JP2023020881A - 表示装置、光電変換装置、電子機器、および、ウェアラブルデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】中心窩レンダリングが可能な表示装置における表示データの帯域幅および回路規模の抑制に有利な技術を提供する。【解決手段】複数の画素がアレイ状に配された表示部と、第1フレームにおいて、前記表示部のうち第1領域に対応する第1表示データを生成し、前記表示部の前記第1領域に第1画像を表示させ、第2フレームにおいて、前記表示部のうち前記第1領域を包含し、前記第1領域よりも大きい第2領域に対応する第2表示データを生成し、前記表示部の前記第2領域に第2画像を表示させるデータ生成部と、を含む表示装置であって、前記第2領域のうち前記第1領域と重ならない領域を第3領域としたときに、前記第1画像の解像度と、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度と、が互いに異なる。【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置、光電変換装置、電子機器、および、ウェアラブルデバイスに関する。
人間の視野は、中心窩において最も鮮明になり、中心窩から離れるほど不鮮明に知覚するため、XR向けの表示装置において、中心窩レンダリングと呼ばれる処理が行われる。中心窩レンダリングは、表示領域の視野方向の中心窩領域に比較して周辺領域を低解像度に描画することによって、画像処理にかかる負荷を軽減する。しかしながら、昨今のXR向けのディスプレイにおいて高画素化、高フレームレート化が進み、表示データをディスプレイに送信する帯域幅の削減が求められている。特許文献1には、周辺領域の低解像度のピクセルデータを間引くことによって圧縮し、表示データをディスプレイに送信する帯域幅を削減することが示されている。
特許文献1のディスプレイにおいて、表示データを送信する帯域幅の削減は実現されるが、中心窩領域を含む行と中心窩領域を含まない行との間で表示データの長さが変化するため、圧縮された表示データを展開する回路が複雑になり、回路規模が大きくなりうる。
本発明は、中心窩レンダリングが可能な表示装置における表示データの帯域幅および回路規模の抑制に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る表示装置は、複数の画素がアレイ状に配された表示部と、第1フレームにおいて、前記表示部のうち第1領域に対応する第1表示データを生成し、前記表示部の前記第1領域に第1画像を表示させ、第2フレームにおいて、前記表示部のうち前記第1領域を包含し、前記第1領域よりも大きい第2領域に対応する第2表示データを生成し、前記表示部の前記第2領域に第2画像を表示させるデータ生成部と、を含む表示装置であって、前記第2領域のうち前記第1領域と重ならない領域を第3領域としたときに、前記第1画像の解像度と、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度と、が互いに異なることを特徴とする。
本発明によれば、中心窩レンダリングが可能な表示装置における表示データの帯域幅および回路規模の抑制に有利な技術を提供することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1~9(c)を参照して、本開示の実施形態による表示装置について説明する。本実施形態の表示装置は、中心窩レンダリングが可能な表示装置である。つまり、ディスプレイの視野方向の中心窩領域に比較して周辺領域を低解像度に描画することが可能な表示装置について説明する。しかしながら、中心窩レンダリングに限られることはなく、本実施形態の表示装置は、画像を表示するディスプレイを2つ以上の領域に分けて、異なる解像度の画像を表示可能な装置である。
まず、比較例の中心窩レンダリング処理について説明する。図8(a)~8(c)は、比較例の中心窩レンダリングの概念を示す図である。中心窩レンダリングでは、ユーザの視線方向の中心窩領域は、複数の画素がアレイ状に配された表示部100が備える解像度で描画する。一方、中心窩領域の周辺である周辺領域は、例えば、複数の画素に同一の信号に応じた表示をさせるなどして、表示部100が備える解像度よりも低い解像度で描画する。この際に、比較例の中心窩レンダリングでは、中心窩領域と周辺領域との異なる解像度の画像を中心窩領域の解像度、つまり、表示部100の解像度に合わせて合成した画像を生成し、表示部100の表示の更新タイミングごとに画像を表示する。図8(a)は、表示装置の表示部100に時間的に連続して表示する表示対象画像A、B、C、Dを示した図である。例えば、60fpsで表示装置の表示部100に画像を表示する場合、表示対象画像A、B、C、Dをそれぞれ1/60秒ごとに表示部100に表示し画像を更新していく。また、表示対象画像A、B、C、Dは、表示部100が備える解像度と同じ解像度であるとする。つまり、中心窩レンダリングの処理が実施される前の画像である。
図8(b)は、図8(a)に示される表示対象画像A、B、C、Dに対して、表示部100が備える解像度よりも低い解像度で表示される周辺領域151と、表示部100が備える解像度で表示される中心窩領域150と、を示した図である。表示部100の中心窩領域150と周辺領域151とは、同じタイミングで更新される。つまり、中心窩領域150と周辺領域151とは、同じタイミングで表示が切り替わる。表示部100に画像を表示するためにデータ生成部から表示部100を含む映像表示部に転送される表示データのうち、表示部100が備える解像度よりも低い解像度で表示される周辺領域151の表示データは、特許文献1に示されるように圧縮されている。このため、表示データは、表示部100に画像を表示する際に、デコード処理が必要となる。また、転送する表示データに、表示部100が備える解像度の領域と表示部100が備える解像度よりも低い解像度の領域とが含まれており、1つの表示データにおいて1行のデータサイズが互いに異なる行が存在する。また、中心窩領域150は、ユーザの視線が変化した場合など位置が変わる可能性があるため、データサイズが異なる行の位置も一定ではない。そのため、1枚の画像を表示するための表示データにおいて、データサイズが異なる行が存在し、さらに、表示データごとにデータサイズが異なる行の位置が変わることに対応するための回路が必要になる。結果として、回路規模が大きくなってしまう。
図8(c)は、図8(b)のように表示部100を更新した際に、実際にユーザが視認できる画像を時間的に表した図である。上述したデコード回路によって、中心窩領域150は、表示部100が備える解像度で表示される。また、周辺領域151は、同じ画像(輝度)を隣接する複数の画素で表示させているため、表示部100が備える解像度よりも見かけ上、低い解像度で表示される。
次に、図9(a)~9(c)を用いて、本実施形態の中心窩レンダリング処理の概念を示す。図9(a)は、図8(a)と同様に、映像表示部の表示部100に時間的に連続して表示する表示対象画像A、B、C、Dを示した図である。図9(b)は、図9(a)に示される表示対象画像A、B、C、Dに対して、表示部100に表示部100が備える解像度よりも低い解像度で表示される領域103と、表示部100が備える解像度で表示される領域102と、を示した図である。図9(a)~9(c)に示される本実施形態の中心窩レンダリング処理において、図8(a)~8(c)を用いて示した比較例と異なる点は、以下の2点である。1点目は、領域103が上述の周辺領域151と対応せず、領域102を包含する点である。2点目は、1回の表示部100の更新のタイミングでは、領域102または領域103のどちらか一方の領域しか、画像の更新を行わない点である。領域103は、表示部100が備える解像度よりも低解像度で、表示される画像が更新される。図9(c)は、図9(b)のように表示部100を更新した際に、実際にユーザが視認できる画像を時間的に表した図である。比較例では、常に異なる解像度の領域を有する画像が表示される。一方、本実施形態において、低解像度のみの画像が表示されるタイミングと、比較例と同様に領域によって異なる解像度の画像(中心窩レンダリング画像)が表示されるタイミングが存在する。このように、本実施形態において、交互ないし所定の順番で、表示部100よりも低解像度の画像のみのフレームと、中心窩レンダリング画像を表示するフレームと、が繰り返される。
