JP2023023046A - フレキシブルリボンセンサ - Google Patents

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Hiroyuki Matsui
柾之 佐々木
Masayuki Sasaki
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Abstract

【課題】フレキシブル性に優れ、複雑な形状に対しても設置可能であり、空間分解能が高く、導入コストが低減され、設置時の制約が少ないセンサを提供すること。【解決手段】長尺状基材と、長尺状基材上に設けられ長手方向に延在する、少なくともm本の電圧線V1~Vmと、少なくともn本の検出線D1~Dnを有する配線と、長尺状基材上に載置された4個以上m×n個以下のセンサを有し、前記m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、前記配線は、前記長尺状基材の端部の一方に設けられたエンドモジュールと接続しており、前記センサのそれぞれは、少なくともm本の電圧線V1~Vmと少なくともn本の検出線D1~Dnの組合せが互いに異なるように、電圧線と検出線に接続している、フレキシブルリボンセンサ。【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブルリボンセンサに関する。さらに詳しくは、長尺状基材上に配置された多数のセンサの計測データを独立に取得可能なフレキシブルリボンセンサに関する。
柔軟性と薄さを兼ね備えたフレキシブルセンサは、曲面や可動部、皮膚など様々な所に設置可能であることから、近年研究開発が盛んである。既存のフレキシブルセンサとしては、単独のセンサを搭載したものと、センサを縦横に二次元的に配列したシート状のものが一般的である。
このうち、単独のセンサを搭載したものは、全体で一つのセンサであり、全体の平均値の把握しかできず、また、センサの数を増やした分だけケーブルが必要となってしまう。
このため、主にアクティブマトリックス方式やパッシブマトリックス方式により、センサを二次元的に配置したものが近年利用されてきている。
特許文献1に記載のフレキシブルセンサは、センサが二次元配列されており、対象となる物理量を二次元的に取得可能であり、利便性に優れている。しかしながら、球面等の複雑な曲面に対して設置する場合、シワが発生すると信頼性に問題が生じるおそれがあり、また、シワの発生を防止するために伸縮性を付与するには技術難易度が高くなるという問題がある。さらに、センサ配列の2辺に取り出し配線が存在するため、設置時の制約が多いという問題もある。
特許文献2には、一次元的に温度分布を測定するフレキシブルセンサとして、光ファイバー温度分布測定システムが記載されている。光ファイバー温度分布測定システムは、長距離にわたる温度分布を測定することが可能であるが、高時間分解能のラマン分光装置が必要であるため導入コストが高く、最小曲率半径が大きく、空間分解能が低いという問題がある。
特許文献3には、二次元的に温度分布を測定するフレキシブルセンサとして、光ファイバーを二次元的に平面状に配線した温度分布測定システムが記載されている。しかしながら、高時間分解能のラマン分光装置が必要であるため導入コストが高く、最小曲率半径が大きく、空間分解能が低いという問題がある。
国際公開第2018/084284号 特開2017-150987号公報 特開2016-023929号公報
本発明が解決しようとする課題は、フレキシブル性に優れ、複雑な形状に対しても設置可能であり、空間分解能が高く、導入コストが低減され、設置時の制約が少ないセンサを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の構成を有するフレキシブルリボンセンサにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、以下に示すとおりである。
項1:長尺状基材と、
長尺状基材上に設けられ長手方向に延在する、少なくともm本の電圧線V~Vと、少なくともn本の検出線D~Dを有する配線と、
長尺状基材上に載置された4個以上m×n個以下のセンサを有し、
前記m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、
前記配線は、前記長尺状基材の端部の一方に設けられたエンドモジュールと接続しており、
前記センサのそれぞれは、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電圧線と検出線に接続している、
フレキシブルリボンセンサ。
項2:前記センサが、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、磁気センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサ、気圧センサ、バイオセンサから選ばれる1種類以上である、項1に記載のフレキシブルリボンセンサ。
項3:長尺状方向に連結可能とされている、項1又は2に記載のフレキシブルリボンセンサ。
項4:長尺状基材上に、長手方向に延在する、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dを有する配線層を設ける工程、
