JP2023022359A - 昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体水素を昇圧するための昇圧ポンプに発生する不具合などの異常を適切に判定することにより、稼働率を向上する。【解決手段】昇圧ポンプは、動力源と、動力を伝達するための動力伝達部材と、液体水素を昇圧するための昇圧室と、を備える。異常判定装置は、少なくとも1つの判定パラメータを検出し、少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する。少なくとも1つの判定パラメータは、昇圧室内の圧力、昇圧室からの吐出圧力、動力源の消費エネルギ量、動力伝達部材に作用する曲げ荷重、動力伝達部材に作用する圧縮荷重、昇圧室の変位、昇圧室からの液体水素の漏洩量、及び、昇圧ポンプ又は液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。【選択図】図2
Description
本開示は、昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法に関する。
走行用の動力源として、水素を燃料とする燃料電池や水素エンジンを搭載した車両の開発が進められている。この種の車両は、水素を充填した水素充填タンクを備え、水素充填タンクに充填された水素が不足した場合には、水素供給ステーションから適宜補給が行われる。
例えば特許文献1に開示された水素供給ステーションは、水素を貯蔵する複数の備蓄タンクを備えており、水素の供給先である車両に搭載された水素充填タンクの種類や充填状態に応じて、使用する備蓄タンクを変更することや、使用する備蓄タンクを変更することによって車両に供給すべき水素の圧力を容易に変更することができること等、圧力調整等の運用に関する技術が開示されている。
水素供給ステーションのような水素供給システムでは、水素は液体状態で貯蔵されており、主要構成として、液体水素を用途に応じて昇圧するための昇圧ポンプが用いられる。昇圧ポンプは、液体水素の供給先に対して適切な圧力で液体水素を供給するための重要な構成であり、不具合などの異常が生じると、システム全体の稼働停止を招くおそれがある。そのため、昇圧ポンプに生じる異常を適切に判定することが望まれる。上記特許文献1では、このような昇圧ポンプに生じる異常を判定することについて検討がなされていない。
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、液体水素を昇圧するための昇圧ポンプに発生する不具合などの異常を適切に判定することにより、稼働率を向上可能な昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法を提供することを目的とする。
本開示の少なくとも一実施形態に係る昇圧ポンプの異常判定装置は、上記課題を解決するために、
動力源と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室と、
を備える昇圧ポンプの異常判定装置であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出するための判定パラメータ検出部と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定するための異常判定部と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
動力源と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室と、
を備える昇圧ポンプの異常判定装置であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出するための判定パラメータ検出部と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定するための異常判定部と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
本開示の少なくとも一実施形態に係る水素供給システムは、上記課題を解決するために、
本開示の少なくとも一実施形態に係る昇圧ポンプの異常判定装置を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る昇圧ポンプの異常判定装置を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る昇圧ポンプの異常判定方法は、上記課題を解決するために、
動力源と、 前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室と、
を備える昇圧ポンプの異常判定方法であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出する工程と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する工程と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
動力源と、 前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室と、
