JP2023023582A - 感染症対策装置、プログラム、および感染症対策方法 - Google Patents

感染症対策装置、プログラム、および感染症対策方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感染症対策を支援する好適な技術を提供すること。【解決手段】施設の利用者のうちの特定利用者を示す特定利用者情報を取得する特定利用者情報取得部と、前記特定利用者情報が示す前記特定利用者が施設内において位置した特定位置情報を取得する特定位置取得部と、前記特定位置情報にもとづき、前記施設内において感染症対策を行う感染症対策対象を特定する対象特定部と、前記感染症対策対象に対して感染症対策を行う優先順位を決定する優先順位決定部と、を備えた感染症対策装置である。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、感染症対策装置、プログラム、および感染症対策方法に関する。
感染症に罹患した者や感染濃厚者が利用した施設では、消毒作業や施設の一部閉鎖などが行われる。
特開2019-79136号公報
感染症に罹患した者や感染濃厚者が利用した施設内における感染症対策が遅れることは好ましくないため、迅速かつ効率的に感染症対策を行う必要があった。
上記事情に鑑み、本発明は、感染症対策を支援する好適な技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、施設の利用者のうちの特定利用者を示す特定利用者情報を取得する特定利用者情報取得部と、前記特定利用者情報が示す前記特定利用者が施設内において位置した特定位置情報を取得する特定位置取得部と、前記特定位置情報にもとづき、前記施設内において感染症対策を行う感染症対策対象を特定する対象特定部と、前記感染症対策対象に対して感染症対策を行う優先順位を決定する優先順位決定部と、を備えた感染症対策装置である。
本発明の一態様は、上記感染症対策装置において、前記優先順位決定部は、前記特定位置情報にもとづき、前記特定利用者が前記感染症対策対象に位置した時間に応じて優先順位を決定する。
本発明の一態様は、上記感染症対策装置において、前記特定利用者による会話の有無を示す会話情報を取得する会話情報取得部と、前記優先順位決定部は、前記会話情報にもとづき、前記特定利用者による会話の有無に応じて優先順位を決定する。
本発明の一態様は、上記感染症対策装置において、前記感染症対策は、前記感染症対策対象の消毒、または前記感染症対策対象の閉鎖である。
本発明の一態様は、上記感染症対策装置において、前記特定利用者以外の利用者が前記施設内において位置した利用者位置情報を取得する利用者位置取得部と、前記利用者位置情報にもとづき、前記特定利用者以外の利用者が感染した可能性の度合いを示す感染レベルを決定する感染レベル決定部をさらに備えた。
本発明の一態様は、コンピュータを、上記感染症対策装置として機能させるためのプログラムである。
本発明の一態様は、コンピュータが、施設の利用者のうちの特定利用者を示す特定利用者情報を取得する特定利用者情報取得段階と、コンピュータが、前記特定利用者情報が示す前記特定利用者が施設内において位置した特定位置情報を取得する特定位置取得段階と、コンピュータが、前記特定位置情報にもとづき、前記施設内において感染症対策を行う感染症対策対象を特定する対象特定段階と、コンピュータが、前記感染症対策対象に対して感染症対策を行う優先順位を決定する優先順位決定段階と、を備える感染症対策方法である。
本発明によれば、感染症対策を行う対象の優先順位を決定することにより迅速かつ効率的に感染症対策を行うことを支援することができる。
感染症対策システムのシステム構成を表すシステム構成図である。 感染症対策装置の機能構成を表す機能ブロック図である。 データベースの構成例を示す図である。 感染症対策装置の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。 施設の平面図と利用者の位置情報の軌跡を示す図である。 感染症対策装置による優先順位と感染レベルの決定結果を示す図である。
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、感染症対策システム100のシステム構成を表すシステム構成図である。感染症対策システム100は、感染症対策装置10、携帯端末20-1、20-2、…、20-N、入退室管理装置30-1、30-2、…、30-M、カメラ40-1、40-2、…、40-L、およびネットワークNWで構成される(L、M、Nは1以上の整数)。
