JP2023024086A - 樹脂フィルム積層材、接続構造体および接続構造体の製造方法 - Google Patents

樹脂フィルム積層材、接続構造体および接続構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラスチック基板として使用し、異方性導電フィルムを介してIC等の電子部品を熱圧着により実装する際に、変形を防止して、接続の信頼性を向上しうる樹脂フィルム積層材、接続構造体および接続構造体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の樹脂フィルム積層材は、電極および配線が形成された第1樹脂フィルムと、透明な第2樹脂フィルムと、前記第1樹脂フィルムと前記第2樹脂フィルムとを接着する、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上である接着剤層と、を有し、可撓性を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂フィルム積層材、接続構造体および接続構造体の製造方法に関する。
従来、テレビ、PCモニタ、スマートフォン、携帯型ゲーム機、タブレット端末、ウェアラブル端末、車載用モニタ等の各種表示手段として、液晶表示装置や有機ELパネルが使用されている。近年、曲面を有するディスプレイやフルスクリーンのディスプレイが提案され、一部実用化されているが、これらのディスプレイに可撓性を有する基板、例えば、樹脂フィルムを積層した樹脂フィルム積層材等からなるプラスチック基板が使用されている。
このようなディスプレイでは、駆動用IC等の電子部品はプラスチック基板に実装されることになるが、ガラス基板に実装される場合と同様の圧着条件で実装を行うと、ICの金属バンプからプラスチック基板に局所的に高い押圧力が加わり、プラスチック基板に変形が生じる。例えば、図6は、従来使用されるプラスチック基板を使用した接続構造体の模式図である。プラスチック基板1Aは、電極および配線が形成されたポリイミドフィルム10と、ポリエステルフィルム12とが接着剤13で接着されてなり、プラスチック基板1Aの電極(図示しない)に、金属バンプ21を有するIC20が、異方性導電フィルム30を介して実装されている。従来使用されているプラスチック基板1AにIC20を熱圧着した場合、図6に示すように金属バンプ21に隣接する領域でプラスチック基板1Aが変形してしまい、プラスチック基板1AとIC20とのギャップ(IC20とポリイミドフィルム10との距離)が小さくなる現象が生じる。当該領域では、異方性導電フィルム30の流動により、異方性導電フィルム中の導電粒子31が偏在し、金属バンプ21の端部に偏在する導電粒子31によりショートが発生しやすくなるという問題を有していた。また、プラスチック基板1Aの変形により、ポリイミドフィルム10上の配線が断線するおそれもあった。
これに対し、異方性導電フィルムにスペーサを配置したり、特定の物理的特性を有する導電粒子を使用した異方性導電フィルムを使用することにより、上記問題を解決する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2015-185839号公報 特開2020-95941号公報
本発明の課題は、プラスチック基板として使用し、異方性導電フィルムを介してIC等の電子部品を熱圧着により実装する際に、変形を防止して、接続の信頼性を向上しうる樹脂フィルム積層材、接続構造体および接続構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、ポリイミドフィルムとポリエステルフィルムとを接着する接着剤の実装時の弾性率が低いほど、樹脂フィルム基材が変形し、プラスチック基板とICとの間のギャップが小さくなり、ショートや断線等の問題が生じやすいこと、IC実装時の到達温度において所定以上の弾性率を有する接着剤剤を用いた樹脂フィルム積層材をプラスチック基板として使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 電極および配線が形成された第1樹脂フィルムと、
透明な第2樹脂フィルムと、
前記第1樹脂フィルムと前記第2樹脂フィルムとを接着する、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上である接着剤と、
を有し、可撓性を有する樹脂フィルム積層材。
[2] 前記接着剤の165℃における弾性率が100MPa以上である、請求項1に記載の樹脂フィルム積層材。
[3] 前記接着剤は熱硬化性エポキシ樹脂から主としてなる、請求項1または2に記載の樹脂フィルム積層材。