配線層上に、ビアホールを有する絶縁層を設ける工程、
絶縁層上に、m×n個以下の電極を有する電極層を設ける工程、
電極層上にセンサを設ける工程、
長尺状基材の端部の一方に、配線と接続しているエンドモジュールを設ける工程、
を少なくとも含み、
前記m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、
絶縁層のビアホールは、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電極層の各電極を電圧線と検出線に接続するものである、
フレキシブルリボンセンサの製造方法。
項5:配線層は、導電インクを印刷することで形成される、項4に記載のフレキシブルリボンセンサの製造方法。
項6:絶縁層は、絶縁インクを印刷することで形成される、項4又は5に記載のフレキシブルリボンセンサの製造方法。
本発明のフレキシブルリボンセンサは、フレキシブル性に優れ、複雑な形状に対しても設置可能であり、アクティブマトリックス方式と同様の高い空間分解能を有し、ラマン分光装置等の高価な装置を必要としないことから導入コストが低減され、取出配線がリボン端部のみであることから設置時の制約が少ないという顕著な効果を発揮する。
さらに、本発明のフレキシブルリボンセンサは、必要な長さに切断して使用することも可能であり、また、複数種類のセンサを混載することが可能であり、設置に際して特殊技能が不要であり、破損部のみを貼り直せばよいので修復作業が容易であるという顕著な効果も有する。
本発明のフレキシブルリボンセンサは、プリンテッドエレクトロニクス技術によって製造することが可能であり、これにより、信頼性が高く、安価に迅速に大量に生産することが可能であり、極めて有用である。
本発明の一実施態様に係るフレキシブルリボンセンサの概略構成図。 本発明の別の実施態様に係るフレキシブルリボンセンサの概略構成図。 本発明の別の実施態様に係るフレキシブルリボンセンサの概略構成図。 本発明の別の実施態様に係るフレキシブルリボンセンサの概略構成図。 本発明のフレキシブルリボンセンサの製造方法の一実施態様を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るフレキシブルリボンセンサ及びフレキシブルリボンセンサの製造方法の好適な実施態様について説明するが、本発明は、以下の実施態様に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲において適宜変更することが可能である。なお、異なる図面における同じ参照番号の使用は、類似または同一の項目または特徴を示す。
[フレキシブルリボンセンサ]
図1~図4は、いずれも、本発明の実施態様に係るフレキシブルリボンセンサFRSの概略構成図である。
図1に示すとおり、本発明のフレキシブルリボンセンサFRSは、長尺状基材1の上に、センサSが複数個載置され、長尺状基材1の長手方向端部の一方にエンドモジュールEを設けた構成を有する。
図2に示す本発明の一実施態様に係るフレキシブルリボンセンサFRSは、長尺状基材(図示していない)の上に設けられ、長尺状基材の長手方向に延在する、3本(図2では、m=3)の電圧線V~V及び3本(図2では、n=3)の検出線D~Dを有する配線と、長尺状基材上に載置された9個(図2では、m×n=9)のセンサS~Sを有し、前記長尺状基材の長手方向端部の一方に設けられたエンドモジュールEと接続している。9個の各センサSは、3本の電圧線V~Vと3本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電圧線と検出線に接続している。
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSは、使用態様等に応じて、エンドモジュールE側から任意の位置で切断し、エンドモジュールEと切断部の間をフレキシブルリボンセンサFRSとして使用可能である。
図3に示す本発明の一実施態様に係るフレキシブルリボンセンサFRSは、長尺状基材1の長手方向端部の一方にエンドモジュールEが、もう一方の端部に連結部JOが設けられている。エンドモジュールEと連結部とを接続することで、本発明のフレキシブルリボンセンサFRSを2つ以上連結し、より長大なフレキシブルリボンセンサを構成することが可能である。
図4は、フレキシブルリボンセンサFRSの配線に係る、別の実施態様に係る概略構成図である。
<長尺状基材>
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSにおける長尺状基材1は、基材としての機能とフレキシブル性を有し、細長いリボン状のものであれば特に限定されない。例えば、細長いフィルム(テープ)状、棒状(糸状)の長尺状基材があげられる。
本発明においては、フレキシブルリボンセンサFRSの強度、フレキシブル性、最小曲率半径等の観点から、例えば、短辺50mm以下、好ましくは40mm以下5mm以上、長辺500,000mm以下、好ましくは200,000mm以下50mm以上、厚さ0.001mm~10.0mm、好ましくは0.01mm~3.0mmの細長いフィルム(テープ)状の長尺状基材が好適に使用できる。