本実施形態における、領域102と領域103とについて詳細を説明する。表示部100は、ユーザの注視の対象であると期待または推定される表示イメージを表示する領域102と、領域102を包含する領域103と、に区分される。図1に表示部100における領域102と領域103とが示されている。表示部100には、複数の画素101がアレイ状に配されている。図1に示される例では、表示部100の全体が領域103である場合を示しているが、表示部100の一部の領域が、領域103として設定されていてもよい。この場合であっても、領域103の中に領域102が配される。また、図1に示されるように、領域103のうち領域102と重ならない領域を領域104と呼ぶ。図1に示される例では、領域104が、領域102を取り囲むように配されるが、これに限られることはない。例えば、領域102の右辺と領域103の右辺とが、同じ画素101であってもよい。つまり、領域102として設定される画素101は、領域103として設定されている画素101でもある。
表示部100は、画素101のアレイとして構成されており、画素101はそれぞれ発光素子である。画素101の例示的な画素構成は、例えば、発光ダイオード(LED)を含んでいてもよく、また、例えば、有機発光ダイオード(OLED)を含んでよい。領域102の表示部100における位置は、ユーザの表示部100に対する視線位置105に基づいて決定されてもよい。また、例えば、領域102の表示部100における位置は、表示部100の中央で固定されていてもよい。
領域102は、表示部100が備える解像度で表示イメージが表示される領域である。領域103は、領域102を含み、かつ、領域102よりも行方向、列方向ともに大きい領域であってもよい。領域103は、映像表示部に配される表示部100が備える解像度よりも低い解像度で表示イメージが表示される。領域103の解像度は、固定値であってもよいし、任意の設定値によって決定されてもよい。
表示部100の領域102と領域103とは、1回の表示部100の表示の更新では、どちらか一方の表示の更新しか行わない。例えば、1フレーム目では、領域103のみの画像の更新が実施される。2フレーム目では、領域102のみの画像の更新が実施される。これを繰り返し実施することにより中心窩レンダリングを実現する。これによって、1回の表示部100の表示の更新に必要な表示データは、領域102の表示データ、つまり、限られた領域における表示部100が備える解像度(以下、高解像度と呼ぶ場合がある。)の表示データ、または、領域103の表示データ、つまり、表示部100が備える解像度よりも低い解像度(以下、低解像度と呼ぶ場合がある。)の表示データのみになる。領域103の表示データは、表示部100が備える解像度よりも低い解像度の表示データのまま映像表示部に転送し、映像表示部の側で表示データの1画素分のデータを表示部100の複数の画素101に割り当てる処理を行う。例えば、低解像度の表示データが縦横50%に縮小されている場合、画素101の縦横2×2の4画素に1つのデータを割り当ててもよい。これによって、領域103の表示、つまり、低解像度の表示データの表示であっても、その解像度に比例した画像データ送信帯域となる。したがって、例えば、領域102を表示部100の全画素数に対し1/4の画素数の領域とし、また、領域103を表示部100の全画素数の領域かつ解像度は1/4とした場合、表示データを送信する帯域幅は、表示部100の全体に画像を表示する場合と比較して1/4になる。また、この場合、領域102と領域103とにおける表示データのサイズが等しくなり、領域102、103の表示データをデータ生成部から映像表示部に転送する場合でも、表示データに対応する画像の縦横のサイズが統一される。
上述の中心窩レンダリング処理を実現するための表示装置DSの構成が、図2に示される。また、図3、4は、表示装置DSの中心窩レンダリング処理の処理ステップを示す。図2の構成要素をそれぞれ説明した後に、図3、4の処理ステップを用いて、本実施形態の基本的なフローを説明する。
上述のように、表示装置DSは、複数の画素101がアレイ状に配された表示部100を含む映像表示部200を備える。また、表示装置DSは、表示部100のうち領域102に対応する表示データ(以下、高解像度表示データと呼ぶ場合がある。)、および、表示部100のうち領域102を包含し、領域102よりも大きい領域103に対応する表示データ(以下、低解像度表示データと呼ぶ場合がある。)を生成し、表示部100に転送するデータ生成部201を含む。さらに、表示装置DSは、ユーザの表示部100に対する視線位置を検知する視線検知部202を含んでいてもよい。
視線検知部202は、当該分野で周知の、対応する表示部100に関してユーザの注視、すなわち、ユーザが表示部100のどの領域を見ているかを追跡するために利用される、様々な注視トラッキングシステムの任意のものを備えていてもよい。視線検知部202は、視線情報を生成し、データ生成部201に送出する。データ生成部201は、表示部100に表示する表示データ信号220、領域フラグ信号210、中心窩制御回路211を制御する中心窩制御信号219を生成し、映像表示部200に出力する。表示データ信号220は、画素101の発光輝度に対応するデジタルデータ(階調値)である。領域フラグ信号210は、次に転送される表示データ信号220が領域102用のデータか、領域103用のデータかを表す1ビットのフラグ信号である。中心窩制御信号219は、視線方向の位置情報を表す信号であり、表示部100に配された画素101のうち、ユーザの視線位置に応じた任意の画素101を表すアドレス情報である。
映像表示部200は、中心窩制御回路211、列制御回路212、低解像度領域用バッファ213、列メモリ214、行制御回路215、行選択回路216、表示部100を含む。中心窩制御回路211は、データ生成部201から受け取る中心窩制御信号219と、予め設定された領域102のサイズ情報とを基に領域102の位置情報を生成・出力する。ここで、領域102のサイズ情報とは、表示部100に配置された画素101で構成される画素アレイの縦横の画素数に対応するサイズである。また、領域102の位置情報とは、領域102のサイズ情報と、中心窩制御信号219における視線方向の位置情報と、から計算される領域102の開始位置を表す情報である。
列制御回路212は、データ生成部201から領域フラグ信号210を受け取り、領域フラグ信号210に従って2パターンの制御を実施する。低解像度領域用バッファ213は、列制御回路によって制御され、表示データをストア・ロードする。列メモリ214は、列制御回路212によって制御され、1行分の表示データを列制御回路212、または、低解像度領域用バッファ213から受け取り、表示部100に転送する。行制御回路215は、低解像度表示データの入力時に解像度に応じて行制御回路215を複数選択し、高解像度表示データの入力時は中心窩制御回路211から与えられる位置情報から行選択回路216を選択する。行選択回路216は、行制御回路215より与えられる信号によって制御され、表示を更新する表示部100の画素101の行を選択する。
次いで、図3、4に示す処理ステップを用いて、本実施形態の基本的なフローを説明する。図3の処理ステップは、データ生成部201における処理ステップ、図4の処理ステップは、映像表示部200における処理ステップである。
S301は、領域フラグ信号210を生成する処理である。領域フラグ信号210は、領域102の表示データを示す第1領域フラグと、領域103の表示データを示す第2領域フラグと、を含む。これらの領域フラグ信号210の生成は、フレームごとに行い、交互、または、所定の順番で、第1領域フラグ、または、第2領域フラグを生成する。