を備える昇圧ポンプの異常判定方法であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出する工程と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する工程と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、液体水素を昇圧するための昇圧ポンプに発生する不具合などの異常を適切に判定することにより、稼働率を向上可能な昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(水素供給システム)
図1は、一実施形態に係る水素供給システム100の全体構成を模式的に示す図である。水素供給システム100は、動力源として燃料電池や水素エンジンを搭載する車両102に、燃料である水素ガスを供給(補給)するための、いわゆる水素スタンド施設である。水素供給システム100は、液体水素を貯槽するコンテナ104から供給される液体水素を所定の高圧状態に圧縮する圧縮装置106と、圧縮装置106で圧縮された高圧の液体水素を気化することで水素ガスを発生させる蒸発装置107と、蒸発装置107で発生させた水素ガスを車両102に充填するディスペンサ108と、を含む。
尚、本実施形態では、水素供給システム100が備える圧縮装置106が液体水素を圧縮する場合について説明するが、圧縮装置106は水素ガスを圧縮してもよい。
図1は、一実施形態に係る水素供給システム100の全体構成を模式的に示す図である。水素供給システム100は、動力源として燃料電池や水素エンジンを搭載する車両102に、燃料である水素ガスを供給(補給)するための、いわゆる水素スタンド施設である。水素供給システム100は、液体水素を貯槽するコンテナ104から供給される液体水素を所定の高圧状態に圧縮する圧縮装置106と、圧縮装置106で圧縮された高圧の液体水素を気化することで水素ガスを発生させる蒸発装置107と、蒸発装置107で発生させた水素ガスを車両102に充填するディスペンサ108と、を含む。
尚、本実施形態では、水素供給システム100が備える圧縮装置106が液体水素を圧縮する場合について説明するが、圧縮装置106は水素ガスを圧縮してもよい。
圧縮装置106は、駆動モータ110と、昇圧ポンプ112と、駆動モータ110の動力を昇圧ポンプ112に伝達する減速機114と、を含む。昇圧ポンプ112は、往復動式のポンプであって、駆動モータ110から伝達された動力でコンテナ104から供給される液体水素を昇圧し、この昇圧した液体水素を吐出する。つまり、昇圧ポンプ112は、水素供給システム100に配置された水素昇圧ポンプである。
図2は図1の昇圧ポンプ112の内部構成を概略的に示す断面図である。尚、図2では、昇圧ポンプ112とともに駆動モータ110及び減速機114も示されている。
昇圧ポンプ112は、動力源として駆動モータ110を有する。駆動モータ110は、外部から供給される電力によって駆動可能な電動機である。本実施形態では、駆動モータ110は、その回転数がインバータ111によって制御可能に構成されている。
駆動モータ110の出力側には減速機114が連結され、駆動モータ110からの動力が減速機114によって減速される。減速機114の出力側には、昇圧ポンプ112のクランク機構124が設けられる。クランク機構124は、減速機114の出力側に連結されたクランク軸115と、クランク軸115のクランクピンに一端をクランクアーム(不図示)を介して連結するとともに他端をピストンロッド120に連結するためのクロスヘッド129とを備える。
尚、以下ではピストンロッド120の延在方向を単に「上下方向」と記載し、ピストンロッド120の延在方向一端121側を上側、ピストンロッド120の延在方向他端123側を下側として説明する。また、本開示では、この上下方向に対して直交する方向を「水平方向」とする。
クランク機構124は、クランク軸(不図示)の軸中心の周りをクランクピンが回転することで、シリンダ内116においてピストン118を上下方向に沿って往復運動させる。シリンダ116及びピストン118は昇圧室130を形成する。ピストン118はシリンダ116内を往復動し、これに伴って昇圧室130の容積が周期的に変動する。シリンダ116には、下方向に開口する吸入口117と、水平方向に開口する吐出口119とが形成されている。液体水素は、ピストン118が上方に移動する際に吸入口117を通って昇圧室130内に供給されて昇圧された後、ピストン118が下方に移動する際に吐出口119を通って昇圧室130から吐出される。尚、吸入口117及び吐出口119には、ピストン118の往復運動に連動して開閉可能な弁(不図示)がそれぞれ設けられている。
このような構成を有する昇圧ポンプ112には、昇圧ポンプ112の動作状態に関する各パラメータを検出するための各種センサが設けられる。本実施形態では、このようなセンサの幾つかの例として、図2に示すように、昇圧ポンプ112の回転数Rを検出するための回転数センサ131、昇圧室130(シリンダ116)内の圧力P1を検出するための第1圧力センサ132、吐出口119に接続された吐出ラインの圧力P2を検出するための第2圧力センサ134、駆動モータ110の消費エネルギ量Q(消費電力量)を検出するための消費エネルギセンサ136、ピストンロッド120に作用する荷重L(曲げ荷重L1及び圧縮荷重L2)を検出するための荷重センサ138、シリンダ116の変位X、Yを検出するための変位センサ140、並びに、昇圧ポンプ112及び吐出口119に接続された吐出ラインに生じる振動Vをそれぞれ検出するための振動センサ142,144が設けられている。
(異常判定装置)