[4] 前記第1樹脂フィルムはポリイミドであり、前記第2樹脂フィルムはポリエステルである請求項1~3のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材。
[5] COP(Chip On Plastic)実装用のプラスチック基板として使用される請求項1~4のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材。
[6] 請求項1~5のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材と、電子部品とを、異方性導電フィルムにより接続した接続構造体。
[7] 請求項1~5のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材と、電子部品とを、異方性導電フィルムにより接続する接続構造体の製造方法。
本発明の樹脂フィルム積層材によれば、駆動用IC等の電子部品を実装するプラスチック基板に使用する場合においても、基板の変形に起因するショートや断線等を抑制できるため、高い接続信頼性を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる樹脂フィルム積層材の一例を示す断面図である。 図2は、樹脂フィルム積層材の接着剤の弾性率と、接続構造体と電子部品とのギャップの関係を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる樹脂フィルム積層材を使用した接続構造体の一例を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる樹脂フィルム積層材を使用した接続構造体の金属顕微鏡写真である。 図5は、従来使用される樹脂フィルム積層材を使用した接続構造体の金属顕微鏡写真である。 図6は、従来使用されるプラスチック基板を使用した接続構造体の模式図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[樹脂フィルム積層材]
図1は、本発明の実施の形態にかかる樹脂フィルム積層材の一例を示す断面図である。樹脂フィルム積層材1は、電極11および配線11aが形成された第1樹脂フィルム10と、透明な第2樹脂フィルム12と、第1樹脂フィルム10と第2樹脂フィルム12とを接着する、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上である接着剤13と、を有する。本発明の樹脂フィルム積層材1は、可撓性を有し、COP実装用のプラスチック基板として好適に使用することができる。
第1樹脂フィルム10は、一方の表面に電極11および配線11aが形成されている。電極11および配線11aは、パターニングにより第1樹脂フィルム10上に形成され、例えば、チタン/アルミニウム/チタン等の金属配線からなる。第1樹脂フィルム10は、可撓性を有するものであれば限定されるものではないが、耐熱性に優れるポリイミドからなることが好ましい。第1樹脂フィルム10の厚さは、可撓性および耐熱性等の観点から10μm~50μm程度のものが好ましい。
第2樹脂フィルム12は、可撓性を有し、透明な樹脂であれば限定されるものではないが、透明性、耐久性およびコスト等の観点からポリエステルであることが好ましい。第2樹脂フィルム12として透明なフィルムを選択することにより、第2樹脂フィルム側からアライメントマークを認識することができ、実装する電子部品と樹脂フィルム積層材1との接続を精度良く行うことができる。第2樹脂フィルム12の厚さは、耐久性および可撓性等の観点から、20μm~100μm程度のものが好ましい。
接着剤13は、第1樹脂フィルム10と第2樹脂フィルム12とを接着する。接着剤13は、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上である。実装温度とは、後述する接続構造体における、樹脂フィルム積層材1への電子部品の実装の際の温度(異方性導電フィルムの到達温度)である。電子部品実装時の接着剤13の到達温度とは、実装時の熱が第1樹脂フィルム10を介して伝わり、接着剤13が到達した温度である。
第1樹脂フィルム10、第2樹脂フィルム12、および後述する異方性導電フィルムに使用する材料および厚さにより電子部品実装時の接着剤13の到達実装温度は変更されうるが、例えば、接着剤13の到達温度は165℃である。接着剤13は、165℃において、弾性率が100MPa以上であることが必要である。電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上であることにより、樹脂フィルム積層材1の変形が抑制でき、電子部品と樹脂フィルム積層材1とのギャップの低下を防止することができる。