以下の説明において、携帯端末20-1、20-2、…、20-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を携帯端末20と表現する。入退室管理装置30-1、30-2、…、30-Mのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を入退室管理装置30と表現する。カメラ40-1、40-2、…、40-Lのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台をカメラ40と表現する。また、施設は屋内施設や屋外施設であってもよい。
感染症対策装置10は、携帯端末20、入退室管理装置30、およびカメラ40からネットワークNWを介して各種情報を取得し、感染症対策を行う優先順位などを決定することで感染症対策を支援する。携帯端末20は、施設の利用者により携帯され、利用者を一意に識別する情報(以下、「利用者ID」という)や携帯端末20の位置を示す位置情報などを所定時間(例えば1分)ごとに感染症対策装置10に送信する。携帯端末20は、GPS(Global Positioning System)を用いて位置を取得するが、これに限るものではない。感染症対策装置10は、GPSにより得られた位置を施設内の位置を一意に識別可能なXY座標(x、y)に変換し、このXY座標(x、y)を位置情報として取得する。
入退室管理装置30は、施設内の執務室などの部屋の入退室を管理する。具体的に、入退室管理装置30は、施設内のM個の部屋の入口に設けられ、例えば利用者がネームカードともに所持するRFタグのリーダなどで構成される。利用者は、部屋に入出したり部屋から退出する場合には、RFタグをリーダにかざす。これにより、入退室管理装置30は、入退室した利用者の利用者IDと入退室日時を取得する。また、入退室管理装置30は、部屋ごとに設けられている。入退室管理装置30は、自らが設けられた部屋を一意に示す情報(以下、「部屋ID」という)を保持している。入退室管理装置30は、取得した利用者IDと入退室日時に加え、部屋IDを感染症対策装置10に送信する。
カメラ40は、施設内にL個設けられる。カメラ40は、感染症対策装置10により、利用者の顔を認識可能なように、自らが設けられた位置で撮像された映像と、カメラ40を一意に識別可能な情報とを感染症対策装置10に送信する。
図2は、感染症対策装置10の機能構成を表す機能ブロック図である。感染症対策装置10、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、感染症対策プログラムを実行することによって通信部110、位置情報記憶部141、入退室情報記憶部142、会話情報記憶部143、設備情報記憶部144、および制御部120を備える装置として機能する。なお、通信部110、位置情報記憶部141、入退室情報記憶部142、会話情報記憶部143、設備情報記憶部144、および制御部120の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。感染症対策プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。感染症対策プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
通信部110は、ネットワークインタフェースである。通信部110はネットワークNWを介して、携帯端末20、入退室管理装置30、およびカメラ40と通信する。
次に、各記憶部に記憶されている情報について説明する。各記憶部は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。位置情報記憶部141は、位置情報データベースを記憶する。以下の説明において、データベースを「DB」とも表現する。位置情報DBは、施設の利用者ごとに位置情報を記憶する。図3(A)は、位置情報DBの構成例を示す図である。位置情報DBは、利用者ID、日時情報、および位置情報で構成される。このうちの日時情報は、yyyymmddhhmmss形式のデータである。携帯端末20から利用者ID、日時情報、および位置情報を受信するたびに、日時情報および位置情報が追記されていく。