続いて上記構成を有する昇圧ポンプ112の異常判定装置1について説明する。図3は一実施形態に係る異常判定装置1の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、異常判定装置1は、判定パラメータ検出部2と、異常判定部4とを備える。
続いて上記構成を有する昇圧ポンプ112の異常判定装置1について説明する。図3は一実施形態に係る異常判定装置1の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、異常判定装置1は、判定パラメータ検出部2と、異常判定部4とを備える。
判定パラメータ検出部2は、少なくとも1つの判定パラメータPjを検出するための構成である。本実施形態では、昇圧ポンプ112には前述のような各センサが設けられており、判定パラメータ検出部2は、これらのセンサで取得されたパラメータから選択された少なくとも1つの判定パラメータPjを検出する。判定パラメータPjは、これらのパラメータから1つのみ選択されてもよいし、複数選択されてもよい。
異常判定部4は、判定パラメータ検出部2によって検出された少なくとも1つの判定パラメータPjに基づいて、昇圧ポンプ112に異常があるか否かを判定するための構成である。具体的には、異常判定部4による判定は、例えば、判定パラメータPjと、当該判定パラメータPjに対応して設定される判定基準Cとを比較することにより行われる。
本実施形態では、少なくとも1つの判定パラメータPjは、第1圧力センサ132によって検出される昇圧室130内の圧力P1、第2圧力センサ134によって検出される昇圧室130からの吐出圧力P2、消費エネルギセンサ136によって検出される駆動モータ110の消費エネルギ量Q(消費電力量)、荷重センサ138によって検出されるピストンロッド120に作用する曲げ荷重L1及び圧縮荷重L2、変位センサ140によって検出されるシリンダ116の変位、及び、振動センサ142,144によって検出される振動の少なくとも1つを含むように選択される。このような判定パラメータPjを採用することで、液体水素を昇圧するための昇圧ポンプ112の稼働率に影響を与える不具合を招き得る異常を効果的に判定することができる。
また異常判定装置1は、図3に示すように、動作状態パラメータ検出部3を更に備えてもよい。動作状態パラメータ検出部3は、昇圧ポンプ112の動作状態に関する動作状態パラメータPsを検出するための構成である。昇圧ポンプ112には前述のような各センサが設けられており、動作状態パラメータ検出部3は、前述の判定パラメータ検出部2と同様に、これらのセンサで取得されたパラメータから選択される動作状態パラメータPsを検出する。動作状態パラメータPsは、これらのパラメータから1つのみ選択されてもよいし、複数選択されてもよい。
この場合、異常判定部4では、判定パラメータPjとの比較対象である判定基準Cが、動作状態パラメータPsに基づいて設定される。これにより、昇圧ポンプ112の動作状態に対応した判定基準Cに基づく精度のよい判定が可能となる。
(異常判定方法)
続いて上記構成を有する異常判定装置1によって実施可能な異常判定方法について説明する。図4は一実施形態に係る異常判定方法を示すフローチャートである。
続いて上記構成を有する異常判定装置1によって実施可能な異常判定方法について説明する。図4は一実施形態に係る異常判定方法を示すフローチャートである。
稼働中の昇圧ポンプ112において、判定パラメータ検出部2は、少なくとも1つの判定パラメータPjを検出する(ステップS1)。ステップS1で検出される判定パラメータPjは、前述のように、昇圧ポンプ112に設けられた各センサのうち、予め判定パラメータPjとして採用されたパラメータを取得可能なセンサから検出される。
続いて動作状態パラメータ検出部3は、動作状態パラメータPsを検出する(ステップS2)。
尚、判定パラメータPjの種類によっては、後に実施例として説明するように、異常判定に動作状態パラメータPsが不要である場合があり、この場合、ステップS2は省略してよい。
尚、判定パラメータPjの種類によっては、後に実施例として説明するように、異常判定に動作状態パラメータPsが不要である場合があり、この場合、ステップS2は省略してよい。
続いて異常判定部4は、ステップS1で検出された少なくとも1つの判定パラメータPjに基づいて、昇圧ポンプ112に異常があるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3における異常判定は、ステップS1で検出された判定パラメータPjを、判定基準Cと比較することにより行われる。判定基準Cは、ステップS2で動作状態パラメータPsが検出されている場合は、当該動作状態パラメータPsを考慮して設定される。
尚、ステップS2における動作状態パラメータPsの検出を省略した場合には、ステップS3では、判定パラメータPjに対応するように予め設定された判定基準Cに基づいた異常判定が行われる。
次に、判定パラメータ検出部2によって選択される判定パラメータPjの種類ごとに、実施例に基づいて具体的について説明する。
(実施例1)
実施例1では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、第1圧力センサ132から取得される昇圧室130(シリンダ116)内の圧力P1、及び、第2圧力センサ134から取得される吐出口119に接続された吐出ラインの圧力P2が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3では動作状態パラメータPsとして、回転数センサ131で取得される回転数Rが検出され、回転数Rに基づいて設定される判定基準を用いて上記判定パラメータPjによる判定が行われる。