長尺状基材1の材質は、フレキシブル性を有し、絶縁性を有するものであれば特に限定されない。例えば、樹脂、紙、布等の絶縁体であってフレキシブル性を有するものがあげられる。求める物性の付与が容易であり、フレキシブル性に優れ最小曲率半径を小さくできることから、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を特に制限することなく使用することができる。
また、これらの樹脂の混合物であってもよく、必要に応じて、着色剤、紫外線吸収剤、赤外線反射材料、光散乱性粒子等の機能性材料を含んでいてもよい。
さらに、これらの樹脂、紙、布を、任意に組み合わせて形成された積層体であってもよい。
長尺状基材1の色調は、特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明、不透明のいずれでもよい。フレキシブルリボンセンサFRSの用途や設置場所等に応じて適宜選択可能である。
<配線>
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSにおける配線は、長尺状基材1の上に設けられ長手方向に延在し、少なくともm本の電圧線V~Vと、少なくともn本の検出線D~Dを有する。ここで、m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、さらに、フレキシブルリボンセンサFRSが必要とするセンサSの個数と、長尺状基材1への形成可能な範囲であれば特に限定されない。m及びnは、例えばそれぞれ独立に3以上3,000以下の整数、好ましくはそれぞれ独立に4以上1,000以下の整数、より好ましくはそれぞれ独立に4以上100以下の整数である。ここで、配線数に対するセンサ数の比は、n=mの時に最大とすることができる。
m本を超える電圧線及びn本を超える検出線は、増設するフレキシブルリボンセンサFRSに接続するためのものとしてもよい。また、配線は、任意の本数の電圧線V及び/又は検出線Dを有する層を複数組み合わせることで形成してもよい。
配線は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等を含む金属系材料、導電性ポリマー、導電性カーボン、グラフェン、カーボンナノチューブ等からなる群より選ばれる1種類以上を含む導電性材料から構成される。
配線は、その幅が例えば0.01mm以上、好ましくは0.03mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、例えば3.0mm以下、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下であることが好ましい。
配線の幅が0.01mm未満であると、配線を作成することが困難になるおそれがあり、また、フレキシブルリボンセンサFRSを変形させた際に、生成した応力に耐えきれず配線が断線するおそれがある。配線の幅が3.0mmを超えると、配線の数(nの値)を大きくすることができず、フレキシブルリボンセンサFRSに載置するセンサSの数が少なくなり、測定の精度等が悪くなるおそれがある。
配線は、その厚さが例えば0.1μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、例えば1000μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下であることが好ましい。
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSは、配線とセンサSとの接合部が比較的剛直となることから、センサSが接合されていない部分で屈曲しフレキシブル性が発現する。そして、フレキシブルリボンセンサFRSを屈曲させると、配線とセンサSとの接合部に応力が加わることとなる。このため、配線の厚さが0.1μm未満であると、抵抗値が大きくなり、センシングの精度が十分でなくなる恐れがある。一方、配線の厚さが1000μmを超えると、配線が剛直さを増し、フレキシブルリボンセンサFRSのフレキシブル性が低下し最小曲率半径が大きくなるおそれがある。
配線を長尺状基材1の上に設ける方法は、特に限定されない。
例えば、導電インクの印刷により形成されたものでもよい。印刷方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ディスペンサー印刷が好ましい。印刷により回路を形成することで、安価に容易に大量生産することが可能となる。
また、印刷等の手段でメッキレジストを形成した後にメッキすることにより形成された、又はメッキのシード層を印刷後にメッキすることにより形成されたものでもよい。このような方法によっても、安価に容易に大量生産することができる。
さらに、金属蒸着、メッキ、銀塩等からなる群より選ばれる1つ以上の方法により形成してもよい。形成した導電層をさらにレーザーなどの手段によってトリミングして、より高精度の配線層を形成してもよい。
配線の一方の末端は、長尺状基材1の長手方向末端の一方に設けられたエンドモジュールEに接続されている。また、図3に示すように、配線のもう一方の末端を連結部JOとしてもよい。連結部JOは、他のフレキシブルリボンセンサFRSのエンドモジュールEと接合するためのもので、これにより、より長大なフレキシブルリボンセンサを形成することが可能である。その際、連結部JOとエンドモジュールEとの接続構造を簡略にするために、延長するフレキシブルリボンセンサFRSのセンサSと接続するために設けられている電圧線V又は検出線Dを立体的に交差させる、配線交差部CRを設けることができる。
