JP2023024245A - 波長変換プレート、光源装置および画像投射装置 - Google Patents

波長変換プレート、光源装置および画像投射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光の利用効率を高めることができる波長変換プレート、光源装置および画像投射装置を提供する。【解決手段】基盤面上に、励起光を受けて励起光の色とは別の色を生成する波長変換部材を配した変換領域と、励起光を反射する反射領域と、を有する波長変換プレートにおいて、前記反射領域は、前記励起光を拡散する透過拡散面と、透過層と、反射面とを備え、前記透過拡散面は、前記波長変換部材の前記基盤面側の面よりも、前記励起光が入射する側に位置している。【選択図】図3

Description

本発明は、波長変換プレート、光源装置および画像投射装置に関する。
今日、様々な映像を拡大投影するプロジェクタ(画像投射装置)が広く普及している。プロジェクタは、光源から出射された光をDMD(Digital Mirror Device)または液晶表示素子といった空間光変調素子(画像表示素子)に集光させ、映像信号に基づいて変調された空間光変調素子からの出射光(反射光)をスクリーン上にカラー映像として表示させる装置である。
ところで、カラー映像投影するためには、少なくとも3原色の照明光源が必要であるが、その全てをレーザ光源で生成することも可能ではあるが、緑色レーザや赤色レーザの発光効率が青色レーザに比べて低いため、好ましくはない。そのため、青色レーザを励起光として蛍光体に照射して、蛍光体で波長変換された蛍光光から赤色光と緑色光を生成する方法が主流となっている。一方、青光は励起光をそのまま使うことが可能であるので、蛍光体を塗布した蛍光体基盤の一部を反射領域の区間として、その反射領域と蛍光体が設けられたところを順次入れ替えて、青光と蛍光を時間順次に生成する照明装置の技術が既に知られている。
特許文献1には、蛍光ホイールの蛍光体を配置した金属基材の表面に光を拡散して反射する(拡散反射する)拡散反射面を設け、励起光の照射位置に対する蛍光体の拡散反射面の位置に同期して光源および励起光光源の発光を制御する技術が開示されている。特許文献2には、材料中に微小散乱体が分散されている光散乱層が基盤上に設けられた技術が開示されている。
しかしながら、従来の波長変換プレート上に設けた反射面への拡散構造によれば、蛍光体の発光位置(励起光が入射する側から見て、励起光が照射される蛍光体表面)と拡散位置(励起光が入射する側から見て、励起光が初めて通過する透過拡散面の位置)が異なり、蛍光と励起光源である青光に対して光利用効率をそれぞれ最適化できずに、利用効率を高めることができない、という問題があった。
加えて、従来の技術によれば、蛍光体表面から蛍光が蛍光体内部を進み、蛍光体表面に照射された励起光の照射サイズより若干にじみ、励起光の照射サイズより大きな蛍光発光サイズとなる。この蛍光の発光サイズと、励起光の透過拡散面での励起光の発光サイズに差異が生じる。つまり、従来の技術によれば、蛍光と励起光源である青光に対して光を取り込む光学系について、両立した最適化ができずに、利用効率を高められないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光の利用効率を高めることができる波長変換プレート、光源装置および画像投射装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基盤面上に、励起光を受けて励起光の色とは別の色を生成する波長変換部材を配した変換領域と、励起光を反射する反射領域と、を有する波長変換プレートにおいて、前記反射領域は、前記励起光を拡散する透過拡散面と、透過層と、反射面とを備え、前記透過拡散面は、前記波長変換部材の前記基盤面側の面よりも、前記励起光が入射する側に位置している、ことを特徴とする。
本発明によれば、透過拡散面上での励起光が照射されて透過拡散面上で二次光源となる励起光の光源サイズを、変換領域で広がる発光サイズに近づけることができ、変換領域で波長変換された光と励起光の取り込む光の利用効率を高めることができる、という効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態プロジェクタを示す概略構成図である。 図2は、光源部の構成を示す模式図である。 図3は、波長変換素子の構成の一例を示す図である。 図4は、波長変換素子における反射例を示す図である。 図5は、従来の波長変換素子における光の進む様子を示す概念図である。 図6は、本実施形態の波長変換素子における光の進む様子を示す概念図である。 図7は、変形例にかかる波長変換素子の断面を示す図である。 図8は、第2の実施の形態にかかる波長変換素子の断面を展開した図である。 図9は、第3の実施の形態にかかる励起光の入射方向の範囲を示す図である。 図10は、励起光の照射位置を拡大して示す図である。
以下に添付図面を参照して、波長変換プレート、光源装置および画像投射装置の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるプロジェクタ1を示す概略構成図である。
プロジェクタ(画像投射装置)1は、筐体10と、光源装置20と、光均一化素子30と、照明光学系40と、画像形成素子(画像表示素子)50と、投射光学系60と、制御装置80と、カラーホイール90と、を有している。
筐体10は、光源装置20と光均一化素子30と照明光学系40と画像形成素子50と投射光学系60と制御装置80とカラーホイール90とを収納する。
光源装置20は、例えば、RGBの各色に対応する波長を含んだ光を出射する。光源装置20は、光源部20A、光源部20Bおよび合成部である光路合成素子20Cを有する。光源部20Aおよび光源部20Bは同じ構造のものであって、所定の形状の光束を出射する。なお、光源部20Aおよび光源部20Bの内部構成については、後に詳細に説明する。光源部20Aと光源部20Bから出射された光束は、光路合成素子20Cによりそれぞれ偏向されて光均一化素子30の入射側面に入射する。なお、本実施の形態においては、光路合成素子20Cとしてプリズムを例として示しているが、これに限るものではない。