実施例1では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、第1圧力センサ132から取得される昇圧室130(シリンダ116)内の圧力P1、及び、第2圧力センサ134から取得される吐出口119に接続された吐出ラインの圧力P2が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3では動作状態パラメータPsとして、回転数センサ131で取得される回転数Rが検出され、回転数Rに基づいて設定される判定基準を用いて上記判定パラメータPjによる判定が行われる。
図5は実施例1における判定パラメータ(昇圧室内の圧力P1、及び、吐出圧力P2)の動作状態パラメータ(回転数R)に対する振る舞いを示す検証結果である。この実施例では、異常がない場合に対応するデータが実線で示されており、圧力P1及びP2が一定である場合における回転数Rが、判定基準によって規定される所定範囲ΔR内にある。それに対して、異常がある場合に対応するデータが破線で示されており、圧力P1及びP2が一定である場合における回転数Rが、判定基準によって規定される所定範囲ΔR外になっている。このように実施例1では、異常判定部4は、判定パラメータPjである圧力P1及びP2が一定である場合における回転数Rが判定基準を満たすか否かに基づいて、昇圧ポンプ112の異常を好適に判断することができる。
(実施例2)
実施例2では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、消費エネルギセンサ136から取得される駆動モータ110の消費エネルギ量Q(消費電力量)が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3では動作状態パラメータPsとして、回転数センサ131で取得される回転数Rが検出され、回転数Rに基づいて設定される判定基準を用いて上記判定パラメータPjによる判定が行われる。
実施例2では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、消費エネルギセンサ136から取得される駆動モータ110の消費エネルギ量Q(消費電力量)が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3では動作状態パラメータPsとして、回転数センサ131で取得される回転数Rが検出され、回転数Rに基づいて設定される判定基準を用いて上記判定パラメータPjによる判定が行われる。
図6は実施例2における判定パラメータ(駆動モータ110の消費エネルギ量Q(消費電力量))の動作状態パラメータ(回転数R)に対する振る舞いを示す検証結果である。この実施例では、異常がない場合に対応するデータが実線で示されており、消費エネルギ量Qが一定である場合における回転数Rが、判定基準によって規定される所定範囲ΔR内にある。それに対して、異常がある場合に対応するデータが破線で示されており、消費エネルギ量Qが一定である場合における回転数Rが、判定基準によって規定される所定範囲ΔR外になっている。このように実施例2では、異常判定部4は、判定パラメータPjである消費エネルギQが一定である場合における回転数Rが判定基準を満たすか否かに基づいて、昇圧ポンプ112の異常を好適に判断することができる。
(実施例3)
実施例3では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、荷重センサ138で取得される曲げ荷重L1及び圧縮荷重L2から求められる荷重Lが検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3では動作状態パラメータPsとして、回転数センサ131で取得される回転数Rが検出され、回転数Rに基づいて設定される判定基準を用いて上記判定パラメータPjによる判定が行われる。
実施例3では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、荷重センサ138で取得される曲げ荷重L1及び圧縮荷重L2から求められる荷重Lが検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3では動作状態パラメータPsとして、回転数センサ131で取得される回転数Rが検出され、回転数Rに基づいて設定される判定基準を用いて上記判定パラメータPjによる判定が行われる。
尚、荷重センサ138は、例えば歪ゲージを検出素子として、力、重量などを電気出力信号に変換して荷重Lを検出する。このような荷重センサ138は、棒やダイアフラム等の歪みが発生し得る箇所に設置され、その歪み量と荷重の関係を取得することで精度の良い検出が可能となる。昇圧ポンプ112では、荷重センサ138によってクランク軸115からの伝達力からピストンロッド120にかかる荷重Lを監視しておくことで、異常な(過剰な)荷重が作用していないかを判定することができる。仮に異常な曲げ荷重が発生しているようであれば、ピストン118とシリンダ116に重接触の疑いが想定され、また、圧縮荷重が想定より小さければ昇圧室130内で圧力が生じておらず、規定圧力が発生ず、原因推定として、ピストンリング等のシールからの液体水素漏れが生じている等の異常を判定することができる。
