JP2023023453A - アンテナ装置 - Google Patents

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友紀 内藤
Tomonori Naito
真介 行本
Shinsuke Yukimoto
良臣 郷
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Abstract

【課題】 基板サイズに対応してUWB対応周波数での調整が可能なアンテナ装置を提供すること。【解決手段】 基板本体2と、基板本体に形成された表面グランドパターンG1と、基板本体の一辺2aに接したアンテナ占有領域AOAと、アンテナ占有領域に形成され給電点FPと接続されたアンテナエレメント3とを備え、アンテナエレメントが、給電点から前記一辺に向かって延在し給電点側受動素子Z3が接続された第1延在部E1と、第1延在部に接続されていると共に前記一辺に沿った方向に延在する第2延在部E2と、グランド接続用受動素子Z1を介して表面グランドパターンと接続可能に配された第3延在部E3とを備え、第1延在部と表面グランドパターンとが、間にインピーダンス調整用受動素子Z4が接続可能でありインピーダンス調整用受動素子を介して互いに接続可能な間隔に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、幅広い帯域で使用可能なアンテナ装置に関する。
近年、通信機器において、例えば送信機の帯域幅が500MHz以上または比帯域幅=(帯域幅)/(中心周波数)が20%以上を占める伝送方式のUWB(Ultra Wide Band:超広帯域)アンテナが要望されている。このUWBアンテナの主な周波数帯は、例えば3.168~10.560GHzとされている。
このUWBアンテナによる通信システムは、高い周波数帯であり、非常に広い帯域幅を有していることから大容量のデータ通信や高速通信などに適している。また、位置情報トラッキングやセキュリティ対策向けの通信システムとしても使用が想定されている。
従来、UWBアンテナとして、例えば特許文献1には、涙滴型素子形状を有したアンテナが提案されている。
また、特許文献2には、プリント基板上に、ホームベース型のアンテナ部と、平板状のグランド部とを有したUWBアンテナ装置が提案されている。
特開2004-129209号公報 特開2008-199371号公報
上記従来の技術においても、以下の課題が残されている。
上記特許文献1のアンテナ装置では、涙滴型素子を採用していると共に涙滴型素子の他にGND板(直径100mm)が必要になり、装置が大型化してしまうと共に量産化に不向きであるという問題があった。
また、上記特許文献2のアンテナ装置では、平板状のグランド部を小さくするとアンテナ性能も劣化してしまうため、特許文献2に記載の寸法よりも小型化することは困難であった。
このように従来の技術では、基板サイズに制限があり、UWB対応の周波数での調整が困難であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、基板サイズに対応してUWB対応周波数での調整が可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るアンテナ装置は、絶縁性の基板本体と、前記基板本体の表面に金属箔でパターン形成されグランドに接続される表面グランドパターンと、前記表面グランドパターンが形成されていない領域として前記基板本体上に前記基板本体の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域と、前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成され給電点と接続されたアンテナエレメントとを備え、前記アンテナエレメントが、前記表面グランドパターンに近接した基端側に前記給電点が設けられていると共に前記給電点から前記一辺に向かって延在し途中に給電点側受動素子が接続された第1延在部と、前記第1延在部の途中に一端が接続されていると共に前記一辺に沿った方向に延在する第2延在部と、前記第2延在部の他端に一端が接続され他端にグランド接続用受動素子が接続可能であり前記グランド接続用受動素子を介して前記表面グランドパターンと接続可能に配された第3延在部とを備え、前記第1延在部の基端側と前記表面グランドパターンとが、間にインピーダンス調整用受動素子が接続可能であり前記インピーダンス調整用受動素子を介して互いに接続可能な間隔に設定されていることを特徴とする。
このアンテナ装置では、アンテナエレメントが、途中に給電点側受動素子が接続された第1延在部と、第1延在部に接続されていると共に前記一辺に沿った方向に延在する第2延在部と、第2延在部の他端に一端が接続され他端にグランド接続用受動素子が接続可能でありグランド接続用受動素子を介して表面グランドパターンと接続可能に配された第3延在部とを備え、第1延在部の基端側と表面グランドパターンとが、間にインピーダンス調整用受動素子が接続可能でありインピーダンス調整用受動素子を介して互いに接続可能な間隔に設定されているので、各受動素子によってアンテナエレメント由来の共振とグランドパターン由来の共振との直列共振を調整することで、帯域を大きく変化させることができる。