S302は、S301で生成された領域フラグ信号210が、第1領域フラグか第2領域フラグかを判別する処理である。S302において、領域フラグ信号210が第2領域フラグだった場合、S303~S305の処理ステップが実行される。S302において、領域フラグ信号210が第1領域フラグだった場合、S306、S307の処理ステップが実行される。
S302において、領域フラグ信号210が第2領域フラグだった場合、処理ステップは、S303に遷移する。S303は、視線検知部202から受け取る視線情報から中心窩制御信号219を生成し、保持する処理である。中心窩制御信号219が生成されると処理ステップは、S304に遷移する。S304は、領域フラグ信号210を映像表示部200に転送する処理である。領域フラグ信号210を映像表示部200に転送すると、処理ステップは、S305に遷移する。S305は、表示部100の画素数に対して、例えば、1/4の画素数になるように画像の縦横を圧縮した低解像度表示データを生成する処理である。つまり、データ生成部201が、表示部100のうち領域102を包含し、領域102よりも大きい領域103に対応する表示データを生成するステップである。
S302において、領域フラグ信号210が第1領域フラグだった場合、処理ステップは、S306に遷移する。S306は、領域フラグ信号210および中心窩制御信号219を映像表示部200に転送する処理である。領域フラグ信号210および中心窩制御信号219を映像表示部200に転送すると、処理ステップは、S307に遷移する。S307は、S303において生成された中心窩制御信号219に基づいて表示部100の画素数に対して、例えば、1/4の画素数になるように画像を切り取った高解像度表示データを生成する。つまり、データ生成部201が、表示部100のうち領域102に対応する表示データを生成するステップである。
低解像度表示データ(S305)または高解像度表示データ(S307)が生成されると、処理ステップは、S308に遷移する。S308は、S305またはS307で生成された表示データを、例えば、1行単位で映像表示部200に転送する処理である。以上が、データ生成部201の処理ステップの説明である。
次に、映像表示部200の処理ステップについて、図4を用いて説明する。S320、S321、S327は、列制御回路212における処理である。S320は、データ生成部201から転送された領域フラグ信号210が、第1領域フラグか第2領域フラグかを判別する処理である。S320において、領域フラグ信号210が第2領域フラグだった場合、処理ステップは、S321に遷移する。S320において、領域フラグ信号210が第1領域フラグだった場合、処理ステップは、S327に遷移する。S321、S327は、データ生成部201から表示データの入力を待つ処理である。
S321において、表示データの転送が開始されると、処理ステップは、S322に遷移する。S322、S323、S324は、列制御回路212、低解像度領域用バッファ213における処理である。S322は、データ生成部201から転送された表示データのうち転送されてきた行のデータが、領域102を含む行か否かの判定が行われる。S322で、データ生成部201から転送される表示データが領域102を含む行のデータと判別された場合、処理ステップは、S323に遷移する。S323では、領域102の表示の処理を実施する際に不足する領域104の表示に使用されるデータが低解像度領域用バッファ213にストアされる。領域104の表示に使用されるデータが低解像度領域用バッファ213にストアされると、処理ステップは、S324に遷移する。
S322で、データ生成部201から転送される表示データが領域102を含まない行のデータと判別された場合、処理ステップは、S324に遷移する。このとき、該当する行の表示データが、低解像度領域用バッファ213にストアされてもよい。
S324は、表示部100が備える解像度より低解像度になっている低解像度表示データを表示部100が備える解像度に合うように1つの画素101のデータを複製して列メモリ214に転送する処理である。次いで、S325は、列メモリ214、行制御回路215および行選択回路216における処理である。処理ステップS325では、低解像度表示データの解像度に応じて行制御回路215によって、1つ以上の行選択回路216を選択し、列メモリ214の値で画素101の表示を更新する処理である。次いで、S326において、領域103の最終行であるか否かの判定が行われ、最終行まで、S322~S326までの処理ステップが繰り返される。
次に、S320において、領域フラグ信号210が第1領域フラグであり、S327において表示データの転送が開始されると、処理ステップは、S328に遷移する。処理ステップS328、S329は列制御回路212、低解像度領域用バッファ213の処理である。S328は、S323で低解像度領域用バッファ213にストアした領域104の表示データを列制御回路212にロードする処理である。次いで、S329は、データ生成部201から転送される高解像度表示データとS328でロードした領域104の表示データを列メモリ214に転送する処理である。このとき、S328でロードしたデータは、S324と同様に表示部100の解像度に合うように低解像度表示データを複製して列メモリ214に転送する。S330は、列メモリ214と行制御回路215と行選択回路216の処理であり、現在の行に応じて1つの行選択回路216を選択し、列メモリ214の値で画素101の表示を更新する処理である。次いで、S326において、領域103の最終行であるか否かの判定が行われ、最終行まで、S322~S326までの処理ステップが繰り返される。領域102が含まれない行も、低解像度領域用バッファ213にストアした領域104の表示データを用いて表示が更新されうる。
本実施形態において、データ生成部201は、第1フレームにおいて、表示部100のうち領域102に対応する高解像度表示データを生成し、表示部100の領域102に画像(以下、高解像度画像と呼ぶ場合がある)を表示させ、第2フレームにおいて、表示部100のうち領域102を包含し、領域102よりも大きい領域103に対応する低解像度表示データを生成し、表示部100の領域103に画像(以下、低解像度画像と呼ぶ場合がある。)を表示させる。例えば、表示装置DSは、第1フレーム(以下、高解像度フレームと呼ぶ場合がある。)と第2フレーム(以下、低解像度フレームと呼ぶ場合がある。)とを、所定の順番(例えば、交互)で繰り返す。これによって、表示部100では、面積および解像度が互いに異なる高解像度画像と低解像度画像とが、所定の順番(例えば、交互)で繰り返し表示される。
また、表示装置DSは、上述のように、映像表示部200に低解像度表示データを保持する低解像度領域用バッファ213をさらに含み、高解像度画像を表示する高解像度フレームにおいて、表示部100は、高解像度画像を表示するフレームよりも前の低解像度画像を表示するフレームで受けた低解像度表示データを用いて、領域104に低解像度画像に応じた画像を表示してもよい。つまり、高解像度フレームにおいて、比較例の中心窩レンダリング処理と同様に、領域によって異なる解像度を有する画像を表示してもよい。このため、表示装置DSは、画像の表示を行う際に、低解像度フレームから動作を開始してもよい。換言すると、データ生成部201は、画像の表示を行う際に、まず、表示部100のうち領域103に対応する低解像度表示データを生成し、表示部100の領域103に低解像度画像を表示させ、次いで、表示部100のうち領域102に対応する高解像度表示データを生成し、表示部100に表示させてもよい。