入退室情報記憶部142は、入退室情報DBを記憶する。入退室情報DBは、施設の利用者ごとに入退室情報を記憶する。図3(B)は、入退室情報DBの構成例を示す図である。入退室情報DBは、利用者ID、部屋ID、入室日時情報、および退室日時情報で構成される。このうちの入室日時情報、および退室日時情報は、yyyymmddhhmmss形式のデータである。入退室管理装置30から利用者ID、部屋ID、入室日時情報、および退室日時情報を受信するたびに、部屋ID、入室日時情報、および退室日時情報が追記されていく。
会話情報記憶部143は、会話情報DBを記憶する。会話情報DBは、施設の利用者ごとに会話情報を記憶する。図3(C)は、会話情報DBの構成例を示す図である。会話情報DBは、利用者ID、および日時情報で構成される。このうちの日時情報は、yyyymmddhhmmss形式のデータである。日時情報は、会話が行われていた日時を示す。
設備情報記憶部144は、設備情報DBを記憶する。設備情報DBは、施設に設けられた設備の位置情報を記憶する。図3(D)は、設備情報DBの構成例を示す図である。設備情報DBは、設備ID、および位置情報で構成される。このうちの設備IDは、設備を一意に示す情報である。位置情報は、設備IDに示される設備の位置(x、y)を示す。
図2に戻り、図2における制御部120は感染症対策装置10の各部の動作を制御する。制御部120は、例えばCPU等のプロセッサ、およびRAMを備えた装置により実行される。制御部120は、感染症対策プログラムを実行することによって、位置情報取得部121、特定利用者情報取得部122、対象特定部123、優先順位決定部124、感染レベル決定部125、および会話情報取得部126として機能する。
位置情報取得部121は、携帯端末20から受信した位置情報を取得し、取得した位置情報を位置情報記憶部141に記憶する。位置情報取得部121は、入退室管理装置30から受信した入退室情報を取得し、取得した入退室情報を入退室記憶部142に記憶する。
また、位置情報取得部121は、後述する特定利用者が施設内において位置した特定位置情報や、特定利用者以外の利用者が施設内において位置した利用者位置情報を位置情報記憶部141から取得する。位置情報取得部121は、後述する特定利用者の入退室情報や、特定利用者以外の利用者入退室情報を入退室情報記憶部142から取得する。
特定利用者情報取得部122は、施設の利用者のうちの特定利用者を示す特定利用者情報を取得する。ここで特定利用者とは、感染者や濃厚接触者などであり、特定利用者情報とは、特定利用者の利用者IDである。特定利用者情報取得部122は、特定利用者情報をネットワークNWを介して上位装置から取得したり、不図示の入力装置から入力された情報を特定利用者情報として取得してもよい。
対象特定部123は、施設内において感染症対策を行う感染症対策対象を特定する。本実施形態において、感染症対策は感染症対策対象の消毒、または感染症対策対象の閉鎖である。また、感染症対策対象は、部屋または設備である。対象特定部123は、位置情報が示す位置が所定の円内(例えば半径2メートルの円内)でほとんど変化しない場合に、特定利用者が当該円内に滞在していたとみなし、その時間を求める。この時間が、例えば5分以上の場合に、対象特定部123は、上記円の中心を感染症対策対象とする。また、対象特定部123は、上記円内に設備が存在する場合には、その設備を感染症対策対象とする。また、対象特定部123は、入退室情報から特定利用者が5分以上滞在した部屋を感染症対策対象とする。対象特定部123は、こうして特定した感染症対策対象と滞在時間とを求める。
優先順位決定部124は、感染症対策対象に対して感染症対策を行う優先順位を決定する。本実施形態では、特定位置情報にもとづき、特定利用者が前記感染症対策対象に位置した時間に応じて優先順位を決定する。具体的には、対象特定部123により求められた感染症対策対象と滞在時間とに応じて優先順位を決定する。また、優先順位決定部124は、会話情報にもとづき、特定利用者による会話の有無に応じて優先順位を決定する。
感染レベル決定部125は、特定利用者以外の利用者が感染した可能性の度合いを示す感染レベルを決定する。感染レベル決定部125は、度合いとして例えば5レベル(感染の疑いが大きい順に、レベル5:感染疑い者、レベル4:濃厚接触者、レベル3:直接接触者、レベル2:間接接触者、レベル1:非接触者)設けておく。その上で、感染レベル決定部125は、利用者の感染レベルを決定する。