特に、所望の共振周波数に対して高インピーダンスになるようにコンデンサ等のインピーダンス調整用受動素子を採用することで、グランドパターン側への高周波電流の流れを抑制し、アンテナエレメント側に積極的に電流を印加することでアンテナパターンであるアンテナエレメント由来の共振が強くなり、UWB帯においても調整が可能になる。
また、給電点側受動素子及びグランド接続用受動素子によって周波数調整及びインピーダンス調整が可能である。
したがって、基板本体のサイズに応じて、グランド接続用受動素子及びインピーダンス調整用受動素子の接続の有無や各受動素子の設定を変化させることで、UWB対応周波数での調整も対応することが可能になる。
第2の発明に係るアンテナ装置は、第1の発明において、前記基板本体の裏面に金属箔でパターン形成されグランドに接続される裏面グランドパターンを備え、前記裏面グランドパターンが、前記インピーダンス調整用受動素子の直下の少なくとも一部を避けて形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、裏面グランドパターンが、インピーダンス調整用受動素子の直下の少なくとも一部を避けて形成されているので、インピーダンス調整用受動素子の直下の裏面側金属箔によって所望のインピーダンスに対して変化してしまうことを抑制することができる。
第3の発明に係るアンテナ装置は、第1又は第2の発明において、前記第2延在部が、途中に中間受動素子が接続可能な分断部分を有していることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、第2延在部が、途中に中間受動素子が接続可能な分断部分を有しているので、第2延在部の途中に中間受動素子を接続することで、さらに周波数調整やインピーダンス調整が可能になる。また、設計条件によりグランド接続用受動素子を使用しない状況など第2延在部の影響が出るような場合にも、中間受動素子を接続しない事で、第1延在部に接続された第2延在部の長さが分断部分により短くなり、第2延在部の影響を小さくすることができる。
第4の発明に係るアンテナ装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記第1延在部の先端側に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、第1延在部の先端側に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されているので、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化が可能になり、小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
第5の発明に係るアンテナ装置は、第4の発明において、前記アンテナ素子が、前記第1延在部の延在方向に向けて延在し、前記アンテナ占有領域の中央に配されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、第1延在部の延在方向に向けて延在しているので、アンテナ素子の開放端を表面グランドパターンから遠くに離すことができる。また、アンテナ素子が、アンテナ占有領域の中央に配されているので、アンテナ占有領域外に設置される周辺部品や筐体等との距離を取ることができ、周囲にバランス良く放射させることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明のアンテナ装置によれば、アンテナエレメントが、途中に給電点側受動素子が接続された第1延在部と、第1延在部に接続されている第2延在部と、グランド接続用受動素子が接続可能な第3延在部とを備え、第1延在部の基端側と表面グランドパターンとが、間にインピーダンス調整用受動素子が接続可能でありインピーダンス調整用受動素子を介して互いに接続可能な間隔に設定されているので、各受動素子によってアンテナエレメント由来の共振とグランドパターン由来の共振との直列共振を調整することで、UWB帯等の帯域を大きく変化させることができる。
したがって、本発明のアンテナ装置では、超広帯域が得られると共に、基板サイズに対応してUWB対応周波数での調整が可能になる。
このように、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した超広帯域化が容易に可能になると共に、低コストで省スペース化を図ることができる。