このように、多数のフレキシブルリボンセンサFRSを組み合わせて用いた場合、故障時の修理は、故障部分のフレキシブルリボンセンサFRSを交換するだけであることから、安価に行うことができ、メンテナンスが容易になる。
なお、長大なフレキシブルリボンセンサとした場合、センサSが静電誘導ノイズや電磁誘導ノイズを拾いやすくなるおそれがある。静電誘導ノイズ対策としては、電磁シールドを施すことが有効である。電磁誘導ノイズ対策としては、例えば図4に示されるように、電圧線と検出線を互いに別の層に形成するとともに、電圧線及び検出線を長尺状基材1の長手方向に蛇行させるように延在させる(疑似ツイスト構造)とすることが有効である。
<センサ>
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSにおけるセンサSは、測定対象や用途等に応じて適宜選択され、特に限定されない。例えば、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、磁気センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサ、気圧センサ、バイオセンサから選ばれる1種類以上である。
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSにおいて、長尺状基材1の上に載置されるセンサSの個数は、4個以上m×n個(mは電圧線の本数でもあり、nは検出線の本数でもある。)以下である。m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、さらに、フレキシブルリボンセンサFRSが必要とするセンサSの個数と、長尺状基材1の上に載置可能なセンサSの個数となる範囲であれば特に限定されない。m及びnは、例えばそれぞれ独立に3以上3,000以下の整数、好ましくはそれぞれ独立に4以上1,000以下の整数、より好ましくはそれぞれ独立に4以上100以下の整数である。
長尺状基材1の上に載置されるセンサSの配列は、特に限定されない。長尺状基材1の上に、長手方向にa個、短手方向にb個(aは3以上の整数、bは1以上の整数、a>bである。)となるように載置すればよい。特に短手方向に載置するセンサSの個数bの値は、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり、最も好ましくは1(即ち、長尺状基材1の長手方向に1列にセンサSが並ぶ態様)である。センサの個数及び配置は、空間分解能を考慮して調整することができる。
それぞれのセンサSは、m本の電圧線V~Vとn本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電圧線と検出線に接続している。
図2に示される、3本の電圧線V~V、3本の検出線D~D及び9個のセンサS~Sを有するフレキシブルリボンセンサFRSにおいては、各センサに接続する電圧線及び検出線は、例えば下記の表1のようになる。
Figure 2023023046000002
<エンドモジュール>
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSにおけるエンドモジュールEは、少なくともm本の電圧線及び少なくともn本の検出線を有する配線にそれぞれ接続するコネクタ(接続端子)を有するコネクタ部を有する。コネクタ部は、シールド用のグランド(GND)端子をさらに有していてもよい。
コネクタ(接続端子)のピッチは、特に制限されない。例えば1.0mm以下、好ましくは0.7mm以下であり、例えば0.01mm以上、好ましくは0.1mm以上である。
コネクタ部を介して、検出部、バイアス部等に接続される。また、コネクタ部を介して、複数のフレキシブルリボンセンサFRSを接続し、長大なフレキシブルリボンセンサを構成することもできる。
エンドモジュールは、例えば以下のように、各センサの測定値を個別に読み取ることができる。
図2に示される、3本の電圧線V~V、3本の検出線D~D及び9個のセンサS~Sを有するフレキシブルリボンセンサFRSにおいて、電圧線Vのみに正の電圧Vを印加し、電圧線VとVを0V(ゼロボルト)とする。その際に、検出線D、D及びDにそれぞれ流れる電流I、I及びIを計測することで、センサS、S及びSの抵抗値をそれぞれV/I、V/I及びV/Iと求めることができる。
<接続機器等>
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSには、エンドモジュールEのコネクタ部を介して、各種の機器等が接続可能である。接続する機器等としては、例えば、検出部、バイアス部、電源、記録部、演算部、表示部等があげられる。これらの少なくとも一部を、エンドモジュールEと一体化して組み込むことも可能である。
