回路を構成する、
上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のエレクトロポレーション方法。
(5)サンプルに電気信号を供給するエレクトロポレーション用回路であって、
エレクトロポレーション用回路は、
それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサと、
m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部と、を含み、
m行n列の複数の時定数変化部は、
第1の方向にm個の時定数変化部が直列に接続され、
nが2以上である場合、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部に対し並列に接続され、
各時定数変化部は、
スイッチと、
スイッチに直列に接続される抵抗と、を含み、
1つのコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部の間を接続し、
入力回路およびサンプルに接続した際、直列に接続されるコンデンサおよび複数の時定数変化部は、入力回路およびサンプルに対し並列に接続される、
エレクトロポレーション用回路。
(6)スイッチの少なくとも1つをPWM制御する制御部を含む、
上記(5)に記載のエレクトロポレーション用回路。
(7)入力回路を含み、
入力回路と少なくとも2つ以上のコンデンサとによって、直流高電圧生成回路を構成する、
上記(5)または(6)に記載のエレクトロポレーション用回路。
(8)電気信号を出力する直流高電圧電源用回路であって、
直流高電圧電源用回路は、
それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサと、
m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部と、を含み、
m行n列の複数の時定数変化部は、
第1の方向にm個の時定数変化部が直列に接続され、
nが2以上である場合、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部に対し並列に接続され、
各時定数変化部は、
スイッチと、
スイッチに直列に接続される抵抗と、を含み、
1つのコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部の間を接続し、
入力回路およびサンプルに接続した際、直列に接続されるコンデンサおよび複数の時定数変化部は、入力回路およびサンプルに対し並列に接続される、
直流高電圧電源用回路。
(9)スイッチの少なくとも1つをPWM制御する制御部を含む、
上記(8)に記載の直流高電圧電源用回路。
(10)入力回路を含み、
入力回路と少なくとも2つ以上のコンデンサとによって、直流高電圧生成回路を構成する、
上記(8)または(9)に記載の直流高電圧電源用回路。
高電圧による素子への負荷を低減でき、高電圧によって生じる素子の故障を抑制できる。
m行n列の時定数変化部2を具備する第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Aの一例を示す図。 2行1列の時定数変化部2を具備する第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Bの一例を示す図。 2行2列の時定数変化部2を具備する第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Cの一例を示す図。 2行1列の時定数変化部2を具備する第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dの一例を示す図。図4Aは、制御部4によって複数のスイッチをPWM制御する例を示す図。図4Bは、制御部4によって1つのスイッチをPWM制御する例を示す図。 2行1列の時定数変化部2を具備する第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Eの一例を示す図。
以下、図面を参照しつつ、エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路について詳しく説明する。なお、本明細書において、同種の機能を有する部材には、同一または類似の符号が付されている。そして、同一または類似の符号の付された部材について、繰り返しとなる説明が省略される場合がある。
(エレクトロポレーション用回路の第1の実施形態)
図1~3を参照して、第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1について説明する。図1は、m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の時定数変化部2を具備する第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Aの一例を示す図である。図2は、2行1列の時定数変化部2を具備する第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Bの一例を示す図である。図3は、2行2列の時定数変化部2を具備する第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Cの一例を示す図である。