本実施形態では、領域102を表示部100の全画素数の1/4の面積と1/1の解像度とし、また、領域103を表示部100の全画素数の1/1の面積と1/4の解像度とした場合の説明を行った。このように、高解像度画像の解像度に対する低解像度画像の解像度の比と、表示部100の画素101のうち領域103の画素の数に対する領域102の画素101の数の比と、が同じであってもよい。領域102と領域103とにおける表示データのサイズが等しくなり、データ生成部201から映像表示部200に表示データ転送する場合に、高解像度表示データと低解像度表示データとの送信帯域幅が同じになる。したがって、行によって表示データの長さが異なる場合などと異なり、映像表示部200における回路規模を抑制できる。しかしながら、これに限られることはなく、領域102および領域103の面積および解像度は、適当な組み合わせであってよい。
以上、説明した本実施形態によれば、映像表示部200、データ生成部201における回路規模を、比較例の表示を行う構成から抑制できる。また、データ生成部201と映像表示部200間の表示データの送信帯域幅を抑制しつつ、中心窩レンダリングが可能な表示装置DSが提供できる。
また、本実施形態において、図9(a)、9(b)に示されるように、データ生成部201は、連続する高解像度画像を表示するフレームおよび低解像度画像を表示するフレームに用いる高解像度表示データおよび低解像度表示データを、1つの画像データ(例えば、表示対象画像A)から生成している。しかしながら、これに限られることはない。データ生成部201は、連続する高解像度画像を表示するフレームおよび低解像度画像を表示するフレームに用いる高解像度表示データおよび低解像度表示データを、互いに異なる画像データから生成してもよい。必要な画像データが多くなるが、より滑らかな動画像の表示など、表示される画像の画質が向上しうる。
また、本実施形態において、表示装置DSにおいて、領域102に高解像度の画像を表示する中心窩レンダリング処理を実施することを例に説明したが、これに限られることはない。領域103に包含される領域102に低解像度の画像を表示してもよい。例えば、カメラなどのファインダの一部の領域に、シャッタスピードなどの撮影条件を表示する場合が考えられる。この場合、表示部100の領域103に高解像度の画像を表示し、領域103に包含される領域102に低解像度の画像を表示してもよい。このとき、データ生成部201は、連続する高解像度画像を表示するフレームおよび低解像度画像を表示するフレームに用いる高解像度表示データおよび低解像度表示データを、互いに異なる画像データから生成してもよい。つまり、高解像度表示データは、景色の表示データであり、低解像度表示データは、撮影条件の表示データであってもよい。1つの表示データにおいて、行によって表示データの長さが異なることがないため、映像表示部200における回路規模を抑制することが可能である。また、低解像度表示データにおけるデータ量を減らすことによって、データ生成部201と映像表示部200間の表示データの送信帯域幅を抑制することが可能である。
次いで、図5、6を用いて、上述の表示装置DSの変形例について説明する。図5は、表示装置DSの構成を示す図である。図3に示される構成と比較して、映像表示部200に、高解像度領域用バッファ500が追加されている。これ以外の構成は、図3に示される表示装置DSと同様であってもよいため、高解像度領域用バッファ500が追加されたことによる動作の違いについて説明する。
高解像度領域用バッファ500は、列制御回路212によって制御され、高解像度表示データをストア・ロードするデータバッファである。低解像度領域用バッファ213は、領域102と同じ行かつ領域103の列の低解像度表示データをストアし、高解像度表示データを用いた領域102の表示の更新時にストアした表示データをロードして使用する。また、低解像度領域用バッファ213は、領域104の低解像度表示データをストアし、高解像度表示データを用いた領域102の表示の更新時にストアした表示データをロードして使用する。一方で、高解像度領域用バッファ500は、領域102の高解像度表示データをストアしておき、低解像度表示データを用いた領域103の更新時にストアした高解像度表示データをロードして使用する。これによって、領域103の低解像度表示データを用いた表示の更新時であっても、領域102内は表示部100の解像度で更新することが可能になる。
図6は、図5に示される構成を備える映像表示部200の処理ステップを示す。図4に示される処理ステップに対し、処理ステップとしてS600、S601が追加されている。その他の処理ステップは、上述の各ステップと同様であってもよいため、S600、S601について説明する。
S601は、列制御回路212、高解像度領域用バッファ500の処理である。S601では、処理ステップS320が第2領域フラグではない、つまり、第1領域フラグだった場合に、データ生成部201から転送される高解像度表示データを高解像度領域用バッファ500にストアする処理である。S600は、列制御回路212、高解像度領域用バッファ500の処理である。S600では、データ生成部201から転送される低解像度表示データのうち転送された行のデータが、領域102を含む行と判別された場合、領域102の表示データとして、S601で高解像度領域用バッファ500にストアした高解像度表示データをロードする処理である。
図2~4に示される構成では、高解像度表示データを受けて領域102に表示される画像と、低解像度表示データを受けて領域103に表示される画像と、の解像度が互いに異なる。より具体的には、高解像度表示データを受けて領域102に表示される画像の解像度が、低解像度表示データを受けて領域103に表示される画像の解像度よりも高い。一方、図5、6に示される構成では、映像表示部200に高解像度表示データを保持する高解像度領域用バッファ500をさらに含み、低解像度画像を表示するフレームにおいて、表示部100は、低解像度画像を表示するフレームよりも前の高解像度画像を表示するフレームで受けた高解像度表示データを用いて、領域102に高解像度画像に応じた画像を表示する。結果として、高解像度表示データを受けて画像が表示されるフレームの領域102の画像の解像度と、低解像度表示データを受けて画像が表示されるフレームの画像のうち領域104の解像度と、が互いに異なっている。つまり、上述の各実施形態において、高解像度表示データを受けて画像が表示されるフレームの領域102の画像の解像度と、低解像度表示データを受けて画像が表示されるフレームの画像のうち少なくとも領域104の解像度と、が互いに異なっているといえる。
以上、説明した本実施形態においても、映像表示部200、データ生成部201における回路規模を、比較例の表示を行う構成から抑制できる。また、データ生成部201と映像表示部200間の表示データの送信帯域幅を抑制しつつ、中心窩レンダリングが可能な表示装置DSが提供できる。さらに、高解像度領域用バッファ500を配することによって、領域102に常に高解像度の画像を表示することが可能となり、表示装置DSの表示部100に表示される画像の画質が向上しうる。
また、列制御回路212が、低解像度領域用バッファ213からデータを複製して列メモリ214に転送する処理や、行制御回路215によって、1つ以上の行選択回路216を選択し、列メモリ214の値で画素101の表示を更新する処理を、回路規模を抑制しながら実施することを考える。例えば、高解像度表示データを用いて領域102に表示される画像の解像度が、低解像度表示データを用いて表示される画像のうち少なくとも領域104の解像度の2n倍であってもよい。ここでnは正整数である。低解像度表示データに応じた画像を表示する際に、表示可能な解像度を予め設定することによって、映像表示部200における回路規模の抑制が可能になる。
例えば、列制御回路212は、2列、4列・・・の列メモリ214にデータを複製して転送する。このとき、行制御回路215は、1行、2行、4行・・・の行選択回路216を選択し、列メモリ214の値で画素101の表示を更新してもよい。また、列制御回路212が列メモリ214にデータを複製しない場合、行制御回路215は、2行、4行・・・の行選択回路216を選択し、列メモリ214の値で画素101の表示を更新してもよい。また、領域102の画素101の数が、領域103の画素101の数の1/2nであってもよい。