検出部は、センサSから検出線Dを経由し送られてきた電気信号を分解して、測定データを生成する部位である。電流レンジ、電流分解能、内部抵抗、センサの推奨抵抗値等は、適宜設定することが可能である。電流レンジとしては、例えば30~300μAに、電流分解能としては、例えば最大電流レンジの65536分の1(0.46~4.6nA)に、内部抵抗としては、例えば100Ωに、センサSの推奨抵抗値としては、例えば20~200kΩに、設定することができる。
バイアス部は、センサSにバイアス電圧を与えるためのものである。バイアス電圧(出力電圧)としては、特に限定されず、センサS等に応じて好適な電圧を設定できる。バイアス電圧(出力電圧)としては、例えば、1.0V以上、好ましくは2.5V以上であり、例えば5.0V以下、好ましくは4.0V以下である。
電源としては、例えばボタン電池、乾電池、リチウムイオン電池等の電池や、太陽光発電装置等の発電装置、工業用又は家庭用の交流電源等があげられる。これらの電源は、例えば、エンドモジュールEに組み込まれていてもよく、また、USBやコンセント等により接続される。
電源からの供給電圧は、特に限定されず、例えば4.5V以上21V以下の範囲に設定できる。消費電流は、特に限定されず、例えば10mA以上100mA以下の範囲に設定できる。
記録部及び演算部としては、例えば、記憶素子や演算素子を有するコンピュータ装置が、表示部としては、例えば、ディスプレイ装置があげられる。なお、検出部で生成された測定データは、これら記録部、演算部、及び表示部等に送信されるが、通信方法は有線であっても無線であってもよい。
<フレキシブルリボンセンサの用途等>
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSは、センサSの種類に応じて、多種多様な用途に供することができる。さらに、本発明のフレキシブルリボンセンサFRSは、そのフレキシブル性を活かした用途に供することができる。
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSの用途としては、例えば、農業施設、工業プラント、パイプライン、コンピュータ(サーバ)ルーム、薬品や食品等の保管施設等における温度、湿度、照度等の管理等があげられる。また、寝具や衣服内部における温度、湿度等の管理等があげられる。さらに、人体や動物に装着するモバイルデバイス等とし、健康管理、医療管理等のウェアラブルセンサとしての用途があげられる。
[フレキシブルリボンセンサの製造方法]
本発明のフレキシブルリボンセンサFRSの製造方法としては特に限定されない。
例えば、
(1)長尺状基材1の上に、長尺状基材1の長手方向に延在する、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dを有する配線層Lを設ける工程、
(2)配線層L上に、ビアホールを有する絶縁層Lを設ける工程、
(3)絶縁層L上に、m×n個以下の電極を有する電極層Lを設ける工程、
(4)電極層Lを設ける工程、
(4)電極層L上にセンサSを設ける工程、
(5)長尺状基材1の長手方向端部の一方に、配線と接続しているエンドモジュールEを設ける工程、
を少なくとも含み、
絶縁層Lのビアホールは、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電極層の各電極を電圧線と検出線に接続するものである、
フレキシブルリボンセンサの製造方法があげられる。
図5は、少なくとも(1)~(3)の工程を示す図である。
配線層Lは、長尺状基材1の上に少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dを設けることで形成される。図5は、4本の電圧線V~Vを、2本の検出線D~Dと2本の検出線D~Dにより長尺状基材1の短手方向に挟み込むように設けた一実施態様である。
長尺状基材1の上に配線層Lを設ける手段としては、特に限定されない。例えば、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dを導電インクの印刷により形成することができる。印刷方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ディスペンサー印刷が好ましい。印刷により回路を形成することで、安価に容易に高速で大量生産することが可能となる。
また、印刷等の手段でメッキレジストを形成した後にメッキすることにより形成された、又はメッキのシード層を印刷後にメッキすることにより形成されたものでもよい。このような方法によっても、安価に容易に大量生産することができる。
さらに、金属蒸着、メッキ、銀塩等からなる群より選ばれる1つ以上の方法により形成してもよい。
配線層Lは、少なくともm本の電圧線V~Vが設けられている層と、少なくともn本の検出線D~Dが設けられている層との2層以上から構成されていてもよい。そのような場合には、例えば、下配線層L11を形成した後に、下配線層L11の上に絶縁体からなる中間層を形成し、中間層の上に上配線層L12を形成することで配線層Lを形成できる。なお、中間層には、絶縁層Lに設けるビアホールと連通する孔を形成する。
絶縁層Lは、配線層Lの上に、電極との接続部となるビアホールを所定の位置に形成した絶縁膜を設けることで形成される。また、長尺状基材1の長手方向の少なくとも一方の端部は、絶縁層Lが電極層を覆わないようにすることで、エンドモジュール設置部ESを形成する。図5は、4本の電圧線V~Vと4本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電極層の各電極を電圧線と検出線に接続するビアホール202を形成した絶縁膜201を設け、長尺状基材1の長手方向の少なくとも一方の端部にエンドモジュール設置部ESを設けた一実施態様である。