第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Aは、エレクトロポレーション用回路1Aに接続されたサンプルに電気信号を供給する。第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Aは、図1に示すように直列に接続されるm個のコンデンサC1~Cmと、m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部2と、を少なくとも具備する。そして、第1の実施形態に係るエレクロトポレーション用回路1Aに入力としての入力回路3と、出力としての電気信号を供給するサンプルを接続した際、直列に接続されるコンデンサC1~Cmおよび複数の時定数変化部2は、入力回路3およびサンプルに対し並列に接続される。なお、図1に示す抵抗Raは、エレクトロポレーション用回路1Aにサンプルが接続された際のサンプルの抵抗を表し、以下においてサンプル抵抗Raと記載することもある。そして、本明細書において、サンプル抵抗Raに電気信号を供給することは、サンプルに電気信号を供給することと同じ意味をもつ。また、第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1は、任意付加的に入力回路3、出力スイッチSaを具備する。
直列に接続されるm個のコンデンサC1~Cmは、図1に示すように入力回路3およびサンプル抵抗Raに対し並列に接続される。コンデンサC1~Cmは、入力回路3により充電される。そして、コンデンサC1~Cmに充電された電荷が放電されることでサンプル抵抗Raに電気信号が供給される。コンデンサC1~Cmの容量は、サンプル抵抗Raにどれだけの電気信号を供給するかに応じて適宜決定すればよい。また、コンデンサC1~Cmの容量は、同じであってもよく、異なってもよい。なお、コンデンサC1~Cmの容量が異なる場合には、後述する時定数τが所望な値となるように時定数変化部2が具備する抵抗の値を適宜調整してもよい。
m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部2は、図1に示すように入力回路3およびサンプル抵抗Raに対し並列に接続される。複数の時定数変化部2は、第1の方向にm個の時定数変化部2が直列に接続され、nが2以上である場合には、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部2に対し並列に接続される。なお、本明細書において、行が増減する方向を第1の方向、列が増減する方向を第2の方向とする。そして、時定数変化部2それぞれは、直列に接続されたスイッチと抵抗を具備する。具体的には、図1に示す破線で囲まれた箇所が、時定数変化部2である。そして、1行1列目の時定数変化部2は直列に接続されたスイッチS11と抵抗R11を具備し、m行n列目の時定数変化部は直列に接続されたスイッチSmnと抵抗Rmnを具備する。なお、複数の時定数変化部2は、第1の方向に少なくとも2つ以上具備していればよく、その数は特に制限はない。例えば、m行n列の複数の時定数変化部2は、図2に示すように2行1列でもよく、図3に示すように2行2列でもよい。
時定数変化部2は、サンプル抵抗Raに供給される電気信号を制御する。具体的には、時定数変化部2が具備するスイッチを開閉させることで行われる。時定数変化部2は、スイッチと抵抗が直列に接続されている。そのため、スイッチの開閉によりエレクトロポレーション用回路1における電流が通過する抵抗の値が変化する。ところで、サンプル抵抗Raへ供給される電気信号は、指数関数的に減衰するパルス、時間経過とともに減衰する方形波等が挙げられる。例えば、サンプル抵抗Raへ供給される電気信号が指数関数的に減衰するパルスの場合、当該パルスの時定数τは、τ=CRと規定される。このとき、Cはエレクトロポレーション用回路1におけるコンデンサの容量、Rはサンプル抵抗Raを含むエレクトロポレーション用回路1における抵抗の値である。したがって、時定数変化部2が具備するスイッチを開閉することにより、エレクトロポレーション用回路1における抵抗の値が変化し時定数τが変化する。よって、時定数τを変化させることで指数関数的に減衰するパルスの減衰を制御できる。そして、エレクトロポレーション用回路1において、具備する時定数変化部2の数が多くなれば、抵抗の組み合わせが増えるので、時定数τを制御できる範囲を増やせる。なお、時定数τの値は時定数変化部2が具備する抵抗の値で変わるため、抵抗R11~Rmnそれぞれの値は時定数τの値が所望の値となるように適宜決定すればよい。また、抵抗R11~Rmnは、同じ抵抗の値であってもよく、異なる抵抗の値であってもよい。異なる抵抗の値とする場合、制限するものではないが、例えば、各列に重みづけを行ってもよい。重みづけは、1列目の抵抗R11~Rm1の値をR[Ω]とし、2列目の抵抗R12~Rm2の値を2R[Ω]、n列目の抵抗R1n~Rmnの値をnR[Ω]としてもよい。そうすると、2~n列目の1~m行目の各抵抗は1列目の1~m行目の各抵抗に対し並列に接続されているため、1列目に対し、2列目の重みは1/2、n列目の重みは1/nとなり各列に重みづけをすることもできる。なお、重みづけは各列において任意であり、例えば、2列目を1/2、3列目を1/4、4列目を1/8、・・・としてもよく、重みをどの程度とするかは当業者が適宜決定すればよい。重みづけすることにより、時定数変化部2の数を増やすだけではなく、さらに時定数τを制御できる範囲を増やせる。