図7は、図2に示される表示装置DSのさらなる変形例を示す図である。図7に示される構成において、データ生成部201から映像表示部200に転送される中心窩制御信号219および領域フラグ信号210が、表示データ信号220に統合されている。表示データ信号220は、常にデータ生成部201から映像表示部200に転送されているわけではなく、1枚の画像に対応する表示データと、次の1枚の画像に対応する表示データとの間に表示データが転送されない期間が存在する。そのため、中心窩制御信号219と領域フラグ信号210とを、表示データ信号220と共通の信号線を介して転送することができる。それぞれの信号が、転送されたタイミング、または、特定のフラグ値によって、中心窩制御信号219、領域フラグ信号210、および、表示データ信号220を判別することが可能である。処理ステップは、上述の図3、4に示される構成と同様であってもよい。また、図5に示される構成においても、中心窩制御信号219および領域フラグ信号210を、表示データ信号220と共通の信号線を介して転送することが可能である。この場合、処理ステップは、上述の図6に示される構成と同様であってもよい。
図7に示される構成を有する表示装置DSにおいても、上述の各実施形態と同様に、映像表示部200、データ生成部201における回路規模を、比較例の表示を行う構成から抑制できる。また、データ生成部201と映像表示部200間の表示データの送信帯域幅を抑制しつつ、中心窩レンダリングが可能な表示装置DSが提供できる。
ここで、本実施形態の表示装置DSの実際の応用例や、表示装置DSを、光電変換装置、電子機器、および、ウェアラブルデバイスに適用した例について図10~図14を用いて説明する。表示装置DSは、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカードなどからの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部100に表示する画像情報処理装置でもよい。また、カメラやインクジェットプリンタが有する表示部100は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの画像表示部に用いられてもよい。
図10は、本実施形態の表示装置DSを用いた表示装置の応用例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008を有していてもよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタなどの能動素子が配される。バッテリー1008は、表示装置1000が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、この位置に設ける必要はない。表示パネル1005に、上述の表示装置DSの表示部100が適用できる。表示パネル1005として機能する表示装置DSの表示部100は、回路基板1007に配されたトランジスタなどの能動素子と接続され動作する。また、回路基板1007は、上述のデータ生成部201や映像表示部200の表示部100以外の各構成に対応しうる。
図10に示される表示装置1000は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光し電気信号に光電変換する撮像素子とを有する光電変換装置(撮像装置)の画像表示部に用いられてもよい。光電変換装置は、撮像素子が取得した情報を表示する画像表示部を有してもよい。また、画像表示部は、光電変換装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。光電変換装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってもよい。
図11は、本実施形態の表示装置DSを用いた光電変換装置の一例を表す模式図である。光電変換装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。光電変換装置1100は、撮像装置とも呼ばれうる。画像表示部であるビューファインダ1101に、上述の表示装置DSの表示部100が適用できる。この場合、表示装置DSは、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示などを表示してもよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性などであってよい。
撮像に適するタイミングはわずかな時間である場合が多いため、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、画素101としてOLEDなどの有機発光材料を含む表示装置DSがビューファインダ1101に用いられうる。有機発光材料は応答速度が速いためである。有機発光材料を用いた表示装置DSは、表示速度が求められる、これらの装置に、液晶表示装置よりも適している。
光電変換装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、光学部を通過した光を受光する筐体1104内に収容されている光電変換素子(不図示)に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
表示装置DSは、電子機器の画像表示部に適用されてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイなどが挙げられる。
図12は、本実施形態の表示装置DSを用いた電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、画像表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部1202は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する携帯機器は通信機器ということもできる。画像表示部1201に、上述の表示装置DSが適用できる。
図13(a)、13(b)は、本実施形態の表示装置DSの応用例を表す模式図である。図13(a)は、テレビモニタやPCモニタなどへの表示装置DSの応用例である。表示装置1300は、額縁1301を有し画像表示部1302を有する。画像表示部1302に、上述の表示装置DSの表示部100が適用できる。表示装置1300は、額縁1301と画像表示部1302とを支える土台1303を有していてもよい。土台1303は、図11(a)の形態に限られない。例えば、額縁1301の下辺が土台1303を兼ねていてもよい。また、額縁1301および画像表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図13(b)は、本実施形態の表示装置DSを用いた他の応用例を表す模式図である。図13(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第1画像表示部1311、第2画像表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第1画像表示部1311と第2画像表示部1312とには、上述の表示装置DSの表示部100が適用できる。第1画像表示部1311と第2画像表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第1画像表示部1311と第2画像表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第1画像表示部1311と第2画像表示部1312とは、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第1画像表示部1311と第2画像表示部1312とで1つの画像を表示してもよい。