ビアホールを有する絶縁層Lを設ける手段としては、特に限定されない。例えば、絶縁層形成用インクの印刷により形成することができる。印刷方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷が好ましい。印刷により回路を形成することで、安価に容易に高速で大量生産することが可能となる。ビアホールの大きさは、特に限定されないが、電圧線V及び検出線Dの線の太さに応じて適宜調整することができ、例えば、電圧線V及び検出線Dの線の太さとほぼ同じ径とすることができる。なお、ビアホールを有する絶縁層Lを設ける際は、フレキシブルリボンセンサFRSの少なくとも一方の短手部を、エンドモジュール設置部ES部分とする。
電極層Lは、絶縁層Lの上に、電圧線接続電極と検出線接続電極を所定の位置に設けることで形成される。図5に示されるように、電極層に設けられる電極は、電圧線とビアホールを介して接続する電圧線接続電極301と、検出線とビアホールを介して接続する検出線接続電極302とを一対とするものである。
電極層Lを設ける手段としては、特に限定されない。配線層Lを設ける手段と同様の手段を用いることができる。
電極層上にセンサを設ける手段としては、例えば、ハンダ接合、導電性接着剤による接合、ナノ粒子による接合、嵌め込み等による接合があげられる。
このうち、ハンダ接合としては、例えば、無鉛ハンダを用いた、ハンダフロー、ハンダリフロー、電磁誘導加熱技術(IH技術)によるハンダ接合があげられる。
本発明においては、電極層L又はセンサSを設けた後に、必要に応じて抵抗層Lを設ける工程を有していてもよい。抵抗層Lを設ける場合、その手段としては、特に限定されない。絶縁層Lを設ける手段と同様の手段を用いることができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、上記の構成において、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。したがって、上記の説明に含まれるか又は添付の図面に示されるすべての事項は、例示的なものとして解釈されるべきである。
FRS:フレキシブルリボンセンサ
1:長尺状基材
S:センサ
E:エンドモジュール
V、V~V:電圧線
D、D~D:検出線
CR:電圧線-検出線交差部
JO:連結部
:配線層
:絶縁層
:電極層
:抵抗層
201:絶縁膜
202:ビアホール
ES:エンドモジュール設置部
301:電圧線接続電極
302:検出線接続電極

Claims (6)

  1. 長尺状基材と、
    長尺状基材上に設けられ長手方向に延在する、少なくともm本の電圧線V~Vと、少なくともn本の検出線D~Dを有する配線と、
    長尺状基材上に載置された4個以上m×n個以下のセンサを有し、
    前記m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、
    前記配線は、前記長尺状基材の端部の一方に設けられたエンドモジュールと接続しており、
    前記センサのそれぞれは、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電圧線と検出線に接続している、
    フレキシブルリボンセンサ。
  2. 前記センサが、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、磁気センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサ、気圧センサ、バイオセンサから選ばれる1種類以上である、請求項1に記載のフレキシブルリボンセンサ。
  3. 長尺状方向に連結可能とされている、請求項1又は2に記載のフレキシブルリボンセンサ。
  4. 長尺状基材上に、長手方向に延在する、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dを有する配線層を設ける工程、
    配線層上に、ビアホールを有する絶縁層を設ける工程、
    絶縁層上に、m×n個以下の電極を有する電極層を設ける工程、
    電極層上にセンサを設ける工程、
    長尺状基材の端部の一方に、配線と接続しているエンドモジュールを設ける工程、
    を少なくとも含み、
    前記m及びnは、それぞれ独立に2以上の整数であり、
    絶縁層のビアホールは、少なくともm本の電圧線V~Vと少なくともn本の検出線D~Dの組合せが互いに異なるように、電極層の各電極を電圧線と検出線に接続するものである、
    フレキシブルリボンセンサの製造方法。
  5. 配線層は、導電インクを印刷することで形成される、請求項4に記載のフレキシブルリボンセンサの製造方法。
  6. 絶縁層は、絶縁インクを印刷することで形成される、請求項4又は5に記載のフレキシブルリボンセンサの製造方法。
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