図1に示すように、プロジェクタ1は、光源部20Aおよび光源部20Bから対向して出でた集光途中の光束を、互いに略90度の角度でなした二つの反射部(図1では光路合成素子20C)に、それぞれの光束を反射させて偏向し、同一方向に反射させ、それぞれの集光光束を隣接あるいは一部重ね合わせて合成し、同時に光均一化素子30に入射させる。
なお、本実施の形態においては、光源装置20は、2つの光源部20A,20Bを用いた例を示しているが、これに限るものではなく、2つ以上例えば4つの光源部を用い、合成する構成としてもよい。
光均一化素子30は、光源装置20から出射された光をミキシングすることで均一化する。より詳細には、光均一化素子30は、入射側面から入射した光束を、反射を繰り返しながら内部を伝搬して出射面から出射する。光均一化素子30は、入射側面から入射した光束を、内部で複数回反射することで、均一な面光源を出射面上に形成する。光均一化素子30としては、例えば、内部を中空にして内面に4枚のミラーを組み合わせたライトトンネル、ガラス等の透明な材料で角柱を形成したロッドインテグレータ、フライアイレンズ等が用いられる。例えば、光均一化素子30としてライトトンネルを適用した場合、画像形成素子50のアスペクト比とほぼ同じにして、ライトトンネルの出口の形を画像形成素子50の面上に投影する形とするので、画像形成素子50の面上に無駄なく効率よく照明することができる。
照明光学系40は、光均一化素子30が均一化した光で画像形成素子50を略均一に照明する。照明光学系40は、例えば、1枚以上のレンズや1面以上の反射面等を有している。
画像形成素子50は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル等のライトバルブを有している。画像形成素子50は、照明光学系40により照明される光(光源装置20の光源光学系からの光)を変調することにより画像を形成する。
制御装置80は、画像形成素子50の面を画素単位で、画像形成素子50に照射された照明光を入力画像に応じて反射あるいは透過するなどしてスイッチングし、投射光学系60へと導く。
投射光学系60は、画像形成素子50が形成した画像をスクリーン(被投射面)70に拡大投射する。投射光学系60は、例えば、1枚以上のレンズを有している。投射光学系60は、画像形成素子50の面の像を、所望のスクリーン(被投射面)70の位置に拡大像として結像するような共役関係としているので、画像形成素子50の面上に空間変調された画像を拡大投射して映し出す。
加えて、光均一化素子30の光の出口には、少なくとも青光、緑光、赤光成分を取り出すようにカラーフィルタを切り替える機能を有したカラーホイール90を設けている。カラーホイール90は、光源部20Aおよび光源部20Bそれぞれに用いられている波長変換素子26(図2等参照)の回転と、カラーホイール90の回転を同期し、カラーフィルタ切り替えを同期駆動させるとともに、それら切り替えのタイミングに応じて画像形成素子50の面上の画像を表示することで、単色の画像を順次に表示する。このような切り替え時間は目の応答速度より早いため、カラー画像として認識されることになる。
図2は、光源部20Aの構成を示す模式図である。なお、光源部20Bも同様の構成である。図2(a)は青色レーザ光(第1の色光)生成時を示し、図2(b)は蛍光光(第2の色光)生成時を示す。
光源部20A(20B)は、光の伝搬方向に順に配置された、レーザ光源(励起光源)21と、それぞれの光源に対応して設けられたコリメータレンズ22と、第1レンズ群23と、ダイクロイックミラー24と、第2レンズ群25と、波長変換プレートである波長変換素子26と、第3レンズ群27と、を有している。例えば、光源装置20のうち、レーザ光源21を除いた構成要素によって「光源光学系」が構成される。光源部20A(20B)は、上述の各部を、レーザ光源21から出射する励起光の伝搬順に配置する。
レーザ光源21は、複数の光源(発光点)を有している。レーザ光源21としては、いわゆるレーザーダイオードが用いられる。図2では、上下方向に並ぶ6個の光源を描いているが、実際には、6個の光源が紙面直交方向(奥行方向)に4列に並んでおり、6×4=24個の光源が二次元的に配列されている。レーザ光源21の各光源は、波長変換素子26が備える蛍光体を励起させる励起光として、例えば発光強度の中心波長が440nm~465nmの青色帯域の光(青色レーザ光)を出射する。
レーザ光源21の各光源から出射される青色レーザ光(第1の色光)は、偏光状態が一定の直線偏光であり、ダイクロイックミラー24に対してS偏光となるように配置されている。レーザ光源21の各光源から出射される青色レーザ光は、コヒーレント光である。また、レーザ光源21の各光源から出射される励起光は、波長変換素子26が備える蛍光体を励起させることができる波長の光であればよく、青色帯域の光に限定されるものではない。
なお、レーザ光源21は、複数の光源を用いることを例として示しているが、単一のレーザ光源でもよい。また、レーザ光源21としては、基板上にアレイ状に配置した光源ユニットを使用してもよいが、これに限定されるものではない。
コリメータレンズ22は、レーザ光源21の24個の光源に対応して24個設けられている。各コリメータレンズ22は、レーザ光源21の各光源が出射した励起光を略平行光となるように調整する。コリメータレンズ22の数は、レーザ光源21の光源の数に対応していればよく、レーザ光源21の光源の数の増減に応じて増減することができる。
レーザ光源21より出射された励起光は、レーザ光源21の各光源に対応したコリメータレンズ22により略平行光となる。略平行光となった励起光は、第1レンズ群23で縮小されて細い光束に変換されて、ダイクロイックミラー24へと導かれる。
ダイクロイックミラー24は、平行平板形状のガラス板である。ダイクロイックミラー24は、第1レンズ群23から導かれた励起光の波長帯域のS偏光(第1の偏光成分)を反射し、第1レンズ群23から導かれた励起光の波長帯域のP偏光(第2の偏光成分)および波長変換素子26からの蛍光光(第2の色光)を透過するようなコートを、入射面側に施している。
ダイクロイックミラー24は、その中心を第2レンズ群25の光軸に対してシフトさせ、励起光を波長変換素子26の法線に対して傾いて入射する。