本発明に係るアンテナ装置の第1実施形態を示す平面図である。 第1実施形態において、アンテナ装置を示す裏面図である。 第1実施形態において、給電点側受動素子,グランド接続用受動素子及びインピーダンス調整用受動素子を接続したアンテナ装置を示す要部の拡大平面図である。 第1実施形態において、給電点側受動素子だけを接続したアンテナ装置を示す要部の拡大平面図である。 第1実施形態において、アンテナ素子を示す斜視図である。 第1実施形態において、アンテナ装置の等価回路図である。 第1実施形態において、アンテナ装置のスミスチャートである。 第1実施形態において、給電点側受動素子,グランド接続用受動素子及びインピーダンス調整用受動素子を接続したアンテナ装置のVSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。 第1実施形態において、グランド接続用受動素子の値を変更した場合のアンテナ装置のVSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。 第1実施形態において、中間受動素子の値を変更した場合のアンテナ装置のVSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。 第1実施形態において、給電点側受動素子の値を変更した場合のアンテナ装置のVSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。 第1実施形態において、インピーダンス調整用受動素子の値を変更した場合のアンテナ装置のVSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。 本発明に係るアンテナ装置の第2実施形態を示す拡大平面図である。 第1実施形態と第2実施形態とのアンテナ装置を比較して示すVSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。
以下、本発明に係るアンテナ装置の第1実施形態を、図1から図12を参照しながら説明する。
本実施形態におけるアンテナ装置1は、図1から図4に示すように、絶縁性の基板本体2と、基板本体2の表面に銅箔等の金属箔でパターン形成されグランドに接続される表面グランドパターンG1と、表面グランドパターンG1が形成されていない領域として基板本体2上に基板本体の一辺2aに接して設けられたアンテナ占有領域AOAと、アンテナ占有領域AOAに銅箔等の金属箔でパターン形成され給電点と接続されたアンテナエレメント3とを備えている。
上記アンテナエレメント3は、表面グランドパターンG1に近接した基端側に給電点FPが設けられていると共に給電点FPから前記一辺2aに向かって延在し途中に給電点側受動素子Z3が接続された第1延在部E1と、第1延在部E1の途中に一端が接続されていると共に前記一辺2aに沿った方向に延在する第2延在部E2と、第2延在部E2の他端に一端が接続され他端にグランド接続用受動素子Z1が接続可能でありグランド接続用受動素子Z1を介して表面グランドパターンG1と接続可能に配された第3延在部E3とを備えている。
上記第1延在部E1の基端側と表面グランドパターンG1とは、間にインピーダンス調整用受動素子Z4が接続可能でありインピーダンス調整用受動素子Z4を介して互いに接続可能な間隔に設定されている。
なお、インピーダンス調整用受動素子Z4は、第1延在部E1のグランド接続用受動素子Z1よりも基端側に接続されている。
また、第2延在部E2の一端が、第1延在部E1の給電点側受動素子Z3よりも先端側に接続されている。
表面グランドパターンG1の前記一辺2a側には、矩形状凹部G1aが形成され、矩形状凹部G1a内に第1延在部E1の基端部が配されており、インピーダンス調整用受動素子Z4は、矩形状凹部G1aと第1延在部E1の基端部とを架け渡して接続される。
また、本実施形態のアンテナ装置1は、図2に示すように、基板本体2の裏面に銅箔等の金属箔でパターン形成されグランドに接続される裏面グランドパターンG2を備えている。
上記裏面グランドパターンG2は、インピーダンス調整用受動素子Z4の直下の少なくとも一部を避けて形成されている。
本実施形態では、裏面グランドパターンG2のインピーダンス調整用受動素子Z4の直下にスリット部Sが形成されている。
なお、スリット部Sは、インピーダンス調整用受動素子Z4のインピーダンス調整の際の影響を低減するため、インピーダンス調整用受動素子Z4と最低限同一サイズ以上のスリットが望ましく、またスリット部Sの深さ(長手方向のスリット長さ)により、裏面グランドパターンG2側へ流れる高周波電流の流れを抑制することも可能となる。
上記第2延在部E2は、図3及び図4に示すように、途中に中間受動素子Z2が接続可能な分断部分E2aを有している。
すなわち、第2延在部E2は、途中で分断され、この分断部分E2aに中間受動素子Z2を接続することで、第2延在部E2が繋がるようになっている。
上記第3延在部E3は、図3及び図4に示すように、グランド接続用受動素子Z1が接続可能な分断部分E3aを有している。すなわち、第3延在部E3は、第2延在部E2の他端から表面グランドパターンG1に向けて突出しているが、先端が分断部分E3aを介して表面グランドパターンG1から離間している。
なお、グランド接続用受動素子Z1だけで第2延在部E2の他端と表面グランドパターンG1とを接続可能であれば、第2延在部E2の他端とグランド接続用受動素子Z1とが第3延在部E3として機能する。