図7は実施例3における判定パラメータ(荷重L)の動作状態パラメータ(回転数R)に対する振る舞いを示す検証結果である。この実施例では、異常がない場合に対応するデータが実線で示されており、荷重Lが一定である場合における回転数Rが、判定基準によって規定される所定範囲ΔR内にある。それに対して、異常がある場合に対応するデータが破線で示されており、荷重Lが一定である場合における回転数Rが、判定基準によって規定される所定範囲ΔR外になっている。このように実施例2では、異常判定部4は、判定パラメータPjである荷重Lが一定である場合における回転数Rが判定基準を満たすか否かに基づいて、昇圧ポンプ112の異常を好適に判断することができる。
(実施例4)
実施例4では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、変位センサ140から取得されるシリンダ116の変位が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3における動作状態パラメータPsの検出は行われず、検出された変位を、予め設定された判定基準(変位のクライテリア)と比較することにより判定が行われる。
実施例4では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、変位センサ140から取得されるシリンダ116の変位が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3における動作状態パラメータPsの検出は行われず、検出された変位を、予め設定された判定基準(変位のクライテリア)と比較することにより判定が行われる。
図8は実施例4における判定パラメータ(シリンダ116の変位)を判定基準とともに示す検証結果である。この実施例では、予め設定された判定基準として変位のクライテリアCTが示されている。異常判定部4では、判定パラメータ検出部2で検出された変位に対応するプロットが、実線で示すようにクライテリアCTの内側にある場合には異常がないと判定し、破線で示すようにクライテリアCTの外側にある場合には異常があると判定する。このように実施例4では、異常判定部4は、判定パラメータPjであるシリンダ116の変位が、クライテリアCT内にあるか否かに基づいて、昇圧ポンプ112の異常を好適に判断することができる。
(実施例5)
実施例5では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、振動センサ142又は144から取得される振動が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3における動作状態パラメータPsの検出は行われず、検出された振動を、予め設定された判定基準と比較することにより判定が行われる。尚、異常判定部において、判定パラメータ検出部2で検出された振動を周波数分析し、その結果を判定基準と比較することにより異常判定を行ってもよい。
実施例5では、判定パラメータ検出部2では、判定パラメータPjとして、振動センサ142又は144から取得される振動が検出される。この場合、動作状態パラメータ検出部3における動作状態パラメータPsの検出は行われず、検出された振動を、予め設定された判定基準と比較することにより判定が行われる。尚、異常判定部において、判定パラメータ検出部2で検出された振動を周波数分析し、その結果を判定基準と比較することにより異常判定を行ってもよい。
図9は実施例5における判定パラメータ(振動センサ142又は144で取得された振動)を示す検証結果である。図9では、振動の振幅の時間変化が示されており、異常がある場合は、異常がない場合に比べて、例えばキャビテーションなどに起因する振幅増加が示されている。異常判定部4では、振動(又は振動の周波数分析結果)の振幅が、判定基準として予め設定された閾値を超えるか否かに基づいて、昇圧ポンプ112の異常を好適に判断することができる。
以上説明したように、上記各実施形態によれば、液体水素を昇圧するための昇圧ポンプに発生する不具合などの異常を適切に判定することにより、稼働率を向上可能な昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法を提供することができる。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)一態様に係る昇圧ポンプの異常判定装置は、
動力源(110)と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室(130)と、
を備える昇圧ポンプの異常判定装置(1)であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出するための判定パラメータ検出部(2)と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータ(Pj)に基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定するための異常判定部(4)と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
動力源(110)と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室(130)と、
を備える昇圧ポンプの異常判定装置(1)であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出するための判定パラメータ検出部(2)と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータ(Pj)に基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定するための異常判定部(4)と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