なお、本実施の形態では、平板状のダイクロイックミラー24を用いているが、プリズムタイプを用いることも可能である。また、本実施の形態では、ダイクロイックミラー24が、励起光の波長帯域のS偏光を反射してP偏光を透過しているが、これとは逆に、励起光の波長帯域のP偏光を反射してS偏光を透過するようにしてもよい。
図2(a)に示すように、ダイクロイックミラー24により反射された励起光は、集光光学系である第2レンズ群25により波長変換素子26へ導かれ、所望の集光スポットを波長変換素子26上に形成される。波長変換素子26の青反射領域A3(図3参照)で反射された励起光は、再び第2レンズ群25を通過し、第2レンズ群25の光軸に対してダイクロイックミラー24の反対側を通過し、第3レンズ群27を透過し、光路合成素子20Cで偏向され、光均一化素子30に入射する。光均一化素子30は、入射した光を均一化する。
また、図2(b)に示すように、波長変換素子26の蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2:図3参照)は、励起光が入射すると、励起光を受けて波長変換された蛍光を蛍光分子の周辺360度において発する。波長変換素子26の蛍光体領域において発される蛍光は黄色または緑色の成分を含む。また、波長変換素子26の基盤26a(図3参照)の表面(基盤面)で反射された励起光は、再び蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)を通過して、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面側にランバート分布にて蛍光を発する。波長変換素子26の蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)で発せられた蛍光は、光路合成素子20C(図2では省略する)を介して光均一化素子30に導かれる。より詳細には、蛍光は、第2レンズ群25により略平行光とされ、第3レンズ群27により光均一化素子30近傍に集光するように屈折され、光路合成素子20Cで偏向され、光均一化素子30に入射する。
図3は、波長変換素子26の構成の一例を示す図である。
図3(a)は、波長変換素子26の平面図である。本実施の形態にかかる波長変換素子26は、図3(a)に示すように、円盤状である。波長変換素子26は、波長変換部材(蛍光体)26fを備える変換領域である黄蛍光体領域(第1波長変換領域)A1、波長変換部材(蛍光体)26gを備える変換領域である緑蛍光体領域(第2波長変換領域)A2、およびレーザ光源(励起光源)21から出射された光を反射させる青反射領域(言い換えると、レーザ光源(励起光源)21から受光した光の波長を変換することなく出射する無変換領域)A3の3つのセグメントが、所望の角度で円盤状のプレートの周辺に帯状に形成された波長変換プレートである。
黄蛍光体領域A1は、例えば、青色レーザ光を励起光として受けて黄色の波長帯域の蛍光を発する黄色の蛍光体26fにより形成されている。緑蛍光体領域A2は、例えば、青色レーザ光を励起光として受けて緑色の波長帯域の蛍光を発する緑色の蛍光体26gにより形成されている。
なお、本実施形態においては、黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2との二種の蛍光体を用いたが、これに限るものではない。例えば、黄蛍光体領域A1のみでも構わないし、赤蛍光体領域をさらに追加してもよい。
なお、カラーホイール90は、蛍光体から所望の色成分を取り出すカラーフィルタを備えている。カラーホイール90は、カラーフィルタを順次切り替えることによって、蛍光から、必要な色成分、例えば緑色成分や赤色成分を時間分割にて取り出す。このようにカラーフィルタを順次切り替えるには、カラーフィルタごとにセグメントを設けて、回転モータによって回転させて、順次所望のカラーフィルタが切り替わるようにすればよい。
そして、円盤状の波長変換素子26は、制御装置80に制御される駆動部により回転駆動されることで、黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2と青反射領域A3とを周期的に順次移動することができる。なお、移動機構である駆動部は、通常は回転モータMが好ましい。そして、波長変換素子26は、駆動部による回転駆動に伴って、レーザ光源(励起光源)21から光が照射される位置である集光スポットにおいて黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2と青反射領域A3とが入れ替わり、波長が異なる光を時分割で射出する。
なお、光源部20A(20B)は、波長変換素子26のホイールまたは当該ホイールを支持して回転している部材に、光吸収または反射部材を配置し、フォトカプラーで検出するなどして二つの波長変換素子26の回転速度を同一にする。
図3(b)は、図3(a)に記したA-A’における断面図である。図3(b)に示すように、波長変換素子26は、青反射領域A3において、透明平板部材である透明な平板プレート26cを、接着層26bを介して円盤状の基盤26a上に備える。なお、上述したように、レーザ光源21は、励起光として、例えば発光強度の中心波長が440nm~465nmの青色帯域の光(青色レーザ光)を出射する。
図3(b)に示すように、青反射領域A3を構成する平板プレート26cは、励起光を拡散する透過拡散面261と、励起光を透過する透過層262と、励起光を反射する反射面263とを備える。平板プレート26cは、一方の片面が透過拡散面261、透過拡散面261に対向する他方の片面が反射面263となっている。平板プレート26cは、BK7のガラス板、熱伝導率の高い石英ガラス、サファイヤ、人工合成ガラスなどで形成される。
平板プレート26cの透過拡散面261は、ガラス表面に荒らし加工をすることによって、形成される。例えば、荒らし加工としては、サンドブラストや溶剤によるエッチング加工など、擦りガラス状となる加工技術を用いることができる。また、平板プレート26cの透過拡散面261は、微小なプリズム、または、マイクロレンズを用いて形成してもよい。なお、ここでの透過拡散面とは、界面で光が一定方向に偏向するのではなく、透過することで光束がある程度広がって進行する作用を有するものをいう。