図2は、樹脂フィルム積層材1に異方性導電フィルムを使用して電子部品(IC等)を実装した接続構造体(図3参照)における、接着剤13の弾性率と、樹脂フィルム積層材1と電子部品とのギャップの関係を示す図である。図2は、下記条件の接続構造体において、接着剤13の弾性率を変えた場合の樹脂フィルム積層材1と電子部品との間のギャップをシミュレーションした結果を内挿したものである。
(樹脂フィルム積層材)
第1樹脂フィルム:ポリイミド想定(厚さ25μm、弾性率 5.8GPa)
第2樹脂フィルム:ポリエステル想定(厚さ75μm、弾性率 4.5GPa)
接着剤:厚さ15μm
(異方性導電フィルム)
バインダー樹脂:熱硬化性エポキシ樹脂(厚さ10μm、未硬化状態)
(電子部品)
基板材質:シリコンウエハ想定 (弾性率 130GPa)
金属バンプ:金想定(弾性率 78GPa)
(実装条件)
30℃に保持したステージ上に樹脂フィルム積層材1、異方性導電フィルムおよび電子部品を載置し、厚さ100μmの緩衝材(テフロン(登録商標)、弾性率 0.55GPa)を介してヒートツールで273℃、30MPa、5秒熱圧着した。熱圧着条件は、異方性導電フィルムが硬化する温度(210℃)に到達する条件であり、熱圧着時の接着剤13の到達温度は165℃になる。
図2に示すシミュレーションデータによれば、接続構造体の電子部品実装時の到達温度での接着剤13の弾性率、すなわち165℃での弾性率が100MPa以上であれば、樹脂フィルム積層材1と電子部品とのギャップが6μm以上となる。実際の評価においても、ギャップが6μmを下回ると樹脂フィルム積層材1の変形が大きくなり、接続信頼性に懸念が出る結果となった(後述する比較例2)。以上より、本発明の樹脂フィルム積層材において、接着剤の165℃での弾性率が100MPa以上であることが必要となる。なお、ヒートツールでの加熱温度が同じであっても第1樹脂フィルム10および第2樹脂フィルム20の厚さ等により接着剤の到達温度は変わりうるが、実装時の温度条件において弾性率が100MPa以上であれば、樹脂フィルム積層材1と電子部品とのギャップを適正範囲に保持することができる。
接着剤13は、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上であれば特に限定されるものではないが、熱硬化性エポキシ樹脂が好ましい。熱硬化性エポキシ樹脂としては、PHENOXY RESIN PKHH、EPICLON HP4032D等を使用することができる。また、熱硬化性エポキシ樹脂の潜在性硬化剤としては、アニオン性硬化剤およびカチオン性硬化剤を使用することができる。
樹脂フィルム積層材1は、実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上の接着剤13を使用することにより、電子部品を実装する際の樹脂フィルム積層材1の変形を抑制することができるが、電子部品と樹脂フィルム積層材1とのギャップの低下を防止する観点で、第1樹脂フィルム10の電極11および配線11aが形成される面にダミーバンプを設けてもよい。ダミーバンプは、電極11および配線11aが形成されない領域に、異方性導電フィルム30の流動を阻害しない形状、大きさに樹脂等の絶縁性材料で形成されることが好ましい。
[接続構造体]
図3は、本発明の実施の形態にかかる樹脂フィルム積層材を使用した接続構造体の一例を示す断面図である。接続構造体100は、上記で説明した樹脂フィルム積層材1と、電子部品20とを、異方性導電フィルム30により接続してなる。
(異方性導電フィルム)
異方性導電フィルム30は、バインダー樹脂32中に導電性粒子31を含有する。異方性導電フィルム30は、電子部品20の金属バンプ21と樹脂フィルム積層材1の電極11とを、導電性粒子31を介して電気的に接続する。異方性導電フィルム30は、熱硬化型または紫外線等の光硬化型の接着剤であり、樹脂フィルム積層材1上に貼着され、電子部品20が載置された後、熱圧着ヘッド等により熱加圧されることにより流動化して導電性粒子31が金属バンプ21と電極11との間で押しつぶされて、金属バンプ21と電極11とを導通する。その後加熱又は光照射により硬化される。
バインダー樹脂32は、膜形成樹脂、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、シランカップリング剤等からなる。
バインダー樹脂32に含まれる膜形成樹脂としては、重量平均分子量が10000~80000程度の樹脂が好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変形エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の樹脂を例示することができる。