上記(1)の態様によれば、昇圧ポンプに生じる異常は、少なくとも1つの判定パラメータに基づいて判定される。少なくとも1つの判定パラメータは、昇圧ポンプの昇圧室内の圧力、昇圧室からの吐出圧力、動力源の消費エネルギ量、動力伝達部材に作用する曲げ荷重、動力伝達部材に作用する圧縮荷重、昇圧室の変位、昇圧室からの液体水素の漏洩量、及び、昇圧ポンプ又は液体水素が流れる配管に生じる振動を含む。これらの判定パラメータを採用することで、液体水素を昇圧するための昇圧ポンプの稼働率に影響を与える不具合を招き得る異常を効果的に判定することができる。
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記昇圧ポンプの動作状態に関する動作状態パラメータ(Ps)を検出するための動作状態パラメータ検出部(3)を更に備え、
前記異常判定部は、前記判定パラメータを前記動作状態パラメータに基づいて設定される判定基準と比較することにより、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する。
前記昇圧ポンプの動作状態に関する動作状態パラメータ(Ps)を検出するための動作状態パラメータ検出部(3)を更に備え、
前記異常判定部は、前記判定パラメータを前記動作状態パラメータに基づいて設定される判定基準と比較することにより、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する。
上記(2)の態様によれば、異常判定は、判定パラメータを判定基準と比較することにより行われる。判定基準は、動作状態パラメータに基づいて設定することで、昇圧ポンプの動作状態に対応した判定基準に基づく精度のよい判定が可能となる。
(3)他の態様では、上記(2)の態様において、
前記動作状態パラメータは、前記昇圧ポンプの回転数である。
前記動作状態パラメータは、前記昇圧ポンプの回転数である。
上記(3)の態様によれば、動作状態パラメータとして昇圧ポンプの回転数を採用することにより、昇圧ポンプの動作状態に対応した判定基準を適切に設定できる。
(4)他の態様では、上記(3)の態様において、
前記判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力(P1)、及び、前記昇圧室からの吐出圧力(P2)を含む。
前記判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力(P1)、及び、前記昇圧室からの吐出圧力(P2)を含む。
上記(4)の態様によれば、判定パラメータとして、昇圧室内の圧力、及び、昇圧室からの吐出圧力が採用される。異常判定部は、これらの判定パラメータを、昇圧ポンプの回転数に基づいて設定される判定基準と比較することで、昇圧ポンプの異常を適切に判定できる。これにより、例えば運転中に、昇圧室内の圧力、吐出圧が規定圧に到達していないことを検知した場合、ピストンに設置されたピストンリング、ウェアリングシールの作用(シール機能)が低減している若しくは破損等の異常が想定され、また、吸入弁の動作不良が想定される。このような事象を早期に検知でき、不具合などの異常を適切に判定できる。
(5)他の態様では、上記(3)の態様において、
前記判定パラメータは、前記動力源の消費エネルギ量(Q)を含む。
前記判定パラメータは、前記動力源の消費エネルギ量(Q)を含む。
上記(5)の態様によれば、判定パラメータとして、昇圧ポンプの消費エネルギ量が採用される。異常判定部は、当該判定パラメータを、昇圧ポンプの回転数に基づいて設定される判定基準と比較することで、昇圧ポンプの異常を適切に判定できる。消費エネルギ量は昇圧ポンプを運転するために必要なモータ電力であり、回転数によって変化する。そのため、電力量が昇圧ポンプに印加される動力となり、規定値以上の電力量であれば、何らかの機器の異常が想定されることが、適切な判定が可能となる。
(6)他の態様では、上記(3)の態様において、
前記判定パラメータは、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重(L)を含む。
前記判定パラメータは、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重(L)を含む。
上記(6)の態様によれば、判定パラメータとして、昇圧ポンプの動力伝達部材に作用する圧縮荷重が採用される。異常判定部は、当該判定パラメータを、昇圧ポンプの回転数に基づいて設定される判定基準と比較することで、昇圧ポンプの異常を適切に判定できる。このような軸方向の圧縮荷重は、シリンダーロッドに昇圧室内に作用する圧力から換算して求めることができる。本態様では、昇圧室内に発生する圧力監視とこのような圧縮力監視の整合を取ることで、異常な圧縮荷重がロッドに作用していないかを監視することができる。
(7)他の態様では、上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記判定パラメータは、前記昇圧室の変位を含む。
前記判定パラメータは、前記昇圧室の変位を含む。
上記(7)の態様によれば、判定パラメータとして、昇圧ポンプの昇圧室の変位が採用される。異常判定部は、当該判定パラメータを、昇圧ポンプの回転数に基づいて設定される判定基準と比較することで、昇圧ポンプの異常を適切に判定できる。特に本態様では、昇圧室の変位からピストンの水平方向の位置を算出することで、シリンダに対するピストンの異常接触の発生を判定できる。