平板プレート26cの反射面263は、通常のミラーを形成する従来手法で作成すればよい。例えば、アルミなどの金属を蒸着やスパッタリングで薄膜にして平板プレート26cに形成してもよい。また、励起光の波長領域の反射率が高くなるような反射膜を、平板プレート26cに形成してもよい。なお、反射膜は薄膜であるので、厚みはほとんど無視することができる。具体的には、量産工法が確立された誘電体多層膜を平板プレート26cに形成するなどすればよい。
図3(b)に示すように、青色レーザ光が平板プレート26cの透過拡散面261を通過する際に、主たる光線から一定の角度を有して光束が広がる。図3(b)に示すように、その広がった光束が、平板プレート26cを透過し、透過拡散面261に対向する反射面263に到達する。平板プレート26cを透過した光束は、反射面263でそのまま正反射し、再度入射面(透過拡散面261)に到達し、さらに一定の角度に広がって平板プレート26cから出射する。平板プレート26cは、出射に際して、透過拡散面261からわずかな角度で光束が広がるように設定されている。その広がり角度は数度程度が望ましく、数度~10度程度、精々20度程度である。青色レーザ光は、基本的には平板プレート26cの透過拡散面261を2度通過する。そのため、平板プレート26cの反射面263で反射された光束は、透過拡散面261の拡散角度の2倍程度に拡散されて出射されることになる。したがって、平板プレート26cの透過拡散面261は、反射光の所望の拡散角に対して半分程度の拡散角となるようにすればよい。したがって、所望の角度だけ拡散したい場合に、その半分程度の拡散角度で構成すればよいので、透過拡散面261の形成等が容易になる。
以上により、平板プレート26cの反射面263に一定の角度で入射した青色レーザ光は、わずかな拡散角を有する透過拡散面261を2度通過することにより、所望の光束の広がりとなるように最適化されている。
ここで、青色レーザ光である励起光を拡散する必要性について説明する。実用上の明るさを有するプロジェクタ1を実現するためには、数千ルーメンの明るさが必要である。そのためには励起光でパワーも数十Wは最低でも必要となってくる。数十Wのパワーを有する光源としては青色波長帯域を有したレーザ光源21が有望である。レーザ光源21としては、いわゆるレーザーダイオードが用いられる。一方、レーザーダイオードは、高出力が得られる有効な光源であるが、光の直進性が高く、干渉性も高いので、投射画像にギラツキ感、いわゆるスペックルと呼ばれる状況が生まれやすい。このような状況を解消するために、レーザ光が拡散部材を通過することで、指向性を緩和し、またコヒーレンス(可干渉性)を低減することができる。このようなスペックルを低減するために、レーザ光の光路中に、拡散板を配置することが行われているが、本実施形態では、蛍光体への集光光路中(まさに集光点近傍に)に透過拡散面261を配置することで、スペックルを低減することを担う。
そして、図3(b)に示すように、青色レーザ光の入射方向からみて一番近い平板プレート26cの透過拡散面261の位置が、平板プレート26cの反射面263から反射された青光源の発光位置となって、後段の光学系に取り込まれ利用されることになる。
ここで、図4は波長変換素子26における反射例を示す図である。図4(a)は青色レーザ光が青反射領域A3に入射する様子を示し、図4(b)は青色レーザ光が青反射領域A3で拡散反射される様子を示し、図4(c)は青色レーザ光が蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)に入射して蛍光が発する様子を示す。
図4(a)および図4(b)に示すように、波長変換素子26の青反射領域A3に青色レーザ光が斜め方向から入射されると、青色レーザ光が透過拡散面261上に形成されるスポットサイズ(励起光照射領域)が平板プレート26cの透過拡散面261で拡散されるとともに、平板プレート26cの反射面263で反射される。これにより、拡散光が広がるとともに、平板プレート26cの反射面263で反射された光束が再び透過拡散面261に対して裏側から入射して2回目の透過拡散面261の通過により、透過拡散面261上で集光スポットが入射時より大きくなって出射する。
一方、図4(c)に示すように、波長変換素子26が回転して図3(a)の断面C-C’で示される波長変換素子26の蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)に青色レーザ光が斜め方向から入射されると、青色レーザ光が励起光として作用する。なお、波長変換素子26は、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)を基盤26a上の反射面26d上に形成している。この場合、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の蛍光体26f,26gの表面は、若干広がって蛍光を発する。このように、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)において広がった蛍光の光源サイズに、励起光が青反射領域A3から発する透過拡散面261上での発光サイズが近づく、あるいは同等のサイズとなる。
もし、このような構成を採用しない場合、集光スポットのスポットサイズの大きさが小さなサイズで拡散光となって、透過拡散面261上ではあたかも青光が発光した形になるので、小さい発光サイズのままで光均一化素子30に取り込まれパネルに照明されることとなる。この場合、蛍光の発光サイズを優先して設計された照明光学系では、青色の小さい発光サイズでは、均一化が出来ないという課題が生じる。
図3の説明に戻る。図3(c)は、図3(a)に記したB-B’における断面を展開した図である。図3(c)に示すように、青反射領域A3は、励起光を拡散する透過拡散面261と、透過層262と、反射面263とで構成される。