第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Aは、コンデンサC1~Cmのそれぞれに対し第1の方向の1つの時定数変化部2が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部2の間を接続する。例えば、図1に示す例では、第1行目の時定数変化部2が、コンデンサC1に対し並列に接続されるように、コンデンサC1とコンデンサC2の間と、R11とS21の間、R12とS22の間、・・・R1nとS2nの間が接続される。同様に第2行目、第3行目、・・・第m行目の時定数変化部2がコンデンサC2~Cmに対し並列に接続される。また、図2に示す2行1列の時定数変化部2を具備するエレクロトポレーション用回路1Bでは、コンデンサC1とコンデンサC2の間とR11とS21の間を接続する。したがって、コンデンサC1に対し1行1列目の時定数変化部2が並列に接続され、コンデンサC2に対し2行1列目の時定数変化部2が並列に接続される。さらに、図3に示す2行2列の時定数変化部2を具備するエレクトロポレーション用回路では、コンデンサC1とコンデンサC2の間とR11とS21の間およびR12とS22の間を接続する。したがって、コンデンサC1に対し1行1列目および1行2列目の時定数変化部2が並列に接続され、コンデンサC2に対し2行1列目および2行2列目の時定数変化部2が並列に接続される。なお、図1~3に示す例では、1つのコンデンサに対し1つの行の時定数変化部2が並列に接続されているが、複数のコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部2が並列に接続されてもよい。さらに、1つのコンデンサに対し第1の方向における複数の時定数変化部2が並列に接続されてもよい。
図1に示すように接続することで、エレクトロポレーション用回路1Aでは、m個のコンデンサC1~Cmに充電された電荷が、並列に接続された時定数変化部2のそれぞれに分割される。また、図2、3に示すエレクトロポレーション用回路1B、1Cも同様であり、2つのコンデンサC1、C2に充電された電荷が、1行目の時定数変化部2、2行目の時定数変化部2に分割される。したがって、サンプル抵抗Raに供給される電気信号が分割され、複数の時定数変化部2への負荷が低減される。よって、エレクトロポレーション用回路1の各素子が高電圧によって故障することを抑制できる。また、直列に接続されるコンデンサの間と行方向に直列に接続される時定数変化部2の間の接続が増えるほど、コンデンサに充電された電荷は分割されることとなり、時定数変化部2への負荷が低減される。
出力スイッチSaは、第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1において任意付加的な構成である。図1に示す例では、出力スイッチSaは、m個のコンデンサC1~Cmに対し、入力回路3からの充電と、サンプル抵抗Raへの電気信号の供給するための放電を切り替える。そのため、出力スイッチSaは、コンデンサC1~Cm、時定数変化部2の下流に配置されることとなり、大電流による出力スイッチSaへの負荷も低減される。
入力回路3は、第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Aにおいて任意付加的な構成である。入力回路3は、コンデンサC1~Cmと接続されて、コンデンサC1~Cmに電荷を充電できればよく、特に制限はない。入力回路3としては、例えば、定電力源等の電力供給装置といった直流高電圧生成回路が挙げられる。また、入力回路3は、入力回路3のみで直流高電圧生成回路を構成してもよいが、入力回路3とエレクトロポレーション用回路1AのコンデンサC1~Cmとによって直流高電圧生成回路を構成してもよい。
(エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法の第1の実施形態)
エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法の第1の実施形態について説明する。なお、以下において「エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法」を「エレクトロポレーション方法」と記載することがある。
第1の実施形態に係るエレクトロポレーション方法は、サンプルに電気信号を供給するステップを具備する。