図14(a)、14(b)を参照して、上述の各実施形態の表示装置DSのさらなる適用例について説明する。表示装置DSは、例えばスマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。このような適用例に使用されるウェアラブルデバイスは、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な発光デバイスとを有する。
図14(a)は、1つの適用例に係る眼鏡1600(スマートグラス)を説明する。眼鏡1600のレンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられている。また、レンズ1601の裏面側には、表示デバイスとして上述した表示装置DSが設けられている。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と各実施形態に係る表示装置DSに電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と表示装置DSの動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602に光を集光するための光学系が形成されている。
図14(b)は、1つの適用例に係る眼鏡1610(スマートグラス)を説明する。眼鏡1610は、制御装置1612を有しており、制御装置1612に、撮像装置1602に相当する撮像装置と、表示デバイスとして表示装置DSが搭載される。レンズ1611には、制御装置1612内の撮像装置と、表示装置DSからの発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置および表示装置DSに電力を供給する電源として機能するとともに、撮像装置および表示装置DSの動作を制御する。制御装置1612は、装着者の視線を検知する視線検知部202を有してもよい。視線の検知は赤外線を用いてよい。赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から表示画像に対するユーザの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザの視線が検出される。
本発明の一実施形態に係る表示装置DSは、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザの視線情報に基づいて表示画像を制御してよい。
具体的には、表示装置DSは、視線情報に基づいて、ユーザが注視する第1視界領域と、第1視界領域以外の第2視界領域とを決定する。第1視界領域、第2視界領域は、表示装置DSの制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。表示装置DSの表示領域において、第1視界領域の表示解像度を第2視界領域の表示解像度よりも高く制御してもよい。つまり、第2視界領域の解像度を第1視界領域よりも低くしてよい。
また、表示領域は、第1表示領域、第1表示領域とは異なる第2表示領域とを有し、視線情報に基づいて、第1表示領域および第2表示領域から優先度が高い領域が決定される。第1表示領域、第2表示領域は、表示装置DSの制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。優先度の高い領域の解像度を、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高く制御してよい。つまり優先度が相対的に低い領域の解像度を低くしてよい。
なお、第1視界領域や優先度が高い領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。AIプログラムは、表示装置DSが有しても、撮像装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置が有する場合は、通信を介して、表示装置DSに伝えられる。
視認検知に基づいて表示制御する場合、外部を撮像する撮像装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
(他の実施形態)
図15は、図2に示される表示装置DSの映像表示部200を第1基板1701および第2基板1702に分割し、積層した構成の一例を示す図である。図15において、第1基板1701と第2基板1702とは、電気的に接続されている。表示装置DSのうち使用者の方向に面する基板を第1基板1701とし、表示部100の発光面1703は、第1基板1701に配されているものとする。
図15は、図2に示される表示装置DSの映像表示部200を第1基板1701および第2基板1702に分割し、積層した構成の一例を示す図である。図15において、第1基板1701と第2基板1702とは、電気的に接続されている。表示装置DSのうち使用者の方向に面する基板を第1基板1701とし、表示部100の発光面1703は、第1基板1701に配されているものとする。
図16は、図2に示される表示装置DSの各構成要素を、第1基板1701に配された画素回路1801と、第2基板に配された処理回路1802と、に分割した構成を図示したものである。画素回路1801は、表示部100よって構成される。処理回路1802は、中心窩制御回路211、列制御回路212、低解像度領域用バッファ213、列メモリ214、行制御回路215によって構成される。表示部100は、行制御回路215および列メモリ214と電気的に接続されており、行制御回路215を用いて表示部100の行を選択し、列メモリ214から表示部100へ表示データを転送することによって、画像を表示する。
上述のように、表示装置DSは、表示部100と表示部100を動作させるための列制御回路212や行制御回路215などの制御回路とを含む映像表示部200を備える。本実施形態によれば、映像表示部200のうち表示部100以外を第2基板1702に配する分だけ、図2に示される構成と比べて、平面視での映像表示部200の面積を小さくする、もしくは、各素子のサイズを大きくすることができる。この積層構成は、図5、図7に示される構成にも適用でき、同様の効果が得られる。
本明細書の開示は、以下の表示装置、光電変換装置、電子機器、および、ウェアラブルデバイスを含む。
(項目1)
複数の画素がアレイ状に配された表示部と、
第1フレームにおいて、前記表示部のうち第1領域に対応する第1表示データを生成し、前記表示部の前記第1領域に第1画像を表示させ、第2フレームにおいて、前記表示部のうち前記第1領域を包含し、前記第1領域よりも大きい第2領域に対応する第2表示データを生成し、前記表示部の前記第2領域に第2画像を表示させるデータ生成部と、を含む表示装置であって、
前記第2領域のうち前記第1領域と重ならない領域を第3領域としたときに、前記第1画像の解像度と、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度と、が互いに異なることを特徴とする表示装置。
複数の画素がアレイ状に配された表示部と、
第1フレームにおいて、前記表示部のうち第1領域に対応する第1表示データを生成し、前記表示部の前記第1領域に第1画像を表示させ、第2フレームにおいて、前記表示部のうち前記第1領域を包含し、前記第1領域よりも大きい第2領域に対応する第2表示データを生成し、前記表示部の前記第2領域に第2画像を表示させるデータ生成部と、を含む表示装置であって、
前記第2領域のうち前記第1領域と重ならない領域を第3領域としたときに、前記第1画像の解像度と、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度と、が互いに異なることを特徴とする表示装置。
(項目2)
前記第1画像の解像度が、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度よりも高いことを特徴とする項目1に記載の表示装置。