波長変換素子26は、黄蛍光体領域A1と、緑蛍光体領域A2と、青反射領域A3とを環状に連続して形成している。環状に連続して形成されていることにより、黄蛍光体領域A1と、緑蛍光体領域A2と、青反射領域A3とは、隣接するものである。すなわち、図3(c)に示すように、円弧に沿った断面B-B’を展開した場合、緑蛍光体領域A2の次に連続して青反射領域A3、黄蛍光体領域A1と続くことになる。このように黄蛍光体領域A1と、緑蛍光体領域A2と、青反射領域A3とが連続していることにより、集光スポットが各領域の境界部分を通過する際に、2つの領域を跨ぐ時間を最小限に抑えることができる。これにより、いわゆるスポークタイムによる光のロスを抑えることが可能となる。
また、図3(c)に示すように、青反射領域A3の透過拡散面261は、波長変換部材である蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)を構成する蛍光体26f,26gの基盤面26a側の面よりも、励起光が入射する側に位置している。より詳細には、図3(c)に示す例では、青反射領域A3の高さが、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の高さよりも高くなっている。すなわち、青反射領域A3内に形成されている透過拡散面261の位置が、励起光源の入射側から見て、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の表面より近い位置となっている。言い換えれば、基盤26aと平板プレート26cの透過拡散面261の距離が、有限の値となっていることと同意である。なお、ここで、「高い」というのは相対的な位置関係を表すものである。
通常、波長変換素子26の黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2は、有限の厚みで基盤26aの表面に塗布されている。基盤26a上に形成されている黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2は有限の厚みを有しているため、必然的に、基盤26aの表面から離れていることになる。
また、青反射領域A3の表面側と基盤26aの位置関係を定めた時に、波長変換素子26の表面側に、有限の距離をなして平板プレート26cの透過拡散面261の位置をなしていることと同意である。
図3(c)に示すように、本実施形態においては、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚みをk、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の基盤26aの表面からの高さをhとしたとき、下記の関係になるように青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の高さを定めた。
k<h<2k
なお、hが2kとなるのは、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚みの2倍の高さに相当する。
なお、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の基盤26aの表面からの高さhが黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚みの2倍以上となると、hが0となる状態の効率とほぼ等しくなり、効果が減少する。つまり、従来技術より効率を高めるためには、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の基盤26aの表面からの高さhを、k<h<2kの範囲にすることで、光利用効率が各段に高まることとなる。
なお、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の表面と、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の高さが同一(第2レンズ群25に対して同じ距離にする)、すなわちh=kになるのが理想ではある。しかしながら、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2と、青反射領域A3とが、それぞれ別部材であるので、波長変換素子26を製造する過程では厳密には多少段差が生じる。本実施形態においては、その段差の許容範囲を規定した。
青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261は、励起光である青色レーザ光が拡散して、二次光源としての発光源となる。一方、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2は青色の励起光よりも長波長に変換する。すなわち、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261で作用する波長と、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2から蛍光として発する波長とでは、平板プレート26cの透過拡散面261で作用する波長が短く、多少なりとも色収差が発生する。短い波長のほうがバックフォーカスを短くできるので、集光効率を高めることができる。
例えば、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261は基盤26aの表面から約0.3mm(300μm)の高さにあり、また、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚みは、約0.2mm(200μm)である。
次に、本実施形態の効果を説明する。
ここで、図5は従来の波長変換素子における光の進む様子を示す概念図、図6は本実施形態の波長変換素子26における光の進む様子を示す概念図である。
本来、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面と、ライトトンネルなどの光均一化素子30の入り口は光学的に共役な関係にあることが望ましい。つまり、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面に励起光の集光スポットが最も小さくなる位置するように、第2レンズ群25および第3レンズ群27で構成する集光素子との間隔を決めて設定している。