サンプルに電気信号を供給するステップは、エレクトロポレーション用回路1のコンデンサに充電された電荷を放電させて、サンプル抵抗Raに電気信号を供給する。図1~3に示す例では、充電されたコンデンサからの電荷の放電は、出力スイッチSaを閉じる(入れる)ことで行われる。エレクトロポレーション用回路1は、図1~3に示すように複数のコンデンサを具備している。そのため、サンプル抵抗Raへの電気信号の供給は、複数のコンデンサに充電されたすべての電荷を放電させることが好ましい。
時定数変化部2を制御して、サンプル抵抗Raに電気信号を供給する際、複数のコンデンサに充電された電荷をどのよう放電するかは、特に制限はない。例えば、複数のコンデンサに充電された電荷を同時に放電してもよいし、コンデンサに充電された電荷を順次放電させて、最終的に各コンデンサに充電された電荷を放電してもよい。
複数のコンデンサに充電された電荷を同時に放電させる場合には、各コンデンサに対して並列な各行の時定数変化部2のスイッチを同時に閉じ(入れ)ればよい。例えば、図1に示すエレクロトポレーション用回路1Aで複数のコンデンサC1~Cmに充電された電荷を同時に放電するには、(1)時定数変化部2においてすべてのスイッチを閉じる、または(2)1~m各行の時定数変化部2において、1~n列の少なくともいずれか1つのスイッチを同時に閉じればよい。また、図2に示すエレクトロポレーション用回路1Bで複数のコンデンサに充電された電荷を同時に放電するには、スイッチS11とスイッチS21を同時に閉じればよい。図3に示すエレクトロポレーション用回路1Cで複数のコンデンサに充電された電荷を同時に放電するには、時定数変化部2における4つのスイッチを閉じる、またはスイッチS11もしくはスイッチS12とスイッチS21もしくはS22を同時に閉じればよい。
複数のコンデンサに充電された電荷を順次放電させる場合には、時定数変化部2が具備するスイッチを周期的に閉じ(入れ)ればよい。例えば、2周期で順次放電させる場合には、放電させるコンデンサに対し並列な時定数変化部2のスイッチを閉じ、放電させないコンデンサに対し並列な時定数変化部2のスイッチを開ける(切る)(1周期目)。その後、放電させなかったコンデンサに対し並列な時定数変化部2のスイッチを閉じる(2周期目)。なお、2周期目において、1周期目に閉じたスイッチは、開けてもよく、閉じていてもよい。上記では放電させる周期が2周期の場合を説明したが、所望の周期でコンデンサからの放電を順次行ってもよい。例えば、図1に示すエレクロトポレーション用回路1Aにおいて、m個のコンデンサC1~Cmのうち半分を順次放電させる場合には2周期となり、m個のコンデンサC1~Cmのそれぞれを順次放電させる場合にはm周期となる。図2、3に示すエレクロトポレーション用回路1B、1Cは、具備するコンデンサが2つなので、順次放電させるときは2周期となる。図2に示すエレクロトポレーション用回路1Bでは、例えば、C1、C2と順次放電させる場合、1周期目にスイッチS11を閉じ、コンデンサC1を放電させる。そして、2周期目にスイッチS21を閉じ、コンデンサC2を放電させる。図3に示すエレクロトポレーション用回路1Cでは、例えば、C1、C2と順次放電させる場合、1周期目にスイッチS11および/またはスイッチS12を閉じ、コンデンサC1を放電させる。そして、2周期目にスイッチS21および/またはS22を閉じ、コンデンサC2を放電させる。なお、図2、3において、コンデンサC2、コンデンサC1と順次放電させる場合には、上記と逆の順番で行えばよい。
第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路およびエレクトロポレーション方法は、以下の効果を奏する。
(1)サンプル抵抗Raに供給される電気信号が分割され、複数の時定数変化部2への負荷が低減される。したがって、エレクトロポレーション用回路1の各素子が高電圧によって故障することを抑制できる。また、負荷が低減されるので、耐電圧の低い低電圧回路に用いられるスイッチを用いることができる。さらに、エレクトロポレーション用回路1を用いることで出力スイッチSaへの負荷を低減できる。
(2)複数の時定数変化部2を具備するため、電流を通過させる抵抗の組み合わせが多く、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを制御できる範囲を増やせる。
(3)時定数変化部2がスイッチと抵抗を具備しているので、出力スイッチSaを閉じることなく、コンデンサC1~Cmに充電された電荷を放電できる。したがって、例えば、コンデンサC1~Cmに電荷量を間違って充電させてしまった場合、サンプル抵抗Raに電気信号を供給せずにコンデンサC1~Cmに充電された電荷を安全に放電できる。
(エレクトロポレーション用回路の第2の実施形態)
図4を参照して、第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dについて説明する。図4は、2行1列の時定数変化部2を具備する第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dの一例を示す図である。図4Aは、制御部4によって複数のスイッチをPWM制御する例を示す図である。図4Bは、制御部4によって1つのスイッチをPWM制御する例を示す図である。