会話情報取得部126は、利用者による会話の有無を示す会話情報を取得する。具体的に、会話情報取得部126は、カメラ40から受信した映像にリアルタイムで顔認識処理を行うことで、映像に含まれる利用者を特定する。顔認識処理では、顔認識を行うための各利用者の特徴量と利用者IDを紐付けた不図示のデータを用いる。この顔認識を行うことにより、会話情報取得部126は、まず利用者IDを取得する。そして、会話情報取得部126は、映像に含まれる顔に対して、例えば1分おきに会話判定画像解析を行うことで、映像に含まれる顔が話をしているか否か判定する。なお、話をしていても電話や独り言の可能性もあるため、必ずしも会話とは限らないが、以下の説明では、話をすることを会話として説明する。会話をしていると判定された場合には、会話情報取得部126は、取得した利用者IDに対応する会話情報DBに、利用者が話をしていた日時を示す日時情報を追記する。
また、会話情報取得部126は、話をしていた日時が連続している場合には、会話時間を取得する。なお、ここでの「日時が連続している」とは、日時と、その日時の次の日時の間隔が短時間(例えば1分以内)であることをいう。例えば日時A、B、Cが記録されている場合に、日時A、Bの間隔が1分以内で、さらに日時B、Cの間隔が1分以内の場合には、会話情報取得部126は、日時A、B、Cが連続しているとみなし、会話時間として2分を取得する。
次に感染症対策装置10の処理の流れについて説明する。図4は、感染症対策装置10の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。感染症対策装置10は、特定利用者情報を取得する(ステップS101)。これにより、感染者または濃厚接触者の利用者IDが取得される。
感染症対策装置10は、取得した特定利用者の利用者IDに対応する位置情報DBから、規定日数前からの位置情報と入退室情報とを取得する(ステップS102)。規定日数は、例えば、感染症の潜伏期間に対応する日数など、現時点から遡って他の利用者へ感染する可能性のある日数である。感染症対策装置10は、取得した位置情報と入退室情報とから、感染症対策対象を特定する(ステップS103)。感染症対策対象の特定については上述した通りである。
感染症対策装置10は、ステップS101で取得した利用者IDに対応する位置情報DBから、規定日数前からの会話情報を取得する(ステップS104)。会話情報には、日時が含まれることから、対象特定部123は、位置情報を参照することで、会話が行われた位置を取得し、その位置を感染症対策対象として特定する。
感染症対策装置10は、優先順位を決定する(ステップS105)。例えば、滞在時間および会話時間が長いほど、高い優先順位とする。この場合、感染症対策装置10は、滞在時間と会話時間とを長い順にソートし、長い方から高い優先順位を割り当てることで、感染症対策対象の優先順位を決定する。例えば、滞在時間または会話時間が10分以上は優先順位1、10分未満5分以上は優先順位2、5分未満で0分より大きい場合は優先順位3、0分の場合は優先順位4とする。
次いで、感染症対策装置10は、他の(特定利用者以外の利用者)利用者IDを取得する(ステップS106)。感染症対策装置10は、ステップS106で取得した利用者IDに対応する位置情報DBから、規定日数前からの位置情報と入退室情報とを取得する(ステップS107)。感染症対策装置10は、取得した位置情報と入退出情報とから、利用者IDに示される利用者が接触者かを判定する(ステップS108)。
ここでの判定例として、感染症対策対象となった位置や感染症対策対象となった設備の近傍(例えば半径2メートルの円内)の滞在時間が例えば判定時間(例えば5分)以上滞在した場合に、接触者と判定する。接触者と判定されなかった場合には(ステップS108:NO)、感染症対策装置10は、ステップS110に進む。
接触者と判定された場合には(ステップS108:YES)、感染症対策装置10は、感染レベルを決定する(ステップS109)。例えば、滞在時間が20分以上の場合はレベル5、15分以上の場合はレベル4、10分以上の場合はレベル3、5分以上の場合はレベル2、5分未満の場合はレベル1とすることで、感染レベルを決定する。また、会話情報を用いて、特定利用者と5分以上会話した場合には、レベル5というように感染レベルを決定する。
感染症対策装置10は、特定利用者以外の全利用者分の感染レベルの決定が終了したか否かを判定する(ステップS110)。全利用者分の感染レベルの決定が終了した場合には(ステップS110:YES)、感染症対策装置10は、処理を終了する。一方、全利用者分の感染レベルの決定が終了していない場合には(ステップS110:NO)、感染症対策装置10は、感染レベルを決定していない利用者IDを取得して(ステップS111)、再びステップS107から処理を行う。