上記第1延在部E1の先端側には、誘電体アンテナのアンテナ素子ATが接続されている。
上記アンテナ素子ATは、第1延在部E1の延在方向に向けて延在し、アンテナ占有領域AOAの中央に配されている。
なお、アンテナ素子ATは、第1延在部E1の延在方向に向けて延在するように設置することが好ましいが、第1延在部E1の延在方向に対して直交する方向に延在するように設置しても構わない。
上記基板本体2は、長方形状の一般的なプリント基板であって、本実施形態では、ガラスエポキシ樹脂等からなるプリント基板を採用している。
なお、本実施形態では、基板サイズ、すなわち基板本体2の寸法を22.5×10×1mmとし、アンテナ占有領域AOAの寸法を7×10mmとしている。
上記給電点FPは、同軸ケーブル等の給電手段を介して別のメイン基板等に設けられた高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電手段としては、同軸ケーブル、レセプタクル等のコネクタ、接点が板バネ形状を有する接続構造、接点がピンプローブ形状またはピン形状を有する接続構造、ハンダ付け用のランドを用いた接続構造等の種々の構造が採用可能である。
例えば、給電手段として同軸ケーブルを採用する場合、同軸ケーブルの芯線が第1延在部E1の基端部に接続されると共に、同軸ケーブルのグランド線が第1延在部E1近傍の表面グランドパターンG1に接続される。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
なお、表面グランドパターンG1,裏面グランドパターンG2の領域には、回路部品等を実装しても構わない。
上記アンテナ素子ATは、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子であって、例えば図5に示すように、セラミックス等の誘電体121の表面にAg等の導体パターン122が形成されたチップアンテナである。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
アンテナ素子ATは、その両端部が第1延在部E1に形成されたランド部E1bにハンダ付け等で接着される。
本実施形態のアンテナ装置1の等価回路は、図6に示すようになる。
なお、仮に中間受動素子Z2を使用しない場合、上記等価回路は通常のπ型回路と同じように見える。但し、通常のπ型回路の場合、グランド接続用受動素子Z1側,インピーダンス調整用受動素子Z4側で、所望の周波数に対して50Ω設計する必要があり、基板サイズ等の定量的な調整が困難である。これに対して、本実施形態のアンテナ装置1では、各受動素子に調整の役割を割り当て、基板サイズに対応した調整方法が実現可能である。
次に、本実施形態のアンテナ装置1におけるスミスチャートを図7に基づいて説明する。
アンテナ装置1では、図7に示すように、アンテナエレメント3由来の共振と表面グランドパターンG1及び裏面グランドパターンG2由来の共振との直列共振を給電点側受動素子Z3,グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4及び中間受動素子Z2によって調整したことで、アンテナパターンであるアンテナエレメント3由来の共振(図中の「1」の曲線)のみが現れている。
次に、給電点側受動素子Z3,グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4及び中間受動素子Z2を接続した際のVSWR特性(電圧定在波比)のシミュレーション結果を、図8に示す。
なお、各受動素子は、以下のものを実装した。
グランド接続用受動素子Z1 :0.9pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.7nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :2.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1pFのコンデンサ
図4に示すように、給電点側受動素子Z3のみを接続したパターンの本実施形態のアンテナ装置1では、基板本体2の幅サイズが10mm未満の場合にのみ対応可能となる。すなわち、横方向(幅方向)の表面グランドパターンG1の長さに対して、所望の周波数に対する4分の1波長の長さで影響するため、7.9GHzの4分の1波長(≒9.5mm)となり、本状態での調整では、10mm未満にしか対応できない事が多くなる。
これに対して、図3に示すように、給電点側受動素子Z3,グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4及び中間受動素子Z2を接続したパターンの本実施形態のアンテナ装置1では、図8からわかるように、広帯域な入力特性をUWB帯の中心周波数である7.9GHz(UWB 9ch)にて実現でき、基板本体2の幅サイズが10mm未満から10mm以上の場合でも対応可能である。
このように基板サイズに応じて接続する受動素子の個数や各素子の調整方法を変更することで、所望の共振周波数,インピーダンス,帯域幅の調整が可能になる。