第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dは、時定数変化部2が具備するスイッチの少なくとも1つをPWM(Pulse Width Modulation)制御する制御部4を具備する点で第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Bと異なり、その他の点はエレクトロポレーション用回路1Bと同じである。したがって、第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dでは、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
制御部4は、時定数変化部2が具備するスイッチをPWM制御する。PWM制御はスイッチの開閉を繰り返すことで出力を制御する。そしてPWM制御は、スイッチの開閉を行う周期におけるスイッチを閉めた時間の割合であるデューティ比を変えることにより出力を制御できる。
抵抗の値R[Ω]の抵抗を具備する任意の時定数変化部2のスイッチをPWM制御した例について説明する。PWM制御によってスイッチの開閉が行われる。そうすることで、時定数変化部2の抵抗は、実際の抵抗の値R[Ω]としてではなく見かけ上の抵抗の値として扱われる。デューティ比100%とした場合は、スイッチが常に閉じた状態であり、時定数変化部2における見かけ上の抵抗の値は実際の抵抗の値と同じR[Ω]となる。また、デューティ比が50%とした場合では、ある周期において50%の割合でスイッチが閉じた状態となるため、時定数変化部2のおける見かけ上の抵抗の値は2×R[Ω]となる。さらに、デューティ比を10%とした場合は、ある周期において10%の割合でスイッチが閉じた状態となるため、時定数変化部2のおける見かけ上の抵抗の値は10×R[Ω]となる。したがって、時定数変化部2のスイッチをPWM制御することで、時定数変化部2の抵抗の値をデューティ比に応じて変えることができる。また、PWM制御を行わないと、時定数変化部2が具備するスイッチは単に開閉のみで、抵抗の値の変化は、離散的に変化する。しかしながら、PWM制御が行われると、抵抗の値は、デューティ比に応じ連続的に変化する。したがって、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを精緻に制御できる。
制御部4によるPWM制御が行われる時定数変化部2が具備するスイッチは、どのスイッチでもよく特に制限はない。例えば、図4Aに示すように複数のスイッチを制御してもよく、図4Bに示すようにいずれか1つのスイッチを制御してもよい。
(エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法の第2の実施形態)
エレクトロポレーション方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係るエレクトロポレーション方法は、サンプル抵抗Raに電気信号を供給するステップにおいて、時定数変化部2が具備するスイッチの少なくとも1つがPWM制御される点で第1の実施形態に係るエレクトロポレーション方法と異なり、その他の点は同じである。したがって、第2の実施形態に係るエレクトロポレーション方法では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
第2の実施形態に係るエレクトロポレーション方法は、サンプルに電気信号を供給するステップにおいて、時定数変化部2が具備するスイッチの少なくとも1つがPWM制御される。上記したようにスイッチがPWM制御されることで、抵抗の値を連続的に変化できるので、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを精緻に制御できる。
上記したように、エレクトロポレーション用回路1Dにおいて、PWM制御されるスイッチは、どのスイッチでもよく、特に制限はない。例えば、図4Aに示すようにスイッチS11、S21が同時にPWM制御された場合、コンデンサC1およびコンデンサC2の電荷が均等に放電され、サンプル抵抗Raに電気信号が供給される。一方で、図4Bに示すように、1つのスイッチS21のみがPWM制御された場合には、コンデンサC2の電荷は、PWM制御によって放電されるものの、コンデンサC1の電荷はPWM制御していないため、電荷の放電量に違いが生じてしまう。したがって、PWM制御によって生じた電荷の放電量の違いを小さくするために、スイッチS21からスイッチS11にPWM制御を切り替えることが好ましい。なお、図4Bの場合には、スイッチS21のPWM制御による抵抗R21の見かけ上の抵抗の値の変化に加え、PWM制御されていないスイッチS11の開閉による抵抗R11の接続を選択できる。したがって、抵抗R21の見かけ上の抵抗の値の変化と抵抗R11の接続の有無により、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを制御できる範囲を増やせるという効果を有する。