バインダー樹脂32に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が例示される。
エポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が例示される。
アクリル樹脂としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジアクリロキシプロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等を例示することができる。
バインダー樹脂32に含まれる潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型等が例示される。潜在性硬化剤は、用途に応じて、熱、光、加圧等の各種トリガによって活性化し、反応を開始する。熱活性型の潜在性硬化剤は、加熱による解離反応などで活性種(カチオン、アニオン、ラジカル)を生成させる方法、室温付近ではエポキシ樹脂に安定して分散しているが、所定以上の温度でエポキシ樹脂に溶解し、硬化反応を開始する方法、モレキュラーシーブやマイクロカプセルに封入し、所定温度で溶出させて硬化反応を開始する方法等により活性化することができる。熱活性型の潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素-アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミン塩、ジシアンジアミド等が例示される。
バインダー樹脂32に含まれるシランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト系、スルフィド系、ウレイド系等の各種シランカップリング剤を例示することができる。
バインダー樹脂32に含まれる導電性粒子31としては、異方性導電フィルムにおいて用いられる公知の導電性粒子を用いてよい。導電性粒子としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の金属の粒子;これら金属の合金の粒子;金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、樹脂等の粒子の表面に金属を被覆した被覆粒子等が挙げられる。樹脂粒子の表面に金属を被覆した金属被覆樹脂粒子を用いる場合、樹脂粒子の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。なお、導電性粒子は、接続後の導通性能に支障を来さなければ、端子間でのショートリスクの回避のために、上記粒子の表面に更に絶縁薄膜を被覆したものや、絶縁粒子を表面に付着させたものなど絶縁処理を施したものであってもよい。
[接続構造体の製造方法]
本発明の接続構造体の製造方法は、本発明の樹脂フィルム積層材1に、異方性導電フィルム30により電子部品20が接続されている接続構造体100を製造し得る限り特に限定されない。以下、本発明の接続構造体100を製造する方法について一例を示す。
本発明の接続構造体100の製造方法は、本発明の樹脂フィルム積層材1に、異方性導電フィルム30を介在させて電子部品20を圧着する工程を含む。
はじめに本発明の樹脂フィルム積層材1をステージに載置し、その上に異方性導電フィルム30を設け、次いで電子部品20を載置する。ここで、ステージに載置した樹脂フィルム積層材1上に異方性導電フィルム30を設けた後、樹脂フィルム積層材1の電極11と電子部品20の金属バンプ21が対向するように位置合わせし、電子部品20側からヒートツールにて仮圧着を実施する。仮圧着時の温度、圧力及び時間は、具体的な設計に応じて適宜決定してよく、例えば60~80℃、0.5~2MPa、0.5~2秒間とし得る。後述する本圧着を実施するに先立ち、かかる仮圧着を実施することにより、樹脂フィルム積層材1と電子部品20をより精確に位置合わせして接続することができ好適である。仮圧着を行うことで、より高圧力で押圧する本圧着時の位置ずれの抑制が期待できる。
仮圧着の後、電子部品20側からヒートツールにて本圧着を実施する。本圧着時の温度、圧力及び時間は、接着フィルムを用いて電子部品を接着する際に用いられる公知の任意の条件としてよく、具体的な設計に応じて適宜決定してよい。例えば、210℃(異方性導電フィルムの温度)、30MPa、5秒で本圧着を行う。
なお、仮圧着、本圧着の別を問わず、電子部品20とヒートツールの間に緩衝材(例えば緩衝シート)を設けてよい。緩衝材は、その使用の有無も含めて、電子部品の組み合わせに応じて適宜調整、決定すればよい。