集光スポットのサイズに応じたサイズで蛍光が生じるため、波長変換素子26の位置によって蛍光の光源の大きさが決まることになる。つまり、蛍光をより効率的に利用するには、より小さな集光スポットにすることが望ましい。そこで、波長変換素子26は、励起光が光学系を介して可能な限り小さな集光スポットを形成するように配置されている。通常は、励起光の集光スポットサイズは数mm程度であり、場合によっては1mm、あるいはそれ以下になる場合もある。
図5に示すように、従来技術では、拡散面は、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の蛍光体層の厚み分だけ、第2レンズ群25および第3レンズ群27で構成する集光素子からみて離れていた。図5に示すように、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)に励起光が照射されて蛍光を発するときには、蛍光の発光点が物点(位置A)となる。物点(位置A)から発散する光は、第2レンズ群25によって集光された後、第3レンズ群27によって光均一化素子30の入り口近傍に集光される。すなわち、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面と光均一化素子30の入り口が光学的に共役関係となる配置となっている。
図5に示すように、従来の波長変換素子が回転して、拡散面から励起光が反射するようになると、拡散面が第2レンズ群25および第3レンズ群27で構成する集光素子と離れる位置関係(位置B)となる。この状態での位置Bの共役関係の位置は、図5に示すように、光均一化素子30の入口より手前となる。このような状態で、拡散面から折り返して反射された青色レーザ光は、光均一化素子30の入り口では広がった光束として到達することになり、光均一化素子30で取り込まれない光が少なからず存在することとなるので、光利用効率の低下を招く。
これに対して、図6に示すように、本実施形態の波長変換素子26を採用した場合には、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面と青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の位置をほぼ揃えることで、光学的な共役位置を光均一化素子30の入り口に揃えることが可能となり、蛍光、青光いずれに対しても最適な位置関係を保つことができるので、光のロスを抑えることができる。
このように本実施形態によれば、青反射領域A3の透過拡散面261は、波長変換部材である蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の裏面を含む面より高い位置であることにより、透過拡散面261上での励起光が照射されて透過拡散面261上で二次光源となる励起光の光源サイズを、変換領域で広がる発光サイズに近づけることができ、変換領域で波長変換された光と励起光の取り込む光の利用効率を同等にすることができる。
また、青反射領域A3の透過拡散面261は、励起光の入射する側からみて、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面よりも近い位置にしたことにより、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面により近い位置に透過拡散面261を合わせることができるので、波長変換された光と励起光の反射光をともに効率を落とさず、照明光として有効に利用できる。より詳細には、透過拡散面261は励起光である青光が拡散して、その透過拡散面261が二次光源として発光源となる。一方、蛍光は青色の励起光よりも長波長に変換する。すなわち、透過拡散面261で作用する波長と、蛍光として発する波長は、透過拡散面261で作用する波長が短く、色収差が発生する。短い波長のほうがバックフォーカスを短くできるので、集光効率を高めることができる。
すなわち、本実施形態のプロジェクタ1によれば、青光はレーザーダイオード光源の青をそのまま出力して利用するが、青反射領域A3の透過拡散面261を2回通過することで、均一性の確保と同時に、レーザ光のスペックル減少を緩和することも可能となり、高品質な投射画像を得ることができる。
なお、本実施形態においては、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚みをk、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の基盤26aの表面からの高さをhとしたとき、下記の関係になるように青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の高さを定めた。
k<h<2k
しかしながら、これに限るものではなく、0<h<2kとしてもよい。従来技術では、透過拡散面261は蛍光体層の厚み分だけ集光レンズからみて蛍光体層の表面から離れていた。つまり、h=0の位置である。この状態よりも透過拡散面261を集光レンズに近づける、すなわちh>0とすることで、蛍光面に近づき焦点を合わせることによって、波長変換された光(蛍光)と、励起光を青光として用いる照明装置の光利用効率を高めることができるという効果が生じる。
また、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261は、励起光の入射する側からみて、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の表面の位置に一致させるようにしてもよい。すなわち、黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚みをk、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の基盤26aの表面からの高さをhとしたとき、下記の関係になるように青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261の高さを定めてもよい。
k=h