前記第1画像の解像度が、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度よりも高いことを特徴とする項目1に記載の表示装置。
(項目3)
前記第2表示データを保持する第2領域用バッファをさらに含み、
前記第1フレームにおいて、前記表示部は、前記第1フレームよりも前の前記第2フレームで受けた前記第2表示データを用いて、前記第3領域に前記第2画像に応じた画像を表示することを特徴とする項目1または2に記載の表示装置。
前記第2表示データを保持する第2領域用バッファをさらに含み、
前記第1フレームにおいて、前記表示部は、前記第1フレームよりも前の前記第2フレームで受けた前記第2表示データを用いて、前記第3領域に前記第2画像に応じた画像を表示することを特徴とする項目1または2に記載の表示装置。
(項目4)
前記第1表示データを保持する第1領域用バッファをさらに含み、
前記第2フレームにおいて、前記表示部は、前記第2フレームよりも前の前記第1フレームで受けた前記第1表示データを用いて、前記第1領域に前記第1画像に応じた画像を表示することを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第1表示データを保持する第1領域用バッファをさらに含み、
前記第2フレームにおいて、前記表示部は、前記第2フレームよりも前の前記第1フレームで受けた前記第1表示データを用いて、前記第1領域に前記第1画像に応じた画像を表示することを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目5)
前記第1画像の解像度が、前記第2画像の解像度よりも高いことを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第1画像の解像度が、前記第2画像の解像度よりも高いことを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目6)
前記第1画像の解像度が、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度の2n倍、ここでnは正整数であることを特徴とする項目1乃至5の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第1画像の解像度が、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度の2n倍、ここでnは正整数であることを特徴とする項目1乃至5の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目7)
前記第1画像の解像度に対する前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度の比と、前記複数の画素のうち前記第2領域の画素の数に対する前記複数の画素のうち前記第1領域の画素の数の比と、が同じことを特徴とする項目1乃至6の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第1画像の解像度に対する前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度の比と、前記複数の画素のうち前記第2領域の画素の数に対する前記複数の画素のうち前記第1領域の画素の数の比と、が同じことを特徴とする項目1乃至6の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目8)
ユーザの前記表示部に対する視線位置を検知する視線検知部をさらに含み、
前記第1領域の前記表示部における位置が、前記視線位置に基づいて決定されることを特徴とする項目1乃至7の何れか1項目に記載の表示装置。
ユーザの前記表示部に対する視線位置を検知する視線検知部をさらに含み、
前記第1領域の前記表示部における位置が、前記視線位置に基づいて決定されることを特徴とする項目1乃至7の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目9)
前記第3領域が、前記第1領域を取り囲むことを特徴とする項目1乃至8の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第3領域が、前記第1領域を取り囲むことを特徴とする項目1乃至8の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目10)
前記第1フレームと前記第2フレームとが、所定の順番で繰り返されることを特徴とする項目1乃至9の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第1フレームと前記第2フレームとが、所定の順番で繰り返されることを特徴とする項目1乃至9の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目11)
前記第1フレームと前記第2フレームとが、交互に繰り返されることを特徴とする項目1乃至10の何れか1項目に記載の表示装置。
前記第1フレームと前記第2フレームとが、交互に繰り返されることを特徴とする項目1乃至10の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目12)
前記データ生成部は、連続する前記第1フレームおよび前記第2フレームに用いる前記第1表示データおよび前記第2表示データを、1つの画像データから生成することを特徴とする項目1乃至11の何れか1項目に記載の表示装置。
前記データ生成部は、連続する前記第1フレームおよび前記第2フレームに用いる前記第1表示データおよび前記第2表示データを、1つの画像データから生成することを特徴とする項目1乃至11の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目13)
前記データ生成部は、連続する前記第1フレームおよび前記第2フレームに用いる前記第1表示データおよび前記第2表示データを、互いに異なる画像データから生成することを特徴とする項目1乃至11の何れか1項目に記載の表示装置。
前記データ生成部は、連続する前記第1フレームおよび前記第2フレームに用いる前記第1表示データおよび前記第2表示データを、互いに異なる画像データから生成することを特徴とする項目1乃至11の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目14)
前記表示装置は、前記表示部と前記表示部を動作させるための制御回路とを含む映像表示部を備え、
前記映像表示部は、電気的に接続された複数の基板で構成されていることを特徴とする項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置。
前記表示装置は、前記表示部と前記表示部を動作させるための制御回路とを含む映像表示部を備え、
前記映像表示部は、電気的に接続された複数の基板で構成されていることを特徴とする項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置。
(項目15)
複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する画像表示部と、を有し、
前記画像表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、かつ、項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置を有することを特徴とする光電変換装置。
複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する画像表示部と、を有し、
前記画像表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、かつ、項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置を有することを特徴とする光電変換装置。