上記では、PWM制御についての説明を単純化するために、2行1列の時定数変化部2を具備したエレクトロポレーション用回路1Dで説明した。しかしながら、時定数変化部2の数が異なるエレクトロポレーション用回路1A、1Cについても同様に制御部4を具備し、スイッチのPWM制御できることは明らかである。
エレクトロポレーション用回路1A、1Cのように複数列の時定数変化部2を有した場合には、時定数変化部2が具備するスイッチの少なくとも1つがPWM制御されることに加え、列ごとに時定数変化部2が具備する抵抗の値を変えて重みづけしてもよい。各列の時定数変化部2の重みづけとPWM制御をすることで、重みづけされた抵抗の値の組み合わせとPWM制御によって、エレクトロポレーション用回路1は、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを制御できる範囲を増やしかつ精緻に制御できる。なお、その場合、PWM制御は、重みづけが最も低い時定数変化部2のスイッチ、換言すると最も抵抗の値が大きい時定数変化部2のスイッチで行うことが好ましい。重みづけが低いのでデューティ比の変化による見かけ上の抵抗の値の変化量が小さくでき、時定数τを精緻に制御できる。
第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dおよびエレクトロポレーション方法は、第1の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1A~1Cおよびエレクトロポレーション方法が奏する効果に加え、以下の効果を相乗的に奏する。
(1)時定数変化部2が具備するスイッチをPWM制御することで、デューティ比により見かけ上の抵抗の値を連続的に変えられる。したがって、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを精緻に制御できる。
(2)各コンデンサに対し並列に接続された複数の時定数変化部2が具備するスイッチを同時にPWM制御した場合、各コンデンサに充電された電荷を均等に放電できる。
(3)各コンデンサに対し並列に接続された複数の時定数変化部2が具備するスイッチのいずれか1つをPWM制御した場合、PWM制御が行われる時定数変化部2の見かけ上の抵抗の値の変化に加え、PWM制御していない時定数変化部2での抵抗の接続を選択できる。したがって、サンプル抵抗Raに供給される電気信号の時定数τを制御できる範囲を増やせる。
(エレクトロポレーション用回路およびエレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法の第3の実施形態)
図5を参照して、第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Eおよび第3の実施形態に係るエレクトロポレーション方法について説明する。図5は、2行1列の時定数変化部2を具備する第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Eの一例を示す図である。
第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Eは、入力回路3を具備し、入力回路3とそれぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサによって直流高電圧生成回路5を構成する点で第2の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Dと異なり、その他の点はエレクトロポレーション用回路1Dと同じである。したがって、第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Eでおよびエレクトロポレーション方法は、上記の実施形態と異なる点を中心に説明し、上記の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第3の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、上記の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
図5に示すエレクトロポレーション用回路1Eは、12個のコンデンサC1~C12と、2行1列の時定数変化部2と、制御部4と、入力回路3とを具備する。そして、時定数変化部2が具備するスイッチS11、S21は制御部4によりPWM制御される。また、エレクトロポレーション用回路1Eは、コンデンサC6とコンデンサC7の間と、2つの時定数変化部2の間が接続される。したがって、コンデンサC1~C6に対して1行1列目の時定数変化部2が並列に接続され、コンデンサC7~C12に対して2行1列目の時定数変化部2が並列に接続される。
エレクトロポレーション用回路1Eは、入力回路3を具備する。図5に示す入力回路3は、一点鎖線で囲まれた部分である。図5に示す入力回路3は、それ自体では高電圧を生成するものではない。しかしながら、入力回路3は、サンプル抵抗Saに供給される電気信号の充電に用いられるコンデンサC1~C12に接続され、入力回路3とコンデンサC1~C12によって直流高電圧生成回路5を構成する。