蛍光や拡散光を取り込むための第2レンズ群25との距離(バックフォーカス)はきわめて近接している。一方、波長変換素子26を回転させた場合、そのわずかなギャップを保ったまま第2レンズ群25の表面が波長変換素子26上を高速に移動している。そこで、波長変換素子26上に段差をなくすことで、風切り音や、物理的な障害を防ぐことができる。
なお、透過拡散面261が基盤26aからいくらでも離れていいわけではない。理想的な焦点の位置があるとすれば、通常、ロバストを考慮すると通常光学設計としては、理想的な焦点位置でもっとも最適となるように設計する。例えば、蛍光面の位置で最適化した場合、集光レンズからみて奥まった+kの距離(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2の厚み分)でも透過拡散面261での反射光の取り込み効率が確保できるように設定していたのが従来技術である。特殊な設計行うことがなければ、通常は逆に-kだけ手前に焦点を移動しても、+kの距離だけ離した当初の位置と略同等の性能になることが多い(焦点ずれに関して特性が対象となるのが通常である)。設計に関して特別な工夫を要さないでも、本発明の技術思想を使えば、蛍光面からΔk内(±kより小さい)に収まるように透過拡散面261を設定すれば、少なくとも従来技術よりも効率を上げられるといえる。したがって、透過拡散面261の高さを、0<h<2kとすることで、蛍光面の高さからの相対的なズレ±kより内側に位置することとなるので、h=0の位置より効率が高くなる。
(変形例)
次に、変形例について説明する。
ここで、図7は変形例にかかる波長変換素子26の断面を示す図である。図7(a)は青反射領域A3の断面図、図7(b)は蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の断面図である。
図7に示すように、変形例の波長変換素子26は、基盤26aの外周に沿って円形あるいは円弧状の溝26eを備える。波長変換素子26は、基盤26aに形成した溝26eの中に、黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2と青反射領域A3を形成する。図7に示すように、黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2と青反射領域A3と接触している溝26eの底面が基盤26aの表面として、当該溝26eの底面から有限の距離を保って平板プレート26cの透過拡散面261が位置している。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、波長変換素子26において青反射領域A3の平板プレート26cを透過した光を基盤26aの表面で反射させるようにした点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図8は第2の実施の形態にかかる波長変換素子26の断面を展開した図である。図3(b)では、最表面での拡散の様子を示しただけであったが、実際の光の振る舞いは図6に示したように、青反射領域A3の平板プレート26cの透過拡散面261で主たる光線から拡散角だけ広がり、平板プレート26cの反射面263で反射されて再び透過拡散面261を逆に進む際にも拡散する。
そこで、図8に示すように、本実施形態にかかる波長変換素子26においては、平板プレート26cの表面は透過拡散面261とし、透過拡散面261に対向するもう一方の面は透過面とするとともに、基盤26aの表面で反射させる構成とする。平板プレート26cは、透過拡散面261とは反対側の面側が透明の接着層26bを介して、反射面26dである基盤26aの表面に貼り付けられている。
波長変換素子26は、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)を基盤26a上の反射面26d上に形成しているので、その反射面26dを励起光(青光)の反射面として連続的に形成できる。すなわち、平板プレート26cには反射層を設けなくてもよく、低コストに波長変換素子26を構成することができる。
なお、実用的な照明出力を得るためには、通常は青色レーザ光源の出力として数十W必要となる。その数十Wのスポット光が集中して平板プレート26cの透過拡散面261を通過することになるので、少なからず平板プレート26cの耐熱性は必要である。そのため、平板プレート26cは、少なくとも金属などの熱伝導性の高い部材に熱的に連結しておればよい。つまり、平板プレート26cは、接着層26bを介して基盤26aと連結することによって、照射によって受ける熱量を逃がすことが可能となり、信頼性の高い波長変換素子26を提供することができる。
なお、各実施の形態では、波長変換プレートである波長変換素子26をプロジェクタ(画像投射装置)1に備えるようにしたが、これに限るものではなく、蛍光と青の励起光源を時間的に混合して見た目に白色を得る装置に広く適用できる。例えば、波長変換プレートである波長変換素子26は、サーチライト、スポットライトなどの照明装置にも適用が可能である。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、励起光の入射方向の範囲を規定した点が、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
変換領域(黄蛍光体領域(第1波長変換領域)A1、緑蛍光体領域(第2波長変換領域)A2)および反射領域(青反射領域A3)が回転する方向(移動方向)に沿って励起光を入射させると、移動方向にビームが広がる問題点がある。そこで、本実施形態においては、レーザ光源21より出射された励起光を、波長変換素子26の移動方向(回転方向)に対して45°~135°の範囲から入射させるようにしたものである。
ここで、図9は第3の実施の形態にかかる励起光の入射方向の範囲を示す図である。図9に示す破線矢印Pが、波長変換素子26の駆動(回転方向)の接線である。図9に示す接線に沿った方向に対して、レーザ光源21より出射された励起光を、45°~135°の方向(上側と下側いずれからでも構わない)に入射方向とする。