また、グランド接続用受動素子Z1及び中間受動素子Z2を接続せずに、第2延在部E2及び第3延在部E3を切り離すことで、図4のように給電点側受動素子Z3のみを使用する場合でもパターンによる干渉が抑制される。
なお、例えば比較のアンテナエレメントとして、給電点側受動素子Z3及び第1延在部E1だけ形成し、第2延在部E2,第3延在部E3,グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4及び中間受動素子Z2が無いアンテナ装置の場合、表面グランドパターンG1が幅19mm以上に拡げると給電点側受動素子Z3の使用インダクタが0.1nHとなってしまい、調整が不可能となる。なお、グランドパターンのサイズが大きくなるにつれ帯域が縮小する。このように調整用の受動素子が給電点側受動素子Z3の一つだけであると、インピーダンス調整が不可能である。
次に、上記受動素子のうちグランド接続用受動素子Z1の値を変化させた場合のVSWR特性(電圧定在波比)のシミュレーション結果を、図9に示す。
なお、各受動素子は、以下のものを実装した。
グランド接続用受動素子Z1 :0.6~1.2pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.1nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :2.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1pFのコンデンサ
このようにグランド接続用受動素子Z1の値を変化させた場合、図9からわかるように、グランド接続用受動素子Z1のコンデンサ容量を0.2pF変化させるだけでも大きく帯域とインピーダンスとが変化している。また、中心周波数についてもグランド接続用受動素子Z1の容量が大きくなると、低くなる方向にシフトしている。
なお、コンデンサではなくインダクタをグランド接続用受動素子Z1として接続しても周波数とインピーダンスとを調整可能である。
次に、上記受動素子のうち中間受動素子Z2の値を変化させた場合のVSWR特性(電圧定在波比)のシミュレーション結果を、図10に示す。
なお、各受動素子は、以下のものを実装した。
グランド接続用受動素子Z1 :0.9pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.1~0.7nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :2.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1pFのコンデンサ
このように中間受動素子Z2の値を変化させた場合、図10からわかるように、中間受動素子Z2のインダクタのインダクタンス値を0.2nH変化させるだけでも大きく帯域とインピーダンスとが変化している。また、中心周波数についても中間受動素子Z2のインダクタンス値が大きくなると、低くなる方向にシフトしている。
なお、インダクタではなくコンデンサを中間受動素子Z2として接続しても周波数とインピーダンスとを調整可能である。
次に、上記受動素子のうち給電点側受動素子Z3の値を変化させた場合のVSWR特性(電圧定在波比)のシミュレーション結果を、図11に示す。
なお、各受動素子は、以下のものを実装した。
グランド接続用受動素子Z1 :0.9pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.1nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :0.9~3.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1pFのコンデンサ
このように中間受動素子Z2の値を変化させた場合、図11からわかるように、グランド接続用受動素子Z1や中間受動素子Z2と比較して変化量が少なく、帯域とインピーダンスとの微調整に向いている。また、中心周波数についても中間受動素子Z2のコンデンサ値が大きくなると、低くなる方向にシフトしている。
次に、上記受動素子のうち給電点側受動素子Z4の値を変化させた場合のVSWR特性(電圧定在波比)のシミュレーション結果を、図12に示す。
なお、各受動素子は、以下のものを実装した。
グランド接続用受動素子Z1 :0.9pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.1nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :2.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1~0.3pFのコンデンサ
このようにインピーダンス調整用受動素子Z4の値を変化させた場合、図12からわかるように、インピーダンス調整用受動素子Z4のコンデンサ容量を0.1pF変化させるだけでも大きく入力が変化している。また、インピーダンス調整用受動素子Z4は、インピーダンス調整に寄与している。