(項目16)
画像表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
前記画像表示部は、項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置を有することを特徴とする電子機器。
画像表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
前記画像表示部は、項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置を有することを特徴とする電子機器。
(項目17)
画像を表示するための表示デバイスを有するウェアラブルデバイスであって、
前記表示デバイスは、項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
画像を表示するための表示デバイスを有するウェアラブルデバイスであって、
前記表示デバイスは、項目1乃至14の何れか1項目に記載の表示装置を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神および範囲から離脱することなく、様々な変更および変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:表示部、101:画素、102~104:領域
Claims (17)
- 複数の画素がアレイ状に配された表示部と、
第1フレームにおいて、前記表示部のうち第1領域に対応する第1表示データを生成し、前記表示部の前記第1領域に第1画像を表示させ、第2フレームにおいて、前記表示部のうち前記第1領域を包含し、前記第1領域よりも大きい第2領域に対応する第2表示データを生成し、前記表示部の前記第2領域に第2画像を表示させるデータ生成部と、を含む表示装置であって、
前記第2領域のうち前記第1領域と重ならない領域を第3領域としたときに、前記第1画像の解像度と、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度と、が互いに異なることを特徴とする表示装置。 - 前記第1画像の解像度が、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記第2表示データを保持する第2領域用バッファをさらに含み、
前記第1フレームにおいて、前記表示部は、前記第1フレームよりも前の前記第2フレームで受けた前記第2表示データを用いて、前記第3領域に前記第2画像に応じた画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記第1表示データを保持する第1領域用バッファをさらに含み、
前記第2フレームにおいて、前記表示部は、前記第2フレームよりも前の前記第1フレームで受けた前記第1表示データを用いて、前記第1領域に前記第1画像に応じた画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記第1画像の解像度が、前記第2画像の解像度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1画像の解像度が、前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度の2n倍、ここでnは正整数であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1画像の解像度に対する前記第2画像のうち少なくとも前記第3領域の解像度の比と、前記複数の画素のうち前記第2領域の画素の数に対する前記複数の画素のうち前記第1領域の画素の数の比と、が同じことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- ユーザの前記表示部に対する視線位置を検知する視線検知部をさらに含み、
前記第1領域の前記表示部における位置が、前記視線位置に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記第3領域が、前記第1領域を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1フレームと前記第2フレームとが、所定の順番で繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1フレームと前記第2フレームとが、交互に繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記データ生成部は、連続する前記第1フレームおよび前記第2フレームに用いる前記第1表示データおよび前記第2表示データを、1つの画像データから生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記データ生成部は、連続する前記第1フレームおよび前記第2フレームに用いる前記第1表示データおよび前記第2表示データを、互いに異なる画像データから生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記表示装置は、前記表示部と前記表示部を動作させるための制御回路とを含む映像表示部を備え、
前記映像表示部は、電気的に接続された複数の基板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する画像表示部と、を有し、
前記画像表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、かつ、請求項1乃至14の何れか1項に記載の表示装置を有することを特徴とする光電変換装置。 - 画像表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
前記画像表示部は、請求項1乃至14の何れか1項に記載の表示装置を有することを特徴とする電子機器。 - 画像を表示するための表示デバイスを有するウェアラブルデバイスであって、
前記表示デバイスは、請求項1乃至14の何れか1項に記載の表示装置を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US17/815,746 US11972742B2 (en) | 2021-07-30 | 2022-07-28 | Display apparatus, photoelectric conversion apparatus, electronic equipment, and wearable device |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021126043 | 2021-07-30 | ||
JP2021126043 | 2021-07-30 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023020881A true JP2023020881A (ja) | 2023-02-09 |
Family
ID=85159283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022080354A Pending JP2023020881A (ja) | 2021-07-30 | 2022-05-16 | 表示装置、光電変換装置、電子機器、および、ウェアラブルデバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023020881A (ja) |
-
2022
- 2022-05-16 JP JP2022080354A patent/JP2023020881A/ja active Pending
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