図10は、励起光の照射位置を拡大して示す図である。レーザ光源21より出射された励起光は、図10に示す2つの矢印Qの範囲(45°~135°)から入射する。図10に示す楕円は、励起光の集光スポットを示すものである。図10に示すように、変換領域(黄蛍光体領域(第1波長変換領域)A1、緑蛍光体領域(第2波長変換領域)A2)の移動方向に対して垂直方向にスポット光が広がることになる。
ここで、図10に示す0°~45°あるいは、135°~180°の方向に、レーザ光源21より出射された励起光を入射させた場合について説明する。この場合、励起光の集光スポットは、その方向に長軸となる楕円となり、ビームの広がり方向は、拡散が長くなり色混ざりや光の利用効率が低下する。光の広がりに関しては、図3、図4などで説明した通りである。
このように本実施形態によれば、変換領域(黄蛍光体領域(第1波長変換領域)A1、緑蛍光体領域(第2波長変換領域)A2)によってビームの広がりが生じるが、励起光の反射領域へ入射方向を45度以上135度以下と規定したので、反射領域と変換領域との境界部での広がりを最小限に抑えることができる。特に、励起光の反射領域へ入射方向を略90度の方向とすると、移動方向への広がりが最も小さくなるので、スポーク部の広がりを抑え、より高効率な照明光学系を得ることができる。
なお、上述した各実施の形態では、本発明の好適な実施具体例を示したが、本発明はその内容に限定されることはない。
特に、上述した各実施の形態で例示した各部の具体的形状および数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
このように、本発明は、上述した各実施の形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
1 画像投射装置
20 光源装置
21 光源
25 集光光学系
26 波長変換プレート
26a 基盤
26c 透明平板部材
26d 反射面
30 光均一化素子
50 画像表示素子
60 投射光学系
261 透過拡散面
262 透過層
263 反射面
A1,A2 変換領域
A3 反射領域
M 移動機構
特許第6305009号公報 特開2017-181602号公報

Claims (12)

  1. 基盤面上に、励起光を受けて励起光の色とは別の色を生成する波長変換部材を配した変換領域と、励起光を反射する反射領域と、を有する波長変換プレートにおいて、
    前記反射領域は、前記励起光を拡散する透過拡散面と、前記励起光を透過する透過層と、前記励起光を反射する反射面とを備え、
    前記透過拡散面は、前記波長変換部材の前記基盤面側の面よりも、前記励起光が入射する側に位置している、
    ことを特徴とする波長変換プレート。
  2. 前記波長変換部材の厚みをk、前記基盤面と前記透過拡散面の距離をhとしたとき、下記の関係になるように前記透過拡散面の位置を定める、
    k<h<2k
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長変換プレート。
  3. 前記波長変換部材の厚みをk、前記基盤面と前記透過拡散面の距離をhとしたとき、下記の関係になるように前記透過拡散面の位置を定める、
    0<h<2k
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長変換プレート。
  4. 前記波長変換部材の厚みをk、前記基盤面と前記透過拡散面の距離をhとしたとき、下記の関係になるように前記透過拡散面の位置を定める、
    k=h
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長変換プレート。
  5. 前記反射領域は、透明平板部材を備え、
    前記透過拡散面は、前記透明平板部材の一方の面に設けられ、
    前記透明平板部材は、前記透過拡散面に対向する他方の面が前記基盤面に接触、あるいは前記透過拡散面に対向する他方の面が接着層を介して前記基盤面に熱的に連結している、
    ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の波長変換プレート。
  6. 前記透明平板部材の前記透過拡散面に対向する他方の面は、前記励起光を反射する、
    ことを特徴とした請求項5に記載の波長変換プレート。
  7. 前記透明平板部材の前記透過拡散面に対向する他方の面は、前記励起光を透過する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の波長変換プレート。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の波長変換プレートと、
    励起光を発する光源と、
    前記励起光を前記波長変換プレートに集光する集光光学系と、
    を備えることを特徴とする光源装置。
  9. 前記光源が発する励起光は、青色光であり、
    前記波長変換プレートは、前記青色光を受けて少なくとも緑色光成分と赤色光成分を有した波長に変換する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
  10. 前記波長変換プレートは移動機構によって移動し、
    前記励起光の前記変換領域および前記反射領域へ入射する方向は、前記波長変換プレートの移動方向に対して、45度以上135度以下の方向とする、
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の光源装置。
  11. 前記励起光の前記変換領域および前記反射領域へ入射する方向は、前記波長変換プレートの移動方向に対して、略90度の方向とする、
    ことを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
  12. 請求項8ないし11の何れか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から入射した光を均一化して出射する光均一化素子と、
    前記光均一化素子からの光を変調して画像を形成する画像表示素子と、
    前記画像を被投射面に拡大投射する投射光学系と、
    を備えることを特徴とする画像投射装置。
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