このように本実施形態のアンテナ装置1では、アンテナエレメント3が、途中に給電点側受動素子Z3が接続された第1延在部E1と、第1延在部E1に接続されていると共に前記一辺2aに沿った方向に延在する第2延在部E2と、グランド接続用受動素子Z1が接続可能でありグランド接続用受動素子Z1を介して表面グランドパターンG1と接続可能に配された第3延在部E3とを備え、第1延在部E1のグランド接続用受動素子Z1よりも基端側と表面グランドパターンG1とが、間にインピーダンス調整用受動素子Z4が接続可能でありインピーダンス調整用受動素子Z4を介して互いに接続可能な間隔に設定されているので、各受動素子によってアンテナエレメント3由来の共振とグランドパターン由来の共振との直列共振を調整することで、帯域を大きく変化させることができる。
特に、所望の共振周波数に対して高インピーダンスになるようにコンデンサ等のインピーダンス調整用受動素子Z4を採用することで、表面グランドパターンG1側への高周波電流の流れを抑制し、アンテナエレメント3側に積極的に電流を印加することでアンテナパターンであるアンテナエレメント3由来の共振が強くなり、UWB帯においても調整が可能になる。
特に、基板サイズ(グランドサイズ)を問わず、UWB7.9GHz帯での調整が可能になる。
また、給電点側受動素子Z3及びグランド接続用受動素子Z1によって周波数調整及びインピーダンス調整が可能である。
したがって、基板本体2のサイズに応じて、グランド接続用受動素子Z1及びインピーダンス調整用受動素子Z4の接続の有無や各受動素子の設定を変化させることで、UWB対応周波数での調整も対応することが可能になる。
このようにコプレーナ線路やマイクロストリップ線路内での調整ではなく、アンテナエレメント3(アンテナパターン)によってUWB帯の調整が可能になる。
また、裏面グランドパターンG2が、インピーダンス調整用受動素子Z4の直下の少なくとも一部を避けて形成されているので、インピーダンス調整用受動素子Z4の直下の裏面側金属箔によって所望のインピーダンスに対して変化してしまうことを抑制することができる。
また、第2延在部E2が、途中に中間受動素子Z2が接続可能な分断部分E2aを有しているので、第2延在部E2の途中に中間受動素子Z2を接続することで、さらに周波数調整やインピーダンス調整が可能になる。また、設計条件によりグランド接続用受動素子Z1を使用しない状況など第2延在部E2の影響が出るような場合にも、中間受動素子Z2を接続しない事で、第1延在部E1に接続された第2延在部E2の長さが分断部分E2aにより短くなり、第2延在部E2の影響を小さくすることができる。
また、第1延在部E1の先端側に誘電体アンテナのアンテナ素子ATが接続されているので、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子ATによってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化が可能になり、小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
さらに、アンテナ素子ATが、第1延在部E1の延在方向に向けて延在しているので、アンテナ素子ATの開放端を表面グランドパターンG1から遠くに離すことができる。また、アンテナ素子ATが、アンテナ占有領域AOAの中央に配されているので、アンテナ占有領域AOA外に設置される周辺部品や筐体等との距離を取ることができ、周囲にバランス良く放射させることができる。
次に、本発明に係るアンテナ装置の第2実施形態について、図13及び図14を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、平面視で第2延在部E2が第1延在部E1から左側に向けて延在しているのに対し、第2実施形態のアンテナ装置21では、図13に示すように、平面視で第2延在部E2が第1延在部E1から右側に向けて延在している点である。
すなわち、第2実施形態では、第1実施形態とは反対側である第1延在部E1の右側に第2延在部E2,第3延在部E3及びグランド接続用受動素子Z1が配されている。
このように、第1実施形態及び第2実施形態では、図14に示すように、アンテナエレメント3の方向によっては特性は大きく変化しておらず、アンテナエレメント3の方向によらず設計が可能である。
なお、図14に示す「左」は第1実施形態であり、図14に示す「右」は第2実施形態)である。
また、第1実施形態及び第2実施形態の各受動素子は、以下のものを実装した。
<第1実施形態(平面視左側に第2延在部E2>
グランド接続用受動素子Z1 :0.9pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.7nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :2.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1pFのコンデンサ