(8)他の態様では、上記(1)から(7)のいずれか一態様において、
前記判定パラメータは、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動を含む。
前記判定パラメータは、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動を含む。
上記(8)の態様によれば、判定パラメータとして、昇圧ポンプ又は液体水素が流れる配管に生じる振動が採用される。異常判定部は、当該判定パラメータを、昇圧ポンプの回転数に基づいて設定される判定基準と比較することで、昇圧ポンプの異常を適切に判定できる。これにより本態様では、耐久性に影響を及ぼす配管振動を監視することで重大な破損を未然に防ぐことができる。
(9)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記動力源は駆動モータ(110)であり、
前記動力伝達部材は、前記駆動モータの回転運動を往復運動に変換するためのクランク機構(124)を構成するコネクティングロッドであり、
前記昇圧室は、シリンダ、及び、前記コネクティングロッドに接続されたピストンによって形成される。
前記動力源は駆動モータ(110)であり、
前記動力伝達部材は、前記駆動モータの回転運動を往復運動に変換するためのクランク機構(124)を構成するコネクティングロッドであり、
前記昇圧室は、シリンダ、及び、前記コネクティングロッドに接続されたピストンによって形成される。
上記(9)の態様によれば、駆動モータからの動力がコネクティングロッドを介してピストンに伝達されることにより、シリンダ内をピストンが往復動することにより液体水素の昇圧を行う昇圧ポンプにおける異常を好適に判定できる。
(10)一態様に係る水素供給システムは、
上記(1)から(9)のいずれか一態様に係る昇圧ポンプの異常判定装置を備える。
上記(1)から(9)のいずれか一態様に係る昇圧ポンプの異常判定装置を備える。
上記(10)の態様によれば、水素供給システムは、上述の異常判定装置を有する昇圧ポンプを備えることで、昇圧ポンプの異常を適切に判定し、稼働率を効果的に向上できる。
(11)一態様に係る昇圧ポンプの異常判定方法は、
動力源(110)と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室(130)と、
を備える昇圧ポンプの異常判定方法であって、
少なくとも1つの判定パラメータ(Pj)を検出する工程と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する工程と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
動力源(110)と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室(130)と、
を備える昇圧ポンプの異常判定方法であって、
少なくとも1つの判定パラメータ(Pj)を検出する工程と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する工程と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む。
上記(11)の態様によれば、昇圧ポンプに生じる異常は、少なくとも1つの判定パラメータに基づいて判定される。少なくとも1つの判定パラメータは、昇圧ポンプの昇圧室内の圧力、昇圧室からの吐出圧力、動力源の消費エネルギ量、動力伝達部材に作用する曲げ荷重、動力伝達部材に作用する圧縮荷重、昇圧室の変位、昇圧室からの液体水素の漏洩量、及び、昇圧ポンプ又は液体水素が流れる配管に生じる振動を含む。これらの判定パラメータを採用することで、液体水素を昇圧するための昇圧ポンプの稼働率に影響を与える不具合を招き得る異常を効果的に判定することができる。
1 異常判定装置
2 判定パラメータ検出部
3 動作状態パラメータ検出部
4 異常判定部
100 水素供給システム
102 車両
104 コンテナ
106 圧縮装置
107 蒸発装置
108 ディスペンサ
110 駆動モータ
111 インバータ
112 昇圧ポンプ
114 減速機
115 クランク軸
116 シリンダ
117 吸入口
118 ピストン
119 吐出口
120 ピストンロッド
121 在方向一端
123 在方向他端
124 クランク機構
129 クロスヘッド
130 昇圧室
131 回転数センサ
132 第1圧力センサ
134 第2圧力センサ
136 消費エネルギセンサ
138 荷重センサ
140 変位センサ
142,144 振動センサ
2 判定パラメータ検出部
3 動作状態パラメータ検出部
4 異常判定部
100 水素供給システム
102 車両
104 コンテナ
106 圧縮装置
107 蒸発装置
108 ディスペンサ
110 駆動モータ
111 インバータ
112 昇圧ポンプ
114 減速機
115 クランク軸
116 シリンダ
117 吸入口
118 ピストン
119 吐出口
120 ピストンロッド
121 在方向一端
123 在方向他端
124 クランク機構
129 クロスヘッド
130 昇圧室
131 回転数センサ
132 第1圧力センサ
134 第2圧力センサ
136 消費エネルギセンサ
138 荷重センサ
140 変位センサ
142,144 振動センサ