以上の処理により決定された優先順位、および感染レベルは、上位装置に出力してもよいし、感染症対策装置10に接続したモニタなどに表示してもよいし、印刷してもよい。
次に、優先順位、および感染レベルの決定例について説明する。図5は、施設の平面図と、3人の利用者A、B、Cの位置情報の軌跡を示す図である。利用者Aは、特定利用者(感染者)とし、利用者B、Cは特定利用者以外の利用者とする。図5における網掛け部分は、部屋または施設を示す。図5の平面図において、地図と同様に、向かって上方向を北とし、下方向を南とし、右方向を東とし、左方向を西とする。また、図5に示される時刻は全て同日における時刻とする。
図5において、利用者Aは、南西方向から操作所を経由し、執務室に入室し、退出後に北東方向に移動したことが示されている。利用者Aは、操作所において、午前10時5分から午前10時10分まで、5分間滞在している。また、利用者Aは、執務室に午前10時11分に入室し、午前10時21分に退室している。したがって、利用者Aは、執務室に10分間滞在している。さらに利用者Aは、執務室において、会話が記録されている。これにより、感染症対策装置10は、感染症対策対象として、操作所と執務室とを特定する。
利用者Bは、北西方向から南下して操作所を経由し、東方向に移動したことが示されている。利用者Bは、操作所において、午前10時5分から午前10時10分まで、5分間滞在している。したがって、感染症対策装置10は、利用者Bの感染レベルをレベル4と決定する。
利用者Cは、執務室において、午前10時00分から午前10時10分まで、15分間滞在している。さらに利用者Cは、執務室において、会話が記録されている。その後、執務室を退室し、南東方向に移動している。利用者Cの会話情報により、利用者Cは、利用者Aと5分以上会話している。したがって、感染症対策装置10は、利用者Cの感染レベルをレベル1と決定する。
図6は、感染症対策装置10による優先順位と感染レベルの決定結果を示す図である。図5で示したように、利用者Aの執務室における滞在時間は10分であり、操作所における滞在時間は5分である。したがって、感染症対策装置10は、図6(A)に示されるように、執務室の優先順位を1と決定し、操作所の優先順位を2と決定する。また、図6(B)に示されるように、感染症対策装置10は、利用者Cの感染レベルをレベル5(感染疑い者)と決定し、利用者Bの感染レベルをレベル2(間接接触者)と決定する。
このように、感染症対策装置10が優先順位を決定することにより、感染症対策を行う順位を認識できるので、施設では迅速かつ効率的に感染症対策を行うことができる。優先順位を決定しない場合には、こうした優先付けができないため、滞在時間が0分の部屋や施設も感染症対策の対象となるが、本実施形態では優先順位4となることから、感染症対策を行う必要がほとんどないことが認識できるので、感染症対策を効率よく行うことができる。
また、特定利用者以外の利用者が感染した可能性の度合いを示す感染レベルを決定することができるので、単に濃厚接触者か否かが分かる場合と比較して、より迅速かつ効率的に感染症対策を行うことができる。具体的には、図5における利用者Cのように、感染レベルがレベル5と決定された利用者を特定利用者として再び感染症対策装置10に入力する。これにより、最初の特定利用者とされた利用者から感染された可能性の高い利用者に関して優先順位や感染レベルを決定できるので、2次感染や3次感染などの感染症対策を効率よく行うことができる。
以上説明した実施形態では、GPSを用いて位置情報を取得したが、これに限るものではなく、位置情報が取得できればどのような技術を用いてもよい。例えば、複数のWi-Fi(登録商標)アクセスポイントからの電波の強さや到達時間から3点測位により位置情報を取得してもよい。
また、上述したRFタグとリーダとを用いて位置情報を取得してもよい。Bluetooth(登録商標)信号を発信するビーコンと携帯端末が有するBluetooth通信機能を用いて、信号の強度や、3点測位によって位置情報を取得してもよい。また、歩行者自立航法測位(PDR(Pedestrian Dead Reckoning))を用いて位置情報を取得してもよい。IMES(Indoor Messaging System)を用いて位置情報を取得してもよい。
また、磁力データやパターンをデータベース化し、携帯端末が有する磁気センサにより得られた磁気データと照合する地磁気測位を用いて位置情報を取得してもよい。超音波に識別情報をスピーカーから出力して、携帯端末が有するマイクで識別情報を受信することで屋内測位を行うことで位置情報を取得してもよい。超広帯域無線(UWB(Ultra Wide Band))の電波の入射角度や到達時間差によって位置情報を取得してもよい。LEDなどの照明器具の照射態様を用いて携帯端末が有するカメラにより照射された光を受光することで位置情報を取得してもよい。