<第2実施形態(平面視右側に第2延在部E2>
グランド接続用受動素子Z1 :2.2pFのコンデンサ
中間受動素子Z2 :0.1nHのインダクタ
給電点側受動素子Z3 :0.9pFのコンデンサ
インピーダンス調整用受動素子Z4:0.1pFのコンデンサ
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、上述したようにアンテナ素子を接続してエレメントの一部とすることが好ましいが、アンテナ素子を接続せずに、銅箔等の金属箔のみで延在した第1延在部でも構わない。この際、高インピーダンス化するために、第1延在部の少なくとも一部を他の部分よりも幅狭の細いパターンにしたり、ジグザグに折り返しながら全体として一定方向に延在するミアンダパターンとしたりすることが好ましい。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、給電点を基準に左右の表面グランドパターンに対して、グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4をそれぞれ分けて配置していることで、左右それぞれの表面グランドパターンに対する高周波電流の流れを調整可能としている。これらに対して、グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4,第2延在部及び第3延在部を共に同じ側(例えば給電点の右側)に設置して、片側(右側)に寄せても良いが、この場合、グランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4共に搭載されない側(例えば給電点の左側)の表面グランドパターンに対しては高周波電流の調整が困難であり、基板サイズに対する最適な調整が難しくなる場合がある。また、第2延在部とインピーダンス調整用受動素子Z4との距離による干渉から調整が困難になるおそれもあり、小型化との両立が難しくなるため、第1及び第2実施形態のようにグランド接続用受動素子Z1,インピーダンス調整用受動素子Z4を給電点を基準にして左右に振り分けることが好ましい。
1,21…アンテナ装置、2…基板本体、2a…基板本体の一辺、3…アンテナエレメント、AOA…アンテナ占有領域、AT…アンテナ素子、G1…表面グランドパターン、G2…裏面グランドパターン、E1…第1延在部、E2…第2延在部、E2a…第2延在部の分断部分、E3…第3延在部、FP…給電点、Z1…グランド接続用受動素子、Z2…中間受動素子、Z3…給電点側受動素子、Z4…インピーダンス調整用受動素子

Claims (5)

  1. 絶縁性の基板本体と、
    前記基板本体の表面に金属箔でパターン形成されグランドに接続される表面グランドパターンと、
    前記表面グランドパターンが形成されていない領域として前記基板本体上に前記基板本体の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域と、
    前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成され給電点と接続されたアンテナエレメントとを備え、
    前記アンテナエレメントが、前記表面グランドパターンに近接した基端側に前記給電点が設けられていると共に前記給電点から前記一辺に向かって延在し途中に給電点側受動素子が接続された第1延在部と、
    前記第1延在部の途中に一端が接続されていると共に前記一辺に沿った方向に延在する第2延在部と、
    前記第2延在部の他端に一端が接続され他端にグランド接続用受動素子が接続可能であり前記グランド接続用受動素子を介して前記表面グランドパターンと接続可能に配された第3延在部とを備え、
    前記第1延在部の基端側と前記表面グランドパターンとが、間にインピーダンス調整用受動素子が接続可能であり前記インピーダンス調整用受動素子を介して互いに接続可能な間隔に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置において、
    前記基板本体の裏面に金属箔でパターン形成されグランドに接続される裏面グランドパターンを備え、
    前記裏面グランドパターンが、前記インピーダンス調整用受動素子の直下の少なくとも一部を避けて形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
    前記第2延在部が、途中に中間受動素子が接続可能な分断部分を有していることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
    前記第1延在部の先端側に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項4に記載のアンテナ装置において、
    前記アンテナ素子が、前記第1延在部の延在方向に向けて延在し、前記アンテナ占有領域の中央に配されていることを特徴とするアンテナ装置。
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