エレクトロポレーション用回路1Eにおいて、2つの時定数変化部2が具備するスイッチS11またはスイッチS21をPWM制御した場合、上記したようにコンデンサC1~6の電荷の放電量とコンデンサC7~C12の電荷の放電量に違いが生じる。そのような場合、コンデンサC1~C6とコンデンサC7~C12の電荷の放電量の違いを小さくするようにPWM制御するスイッチを周期的に切り替える。しかしながら、PWM制御におけるデューティ比の変更やPWM制御の切り替えるタイミングが異なってしまうと、PWM制御するスイッチを周期的に切り替えてもコンデンサの電荷の放電量の違いが生じてしまうこともある。そして、コンデンサC1~C6とコンデンサC7~C12の電荷の放電量に違いが生じたところに充電をおこなうと、コンデンサC1~C12に充電される電荷量に差が生じ、充電される電荷量によってはサンプル抵抗Raに必要な電荷量が不足するおそれもある。
そこで、図5に示すように、サンプル抵抗Raに供給される電気信号が充電されるコンデンサC1~C12は、入力回路3と接続されて直流高電圧生成回路5を構成する。そうすることで、所定の周波数で入力回路3に電圧が印加されると、入力回路3のコンデンサとコンデンサC1~C12との間で、充電と放電が繰り返されながらコンデンサC1~C12に電荷が充電される。そして、充電と放電が繰り返されながら電荷が充電されることで、最終的にコンデンサC1~C12それぞれの充電される電荷量を同じにできる。したがって、電荷の放電量に違いが生じてもコンデンサC1~C12を充電した際にその差を解消できる。
また、第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路のサンプル抵抗Raに供給される電気信号の充放電に用いられるコンデンサは、直流高電圧生成回路5を兼ねている。しかしながら、当該コンデンサのサンプル抵抗Raに電気信号を供給するための電荷の放電と、直流高電圧生成による電荷の充電は、異なる過程で行われる。したがって、コンデンサへの放電の回路と充電の回路は別の回路としてみることができる。よって、コンデンサと時定数変化部2との接続および/またはコンデンサと入力回路3との接続は、コンデンサの数、時定数変化部2の数、および/または入力回路3の回路構成に応じて、適宜設計すればよい。
上記では、2行1列の時定数変化部2を具備したエレクトロポレーション用回路1Eで説明した。しかしながら、図1、3に示すエレクトロポレーション用回路1A、1Cのように時定数変化部2の数が異なる場合においても、サンプル抵抗Raに電気信号を供給するコンデンサを直流高電圧生成に利用できることは明らかである。
第3の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1Eおよびエレクトロポレーション方法は、上記の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1A~1Dおよびエレクトロポレーション方法が奏する効果に加え、以下の効果を相乗的に奏する。
(1)コンデンサC1~C12が、直流高電圧生成とサンプル抵抗Raに供給される電気信号の充電に用いられるので、コンデンサC1~C12において、放電によって電荷量に差が生じても、コンデンサC1~C12を充電することで、電荷量の差を解消できる。
(2)コンデンサC1~C12が、直流高電圧生成とサンプル抵抗Raに供給される電気信号の充電に用いられるので、エレクトロポレーション用回路1Eを構成する素子の数を少なくできる。
(直流高電圧電源用回路の実施形態)
上記の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1A~1Eは、サンプルに高電圧な電気信号を供給するが、サンプル以外にも、例えば出力側に回路等を接続し、当該回路に電気信号を供給してもよい。したがって、上記の実施形態に係るエレクトロポレーション用回路1は、直流高電圧電源用回路に用いることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、または、任意の構成要素の省略が可能である。さらに、上述の各実施形態に任意の構成要素が追加されてもよい。
本出願で開示するエレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路を用いると、高電圧による素子への負荷を低減できる。したがって、エレクトロポレーション用回路および直流高電圧電源用回路を扱う業者にとって有用である。
1、1A~1E…エレクトロポレーション用回路、2…時定数変化部、3…入力回路、4…制御部、5…直流高電圧生成回路、C1~Cm…コンデンサ、Ra…サンプル抵抗、R11~Rmn…抵抗、Sa…出力スイッチ、S11~Smn…スイッチ

Claims (10)

  1. エレクトロポレーション用回路を用いたエレクトロポレーション方法であって、
    サンプルに電気信号を供給するステップを含み、