以上説明した実施形態では、会話しているか否かは、カメラ40により撮像された映像を用いて判定されたが、これに限るものではなく、会話しているか否かが判定可能であればどのような技術を用いてもよい。例えば身体の外部から体の身体運動を計測可能な名札型センサやリストバンド型センサ、携帯端末などのデバイスを用いて判定してもよい。また、携帯端末のマイクを用いて、会話を検出してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、感染症対策を支援する好適な技術を提供することができる。
上述した実施形態における感染症対策装置10の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…感染症対策装置、20、20-1、20-2…携帯端末、30、30-1、30-2…入退室管理装置、40、40-1、40-2…カメラ、100…感染症対策システム、110…通信部、120…制御部、121…位置情報取得部、122…特定利用者情報取得部、123…対象特定部、124…優先順位決定部、125…感染レベル決定部、126…会話情報取得部、141…位置情報記憶部、142…入退室情報記憶部、143…会話情報記憶部、144…設備情報記憶部

Claims (7)

  1. 施設の利用者のうちの特定利用者を示す特定利用者情報を取得する特定利用者情報取得部と、
    前記特定利用者情報が示す前記特定利用者が施設内において位置した特定位置情報を取得する特定位置取得部と、
    前記特定位置情報にもとづき、前記施設内において感染症対策を行う感染症対策対象を特定する対象特定部と、
    前記感染症対策対象に対して感染症対策を行う優先順位を決定する優先順位決定部と、
    を備えた感染症対策装置。
  2. 前記優先順位決定部は、前記特定位置情報にもとづき、前記特定利用者が前記感染症対策対象に位置した時間に応じて優先順位を決定する請求項1に記載の感染症対策装置。
  3. 前記特定利用者による会話の有無を示す会話情報を取得する会話情報取得部と、
    前記優先順位決定部は、前記会話情報にもとづき、前記特定利用者による会話の有無に応じて優先順位を決定する請求項2に記載の感染症対策装置。
  4. 前記感染症対策は、前記感染症対策対象の消毒、または前記感染症対策対象の閉鎖である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の感染症対策装置。
  5. 前記特定利用者以外の利用者が前記施設内において位置した利用者位置情報を取得する利用者位置取得部と、
    前記利用者位置情報にもとづき、前記特定利用者以外の利用者が感染した可能性の度合いを示す感染レベルを決定する感染レベル決定部をさらに備えた請求項1に記載の感染症対策装置。
  6. コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感染症対策装置として機能させるためのプログラム。
  7. コンピュータが、施設の利用者のうちの特定利用者を示す特定利用者情報を取得する特定利用者情報取得段階と、
    コンピュータが、前記特定利用者情報が示す前記特定利用者が施設内において位置した特定位置情報を取得する特定位置取得段階と、
    コンピュータが、前記特定位置情報にもとづき、前記施設内において感染症対策を行う感染症対策対象を特定する対象特定段階と、
    コンピュータが、前記感染症対策対象に対して感染症対策を行う優先順位を決定する優先順位決定段階と、
    を備える感染症対策方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020515252A (ja) * 2017-03-31 2020-05-28 スウェーディッシュ オーファン バイオヴィトルム エービー(ピーユービーエル) Il−1r−i結合ポリペプチド
WO2024203982A1 (ja) * 2023-03-27 2024-10-03 花王株式会社 感染対策支援システム
WO2024203981A1 (ja) * 2023-03-27 2024-10-03 花王株式会社 曝露リスク評価システム

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