Claims (11)
- 動力源と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室と、
を備える昇圧ポンプの異常判定装置であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出するための判定パラメータ検出部と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定するための異常判定部と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む、昇圧ポンプの異常判定装置。 - 前記昇圧ポンプの動作状態に関する動作状態パラメータを検出するための動作状態パラメータ検出部を更に備え、
前記異常判定部は、前記判定パラメータを前記動作状態パラメータに基づいて設定される判定基準と比較することにより、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する、請求項1に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。 - 前記動作状態パラメータは、前記昇圧ポンプの回転数である、請求項2に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。
- 前記判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、及び、前記昇圧室からの吐出圧力を含む、請求項3に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。
- 前記判定パラメータは、前記動力源の消費エネルギ量を含む、請求項3に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。
- 前記判定パラメータは、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重を含む、請求項3に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。
- 前記判定パラメータは、前記昇圧室の変位を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。
- 前記判定パラメータは、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。
- 前記動力源は駆動モータであり、
前記動力伝達部材は、前記駆動モータの回転運動を往復運動に変換するためのクランク機構を構成するコネクティングロッドであり、
前記昇圧室は、シリンダ、及び、前記コネクティングロッドに接続されたピストンによって形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の昇圧ポンプの異常判定装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の昇圧ポンプの異常判定装置を備える、液体水素供給システム。
- 動力源と、
前記動力源からの動力を伝達するための動力伝達部材と、
前記動力伝達部材を介して入力される前記動力によって、前記液体水素を昇圧するための昇圧室と、
を備える昇圧ポンプの異常判定方法であって、
少なくとも1つの判定パラメータを検出する工程と、
前記判定パラメータ検出部によって検出された前記少なくとも1つの判定パラメータに基づいて、前記昇圧ポンプに異常があるか否かを判定する工程と、
を備え、
前記少なくとも1つの判定パラメータは、前記昇圧室内の圧力、前記昇圧室からの吐出圧力、前記動力源の消費エネルギ量、前記動力伝達部材に作用する曲げ荷重、前記動力伝達部材に作用する圧縮荷重、前記昇圧室の変位、前記昇圧室からの前記液体水素の漏洩量、及び、前記昇圧ポンプ又は前記液体水素が流れる配管に生じる振動の少なくとも1つを含む、昇圧ポンプの異常判定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021127035A JP2023022359A (ja) | 2021-08-03 | 2021-08-03 | 昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021127035A JP2023022359A (ja) | 2021-08-03 | 2021-08-03 | 昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法 |
Publications (1)
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JP2023022359A true JP2023022359A (ja) | 2023-02-15 |
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Family Applications (1)
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JP2021127035A Pending JP2023022359A (ja) | 2021-08-03 | 2021-08-03 | 昇圧ポンプの異常判定装置、水素供給システム、及び、昇圧ポンプの異常判定方法 |
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