本発明の樹脂フィルム積層材1は、COP実装用のプラスチック基板として使用し、ガラス基板の場合と同様に実装条件で電子部品20を実装した場合にも、変形することがないため、樹脂フィルム積層材1と電子部品20との間のギャップを保持でき、ショートや断線等を効果的に防止することができる。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
[異方性導電フィルム]
異方性導電フィルムは、フェノキシ樹脂(PHENOXY RESIN PKHH、巴化学工業(株)製)25質量部、エポキシ樹脂(EPICLON HP-4032D、DIC(株)製)10質量部、潜在性硬化剤(ノバキュア(登録商標)HX-3941HP、旭化成(株)製)33質量部、シランカップリング剤(SILQUEST A-187 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)2質量部、導電性粒子(ミクロパール、積水化学工業(株)製、平均粒径3μmのNi樹脂粒子)30質量部を溶剤に加えたバインダー樹脂組成物を調製し、このバインダー樹脂組成物を剥離フィルム上に塗布、乾燥したものを使用した。
[電子部品]
評価用の電子部品として、一方の側縁に沿って金属バンプが2列に配列され、他方の側縁に沿ってバンプが1列に配列されたICを使用した。金属バンプは、幅が10μmで隣接するバンプ間のピッチが8μm、高さが9μmの金バンプである。
[実施例1]
第1樹脂フィルムとしてポリイミドフィルム(カプトン100EN、東レ・デュポン(株)製、厚さ25μm)、第2樹脂フィルムとしてポリエステルフィルム(東洋紡ポリエステルフィルムE5000、東洋紡(株)製、厚さ75μm)を使用した。接着剤としてフェノキシ樹脂(PHENOXY RESIN PKHH、巴化学工業(株)製)25質量部、エポキシ樹脂(EPICLON HP-4032D、DIC(株)製)10質量部、潜在性硬化剤(ノバキュア(登録商標)HX-3941HP、旭化成(株)製)33質量部、シランカップリング剤(SILQUEST A-187 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)2質量部を溶剤に加えた接着剤組成物を調製し、第2樹脂フィルムに15μmの厚さに塗布し、乾燥後、第1樹脂フィルムを積層し、170℃、3MPa、70分、真空単板プレスでプレスを行い、樹脂フィルム積層材を得た。なお、第1樹脂フィルム上の電極は、幅が10μmで隣接する電極間のピッチが8μm、Ti50nm/Al600nm/Ti50nmからなる。
作成した樹脂フィルム積層材上に異方性導電フィルムを介して電子部品を実装した。実装は、厚さ100μmの緩衝材(テフロン(登録商標))を使用し、ヒートツールにて273℃、30MPa、5秒間熱圧着した。この熱圧着により、異方性導電フィルムの温度は210℃、接着剤の温度は165℃まで加熱された。なお、実装は、電子部品の金属バンプと樹脂フィルム積層材の電極との最小導体間隔が4μmとなるようずらして行い、24000箇所の接続部においてショート、および断線の発生を確認した。ショートおよび断線は、発生なしをA、1~9か所の発生をB、10か所以上の発生をCと評価した。また、電子部品の側縁に配置されたインプットバンプの端部から約0.6mm内側に離間した地点で電子部品と樹脂フィルム積層材とのギャップを測定した。なお、実装時の接着剤の到達温度での弾性率は、DMA(セイコーインスツルメント(株)製)にて行った。結果を表1に示す。
さらに、得られた接続構造体の金属顕微鏡写真を図5に示す。図5は、接続構造体を第2樹脂フィルム側から撮影したものである。図中、符号をつけていないが、多数の小さな点が導電性粒子である。
[実施例2]
接着剤としてフェノキシ樹脂(PHENOXY RESIN PKHH、巴化学工業(株)製)25質量部、エポキシ樹脂(JER YL980、三菱ケミカル(株)製)20質量部、エポキシ樹脂(EPICLON HP-4032D、DIC(株)製)10質量部、潜在性硬化剤(サンエイドSI-60L、三新化学工業(株)製)13質量部、シランカップリング剤(SILQUEST A-187 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)2質量部を溶剤に加えた接着剤組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム積層材を製造し、接続構造体を得た。得られた樹脂フィルム積層材、接続構造体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