    エレクトロポレーション用回路は、
    それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサと、
    m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部と、を含み、
    m行n列の複数の時定数変化部は、
    第1の方向にm個の時定数変化部が直列に接続され、
    nが2以上である場合、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部に対し並列に接続され、
    各時定数変化部は、
    スイッチと、
    スイッチに直列に接続される抵抗と、を含み、
    1つのコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部の間を接続し、
    入力回路およびサンプルに接続した際、直列に接続されるコンデンサおよび複数の時定数変化部は、入力回路およびサンプルに対し並列に接続される、
    エレクトロポレーション方法。
  2. サンプルに電気信号を供給するステップにおいて、
    2つ以上のコンデンサに充電された電荷を同時に放電させるように時定数変化部のスイッチを閉じる、
    または、
    2つ以上のコンデンサに充電された電荷を順次放電させるように時定数変化部のスイッチを閉じる、
    請求項1に記載のエレクトロポレーション方法。
  3. サンプルに電気信号を供給するステップにおいて、
    スイッチの少なくとも1つがPWM(Pulse Width Modulation)制御される、
    請求項1または2に記載のエレクトロポレーション方法。
  4. エレクトロポレーション用回路は、入力回路を含み、
    入力回路と少なくとも2つ以上のコンデンサとによって、直流高電圧生成回路を構成する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のエレクトロポレーション方法。
  5. サンプルに電気信号を供給するエレクトロポレーション用回路であって、
    エレクトロポレーション用回路は、
    それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサと、
    m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部と、を含み、
    m行n列の複数の時定数変化部は、
    第1の方向にm個の時定数変化部が直列に接続され、
    nが2以上である場合、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部に対し並列に接続され、
    各時定数変化部は、
    スイッチと、
    スイッチに直列に接続される抵抗と、を含み、
    1つのコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部の間を接続し、
    入力回路およびサンプルに接続した際、直列に接続されるコンデンサおよび複数の時定数変化部は、入力回路およびサンプルに対し並列に接続される、
    エレクトロポレーション用回路。
  6. スイッチの少なくとも1つをPWM制御する制御部を含む、
    請求項5に記載のエレクトロポレーション用回路。
  7. 入力回路を含み、
    入力回路と少なくとも2つ以上のコンデンサとによって、直流高電圧生成回路を構成する、
    請求項5または6に記載のエレクトロポレーション用回路。
  8. 電気信号を出力する直流高電圧電源用回路であって、
    直流高電圧電源用回路は、
    それぞれが直列に接続される少なくとも2つ以上のコンデンサと、
    m行n列(m、nは自然数であり、m≧2、n≧1である。)の複数の時定数変化部と、を含み、
    m行n列の複数の時定数変化部は、
    第1の方向にm個の時定数変化部が直列に接続され、
    nが2以上である場合、第1の方向とは異なる第2の方向で隣り合う時定数変化部に対し並列に接続され、
    各時定数変化部は、
    スイッチと、
    スイッチに直列に接続される抵抗と、を含み、
    1つのコンデンサに対し第1の方向における1つの時定数変化部が並列に接続されるように、直列に接続されるコンデンサの間と第1の方向に直列に接続される時定数変化部の間を接続し、
    入力回路およびサンプルに接続した際、直列に接続されるコンデンサおよび複数の時定数変化部は、入力回路およびサンプルに対し並列に接続される、
    直流高電圧電源用回路。
  9. スイッチの少なくとも1つをPWM制御する制御部を含む、
    請求項8に記載の直流高電圧電源用回路。
  10. 入力回路を含み、
    入力回路と少なくとも2つ以上のコンデンサとによって、直流高電圧生成回路を構成する、
    請求項8または9に記載の直流高電圧電源用回路。
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