接着剤としてフェノキシ樹脂(PHENOXY RESIN PKHH、巴化学工業(株)製)12.5質量部、エポキシ樹脂(エポトートYD020H、日鉄ケミカル&マテリアル(株)製)12.5質量部、エポキシ樹脂(EPICLON HP-4032D、DIC(株)製)10質量部、潜在性硬化剤(ノバキュア(登録商標)HX-3941HP、旭化成(株)製)33質量部、シランカップリング剤(SILQUEST A-187 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)2質量部を溶剤に加えた接着剤組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム積層材を製造し、接続構造体を得た。得られた樹脂フィルム積層材、接続構造体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
接着剤として2-エチルヘキシルアクリレート60質量部、ブチルアクリレート34質量部、アクリル酸5質量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル1質量部を混合した接着剤組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム積層材を製造し、接続構造体を得た。得られた樹脂フィルム積層材、接続構造体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
さらに、得られた接続構造体の金属顕微鏡写真を図6に示す。図6は、接続構造体を第2樹脂フィルム側から撮影したものである。図中、符号をつけていないが、多数の小さな点が導電性粒子である。
Figure 2023024086000002
表1の結果から、実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上の接着剤を使用した実施例1および2の接続構造体では、電子部品と樹脂フィルム積層材とのギャップが6μm以上となり、ショートや断線の発生を防止できることが確認された。
また、図5の金属顕微鏡写真では、実施例1の接続構造体は、異方性導電フィルム中の導電性粒子が均一に存在しているが、図6の金属顕微鏡写真では、比較例2の接続構造体は、樹脂フィルム積層材が金属バンプの近傍で変形するため、異方性導電フィルムが流動し、導電性粒子が局在化していることが確認された。図5および6からも、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上の接着剤を使用した実施例1では、導電性粒子の局在化を抑制できる、すなわち、ショートが防止できることがわかる。なお、図示していないが、実施例2の接続構造体でも、異方性導電フィルム中の導電性粒子が均一に存在することが確認された。
1 樹脂フィルム積層材、10 第1樹脂フィルム、11 電極、11a 配線、12 第2樹脂フィルム、13 接着剤、20 電子部品、21 金属バンプ、30 異方性導電フィルム、31 導電性粒子、32 バインダー樹脂、100 接続構造体

Claims (7)

  1. 電極および配線が形成された第1樹脂フィルムと、
    透明な第2樹脂フィルムと、
    前記第1樹脂フィルムと前記第2樹脂フィルムとを接着する、電子部品実装時の到達温度での弾性率が100MPa以上である接着剤と
    を有し、可撓性を有する樹脂フィルム積層材。
  2. 前記接着剤の165℃における弾性率が100MPa以上である、請求項1に記載の樹脂フィルム積層材。
  3. 前記接着剤は熱硬化性エポキシ樹脂から主としてなる、請求項1または2に記載の樹脂フィルム積層材。
  4. 前記第1樹脂フィルムはポリイミドであり、前記第2樹脂フィルムはポリエステルである請求項1~3のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材。
  5. COP(Chip On Plastic)実装用のプラスチック基板として使用される請求項1~4のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材。
  6. 請求項1~5のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材と、電子部品とを、異方性導電フィルムにより接続した接続構造体。
  7. 請求項1~5のいずれか一つに記載の樹脂フィルム積層材と、電子部品とを、異方性導電フィルムにより接続する接続構造体の製造方法。
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